JP2021039725A - 商品取引システム、商品取引方法および商品取引プログラム - Google Patents

商品取引システム、商品取引方法および商品取引プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】生産者と買い手との間で直接的な商品の取引をも可能とするプラットフォームを提供する。【解決手段】買い手と供給者との間の商品取引を行うための商品取引システムが提供される。商品取引システムは、買い手から特定の商品の購入希望価格を含む購入要求を受け付ける第1の受付手段と、供給者から特定の商品の販売希望価格を含む販売要求を受け付ける第2の受付手段と、供給者から買い手までの特定の商品を配送するための配送費を反映した上で、購入要求と販売要求とがマッチングするか否かを判断する判断手段とを含む。【選択図】図1

Description

本開示は、買い手と供給者との間の商品取引を行うための商品取引システム、商品取引方法および商品取引プログラムに関する。
従来の流通システムにおいては、生産者から小売りを介して買い手の元へ商品が届けられる。このような流通システムに対して、例えば、特開2019−128814号公報(特許文献1)は、マーケットを活性化できる電子売買システムを開示する。
特開2019−128814号公報
上述の特許文献1に開示される電子売買システムは、購入者と販売者との間の商品売買を支援するものであるが、例えば、工業製品を製造する生産者とその工業製品の買い手との直接的な取引を実現するようなものではない。
本開示は、生産者と買い手との間で直接的な商品の取引をも可能とするプラットフォームを提供することを目的とする。
本開示のある形態によれば、買い手と供給者との間の商品取引を行うための商品取引システムが提供される。商品取引システムは、買い手から特定の商品の購入希望価格を含む購入要求を受け付ける第1の受付手段と、供給者から特定の商品の販売希望価格を含む販売要求を受け付ける第2の受付手段と、供給者から買い手までの特定の商品を配送するための配送費を反映した上で、購入要求と販売要求とがマッチングするか否かを判断する判断手段とを含む。
商品取引システムは、1または複数の購入要求、および、1または複数の販売要求を一時的に保持するための要求キューをさらに含んでいてもよい。判断手段は、購入要求もしくは販売要求が要求キューに追加されたとき、または、要求キューに保持されている購入要求もしくは販売要求が変更されたときに、購入要求と販売要求とがマッチングするか否かを判断するようにしてもよい。
商品取引システムは、供給者または特定の商品に関連付けられた配送費定義と、買い手と供給者との間の距離とに基づいて、特定の商品を配送するための配送費を算出する算出手段をさらに含んでいてもよい。
商品取引システムは、買い手および供給者の各々が保有する経済的価値を管理する口座をさらに含んでいてもよい。第1の受付手段は、購入要求に含まれる購入希望価格に基づいて決定される価値を対応する買い手の口座から予約するようにしてもよい。
商品取引システムは、マッチングした購入要求と販売要求とに基づく商品取引が完了すると、当該購入要求に対応する買い手の口座から利用料を徴収する手段をさらに含んでいてもよい。
本開示の別の形態によれば、買い手と供給者との間の商品取引をコンピュータが実行する商品取引方法が提供される。商品取引方法は、買い手から特定の商品の購入希望価格を含む購入要求を受け付けるステップと、供給者から特定の商品の販売希望価格を含む販売要求を受け付けるステップと、供給者から買い手までの特定の商品を配送するための配送費を反映した上で、購入要求と販売要求とがマッチングするか否かを判断するステップとを含む。
本開示のさらに別の形態によれば、コンピュータに買い手と供給者との間の商品取引を実行させるための商品取引プログラムが提供される。商品取引プログラムは、コンピュータに、買い手から特定の商品の購入希望価格を含む購入要求を受け付けるステップと、供給者から特定の商品の販売希望価格を含む販売要求を受け付けるステップと、供給者から買い手までの特定の商品を配送するための配送費を反映した上で、購入要求と前記販売要求とがマッチングするか否かを判断するステップとを実行させる。
本開示によれば、生産者と買い手との間で直接的な商品の取引をも可能とするプラットフォームを実現できる。
本実施の形態に従う商品取引システムにおける処理の概要を説明するための図である。 本実施の形態に従う商品取引システムにおける処理手順の一例を説明するための図である。 本実施の形態に従う商品取引システムを構成する運営サーバの構成例を示す模式図である。 本実施の形態に従う商品取引システムにおけるマッチング処理の要部を示す模式図である。 本実施の形態に従う商品取引システムを構成する買い手の端末上に提供されるユーザインターフェイス画面の一例を示す模式図である。 本実施の形態に従う商品取引システムを構成する供給者の端末上に提供されるユーザインターフェイス画面の一例を示す模式図である。 本実施の形態に従う商品取引システムを構成する買い手の端末上に提供されるユーザインターフェイス画面の一例を示す模式図である。 本実施の形態に従う商品取引システムの運営サーバによる買い手に関する情報の管理方法を説明するための図である。 本実施の形態に従う商品取引システムの運営サーバによる供給者に関する情報の管理方法を説明するための図である。 本実施の形態に従う商品取引システムにおいて利用される配送費定義の一例を示す図である。 本実施の形態に従う商品取引システムにおいて利用される配送費定義の別の一例を示す図である。 本実施の形態に従う商品取引システムの運営サーバにおける処理手順を示すフローチャートである。 本実施の形態に従う商品取引システムの運営サーバにおける処理手順を示すフローチャートである。 本実施の形態に従う商品取引システムを構成する買い手の端末上に提供されるユーザインターフェイス画面の別の一例を示す模式図である。 本実施の形態に従う商品取引システムを構成する供給者の端末上に提供されるユーザインターフェイス画面の別の一例を示す模式図である。
本開示に係る実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<A.商品取引システム1>
まず、本実施の形態に従う商品取引システム1について説明する。商品取引システム1は、生産者と買い手との間で直接的な商品の取引をも可能とするプラットフォームを提供する。
図1は、本実施の形態に従う商品取引システム1における処理の概要を説明するための図である。図1を参照して、商品取引システム1は、任意の商品の購入を希望する1または複数の買い手10と、任意の商品の提供を希望する1または複数の供給者20とのいずれからもアクセス可能な運営サーバ100を含む。すなわち、商品取引システム1は、買い手10と供給者20との間の商品取引を電子的に行う。
買い手10の各々は、購入を希望する任意の商品および数を特定するための情報、ならびに、その購入希望価格を含む購入要求12を運営サーバ100へ送信する。また、供給者20の各々は、販売を希望する任意の商品および数を特定するための情報、ならびに、その販売希望価格を含む販売要求22を運営サーバ100へ送信する。
運営サーバ100は、1または複数の買い手10からの購入要求12と、1または複数の供給者20からの販売要求22とを比較して、購入要求12と販売要求22とが合致するか否かを判断する(以下、「マッチング処理」とも称す。)。そして、購入要求12と販売要求22とが合致すると、取引成立と決定する。
