JP2021041821A - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性への影響を考慮しつつ、転がり抵抗の低減が達成された、重荷重用空気入りタイヤ2の提供。【解決手段】このタイヤ2は、ベース部30と、ベース部30の径方向外側に位置するキャップ部32とを有するトレッド4と、トレッド4の端に連なる一対のサイドウォール6と、径方向において、トレッド4の内側に位置するベルト10とを備える。トレッド4に、少なくとも3本の周方向溝26が刻まれることにより軸方向に並列した少なくとも4本の陸部28が構成される。軸方向において、外側に位置する陸部28sの外縁34の部分に、ベース部30が露出し、ベース部30がキャップ部32の損失正接よりも低い損失正接を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、重荷重用空気入りタイヤに関する。
タイヤにおいて、トレッドの径方向外側部分は、耐摩耗性が考慮された架橋ゴムからなるキャップ部で構成される。キャップ部の径方向内側には、低発熱性の架橋ゴムからなるベース部が設けられる。耐摩耗性の向上と転がり抵抗の低減とを達成するために、ベース部とキャップ部とで構成されるトレッドについて、様々な検討が行われている(例えば、下記の特許文献1)。
特開2013−43609号公報
トラック、バス等の車両に装着される重荷重用空気入りタイヤでは、トレッドは大きなボリュームを有する。このため、このトレッドにおける発熱を抑えることができれば、転がり抵抗の低減を図ることができる。
このタイヤのトレッドは、周方向溝によって区画された複数の陸部を有する。これら陸部のうち、軸方向において外側に位置するショルダー陸部は、他の陸部に比べて、ショルダー周方向溝のゲーピングにより動きやすい。ショルダー陸部における発熱を抑えることができれば、転がり抵抗を効果的に低減できる見込みがある。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、耐摩耗性への影響を考慮しつつ、転がり抵抗の低減が達成された、重荷重用空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る重荷重用空気入りタイヤは、ベース部と、前記ベース部の径方向外側に位置するキャップ部とを有するトレッドと、前記トレッドの端に連なる一対のサイドウォールと、径方向において、前記トレッドの内側に位置するベルトとを備える。前記トレッドに、少なくとも3本の周方向溝が刻まれることにより軸方向に並列した少なくとも4本の陸部が構成される。前記少なくとも3本の周方向溝のうち、軸方向において、外側に位置する周方向溝がショルダー周方向溝であり、前記ショルダー周方向溝の内側に位置する周方向溝がミドル周方向溝である。前記少なくとも4本の陸部のうち、軸方向において、外側に位置する陸部がショルダー陸部であり、前記ショルダー陸部の内側に位置する陸部がミドル陸部である。前記ショルダー陸部の外縁部分に、前記ベース部が露出し、前記ベース部が前記キャップ部の損失正接よりも低い損失正接を有する。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記ショルダー陸部のうち、前記ベルトと重複する部分は、前記ベース部と、前記キャップ部とを含む。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記ショルダー陸部の外縁から、前記ショルダー陸部の外面における、前記ベース部と前記キャップ部との境界までの軸方向距離の、前記ショルダー陸部の軸方向幅に対する比率は5%以上50%以下である。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、タイヤの断面において、前記ショルダー陸部に含まれる前記ベース部の断面積の、前記ショルダー陸部の断面積に対する比率は30%以上60%以下である。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記ショルダー周方向溝の底を通り、前記ショルダー陸部の外面に沿って延びる直線をショルダー陸部基準線としたとき、前記ショルダー陸部の軸方向幅が半分になる位置における、前記ショルダー陸部基準線から前記ベース部と前記キャップ部との境界までの径方向距離の、前記ショルダー陸部基準線から前記ショルダー陸部の外面までの径方向距離に対する比率は、20%以上60%以下である。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記ミドル周方向溝の底と、前記ショルダー周方向溝の底と、を通る直線をミドル陸部基準線としたとき、前記ミドル陸部の軸方向幅が半分になる位置における、前記ミドル陸部基準線から前記ベース部と前記キャップ部との境界までの径方向距離の、前記ミドル陸部基準線から前記ミドル陸部の外面までの径方向距離に対する比率は、60%以下である。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記ベース部と前記キャップ部との境界が前記ショルダー陸部の外面に対してなす角度は70°以上90°以下である。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記ショルダー陸部において、前記ベース部と前記キャップ部との境界は、前記ショルダー陸部の外面に沿って延びる平坦部と、前記平坦部から前記ショルダー陸部の外面に向かって延びる湾曲部とを含む。