JP2021041335A - 粉砕装置、粉砕方法、及び非晶化粉末の製造方法 - Google Patents

粉砕装置、粉砕方法、及び非晶化粉末の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021041335A
JP2021041335A JP2019164692A JP2019164692A JP2021041335A JP 2021041335 A JP2021041335 A JP 2021041335A JP 2019164692 A JP2019164692 A JP 2019164692A JP 2019164692 A JP2019164692 A JP 2019164692A JP 2021041335 A JP2021041335 A JP 2021041335A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crushing
temperature
container
rice
hot
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019164692A
Other languages
English (en)
Inventor
武彦 ▲高▼橋
武彦 ▲高▼橋
Takehiko Takahashi
玲唯 佐藤
Rei Sato
玲唯 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Akita Prefectural University
Original Assignee
Akita Prefectural University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Akita Prefectural University filed Critical Akita Prefectural University
Priority to JP2019164692A priority Critical patent/JP2021041335A/ja
Publication of JP2021041335A publication Critical patent/JP2021041335A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cereal-Derived Products (AREA)
  • Crushing And Grinding (AREA)
  • Disintegrating Or Milling (AREA)

Abstract

【課題】エネルギーコストを抑えて非晶化粉末を製造可能な粉砕装置を提供する。【解決手段】粉砕装置1aは、米等の穀物を粉砕する乾式の粉砕装置である。粉砕容器12は、米等の穀物を粉砕原料として保持する。温度調整部16は、粉砕容器12に設けられたジャケット部13内に、流入部14を介して温冷水を流入させ、粉砕容器12内の温度を70℃以下に調整する。そして、粉砕媒体質量が16G以上の加速度で、所定時間、高衝撃力を付加する粉砕処理を行う。これにより、デンプンが非晶化された米粉である非晶化米粉のような非晶化粉末を製造することが可能になる。【選択図】図1

Description

本発明は、特に粉砕装置、粉砕方法、及び非晶化粉末の製造方法に関する。
近年、日本における米の消費量は減少傾向にある。この背景には、食文化の変化にともなう主食の多様化があるものと考えられる。そこで農林水産省は、主食用以外にも米の利用を増やすことで米余りの解消を図るために米から作った米粉に関し、菓子・料理、パン、麺といった用途別の基準を新設している。
これにより、米を粉砕調製して得られる米粉を小麦粉の代わりに使用する代替えを促し、米の消費拡大につなげるねらいがあるものと考えられる。しかし、米粉は製粉におけるコストが高いという問題がある。また、米粉からパンを作るために、米のデンプンが損傷していない米粉と、非晶化(α化)した米粉を適切に混合して用いる必要があるため、非晶化(α化)米粉等の非晶化粉末の低コスト製造技術が必要である。
