JP2021041426A - 溶接線検出装置及び溶接線検出方法 - Google Patents

溶接線検出装置及び溶接線検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】突き合わされた溶接対象物の溶接線をより確実に検出する。【解決手段】本発明の一態様の溶接線検出装置10は、突き合わされた溶接対象物を加熱するように構成された加熱装置16と、加熱された前記溶接対象物の熱分布を測定するように構成された熱分布測定装置18と、測定された前記溶接対象物の熱分布に基づいて前記溶接対象物の溶接線を検出するように構成された検出部20とを備える。加熱装置16はペルチェ素子を備えるとよい。熱分布測定装置18はサーモグラフィーを備えるとよい。【選択図】図1

Description

本発明は、突き合わされた溶接対象物の溶接線を検出するための溶接線検出装置及び溶接線検出方法に関する。
概して、自動溶接においては、溶接対象物の溶接線の検出精度により、その溶接対象物に対する溶接の品質が左右される。そのため、溶接線の検出精度を高めることが求められている。例えば、特許文献1は、所定の進行方向に進行しつつ溶接対象物を撮像する画像センサと、その画像センサに追従する溶接ヘッドと、画像センサが撮像した撮像データに基づいて溶接対象物の突き合わせ部分に影として表れる溶接対象となる溶接線を検出し、その溶接線に基づいて溶接ヘッドの溶接位置を制御する制御装置とを備えるシステムを提案する。
特許第6343711号公報
上記特許文献1に記載のシステムにおける、その溶接線の検出は、溶接対象物の突き合わせ部分の溶接線が影として表れることに着目して行われるものである。したがって、突き合わせ部分に影が認められにくい場合、その検出精度には限界がある。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みて創案されたものであり、その目的は、突き合わされた溶接対象物の溶接線をより確実に検出することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様は、
突き合わされた溶接対象物を加熱するように構成された加熱装置と、
加熱された前記溶接対象物の熱分布を測定するように構成された熱分布測定装置と、
測定された前記溶接対象物の熱分布に基づいて前記溶接対象物の溶接線を検出するように構成された検出部と
を備えた溶接線検出装置
を提供する。
前記検出部は、前記溶接対象物の被加熱領域における相対的低温度部を前記溶接線として検出するとよい。好ましくは、前記加熱装置は、前記溶接対象物を加熱するための加熱部と、該加熱部の作動を制御するように構成された加熱制御部とを備える。前記加熱制御部は、前記溶接線の溶接前、前記溶接対象物を加熱し、前記溶接線の溶接のとき、前記溶接対象物の加熱を停止するように前記加熱部の作動を制御し、前記熱分布測定装置は、前記溶接線の溶接前及び溶接のとき、前記溶接対象物の熱分布を測定するとよい。前記加熱装置はペルチェ素子を備えるとよい。前記熱分布測定装置はサーモグラフィーを備えるとよい。なお、本発明は、このような溶接線検出装置を備えた溶接システムにも存する。
本発明の別の態様は、
突き合わされた溶接対象物を加熱するステップと、
加熱された前記溶接対象物の熱分布を測定するステップと、
測定した前記溶接対象物の熱分布に基づいて前記溶接対象物の溶接線を検出するステップと
を含む溶接線検出方法
を提供する。
前記検出するステップでは、前記溶接対象物の被加熱領域における相対的低温度部を前記溶接線として検出するとよい。好ましくは、前記加熱するステップは、前記溶接線の溶接前に実行され、前記溶接線の溶接のとき非実行にされ、前記測定するステップは、前記溶接線の溶接前及び溶接のとき、前記溶接対象物の熱分布を測定する。前記加熱するステップでは、ペルチェ素子を備えた加熱装置で前記溶接対象物を加熱し、前記測定するステップでは、サーモグラフィーを備えた熱分布測定装置で前記溶接対象物の熱分布を測定するとよい。