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記サイドウォールの外端は、径方向において、前記平坦部よりも外側に位置する。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記ショルダー陸部の軸方向幅は、前記ミドル陸部の軸方向幅と同等である、又は、前記ミドル陸部の軸方向幅よりも広い。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、正規リムに組み込み、内圧を正規内圧に調整し、キャンバー角を0°として路面に接触させて、正規荷重の50%の荷重を負荷した状態において、前記ショルダー陸部の外面に露出した前記ベース部は前記路面と接触しない。
本発明の重荷重用空気入りタイヤでは、耐摩耗性への影響を考慮しつつ、転がり抵抗の低減が達成される。
図1は、本発明の一実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、タイヤのショルダー陸部が示された断面図である。 図3は、タイヤのミドル陸部が示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて、本発明が詳細に説明される。
本発明においては、タイヤを正規リムに組み込み、タイヤの内圧が正規内圧に調整され、このタイヤに荷重がかけられていない状態は、正規状態と称される。本発明では、特に言及がない限り、タイヤ各部の寸法及び角度は、正規状態で測定される。
正規リムとは、タイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。
正規内圧とは、タイヤが依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
正規荷重とは、タイヤが依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最大負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
図1は、本発明の一実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤ2(以下、単に「タイヤ2」と称することがある。)の一部を示す。このタイヤ2は、トラック、バス等の車両に装着される。
図1は、タイヤ2の回転軸を含む平面に沿った、このタイヤ2の断面の一部を示す。この図1において、左右方向はタイヤ2の軸方向であり、上下方向はタイヤ2の径方向である。この図1の紙面に対して垂直な方向は、タイヤ2の周方向である。
このタイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のビード(図示されず)、カーカス8、ベルト10、一対のクッション層12、及びインナーライナー14を備える。
トレッド4は、その外面16、すなわちトレッド面16において路面と接触する。トレッド4は、路面と接触するトレッド面16を有する。
符号PEは、トレッド面16の端である。タイヤ2において、外観上、トレッド面16の端PEの識別が不能な場合には、正規状態のタイヤ2に正規荷重を負荷して、キャンバー角を0゜としトレッド4を平面に接触させて得られる接地面の軸方向外側端がトレッド面16の端PEとして定められる。
図1において、両矢印WTはトレッド面16の軸方向幅である。トレッド面16の軸方向幅WTは、一方のトレッド面16の端PEから他方のトレッド面16の端PEまでの軸方向距離で表される。
それぞれのサイドウォール6は、トレッド4の端に連なる。サイドウォール6は、トレッド4の端から径方向内向きに延びる。サイドウォール6は、架橋ゴムからなる。
カーカス8は、トレッド4及びサイドウォール6の内側に位置する。図示されないが、カーカス8は一方のビードと他方のビードとを架け渡す。このカーカス8は、ラジアル構造を有する。カーカス8は、少なくとも1枚のカーカスプライ18を備える。このタイヤ2のカーカス8は、1枚のカーカスプライ18からなる。
図示されないが、カーカスプライ18は並列された多数のカーカスコードを含む。このタイヤ2では、カーカスコードの材質はスチールである。
ベルト10は、径方向において、トレッド4の内側に位置する。このベルト10は、カーカス8の径方向外側に位置する。ベルト10は、カーカス8に積層される。
ベルト10は、径方向に積層された複数の層20で構成される。このタイヤ2のベルト10は、4枚の層20で構成される。このタイヤ2では、ベルト10を構成する層20の数に特に制限はない。ベルト10の構成は、タイヤ2の仕様が考慮され適宜決められる。
図示されないが、それぞれの層20は並列された多数のベルトコードを含む。それぞれのベルトコードは赤道面に対して傾斜する。ベルトコードの材質はスチールである。
このタイヤ2では、4枚の層20のうち、第一層20Aと第三層20Cとの間に位置する第二層20Bが最大の軸方向幅を有する。径方向において最も外側に位置する第四層20Dが、最小の軸方向幅を有する。
図1に示されるように、第二層20B及び第三層20Cの端部はそれぞれゴム層22で覆われる。このタイヤ2では、第二層20Bの端部と第三層Cの端部との間に、計2枚のゴム層22からなるエッジ部材24が挟み込まれる。これにより、第三層20Cの端部は、径方向外向きに迫り上げられ、第二層20Bの端部から引き離して配置される。このエッジ部材24は架橋ゴムからなる。
