JP2021029540A - 歯科用根管治療器具 - Google Patents

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和彦 松谷
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勝一 黒子
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Daisuke Suzuki
大介 鈴木
岡田 智弘
Toshihiro Okada
智弘 岡田
諭 古川
Satoshi Furukawa
諭 古川
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Abstract

【課題】作業部の先端部側からシャフト部側にかけての所望の範囲に異なる柔軟性を発揮し得るようにする根管治療器具を提供する。【解決手段】作業部のシャフト部近傍の断面IIBaは、対向した一対の長辺1aと、対向した一対の短辺2aと、長い対角線3a上に形成された鋭角のエッジ5aと、短い対角線4a上に形成された鈍角のエッジ6aと、を有する平行四辺形であり、作業部の先端部近傍の断面IIBbは、断面IIBaを構成する対向した一対の長辺から連続した一対の辺1bと、一対の短辺2aから連続した一対の辺2bと、長い対角線3b上に形成され鋭角のエッジ5aから連続した鋭角のエッジ5bと、短い対角線4b上に形成された鈍角のエッジ6aから連続した鈍角のエッジ6bと、を有する平行四辺形であり、断面IIBbを構成する辺1bと長い対角線3bとのなす角βが断面IIBaに於ける長辺1aと長い対角線3aとのなす角αよりも大きい。【選択図】図2

Description

本発明は、歯科治療に際し根管を成形する際に用いる螺旋状の切刃を有する根管治療器具に関するものである。
歯の根管は先端部分が極めて細く、且つ全体が微妙に屈曲した形状を有している。そして、この形状は個人差が大きい。根管を治療する際には屈曲した根管壁を切削してテーパ状に成形することが行われる。このような根管の成形はファイル、リーマと呼ばれる螺旋状の切刃を有する根管治療器具を使用して行われる。
即ち、医師が選択したファイル或いはリーマを指先でつまんで回転操作し、或いは押し引き操作することで、根管の成形を行っている。最近では、選択された根管治療器具をハンドピースと呼ばれる回転駆動器具のチャックによって保持し、この状態で回転させながら根管の治療を行うことも多くなっている。
根管治療器具は、ハンドルと、該ハンドルに固定された切削部材とを有して構成されている。ハンドルは医師が把持して操作するか、或いはハンドピースに保持して操作するか、に対応させて最適な形状を有している。また、切削部材はハンドルに固定されるシャフト部と、該シャフト部と連続した作業部とを有しており、作業部はテーパ状に形成されている。
根管治療器具には、根管壁に対する良好な切削性能、切削屑の良好な排除性能、根管に対する柔軟な追従性能、などが要求される。また、根管を治療する際に、根管治療器具の先端部分が根管の先端部分に食い込んで操作が困難になるようなことや、破断するようなことがないという性能も要求される。このような要求に対応するために、特許文献1、2に記載された根管治療器具が提案されている。
特許文献1に記載された発明はファイル又はリーマなどの根管治療器具に関するものであり、押し操作の際には切削性を発揮することなく、引き操作の際にのみ切削性を発揮し得るようにしたものである。この根管治療器具は、作業部の横断面の形状が、長辺が短辺の1.5倍以上の長さを有する平行四辺形で、作業部の長手方向に近接した2つのエッジのうち鋭角のエッジをシャフト部側に配置して構成されている。
特許文献1に記載された根管治療器具では、作業部の横断面が平行四辺形として形成されているため、柔軟性を有しており屈曲した根管に対する良好な追従性を発揮することができる。また、医師が引き操作したときに切削性を発揮するため、切削屑の根管からの排出を容易に行うことが可能である。