本発明の上記態様によれば、上記構成を備えるので、突き合わされた溶接対象物の溶接線をより確実に検出することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る溶接線検出装置を備えた溶接システムの概略構成を示すブロック図である。 図1の溶接システムにおける溶接線検出装置の概略構成図であり、またその使用例を表す図である。 図2の溶接線検出装置において取得した熱分布の一例である。 図1の溶接システムにおける溶接線の検出及び溶接を説明するための図である。 図1の溶接システムにおける溶接線の検出及び溶接の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明に係る実施形態を添付図に基づいて説明する。同一の部品(又は構成)には同一の符号を付してあり、それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1に、本発明の一実施形態に係る溶接線検出装置10を備えた溶接システム12の概略構成を示すブロック図である。溶接システム12は、溶接線検出装置10と、溶接装置14とを備える。
溶接線検出装置10は、突き合わされた溶接対象物W1、W2の溶接線Lを検出するための構成を備える。溶接線Lとは、図2に示すように、一方のワークつまり溶接対象物W1の端部と、他方のワークつまり溶接対象物W2の端部とが突き合わされてつまり当接して形成された線部のことである。なお、溶接対象物W1、W2の突き合わせ部分を開先ともいう。
溶接線検出装置10は、加熱装置16と、熱分布測定装置18と、検出部20とを備える。加熱装置16は、加熱部22と、加熱制御部24とを備える。熱分布測定装置18は、赤外線サーモグラフィー26を備える。ただし、熱分布測定装置18は、サーモグラフィー26そのものであってもよい。
溶接装置14は、溶接機30と、溶接制御部32とを備える。ここでは、溶接機30はレーザー溶接機であるが、レーザー溶接以外の溶接機械又は装置であってもよい。
制御部34は、所謂制御装置であり、演算処理装置(例えばCPU)や記憶部(例えばROMやRAM)等を備えるコンピュータである。記憶部には、種々のプログラムやデータが記憶されている。加熱装置16の加熱制御部24と、検出部20と、溶接装置14の溶接制御部32とは、制御部34の機能部として構成されている。換言すると、制御部34は、機能モジュールとして、加熱制御部24と、検出部20と、溶接制御部32とを有している。各機能モジュールは、制御部34の記憶部に記憶されたプログラムを演算処理装置によって実行することで実現される。制御部34には、加熱装置16の加熱部22、熱分布測定装置18、及び、溶接装置14の溶接機30のそれぞれが電気的に接続されている。なお、制御部34は、複数の独立した制御部から構成されてもよい。例えば、溶接線検出装置10の制御部と、溶接装置14の制御部とは独立して構成されていて、電気的に接続されてもよい。また、制御部34は、機能モジュールとして熱分布測定装置18の熱分布測定制御部を備えてもよい。この場合、熱分布測定制御部は、熱分布測定装置18から送信された熱分布を取得する熱分布取得部を含み、その熱分布取得部は検出部20に取得した熱分布を送信するとよい。
溶接線検出装置10の概略構成を図2に示す。まず、既に説明したように、図2では、溶接対象物W1、W2が突き合わされている。ここでは、溶接対象物W1、W2は同じ鋼板であり、同厚の板材である。図2では、溶接対象物W1、W2の突き合わせ部分に存在する空気層を明瞭にするため、それらの間に隙間があるように溶接対象物W1、W2は描かれている。しかし、実際には溶接対象物W1、W2は隙間がないように突き合わされ得る。
溶接線検出装置10の加熱装置16は、2つの加熱部22を有する。図2では、2つの加熱部22が、突き合わされた溶接対象物W1、W2に対して、それらの突き合わせ部分の溶接線Lの両側に位置づけられて接触している。溶接対象物W1、W2には、各加熱部22の加熱面22aが接している。各加熱部22は、熱源として、ペルチェ素子を有する。加熱制御部24は加熱部22の作動を制御するように構成されている。加熱制御部24の作動信号により、加熱部22のペルチェ素子は溶接対象物W1、W2を加熱することができる。このように、加熱装置16は、突き合わされた溶接対象物W1、W2を加熱するように構成されている。加熱制御部24は、加熱部22での加熱の他、加熱部22の移動、例えば図2で上下方向の移動、左右方向の移動をも含めた加熱部22の作動を制御する。なお、加熱部22の上下方向の移動は、例えば溶接対象物への接触や非接触は、図2におけるアーム部16aの関節部の作動制御で行われる。
