JP2021032107A - 圧縮機 - Google Patents

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京志郎 西山
Kyoshiro Nishiyama
京志郎 西山
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Abstract

【課題】圧縮機のハウジングに対して駆動軸をすべり軸受のみで回転可能に支持しても、駆動軸の軸方向への移動を規制できるようにする。【解決手段】スクロール型圧縮機100は、気体冷媒を吸入、圧縮及び吐出するスクロールユニット120と、スクロールユニット120に回転駆動力を伝達する駆動軸166とスクロールユニット120及び駆動軸166を収容するハウジング140と、ハウジング140に対して駆動軸166の軸方向の両端部を回転可能に支持するすべり軸受230及び240と、ハウジング140と駆動軸166との間の気密性を確保するシール部材270と、を備えている。そして、シール部材270が配設された部位において、駆動軸166の外周面から径方向外方へと全周に亘って延びる凸部166Bが形成され、シール部材270の内周面に凸部166Bが摺動可能に嵌合する凹部270Aが形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、気体冷媒などの圧縮性流体を圧縮する圧縮機に関する。
空調機器などに組み込まれた圧縮機において、圧縮性流体を吸入、圧縮及び吐出する圧縮機構は、回転駆動力を伝達する駆動軸によって作動する。駆動軸は、特開2019−56322号公報(特許文献1)に記載されるように、圧縮機構及び駆動軸を収容するハウジングに対して、ころがり軸受及びすべり軸受により回転可能に支持されている。
特開2019−56322号公報
圧縮機の小型化を目的として、圧縮機構をより高速で作動させるために、ハウジングに対して駆動軸を回転可能に支持するすべての軸受を、高速回転に対応可能なすべり軸受にすることが考えられる。しかしながら、駆動軸の軸方向への移動を規制する機能を備えていたころがり軸受がなくなるため、例えば、圧縮機構の振動によって駆動軸が軸方向に移動して異音などが発生してしまうおそれがあった。
そこで、本発明は、ハウジングに対して駆動軸を回転可能に支持するすべての軸受をすべり軸受にしても、駆動軸の軸方向への移動を規制することができる圧縮機を提供することを目的とする。
圧縮機は、圧縮性流体を吸入、圧縮及び吐出する圧縮機構と、圧縮機構に回転駆動力を伝達する駆動軸と、圧縮機構及び駆動軸を収容するハウジングと、ハウジングに対して駆動軸の複数個所を回転可能に支持するすべり軸受と、ハウジングと駆動軸との間の気密性を確保する円筒形状のシール部材と、を備えている。そして、シール部材が配設された部位において、駆動軸の外周面から径方向外方へと全周に亘って延びる凸部が形成され、シール部材の内周面に凸部が摺動可能に嵌合する凹部が形成されている。
本発明によれば、ハウジングに対して駆動軸を回転可能に支持するすべての軸受をすべり軸受にしても、駆動軸の凸部とシール部材の凹部とが摺動可能に嵌合するため、駆動軸の軸方向への移動を規制することができる。
スクロール型圧縮機の一例を示す断面図である。 気体冷媒及び潤滑油の流れを説明するブロック図である。 本実施形態の要部を示す部分断面図である。 シール部材の変形例を示す部分断面図である。
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
図1は、圧縮機の一例として挙げることができる、スクロール型圧縮機100の一例を示している。
スクロール型圧縮機100は、例えば、車両用空調機器の冷媒回路に組み込まれ、冷媒回路から低圧の気体冷媒(圧縮性流体)を吸入して圧縮し、冷媒回路に高圧の気体冷媒を吐出する。スクロール型圧縮機100は、スクロールユニット120と、気体冷媒の吸入室H1及び吐出室H2を内包するハウジング140と、スクロールユニット120を駆動する電動モータ160と、電動モータ160を駆動制御するインバータ180と、を備えている。ここで、スクロールユニット120が、圧縮機構の一例として挙げられる。なお、スクロールユニット120は、電動モータ160に代えて、例えば、エンジン出力によって駆動されてもよい。また、スクロール型圧縮機100は、インバータ180を備えていなくてもよい。