それぞれのクッション層12は、ベルト10の端部において、このベルト10とカーカス8との間に位置する。クッション層12は、架橋ゴムからなる。
インナーライナー14は、カーカス8の内側に位置する。インナーライナー14は、タイヤ2の内面を構成する。インナーライナー14は、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。
このタイヤ2のトレッド4は、周方向に連続して延びる溝26、すなわち、周方向溝26によって区画された複数の陸部28を有する。このタイヤ2では、軸方向に並列した、少なくとも3本の周方向溝26がトレッド4に刻まれる。これにより、トレッド4には、軸方向に並列した、少なくとも4本の陸部28が構成される。図1に示されたタイヤ2では、4本の周方向溝が刻まれ、5本の陸部28がトレッド4に構成される。
4本の周方向溝26のうち、軸方向において外側に位置する周方向溝26s、すなわち、トレッド面16の端PEに近い周方向溝26sがショルダー周方向溝である。このショルダー周方向溝26sの軸方向内側に位置する周方向溝26mが、ミドル周方向溝である。このタイヤ2では、4本の周方向溝26は、一対のショルダー周方向溝26sと、一対のミドル周方向溝26mとで構成される。なお、このタイヤ2のトレッド4に5本以上の周方向溝26が刻まれ、ミドル周方向溝26mの軸方向内側にさらに別の周方向溝が設けられる場合には、この周方向溝がクラウン周方向溝と称される。
図1において、両矢印GMはミドル周方向溝26mの溝幅である。溝幅GMは、ミドル周方向溝26mの一方の縁から他方の縁までの最短距離により表される。両矢印DMは、ミドル周方向溝26mの深さである。両矢印GSは、ショルダー周方向溝26sの溝幅である。溝幅GSは、ショルダー周方向溝26sの一方の縁から他方の縁までの最短距離により表される。両矢印DSは、ショルダー周方向溝26sの深さである。周方向溝26の縁は、陸部28の縁でもある。
このタイヤ2では、排水性及びトラクション性能への貢献の観点から、ミドル周方向溝26mの溝幅GMはトレッド面16の軸方向幅WTの1〜10%が好ましい。このミドル周方向溝26mの深さDMは、13〜25mmが好ましい。
このタイヤ2では、排水性及びトラクション性能への貢献の観点から、ショルダー周方向溝26sの溝幅GSはトレッド面16の軸方向幅WTの1〜10%が好ましい。ショルダー周方向溝26sの深さDSは、13〜25mmが好ましい。
前述したように、このタイヤ2では、4本の周方向溝26がトレッド4に刻まれることにより、このトレッド4には5本の陸部28が構成される。これら陸部28は、周方向に延びる。陸部28は、周方向に連続して延びる凸条で構成されてもよく、周方向に間隔をあけて配置された多数のブロックで構成されてもよい。
5本の陸部28のうち、軸方向において外側に位置する陸部28s、すなわち、トレッド面16の端PEを含む陸部28sがショルダー陸部である。軸方向において、このショルダー陸部28sの内側に位置する陸部28mが、ミドル陸部である。軸方向において、このミドル陸部28mの内側に位置する陸部28cが、クラウン陸部である。図示されないが、このタイヤ2では、クラウン陸部28cが赤道上に位置する。
図1において、両矢印WCはクラウン陸部28cの軸方向幅である。この幅WCは、クラウン陸部28cの一方の縁から他方の縁までの軸方向距離により表される。両矢印WMは、ミドル陸部28mの軸方向幅である。この幅WMは、ミドル陸部28mの一方の縁から他方の縁までの軸方向距離により表される。両矢印WSは、ショルダー陸部28sの軸方向幅である。この幅WSは、ショルダー陸部28sの一方の縁から他方の縁までの軸方向距離により表される。
このタイヤ2では、5本の陸部28は、クラウン陸部28cと、一対のミドル陸部28mと、一対のショルダー陸部28sとで構成される。クラウン陸部28cとミドル陸部28mとの間はミドル周方向溝26mである。ミドル陸部28mとショルダー陸部28sとの間は、ショルダー周方向溝26sである。
このタイヤ2では、軸方向において、ミドル周方向溝26mとショルダー周方向溝26sとの間に、ベルトの第四層20Dの端が位置する。ベルトの第一層20A、第二層20B及び第三層20Cの端は、軸法呼応において、ショルダー周方向溝26sの外側に位置する。
図1において、符号RHsはショルダー陸部28sの軸方向幅WSが半分になる、このショルダー陸部28sの外面上の位置である。このタイヤ2では、第二層20Bの端、すなわち、ベルト10の端は、軸方向において、位置RHsの外側に位置する。このベルト10の端が、軸方向において、位置RHsの内側に位置してもよい。具体的には、ベルト10の端は、軸方向において、位置RHsから内側に5mmの位置から、この位置RHsから外側に5mmの位置までの範囲に配置される。
トレッド4は、ベース部30と、キャップ部32とを有する。ベース部30は、トレッド4の径方向内側部分を構成する。ベース部30は、ベルト10を覆う。キャップ部32は、ベース部30の径方向外側に位置する。キャップ部32は、ベース部30に積層される。
このタイヤ2のトレッド4は架橋ゴムからなる。トレッド4の一部をなすキャップ部32は耐摩耗性及びグリップ性能が考慮された架橋ゴムからなる。このトレッド4の他の一部をなすベース部30は、低発熱性の架橋ゴムからなる。