運営サーバ100は、取引成立と決定された販売要求22に対応する供給者20に対して、取引成立の旨を通知するとともに、取引の対象になった商品を買い手10へ配送する。なお、商品の配送については、供給者20自身が行ってもよいが、典型的には、任意の配送者30が行ってもよい。
運営サーバ100は、後述するように、買い手10と供給者20との間の決済処理も担当する。
商品取引システム1において取り扱われる商品としては、特に制限はないが、日用品や消耗品などの繰り返しの購入が想定されているものが好適である。
買い手10は、典型的には、対象の商品を最終的に使用する個人が想定されるが、これに限らず、例えば、継続的に商品を使用することが予定される店舗や事業所などであってもよい。さらに、買い手10は、コンピュータや演算機能を備えたデバイスであってもよい。このように、買い手10は、商品の取引に関して何らかの意思決定が可能な任意の主体を包含する概念である。
供給者20は、任意の商品を提供可能であればどのような主体であってもよいが、典型的には、任意の商品の生産者あるいは輸入者が好適である。あるいは、供給者20は、任意の商品を保管または管理する物流会社であってもよい。さらに、供給者20は、コンピュータや演算機能を備えたデバイスであってもよい。このように、供給者20は、買い手10と同様に、商品の取引に関して何らかの意思決定が可能な任意の主体を包含する概念である。
このように、本実施の形態に従う商品取引システム1は、従来のビジネスモデルにおいては存在しなかった、生産者と買い手との間で直接的な商品の取引をも可能とするプラットフォームを提供する。
図2は、本実施の形態に従う商品取引システム1における処理手順の一例を説明するための図である。図2には、買い手10が特定の商品を注文して、任意の供給者20との間で取引が成立し、当該供給者20から商品が提供される場合の処理例を示す。
図2を参照して、買い手10は、特定の商品を注文するための操作を行うと、購入要求12が運営サーバ100へ送信される(ステップS1)。運営サーバ100は、買い手10から特定の商品の購入希望価格を含む購入要求12を受け付ける。そして、運営サーバ100は、当該買い手10の残高から、買い手10からの購入要求12に含まれる購入希望価格および購入希望個数に基づいて決定される購入予定額をリザーブ(予約)する(ステップS2)。
一方、供給者20は、特定の商品を販売するための操作を行うと、販売要求が運営サーバ100へ送信される(ステップS3)。運営サーバ100は、供給者20から特定の商品の販売希望価格を含む販売要求22を受け付ける。
運営サーバ100は、買い手10からの購入要求12と供給者20からの販売要求22との間でマッチング処理を実行する(ステップS4)。このマッチング処理において、いずれかの買い手10からの購入要求12といずれかの供給者20からの販売要求22との間で取引が成立すると、運営サーバ100は、取引成立の通知を買い手10および供給者20へそれぞれ送信する(ステップS5)。
供給者20は、取引成立の通知を受けて、取引の対象となった商品を発送する(ステップS6)。また、供給者20は、取引の対象となった商品の発送に伴って、当該発送された商品をトラッキングするためのトラッキング情報を運営サーバ100を介して買い手10へ送信する。トラッキング情報を買い手10および供給者20ならびに運営サーバ100で共有することとによって、商品が確実に配送されることを保証できる。
買い手10は、供給者20からの商品を受け取ると(ステップS7)、商品受取通知を運営サーバ100へ送信する(ステップS8)。運営サーバ100は、買い手10からの商品受取通知を受けると、予めリザーブしていた購入予定額を供給者20の口座へ入金する(ステップS9)。
以上のような処理手順によって、商品取引システム1における商品の取引が完了する。
以下、本実施の形態に従う商品取引システム1の構成、機能および処理の詳細について説明する。
<B.ハードウェア構成>
次に、本実施の形態に従う商品取引システム1のハードウェア構成の一例について説明する。
(b1:運営サーバ100)
図3は、本実施の形態に従う商品取引システム1を構成する運営サーバ100の構成例を示す模式図である。典型的には、運営サーバ100は、1または複数の汎用コンピュータを用いて実現される。
図3を参照して、運営サーバ100は、主たるコンポーネントとして、1または複数のプロセッサ101と、メインメモリ102と、通信インターフェイス103と、入力部104と、ディスプレイ105と、ストレージ110とを含む。これらのコンポーネントは、内部バス106を介して接続されている。
プロセッサ101は、例えば、CPUやGPU(Graphics Processing Unit)などで構成される。複数のプロセッサ101が配置されてもよいし、複数のコアを有するプロセッサ101を採用してもよい。
メインメモリ102は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性記憶装置で構成される。ストレージ110は、
ハードディスクやSSD(Solid State Drive)などの不揮発性記憶装置で構成され、プ
ロセッサ101で実行される各種プログラムや各種データを保持する。ストレージ110に格納されたプログラムのうち、指定されたプログラムコードがメインメモリ102上に展開され、プロセッサ101は、メインメモリ102上に展開されたプログラムコードに含まれるコンピュータ可読命令を順次実行することで、後述するような各種機能を実現する。
典型的には、ストレージ110は、マッチング処理を実現するためのマッチングプログラム112と、決済処理を実現するための決済プログラム114と、要求キュー116と、買い手10および供給者20に関する各種情報を含むユーザ情報118とを格納している。要求キュー116は、1または複数の買い手10からの1または複数の購入要求12、および、1または複数の供給者20からの1または複数の販売要求22を一時的に保持する。
マッチングプログラム112および決済プログラム114は、コンピュータに買い手10と供給者20との間の商品取引を実行させるための商品取引プログラムに相当する。
通信インターフェイス103は、買い手10および供給者20の端末などとデータ交換を担当する。通信インターフェイス103は、例えば、インターネットを介した通信ができるように、イーサネット(登録商標)ポートを含んでいてもよい。
入力部104は、任意の入力指示を受け付ける。ディスプレイ105は、プロセッサ101での処理結果などを表示する。
運営サーバ100の全部または一部は、コンピュータ可読命令に相当する回路が組み込まれたASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードワイヤード
回路を用いて実現してもよい。さらにあるいは、FPGA(field-programmable gate array)上にコンピュータ可読命令に相当する回路を用いて実現してもよい。また、プロセ
ッサ101およびメインメモリ、ASIC、FPGAなどを適宜組み合わせて実現してもよい。
運営サーバ100は、コンピュータ可読命令からなるマッチングプログラム112および決済プログラム114を格納する非一過性(non-transitory)のメディアから、当該格納しているプログラムなどを読み出すためのコンポーネントをさらに有していてもよい。メディアは、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)などの光学メディア、USBメモリなどの半導体メディアなどであってもよい。