図2に示すように、2つの加熱部22の間に位置するように、サーモグラフィー26を備える熱分布測定装置18は設けられている。サーモグラフィー26は、非接触式の測定装置であるので、図2の測定状態で、熱分布測定装置18は溶接対象物W1、W2から離れている。熱分布測定装置18で測定されて取得された溶接対象物W1、W2の熱分布は制御部34に、特に検出部20に送られる。このように、熱分布測定装置18は、溶接対象物W1、W2の、特に加熱部22などにより加熱された溶接対象物W1、W2の熱分布を測定するように構成されている。なお、熱分布測定装置18は電源スイッチをONにされることで作動状態になり、そのときどきの熱分布を、ここではその可視化画像データを制御部34の検出部20に送信する。
制御部34における検出部20は、測定された溶接対象物W1、W2の熱分布に基づいて溶接対象物W1、W2の溶接線Lを検出するように構成されている。溶接線Lの検出について図3に基づいて説明する。図3は、図2の状態で溶接対象物W1、W2を加熱部22で加熱したときに、溶接線検出装置10の熱分布測定装置18で、要するにサーモグラフィー26で測定した溶接対象物W1、W2の熱分布の可視化画像の一例である。なお、この熱分布の画像は、加熱後に加熱部22を移動させて測定されたものである。加熱部22が直接接していた箇所22aが最も高温であり、その周囲の溶接対象物W1、W2の温度が周囲よりも高くなっていることが理解できる。溶接対象物W1、W2の突き合わせ部分(図3において理解しやすいように円IIIで囲っている部分)における溶接線Lは、熱せられた溶接対象物W1、W2の被加熱領域(例えば図3の全領域)Hの中では相対的に低温であり、相対的に低温度の点又は線の列(以下、点部分)として確認できる。これは、比熱の違いによるものである。金属と比較して空気の比熱は十分に大きいため、熱は金属部分である溶接対象物W1、W2に素早く伝わるのに対して、周囲の空気部分に伝わりにくい。それ故、溶接対象物W1、W2の周囲の温度はその上昇が非常に緩やかであるため、溶接線Lの部分の空気層が相対的な低温度部(以下、相対的低温度部)として認められるようになる。制御部34の検出部20は、この点部分を所定の画像処理により認識して所定の演算により近似することにより、溶接線Lを検出する。このための、演算式等のデータやプログラムが制御部34に記憶されている。
ここで、制御部34の検出部20における溶接線Lの検出の演算処理の一例について説明する。本実施形態では、「anti−k アルゴリズム」と「カイ二乗検定」とを応用してサーモグラフィー26の測定データを処理する。
まず、空気層つまり空洞の検出処理について説明する。この検出処理において、「anti−k アルゴリズム」が適用される。サーモグラフィー26で測定した全てのセル(ここでは、サーモグラフィーで測定できるひとコマをセルと呼ぶ)に対して以下のアルゴリズムを適用する。全てのセルに対して、以下の式(1)で与えられる距離、温度で決定する値dijを計算する。式(1)では、セルiにおける値dijが算出される。
ここで、T、Tは異なる任意のセルi、jの温度、ΔRijはセルi、j間の距離である。異なる任意のセルは、隣り合うセルを含む。セルの位置は中心点の位置とする。Rは周囲の温度(気温)と母材の材質(比熱)で決定する閾値距離とし、実験的に決定するものであり、都度定められる。
そして、式(1)に基づいて算出された値dijと以下の式(2)で求める値diBを比較する。
値dijの方が値diBよりも小さい場合は、1つのクラスタとして2つのセルを組み合わせる。そして、次のセルiに関して値dijを算出して値diBと比較する。一方、値diBの方が値dijよりも小さい場合は、セルiに関するクラスタリングを終了し、セルiを1つの空洞i(クラスタ)と定義する。値dijと値diBとの比較を全セルに対して繰り返し実行し、全セルをグループ分けする。
