JP2021031663A - スプレー塗料、エアゾールスプレー及び塗装方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗装対象に容易かつ均一に塗装することができ、かつ優れた光触媒活性を塗装対象に付与できるスプレー塗料及びエアゾールスプレーを提供する。【解決手段】本発明のスプレー塗料は、酸化タングステン粒子と、増粘剤と、溶媒とを含有する。本発明のスプレー塗料の25℃でのpHは、1.0以上5.0以下である。本発明のエアゾールスプレーは、スプレー塗料が充填されたエアゾールスプレーである。前記スプレー塗料は、上述のスプレー塗料である。【選択図】図1
Description
本発明は、スプレー塗料、エアゾールスプレー及び塗装方法に関する。
光触媒粒子は、光が照射されることにより光触媒活性を発揮する粒子である。光触媒活性としては、例えば、空気中の有害物質又は悪臭原因物質の分解、水中に溶解又は分散した汚染物質の分解、及び菌類の分解又は成長抑制が挙げられる。光触媒粒子としては、酸化チタン粒子が代表的である。光触媒粒子は、例えば、塗料の成分として使用される。光触媒粒子を含有する塗料を塗装対象(例えば、構造物の壁面)に塗装することで、塗装対象に光触媒活性を付与できる。
特許文献1には、光触媒粒子と、分散媒と、増粘剤と、アルカノールアミンとを含有する光触媒コーティング組成物が記載されている。特許文献1によれば、この光触媒コーティング組成物は、施工性に優れるとされる。
しかし、特許文献1に記載の光触媒コーティング組成物であっても、塗装対象に容易かつ均一に塗装しつつ、優れた光触媒活性を塗装対象に付与することは困難である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、塗装対象に容易かつ均一に塗装することができ、かつ優れた光触媒活性を塗装対象に付与できるスプレー塗料、エアゾールスプレー及び塗装方法を提供することである。
本発明の一実施形態に係るスプレー塗料は、酸化タングステン粒子と、増粘剤と、溶媒とを含有する。スプレー塗料は、25℃でのpHが1.0以上5.0以下である。
本発明の一実施形態に係るエアゾールスプレーは、スプレー塗料が充填されたエアゾールスプレーである。前記スプレー塗料は、上述のスプレー塗料である。
本発明の一実施形態に係る塗装方法は、構造物の内壁の塗装方法であって、上述のエアゾールスプレーを前記構造物内に配設する配設工程と、配設された前記エアゾールスプレーから、前記スプレー塗料のエアロゾルを前記構造物内の空間に散布する散布工程とを備える。
本発明のスプレー塗料、エアゾールスプレー及び塗装方法は、塗装対象に容易かつ均一に塗装することができ、かつ優れた光触媒活性を塗装対象に付与できる。
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は、実施形態に何ら限定されず、本発明の目的の範囲内で適宜変更を加えて実施できる。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態のスプレー塗料は、酸化タングステン粒子と、増粘剤と、溶媒とを含有する。本発明のスプレー塗料は、25℃でのpH(水素イオン指数)が1.0以上5.0以下である。本発明のスプレー塗料は、例えば、構造物(例えば、建造物)の内壁の塗装に用いることができる。
本発明の第1実施形態のスプレー塗料は、酸化タングステン粒子と、増粘剤と、溶媒とを含有する。本発明のスプレー塗料は、25℃でのpH(水素イオン指数)が1.0以上5.0以下である。本発明のスプレー塗料は、例えば、構造物(例えば、建造物)の内壁の塗装に用いることができる。
本発明のスプレー塗料の使用方法の一例を説明する。まず、本発明のスプレー塗料をエアゾールスプレーに充填する。エアゾールスプレーには、通常、本発明のスプレー塗料と共に、噴射剤が充填される。このエアゾールスプレーを、構造物内に配設する。そして、配設されたエアゾールスプレーから、本発明のスプレー塗料のエアロゾルを構造物内の空間に散布する。散布されたエアロゾルは、構造物内の空間を浮遊し、構造物の内壁に付着する。エアロゾルが構造物の内壁に付着した後、エアロゾルに含まれる溶媒が蒸発する。以上により、構造物の内壁に酸化タングステン粒子が付着することとなり、構造物の内壁に光触媒活性が付与される。
上述の塗装方法は、他の塗装法(例えば、吹き付け塗装法、ローラー塗装法及び刷毛塗装法)と比較し、塗装作業者に要求される作業量、技巧及び知識量が少ないため施工が容易である。そのため、本発明のスプレー塗料は、塗装対象に容易に塗装することができる。
上述の塗装方法に用いるスプレー塗料は、可視光に対する光触媒活性を有する光触媒粒子を含有することが好ましい。構造物の内壁には、可視光を主に含む人工光(例えば、LED光)が照射されることが多いためである。本発明のスプレー塗料が含有する酸化タングステン粒子は、一般的な光触媒粒子(例えば、酸化チタン粒子)と異なり、可視光に対する光触媒活性を有する。そのため、本発明のスプレー塗料で塗装された構造物の内壁は、可視光を主に含む人工光の照射によっても光触媒活性を発揮できる。
また、本発明のスプレー塗料は、塗装対象に均一に塗装することができ、かつ優れた光触媒活性を塗装対象に付与できる。その理由は、以下のように推測される。
