JP2021041506A - 制御方法およびロボットシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】ロボットアームにおいて跳ね返り状態が生じたか否かを判定することができる制御方法およびロボットシステムを提供すること。【解決手段】力制御を行っている際、ロボットアームが外力を受けることによって、制御点が第2位置から第1位置に向かって移動する跳ね返り状態が生じたか否かを判定する判定ステップを有し、判定ステップでは、以下の条件A、条件Bおよび条件Cを満足した場合、跳ね返り状態が生じたと判定し、条件A、条件Bおよび条件Cの1つでも満足しない場合、跳ね返り状態が生じていないと判定することを特徴とする制御方法。条件A:ロボットアームの第1位置から第2位置に向かう方向の速度成分が第1閾値よりも小さい。条件B:前記ロボットアームの第1位置から第2位置に向かう方向の加速度成分が第2閾値よりも小さい。条件C:第2位置から第1位置に向かう方向の力成分の大きさが第3閾値よりも大きい。【選択図】図3

Description

本発明は、制御方法およびロボットシステムに関する。
例えば特許文献1には、ロボットアームおよび力センサーを有するロボットをインピーダンス制御するインピーダンスパラメータ調整装置が開示されている。ユーザーが、ロボットの動作を所望の動作にするために、インピーダンスパラメータ調整装置に対してパラメータを入力、設定することにより、インピーダンスパラメータが決定する。そして、インピーダンスパラメータ調整装置がそのインピーダンスパラメータでロボットをインピーダンス制御する。
特開2001−277162号公報
しかしながら、ユーザーが入力したインピーダンスパラメータが適切ではなかった場合、ロボットアームが受ける外力によってはロボットが意図した方向とは異なる方向に移動することがある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下のものとして実現することが可能である。
本発明の制御方法は、ロボットアームと、前記ロボットアームの先端側に設置されるエンドエフェクターと、前記ロボットアームに加わる力を検出する検出部と、前記ロボットアームの先端側に設定された制御点の速度の情報および加速度の情報を取得する取得部、とを備えるロボットの前記制御点が、第1位置から第2位置に移動するように、動作プログラムに基づいて前記ロボットアームに対して力制御を行う制御方法であって、
前記力制御を行っている際、前記ロボットアームが外力を受けることによって、前記制御点が前記第2位置から前記第1位置に向かって移動する跳ね返り状態が生じたか否かを判定する判定ステップを有し、
前記判定ステップでは、以下の条件A、条件Bおよび条件Cを満足した場合、前記跳ね返り状態が生じたと判定し、前記条件A、前記条件Bおよび前記条件Cの1つでも満足しない場合、前記跳ね返り状態が生じていないと判定することを特徴とする。
条件A:前記制御点の前記第1位置から前記第2位置に向かう方向の速度成分が第1閾値よりも小さい。
条件B:前記制御点の前記第1位置から前記第2位置に向かう方向の加速度成分が第2閾値よりも小さい。
条件C:前記第2位置から前記第1位置に向かう方向の力成分の大きさが第3閾値よりも大きい。
本発明のロボットシステムは、ロボットアームと、
前記ロボットアームの先端側に設置されるエンドエフェクターと、
前記ロボットアームに加わる力を検出する検出部と、
前記ロボットアームの先端側に設定された制御点の速度の情報および加速度の情報を取得する取得部と、
前記制御点が第1位置から第2位置に移動するように、動作プログラムに基づいて前記ロボットアームに対して力制御を行う制御部と、
前記力制御を行っている際、前記ロボットアームが外力を受けることによって、前記制御点が前記第2位置から前記第1位置に向かって移動する跳ね返り状態が生じたか否かを判定する判定部と、を備え、
前記判定部は、以下の条件A、条件Bおよび条件Cを満足した場合、前記跳ね返り状態が生じたと判定し、前記条件A、前記条件Bおよび前記条件Cの1つでも満足しない場合、前記跳ね返り状態が生じていないと判定することを特徴とする。
条件A:前記制御点の前記第1位置から前記第2位置に向かう方向の速度成分が第1閾値よりも小さい。
条件B:前記制御点の前記第1位置から前記第2位置に向かう方向の加速度成分が第2閾値よりも小さい。
条件C:前記第2位置から前記第1位置に向かう方向の力成分の大きさが第3閾値よりも大きい。
図1は、第1実施形態のロボットシステムの全体構成を示す図である。 図2は、図1に示すロボットシステムのブロック図である。 図3は、図1に示す制御装置がロボットアームに対して力制御を行っている状態を示す側面図である。 図4は、図1に示す制御装置がロボットアームに対して力制御を行っている状態を示す側面図であって、跳ね返り状態が生じている様子を示す図である。 図5は、図1に示す判定装置を示す回路図である。 図6は、力制御が行われているロボットアームの制御点の目標位置と時間との関係を示すグラフである。 図7は、力制御が行われているロボットアームの速度と、時間との関係を示すグラフである。 図8は、力制御が行われているロボットアームの加速度と、時間との関係を示すグラフである。 図9は、力制御が行われているロボットアームに加わった力と、時間との関係を示すグラフである。 図10は、力制御が行われているロボットアームの情報のログを示す表である。 図11は、図1に示す制御装置が行う制御動作を説明するためのフローチャートである。 図12は、ディスプレイに表示される表示の一例を示す図である。 図13は、ディスプレイに表示される表示の一例を示す図である。 図14は、ロボットシステムについてハードウェアを中心として説明するためのブロック図である。 図15は、ロボットシステムのハードウェアを中心とした変形例1を示すブロック図である。 図16は、ロボットシステムのハードウェアを中心とした変形例2を示すブロック図である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態のロボットシステムの全体構成を示す図である。図2は、図1に示すロボットシステムのブロック図である。図3は、図1に示す制御装置がロボットアームに対して力制御を行っている状態を示す側面図である。図4は、図1に示す制御装置がロボットアームに対して力制御を行っている状態を示す側面図であって、跳ね返り状態が生じている様子を示す図である。図5は、図1に示す判定装置を示す回路図である。図6は、力制御が行われているロボットアームの制御点の目標位置と時間との関係を示すグラフである。図7は、力制御が行われているロボットアームの速度と、時間との関係を示すグラフである。図8は、力制御が行われているロボットアームの加速度と、時間との関係を示すグラフである。図9は、力制御が行われているロボットアームに加わった力と、時間との関係を示すグラフである。図10は、力制御が行われているロボットアームの情報のログを示す表である。図11は、図1に示す制御装置が行う制御動作を説明するためのフローチャートである。図12および図13は、ディスプレイに表示される表示の一例を示す図である。