スクロールユニット120は、互いに噛み合わされる固定スクロール122及び旋回スクロール124を有している。固定スクロール122は、円板形状の底板122Aと、底板122Aの一面から立設するインボリュート形状(渦巻形状)のラップ122Bと、を含んでいる。旋回スクロール124は、固定スクロール122と同様に、円板形状の底板124Aと、底板124Aの一面から立設するインボリュート形状のラップ124Bと、を含んでいる。ここで、円板形状とは、見た目で円板形状であると認識できる程度でよく、例えば、外面に凸部、凹部、スリットなどが形成されていてもよい(形状については以下同様)。
固定スクロール122及び旋回スクロール124は、ラップ122B及び124Bを噛み合わせた状態で配置されている。従って、固定スクロール122のラップ122Bの先端部が、旋回スクロール124の底板124Aの一面に接触している。一方、旋回スクロール124のラップ124Bの先端部が、固定スクロール122の底板122Aの一面に接触している。なお、ラップ122B及び124Bの先端部には、図示しないチップシールが夫々取り付けられていてもよい。
また、固定スクロール122及び旋回スクロール124は、ラップ122B及び124Bの周方向の角度が互いにずれつつ、ラップ122B及び124Bの側壁が互いに部分的に接触するように配置されている。従って、固定スクロール122と旋回スクロール124との間には、気体冷媒を圧縮する圧縮室H3として機能する、三日月形状の密閉空間が形成されている。
旋回スクロール124は、自転が阻止された状態で、後述するクランク機構250によって、固定スクロール122の軸心周りに公転するように配置されている。そして、旋回スクロール124が固定スクロール122の軸心周りに公転すると、スクロールユニット120は、三日月形状の圧縮室H3の容積を徐々に減少させながらこれを中央部に移動させる。その結果、スクロールユニット120は、ラップ122B及び124Bの外端部付近から圧縮室H3に気体冷媒を吸入して圧縮する。
ハウジング140は、電動モータ160及びインバータ180を収容するフロントハウジング142と、スクロールユニット120を収容するセンターハウジング144と、リアハウジング146と、インバータカバー148と、を有している。そして、フロントハウジング142、センターハウジング144、リアハウジング146及びインバータカバー148が、例えば、ボルト及びワッシャを含む締結具(図示せず)により分離可能に適宜締結されることで、スクロール型圧縮機100のハウジング140が構成されている。
フロントハウジング142は、円筒形状の周壁部142Aと、薄板形状の仕切壁部142Bと、を有している。フロントハウジング142の内部空間は、仕切壁部142Bによって、電動モータ160を収容するための空間と、インバータ180を収容するための空間と、に仕切られている。周壁部142Aの一端、即ち、インバータ180を収容するための空間の開口は、インバータカバー148によって閉塞されている。また、周壁部142Aの他端、即ち、電動モータ160を収容するための空間の開口は、センターハウジング144によって閉塞されている。仕切壁部142Bには、後述する駆動軸166の一端部を回転可能に支持する円筒形状の支持部142B1が、周壁部142Aの他端に向かって突設されている。
また、フロントハウジング142の周壁部142A、その仕切壁部142B及びセンターハウジング144によって、気体冷媒の吸入室H1が区画されている。吸入室H1には、フロントハウジング142の周壁部142Aに形成された吸入ポートP1を介して、冷媒回路から低圧の気体冷媒が吸入される。なお、吸入室H1では、気体冷媒が電動モータ160の周囲を流通して電動モータ160を冷却可能になっており、電動モータ160の軸方向の外方に位置する空間が連通して1つの吸入室H1が形成されている。吸入室H1には、回転駆動する駆動軸166などの摺動箇所を潤滑するため、適量の潤滑油が貯留されている。このため、吸入室H1においては、気体冷媒は、潤滑油と混合した状態で流通している。