上述の塗装方法においては、スプレー塗料をエアロゾル化した際にスプレー塗料の液滴からの溶媒の蒸発を抑制することが重要と判断される。特に、乾燥した環境で塗装を行う場合、スプレー塗料の液滴からの溶媒の蒸発を抑制することが極めて重要と判断される。もし、スプレー塗料の液滴から溶媒が蒸発した場合、酸化タングステン粒子そのものが空間を漂うこととなるためである。詳しくは、空間を漂う酸化タングステン粒子は、複数が凝集して凝集体を形成する(例えば、粒子径1μm以上の凝集体)。酸化タングステン粒子の凝集体が塗装対象の表面に付着すると、塗装対象の表面に凹凸が形成される。表面に凹凸が発生した塗装対象は、光の反射によって白く見え、外観性が低下する場合がある(以下、この現象を白化現象と記載することがある)。また、酸化タングステン粒子の凝集体が表面に付着した塗装対象は、耐脱離性(耐摩擦性)が低く、別の部材又は人体が塗装対象に接触すると酸化タングステン粒子の凝集体が脱離して周囲を汚染する場合がある。
これに対し、本発明のスプレー塗料は、増粘剤を含有するため粘度が比較的高い。そのため、本発明のスプレー塗料は、エアロゾル化した際に液滴の内部での対流が起こり難く、その結果、液滴からの溶媒の蒸発を抑制できる。そのため、本発明のスプレー塗料は、エアロゾル化した後、塗装対象に付着するまで液滴の状態を維持できる。以上より、本発明のスプレー塗料は、上述の塗装方法においても、酸化タングステン粒子の凝集体の発生を抑制し、塗装対象に均一に塗装できる。
また、酸化タングステン粒子は、pHの高いスプレー塗料中では凝集して沈殿する傾向がある。このようなスプレー塗料は、塗装対象に塗装しても十分な光触媒活性を付与できない傾向がある。本発明のスプレー塗料は、pHが1.0以上5.0以下であるため、酸化タングステン粒子の沈殿を抑制できる。そのため、本発明のスプレー塗料は、優れた光触媒活性を塗装対象に付与できる。
なお、本発明のスプレー塗料は、エアゾールスプレーに充填して用いる以外に、例えば、電動スプレー及びエアスプレーに充填して用いてもよい。なお、電動スプレーとは、電気機器(例えば、電動ポンプ)を利用したスプレー装置である。エアスプレーとは、外部に設けられた圧縮空気又は液化ガスにより発生した空気圧を利用したスプレー装置である。
酸化タングステン粒子によって分解される分解対象としては、例えば、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds、VOC)が挙げられ、より具体的には、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド及びアンモニアが挙げられる。
本発明のスプレーの25℃でのpHとしては、1.0以上5.0以下であり、3.0以上5.0以下がより好ましく、4.0以上4.7以下がより好ましい。本発明のスプレーの25℃でのpHを1.0以上とすることで、塗装対象の腐食を抑制できる。本発明のスプレーの25℃でのpHを5.0以下とすることで、酸化タングステン粒子の沈殿を抑制できる。
[酸化タングステン粒子]
酸化タングステン粒子は、酸化タングステンを主成分とする粒子である。酸化タングステン粒子における酸化タングステンの含有割合としては、90質量%以上が好ましく、97質量%以上がより好ましい。酸化タングステン粒子に含有される酸化タングステンとしては、例えば、WO3(三酸化タングステン)、WO2、WO、W2O3、W4O5、W4O11、W25O73、W20O58、及びW24O68、並びにこれらの混合物が挙げられる。より優れた光触媒活性を塗装対象に付与する観点から、酸化タングステンとしては、WO3が好ましい。
酸化タングステン粒子は、酸化タングステンを主成分とする粒子である。酸化タングステン粒子における酸化タングステンの含有割合としては、90質量%以上が好ましく、97質量%以上がより好ましい。酸化タングステン粒子に含有される酸化タングステンとしては、例えば、WO3(三酸化タングステン)、WO2、WO、W2O3、W4O5、W4O11、W25O73、W20O58、及びW24O68、並びにこれらの混合物が挙げられる。より優れた光触媒活性を塗装対象に付与する観点から、酸化タングステンとしては、WO3が好ましい。
酸化タングステン粒子に含有される酸化タングステンの結晶構造は、特に限定されない。酸化タングステンの結晶構造としては、例えば、単斜晶、三斜晶、斜方晶、及びこれらのうち少なくとも2種の混晶が挙げられる。
酸化タングステン粒子は、実質的に酸化タングステンのみを含有する酸化タングステンコア粒子と、この酸化タングステンコア粒子が担持する助触媒とを備える複合粒子であってもよい。このような複合粒子を用いることで、より優れた光触媒活性を塗装対象に付与できる。酸化タングステンコア粒子は、1種の助触媒のみを担持していてもよく、2種以上の助触媒を担持していてもよい。
助触媒に含有される金属としては、例えば、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、パラジウム、鉄、ニッケル、ルテニウム、イリジウム、ニオブ、ジルコニウム、及びモリブデンが挙げられる。これらの金属は、例えば、錯体、塩化物、臭化物、沃化物、酸化物、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、燐酸塩、又は有機酸塩の形態で、助触媒に含有されていてもよい。助触媒の好適な例としては、白金が挙げられる。酸化タングステン粒子は、酸化タングステンコア粒子と、酸化タングステンコア粒子に担持される助触媒としての白金とを備える複合粒子が好ましい。
酸化タングステン粒子における助触媒の含有割合(以下、助触媒担持率と記載することがある)としては、0.01質量%以上3質量%以下が好ましい。助触媒担持率を0.01質量%以上3質量%以下とすることで、より優れた光触媒活性を塗装対象に付与できる。