以下、本発明の制御方法およびロボットシステムを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下では、説明の便宜上、図1、図3および図4中の+Z軸方向、すなわち、上側を「上」、−Z軸方向、すなわち、下側を「下」とも言う。また、ロボットアームについては、図1中の基台11側を「基端」、その反対側、すなわち、エンドエフェクター20側を「先端」とも言う。また、図1中のZ軸方向、すなわち、上下方向を「鉛直方向」とし、X軸方向およびY軸方向、すなわち、左右方向を「水平方向」とする。
図1に示すように、ロボットシステム100は、ロボット1と、ロボット1を制御するロボット制御装置(以下単に「制御装置3」と言う)と、を備え、本発明の制御方法を実行する。
ロボット1は、本実施形態では単腕の6軸垂直多関節ロボットであり、その先端部にエンドエフェクター20を装着することができる。なお、ロボット1は、単腕型の多関節ロボットであるが、これに限定されず、例えば、双腕型の多関節ロボットであってもよい。
制御装置3は、ロボット1から離間して配置されており、プロセッサーの1例であるCPU(Central Processing Unit)が内蔵されたコンピューター等で構成することができる。ロボット1は、基台11と、ロボットアーム10と、を有している。
基台11は、ロボットアーム10を下側から駆動可能に支持する支持体であり、例えば工場内の床に固定されている。ロボット1は、基台11が中継ケーブル18を介して制御装置3と電気的に接続されている。なお、ロボット1と制御装置3との接続は、図1に示す構成のように有線による接続に限定されず、例えば、無線による接続であってもよく、さらには、インターネットのようなネットワークを介して接続されていてもよい。
本実施形態では、ロボットアーム10は、第1アーム12と、第2アーム13と、第3アーム14と、第4アーム15と、第5アーム16と、第6アーム17とを有し、これらのアームが基台11側からこの順に連結されている。なお、ロボットアーム10が有するアームの数は、6つに限定されず、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは7つ以上であってもよい。また、各アームの全長等の大きさは、それぞれ、特に限定されず、適宜設定可能である。
基台11と第1アーム12とは、関節171を介して連結されている。そして、第1アーム12は、基台11に対し、鉛直方向と平行な第1回動軸を回動中心とし、その第1回動軸回りに回動可能となっている。第1回動軸は、基台11が固定される床の法線と一致している。
第1アーム12と第2アーム13とは、関節172を介して連結されている。そして、第2アーム13は、第1アーム12に対し、水平方向と平行な第2回動軸を回動中心として回動可能となっている。第2回動軸は、第1回動軸に直交する軸と平行である。
第2アーム13と第3アーム14とは、関節173を介して連結されている。そして、第3アーム14は、第2アーム13に対して水平方向と平行な第3回動軸を回動中心として回動可能となっている。第3回動軸は、第2回動軸と平行である。
第3アーム14と第4アーム15とは、関節174を介して連結されている。そして、第4アーム15は、第3アーム14に対し、第3アーム14の中心軸方向と平行な第4回動軸を回動中心として回動可能となっている。第4回動軸は、第3回動軸と直交している。
第4アーム15と第5アーム16とは、関節175を介して連結されている。そして、第5アーム16は、第4アーム15に対して第5回動軸を回動中心として回動可能となっている。第5回動軸は、第4回動軸と直交している。
第5アーム16と第6アーム17とは、関節176を介して連結されている。そして、第6アーム17は、第5アーム16に対して第6回動軸を回動中心として回動可能となっている。第6回動軸は、第5回動軸と直交している。
また、第6アーム17は、ロボットアーム10の中で最も先端側に位置するロボット先端部となっている。この第6アーム17は、ロボットアーム10の駆動により、エンドエフェクター20ごと回動することができる。
ロボット1は、駆動部としてのモーターM1、モーターM2、モーターM3、モーターM4、モーターM5およびモーターM6と、エンコーダーE1、エンコーダーE2、エンコーダーE3、エンコーダーE4、エンコーダーE5およびエンコーダーE6とを備える。モーターM1は、関節171に内蔵され、基台11と第1アーム12とを相対的に回転させる。モーターM2は、関節172に内蔵され、第1アーム12と第2アーム13とを相対的に回転させる。モーターM3は、関節173に内蔵され、第2アーム13と第3アーム14とを相対的に回転させる。モーターM4は、関節174に内蔵され、第3アーム14と第4アーム15とを相対的に回転させる。モーターM5は、関節175に内蔵され、第4アーム15と第5アーム16とを相対的に回転させる。モーターM6は、関節176に内蔵され、第5アーム16と第6アーム17とを相対的に回転させる。
また、エンコーダーE1は、関節171に内蔵され、モーターM1の位置を検出する。エンコーダーE2は、関節172に内蔵され、モーターM2の位置を検出する。エンコーダーE3は、関節173に内蔵され、モーターM3の位置を検出する。エンコーダーE4は、関節174に内蔵され、モーターM4の位置を検出する。エンコーダーE5は、関節175に内蔵され、モーターM5の位置を検出する。エンコーダーE6は、関節176に内蔵され、モーターM6の位置を検出する。
エンコーダーE1〜E6は、制御装置3と電気的に接続されており、モーターM1〜モーターM6の位置が制御装置3に電気信号として送信される。そして、この位置情報に基づいて、制御装置3は、モーターM1を、モータードライバーD1を介して駆動し、制御装置3は、モーターM2を、モータードライバーD2を介して駆動し、制御装置3は、モーターM3を、モータードライバーD3を介して駆動し、制御装置3は、モーターM4を、モータードライバーD4を介して駆動し、制御装置3は、モーターM5を、モータードライバーD5を介して駆動し、制御装置3は、モーターM6を、モータードライバーD6を介して駆動する。すなわち、ロボットアーム10を制御するということは、モーターM1〜モーターM6を制御することである。