センターハウジング144は、フロントハウジング142から遠位の部位が開口した有底円筒形状をなし、その内部空間にスクロールユニット120が収容されている。センターハウジング144は、円筒形状の周壁部144Aと、周壁部144Aの一端を閉塞する薄板形状の底壁部144Bと、を有している。センターハウジング144においては、周壁部144Aと底壁部144Bとによって区画される空間に、スクロールユニット120が収容されている。周壁部144Aの他端には、固定スクロール122の外縁部が嵌合する、円環形状の嵌合部144A1が形成されている。従って、センターハウジング144の他端に位置する開口は、固定スクロール122によって閉塞されている。また、底壁部144Bの径方向の中央部は、電動モータ160に向かって膨出することで膨出部144B1を形成している。この膨出部144B1の径方向の中央部には、駆動軸166の他端部を貫通させるための貫通孔が形成されている。
センターハウジング144の底壁部144Bと旋回スクロール124の底板124Aとの間には、薄板円環形状のスラストプレート200が配置されている。底壁部144Bの外縁部は、スラストプレート200を介して、旋回スクロール124からのスラスト力を受ける。スラストプレート200と当接する底壁部144B及び底板124Aの部位には、図示しないシール部材が夫々埋設されている。
また、旋回スクロール124の底板124Aとセンターハウジング144の底壁部144Bとの間には、旋回スクロール124を固定スクロール122に向けて押しつける背圧室H4が形成されている。センターハウジング144には、吸入室H1からスクロールユニット120の外端部付近の空間H5へと気体冷媒を導入する、冷媒導入通路L1が形成されている。冷媒導入通路L1は、吸入室H1と空間H5とを連通しているため、空間H5の圧力は、吸入室H1の圧力(吸入圧力Ps)と等しくなっている。
リアハウジング146は、センターハウジング144の周壁部144Aの他端に、締結具によって締結されている。従って、固定スクロール122は、その底板122Aがセンターハウジング144の嵌合部144A1とリアハウジング146との間に挟持されて固定されている。また、リアハウジング146は、センターハウジング144に対面する部位が開口した有底円筒形状をなし、円筒形状の周壁部146Aと、円板形状の底壁部146Bと、を有している。
リアハウジング146の内周面と固定スクロール122の底板122Aの他面とによって、気体冷媒の吐出室H2が区画されている。底板122Aの径方向の中央部には、スクロールユニット120の圧縮室H3と吐出室H2とを連通する、気体冷媒の吐出通路(吐出孔)L2が形成されている。吐出室H2を臨む底板122Aの他面には、圧縮室H3から吐出室H2への気体冷媒の流通を許容するが、吐出室H2から圧縮室H3への気体冷媒の流通を規制する、例えば、リードバルブからなる逆止弁210が取り付けられている。従って、吐出室H2には、スクロールユニット120の圧縮室H3で圧縮された気体冷媒が、吐出通路L2及び逆止弁210を介して吐出される。
リアハウジング146には、吐出室H2の気体冷媒から潤滑油を分離する、遠心分離式のオイルセパレータ220が配置されている。具体的には、リアハウジング146の底壁部146Bには、その外周面から内部へと向かって下方に延びる、円形横断面を有する気液分離室220Aが形成されている。気液分離室220Aには、これと同心となるように、円形横断面を有する形状の内筒220Bが内挿されている。内筒220Bの基端部は、気液分離室220Aの開口端に形成された円環形状の段部220A1に係止し、その先端部が、気液分離室220Aの最奥部から所定距離を隔てた位置まで延びている。ここで、少なくとも内筒220Bが配置されている気液分離室220Aの円筒形状の空間が、気体冷媒から潤滑油を分離する分離部として機能し、気液分離室220Aの奥部に位置する円柱形状の空間が、分離部によって分離された潤滑油を一時的に貯留する貯留部として機能する。
リアハウジング146の気液分離室220Aの開口は、内筒220Bを段部220A1に向けて押圧可能な図示しないボルトによって閉塞されている。ボルトには、その頭部の端面から軸部の先端面へと貫通する貫通孔が形成されている。そして、ボルトの頭部には、オイルセパレータ220によって潤滑油が分離された気体冷媒を、冷媒回路へと吐出する吐出ポートP2が形成されている。また、気液分離室220Aの上部空間は、その内周面の接線方向に延びる導入ポート146Cを介して、吐出室H2に連通している。なお、気液分離室220Aの開口は、ボルトに限らず、プラグなどの公知の部材によって閉塞されていてもよい。
