JP2021028351A - ポリカーボネート系樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】PC−POS共重合体、スチレン系樹脂及び白色顔料を含み、成形時の黒スジ等の外観不良の発生を抑制するポリカーボネート系樹脂組成物を提供する。【解決手段】特定のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A1)を含有するポリカーボネート系樹脂(A)を50質量%以上99質量%以下、及びスチレン系樹脂(B)を1質量%以上50質量%以下含むポリカーボネート系樹脂組成物(S)と、白色顔料(C)とを含み、前記白色顔料(C)を、前記ポリカーボネート系樹脂組成物(S)100質量部に対して、0.1質量部以上40質量部以下含む、ポリカーボネート系樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、ポリカーボネート系樹脂組成物及びその成形品に関する。より詳しくは、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体、スチレン系樹脂及び白色顔料を含み、成形時の黒スジ等の外観不良の発生を抑制した、ポリカーボネート系樹脂組成物及びその成形品に関する。
ポリカーボネート樹脂は、機械的強度、電気的特性、透明性などに優れ、エンジニアリングプラスチックとして、電気及び電子機器分野、自動車分野等様々な分野において幅広く利用されている。携帯電話、モバイルパソコン、デジタルカメラ、ビデオカメラ、電動工具などの筐体にもポリカーボネート樹脂が利用され、これらの用途では、取り扱い時に落下等の可能性があることから耐衝撃性が重要であると共に、意匠性(特に色彩)も重要な因子である。
ポリカーボネート樹脂をはじめとする樹脂材料は、顔料等の着色剤を配合することで比較的容易に所望の色彩を付与することができる。ポリカーボネート系樹脂の中でも、ポリオルガノシロキサンを共重合したポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(以下、PC−POS共重合体と称することがある。)は耐衝撃性に優れることから、前記用途への適用が期待されている。
ポリカーボネート樹脂をはじめとする樹脂材料は、顔料等の着色剤を配合することで比較的容易に所望の色彩を付与することができる。ポリカーボネート系樹脂の中でも、ポリオルガノシロキサンを共重合したポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(以下、PC−POS共重合体と称することがある。)は耐衝撃性に優れることから、前記用途への適用が期待されている。
PC−POS共重合体は、一般的なホモポリカーボネート系樹脂が有する耐熱性や耐加水分解性に加えて、高い耐衝撃性と優れた成形性を有することから、使用条件や使用環境の厳しい薄肉成形品や高強度部材への適用が進んでいる。しかしながら、PC−POS共重合体を主成分として含むポリカーボネート系樹脂に酸化チタン等の白色顔料を配合した樹脂組成物は、成形時に黒い筋状の模様(黒スジ)が発生するという問題があった。そのため、白着色のポリカーボネート樹脂材料ではPC−POS共重合体におけるポリオルガノシロキサン部分の平均鎖長を短くしたり、PC−POS共重合体の配合量を少なくしたりする必要があり、耐衝撃性の更なる向上が困難であった。
特許文献1には、PC−POS共重合体及び酸化チタンを含有するポリカーボネート系樹脂組成物において、ポリオルガノシロキサン部分の平均鎖長が短いPC−POS共重合体と、該平均鎖長が長いPC−POS共重合体とを併用することにより、成形時の黒スジの発生が抑制され、耐衝撃性に優れるポリカーボネート系樹脂組成物が得られることが記載されている。しかしながら特許文献1に開示された樹脂組成物はポリオルガノシロキサン部分の平均鎖長が短いPC−POS共重合体の使用を必須としている。
また、液晶ディスプレイ(LCD)のバックライトユニットに取り付けられる白色反射板等の白着色のポリカーボネート系樹脂組成物で用いられている酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜鉛等の白色顔料には、通常のポリカーボネート成形前に行う予備乾燥条件である100〜120℃で充分除湿乾燥させても抜けきらない水分が残る。この水分を含む該樹脂組成物を射出成形すると、成形熱で水分が蒸散してシルバーストリークを発生させることが知られている。この課題を克服するため、ポリカーボネート系重合体と、100℃と300℃におけるカールフィッシャー法による水分濃度差を2700質量ppm以下に低減した酸化チタンとの組み合わせを含むポリカーボネート樹脂組成物を用いて、シルバーストリークの発生を抑制する技術が知られている(例えば特許文献2)。しかしながら特許文献2でも、PC−POS共重合体と白色顔料を含むポリカーボネート系樹脂組成物において特有の現象である成形時の黒スジ発生を抑制する技術は開示されていない。
本発明は、PC−POS共重合体、スチレン系樹脂、及び白色顔料を含み、成形時の黒スジ等の外観不良の発生を抑制した、ポリカーボネート系樹脂組成物及びその成形品を提供することを目的とする。
本発明者等は、所定のPC−POS共重合体及びスチレン系樹脂を含むポリカーボネート系樹脂組成物、並びに白色顔料をそれぞれ所定量配合したポリカーボネート系樹脂組成物が、上記課題を達成することを見出した。
すなわち本発明は、下記1〜16に関する。
1.下記一般式(I)で表される繰り返し単位からなるポリカーボネートブロック及び下記一般式(II)で表される繰り返し単位を含むポリオルガノシロキサンブロックを含むポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A1)を含有するポリカーボネート系樹脂(A)を50質量%以上92質量%以下、及びスチレン系樹脂(B)を8質量%以上50質量%以下含むポリカーボネート系樹脂組成物(S)と、白色顔料(C)とを含み、
前記白色顔料(C)を、前記ポリカーボネート系樹脂組成物(S)100質量部に対して、0.1質量部以上40質量部以下含む、ポリカーボネート系樹脂組成物。
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。Xは、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、フルオレンジイル基、炭素数7〜15のアリールアルキレン基、炭素数7〜15のアリールアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−又は−CO−を示す。R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。]
すなわち本発明は、下記1〜16に関する。
1.下記一般式(I)で表される繰り返し単位からなるポリカーボネートブロック及び下記一般式(II)で表される繰り返し単位を含むポリオルガノシロキサンブロックを含むポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A1)を含有するポリカーボネート系樹脂(A)を50質量%以上92質量%以下、及びスチレン系樹脂(B)を8質量%以上50質量%以下含むポリカーボネート系樹脂組成物(S)と、白色顔料(C)とを含み、
前記白色顔料(C)を、前記ポリカーボネート系樹脂組成物(S)100質量部に対して、0.1質量部以上40質量部以下含む、ポリカーボネート系樹脂組成物。
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。Xは、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、フルオレンジイル基、炭素数7〜15のアリールアルキレン基、炭素数7〜15のアリールアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−又は−CO−を示す。R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。]
2.前記スチレン系樹脂(B)が、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体である、上記1に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
3.前記ポリオルガノシロキサンブロックの平均鎖長が50以上である、上記1又は2に記載の樹脂組成物。
4.前記ポリカーボネート系樹脂(A)中のポリオルガノシロキサンの含有量が0.1質量%以上25質量%以下である、上記1〜3のいずれか一つに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
5.前記ポリカーボネート系樹脂(A)の粘度平均分子量が12,000以上50,000以下である、上記1〜4のいずれか一つに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
6.前記ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A1)中の前記ポリオルガノシロキサンブロックの含有量が1.0質量%以上40質量%以下である、上記1〜5のいずれか一つに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
7.前記白色顔料(C)が酸化チタン顔料、硫化亜鉛顔料、酸化亜鉛顔料、及び硫酸バリウム顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記1〜6のいずれか一つに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
8.前記白色顔料(C)が酸化チタン顔料である、上記7に記載の樹脂組成物。
9.前記酸化チタン顔料が酸化チタン粒子の表面にシリカ、ジルコニア、及びアルミナからなる群から選ばれる1種以上の無機酸化物からなる無機酸化物層を有するものである、上記8に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
10.前記酸化チタン顔料が、前記無機酸化物層の表面にさらに有機層を有する、上記9に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
11.前記有機層の、熱分解ガスクロマトグラフ装置及びFID検出器を用いた発生ガス分析により得られる発生ガス分析曲線の最大ピーク温度が380℃以上である、上記10に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
12.前記白色顔料(C)の、0℃以上300℃以下におけるカールフィッシャー法により測定される水分濃度から、0℃以上120℃以下におけるカールフィッシャー法により測定される水分濃度を差し引いた値が8,000質量ppm以下である、上記1〜11のいずれか一つ記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
13.粘度平均分子量が12,000以上50,000以下である、上記1〜12のいずれか一つに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
14.前記ポリカーボネート系樹脂組成物からなる成形品について、測色計にて以下の条件で測定した測定対象位置のL値と基準点のL値の差(ΔL)が、0.18以下となる、上記1〜13のいずれか一つに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
光源:D65光源
視野角度:10°
測定方法:縦150mm×横150mmの成形品上に、成形時の射出成形機のゲート位置からの樹脂の流れ方向に沿った端部を縦軸、該縦軸に直行する端部を横軸として、縦軸と横軸とが直交する点から順番に1cm(縦)×1cm(横)の間隔で15×15の位置割りを行う。位置割り後の以下の基準点と測定対称位置とのL値を測定する。
15.上記1〜14のいずれか一つに記載のポリカーボネート系樹脂組成物を含む成形品。
16.測色計にて以下の条件で測定した測定対象位置のL値と基準点のL値の差(ΔL)が、0.18以下となる、上記15に記載の成形品。
光源:D65光源
視野角度:10°
測定方法:縦150mm×横150mmの成形品上に、成形時の射出成形機のゲート位置からの樹脂の流れ方向に沿った端部を縦軸、該縦軸に直行する端部を横軸として、縦軸と横軸とが直交する点から順番に1cm(縦)×1cm(横)の間隔で15×15の位置割りを行う。位置割り後の以下の基準点と測定対称位置とのL値を測定する。
基準点:横3×縦8の位置
測定対称位置:横8×縦3から横8×縦14までの位置
3.前記ポリオルガノシロキサンブロックの平均鎖長が50以上である、上記1又は2に記載の樹脂組成物。
4.前記ポリカーボネート系樹脂(A)中のポリオルガノシロキサンの含有量が0.1質量%以上25質量%以下である、上記1〜3のいずれか一つに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
5.前記ポリカーボネート系樹脂(A)の粘度平均分子量が12,000以上50,000以下である、上記1〜4のいずれか一つに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
6.前記ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A1)中の前記ポリオルガノシロキサンブロックの含有量が1.0質量%以上40質量%以下である、上記1〜5のいずれか一つに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
7.前記白色顔料(C)が酸化チタン顔料、硫化亜鉛顔料、酸化亜鉛顔料、及び硫酸バリウム顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記1〜6のいずれか一つに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
8.前記白色顔料(C)が酸化チタン顔料である、上記7に記載の樹脂組成物。
9.前記酸化チタン顔料が酸化チタン粒子の表面にシリカ、ジルコニア、及びアルミナからなる群から選ばれる1種以上の無機酸化物からなる無機酸化物層を有するものである、上記8に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
10.前記酸化チタン顔料が、前記無機酸化物層の表面にさらに有機層を有する、上記9に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
11.前記有機層の、熱分解ガスクロマトグラフ装置及びFID検出器を用いた発生ガス分析により得られる発生ガス分析曲線の最大ピーク温度が380℃以上である、上記10に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
12.前記白色顔料(C)の、0℃以上300℃以下におけるカールフィッシャー法により測定される水分濃度から、0℃以上120℃以下におけるカールフィッシャー法により測定される水分濃度を差し引いた値が8,000質量ppm以下である、上記1〜11のいずれか一つ記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
13.粘度平均分子量が12,000以上50,000以下である、上記1〜12のいずれか一つに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
14.前記ポリカーボネート系樹脂組成物からなる成形品について、測色計にて以下の条件で測定した測定対象位置のL値と基準点のL値の差(ΔL)が、0.18以下となる、上記1〜13のいずれか一つに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
光源:D65光源
視野角度:10°
測定方法:縦150mm×横150mmの成形品上に、成形時の射出成形機のゲート位置からの樹脂の流れ方向に沿った端部を縦軸、該縦軸に直行する端部を横軸として、縦軸と横軸とが直交する点から順番に1cm(縦)×1cm(横)の間隔で15×15の位置割りを行う。位置割り後の以下の基準点と測定対称位置とのL値を測定する。
15.上記1〜14のいずれか一つに記載のポリカーボネート系樹脂組成物を含む成形品。
16.測色計にて以下の条件で測定した測定対象位置のL値と基準点のL値の差(ΔL)が、0.18以下となる、上記15に記載の成形品。
光源:D65光源
視野角度:10°
測定方法:縦150mm×横150mmの成形品上に、成形時の射出成形機のゲート位置からの樹脂の流れ方向に沿った端部を縦軸、該縦軸に直行する端部を横軸として、縦軸と横軸とが直交する点から順番に1cm(縦)×1cm(横)の間隔で15×15の位置割りを行う。位置割り後の以下の基準点と測定対称位置とのL値を測定する。
基準点:横3×縦8の位置
測定対称位置:横8×縦3から横8×縦14までの位置
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、白色顔料を含む樹脂組成物であっても成形時の黒スジ等の外観不良の発生が抑制された白色成形品を提供することができる。
以下、本発明のポリカーボネート系樹脂組成物について詳細に説明する。なお、本明細書において、好ましいとされている規定は任意に採用することができ、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましいといえる。また、本明細書において、「XX〜YY」の記載は、「XX以上YY以下」を意味する。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位からなるポリカーボネートブロック及び下記一般式(II)で表される繰り返し単位を含むポリオルガノシロキサンブロックを含むポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A1)を含有するポリカーボネート系樹脂(A)を50質量%以上92質量%以下、及びスチレン系樹脂(B)を8質量%以上50質量%以下含むポリカーボネート系樹脂組成物(S)と、白色顔料(C)とを含み、前記白色顔料(C)を、前記ポリカーボネート系樹脂組成物(S)100質量部に対して、0.1質量部以上40質量部以下含むことを特徴とする。
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。Xは、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、フルオレンジイル基、炭素数7〜15のアリールアルキレン基、炭素数7〜15のアリールアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−又は−CO−を示す。R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。]
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。Xは、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、フルオレンジイル基、炭素数7〜15のアリールアルキレン基、炭素数7〜15のアリールアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−又は−CO−を示す。R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。]
<ポリカーボネート系樹脂(A)>
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物には、所定のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A1)を含有するポリカーボネート系樹脂(A)が配合される。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物には、所定のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A1)を含有するポリカーボネート系樹脂(A)が配合される。
[ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A1)]
ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A1)は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位からなるポリカーボネートブロック及び下記一般式(II)で表される繰り返し単位を含むポリオルガノシロキサンブロックを含む。
上記一般式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。Xは、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、フルオレンジイル基、炭素数7〜15のアリールアルキレン基、炭素数7〜15のアリールアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−又は−CO−を示す。a及びbは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示す。
上記一般式(II)中、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。
ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A1)は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位からなるポリカーボネートブロック及び下記一般式(II)で表される繰り返し単位を含むポリオルガノシロキサンブロックを含む。
上記一般式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。Xは、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、フルオレンジイル基、炭素数7〜15のアリールアルキレン基、炭素数7〜15のアリールアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−又は−CO−を示す。a及びbは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示す。
