JP2021036734A - 組電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】充電可能な組電池において電池セルの充電状態をバランス良くすることができる組電池を提供する。【解決手段】充電可能な組電池(1)が提供される。組電池は、複数の電池セル(11〜14)と、検出部(31)と、複数の放電抵抗(33)と、制御部(32)とを備える。複数の電池セルは、互いに直列接続されている。検出部は、各電池セルの両端間のセル電圧(Vc1〜Vc4)をそれぞれ検出する。複数の放電抵抗は、各電池セルと並列に接続され、それぞれの電池セルを短絡して放電可能である。制御部は、検出部によって検出されたセル電圧に基づいて、各電池セルの放電を制御する。制御部は、検出されたセル電圧の大きさに応じて、当該セル電圧が検出された電池セルを放電するための1つ又は複数の放電抵抗による抵抗値を変更する。【選択図】図2

Description

本発明は、充電可能な複数の電池セルを含む組電池に関する。
複数の電池セルを含んだ組電池を充電する際に、各電池セルの電圧を均一化する技術が知られている(例えば特許文献1)。
特許文献1は、電池セルで構成される蓄電部の充電を、短時間で完了することを目的とする蓄電装置を開示している。特許文献1の蓄電装置は、直列接続された複数の蓄電部と、蓄電部のそれぞれにスイッチを介して並列接続されたセルバランス部と、蓄電部に充電する充電電流を制御する制御部とを備えている。制御部は、蓄電装置の充電管理を行う制御装置と通信接続しており、充電電流を第1の定電流値よりも小さい第2の定電流値に切り替える制御を行っている。
特開2015−61335号公報
本発明の目的は、充電可能な組電池において、満充電時の組電池中の電池セルの電圧を速やかに均一化することができる組電池を提供することにある。
本発明に係る組電池は、充電可能な組電池である。組電池は、複数の電池セルと、検出部と、複数の放電抵抗と、制御部とを備える。複数の電池セルは、互いに直列接続されている。検出部は、各電池セルの両端間のセル電圧をそれぞれ検出する。複数の放電抵抗は、各電池セルと並列に接続され、それぞれの電池セルを短絡して放電可能である。制御部は、検出部によって検出されたセル電圧に基づいて、各電池セルの放電を制御する。制御部は、検出されたセル電圧の大きさに応じて、当該セル電圧が検出された電池セルを放電するための1つ又は複数の放電抵抗の抵抗値を変更する。
本発明に係る組電池によると、セル電圧の大きさに応じて放電抵抗の抵抗値を変更しながら、電池セルが放電される。これにより、充電可能な組電池において電池セルの電圧を速やかに均一化することができる。
実施形態1に係る組電池の使用例を説明するための図 実施形態1に係る組電池の構成を示す回路図 組電池のバランス動作の課題を説明するための図 実施形態1に係る組電池のバランス動作を説明するための図 組電池のバランス動作を説明するためのタイミングチャート 実施形態1に係る組電池のバランス動作のシミュレーションを説明するための図 実施形態2に係る組電池の構成を示す回路図 実施形態2に係る組電池の動作例を説明するための図
以下、添付の図面を参照して本発明に係る組電池の実施形態を説明する。
各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。実施形態2以降では実施形態1と共通の事項についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態毎には逐次言及しない。
(実施形態1)
実施形態1では、充電可能な複数の電池セルを含む組電池において、充電時にバランス状態を達成するためのバランス動作を行う組電池について説明する。バランス状態は、組電池において直列接続された電圧セルの電圧が均一化された状態をいうこととする。また、バランス動作は、組電池において各電池セルに並列接続した放電抵抗等を用いて、或る電池セルを放電する動作をいうこととする。
