JP2021027112A - 非接触給電用コイル - Google Patents

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Abstract

【課題】極薄の平板状スパイラルコイルを使いしかも表皮効果や近接効果による電力ロスの少ない非接触給電用コイルを提供する。【解決手段】非接触給電用コイル1には、磁気シールド4上に絶縁状態を保持しながらスパイラル状に巻回された平板状のコイル21、22が設けられる。コイルの任意の巻線のコイル導体とこれと隣接する巻線のコイル導体との間隙に、磁気シールド4と反対の側にコイル21より突出して磁性体壁311a、312、313aが設けられる。磁性体壁には、コイルの内周部の任意の巻線のコイルにおいては外周側に、コイルの外周部の任意の巻線のコイルにおいては内周側に、それぞれ磁性キャップ311b、313bが設けらる。【選択図】図3

Description

本開示は、受電もしくは送電、あるいは受電と送電の両方において、非接触で高効率に電力を伝送でき、しかも薄型に実現できる非接触給電用コイルに関する。
近年、電気自動車やハイブリッド型自動車などの車両のバッテリーの充電に対して、電磁誘導方式のワイヤレス給電装置の使用が検討されている。ワイヤレス給電装置では、送電用のコイルに高周波の交流電流(概ね数10kHz〜200kHz)を通電し、そのとき発生する高周波磁界を受電用のコイルが受け取ることにより、非接触で電力伝送が実行される。
一般的な伝送コイルユニットにおいて、コイルに通電した際、コイル断面を囲むように磁束が発生する。また磁束は、磁気シールドの透磁率が高いため、磁気シールドの表面から垂直に流れるよう分布する。またコイルは複数の導体(コイル導体)が巻回されており、コイル導体どうしが互いに近接している。このため、コイルには、自身を流れる電流による表皮効果と近接するコイル導体に生じる渦電流による近接効果の両方が存在する。そこでこのような大型で大電力のワイヤレス給電装置には従来、リッツ線が使われてきた(特許文献1)。
一方、スマートフォン等を対象としたワイヤレス給電装置、特に国際標準規格であるQi規格(非特許文献1)では、装置全体の徹底した薄型化の要求に応えるため、リッツ線に代えてスパイラル状(らせん状)の平角形状(長方形状)導線を用いたコイルを用いることが検討されている。しかし、平角形状導線は、断面形状が長方形であることから、表皮効果が顕著に現れる。
そこで、フェライト等からなる磁気シールドをコイル近傍に配置する方法(特許文献2)や、磁束線が集中するエッジ部を磁性キャップで覆う方法(特許文献3)が提案されてきた。
特開2016−219252号公報 特開2013−201296号公報 特開2014−163828号公報
Wireless Power Consortium,Introduction to the Power Class 0 Specification version 1.2.3 February 2017, p.4
しかしながら、ワイヤレス伝送の場合、コイルの片側しか磁気シールドを用いることができず、磁気シールドが無い側の表皮効果を十分に低減することはできなかった。また、単に磁性キャップを設けただけでは、導線をスパイラル状に巻いてコイルとしたとき、隣接導線が発する磁界の影響を除去しきれないといった課題があった。
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、平板状スパイラルコイル特有の表皮効果や近接効果による高周波損失(銅損)を低減することで交流抵抗の増大を抑制する、低コストで製造可能でしかも高効率な、非接触給電用コイルを提供することを目的とする。
本開示の非接触給電用コイルは、磁気シールド上に絶縁状態を保持しながらスパイラル状に巻回された平板状のコイルが設けられた非接触給電用コイルであって、前記コイルの任意の巻線のコイル導体とこれと隣接する巻線のコイル導体との間隙に、前記磁気シールドと反対の側に前記コイルより突出して磁性体壁が設けられ、前記磁性体壁には、前記コイルの内周部の任意の巻線のコイルにおいては外周側に、前記コイルの外周部の任意の巻線のコイルにおいては内周側に、それぞれ磁性キャップが設けられたものである。