上記一般式(II)中、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。
上記一般式(I)中、R1及びR2がそれぞれ独立して示すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
R1及びR2がそれぞれ独立して示すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基(「各種」とは、直鎖状及びあらゆる分岐鎖状のものを含むことを示し、以下、同様である。)、各種ペンチル基、及び各種ヘキシル基が挙げられる。R1及びR2がそれぞれ独立して示すアルコキシ基としては、アルキル基部位が前記アルキル基である場合が挙げられる。
Xが表すアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられ、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましい。Xが表すアルキリデン基としては、エチリデン基、イソプロピリデン基等が挙げられる。Xが表すシクロアルキレン基としては、シクロペンタンジイル基やシクロヘキサンジイル基、シクロオクタンジイル基等が挙げられ、炭素数5〜10のシクロアルキレン基が好ましい。Xが表すシクロアルキリデン基としては、例えば、シクロヘキシリデン基、3,5,5−トリメチルシクロヘキシリデン基、2−アダマンチリデン基等が挙げられ、炭素数5〜10のシクロアルキリデン基が好ましく、炭素数5〜8のシクロアルキリデン基がより好ましい。Xが表すアリールアルキレン基のアリール部位としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基などの環形成炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。Xが表すアリールアルキリデン基のアリール部位としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基などの環形成炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。
a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
中でも、a及びbが0であり、Xが単結合又は炭素数1〜8のアルキレン基であるもの、又はa及びbが0であり、Xがアルキリデン基、特にイソプロピリデン基であるものが好適である。
R1及びR2がそれぞれ独立して示すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基(「各種」とは、直鎖状及びあらゆる分岐鎖状のものを含むことを示し、以下、同様である。)、各種ペンチル基、及び各種ヘキシル基が挙げられる。R1及びR2がそれぞれ独立して示すアルコキシ基としては、アルキル基部位が前記アルキル基である場合が挙げられる。
Xが表すアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられ、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましい。Xが表すアルキリデン基としては、エチリデン基、イソプロピリデン基等が挙げられる。Xが表すシクロアルキレン基としては、シクロペンタンジイル基やシクロヘキサンジイル基、シクロオクタンジイル基等が挙げられ、炭素数5〜10のシクロアルキレン基が好ましい。Xが表すシクロアルキリデン基としては、例えば、シクロヘキシリデン基、3,5,5−トリメチルシクロヘキシリデン基、2−アダマンチリデン基等が挙げられ、炭素数5〜10のシクロアルキリデン基が好ましく、炭素数5〜8のシクロアルキリデン基がより好ましい。Xが表すアリールアルキレン基のアリール部位としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基などの環形成炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。Xが表すアリールアルキリデン基のアリール部位としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基などの環形成炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。
a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
中でも、a及びbが0であり、Xが単結合又は炭素数1〜8のアルキレン基であるもの、又はa及びbが0であり、Xがアルキリデン基、特にイソプロピリデン基であるものが好適である。
上記一般式(II)中、R3又はR4がそれぞれ独立して示すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。R3又はR4がそれぞれ独立して示すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、及び各種ヘキシル基が挙げられる。R3又はR4がそれぞれ独立して示すアルコキシ基としては、アルキル基部位が前記アルキル基である場合が挙げられる。R3又はR4がそれぞれ独立して示すアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
なお、R3及びR4としては、好ましくは、いずれも、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基であり、いずれもメチル基であることがより好ましい。
なお、R3及びR4としては、好ましくは、いずれも、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基であり、いずれもメチル基であることがより好ましい。
上記一般式(II)で表される繰り返し単位を含むポリオルガノシロキサンブロックは、下記一般式(II−I)〜(II−III)で表される単位を有することが好ましい。
[式中、R3〜R6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示し、複数のR3〜R6は、互いに同一であっても異なっていてもよい。Yは−R7O−、−R7COO−、−R7NH−、−R7NR8−、−COO−、−S−、−R7COO−R9−O−、又は−R7O−R10−O−を示し、複数のYは、互いに同一であっても異なっていてもよい。前記R7は、単結合、直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキレン基、脂肪族基及び芳香族基を含む二価の有機残基、置換又は無置換のアリーレン基、又はジアリーレン基を示す。R8は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R9は、ジアリーレン基を示す。R10は、直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキレン基、又はジアリーレン基を示す。βは、ジイソシアネート化合物由来の2価の基、又はジカルボン酸もしくはジカルボン酸のハロゲン化物由来の2価の基を示す。nはポリオルガノシロキサンの平均鎖長を示す。pとqはそれぞれ1以上の整数であり、pとqの和はn−2である。]
[式中、R3〜R6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示し、複数のR3〜R6は、互いに同一であっても異なっていてもよい。Yは−R7O−、−R7COO−、−R7NH−、−R7NR8−、−COO−、−S−、−R7COO−R9−O−、又は−R7O−R10−O−を示し、複数のYは、互いに同一であっても異なっていてもよい。前記R7は、単結合、直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキレン基、脂肪族基及び芳香族基を含む二価の有機残基、置換又は無置換のアリーレン基、又はジアリーレン基を示す。R8は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R9は、ジアリーレン基を示す。R10は、直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキレン基、又はジアリーレン基を示す。βは、ジイソシアネート化合物由来の2価の基、又はジカルボン酸もしくはジカルボン酸のハロゲン化物由来の2価の基を示す。nはポリオルガノシロキサンの平均鎖長を示す。pとqはそれぞれ1以上の整数であり、pとqの和はn−2である。]
R3〜R6がそれぞれ独立して示すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。R3〜R6がそれぞれ独立して示すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、及び各種ヘキシル基が挙げられる。R3〜R6がそれぞれ独立して示すアルコキシ基としては、アルキル基部位が前記アルキル基である場合が挙げられる。R3〜R6がそれぞれ独立して示すアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
R3〜R6としては、いずれも、好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基である。
一般式(II−I)、(II−II)及び/又は(II−III)中の、R3〜R6がいずれもメチル基であるものが好ましい。
R3〜R6としては、いずれも、好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基である。
一般式(II−I)、(II−II)及び/又は(II−III)中の、R3〜R6がいずれもメチル基であるものが好ましい。
Yが示す−R7O−、−R7COO−、−R7NH−、−R7NR8−、−R7COO−R9−O−、又は−R7O−R10−O−におけるR7が表す直鎖又は分岐鎖アルキレン基としては、炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基が挙げられ、環状アルキレン基としては、炭素数5〜15、好ましくは炭素数5〜10のシクロアルキレン基が挙げられる。
R7が表す脂肪族基及び芳香族基を含む二価の有機残基は、芳香環にアルコキシ基、アルキル基のような置換基を更に有していてもよく、その具体的構造としては、例えば、下記の一般式(x)又は(xi)の構造を示すことができる。なお、下記一般式の場合アルキレン基がSiに結合している。
(式中cは正の整数を示し、通常1〜6の整数である)
(式中cは正の整数を示し、通常1〜6の整数である)
R7、R9及びR10が示すジアリーレン基とは、二つのアリーレン基が直接、又は二価の有機基を介して連結された基のことであり、具体的には−Ar1−W−Ar2−で表わされる構造を有する基である。ここで、Ar1及びAr2は、アリーレン基を示し、Wは単結合、又は2価の有機基を示す。Wの示す2価の有機基は、例えばイソプロピリデン基、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基である。
R7、Ar1及びAr2が表すアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントリレン基などの環形成炭素数6〜14のアリーレン基が挙げられる。これらアリーレン基は、アルコキシ基、アルキル基等の任意の置換基を有していてもよい。
R8が示すアルキル基としては炭素数1〜8、好ましくは1〜5の直鎖又は分岐鎖のものである。アルケニル基としては、炭素数2〜8、好ましくは2〜5の直鎖又は分岐鎖のものが挙げられる。アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としては、フェニルメチル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
R10が示す直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキレン基は、R7と同様である。
R7、Ar1及びAr2が表すアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントリレン基などの環形成炭素数6〜14のアリーレン基が挙げられる。これらアリーレン基は、アルコキシ基、アルキル基等の任意の置換基を有していてもよい。
R8が示すアルキル基としては炭素数1〜8、好ましくは1〜5の直鎖又は分岐鎖のものである。アルケニル基としては、炭素数2〜8、好ましくは2〜5の直鎖又は分岐鎖のものが挙げられる。アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としては、フェニルメチル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
R10が示す直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキレン基は、R7と同様である。
Yとしては、好ましくは−R7O−であって、R7が、脂肪族基及び芳香族基を含む二価の有機残基である。特に、R7が、アルキル基を有するフェノール系化合物の二価の残基であることが好ましく、例えばアリルフェノール由来の二価の有機残基やオイゲノール由来の二価の有機残基がより好ましい。R7は、具体的には上記一般式(x)又は(xi)で表される構造が好ましい。
なお、式(II−II)中のp及びqについては、p=q、すなわち、p=(n−2)/2、q=(n−2)/2であることが好ましい。
また、βは、ジイソシアネート化合物由来の2価の基、又はジカルボン酸もしくはジカルボン酸のハロゲン化物由来の2価の基を示し、例えば、以下の一般式(xiii)〜(xvii)で表される2価の基が挙げられる。
本発明に用いられるPC−POS共重合体(A1)における前記ポリオルガノシロキサンブロックの平均鎖長nは50以上であることが好ましい。すなわち、式(II−I)及び(II−III)中のnが50以上であることが好ましく、(II−II)の場合にはpとqの和に2を足した数が上記範囲となることが好ましい。該平均鎖長は核磁気共鳴(NMR)測定により算出される。
該平均鎖長nが50以上であれば、成形品の低温耐衝撃性が良好である。該平均鎖長nは、より好ましくは55以上、更に好ましくは60以上、より更に好ましくは80以上、最も好ましくは85以上であり、より好ましくは500以下、更に好ましくは300以下、より更に好ましくは150以下、最も好ましくは120以下である。該平均鎖長は核磁気共鳴(NMR)測定により算出される。平均鎖長nが500を超えると、PC−POS共重合体(A1)を製造する際の取り扱いが困難になり経済性に劣る為、500以下が好ましい。
該平均鎖長nが50以上であれば、成形品の低温耐衝撃性が良好である。該平均鎖長nは、より好ましくは55以上、更に好ましくは60以上、より更に好ましくは80以上、最も好ましくは85以上であり、より好ましくは500以下、更に好ましくは300以下、より更に好ましくは150以下、最も好ましくは120以下である。該平均鎖長は核磁気共鳴(NMR)測定により算出される。平均鎖長nが500を超えると、PC−POS共重合体(A1)を製造する際の取り扱いが困難になり経済性に劣る為、500以下が好ましい。
本発明に用いられるPC−POS共重合体(A1)中の前記ポリオルガノシロキサンブロックの含有量は、より良好な衝撃特性を得る観点から、好ましくは1.0質量%以上40質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以上30質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以上10質量%以下、特に好ましくは4.0質量%以上8.0質量%以下である。
本発明に用いられるPC−POS共重合体(A1)の粘度平均分子量(Mv)は使用される用途や製品により、目的の分子量となるように分子量調整剤等を用いて適宜調整することができるが、好ましくは12,000以上50,000以下、より好ましくは15,000以上30,000以下、更に好ましくは16,000以上25,000以下、特に好ましくは16,000以上22,000以下である。
粘度平均分子量が12,000以上であれば、十分な衝撃強度を有する成形品を得ることができる。また粘度平均分子量が50,000以下であれば、流動性が低すぎず成形性が良好であり、熱劣化を起こさない温度で射出成形や押出成形を行うことができる。
上記粘度平均分子量(Mv)は、20℃における塩化メチレン溶液(濃度:g/L)の極限粘度[η]を測定し、下記のSchnell式より算出した値である。
粘度平均分子量が12,000以上であれば、十分な衝撃強度を有する成形品を得ることができる。また粘度平均分子量が50,000以下であれば、流動性が低すぎず成形性が良好であり、熱劣化を起こさない温度で射出成形や押出成形を行うことができる。
上記粘度平均分子量(Mv)は、20℃における塩化メチレン溶液(濃度:g/L)の極限粘度[η]を測定し、下記のSchnell式より算出した値である。
PC−POS共重合体(A1)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。PC−POS共重合体(A1)を2種以上用いる場合としては、例えば、前記ポリオルガノシロキサンブロックの平均鎖長、該ポリオルガノシロキサンブロックの含有量、又は粘度平均分子量が互いに異なるPC−POS共重合体を2種以上組み合わせる例を挙げることができる。複数のPC−POS共重合体(A1)はそれぞれ上記要件を満たすものとする。
[ポリカーボネート系樹脂(A2)]
本発明に用いるポリカーボネート系樹脂(A)は、(A1)以外のポリカーボネート系樹脂(A2)をさらに含んでいてもよい。該ポリカーボネート系樹脂(A2)は好ましくは芳香族ポリカーボネート系樹脂であり、より好ましくは下記一般式(III)で表される繰り返し単位のみからなる芳香族ホモポリカーボネート系樹脂である。
[式中、R30及びR31は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。X’は単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−又は−CO−を示す。d及びeは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。]
本発明に用いるポリカーボネート系樹脂(A)は、(A1)以外のポリカーボネート系樹脂(A2)をさらに含んでいてもよい。該ポリカーボネート系樹脂(A2)は好ましくは芳香族ポリカーボネート系樹脂であり、より好ましくは下記一般式(III)で表される繰り返し単位のみからなる芳香族ホモポリカーボネート系樹脂である。
[式中、R30及びR31は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。X’は単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−又は−CO−を示す。d及びeは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。]
R30及びR31の具体例としては、前記R1及びR2と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。R30及びR31としては、より好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基である。X’の具体例としては、前記Xと同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。d及びeは、それぞれ独立に、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
ポリカーボネート系樹脂(A)中のPC−POS共重合体(A1)の含有量は、より良好な耐衝撃性を得る観点から、好ましくは10質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは50質量%以上100質量%以下、さらに好ましくは70質量%以上100質量%以下である。
ポリカーボネート系樹脂(A)中のポリオルガノシロキサンの含有量は、より良好な耐衝撃性を得る観点から、好ましくは0.1質量%以上25質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上20質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以上10質量%以下、特に好ましくは4.0質量%以上8.0質量%以下である。
ポリカーボネート系樹脂(A)の粘度平均分子量(Mv)は使用される用途や製品により、目的の分子量となるように適宜調整することができるが、好ましくは12,000以上50,000以下、より好ましくは15,000以上30,000以下、更に好ましくは16,000以上25,000以下、更に好ましくは16,000以上22,000以下である。粘度平均分子量が12,000以上であれば、十分な成形品の強度を得ることができる。また粘度平均分子量が50,000以下であれば、流動性が低すぎず成形性が良好であり、熱劣化を起こさない温度で射出成形や押出成形を行うことができる。
上記粘度平均分子量(Mv)は前記と同様の方法で求めることができる。
上記粘度平均分子量(Mv)は前記と同様の方法で求めることができる。
[PC−POS共重合体(A1)の製造方法]
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物中のPC−POS共重合体(A1)は、界面重合法(ホスゲン法)、ピリジン法、エステル交換法等の公知の製造方法により製造することができる。特に界面重合法の場合に、PC−POS共重合体を含む有機相と未反応物や触媒残渣等を含む水相との分離工程が容易となり、またアルカリ洗浄、酸洗浄、純水洗浄による各洗浄工程におけるPC−POS共重合体を含む有機相と水相との分離が容易となる。そのため、効率よくPC−POS共重合体が得られる。PC−POS共重合体を製造する方法として、例えば、特開2014−80462号公報等に記載の方法を参照することができる。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物中のPC−POS共重合体(A1)は、界面重合法(ホスゲン法)、ピリジン法、エステル交換法等の公知の製造方法により製造することができる。特に界面重合法の場合に、PC−POS共重合体を含む有機相と未反応物や触媒残渣等を含む水相との分離工程が容易となり、またアルカリ洗浄、酸洗浄、純水洗浄による各洗浄工程におけるPC−POS共重合体を含む有機相と水相との分離が容易となる。そのため、効率よくPC−POS共重合体が得られる。PC−POS共重合体を製造する方法として、例えば、特開2014−80462号公報等に記載の方法を参照することができる。