一般に、バランス動作は、組電池の安全(過充電予防)および劣化促進抑制のために、早く完了させるほど好ましい。従来から、放電抵抗の抵抗値を小さく設定する手段があったが、その場合、放電抵抗に流れるバイパス電流が大きくなる。このため、組電池は、バランス動作時に過電圧により電池セルの電圧を過少に評価することで誤動作判定しやすくなり、直列セル間の電圧の平滑性が悪い状態になりやすくなってしまう。このように、上記のような設定だけではバランス動作の精度が低下してしまうという問題に、本願発明者は着目した。
本実施形態に係る組電池は、以上のような誤動作判定を防止しつつ、満充電時の組電池中の電池セルの電圧を速やかに均一化することができる。以下、本実施形態に係る組電池の構成及び動作について、図1〜6を参照して説明する。
1.構成
実施形態1に係る組電池の構成について、図1,2を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る組電池1の使用例を説明するための図である。
本実施形態に係る組電池1は、種々の電子機器(例えば車載機器やモバイル機器)に供給可能な電力を蓄電する蓄電装置を構成する。図1の使用例において、組電池1は、正極端子1pと負極端子1mとを介して、負荷2及び充電回路20に接続されている。組電池1は、正極端子1pと負極端子1m間の組電池電圧Vaを種々の負荷2に供給する。また、本実施形態に係る組電池1は二次電池であり、両端子1p,1m間に接続された充電回路20によって充電可能である。
充電回路20は、例えば発電機及びコンバータ等を含み、組電池1を充電するための電圧を制御する。また、充電回路20は、組電池電圧Vaを検知する検知回路を含む。充電回路20は、検知回路で検知した組電池電圧Vaが所定値未満であるときに、組電池1を充電する充電動作を実行し、検知した組電池電圧Vaが所定値以上であるときには、組電池1の充電動作を停止する。所定値は、例えば組電池1の満充電状態を示す電圧値である(例えば14.2V)。
組電池1は、図1に示すように、複数の電池セル11〜14と、電池保護回路部10と、バランス回路部3とを備える。本実施形態では、組電池1において4個の電池セル11,12,13,14が直列接続された例を説明する。
第1〜第4の電池セル11〜14は、リチウムイオン電池で構成され、例えば正極の材料にリン酸鉄リチウム(LFP)を含むと共に負極の材料にグラファイト(Gr)を含む(以下「LFP−Grセル」という場合がある)。各電池セル11〜14は、それぞれ1つの蓄電素子で構成されてもよいし、複数の蓄電素子を含んでもよい。複数の蓄電素子は、例えば互いに並列接続されてもよい。複数の蓄電素子は、適宜、組み合わされて1つの電池セルを構成してもよい。
電池保護回路部10は、組電池1の内部に組み込まれ、第1〜第4の電池セル11〜14のいずれかが異常な充電状態にあるときに、組電池1の充電を強制的に終了する電池保護機能を実現する。電池保護回路部10は、各電池セル11〜14の端子間電圧であるセル電圧Vc1〜Vc4を検知して、いずれかのセル電圧が所定のしきい値(例えば4V)を超えたときに、電池セル11〜14に対する電力供給を遮断するようにスイッチ10a等を制御する。
バランス回路部3は、組電池1の充電時などに、各々の電池セル11〜14の満充電近傍のセル電圧Vc1〜Vc4を均一化させるように各電池セル11〜14を放電するバランス機能を実現する。本実施形態に係る組電池1では、内部に組み込まれたバランス回路部3が、セル電圧Vc1〜Vc4の大きさに応じて、各電池セル11〜14の放電を段階的に調整する。以下、本実施形態に係る組電池1の構成の詳細を、図2を用いて説明する。
図2は、実施形態1に係る組電池1の構成を示す回路図である。図2では、電池セル保護回路部10(図1)等の図示を省略している。本実施形態に係る組電池1は、図2に示すように、複数段のバランス回路3−1〜3−3を備える。以下では、組電池1において3段のバランス回路3−1,3−2,3−3が設けられた例について説明する。