特許文献1を参照すると、米、小麦、蕎麦、小豆等のでん粉を主成分とする穀粒を加熱せん断粉砕して、簡単かつ安価にα化穀粉を製造することができるα化穀粉(非晶化粉末)の製造方法及び製造装置が示されている。
特開2007−75104号公報 特開2008−93590号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、80℃以上の温度で加熱してせん断粉砕する必要があり、例えば、米に関しては100〜200℃という高温でのせん断粉砕が好ましいとされ、熱エネルギーの面からコストの削減が困難であった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、上述の問題点を解消することを課題とする。
本発明の粉砕装置は、穀物を粉砕する乾式の粉砕装置であって、前記穀物を保持する粉砕容器と、前記粉砕容器の温度を調整する温度調整部と、粉砕媒体質量が16G以上の加速度で前記穀物に高衝撃力を付加する粉砕媒体とを備え、前記温度調整部により前記粉砕容器の粉砕開始時の内部温度を70℃以下に調整して粉砕を行うことを特徴とする。
本発明の粉砕装置は、前記粉砕媒体は、円筒状の前記粉砕容器内に軸方向に積層するよう並べた複数のディスク形状又はリング形状の粉砕媒体であり、前記粉砕容器の周囲に設けられたジャケット部と、前記ジャケット部に温冷水を流入させる流入部と、前記流入部により流入され、前記ジャケット部に循環後の前記温冷水を流出させる流出部とを更に備え、前記温度調整部は、前記温冷水を前記流入部へ供給する温冷水供給機構と、前記温冷水の温度を調整する温冷部とを含み、前記穀物の粉砕前に、前記粉砕容器内の温度を前記温度調整部を用いて調整した後、前記粉砕媒体を転動させる前記穀物に高衝撃力を付加することを特徴とする。
本発明の粉砕方法は、乾式の粉砕装置により穀物を粉砕する粉砕方法であって、粉砕容器の粉砕開始時の内部温度を70℃以下に調整し、粉砕媒体質量が16G以上の加速度で前記穀物に高衝撃力を付加することを特徴とする。
本発明の非晶化粉末の製造方法は、乾式の粉砕装置により非晶化粉末を製造する非晶化粉末の製造方法であって、粉砕容器の粉砕開始時の内部温度を70℃以下に調整し、粉砕媒体質量が16G以上の加速度で前記穀物に高衝撃力を付加することを特徴とする。
本発明の非晶化米粉の製造方法は、前記乾式の粉砕装置は、円筒状の粉砕容器の端面に、前記穀物を投入する投入孔と、排出する排出孔とを設け、前記粉砕容器内の温度を調整しながら、粉砕後の粉砕物を連続的に排出させ、排出された前記粉砕物も、再び粉砕原料として投入する工程を繰り返すことを特徴とする。
本発明によれば、粉砕容器内の温度が40〜70℃程度に調整し、粉砕媒体質量が16G以上の加速度で、米等の穀物に高衝撃力を付加することにより、従来に比べてエネルギーコストを低減し、非晶化した米粉等の非晶化粉末を製造できる。
本発明の実施の形態に係る粉砕装置(バッチ式)の概略側断面図である。 本発明の実施の形態に係る粉砕処理のフローチャートである。 本発明の他の実施の形態に係る粉砕装置(連続式)の概略側断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る粉砕処理のフローチャートである。 本発明の他の実施の形態に係る粉砕装置の概略断面図である。 本発明の実施例1に係る300g粉砕の非晶化状態を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る500g粉砕の非晶化状態を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る粉砕物と市販非晶化米粉の非晶化状態の比較を示すグラフである。
<実施の形態>
〔粉砕装置1の構成〕
本発明の発明者は、上述の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、粉砕装置による米の微細化において、温度環境を調整することで、米の非晶化を促進させることを思いつき、本発明を実現するに至った。実際に、粉砕時の温度環境を調整した米の微細化を行う粉砕装置1を製造してテストしたところ、後述する実施例1で示すように、従来のように温度を高くする必要がないため、エネルギー効率を高めることができた。加えて、処理後に得られた米粉では、デンプンの非晶化が進行し、市販の非晶化米粉よりも非晶化の度合いが大きくなった。これにより、米の非晶化を大きく向上させることが可能となる。さらに、低温処理することで、得られた米粉の品質も向上させることが可能となる。なお、米以外の穀物も粉砕原料として用いて、非晶化粉末を得ることが可能である。
