JP2021028634A - 無線端末測定装置、無線端末測定装置に接続される円偏波アンテナ装置、及び無線端末測定方法 - Google Patents

無線端末測定装置、無線端末測定装置に接続される円偏波アンテナ装置、及び無線端末測定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021028634A
JP2021028634A JP2020170231A JP2020170231A JP2021028634A JP 2021028634 A JP2021028634 A JP 2021028634A JP 2020170231 A JP2020170231 A JP 2020170231A JP 2020170231 A JP2020170231 A JP 2020170231A JP 2021028634 A JP2021028634 A JP 2021028634A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
circularly polarized
polarized antenna
signal
test
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020170231A
Other languages
English (en)
Inventor
祥浩 黒岩
Sachihiro Kuroiwa
祥浩 黒岩
綾 山本
Aya Yamamoto
綾 山本
智紀 森田
Tomonori Morita
智紀 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Anritsu Corp
Original Assignee
Anritsu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Anritsu Corp filed Critical Anritsu Corp
Priority to JP2020170231A priority Critical patent/JP2021028634A/ja
Publication of JP2021028634A publication Critical patent/JP2021028634A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】無線端末のアンテナと円偏波アンテナとの間で発生する多重反射に起因した振幅誤差を抑制して、無線端末に対する測定を精度良く行うことができる無線端末測定装置、無線端末測定装置に接続される円偏波アンテナ装置、及び無線端末測定方法を提供する。【解決手段】一面にアンテナ110が設けられDUT100に対して測定を行う無線端末測定装置に接続される円偏波アンテナ装置において、誘電体基板と、DUT100の一面に対向する誘電体基板の第1の面に形成された円偏波型のアンテナ素子とを有する、アンテナ110と空間的に結合される円偏波アンテナ20と、アンテナ110が設けられたDUT100の一面と、誘電体基板とが平行でない位置関係にあるように、円偏波アンテナ20及びDUT100を保持する保持具とを備え、円偏波アンテナ20とアンテナ110の距離は1cm〜1.5cmの範囲内にある。【選択図】図9

Description

本発明は、円偏波アンテナを用いた無線端末測定装置、無線端末測定装置に接続される円偏波アンテナ装置、及び無線端末測定方法に関する。
近年、マルチメディアの進展に伴い、セルラ、無線LAN等の無線通信用のアンテナが実装された無線端末(スマートフォン等)が盛んに生産されるようになっている。今後は、特に、ミリ波帯の広帯域な信号を使用するIEEE802.11adや5Gセルラ等に対応した無線信号を送受信する無線端末が求められている。
無線端末の製造工場においては、無線端末が備えている無線通信アンテナに対して、通信規格ごとに定められた送信電波の出力レベルや受信感度を測定し、所定の基準を満たすか否かを判定する性能試験が行われる。
従来は、上記の性能試験を行う際には、被試験対象(Device Under Test:DUT)としての無線端末を1台1台電磁波シールドボックス内に入れて、DUTの制御端子やアンテナ端子を同軸ケーブルにより測定器に接続するという作業が行われていた。1日に何万台ものDUTの検査が要求されうる現状においては、1台1台にかけられる検査時間は非常に限られており、短時間での効率的な測定が必要となっている。
しかしながら、測定器による測定時間を短縮することは、測定器に内蔵されるCPUの高速化や並列化により可能であるが、DUTと測定器との同軸ケーブルによる接続時間については、同軸ケーブルがユーザによって物理的に接続されるものであるため、大幅に時間短縮することは難しい。
また、DUTのアンテナがK及びKaバンド帯(18GHz〜40GHz)の無線信号を放射するものである場合には、DUTのアンテナ端子と測定器とを同軸ケーブルで接続する構成では、アンテナからの信号が同軸ケーブルで伝送される際の損失が大きく、精度の良い測定が行えないという問題があった。
そこで、DUTとの無線信号の送受によりDUTの性能試験を実行し、DUTと測定器との同軸ケーブル接続を不要とする測定器が提案されている。このような測定器は、DUTのアンテナと無線信号の送受を行うためのアンテナとして、例えば円偏波アンテナを備えている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開2006/051947号
特許文献1に開示されたような円偏波アンテナを用いてDUTのアンテナと無線信号の送受を行う構成においては、円偏波アンテナの放射面と、DUTのアンテナの放射面とが平行に配置される。しかしながら、平行に配置された2つのアンテナ間で逆位相の信号成分同士が打ち消し合うような多重反射が発生すると、2つのアンテナによる伝送特性S21の使用周波数付近に、理想的な平坦な特性と比較して数dB程度の凹み(振幅誤差)が現れる場合がある。
近年、スマートフォンなどの無線端末では、消費電力を抑えてバッテリの持ち時間を長くするために、内部の増幅器を非線形領域で高効率に動作させる制御が行われるようになってきている。このような増幅器の非線形性により入力信号に歪を与えるDUTに対して、円偏波アンテナとDUTのアンテナとの伝送特性S21に振幅誤差がある状態で性能試験を行った場合、変調精度(EVM)や隣接チャネル漏洩電力などの各種の測定項目の測定精度が著しく悪化してしまう。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであって、無線端末のアンテナと円偏波アンテナとの間で発生する多重反射に起因した振幅誤差を抑制して、無線端末に対する測定を精度良く行うことができる無線端末測定装置、無線端末測定装置に接続される円偏波アンテナ装置、及び無線端末測定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る円偏波アンテナ装置は、一面にアンテナが設けられた被試験対象に対して測定を行う無線端末測定装置に接続される円偏波アンテナ装置において、誘電体基板と、前記被試験対象の一面に対向する前記誘電体基板の第1の面に形成された円偏波型のアンテナ素子とを有する、前記アンテナと空間的に結合される円偏波アンテナと、前記アンテナが設けられた前記被試験対象の一面と、前記誘電体基板とが平行でない位置関係にあるように、前記円偏波アンテナ及び前記被試験対象を保持する保持具と、を備え、前記アンテナは、前記円偏波アンテナに対して、前記アンテナと前記円偏波アンテナとの間の多重反射を抑圧するような近接した位置に配置され、前記円偏波アンテナと前記アンテナとの距離は、1cm〜1.5cmの範囲内にある構成である。
この構成により、本発明に係る円偏波アンテナ装置は、被試験対象のアンテナと円偏波アンテナとの間における被測定信号の多重反射を低減することができる。また、本発明に係る円偏波アンテナ装置においては、円偏波アンテナは、表面波の発生を抑制でき、アンテナの放射特性を所望の特性にすることができる。
また、本発明に係る円偏波アンテナ装置においては、前記円偏波アンテナは、前記誘電体基板の第1の面の反対面である第2の面側に重合される地板導体と、それぞれの一端側が前記地板導体に接続され、前記誘電体基板をその厚さ方向に沿って貫通し、かつそれぞれの他端側が前記誘電体基板の反対面まで延びて、前記アンテナ素子を囲むように所定間隔で設けられることにより、キャビティを構成する複数の金属ポストと、前記誘電体基板の第1の面側に、前記複数の金属ポストの各他端側をその並び方向に沿って短絡し、かつ前記アンテナ素子方向に所定幅を有するリムが設けられている枠状導体と、を具備し、前記キャビティ及び前記枠状導体とで共振器を構成し、前記共振器と前記アンテナ素子との構造パラメータを調整して、前記共振器の共振周波数を所望の値に設定し、前記構造パラメータは、前記キャビティの内寸Lw、前記枠状導体の前記リム幅L、前記アンテナ素子の巻数、前記アンテナ素子の基本長a0、前記アンテナ素子の素子幅Wの少なくとも一つを含み、かつ、前記枠状導体の前記リム幅Lは、前記誘電体基板の表面に沿って伝播する表面波の波長の略1/4の幅であってもよい。
また、本発明に係る円偏波アンテナ装置においては、前記アンテナの放射面の法線と、前記アンテナが設置された前記被試験対象の一面の法線が平行であり、前記アンテナの放射方向は前記アンテナの放射面の法線方向である構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る円偏波アンテナ装置は、被試験対象のアンテナと円偏波アンテナとの間における試験信号の多重反射を低減することができる。