従って、スクロールユニット120によって圧縮された気体冷媒は、吐出室H2を経由して、導入ポート146Cからオイルセパレータ220の上部空間へと導入される。オイルセパレータ220の上部空間へと導入された気体冷媒は、気液分離室220Aの内周面と内筒220Bの外周面とにより区画される円筒形状の空間を旋回しつつ下方に向かって流れる。このとき、気体冷媒に含まれる潤滑油のミストは、気体冷媒が旋回することによって発生する遠心力を受け、その旋回方向の外方へと移動する。潤滑油のミストが旋回方向の外方へと移動すると、気液分離室220Aの内周面に付着して分離され、重力を受けてその下方へと滴下される。そして、オイルセパレータ220により分離された潤滑油は、詳細を後述する背圧供給通路L3へと導かれる。一方、オイルセパレータ220により潤滑油が分離された気体冷媒は、内筒220Bの先端部からその内部空間へと入り込み、その圧力を利用してボルトの頭部に形成された吐出ポートP2から冷媒回路へと吐出される。
なお、図1においては、潤滑油の混合前又は分離後の気体冷媒の流れは斜線付き矢印で示され、潤滑油を含んだ気体冷媒の流れは黒塗り矢印で示され、気体冷媒から分離された潤滑油の流れは白抜き矢印で示されている。
電動モータ160は、例えば、三相交流モータからなり、永久磁石が埋め込まれたロータ162と、ロータ162の径方向外方に配置されたステータコアユニット164と、を有している。そして、例えば、図示しない車載バッテリからの直流電流が、インバータ180によって交流電流に変換されつつ、電動モータ160のステータコアユニット164に供給される。
ロータ162は、その径方向の中心に形成された軸孔に圧入された駆動軸166を介して、ステータコアユニット164の径方向内方において回転可能に配置されている。具体的には、駆動軸166の一端部は、フロントハウジング142の支持部142B1の内周面に対して、すべり軸受230を介して回転可能に支持されている。駆動軸166の他端部は、センターハウジング144の膨出部144B1に形成された貫通孔を貫通し、膨出部144B1の内周面に対して、すべり軸受240を介して回転可能に支持されている。ここで、駆動軸166の他端部は、ころがり軸受を使用していたセンターハウジング144をそのまま流用可能とするため、他の部位よりも大径の大径部166Aを有しているが、センターハウジング144の形状を変更可能であれば、他の部位と同一径に形成されていてもよい。従って、駆動軸166の両端部は、すべり軸受230及び240を介して、ハウジング140に対して回転可能に支持されている。
インバータ180からの給電によってステータコアユニット164に磁界が発生すると、ロータ162の永久磁石に回転力が作用して、駆動軸166が回転駆動される。また、駆動軸166の他端部は、クランク機構250を介して、旋回スクロール124に連結されている。
クランク機構250は、旋回スクロール124の底板124Aの他面に突出形成された円筒形状のボス部250Aと、駆動軸166の他端部に立設されたクランクピン250Bと、クランクピン250Bに対して偏心状態で取り付けられた偏心ブッシュ250Cと、を有している。偏心ブッシュ250Cは、ボス部250Aの内周面に対して、図示しないすべり軸受を介して回転可能に支持されている。従って、旋回スクロール124は、自転が阻止された状態で、クランク機構250によって固定スクロール122の軸心周りに公転可能になっている。なお、駆動軸166の大径部166Aに、旋回スクロール124の旋回によって発生する遠心力に対抗するバランサウェイトを埋め込むこともできる。
図2は、スクロール型圧縮機100における、気体冷媒及び潤滑油の流れを説明するためのブロック図である。
図1及び図2に示すように、冷媒回路から供給される低圧の気体冷媒は、吸入ポートP1を介して吸入室H1へと導入された後、冷媒導入通路L1を介してスクロールユニット120の外端部付近の空間H5へと導かれる。そして、空間H5の気体冷媒は、スクロールユニット120の圧縮室H3に取り込まれて圧縮される。圧縮室H3で圧縮された気体冷媒は、吐出通路L2及び逆止弁210を介して吐出室H2へと吐出された後、オイルセパレータ220へと導かれる。オイルセパレータ220により潤滑油が分離された気体冷媒は、吐出ポートP2を介して冷媒回路へと吐出される。このようにして、吸入室H1から流入される気体冷媒を圧縮室H3で圧縮し、この気体冷媒を吐出室H2を介して吐出するスクロールユニット120が構成される。