各段のバランス回路3−1〜3−3は、第1〜第4の電池セル11〜14の各々を放電する4つの放電回路30と、検出部31と、制御部32とを備える。各バランス回路3−1〜3−3の検出部31と制御部32とは、例えば同じIC等に実装される。
各段のバランス回路3−1〜3−3において、4つの放電回路30は、それぞれ第1〜第4の電池セル11〜14のうちの1つの電池セルに並列接続される。本実施形態において、各放電回路30は、放電抵抗33とスイッチ34との直列回路で構成される。それぞれの放電抵抗33は、例えば共通の抵抗値R(例えば100Ω)を有する。スイッチ34は、例えばFET,IGBT等で構成される。
各電池セル11〜14に対する放電回路30は、それぞれスイッチ34がオンしたときに、対応する電池セルを放電抵抗33で短絡して、当該電池セルを放電する。本実施形態に係る組電池1においては、3段のバランス回路3−1〜3−3により、各電池セル11〜14に対して、互いに並列する3段分の放電回路30を用いた多段階の放電動作(バランス動作)が行われる。
検出部31は、電圧計測回路などを含み、4個の電池セル11〜14の各々のセル電圧Vc1〜Vc4を検出する。各段のバランス回路3−1〜3−3における検出部31は、同段の制御部32に、セル電圧Vc1〜Vc4の検出結果を示す検出値を出力する。
制御部32は、ロジック回路などを含む。各段の制御部32は、各セル電圧Vc1〜Vc4の検出値に基づいて、対応する電池セル11〜14のバランス動作における放電を制御する。それぞれの制御部32は、各セル電圧Vc1〜Vc4の検出値に対して、所定のしきい値による比較判定を行い、判定結果に応じてそれぞれのスイッチ34をオン/オフ制御する。
1〜3段目のバランス回路3−1〜3−3の制御部32には、互いに異なる第1〜第3のしきい値Vth1,Vth2,Vth3が設定される(以下、Vth1<Vth2<Vth3とする)。例えば、第1のしきい値Vth1は、組電池1の充電電圧を、直列セル数で除した電圧以上の値に設定される。
例えば、1段目のバランス回路3−1の制御部32は、第1の電池セル11のセル電圧Vc1の検出値が第1のしきい値Vth1よりも大きいと判定すると、第1の電池セル11に対する放電回路30のスイッチ34をオンするように制御信号S11を生成する。また、同制御部32は、セル電圧Vc1の検出値が第1のしきい値Vth1以下と判定すると、同スイッチ34をオフするように制御信号S11を生成する。
上記と同様に、1段目のバランス回路3−1において、各セル電圧Vc2〜Vc4の検出値と第1のしきい値Vth1との比較結果に基づき、第2〜第4の電池セル12〜14に対する放電回路30のスイッチ34をそれぞれオン/オフ制御する制御信号S12〜S14が生成される。また、2,3段目のバランス回路3−2,3−3において、各セル電圧Vc1〜Vc4の検出値と第2,第3のしきい値Vth2,Vth3との比較結果に基づき、各スイッチ34の制御信号S21〜S24,S31〜34が生成される。
2.動作
以上のように構成される組電池1の動作について、以下説明する。
本実施形態に係る組電池1は、充電回路20(図1)等から充電される際に、バランス回路部3において、複数の電池セル11〜14の中で規定の電圧より高い電圧の電池セルを放電するバランス動作を行う。バランス動作によると、充電回路20による充電中もしくは充電動作停止状態において、組電池1内部の複数の電池セル11〜14の各セル電圧Vc1〜Vc4に応じて放電抵抗33をON(短絡)し放電することで、セル電圧Vc1〜Vc4を均等化する。
2−1.課題について
組電池におけるバランス動作の課題について、図3(a),(b)を用いて説明する。図3(a)は、電池セルの充電電圧特性を例示するグラフである。図3(b)は、図3(a)における満充電状態の近傍の拡大図である。図3の縦軸はセル電圧[V]を示し、横軸は充電量、即ち充電済みの容量[Ah]を示す。
図3(a)では、電池セルとして満充電の容量2Ahを有するLFP−Grセル(以下「セル」と略記する場合がある)を用いた場合の特性曲線61を例示している。特性曲線61は、セル充電時のセルの充電量とセル電圧の関係を示したものである。LFP−Grセルでは、図3(a)に示すように、満充電状態の近傍(2Ah近傍)において、セル電圧が急峻に立ち上がる。