また、特許文献2に記載された発明はファイル又はリーマなどの根管治療器具に関するものであり、作業部に於ける元部の柔軟性を向上させたものである。この根管治療器具は、作業部の横断面の形状が平行四辺形で、且つシャフト部側の元部の横断面に於ける長辺の長さ/短辺の長さが先端部の横断面に於ける長辺の長さ/短辺の長さより大きく、元部側の捩じれ角が先端部の捩じれ角よりも大きく形成されている。
特許文献2に記載された根管治療器具では、平行四辺形の横断面に於ける長辺/短辺の長さを作業部の元部と先端部とで変化させたことによって、元部側の柔軟性を高めることができる。このため、操作性を向上させることができる。
特許第4214285号公報(特開平11−358917号) 特許第4214286号公報(特開2000−000481号)
しかし、治療の段階や症例によっては、作業部の先端部分から元部側にかけて柔軟性を要求すべき部位が異なることがある。例えば、根管治療の初期段階に於ける穿通や予備拡大では作業部の細いものを利用するのが一般的であり、作業部の先端部分が柔軟すぎる場合、操作性を阻害するようなことがあるため、該先端部分に非柔軟性(コシ、又はコシの強さ)が、作業部の中間部からシャフト側で柔軟性が要求されることがある。即ち、シャフト部側から先端部側にかけて一様な柔軟性を要求することなく、先端部側のコシをシャフト部側よりも強くすることを要求されることがある。
また、ハンドピースによって回転駆動する根管治療器具では、作業部の先端部分まで確実に回転力を伝える必要がある。この場合、先端部分の捻じり強度を強くすることが要求される。
上記の如く、治療部位や術式によって柔軟性を発揮すべき部位が異なる場合、特許文献1、2に記載された根管治療器具であっても、1本で要求に対応することが困難であるという問題がある。
本発明の目的は、作業部の先端部側からシャフト部側にかけての所望の範囲にシャフト部とは異なる柔軟性を発揮し得るようにした歯科用根管治療器具を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る第1の歯科用根管治療器具は、シャフト部と、シャフト部と連続した作業部を有する歯科用根管治療器具であって、作業部はシャフト部から先端部にかけて細くなるテーパ状に形成されており、前記作業部のシャフト部近傍の横断面は、対向した一対の長辺と、対向した一対の短辺と、長い対角線上に形成された鋭角のエッジと、短い対角線上に形成された鈍角のエッジと、を有する平行四辺形であり、前記作業部の先端部近傍の横断面は、前記シャフト部近傍の横断面を構成する対向した一対の長辺から連続した一対の辺と、前記シャフト部近傍の横断面を構成する対向した一対の短辺から連続した一対の辺と、長い対角線上に形成された前記鋭角のエッジから連続した鋭角のエッジと、短い対角線上に形成された前記鈍角のエッジから連続した鈍角のエッジと、を有する平行四辺形であり、前記シャフト部近傍の横断面を構成する長辺から連続した辺と長い対角線とのなす角が前記シャフト部近傍の横断面に於ける長辺と長い対角線とのなす角よりも大きいことを特徴とするものである。
また、本発明に係る第2の歯科用根管治療器具は、シャフト部と、シャフト部と連続した作業部を有する歯科用根管治療器具であって、作業部はシャフト部から先端部にかけて細くなるテーパ状に形成されており、前記作業部のシャフト部近傍の横断面は、対向した一対の長辺と、対向した一対の短辺と、長い対角線上に形成された鋭角のエッジと、短い対角線上に形成された鈍角のエッジと、を有する平行四辺形であり、前記作業部の先端部近傍の横断面は、前記シャフト部近傍の横断面を構成する対向した一対の長辺から連続した一対の辺と、前記シャフト部近傍の横断面を構成する対向した一対の短辺から連続した一対の辺と、長い対角線上に形成された前記鋭角のエッジから連続した鋭角のエッジと、短い対角線上に形成された前記鈍角のエッジから連続した鈍角のエッジと、を有する平行四辺形であり、前記シャフト部近傍の横断面を構成する対向した一対の長辺から連続した一対の辺と長い対角線とのなす角が前記シャフト部近傍の横断面に於ける一対の長辺と長い対角線とのなす角よりも大きく、且つ前記作業部の先端部近傍からシャフト部側に向けて所定長さ範囲を越えてシャフト部近傍に向かう範囲の横断面は、前記作業部の先端部近傍の横断面を構成する対向した一対の長辺から連続した一対の辺と長い対角線とのなす角が前記作業部の先端部近傍の横断面に於ける一対の長辺と長い対角線とのなす角と等しくなるように前記シャフト部近傍の横断面から増大することを特徴とするものである。