酸化タングステン粒子の体積中位径(以下、「D50」と記載することがある)としては、1nm以上500nm以下が好ましく、5nm以上200nm以下がより好ましい。酸化タングステン粒子のD50を5nm以上とすることで、本発明のスプレー塗料中での酸化タングステン粒子の凝集を抑制でき、かつ仮に酸化タングステン粒子が凝集したとしても容易に再分散させることができる。酸化タングステン粒子のD50を200nm以下とすることで、本発明のスプレー塗料の製造時に酸化タングステン粒子を他の成分と混合させ易くなる。また、酸化タングステン粒子のD50を200nm以下とすることで、塗装対象に付着した酸化タングステン粒子の脱離を抑制できる。D50は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて、レーザー回折散乱法に基づき測定された体積基準の50%積算径である。
酸化タングステン粒子のD50は、酸化タングステン粒子の二次粒子についての物性である。また、酸化タングステン粒子が酸化タングステンコア粒子及び助触媒を備える複合粒子である場合、酸化タングステン粒子のD50は、この複合粒子のD50である。
本発明のスプレー塗料における酸化タングステン粒子の含有割合としては、0.05質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0.3質量%以上0.8質量%以下がより好ましい。酸化タングステン粒子の含有割合を0.05質量%以上とすることで、より優れた光触媒活性を塗装対象に付与できる。酸化タングステン粒子の含有割合を3.0質量%以下とすることで、酸化タングステン粒子の凝集を抑制できる。
本発明のスプレー塗料は、1種の酸化タングステン粒子のみを含有してもよく、2種以上の酸化タングステン粒子を含有してもよい。なお、本発明のスプレー塗料は、酸化タングステン粒子に加えて、酸化タングステン粒子以外の光触媒を更に含有していてもよい。
[増粘剤]
増粘剤とは、溶液(例えば、水)に添加した際に溶液の粘度を増大させる成分である。増粘剤の融点としては、0℃以下が好ましく、−5℃以上0℃以下がより好ましい。融点が0℃以下の増粘剤を含有することで、本発明のスプレー塗料をエアロゾル化した際に、液滴から溶媒が多少蒸発したとしても、増粘剤の析出を抑制して液滴の粘度を維持できる。その結果、上述の酸化タングステン粒子の凝集体の発生を抑制できる。
増粘剤とは、溶液(例えば、水)に添加した際に溶液の粘度を増大させる成分である。増粘剤の融点としては、0℃以下が好ましく、−5℃以上0℃以下がより好ましい。融点が0℃以下の増粘剤を含有することで、本発明のスプレー塗料をエアロゾル化した際に、液滴から溶媒が多少蒸発したとしても、増粘剤の析出を抑制して液滴の粘度を維持できる。その結果、上述の酸化タングステン粒子の凝集体の発生を抑制できる。
増粘剤は、融点が0℃以下である場合、通常は25℃において液体である。この場合、増粘剤は、水よりも粘度が高いことが好ましい。具体的には、増粘剤の25℃での粘度としては、0.89mPa・s以上であることが好ましく、0.89mPa・s以上300mPa・s以下がより好ましく、80mPa・s以上200mPa・s以下が更に好ましく、120mPa・s以上135mPa・s以下が特に好ましい。増粘剤の25℃での粘度を0.89mPa・s以上とすることで、本発明のスプレー塗料に適度な粘性を付与し、上述の酸化タングステン粒子の凝集体の発生を抑制できる。増粘剤の25℃での粘度を300mPa・s以下とすることで、本発明のスプレー塗料をエアロゾル化して散布し易くできる。ここで、増粘剤の粘度の測定は、JIS(日本産業規格)Z−8803:2011「液体の粘度測定方法」に準拠した落球粘度計による測定方法により行うことができる。
増粘剤としては、例えば、無機増粘剤(例えば、ゼオライト、タルク、クロライト、カオリナイト、イライト、グローコナイト、セリサイト及びスメクタイト及び炭酸カルシウム)、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルローステレフタレート)、多価アルコール(例えば、グリセロール)、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリブチレングリコール)及びポリオキシアルキレンアルキルアミン(例えば、ポリオキシエチレンラウリルアミン及びポリオキシエチレンステアリルアミン)が挙げられる。
増粘剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、多価アルコール又はセルロース誘導体が好ましく、ポリオキシエチレンラウリルアミンがより好ましい。ポリオキシエチレンアルキルアミンは、融点が0℃以下であり、かつ25℃での粘度が0.89mPa・s以上である。そのため、増粘剤としてポリオキシエチレンアルキルアミンを用いることで、本発明のスプレー塗料に適度な粘性を付与し、上述の酸化タングステン粒子の凝集体の発生を抑制できる。
本発明のスプレー塗料における増粘剤の含有割合としては、0.03質量%以上1.50質量%以下が好ましく、0.2質量%以上1.20質量%以下がより好ましい。増粘剤の含有割合を0.03質量%以上とすることで、本発明のスプレー塗料に適度な粘性を付与し、上述の酸化タングステン粒子の凝集体の発生を抑制できる。増粘剤の含有割合を1.50質量%以上とすることで、本発明のスプレー塗料をエアロゾル化して散布し易くできる。
酸化タングステン粒子の含有量に対する増粘剤の含有量の比(増粘剤/酸化タングステン粒子)としては、0.1以上2.5以下が好ましく、0.7以上2.2以下がより好ましい。上述の比を0.1以上とすることで、本発明のスプレー塗料に適度な粘性を付与し、上述の酸化タングステン粒子の凝集体の発生を抑制できる。上述の比を2.5以下とすることで、増粘剤が塗装対象に過剰に付着することを抑制できる。
[溶媒]