具体的には、後述する予め製造された芳香族ポリカーボネートオリゴマーと、ポリオルガノシロキサンとを、非水溶性有機溶媒(塩化メチレン等)に溶解させ、二価フェノール系化合物(ビスフェノールA等)のアルカリ性化合物水溶液(水酸化ナトリウム水溶液等)を加え、重合触媒として第三級アミン(トリエチルアミン等)や第四級アンモニウム塩(トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等)を用い、末端停止剤(p−t−ブチルフェノール等の1価フェノール)の存在下、界面重縮合反応させることにより製造できる。また、PC−POS共重合体(A1)は、ポリオルガノシロキサンと、二価フェノールと、ホスゲン、炭酸エステル又はクロロホーメートとを共重合させることによっても製造できる。
なお、PC−POS共重合体(A1)を、例えばポリカーボネートオリゴマーとポリオルガノシロキサン原料とを有機溶媒中で反応させた後に二価フェノールと反応させる等して製造する場合には、上記有機溶媒とポリカーボネートオリゴマーとの混合溶液1L中におけるポリカーボネートオリゴマーの固形分質量(g/L)が80〜200g/Lの範囲にあることが好ましい。より好ましくは90〜180g/L、更に好ましくは100〜170g/Lである。
PC−POS共重合体(A1)の原料となるポリオルガノシロキサンとしては、以下の一般式(i)、(ii)及び/又は(iii)に示すものを用いることができる。
式中、R3〜R6、Y、β、n−1、p及びqは上記した通りであり、具体例及び好ましいものも同様である。
Zは、水素原子又はハロゲン原子を示し、複数のZは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
Zは、水素原子又はハロゲン原子を示し、複数のZは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
例えば、一般式(i)で表されるポリオルガノシロキサンとしては、以下の一般式(i−i)〜(i−xi)の化合物が挙げられる。
上記一般式(i−i)〜(i−xi)中、R3〜R6、n及びR8は上記の定義の通りであり、好ましいものも同じである。cは正の整数を示し、通常1〜6の整数である。
これらの中でも、重合の容易さの観点においては、上記一般式(i−i)で表されるフェノール変性ポリオルガノシロキサンが好ましい。また、入手の容易さの観点においては、上記一般式(i−ii)で表される化合物中の一種であるα,ω−ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、上記一般式(i−iii)で表される化合物中の一種であるα,ω−ビス[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサンが好ましい。
これらの中でも、重合の容易さの観点においては、上記一般式(i−i)で表されるフェノール変性ポリオルガノシロキサンが好ましい。また、入手の容易さの観点においては、上記一般式(i−ii)で表される化合物中の一種であるα,ω−ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、上記一般式(i−iii)で表される化合物中の一種であるα,ω−ビス[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサンが好ましい。
その他、ポリオルガノシロキサン原料として以下の一般式(xii)を有するものを用いてもよい。
式中、R3及びR4は上述したものと同様である。一般式(xii)で示されるポリオルガノシロキサンブロックの平均鎖長は(r×m)となり、(r×m)の範囲は上記nと同一である。
式中、R3及びR4は上述したものと同様である。一般式(xii)で示されるポリオルガノシロキサンブロックの平均鎖長は(r×m)となり、(r×m)の範囲は上記nと同一である。
上記(xii)をポリオルガノシロキサン原料として用いた場合には、ポリオルガノシロキサンブロック(II)は下記一般式(II−IV)で表わされる単位を有することが好ましい。
[式中のR3、R4、r及びmは上述した通りである]
[式中のR3、R4、r及びmは上述した通りである]
その他ポリオルガノシロキサン原料として、下記一般式(xiii)で表されるポリオルガノシロキサン原料を用いてもよい。
[式中、R18〜R21はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜13のアルキル基である。R22は炭素数1〜6のアルキル基、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜14のアリール基である。Q2は炭素数1〜10の2価の脂肪族基である。nは平均鎖長を示し、30〜70である。]
[式中、R18〜R21はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜13のアルキル基である。R22は炭素数1〜6のアルキル基、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜14のアリール基である。Q2は炭素数1〜10の2価の脂肪族基である。nは平均鎖長を示し、30〜70である。]
一般式(xiii)中、R18〜R21がそれぞれ独立して示す炭素数1〜13のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、2−エチルヘキシル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ウンデシル基、各種ドデシル基、各種トリデシル基が挙げられる。これらの中でも、R18〜R21としては、好ましくは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、いずれもメチル基であることがより好ましい。
R22が示す炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基が挙げられる。R22が示すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。R22が示す炭素数1〜6のアルコキシ基としては、アルキル基部位が前記アルキル基である場合が挙げられる。また、R22が示す炭素数6〜14のアリール基としては、フェニル基、トルイル基、ジメチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
R22が示す炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基が挙げられる。R22が示すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。R22が示す炭素数1〜6のアルコキシ基としては、アルキル基部位が前記アルキル基である場合が挙げられる。また、R22が示す炭素数6〜14のアリール基としては、フェニル基、トルイル基、ジメチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
上記の中でも、R22は水素原子、又は炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、水素原子又は炭素数1〜3のアルコキシ基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
Q2が示す炭素数1〜10の2価の脂肪族基としては、炭素数1〜10の、直鎖又は分岐鎖の2価の飽和脂肪族基が好ましい。当該飽和脂肪族基の炭素数は、好ましくは1〜8、より好ましくは2〜6、さらに好ましくは3〜6、よりさらに好ましくは4〜6である。また、平均鎖長nは上記の通りである。
Q2が示す炭素数1〜10の2価の脂肪族基としては、炭素数1〜10の、直鎖又は分岐鎖の2価の飽和脂肪族基が好ましい。当該飽和脂肪族基の炭素数は、好ましくは1〜8、より好ましくは2〜6、さらに好ましくは3〜6、よりさらに好ましくは4〜6である。また、平均鎖長nは上記の通りである。
上記式(xiii)で表されるポリオルガノシロキサン原料として用いた場合には、ポリオルガノシロキサンブロック(A−2)は下記一般式(II−V)で表わされる単位を有することが好ましい。
[式中、R18〜R22、Q2、及びnは上記した通りである。]
[式中、R18〜R22、Q2、及びnは上記した通りである。]
構成単位(II−V)の好ましい態様としては、下記式(II−VI)で表される構造を挙げることができる。
[式中、nは上記の通り。]
[式中、nは上記の通り。]
前記ポリオルガノシロキサンの製造方法は特に限定されない。例えば、特開平11−217390号公報に記載の方法によれば、シクロトリシロキサンとジシロキサンとを酸性触媒存在下で反応させて、α,ω−ジハイドロジェンオルガノペンタシロキサンを合成し、次いで、ヒドロシリル化反応用触媒の存在下に、該α,ω−ジハイドロジェンオルガノペンタシロキサンにフェノール性化合物(例えば2−アリルフェノール、4−アリルフェノール、オイゲノール、2−プロペニルフェノール等)等を付加反応させることで、粗ポリオルガノシロキサンを得ることができる。また、特許第2662310号公報に記載の方法によれば、オクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラメチルジシロキサンとを硫酸(酸性触媒)の存在下で反応させ、得られたα,ω−ジハイドロジェンオルガノポリシロキサンを上記と同様に、ヒドロシリル化反応用触媒の存在下にフェノール性化合物等を付加反応させることで、粗ポリオルガノシロキサンを得ることができる。なお、α,ω−ジハイドロジェンオルガノポリシロキサンは、その重合条件によりその平均鎖長nを適宜調整して用いることもできるし、市販のα,ω−ジハイドロジェンオルガノポリシロキサンを用いてもよい。具体的には、特開2016−098292号公報に記載されるものを用いることができる。
ポリカーボネートオリゴマーは、塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルム等の有機溶剤中で、二価フェノールとホスゲンやトリホスゲンのようなカーボネート前駆体との反応によって製造することができる。なお、エステル交換法を用いてポリカーボネートオリゴマーを製造する際には、二価フェノールとジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆体との反応によって製造することもできる。
二価フェノールとしては、下記一般式(iv)で表される二価フェノールを用いることが好ましい。
式中、R1、R2、a、b及びXは上述した通りである。
式中、R1、R2、a、b及びXは上述した通りである。
上記一般式(iv)で表される二価フェノールとしては、例えば、ビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、ビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、ジヒドロキシアリールエーテル類、ジヒドロキシジアリールスルフィド類、ジヒドロキシジアリールスルホキシド類、ジヒドロキシジアリールスルホン類、ジヒドロキシジフェニル類、ジヒドロキシジアリールフルオレン類、ジヒドロキシジアリールアダマンタン類等が挙げられる。これらの二価フェノールは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
ビス(ヒドロキシアリール)アルカン類としては、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン等が挙げられる。
ビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類としては、例えば1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン等が挙げられる。ジヒドロキシアリールエーテル類としては、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテル等が挙げられる。
ジヒドロキシジアリールスルフィド類としては、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等が挙げられる。ジヒドロキシジアリールスルホキシド類としては、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等が挙げられる。ジヒドロキシジアリールスルホン類としては、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等が挙げられる。
ジヒドロキシジアリールスルフィド類としては、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等が挙げられる。ジヒドロキシジアリールスルホキシド類としては、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等が挙げられる。ジヒドロキシジアリールスルホン類としては、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等が挙げられる。
ジヒドロキシジフェニル類としては、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。ジヒドロキシジアリールフルオレン類としては、例えば9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等が挙げられる。ジヒドロキシジアリールアダマンタン類としては、例えば1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン等が挙げられる。
上記以外の二価フェノールとしては、例えば4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、10,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−9−アントロン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2,3−ジオキサペンタン等が挙げられる。
上記以外の二価フェノールとしては、例えば4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、10,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−9−アントロン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2,3−ジオキサペンタン等が挙げられる。
これらの中でも、ビス(ヒドロキシアリール)アルカン類が二価フェノールとして好ましく、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類がより好ましく、ビスフェノールAが更に好ましい。二価フェノールとしてビスフェノールAを用いた場合、前記一般式(iv)において、Xがイソプロピリデン基であり、かつa=b=0のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体となる。
得られるPC−POS共重合体の分子量を調整するために、末端停止剤を使用することができる。末端停止剤としては、例えば、フェノール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、p−クミルフェノール、p−ノニルフェノール、m−ペンタデシルフェノール及びp−tert−アミルフェノール等の一価フェノールを挙げることができる。これら一価フェノールは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記界面重縮合反応後、適宜静置して水相と有機溶媒相とに分離し、有機溶媒相を洗浄(好ましくは塩基性水溶液、酸性水溶液、水の順に洗浄)し、得られた有機相を濃縮、及び乾燥することによって、PC−POS共重合体を得ることができる。
上記界面重縮合反応後、適宜静置して水相と有機溶媒相とに分離し、有機溶媒相を洗浄(好ましくは塩基性水溶液、酸性水溶液、水の順に洗浄)し、得られた有機相を濃縮、及び乾燥することによって、PC−POS共重合体を得ることができる。
[(A1)以外のポリカーボネート系樹脂(A2)の製法]
上記(A1)以外のポリカーボネート系樹脂(A2)は、例えば、反応に不活性な有機溶媒、アルカリ水溶液の存在下、二価フェノール系化合物及びホスゲンと反応させた後、第三級アミンもしくは第四級アンモニウム塩等の重合触媒を添加して重合させる界面重合法や、二価フェノール系化合物をピリジン又はピリジンと不活性溶媒の混合溶液に溶解し、ホスゲンを導入し直接製造するピリジン法等従来のポリカーボネートの製造法により得ることができる。上記の反応に際し、必要に応じて、分子量調節剤(末端停止剤)、分岐化剤等が使用される。
上記(A1)以外のポリカーボネート系樹脂(A2)は、例えば、反応に不活性な有機溶媒、アルカリ水溶液の存在下、二価フェノール系化合物及びホスゲンと反応させた後、第三級アミンもしくは第四級アンモニウム塩等の重合触媒を添加して重合させる界面重合法や、二価フェノール系化合物をピリジン又はピリジンと不活性溶媒の混合溶液に溶解し、ホスゲンを導入し直接製造するピリジン法等従来のポリカーボネートの製造法により得ることができる。上記の反応に際し、必要に応じて、分子量調節剤(末端停止剤)、分岐化剤等が使用される。
なお、上記二価フェノール系化合物としては、下記一般式(v)で表されるものが挙げられる。
[式中、R30、R31、X’、d及びeは前記定義の通りであり、好ましいものも同じである。]
[式中、R30、R31、X’、d及びeは前記定義の通りであり、好ましいものも同じである。]
該二価フェノール系化合物の具体例としては、PC−POS共重合体(A1)の製造方法で上述したものを挙げることができ、好ましいものも同じである。中でも、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系二価フェノールが好ましく、ビスフェノールAがより好ましい。
<スチレン系樹脂(B)>
スチレン系樹脂(B)を含むことにより、樹脂組成物の成形加工性、特に流動性を改善することができる。スチレン系樹脂(B)を含むことにより、成形時のポリカーボネート系樹脂組成物の流動性が高くなるため、成形機内で受ける剪断応力が緩和され、発熱が抑制されることにより、黒スジが抑制されるものと考えられる。
スチレン系樹脂(B)を含むことにより、樹脂組成物の成形加工性、特に流動性を改善することができる。スチレン系樹脂(B)を含むことにより、成形時のポリカーボネート系樹脂組成物の流動性が高くなるため、成形機内で受ける剪断応力が緩和され、発熱が抑制されることにより、黒スジが抑制されるものと考えられる。
非晶質スチレン系樹脂及び結晶性スチレン系樹脂のいずれも用いることができる。スチレン系樹脂(B)として、以下具体的に記載する1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非晶質スチレン系樹脂としては、スチレン、α−メチルスチレン等のモノビニル系芳香族単量体20〜100質量%、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体0〜60質量%、及びこれらと共重合可能なマレイミド、(メタ)アクリル酸メチル等の他のビニル系単量体0〜50質量%からなる単量体、又は単量体混合物を重合して得られる結晶構造を有さない重合体が挙げられる。
これらの重合体としては、汎用ポリスチレン(GPPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)等がある。
非晶質スチレン系樹脂としては、スチレン、α−メチルスチレン等のモノビニル系芳香族単量体20〜100質量%、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体0〜60質量%、及びこれらと共重合可能なマレイミド、(メタ)アクリル酸メチル等の他のビニル系単量体0〜50質量%からなる単量体、又は単量体混合物を重合して得られる結晶構造を有さない重合体が挙げられる。
これらの重合体としては、汎用ポリスチレン(GPPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)等がある。
非晶質スチレン系樹脂として、ゴム状重合体で強化されたゴム変性スチレン系樹脂が好ましく利用できる。このゴム変性スチレン系樹脂としては、例えば、ポリブタジエン等のゴムにスチレンが重合した耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリブタジエンにアクリロニトリルとスチレンとが重合したアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリブタジエンにメタクリル酸メチルとスチレンが重合したメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)等があり、ゴム変性スチレン系樹脂は、2種以上を併用することができると共に、前記のゴム未変性である非晶質スチレン系樹脂との混合物としても使用できる。
ゴム変性スチレン系樹脂中のゴムの含有量は、好ましくは2質量%以上50質量%以下、より好ましくは5質量%以上30質量%以下、さらに好ましくは5質量%以上15質量%以下である。ゴムの割合が2質量%以上であれば、耐衝撃性が充分であり、又、50質量%以下であれば、熱安定性の低下、溶融流動性の低下、ゲルの発生、着色等の問題が生じない。