また、本発明に係る円偏波アンテナ装置においては、前記円偏波アンテナの前記誘電体基板の第1の面の法線と、前記円偏波アンテナの放射面の法線が平行であり、前記円偏波アンテナの放射方向は前記円偏波アンテナの放射面の法線方向である構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る円偏波アンテナ装置は、被試験対象のアンテナと円偏波アンテナとの間における被測定信号及び試験信号の多重反射を低減することができる。
また、本発明に係る円偏波アンテナ装置においては、前記アンテナ素子が、所定の偏波の回転方向を有すると共に、スパイラルの中心側端部を有する方形スパイラル型又は円形スパイラル型に形成され、前記方形スパイラル型又は円形スパイラル型に形成された前記アンテナ素子の前記スパイラルの中心側端部に一端側が接続されて前記誘電体基板及び前記地板導体を貫通して設けられる給電ピンを更に具備する構成であってもよい。
また、本発明に係る無線端末測定装置は、上記のいずれかに記載の円偏波アンテナ装置と、前記円偏波アンテナ及び前記被試験対象に試験信号を出力する信号送信部と、前記試験信号が入力された前記被試験対象から出力される被測定信号を前記円偏波アンテナで受信する信号受信部と、前記被測定信号に対して解析処理を行う解析処理部と、を備えた構成である。
この構成により、本発明に係る無線端末測定装置は、被試験対象のアンテナと円偏波アンテナとの間における被測定信号の多重反射を低減することができる。すなわち、本発明に係る無線端末測定装置は、被試験対象のアンテナと円偏波アンテナとの間で発生する多重反射に起因した振幅誤差を抑制して、被試験対象に対する測定を精度良く行うことができる。
また、本発明に係る無線端末測定装置は、一面にアンテナが設けられた被試験対象に対して測定を行う無線端末測定装置において、誘電体基板と、前記被試験対象の一面に対向する前記誘電体基板の第1の面に形成された円偏波型のアンテナ素子とを有する、前記アンテナと空間的に結合される円偏波アンテナと、前記円偏波アンテナ及び前記被試験対象に試験信号を出力する信号送信部と、前記試験信号が入力された前記被試験対象から出力される被測定信号を前記円偏波アンテナで受信する信号受信部と、前記被測定信号に対して解析処理を行う解析処理部と、前記被試験対象を搬送路内で搬送する搬送部と、前記被試験対象が搬送されるための入口及び出口を有する、前記円偏波アンテナを内部に収容する測定ボックスと、前記被試験対象の全体が前記測定ボックス内の所定領域に搬送されているか否かを判断する判断部と、を備え、前記信号送信部は、前記判断部によって前記被試験対象の全体が前記所定領域に搬送されていると判断されたことを条件として、前記搬送部が搬送する前記被試験対象及び前記円偏波アンテナに前記試験信号を出力し、前記信号受信部は、前記判断部によって前記被試験対象の全体が前記所定領域に搬送されていると判断されたことを条件として、前記試験信号が入力された前記被試験対象から出力される前記被測定信号を前記円偏波アンテナで受信し、前記アンテナが設けられた前記被試験対象の一面と、前記誘電体基板とが平行でない位置関係にあるように、前記円偏波アンテナが配置され、前記アンテナは、前記円偏波アンテナに対して、前記アンテナと前記円偏波アンテナとの間の多重反射を抑圧するような近接した位置に配置され、前記円偏波アンテナと前記アンテナとの距離は、1cm〜1.5cmの範囲内にある構成である。
この構成により、本発明に係る無線端末測定装置は、被試験対象の全体が測定ボックス内の所定領域に搬送されていることを自動的に判断して被試験対象に対する性能試験を開始するため、多様な無線端末に対して性能試験を実行し、その試験時間を大幅に短縮することができる。
また、本発明に係る無線端末測定装置は、前記搬送路の上方に設けられ、前記アンテナ又は前記円偏波アンテナで発生する電磁波が前記入口及び前記出口から漏洩するのを防止する電磁波吸収部を更に備え、前記測定ボックスが電磁波シールド機能を有する構成であってもよい。
また、本発明に係る無線端末測定方法は、上記の無線端末測定装置を用いる無線端末測定方法であって、前記円偏波アンテナ及び前記被試験対象に試験信号を出力する信号送信ステップと、前記試験信号が入力された前記被試験対象から出力された被測定信号を前記円偏波アンテナで受信する信号受信ステップと、前記被測定信号に対して解析処理を行う解析処理ステップと、を含む。
この構成により、本発明に係る無線端末測定方法は、被試験対象のアンテナと円偏波アンテナとの間における被測定信号の多重反射を低減することができる。すなわち、本発明に係る無線端末測定方法は、被試験対象のアンテナと円偏波アンテナとの間で発生する多重反射に起因した振幅誤差を抑制して、被試験対象に対する測定を精度良く行うことができる。
また、本発明に係る無線端末測定方法は、上記の無線端末測定装置を用いる無線端末測定方法であって、前記被試験対象を前記搬送路内で搬送する搬送ステップと、前記被試験対象の全体が前記測定ボックス内の所定領域に搬送されているか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップによって前記被試験対象の全体が前記所定領域に搬送されていると判断されたことを条件として、前記搬送部が搬送する前記被試験対象及び前記円偏波アンテナに試験信号を出力する信号送信ステップと、前記判断ステップによって前記被試験対象の全体が前記所定領域に搬送されていると判断されたことを条件として、前記試験信号が入力された前記被試験対象から出力される被測定信号を前記円偏波アンテナで受信する信号受信ステップと、前記被測定信号に対して解析処理を行う解析処理ステップと、を含む。
この構成により、本発明に係る無線端末測定方法は、被試験対象の全体が測定ボックス内の所定領域に搬送されていることを自動的に判断して被試験対象に対する性能試験を開始するため、多様な無線端末に対して性能試験を実行し、その試験時間を大幅に短縮することができる。
本発明は、無線端末のアンテナと円偏波アンテナとの間で発生する多重反射に起因した振幅誤差を抑制して、無線端末に対する測定を精度良く行うことができる無線端末測定装置、無線端末測定装置に接続される円偏波アンテナ装置、及び無線端末測定方法を提供するものである。
本発明の第1の実施形態に係る無線端末測定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る無線端末測定装置が備える端末保持具にDUTが保持される様子を示す斜視図である。 (a)は図2のA−A線断面図であり、(b)は図2のB−B線断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る無線端末測定装置が備える円偏波アンテナの構成を示す斜視図である。 (a)は本発明の第1の実施形態における円偏波アンテナのLHCPの構成を示す正面図であり、(b)は本発明の第1の実施形態における円偏波アンテナのRHCPの構成の正面図である。 本発明の第1の実施形態における円偏波アンテナの構成を示す背面図である。 (a)は図5(a)の4A−4A拡大断面図であり、(b)は図5(a)の変形例における4B−4B線拡大断面図である。 図5(a)の5−5線拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態における円偏波アンテナとDUTのアンテナとの位置関係の一例を示す模式図である。 (a)は本発明の第1の実施形態における円偏波アンテナの要部の構成を示す拡大正面図であり、(b)は、本発明の第1の実施形態における円偏波アンテナの要部の変形例の構成を示す拡大正面図である。 本発明の第1の実施形態における円偏波アンテナの要部の他の変形例の構成を示す拡大正面図である。 本発明の第1の実施形態における円偏波アンテナの要部の構成を除いたときの特性図である。 本発明の第1の実施形態における円偏波アンテナの要部の構成を用いたときの特性図である。 (a)は本発明の第1の実施形態における円偏波アンテナのS11とS21を測定するための構成を示す模式図であり、(b)は本発明の第1の実施形態における円偏波アンテナのS11とS21を測定するための他の構成を示す模式図である。 図14(a)の構成で測定された本発明の第1の実施形態における円偏波アンテナのS11を示すグラフである。 図14(a)の構成で測定された本発明の第1の実施形態における円偏波アンテナのS21を示すグラフである。 図14(b)の構成で測定された本発明の第1の実施形態における円偏波アンテナのS11を示すグラフである。 図14(b)の構成で測定された本発明の第1の実施形態における円偏波アンテナのS21を示すグラフである。 (a)は本発明の第1の実施形態における2つの円偏波アンテナ間の距離を1cm、傾斜角度を0°とした場合のS21を示すグラフであり、(b)は本発明の第1の実施形態における2つの円偏波アンテナ間の距離を1cm、傾斜角度を5°とした場合のS21を示すグラフである。 (a)は本発明の第1の実施形態における2つの円偏波アンテナ間の距離を1.5cm、傾斜角度を0°とした場合のS21を示すグラフであり、(b)は本発明の第1の実施形態における2つの円偏波アンテナ間の距離を1.5cm、傾斜角度を5°とした場合のS21を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る無線端末測定装置による無線端末測定方法の処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る無線端末測定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る無線端末測定装置が備えるベルトコンベア及び電磁波シールドボックスの搬送方向に沿った断面図である。 本発明の第2の実施形態における電磁波シールドボックスの電磁波吸収部の構成例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態における電磁波シールドボックスの電磁波吸収部の他の構成例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態における電磁波シールドボックスの電磁波吸収部として金属板を用いる場合の構成例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態における電磁波シールドボックスの電磁波吸収部として金属板を用いる場合の他の構成例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る無線端末測定装置による無線端末測定方法の処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る無線端末測定装置による無線端末測定方法を説明するための断面図である。