本実施形態に係る組電池1のように複数のセルを用いて組電池を構成した場合、理想的には、全てのセルの特性曲線が重なった状態、即ちSOC(State Of Charge)ずれがない状態にある。しかし、組電池における電池セル間での劣化ばらつきやセル内部の微小短絡により、特性曲線にずれが生じる場合がある。図3(a)の特性曲線61は、通常の電池セルによる充電電圧特性を示している(以下「正常な特性曲線61」という場合がある)。
図3(b)では、満充電状態の近傍における2セルの特性曲線61,62を示している。具体的には、正常な特性曲線61と、正常な特性曲線61からずれた電池セルの特性曲線62とを示している。例えば、特性曲線61,62のようにSOCがずれた2セルからなる組電池をある容量(例えば2.015Ah)に充電した場合、図3(b)のように一方のセルが3.8Vとなり、他方のセルは3.55Vとなる。SOCずれに起因して生じる特定セルの電圧が高い状態は、そのセルの劣化促進、不安全状態および組電池の実効容量の低下を引き起こすため、図3(a),(b)のような充電電圧特性を有する組電池においては、充電末期にバランス動作を行う必要がある。
従来のバランス動作においては、セル電圧の検出値が、満充電近傍のしきい値(図3(b))等よりも大きいと判定されたときに、予め設定された抵抗値の放電抵抗で電池セルを短絡して、しきい値以下になるまで電池セルを放電していた。ここで、設定された抵抗値が大きいと、電池セルを放電する放電期間が長くなり、組電池の容量が最適化されるまでに長時間を費やしてしまう。さらに、上記の放電期間中、放電される電池セルは満充電を超えた異常な状態にあり、電池セルの劣化促進が懸念される。
一方、従来のバランス動作において放電抵抗に小さい抵抗値が設定されると、電池セルの内部抵抗とバイパス電流による電圧降下(過電圧)が大きくなり、セル電圧の検出値が実際のセル電圧から下がることでバランス動作が中断するような事態を生じるため、従来のバランス動作では、組電池における個々のセルの電圧を迅速に、且つ高精度にバランスさせることが困難であった。
そこで、本実施形態に係る組電池1では、複数段のバランス回路3−1〜3−3を用いて段階的に、電池セルを放電する際の抵抗値(合成抵抗)を変更する。これにより、バランス動作の長期化や中断を抑制して、組電池1における充電状態を精度良くバランスさせることができる。以下、本実施形態に係る組電池1の動作の詳細を説明する。
2−2.バランス動作について
本実施形態に係る組電池1におけるバランス動作について、図4,5を用いて説明する。図4は、本実施形態に係る組電池1のバランス動作を説明するための図である。図5は、組電池1のバランス動作を説明するためのタイミングチャートである。
図4では、特性曲線61を用いて、各段のバランス回路3−1〜3−3に設定される第1〜第3のしきい値Vth1〜Vth3を例示している。図4の例では、1段目のバランス回路3−1における第1のしきい値Vth1は、3.55V(組電池1の充電電圧を直列セル数で除した電圧)に設定されている。第1のしきい値Vth1は、複数の電池セルが直列接続された組電池1においては、充電電圧/直列セル数以上に設定される。直列セル数は、組電池1において互いに直列接続された電池セルの個数である。また、2段目のバランス回路3−2において第2のしきい値Vth2=3.6Vに設定され、3段目のバランス回路3−3において第3のしきい値Vth1=3.65Vに設定されている。
以下では、一例として第1の電池セル11に対するバランス動作について説明する。特性曲線61によると、同電池セル11は充電時に、セル電圧Vc1が第1のしきい値Vth1よりも小さい点P1の状態から、特性曲線61の急峻な立ち上がりに沿って第3のしきい値Vth3よりも大きい点P2の状態になる場合が想定される。このような場合の組電池1の動作例を図5(a)〜(d)に示す。