溶媒としては、例えば、水性溶媒が挙げられる。水性溶媒としては、水及びアルコール(例えば、メタノール、エタノール及びイソプロパノール)が挙げられる。溶媒としては、水又はエタノールが好ましく、水及びエタノールの混合溶媒がより好ましい。
溶媒としては、例えば、水性溶媒が挙げられる。水性溶媒としては、水及びアルコール(例えば、メタノール、エタノール及びイソプロパノール)が挙げられる。溶媒としては、水又はエタノールが好ましく、水及びエタノールの混合溶媒がより好ましい。
本発明のスプレー塗料が溶媒としてアルコールを含有する場合、本発明のスプレー塗料におけるアルコールの含有割合としては、20質量%以上70質量%以下が好ましく、45質量%以上65質量%以下がより好ましい。
本発明のスプレー塗料は、酸化タングステン粒子、増粘剤及び溶媒のみを含有することが好ましいが、必要に応じて、他の成分(例えば、界面活性剤及び添加剤)を更に含有していてもよい。
本発明のスプレー塗料において、溶媒以外の全成分に対する酸化タングステン粒子及び増粘剤の合計含有割合としては、95質量%以上100質量%以下が好ましく、99質量%以上100質量%以下がより好ましい。このように、上述の合計含有割合を95質量%以上100質量%以下とすることで、本発明のスプレー塗料をエアロゾル化して空間に散布し易くなる。
[製造方法]
次に、本発明のスプレー塗料の製造方法の一例を説明する。本発明のスプレー塗料の製造方法は、酸化タングステン粒子形成工程と、混合工程とを備える。なお、市販の酸化タングステン粒子を使用する場合には、酸化タングステン粒子形成工程は省略できる。
次に、本発明のスプレー塗料の製造方法の一例を説明する。本発明のスプレー塗料の製造方法は、酸化タングステン粒子形成工程と、混合工程とを備える。なお、市販の酸化タングステン粒子を使用する場合には、酸化タングステン粒子形成工程は省略できる。
(酸化タングステン粒子形成工程)
酸化タングステン粒子形成工程は、一次粉砕工程と、二次粉砕工程とを備える。酸化タングステン粒子形成工程は、必要に応じて、助触媒担持工程を更に備えていてもよい。
酸化タングステン粒子形成工程は、一次粉砕工程と、二次粉砕工程とを備える。酸化タングステン粒子形成工程は、必要に応じて、助触媒担持工程を更に備えていてもよい。
一次粉砕工程を説明する。一次粉砕工程では、酸化タングステンの原料粒子を分散媒中で粉砕(湿式粉砕)する。一次粉砕工程によって、酸化タングステンの原料粒子の個数平均一次粒子径を低下させることができる。
湿式粉砕に用いる分散媒としては、例えば、水及びエタノールが挙げられる。湿式粉砕を行う粉砕機としては、例えば、ホモジナイザー、超音波分散機、及びビーズミルが挙げられる。湿式粉砕では、処理時間を長くする程、酸化タングステンの原料粒子の個数平均一次粒子径を低下させることができる。また、ビーズミルを用いて湿式粉砕を行う場合、ビーズミルの周速を速くする程、酸化タングステンの原料粒子の個数平均一次粒子径を低下させることができる。
一次粉砕工程後、粉砕後の酸化タングステンの原料粒子を含む分散液から分散媒の少なくとも一部を除去し、得られた塊状物を二次粉砕工程(又は助触媒担持工程)の原料として用いることができる。分散媒の除去方法としては、例えば、風乾及び加熱乾燥が挙げられる。なお、一次粉砕工程後に助触媒担持工程を行う場合、粉砕後の酸化タングステン粒子が分散した分散液をそのまま助触媒担持工程の原料(酸化タングステンコア粒子)として用いてもよい。
助触媒担持工程を説明する。助触媒担持工程では、粉砕後の酸化タングステンの原料粒子を含む分散液に助触媒を添加した後、担持処理を行うことにより、粉砕後の酸化タングステンの原料粒子に助触媒が担持される。具体的な担持処理の方法としては、例えば、加熱処理法、紫外線による光析出法、及び可視光による光析出法が挙げられる。
助触媒担持工程においては、助触媒を添加する代わりに、助触媒の前駆体を添加してもよい。助触媒の前駆体を添加する場合、助触媒の前駆体が加熱されることで助触媒に変化し、粉砕後の酸化タングステン粒子に助触媒が担持される。助触媒が白金である場合、助触媒の前駆体としては、例えば、酸化白金(II)、酸化白金(IV)、塩化白金(II)、塩化白金(IV)、塩化白金酸、ヘキサクロロ白金酸、及びテトラクロロ白金酸、並びにこれらの錯体が挙げられる。
助触媒担持工程後、助触媒が担持された粉砕後の酸化タングステンの原料粒子を含む分散液から分散媒の少なくとも一部を除去し、得られた塊状物を二次粉砕工程の原料として用いることができる。分散媒の除去方法としては、例えば、風乾及び加熱乾燥が挙げられる。
二次粉砕工程を説明する。二次粉砕工程では、一次粉砕工程で得られた塊状物又は助触媒担持工程で得られた塊状物を気体中で粉砕(乾式粉砕)する。二次粉砕により、酸化タングステンの原料粒子が凝集し、適度なD50を有する二次粒子である酸化タングステン粒子が得られる。
乾式粉砕は、例えば、大気中又は不活性ガス雰囲気中で行うことができる。乾式粉砕に用いる粉砕機としては、例えば、衝突板式粉砕機(例えば、衝突板式ジェットミル)、流動層式粉砕機(例えば、流動層式ジェットミル)、機械式粉砕機(例えば、ハンマーミル)、及びボールミルが挙げられる。乾式粉砕は、乳鉢及び乳棒を用いて行うこともできる。乾式粉砕の処理時間を長くする程、酸化タングステン粒子のD50が小さくなる。
二次粉砕により得られた酸化タングステン粒子は、そのまま混合工程に用いてもよいが、分級処理後に混合工程に用いることが好ましい。酸化タングステン粒子を分級処理することにより、更に適度なD50を有する酸化タングステン粒子を得ることができる。分級に用いる分級機としては、例えば、気流式分級機、及び振動篩が挙げられる。分級条件を変更することにより、酸化タングステン粒子のD50を調整することができる。分級機として振動篩を用いる場合、篩のメッシュ径を小さくする程、D50の小さい酸化タングステン粒子を得ることができる。