上記ゴムの具体例としては、ポリブタジエン、アクリレート及び/又はメタクリレートを含有するゴム質重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム(SBS)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエン−アクリルゴム、イソプレンゴム、イソプレン−スチレンゴム、イソプレン−アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム等が挙げられる。このうち、特に好ましいものは、ポリブタジエンである。ここで用いるポリブタジエンは、低シスポリブタジエン(例えば、1,2−ビニル結合を1モル%以上30モル%以下、1,4−シス結合を30モル%以上42モル%以下含有するもの)、高シスポリブタジエン(例えば、1,2−ビニル結合を20モル%以下、1,4−シス結合を78モル%以上含有するもの)のいずれを用いてもよく、また、これらの混合物であってもよい。
上記ゴムの具体例としては、ポリブタジエン、アクリレート及び/又はメタクリレートを含有するゴム質重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム(SBS)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエン−アクリルゴム、イソプレンゴム、イソプレン−スチレンゴム、イソプレン−アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム等が挙げられる。このうち、特に好ましいものは、ポリブタジエンである。ここで用いるポリブタジエンは、低シスポリブタジエン(例えば、1,2−ビニル結合を1モル%以上30モル%以下、1,4−シス結合を30モル%以上42モル%以下含有するもの)、高シスポリブタジエン(例えば、1,2−ビニル結合を20モル%以下、1,4−シス結合を78モル%以上含有するもの)のいずれを用いてもよく、また、これらの混合物であってもよい。
結晶性スチレン系樹脂としては、シンジオタクチック構造、アイソタクチック構造を有するスチレン系(共)重合体が挙げられるが、本発明では流動性をより改善する目的から、非晶質スチレン系樹脂を用いることが好ましい。さらに非晶質スチレン系樹脂の中でも、200℃、5kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が、好ましくは0.5〜100g/10分、より好ましくは2〜80g/10分、さらに好ましくは2〜50g/10分のものが用いられる。メルトフローレート(MFR)が5g/10分以上であれば十分な流動性となり、100g/10分以下であれば、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の耐衝撃性が良好になる。
非晶質スチレン系樹脂の中でも、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)、アクリロニトリル−アクリル酸メチル−スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル−(エチレン/プロピレン/ジエン共重合体)−スチレン共重合体(AES樹脂)から選ばれる少なくとも1種が好ましく、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)が特に好ましい。
これらの特に好ましいものを例示すれば、AS樹脂としては、290FF(テクノポリマー株式会社製)、S100N、S200N、S101(ユーエムジー・エービーエス株式会社製)、PN−117C(奇美実業社製)を、ABS樹脂としては、サンタックAT−05、SXH−330(以上、日本エイアンドエル株式会社製)、トヨラック500、700(東レ株式会社製)、PA−756(奇美実業社製)を挙げることができる。MBS樹脂としては、C223A(三菱レイヨン株式会社製)を挙げることができる。
これらの特に好ましいものを例示すれば、AS樹脂としては、290FF(テクノポリマー株式会社製)、S100N、S200N、S101(ユーエムジー・エービーエス株式会社製)、PN−117C(奇美実業社製)を、ABS樹脂としては、サンタックAT−05、SXH−330(以上、日本エイアンドエル株式会社製)、トヨラック500、700(東レ株式会社製)、PA−756(奇美実業社製)を挙げることができる。MBS樹脂としては、C223A(三菱レイヨン株式会社製)を挙げることができる。
<ポリカーボネート系樹脂組成物(S)>
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物には、樹脂成分として、上記したポリカーボネート系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)とを含むポリカーボネート系樹脂組成物(S)を含む。
ポリカーボネート系樹脂組成物(S)は、ポリカーボネート系樹脂(A)を50質量%以上92質量%以下及びスチレン系樹脂(B)を8質量%以上50質量%以下含む。ポリカーボネート系樹脂(A)の割合が上記範囲であれば、優れた耐衝撃性を得ることができる。スチレン系樹脂(B)の割合が上記範囲であれば、耐熱性を損なうことなく、成形時の黒スジの発生を抑制することができる。ここで、ポリカーボネート系樹脂組成物(S)において、ポリカーボネート系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)との合計割合は100質量%となるものとする。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物には、樹脂成分として、上記したポリカーボネート系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)とを含むポリカーボネート系樹脂組成物(S)を含む。
ポリカーボネート系樹脂組成物(S)は、ポリカーボネート系樹脂(A)を50質量%以上92質量%以下及びスチレン系樹脂(B)を8質量%以上50質量%以下含む。ポリカーボネート系樹脂(A)の割合が上記範囲であれば、優れた耐衝撃性を得ることができる。スチレン系樹脂(B)の割合が上記範囲であれば、耐熱性を損なうことなく、成形時の黒スジの発生を抑制することができる。ここで、ポリカーボネート系樹脂組成物(S)において、ポリカーボネート系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)との合計割合は100質量%となるものとする。
ポリカーボネート系樹脂組成物(S)中のポリカーボネート系樹脂(A)の割合は、好ましくは60質量%以上90質量%以下、より好ましくは65質量%以上85質量%以下、さらに好ましくは70質量%以上80質量%以下である。
ポリカーボネート系樹脂組成物(S)中のスチレン系樹脂(B)の割合は、好ましくは10質量%以上40質量%以下、より好ましくは15質量%以上35質量%以下、さらに好ましくは20質量%以上30質量%以下である。
ポリカーボネート系樹脂組成物(S)中のスチレン系樹脂(B)の割合は、好ましくは10質量%以上40質量%以下、より好ましくは15質量%以上35質量%以下、さらに好ましくは20質量%以上30質量%以下である。
<白色顔料(C)>
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、白色顔料(C)を含む。白色顔料(C)は、本発明のポリカーボネート系樹脂組成物の色調を白色、又はグレー色等の中間色用の調色色材として用いられる。白色顔料(C)としては、特に限定されるものではないが、酸化チタン顔料、硫化亜鉛顔料、酸化亜鉛顔料、及び硫酸バリウム顔料からなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましく、酸化チタン顔料、硫化亜鉛顔料、及び酸化亜鉛顔料からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。これらの白色顔料の中でも、酸化チタン顔料を用いることが、色調をより白色とする観点から好ましい。以下、酸化チタンを代表してより詳細に記載するが、酸化チタン以外の上記白色顔料についても同様である。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、白色顔料(C)を含む。白色顔料(C)は、本発明のポリカーボネート系樹脂組成物の色調を白色、又はグレー色等の中間色用の調色色材として用いられる。白色顔料(C)としては、特に限定されるものではないが、酸化チタン顔料、硫化亜鉛顔料、酸化亜鉛顔料、及び硫酸バリウム顔料からなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましく、酸化チタン顔料、硫化亜鉛顔料、及び酸化亜鉛顔料からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。これらの白色顔料の中でも、酸化チタン顔料を用いることが、色調をより白色とする観点から好ましい。以下、酸化チタンを代表してより詳細に記載するが、酸化チタン以外の上記白色顔料についても同様である。
酸化チタン顔料のコアとなる酸化チタン粒子(以下、酸化チタン顔料のコアとなる酸化チタン粒子を「酸化チタン粒子」又は単に「コア粒子」ともいう)は、塩素法、硫酸法のどちらで製造されたものでもよいが、色調の点からは塩素法で製造されたものがより好ましい。また、該酸化チタンの結晶構造は、ルチル型、アナターゼ型のどちらでも使用可能であるが、ポリカーボネート系樹脂組成物の熱安定性及び耐光性等の観点からは、ルチル型構造が好ましい。
前記コア粒子の平均粒子径は、色調をより白色とする観点から、好ましくは0.10μm以上0.45μm以下、より好ましくは0.15μm以上0.25μm以下である。コア粒子の平均粒子径は、単一粒子による一次粒子の粒子径の平均値から求める。
前記コア粒子の平均粒子径は、色調をより白色とする観点から、好ましくは0.10μm以上0.45μm以下、より好ましくは0.15μm以上0.25μm以下である。コア粒子の平均粒子径は、単一粒子による一次粒子の粒子径の平均値から求める。
前記酸化チタン顔料は、通常、酸化チタン粒子の表面にシリカ、ジルコニア、及びアルミナからなる群から選ばれる1種以上の無機酸化物からなる無機酸化物層を有する。当該無機酸化物層は、コア粒子である酸化チタンの触媒活性を抑え、また、耐光性を付与することができる。さらに、樹脂組成物中での酸化チタン顔料の凝集を緩和し、分散性を向上させるという効果も奏する。
前記酸化チタン顔料は、上記無機酸化物層を2層以上有していてもよい。この場合、コア粒子に近い側に位置する無機酸化物層は、主としてコア粒子である酸化チタン粒子の触媒活性の抑制及び耐光性付与に寄与し、コア粒子から遠い側に位置する無機酸化物層は、主として樹脂組成物中での酸化チタン顔料の凝集緩和、及び分散性向上に寄与する。
酸化チタン顔料が無機酸化物層を2層以上有する場合、コア粒子に近い側に位置する無機酸化物層はシリカ及びジルコニアからなる群から選ばれる1種以上からなり、コア粒子から遠い側に位置する無機酸化物層はアルミナからなることが好ましい。
酸化チタン顔料が無機酸化物層を2層以上有する場合、コア粒子に近い側に位置する無機酸化物層はシリカ及びジルコニアからなる群から選ばれる1種以上からなり、コア粒子から遠い側に位置する無機酸化物層はアルミナからなることが好ましい。
無機酸化物層は、コア粒子である酸化チタンの触媒活性を抑える作用がある一方で、無機酸化物であるシリカ、ジルコニア、アルミナは水和性無機物であるため吸水率が高く、成形機内で水分を蒸散し易い。蒸散した水分は、ポリカーボネート樹脂の加水分解を誘発する原因となる。このようなことから、酸化チタンの触媒作用を抑えるためには無機酸化物層が厚い方が好ましく、ポリカーボネート樹脂の加水分解を抑えようとすると、無機酸化物層の厚みが薄い方が好ましいこととなる。
相反するこの関係から、ポリカーボネート樹脂組成物の着色用の酸化チタン顔料の無機酸化物層による被覆量としては、酸化チタン顔料全体に対する質量比で3質量%以上10質量%以下の範囲にあるのが一般的である。スマートフォンに使われるような、白色顔料濃度が高く、加水分解しやすい白色反射材用途では、酸化チタン顔料の無機酸化物層による被覆量は、酸化チタン顔料全体に対する質量比で3質量%以上5質量%以下が好ましい範囲である。一方で、耐光性が求められる屋外用の着色成形品用途では、酸化チタン顔料の無機酸化物層による被覆量は酸化チタン顔料全体に対する質量比で5質量%以上10質量%以下が好ましい範囲である。しかしながら、この質量比であっても、酸化チタンの触媒作用を完全に抑制することは難しく、酸化チタンの触媒作用による耐候劣化は起きる。PC−POS共重合体と酸化チタン顔料などの白色顔料を含んだポリカーボネート系樹脂組成物の射出成形で黒スジができる要因の大半は、この酸化チタンの抑制し切れていない触媒作用である。
相反するこの関係から、ポリカーボネート樹脂組成物の着色用の酸化チタン顔料の無機酸化物層による被覆量としては、酸化チタン顔料全体に対する質量比で3質量%以上10質量%以下の範囲にあるのが一般的である。スマートフォンに使われるような、白色顔料濃度が高く、加水分解しやすい白色反射材用途では、酸化チタン顔料の無機酸化物層による被覆量は、酸化チタン顔料全体に対する質量比で3質量%以上5質量%以下が好ましい範囲である。一方で、耐光性が求められる屋外用の着色成形品用途では、酸化チタン顔料の無機酸化物層による被覆量は酸化チタン顔料全体に対する質量比で5質量%以上10質量%以下が好ましい範囲である。しかしながら、この質量比であっても、酸化チタンの触媒作用を完全に抑制することは難しく、酸化チタンの触媒作用による耐候劣化は起きる。PC−POS共重合体と酸化チタン顔料などの白色顔料を含んだポリカーボネート系樹脂組成物の射出成形で黒スジができる要因の大半は、この酸化チタンの抑制し切れていない触媒作用である。
従来は、成形機内の高温高圧下で酸化チタン顔料中の水分がポリカーボネート樹脂の加水分解を誘発するため、酸化チタン顔料はポリカーボネート樹脂の分子量低下を起こすとされてきた。この事実を確認すべく、研究者らは、水分量の異なる複数の酸化チタン顔料をそれぞれ、ポリカーボネート樹脂に同量ずつ添加して二軸混練機で練り、混練前と混練後の分子量差から分子量低下量と、添加した酸化チタン顔料中の水分量との相関を検討した。結果、両者には必ずしも相関性がないことを見出し、加水分解以外に分子量を低下させる要因があるとの推定から、酸化チタン顔料の触媒作用で分子量が低下すると考えられる。
酸化チタン顔料中の水分は、ポリカーボネート樹脂の分解の要因の一つとなり得る。更には、成形機内で蒸散する高温高圧蒸気は、ポリカーボネート樹脂等の有機物の酸化促進をすることが公知であることから、水分量の少ない酸化チタン顔料が好ましい。酸化チタン顔料中に含まれる水分量(化学結合水量)としては、0℃以上300℃以下におけるカールフィッシャー法により測定される水分濃度から、0℃以上120℃以下におけるカールフィッシャー法により測定される水分濃度を差し引いた値が8,000質量ppm以下であることが好ましい。酸化チタン顔料の水分濃度差が8,000質量ppm以下であれば、ポリカーボネート系樹脂の分子量低下に悪影響を及ぼさない。当該値は、より好ましくは6,000質量ppm以下、更に好ましくは4,000質量ppm以下、より更に好ましくは3,000質量ppm以下である。
酸化チタン顔料は、前記無機酸化物層の表面に有機層を有するものであることが好ましい。有機層は、樹脂組成物中での酸化チタン顔料の凝集を緩和し、分散性を向上させるという効果を奏する。また、酸化チタン顔料が有する前記無機酸化物層表面は、固体酸又は固体塩基特性を有する。この事実については、石原産業(株)の「新・タイペークニュース Vo.1 酸化チタン着色粒子 基礎物性編」15頁に記載がある通りである。固体酸又は固体塩基特性は、溶液中の酸塩基性と同様の性質であり、ポリカーボネート樹脂が、酸性下及び塩基性下で共に加水分解が促進され易いことから、この性質は好ましいものではない。この固体酸又は固体塩基特性は酸化チタン顔料が有する無機酸化物層表面のみの特性である。したがって、有機層で無機酸化物層を覆うことによって、無機酸化物層とポリカーボネート樹脂との直接接触を抑え、酸性や塩基性による加水分解の促進作用の影響を小さくすることができる。この点で、有機層はPC−POSの加水分解抑制に有効である。
前記有機層は、シロキサン構造を含むものであれば特に制限はないが、熱分解ガスクロマトグラフ装置及びFID検出器(Flame Ionization Detector:水素炎イオン化型検出器)を用いた発生ガス分析(Evolved Gas Analysis、以下「EGA」ともいう)により得られる発生ガス分析曲線の最大ピーク温度が380℃以上であることが好ましい。有機層の当該最大ピーク温度が380℃以上であると、ポリカーボネート系樹脂組成物の溶融混練や成形を高温条件下で行った場合でも有機層が分解し難い。そのため、前記酸化チタン顔料が有する無機酸化物層表面の固体酸又は固体塩基性の作用を効果的に抑えることができるので、樹脂組成物の成形時のPC−POS共重合体の加水分解による黒スジ発生を抑制することができる。黒スジ抑制効果の観点から、当該有機層の最大ピーク温度は、400℃以上であることがより好ましく、410℃以上であることが更に好ましい。当該有機層の最大ピーク温度の上限値には特に限定はないが、有機層の一般的な分解温度を考慮すると、500℃以下であることが好ましく、480℃以下であることがより好ましく、450℃以下であることが更に好ましい。
当該最大ピーク温度は、具体的には実施例に記載の方法で測定できる。
当該最大ピーク温度は、具体的には実施例に記載の方法で測定できる。
前記有機層を形成する化合物としては、シランカップリング剤などのシラン系化合物が好ましいものとして挙げられる。シランカップリング剤としては、ビニル系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、メタクリル系シランカップリング剤、アクリル系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤等が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
その他、前記有機層を形成する化合物としては、具体的には、アルキル水素シリコーン、アルコキシシリコーンなどが挙げられる。アルキル水素シリコーンとしては、例えば、メチル水素シリコーン、エチル水素シリコーン等がある。アルコキシシリコーンとしては、例えば、メトキシシリコーン、エトキシシリコーン等である。好ましいアルコキシシリコーンは、具体的にはアルコキシ基が直接又は二価炭化水素基を介してケイ素原子に結合したアルコキシシリル基を含むシリコーン化合物であり、例えば、直鎖状、環状、網状及び一部分岐を有する直鎖状のオルガノポリシロキサンが挙げられ、特に直鎖状オルガノポリシロキサンが好ましい。更に具体的には、シリコーン主鎖に対してメチレン鎖を介してアルコキシ基と結合する分子構造を有するポリオルガノシロキサンが好ましい。
前記有機層は、成形時の黒スジ等の外観不良を抑制する効果の観点から、ガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS)により検出される成分が、環状シロキサン化合物及びシラン系化合物からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、シラン系化合物を含むことがより好ましい。より具体的には、前記有機層は、ガスクロマトグラフ質量分析により検出される成分が以下のA群を含む有機層、又は以下のB群を含む有機層であることが好ましい。より好ましくは、A群を含む有機層である。
〔A群〕
〔B群〕
〔A群〕
〔B群〕
以上の酸化チタン顔料に関する記載は、硫化亜鉛顔料、酸化亜鉛顔料、及び硫酸バリウム顔料等の白色顔料にも同様に適用されるものである。
白色顔料(C)の形状は特に限定されるものではなく、鱗片状、球状、板状、不定形等が挙げられる。白色顔料(C)の平均粒子径は、色調をより優れた白色とする観点から、好ましくは0.05μm以上0.50μm以下、より好ましくは0.10μm以上0.45μm以下、更に好ましくは0.15μm以上0.25μm以下である。白色顔料(C)の平均粒子径は、単一粒子による一次粒子の粒子径の平均値から求める。
白色顔料(C)の形状は特に限定されるものではなく、鱗片状、球状、板状、不定形等が挙げられる。白色顔料(C)の平均粒子径は、色調をより優れた白色とする観点から、好ましくは0.05μm以上0.50μm以下、より好ましくは0.10μm以上0.45μm以下、更に好ましくは0.15μm以上0.25μm以下である。白色顔料(C)の平均粒子径は、単一粒子による一次粒子の粒子径の平均値から求める。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物中の白色顔料(C)の含有量は、ポリカーボネート系樹脂(A)及びスチレン系樹脂(B)を含むポリカーボネート系樹脂組成物(S)100質量部に対して、0.1質量部以上40質量部以下であり、好ましくは0.1質量部以上20質量部以下、より好ましくは1.0質量部以上10質量部以下、更に好ましくは1.0質量部以上5.0質量部以下である。白色顔料(C)が0.1質量部未満であると白色度が不十分であり、40質量部を超えると、耐衝撃性が低下する。
<その他添加剤>
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、さらにその他の添加剤を配合することができる。その他成分としては、例えば金属不活性化剤、耐加水分解剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、離型剤、補強材、充填剤、耐衝撃性改良用のエラストマー、染料等を挙げることができる。いくつかの成分について詳述する。
<金属不活性化剤>
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、金属不活性化剤(D)を含んでいてもよい。金属不活性化剤は、上述した現象、成形機内で酸化チタン顔料等の白色顔料の触媒作用によってPC−POS共重合体(A1)が酸化劣化の抑制に役立つ。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、さらにその他の添加剤を配合することができる。その他成分としては、例えば金属不活性化剤、耐加水分解剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、離型剤、補強材、充填剤、耐衝撃性改良用のエラストマー、染料等を挙げることができる。いくつかの成分について詳述する。
<金属不活性化剤>
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、金属不活性化剤(D)を含んでいてもよい。金属不活性化剤は、上述した現象、成形機内で酸化チタン顔料等の白色顔料の触媒作用によってPC−POS共重合体(A1)が酸化劣化の抑制に役立つ。