以下、本発明に係る無線端末測定装置、無線端末測定装置に接続される円偏波アンテナ装置、及び無線端末測定方法の実施形態について図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る無線端末測定装置1は、1以上のアンテナ110を有するDUT100に試験信号を入力し、DUT100から出力される被測定信号に対して送受信特性などの測定を行うものである。例えば、無線端末測定装置1は、円偏波アンテナ20と、端末保持具50と、測定部51と、表示部52と、操作部53と、を備えている。ここで、円偏波アンテナ20及び端末保持具50は、無線端末測定装置1に接続される円偏波アンテナ装置を構成する。
DUT100は、例えばスマートフォンなどの無線端末である。DUT100の通信規格としては、セルラ(LTE、LTE−A、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、1xEV−DO、TD−SCDMA等)、無線LAN(IEEE802.11b/g/a/n/ac/ad等)、Bluetooth(登録商標)、GNSS(GPS、Galileo、GLONASS、BeiDou等)、FM、及びディジタル放送(DVB−H、ISDB−T等)が挙げられる。
図2(a),(b)に示すように、端末保持具50は、例えば外形が方形状の誘電体材料からなり、DUT100の挿入・取り出しが可能なスロット部54と、1以上の円偏波アンテナ20と、を内部に備えている。さらに、端末保持具50は、スロット部54の開口を開閉するための扉55を有していてもよい。図2(c)に示すように、DUT100が端末保持具50内に収容されて保持されることにより、DUT100の一面に設けられたアンテナ110と円偏波アンテナ20との位置関係が固定されるようになっている。
図3(a),(b)は、それぞれ図2(c)のA−A線断面図とB−B線断面図である。これらの図に示すように、端末保持具50は、円偏波アンテナ20をDUT100のアンテナ110の放射面に対して所定角度傾けて保持するための保持部56を有している。なお、端末保持具50の内壁面50aには、DUT100のアンテナ110又は円偏波アンテナ20で発生する電磁波が端末保持具50の外に漏洩するのを防止するための電波吸収体が貼り付けられていることが望ましい。
あるいは、端末保持具50は、1以上の円偏波アンテナ20が取り付けられた留め具のような構成であってもよい。この場合には、端末保持具50でDUT100を挟むことにより、DUT100のアンテナ110と円偏波アンテナ20との位置関係が固定される。
図1に示すように、測定部51は、信号送信部61と、信号受信部62と、解析処理部63と、切替部64と、記憶部65と、試験制御部66とを備えており、DUT100に対して送信電波の出力レベルや受信感度などに関する測定を行うようになっている。
信号送信部61は、円偏波アンテナ20に試験信号を出力することにより、端末保持具50により保持されたDUT100に、円偏波アンテナ20及びDUT100のアンテナ110を介して試験信号を出力するようになっている。
信号受信部62は、試験信号が入力されたDUT100から出力される被測定信号を、DUT100のアンテナ110を介して円偏波アンテナ20で受信するようになっている。
解析処理部63は、信号受信部62により受信された被測定信号に対して、DUT100の通信規格に対応した解析処理を行うようになっている。解析処理部63が行う解析処理の具体例としては、変調精度(EVM)、送信パワーレベル、送信スペクトラムマスク、エラーベクトル振幅、最小入力感度、最大入力レベル、隣接チャネル漏洩電力、スプリアス放射の測定などが挙げられる。
なお、上記の試験信号は、本実施形態の無線端末測定装置1に対してDUT100を呼接続状態とするなどの、DUT100の通信規格に対応した各種制御を行うための制御信号を含むものとする。また、上記の被測定信号は、本実施形態の無線端末測定装置1から出力された試験信号に対するDUT100からの応答信号や、当該試験信号とは無関係にDUT100から出力される送信信号である。
切替部64は、信号送信部61から出力される試験信号の出力周波数を通過させる広帯域の方向性結合器であり、例えばウィルキンソン型の分配器で構成される。切替部64は、円偏波アンテナ20と同軸ケーブルで接続されており、信号送信部61から出力された試験信号を円偏波アンテナ20に入力するとともに、円偏波アンテナ20で受信されたDUT100からの被測定信号を信号受信部62に入力することが可能となっている。
試験制御部66は、例えばCPU、記憶部65を構成するROM、RAM、HDDなどを含むマイクロコンピュータ又はパーソナルコンピュータ等で構成され、測定部51を構成する上記各部の動作を制御する。
なお、信号送信部61、信号受信部62、及び解析処理部63は、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのディジタル回路で構成することや、あらかじめ記憶部65に記憶された所定のプログラムが試験制御部66により実行されることによりソフトウェア的に構成することが可能である。あるいは、信号送信部61、信号受信部62、及び解析処理部63は、ディジタル回路によるハードウェア処理と所定のプログラムによるソフトウェア処理とを適宜組み合わせて構成することも可能である。なお、試験制御部66は、新たなプログラム、あるいはバージョンを変更したプログラムを外部から受けて、記憶部65への追加又は更新を行うこともできる。
表示部52は、例えばLCDやCRTなどの表示機器で構成され、試験制御部66からの制御信号に基づいて、測定結果の表示や、測定条件などを設定するためのソフトキー、プルダウンメニュー、テキストボックスなどの操作対象の表示を行うようになっている。
操作部53は、ユーザによる操作入力を行うためのものであり、例えば表示部52の表示画面の表面に設けられたタッチパネルで構成される。あるいは、操作部53は、キーボード又はマウスのような入力デバイスを含んで構成されてもよい。また、操作部53は、リモートコマンドなどによる遠隔制御を行う外部制御装置で構成されてもよい。操作部53による入力操作は、試験制御部66により検知されるようになっている。ユーザは、操作部53を用いて、複数の通信規格の中からDUT100が対応している通信規格を選択できるようになっている。
以下、円偏波アンテナ20の構成について説明する。図4から図8は、円偏波アンテナ20の基本構造を示している。
すなわち、図4は、円偏波アンテナ20の構成を説明するために示す斜視図である。また、図5(a),(b)は、円偏波アンテナ20の構成を説明するために示す正面図である。また、図6は、円偏波アンテナ20の構成を説明するために示す背面図である。また、図7(a)は、図5(a)の4A−4A線拡大断面図である。また、図7(b)は、図5(a)の変形例における4B−4B線拡大断面図である。また、図8は、図5(a)の5−5線拡大断面図である。
本実施形態における円偏波アンテナ20は、基本的には、図4から図8に示すように、誘電体基板21と、誘電体基板21の一面21a側に重合される地板導体22と、誘電体基板21の反対面21bに形成された円偏波型のアンテナ素子23と、を有している。なお、誘電体基板21の反対面21bを誘電体基板の第1の面、誘電体基板の一面21aを誘電体基板の第2の面と称してもよい。
さらに、地板導体22を挟んだ誘電体基板21の反対側には、アンテナ素子23に励振信号を給電するための給電部26が形成されている。給電部26は、給電用誘電体基板27と、給電用誘電体基板27の地板導体22と反対側の表面に形成され、地板導体22をアースとするマイクロストリップ線路の給電ライン28と、を有する。
上記の誘電体基板21及び給電用誘電体基板27としては、準ミリ波帯で低損失のRO4003(Rogers社)などの材料を用いることができる。
この誘電体基板21及び給電用誘電体基板27の材質としては、低損失で誘電率が2〜5程度の材料であれば使用可能であり、例えば、ガラスクロステフロン基板や各種熱硬化樹脂基板が候補となる。例えば、図7(a)に示す構成では、誘電体基板21及び給電用誘電体基板27の誘電率をいずれも3.62とし、誘電体基板21の高さhを1.1mm、給電用誘電体基板27の高さhを0.3mmなどとすることができる。
アンテナ素子23は、誘電体基板21の反対面21b側に、例えば、パターン印刷技術によって形成された右巻き矩形スパイラル(図5(a)参照)又は左巻き矩形スパイラル(図5(b)参照)の不平衡型のアンテナである。
また、円偏波アンテナ20は、アンテナ素子23のスパイラル中心側の側端部(給電点)に一端が接続され、誘電体基板21をその厚さ方向に貫通して地板導体22の穴22aを非導通に通過し、更に給電部26を構成する給電用誘電体基板27を貫通してその表面に他端側を突出させる給電ピン(feed pin)25を有している。