図1に、本発明の実施の形態に係る粉砕装置1の一例である粉砕装置1aを示す。粉砕装置1aは、米等の穀物を粉砕する乾式の粉砕装置である。
本実施形態の粉砕装置1aは、例えば、特許文献2に記載されたものと同様のバッチ式の連続式振動ミル(タンデムリングミル)を温度調整可能として構成される。
粉砕装置1aは、円筒状の粉砕容器12に、米等の穀物を粉砕原料として封入する。そして、粉砕装置1aは、流入部14により粉砕容器のジャケット部13内に流入された温冷水により、所定時間粉砕容器内の温度を調整して粉砕処理を行う。これにより、非晶化米粉等、デンプンが非晶化(α化)された非晶化粉末を製造可能となる。
具体的には、粉砕装置1aは、円筒状の粉砕容器12内の温度を調整しながら、粉砕媒体11を転動させることによって、粉砕容器12内の米を複数の粉砕媒体11で粉砕する。この振動は、粉砕容器12の静止状態の中心軸と同じ位置になる仮想軸を中心とした振動である。
粉砕媒体11のそれぞれは、周辺に必要に応じて複数の凸部が形成され、中央に軸方向の穴部が形成された回転体である。粉砕媒体11は、ディスク形状のものが複数、粉砕容器12の軸方向に積層するように挿入される。加えて、粉砕媒体11は、粉砕媒体11の中心軸を円筒容器の中心軸に平行にして、軸方向に複数並べられつつ、円筒容器内に転動可能に収容されている。
粉砕媒体11は、円筒状の粉砕容器12内に軸方向に積層するよう並べた複数のディスク形状又はリング形状の粉砕媒体11を転動させることによって、円筒状の粉砕容器12内の粉砕原料に、高衝撃力を付加する。この際、粉砕媒体11は、粉砕媒体質量が16G以上の加速度で、米に高衝撃力を付加する。本実施形態において、粉砕媒体11は、米の粉砕時の移動を妨げないような、リング状媒体として構成されることが好適である。
ジャケット部13は、粉砕容器12の周囲に設けられ、粉砕容器12との間で熱交換を行うための中空部材である。ジャケット部13は、温冷水を流入させ、排出する温度調整用の流入部14及び流出部15が設けられている。
流入部14は、温度調整部16からジャケット部13へ温冷水を流入させる部材である。本実施形態において、流入部14は、例えば、粉砕容器12のジャケット部13の外側に設けられたノズルである。流入部14は、温度調整部16の温冷部で加熱された温冷水をポンプにより粉砕容器のジャケット部13の内部に流入させる。
流出部15は、粉砕容器12のジャケット部13から循環後の温冷水を排出するノズルである。本実施形態では、流出部15は、例えば、粉砕容器12のジャケット部13の外面で流入部14から離れた外周面に設けられたノズルである。流出部15は、ジャケット部13内を循環した温冷水を排出させる。
このように、粉砕容器12のジャケット部の外周面に流入部14及び流出部15のノズルを設けることで、粉砕容器内の温度を調整する温冷水の流入又は排出がスムーズとなる。
温度調整部16は、粉砕容器12内の温度を調整するユニットである。
温度調整部16は、例えば、リザーバー、温冷部、及びポンプを備えている。
リザーバーは、温冷水を一時的に保持する水タンクである。リザーバーには、流出部15から排出された温冷水が投入される。
温冷部は、例えば、リザーバーの底面に設けられた電熱線、チラー、ヒートポンプ、ペルチェ素子、スターリング機関等である。温冷部は、粉砕容器12内に備えられた熱電対等の温度センサーで計測された温度を基に、サーモスタットで設定された温度になるよう、リザーバー内の温冷水を加熱又は冷却する。なお、水道水等を用いて冷水を供給することで、リザーバー内の温冷水を冷却することも可能である。
ポンプは、温冷部で加熱された温冷水を流入部14へ送出する温冷水供給機構である。ポンプは、温冷水を送出可能な各種ポンプを用いることが可能である。
〔粉砕方法、加熱による米の非晶化粉末の製造方法〕