本発明において金属不活性化剤とは、金属又は金属イオンを不活性化させる機能を有する物質である。例えば、金属表面を化学的に不活性化するか、又は金属表面に吸着して該金属による触媒作用を抑制する機能を有する化合物、あるいは、金属からの溶出物である金属イオンと錯体を形成してキレート化合物等の不活性物質に変換する機能を有する化合物などが挙げられる。
金属不活性化剤としては、ヒドラジン系化合物、トリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、シュウ酸系化合物、グアニジン系化合物、アミノカルボキシラート系化合物、ホスホナート系化合物、及び包接化合物等が挙げられる。
ヒドラジン系化合物としては、例えば、N,N’−ジホルミルヒドラジン、N,N’−ジアセチルヒドラジン、N,N’−ジプロピオニルヒドラジン、N,N’−ブチリルヒドラジン、N−ホルミル−N’−アセチルヒドラジン、N,N’−ジベンゾイルヒドラジン、N,N’−ジトルイルヒドラジン、N,N’−ジサリチロイルヒドラジン、N−ホルミル−N’−サリチロイルヒドラジン、N−ホルミル−N’−ブチル置換サリチロイルヒドラジン、N−アセチル−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、シュウ酸−ジ−(N’−サリチロイル)ヒドラジン、アジピン酸−ジ−(N’−サリチロイル)ヒドラジン、デカメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド等が挙げられる。上記の中でも、サリチロイル基を有するヒドラジン化合物が好ましく、デカメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジドがより好ましい。
ヒドラジン系化合物の市販品としては、(株)ADEKA製「アデカスタブCDA−6」(デカメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド)、「アデカスタブCDA−10」(N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン)等が例示される。
ヒドラジン系化合物としては、例えば、N,N’−ジホルミルヒドラジン、N,N’−ジアセチルヒドラジン、N,N’−ジプロピオニルヒドラジン、N,N’−ブチリルヒドラジン、N−ホルミル−N’−アセチルヒドラジン、N,N’−ジベンゾイルヒドラジン、N,N’−ジトルイルヒドラジン、N,N’−ジサリチロイルヒドラジン、N−ホルミル−N’−サリチロイルヒドラジン、N−ホルミル−N’−ブチル置換サリチロイルヒドラジン、N−アセチル−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、シュウ酸−ジ−(N’−サリチロイル)ヒドラジン、アジピン酸−ジ−(N’−サリチロイル)ヒドラジン、デカメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド等が挙げられる。上記の中でも、サリチロイル基を有するヒドラジン化合物が好ましく、デカメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジドがより好ましい。
ヒドラジン系化合物の市販品としては、(株)ADEKA製「アデカスタブCDA−6」(デカメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド)、「アデカスタブCDA−10」(N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン)等が例示される。
トリアゾール系化合物としては、ベンゾトリアゾール系化合物、アミノトリアゾール系化合物が挙げられる。例えば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール−カルボン酸、3−アミノ−5−メチル−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−ヘプチル−1,2,4−トリアゾール、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−(N−サリチロイル)アミノ−5−メチル−1,2,4−トリアゾール、3−(N−アセチル)アミノ−1,2,4−トリアゾール−5−カルボン酸等が挙げられる。上記の中でも、アミノトリアゾール系化合物が好ましい。
トリアゾール系化合物の市販品としては、(株)ADEKA製「アデカスタブCDA−1」(3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール)、「アデカスタブCDA−1M」等が例示される。
トリアゾール系化合物の市販品としては、(株)ADEKA製「アデカスタブCDA−1」(3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール)、「アデカスタブCDA−1M」等が例示される。
トリアジン系化合物としては、1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリヒドロキシ−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。市販品としては、(株)ADEKA製「アデカスタブZS−27」(2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン)等が例示される。
シュウ酸系化合物としては、2,2’−オキサミドビス[エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。また、グアニジン系化合物としては、塩酸グアニジン、硝酸グアニジン、炭酸グアニジン、リン酸グアニジン、スルファミン酸グアニジン等が挙げられる。
アミノカルボキシラート系化合物としては、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、CDTA(シクロヘキサンジアミン四酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、TMDTA(トリメチレンジアミン四酢酸)、DMPDTA(2,2−ジメチルプロパンジアミン四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、及びこれらの塩が挙げられる。
ホスホナート系化合物としては、分子内に少なくとも1つのリン酸基を有する、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(EDTMP)、ニトリロトリスメチレンホスホン酸(NTMP)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1,2−エタンジホスホン酸、トリス(ホスホノメチル)アミン−N−オキシド、1−ヒドロキシプロパン−1,1,3−トリホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、N,N−ビス(ホスホノメチル)ブチルアミン、N,N−ビス(ホスホノメチル)プロピルアミン、2−ヒドロキシエチルビス(ホスホノメチル)アミン、N,N−ビス(ホスホノメチル)メチルアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(ホスホノメチル)−1,2−プロパンジアミン、2−カルボキシエタン−1−ホスホン酸、N−(カルボキシメチル)−N−(ホスホノメチル)グリシン、(カルボキシメチル)ホスホン酸、2−(ホスホノオキシ)安息香酸、エチレンジアミン−N,N’−ビス(酢酸)−N,N’−(メチレンホスホン酸)などのホスホナート、及びこれらの塩が挙げられる。
包接化合物としては、ポルフィリン、クラウンエーテル等が挙げられる。
包接化合物としては、ポルフィリン、クラウンエーテル等が挙げられる。
金属不活性化剤としては、上記した化合物の1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、PC−POS共重合体を含有するポリカーボネート系樹脂組成物の成形時の黒スジ等の外観不良を抑制し、かつ分子量低下を抑制する観点から、ヒドラジン系化合物、トリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、及びアミノカルボキシラート系化合物からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ヒドラジン系化合物、トリアゾール系化合物、及びアミノカルボキシラート系化合物からなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、ヒドラジン系化合物及びアミノカルボキシラート系化合物からなる群から選ばれる1種以上が更に好ましく、デカメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド及びエチレンジアミン四酢酸からなる群から選ばれる1種以上がより更に好ましい。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物が金属不活性化剤を含む場合、ポリカーボネート系樹脂組成物中に含まれる酸化チタン顔料等の白色顔料(C)に伴う触媒作用を抑制する、あるいは失活させるものであれば、上記で例示した化合物以外の金属不活性化剤を用いることもできる。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物が金属不活性化剤を含む場合、ポリカーボネート系樹脂組成物中に含まれる酸化チタン顔料等の白色顔料(C)に伴う触媒作用を抑制する、あるいは失活させるものであれば、上記で例示した化合物以外の金属不活性化剤を用いることもできる。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物中における金属不活性化剤の含有量は、ポリカーボネート系樹脂(A)及びスチレン系樹脂(B)を含むポリカーボネート系樹脂組成物(S)100質量部に対して、好ましくは0.005質量部以上1.0質量部以下であり、より好ましくは0.01質量部以上0.3質量部以下、さらに好ましくは0.02質量部以上0.2質量部以下であり、さらに好ましくは0.03質量部以上0.15質量部以下である。金属不活性化剤の含有量がポリカーボネート系樹脂系組成物(S)100質量部に対して0.005質量部未満であると樹脂組成物の成形時に黒スジ発生を抑制する効果が小さく、1.0質量部を超えると物性低下を起こす。
白色顔料(C)を含むポリカーボネート系樹脂組成物は、白色顔料(C)中の水分に由来して、少なからずPC−POS共重合体の加水分解が起きる。これをより防止するため、本発明のポリカーボネート系樹脂組成物に、耐加水分解剤を配合してもよい。耐加水分解剤をさらに配合することにより、成形時の黒スジの発生をより一層抑えることができる。
本発明においては、耐加水分解剤とは、PC−POS共重合体(A1)中のカーボネート基又はシロキサン結合の加水分解を抑制する機能を有する剤であり、より詳細には、水分又は生成酸と反応しうる官能基を1つ以上有する剤であることが好ましい。
本発明に用いる耐加水分解剤としては、具体的には、アミド化合物(e1)、イミド化合物(e2)、エポキシ化合物(e3)、酸無水物(e4)、オキサゾリン化合物(e5)、オキサジン化合物(e6)、及びケテン化合物(e7)が挙げられる。
本発明に用いる耐加水分解剤としては、具体的には、アミド化合物(e1)、イミド化合物(e2)、エポキシ化合物(e3)、酸無水物(e4)、オキサゾリン化合物(e5)、オキサジン化合物(e6)、及びケテン化合物(e7)が挙げられる。
<アミド化合物(e1)>
アミド化合物(e1)は、分子内に少なくとも1つのアミド基を有する化合物であればよい。
耐加水分解剤としての効果の点、及び分散性の点からは、アミド化合物(e1)は、分子内に炭素数6〜24の鎖状脂肪族基を少なくとも1つ有するアミド化合物が好ましい。該鎖状脂肪族基は、直鎖でも分岐鎖でもよく、飽和脂肪族基でも不飽和脂肪族基でもよい。成形時の黒スジ発生を抑制する観点、及びポリカーボネート系樹脂への分散作用を有する点から、飽和鎖状脂肪族基が好ましく、アルキル基が更に好ましい。該鎖状脂肪族基の炭素数は、好ましくは8〜22、より好ましくは10〜22、更に好ましくは12〜22である。該鎖状脂肪族基は、水酸基等の置換基を有していてもよい。
アミド化合物(e1)は、分子内に少なくとも1つのアミド基を有する化合物であればよい。
耐加水分解剤としての効果の点、及び分散性の点からは、アミド化合物(e1)は、分子内に炭素数6〜24の鎖状脂肪族基を少なくとも1つ有するアミド化合物が好ましい。該鎖状脂肪族基は、直鎖でも分岐鎖でもよく、飽和脂肪族基でも不飽和脂肪族基でもよい。成形時の黒スジ発生を抑制する観点、及びポリカーボネート系樹脂への分散作用を有する点から、飽和鎖状脂肪族基が好ましく、アルキル基が更に好ましい。該鎖状脂肪族基の炭素数は、好ましくは8〜22、より好ましくは10〜22、更に好ましくは12〜22である。該鎖状脂肪族基は、水酸基等の置換基を有していてもよい。
アミド化合物(e1)のうち、分子内に1つのアミド基を有するアミド化合物(以下「モノアミド」ともいう)としては、下記一般式(e1−a)で表される化合物が好ましい。
上記式中、R11は炭素数6〜24の鎖状脂肪族基である。R12は、水素原子、又は炭素数6〜24の鎖状脂肪族基である。鎖状脂肪族基の好ましい態様は、前記と同じであり、水酸基等の置換基を有していてもよい。
上記式中、R11は炭素数6〜24の鎖状脂肪族基である。R12は、水素原子、又は炭素数6〜24の鎖状脂肪族基である。鎖状脂肪族基の好ましい態様は、前記と同じであり、水酸基等の置換基を有していてもよい。
上記一般式(e1−a)で表される化合物としては、脂肪酸モノアミド、及び、該脂肪酸モノアミドのアミド水素を炭素数6〜24の鎖状脂肪族基で置換したモノアミド(鎖状脂肪族基置換型脂肪酸モノアミド)が挙げられる。上記の中でも、脂肪酸モノアミドが好ましい。
脂肪酸モノアミドの具体例としては、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、モンタン酸アミド、ウンデシレン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リノール酸アミド等が挙げられる。
脂肪酸モノアミドの具体例としては、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、モンタン酸アミド、ウンデシレン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リノール酸アミド等が挙げられる。
鎖状脂肪族基置換型脂肪酸モノアミドの具体例としては、N−ラウリルラウリン酸アミド、N−パルミチルパルミチン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ベヘニルベヘン酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド、メチロースステアリン酸アミド、メチロースベヘン酸アミド、N−ステアリル−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N−オレイル−12−ヒドロキシステアリン酸アミド等が挙げられる。
アミド化合物(e1)のうち、分子内に2つのアミド基を有する化合物としては、下記一般式(e1−b)又は(e1−c)のいずれかで表される化合物が好ましく、一般式(e1−b)で表される化合物がより好ましい。
上記式中、R13及びR14はそれぞれ独立に、水酸基を有していてもよい炭素数6〜24の鎖状脂肪族基である。Z1は、炭素数1〜12の2価の基である。
鎖状脂肪族基の好ましい態様は、前記と同じであり、水酸基等の置換基を有していてもよい。R13及びR14は互いに同一でも異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
Z1の炭素数は、好ましくは1〜8、より好ましくは2〜6、更に好ましくは2〜4である。Z1は鎖状脂肪族基、脂環式構造含有基、及び芳香環含有基のいずれでもよいが、鎖状脂肪族基であることが好ましく、アルキレン基であることがより好ましい。
鎖状脂肪族基の好ましい態様は、前記と同じであり、水酸基等の置換基を有していてもよい。R13及びR14は互いに同一でも異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
Z1の炭素数は、好ましくは1〜8、より好ましくは2〜6、更に好ましくは2〜4である。Z1は鎖状脂肪族基、脂環式構造含有基、及び芳香環含有基のいずれでもよいが、鎖状脂肪族基であることが好ましく、アルキレン基であることがより好ましい。
上記式中、R15及びR16はそれぞれ独立に、炭素数6〜24の鎖状脂肪族基である。Z2は、炭素数1〜12の2価の基である。
鎖状脂肪族基の好ましい態様は、前記と同じであり、水酸基等の置換基を有していてもよい。R15及びR16は互いに同一でも異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
Z2の好ましい態様は、前記Z1と同じである。
鎖状脂肪族基の好ましい態様は、前記と同じであり、水酸基等の置換基を有していてもよい。R15及びR16は互いに同一でも異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
Z2の好ましい態様は、前記Z1と同じである。
一般式(e1−b)で表される化合物の具体例としては、脂肪酸ビスアミドが挙げられ、例えば、メチレンビスカプリル酸アミド、メチレンビスカプリン酸アミド、メチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビスミリスチン酸アミド、メチレンビスパルミチン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスイソステアリン酸アミド、メチレンビスベヘン酸アミド、メチレンビスオレイン酸アミド、メチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスカプリル酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスミリスチン酸アミド、エチレンビスパルミチン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ブチレンビスステアリン酸アミド、ブチレンビスベヘン酸アミド、ブチレンビスオレイン酸アミド、ブチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスエルカ酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、m−キシリレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、p−キシリレンビスステアリン酸アミド、p−フェニレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ブチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド等が挙げられる。
一般式(e1−c)で表される化合物の具体例としては、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド、N,N’−ジステアリルテレフタル酸アミド等が挙げられる。
アミド化合物(e1)のうち、分子内に3つ以上のアミド基を有する化合物としては、ジカルボン酸、ジアミン、及び、炭素数6〜24の鎖状脂肪族基を有するモノカルボン酸又はモノアミンとの重縮合物が好ましい例として挙げられる。炭素数6〜24の鎖状脂肪族基の好ましい態様は前記と同じであり、水酸基等の置換基を有していてもよい。
上記アミド化合物(e1)の中でも、本発明の効果の点から、前記一般式(e1−a)、前記一般式(e1−b)、及び前記一般式(e1−c)で表される化合物からなる群から選ばれる1種以上のアミド化合物がより好ましく、前記一般式(e1−b)で表される化合物が更に好ましく、エチレンビスステアリン酸アミドが更に好ましい。またアミド化合物(e1)の中でも、融点が100℃以上、好ましくは150℃以上の化合物は、ポリカーボネート系樹脂組成物の成形温度への適性が高いため好ましい。
上記アミド化合物(e1)の市販品としては、「ライトアマイドWH−255」(共栄社化学(株)製、N,N’−エチレンビスステアロアマイド〔エチレンビスステアリン酸アミド〕)、「アマイドAP−1」(日本化成(株)製、ステアリン酸アミド)、「スリパックスE」(日本化成(株)製、エチレンビスステアリン酸アミド)、「スリパックスH」(日本化成(株)製、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド)等が挙げられる。
上記アミド化合物(e1)の市販品としては、「ライトアマイドWH−255」(共栄社化学(株)製、N,N’−エチレンビスステアロアマイド〔エチレンビスステアリン酸アミド〕)、「アマイドAP−1」(日本化成(株)製、ステアリン酸アミド)、「スリパックスE」(日本化成(株)製、エチレンビスステアリン酸アミド)、「スリパックスH」(日本化成(株)製、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド)等が挙げられる。
<イミド化合物(e2)>
本発明に用いるイミド化合物(e2)としては、カルボジイミド化合物が好ましい。カルボジイミド化合物は分子内に少なくとも1つのカルボジイミド基を有する化合物であり、分子内にカルボジイミド基を1つ有するモノカルボジイミド化合物、分子内にカルボジイミド基を2つ以上有するポリカルボジイミド化合物が挙げられる。樹脂組成物の成形時の黒スジ発生を抑制する観点からは、ポリカルボジイミド化合物が好ましい。
上記カルボジイミド化合物としては、脂肪族カルボジイミド化合物、芳香族カルボジイミド化合物、環状カルボジイミド化合物、及び、イソシアネート化合物の一部をカルボジイミド化させた化合物(以下、「カルボジイミド変性化合物」ともいう)等が挙げられる。
本発明に用いるイミド化合物(e2)としては、カルボジイミド化合物が好ましい。カルボジイミド化合物は分子内に少なくとも1つのカルボジイミド基を有する化合物であり、分子内にカルボジイミド基を1つ有するモノカルボジイミド化合物、分子内にカルボジイミド基を2つ以上有するポリカルボジイミド化合物が挙げられる。樹脂組成物の成形時の黒スジ発生を抑制する観点からは、ポリカルボジイミド化合物が好ましい。