前記非接触給電用コイルは受電もしくは送電、あるいは受電と送電に用いられてもよい。
前記コイルは、絶縁層を挟んで貼り合わされ、それぞれ同方向に同一ピッチで巻回された第1のコイルと第2のコイルで構成され、前記第2のコイルと前記磁気シールドと前記絶縁層で囲まれた空間には磁性体が充填されていてもよい。
前記コイルの線幅とピッチはそれぞれ均一であってもよい。
前記コイルの最外周のコイル導体の外側と前記コイルの最内周のコイル導体の内側に、それぞれ磁性体壁と磁性キャップが設けられていてもよい。
前記コイルの最内周のコイル導体の内側にはさらに磁性体が充填されていてもよい。
前記コイル内周部の磁性キャップの幅は前記コイル外周部の磁性キャップの幅よりも広くてもよい。
前記コイルの巻き数をN(N>8)として、最内周から外側に1〜7N/10巻きまでの領域を前記内周部とし、最外周から内側に1〜3N/10巻きまでの領域を前記外周部としてもよい。
本開示の一態様によれば、平板状コイルの表面および側面に集中していた磁束線をその周辺に設けられた磁性体(磁性体壁、磁性キャップ)に誘導してコイル導体を貫通する磁束線の数を減らすことができる。これによりコイル導体内の渦電流を抑えてコイルの交流抵抗(銅損)を低減することが可能となり、伝送効率と薄型化の両立を図ることができる。
本開示の実施の形態の非接触給電用コイルの断面図である。 本開示の実施の形態における非接触給電用コイルの部品図である。 本開示の実施の形態の非接触給電用コイルの部分断面図である。 一般的な非接触給電用コイル周辺の磁束の様子を示した概念図である。 非接触給電用コイルの比較例の上面図と断面図である。 本開示の実施例1の非接触給電用コイルの上面図と断面図である。 本開示の実施例1の磁性キャップ効果の計算用のモデルである。 本開示の実施例1の磁性キャップ効果を示すグラフである。 本開示の実施例1の磁性キャップの幅の最適化計算用のモデルである。 本開示の実施例1の磁性キャップの幅の最適条件を示すグラフである。 本開示の実施例1と比較例における磁束線を示す説明図である。 本開示の実施例2における送電コイルの上面図と断面図である。 本開示の実施例3の周波数特性を示すグラフである。 本開示の実施例3の高周波領域における効果を示すグラフである。
以下、本開示の一態様に係る実施の形態について図面を参照して詳細に説明する本実施の形態では受電用に用いた場合の非接触給電用コイルについて説明する。
図1は本実施の形態の非接触給電用コイル1の断面図である。図1において4は磁気シールドであり、フェライト等の磁性体により構成されている。21および22は(第1および第2の)コイルであり、銅またはアルミ等のコイル導体をスパイラル状にしかも平板状に形成したものである。
図2(a)、(b)にそれぞれ層状に貼り合わされる前の(第1の)コイル21および(第2の)コイル22の外観図を示す。それぞれのコイルの線幅は均一でそれぞれ同方向に同一ピッチで巻回するよう形成されている。各コイルの製造方法としては、一枚の金属版をプレスやエッチングなどの方法でスパイラル状に切り取るものでもよいし、鋳造するものでもよい。また帯状の導体を平面上で巻いて作成するものであってもよい。磁気シールド4とコイル22は絶縁性を保ちながら接している。例えば、両者間に非磁性の絶縁材(樹脂、セラミック、等)を挟む構成であってもよい(図示せず)。磁気シールド4そのものに絶縁性があってもよい。
コイル21とコイル22は絶縁層5を挟んで互いに貼り合わされている。また各コイルはスルーホール(ビア)で直列に接続されている。例えば、電流はコイル21の任意の巻回を1周した後スルーホールを通って、直上にあるコイル22の巻回に至り、そこで1周してから、スルーホールを通ってコイル21における隣の巻回に至る。なお、絶縁層5としてポリイミド薄膜を用いてもよい。以降、本実施の形態において巻回というときは、コイル21の巻回とこれと絶縁層4を挟んで貼り合わされたコイル22の巻回を含めていうことがある。
本実施の形態において、コイル21、22のピッチおよびそれぞれのコイル導体の幅は全周に渡って均一であるとする。また、コイルにおける内周部とはコイル21または22の巻き数をN(N>8)として最内周から外側に1〜7N/10巻きまでの領域を表し、外周部とは最外から内側に1〜3N/10巻きまでの領域を表す。