次に、図2により、本実施形態のバッチ式の粉砕装置1aによる、温冷水加熱による米の非晶化粉末の製造方法について、ステップ毎に説明する。図2は、本実施形態の粉砕方法として、バッチ式の粉砕装置1aにより、米を非晶化粉砕処理する各工程の例を示す。粉砕装置1aを用いて、米の温度調整をして乾式粉砕処理を行うことで、デンプンが非晶化された米粉である非晶化米粉を製造可能となる。すなわち、本実施形態の粉砕方法は、非晶化米粉の製造方法としても用いられる。
(ステップS101)
まずは、粉砕容器の加熱処理として、粉砕容器のジャケットに温冷水を循環させて、粉砕容器内の温度を調整する。この温度は、40℃以上70℃以下が好適である。
(ステップS102)
次に、米の投入処理として、米を粉砕原料として、円筒容器内に投入する。
本実施形態においては、一例として、精米した米を、粉砕原料として用いる例について説明する。または、精米を行う前の玄米を用いることも可能である。
(ステップS103)
次に、非晶化米粉粉砕処理として、粉砕容器内の温度を調整した状態で、米を粉砕する。
本実施形態では、粉砕開始時における粉砕容器内の温度が40℃以上70℃以下として、高衝撃を加え続ける。この際、温度調整部16により温度調整された温冷水により、粉砕時の温度を適切に調整する。この調整は、粉砕により容器温度が上昇する場合は、冷却することも含む。
この粉砕容器内の温度環境下において、粉砕媒体11が粉砕容器12の内壁に沿った転動運動を行うための十分な加速度である16G以上の加速度で、粉砕物に高衝撃力を付加して米粉にする。すなわち、粉砕容器12内の温度を、例えば、40℃以上70℃以下にした状態から粉砕を開始することで、乾式の機械的粉砕としてリング状の粉砕媒体11体を用いて、粉砕物に高衝撃力を付加して、米を米粉にするとともにそのデンプンの構造を非晶化させる。この粉砕媒体11の加速度が16Gに満たない場合、粉砕媒体11の転動運動が不安定になり、米の粉砕に支障をきたす可能性がある。
(ステップ104)
最後に、非晶化米粉取得処理として、非晶化した米粉を取得する。
この処理では、所定時間の上述の処理後に、粉砕装置1aを停止して、粉砕物に含まれるデンプンの非晶化の程度が大きい、非晶化米粉を得る。すなわち、非晶化米粉を製造完了する。この所定時間としては、後述する実施例で示すように、上述の特許文献2と同様のタンデムリングミルを用い た場合、粉砕時の粉砕容器内の温度を40℃とした場合において、10〜40分程度が好適である。10分より短いと、米のデンプンの非晶化が十分でなく、40分より長くなっても、製造された粉砕された米の非晶化の程度が変化しないためである。なお、この所定時間は、粉砕装置1a、粉砕原料、及び粉砕力により、適宜変更可能である。
粉砕、製造された非晶化米粉は、市販の非晶化米粉より、デンプンの非晶化の程度を大きくすることが可能である。
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
従来、特許文献1に記載の技術では、米、小麦、蕎麦、小豆等のでん粉を主成分とする穀粒を加熱せん断粉砕して、α化穀粉を製造することができるα化穀粉の製造方法及び製造装置が示されていた。
しかしながら、特許文献1の技術では、80℃以上の温度で加熱してせん断粉砕するもので、米に関しては100〜200℃という高温でのせん断粉砕が好ましいとされ、熱エネルギーの面からコストの削減が困難であった。
これに対して、本発明の実施の形態に係る粉砕装置1は、穀物を粉砕する乾式の粉砕装置であって、穀物を保持する粉砕容器12と、粉砕容器の温度を調整する温度調整部16と、粉砕媒体質量が16G以上の加速度で穀物に高衝撃力を付加する粉砕媒体11とを備え、温度調整部16により粉砕容器12の粉砕開始時の内部温度を70℃以下に調整して粉砕を行うことを特徴とする。
このように構成し、粉砕容器12内の内部温度が例えば40℃〜70℃以下になるように調整した状態で、米等の穀物を投入して高衝撃を加え続けて粉末にする。すなわち、リング媒体等を用いた乾式で高衝撃力が付加できる機械的粉砕と、粉砕容器12内の雰囲温度の付加を同時に行う。
これのようにして穀物を粉砕することで、非晶化粉末を得ることができる。この際、特許文献1の技術に比べて、負荷する温度をおよそ半分にすることができる。すなわち、従来の粉砕方法に比べて、簡便で投入エネルギーを少なくすることができる。さらに、本発明の実施の形態に係る粉砕装置1で米を粉砕すると、米のデンプンの非晶化の度合いが大きくなり、デンプンの多くが非晶化された非晶化米粉となる。さらに、製造された非晶化粉末の酸化や熱劣化を抑えて、品質を向上させることができる。