マッチングプログラム112および決済プログラム114は、メディアを介して運営サーバ100にインストールされるだけではなく、ネットワーク上の配信サーバから提供さ
れるようにしてもよい。
(b2:買い手10および供給者20の端末)
買い手10および供給者20は、任意の端末を利用して、商品取引システム1を利用できる。買い手10および供給者20が利用する端末は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット、携帯電話などの任意の情報処理装置を包含する。
後述するような買い手10および供給者20に提供される機能は、端末に予めインストールされたアプリケーションによって実現されてもよいし、運営サーバ100が提供するユーザインターフェイスを端末のブラウザを介して利用するようにしてもよい。
買い手10および供給者20に提供されるユーザインターフェイスを含めた各種機能は、どのようなハードウェア構成およびソフトウェア構成を用いて実現してもよい。
<C.マッチング処理>
次に、本実施の形態に従う商品取引システム1におけるマッチング処理について説明する。
(c1:購入要求12および販売要求22)
本実施の形態に従う商品取引システム1においては、供給者20から買い手10へ商品を配送するために必要な配送費を考慮してマッチング処理を行うようにしてもよい。すなわち、商品取引システム1の運営サーバ100は、供給者20から買い手10までの特定の商品を配送するための配送費を反映した上で、購入要求12と販売要求22とがマッチングするか否かを判断する。この配送費の考慮にあたっては、買い手10と供給者20との間の距離を考慮してもよい。
図4は、本実施の形態に従う商品取引システム1におけるマッチング処理の要部を示す模式図である。
図4を参照して、買い手10からの購入要求12は、購入希望価格122および配送費123を含む購入希望総額121と、購入希望個数124と、配送先情報125とを含む。購入要求12は、システム利用料126をさらに含んでいてもよい。システム利用料126は、買い手10が商品取引システム1を利用するにあたっての利用料金であり、典型的には、購入希望価格122または購入希望総額121に対して所定率(例えば、1.0%)を乗じた額が自動的に算出されてもよい。
すなわち、運営サーバ100は、マッチングした購入要求12と販売要求22とに基づく商品取引が完了すると、購入要求12に対応する買い手10の口座からシステム利用料126を徴収するようにしてもよい。
なお、配送費123については、商品1個ごとに算出されてもよいし、複数の商品に対して一括して算出されてもよい。また、配送先情報125については、必ずしも購入要求12に含める必要はなく、運営サーバ100に予め格納されたユーザ情報118を利用するようにしてもよい。
買い手10は、特定の商品の購入を希望する場合には、購入希望個数124に加えて、購入希望価格122を指定、あるいは、購入希望価格122および配送費123を含む購入希望総額121を指定する。これによって、買い手10の端末が購入要求12を生成し、運営サーバ100へ送信する。
一方、供給者20からの販売要求22は、販売希望価格222および配送費223を含む販売希望総額221と、販売希望個数224と、配送費定義225とを含む。販売要求22において、買い手10の配送先情報125に基づいて、配送費定義225から配送費223が算出されてもよい。
供給者20は、特定の商品の販売を希望する場合には、販売希望価格222および販売希望個数224を指定する。これによって、供給者20の端末が販売要求22を生成し、運営サーバ100へ送信する。運営サーバ100は、購入先の候補である買い手10ごとに、販売要求22における配送費223を算出あるいは評価する。
運営サーバ100は、1または複数の買い手10からの購入要求12の購入希望総額121と、1または複数の供給者20からの販売要求22の販売希望総額221とを比較して、互いの条件が合致するか否か(マッチングするか否か)を判断する。あるいは、運営サーバ100は、1または複数の買い手10からの購入要求12の購入希望価格122と、1または複数の供給者20からの販売要求22の販売希望価格222とを比較して、互いの条件が合致するか否か(マッチングするか否か)を判断する。
なお、マッチング処理においては、一方が不利な条件にならなければ、他方が有利な条件で取引成立と決定してもよい。例えば、買い手10がある商品の購入希望価格122を「100円」に設定していたところ、供給者20が当該商品の販売希望価格222を「90円」に設定したとする。この場合、買い手10の希望する購入希望価格122を「90円」に変更した上で、取引成立と決定してもよい。この場合には、買い手10は、購入希望価格122より「10円」安く商品を購入できるので、有利な条件での取引となる。
逆に、供給者20の希望する販売希望価格222を「100円」に変更した上で、取引成立と決定してもよい。この場合には、供給者20は、販売希望価格222より「10円」安く商品を購入できるので、有利な条件での取引となる。
さらに、買い手10の希望する購入希望価格122を「95円」に変更するとともに、供給者20の希望する販売希望価格222を「95円」に変更した上で、取引成立と決定してもよい。この場合には、買い手10および供給者20の両方にとって、当初に比較して有利な条件での取引となる。
また、個数については、一部の条件のみが合致するような場合であっても、取引を成立させてもよいし、すべての個数についての条件が合致しなければ取引を成立させてもよい。例えば、購入要求12の購入希望個数124が販売要求22の販売希望個数224より少ない場合には、買い手10は、購入希望個数124で指定された個数の一部だけを購入できることになる。買い手10が許容する場合には、このような指定された個数の一部のみについて取引が成立するようにしてもよい。
(c2:ユーザインターフェイス画面)
次に、本実施の形態に従う商品取引システム1において提供されるユーザインターフェイス画面の一例について説明する。
図5は、本実施の形態に従う商品取引システム1を構成する買い手10の端末上に提供されるユーザインターフェイス画面300の一例を示す模式図である。図5を参照して、ユーザインターフェイス画面300は、購入要求12を生成するための買い手10からの指示を受け付ける。
より具体的には、ユーザインターフェイス画面300は、買い手10が購入を希望する
商品の画像を示す商品表示部302と、購入を希望する商品を検索するための検索ボタン304と、購入を希望する商品を特定するための識別情報を読み取るためのコード読取ボタン306とを含む。
買い手10は、検索ボタン304を選択して、商品名または商品を特定するコードなどを入力することで、購入を希望する商品を検索できる。あるいは、買い手10は、コード読取ボタン306を選択して、端末に実装されているカメラなどで購入を希望する商品に付されているバーコードやQRコード(登録商標)を読み取ることで、購入を希望する商品を指定できる。
このように検索あるいは指定された商品を示す画像などが商品表示部302に表示される。
なお、商品名または識別情報に基づく商品の検索、ならびに、商品の画像の検索などを行うために、運営サーバ100の内部あるいは外部に、商品管理用のデータベースを配置してもよい。