(混合工程)
混合工程では、酸化タングステン粒子と、増粘剤と、溶媒とを混合する。これにより、本発明のスプレー塗料が得られる。混合及び攪拌は、例えば、攪拌機を用いて行うことができる。
混合工程では、酸化タングステン粒子と、増粘剤と、溶媒とを混合する。これにより、本発明のスプレー塗料が得られる。混合及び攪拌は、例えば、攪拌機を用いて行うことができる。
<第2実施形態:エアゾールスプレー>
本発明の第2実施形態のエアゾールスプレーは、スプレー塗料が充填されたエアゾールスプレーである。このスプレー塗料は、第1実施形態のスプレー塗料である。
本発明の第2実施形態のエアゾールスプレーは、スプレー塗料が充填されたエアゾールスプレーである。このスプレー塗料は、第1実施形態のスプレー塗料である。
本発明のエアゾールスプレーは、例えば、スプレー容器と、スプレー容器に充填された第1実施形態のスプレー塗料及び噴射剤(例えば、圧縮ガス及び液化ガス)とを備える。この場合、本発明のエアゾールスプレーは、噴射剤と共に第1実施形態のスプレー塗料を噴射する。第1実施形態のスプレー塗料は、噴射後にエアロゾル化する。
本発明のエアゾールスプレーは、例えば、後述する第3実施形態の塗装方法に記載の方法で使用することができる。本発明のエアゾールスプレーは、製造業者が散布条件を適切に設定しておくことにより、例えば、一般消費者であっても容易に塗装作業を行うことができる。
<第3実施形態:塗装方法>
本発明の第3実施形態に係る塗装方法は、構造物の内壁の塗装方法であって、第2実施形態のエアゾールスプレーを構造物内に配設する配設工程と、配設された第2実施形態のエアゾールスプレーから、第1実施形態のスプレー塗料のエアロゾルを構造物内の空間に散布する散布工程とを備える。
本発明の第3実施形態に係る塗装方法は、構造物の内壁の塗装方法であって、第2実施形態のエアゾールスプレーを構造物内に配設する配設工程と、配設された第2実施形態のエアゾールスプレーから、第1実施形態のスプレー塗料のエアロゾルを構造物内の空間に散布する散布工程とを備える。
[配設工程]
本工程では、第2実施形態のエアゾールスプレーを構造物内に配設する。構造物としては、特に限定されないが、例えば、建築物(具体的には、例えば、住宅、工場及びオフィス)が挙げられる。第2実施形態のエアゾールスプレーを配設する方法としては、特に限定されないが、例えば、平坦な場所(例えば、床)に第2実施形態のエアゾールスプレーを載置するとよい。
本工程では、第2実施形態のエアゾールスプレーを構造物内に配設する。構造物としては、特に限定されないが、例えば、建築物(具体的には、例えば、住宅、工場及びオフィス)が挙げられる。第2実施形態のエアゾールスプレーを配設する方法としては、特に限定されないが、例えば、平坦な場所(例えば、床)に第2実施形態のエアゾールスプレーを載置するとよい。
[散布工程]
本工程では、配設された第2実施形態のエアゾールスプレーから、第1実施形態のスプレー塗料のエアロゾルを構造物内の空間に散布する。散布されたエアロゾルは、構造物内を漂った後、構造物の内壁に付着する。これにより、構造物の内壁が酸化タングステン粒子によって塗装される。
本工程では、配設された第2実施形態のエアゾールスプレーから、第1実施形態のスプレー塗料のエアロゾルを構造物内の空間に散布する。散布されたエアロゾルは、構造物内を漂った後、構造物の内壁に付着する。これにより、構造物の内壁が酸化タングステン粒子によって塗装される。
本工程において、第1実施形態のスプレー塗料の単位時間当たりのスプレー量としては、例えば、15mL/分以上45mL/分以下(特に、30mL/分)である。本工程では、エアロゾルの散布後、一定時間(例えば、3分以上30分以下)待機することが好ましい。これにより、散布されたエアロゾルを構造物の内壁に十分に付着させることができる。また、本工程では、エアロゾルの散布後、必要に応じて構造物内を換気することが好ましい。これにより、余剰のエアロゾルを構造物外へ排出できる。なお、本工程中、作業者は、必要に応じて構造物外に退避することが好ましい。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例において、酸化タングステン粒子のD50は、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製「マイクロトラック(登録商標)MT3000II」)を用いて測定した。
[酸化タングステン粒子Wの形成]
水50mLに、酸化タングステン原料粒子(WO3、株式会社高純度化学研究所製)5gを分散させて、分散液Iを得た。ビーズミル(日本コークス工業株式会社製「MSC50−ZZ」)に、分散液Iを投入した。上述のビーズミルを用いて、分散液I中の酸化タングステン原料粒子を90分間粉砕した。
水50mLに、酸化タングステン原料粒子(WO3、株式会社高純度化学研究所製)5gを分散させて、分散液Iを得た。ビーズミル(日本コークス工業株式会社製「MSC50−ZZ」)に、分散液Iを投入した。上述のビーズミルを用いて、分散液I中の酸化タングステン原料粒子を90分間粉砕した。
次いで、遠心分離機(株式会社コクサン製「H−201F」)を用いて、3000rpmの回転速度で分散液Iを5分間遠心分離し、沈降した酸化タングステン粒子を取り出した。取り出した酸化タングステン粒子5gを、水50mLに分散させて、分散液IIを得た。