ただし、サーモグラフィーのノイズにより偽者の空洞(クラスタ)が定義されてしまう場合がある。よって、サーモグラフィーのノイズの影響を取り除く処理を実行する。ノイズの場合、ノイズセルは非常に低い温度となるが、ノイズセルと隣り合うセルは比較的高い温度となる。よって、クラスタ内で最も温度の低いセルの温度Tseedと隣り合うセルここでは隣り合う4つのセルの温度の平均<Tcross>を用いて、Fcrossを以下の式(3)のように定義する。ノイズの場合は、Fcrossは1に近い大きな値を持つ。実験的に求めた閾値Fcthを用いて、この閾値FcthよりもFcrossが大きいとき(Fcross>Fcth)、そのクラスタはノイズによる誤りと考えて取り除かれる。
次に、検出した空洞に基づく溶接線Lの検出処理について説明する。この検出処理に、「カイ二乗検定」を適用する。溶接線を直線と仮定して、f(x)=ax+bのパラメータa、bを決定する。クラスタの平均温度Taveが、クラスタの平均温度分布から十分に小さいものを相対的低温度部として識別する。低温のクラスタを識別する基準(例えばクラスタの平均温度分布)は周囲の温度と母材の材質によって決定するので、上記式(1)のR同様に実験的に決定するとよい。
高温クラスタがm個見つかったとき、l番目の高温クラスタの温度をTh,lとして、その平均値をTave,highとする。つまり、以下の式(4)の関係がある。このとき、高温クラスタは例えば鋼板である溶接対象物そのものの部分に対応すると仮定し、低温クラスタを識別する基準として、その平均値Tave,highを用いる。
そして識別された低温クラスタがn個のとき、k番目の低温クラスタの温度をTc,kとする。そのクラスタの位置xk、ykに対して、低温クラスタ以外のクラスタの平均温度Tave,highとの温度差の二乗を用いたχを式(5)に基づいて計算し、χが最小になる直線f(x)のパラメータa、bを決定する。この決定した直線を、溶接線Lとして検出する。
このようにして溶接線Lを検出できる。しかし、本発明においては、溶接線の検出処理は上記方法に限定されない。例えば、クラスタリングの手法としてx−means法を用いることも可能である。また、後の説明で用いる図4のA1方向をいくつかに等分割し、その中で温度の低い部分のみを取り出して温度逆二乗の重み付きで、図4のA2方向の空洞の位置を計算する。そして、温度差の二乗を誤差の逆二乗としたχを用いて、溶接(直)線を求めてもよい。この場合、クラスタリングせずとも温度分布から溶接線Lを検出することができる。
そして、検出部20が検出した溶接線Lに基づいて溶接機30の溶接ヘッド30aの位置を制御して溶接を行うように、溶接制御部32は溶接機30を制御する。溶接ヘッド30aは、ここでは、レーザー光を照射するレーザー照射部であり、溶接対象物W1、W2の溶接線Lに対向するように配置される。溶接ヘッド30aは、前進しながら溶接対象物W1、W2の溶接線Lを溶接目標として溶接していく。溶接ヘッド30aは、溶接線Lと溶接位置とのずれに対応するために、制御装置34の溶接制御部32の制御に応じて溶接対象物W1、W2に対して移動可能に構成されている。
ここで、図4及び図5に基づいて、溶接システム12における溶接線Lの検出及び溶接を更に説明する。既に述べたように溶接対象物W1、W2は同じ鋼板であり、かつ、同厚である。したがって、図2及び図4のそれらの突き合わせ状態で、例えば光を当てても溶接線に影ができにくく、その突き合わせ部分の溶接線を目視で見分けたり撮像画像の画像処理で識別したりするのは容易でない。そこで、溶接線検出装置10は、溶接対象物W1、W2の溶接線Lを検出するべく、加熱部22を移動させつつ、その加熱部22で溶接対象物W1、W2を加熱するとともに、熱分布測定装置18でその熱分布を測定する。このときの一例としての加熱部22及び熱分布測定装置18を図4において模式的に破線で示す。