また、ロボットアーム10には、力を検出する力検出部19が着脱自在に設置される。そして、ロボットアーム10は、力検出部19が設置された状態で駆動することができる。力検出部19は、本実施形態では、6軸力覚センサーである。力検出部19は、互いに直交する3個の検出軸上の力の大きさと、当該3個の検出軸まわりのトルクの大きさとを検出する。すなわち、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸の各軸方向の力成分と、X軸回りとなるW方向の力成分と、Y軸回りとなるV方向の力成分と、Z軸回りとなるU方向の力成分とを検出する。なお、本実施形態では、Z軸方向が鉛直方向となっている。また、各軸方向の力成分を「並進力成分」と言い、各軸回りの力成分を「トルク成分」と言うこともできる。また、力検出部19は、6軸力覚センサーに限定されず、他の構成のものであってもよい。このような力検出部19は、制御装置3と電気的に接続されており、検出した力に相当する情報が制御装置3に送信される。
本実施形態では、力検出部19は、第6アーム17に設置されている。なお、力検出部19の設置箇所としては、第6アーム17、すなわち、最も先端側に位置するアームに限定されず、例えば、他のアームや、隣り合うアーム同士の間であってもよい。
また、ロボット1は、ロボットアーム10の任意の部位に設置された慣性センサー21を有する。慣性センサー21は、ロボットアーム10の速度および加速度に相当する情報を検出する。また、慣性センサー21は、制御装置3と電気的に接続されており、速度および加速度に関する情報は、制御装置3に送信され、ロボット1の制御に用いられる。なお、本実施形態では、後述するように、条件Aおよび条件Bに判定には、慣性センサー21の検出結果を用いないが、本発明では、これに限定されず、条件Aおよび条件Bに判定に慣性センサー21の検出結果を用いてもよい。この場合、力検出部19および慣性センサー21によって、取得部が構成される。
力検出部19には、エンドエフェクター20を着脱可能に装着することができる。エンドエフェクター20は、2つの爪部を有し、互いに接近、離間させることで後述する第1部材W1等を把持する作業を行うことができる。なお、エンドエフェクター20としては、図示の構成に限定されず、例えば、吸引、ネジ締め等を行う機能を有するものであってもよい。また、ロボットシステム100では、ロボット座標系において、エンドエフェクター20の先端には、制御点であるツールセンターポイントTCPが設定されている。すなわち、エンドエフェクター20の各爪部が接触した状態における先端にツールセンターポイントTCPが設定されている。
このようなロボット1は、制御装置3によって、作動が制御される。
次に、制御装置3について説明する。
ロボットシステム100は、制御装置3と、教示装置4と、を備えている。制御装置3は、中継ケーブル18によりロボット1と通信可能に接続される。なお、制御装置3の構成要素がロボット1に備えられていても良い。制御装置3と教示装置4とはケーブルで、または無線通信可能に接続される。教示装置4は、専用のコンピューターであってもよいし、ロボット1を教示するためのプログラムがインストールされた汎用のコンピューターであってもよい。例えばロボット1を教示するための専用装置であるティーチングペンダントを教示装置4の代わりに用いても良い。さらに、制御装置3と教示装置4とは、図1に示すように別々の筐体を備えていてもよいし、一体に構成されていてもよい。
教示装置4には、制御装置3に後述する目標位置Sと目標力fStとを引数とする実行プログラムを生成して制御装置3にロードするための教示プログラムがインストールされている。教示装置4は、ディスプレイ41やプロセッサーやRAMやROMを備え、これらのハードウェア資源が教示プログラムと協働して実行プログラムを生成する。なお、教示装置4のディスプレイ41が、後述する報知部として機能する。
制御装置3は、ロボット1の制御を行うための制御プログラムがインストールされたコンピューターである。制御装置3は、インピーダンス制御部30と、判定部34と、記憶部35と、を有する。この制御装置3は、ロボット1の動作を力制御等で制御することが可能である。「力制御」とは、力検出部19の検出結果に基づいて、エンドエフェクター20の位置、すなわち、ツールセンターポイントTCPの位置や、第1アーム12〜第6アーム17の姿勢を変更したりするロボット1の動作の制御のことである。力制御には、例えば、インピーダンス制御と、フォーストリガー制御とが含まれている。
インピーダンス制御部30は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーを備え、図5に示すように、座標変換部31、座標変換部32、補正部33および演算部36により構成される。また、インピーダンス制御部30は、判定部34からの入力や、記憶部35に記憶されたプログラム等に基づいて、ロボットアーム10の各部、エンドエフェクター20、教示装置4の駆動をそれぞれ独立して制御する。
フォーストリガー制御では、力検出部19により力検出を行い、その力検出部19により所定の力を検出するまで、ロボットアーム10に移動や姿勢の変更の動作をさせる。
インピーダンス制御は、倣い制御を含む。まず、簡単に説明すると、インピーダンス制御では、ロボットアーム10の先端部に加わる力を可能な限り所定の力に維持、すなわち、力検出部19により検出される所定方向の力を可能な限り目標力fStに維持するようにロボットアーム10の動作を制御する。これにより、例えば、ロボットアーム10に対してインピーダンス制御を行うと、ロボットアーム10は、対象物に対し、前記所定方向について倣う動作を行う。なお、目標力fStには、0も含まれる。例えば、倣い動作の場合には、目標値を「0」とすることができる。なお、目標力fStを0以外の数値とすることもできる。この目標力fStは、作業者が適宜設定可能である。
制御装置3は、モーターM1〜モーターM6の回転角度の組み合わせと、ロボット座標系におけるツールセンターポイントTCPの位置との対応関係を記憶している。また、制御装置3は、ロボット1が行う作業の工程ごとに目標位置Sと目標力fStとの少なくとも一方をコマンドに基づいて記憶する。目標位置Sと目標力fStを引数(パラメーター)とするコマンドはロボット1が行う作業の工程ごとに設定される。
