JP2021027153A - 電磁波遮蔽体のための中空撚り線 - Google Patents

電磁波遮蔽体のための中空撚り線 Download PDF

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Abstract

【課題】諸性能に優れた電磁波遮蔽体の提供。【解決手段】電磁波遮蔽体用の中空撚り線2は、3本の第一素線4aと、3本の第二素線4bとを有している。これら6本の素線4が撚られることで、撚り線2が形成されている。第一素線4aの材質は、電気伝導率が高い金属である。この第一素線4aは、電気遮蔽性を有する。第二素線4bの材質は、透磁率μが大きい金属である。この第二素線4bは、磁気遮蔽性を有する。素線4の扁平度は、1.005以上が好ましい。素線4の型付け率は、90%以上100%以下が好ましい。【選択図】図2

Description

本発明は、ガスケットのような電磁波遮蔽体(Electromagnetic Wave Shield)に好適な、中空撚り線に関する。
電気自動車は、インバータを有している。インバータでは、電磁波が発生する。この電磁波を遮蔽する目的で、インバータは金属製の筐体に収容されている。しかし、この筐体の合わせ目から、電磁波が漏れ出るおそれがある。電磁波の漏出は、自動車の機器に悪影響を与える。電磁波による人体への悪影響も、懸念される。
電気自動車のモータでも、電磁波は発生する。電気自動車において無線給電が提案されている。この無線給電が実用化されれば、電磁波の遮蔽の要求がますます高まると予想される。さらに、電気自動車以外の様々な分野においても、電磁波の遮蔽は重要である。種々の分野において、電磁波がより遮蔽されうる筐体が望まれている。
合わせ目の近傍にガスケットを有する筐体が、提案されている。ガスケットは、電磁波遮蔽体の一種である。特開平5−340475号公報には、コイル状のガスケットが開示されている。実用新案登録第2536221号公報には、メッシュ状のガスケットが開示されている。
電磁波遮蔽体にとって、電気遮蔽性及び磁気遮蔽性の両方が重要である。特開平11−40973号公報には、その材質がステンレススチールであるワイヤと、その材質がスーパーマロイであるワイヤとが用いられたメッシュが開示されている。このメッシュから、電磁波遮蔽体が得られる。ステンレススチールである線は主として電気遮蔽性に寄与し、スーパーマロイである線は主として磁気遮蔽性に寄与する。
特開平5−340475号公報 実用新案登録第2536221号公報 特開平11−40973号公報
ガスケットは通常、圧縮状態で使用される。圧縮により適切な形状に変形するガスケットが、望まれている。圧縮荷重で永久歪みを起こしやすいガスケットは、繰り返しの使用に適さない。形状復元性に優れたガスケットが、望まれている。
低周波域から高周波域に至るまでの領域で電磁波が発生する機器では、電気遮蔽性及び磁気遮蔽性の、高次元での両立が望まれている。
本発明の目的は、諸性能に優れた電磁波遮蔽体の提供にある。
本発明に係る中空撚り線は、電磁波遮蔽体に使用される。この中空撚り線は、複数の素線が撚られることで形成される。これらの素線は、電気遮蔽性を有する第一素線と、磁気遮蔽性を有する第二素線とを含む。
好ましくは、第一素線の材質は、銅、銅合金、スズメッキ銅、銅メッキスチール、ニッケル、ニッケル基合金、モネル、アルミニウム又はアルミニウム合金である。好ましくは、第二素線の材質は、純鉄、鉄−コバルト合金、パーマロイ又はフェライト系ステンレススチールである。
好ましくは、それぞれの素線は、平線である。好ましくは、この素線の、厚みに対する幅の比は、1.5以上である。
撚り線が、1つの素線とこの素線に隣接する他の素線との間に、空隙を有してもよい。好ましくは、空隙の幅Gの平均Gavの、撚り線の直径D1に対する比率は、1.0%以上である。
好ましくは、それぞれの素線の型付け率は、90%以上100%以下である。
好ましくは、それぞれの素線の扁平度は、1.005以上1.100以下である。
撚り線の断面が、扁平であってもよい。
他の観点によれば、本発明に係る電磁波遮蔽体は、中空撚り線を有する。この中空撚り線は、複数の素線が撚られることで形成される。これらの素線は、電気遮蔽性を有する第一素線と、磁気遮蔽性を有する第二素線とを含む。
さらに他の観点によれば、本発明に係るガスケットは、中空撚り線を有する。この中空撚り線は、複数の素線が撚られることで形成される。これらの素線は、電気遮蔽性を有する第一素線と、磁気遮蔽性を有する第二素線とを含む。