さらに本実施の形態の特徴的部分を図3に示す。図3において、コイル21の任意の巻線のコイル導体211もしくは212と各々に隣接する巻線のコイル導体との間隙に、磁性体壁311a、312、313aが設けられている。これらの磁性体壁は磁気シールド4と反対の側に、コイル21の上面より突出して設けられている。さらに、コイル21の内周部に位置するコイル導体211とその内周側に隣接するコイル導体の間の磁性体壁311aの外周側には磁性キャップ311bが設けられている。一方、コイル21の外周部に位置するコイル導体212とその外周側に隣接するコイル導体の間の磁性体壁313aの内周側には磁性キャップ313bが設けられている。磁性キャップ311b(内周部)の幅は磁性キャップ313b(外周部)よりも広い方が望ましい。これについては実施例1で詳細に説明する。
なお、本実施の形態において、「壁」や「キャップ」といった表現を用いているが、磁性体壁も磁性キャップもその全体の外観はコイル21と同様、スパイラル形状を成すことは言うまでもない。また、磁性体壁311aと磁性キャップ311bは一体成型されたものであってもよい。例えば、コイル21の表面を部分的にマスキングして、隙間に磁性コンポジット材料を流し込んで固めたものであってもよい。
また、コイル22は磁気シールド4と絶縁層5に挟まれているが、これらで囲まれた空間には磁性体321、322、323が充填されている。また、本実施の形態においては、コイル21、22の最外周の巻線の外側とコイル21、22の最内周の巻線の内側にも、それぞれ磁性キャップ付きの磁性体壁30、31が設けられている。さらに、最内周部の磁性体壁30はコイル中心部を含む最内周領域全部に充填されている。
以上のように非接触給電用コイル1を構成することにより、効率的に銅損を低減させるべく磁束線の通る経路を制御することができる。一般に、背面に磁気シールドを有したコイルユニットにおいては、磁気シールドと反対側の磁束線は、コイル内周から外周にかけて円弧状に発生する。すなわち図4に示されるように、磁気シールド(Ferrite)内を通りつつ、内周では上向きに、中周では水平(コイルと平行)に、外周では下向きに、磁束線が発生する。このように磁束線がコイルの内周部と外周部でコイル導体と交差すると、導体内部で渦電流が発生し、この渦電流が交流抵抗の増加を招く。
そこで本実施の形態においては、コイル導体に図1で示されるような磁性体壁と磁性キャップを設けている。この構成により、従来、コイル導体211、212の中を通過していた磁束線の一部がこれらの磁性体群の中(すなわちコイル導体の外)にバイパスされるため、コイル導体と鎖交する磁束線はその分だけ低減される。ここで、磁性体壁311a、312、313a、および磁性キャップ311b、313b、および空隙を埋める磁性体321、322、323は絶縁体である樹脂等のバインダの中に磁性紛が練り込まれたコンポジット磁性材であってもよい。また、磁性紛はアモルファス粉末であってもよい。
なお、本実施の形態では受電に用いる場合の非接触給電用コイル1について説明したが、同様の構成のコイルを送電用に用いてもよい。また、受電用のコイルと送電用のコイルの両者を用いたコイルユニットとして用いてもよい。
上記の実施の形態における非接触給電用コイルの具体的な構成例および解析の結果について、以下の実施例において説明する。
まず、比較例として、一般的な構造を有するQi規格(受電用)の非接触給電用コイルの上面図と断面図を図5に示す。図5において、それぞれ(N=)10巻回の2枚のコイル(Cu)が絶縁状態を保持しながら、磁気シールド(Back yoke)の上に設けられている。コイルの外径(outer diameter)は44.6mmであり、磁気シールドは外径54mmの円形形状を成す。また、コイル導体(Cu)の断面形状は、長辺(Pattern width)0.8mm、短辺(Coil thickness)0.035mmの長方形状である。コイルピッチは1.0mmである。2枚のコイルの間隔(絶縁層)は0.025mmである。表1に比較例の詳細な形状パラメータを示す。