分散液IIにヘキサクロロ白金酸水溶液(H2PtCl6)を添加した。ヘキサクロロ白金酸水溶液の添加量は、酸化タングステン粒子100質量部に対して白金0.5質量部となるように調整した。添加後の分散液IIに対して、攪拌、濾過、水洗浄及び乾燥を行うことにより、酸化タングステン粒子Wを得た。得られた酸化タングステン粒子Wは、酸化タングステンコア粒子と、酸化タングステンコア粒子に担持された白金とを備える粒子であり、D50は30nmであった。
上述のビーズミルを用いて、80質量部の純水に20質量部の酸化タングステン粒子Wを分散させた。これにより、酸化タングステン粒子Wを含有するスラリー(濃度20質量%)を得た。
<スプレー塗料の調製>
以下の方法により、実施例及び比較例のスプレー塗料を調製した。まず、スプレー塗料の調製に用いた増粘剤を説明する。
以下の方法により、実施例及び比較例のスプレー塗料を調製した。まず、スプレー塗料の調製に用いた増粘剤を説明する。
アミート(登録商標)102:花王株式会社製、ポリオキシエチレンラウリルアミン、融点−2℃、25℃での粘度128mPa・s
アミート(登録商標)105:花王株式会社製、ポリオキシエチレンラウリルアミン、融点−12℃、25℃での粘度132mPa・s
グリセロール:キシダ化学株式会社製、融点17.8℃、25℃での粘度141mPa・s
カルボキシメチルセルロース(CMC):ダイセルファインケム株式会社製、常圧下で固体であるため融点及び25℃での粘度は測定不能。
アミート(登録商標)105:花王株式会社製、ポリオキシエチレンラウリルアミン、融点−12℃、25℃での粘度132mPa・s
グリセロール:キシダ化学株式会社製、融点17.8℃、25℃での粘度141mPa・s
カルボキシメチルセルロース(CMC):ダイセルファインケム株式会社製、常圧下で固体であるため融点及び25℃での粘度は測定不能。
[実施例1]
酸化タングステン粒子Wを含有するスラリー(濃度20質量%)に、水と、エタノールと、増粘剤(花王株式会社製「アミート(登録商標)102」)とを添加し、混合した。これにより、光触媒(酸化タングステン粒子)0.4質量%、増粘剤0.4質量%及びエタノール55質量%を含有する実施例1のスプレー塗料を得た。実施例1のスプレー塗料は、酸化タングステン粒子の含有量に対する増粘剤の含有量の比(増粘剤/酸化タングステン粒子)が1.0であった。実施例1のスプレー塗料のpHを測定したところ、pH4.2であった。
酸化タングステン粒子Wを含有するスラリー(濃度20質量%)に、水と、エタノールと、増粘剤(花王株式会社製「アミート(登録商標)102」)とを添加し、混合した。これにより、光触媒(酸化タングステン粒子)0.4質量%、増粘剤0.4質量%及びエタノール55質量%を含有する実施例1のスプレー塗料を得た。実施例1のスプレー塗料は、酸化タングステン粒子の含有量に対する増粘剤の含有量の比(増粘剤/酸化タングステン粒子)が1.0であった。実施例1のスプレー塗料のpHを測定したところ、pH4.2であった。
[実施例2〜6及び比較例1〜2]
水の添加量と、増粘剤の種類及び添加量とを変更した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2〜6及び比較例1〜2のスプレー塗料を調製した。実施例2〜6及び比較例1〜2では、得られるスプレー塗料の組成が下記表1となるように各原料を添加した。なお、比較例1では、増粘剤を添加しなかった。
水の添加量と、増粘剤の種類及び添加量とを変更した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2〜6及び比較例1〜2のスプレー塗料を調製した。実施例2〜6及び比較例1〜2では、得られるスプレー塗料の組成が下記表1となるように各原料を添加した。なお、比較例1では、増粘剤を添加しなかった。
下記表1において、「光触媒」は、酸化タングステン粒子Wを示す。各成分の「質量%」は、スプレー塗料における各成分の含有割合を示す。含有量比「光触媒/増粘剤」は、酸化タングステン粒子の含有量に対する増粘剤の含有量の比(増粘剤/酸化タングステン粒子)を示す。「EtOH」は、エタノールを示す。
<評価>
各スプレー塗料を用いて以下の方法により塗装試験を行った。そして、各スプレー塗料を塗装した後の塗装対象について、白化現象の有無と、耐脱離性とを評価した。また、各スプレー塗料に含まれる酸化タングステン粒子Wのガス分解性能を評価した。評価結果を下記表2に示す。
各スプレー塗料を用いて以下の方法により塗装試験を行った。そして、各スプレー塗料を塗装した後の塗装対象について、白化現象の有無と、耐脱離性とを評価した。また、各スプレー塗料に含まれる酸化タングステン粒子Wのガス分解性能を評価した。評価結果を下記表2に示す。
塗装試験では、まず、直方体状のサンプル台A(縦60cm、横30cm、高さ60cm)と、直方体状の試験容器B(内寸法:縦150cm、横200cm、高さ120cm)とを用意した。そして、図1の平面図及び図2の側面図に示す位置関係で、試験容器Bの内側にサンプル台Aを配設し、これを試験装置とした。試験装置は、水平な床上に載置した。
塗装対象のサンプルとして、直径5cmのポリカーボネート製円板を用意した。評価し易くするため、サンプルには摩擦帯電処理を行った。具合的には、セルロース製布帛を用いてサンプルの表面を摩擦し、約10kVに帯電させた。
サンプル台Aの上面に、5枚のサンプルを載置した。次に、図1及び図2のXの位置から、対角のYの位置に向けて、評価対象のスプレー塗料(詳しくは、実施例1〜6及び比較例1〜2のスプレー塗料の何れか)を3分間噴霧した。噴霧された評価対象のスプレー塗料は、エアロゾル化して試験容器B内の空間に散布された。評価対象のスプレー塗料の噴霧には、波動式噴霧洗浄エアーガン(株式会社インベント製「パルストルネーダーHE−2」)を用いた。評価対象のスプレー塗料の噴霧圧は、0.5MPaとした。評価対象のスプレー塗料の単位時間当たりの噴霧量は、15mL/分とした。その後、5分間待機し、エアロゾル化した各スプレー塗料を各サンプルに付着させた後、サンプルを回収した。