制御装置3は、設定された目標位置Sと目標力fStとがツールセンターポイントTCPにて一致されるように、コマンドに基づいて第1アーム12〜第6アーム17を制御する。目標力fStとは、第1アーム12〜第6アーム17の動作に応じて力検出部19が検出すべき力である。ここで、「S」の文字は、ロボット座標系を規定する軸の方向(X,Y,Z,U,V,W)のいずれか1つの方向を表すこととする。また、Sは、S方向の位置も表すこととする。例えば、S=Xの場合、ロボット座標系にて設定された目標位置のX方向成分がS=Xとなり、目標力のX方向成分がfSt=fXtとなる。
また、制御装置3では、モーターM1〜モーターM6の回転角度を取得すると、図5に示す座標変換部31が、対応関係に基づいて、当該回転角度をロボット座標系におけるツールセンターポイントTCPの位置S(X,Y,Z,V,W,U)に変換する。そして、座標変換部32が、ツールセンターポイントTCPの位置Sと、力検出部19の検出値とに基づいて、力検出部19に現実に作用している作用力fをロボット座標系において特定する。
作用力fの作用点は、ツールセンターポイントTCPとは別に原点Oとして定義される。原点Oは、力検出部19が力を検出している点に対応する。なお制御装置3は、ロボット座標系におけるツールセンターポイントTCPの位置Sごとに、力検出部19のセンサー座標系における検出軸の方向を規定した対応関係を記憶している。従って、制御装置3は、ロボット座標系におけるツールセンターポイントTCPの位置Sと対応関係とに基づいて、ロボット座標系における作用力fを特定できる。また、ロボットに作用するトルクは、作用力fと、ツール接触点、すなわち、エンドエフェクター20とワークの接触点から力検出部19までの距離とから算出することができ、トルク成分として特定される。
補正部33は、作用力fに対して重力補償を行う。重力補償とは、作用力fから重力に起因する力やトルクの成分を除去することである。重力補償を行った作用力fは、エンドエフェクター20に作用している重力以外の力と見なすことができる。
また、補正部33は、作用力fに対して慣性補償を行う。慣性補償とは、作用力fから慣性力に起因する力やトルクの成分を除去することである。慣性補償を行った作用力fは、エンドエフェクター20に作用している慣性力以外の力と見なすことができる。
判定部34は、後述するように、ロボットアーム10に対して力制御を行っている際、ロボットアーム10が外力を受けることによって、ツールセンターポイントTCPが第2位置P2から第1位置P1に向かって移動する跳ね返り状態が生じたか否かを判定する。このことに関しては、後に詳述する。
なお、本実施形態では、判定部34は、制御装置3内に内蔵された構成である。ただし、これに限定されず、判定部34は、判定装置として、制御装置3とは別の場所に設置されていてもよい。この場合、制御装置3と判定装置とは、例えば、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続されていてもよい。
記憶部35には、インピーダンス制御部30により実行可能な各種プログラム、制御動作中に用いる基準データ、閾値、検量線等が記憶されている。なお、各種プログラムには、本発明の制御方法を実行するためのプログラムが含まれている。記憶部35は、例えばRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリーや、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリー等を含んで構成されている。なお、記憶部35は、非着脱式に限らず、着脱式の外部記憶装置を有する構成であってもよい。また、記憶部35は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して別の場所に設置されていてもよい。
また、記憶部35には、図6〜図9に示すようなデータや、図10に示すようなデータが随時更新、記憶される。図6は、力制御が行われているロボットアーム10のツールセンターポイントTCPの目標位置と、時間との関係を示すグラフである。図6のグラフでは、横軸が時間(ms)、縦軸がツールセンターポイントTCPの目標位置の座標を示している。図7は、力制御が行われているロボットアーム10の速度と、時間との関係を示すグラフである。図7のグラフでは、横軸が時間(ms)、縦軸が、ツールセンターポイントTCPのZ軸方向の速度成分を示している。図8は、力制御が行われているロボットアーム10の加速度と、時間との関係を示すグラフである。図8のグラフでは、横軸が時間(ms)、縦軸が、ツールセンターポイントTCPのZ軸方向の加速度成分を示している。図9は、力制御が行われているロボットアーム10に加わった力、すなわち、力検出部19が検出した力と、時間との関係を示すグラフである。図9のグラフでは、横軸が時間(ms)、縦軸が、力検出部19が検出したZ軸方向の力成分を示している。
図10は、力制御が行われているロボットアーム10の情報のログを示す表である。図10に示す表では、表中左側から、「Fz Force」、「CurPos」、「TCPSpeed」、「TCPAccel」、「判定ロジック」、「判定ロジック」、「判定ロジック」の項目が記されており、これらの項目が2msごとに記憶されている。
「ElapsedTime[msec]」の項目は、力制御を開始してからの経過時間を示している。「Fz Force」の項目は、力検出部19が検出したZ軸方向、すなわち、第1位置P1から第2位置P2に向かう方向の力成分を示している。「CurPos」の項目は、ツールセンターポイントTCPの目標位置の座標を示している。「TCPSpeed」は、ロボットアーム10のZ軸方向の速度成分を示している。「TCPAccel」は、ロボットアーム10のZ軸方向の加速度成分を示している。「判定ロジック」の項目は、「Fz Force」、「TCPSpeed」および「TCPAccel」の項目の一括した判定結果を示している。
次に、インピーダンス制御について説明する。
インピーダンス制御は、仮想の機械的インピーダンスをモーターM1〜モーターM6によって実現する能動インピーダンス制御である。制御装置3は、このようなインピーダンス制御を、ワークの嵌合作業、螺合作業、研磨作業等、エンドエフェクター20が対象物であるワークから力を受ける接触状態の工程で実行する。なお、このような工程以外であっても、例えば、人がロボット1に接触した際にインピーダンス制御を行うことにより、安全性を高めることができる。