上記カルボジイミド化合物としては、脂肪族カルボジイミド化合物、芳香族カルボジイミド化合物、環状カルボジイミド化合物、及び、イソシアネート化合物の一部をカルボジイミド化させた化合物(以下、「カルボジイミド変性化合物」ともいう)等が挙げられる。
脂肪族モノカルボジイミド化合物の具体例としては、ジイソプロピルカルボジイミド、ジオクチルデシルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジオクチルデシルカルボジイミド等が挙げられる。
脂肪族ポリカルボジイミドの具体例としては、エチレンビス(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、ヘキサメチレンビス(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルカルボジイミド)、ポリ(1,6−ヘキサメチレンカルボジイミド)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシルカルボジイミド)、ポリ(1,3−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンカルボジイミド)等が挙げられる。
脂肪族ポリカルボジイミドの具体例としては、エチレンビス(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、ヘキサメチレンビス(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルカルボジイミド)、ポリ(1,6−ヘキサメチレンカルボジイミド)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシルカルボジイミド)、ポリ(1,3−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンカルボジイミド)等が挙げられる。
芳香族モノカルボジイミド化合物の具体例としては、ジ−p−クロロフェニルカルボジイミド、ジ−o−クロロフェニルカルボジイミド、ジ−3,4−ジクロロフェニルカルボジイミド、ジ−2,5−ジクロロフェニルカルボジイミド、2,6,2’,6’−テトライソプロピルジフェニルカルボジイミド、N,N’−ジフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−o−トルイルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N−トルイル−N’−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジ−tert−ブチルフェニルカルボジイミド、N−トルイル−N’−フェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−o−トルイルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−トルイルカルボジイミド、N,N’−ベンジルカルボジイミド、N−オクタデシル−N’−フェニルカルボジイミド、N−ベンジル−N’−フェニルカルボジイミド、N−オクタデシル−N’−トリルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N’−トリルカルボジイミド、N−フェニル−N’−トリルカルボジイミド、N−ベンジル−N’−トリルカルボジイミド、N,N’−ジ−o−エチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−エチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−o−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−o−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジエチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2−エチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2−イソブチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,4,6−トリメチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,4,6−トリイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,4,6−トリイソブチルフェニルカルボジイミド等が挙げられる。
芳香族ポリカルボジイミド化合物の具体例としては、p−フェニレンビス(o−トルイルカルボジイミド)、p−フェニレンビス(シクロヘキシルカルボジイミド)、p−フェニレンビス(p−クロロフェニルカルボジイミド)、エチレンビス(ジフェニルカルボジイミド)、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(ナフチレンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)等が挙げられる。
環状カルボジイミド化合物の環状構造は、カルボジイミド基(−N=C=N−)を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている。一つの環状構造中には、1個のカルボジイミド基のみを有する。環状構造中の原子数は好ましくは8〜50であり、より好ましくは10〜30、更に好ましくは10〜20である。ここで、環状構造中の原子数とは、環構造を直接構成する原子の数を意味し、例えば、8員環であれば8、50員環であれば50である。
環状構造としては、下記式(e2−a)で表される構造が挙げられる。
式中、Qは、2〜4価の有機基である。
式中、Qは、2〜4価の有機基である。
イソシアネート化合物の一部をカルボジイミド化させた化合物(カルボジイミド変性化合物)に用いられるイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ジメチルビフェニレンジイソシアネート、ジメトキシビフェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられ、1種又は2種以上を組み合わせて用いられる。上記イソシアネート化合物の中では、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを主成分とするイソシアネート化合物が好ましい。
イソシアネート化合物の一部をカルボジイミド化させる方法としては公知の方法を用いることができる。
イソシアネート化合物の一部をカルボジイミド化させる方法としては公知の方法を用いることができる。
カルボジイミド変性化合物のカルボジイミド基/イソシアネート基のモル比は0.01〜0.5の範囲であるものが好ましく使用でき、0.1〜0.2の範囲のものがより好ましい。カルボジイミド基/イソシアネート基のモル比が0.01以上のものを使用することで、耐加水分解剤としての効果を発現し、樹脂組成物の成形時の黒スジ発生を抑制できる。
イミド化合物(e2)は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記の中でも、脂肪族カルボジイミドが好ましく、耐加水分解剤としての効果の点から、脂肪族ポリカルボジイミドがより好ましい。
<エポキシ化合物(e3)>
本発明に用いるエポキシ化合物(e3)は、分子内に少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物であればよい。当該エポキシ化合物(e3)としては、グリシジルエーテル化合物、グリシジルエステル化合物、グリシジルアミン化合物、グリシジルイミド化合物、環状エポキシ化合物、及びエポキシ化油等が挙げられる。
本発明に用いるエポキシ化合物(e3)は、分子内に少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物であればよい。当該エポキシ化合物(e3)としては、グリシジルエーテル化合物、グリシジルエステル化合物、グリシジルアミン化合物、グリシジルイミド化合物、環状エポキシ化合物、及びエポキシ化油等が挙げられる。
グリシジルエーテル化合物としては、ブチルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、o−フェニルフェニルグリシジルエーテル、エチレンオキシドラウリルアルコールグリシジルエーテル、エチレンオキシドフェノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのビスフェノール類とエピクロロヒドリンとの縮合反応から得られるビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂などを挙げることができる。
グリシジルエステル化合物としては、安息香酸グリシジルエステル、p−トルイル酸グリシジルエステル、シクロヘキサンカルボン酸グリシジルエステル、ステアリン酸グリシジルエステル、ラウリン酸グリシジルエステル、パルミチン酸グリシジルエステル、バーサティック酸グリシジルエステル、オレイン酸グリシジルエステル、リノール酸グリシジルエステル、リノレン酸グリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、ビ安息香酸ジグリシジルエステル、メチルテレフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、ドデカンジオン酸ジグリシジルエステル、オクタデカンジカルボン酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル、ピロメリット酸テトラグリシジルエステルなどを挙げることができる。
グリシジルアミン化合物としては、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジル−m−アミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルメタキシリレンジアミン、ジグリシジルトリブロモアニリン、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン、トリグリシジルシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
グリシジルイミド化合物としては、N−グリシジルフタルイミド、N−グリシジル−4−メチルフタルイミド、N−グリシジル−4,5−ジメチルフタルイミド、N−グリシジル−3−メチルフタルイミド、N−グリシジル−3,6−ジメチルフタルイミド、N−グリシジル−4−エトキシフタルイミド、N−グリシジル−4−クロロフタルイミド、N−グリシジル−4,5−ジクロロフタルイミド、N−グリシジル−3,4,5,6−テトラブロモフタルイミド、N−グリシジル−4−n−ブチル−5−ブロモフタルイミド、N−グリシジルスクシンイミド、N−グリシジルヘキサヒドロフタルイミド、N−グリシジル−1,2,3,6−テトラヒドロフタルイミド、N−グリシジルマレインイミド、N−グリシジル−α,β−ジメチルスクシンイミド、N−グリシジル−α−エチルスクシンイミド、N−グリシジル−α−プロピルスクシンイミドなどを挙げることができる。
環状エポキシ化合物としては、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、N−メチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−エチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−フェニル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−ナフチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−トリル−3−メチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミドなどを挙げることができる。これらの中でも、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートが好ましい。
エポキシ化油としては、エポキシ化天然油、及びエポキシ化合成油を挙げることができる。エポキシ化天然油の具体例としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化菜種油、エポキシ化鯨油等が挙げられる。エポキシ化合成油の具体例としては、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジエポキシステアリル、エポキシ化脂肪酸ブチル等を挙げることができる。これらの中でも、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油が、ポリカーボネート系樹脂との親和性が高く、耐加水分解性の効果も発現しやすい。
エポキシ化合物(e3)は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記の中でも、エポキシ化合物(e3)としては、環状エポキシ化合物、又は、エポキシ化天然油及びエポキシ化合成油からなる群から選ばれる1種以上のエポキシ化油が好ましい。
<酸無水物(e4)>
本発明に用いる酸無水物(e4)は、分子内に少なくとも1つの酸無水物基を有する化合物であればよく、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸等を挙げることができる。更には、上記した化合物をモノマー単位として含む重合体等も挙げることができる。
本発明に用いる酸無水物(e4)は、分子内に少なくとも1つの酸無水物基を有する化合物であればよく、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸等を挙げることができる。更には、上記した化合物をモノマー単位として含む重合体等も挙げることができる。
<オキサゾリン化合物(e5)>
本発明に用いるオキサゾリン化合物(e5)は、分子内に少なくとも1つのオキサゾリン基を有する化合物であればよく、モノオキサゾリン、ビスオキサゾリン、及び、オキサゾリン基含有化合物をモノマー単位として含むポリオキサゾリン等を挙げることができる。
本発明に用いるオキサゾリン化合物(e5)は、分子内に少なくとも1つのオキサゾリン基を有する化合物であればよく、モノオキサゾリン、ビスオキサゾリン、及び、オキサゾリン基含有化合物をモノマー単位として含むポリオキサゾリン等を挙げることができる。
<オキサジン化合物(e6)>
本発明に用いるオキサジン化合物(e6)は、分子内に少なくとも1つのオキサジン基を有する化合物であればよく、モノオキサジン、ビスオキサジン、及び、オキサジン基含有化合物をモノマー単位として含むポリオキサジン等を挙げることができる。
本発明に用いるオキサジン化合物(e6)は、分子内に少なくとも1つのオキサジン基を有する化合物であればよく、モノオキサジン、ビスオキサジン、及び、オキサジン基含有化合物をモノマー単位として含むポリオキサジン等を挙げることができる。
<ケテン化合物(e7)>
本発明に用いるケテン化合物(e7)としては、下記式で表されるケテン;
及び、下記式で表されるジケテン;
並びに、ケテンのβ炭素の置換基が一置換したアルドケテンや、二置換したケトケテン類等が挙げられる。
本発明に用いるケテン化合物(e7)としては、下記式で表されるケテン;
及び、下記式で表されるジケテン;
並びに、ケテンのβ炭素の置換基が一置換したアルドケテンや、二置換したケトケテン類等が挙げられる。
上記耐加水分解剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、PC−POS共重合体の加水分解に起因する、樹脂組成物の成形時の黒スジ発生を抑制する観点から、耐加水分解剤はアミド化合物(e1)、イミド化合物(e2)及びエポキシ化合物(e3)からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、アミド化合物(e1)及びエポキシ化合物(e3)からなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、エポキシ化天然油、エポキシ化合成油、及び環状エポキシ化合物からなる群から選ばれる1種以上のエポキシ化合物(e3)であることが更に好ましい。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物に耐加水分解剤を配合する場合の配合量は、ポリカーボネート系樹脂組成物(S)100質量部に対して、好ましくは0.02質量部以上5.0質量部以下であり、より好ましくは0.05質量部以上1.0質量部以下、更に好ましくは0.1質量部以上0.5質量部以下である。耐加水分解剤の配合量がポリカーボネート系樹脂(A)100質量部に対して0.02質量部以上であれば、PC−POS共重合体の加水分解に起因する樹脂組成物の成形時の黒スジ発生をより効果的に抑制できる。また5.0質量部以下であれば、樹脂組成物の成形時にガスが発生し、金型付着するなどの不具合が生じず、経済性の面でも好ましい。
耐加水分解剤の配合量が0.05質量部以上であれば、一定の背圧にて成形された成形体の内部において発生する黒スジがより抑制されるため好ましく、さらに0.1質量部以上であれば、更に高い背圧で成形された成形体の内部において発生する黒スジもより抑制されるため更に好ましい。
耐加水分解剤の配合量が0.05質量部以上であれば、一定の背圧にて成形された成形体の内部において発生する黒スジがより抑制されるため好ましく、さらに0.1質量部以上であれば、更に高い背圧で成形された成形体の内部において発生する黒スジもより抑制されるため更に好ましい。
<酸化防止剤>
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、さらに酸化防止剤を含むことが好ましい。ポリカーボネート系樹脂組成物に酸化防止剤を配合することにより、ポリカーボネート系樹脂組成物の溶融時における酸化劣化を抑制することができ、酸化劣化による着色等を抑制することができる。酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤及び/又はフェノール系酸化防止剤等が好適に用いられ、リン系酸化防止剤がより好ましい。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、さらに酸化防止剤を含むことが好ましい。ポリカーボネート系樹脂組成物に酸化防止剤を配合することにより、ポリカーボネート系樹脂組成物の溶融時における酸化劣化を抑制することができ、酸化劣化による着色等を抑制することができる。酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤及び/又はフェノール系酸化防止剤等が好適に用いられ、リン系酸化防止剤がより好ましい。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルノニルホスファイト、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジブチルハイドロジェンホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、4,4’−イソプロピリデンジフェノールドデシルホスファイト、4,4’−イソプロピリデンジフェノールトリデシルホスファイト、4,4’−イソプロピリデンジフェノールテトラデシルホスファイト、4,4’−イソプロピリデンジフェノールペンタデシルホスファイト、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)ジトリデシルホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリル−ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、3,4,5,6−ジベンゾ−1,2−オキサホスファン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルブチルホスフィン、ジフェニルオクタデシルホスフィン、トリス(p−トリル)ホスフィン、トリス(p−ノニルフェニル)ホスフィン、トリス(ナフチル)ホスフィン、ジフェニル(ヒドロキシメチル)ホスフィン、ジフェニル(アセトキシメチル)ホスフィン、ジフェニル(β−エチルカルボキシエチル)ホスフィン、トリス(p−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(p−フルオロフェニル)ホスフィン、ベンジルジフェニルホスフィン、ジフェニル(β−シアノエチル)ホスフィン、ジフェニル(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィン、ジフェニル(1,4−ジヒドロキシフェニル)−2−ホスフィン、フェニルナフチルベンジルホスフィン等が挙げられる。
また、リン系酸化防止剤として、例えば、Irgafos168(BASFジャパン(株)製、商標)、Irgafos12(BASFジャパン(株)製、商標)、Irgafos38(BASFジャパン(株)製、商標)、アデカスタブ2112((株)ADEKA製、商標)、アデカスタブ C((株)ADEKA製、商標)、アデカスタブ 329K((株)ADEKA製、商標)、アデカスタブ PEP36((株)ADEKA製、商標)、JC263(城北化学工業(株)製、商標)、Sandstab P−EPQ(クラリアント社製、商標)、Weston618(GE社製、商標)、Weston619G(GE社製、商標)及びWeston 624(GE社製、商標)、Doverphos S−9228PC(Dover Chemical社製、商標)等の市販品を挙げることができる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等のヒンダードフェノール類が挙げられる。
これら酸化防止剤の中では、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等のペンタエリスリトールジホスファイト構造を持つものやトリフェニルホスフィンが好ましい。