このタイヤ2のクラウン陸部28cでは、ベース部30全体がキャップ部32で覆われる。ミドル陸部28mにおいても、ベース部30全体がキャップ部32で覆われる。ショルダー陸部28sにおいては、ベース部30の一部がキャップ部32で覆われ、ベース部30の残りの部分はキャップ部32で覆われず、タイヤの外面に露出する。図1に示されるように、このタイヤ2では、ショルダー陸部28sの外縁34の部分に、ベース部30が露出する。
前述したように、ベース部30は低発熱性の架橋ゴムからなる。このタイヤ2では、ベース部30の損失正接(tanδとも称される。)はキャップ部32の損失正接よりも低い。言い換えれば、ベース部30はキャップ部32の損失正接よりも低い損失正接を有する。
このタイヤ2では、損失正接(tanδとも称される。)は、JIS K6394の規定に準拠し、粘弾性スペクトロメーターを用いて下記の条件にて測定される。
初期歪み=10%
振幅=±1%
周波数=10Hz
変形モード=引張
測定温度=70℃
このタイヤ2では、ショルダー陸部28sに含まれるベース部30のボリュームは、ベース部30全体がキャップ部32で覆われたショルダー陸部を有する、従来タイヤに比べて大きい。ベース部30はキャップ部32の損失正接よりも低い損失正接を有するので、このタイヤ2のショルダー陸部28sでは変形に伴う発熱が従来タイヤに比べて抑えられる。このショルダー陸部28sは、タイヤ2の転がり抵抗の低減に貢献する。
前述したように、タイヤ2はトレッド面16において路面と接触する。高い荷重(例えば、正規荷重)がタイヤ2に作用すれば、トレッド面16の端PEの部分、すなわち、ショルダー陸部28sの外縁34の部分が路面と接触する。しかしタイヤ2に作用する荷重が低い場合、タイヤ2と路面との接地幅は狭まり、ショルダー陸部28sの外縁34の部分は路面と接触しない。つまり、ショルダー陸部28sの外縁34の部分は、常時、路面と接触するわけではない。
このタイヤ2のトレッド4は、ショルダー陸部28sの外縁34の部分にベース部30が露出するように構成される。このタイヤ2では、露出したベース部30による耐摩耗性への影響が抑えられる。前述したように、このタイヤ2のショルダー陸部28sはタイヤ2の転がり抵抗の低減に貢献する。このタイヤ2では、耐摩耗性への影響を考慮しつつ、転がり抵抗の低減が達成される。
前述したように、このタイヤ2では、ベース部30の損失正接はキャップ部32の損失正接よりも低い。具体的には、キャップ部32の損失正接をLTcで表し、ベース部30の損失正接をLTbで表した場合、キャップ部32の損失正接LTcと、ベース部30の損失正接LTbとの差(LTc−LTb)は0.02以上が好ましい。このタイヤ2では、ベース部30が転がり抵抗の低減に貢献する。この観点から、この損失正接の差(LTc−LTb)は0.06以上がより好ましい。
このタイヤ2では、ベース部30が転がり抵抗の低減に貢献できる観点から、ベース部30の損失正接LTbは0.06以下が好ましく、0.04以下がより好ましい。なお、ベース部30の損失正接LTbは低いほど好ましいので、この損失正接LTbの好ましい下限は設定されない。
このタイヤ2では、耐摩耗性への影響を考慮しつつ、転がり抵抗の低減を図れる観点から、キャップ部32の損失正接LTcは0.08以上が好ましく、0.10以上がより好ましい。このキャップ部32の損失正接LTcは、0.22以下が好ましく、0.20以下がより好ましい。
図1において、符号PBは、トレッド面16、具体的には、ショルダー陸部28sの外面における、ベース部30とキャップ部32との境界を表す。ショルダー陸部28sの外面における、ベース部30とキャップ部32との境界PBは、ベース部30とキャップ部32との境界36の端である
このタイヤ2では、ベース部30とキャップ部32との境界36はショルダー陸部28sの外面に露出する。このタイヤ2では、ショルダー陸部28sの外面のうち、外縁34から境界PBまでの部分はベース部30からなり、この境界PBからショルダー陸部28sの内縁38までの部分はキャップ部32からなる。
図1に示されるように、ベルト10の端は、軸方向において、ショルダー陸部28sの外面における、ベース部30とキャップ部32との境界PBよりも内側に位置する。このタイヤ2では、ショルダー陸部28sのうち、径方向においてベルト10と重複する部分は、ベース部30とキャップ部32とを含む。
このタイヤ2では、トレッド4のうち、ベルト10で補強された部分は、ベース部30の径方向外側に、耐摩耗性が考慮されたキャップ部32が位置する。このタイヤ2は、ショルダー陸部28sの外縁34の部分にベース部30を露出させているにもかかわらず、良好な耐摩耗性を有する。この観点から、ショルダー陸部28sのうち、ベルト10と重複する部分は、ベース部30とキャップ部32とを含むのが好ましい。このベルト10と重複する部分は、ベース部30及びキャップ部32からなるのがより好ましい。
図1において、両矢印aは、ショルダー陸部28sの外縁34から、ショルダー陸部28sの外面における、ベース部30とキャップ部32との境界PBまでの軸方向距離である。
このタイヤ2では、ショルダー陸部28sの外縁34から、ショルダー陸部28sの外面における、ベース部30とキャップ部32との境界PBまでの軸方向距離aの、ショルダー陸部28sの軸方向幅WSに対する比率(a/WS)は、5%以上が好ましく、50%以下が好ましい。
比率(a/WS)が5%以上に設定されることにより、ショルダー陸部28sに含まれるベース部30のボリュームが確保される。このショルダー陸部28sは、転がり抵抗の低減に貢献する。この観点から、この比率(a/WS)は10%以上がより好ましい。