ここで、図1に示すように、リアハウジング146には、背圧室H4の背圧Pmを目標背圧Pcに制御する背圧制御弁260が更に組み込まれている。背圧制御弁260は、吐出室H2の吐出圧力Pdと背圧室H4の背圧Pmとの差圧に応じて作動する、機械式(自律式)の圧力調整弁であって、背圧室H4の背圧Pmが目標背圧Pcに近づくように弁開度を自動的に調整する。
スクロール型圧縮機100は、図1及び図2に示すように、冷媒導入通路L1及び吐出通路L2に加えて、背圧供給通路L3及び放圧通路L4を更に備えている。
背圧供給通路L3は、導入ポート146C及びオイルセパレータ220を介して吐出室H2と背圧室H4とを連通するように、リアハウジング146及びセンターハウジング144に形成されている。そして、背圧制御弁260は、背圧供給通路L3の一部を形成するように、背圧供給通路L3の途上に配置されている。このため、オイルセパレータ220により気体冷媒から分離された潤滑油は、背圧制御弁260及び背圧供給通路L3を介して背圧室H4へと導かれて、すべり軸受240などの潤滑に供されると共に、背圧室H4の背圧Pmを上昇させる。
放圧通路L4は、背圧室H4と吸入室H1とを連通するように、駆動軸166を軸方向に貫通して形成されている。放圧通路L4の途上、例えば、吸入室H1を臨む駆動軸166の一端部には、背圧室H4の背圧Pmの変動を抑制するためのオリフィスOLが配置されている。従って、背圧室H4の潤滑油は、オリフィスOLによって流量が制限されつつ、駆動軸166の一端部を回転可能に支持するすべり軸受230を潤滑してから吸入室H1へと戻される。
そして、背圧室H4の背圧Pmによって、旋回スクロール124が固定スクロール122に向けて押しつけられる。スクロールユニット120の作動中に、旋回スクロール124に作用する背圧Pmの合力が圧縮室H3の圧縮反力より低すぎる、即ち、背圧不足状態になると、固定スクロール122と旋回スクロール124との間に隙間が生じ、スクロール型圧縮機100の体積効率が低下してしまう。背圧制御弁260は、背圧Pmが目標背圧Pcを下回った場合、背圧Pmを上昇させて目標背圧Pcに近づけることで、背圧不足状態にならないようにする。
一方、スクロールユニット120の作動中に、旋回スクロール124に作用する背圧Pmの合力が圧縮室H3の圧縮反力より高すぎる、即ち、背圧過剰状態になると、固定スクロール122と旋回スクロール124との間の摩擦力が大きくなり、スクロール型圧縮機100の機械効率が低下してしまう。背圧制御弁260は、背圧Pmが目標背圧Pcを上回った場合、背圧Pmを低下させて目標背圧Pcに近づけることで、背圧過剰状態にならないようにする。
ところで、スクロールユニット120に回転駆動力を伝達する駆動軸166の両端部は、上述したように、すべり軸受230及び240のみを介して、ハウジング140に対して回転可能に支持されている。従って、すべり軸受230及び240の特性によって、駆動軸166は、軸方向への移動の規制が不十分となり、例えば、振動などによって異音が発生してしまう。
そこで、図3に詳細を示すように、駆動軸166の大径部166Aとセンターハウジング144の膨出部144B1との間に位置する箇所に、駆動軸166の外周面から径方向外方へと全周に亘って延びる凸部166Bが形成されている。凸部166Bとしては、同一幅を有する円環形状、駆動軸166の外周面から径方向外方へと向かうにつれて徐々に幅が小さくなるテーパ形状、円弧形状など、任意の断面を有することができる。
また、駆動軸166の大径部166Aとセンターハウジング144の膨出部144B1とによって区画される空間、即ち、駆動軸166の凸部166Bを臨む空間には、センターハウジング144に対して駆動軸166をシールして背圧室H4の気密性を確保する、例えば、ラバーなどの弾性体からなるシール部材270が配置されている。シール部材270は、駆動軸166の大径部166Aと膨出部144B1の内周面とによって区画される空間の内面に倣った円筒形状をなし、その内周面に駆動軸166の凸部166Bが摺動可能に嵌合する凹部270Aが全周に亘って形成されている。ここで、凹部270Aの内面は、駆動軸166の凸部166Bの外面に倣った形状とすることで、これらの間の摩擦力が過度に大きくなることを抑制することができる。