また本発明に係る第3の歯科用根管治療器具は、シャフト部と、シャフト部と連続した作業部を有する歯科用根管治療器具であって、作業部はシャフト部から先端部にかけて細くなるテーパ状に形成されており、前記作業部のシャフト部近傍の横断面は、対向した一対の長辺と、対向した一対の短辺と、長い対角線上に形成された鋭角のエッジと、短い対角線上に形成された鈍角のエッジと、を有する平行四辺形であり、前記作業部の先端部近傍からシャフト部側に向けて所定長さ範囲の横断面は、前記シャフト部近傍の横断面を構成する対向した一対の長辺から連続した一対の辺と、前記シャフト部近傍の横断面を構成する対向した一対の短辺から連続した一対の辺と、長い対角線上に形成された前記鋭角のエッジから連続した鋭角のエッジと、短い対角線上に形成された前記鈍角のエッジから連続した鈍角のエッジと、を有する平行四辺形であり、前記シャフト部近傍の横断面を構成する一対の長辺から連続した一対の辺と長い対角線とのなす角が前記シャフト部近傍の横断面に於ける一対の長辺と長い対角線とのなす角よりも大きく、且つ前記作業部の先端部近傍からシャフト部側に向けて所定長さ範囲を越えてシャフト部近傍に向かう範囲の横断面は、前記シャフト部近傍の横断面を構成する一対の長辺から連続した一対の辺と長い対角線とのなす角が前記シャフト部近傍の横断面に於ける一対の長辺と長い対角線とのなす角と等しくなるように前記先端部近傍の横断面から減少することを特徴とするものである。
本発明に係る歯科用根管治療器具(以下単に「根管治療器具」という)では、作業部の先端部側から所望の長さ範囲及びシャフト部側にかけて、異なる柔軟性を発揮することができる。また、
即ち、第1の根管治療器具では、作業部のシャフト部近傍及び先端部近傍の横断面は夫々平行四辺形であり、先端部近傍の横断面に於けるシャフト部近傍の横断面を構成する長辺から連続した辺と長い対角線とのなす角が、シャフト部近傍の横断面に於ける長辺と長い対角線とのなす角よりも大きい。
このため、先端部近傍では長い対角線上に形成されたすくい角がシャフト部近傍の長い対角線上に形成されたすくい角よりも小さくなる。この結果、作業に於ける先端部近傍がシャフト部近傍側よりも柔軟性が減少して曲がり難く(コシが強い)なる。
また、作業部の先端部近傍の横断面に於ける平行四辺形の内接円の径を大きくすることで捻じり強さを大きくしてハンドピースの大きい回転力を伝えることができる。
また、第2の根管治療器具では、作業部のシャフト部近傍及び先端部近傍の横断面は夫々平行四辺形であり、作業部の先端部近傍からシャフト部側に向けて所定長さ範囲を越えてシャフト部近傍に向かう範囲の横断面は、作業部の先端部近傍の横断面を構成する対向した一対の長辺から連続した一対の辺と長い対角線とのなす角が作業部の先端部近傍の横断面に於ける一対の長辺と長い対角線とのなす角と等しい相似形になるようにシャフト部から増大するように構成されている。
このように、先端部近傍からシャフト部側に向けて所定長さ範囲を越えてシャフト部近傍に向かう範囲では長い対角線上に形成されたすくい角がシャフト部近傍の長い対角線上に形成されたすくい角よりも小さくなる結果、先端部近傍から所定長さ範囲を越えてシャフト部近傍に向かう範囲のコシを強くすることができる。同様にして作業部の先端部近傍から所定長さ範囲を越えてシャフト部近傍に向かう範囲の捻じり強さを大きくしてハンドピースの大きい回転力を伝えることができる。
また、第3の根管治療器具では、作業部のシャフト部近傍及び先端部近傍の横断面は夫々平行四辺形であり、先端部近傍の横断面に於けるシャフト部近傍の横断面を構成する長辺から連続した辺と長い対角線とのなす角が、シャフト部近傍の横断面に於ける長辺と長い対角線とのなす角よりも大きく、先端部近傍から所定長さ範囲内で、長辺と長い対角線とのなす角がシャフト部近傍の横断面に於ける長辺と長い対角線とのなす角と等しくなる。即ち、先端部近傍から所定長さ範囲内で、長辺と長い対角線とのなす角は、シャフト部近傍の横断面に於ける長辺と長い対角線とのなす角よりも大きい角度から、このシャフト部近傍に於ける横断面の長辺と長い対角線とのなす角と等しい相似形になるように先端部近傍から減少するように構成されている。