表2に周波数100kHzにおける交流コイル抵抗R、直流コイル抵抗RDC、自己インダクタンスL、およびQ値の実測値によるインピーダンス特性を示す。測定にはインピーダンスアナライザ(KEYSIGHT E4990A)を用いた。なお、Q値は式(1)の計算式より求めた。


(実施例1)
本実施例における非接触給電用コイルの具体的な構成を図6に示す。本実施例におけるコイルは最内周部とコイル導体間に磁性材料を塗布し、またコイル導体上面にも磁性材料を設け、磁性体壁構造としている。内周部の7回巻のコイル導体の間隙に設けられた磁性体壁には外周方向に0.3mmの、外周部の3回巻のコイル導体の間隙に設けられた磁性体壁には内周方向に0.2mmの磁性キャップが設けられている。磁性キャップの厚みは0.065mmとした。さらに、磁性体の複素比透磁率は、μ’=10.31、μ”=0.082であるとした。
表3に解析条件の詳細を示す。解析ツールとしてANSYS Maxwellを使用し、二次元円筒座標系による解析を行った。周波数は100−200kHzとし、I= 1A(アンペア)maxの交流電流を流した。

また、コイル導体上面の磁性キャップについて最適化の検討を行った。磁性体壁のみを設けた塗布構造の初期モデルを図7の上図に示す。この初期モデルに対し、磁性キャップを磁性体壁の外周側に設けた場合と、内周側に設けた場合とを比較した。具体的には、図7の下図のように、コイル中心から各コイル導体に対し幅0.1mm磁性キャップを1つずつ、1−a(外)、1−b(内)・・10−b(内)と順次設け、交流抵抗(R)の計算を都度行った。その結果を図8に示す。
図8において、点線で示したのは図7の上図で示した磁性キャップを付けない場合(Initial application structure)の交流抵抗を表す。まず、1−a、2−a、3−a、4−a、5−a、6−a、7−aの位置(内周部コイル導体磁性体壁の外周側)に磁性キャップを設けたとき、それぞれ抵抗値が低下した。内周側ほど、より効果が大きい。しかし、最外周に近づくとその効果は逆転する。すなわち、8−b、9−b、10−bの位置(外周部コイル導体磁性体壁の内周側)に磁性キャップを設けたときの方が抵抗値は低くなる。
さらに本実施例では、交流抵抗の最小化を図るべく、キャップ幅についての検討を行った。具体的には、図9に示したように、コイル内周部の磁性キャップの幅をw1、コイル外周部の磁性キャップの幅をw2とし、それぞれ0−0.8mmの範囲で0.1mmずつ変化させた際のパラメトリック解析を行った。その結果を図10に示す。同図より明らかなように、w1=0.3mm、w2=0.2mmのとき、最も交流抵抗が低くなる。
以上のように決定された形状および寸法のコイルについて、さらにEFM解析を行った。結果について、以下説明する。表4に周波数f=100kHzにおけるコイルの(交流)抵抗R,直流抵抗RDC,自己インダクタンスL、Q値を、それぞれ比較例の実測値及び計算値と比較して示した。

表4の計算値(Calculated)において、従来の受電用コイルの交流抵抗が372.5mΩであったのに対し、図6で示された本実施例のコイル(MMA(Magnetic Material Applied) coil)は342.5mΩと、8.0%の交流抵抗低減効果があった。ここで本実施例のコイルの直流抵抗は336.5mΩであるため、これを差し引いて考えれば、表皮効果と近接効果の影響が如何に著しく低減されたかがわかる。自己インダクタンス(L)についても、従来の受電コイルが8.14μHであったのに対し、本実施例のコイルは8.46μHと3.9%増加している。同様にコイルのQ値も13.71に対し15.51と13.1%増加している。
図11(a)に比較例の、また同図(b)に本実施例の(MMA)コイルの、それぞれ電流密度分布J、磁束分布Aの解析結果を示した。比較例では、コイル導体に磁束が鎖交する様子が確認される(図11(a))。そのため、導体内での電流密度の偏りが生じる。これに対して同図(b)では、磁束が塗布した磁性材料に誘導され、導体内での電流密度の偏りが低減されている様子が確認される。
(実施例2)
本実施例では送受電時の伝送効率についての実験およびシミュレーションならびにこれらの結果について説明する。Qi規格では電磁誘導方式が採用されているため、実際には単純に伝送効率を計算することができない。よって本実施例では磁界共振方式におけるSP方式での伝送効率の計算を行った。ここで、コイル間の伝送効率ηcはコイルのQ値と結合係数kとの積によって表される。コイルのQ値と結合係数kとの積を性能指標Uとしてコイル間の伝送効率は以下の表すことができる。