このようにすれば、駆動軸166の凸部166Bは、シール部材270の凹部270Aに対して摺動可能に嵌合するため、背圧室H4の気密性を確保しつつ、駆動軸166の軸方向への移動を規制することができる。このとき、駆動軸166の凸部166Bは、その外周面から半径外方に向かうにつれて徐々に幅が狭くなるテーパ形状とすれば、駆動軸166をシール部材270に嵌合するとき、その嵌合力によってシール部材270が弾性変形するので、シール部材270に対して駆動軸166の凸部166Bを容易に嵌合することができる。
そして、スクロール型圧縮機100のハウジング140に対して駆動軸166がすべり軸受230及び240のみで回転可能に支持されるため、ころがり軸受を使用した場合と比較して、高速回転に耐え得るようになり、高速化を実現することができる。また、このような効果に加えて、すべり軸受の特性により、振動及び騒音を低減したり、耐衝撃性を向上させたりすることができる。
シール部材270は、図4に示すように、駆動軸166の大径部166Aを向く一面から駆動軸166の外周面へと斜めに延びるリップ部270Bが一体化されていてもよい。この場合、リップ部270Bの内部には、リップ部270Bが駆動軸166の外周面から離間することを抑制する、リング状をなすばね部材270Cを埋め込むことができる。このようにすれば、シール部材270のリップ部270Bは、他の部位よりも剛性が低いため、例えば、駆動軸166の振れに追従して弾性変形し、シール部材270と駆動軸166との気密性を維持することができる。
以上、本発明を実施するための実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で種々の変形が可能であることに留意されたい。
その一例を挙げると、圧縮機としては、スクロール型圧縮機100に限らず、往復圧縮機、斜板式圧縮機、ロータリーピストン圧縮機、スライドベーン型圧縮機などであってもよい。また、駆動軸166は、その両端部が一対のすべり軸受230及び240で回転可能に支持される構成に限らず、3つ以上のすべり軸受によって回転可能に支持されていてもよい。さらに、オイルセパレータ220は、遠心分離式のオイルセパレータに限らず、慣性衝突式などの公知のオイルセパレータであってもよい。
駆動軸166の凸部166Bは、駆動軸166の大径部166Aとセンターハウジング144の膨出部144B1との間に限らず、ケーシング内の密閉空間の気密性を確保するシール部材が配置されている、駆動軸166の軸方向の任意の少なくとも1箇所に形成することもできる。この場合、そのシール部材の内周面に、凸部166Bが摺動可能に嵌合する凹部を全周に亘って形成すればよい。
100 スクロール型圧縮機(圧縮機)
120 スクロールユニット(圧縮機構)
122 固定スクロール
124 旋回スクロール
140 ハウジング
160 電動モータ
166 駆動軸
166B 凸部
230 すべり軸受
240 すべり軸受
270 シール部材
270A 凹部
H4 背圧室

Claims (4)

  1. 圧縮性流体を吸入、圧縮及び吐出する圧縮機構と、
    前記圧縮機構に回転駆動力を伝達する駆動軸と、
    前記圧縮機構及び前記駆動軸を収容するハウジングと、
    前記ハウジングに対して前記駆動軸の複数個所を回転可能に支持するすべり軸受と、
    前記ハウジングと前記駆動軸との間の気密性を確保する円筒形状のシール部材と、
    を備えた圧縮機であって、
    前記シール部材が配設された部位において、前記駆動軸の外周面から径方向外方へと全周に亘って延びる凸部が形成され、
    前記シール部材の内周面に前記凸部が摺動可能に嵌合する凹部が形成された、
    圧縮機。
  2. 前記凸部は、前記駆動軸の外周面から径方向外方に向かうにつれて徐々に幅が狭くなるテーパ形状を有する、
    請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記圧縮機構は、互いに噛み合う固定スクロール及び旋回スクロールを有するスクロールユニットであって、
    前記シール部材は、前記旋回スクロールを前記固定スクロールに向けて押しつける背圧室の気密性を確保する、
    請求項1又は請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記駆動軸を回転駆動する電動モータが前記ハウジングに収容された、
    請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の圧縮機。
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