これによって、これまで高価であった非晶化粉末を安価、効率的に製造できる。米の場合、日本の稲作で作られる米をいろいろな形態で使うことが可能となり、米の需要開拓に活用できる。さらに、粉砕開始時に温度が調整されていることで、確実に品質の揃った非晶化粉末を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る粉砕装置1は、粉砕媒体11は、円筒状の粉砕容器12内に軸方向に積層するよう並べた複数のディスク形状又はリング形状の粉砕媒体11であり、粉砕容器12の周囲に設けられたジャケット部13と、ジャケット部13に温冷水を流入させる流入部14と、流入部14により流入され、ジャケット部13に循環後の温冷水を流出させる流出部15とを更に備え、温度調整部16は、温冷水を流入部へ供給する温冷水供給機構であるポンプと、温冷水の温度を調整する温冷部とを含み、穀物の粉砕前に、粉砕容器12内の温度を温度調整部16にて調整した後、粉砕媒体11を転動させる穀物に高衝撃力を付加することを特徴とする。
このように構成することで、粉砕容器12内の温度をより均一にした温度環境下で、穀物に高衝撃を付加することができ、より品質を向上させることができる。
従来、米の結晶を有するデンプンは、炊飯することで糊化デンプンに変化して、それを乾燥させることで非晶化デンプンが得られることが知られている。この炊飯後に乾燥させた得られた非晶化デンプンを粉砕することで非晶化米粉が得られる。
これに対して、本実施形態の温冷水加熱による米の非晶化粉末の製造方法では、従来の多段階に及ぶ非晶化米粉製造プロセスを、温冷水程度の加熱、及び、その加熱によりもたらされる温度環境下での粉砕という簡便な方法により非晶化粉末を得ることが可能となる。
<他の実施の形態>
なお、上述の実施の形態では、バッチ式の粉砕装置1aと、この粉砕装置1aによる粉砕処理について記載した。しかしながら、連続式の粉砕装置1による粉砕処理も可能である。
図3に、本発明の他の実施の形態に係る粉砕装置1の一例である粉砕装置1bを示す。粉砕装置1bは、連続式の粉砕装置1の一例である。
粉砕装置1bでは、円筒状の粉砕容器12の両端面に、それぞれ、米の投入部17及び排出部18が設けられている。
投入部17は、外部から米を投入する投入孔を含むフィーダーである。排出部18は、粉砕容器12から処理後の粉砕物を排出する排出孔である。
本実施形態の粉砕装置1bは、粉砕原料である米を連続的に投入させながら粉砕後の粉砕物を排出させ、排出された粉砕物を再び粉砕原料として投入する工程を繰り返す連続粉砕により、連続的に非晶化米粉を製造することが可能である。
次に、図4により、連続式の粉砕装置1bによる、温冷水加熱による米の非晶化粉末の製造方法について説明する。図4は、連続式の粉砕装置1bを用いた温冷水加熱による米の非晶化粉末の粉砕処理を示す。
粉砕装置1bを用いても、粉砕容器内の温度雰囲気を調整して米を粉砕することで、米の非晶化の度合いを大きくした非晶化米粉を製造することが可能である。
図4において、ステップS201は、図2のステップS101と、ステップS205は、ステップS104とそれぞれ同じである。
それ以外のステップS202、S203、S204について下記で説明する。
(ステップS202)
連続式非晶化米粉の粉砕処理では、上述のステップS102の米の投入処理と同様に、粉砕容器のジャケット部13に温度調整部16から温冷水を流入させ、流入された温冷水により、粉砕容器を加熱又は冷却して、粉砕容器内の温度を調整する。
そして、粉砕容器に米を投入して、米を粉砕する。この際、米は連続的投入部17から投入する。
(ステップS203)
次に、連続非晶化米粉粉砕処理として、粉砕容器内の温度を調整した状態で、連続的に投入される米を粉砕する。
本実施形態においても、粉砕開始時における粉砕容器内の温度を40℃以上70℃以下として、高衝撃を加え続ける。
(ステップS204)