インピーダンス制御では、目標力fStを後述する運動方程式に代入してモーターM1〜モーターM6の回転角度を導出する。制御装置3がモーターM1〜モーターM6を制御する信号は、PWM(Pulse Width Modulation)変調された信号である。運動方程式に基づいて目標力fStから回転角度を導出してモーターM1〜モーターM6を制御するモードを力制御モードという。また制御装置3は、エンドエフェクター20が外力を受けない非接触状態の工程では、目標位置Sから線形演算で導出する回転角度でモーターM1〜モーターM6を制御する。目標位置Sから線形演算で導出する回転角度でモーターM1〜モーターM6を制御するモードを位置制御モードという。また制御装置3は、目標位置Sから線形演算で導出する回転角度と目標力fStを運動方程式に代入して導出する回転角度とを例えば線型結合によって統合し、統合した回転角度でモーターM1〜モーターM6を制御するハイブリッドモードでもロボット1を制御する。制御装置3は、位置制御モードと力制御モードとハイブリッドモードとを力検出部19またはエンコーダーE1〜E6の検出値に基づいて自律的に切り替え可能であり、また、入力されたコマンドに応じて位置制御モードと力制御モードとハイブリッドモードを切り替えることもできる。以上の構成より制御装置3は、エンドエフェクター20が目標の位置において目標の姿勢となり、かつ、エンドエフェクター20に目標の力とモーメントとが作用するようにロボットアーム10を駆動することができる。
制御装置3は、目標力fStと作用力fとをインピーダンス制御の運動方程式に代入することにより、力由来補正量ΔSを特定する。力由来補正量ΔSとは、ツールセンターポイントTCPが機械的インピーダンスを受けた場合に、目標力fStとの力偏差Δf(t)を解消するために、ツールセンターポイントTCPが移動すべき位置Sの大きさを意味する。下記の式(1)は、インピーダンス制御の運動方程式である。
Figure 2021041506
式(1)の左辺は、ツールセンターポイントTCPの位置Sの2階微分値に仮想慣性係数m(以下、「質量係数m」という)を乗算した第1項と、ツールセンターポイントTCPの位置Sの微分値に仮想粘性係数d(以下、「粘性係数d」という)を乗算した第2項と、ツールセンターポイントTCPの位置Sに仮想弾性係数k(以下、「弾性係数k」という)を乗算した第3項とによって構成される。式(1)の右辺は、目標力fStから現実の力fを減算した力偏差Δf(t)によって構成される。式(1)における微分とは、時間による微分を意味する。ロボット1が行う工程において、目標力fStとして一定値が設定される場合もあるし、目標力fStとして時間の関数が設定される場合もある。
質量係数mは、ツールセンターポイントTCPが仮想的に有する質量を意味し、粘性係数dは、ツールセンターポイントTCPが仮想的に受ける粘性抵抗を意味し、弾性係数kは、ツールセンターポイントTCPが仮想的に受ける弾性力のバネ定数を意味する。
質量係数mの値が大きくなるにつれて、動作の加速度が小さくなり、質量係数mの値が小さくなるにつれて動作の加速度が大きくなる。粘性係数dの値が大きくなるにつれて、動作の速度が遅くなり、粘性係数dの値が小さくなるにつれて動作の速度が速くなる。弾性係数kの値が大きくなるにつれて、バネ性が大きくなり、弾性係数kの値が小さくなるにつれて、バネ性が小さくなる。
本明細書では、質量係数m、粘性係数dおよび弾性係数kを制御パラメーターと言う。これら質量係数m、粘性係数dおよび弾性係数kは、方向ごとに異なる値に設定されてもよいし、方向に関わらず共通の値に設定されてもよい。また、質量係数m、粘性係数dおよび弾性係数kは、作業者が、作業前に教示装置4から適宜入力、設定可能である。
このように、ロボットシステム100では、力検出部19の検出値と、予め設定された制御パラメーターと、予め設定された目標力から求めた補正量を求める。この補正量は、前述した力由来補正量ΔSのことであり、外力を受けたその位置からツールセンターポイントTCPを移動すべき位置との差のことである。そして、この力由来補正量ΔSを、外力を受けた位置に移動させるために用いていた位置制御指令値(以下、単に「指令値」と言う)に合算して、新たな指令値を求める。そしてこの新たな指令値によりロボットを制御することにより、力由来補正量ΔSを加味した位置にツールセンターポイントTCPを移動させて、外力が加わった衝撃を緩和し、ロボットに接触した対象物に対し、それ以上負荷がかかるのを緩和することができる。その結果、作業を安全かつ安定的に行うことができる。
次に、判定部34について説明する。判定部34は、後述するように、ロボットアーム10に対して力制御を行っている際、ロボットアーム10が外力を受けることによって、ツールセンターポイントTCPが第2位置P2から第1位置P1に向かって移動する跳ね返り状態が生じたか否かを判定する。
具体的には、跳ね返り状態は、例えば、以下のような現象のことを言う。
以下では、図4に示すように、エンドエフェクター20は、棒状の第1部材W1を、第2部材W2の孔W3に嵌合させる作業を行う場合について説明する。第2部材W2は、孔W3の延在方向がZ軸に沿う向きで図示しない作業面に配置されている。そして、ロボット1は、エンドエフェクター20が第1部材W1を把持したまま、ツールセンターポイントTCPが開始位置である第1位置P1から目標位置である第2位置P2に位置するまで力制御を行う。第1位置P1および第2位置P2は、+Z軸側からこの順で並んで配置されている。
図4に示すように、例えば、棒状の第1部材W1を、第2部材W2の孔W3に挿入する際、力制御の速度によっては、第1部材W1と孔W3の縁部が接触したときや、第1部材W1と孔W3の内面とが接触したとき等にロボットアーム10に不本意な負荷がかかり、ツールセンターポイントTCPが第2位置P2から第1位置P1に向かう方向に意図せず移動してしまうことがある。また、その後、ツールセンターポイントTCPが+Z軸側および−Z軸側への移動を交互に繰り返してしまうようなことがある。このような現象を跳ね返り状態という。
すなわち、跳ね返り状態とは、所定の経路を辿っているにも関わらず、外力を受けることによって、その経路を戻ってしまうことを言う。また、辿っていた経路と、戻る際の経路とが完全に一致していなくても、生じたずれが20°以内であれば、跳ね返り状態に含まれる。
このような跳ね返り状態が生じるということは、ユーザーが設定した質量係数m、粘性係数dおよび弾性係数kの値が適切ではない。特に、粘性係数dの設定値が大きすぎるために生じることが分かっている。このような跳ね返り状態が生じた場合、質量係数m、粘性係数dおよび弾性係数kの値を再設定しなおす必要がある。