なお、給電部26は、上記のマイクロストリップ線路の構成に限定されず、不平衡型の給電線、例えば、同軸ケーブルや、地板導体22をアースとするコプレーナ線路あるいはマイクロストリップ線路等により給電ピン25の他端側から給電される構成であればよい。図5(a)に示した構成の円偏波アンテナ20は、給電ピン25から給電されることにより、アンテナ素子23から主偏波の回転方向が左回りの円偏波(left hand circular polarization:LHCP)の電波を放射することができる。一方、図5(b)に示した構成の円偏波アンテナ20は、給電ピン25から給電されることにより、アンテナ素子23から主偏波の回転方向が右回りの円偏波(right hand circular polarization:RHCP)の電波を放射することができる。なお、図6以降の図面では、特に断りのない限り主偏波がLHCPの構成のみを示す。
ただし、これだけの構造のみによる円偏波アンテナでは、誘電体基板21の表面に沿った表面波が励振されるため、その表面波の影響によって円偏波アンテナとして所望の特性が得られない。
そこで、本実施形態の円偏波アンテナ20では、誘電体基板21の表面に沿った表面波の励振を抑制するための構造として、上記構造に加えて、図7(a)、図8に示しているように、複数の金属ポスト30によって構成されるキャビティ構造を採用している。
具体的には、例えば円柱状の複数の金属ポスト30は、それぞれの一端側が地板導体22に接続され、誘電体基板21をその厚さ方向に沿って貫通し、かつそれぞれの他端側が誘電体基板21の反対面21bまで延びて、アンテナ素子23を囲むように所定間隔で設けられることにより、キャビティを構成する。
さらに、本実施形態の円偏波アンテナ20は、上記キャビティ構造に加えて、誘電体基板21の反対面21b側に、複数の金属ポスト30の各他端側をその並び方向に沿って順次短絡し、かつ各金属ポスト30との接続位置からアンテナ素子23方向に所定距離延びて設けられる枠状導体32を備えている。
そして、本実施形態の円偏波アンテナ20では、このキャビティ構造と、枠状導体32との相乗効果によって、表面波を抑圧することができるようにしている。つまり、本実施形態の円偏波アンテナ20は、上記のキャビティ構造と枠状導体32とを備えることにより、従来の一般的な平面アンテナと比較して、アンテナ側面からの電波の漏れを大幅に抑制することができる。
なお、複数の金属ポスト30は、図7(b)に示すように、誘電体基板21を貫通する複数の穴301を形成し、この複数の穴301の内壁にメッキ加工(スルーホールメッキ)することによって複数の中空状の金属ポスト30′として実現することもできる。
この場合、スルーホールメッキによる複数の中空状の金属ポスト30′の下端部は、誘電体基板21の一面21a側にパターン印刷技術によって形成されるランド302を介して地板導体22に接続されるようになされている。
図9(a),(b)に示すように、上記のように構成された円偏波アンテナ20は、端末保持具50に保持されることにより、その反対面21bがDUT100のアンテナ110の放射面110aとDUT100の一面に対向し、アンテナ110と空間的に結合されるようになっている。
図9(a),(b)に示すように、円偏波アンテナ20の反対面21bは、DUT100のアンテナ110の放射面110aに対して平行ではなく、傾斜角度θだけ傾いている。つまり、アンテナ110が設置されたDUT100の一面の法線と、円偏波アンテナ20の反対面21bの法線は交差している。
ここで、アンテナ110の放射面110aの法線N2と、アンテナ110が設置されたDUT100の一面の法線とは平行である。また、アンテナ110の放射方向は、アンテナ110の放射面110aの法線方向である。
また、円偏波アンテナ20の反対面21bの法線N1と、円偏波アンテナ20の放射面の法線は平行である。また、円偏波アンテナ20の放射方向は、円偏波アンテナ20の放射面の法線方向である。
すなわち、図9(a)に示すように、アンテナ110の放射面110aから放射される被測定信号の放射方向は、円偏波アンテナ20の反対面21bの法線方向N1に対して平行ではない。このため、アンテナ110の放射面110aから放射される被測定信号は、円偏波アンテナ20とアンテナ110との間で反射されて端末保持具50の内壁面50aに向かい、内壁面50aで吸収される。このようにして、円偏波アンテナ20とアンテナ110との間での被測定信号の多重反射が抑制される。
同様に、図9(b)に示すように、円偏波アンテナ20のアンテナ素子23から放射される試験信号の放射方向は、アンテナ110の放射面110aの法線方向N2に対して平行ではない。このため、円偏波アンテナ20から放射される試験信号は、円偏波アンテナ20とアンテナ110との間で反射されて端末保持具50の内壁面50aに向かい、内壁面50aで吸収される。このようにして、円偏波アンテナ20とアンテナ110との間での試験信号の多重反射が抑制される。
なお、端末保持具50内での円偏波アンテナ20の配置箇所及び個数は、図2、図3、及び図9に示した例に限定されない。
以下、上記のキャビティ構造と枠状導体32とによる表面波抑圧の効果を説明するために、各部の構造パラメータと、当該構造パラメータを変えて得られた円偏波アンテナ20の特性についてのシミュレーション結果について説明する。
まず、各部の構造パラメータとなり得る要素について説明する。
この円偏波アンテナ20の使用周波数はK及びKaバンド帯の18〜40GHzであり、アンテナ素子23の方形スパイラルは、基本長をa0とし、該a0並びにその任意倍数の長さの線路を90度の角度ごとに配置して構成する。
このような方形スパイラルの典型的な例を図10(a)に示す。すなわち、この例では、素子幅Wを0.25mm、基本長a0を0.45mmとし、以下、90度の角度ごとに2a0、2a0、3a0、3a0、4a0、4a0の線路長とし、最終線路長を3a0とし、全体で9巻き(nine−turn spiral)の方形スパイラルとしている。
また、図10(b)に示す方形スパイラルは、図10(a)における基本長a0よりも長くした基本長a0′とし、巻数を減らした場合である。
この例では、素子幅Wを0.25mm、基本長a0′を0.7mmとし、以下、90度の角度ごとに2a0′、2a0′、3a0′、3a0′、4a0′の線路長とし、最終線路長を約1.5a0′とし、全体で8巻き(eight−turn spiral)の方形スパイラルとしている。
この場合、最終線路長は、円偏波の軸比(axial ratio)や反射特性を最適化するように約1.5a0′に選んである。
なお、以下の説明及び実施形態では、円偏波アンテナ20に採用すべきアンテナ素子23として方形スパイラルの例を示している。
しかるに、図11に示すように、円偏波アンテナ20に採用すべきアンテナ素子23としては、方形スパイラルに代えて、円形スパイラルのアンテナ素子23を用いることもできる。
この図11に示す円形スパイラルのアンテナ素子23は、例えば、基準点からの半径初期値SR=0.2mm、素子幅W=0.35mm、スパイラル間隔d=0.2mm、巻き数2.125の円形スパイラルによるアンテナ素子23の場合であり、このような円形スパイラルによるアンテナ素子23を円偏波アンテナ20に用いた場合でも、上述した方形スパイラルのアンテナ素子23を用いた場合とほぼ同等の結果が得られている。
また、誘電体基板21の外形はアンテナ素子23のスパイラル中心を中心とする正方形で、図5(a),(b)に示すように、その一辺の長さをL(以下、外形長と記す)とし、キャビティの外形もこれと同心の正方形としている。
また、キャビティは、図7(a),(b)に示すように、その内寸をLwとしている。さらに、枠状導体32には、キャビティ内壁から内側へ延びる所定幅(以下、リム幅と記す)Lを有するリムが設けられている。
また、キャビティを形成する複数の金属ポスト30の直径は、それぞれ、0.3mmであり、各金属ポスト30の間隔は0.9mmである。
図12は、複数の金属ポスト30によるキャビティ及び枠状導体32を設けない場合における垂直面(図4、図5でyz面)の放射特性についてのシミュレーション結果を示している。
図12において、F1、F1′は、外形長L=18mmのときの主偏波(左回り円偏波:LHCP)と交差偏波(右回り円偏波:RHCP)の特性であり、F2、F2′は、外形長L=24mmのときの主偏波と交差偏波の特性である。
ここで、円偏波アンテナとして要求される放射特性は、主偏波については0°方向を中心として対称でブロードな単峰特性であり、交差偏波(完全な円偏波であればゼロである)については、広い角度範囲において主偏波より十分低い放射強度となる必要がある。
これに対し、図12の主偏波の特性F1、F2は、共に非対称で利得に大きな暴れがあり、また、交差偏波についてみれば、−60°、−40°の近傍で主偏波と同等又はそれに近い放射レベルになっていることが分かる。
このような放射特性の乱れは、前記した表面波の影響によって発生している。
図13は、複数の金属ポスト30によって内寸Lw=9mmのキャビティを設け、更にリム幅L=1.2mmの枠状導体32を設けたときの、外形長L=18mm及びL=24mmにした場合の主偏波の特性F3、F4と交差偏波の特性F3′、F4′についてのシミュレーション結果を示している。
この図13から明らかなように、主偏波の特性F3、F4は、0°方向を中心として対称でブロードな単峰特性となり、交差偏波の特性F3′、F4′についても、広い角度範囲において主偏波F3、F4より十分低い放射強度で緩慢な変化となっており、前記した円偏波アンテナとして要求される所望の特性が得られていることが分かる。
また、各部の構造パラメータを変えて行った前記と同様の幾つかの各種の放射特性についてのシミュレーションの結果、枠状導体32が無い場合の放射特性は、誘電体基板21の外形長Lとキャビティ内寸Lwに対する依存性を示し、概略的な傾向を言えば、外形長Lが大きい(L=24,18mm)場合、キャビティ内寸Lwが3〜10mmまで大きくなるにつれて主偏波特性は3峰形から単峰形に近づくことが判明している。
また、誘電体基板21の外形長Lが比較的小さい(L=12mm)場合、キャビティ内寸Lwが3〜10mmまで間で大きくなるにつれて主偏波特性は双峰形から単峰形に近づくことが判明している。