比率(a/WS)が50%以下に設定されることにより、ショルダー陸部28sに含まれるベース部30が過剰に露出することが抑えられる。このタイヤ2では、このショルダー陸部28sによる耐摩耗性への影響が効果的に抑えられる。この観点から、この比率(a/WS)は40%以下がより好ましい。
図1において、符号LSの実線は、ショルダー周方向溝26sの底を通り、ショルダー陸部28sの外縁34と内縁38とを結ぶ直線と平行な直線である。この直線LSは、ショルダー陸部基準線である。このタイヤ2では、このショルダー陸部基準線LSから突出する部分がショルダー陸部28sである。
このタイヤ2では、図1に示された断面において、ショルダー陸部28sに含まれるベース部30の断面積Abの、このショルダー陸部28sの断面積Asに対する比率(Ab/As)は、30%以上が好ましく、60%以下が好ましい。
比率(Ab/As)が30%以上に設定されることにより、ショルダー陸部28sに含まれるベース部30のボリュームが確保される。このショルダー陸部28sは、転がり抵抗の低減に貢献する。この観点から、この比率(Ab/As)は35%以上がより好ましい。
比率(Ab/As)が60%以下に設定されることにより、ショルダー陸部28sに含まれるベース部30のボリュームが適切に維持される。摩耗により露出する面に占めるベース部30の割合が適正に抑えられる。このタイヤ2では、ショルダー陸部28sの早期摩耗が防止される。この観点から、この(Ab/As)は55%以下がより好ましい。
このタイヤ2では、ショルダー陸部28sの軸方向幅WSは、ミドル陸部28mの軸方向幅WMと同等である、又は、ミドル陸部28mの軸方向幅WMよりも広いのが好ましい。これにより、ショルダー陸部28sに含まれるベース部30のボリュームが確保される。このタイヤ2では、転がり抵抗の低減が効果的に図れる。
このタイヤ2では、ショルダー陸部28sの軸方向幅WSの、ミドル陸部28mの軸方向幅WMに対する比(WS/WM)は、0.95以上が好ましく、1.20以下が好ましい。
比(WS/WM)が0.95以上に設定されることにより、ショルダー陸部28sのボリュームが確保される。これにより、ショルダー陸部28sに含まれるベース部30が確保されるので、このショルダー陸部28sが転がり抵抗の低減に効果的に貢献できる。この観点から、この比(WS/WM)は1.05以上がより好ましい。
比(WS/WM)が1.20以下に設定されることにより、路面との接地面に占めるショルダー陸部28sの割合が適正に維持される。露出したベース部30による、耐摩耗性及び耐偏摩耗性への影響が効果的に抑えられる。この観点から、この比(WS/WM)は1.15以下がより好ましい。
このタイヤ2では、ショルダー陸部28sのボリューム確保の観点から、ミドル陸部28mの軸方向幅WMの、クラウン陸部28cの軸方向幅WCに対する比(WM/WC)は0.95以上が好ましい。路面との接地面に占めるショルダー陸部28sの割合が適正に維持される観点から、この比(WM/WC)は1.05以下が好ましい。
前述したように、ショルダー陸部28sの外面における、ベース部30とキャップ部32との境界PBは、ベース部30とキャップ部32との境界36の端である。このタイヤ2では、ベース部30とキャップ部32との境界36は、一方の端PBから他方の端PBまで連続する。このタイヤ2では、ショルダー陸部28sの外面にベース部30が露出するように、ベース部30とキャップ部32との境界36が構成されればよく、この境界の形状に特に制限はない。このタイヤ2では、耐摩耗性と転がり抵抗とが考慮され、適正な形状でこの境界が構成される。
図1に示されるように、ベース部30とキャップ部32との境界36は、周方向溝26の部分では径方向内向きに窪み、2つの周方向溝で挟まれた部分では陸部の外面に沿って延びる。この境界は、周方向溝の数と同数の窪み部40を有する。一の窪み部40とこの一の窪み部40の隣に位置する他の窪み部40との間に、平坦部42が構成される。
前述したように、このタイヤ2では、ショルダー陸部28sの外縁34の部分に、ベース部30が露出する。図1に示されるように、ショルダー陸部28sにおける、ベース部30とキャップ部32との境界36には、ショルダー周方向溝26sの部分に構成された窪み部40から、ショルダー陸部28sの外面に沿って延びる平坦部42と、この平坦部42からショルダー陸部28sの外面、詳細には、境界の端PBに向かって延びる湾曲部44とが構成される。このショルダー陸部28sにおいて、ベース部30とキャップ部32との境界36は、平坦部42と、湾曲部44とを含む。
ベース部30とキャップ部32との境界36での剥離が防止される観点から、図1に示されるように、このタイヤ2では、湾曲部44の形状は軸方向外向きに拡径する曲線で構成される。この湾曲部44の形状は、例えば、複数の円弧で構成されてもよく、単一の円弧で構成されてもよい。
このタイヤ2では、平坦部42はキャップ部32のボリューム確保に貢献し、湾曲部44はベース部30のボリューム確保に貢献する。このため、平坦部42と湾曲部44とを含むショルダー陸部28sは、耐摩耗性への影響を考慮しつつ、転がり抵抗の低減を図ることに効果的に貢献する。この観点から、このタイヤ2では、ショルダー陸部28sにおいて、ベース部30とキャップ部32との境界36は、ショルダー陸部28sの外面に沿って延びる平坦部42と、平坦部42からショルダー陸部28sの外面に向かって延びる湾曲部44とを含むのが好ましい。この場合、サイドウォール6の外端6eが、径方向において、この平坦部42よりも外側に位置するのがより好ましい。なお、このタイヤ2では、ショルダー陸部28sにおける平坦部42と湾曲部44との境界の位置は、耐摩耗性と転がり抵抗とが考慮され、適宜設定されるが、この境界はベルト10の端の部分に設けられるのが好ましい。具体的には、この境界は、軸方向において、ベルト10の端から内側に5mmの位置から、このベルト10の端から外側に5mmの位置までの範囲に設けられるのが好ましい。