図5(a)は、1段目のバランス回路3−1(図2)における第1の電池セル11に対する放電回路30の制御信号S11の制御タイミングを示す。図5(b),(c)は、それぞれ2,3段目のバランス回路3−2,3−3における同電池セル11の放電の制御信号S21,S31の制御タイミングを示す。図5(d)は、同電池セル11を放電するための抵抗値の変更タイミングを示す。
図5(a)〜(d)では、第1の電池セル11のセル電圧Vc1が時刻t1に点P1に到達し、その後の時刻t2に点P2に到達した場合の動作例を示している(図4参照)。時刻t1と時刻t2間の時刻t11,t12,t13に、各段のバランス回路3−1〜3−3(図2)がバランス動作を開始する。
まず、時刻t11において、1段目のバランス回路3−1の制御部32(図2)は、セル電圧Vc1の検出値が第1のしきい値Vth1よりも大きくなったと判定し、図5(a)に示すように制御信号S11を生成する。これにより、1段目のバランス回路3−1において、第1の電池セル11に対する放電回路30のスイッチ34がオンし、放電抵抗33が当該電池セル11を短絡する。このとき、当該電池セル11は、1つの放電抵抗33による抵抗値「R」に基づき放電されることとなる(図5(d))。
次に、時刻t12において、2段目のバランス回路3−2の制御部32は、セル電圧Vc1の検出値が第2のしきい値Vth2よりも大きくなったと判定し、制御信号S21によってスイッチ34をオンする(図5(b))。このとき、第1の電池セル11には2つの放電抵抗33が並列に短絡され、当該電池セル11を放電するための抵抗値は、2つの放電抵抗33の合成抵抗値「R/2」になる(図5(d))。
次に、時刻t13において、3段目のバランス回路3−3の制御部32は、セル電圧Vc1の検出値が第3のしきい値Vth3よりも大きくなったと判定し、制御信号S31によってスイッチ34をオンする(図5(c))。このとき、第1の電池セル11を短絡する放電抵抗33が3つになり、当該電池セル11を放電するための抵抗値は「R/3」になる(図5(d))。
また、時刻t2以降に、3段目のバランス回路3−3の制御部32が、セル電圧Vc1の検出値が第3のしきい値Vth3以下になったと判定すると、図5(c)に示すように制御信号S31によって放電回路30のスイッチ34をオフする。このとき、3段目のバランス回路3−3による第1の電池セル11の放電が停止され、当該電池セル11を放電するための抵抗値は「R/3」から「R/2」に戻る(図5(d))。
その後、2段目のバランス回路3−2の制御部32が、セル電圧Vc1の検出値が第2のしきい値Vth2以下になったと判定すると、制御信号S21(図5(b))によって第1の電池セル11の放電を停止する。また、1段目のバランス回路3−1においても、制御部32がセル電圧Vc1の検出値が第1のしきい値Vth1以下になったと判定すると、制御信号S11(図5(a))によって同電池セル11の放電を停止する。
1段目のバランス回路11による放電が停止されることにより、図5(a)〜(d)の例のバランス動作は終了する。
以上の動作によると、第1の電池セル11のセル電圧Vc1の大きさに応じて、当該電池セル11を放電するための抵抗値が、図5(d)に示すように段階的に変更される。このようなバランス動作は、他の電池セル12〜14についても同様に行われる。これにより、組電池1において各電池セル11〜14の電圧を速やかに均一化できる。
2−3.シミュレーションについて
以上のようなバランス動作について、本願発明者は効果を確認するためのシミュレーションを行った。本願発明者が行ったシミュレーションについて、図6(a),(b)を用いて説明する。
図6(a)は、本実施形態に係る組電池1のバランス動作のシミュレーション結果を示すグラフである。図6(b)は、比較例のバランス動作のシミュレーション結果を示すグラフである。図6(a),(b)のグラフの横軸は、時間[秒]を示す。また、図6(a),(b)中左側の縦軸は電圧[V]を示し、右側の縦軸は電流[mA]を示す。