しかし、いずれの場合でも、交差偏波の暴れが大きく使用角度範囲内いずれかにおいて主偏波成分との差が小さくなり、偏波選択性が低く、上記図13のような所望の特性には至らないことが判明している。
なお、リム幅Lの1.2mmは、誘電体基板21の表面に沿って伝播する表面波の波長のほぼ1/4に相当している。つまり、このリム幅L=1.2mmの部分は、その先端側からポスト壁側を見たとき、表面波に対してインピーダンスが無限大となるλg/4(λgは管内波長)の長さの伝送路を形成する。
したがって、誘電体基板21の表面に沿った電流が流れないことになり、この電流阻止作用によって表面波の励振が抑圧され、放射特性の暴れを防いでいることになる。
よって、円偏波アンテナ20を上記した以外の他の周波数帯に適用する場合には、その周波数に応じてリム幅Lを変更設定すればよい。
ところで、本実施形態の円偏波アンテナ20は、誘電体基板21に、複数の金属ポスト30によるキャビティと枠状導体32を設けることによって共振器を構成し、この共振器をアンテナ素子23で励振していると考えることができる。
本実施形態の円偏波アンテナ20は、共振器を構成しているので、共振周波数が存在し、その共振周波数では円偏波アンテナ20の入力インピーダンスが非常に大きくなり、放射をしなくなる。
この場合、共振器の共振周波数は、共振器と円偏波のアンテナ素子23との構造パラメータで決まる。
この構造パラメータは、前述したように、キャビティの内寸Lw、リム幅Lのほか、アンテナ素子23の巻数、アンテナ素子23の基本長a0、アンテナ素子23の素子幅Wなどである。
したがって、アンテナ利得の周波数特性は、前記共振周波数付近で急激に深い落ち込み(ノッチ)が生じることになる。この共振周波数は、上記の構造パラメータを調整することにより、所望の値に設定することが可能である。
以下、本実施形態における円偏波アンテナ20のS11とS21の測定結果について説明する。
図14(a)に示すように、主偏波がRHCPの2つの円偏波アンテナ20を、給電ライン28の延伸方向が揃う向きにアンテナ素子23が形成された面(すなわち、誘電体基板21の反対面21b)を平行に向かい合わせた状態(以下、「0°の対向状態」とも称する)において、信号分析装置70を用いてS11とS21を測定した結果を図15及び図16に示す。
また、図14(b)に示すように、主偏波がRHCPの2つの円偏波アンテナ20を、給電ライン28の延伸方向が垂直になる向きにアンテナ素子23が形成された面(すなわち、誘電体基板21の反対面21b)を平行に向かい合わせた状態(以下、「90°の対向状態」とも称する)において、信号分析装置70を用いてS11とS21を測定した結果を図17及び図18に示す。
ここで、信号分析装置70は、例えばネットワークアナライザ、又は、トラッキングジェネレータ機能付シグナルアナライザにより構成される。ここでのS11とS21の測定は、2つの円偏波アンテナ20間の距離を2cmにした状態で計5回行われたものである。ただし、1回の測定が終わるごとに2つの円偏波アンテナ20を無限大とみなせる距離だけ離した後に、次の回の測定が行われている。
図15〜図18から、5回の測定で得られたS11とS21の周波数特性はグラフ上でほぼ重なっており、S11とS21のいずれについても再現性の高い測定結果が得られたことが分かる。なお、図18の90°の対向状態では28GHz付近のS21の凹みが見られるが、これは2つの円偏波アンテナ20間で逆位相の信号成分同士が打ち消し合うような多重反射が発生したことにより、振幅誤差が現れたものと考えられる。
図19及び図20は、0°の対向状態において、2つの円偏波アンテナ20間の距離と傾斜角度θを変化させた場合のS21の測定結果を示すグラフである。ここで、2つの円偏波アンテナ20間の距離とは、各円偏波アンテナ20の誘電体基板21の反対面21bにおいて給電ピン25の中心軸が交わる位置間の距離であるとする。
図19(a)は、2つの円偏波アンテナ20間の距離を1cmとし、傾斜角度θを0°とした場合のS21の測定結果であり、図中の楕円で囲んで示すように25.5GHz付近に振幅誤差による凹みが見られる。
図19(b)は、2つの円偏波アンテナ20間の距離を1cmとし、傾斜角度θを5°とした場合のS21の測定結果であり、図中の楕円で囲んで示すようにθ=0°の場合に見られた25.5GHz付近の凹みが大幅に改善していることが分かる。
図20(a)は、2つの円偏波アンテナ20間の距離を1.5cmとし、傾斜角度θを0°とした場合のS21の測定結果であり、図中の楕円で囲んで示すように27.3GHz付近に振幅誤差による凹みが見られる。
図20(b)は、2つの円偏波アンテナ20間の距離を1.5cmとし、傾斜角度θを5°とした場合のS21の測定結果であり、図中の楕円で囲んで示すようにθ=0°の場合に見られた27.3GHz付近の凹みが消失していることが分かる。
以下、本実施形態に係る無線端末測定装置1を用いる無線端末測定方法について、図21のフローチャートを参照しながらその処理の一例を説明する。
まず、ユーザにより、DUT100が端末保持具50に保持される(ステップS1)。
次に、測定部51の信号送信部61は、円偏波アンテナ20に試験信号を出力することにより、円偏波アンテナ20及びDUT100のアンテナ110を介してDUT100に試験信号を出力する(信号送信ステップS2)。
次に、測定部51の信号受信部62は、試験信号が入力されたDUT100から出力された被測定信号を、DUT100のアンテナ110を介して円偏波アンテナ20で受信する(信号受信ステップS3)。
次に、測定部51の解析処理部63は、信号受信ステップS3で受信された被測定信号に対して、DUT100の通信規格に対応した解析処理を行う(解析処理ステップS4)。
以上説明したように、本実施形態に係る無線端末測定装置1は、アンテナ110の放射面110aから放射される被測定信号の放射方向が、円偏波アンテナ20の反対面21bの法線方向に対して平行ではないため、アンテナ110と円偏波アンテナ20との間における被測定信号の多重反射を低減することができる。すなわち、本実施形態に係る無線端末測定装置1は、アンテナ110と円偏波アンテナ20との間で発生する多重反射に起因した振幅誤差を抑制して、DUT100に対する測定を精度良く行うことができる。
また、本実施形態に係る無線端末測定装置1は、円偏波アンテナ20のアンテナ素子23から放射される試験信号の放射方向が、アンテナ110の放射面の法線方向に対して平行ではないため、アンテナ110と円偏波アンテナ20との間における試験信号の多重反射を低減することができる。
また、本実施形態に係る無線端末測定装置1は、円偏波アンテナ20の反対面21bが、アンテナ110の放射面に対して平行ではないため、アンテナ110と円偏波アンテナ20との間における被測定信号及び試験信号の多重反射を低減することができる。
また、本実施形態に係る無線端末測定装置1が備える円偏波アンテナ20では、誘電体基板21を貫通する金属ポスト30を、アンテナ素子23を囲むように並べてキャビティ構造とし、さらに、この金属ポスト30の先端を並び方向に沿って短絡し、かつアンテナ素子23方向に所定距離延びた枠状導体32を設けている。これにより、円偏波アンテナ20は、表面波の発生を抑制でき、アンテナの放射特性を所望の特性にすることができる。
また、本実施形態に係る無線端末測定装置1は、円偏波アンテナ20を用いているため、アンテナ110から放射される被測定信号の直線偏波の向きに関わらず精度の良い測定が可能である。
また、本実施形態に係る無線端末測定装置1は、近接での測定を行うものであるため、電波暗室(チャンバー)を使用しなくても精度の良い測定が可能である。
(第2の実施形態)
続いて、本発明の第2の実施形態に係る無線端末測定装置2について図面を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付して適宜説明を省略する。また、第1の実施形態と同様の動作についても適宜説明を省略する。
図22に示すように、本実施形態の無線端末測定装置2は、ベルトコンベア(搬送部)81と、測定ボックスとしての電磁波シールドボックス82と、駆動制御部83と、測定部51と、表示部52と、操作部53と、を備えている。
電磁波シールドボックス82は、DUT100が搬送されるための入口82a及び出口82bを有し、搬送路81aの少なくとも一部を含む空間を覆うようになっている。また、電磁波シールドボックス82は、DUT100のアンテナ110と空間的に結合される1以上の円偏波アンテナ20と、検知部84と、を内部に収容するようになっている。
円偏波アンテナ20は、DUT100の全体が後述する通信可能領域Rに搬送された状態で、反対面21bがDUT100のアンテナ110の放射面110aに対して傾斜角度θだけ傾いた状態になるように、電磁波シールドボックス82内に配置されている。
さらに、電磁波シールドボックス82は、搬送路81aの上方に設けられ、DUT100のアンテナ110又は円偏波アンテナ20で発生する電磁波が入口82a及び出口82bから漏洩するのを防止する電磁波吸収材を含む電磁波吸収部85a,85bを備える。
検知部84は、例えば、光線を出射する光源と、光源が出射する光線を受光する受光器とを有し、光源が光線を出射している間に受光器がこの光線を受光できなくなったことを検出するいわゆる投受光器等の構成を有しており、DUT100の電磁波シールドボックス82内への進入を検知できるようになっている。また、検知部84は、DUT100を検知したときに、DUT100を検知したことを示す検知信号を、後述の駆動制御部83の判断部132に出力するようになっている。
駆動制御部83は、例えばCPU、記憶部133を構成するROM、RAM、HDDなどを含むマイクロコンピュータ又はパーソナルコンピュータ等で構成され、記憶部133にあらかじめ記憶された所定のプログラムを実行することにより、搬送制御部131及び判断部132をソフトウェア的に構成するようになっている。