図2には、図1に示されたタイヤの一部が示される。この図2は、ショルダー陸部28sを示す。図2において、左右方向はタイヤ2の軸方向であり、上下方向はタイヤ2の径方向である。この図1の紙面に対して垂直な方向は、タイヤ2の周方向である。
図2において、符号RHsは、前述した通り、ショルダー陸部28sの軸方向幅WSが半分になる、このショルダー陸部28sの外面上の位置である。実線HWSは、この位置RHsを通り、径方向に延びる直線である。符号SHsは、直線HWSとショルダー陸部基準線LSとの交点である。符号BHsは、直線HWSと、ベース部30とキャップ部32との境界36との交点である。
この図2において、両矢印HVは、交点SHsから位置RHsまでの径方向距離を表す。この径方向距離HVは、ショルダー陸部28sの軸方向幅WSが半分になる位置における、ショルダー陸部基準線LSからショルダー陸部の外面までの径方向距離である。両矢印HBは、交点SHsから交点BHsまでの径方向距離である。この径方向距離HBは、ショルダー陸部28sの軸方向幅WSが半分になる位置における、ショルダー陸部基準線LSからベース部30とキャップ部32との境界36までの径方向距離である。
このタイヤ2では、径方向距離HBの、径方向距離HVに対する比率(HB/HV)は、20%以上が好ましく、60%以下が好ましい。
比率(HB/HV)が20%以上に設定されることにより、ショルダー陸部28sに含まれるベース部30のボリュームが確保される。このショルダー陸部28sは、転がり抵抗の低減に貢献する。この観点から、この比率(HB/HV)は30%以上がより好ましい。
比率(HB/HV)が60%以下に設定されることにより、ショルダー陸部28sに含まれるベース部30のボリュームが適切に維持される。摩耗により露出する面に占めるベース部30の割合が適正に抑えられる。ショルダー陸部28sの早期摩耗が防止されるので、このショルダー陸部28sは、ベルト10の補強によりコントロールした接地形状が偏摩耗の発生を抑制することに効果的に貢献する。この観点から、この比率(HB/HV)は50%以下がより好ましい。
図2において、符号θは、ベース部30とキャップ部32との境界36がショルダー陸部28sの外面に対してなす角度を表す。この角度θは、境界の湾曲部44の延長線(すなわち境界の端PBにおける湾曲部44の接線)と、この端PBにおけるショルダー陸部28sの外面の接線とがなす角度により表される。
このタイヤ2では、ベース部30とキャップ部32との境界36がショルダー陸部28sの外面に対してなす角度θは、70°以上が好ましく、90°以下が好ましい。
角度θが70°以上に設定されることにより、ショルダー陸部28sに含まれるベース部30のボリュームが適切に維持される。摩耗により露出する面に占めるベース部30の割合が適正に抑えられる。このタイヤ2では、ショルダー陸部28sの早期摩耗が防止される。
角度θが90°以下に設定されることにより、ショルダー陸部28sのボリュームが確保される。これにより、ショルダー陸部28sに含まれるベース部30が確保されるので、このショルダー陸部28sが転がり抵抗の低減に効果的に貢献できる。
図3には、図1に示されたタイヤの一部が示される。この図3は、ミドル陸部を示す。図3において、左右方向はタイヤ2の軸方向であり、上下方向はタイヤ2の径方向である。この図3の紙面に対して垂直な方向は、タイヤ2の周方向である。
図3において、符号LMの実線は、ショルダー周方向溝26sの底及びミドル周方向溝26mの底を通る、直線である。この直線LMは、ミドル陸部基準線である。このタイヤ2では、このミドル陸部基準線LMから突出する部分がミドル陸部28mである。
この図3において、符号RHmはミドル陸部28mの軸方向幅WMが半分になる、このミドル陸部28mの外面上の位置である。実線HWMは、この位置RHmを通り、径方向に延びる直線である。符号SHmは、直線HWMとミドル陸部基準線LMとの交点である。符号BHmは、直線HWMと、ベース部30とキャップ部32との境界36との交点である。
この図3において、両矢印HMは、交点SHmから位置RHmまでの径方向距離を表す。この径方向距離HMは、ミドル陸部28mの軸方向幅WMが半分になる位置における、ミドル陸部基準線LMからミドル陸部28mの外面までの径方向距離である。両矢印BMは、交点SHmから交点BHmまでの径方向距離である。この径方向距離BMは、ミドル陸部28mの軸方向幅WMが半分になる位置における、ミドル陸部基準線LMからベース部30とキャップ部32との境界36までの径方向距離である。
このタイヤ2では、径方向距離BMの、径方向距離HMに対する比率(BM/HM)は、60%以下が好ましい。
比率(BM/HM)が60%以下に設定されることにより、ミドル陸部28mに含まれるベース部30のボリュームが適切に維持される。摩耗により露出する面に占めるベース部30の割合が適正に抑えられる。ミドル陸部28mの早期摩耗が防止されるので、良好な耐摩耗性及び耐偏摩耗性が適切に維持される。この観点から、この比率(BM/HM)は40%以下がより好ましい。ミドル陸部28mに含まれるベース部30のボリュームが確保され、転がり抵抗の低減が図れる観点から、この比率(BM/HM)は10%以上が好ましい。