買い手10は、購入を希望する商品を指定すると、購入希望価格および購入希望個数を入力する。より具体的には、ユーザインターフェイス画面300は、個数入力ボックス310および価格入力ボックス314を含む。
買い手10は、購入希望個数を個数入力ボックス310に入力するとともに、購入希望価格を価格入力ボックス314に入力する。
個別単位(1個単位)またはケース単位のいずれかを選択するための単位選択ラジオボタン312の選択状態に応じて、個数入力ボックス310に入力される購入希望個数は、個別単位およびケース単位のいずれかに設定される。
配送費込または配送費別のいずれかを選択するための配送費選択ラジオボタン316の選択状態に応じて、価格入力ボックス314に入力される購入希望価格は、配送費込の価格および配送費別の価格のいずれかに設定される。配送費選択ラジオボタン316が配送費込に選択されていれば、価格入力ボックス314に入力される価格は購入希望総額121を意味することになり、配送費選択ラジオボタン316が配送費別に選択されていれば、価格入力ボックス314に入力される価格は購入希望価格122を意味することになる。
さらに、ユーザインターフェイス画面300は、購入希望個数の一部の個数についてのみ条件が合致した場合に、当該条件が合致した個数についてのみ取引成立として処理するか否かを設定するチェックボタン318を含む。チェックボタン318が選択されることで、購入希望個数の一部分についてのみ取引が成立することが許容される。
図5に示すようなユーザインターフェイス画面300を介して、購入要求12が生成される。
図6は、本実施の形態に従う商品取引システム1を構成する供給者20の端末上に提供されるユーザインターフェイス画面の一例を示す模式図である。図6を参照して、ユーザインターフェイス画面400は、販売要求22を生成するための供給者20からの指示を受け付ける。
より具体的には、ユーザインターフェイス画面400は、供給者20が販売可能な商品
の一覧を示すリスト402を含む。リスト402は、供給者20が販売可能な各商品を特定するための商品コードを示す商品コード欄404と、各商品の商品名を示す商品名欄406と、各商品の販売希望価格を示す販売価格欄408と、各商品の販売希望個数を示す販売個数欄410と、各商品の販売希望個数のうち取引が未だ成立していない個数を示す残り個数欄412と、購入希望販売の一部の個数についてのみ条件が合致した場合に、当該条件が合致した個数についてのみ取引成立として処理するか否かを設定する一部取引欄414とを含む。
供給者20は、販売可能な商品をリスト402に登録するとともに、各商品について、販売希望価格(販売価格欄408)および販売希望価格(販売個数欄410)を入力する。
供給者20は、検索ボタン416を選択して、商品名または商品を特定するコードなどを入力することで、販売可能な商品を検索してリスト402に登録できる。あるいは、供給者20は、コード読取ボタン418を選択して、端末に実装されているカメラなどで購入を希望する商品に付されているバーコードやQRコードを読み取ることで、販売可能な商品をリスト402に登録できる。
供給者20は、内容変更ボタン420を選択して、リスト402に登録されている販売希望価格(販売価格欄408)および販売希望価格(販売個数欄410)を任意に変更できる。供給者20が変更した内容は、更新ボタン422が選択されることで反映される。
図6に示すようなユーザインターフェイス画面400を介して、販売要求22が生成される。
図7は、本実施の形態に従う商品取引システム1を構成する買い手10の端末上に提供されるユーザインターフェイス画面320の一例を示す模式図である。図7を参照して、ユーザインターフェイス画面320は、運営サーバ100に受け付けられている購入要求12および販売要求22の状況を示す。より具体的には、ユーザインターフェイス画面320は、対象の商品の画像を示す商品表示部322と、取引状況を示す状況表示部330とを含む。
状況表示部330には、1または複数の買い手10からの購入要求12による購入希望価格および購入希望個数を示す購入要求状況表示部332と、1または複数の買い手10からの販売要求22による販売希望価格および販売希望個数を示す販売要求状況表示部334とを含む。状況表示部330においては、購入要求12と販売要求22とが対比可能な状態で表示されており、買い手10および供給者20は、状況表示部330を参照して、新たな購入要求12あるいは販売要求22を生成する場合や、既に生成している購入要求12あるいは販売要求22の内容を更新する。
ユーザインターフェイス画面320の状況表示部330は、典型的には、運営サーバ100の要求キュー116(図3)に一時的に保持されている購入要求12および販売要求22の内容に基づいて生成される。
(c3:ユーザ管理)
次に、商品取引システム1の運営サーバ100におけるユーザ管理について説明する。
図8は、本実施の形態に従う商品取引システム1の運営サーバ100による買い手10に関する情報の管理方法を説明するための図である。図8を参照して、運営サーバ100は、買い手10の各々を管理するための管理情報150を有している。
管理情報150は、買い手10の配送先(住所あるいは緯度経度)を示す配送先情報152を含む。管理情報150に含まれる配送先情報152は、購入要求12の配送先情報125として利用されてもよい。但し、買い手10の端末に実装されるGPS(Global Positioning System)などからの位置情報を用いて、購入要求12の配送先情報125を
都度生成するようにしてもよい。この場合には、必ずしも、配送先情報152を管理情報150に含めておく必要はない。
管理情報150は、買い手10の口座の残高を示す残高情報154を含む。残高情報154は、買い手10および供給者20の各々が保有する経済的価値を管理する口座を具現化したものである。経済的価値としては、特定の通貨での金額が想定されているが、仮想通貨のようなものであってもよいし、商品取引システム1において利用される独自ポイントであってもよい。
運営サーバ100は、買い手10が購入要求12を生成すると、対応する残高情報154から、購入要求12に基づいて決定される購入予定額をリザーブ(予約)する。すなわち、運営サーバ100は、購入要求12に含まれる購入希望価格に基づいて決定される価値を対応する買い手10の口座から予約する。
管理情報150は、買い手10の取引情報を示す購入履歴156を含む。運営サーバ100は、取引が成立するたびに購入履歴156の内容を更新する。なお、運営サーバ100は、買い手10が購入要求12を生成するたびに、その内容を残高情報154に反映するようにしてもよい。
図9は、本実施の形態に従う商品取引システム1の運営サーバ100による供給者20に関する情報の管理方法を説明するための図である。図9を参照して、運営サーバ100は、供給者20の各々を管理するための管理情報250を有している。
管理情報250は、供給者20の口座の残高を示す残高情報254を含む。運営サーバ100は、いずれかの買い手10と供給者20との間で取引が成立すると、当該取引によって遣り取りされる金額が対応する残高情報254に加算される。
管理情報250は、供給者20の取引情報を示す販売履歴256を含む。運営サーバ100は、取引が成立するたびに販売履歴256の内容を更新する。
運営サーバ100は、図8に示される管理情報150および図9に示される管理情報250を用いて、取引に関する買い手10および供給者20の情報を管理する。
(c4:配送費算出)
次に、配送費(購入要求12に含まれる配送費123および販売要求22に含まれる配送費223)の算出方法の一例について説明する。