従来では、ユーザーがロボットアームの様子を目視で確認して、跳ね返り状態が生じたか否かを判断し、その後、質量係数m、粘性係数dおよび弾性係数kの値を再設定していた。しかしながら、目視で跳ね返り状態を確認するのは、きわめて難しく、また、質量係数m、粘性係数dおよび弾性係数kの値の再設定も、きわめて難しい。
このようなことを鑑みて、本発明では、以下のような制御を行うことにより、上記課題を解決した。以下、このことを説明する。
判定部34は、以下の条件A、条件Bおよび条件Cを満足した場合、跳ね返り状態が生じたと判定し、条件A、条件Bおよび条件Cの1つでも満足しない場合、跳ね返り状態が生じていないと判定する。
条件A:ツールセンターポイントTCPの第1位置P1から第2位置P2に向かう方向の速度成分が第1閾値S1よりも小さい。
条件B:ツールセンターポイントTCPの第1位置P1から第2位置P2に向かう方向の加速度成分が第2閾値S2よりも小さい。
条件C:第2位置P2から第1位置P1に向かう方向の力成分の大きさが第3閾値S3よりも大きい。
このような判定を行うことにより、力制御中に跳ね返り状態が生じたことを正確に検出することができる。以下、具体的に説明する。
図5に示すように、インピーダンス制御部30は、演算部36(演算回路)を有する。この演算部36は、図10に示す「ElapsedTime」の項目と、「CurPos」の項目とから、ロボットアーム10の第1位置P1から第2位置P2に向かう方向の速度成分と、ロボットアーム10の第1位置P1から第2位置P2に向かう方向の加速度成分と、を演算して算出する。すなわち、演算部36は、記憶部36に記憶された経過時間と、ツールセンターポイントTCPの位置とに基づいて、ツールセンターポイントTCPの速度および加速度を求める。この演算部36が、ツールセンターポイントの速度および加速度の情報を取得する取得部である。
そして、判定部34は、ツールセンターポイントTCPの第1位置P1から第2位置P2に向かう方向の速度成分が第1閾値S1よりも小さいか否かを判定する。この判定が、条件Aを満足するか否かの判定(第1判定)である。
また、判定部34は、ツールセンターポイントTCPの第1位置P1から第2位置P2に向かう方向の加速度成分が第2閾値S2よりも小さいか否かを判定する。この判定が、条件Bを満足するか否かの判定(第2判定)である。
また、図5に示すように、インピーダンス制御部30には、力検出部19がA/D変換部213を介して接続されている。このため、力検出部19の検出結果がインピーダンス制御部30を介して記憶部35に記憶される。演算部36は、力検出部19の検出結果から第2位置P2から第1位置P1に向かう方向の力成分を算出する。この算出結果が、図10に示すように、記憶部35に随時記憶される。
そして、判定部34は、第2位置P2から第1位置P1に向かう方向の力成分の大きさが第3閾値S3よりも大きいか否かを判定する。この判定が、条件Cを満足するか否かの判定(第3判定)である。
このように、判定部34が条件A〜条件Cを満足するか否かを判定し、の条件A、条件Bおよび条件Cを満足した場合、跳ね返り状態が生じたと判定し、条件A、条件Bおよび条件Cの1つでも満足しない場合、跳ね返り状態が生じていないと判定(総合判定)する。このような判定を行うことにより、目視で確認するのが難しい跳ね返り状態が生じたか否かを正確に判定することができる。
また、図示の構成では、2ms毎に条件A〜条件Cを判定しているが、このサイクルタイムは、特に限定されない。
また、例えば、図7中丸印で囲んでいる部分が、条件Aを満足する状態を示している。また、例えば、図8中丸印で囲んでいる部分が、条件Bを満足する状態を示している。また、例えば、図9中丸印で囲んでいる部分が、条件Cを満足する状態を示している。条件Aおよび条件Bは、同時に満足しているが、条件Cは、条件Aおよび条件Bよりも後に満足している。
これは、条件Cの判定はリアルタイムで行うことができるが、条件Aおよび条件Bの判定は、過去の「ElapsedTime」の項目および「CurPos」の項目に基づいて算出するため、条件Cの判定よりも遅い。このタイムラグは、例えば、80ms程度である。このようなことを鑑みて、図10に示すログにおいて、所定の経過時間における条件Cの判定とともに、条件Aおよび条件Bの判定は、条件Cの判定を行った経過時間から所定時間遡った経過時間における「CurPos」の項目の数値を用いるのが好ましい。すなわち、条件A〜条件Cを満足するか否かの判定において、条件Aおよび条件Bの判定は、「Fz Force」の判定の対象となる時間の所定数上の段の数値で判定するのが好ましい。これにより、条件A〜条件Cを満足したか否かの判定をよりリアルタイムに近い判定とすることができ、さらに正確に判定することができる。
また、インピーダンス制御部30は、この判定結果を教示装置4のディスプレイ41に表示して報知する。これにより、ユーザーは、跳ね返り状態が生じたことを認識することができる。すなわち、ユーザーが設定した質量係数m、粘性係数dおよび弾性係数kの値が適切ではないことを認識することができ、ユーザーが質量係数m、粘性係数dおよび弾性係数kの再設定を行うことができる。
また、質量係数m、粘性係数dおよび弾性係数kの再設定は、熟練度の低いユーザーには難しいが、以下のような表示を行うことにより、熟練度の低いユーザーであっても再設定を行うことができる。
例えば、図12および図13に示すようなポップアップウインドウをディスプレイ41に表示することにより、ユーザーに上記を報知することができる。
図12に示すポップアップウインドウ401には、「Fz軸方向で跳ね返り動作を検出しました。所望の動作でない場合、LimitAccelまたはFirmnessプロパティーの値を増加させてください。詳しい調整方法は、説明書を参照してください。」という文字が表示されている。
また、例えば、図13に示すポップアップウインドウ402には、「Fz軸方向で跳ね返り動作を検出しました。所望の動作でない場合、パラメーター調整が必要です。説明書を参照してください。」という文字と、力検出部19が検出した力と時間との関係を示すグラフとが表示されている。
このような表示を行うことにより、力制御パラメーターの再設定をユーザーに促すことができる。特に、図12中の「Firmness」は、粘性係数dを示している。この粘性係数dは、跳ね返り状態が生じる主な原因である。粘性係数dの値を大きくするように促す表示を行うことにより、ユーザーは、力パラメーターの再設定を的確に行うことができる。