[白化現象]
5枚のサンプルの表面を目視で観察し、以下の評価基準により各サンプルの白化現象の程度を評価した。
A(特に良好):表面をどの角度から見ても透明であった。
B(良好):正面から見ると透明であったが、斜めから見ると白く見えた。
C(不良):正面から見て白く見えた。
5枚のサンプルの表面を目視で観察し、以下の評価基準により各サンプルの白化現象の程度を評価した。
A(特に良好):表面をどの角度から見ても透明であった。
B(良好):正面から見ると透明であったが、斜めから見ると白く見えた。
C(不良):正面から見て白く見えた。
[耐脱離性]
白化現象の評価後、蛍光X線分析装置(株式会社リガク社製「ZSX(登録商標)primus」)により、各サンプルの表面に付着した酸化タングステン粒子の量を測定し、5枚のサンプルの平均値(噴射前の酸化タングステン粒子の量W1)を算出した。なお、酸化タングステン粒子の量W1は、蛍光X線分析装置により得られたタングステン原子のピーク強度を、別途作製した検量線に当てはめることで算出した。
白化現象の評価後、蛍光X線分析装置(株式会社リガク社製「ZSX(登録商標)primus」)により、各サンプルの表面に付着した酸化タングステン粒子の量を測定し、5枚のサンプルの平均値(噴射前の酸化タングステン粒子の量W1)を算出した。なお、酸化タングステン粒子の量W1は、蛍光X線分析装置により得られたタングステン原子のピーク強度を、別途作製した検量線に当てはめることで算出した。
次に、各サンプルの表面に、汎用のエアーガン(ノズル径3mm)を用いて空気を5秒間噴射した。空気の噴射圧は、0.5MPaとした。サンプルの表面に対する空気の噴射角度は、45度とした。吹き付け距離は、10cmとした。その後、噴射前の酸化タングステン粒子の量W1の測定方法と同様の方法により、各サンプルの表面に付着した酸化タングステン粒子の量(噴射後の酸化タングステン粒子の量W2)を測定した。下記式により、酸化タングステン粒子の残存率を算出した。
酸化タングステン粒子の残存率=100×W2/W1
酸化タングステン粒子の残存率=100×W2/W1
以下の評価基準により、各サンプルの耐脱離性を評価した。
A(特に良好):酸化タングステン粒子の残存率が60%以上。
B(良好):酸化タングステン粒子の残存率が30%以上60%未満。
C(不良):酸化タングステン粒子の残存率が30%未満。
A(特に良好):酸化タングステン粒子の残存率が60%以上。
B(良好):酸化タングステン粒子の残存率が30%以上60%未満。
C(不良):酸化タングステン粒子の残存率が30%未満。
[光触媒活性の測定]
評価対象のスプレー塗料50gを計量し、直径60mmのフラットシャーレに投入した。80℃に加熱したホットプレート上に上述のフラットシャーレを載置し、評価対象のスプレー塗料を乾燥させた。これにより、上述のフラットシャーレの底面に酸化タングステン粒子Wを塗装した。次に、容量5Lのガスバッグ内に、上述のフラットシャーレを投入した。次に、上述のガスバッグ内に、測定ガス(アセトアルデヒドを100ppm含む空気)を充填した。次に、青色LEDを用い、上述のガスバッグ外から、上述のフラットシャーレに4500ルクスの青色光を72時間照射した。照射開始から24時間後、ガスバッグ内の測定ガスのアセトアルデヒド濃度AA2[ppm]を測定した。アセトアルデヒド濃度の測定には、アセトアルデヒド用ガス検知管(株式会社ガステック製「92」)を用いた。照射前の測定ガスのアセトアルデヒド濃度AA1(100ppm)と、照射後の測定ガスのアセトアルデヒド濃度AA2とに基づき、下記式によりアセトアルデヒドの残存率を算出した。なお、酸化タングステン粒子Wは、光を吸収することで光触媒活性を発揮し、アセトアルデヒドを二酸化炭素に分解する。そのため、フラットシャーレに付着した酸化タングステン粒子Wの光触媒活性が高いほど、ガスバッグ内のアセトアルデヒド濃度は低下する。
アセトアルデヒドの残存率=100×AA2/AA1
評価対象のスプレー塗料50gを計量し、直径60mmのフラットシャーレに投入した。80℃に加熱したホットプレート上に上述のフラットシャーレを載置し、評価対象のスプレー塗料を乾燥させた。これにより、上述のフラットシャーレの底面に酸化タングステン粒子Wを塗装した。次に、容量5Lのガスバッグ内に、上述のフラットシャーレを投入した。次に、上述のガスバッグ内に、測定ガス(アセトアルデヒドを100ppm含む空気)を充填した。次に、青色LEDを用い、上述のガスバッグ外から、上述のフラットシャーレに4500ルクスの青色光を72時間照射した。照射開始から24時間後、ガスバッグ内の測定ガスのアセトアルデヒド濃度AA2[ppm]を測定した。アセトアルデヒド濃度の測定には、アセトアルデヒド用ガス検知管(株式会社ガステック製「92」)を用いた。照射前の測定ガスのアセトアルデヒド濃度AA1(100ppm)と、照射後の測定ガスのアセトアルデヒド濃度AA2とに基づき、下記式によりアセトアルデヒドの残存率を算出した。なお、酸化タングステン粒子Wは、光を吸収することで光触媒活性を発揮し、アセトアルデヒドを二酸化炭素に分解する。そのため、フラットシャーレに付着した酸化タングステン粒子Wの光触媒活性が高いほど、ガスバッグ内のアセトアルデヒド濃度は低下する。
アセトアルデヒドの残存率=100×AA2/AA1
以下の評価基準により、各スプレー塗料に含まれる酸化タングステン粒子Wのガス分解性能を評価した。
A(特に良好):アセトアルデヒドの残存率が20%未満。
B(良好):アセトアルデヒドの残存率が20%以上50%未満。
C(不良):アセトアルデヒドの残存率が50%以上。