図10は、本実施の形態に従う商品取引システム1において利用される配送費定義226の一例を示す図である。図10に示す配送費定義226は、商品ごと(図10の例では「商品A」)に配送費を定義する。配送費定義226においては、買い手10と供給者20との間の距離を区分(区分1〜5)して、区分ごとに配送費が定義される。購入要求12または販売要求22において配送費の算出が必要な場合には、買い手10の配送先情報および配送費定義226を参照して、配送費が決定される。
図10に示される配送費定義226は、販売要求22の配送費定義225として利用さ
れてもよい。
図11は、本実施の形態に従う商品取引システム1において利用される配送費定義227の別の一例を示す図である。図11に示す配送費定義227は、基本的にはすべての商品に対して配送費を定義する。配送費定義227においては、買い手10と供給者20との間の距離を区分(区分1〜5)して、区分ごとに配送費が定義される。
いずれかの商品について配送費の算出が必要な場合には、商品ごとの重量を示す重量テーブル228を参照して、各商品についての重量が決定され、当該決定された重量を配送費定義227に適用することで、配送費が決定される。
なお、図10および図11には、買い手10と供給者20との間の距離を区分して、各区分について配送費が定義されている例を示したが、これに限らず、単位距離(例えば、1km)あたりに配送費を定義するようにしてもよい。さらに、国内用および海外用の配送費定義をそれぞれ規定してもよい。
以上のように、本実施の形態に従う商品取引システム1においては、上述したような配送費定義を利用することで、必要な配送費を算出できる。すなわち、運営サーバ100は、供給者20または特定の商品に関連付けられた配送費定義と、買い手10と供給者20との間の距離とに基づいて、当該特定の商品を配送するための配送費を算出するようにしてもよい。
(c5:処理手順)
次に、商品取引システム1の運営サーバ100における処理手順の一例について説明する。図12および図13は、本実施の形態に従う商品取引システム1の運営サーバ100における処理手順を示すフローチャートである。図12および図13には、買い手10と供給者20との間の商品取引をコンピュータが実行する商品取引方法が示される。
図12および図13に示す各ステップは、典型的には、運営サーバ100のプロセッサ101がマッチングプログラム112および決済プログラム114(商品取引プログラムに相当)を実行することで実現される。
図12および図13を参照して、運営サーバ100は、買い手10の端末からの購入要求12または供給者20からの販売要求22を受信したか否かを判断する(ステップS100)。買い手10の端末からの購入要求12または供給者20からの販売要求22を受信していれば(ステップS100においてYES)、運営サーバ100は、受信した購入要求12または販売要求22を要求キュー116に格納する(ステップS102)。
このように、運営サーバ100は、買い手10から特定の商品の購入希望価格を含む購入要求12を受け付ける処理、および、供給者20から特定の商品の販売希望価格を含む販売要求22を受け付ける処理を実行する。
続いて、運営サーバ100は、受信した要求が購入要求12であるか否かを判断する(ステップS104)。受信した要求が購入要求12であれば(ステップS104においてYES)、運営サーバ100は、当該受信した購入要求12に含まれる購入希望価格および購入希望個数に基づいて決定される購入予定額が、購入要求12を送信した買い手10の口座に存在するか否かを判断する(ステップS106)。
購入予定額が買い手10の口座に存在していれば(ステップS106においてYES)、運営サーバ100は、買い手10の口座から購入予定額をリザーブ(予約)する(ステ
ップS108)。そして、ステップS110以下のマッチング処理が実行される。
購入予定額が買い手10の口座に存在していなければ(ステップS106においてNO)、運営サーバ100は、ステップS110以下のマッチング処理を実行しない。この際、運営サーバ100は、購入要求12を生成できない旨を買い手10の端末に通知してもよい。
受信した要求が販売要求22であれば(ステップS104においてNO)、ステップS106およびS108の処理はスキップされる。
買い手10の端末からの購入要求12または供給者20からの販売要求22を受信していなければ(ステップS100においてNO)、運営サーバ100は、買い手10の端末から購入要求12の変更または供給者20から販売要求22の変更を受信したか否かを判断する(ステップS109)。買い手10の端末から購入要求12の変更または供給者20から販売要求22の変更を受信していれば(ステップS100においてYES)、ステップS110以下のマッチング処理が実行される。
買い手10の端末から購入要求12の変更および供給者20から販売要求22の変更のいずれも受信していなければ(ステップS100においてNO)、ステップS100以下の処理が繰り返される。
このように、購入要求12もしくは販売要求22が要求キュー116に追加されたとき、または、要求キュー116に保持されている購入要求12もしくは販売要求22が変更されたときに、購入要求12と販売要求22とがマッチングするか否かを判断する処理が実行される。
買い手10の端末から購入要求12の変更および供給者20から販売要求22の変更を受信していなければ(ステップS100においてNO)、ステップS100以下の処理が繰り返される。
運営サーバ100は、新たに受信または更新された要求が購入要求12および販売要求22のいずれであるかを判断する(ステップS110)。
新たに受信または更新された要求が購入要求12であれば(ステップS110において「購入要求」)、運営サーバ100は、当該新たに受信または更新された購入要求12をマッチング対象の購入要求12に設定し(ステップS112)、要求キュー116に格納されている販売要求22のうち1つをマッチング候補として選択する(ステップS114)。
続いて、運営サーバ100は、マッチング対象の購入要求12またはマッチング候補の販売要求22について配送費の算出が必要であるか否かを判断する(ステップS116)。マッチング対象の購入要求12またはマッチング候補の販売要求22について配送費の算出が必要であれば(ステップS116においてYES)、運営サーバ100は、買い手10の配送先を示す情報(配送先情報125または配送先情報152)と、配送費に関する情報(配送費定義225または配送費定義226)とに基づいて、必要な配送費(配送費123または配送費223)を決定する(ステップS118)。
このように、運営サーバ100は、供給者20から買い手10までの特定の商品を配送するための配送費を反映した上で、購入要求12と販売要求22とがマッチングするか否かを判断する。
一方、マッチング対象の購入要求12またはマッチング候補の販売要求22について配送費の算出が必要でなければ(ステップS116においてNO)、ステップS118の処理はスキップされる。
そして、運営サーバ100は、マッチング対象の購入要求12とマッチング候補の販売要求22とを比較して、互いの条件が合致するか否かを判断する(ステップS120)。
マッチング対象の購入要求12とマッチング候補の販売要求22との間で、互いの条件が合致すれば(ステップS120においてYES)、運営サーバ100は、取引成立と決定し、対象の購入要求12および販売要求22にそれぞれ対応する買い手10および供給者20に通知し(ステップS122)、対象の購入要求12および販売要求22を、対象の商品の配送完了待ちのステータスに変更する(ステップS124)。そして、マッチング処理は終了する。