さらに他の観点によれば、本発明に係る電磁波遮蔽性筐体は、ボディ、蓋及びガスケットを備える。このガスケットは、ボディと蓋との間に形成されたスペースに収容される。このガスケットは、中空撚り線を有する。この中空撚り線は、複数の素線が撚られることで形成される。これらの素線は、電気遮蔽性を有する第一素線と、磁気遮蔽性を有する第二素線とを含む。
本発明に係る電磁波遮蔽体は、中空撚り線を有するので、変形しやすく、かつ形状復元性に優れる。この中空撚り線は、第一素線及び第二素線を有するので、電磁波遮蔽性に優れる。本発明では、複数種類の素線の撚りにより、変形容易性、耐久性及び電磁波遮蔽性の、3つの課題が、同時に解決される。
図1は、本発明の一実施形態に係る中空撚り線の一部が示された正面図である。 図2は、図1の中空撚り線の一部が模式的に示された拡大断面斜視図である。 図3は、図1の中空撚り線が模式的に示された拡大断面図である。 図4は、図1の中空撚り線の素線の一部が示された斜視図である。 図5は、図4の素線が示された拡大右側面図である。 図6は、図1の中空撚り線から形成されたガスケットを有する筐体が示された分解断面図である。 図7は、図6の筐体の一部が示された平面図である。 図8は、図6の筐体の一部が示された拡大断面図である。 図9は、本発明の他の実施形態に係る中空撚り線が模式的に示された断面図である。 図10は、本発明のさらに他の実施形態に係る中空撚り線が模式的に示された断面図である。 図11は、図10の中空撚り線から形成されたガスケットが示された断面斜視図である。 図12は、本発明のさらに他の実施形態に係る中空撚り線が模式的に示された断面図である。 図13は、図12の中空撚り線の素線の一部が示された斜視図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1−3に、中空撚り線2が示されている。この撚り線2は、長尺である。この撚り線2は、複数の素線4を有している。詳細には、この撚り線2は、3本の第一素線4aと、3本の第二素線4bとを有している。各素線4の断面形状は、円である。図3から明らかなように、これらの第一素線4aと第二素線4bとは、交互に配置されている。これら6本の素線4が撚られることで、撚り線2が形成されている。図3の断面の方向は、撚り線2の径方向と一致しており、かつ各素線4の径方向に対して傾斜している。従って、実際の撚り線2では、図3の断面図において、各素線4の断面が非円形を呈する。図3では、模式的に、各素線4の断面が円で画かれている。図3において矢印D1で示されているのは、撚り線2の直径である。一般的な直径D1は、0.1mm以上10mm以下である。
それぞれの素線4は、螺旋状に巻かれている。この実施形態では、図1の左側から右側に向かって反時計回りに、素線4が撚られている。図1において符号αで示されているのは、素線4の撚り角度(絶対値)である。
図4は、図1の撚り線2の素線4の一部が示された斜視図である。図4には、図1に示された状態の撚り線2からほぐされた素線4が示されている。この素線4は、型付けされている。従って、図4に示されるように、素線4は、ほぐされた状態において実質的に螺旋形状を呈している。図4における左右方向は、螺旋の軸方向である。図4において矢印D2で示されているのは、素線4の直径である。一般的な直径D2は、0.05mm以上1.0mm以下である。
図5は、図4の素線4が示された拡大右側面図である。換言すれば、図5では、素線4の螺旋の軸方向から、この素線4が見られている。図5から明らかなように、側面視におけるこの素線4の輪郭形状は、長円である。
長円が曲線のみを有してもよい。長円が、曲線及び直線を有してもよい。長円は、内向きに凸な部分を有さない。さらに、長円は、頂点を有さない。長円の概念には、楕円が含まれる。幾何学的に完全な楕円でない図形であって、楕円に近いものも、長円の概念に含まれる。理想的な長円は、楕円である。
図5では、素線4が台6の上に置かれている。この台6の上面8は、水平である。この台6は硬質材料から形成されており、素線4の質量では変形しない。この台6の上面8の上に置かれた素線4は、自重により転動し、図5に示されるように長軸が水平となる姿勢を呈する。図5において、符号L1で示されているのは長軸の長さ(すなわち長径)であり、符号L2で示されているのは短軸の長さ(すなわち短径)である。短軸は、長軸と直交する。長径L1は、水平方向に沿って測定される。短径L2は、鉛直方向に沿って測定される。