なお、上記では、判定結果を報知する報知部として、教示装置4のディスプレイ41に表示する構成について説明したが、本発明では、これに限定されず、例えば、ディスプレイ41とは異なる表示部に表示する構成であってもよく、音声により報知する構成であってもよく、これらを組み合わせて報知する構成であってもよい。
以上説明したように、本発明のロボットシステム100は、ロボットアーム10と、ロボットアーム10の先端側に設置されるエンドエフェクター20と、ロボットアーム10に加わる力を検出する検出部である力検出部19と、ロボットアーム10の先端側に設定された制御点であるツールセンターポイントTCPの速度の情報および加速度の情報を取得する取得部である演算部36と、ツールセンターポイントTCPが、第1位置P1から第2位置P2に移動するように、動作プログラムに基づいてロボットアーム10に対して力制御を行う制御部としてのインピーダンス制御部30と、力制御を行っている際、ロボットアーム10が外力を受けることによって、ツールセンターポイントTCPが第2位置P2から第1位置P1に向かって移動する跳ね返り状態が生じたか否かを判定する判定部34と、を備える。また、判定部34は、以下の条件A、条件Bおよび条件Cを満足した場合、跳ね返り状態が生じたと判定し、条件A、条件Bおよび条件Cの1つでも満足しない場合、跳ね返り状態が生じていないと判定する。
条件A:ツールセンターポイントTCPの第1位置P1から第2位置P2に向かう方向の速度成分が第1閾値S1よりも小さい。
条件B:ツールセンターポイントTCPの第1位置P1から第2位置P2に向かう方向の加速度成分が第2閾値S2よりも小さい。
条件C:第2位置P2から第1位置P1に向かう方向の力成分の大きさが第3閾値S3よりも大きい。
このような判定を行うことにより、力制御中に、目視では確認が困難である跳ね返り状態が生じたことを正確に判定することができる。
次に、本発明の制御方法、すなわち、制御装置3が行う制御動作について、図11に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、ステップS101において、ユーザーが設定した力制御パラメーターに基づいて力制御を開始する(図3および図4参照)。この際、力検出部19による検出、および、速度、加速度の算出も開始する。
次に、ステップS102において、前述したように条件A、条件Bおよび条件Cを満足しているか否かを判定する。ステップS102が、跳ね返り状態が生じたか否かを判定する判定ステップである。
ステップS102において、条件A、条件Bおよび条件Cを満足していた場合、跳ね返り状態が生じているとみなし、ステップS103において、図12や図13に示すようなポップアップを表示する。このステップS103が、判定ステップの判定結果を報知する報知ステップである。
このように、判定ステップの判定結果を報知する報知ステップを有することにより、ユーザーは、跳ね返り状態が生じたことを認識することができる。
また、制御装置3が行う力制御は、設定された仮想粘性係数である粘性係数dを含む力制御パラメーターに基づいて行われるものである。そして、報知ステップでは、現状の粘性係数dの大小に関する情報を報知する。これにより、ユーザーは、跳ね返り状態が生じる主な原因である粘性係数dの再設定を的確に行うことができる。
次に、ステップS104において、動作プログラムが完了したか否かを判断する。ステップS104において、完了していないと判断した場合、ステップS102に戻り、以降のステップを順次繰り返す。
以上説明したように、本発明の制御方法は、ロボットアーム10と、ロボットアーム10の先端側に設置されるエンドエフェクター20と、ロボットアーム10に加わる力を検出する検出部である力検出部19と、ロボットアーム10の先端側に設定された制御点であるツールセンターポイントTCPの速度の情報および加速度の情報を取得する取得部である演算部36と、を備えるロボット1のツールセンターポイントTCPが、第1位置P1から第2位置P2に移動するように、動作プログラムに基づいてロボットアーム10に対して力制御を行う制御方法である。また、本発明の制御方法は、力制御を行っている際、ロボットアーム10が外力を受けることによって、ツールセンターポイントTCPが第2位置P2から第1位置P1に向かって移動する跳ね返り状態が生じたか否かを判定する判定ステップを有し、判定ステップでは、以下の条件A、条件Bおよび条件Cを満足した場合、跳ね返り状態が生じたと判定し、条件A、条件Bおよび条件Cの1つでも満足しない場合、跳ね返り状態が生じていないと判定することを特徴とする。
条件A:ツールセンターポイントTCPの第1位置P1から第2位置P2に向かう方向の速度成分が第1閾値S1よりも小さい。
条件B:ツールセンターポイントTCPの第1位置P1から第2位置P2に向かう方向の加速度成分が第2閾値S2よりも小さい。
条件C:第2位置P2から第1位置P1に向かう方向の力成分の大きさが第3閾値S3よりも大きい。
これにより、力制御中に、目視では確認が困難である跳ね返り状態が生じたことを正確に判定することができる。
なお、本実施形態では、判定ステップの後に、判定ステップの結果に基づいて、報知ステップを行う構成であるが、本発明ではこれに限定されず、例えば、判定ステップの後に報知ステップを省略し、代わりに、力制御パラメーターの補正を行う補正ステップを行ってもよく、報知ステップを省略せずに、報知ステップと補正ステップとを同時または順次行ってもよい。
また、判定ステップでは、条件A、条件Bおよび条件Cを満足する時間が所定時間に達したときに、跳ね返り状態が生じたと判断してもよい。これにより、誤検出が生じるのを防止または抑制することができる。
また、条件Aを満足するか否かの判定においても、所定時間に達したときに、跳ね返り状態が生じたと判断してもよい。このことは、条件Bおよび条件Cについても同様である。
また、制御装置3は、図10に示すような力制御が行われているロボットアームの情報のログに基づいて、分類手法として深層学習を用いた判定を行ってもよい。深層学習としては、DNN(Deep Neural Network)、CNN(Convolutional Neural Network)、RNN(Recurrent Neural Network)等が挙げられる。このような深層学習を用いた判定を行うことにより、跳ね返り状態が生じたときのロボットアームの動作の特徴を抽出し、その抽出結果を判定に反映させることができ、さらに正確な判定を行うことができる。
<ロボットシステムの他の構成例>
図14は、ロボットシステムについてハードウェアを中心として説明するためのブロック図である。