粉砕処理物排出では、粉砕後の粉砕物を連続的に排出させ、排出された粉砕物も、再び粉砕原料として投入する。このステップS202〜S204の工程を連続的に繰り返すことで、連続的に非晶化米粉を製造する。
ここで、排出された粉砕物の一部は、後のステップで、非晶化米粉として取得させる。この取得については、粒径フィルター等による選別を行ってもよい。
上述の粉砕装置1a、1bでは、粉砕容器12を非自転として円運動を与えるように記載した。
しかしながら、図5に示すように、粉砕容器12の自転を伴う形で円運動させることで粉砕しても、同様の効果が得られる。
また、投入部17、及び/又は排出部18のいずれか又は任意の組み合わせのノズルや部材等は、粉砕容器12の外周面に設けられていてもよい。
さらに、排出部18を備えないような構成であってもよい。
上述の実施の形態では、ジャケット部13と温冷水とを用いて粉砕容器12内の温度を調整する例について説明した。
しかしながら、粉砕容器12に直接、ペルチェ素子やヒートポンプ等を備えて、温度を調整するように構成してもよい。さらに、温冷水のような冷媒として、単なる水ではなく、二酸化炭素等の気体、高温や低温でも液体を保ち比熱の高い液体、流体金属等を用いることも可能である。
これにより、穀物の性質や非晶化の程度等により、最適な温度調整を行うことが可能である。
上述の実施の形態では、粉砕容器12内の温度を40℃〜70℃に調整して粉砕する例について説明した。
しかしながら、穀物や米の品種や精米の有無等によって、下限温度を適宜調整することが可能である。さらに、粉砕時間も、収量と非晶化の度合いから最適になるよう調整可能である。
加えて、上述の実施の形態では、精米又は未精製の米を粉砕原料として用いる例を記載した。この米として、一般的な食用のジャポニカ米やインディカ米に加え、高アミロース米や飼料米等の特別な米を用いることが可能である。
さらに、これ以外の粉砕原料として、デンプンを多く含有する他の穀物を用いてもよい。このデンプンを多く含有する穀物として、例えば、小麦、大豆、小豆、蕎麦、芋類、豆類、とうもろこし類等を用いてもよい。たとえば、枝豆栽培においては、規格外の豆が生じるが、サイズが小さい場合は強固なため、粉砕することも難しく廃棄されている。このような規格外の豆も、本実施形態の粉砕原料として用いることが可能である。さらに、これらの穀物の任意の組み合わせを混合して粉砕原料として用いることも可能である。
なお、これらの米以外の穀物を用いた場合、粉砕原料の含水率、粉砕容器内の温度調整、処理時間等は、これらの穀物の種類に対応して、当業者により適宜変更することが可能である。
次に、以下において、本発明の実施の形態に係る非晶化米粉を得る粉砕方法、非晶化米粉の製造方法を具体的に実施例として説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(装置、材料、及びメソッド)
本実施例及び後述の他の実施例において、粉砕装置1の一例として、リング媒体利用粉砕機であるタンデムミル(HV−30、中央化工機商事株式会社)を使用した。また、粉砕容器12の両方の蓋(端面)には、米を投入/排出することができるようなノズルを付加する加工を行い、簡単に米を簡単に容器内に入れられるようにした。温冷水供給装置と、粉砕容器12のジャケット部13の流入部14とをホースで繋ぎ、同じく流出部15ともホースでつなぎ、粉砕容器内の温度を温冷水循環により調整しながら粉砕機を動かして、温冷水加熱による温度調整で米をする粉砕処理した。
粉砕容器12は、内径142mm、奥行き482mmであり、その容器の内部に直径123mm、内径69mm、厚さ21mm、重さ1。3kgのリング媒体を20枚装填した。被処理物は、秋田県産あきたこまちを精米した米を用いた。
粉砕容器のジャケット部に循環させる温冷水は、40℃、70℃の2通りを用いた。粉砕機のモーターの回転数は1600r/分、処理時間は粉砕開始の温度が40℃において30秒、2分、10分、40分とし、粉砕開始の温度が70℃において30秒、2分、5分、10分として実験を行った。
(粉砕容器内の温度測定)
粉砕前および粉砕中の粉砕容器内の温度は、粉砕容器12の蓋にK型熱電対(シース型)を差し込み、粉砕容器内の温度を計測した。
(米粉の非晶化状態の測定)