以上の説明から明らかなように、本発明の重荷重用空気入りタイヤ2では、耐摩耗性への影響を考慮しつつ、転がり抵抗の低減が達成される。本発明によれば、耐摩耗性への影響を考慮しつつ、転がり抵抗の低減が達成された重荷重用空気入りタイヤが得られる。特に、本発明は、正規リムに組み込み、内圧を正規内圧に調整し、キャンバー角を0°として路面に接触させて、正規荷重の50%の荷重を負荷した状態において、ショルダー陸部28sの外面に露出したベース部30が路面と接触しない、重荷重用空気入りタイヤ2において、より顕著な効果を奏する。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は前述の実施形態に限定されるものではなく、この技術的範囲には特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
以下、実施例などにより、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示された構成を備え、下記の表1に示された仕様を備えた重荷重用空気入りタイヤ(タイヤサイズ=11R22.5)を得た。
この実施例1では、トレッドは、ショルダー陸部の外縁部分に、ベース部が露出するように構成された。
ベース部を構成する架橋ゴムの損失正接(tanδ)LTbは0.03であった。キャップ部を構成する架橋ゴムの損失正接LTcは0.11であった。キャップ部の損失正接LTcとベース部の損失正接LTbとの差(LTc−LTb)、すなわち、損失正接の差は、0.08であった。
ショルダー陸部の軸方向幅WSの、ミドル陸部の軸方向幅WMに対する比(WS/WM)は、1.10であった。
ショルダー陸部の外縁から、ショルダー陸部の外面における、ベース部とキャップ部との境界PBまでの軸方向距離aの、ショルダー陸部の軸方向幅WSに対する比率(a/WS)は20%であった。
ミドル陸部の軸方向幅WMが半分になる位置における、ミドル陸部基準線LMからベース部とキャップ部との境界までの径方向距離BMの、ミドル陸部基準線LMからミドル陸部の外面までの径方向距離HMに対する比率(BM/HM)は、20%であった。
ショルダー陸部の軸方向幅WSが半分になる位置における、ショルダー陸部基準線LSからベース部とキャップ部との境界までの径方向距離HBの、ショルダー陸部基準線LSからショルダー陸部の外面までの径方向距離HVに対する比率(HB/HV)は、40%であった。
[比較例1]
比較例1では、ベース部の損失正接LTbを変えて損失正接の差を下記の表1に示される通りに設定するとともに、比率(a/WS)がこの表1に示される通りに設定された。他は実施例1と同様に設定された。比較例1は、従来のタイヤである。この比較例1のショルダー陸部では、ベース部全体がキャップ部で覆われた。
[実施例2−3]
実施例2−3では、ベース部の損失正接LTbを変えて損失正接の差が下記の表1に示される通りに設定された。他は実施例1と同様に設定された。
[実施例4]
実施例4では、ベース部の損失正接LTbを変えて損失正接の差を下記の表1に示される通りに設定するとともに、比(WS/WM)がこの表1に示される通りに設定された。他は実施例1と同様に設定された。
[実施例5及び8−11]
実施例5及び8−11では、ベース部の損失正接LTbを変えて損失正接の差を下記の表2に示される通りに設定するとともに、比率(a/WS)及び比率(HB/HV)がこの表2に示される通りに設定された。他は実施例1と同様に設定された。
[実施例6−7]
実施例6−7では、ベース部の損失正接LTbを変えて損失正接の差を下記の表2に示される通りに設定するとともに、比率(HB/HV)がこの表2に示される通りに設定された。他は実施例1と同様に設定された。
[転がり抵抗(RRC)]
転がり抵抗試験機を用い、試作タイヤが下記の条件でドラム上を速度80km/hで走行するときの転がり抵抗係数(RRC)を測定した。この結果が、指数で下記の表1及び2に示されている。数値が大きいほど、転がり抵抗が小さく優れる。
リム:正規リム
内圧:900kPa
縦荷重:28.76kN
[耐摩耗性]
試作タイヤを正規リムに組み込み空気を充填しタイヤの内圧を800kPaに調整した。このタイヤを、試験車両(2−Dトラック)のドライブ輪に装着した。この試験車両(積載荷重=8トン)で一般道路を走行し、耐摩耗性を評価した。走行距離が4万5000km(摩耗率30%に相当)に達した時点で、摩耗量を計測した。この結果が、指数で、下記の表1及び2に示されている。数値が大きいほど、摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れる。
[耐偏摩耗性]
前述の耐摩耗性の評価を行った試作タイヤにおいて、ショルダー陸部の外縁部分の摩耗量と、ミドル陸部の外縁部分の摩耗量を計測し、両者の差を求めた。この結果が、指数で、下記の表1及び2に示されている。数値が大きいほど、ショルダー陸部の肩落ち摩耗の程度は小さく、耐偏摩耗性に優れる。
[耐TGC(トレッド・グルーブ・クラッキング)性能]
前述の耐摩耗性の評価を行った試作タイヤにおいて、ショルダー周方向溝の底を目視で観察し、クラックの発生の有無を確認した。この結果が、下記の表1及び2に示されている。この表1及び2には、クラックの発生が認められなかった場合がGで、クラックが散見された場合がNGで表されている。
Figure 2021041821
Figure 2021041821