搬送制御部131は、ベルトコンベア81を駆動制御するようになっており、判断部132から出力された制御信号に応じて、搬送速度を変化させることが可能となっている。なお、搬送速度は常に一定であってもよい。
記憶部133は、DUT100のサイズの情報、DUT100の通信可能領域Rの情報などを記憶している。ここで、通信可能領域Rは、DUT100のアンテナ110と円偏波アンテナ20が十分な強度で空間的に結合できる領域であって、かつ、後述の電磁波吸収部85a,85bが閉状態を維持できる領域として設定される。
判断部132は、検知部84から出力される検知信号、搬送制御部131から出力されるDUT100の搬送速度の情報、記憶部133に記憶されたDUT100の情報に基づいて、DUT100の全体が電磁波シールドボックス82内の通信可能領域Rに搬送されているか否かを判断するようになっている。例えば、判断部132は、検知部84から検知信号が出力された時点から、DUT100の全体が通信可能領域Rに収まるまでに要する時間、及び、DUT100の少なくとも一部が通信可能領域Rの外に出るまでに要する時間を割り出すことで上記の判断を行うことができる。
また、既に述べたように、判断部132は、搬送速度を変化させるための制御信号を搬送制御部131に出力するようになっていてもよい。例えば、判断部132は、DUT100の全体が電磁波シールドボックス82内の通信可能領域Rに搬送されている場合のベルトコンベア81による搬送速度を、DUT100の全体が電磁波シールドボックス82内の通信可能領域Rに搬送されていない場合の搬送速度よりも遅くする制御信号を出力してもよい。
あるいは判断部132は、DUT100の全体が電磁波シールドボックス82内の通信可能領域Rに搬送されている場合に、ベルトコンベア81による搬送を所定時間停止させ、搬送速度を所定時間ゼロとする制御信号を出力してもよい。
なお、上述の検知部84は撮像装置で構成されていてもよく、この場合には判断部132は、DUT100の全体が電磁波シールドボックス82内の通信可能領域Rに搬送されているか否かを画像処理で分析するものであってもよい。
信号送信部61は、駆動制御部83の判断部132によってDUT100の全体が電磁波シールドボックス82内の通信可能領域Rに搬送されていると判断されたことを条件として、円偏波アンテナ20に試験信号を出力することにより、ベルトコンベア81が搬送するDUT100に、円偏波アンテナ20及びDUT100のアンテナ110を介して試験信号を出力するようになっている。
信号受信部62は、駆動制御部83の判断部132によってDUT100の全体が電磁波シールドボックス82内の通信可能領域Rに搬送されていると判断されたことを条件として、試験信号が入力されたDUT100から出力される被測定信号を、DUT100のアンテナ110を介して円偏波アンテナ20で受信するようになっている。
信号送信部61及び信号受信部62が上記のように制御されることにより、DUT100が電磁波シールドボックス82内に収容されている時間内に性能試験が完了するようになっている。
図23は、DUT100の搬送方向(Y方向)に沿った、ベルトコンベア81及び電磁波シールドボックス82の断面図である。ベルトコンベア81は、例えば無端状のベルト111を複数対の搬送ローラ112a,112b,113a,113bに巻回し、そのベルト111の上走部の搬送路81a内で、DUT100を電磁波シールドボックス82の入口82a側から出口82b側へ搬送するようになっている。
また、ベルトコンベア81は、ベルト111を回転させるためのモータ114を、搬送ローラ112bの軸線方向一端部に備えている。モータ114は、搬送制御部131によって駆動制御されるようになっている。
図24及び図25は、電磁波シールドボックス82における電磁波吸収部85a,85bの配置例を示す斜視図である。図24は、電磁波シールドボックス82の入口82a及び出口82bをベルト111が搬送方向に通過する構成を示している。一方、図25は、電磁波シールドボックス82が底面に開口部を有しており、ベルト111がその開口部を常に塞ぐ形で搬送方向に通過する構成を示している。
ここで、電磁波シールドボックス82の筐体120は、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、真鍮やこれらの合金などの導電性の金属から成っており、電磁波シールド機能を有する。電磁波シールドボックス82は、これらの材質の金属の板に対して折り曲げなどの加工を行うことによって製造できるが、軽量化、省資源化のためにこれらの材質の板にパンチングによる穴あけを行なってもよい。あるいは、始めから板の代わりに網状の材料を採用してもよい。なお、穴や網目の大きさは、DUT100が出力する被測定信号の電波の波長よりも十分に小さければ(例えば1/10波長以下)、電磁波シールドボックスとしての遮蔽性能を保つことができる。
ベルト111は、布やゴムに導電性の物質や金属の粒子を混合した導電性のベルトであることが好ましい。また、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、真鍮やこれらの合金のシートをコンベアに使用可能な弾力性を確保する構造に加工してベルトとしてもよい。あるいは、上述の金属の網状の構造を、コンベアに使用される布やゴムに積層するようにしてベルトとしてもよい。
なお、図24の構成においては、電磁波シールドボックス82と、導電性の電磁波吸収部85a,85bにより遮蔽が十分に確保されていれば、ベルト111は必ずしも金属製でなくてもよい。一方、図25の構成においては、導電性のベルト111と電磁波シールドボックス82の間が、導電性のスライダー等を介して良好に導電可能に接触している必要がある。
電磁波吸収部85a,85bは、DUT100が電磁波シールドボックス82の入口82a又は出口82bを通過している場合に入口82a又は出口82bを開状態とし、DUT100の全体が電磁波シールドボックス82内に搬送された場合に入口82a及び出口82bを閉状態とするようになっている。
電磁波吸収部85a,85bは、図24及び図25に示すように、ベルトコンベア81がDUT100を搬送する搬送方向(Y方向)に直交する水平方向(X方向)に複数の短冊状に設けられた電磁波遮蔽部材から成る。この電磁波遮蔽部材は、例えば、布やゴムに導電性の物質や金属の粒子を混合したもの、あるいは、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、真鍮やこれらの合金のシートから成る。このように構成された電磁波吸収部85a,85bは、筐体120の入口82a及び出口82bを塞ぐように筐体120に吊り下げられて設けられている。
電磁波吸収部85a,85bの他の例としては、図26及び図27に示すように、搬送方向(Y方向)に直交する水平方向(X方向)を軸として揺動可能な金属板(図26)や、搬送方向(Y方向)に直交する垂直方向(Z方向)にスライド可能な金属板(図27)が挙げられる。これらの金属板は、任意の検知手段から出力されるDUT100の検知情報に基づいて、任意の駆動装置で駆動されるようになっている。
なお、電磁波シールドボックス82内での円偏波アンテナ20の配置箇所及び個数は、図22〜図27に示した例に限定されない。例えば、電磁波シールドボックス82のDUT100の搬送方向に複数の区画を連続的に設け、それぞれの区画に1以上の円偏波アンテナ20が配置される構成とすることも可能である。
以下、本実施形態に係る無線端末測定装置2を用いる無線端末測定方法について、図28のフローチャートを参照しながらその処理の一例を説明する。
まず、駆動制御部83の搬送制御部131は、DUT100を搬送路81a内で搬送する(搬送ステップS11)。
次に、駆動制御部83の判断部132は、DUT100の全体が電磁波シールドボックス82内の通信可能領域Rに搬送されているか否かを判断する(判断ステップS12)。図29(a)に示すように、DUT100が電磁波シールドボックス82の入口82aを通過中の状態では、検知部84がDUT100を検知しておらず、判断部132はDUT100の全体が電磁波シールドボックス82内の通信可能領域Rに搬送されていないと判断する。
一方、図29(b)に示すように、DUT100の全体が電磁波シールドボックス82の入口82aを通過し、電磁波吸収部85a,85bが閉状態となった状態では、検知部84から出力される検知信号、搬送制御部131から出力されるDUT100の搬送速度の情報、駆動制御部83の記憶部133に記憶されたDUT100の情報に基づいて、判断部132はDUT100の全体が電磁波シールドボックス82内の通信可能領域Rに搬送されていると判断する。
次に、測定部51の信号送信部61は、判断ステップS12によってDUT100の全体が通信可能領域Rに搬送されていると判断されたことを条件として、円偏波アンテナ20に試験信号を出力することにより、ベルトコンベア81が搬送するDUT100に、円偏波アンテナ20及びDUT100のアンテナ110を介して試験信号を出力する(信号送信ステップS13)。
次に、測定部51の信号受信部62は、判断ステップS12によってDUT100の全体が通信可能領域Rに搬送されていると判断されたことを条件として、試験信号が入力されたDUT100から出力された被測定信号を、DUT100のアンテナ110を介して円偏波アンテナ20で受信する(信号受信ステップS14)。
次に、測定部51の解析処理部63は、信号受信ステップS14で受信された被測定信号に対して、DUT100の通信規格に対応した解析処理を行う(解析処理ステップS15)。
つまり、電磁波吸収部85a,85bが閉状態、かつ、DUT100が通信可能領域Rに搬送されている場合にのみ、円偏波アンテナ20とDUT100のアンテナ110との間で信号の送受信が行われるようになっている。