溶接線Lの検出が開始されると、加熱部22による溶接対象物W1、W2の加熱が開始され(ステップS501)、熱分布測定装置18によるその熱分布測定が開始され(ステップS503)、それらは継続して行われる。そして、上記演算処理により溶接線Lが検出されるまで(ステップS505で否定判定)、加熱部22は、例えば図4の矢印A1、A2に示す向き(走査方向)に所定のルールで移動される(ステップS507)。なお、図2及び図4に示すように2つの加熱部22に対して熱分布測定装置18の位置は定められているので、加熱部22の移動に伴い熱分布測定装置18も移動する。
ここで溶接線検出のための加熱部22及び熱分布測定装置18の移動の一例について説明する。まず、溶接線Lの検出は、加熱部22が「溶接線を跨ぐ位置」を開始位置として開始されるとよい。この「溶接線を跨ぐ位置」は、大まかな溶接線Lの位置は既知であるので、作業者等により都度、定められるとよい。図4において破線で示す加熱部22及び熱分布測定装置18は、溶接線検出開始時点でのそれらに相当し得る。そして、加熱部22が「溶接線を跨ぐ位置」に配置されて溶接線の検出が開始されると、矢印A1方向に走査しながら、温度分布に従って矢印A2方向に位置を調節するように、加熱部22及び熱分布測定装置18を移動する。なお、矢印A1方向は、溶接線Lに沿った方向であり、矢印A2方向は溶接線に交差する方向である。ここでは、矢印A1方向は、矢印A2方向と直角をなす。
上で説明したようにして溶接線Lが検出されると(ステップS505で肯定判定)、加熱部22での加熱は停止される(ステップS509)。これにより、加熱部22は非加熱状態になり、溶接対象物W1、W2から離れた位置に退避される。そして、溶接ヘッド30aの位置が検出した溶接線Lに基づいて制御されて溶接機30での溶接が実行される(ステップS511)。こうして溶接機30での溶接が始まると、加熱部22での加熱は非実行の状態に維持され、溶接による熱を利用した熱分布の測定及び溶接線Lの検出が行われる(ステップS511)。なお、溶接線Lの検出が溶接に先立って行われるように、加熱部22及び熱分布測定装置18は、図4の溶接方向A3において、溶接機30の溶接ヘッド30aの前方に位置付けられている。つまり、溶接ヘッド30aは、加熱部22及び熱分布測定装置18に追従する。なお、図4の符号「B」は溶接ビードを表す。
溶接中の熱分布の測定及び溶接線Lの検出は溶接が終了するまで連続的に行われる(ステップS513で否定判定、ステップS511)。これにより、溶接システム12での連続溶接が可能になる。そして、溶接線Lの端部等に至り溶接の終了と判定されると、溶接の全ての作業が終了する(ステップS513で肯定判定)。なお、溶接の終了は、溶接線Lの端部の検出又は溶接対象物W1、W2の寸法などに基づいて判定され得る。
なお、ステップS501は、溶接線検出方法における、突き合わされた溶接対象物を加熱するステップに対応する。ステップS503及びステップS511は、溶接線検出方法における、加熱された溶接対象物の熱分布を測定するステップに対応する。ステップS505及びステップS511は、溶接線検出方法における、測定した溶接対象物の熱分布に基づいて溶接対象物の溶接線を検出するステップに対応する。
以上述べたように、本発明の一実施形態に係る溶接線検出装置10は、突き合わされた溶接対象物W1、W2を加熱するように構成された加熱装置16と、その熱分布を測定するように構成された熱分布測定装置18と、測定された熱分布に基づいて溶接対象物W1、W2の溶接線Lを検出するように構成された検出部20とを備える。したがって、目視や撮像画像処理では溶接線Lを検出し難い場合であっても、溶接線Lをより確実に検出することが可能になる。よって、溶接線検出装置10を備えた溶接システム12では、溶接品質を高めることができる。
また、加熱装置16は、溶接対象物を加熱するための加熱部22と、該加熱部の作動を制御するように構成された加熱制御部24とを備える。そして、加熱制御部24は、溶接線Lの溶接前、溶接対象物W1、W2を加熱し、溶接線Lの溶接のとき、溶接対象物W1、W2の加熱を停止するように加熱部22の作動を制御する(ステップS501、S509)。一方、熱分布測定装置18は、溶接線Lの溶接前及び溶接のとき、溶接対象物W1、W2の熱分布を測定する(ステップS503、S511)。したがって、溶接前の溶接線Lの検出時は、加熱部22による加熱を必要とするが、溶接中は加熱部22による加熱を必要としないので、溶接線検出装置10は、エネルギー消費の点でも優れる。