表1及び2に示されるように、実施例では、耐摩耗性への影響を考慮しつつ、転がり抵抗の低減が達成されていることが確認できる。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された転がり抵抗の低減を図る技術は、種々のタイヤに適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
10・・・ベルト
16・・・外面(トレッド面)
20、20A、20B、20C、20D・・・層
26、26s、26m・・・周方向溝
28、28s、28m、28c・・・陸部
30・・・ベース部
32・・・キャップ部
34・・・ショルダー陸部28sの外縁
36・・・ベース部30とキャップ部32との境界
38・・・ショルダー陸部28sの内縁
40・・・窪み部
42・・・平坦部
44・・・湾曲部

Claims (11)

  1. ベース部と、前記ベース部の径方向外側に位置するキャップ部とを有するトレッドと、
    前記トレッドの端に連なる一対のサイドウォールと、
    径方向において、前記トレッドの内側に位置するベルトと
    を備え、
    前記トレッドに、少なくとも3本の周方向溝が刻まれることにより軸方向に並列した少なくとも4本の陸部が構成され、
    前記少なくとも3本の周方向溝のうち、軸方向において、外側に位置する周方向溝がショルダー周方向溝であり、前記ショルダー周方向溝の内側に位置する周方向溝がミドル周方向溝であり、
    前記少なくとも4本の陸部のうち、軸方向において、外側に位置する陸部がショルダー陸部であり、前記ショルダー陸部の内側に位置する陸部がミドル陸部であり、
    前記ショルダー陸部の外縁部分に、前記ベース部が露出し、
    前記ベース部が前記キャップ部の損失正接よりも低い損失正接を有する、重荷重用空気入りタイヤ。
  2. 前記ショルダー陸部のうち、前記ベルトと重複する部分が、前記ベース部と、前記キャップ部とを含む、請求項1に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  3. 前記ショルダー陸部の外縁から、前記ショルダー陸部の外面における、前記ベース部と前記キャップ部との境界までの軸方向距離の、前記ショルダー陸部の軸方向幅に対する比率が5%以上50%以下である、請求項1又は2に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  4. タイヤの断面において、前記ショルダー陸部に含まれる前記ベース部の断面積の、前記ショルダー陸部の断面積に対する比率が30%以上60%以下である、請求項1から3のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  5. 前記ショルダー周方向溝の底を通り、前記ショルダー陸部の外面に沿って延びる直線をショルダー陸部基準線としたとき、
    前記ショルダー陸部の軸方向幅が半分になる位置における、前記ショルダー陸部基準線から前記ベース部と前記キャップ部との境界までの径方向距離の、前記ショルダー陸部基準線から前記ショルダー陸部の外面までの径方向距離に対する比率が、20%以上60%以下である、請求項1から4のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  6. 前記ミドル周方向溝の底と、前記ショルダー周方向溝の底と、を通る直線をミドル陸部基準線としたとき、
    前記ミドル陸部の軸方向幅が半分になる位置における、前記ミドル陸部基準線から前記ベース部と前記キャップ部との境界までの径方向距離の、前記ミドル陸部基準線から前記ミドル陸部の外面までの径方向距離に対する比率が、60%以下である、請求項1から5のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  7. 前記ベース部と前記キャップ部との境界が前記ショルダー陸部の外面に対してなす角度が70°以上90°以下である、請求項1から6のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  8. 前記ショルダー陸部において、前記ベース部と前記キャップ部との境界が、前記ショルダー陸部の外面に沿って延びる平坦部と、前記平坦部から前記ショルダー陸部の外面に向かって延びる湾曲部とを含む、請求項1から7のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  9. 前記サイドウォールの外端が、径方向において、前記平坦部よりも外側に位置する、請求項8に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  10. 前記ショルダー陸部の軸方向幅が、前記ミドル陸部の軸方向幅と同等である、又は、前記ミドル陸部の軸方向幅よりも広い、請求項1から9のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  11. 正規リムに組み込み、内圧を正規内圧に調整し、キャンバー角を0°として路面に接触させて、正規荷重の50%の荷重を負荷した状態において、前記ショルダー陸部の外面に露出した前記ベース部が前記路面と接触しない、請求項1から10のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
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