第一素線4aの材質は、電気伝導率が高い金属である。従って第一素線4aは、電気遮蔽性を有する。好ましくは、電気伝導率が1.0・10S/m以上である金属が、第一素線4aに用いられうる。第一素線4aに適した金属として、銅、銅合金、スズメッキ銅、銅メッキスチール、ニッケル、ニッケル基合金、モネル、アルミニウム及びアルミニウム合金が例示される。第一素線4aに、ステンレススチールが用いられてもよい。典型的なステンレススチールは、SUS304である。モネルは、ニッケル及び銅が主成分である合金である。モネルは、鉄、マンガン及び硫黄を含みうる。1つの第一素線4aの材質が、他の第一素線4aの材質と異なってもよい。
第二素線4bの材質は、透磁率μが大きい金属である。従って第二素線4bは、磁気遮蔽性を有する。好ましくは、透磁率μが1.0・10H/m以上である金属が、第二素線4bに用いられうる。第二素線4bに適した金属として、純鉄、鉄−コバルト合金、パーマロイ及びフェライト系ステンレススチールが例示される。パーマロイは、ニッケル及び鉄が主成分である合金である。パーマロイは、銅、モリブデン、クロム、ニオブ及びタンタルを含みうる。パーマロイの概念には、スーパーマロイ、ミューメタル及びハードパーマロイが含まれる。典型的なフェライト系ステンレススチールは、SUS430である。1つの第二素線4bの材質が、他の第二素線4bの材質と異なってもよい。
この撚り線2を材料として、種々の電磁波遮蔽体が製作されうる。電磁波遮蔽体の一例として、ガスケットが挙げられる。図6−8に、ガスケット10を有する筐体12が示されている。
図6に示されるように、この筐体12は、ボディ14、蓋16及びガスケット10を有する。ボディ14は、上縁18を有している。この上縁18に沿うように撚り線2が曲げられて、ガスケット10が形成されている(図7も参照)。ガスケット10は、接着剤等の手段により、ボディ14に取り付けられている。図6では、蓋16がボディ14と分離されて示されている。蓋16が、ヒンジを介してボディ14に固定されてもよい。
図8では、蓋16が閉められている。ガスケット10は、ボディ14と蓋16との間に形成されたスペースに、収容されている。ガスケット10は、蓋16から荷重を受けている。この荷重の方向は、撚り線2の半径方向である。ガスケット10が撚り線2からなるので、このガスケット10は柔軟性を有する。従って、荷重を受けたガスケット10は、容易に圧縮変形する。この変形により、ガスケット10は、ボディ14と蓋16との間のスペースを満たす。
撚り線2からガスケット10が得られているので、このガスケット10は第一素線4a及び第二素線4bを有している。この筐体12に収容された機器が電磁波を発すると、主として第一素線4aが電気遮蔽性に寄与し、主として第二素線4bが磁気遮蔽性に寄与する。しかも、変形したガスケット10がボディ14と蓋16との間のスペースを満たしているので、電磁波の漏洩が抑制される。この筐体12は、電磁波遮蔽性に極めて優れる。
ガスケット10が撚り線2から得られているので、このガスケット10では、永久歪みが生じにくい。ボディ14から蓋16が外されると、ガスケット10は圧縮状態から復元する。さらに蓋16が閉じられたときには、ガスケット10は、再び圧縮変形しうる。このガスケット10は、繰り返しの使用に耐える。このガスケット10は、耐久性に優れる。
図1及び3に示されるように、素線4とこれに近接する素線4とは、部分的に離間しており、かつ部分的に当接している。素線4とこれに近接する素線4との間には、空隙が存在している。この空隙は、撚り線2の変形能及び形状復元性に寄与する。空隙を有する撚り線2は、ガスケット10に適している。
図3において矢印Gで示されているのは、空隙の幅である。幅の平均値Gavの、撚り線2の直径D1に対する比率は、1.0%以上が好ましい。この比率が1.0%以上である撚り線2は、変形能及び形状復元性に優れる。この観点から、この比率は2.0%以上がより好ましく、2.5%以上が特に好ましい。無作為に抽出された100カ所で幅Gが測定され、平均値Gavが算出される。