このため、先端部近傍では長い対角線上に形成されたすくい角がシャフト部近傍の長い対角線上に形成されたすくい角よりも小さくなり、所定長さ範囲を越えてシャフト部近傍に向かう範囲ではシャフト部近傍のすくい角と等しくなる。この結果、先端部近傍のコシをシャフト部近傍よりも強くすることができ、この先端部近傍からシャフト部側に向かう所定長さ範囲内でシャフト部側と略同じになるように変化させることができる。また、作業部の先端部近傍では、捻じり強さを大きくしてハンドピースの大きい回転力を伝えることができる。
第1実施例に係る根管治療器具の側面図である。 第1実施例に係る作業部の横断面の形状を説明する拡大図である。 第1実施例に係る作業部を説明するための拡大斜視図である・ 第2実施例に係る根管治療器具の側面図である。 第2実施例に係る作業部の横断面の形状を説明する拡大図である。
以下、本発明に係る根管治療器具について説明する。本発明に係る根管治療器具は、シャフト部と、このシャフト部に連続したテーパ状の作業部を有しており、歯科治療に際しては対象となる根管をテーパ状に成形するためのものである。特に、作業部の先端部近傍のコシの強さ(非柔軟性)とシャフト部近傍のコシの強さを変化させることによって、根管の初期成形や先端部分の成形に際し、根管の先端部分を繊細に切削することを可能とし、且つ根管壁への食い込みを防ぐことを可能としたものである。
更に、作業部の先端部近傍の横断面に於ける平行四辺形の内接円の径を大きくすることで捻じり強さを大きくし、ハンドピースによる大きな回転力を伝えることを可能としたものである。
作業部は、シャフト部側から先端部にかけて細くなるテーパ状に形成されている。作業部のテーパはISOでは2/100と規格化されている。しかし、必ずしも前記テーパに限定するものではなく、治療部位に対応させて最適なテーパに適宜設定されることが好ましい。また、作業部の太さは該作業部の先端部位で0.06mm〜1.40mmの範囲に設定されており、この範囲内に於ける異なる寸法を有するもの複数種類が規格化されている。また、作業部は螺旋状に形成されており、根管を治療する際には隣接するエッジとの間に隙間が形成されるため、この隙間を介して切削屑を排出することが可能である。
本発明に係る根管治療器具は、治療に際し医師が把持して操作するか、ハンドピースに取り付けて操作するか、を限定するものではない。このため、根管治療器具は操作手法に対応させて、シャフト部が医師が把持し得るように合成樹脂製のハンドルに一体成形され、或いはハンドピースのチャックに把持し得るように金属製のシャンクに一体化されている。
本発明に係る根管治療器具は、作業部に於けるシャフト部近傍の横断面は対向した一対の長辺と、対向した一対の短辺と、長い対角線上に形成された鋭いエッジと、短い対角線上に形成された鈍角のエッジとを有する平行四辺形として形成されている。また、作業部の先端部近傍の横断面は、前記一対の長辺から連続した一対の辺と、前記一対の短辺から連続した一対の辺と、長い対角線上には前記鋭角のエッジから連続した鋭角のエッジとを有する平行四辺形として形成されている。
作業部のシャフト部近傍の横断面を構成する平行四辺形に於ける長辺と長い対角線とのなす角よりも、先端部近傍の横断面を構成する平行四辺形に於ける長辺と長い対角線とのなす角が大きい。即ち、シャフト部近傍の横断面を構成する平行四辺形よりも、先端部近傍の横断面を構成する平行四辺形の方が矩形に近い形状に形成されている。
上記の如く、作業部の先端部近傍の横断面に於ける長辺と長い対角線とのなす角は、シャフト部近傍の横断面に於ける長辺と長い対角線とのなす角よりも大きい。即ち、すくい角は、先端部近傍の方が小さくなる。このため、根管を治療する際に、先端部近傍では根管壁に対する食い込みを防ぐことが可能となる。この結果、根管の曲がりなどに対して容易に追従することが可能となり、意図した経路での治療を施すことが可能となる。