これら酸化防止剤の中では、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等のペンタエリスリトールジホスファイト構造を持つものやトリフェニルホスフィンが好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、Irganox1010(BASFジャパン(株)製、商標)、Irganox1076(BASFジャパン(株)製、商標)、Irganox1330(BASFジャパン(株)製、商標)、Irganox3114(BASFジャパン(株)製、商標)、Irganox3125(BASFジャパン(株)製、商標)、BHT(武田薬品工業(株)製、商標)、Cyanox1790(サイアナミド社製、商標)及びSumilizerGA−80(住友化学株式会社製、商標)等の市販品を挙げることができる。
上記酸化防止剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物における酸化防止剤の配合量は、ポリカーボネート系樹脂組成物(S)100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上0.5質量部以下であり、好ましくは0.01質量部以上0.3質量部以下、より好ましくは0.05質量部以上0.3質量部以下である。ポリカーボネート系樹脂組成物(S)100質量部に対する酸化防止剤の量が上記範囲であれば、十分な酸化防止作用が得られ、かつ、成形時の金型汚染を抑制できる。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物における酸化防止剤の配合量は、ポリカーボネート系樹脂組成物(S)100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上0.5質量部以下であり、好ましくは0.01質量部以上0.3質量部以下、より好ましくは0.05質量部以上0.3質量部以下である。ポリカーボネート系樹脂組成物(S)100質量部に対する酸化防止剤の量が上記範囲であれば、十分な酸化防止作用が得られ、かつ、成形時の金型汚染を抑制できる。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、前記各成分を上記割合で、更に必要に応じて用いられる各種任意成分を適当な割合で配合し、混練することにより得られる。
配合及び混練は、通常用いられている機器、例えば、リボンブレンダー、ドラムタンブラーなどで予備混合して、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機及びコニーダ等を用いる方法で行うことができる。混練の際の加熱温度は、通常、240℃以上320℃以下の範囲で適宜選択される。この溶融混練成形としては、押出成形機、特に、ベント式の押出成形機の使用が好ましい。
配合及び混練は、通常用いられている機器、例えば、リボンブレンダー、ドラムタンブラーなどで予備混合して、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機及びコニーダ等を用いる方法で行うことができる。混練の際の加熱温度は、通常、240℃以上320℃以下の範囲で適宜選択される。この溶融混練成形としては、押出成形機、特に、ベント式の押出成形機の使用が好ましい。
白色顔料を含む本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、成形時の黒スジ等の外観不良の発生が抑制された白色成形品を提供することができる。黒スジは成形品を以下の条件で測色した際の明度L値の差「ΔL値」の平均値が大きいほど強く視認される。測色条件は以下の通りである。
<位置決め>
図1に示すように位置決めを行う。すなわち、後述する成形条件で成形した150mm×150mmの成形品上に、成形時の射出成形機のゲート位置からの樹脂の流れ方向に沿った端部を縦軸、該縦軸に直行する端部を横軸として、縦軸と横軸とが直交する点から順番に1cm(縦)×1cm(横)の間隔で15×15の位置割りを行う。
<測定条件>
光源としてD65光源を用い、視野角度10°で測定する。
<測定箇所>
位置割り後の横3×縦8の位置を基準点、横8×縦3から横8×縦14までの位置を測定対象位置とする。
<ΔL値>
測定対象位置のL値と基準点のL値の差をΔL値とし、このΔL値が0.18以下であることが好ましい。上記ΔL値はより好ましくは0.17以下、さらに好ましくは0.15以下である。
ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品のΔL値が上記範囲にあると、黒スジの発生が抑制された外観に優れる成形品を得ることができる。成形品上に形成され得る黒スジのイメージを図2に示す。本願においてはこの黒スジを抑制することができる。
<位置決め>
図1に示すように位置決めを行う。すなわち、後述する成形条件で成形した150mm×150mmの成形品上に、成形時の射出成形機のゲート位置からの樹脂の流れ方向に沿った端部を縦軸、該縦軸に直行する端部を横軸として、縦軸と横軸とが直交する点から順番に1cm(縦)×1cm(横)の間隔で15×15の位置割りを行う。
<測定条件>
光源としてD65光源を用い、視野角度10°で測定する。
<測定箇所>
位置割り後の横3×縦8の位置を基準点、横8×縦3から横8×縦14までの位置を測定対象位置とする。
<ΔL値>
測定対象位置のL値と基準点のL値の差をΔL値とし、このΔL値が0.18以下であることが好ましい。上記ΔL値はより好ましくは0.17以下、さらに好ましくは0.15以下である。
ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品のΔL値が上記範囲にあると、黒スジの発生が抑制された外観に優れる成形品を得ることができる。成形品上に形成され得る黒スジのイメージを図2に示す。本願においてはこの黒スジを抑制することができる。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物の粘度平均分子量(Mv)は使用される用途や製品により、目的の分子量となるように適宜調整することができ、好ましくは12,000以上50,000以下、より好ましくは15,000以上30,000以下、更に好ましくは16,000以上25,000以下、更に好ましくは16,000以上22,000以下である。粘度平均分子量が12,000以上であれば、十分な成形品の強度を得ることができる。また粘度平均分子量が50,000以下であれば、流動性が低すぎず成形性が良好であり、熱劣化を起こさない温度で射出成形や押出成形を行うことができる。
上記粘度平均分子量(Mv)は上述した方法で求めることができる。
上記粘度平均分子量(Mv)は上述した方法で求めることができる。
[成形品]
本発明の成形品は、上記本発明のポリカーボネート系樹脂組成物を含むものである。当該成形品は、上記の溶融混練成形機、又は、得られたペレットを原料として、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、プレス成形法、真空成形法及び発泡成形法等により製造することができる。特に、得られたペレットを用いて、射出成形法又は射出圧縮成形法により成形品を製造することが好ましい。
本発明の成形品は、上記本発明のポリカーボネート系樹脂組成物を含むものである。当該成形品は、上記の溶融混練成形機、又は、得られたペレットを原料として、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、プレス成形法、真空成形法及び発泡成形法等により製造することができる。特に、得られたペレットを用いて、射出成形法又は射出圧縮成形法により成形品を製造することが好ましい。
ポリカーボネート系樹脂組成物を含む成形品の製造においては、製造過程における水分の混入を抑制し、成形時の黒スジ発生を抑制する観点から、ポリカーボネート系樹脂組成物の成形機内での滞留時間を短くするような条件で製造することが好ましい。射出成形法又は射出圧縮成形法による成形品の製造方法の好ましい態様は、例えば以下のとおりである。
射出成形法又は射出圧縮成形法による成形品の製造においては、ポリカーボネート系樹脂組成物からなるペレットを、スクリューを備えた射出成形機によって溶融可塑化することが好ましい。黒スジ発生を抑制する観点から、成形機は低圧縮スクリュータイプのものが好ましく、スクリュー形状は、フルフライトスクリューが好ましい。
スクリュー背圧は、せん断発熱を抑え、樹脂組成物の圧縮を抑制して黒スジ発生を抑制する観点から、低い範囲に設定することが好ましい。背圧は使用装置等に応じて適宜選択でき、例えば、シリンダー内圧力を直圧制御できる電動式射出成形機で成形する場合は、2〜10MPa程度の範囲である(油圧式は、油圧シリンダー方式で調整されるため、この限りではない)。同様の観点から、スクリュー回転数もせん断速度が小さくなるように100rpmで実施することが望ましい。
スクリュー背圧は、せん断発熱を抑え、樹脂組成物の圧縮を抑制して黒スジ発生を抑制する観点から、低い範囲に設定することが好ましい。背圧は使用装置等に応じて適宜選択でき、例えば、シリンダー内圧力を直圧制御できる電動式射出成形機で成形する場合は、2〜10MPa程度の範囲である(油圧式は、油圧シリンダー方式で調整されるため、この限りではない)。同様の観点から、スクリュー回転数もせん断速度が小さくなるように100rpmで実施することが望ましい。
成形時の温度(シリンダー温度)は、ポリカーボネート系樹脂組成物を低粘度化して流れを平滑化する観点から、例えば230〜320℃に設定することが好ましい。
本発明の成形品の衝撃強度は、十分な衝撃特性を発揮する観点及び製造容易性の観点から、実施例に記載の方法で測定した−40℃におけるノッチ付Izodの値が、30〜100kJ/m2であることが好ましく、35〜80kJ/m2であることがより好ましく、40〜70kJ/m2であることが更に好ましく、45〜60kJ/m2であることが最も好ましい。
本発明の成形品の衝撃強度は、十分な衝撃特性を発揮する観点及び製造容易性の観点から、実施例に記載の方法で測定した−40℃におけるノッチ付Izodの値が、30〜100kJ/m2であることが好ましく、35〜80kJ/m2であることがより好ましく、40〜70kJ/m2であることが更に好ましく、45〜60kJ/m2であることが最も好ましい。
本発明の成形品は、先に記載した通り、成形品を測色した際の明度L値の差「ΔL値」の平均値が好ましくは0.18以下、より好ましくは0.17以下、さらに好ましくは0.15以下と小さいため、黒スジの発生が抑制された、外観に優れる白色成形品である。
本発明の成形品は、テレビ、ラジオカセット、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダ、オーディオプレーヤー、DVDプレーヤー、エアコンディショナ、携帯電話、ディスプレイ、コンピュータ、レジスター、電卓、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電気、電子機器用部品、該機器用筐体、照明器具内外装部品、車両内外装部品、食品トレーや食器に好適に用いることができる。特に、携帯電話、モバイルパソコン、デジタルカメラ、ビデオカメラ、電動工具などの筐体の材料として好適である。
本発明の実施例を更に説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、各例中の測定及び評価は以下に示す方法で行った。
<クロロホーメート基濃度の測定>
塩素イオン濃度基準で、JIS−K8203:1994を参考とし、酸化/還元滴定、硝酸銀滴定を用いて測定した。
塩素イオン濃度基準で、JIS−K8203:1994を参考とし、酸化/還元滴定、硝酸銀滴定を用いて測定した。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
重量平均分子量(Mw)は、展開溶媒としてテトラヒドロフランを用い、GPC〔カラム:TOSOH TSK−GEL MULTIPORE HXL−M(2本)+Shodex KF801(1本)、温度40℃、流速1.0mL/分、検出器:RI〕にて、標準ポリスチレン換算分子量(重量平均分子量:Mw)として測定した。
重量平均分子量(Mw)は、展開溶媒としてテトラヒドロフランを用い、GPC〔カラム:TOSOH TSK−GEL MULTIPORE HXL−M(2本)+Shodex KF801(1本)、温度40℃、流速1.0mL/分、検出器:RI〕にて、標準ポリスチレン換算分子量(重量平均分子量:Mw)として測定した。
<ポリジメチルシロキサンの平均鎖長及び含有量>
NMR測定によって、ポリジメチルシロキサンのメチル基の積分値比から算出した。
1.ポリジメチルシロキサンの平均鎖長の定量方法
1H−NMR測定条件
NMR装置:(株)JEOL RESONANCE製 ECA500
プローブ:50TH5AT/FG2
観測範囲:−5〜15ppm
観測中心:5ppm
パルス繰り返し時間:9秒
パルス幅:45°
NMR試料管:5φ
サンプル量:30〜40mg
溶媒:重クロロホルム
測定温度:室温
積算回数:256回
アリルフェノール末端ポリジメチルシロキサンの場合
A:δ−0.02〜0.5付近に観測されるジメチルシロキサン部のメチル基の積分値
B:δ2.50〜2.75付近に観測されるアリルフェノールのメチレン基の積分値
ポリジメチルシロキサンの鎖長=(A/6)/(B/4)
オイゲノール末端ポリジメチルシロキサンの場合
A:δ−0.02〜0.5付近に観測されるジメチルシロキサン部のメチル基の積分値
B:δ2.40〜2.70付近に観測されるオイゲノールのメチレン基の積分値
ポリジメチルシロキサンの鎖長=(A/6)/(B/4)
NMR測定によって、ポリジメチルシロキサンのメチル基の積分値比から算出した。
1.ポリジメチルシロキサンの平均鎖長の定量方法
1H−NMR測定条件
NMR装置:(株)JEOL RESONANCE製 ECA500
プローブ:50TH5AT/FG2
観測範囲:−5〜15ppm
観測中心:5ppm
パルス繰り返し時間:9秒
パルス幅:45°
NMR試料管:5φ
サンプル量:30〜40mg
溶媒:重クロロホルム
測定温度:室温
積算回数:256回
アリルフェノール末端ポリジメチルシロキサンの場合
A:δ−0.02〜0.5付近に観測されるジメチルシロキサン部のメチル基の積分値
B:δ2.50〜2.75付近に観測されるアリルフェノールのメチレン基の積分値
ポリジメチルシロキサンの鎖長=(A/6)/(B/4)
オイゲノール末端ポリジメチルシロキサンの場合
A:δ−0.02〜0.5付近に観測されるジメチルシロキサン部のメチル基の積分値
B:δ2.40〜2.70付近に観測されるオイゲノールのメチレン基の積分値
ポリジメチルシロキサンの鎖長=(A/6)/(B/4)
2.PC−PDMS共重合体中のポリジメチルシロキサン含有量の定量方法
例)アリルフェノール末端ポリジメチルシロキサンを共重合したPTBP末端ポリカーボネート中のポリジメチルシロキサン共重合量の定量方法
NMR装置:(株)JEOL RESONANCE製 ECA−500
プローブ:TH5 5φNMR試料管対応
観測範囲:−5〜15ppm
観測中心:5ppm
パルス繰り返し時間:9秒
パルス幅:45°
積算回数:256回
NMR試料管:5φ
サンプル量:30〜40mg
溶媒:重クロロホルム
測定温度:室温
A:δ1.5〜1.9付近に観測されるBPA部のメチル基の積分値
B:δ−0.02〜0.3付近に観測されるジメチルシロキサン部のメチル基の積分値
C:δ1.2〜1.4付近に観測されるp−tert−ブチルフェニル部のブチル基の積分値
a=A/6
b=B/6
c=C/9
T=a+b+c
f=a/T×100
g=b/T×100
h=c/T×100
TW=f×254+g×74.1+h×149
PDMS(wt%)=g×74.1/TW×100
例)アリルフェノール末端ポリジメチルシロキサンを共重合したPTBP末端ポリカーボネート中のポリジメチルシロキサン共重合量の定量方法
NMR装置:(株)JEOL RESONANCE製 ECA−500
プローブ:TH5 5φNMR試料管対応
観測範囲:−5〜15ppm
観測中心:5ppm
パルス繰り返し時間:9秒
パルス幅:45°
積算回数:256回
NMR試料管:5φ
サンプル量:30〜40mg
溶媒:重クロロホルム
測定温度:室温
A:δ1.5〜1.9付近に観測されるBPA部のメチル基の積分値
B:δ−0.02〜0.3付近に観測されるジメチルシロキサン部のメチル基の積分値
C:δ1.2〜1.4付近に観測されるp−tert−ブチルフェニル部のブチル基の積分値
a=A/6
b=B/6
c=C/9
T=a+b+c
f=a/T×100
g=b/T×100
h=c/T×100
TW=f×254+g×74.1+h×149
PDMS(wt%)=g×74.1/TW×100
<粘度平均分子量(Mv)の測定>
粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ型粘度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液(濃度:g/L)の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求め、次式(Schnell式)にて算出した。
粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ型粘度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液(濃度:g/L)の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求め、次式(Schnell式)にて算出した。
合成例1:ポリカーボネートオリゴマーの合成
5.6質量%水酸化ナトリウム水溶液に、後から溶解するビスフェノールAに対して2000質量ppmの亜二チオン酸ナトリウムを加え、これにビスフェノールA濃度が13.5質量%になるようにビスフェノールAを溶解し、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。
このビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液40L/hr、塩化メチレン15L/hrの流量で、ホスゲンを4.0kg/hrの流量で、内径6mm、管長30mの管型反応器に連続的に通した。管型反応器はジャケット部分を有しており、ジャケットに冷却水を通して反応液の温度を40℃以下に保った。
管型反応器を出た反応液は、後退翼を備えた内容積40Lのバッフル付き槽型反応器へ連続的に導入され、ここに更にビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液2.8L/hr、25質量%水酸化ナトリウム水溶液0.07L/hr、水17L/hr、1質量%トリエチルアミン水溶液を0.64L/hr添加して反応を行った。槽型反応器から溢れ出る反応液を連続的に抜き出し、静置することで水相を分離除去し、塩化メチレン相を採取した。
このようにして得られたポリカーボネートオリゴマーは濃度318g/L、クロロホーメート基濃度0.75mol/Lであった。また、その重量平均分子量(Mw)は、1190であった。
5.6質量%水酸化ナトリウム水溶液に、後から溶解するビスフェノールAに対して2000質量ppmの亜二チオン酸ナトリウムを加え、これにビスフェノールA濃度が13.5質量%になるようにビスフェノールAを溶解し、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。
このビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液40L/hr、塩化メチレン15L/hrの流量で、ホスゲンを4.0kg/hrの流量で、内径6mm、管長30mの管型反応器に連続的に通した。管型反応器はジャケット部分を有しており、ジャケットに冷却水を通して反応液の温度を40℃以下に保った。
管型反応器を出た反応液は、後退翼を備えた内容積40Lのバッフル付き槽型反応器へ連続的に導入され、ここに更にビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液2.8L/hr、25質量%水酸化ナトリウム水溶液0.07L/hr、水17L/hr、1質量%トリエチルアミン水溶液を0.64L/hr添加して反応を行った。槽型反応器から溢れ出る反応液を連続的に抜き出し、静置することで水相を分離除去し、塩化メチレン相を採取した。
このようにして得られたポリカーボネートオリゴマーは濃度318g/L、クロロホーメート基濃度0.75mol/Lであった。また、その重量平均分子量(Mw)は、1190であった。
<ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A)の製造例1〜2>
以下に記載する(i)〜(xiv)の値は各成分の用いた量を示し、表1に示すとおりである。
邪魔板、パドル型攪拌翼及び冷却用ジャケットを備えた50L槽型反応器に上記の通り製造したポリカーボネートオリゴマー溶液(PCO)(i)L、塩化メチレン(MC)(ii)Lおよび、平均鎖長n=(iii)のアリルフェノール末端変性ポリジメチルシロキサン(以下、ポリジメチルシロキサンをPDMSと呼ぶことがある)(iv)gを塩化メチレン(MC)(v)Lに溶解したもの、ならびに、トリエチルアミン(TEA)(vi)mLを仕込み、攪拌下でここに8.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液(NaOHaq)(vii)gを加え、20分間ポリカーボネートオリゴマーとアリルフェノール末端変性PDMSの反応を行った(予備重合工程)。
この重合液に、p−t−ブチルフェノール(PTBP)の塩化メチレン溶液(PTBP(viii)gを塩化メチレン(MC)(ix)Lに溶解したもの)、BPAの水酸化ナトリウム水溶液(NaOH(x)gと亜二チオン酸ナトリウム(Na2S2O4)(xi)gとを水(xii)Lに溶解した水溶液にBPA(xiii)gを溶解させたもの)を添加し40分間重合反応を実施した(本重合工程)。
希釈のため塩化メチレン(MC)(xiv)Lを加え10分間攪拌した後、PC−POSを含む有機相と過剰のBPA及びNaOHを含む水相に分離し、有機相を単離した。
こうして得られたPC−POSの塩化メチレン溶液を、その溶液に対して、15容積%の0.03mol/LNaOH水溶液、0.2mol/L塩酸で順次洗浄し、次いで洗浄後の水相中の電気伝導度が0.01μS/m以下になるまで純水で洗浄を繰り返した。
洗浄により得られたポリカーボネートの塩化メチレン溶液を濃縮・粉砕し、得られたフレークを減圧下100℃で乾燥した。得られたフレークのPDMS濃度、粘度平均分子量の測定を行った結果を表1に示す。