図5に示された長径L1と短径L2との比(L1/L2)は、本発明では、扁平度と称される。好ましくは、扁平度(L1/L2)は、1.005以上である。扁平度(L1/L2)が1.005以上である撚り線2は、圧縮変形後の形状復元性に優れる。この撚り線2から得られたガスケット10は、耐久性に優れる。この観点から、扁平度(L1/L2)は1.010以上が特に好ましい。撚り線2の製造容易の観点から、扁平度(L1/L2)は1.30以下が好ましく、1.20以下が特に好ましい。
側面視における素線4の輪郭形状が、円であってもよい。輪郭形状が円である素線4の比(L1/L2)は、1.000である。
本発明では、直径D1(図3参照)に対する長径L1の比率は、型付け率と称される。型付け率は、100%以下が好ましい。型付け率が100%以下である撚り線2は、圧縮変形後の形状復元性に優れる。この撚り線2から得られたガスケット10は、耐久性に優れる。この観点から、型付け率は99%以下がより好ましく、98%以下が特に好ましい。撚り線2の製造容易の観点から、型付け率は80%以上が好ましく、85%以上が特に好ましい。
撚り線2の撚り角度α(図1参照)は、5°以上が好ましい。撚り角度αが5°以上である撚り線2は、形状復元性に優れる。この観点から、撚り角度αは8°以上がより好ましく、10°以上が特に好ましい。撚り線2の製造の容易の観点から、撚り角度αは30°以下が好ましく、25°以下がより好ましく、20°以下が特に好ましい。
前述の通り、この撚り線2では、第一素線4aと第二素線4bとが、交互に配置されている。交互ではない配置を、撚り線2が有してもよい。
前述の通り、この撚り線2は、3本の第一素線4aと3本の第二素線4bとを有している。第一素線4aの数と第二素線4bの数とは、同じである。第一素線4aの数と第二素線4bの数とが、異なってもよい。第一素線4aの数は、1本でもよく、2本でもよく、4本以上でもよい。第二素線4bの数は、1本でもよく、2本でもよく、4本以上でもよい。第一素線4aの数Naと、第二素線4bの数Nbとの組み合わせ(Na,Nb)として、(1,5)、(2,4)、(3,3)、(4,2)及び(5,1)が挙げられる。撚り線が、第一素線4a及び第二素線4bと共に、他の素線4を有してもよい。
素線4の総数が、4本でもよい。この場合の第一素線4aの数Naと第二素線4bの数Nbとの組み合わせ(Na,Nb)として、(1,3)、(2,2)及び(3,1)が挙げられる。
素線4の総数が、5本でもよい。この場合の第一素線4aの数Naと第二素線4bの数Nbとの組み合わせ(Na,Nb)として、(1,4)、(2,3)、(3,2)及び(4,1)が挙げられる。
素線4の総数が、7本でもよい。この場合の第一素線4aの数Naと第二素線4bの数Nbとの組み合わせ(Na,Nb)として、(1,6)、(2,5)、(3,4)、(4,3)、(5,2)及び(6,1)が挙げられる。
素線4の総数が、8本でもよい。この場合の第一素線4aの数Naと第二素線4bの数Nbとの組み合わせ(Na,Nb)として、(1,7)、(2,6)、(3,5)、(4,4)、(5,3)、(6,2)及び(7,1)が挙げられる。
撚り線が、9本以上の素線4を有してもよい。
図9は、本発明の他の実施形態に係る中空撚り線20が模式的に示された断面図である。図示されていないが、この撚り線20は、図1−3に示された中空撚り線2と同様、長尺である。図9には、撚り線20の長さ方向に対して垂直な断面が示されている。
この撚り線20は、3本の第一素線22aと、3本の第二素線22bとを有している。図9から明らかなように、これらの第一素線22aと第二素線22bとは、交互に配置されている。これら6本の素線22が撚られることで、撚り線20が形成されている。それぞれの素線22は、図4に示された素線4と同様、螺旋状にくせ付けされている。
第一素線22aの材質は、電気伝導率が高い金属である。従って第一素線22aは、電気遮蔽性を有する。第二素線22bの材質は、透磁率μが大きい金属である。従って第二素線22bは、磁気遮蔽性を有する。この撚り線20は、電磁波遮蔽性に優れる。
3本の内の1本の第一素線22aは、図4に示されたくせのピッチよりも小さなピッチの小くせを有している。従ってこの第一素線22aは、小くせに起因した振動を有する。この振動の領域が、図9において円Caで示されている。この第一素線22aが振動するので、この第一素線22aとこれに隣接する他の素線22との間には、空隙Sが生じている。
3本の内の1本の第二素線22bは、図4に示されたくせのピッチよりも小さなピッチの小くせを有している。従ってこの第二素線22bは、小くせに起因した振動を有する。この振動の領域が、図9において円Cbで示されている。この第二素線22bが振動するので、この第二素線22bとこれに隣接する他の素線22との間には、空隙Sが生じている。