マッチング対象の購入要求12とマッチング候補の販売要求22との間で、互いの条件が合致しなければ(ステップS120においてNO)、運営サーバ100は、要求キュー116に格納されているすべての販売要求22についてマッチング処理が完了したか否かを判断する(ステップS126)。要求キュー116に格納されている販売要求22のうちマッチング処理が行われていないものがあれば(ステップS126においてNO)、運営サーバ100は、未だマッチング処理が行われていない1つの販売要求22をマッチング候補として選択し(ステップS128)、ステップS116以下の処理を繰り返す。
一方、要求キュー116に格納されているすべての販売要求22についてマッチング処理が完了していれば(ステップS126においてYES)、運営サーバ100は、互いの条件が合致する購入要求12と販売要求22とが見つからなかった判断し、マッチング処理を終了する。
一方、新たに受信または更新された要求が販売要求22であれば(ステップS110において「販売要求」)、運営サーバ100は、当該新たに受信または更新された販売要求22をマッチング対象の販売要求22に設定し(ステップS132)、要求キュー116に格納されている購入要求12のうち1つをマッチング候補として選択する(ステップS134)。
続いて、運営サーバ100は、マッチング対象の販売要求22またはマッチング候補の購入要求12について配送費の算出が必要であるか否かを判断する(ステップS136)。マッチング対象の販売要求22またはマッチング候補の購入要求12について配送費の算出が必要であれば(ステップS136においてYES)、運営サーバ100は、買い手10の配送先を示す情報(配送先情報125または配送先情報152)と、配送費に関する情報(配送費定義225または配送費定義226)とに基づいて、必要な配送費(配送費123または配送費223)を決定する(ステップS138)。
このように、運営サーバ100は、供給者20から買い手10までの特定の商品を配送するための配送費を反映した上で、購入要求12と販売要求22とがマッチングするか否かを判断する。
一方、マッチング対象の販売要求22またはマッチング候補の購入要求12について配送費の算出が必要でなければ(ステップS136においてNO)、ステップS138の処理はスキップされる。
そして、運営サーバ100は、マッチング対象の販売要求22とマッチング候補の購入要求12とを比較して、互いの条件が合致するか否かを判断する(ステップS140)。
マッチング対象の販売要求22とマッチング候補の購入要求12との間で、互いの条件が合致すれば(ステップS140においてYES)、運営サーバ100は、取引成立と決定し、対象の販売要求22および購入要求12にそれぞれ対応する供給者20および買い手10に通知し(ステップS142)、対象の販売要求22および購入要求12を、対象の商品の配送完了待ちのステータスに変更する(ステップS144)。そして、マッチング処理は終了する。
マッチング対象の販売要求22とマッチング候補の購入要求12との間で、互いの条件が合致しなければ(ステップS140においてNO)、運営サーバ100は、要求キュー116に格納されているすべての購入要求12についてマッチング処理が完了したか否かを判断する(ステップS146)。要求キュー116に格納されている購入要求12のうちマッチング処理が行われていないものがあれば(ステップS146においてNO)、運営サーバ100は、未だマッチング処理が行われていない1つの購入要求12をマッチング候補として選択し(ステップS148)、ステップS136以下の処理を繰り返す。
一方、要求キュー116に格納されているすべての購入要求12についてマッチング処理が完了していれば(ステップS146においてYES)、運営サーバ100は、互いの条件が合致する販売要求22と購入要求12とが見つからなかった判断し、マッチング処理を終了する。
<D.商品管理>
本実施の形態に従う商品取引システム1における商品管理の一例について説明する。
(d1:識別情報)
商品取引システム1において取り扱われる商品は、パッケージなどに付される識別情報を用いて特定されてもよい。このような識別情報としては、例えば、JAN(Japanese Article Number)コード、EAN(European Article Number)コード、GTIN−13、GTIN−8などの商品識別番号を用いてもよい。このような商品識別番号を用いることで、複数の国の間で流通する商品についても取り扱いを容易化できる。
さらに、集合包装用の識別情報を用いるようにしてもよい。集合包装用の識別情報は、企業間の取引単位である集合包装(ケース、ボール、パレットなど)に対し設定される商品識別番号を包含する。このような集合包装用の識別情報としては、GTIN−14などの集合包装用商品コードが知られている。集合包装用商品コードは、集合包装された個々の商品についての商品識別番号を含むので、商品取引システム1においては、個々の商品を取り扱うこともできるとともに、それらを集合させた状態で取り扱うこともできる。
なお、集合包装用商品コードは、ITF(Inter-Leaved two of Five)シンボルなどのバーコードシンボルとして具現化できる。
上述したような個別の商品を示す識別情報および集合包装用の識別情報を併用することで、商品の特性や供給者20の事情に応じたより柔軟な取引を実現できる。
(d2:メタ商品)
本実施の形態に従う商品取引システム1においては、同一種類の複数の商品をまとめて1つの商品として取り扱うようにしてもよい。このような商品を「メタ商品」とも称す。
例えば、「水」については、様々な商品が提供されているが、買い手10の一部は、特定の生産者および商品を特定することまでは行わず、単に「水」を購入したいと希望するものも存在する。
そこで、例えば、「1リットルのPET容器に入った水」といった商品を特定せず、包括的な商品種別を規定するメタ商品を規定してもよい。
このようなメタ商品にいずれの商品が含まれるのかという対応付け情報を運営サーバ100に保持しておくことで、買い手10は、「1リットルのPET容器に入った水」(いずれの商品かは問わない)を注文できる。
一方、供給者20は、メタ商品が要求する商品種別に該当さえすれば、任意の商品を提供できるので、在庫処分などをより容易に行うことができる。
なお、各メタ商品にどのような商品を含めるのかについては、運営サーバ100側で管理してもよいし、各メタ商品に含ませることのできる条件を明示して、当該条件に従って供給者20側でメタ商品として販売するようにしてもよい。運営サーバ100側でメタ商品を管理する場合には、メタ商品を示す商品識別番号と、当該メタ商品に含まれる特定の1または複数の商品の各々を示す商品識別番号とを対応付けるテーブルを保持するようにしてもよい。
このように、メタ商品を利用可能にすることで、より柔軟な商品の取引を実現できる。
<E.購入要求12および販売要求22のバリエーション>
上述の説明においては、購入要求12に含まれる購入希望総額121(購入希望価格122および配送費123を含む)と、販売要求22に含まれる販売希望総額221(販売希望価格222および配送費223を含む)とを比較するマッチング処理について例示したが、これに限らず、購入要求12および販売要求22については、追加の条件を含めるようにしてもよい。以下、いくつかのバリエーションについて説明する。