図14には、ロボット1とコントローラー61とコンピューター62が接続されたロボットシステム100Aの全体構成が示されている。ロボット1の制御は、コントローラー61にあるプロセッサーによりメモリーにある指令を読み出して実行されてもよいし、コンピューター62に存在するプロセッサーによりメモリーにある指令を読み出してコントローラー61を介して実行されてもよい。
従って、コントローラー61とコンピューター62とのいずれか一方または両方を「制御装置」として捉えることができる。
<変形例1>
図15は、ロボットシステムのハードウェアを中心とした変形例1を示すブロック図である。
図15には、ロボット1に直接コンピューター63が接続されたロボットシステム100Bの全体構成が示されている。ロボット1の制御は、コンピューター63に存在するプロセッサーによりメモリーにある指令を読み出して直接実行される。
従って、コンピューター63を「制御装置」として捉えることができる。
<変形例2>
図16は、ロボットシステムのハードウェアを中心とした変形例2を示すブロック図である。
図16には、コントローラー61が内蔵されたロボット1とコンピューター66が接続され、コンピューター66がLAN等のネットワーク65を介してクラウド64に接続されているロボットシステム100Cの全体構成が示されている。ロボット1の制御は、コンピューター66に存在するプロセッサーによりメモリーにある指令を読み出して実行されてもよいし、クラウド64上に存在するプロセッサーによりコンピューター66を介してメモリーにある指令を読み出して実行されてもよい。
従って、コントローラー61とコンピューター66とクラウド64とのいずれか1つ、または、いずれか2つ、または、3つを「制御装置」として捉えることができる。
以上、本発明の制御方法およびロボットシステムを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。また、ロボットシステムを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
1…ロボット、3…制御装置、4…教示装置、10…ロボットアーム、11…基台、12…第1アーム、13…第2アーム、14…第3アーム、15…第4アーム、16…第5アーム、17…第6アーム、18…中継ケーブル、19…力検出部、20…エンドエフェクター、21…慣性センサー、30…インピーダンス制御部、31…座標変換部、32…座標変換部、33…補正部、34…判定部、35…記憶部、41…ディスプレイ、61…コントローラー、62…コンピューター、63…コンピューター、64…クラウド、65…ネットワーク、66…コンピューター、100…ロボットシステム、100A…ロボットシステム、100B…ロボットシステム、100C…ロボットシステム、171…関節、172…関節、173…関節、174…関節、175…関節、176…関節、213…A/D変換部、401…ポップアップウインドウ、402…ポップアップウインドウ、D1…モータードライバー、D2…モータードライバー、D3…モータードライバー、D4…モータードライバー、D5…モータードライバー、D6…モータードライバー、E1…エンコーダー、E2…エンコーダー、E3…エンコーダー、E4…エンコーダー、E5…エンコーダー、E6…エンコーダー、M1…モーター、M2…モーター、M3…モーター、M4…モーター、M5…モーター、M6…モーター、P1…第1位置、P2…第2位置、TCP…ツールセンターポイント、W1…第1部材、W2…第2部材、W3…孔

Claims (4)

  1. ロボットアームと、前記ロボットアームの先端側に設置されるエンドエフェクターと、前記ロボットアームに加わる力を検出する検出部と、前記ロボットアームの先端側に設定された制御点の速度の情報および加速度の情報を取得する取得部、とを備えるロボットの前記制御点が、第1位置から第2位置に移動するように、動作プログラムに基づいて前記ロボットアームに対して力制御を行う制御方法であって、
    前記力制御を行っている際、前記ロボットアームが外力を受けることによって、前記制御点が前記第2位置から前記第1位置に向かって移動する跳ね返り状態が生じたか否かを判定する判定ステップを有し、
    前記判定ステップでは、以下の条件A、条件Bおよび条件Cを満足した場合、前記跳ね返り状態が生じたと判定し、前記条件A、前記条件Bおよび前記条件Cの1つでも満足しない場合、前記跳ね返り状態が生じていないと判定することを特徴とする制御方法。
    条件A:前記制御点の前記第1位置から前記第2位置に向かう方向の速度成分が第1閾値よりも小さい。
    条件B:前記制御点の前記第1位置から前記第2位置に向かう方向の加速度成分が第2閾値よりも小さい。
    条件C:前記第2位置から前記第1位置に向かう方向の力成分の大きさが第3閾値よりも大きい。
  2. 前記判定ステップの判定結果を報知する報知ステップを有する請求項1に記載の制御方法。
  3. 前記力制御は、設定された仮想粘性係数を含む力制御パラメーターに基づいて行われ、
    前記報知ステップでは、現状の前記仮想粘性係数の大小に関する情報を報知する請求項2に記載の制御方法。
  4. ロボットアームと、
    前記ロボットアームの先端側に設置されるエンドエフェクターと、
    前記ロボットアームに加わる力を検出する検出部と、
    前記ロボットアームの先端側に設定された制御点の速度の情報および加速度の情報を取得する取得部と、
    前記制御点が第1位置から第2位置に移動するように、動作プログラムに基づいて前記ロボットアームに対して力制御を行う制御部と、
    前記力制御を行っている際、前記ロボットアームが外力を受けることによって、前記制御点が前記第2位置から前記第1位置に向かって移動する跳ね返り状態が生じたか否かを判定する判定部と、を備え、
    前記判定部は、以下の条件A、条件Bおよび条件Cを満足した場合、前記跳ね返り状態が生じたと判定し、前記条件A、前記条件Bおよび前記条件Cの1つでも満足しない場合、前記跳ね返り状態が生じていないと判定することを特徴とするロボットシステム。
    条件A:前記制御点の前記第1位置から前記第2位置に向かう方向の速度成分が第1閾値よりも小さい。
    条件B:前記制御点の前記第1位置から前記第2位置に向かう方向の加速度成分が第2閾値よりも小さい。
    条件C:前記第2位置から前記第1位置に向かう方向の力成分の大きさが第3閾値よりも大きい。
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