空隙Sを有する撚り線20は、変形能に優れる。この観点から、空隙Sの最大幅は0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上が特に好ましい。空隙Sの最大幅は、0.5mm以下が好ましい。最大幅が0.5mm以下である撚り線20は、圧縮変形後の形状復元性に優れる。この撚り線20から得られたガスケットは、耐久性に優れる。この観点から、最大幅は0.4mm以下が特に好ましい。
第一素線22aと第二素線22bとの数が、異なってもよい。素線22の総数は、4でもよく、5でもよく、7以上でもよい。
図10は、本発明のさらに他の実施形態に係る中空撚り線24が模式的に示された断面図である。図示されていないが、この撚り線24は、図1−3に示された中空撚り線2と同様、長尺である。図10には、撚り線24の長さ方向に対して垂直な断面が示されている。
この撚り線24は、3本の第一素線26aと、3本の第二素線26bとを有している。図10から明らかなように、これらの第一素線26aと第二素線26bとは、交互に配置されている。これら6本の素線26が撚られることで、撚り線24が形成されている。
第一素線26aの材質は、電気伝導率が高い金属である。従って第一素線26aは、電気遮蔽性を有する。第二素線26bの材質は、透磁率μが大きい金属である。従って第二素線26bは、磁気遮蔽性を有する。この撚り線24は、電磁波遮蔽性に優れる。
図10から明らかなように、この撚り線24の断面形状は扁平である。図10において、矢印L3はこの撚り線24の長径を表し、矢印L4はこの撚り線24の短径を表す。この撚り線24は、図1−3に示された撚り線2に塑性加工が施されることで、製作されうる。典型的な塑性加工は、圧延である。
図11は、図10の撚り線24から形成されたガスケット28が示された断面斜視図である。図11では、撚り線24が曲げられている。この曲げにより、撚り線24は、エネルギー的に低位な姿勢をとる。具体的には、撚り線24は、長軸が起立する姿勢をとる。このガスケット28に、長軸方向の圧縮荷重がかかると、撚り線24は十分に変形し、かつ優れた形状復元性を発揮する。この観点から、扁平度(L3/L4)は1.5以上が好ましく、2.0以上が特に好ましい。扁平度(L3/L4)は、5.0以下が好ましい。
第一素線26aと第二素線26bとの数が、異なってもよい。素線26の総数は、4でもよく、5でもよく、7以上でもよい。
図12は、本発明のさらに他の実施形態に係る中空撚り線30が模式的に示された断面図である。図示されていないが、この撚り線30は、図1−3に示された中空撚り線2と同様、長尺である。図12には、撚り線30の長さ方向に対して垂直な断面が示されている。
この撚り線30は、4本の第一素線32aと、4本の第二素線32bとを有している。図12から明らかなように、これらの第一素線32aと第二素線32bとは、交互に配置されている。これら8本の素線32が撚られることで、撚り線30が形成されている。
第一素線32aの材質は、電気伝導率が高い金属である。従って第一素線32aは、電気遮蔽性を有する。第二素線32bの材質は、透磁率μが大きい金属である。従って第二素線32bは、磁気遮蔽性を有する。この撚り線30は、電磁波遮蔽性に優れる。
図13に、素線32の一部が示されている。図13には、撚られる前の状態の素線32が示されている。図13から明らかなように、素線32の断面形状は、長円である。素線32は、内平坦面34、外平坦面36及び一対の湾曲面38を有している。本発明では、内平坦面34及び外平坦面36を有し、かつ幅が厚みよりも大きい素線32は、「平線」と称される。この素線32は、平線である。
平線の厚みは小さいので、この撚り線30から得られたガスケットは、柔軟性を有する。このガスケットが荷重を受けると、容易に圧縮変形する。この観点から、厚みTに対する幅Wの比(W/T)は1.5以上が好ましく、2.0以上が特に好ましい。比(W/T)は、10.0以下が好ましい。
第一素線32aと第二素線32bとの数が、異なってもよい。素線32の総数は、7以下でもよく、9以上でもよい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