なお、図29(c)に示すように、DUT100が電磁波シールドボックス82の出口82bを通過中であり、出口82b側の電磁波吸収部85bが開状態となった状態では、上述の検知信号、DUT100の搬送速度の情報、DUT100の情報に基づいて、判断部132はDUT100の全体が電磁波シールドボックス82内の通信可能領域Rに搬送されていないと判断する。なお、このとき同時に電磁波シールドボックス82の入口82aを他のDUT100が通過中であることが測定効率の点から望ましい。
以上説明したように、本実施形態に係る無線端末測定装置2は、DUT100の全体が電磁波シールドボックス82内の所定領域に搬送されていることを自動的に判断してDUT100に対する性能試験を開始するため、多様な無線端末に対して性能試験を実行し、その試験時間を大幅に短縮することができる。
また、本実施形態に係る無線端末測定装置2は、DUT100と測定装置とをケーブルで接続する必要や、DUT100を手作業で電磁波シールドボックス82内に出し入れする必要がなくなるため、DUT100の試験時間を大幅に短縮することが可能となる。
また、本実施形態に係る無線端末測定装置2は、ケーブル接続用の専用の治具が不要となるため、多品種の無線機器を製造している工場において測定器を共用化でき、試験コストの軽減が可能となる。
なお、本発明の範囲には、本実施形態における測定部51及びベルトコンベア81が、互いに独立した測定装置及び搬送装置として動作可能であり、これらが駆動制御部83の機能を含む外部制御装置で制御される構成も含まれる。
なお、本実施形態に係る無線端末測定装置2において、電磁波シールドボックス82の代わりに、電磁波シールド機能を有さない測定ボックスを使用しても、DUT100のアンテナ110及び円偏波アンテナ20が近接した配置で測定するため、電磁波の漏洩は十分に防止されている。本実施形態に係る無線端末測定装置2は、電磁波シールドボックス82や、電磁波吸収部85a,85bを有することで、更に電磁波遮蔽の効果を得ることができる。
1,2 無線端末測定装置
20 円偏波アンテナ
21 誘電体基板
21a 一面
21b 反対面
22 地板導体
23 アンテナ素子
25 給電ピン
26 給電部
27 給電用誘電体基板
28 給電ライン
30 金属ポスト
32 枠状導体
61 信号送信部
62 信号受信部
63 解析処理部
81 ベルトコンベア
81a 搬送路
82 電磁波シールドボックス
82a 入口
82b 出口
85a,85b 電磁波吸収部
100 DUT
110 アンテナ
110a 放射面
132 判断部

Claims (10)

  1. 一面にアンテナ(110)が設けられた被試験対象(100)に対して測定を行う無線端末測定装置(1)に接続される円偏波アンテナ装置において、
    誘電体基板(21)と、前記被試験対象の一面に対向する前記誘電体基板の第1の面(21b)に形成された円偏波型のアンテナ素子(23)とを有する、前記アンテナと空間的に結合される円偏波アンテナ(20)と、
    前記アンテナが設けられた前記被試験対象の一面と、前記誘電体基板とが平行でない位置関係にあるように、前記円偏波アンテナ及び前記被試験対象を保持する保持具(50)と、を備え、
    前記アンテナは、前記円偏波アンテナに対して、前記アンテナと前記円偏波アンテナとの間の多重反射を抑圧するような近接した位置に配置され、
    前記円偏波アンテナと前記アンテナとの距離は、1cm〜1.5cmの範囲内にあることを特徴とする円偏波アンテナ装置。
  2. 前記円偏波アンテナは、
    前記誘電体基板の第1の面の反対面である第2の面(21a)側に重合される地板導体(22)と、
    それぞれの一端側が前記地板導体に接続され、前記誘電体基板をその厚さ方向に沿って貫通し、かつそれぞれの他端側が前記誘電体基板の反対面まで延びて、前記アンテナ素子を囲むように所定間隔で設けられることにより、キャビティを構成する複数の金属ポスト(30)と、
    前記誘電体基板の第1の面側に、前記複数の金属ポストの各他端側をその並び方向に沿って短絡し、かつ前記アンテナ素子方向に所定幅を有するリムが設けられている枠状導体(32)と、を具備し、
    前記キャビティ及び前記枠状導体とで共振器を構成し、前記共振器と前記アンテナ素子との構造パラメータを調整して、前記共振器の共振周波数を所望の値に設定し、前記構造パラメータは、前記キャビティの内寸Lw、前記枠状導体の前記リム幅L、前記アンテナ素子の巻数、前記アンテナ素子の基本長a0、前記アンテナ素子の素子幅Wの少なくとも一つを含み、かつ、前記枠状導体の前記リム幅Lは、前記誘電体基板の表面に沿って伝播する表面波の波長の略1/4の幅であることを特徴とする請求項1に記載の円偏波アンテナ装置。
  3. 前記アンテナの放射面の法線と、前記アンテナが設置された前記被試験対象の一面の法線が平行であり、
    前記アンテナの放射方向は前記アンテナの放射面の法線方向であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の円偏波アンテナ装置。
  4. 前記円偏波アンテナの前記誘電体基板の第1の面の法線と、前記円偏波アンテナの放射面の法線が平行であり、前記円偏波アンテナの放射方向は前記円偏波アンテナの放射面の法線方向であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の円偏波アンテナ装置。
  5. 前記アンテナ素子が、所定の偏波の回転方向を有すると共に、スパイラルの中心側端部を有する方形スパイラル型又は円形スパイラル型に形成され、
    前記方形スパイラル型又は円形スパイラル型に形成された前記アンテナ素子の前記スパイラルの中心側端部に一端側が接続されて前記誘電体基板及び前記地板導体を貫通して設けられる給電ピン(25)を更に具備することを特徴とする請求項2に記載の円偏波アンテナ装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかに記載の円偏波アンテナ装置と、
    前記円偏波アンテナ及び前記被試験対象に試験信号を出力する信号送信部(61)と、
    前記試験信号が入力された前記被試験対象から出力される被測定信号を前記円偏波アンテナで受信する信号受信部(62)と、
    前記被測定信号に対して解析処理を行う解析処理部(63)と、を備えた無線端末測定装置。
  7. 一面にアンテナ(110)が設けられた被試験対象(100)に対して測定を行う無線端末測定装置(2)において、
    誘電体基板(21)と、前記被試験対象の一面に対向する前記誘電体基板の第1の面(21b)に形成された円偏波型のアンテナ素子(23)とを有する、前記アンテナと空間的に結合される円偏波アンテナ(20)と、
    前記円偏波アンテナ及び前記被試験対象に試験信号を出力する信号送信部(61)と、
    前記試験信号が入力された前記被試験対象から出力される被測定信号を前記円偏波アンテナで受信する信号受信部(62)と、
    前記被測定信号に対して解析処理を行う解析処理部(63)と、
    前記被試験対象を搬送路(81a)内で搬送する搬送部(81)と、
    前記被試験対象が搬送されるための入口(82a)及び出口(82b)を有する、前記円偏波アンテナを内部に収容する測定ボックス(82)と、
    前記被試験対象の全体が前記測定ボックス内の所定領域に搬送されているか否かを判断する判断部(132)と、を備え、
    前記信号送信部は、前記判断部によって前記被試験対象の全体が前記所定領域に搬送されていると判断されたことを条件として、前記搬送部が搬送する前記被試験対象及び前記円偏波アンテナに前記試験信号を出力し、
    前記信号受信部は、前記判断部によって前記被試験対象の全体が前記所定領域に搬送されていると判断されたことを条件として、前記試験信号が入力された前記被試験対象から出力される前記被測定信号を前記円偏波アンテナで受信し、
    前記アンテナが設けられた前記被試験対象の一面と、前記誘電体基板とが平行でない位置関係にあるように、前記円偏波アンテナが配置され、
    前記アンテナは、前記円偏波アンテナに対して、前記アンテナと前記円偏波アンテナとの間の多重反射を抑圧するような近接した位置に配置され、
    前記円偏波アンテナと前記アンテナとの距離は、1cm〜1.5cmの範囲内にあることを特徴とする無線端末測定装置。
  8. 前記搬送路の上方に設けられ、前記アンテナ又は前記円偏波アンテナで発生する電磁波が前記入口及び前記出口から漏洩するのを防止する電磁波吸収部(85a,85b)を更に備え、
    前記測定ボックスが電磁波シールド機能を有することを特徴とする請求項7に記載の無線端末測定装置。
  9. 請求項6に記載の無線端末測定装置を用いる無線端末測定方法であって、
    前記円偏波アンテナ及び前記被試験対象に試験信号を出力する信号送信ステップ(S2)と、
    前記試験信号が入力された前記被試験対象から出力された被測定信号を前記円偏波アンテナで受信する信号受信ステップ(S3)と、
    前記被測定信号に対して解析処理を行う解析処理ステップ(S4)と、を含むことを特徴とする無線端末測定方法。
  10. 請求項7又は請求項8に記載の無線端末測定装置を用いる無線端末測定方法であって、
    前記被試験対象を前記搬送路内で搬送する搬送ステップ(S11)と、
    前記被試験対象の全体が前記測定ボックス内の所定領域に搬送されているか否かを判断する判断ステップ(S12)と、
    前記判断ステップによって前記被試験対象の全体が前記所定領域に搬送されていると判断されたことを条件として、前記搬送部が搬送する前記被試験対象及び前記円偏波アンテナに試験信号を出力する信号送信ステップ(S13)と、
    前記判断ステップによって前記被試験対象の全体が前記所定領域に搬送されていると判断されたことを条件として、前記試験信号が入力された前記被試験対象から出力される被測定信号を前記円偏波アンテナで受信する信号受信ステップ(S14)と、
    前記被測定信号に対して解析処理を行う解析処理ステップ(S15)と、を含むことを特徴とする無線端末測定方法。