また、作業部の先端部近傍の断面積は、該先端部近傍の横断面の形状をシャフト部近傍の横断面を構成する平行四辺形の相似形とした場合と比較して、大きくなる。このため、治療中に生じる虞のある破断を防ぐことも可能となり、且つ所謂コシが強くなって治療の際に医師に対する良好な反力を伝えること、或いはハンドピースの回転力を確実に伝えることが可能となる。
本発明に於ける第2の根管治療器具は、作業部の先端部から所定長さ範囲を設定し、この範囲内に於ける横断面の形状を上記した先端部近傍の横断面と相似形の横断面からなる平行四辺形としている。また、第3の根管治療器具は、作業部の先端部近傍から所定長さ範囲内に於いて、先端部近傍の横断面の平行四辺形からシャフト部近傍の横断面と相似形の平行四辺形となるように、長辺と長い対角線とのなす角を変化させている。
本発明に於いて、作業部の先端部近傍とは、該作業部の尖端から0.5mm〜1.0mmの範囲であることが好ましい。しかし、必ずしもこの範囲である必要はなく、0.5mm〜1.5mm、或いは0.5mm〜2.0mmであっても良い。また、シャフト部近傍とは、良好な切削性能を発揮する作業部と、該作業部からシャフト部に移行する境界部分の近傍である。しかし、必ずしもこの境界部分である必要はなく、実際の根管治療を行う際に必要な尖端からの長さを指定しても良い。
また、作業部の先端部近傍からシャフト部側に向けて所定長さ範囲、の寸法は特に限定するものではなく、目的の根管治療器具の使用目的や作業部の太さや長さに対応させて適宜設定することが好ましい。本件発明者の知見では、前記作業部の先端部からの所定長さ範囲としては、作業部全長の略10%〜略70%の範囲であることが好ましかった。
本発明に於いて、根管治療器具の材質を限定するものではなく、オーステナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、形状記憶機能を有するチタン合金などを選択的に利用することが可能である。そして、選択した材質に対し最も適した加工方法によって加工することで、目的の根管治療器具を製造することが好ましい。
次に、第1実施例に係る根管治療器具の構成について図1〜図3により説明する。第1実施例に係る根管治療器具は、作業部の先端部から該作業部の長さの略25%の長さの範囲を所定長さ範囲として設定し、この範囲内に於ける横断面の形状を先端部近傍の横断面と相似形の横断面からなる平行四辺形としている。
特に、本実施例に係る根管治療器具は、ハンドピースに取り付けられて回転駆動されるように構成されている。このため、根管治療器具は、シャフト部Aと、該シャフト部Aに連続した作業部Bと、シャフト部Aが固定されハンドピースのチャックに把持されるシャンク部Cと、を有して構成されている。
シャフト部Aと作業部Bは1本の材から連続して形成されている。シャフト部Aは軸状に形成されており、一方側に作業部Bが連続して形成され、他方側がシャンク部Cに接続
されて一体化している。
作業部Bは、シャフト部A側から先端部にかけて細くなるテーパ状に形成されており、該作業部Bに、シャフト部近傍Ba(断面Ba)、先端部近傍Bb(断面Bb)、先端部近傍から所定長さ範囲のシャフト部側の境界となる所定位置Bc(断面Bc)が夫々設定されている。
シャフト部A近傍の断面Baと、先端部近傍の断面Bbは異なる形状を有している。即ち、シャフト部近傍の位置に於ける断面IIBaは、図2(a)に示すように、対向した一対の長辺1aと、対向した一対の短辺2aからなる平行四辺形で、長い対角線3a上に鋭角のエッジ5aが形成され、短い対角線4a上に鈍角のエッジ6aが形成されている。
断面Baに於ける長辺1aと長い対角線3aとのなす角αは、本実施例では略20度であり、負のすくい角に設定されている。しかし、角αを前記角度に限定するものではなく、この角度よりも大きくても良く、小さくても良い。
また、作業部Bの先端部近傍の位置に於ける断面IIBbは、図2(b)に示すように、シャフト部近傍の断面IIBaを構成する一対の長辺1aから連続した一対の辺1bと、断面IIBaを構成する対向した一対の短辺2aから連続した一対の辺2bと、長い対角線3b上に鋭角のエッジ5aから連続したエッジ5b、短い対角線4b上に鈍角のエッジ6aに連続した鈍角のエッジ6bとが形成されている。