図6(a)のシミュレーションでは、図5(a)〜(d)の動作例における時刻t2以降において、第1の電池セル11が放電される様子をシミュレーションした。本シミュレーションでは、初期条件として第1の電池セル11のセル電圧Vc1=3.8Vに設定すると共に、残りの各電池セル12〜14のセル電圧Vc2=Vc3=Vc4=3.55Vに設定した。また、1つの放電抵抗33当たりの抵抗値をR=100Ωに設定した。
上記のような設定において、1,2,3段目のバランス回路3−1〜3−3の各々において第1の電池セル11に対する放電抵抗33に流れるバイパス電流Ib1,Ib2,Ib3、及び当該電池セル11を放電する全体のバイパス電流Ib(=Ib1+Ib2+Ib3)を数値計算した(図2参照)。さらに、バイパス電流Ibによる放電中の同電池セル11のセル電圧Vc1を数値計算した。これにより、図6(a)に示すようなシミュレーション結果が得られた。
また、上記と同様の設定において、図6(a)のシミュレーションに対する比較例として、1つのしきい値3.55V(図3(b)参照)と1つの抵抗によるバランス動作で電池セルが放電される様子についてもシミュレーションした。このシミュレーション結果を図6(b)に示す。図6(b)のシミュレーション結果によると、図6(a)と同じ初期状態からセル電圧がしきい値3.55V以下に到達するまでのバランス動作の動作期間は、略1200秒であった。
一方、本実施形態のシミュレーション(図6(a))では、初期状態において、第3のしきい値Vth3(=3.65V)よりも大きいセル電圧Vc1に対して、1〜3段目のバランス回路3−1〜3−3の各々がバイパス電流Ib1,Ib2,Ib3を流している。これにより、バイパス電流Ibを大きくして、セル電圧Vc1が急速に低下している。このようなバランス動作により、図6(a)のシミュレーション結果によると、セル電圧Vc1が第1のしきい値Vth1(=3.55V)に到達するまでのバランス動作の動作期間が、略700秒にまで短縮された。
以上のように、本実施形態に係る組電池1のバランス動作によると(図6(a))、図6(b)の比較例よりも顕著に、バランス動作の動作期間を短縮できる効果を確認することができた。
また、本実施形態に係るバランス動作によると、図6(a)に示すように、セル電圧Vc1(の検出値)の低下に応じて、各段のバイパス電流Ib1,Ib2,Ib3が1つずつ「0」になり、段階的にバイパス電流Ibを減らしている。これにより、理想状態(3.55V)に近いほど、つまりセル電圧が低いほどバイパス電流による過電圧を小さくすることで、過電圧でバランス動作が誤って中断するような事態を回避して、精度良く各電池セル11〜14の充電状態をバランスさせることができる。
3.まとめ
以上のように、本実施形態に係る組電池1は、充電可能な組電池である。組電池1は、複数の電池セル11〜14と、検出部31と、複数の放電抵抗33と、制御部32とを備える。複数の電池セル11〜14は、互いに直列接続されている。検出部31は、各電池セル11〜14の両端間のセル電圧Vc1〜Vc4をそれぞれ検出する。複数の放電抵抗33は、各電池セル11〜14と並列に接続され、それぞれの電池セル11〜14を短絡して放電可能である。制御部32は、検出部31によって検出されたセル電圧Vc1〜Vc4に基づいて、各電池セル11〜14の放電を制御する。制御部32は、検出されたセル電圧Vc1〜Vc4の大きさに応じて、当該セル電圧が検出された電池セル11〜14を放電するための1つ又は複数の放電抵抗33による抵抗値を変更する。
以上の組電池1によると、各電池セル11〜14の放電中に検出されたセル電圧Vc1〜Vc4の大きさに応じてバイパス電流Ibを増減させ、組電池1における各電池セル11〜14の電圧を均一化できる。
すなわち、組電池1において、「バランス動作によってセル電圧を収束させるべき値(例えばVth1)」と「現状のセル電圧の値」との差(「ΔV」とする)について、ΔV>過電圧という状態を実現しやすくすることができる。つまり、組電池1は、ΔVが大きいほどバイパス電流を大きくすることで過電圧を許容する。また、ΔVが小さいほどバイパス電流を小さくすることで過電圧を最小化する。このような動作をすることで、組電池1において、誤動作判定を防止しつつ、バランス状態に到達するまでの時間を短縮することができる。