A(特に良好):アセトアルデヒドの残存率が20%未満。
B(良好):アセトアルデヒドの残存率が20%以上50%未満。
C(不良):アセトアルデヒドの残存率が50%以上。
[総合評価]
以下の評価基準により、各スプレー塗料の総合評価を行った。
A(良好):白化現象、耐脱離性及びガス分解性能がそれぞれ良好又は特に良好。
B(不良):白化現象、耐脱離性及びガス分解性能のうち少なくとも一つが不良。
以下の評価基準により、各スプレー塗料の総合評価を行った。
A(良好):白化現象、耐脱離性及びガス分解性能がそれぞれ良好又は特に良好。
B(不良):白化現象、耐脱離性及びガス分解性能のうち少なくとも一つが不良。
表2に示すように、実施例1〜6のスプレー塗料は、酸化タングステン粒子と、
増粘剤と、溶媒とを含有し、25℃でのpHが1.0以上5.0以下であった。そのため、実施例1〜6のスプレー塗料は、白化現象、耐脱離性及びガス分解性能の評価結果が良好又は特に良好であった。以上から、実施例1〜6のスプレー塗料は、塗装対象に均一に塗装することができ、かつ優れた光触媒活性を塗装対象に付与できると判断される。また、実施例1〜6のスプレー塗料は、例えば、エアロゾールスプレーに充填して用いることで、容易に塗装することができると判断される。
増粘剤と、溶媒とを含有し、25℃でのpHが1.0以上5.0以下であった。そのため、実施例1〜6のスプレー塗料は、白化現象、耐脱離性及びガス分解性能の評価結果が良好又は特に良好であった。以上から、実施例1〜6のスプレー塗料は、塗装対象に均一に塗装することができ、かつ優れた光触媒活性を塗装対象に付与できると判断される。また、実施例1〜6のスプレー塗料は、例えば、エアロゾールスプレーに充填して用いることで、容易に塗装することができると判断される。
一方、比較例1及び2のスプレー塗料は、上述の構成を満たさなかったため、白化現象、耐脱離性及びガス分解性能の評価結果のうち少なくとも1つが不良であった。
具体的には、比較例1のスプレー塗料は、増粘剤を含有しなかったため、白化現象及び耐脱離性の評価結果が不良であった。これは、比較例1のスプレー塗料は、エアロゾル化した際に液滴から溶媒が蒸発して酸化タングステン粒子の凝集体が発生し、酸化タングステン粒子の凝集体が塗装対象に付着したためであると判断される。
比較例2のスプレー塗料は、pHが5.0超であったため、ガス分解性能の評価結果が不良であった。これは、比較例2のスプレー塗料は、酸化タングステン粒子が凝集して沈殿したためであると判断される。
本発明のスプレー塗料、エアゾールスプレー及び塗装方法は、構造物の内壁の塗装に利用できる。
A サンプル台
B 試験容器
B 試験容器
Claims (10)
- 酸化タングステン粒子と、
増粘剤と、
溶媒とを含有し、
25℃でのpHが1.0以上5.0以下である、スプレー塗料。 - 前記増粘剤の含有割合は、0.03質量%以上1.50質量%以下である、請求項1に記載のスプレー塗料。
- 前記酸化タングステン粒子の含有量に対する前記増粘剤の含有量の比は、0.1以上2.5以下である、請求項1又は2に記載のスプレー塗料。
- 前記溶媒は、水又はエタノールを含む、請求項1〜3の何れか一項に記載のスプレー塗料。
- 前記増粘剤は、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、多価アルコール又はセルロース誘導体である、請求項1〜4の何れか一項に記載のスプレー塗料。
- 前記増粘剤の融点は、0℃以下である、請求項1〜5の何れか一項に記載のスプレー塗料。
- 前記増粘剤の25℃での粘度は、0.89mPa・s以上である、請求項1〜6の何れか一項に記載のスプレー塗料。
- 前記溶媒以外の全成分に対する前記酸化タングステン粒子及び前記増粘剤の合計含有割合は、95.0質量%以上100.0質量%以下である、請求項1〜7の何れか一項に記載のスプレー塗料。
- スプレー塗料が充填されたエアゾールスプレーであって、
前記スプレー塗料は、請求項1〜8の何れか一項に記載のスプレー塗料である、エアゾールスプレー。 - 構造物の内壁の塗装方法であって、
請求項9に記載のエアゾールスプレーを前記構造物内に配設する配設工程と、
配設された前記エアゾールスプレーから、前記スプレー塗料のエアロゾルを前記構造物内の空間に散布する散布工程とを備える、塗装方法。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2019157363A JP2021031663A (ja) | 2019-08-29 | 2019-08-29 | スプレー塗料、エアゾールスプレー及び塗装方法 |
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Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2022136674A (ja) * | 2021-03-08 | 2022-09-21 | シャープ株式会社 | 光触媒塗布液、光触媒スプレー、光触媒コーティング方法及び光触媒被覆物 |
-
2019
- 2019-08-29 JP JP2019157363A patent/JP2021031663A/ja active Pending
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| JP7611005B2 (ja) | 2021-03-08 | 2025-01-09 | シャープ株式会社 | 光触媒スプレー及び光触媒コーティング方法 |
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