断面IIBbに於ける長辺1bと長い対角線3bとのなす角βは、シャフト部近傍の断面Baに於ける長辺1aと長い対角線3aとのなす角αよりも大きい角度に設定されている。角βは各αよりも大きければよく、数値を限定するものではない。本実施例では、角βは略35度であり、負のすくい角に設定されている。
このため、断面IIBbに於けるすくい角は、断面IIBaに於けるすくい角よりも小さくなる。また、断面IIBbの内接円(コア)8bの直径は、例えばシャフト部近傍の断面IIBaの相似形を先端部近傍の断面としたときの内接円の直径と比較して大きくなる。
上記のように作業部Bの先端部近傍では、根管壁に対するすくい角が小さくなることから、切削性能はシャフト部近傍と比較すると低下する。このため、根管の治療に際し、根管壁に対する食い込みを防ぐことが可能となる。また、コアの太さを大きくすることが可能となり、コシの強さを増すと共に、捻り強さを大きくして充分な回転力を伝えることが可能となる、
作業部の先端部近傍から所定長さ範囲のシャフト部との境界である所定位置の断面IIBcは、先端部近傍の断面IIBbの断面形状と相似形の断面形状を有している。即ち、図2(c)に示すように、シャフト部近傍の断面IIBaを構成する一対の長辺1aから連続した一対の辺1cと、断面IIBaを構成する対向した一対の短辺2aから連続した一対の辺2cと、長い対角線3c上に鋭角のエッジ5aから連続したエッジ5c、短い対角線4c上に鈍角のエッジ6aに連続した鈍角のエッジ6cとが形成されている。
そして、断面IIBcに於ける長辺1cと長い対角線3cとのなす角は、先端部近傍の断面IIBbと同様に、シャフト部近傍の断面IIBaに於ける長辺1aと長い対角線3aとのなす角αよりも大きい角βに設定されている。このため、すくい角は、断面IIBaに於けるすくい角よりも小さくなる。また、断面IIBcのコアの直径も大きくなる。
上記の如く形成された第1実施例に係る根管治療器具では、先端部近傍Bbから所定長さ範囲Bcの間のコシを強くし、高い回転力を伝えることが可能である。
上記の如き断面IIBaから断面Bb、Bcに至る形状の変化は、研削加工による場合には作業部Bを形成する際の研削材の追い込み量を調整することで良い。
次に第2実施例に係る根管治療器具の構成ついて図4、5により説明する。尚、図に於いて、前述の第1実施例と同一の部分には同一の符号をつけて説明を省略する。
本実施例に於いて、シャフト部近傍の断面VBaの形状及び先端部近傍の断面VBbは、図5(a)、(b)に示すように、夫々前述の第1実施例の対応する断面IIBa、IIBbと同一である。
作業部Bの先端部近傍から所定長さ範囲のシャフト部側の境界である所定位置の断面VBcの形状は、シャフト部近傍の断面VBaと相似形を有している。即ち、V断面Bcは、図5(c)に示すように、対向した一対の長辺1cと、対向した一対の短辺2cからなる平行四辺形で、長い対角線3c上に鋭角のエッジ5cが形成され、短い対角線4c上に鈍角のエッジ6cが形成されている。そして、断面Bcに於ける長辺1cと長い対角線3cとのなす角は、シャフト部近傍の断面VBaに於ける長辺1aと長い対角線3aとのなす角αに設定されている。
このため、作業部Bに於ける先端部近傍Bbから所定長さの範囲で、断面形状は先端部近傍の断面VBbから所定位置Bcに変化している。即ち、作業部Bの先端部近傍からシャフト部側に向けた所定位置Bcに至る範囲で、長辺1bと長い対角線3bとのなす角βがシャフト部近傍の断面VBaに於ける長辺1aと長い対角線3aとのなす角αと等しくなるように減少している。このため、作業部Bに於ける所定位置Bcでは、断面VBcがシャフト部近傍の断面VBaの相似形となる。
本実施例では、作業部Bの先端部近傍では強いコシを実現し、この先端部近傍から所定長さ範囲でコシの強さを減少させてシャフト部側のコシに接近させることが可能である。また、ハンドピースの回転力を伝えることは前述の第1実施例に係る根管治療器具と同様である。
本発明に係る根管治療器具は、歯科治療に於ける根管治療の際に利用することが可能である。
A シャフト部
B 作業部
C シャンク部
Ba シャフト部近傍
Bb 先端部近傍
Bc 所定位置
1a 長辺
1b、1c 長辺1aから連続した辺
2a 短辺
2b、2c 短辺2aから連続した辺
3a〜3c 長い対角線
4a〜4c 短い対角線
5a〜5c 鋭角のエッジ