その材質がニッケルである材料に伸線加工を施して、直径が0.15mmである芯線を得た。この芯線の引張強さは、800MPaであった。その材質がフェライト系ステンレススチール(SUS430)である材料に伸線加工を施して、直径が0.10mmである第一素線を得た。この第一素線の引張強さは、2000MPaであった。その材質がNi基合金である材料に伸線加工を施して、直径が0.10mmである第二素線を得た。この第二素線の引張強さは、800MPaであった。撚り線機に1本の芯線、3本の第一素線及び3本の第二素線を供給し、ロープを得た。このロープから芯線を抜き取って、図1−4に示された構造を有する中空撚り線を得た。この中空撚り線の外径D1は、0.35mmであった。この中空撚り線の撚りピッチは、5.5mmであった。この中空撚り線では、型付け率は100%であり、扁平度は1.000であった。
[実施例2−10]
型付け率及び扁平度を下記の表1及び2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−10の中空撚り線を得た。
[形状復元性]
長さが50mmである中空撚り線に、上下方向の荷重を負荷し、高さが60%となるまで変形させた。この状態で5分間保持した。荷重を除去した後の復元の程度を、測定した。この結果が、指数として、下記の表1及び2に示されている。
[製造容易性]
中空撚り線の製造容易性を、下記の基準に従って格付けした。
A:極めて容易
B:容易
C:困難を伴う
この結果が、下記の表1及び2に示されている。
Figure 2021027153
Figure 2021027153
表1から、100%以下の型付け率が好ましいことが分かる。表2から、1.005以上の扁平度が好ましいことが分かる。
本発明に係る中空撚り線は、圧縮荷重下で使用される種々の電磁波遮蔽体に、適している。
2、20、24、30・・・中空撚り線
4、22、26、32・・・素線
4a、22a、26a、32a・・・第一素線
4b、22b、26b、32b・・・第二素線
10、28・・・ガスケット
12・・・筐体
14・・・ボディ
16・・・蓋
18・・・上縁

Claims (12)

  1. 複数の素線が撚られることで形成されており、
    上記素線が、電気遮蔽性を有する第一素線と、磁気遮蔽性を有する第二素線とを含む、電磁波遮蔽体のための中空撚り線。
  2. 上記第一素線の材質が銅、銅合金、スズメッキ銅、銅メッキスチール、ニッケル、ニッケル基合金、モネル、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、上記第二素線の材質が純鉄、鉄−コバルト合金、パーマロイ又はフェライト系ステンレススチールである請求項1に記載の撚り線。
  3. それぞれの素線が平線である請求項1又は2に記載の撚り線。
  4. 上記素線の、厚みに対する幅の比が、1.5以上である請求項3に記載の撚り線。
  5. 1つの素線とこの素線に隣接する他の素線との間に空隙を有する請求項1から4のいずれかに記載の撚り線。
  6. 上記空隙の幅Gの平均Gavの、上記撚り線の直径D1に対する比率が、1.0%以上である請求項5に記載の撚り線。
  7. それぞれの素線の型付け率が90%以上100%以下である請求項1から6のいずれかに記載の撚り線。
  8. それぞれの素線の扁平度が、1.005以上1.100以下である請求項1から7のいずれかに記載の撚り線。
  9. その断面が扁平である請求項1から6のいずれかに記載の撚り線。
  10. 中空撚り線を備えており、
    上記中空撚り線が、複数の素線が撚られることで形成されており、
    上記素線が、電気遮蔽性を有する第一素線と、磁気遮蔽性を有する第二素線とを含む、電磁波遮蔽体。
  11. 中空撚り線を備えており、
    上記中空撚り線が、複数の素線が撚られることで形成されており、
    上記素線が、電気遮蔽性を有する第一素線と、磁気遮蔽性を有する第二素線とを含む、ガスケット。
  12. ボディ、蓋及びガスケットを備えており、
    上記ガスケットが、上記ボディと上記蓋との間に形成されたスペースに収容されており、
    上記ガスケットが中空撚り線を有しており、
    上記中空撚り線が、複数の素線が撚られることで形成されており、
    上記素線が、電気遮蔽性を有する第一素線と、磁気遮蔽性を有する第二素線とを含む、電磁波遮蔽性筐体。
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