本実施形態において、制御部32は、電池セル11〜14の放電時に検出部31によって検知されたセル電圧Vc1〜Vc4が大きいほど、上記の抵抗値を減少させる(図5(d)参照)。これにより、セル電圧Vc1〜Vc4が大きいときほどバイパス電流Ibを大きくして、効率良く電池セル11〜14の充電状態をバランスさせることができる。
また、本実施形態において、制御部32は、所定の複数のしきい値Vth1〜Vth3に基づいて、上記の抵抗値を段階的に変更する。これにより、簡潔な制御で精度良く電池セル11〜14の充電状態をバランスさせることができる。
また、本実施形態において、複数のしきい値Vth1〜Vth3のうちの最小のしきい値Vth1は、組電池1の充電電圧を、直列セル数で除した電圧以上である。当該充電電圧は、例えば満充電の状態の組電池電圧Va(図1)として規定される。また、直列セル数は組電池1において直列接続された電圧セルの個数である。これにより、電池セル11〜14が正常に満充電状態に到った状態でのバランス動作を小さくできる。また充電電圧が変動する場合は想定される充電電圧の下限電圧を直列セル数で除した電圧以上を設定する。
また、本実施形態における組電池1は、各放電抵抗33と各電池セルとの間に設けられる複数のスイッチ34をさらに備える。放電抵抗33とスイッチ34の直列回路で構成される放電回路30が、1つの電池セルに対して複数、並列に設けられる。このような簡潔な回路構成で、精度良く電池セル11〜14の充電状態をバランスさせることができる。
また、本実施形態において、複数の電池セル11〜14は、4個である。組電池1における電池セルの個数は4個に限らず、5個以上であってもよいし、2個又は3個であってもよい。組電池1における各電池セルは、互いに直列接続されてもよいし、並列接続される組を含んでいてもよい。
また、本実施形態において、電池セル11〜14は、LFPを含む正極と、Grを含む負極とを備えるリチウムイオン電池である。このようなLFP−Grセルの充電電圧特性(図3(a),(b))に対して、精度良く充電状態をバランスさせることができる。
上記の実施形態1では、組電池1において3段のバランス回路3−1〜3−3が設けられた例を説明したが、組電池1に設けるバランス回路の段数は、2段であってもよいし、4段以上であってもよい。
(実施形態2)
実施形態1では、多段のバランス回路3−1〜3−3間の合成抵抗の抵抗値を変更した。実施形態2では、可変抵抗器を用いる組電池について説明する。
実施形態2に係る組電池について、図7,8を用いて説明する。
図7は、実施形態2に係る組電池1Aの構成を示す回路図である。本実施形態に係る組電池1Aは、実施形態1の組電池1(図2)と同様の構成において、多段のバランス回路3−1〜3−3の代わりに、図7に示すように、1段のバランス回路3Aを備える。
本実施形態のバランス回路3Aは、実施形態1の各放電抵抗33の代わりに、可変抵抗器で構成される放電抵抗33Aを備える。また、本実施形態のバランス回路3Aの制御部32Aは、例えばマイコンで構成される。制御部32Aは、検出部31によるセル電圧Vc1〜Vc4の検出値に基づいて、各スイッチ34を制御すると共に、放電抵抗33Aの抵抗値を変化させる。図8に、実施形態2に係る組電池1Aの動作の一例を示す。
図8では、実施形態2のバランス回路3Aの制御部32Aが、実施形態1と同様のバランス動作を実現するように放電抵抗34Aを制御した場合の動作例を示している(図6(a)参照)。
本動作例において、制御部32Aには、第1〜第3のしきい値Vth1〜Vth3が予め設定されている(図4参照)。制御部32Aは、セル電圧Vc1〜Vc4の検出値のいずれかが第1のしきい値Vth1よりも大きいか否かに基づいて、対応するスイッチ34をオン/オフ制御する。また、制御部32Aは、セル電圧Vc1〜Vc4の検出値と第2及び第3のしきい値Vth2,Vth3とを比較判定し、判定結果に応じて対応する放電抵抗33Aの抵抗値を、例えば3つの設定値R,R/2,R/3の中から選択する。