また、溶接線検出装置10によれば、溶接中に、連続的に溶接線Lを検出できる。したがって、溶接線検出装置10を備えた溶接システム12では、連続的に精度よく溶接を行うことができる。
なお、加熱装置16は、加熱部22を2つ有することに限定されず、1つの加熱部22又は3つ以上の加熱部22を備えてもよい。たった1つの加熱部22を有するときも、溶接線Lでの熱伝播が不連続であるため、上記の如く溶接線Lを検出することができる。また、加熱装置16の加熱部22は、ペルチェ素子を有することに限定されない。電熱線等の電気加熱の構成、ガスバーナー等のバーナー、電磁加熱の構成、摩擦加熱の構成、レーザー加熱の構成、光加熱の構成など種々の加熱の構成を、加熱装置16は備えることができる。また、熱分布測定装置18は赤外線サーモグラフィーを備えることが好ましいが、複数の温度検出センサを備えた構成などとすることができる。この場合、溶接対象物の温度分布をそれの熱分布とみなすことができる。
以上、本発明の代表的な実施形態及び変形例について説明したが、本発明はそれらに限定されない。本願の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、種々の置換、変更が可能である。
10 溶接線検出装置
12 溶接システム
14 溶接装置
16 加熱装置
18 熱分布測定装置
20 検出部
22 加熱部
24 加熱制御部
26 サーモグラフィー
30 溶接機
30a 溶接ヘッド
32 溶接制御部
34 制御部
L 溶接線
W1、W2 溶接対象物

Claims (8)

  1. 突き合わされた溶接対象物を加熱するように構成された加熱装置と、
    加熱された前記溶接対象物の熱分布を測定するように構成された熱分布測定装置と、
    測定された前記溶接対象物の熱分布に基づいて前記溶接対象物の溶接線を検出するように構成された検出部と
    を備えた溶接線検出装置。
  2. 前記検出部は、前記溶接対象物の被加熱領域における相対的低温度部を前記溶接線として検出する、
    請求項1に記載の溶接線検出装置。
  3. 前記加熱装置は、前記溶接対象物を加熱するための加熱部と、該加熱部の作動を制御するように構成された加熱制御部とを備え、
    前記加熱制御部は、
    前記溶接線の溶接前、前記溶接対象物を加熱し、
    前記溶接線の溶接のとき、前記溶接対象物の加熱を停止する
    ように前記加熱部の作動を制御し、
    前記熱分布測定装置は、前記溶接線の溶接前及び溶接のとき、前記溶接対象物の熱分布を測定する、
    請求項1又は2に記載の溶接線検出装置。
  4. 前記加熱装置はペルチェ素子を備え、
    前記熱分布測定装置はサーモグラフィーを備える、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の溶接線検出装置。
  5. 突き合わされた溶接対象物を加熱するステップと、
    加熱された前記溶接対象物の熱分布を測定するステップと、
    測定した前記溶接対象物の熱分布に基づいて前記溶接対象物の溶接線を検出するステップと
    を含む溶接線検出方法。
  6. 前記検出するステップでは、前記溶接対象物の被加熱領域における相対的低温度部を前記溶接線として検出する、
    請求項5に記載の溶接線検出方法。
  7. 前記加熱するステップは、前記溶接線の溶接前に実行され、前記溶接線の溶接のとき非実行にされ、
    前記測定するステップは、前記溶接線の溶接前及び溶接のとき、前記溶接対象物の熱分布を測定する、
    請求項5又は6に記載の溶接線検出方法。
  8. 前記加熱するステップでは、ペルチェ素子を備えた加熱装置で前記溶接対象物を加熱し、
    前記測定するステップでは、サーモグラフィーを備えた熱分布測定装置で前記溶接対象物の熱分布を測定する、
    請求項5から7のいずれか一項に記載の溶接線検出方法。

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