粉砕を行った米粉の非晶化の状態は、X線回折装置(RINT−2500、株式会社リガク製)によって測定を行った。測定条件はX線源Cu−Kα、管電圧40kV、定格電流300mA、走査速度毎秒5°、測定間隔0.02、走査角度2θ=5〜35°である。
図6に、処理量300gにおける処理時間と非晶化状態の関係を示す。縦軸は回折強度、横軸は走査角度を示す。それぞれ、粉砕開始の温度が40℃において30秒、2分、10分、40分、粉砕開始の温度が70℃において30秒、2分、5分、10分での結果を示す。
結果として、粉砕時間が長くなるにつれ、2θ=15°、18°、19°、24°の結晶性ピークの減少が確認された。また、温度が70℃の場合は、40℃の場合と比較し、短い粉砕時間で結晶性ピークが消失している。これは、粉砕時間が長いことによって、米に加わる圧縮力とせん断力が増加し、米粉の非結晶化が進んだためと考えられる。また、粉砕容器内の雰囲気温度が高温となると、デンプンの結晶の結合が緩むと同時に、結晶構造にせん断力が作用することによって、非結晶化が進むと考えられる。
図7に、処理量500gにおける処理時間と非晶化状態の関係を示す。縦軸、横軸等の記載は、図6と同様である。
結果として、処理用300gの場合と同様に、粉砕時間が長くなるにつれ、2θ=15°、18°、19°、24°の結晶性ピークの減少が確認された。また、温度が70℃の場合は、40℃の場合と比較し、短い粉砕時間で結晶性ピークが消失している。しかし、粉砕量300gと比較し、結晶性ピークの消失には長い粉砕時間を要することが確認できた。
図8に、処理量300gと処理量500gにおける粉砕開始時温度が40℃での10分、40分、粉砕開始時の温度が70℃での10分、40分での結果および市販非晶化米粉の非晶化状態の比較を示す。市販の非晶化米と比較すると、処理量300g、処理量500gのいずれにおいても、粉砕開始時の温度が40℃では40分の粉砕で、粉砕開始時の温度が70℃では10分の粉砕で、結晶性を示すピークが消失して、十分な非晶化状態に達していることが確認できる。
以上より、リング媒体利用の粉砕機を用いた米の乾式粉砕によって、非結晶化米粉を製粉することが可能であることが示された。また、粉砕量、粉砕容器内温度、粉砕時間を制御することで、より短時間の粉砕で非結晶化米粉の製粉が可能であった。したがって、本実施例の温冷水加熱による米の非晶化粉末の製造方法は有用であった。
上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。
1、1a、1b 粉砕装置
11 粉砕媒体
12 粉砕容器
13 ジャケット部
14 流入部
15 流出部
16 温度調整部
17 投入部
18 排出部

Claims (5)

  1. 穀物を粉砕する乾式の粉砕装置であって、
    前記穀物を保持する粉砕容器と、
    前記粉砕容器の温度を調整する温度調整部と、
    粉砕媒体質量が16G以上の加速度で前記穀物に高衝撃力を付加する粉砕媒体とを備え、
    前記温度調整部により前記粉砕容器の粉砕開始時の内部温度を70℃以下に調整して粉砕を行う
    ことを特徴とする粉砕装置。
  2. 前記粉砕媒体は、円筒状の前記粉砕容器内に軸方向に積層するよう並べた複数のディスク形状又はリング形状の粉砕媒体であり、
    前記粉砕容器の周囲に設けられたジャケット部と、
    前記ジャケット部に温冷水を流入させる流入部と、
    前記流入部により流入され、前記ジャケット部に循環後の前記温冷水を流出させる流出部とを更に備え、
    前記温度調整部は、
    前記温冷水を前記流入部へ供給する温冷水供給機構と、
    前記温冷水の温度を調整する温冷部とを含み、
    前記穀物の粉砕前に、前記粉砕容器内の温度を前記温度調整部にて調整した後、前記粉砕媒体を転動させる前記穀物に高衝撃力を付加する
    ことを特徴とする請求項1に記載の粉砕装置。
  3. 乾式の粉砕装置により穀物を粉砕する粉砕方法であって、
    粉砕容器の粉砕開始時の内部温度を70℃以下に調整し、
    粉砕媒体質量が16G以上の加速度で前記穀物に高衝撃力を付加する
    ことを特徴とする粉砕方法。
  4. 乾式の粉砕装置により非晶化粉末を製造する非晶化粉末の製造方法であって、
    粉砕容器の粉砕開始時の内部温度を70℃以下に調整し、