(e1:価格指定オプション)
図5および図6には、ユーザが具体的な購入希望価格または販売希望価格を入力する例を示すが、これに限らず、取引状況(図7など参照)に応じた価格を指定できるようにしてもよい。
図14は、本実施の形態に従う商品取引システム1を構成する買い手10の端末上に提供されるユーザインターフェイス画面300の別の一例を示す模式図である。図14に示すユーザインターフェイス画面300においては、価格入力ボックス314に「現在の最安値」が指定されている例を示す。
購入要求12の「現在の最安値」は、図7に示す取引状況において、取引が成立してない販売要求22に含まれる販売希望総額221あるいは販売希望価格222のうち最安値を意味する。このような購入希望価格として「現在の最安値」が指定されると、購入希望個数を満たすだけの販売希望個数が存在していれば、即座に取引が成立することになる。
逆に、販売要求22を生成する際に「現在の最高値」を指定するようにしてもよい。この場合には、図7に示す取引状況において、取引が成立してない購入要求12に含まれる購入希望総額121あるいは購入希望価格122のうち最高値を意味する。このような販売希望価格として「現在の最高値」が指定されると、販売希望個数を満たすだけの購入希望個数が存在していれば、即座に取引が成立することになる。
さらに、「現在の最安値」あるいは「現在の最高値」という指定に加えて、「現在の最安値から5円高」あるいは「現在の最高値から5円安」といった指定なども可能である。
なお、上述した例に限らず、購入希望価格および販売希望価格については、任意の形態で指定できるようにしてもよい。
上述したような購入希望価格および販売希望価格についての価格指定オプションを充実化することで、買い手10および供給者20は、取引状況に応じた柔軟な取引を楽しむことができる。
(e2:集合包装オプション)
上述したように、供給者20は、商品を取引単位でまとめた集合包装の形(例えば、12個の商品が1つの段ボールにパッケージされているような形態)で買い手10に提供する場合も多い。このような場合、集合包装を1単位として販売することもできるし、集合包装に含まれる個々の商品を販売することもできる。
このようなニーズに対して、販売要求22を生成する際には、集合包装を1単位でのみ販売するのか、あるいは、集合包装に含まれる商品を個々に販売することを許容するのかを選択できるようにしてもよい。
図15は、本実施の形態に従う商品取引システム1を構成する供給者20の端末上に提供されるユーザインターフェイス画面の別の一例を示す模式図である。供給者20は、図15に示すようなユーザインターフェイス画面400において、取引単位で集合包装された商品については、集合包装を1単位でのみ販売するのか、あるいは、集合包装に含まれる商品を個々に販売することを許容するのかについての選択を受け付けるようにしてもよい(個別販売欄424)。
運営サーバ100は、このような集合包装についての供給者20の要望を考慮して、購入要求12と販売要求22との間の条件の合致を判断する。
なお、集合包装を1単位として販売する場合と、集合包装を個々の商品にばらして販売する場合との間で、配送費を異ならせてもよい。通常、集合包装を1単位として販売する場合に比較して、集合包装を個々の商品にばらして販売する場合の配送費はより高額に設定される。このような異なる配送費を設定することで、集合包装を1単位として販売することのインセンティブを高めることができる。
(e3:有効期限オプション)
買い手10および供給者20は、取引が成立するまでは、購入要求12および販売要求22をそれぞれ任意に取り消しあるいは撤回できるようにしてもよい。さらに、商品の特性によっては、特定に期限までに購入または販売しなければならない場合もある。
このようなニーズを考慮して、購入要求12および販売要求22について有効期限を設定するようにしてもよい。より具体的には、買い手10および供給者20は、任意の購入要求12および販売要求22を生成したときに、取引が成立しなければ、要求を取り消しあるいは撤回する期限(有効期限の条件)を付加できるようにしてもよい。
運営サーバ100は、有効期限が指定された購入要求12および販売要求22については、指定された有効期限が到来しても取引が成立していなければ、対応する購入要求12または販売要求22を強制的に取り消す。このような有効期限の条件を購入要求12また
は販売要求22に付加することで、時期に遅れて取引が成立してしまうような事態を回避できる。
有効期限の指定方法としては、特定の日付、特定の日時、今日中、今週中、今月中などの任意の方法を採用してもよい。
(e4:在庫有無オプション)
供給者20は特定の商品を常時供給することが予定されているが、何からの事情で一時的に商品を供給できない状況になっている可能性もある。このような場合、商品が入荷次第、商品は買い手10へ配送されることになるが、商品入荷まで待たされることになる。
そこで、買い手10が購入要求12を生成する際に、指定した商品の在庫の有無を条件として追加するようにしてもよい。より具体的には、供給者20が在庫を有している場合に限って取引を成立させるのか、あるいは、供給者20が在庫を有していなくても取引を成立させるのかを買い手10が選択できるようにしてもよい。
供給者20が在庫を有している場合に限って取引を成立させることが条件とされている場合には、指定された商品が供給者20の在庫として存在している場合に限って、取引が成立することになる。
一方、供給者20が在庫を有していなくても取引を成立させることが指定されている場合には、供給者20に対象の商品が入荷するまでの時間などを買い手10に提示するようにしてもよい。
(e5:配送開始期限オプション)
買い手10は何らかの商品をなるべく早く手に入れたいと考えている場合もある。そこで、買い手10が購入要求12を生成する際に、指定した商品が供給者20から配送されるまでの期限を条件として追加するようにしてもよい。より具体的には、買い手10は、取引が成立してから商品が配送されるまでの時間(例えば、取引成立から6時間以内など)、あるいは、商品を配送すべき期限(例えば、10月1日15時など)を指定できるようにしてもよい。
このような条件が付加された購入要求12が生成された場合には、運営サーバ100は、供給者20からの配送可能時刻などの情報の提供を受けて、購入要求12と販売要求22との間で条件が合致するか否かを判断する。
(e6:配送可能範囲オプション)
供給者20の事業規模によっては、商品を配送できる範囲が制限される場合がある。このような配送範囲の制限を考慮して、供給者20が販売要求22を生成する際に、商品を配送可能な範囲を予め指定するようにしてもよい。より具体的には、供給者20は、商品を配送可能な範囲(例えば、日本国内のみ、500km否かなど)を指定できるようにしてもよい。
このような条件が付加された販売要求22が生成された場合には、運営サーバ100は、買い手10の配送先情報(買い手10の位置を示す情報)を参照して、購入要求12と販売要求22との間で条件が合致するか否かを判断する。
なお、買い手10が購入要求12を生成する際に、供給者20が予め指定している配送可能範囲の条件に合致しないことが明らかである場合には、買い手10に対して、条件に合致しない販売要求22を隠すようにしてもよい。
(e7:資格確認)