6a〜6c 鈍角のエッジ
7a〜7c 長い対角線を直径とする円
8b 内接円

Claims (3)

  1. シャフト部と、シャフト部と連続した作業部を有する歯科用根管治療器具であって、
    作業部はシャフト部から先端部にかけて細くなるテーパ状に形成されており、
    前記作業部のシャフト部近傍の横断面は、対向した一対の長辺と、対向した一対の短辺と、長い対角線上に形成された鋭角のエッジと、短い対角線上に形成された鈍角のエッジと、を有する平行四辺形であり、
    前記作業部の先端部近傍の横断面は、前記シャフト部近傍の横断面を構成する対向した一対の長辺から連続した一対の辺と、前記シャフト部近傍の横断面を構成する対向した一対の短辺から連続した一対の辺と、長い対角線上に形成された前記鋭角のエッジから連続した鋭角のエッジと、短い対角線上に形成された前記鈍角のエッジから連続した鈍角のエッジと、を有する平行四辺形であり、前記シャフト部近傍の横断面を構成する長辺から連続した辺と長い対角線とのなす角が前記シャフト部近傍の横断面に於ける長辺と長い対角線とのなす角よりも大きいことを特徴とする歯科用根管治療器具。
  2. シャフト部と、シャフト部と連続した作業部を有する歯科用根管治療器具であって、
    作業部はシャフト部から先端部にかけて細くなるテーパ状に形成されており、
    前記作業部のシャフト部近傍の横断面は、対向した一対の長辺と、対向した一対の短辺と、長い対角線上に形成された鋭角のエッジと、短い対角線上に形成された鈍角のエッジと、を有する平行四辺形であり、
    前記作業部の先端部近傍の横断面は、前記シャフト部近傍の横断面を構成する対向した一対の長辺から連続した一対の辺と、前記シャフト部近傍の横断面を構成する対向した一対の短辺から連続した一対の辺と、長い対角線上に形成された前記鋭角のエッジから連続した鋭角のエッジと、短い対角線上に形成された前記鈍角のエッジから連続した鈍角のエッジと、を有する平行四辺形であり、前記シャフト部近傍の横断面を構成する対向した一対の長辺から連続した一対の辺と長い対角線とのなす角が前記シャフト部近傍の横断面に於ける一対の長辺と長い対角線とのなす角よりも大きく、且つ前記作業部の先端部近傍からシャフト部側に向けて所定長さ範囲を越えてシャフト部近傍に向かう範囲の横断面は、前記作業部の先端部近傍の横断面を構成する対向した一対の長辺から連続した一対の辺と長い対角線とのなす角が前記作業部の先端部近傍の横断面に於ける一対の長辺と長い対角線とのなす角と等しくなるように前記シャフト部近傍の横断面から増大することを特徴とする歯科用根管治療器具。
  3. シャフト部と、シャフト部と連続した作業部を有する歯科用根管治療器具であって、
    作業部はシャフト部から先端部にかけて細くなるテーパ状に形成されており、
    前記作業部のシャフト部近傍の横断面は、対向した一対の長辺と、対向した一対の短辺と、長い対角線上に形成された鋭角のエッジと、短い対角線上に形成された鈍角のエッジと、を有する平行四辺形状であり、
    前記作業部の先端部近傍からシャフト部側に向けて所定長さ範囲の横断面は、前記シャフト部近傍の横断面を構成する対向した一対の長辺から連続した一対の辺と、前記シャフト部近傍の横断面を構成する対向した一対の短辺から連続した一対の辺と、長い対角線上に形成された前記鋭角のエッジから連続した鋭角のエッジと、短い対角線上に形成された前記鈍角のエッジから連続した鈍角のエッジと、を有する平行四辺形であり、前記シャフト部近傍の横断面を構成する一対の長辺から連続した一対の辺と長い対角線とのなす角が前記シャフト部近傍の横断面に於ける一対の長辺と長い対角線とのなす角よりも大きく、且つ前記作業部の先端部近傍からシャフト部側に向けて所定長さ範囲を越えてシャフト部近傍に向かう範囲の横断面は、前記シャフト部近傍の横断面を構成する一対の長辺から連続した一対の辺と長い対角線とのなす角が前記シャフト部近傍の横断面に於ける一対の長辺と長い対角線とのなす角と等しくなるように前記先端部近傍の横断面から減少することを特徴とする歯科用根管治療器具。
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