    粉砕媒体質量が16G以上の加速度で前記穀物に高衝撃力を付加する
    ことを特徴とする非晶化粉末の製造方法。
  5. 前記乾式の粉砕装置は、円筒状の粉砕容器の端面に、前記穀物を投入する投入孔と、排出する排出孔とを設け、
    前記粉砕容器内の温度を調整しながら、粉砕後の粉砕物を連続的に排出させ、排出された前記粉砕物も、再び粉砕原料として投入する工程を繰り返す
    ことを特徴とする請求項4に記載の非晶化米粉の製造方法。
JP2019164692A 2019-09-10 2019-09-10 粉砕装置、粉砕方法、及び非晶化粉末の製造方法 Pending JP2021041335A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019164692A JP2021041335A (ja) 2019-09-10 2019-09-10 粉砕装置、粉砕方法、及び非晶化粉末の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019164692A JP2021041335A (ja) 2019-09-10 2019-09-10 粉砕装置、粉砕方法、及び非晶化粉末の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021041335A true JP2021041335A (ja) 2021-03-18

Family

ID=74861864

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019164692A Pending JP2021041335A (ja) 2019-09-10 2019-09-10 粉砕装置、粉砕方法、及び非晶化粉末の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021041335A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5599825B2 (ja) 穀物の抽出液を生成する方法と、この方法で使用されるために適した装置
CN105722788A (zh) 合成非晶质二氧化硅粉末及其制造方法
JP4388868B2 (ja) 製粉方法及び製粉機
JP7282762B2 (ja) 粉砕機
WO2021010447A1 (ja) 結晶性のソルビトール粉末の製造方法
JP2021041335A (ja) 粉砕装置、粉砕方法、及び非晶化粉末の製造方法
KR20180086953A (ko) 버섯분말 제조 장치
CN107413474B (zh) 一种药品研磨装置
JP6831993B2 (ja) アルファ化デンプン粉の製造方法
CN106942573B (zh) 一种液体熟食加工设备与方法
KR100896008B1 (ko) 떡 제조장치
JP4767128B2 (ja) α化穀粉の製造方法及び製造装置
GB649324A (en) Improvements in or relating to the processing of starch pastes
JP2016036764A (ja) 気流粉砕設備及びこれを用いた低温粉砕方法
CN101747389B (zh) 粉末状结晶麦芽糖醇的制备方法
JP2008211997A (ja) α化穀粉の製造方法及びα化穀粉の製造装置
JP2006035150A (ja) フスマの処理方法
JP2010215861A (ja) アルファ化デンプン粉およびその製造方法ならびに該アルファ化デンプン粉を用いたプラスチック添加剤およびコンポジット材料
JP2005245305A (ja) 食品原料の微粉砕処理方法
CN106552700A (zh) 一种避震型粉碎机
EP2578309A1 (en) Granulating method and granulating device
CN105905939A (zh) 一种含钛高炉渣碳化后直接粒化-氯化的装置和方法
CN102432299B (zh) 一种固相化学反应制备负温度系数热敏电阻材料的方法
CN217888203U (zh) 一种用于蛋黄卵磷脂生产的超低温粉碎机
WO2020241462A1 (ja) 粉砕装置