取引される商品(例えば、アルコール類、タバコ、薬など)によっては、買い手10が所定の資格を有していることを確認する必要がある。そのため、運営サーバ100は、買い手10の属性情報(年齢など)を予め保持しておき、属性情報も参照して、購入要求12と販売要求22との間で条件が合致するか否かを判断するようにしてもよい。
買い手10の属性情報については、買い手10が運転免許証を写した画像などを予め運営サーバ100へ送信し、その送信された画像に基づいて、当該買い手10の属性情報を生成するようにしてもよい。
このような買い手10の資格を確認することで、適性かつ適法な取引を実現できる。
(e8:ボリュームディスカウント)
商品取引システム1における商品の取引において、所定数を超える商品が購入される場合には、商品の価格を下げるようにしてもよい。この場合には、供給者20が販売要求22を生成する際に、商品の販売数と割引率(ディスカウント率)を条件として追加するようにしてもよい。
運営サーバ100は、マッチング処理において、指定された販売数以上の商品の取引が成立した場合には、指定された割引率に従って商品の価格を決定してもよい。
<F.その他の形態>
(f1:口座)
商品取引システム1においては、国際的な商品の取引も可能であり、このような場合には、ユーザの口座は、特定の通貨(例えば、日本円や米国ドルなど)で統一してもよいし、複数の通貨からユーザが特定の通貨を選択するようにしてもよい。異なる通貨の口座間で取引が行われる場合には、取引時の為替レートを考慮して、口座間で代金が遣り取りされてもよい。
あるいは、任意の仮想通貨を用いて各ユーザの口座を管理するようにしてもよい。共通の仮想通貨を用いることで、為替レートに基づく変換処理などを省略できる。
(f2:分散配置)
上述の説明においては、運営サーバ100がマッチング処理および決済処理を実行する例を示すが、それぞれの処理を異なるサーバに実装してもよいし、複数の運営サーバ100を用いて実装してもよい。例えば、国ごとまたは地域ごとに運営サーバ100を用意するとともに、運営サーバ100同士を連携することで、国際的な商品の取引を実現できる。
<G.利点>
本実施の形態に従う商品取引システム1によれば、買い手10および供給者20がそれぞれ購入要求12および販売要求22を生成し、運営サーバ100が購入要求12と販売要求22との間のマッチングを判断する。そして、マッチングしたと判断されると、供給者20から買い手10に対して商品が配送されるとともに、商品の配送完了に応じて、代金が供給者20の口座へ移される。このような電子的な売買の仕組みを導入することで、生産者と買い手10との間で直接的な商品の取引も可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求
の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 商品取引システム、10 買い手、12 購入要求、20 供給者、22 販売要求、30 配送者、100 運営サーバ、101 プロセッサ、102 メインメモリ、103 通信インターフェイス、104 入力部、105 ディスプレイ、106 内部バス、110 ストレージ、112 マッチングプログラム、114 決済プログラム、116 要求キュー、118 ユーザ情報、121 購入希望総額、122 購入希望価格、123,223 配送費、124 購入希望個数、125,152 配送先情報、126 システム利用料、150,250 管理情報、154,254 残高情報、156
購入履歴、221 販売希望総額、222 販売希望価格、224 販売希望個数、225,226,227 配送費定義、228 重量テーブル、256 販売履歴、300,320,400 ユーザインターフェイス画面、302,322 商品表示部、304,416 検索ボタン、306,418 ボタン、310 個数入力ボックス、312 単位選択ラジオボタン、314 価格入力ボックス、316 配送費選択ラジオボタン、318 チェックボタン、330 状況表示部、332 購入要求状況表示部、334 販売要求状況表示部、402 リスト、404 商品コード欄、406 商品名欄、408 販売価格欄、410 販売個数欄、412 残り個数欄、414 一部取引欄、420 内容変更ボタン、422 更新ボタン、424 個別販売欄。

Claims (7)

  1. 買い手と供給者との間の商品取引を行うための商品取引システムであって、
    前記買い手から特定の商品の購入希望価格を含む購入要求を受け付ける第1の受付手段と、
    前記供給者から前記特定の商品の販売希望価格を含む販売要求を受け付ける第2の受付手段と、
    前記供給者から前記買い手までの前記特定の商品を配送するための配送費を反映した上で、前記購入要求と前記販売要求とがマッチングするか否かを判断する判断手段とを備える、商品取引システム。
  2. 1または複数の前記購入要求、および、1または複数の前記販売要求を一時的に保持するための要求キューをさらに備え、
    前記判断手段は、前記購入要求もしくは前記販売要求が前記要求キューに追加されたとき、または、前記要求キューに保持されている前記購入要求もしくは前記販売要求が変更されたときに、前記購入要求と前記販売要求とがマッチングするか否かを判断する、請求項1に記載の商品取引システム。
  3. 前記供給者または前記特定の商品に関連付けられた配送費定義と、前記買い手と前記供給者との間の距離とに基づいて、前記特定の商品を配送するための配送費を算出する算出手段をさらに備える、請求項1または2に記載の商品取引システム。
  4. 前記買い手および前記供給者の各々が保有する経済的価値を管理する口座をさらに備え、
    前記第1の受付手段は、前記購入要求に含まれる購入希望価格に基づいて決定される価値を対応する買い手の口座から予約する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の商品取引システム。
  5. マッチングした購入要求と販売要求とに基づく商品取引が完了すると、当該購入要求に対応する買い手の口座から利用料を徴収する手段をさらに備える、請求項4に記載の商品取引システム。
  6. 買い手と供給者との間の商品取引をコンピュータが実行する商品取引方法であって、
    前記買い手から特定の商品の購入希望価格を含む購入要求を受け付けるステップと、
    前記供給者から前記特定の商品の販売希望価格を含む販売要求を受け付けるステップと、
    前記供給者から前記買い手までの前記特定の商品を配送するための配送費を反映した上で、前記購入要求と前記販売要求とがマッチングするか否かを判断するステップとを備える、商品取引方法。
  7. コンピュータに買い手と供給者との間の商品取引を実行させるための商品取引プログラムであって、前記商品取引プログラムは前記コンピュータに、
    前記買い手から特定の商品の購入希望価格を含む購入要求を受け付けるステップと、
    前記供給者から前記特定の商品の販売希望価格を含む販売要求を受け付けるステップと、
    前記供給者から前記買い手までの前記特定の商品を配送するための配送費を反映した上で、前記購入要求と前記販売要求とがマッチングするか否かを判断するステップとを実行させる、商品取引プログラム。
JP2020068304A 2019-08-30 2020-04-06 商品取引システム、商品取引方法および商品取引プログラム Active JP7560823B2 (ja)

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