以上のような動作により、図8に示すようにバイパス電流Ibを段階的に変化させ、実施形態1のシミュレーション結果と同様の効果を得ることができる。
以上の動作例では、制御部32Aは、複数のしきい値判定によって放電抵抗33Aの抵抗値を段階的に変化させた。これに限らず、例えば制御部32Aは、放電抵抗33Aの抵抗値を、連続的に段階的に(或いは充分に細分化して)変化させてもよい。
以上のように、本実施形態に係る組電池1Aにおいて、放電抵抗33Aは、可変抵抗器で構成される。これにより、精度良く電池セル11〜14の充電状態をバランスさせることができる。
(他の実施形態)
上記の各実施形態では、電池セル11〜14がLFP−Grセルである例を説明したが、組電池の電池セルはLFP−Grセルに限らず、例えばオリビン系や非オリビン系の種々のリチウムイオン電池で構成されてもよい。
また、上記の各実施形態では、電池保護回路部を備える組電池1について説明したが、組電池は、電池保護回路部とは別に提供されてもよい。
上述した実施形態は例示であり、本発明は上記の実施形態に限定されない。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置換、付加、省略などを行うことができる。
1 組電池
11〜14 電池セル
3−1〜3−3,3A バランス回路
30 放電回路
31 検出部
32.32A 制御部
33.33A 放電抵抗
34 スイッチ

Claims (8)

  1. 充電可能な組電池であって、
    互いに直列接続された複数の電池セルと、
    各電池セルの両端間のセル電圧をそれぞれ検出する検出部と、
    各電池セルと並列に接続され、それぞれの電池セルを短絡して放電可能な複数の放電抵抗と、
    前記検出部によって検出されたセル電圧に基づいて、各電池セルの放電を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、検出されたセル電圧の大きさに応じて、当該セル電圧が検出された電池セルを放電するための1つ又は複数の放電抵抗による抵抗値を変更する
    組電池。
  2. 前記制御部は、前記電池セルの放電時に前記検出部によって検知されたセル電圧が大きいほど、前記抵抗値を減少させる
    請求項1に記載の組電池。
  3. 前記制御部は、所定の複数のしきい値に基づいて、前記抵抗値を段階的に変更する
    請求項1又は2に記載の組電池。
  4. 前記複数のしきい値のうちの最小のしきい値は、前記組電池の充電電圧を、直列セル数で除した電圧以上であり、前記直列セル数は前記組電池において直列接続された電圧セルの個数である
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の組電池。
  5. 各放電抵抗と各電池セルとの間に設けられる複数のスイッチをさらに備え、
    前記放電抵抗と前記スイッチの直列回路が、1つの電池セルに対して複数、並列に設けられる
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の組電池。
  6. 前記放電抵抗は、可変抵抗器で構成される
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の組電池。
  7. 前記複数の電池セルは、4個以上である
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の組電池。
  8. 前記電池セルは、リン酸鉄リチウムを含む正極と、グラファイトを含む負極とを備えるリチウムイオン電池である
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の組電池。
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