JP2020170231A 2020-10-08 2020-10-08 無線端末測定装置、無線端末測定装置に接続される円偏波アンテナ装置、及び無線端末測定方法 Pending JP2021028634A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020170231A JP2021028634A (ja) 2020-10-08 2020-10-08 無線端末測定装置、無線端末測定装置に接続される円偏波アンテナ装置、及び無線端末測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020170231A JP2021028634A (ja) 2020-10-08 2020-10-08 無線端末測定装置、無線端末測定装置に接続される円偏波アンテナ装置、及び無線端末測定方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017150113A Division JP2019027997A (ja) 2017-08-02 2017-08-02 無線端末測定装置、無線端末測定装置に接続される円偏波アンテナ装置、及び無線端末測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021028634A true JP2021028634A (ja) 2021-02-25

Family

ID=74667599

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020170231A Pending JP2021028634A (ja) 2020-10-08 2020-10-08 無線端末測定装置、無線端末測定装置に接続される円偏波アンテナ装置、及び無線端末測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021028634A (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001116784A (ja) * 1999-10-22 2001-04-27 Advantest Corp 電波機器用測定箱
JP2001349917A (ja) * 2000-06-12 2001-12-21 Advantest Corp アンテナの放射指向性測定装置
JP2002171190A (ja) * 2000-12-01 2002-06-14 Nec Corp 小型携帯電話機
WO2003021824A1 (fr) * 2001-08-30 2003-03-13 Anritsu Corporation Instrument de test de terminal radio portable utilisant une antenne auto-complementaire unique
WO2006051947A1 (ja) * 2004-11-15 2006-05-18 Anritsu Corporation 円偏波アンテナ及びそれを用いるレーダ装置
JP2016111397A (ja) * 2014-12-02 2016-06-20 アンリツ株式会社 無線端末測定装置及び無線端末測定方法
JP2019027997A (ja) * 2017-08-02 2019-02-21 アンリツ株式会社 無線端末測定装置、無線端末測定装置に接続される円偏波アンテナ装置、及び無線端末測定方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001116784A (ja) * 1999-10-22 2001-04-27 Advantest Corp 電波機器用測定箱
JP2001349917A (ja) * 2000-06-12 2001-12-21 Advantest Corp アンテナの放射指向性測定装置
JP2002171190A (ja) * 2000-12-01 2002-06-14 Nec Corp 小型携帯電話機
WO2003021824A1 (fr) * 2001-08-30 2003-03-13 Anritsu Corporation Instrument de test de terminal radio portable utilisant une antenne auto-complementaire unique
WO2006051947A1 (ja) * 2004-11-15 2006-05-18 Anritsu Corporation 円偏波アンテナ及びそれを用いるレーダ装置
JP2016111397A (ja) * 2014-12-02 2016-06-20 アンリツ株式会社 無線端末測定装置及び無線端末測定方法
JP2019027997A (ja) * 2017-08-02 2019-02-21 アンリツ株式会社 無線端末測定装置、無線端末測定装置に接続される円偏波アンテナ装置、及び無線端末測定方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10784582B2 (en) Wireless terminal measurement apparatus, circularly polarized antenna device connectable thereto and wireless terminal measurement method
JP6876021B2 (ja) 電磁波シールドボックス
EP2194387B1 (en) Radiated power measuring method, coupler for radiate power measurement, and radiated power measuring device
JP5085728B2 (ja) 放射電力を測定する方法、放射電力の測定用結合器及び放射電力を測定する装置
US7672640B2 (en) Multichannel absorberless near field measurement system
US20180048398A1 (en) Millimeter Wave Test Systems
Farahat et al. Dual-band (28/38 GHz) MIMO Antenna System for 5G Mobile Communications with Efficient DoA Estimation Algorithm in Noisy Channels.
US20200333389A1 (en) Freespace antenna measurement system
Cai et al. Small anechoic chamber design method for on-line and on-site passive intermodulation measurement
JP6606158B2 (ja) 無線端末測定装置及び無線端末測定方法
JP6684323B2 (ja) 平面アンテナ装置、それを備えた無線端末測定装置、及び無線端末測定方法
JP2021028634A (ja) 無線端末測定装置、無線端末測定装置に接続される円偏波アンテナ装置、及び無線端末測定方法
Hannachi et al. A Compact V-Band Planar Gap-Coupled $4\times 1$ Antenna Array: Improved Design and Analysis
WO2007112546A1 (en) Multichannel absorberless near field measurement system
JP6975088B2 (ja) 無線端末測定装置及び無線端末測定方法
Kim et al. A dual-band FMCW radar for through-wall detection
Fady et al. Novel miniaturized multiband antenna and applications for smart navigation media
Tiwari et al. A High-Frequency Planar-Configured Millimeter-Wave MIMO Antenna for Fifth-Generation NR Operations
CN111273115A (zh) 用于低频电磁兼容测试的测量装置
Togawa et al. Reflectivity measurements in anechoic chambers in the microwave to millimeter range
JP2014228338A (ja) 電波反射箱の等方性評価方法
WO2023199920A1 (ja) 近傍界エアープローブ及び検査装置
CN212134840U (zh) 用于低频电磁兼容测试的测量装置
Dube Design and fabrication of a miniaturised Dual Band Planar Antenna for Wireless Communication
Bhoopalan et al. A Planar Semi-Circled Horn-Like Bow-Tie Antenna Array for Amateur Radio Applications

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201008

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210907

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220802

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230207