以下に記載する(i)〜(xiv)の値は各成分の用いた量を示し、表1に示すとおりである。
邪魔板、パドル型攪拌翼及び冷却用ジャケットを備えた50L槽型反応器に上記の通り製造したポリカーボネートオリゴマー溶液(PCO)(i)L、塩化メチレン(MC)(ii)Lおよび、平均鎖長n=(iii)のアリルフェノール末端変性ポリジメチルシロキサン(以下、ポリジメチルシロキサンをPDMSと呼ぶことがある)(iv)gを塩化メチレン(MC)(v)Lに溶解したもの、ならびに、トリエチルアミン(TEA)(vi)mLを仕込み、攪拌下でここに8.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液(NaOHaq)(vii)gを加え、20分間ポリカーボネートオリゴマーとアリルフェノール末端変性PDMSの反応を行った(予備重合工程)。
この重合液に、p−t−ブチルフェノール(PTBP)の塩化メチレン溶液(PTBP(viii)gを塩化メチレン(MC)(ix)Lに溶解したもの)、BPAの水酸化ナトリウム水溶液(NaOH(x)gと亜二チオン酸ナトリウム(Na2S2O4)(xi)gとを水(xii)Lに溶解した水溶液にBPA(xiii)gを溶解させたもの)を添加し40分間重合反応を実施した(本重合工程)。
希釈のため塩化メチレン(MC)(xiv)Lを加え10分間攪拌した後、PC−POSを含む有機相と過剰のBPA及びNaOHを含む水相に分離し、有機相を単離した。
こうして得られたPC−POSの塩化メチレン溶液を、その溶液に対して、15容積%の0.03mol/LNaOH水溶液、0.2mol/L塩酸で順次洗浄し、次いで洗浄後の水相中の電気伝導度が0.01μS/m以下になるまで純水で洗浄を繰り返した。
洗浄により得られたポリカーボネートの塩化メチレン溶液を濃縮・粉砕し、得られたフレークを減圧下100℃で乾燥した。得られたフレークのPDMS濃度、粘度平均分子量の測定を行った結果を表1に示す。
白色顔料(C)中の水分濃度の測定
試料の白色顔料粉末を温度25℃、相対湿度55%の恒温恒湿度で24時間放置し、平衡状態にしたのち、その試料0.3gをカールフィッシャー水分測定装置「電量法水分計CA100」及びそれに付属した水分気化装置「VA−100」(いずれも(株)ダイアインスツルメンツ社製)を用いて、窒素流量約250mLにて、温度0〜300℃で水分濃度を測定したのち、0〜120℃で検出積算された水分濃度を差し引いた値を、120℃以上(300℃まで)で保持している化学結合水量とした。
試料の白色顔料粉末を温度25℃、相対湿度55%の恒温恒湿度で24時間放置し、平衡状態にしたのち、その試料0.3gをカールフィッシャー水分測定装置「電量法水分計CA100」及びそれに付属した水分気化装置「VA−100」(いずれも(株)ダイアインスツルメンツ社製)を用いて、窒素流量約250mLにて、温度0〜300℃で水分濃度を測定したのち、0〜120℃で検出積算された水分濃度を差し引いた値を、120℃以上(300℃まで)で保持している化学結合水量とした。
熱分解ガスクロマトグラフによる有機層のEGA曲線の最大ピーク温度の測定
<使用装置>
熱分解装置:フロンティアラボ社製「PY−3030D」
ガスクロマトグラフ(GC)装置:Agilent製7890BGCシステム
カラム:フロンティアラボ社製「UADTM−2.5N」(長さ2.5m×内径0.15mm)
<熱分解炉昇温条件>
100℃(0min)→昇温20℃/min→800℃
<GC条件>
キャリアガス(He)流速:1mL/min
スプリット比:10:1
注入口温度:300℃
オーブン:300℃(一定)
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)300℃
<測定手順>
試料(酸化チタン顔料)0.5mgを、サンプルカップに測り取り、熱分解装置に取り付けた。次に、サンプルカップを熱分解炉へ落とし、直ちに熱分解炉の昇温を開始し、同時にGC測定を開始した。得られたEGA曲線のピークトップにおける温度を最大ピーク温度とした。
<使用装置>
熱分解装置:フロンティアラボ社製「PY−3030D」
ガスクロマトグラフ(GC)装置:Agilent製7890BGCシステム
カラム:フロンティアラボ社製「UADTM−2.5N」(長さ2.5m×内径0.15mm)
<熱分解炉昇温条件>
100℃(0min)→昇温20℃/min→800℃
<GC条件>
キャリアガス(He)流速:1mL/min
スプリット比:10:1
注入口温度:300℃
オーブン:300℃(一定)
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)300℃
<測定手順>
試料(酸化チタン顔料)0.5mgを、サンプルカップに測り取り、熱分解装置に取り付けた。次に、サンプルカップを熱分解炉へ落とし、直ちに熱分解炉の昇温を開始し、同時にGC測定を開始した。得られたEGA曲線のピークトップにおける温度を最大ピーク温度とした。
有機層のGC−MS分析
<使用装置>
測定装置:Gerstel社小型加熱脱着装置TDU及び多機能オートサンプラMPS、Agilent社製GC/MS装置「6890/5975MSD」
カラム:Agilent社製「DB−5MS」(30mm×0.25mm×0.25μm)
<TDU部条件>
TDU部:50℃(0.01min)→720℃/min→300℃(20min)スプリットレス
CIS部:−50℃(0.01min)→12℃/sec→350℃(5min)、スプリット30:1
<GC−MS条件>
キャリアガス(He)流速:1mL/min
オーブン:50℃(5min)→10℃/min→330℃(10min)
スキャン範囲m/z=35−800
<分析手順>
試料(酸化チタン顔料)10mgを、専用容器に測り取り、TDU/GC−MS装置に取り付けた。次に、前記条件でGC−MS測定を行い、得られた発生ガス成分を、NIST(National Institute of Standards and Technology)のマスライブラリーを使用して同定した。
<使用装置>
測定装置:Gerstel社小型加熱脱着装置TDU及び多機能オートサンプラMPS、Agilent社製GC/MS装置「6890/5975MSD」
カラム:Agilent社製「DB−5MS」(30mm×0.25mm×0.25μm)
<TDU部条件>
TDU部:50℃(0.01min)→720℃/min→300℃(20min)スプリットレス
CIS部:−50℃(0.01min)→12℃/sec→350℃(5min)、スプリット30:1
<GC−MS条件>
キャリアガス(He)流速:1mL/min
オーブン:50℃(5min)→10℃/min→330℃(10min)
スキャン範囲m/z=35−800
<分析手順>
試料(酸化チタン顔料)10mgを、専用容器に測り取り、TDU/GC−MS装置に取り付けた。次に、前記条件でGC−MS測定を行い、得られた発生ガス成分を、NIST(National Institute of Standards and Technology)のマスライブラリーを使用して同定した。
なお以下の白色顔料(C)の有機層の記載において、該有機層のGC−MS分析により検出された成分が下記A群であったものを「有機層A」、下記B群であったものを「有機層B」と称する。
〔A群〕
〔B群〕
〔A群〕
〔B群〕
実施例1〜5、比較例1〜3
表1及び2に記載の成分を記載された配合量にて配合し、ベント式二軸押出機(東芝機械(株)製「TEM35B」)に供給し、スクリュー回転数150rpm、吐出量20kg/hr、バレル設定温度280℃(実測押し出し295〜300℃)にて溶融混練し、ペレットを得た。
表1及び2に記載の成分を記載された配合量にて配合し、ベント式二軸押出機(東芝機械(株)製「TEM35B」)に供給し、スクリュー回転数150rpm、吐出量20kg/hr、バレル設定温度280℃(実測押し出し295〜300℃)にて溶融混練し、ペレットを得た。
(1)成形品の外観不良(黒スジ)の観察
上記ペレットを120℃で8時間、乾燥機にて予備乾燥した後、射出成形機((株)ニイガタマシンテクノ製「MD350Wi15 HP−AP」)を用いて下記条件にて射出成形を20ショット分行った。得られた成形品の外観を目視で観察して、下記基準に従って評価した。
具体的には、ペレットをホッパーからシリンダー内供給し、可塑化混練するスクリューの回転数を100rpmとして、下記条件にて射出成形を実施した。スクリュー背圧を上げると黒スジ上の外観不良は発生しやすくなる。全ての条件の成形品について、黒スジの外観評価を行なった。表中、「AA」評価は、特に、黒スジ状の模様が発生しにくく、評価結果が良好であることを示す。
AA:成形品表面に黒色のスジ状模様が全く観察されない。
A:成形品表面に黒色のスジ状模様がごくわずかに観察される。
B:成形品表面に黒色のスジ状模様が、上記Aと下記Cとの中間程度に観察される。
C:成形品表面に黒色のスジ状模様がはっきりと観察される。
上記ペレットを120℃で8時間、乾燥機にて予備乾燥した後、射出成形機((株)ニイガタマシンテクノ製「MD350Wi15 HP−AP」)を用いて下記条件にて射出成形を20ショット分行った。得られた成形品の外観を目視で観察して、下記基準に従って評価した。
具体的には、ペレットをホッパーからシリンダー内供給し、可塑化混練するスクリューの回転数を100rpmとして、下記条件にて射出成形を実施した。スクリュー背圧を上げると黒スジ上の外観不良は発生しやすくなる。全ての条件の成形品について、黒スジの外観評価を行なった。表中、「AA」評価は、特に、黒スジ状の模様が発生しにくく、評価結果が良好であることを示す。
AA:成形品表面に黒色のスジ状模様が全く観察されない。
A:成形品表面に黒色のスジ状模様がごくわずかに観察される。
B:成形品表面に黒色のスジ状模様が、上記Aと下記Cとの中間程度に観察される。
C:成形品表面に黒色のスジ状模様がはっきりと観察される。
(2)黒スジ(透過)の観察
上記成形品を、成形品サイズより充分大きな木板に、成形品と同じサイズで開けた枠を設けて、その枠に成形品をはめ込み、その一方から110V×1.5kW灯光器からの光源を当てて、その反対側より成形品を観察して、下記基準に従って評価した。
表中、「A」評価となるスクリュー背圧の値が大きいものほど外観不良が発生し難く、評価結果が良好であることを示す。
AA:黒色のスジ状模様が全く観察されない。
A:黒色のスジ状模様がわずかに観察される。
B:黒色のスジ状模様が上記Aと下記Cとの中間程度に観察される。
C:黒色のスジ状模様がはっきりと観察される。
上記成形品を、成形品サイズより充分大きな木板に、成形品と同じサイズで開けた枠を設けて、その枠に成形品をはめ込み、その一方から110V×1.5kW灯光器からの光源を当てて、その反対側より成形品を観察して、下記基準に従って評価した。
表中、「A」評価となるスクリュー背圧の値が大きいものほど外観不良が発生し難く、評価結果が良好であることを示す。
AA:黒色のスジ状模様が全く観察されない。
A:黒色のスジ状模様がわずかに観察される。
B:黒色のスジ状模様が上記Aと下記Cとの中間程度に観察される。
C:黒色のスジ状模様がはっきりと観察される。
(3)成形品表面の黒スジの測色
(1)と同様の条件で成形した150mm×150mmの成形品上に、図1に示す通り、成形時の射出成形機のゲート位置からの樹脂の流れ方向に沿った端部を縦軸、該縦軸に直行する端部を横軸として、縦軸と横軸とが直交する点から順番に1cm(縦)×1cm(横)の間隔で15×15の位置割りを行う。
位置割り後の横3×縦8の位置を基準点、横8×縦3から横8×縦14までの位置を測定対象位置とし、基準点と測定対象位置のL値を分光測色計(コニカミノルタ(株)製、分光測色計CM−600d,SCE(正反射光除去)モード,観察光源D65、観察視野10°、口径5mmφ)で測定する。
測定対称位置のL値と基準点のL値との差(ΔL)を計算し、測定対称位置のΔL値の平均値を求める。このΔL値の平均値が大きいほど、図2に示すような表面の黒スジが強く見える。
(1)と同様の条件で成形した150mm×150mmの成形品上に、図1に示す通り、成形時の射出成形機のゲート位置からの樹脂の流れ方向に沿った端部を縦軸、該縦軸に直行する端部を横軸として、縦軸と横軸とが直交する点から順番に1cm(縦)×1cm(横)の間隔で15×15の位置割りを行う。
位置割り後の横3×縦8の位置を基準点、横8×縦3から横8×縦14までの位置を測定対象位置とし、基準点と測定対象位置のL値を分光測色計(コニカミノルタ(株)製、分光測色計CM−600d,SCE(正反射光除去)モード,観察光源D65、観察視野10°、口径5mmφ)で測定する。
測定対称位置のL値と基準点のL値との差(ΔL)を計算し、測定対称位置のΔL値の平均値を求める。このΔL値の平均値が大きいほど、図2に示すような表面の黒スジが強く見える。
<射出成形条件>
金型:150mmW×150mmH×2mmtの平板金型
金型温度:80℃
シリンダー温度設定:各実施例及び比較例について、表2−1、2−2及び表3に記載の温度に設定した。
射出速度:2段階設定とし、計量位置(60mm)から50mmまでの速度をV1、50mmから8mmまでの速度をV2として樹脂を充填する。V1=30mm/秒、V2=50mm/秒
保圧条件:樹脂を充填後、50MPaで3秒間かけた。
金型:150mmW×150mmH×2mmtの平板金型
金型温度:80℃
シリンダー温度設定:各実施例及び比較例について、表2−1、2−2及び表3に記載の温度に設定した。
射出速度:2段階設定とし、計量位置(60mm)から50mmまでの速度をV1、50mmから8mmまでの速度をV2として樹脂を充填する。V1=30mm/秒、V2=50mm/秒
保圧条件:樹脂を充填後、50MPaで3秒間かけた。
表中で使用した成分は下記の通りである。
(A2)芳香族ポリカーボネート系樹脂:出光興産(株)製「FN1700」(Mv=17,700)
(B1)スチレン系樹脂:日本エイアンドエル(株)製,「クララスチックSXH−330(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン3元共重合体(ABS))」,ブタジエンに由来する構成単位の含有量;12質量%
(C−1)酸化チタン顔料:石原産業(株)製「CR−63」(結晶構造:ルチル型、二酸化チタンをシリカ−アルミナ3%及びジメチルシリコーンで表面処理したもの、平均粒子径:0.21μm、化学結合水量:2,600質量ppm、有機層B、EGA曲線の最大ピーク温度:380℃)
(C−2)酸化チタン顔料:石原産業(株)製「PF−726」(結晶構造:ルチル型、二酸化チタンをシリカ−アルミナ8%のみで表面処理したもの、平均粒子径:0.21μm、化学結合水量:5,100質量ppm)
(C−3)酸化チタン顔料:HUNTSMAN製「R−TC30」(結晶構造:ルチル型,二酸化チタンをシロキサンで表面処理したもの,平均粒子径:0.21μm)
酸化防止剤:BASFジャパン製「IRGAFOS168」(トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト)
(A2)芳香族ポリカーボネート系樹脂:出光興産(株)製「FN1700」(Mv=17,700)
(B1)スチレン系樹脂:日本エイアンドエル(株)製,「クララスチックSXH−330(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン3元共重合体(ABS))」,ブタジエンに由来する構成単位の含有量;12質量%
(C−1)酸化チタン顔料:石原産業(株)製「CR−63」(結晶構造:ルチル型、二酸化チタンをシリカ−アルミナ3%及びジメチルシリコーンで表面処理したもの、平均粒子径:0.21μm、化学結合水量:2,600質量ppm、有機層B、EGA曲線の最大ピーク温度:380℃)
(C−2)酸化チタン顔料:石原産業(株)製「PF−726」(結晶構造:ルチル型、二酸化チタンをシリカ−アルミナ8%のみで表面処理したもの、平均粒子径:0.21μm、化学結合水量:5,100質量ppm)
(C−3)酸化チタン顔料:HUNTSMAN製「R−TC30」(結晶構造:ルチル型,二酸化チタンをシロキサンで表面処理したもの,平均粒子径:0.21μm)
酸化防止剤:BASFジャパン製「IRGAFOS168」(トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト)
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、白色顔料を含む樹脂組成物であっても成形時の黒スジ等の外観不良の発生が抑制されており、成形外観が良好な白色成形品を提供することができる。当該成形品は電気、電子機器用部品又は該機器用の筐体、照明器具内外装部品、車両内外装部品、食品トレーや食器に好適に用いることができる。特に、携帯電話、モバイルパソコン、デジタルカメラ、ビデオカメラ、電動工具などの筐体の材料として好適である。
Claims (16)
- 下記一般式(I)で表される繰り返し単位からなるポリカーボネートブロック及び下記一般式(II)で表される繰り返し単位を含むポリオルガノシロキサンブロックを含むポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A1)を含有するポリカーボネート系樹脂(A)を50質量%以上92質量%以下、及びスチレン系樹脂(B)を8質量%以上50質量%以下含むポリカーボネート系樹脂組成物(S)と、白色顔料(C)とを含み、
前記白色顔料(C)を、前記ポリカーボネート系樹脂組成物(S)100質量部に対して、0.1質量部以上40質量部以下含む、ポリカーボネート系樹脂組成物。
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。Xは、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、フルオレンジイル基、炭素数7〜15のアリールアルキレン基、炭素数7〜15のアリールアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−又は−CO−を示す。R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。] - 前記スチレン系樹脂(B)が、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体である、請求項1に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 前記ポリオルガノシロキサンブロックの平均鎖長が50以上である、請求項1又は2に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート系樹脂(A)中のポリオルガノシロキサンの含有量が0.1質量%以上25質量%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート系樹脂(A)の粘度平均分子量が12,000以上50,000以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A1)中の前記ポリオルガノシロキサンブロックの含有量が1.0質量%以上40質量%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 前記白色顔料(C)が酸化チタン顔料、硫化亜鉛顔料、酸化亜鉛顔料、及び硫酸バリウム顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 前記白色顔料(C)が酸化チタン顔料である、請求項7に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 前記酸化チタン顔料が酸化チタン粒子の表面にシリカ、ジルコニア、及びアルミナからなる群から選ばれる1種以上の無機酸化物からなる無機酸化物層を有するものである、請求項8に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 前記酸化チタン顔料が、前記無機酸化物層の表面にさらに有機層を有する、請求項9に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 前記有機層の、熱分解ガスクロマトグラフ装置及びFID検出器を用いた発生ガス分析により得られる発生ガス分析曲線の最大ピーク温度が390℃以上である、請求項10に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 前記白色顔料(C)の、0℃以上300℃以下におけるカールフィッシャー法により測定される水分濃度から、0℃以上120℃以下におけるカールフィッシャー法により測定される水分濃度を差し引いた値が8,000質量ppm以下である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 粘度平均分子量が12,000以上50,000以下である、請求項1〜12のいずれか一項に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート系樹脂組成物からなる成形品について、測色計にて以下の条件で測定した測定対象位置のL値と基準点のL値の差(ΔL)が、0.18以下となる、請求項1〜13のいずれか一項に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
光源:D65光源
視野角度:10°
測定方法:縦150mm×横150mmの成形品上に、成形時の射出成形機のゲート位置からの樹脂の流れ方向に沿った端部を縦軸、該縦軸に直行する端部を横軸として、縦軸と横軸とが直交する点から順番に1cm(縦)×1cm(横)の間隔で15×15の位置割りを行う。位置割り後の以下の基準点と測定対称位置とのL値を測定する。
基準点:横3×縦8の位置
測定対称位置:横8×縦3から横8×縦14までの位置 - 請求項1〜14のいずれか一項に記載のポリカーボネート系樹脂組成物を含む成形品。
- 測色計にて以下の条件で測定した測定対象位置のL値と基準点のL値の差(ΔL)が、0.18以下となる、請求項15に記載の成形品。
光源:D65光源
視野角度:10°
測定方法:縦150mm×横150mmの成形品上に、成形時の射出成形機のゲート位置からの樹脂の流れ方向に沿った端部を縦軸、該縦軸に直行する端部を横軸として、縦軸と横軸とが直交する点から順番に1cm(縦)×1cm(横)の間隔で15×15の位置割りを行う。位置割り後の以下の基準点と測定対称位置とのL値を測定する。
基準点:横3×縦8の位置
測定対称位置:横8×縦3から横8×縦14までの位置
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