ここで、Qtr:送電コイルのQ値、Qre:受電コイルのQ値、U:性能指標、η:伝送効率(%)とする。
伝送効率の計算を行うために、解析モデルにデザインA10の送電コイル(Transmitting coil A10)を用いた。表5に当コイルの仕様を、図12に解析モデルを示した。

当送電コイルには撚り線が使用されているが、解析モデルでは単線を用いた。導体内での電流密度の偏りがなく、導体断面積が等しくなるように設定を行った。また評価用サンプルを周波数100kHzにおいて同インピーダンスアナライザを用いて測定した。実測値とFEM解析による計算値を表6に示した。

抵抗値Rの実測値が92.2mΩであったのに対し、計算値が68.2mΩと、24mΩの差異がみられる。これは解析モデルでは導体内での電流密度の偏りを考慮しないとしたことが原因であると考えられる。また抵抗値の低減に伴い、コイルのQ値が51.58も高い計算結果が得られた。
図12の送電コイルA10ならびに一般的な(従来の)受電用コイルおよび実施例1のコイル(MMA)に対し、それぞれ伝送距離を10mmとし、周波数100kHzにおける伝送効率のFEM解析を行った。その結果を、結合係数k、性能指標U、伝送効率ηcと併せて表7に示した。

比較例に対し、実施例1の(MMA)コイルは結合係数が僅かながら低下した。これは,磁性材料を塗布したことで磁束の分布が変化したためと考えられる。ただし、コイルとしてQ値が13.1%増加しているため、性能指標Uが5.4%増加し、結果として伝送効率が0.37%増加した。このことから、磁性材料を塗布した場合、コイルとしての性能が向上一方で結合係数の減少は0.9%にとどまり、全体として、伝送効率は向上することになる。
(実施例3)
本実施例では、高周波化による伝送効率向上を検討する。実施例2の伝送効率は周波数が100kHzのときの値である。Qi規格では駆動周波数が87−205kHzであり、交流抵抗は高周波になるにつれ増加するため、高周波領域において、より本実施の形態の有効性が得られると考えられる。図13(a)−(c)に比較例と実施例1の(MMA)コイルに対して、周波数100kHzから200kHzまで10kHzごと変化させた際の抵抗値R、自己インダクタンスL、Q値の、それぞれ計算結果のグラフを示した。
比較例では高周波になるにつれ抵抗値Rが大きく増加する。対して実施例1のコイルは高周波化しても交流抵抗は低いままなので、周波数を200kHzまで高めても100kHzのときと比較して10mΩ程度しか変わらない。自己インダクタンスLについては両コイルとも高周波化した際もほとんど変わらないので、結果としてQ値は増加する。
図14に周波数を100kHz、200kHzとしたときの両コイルの伝送効率を示した。周波数が100kHzの際の伝送効率より200kHzの際の伝送効率がより高くなった。これは前述したとおり、高周波化した結果コイルのQ値が増加したことによるものである。
本発明は非接触給電方式のスマートフォン、パソコン、タブレット、その他小型の電子デバイスに利用することができる。
1 非接触給電用コイル
21、22 コイル
211、212、221、222 コイル導体
311a、312、313a 磁性体壁
311b、313b 磁性キャップ
321、322、323、30、31 磁性体
4 磁気シールド
5 絶縁層

Claims (8)

  1. 磁気シールド上に絶縁状態を保持しながらスパイラル状に巻回された平板状のコイルが設けられた非接触給電用コイルであって、
    前記コイルの任意の巻線のコイル導体とこれと隣接する巻線のコイル導体との間隙に、前記磁気シールドと反対の側に前記コイルより突出して磁性体壁が設けられ、
    前記磁性体壁には、前記コイルの内周部の任意の巻線のコイルにおいては外周側に、前記コイルの外周部の任意の巻線のコイルにおいては内周側に、それぞれ磁性キャップが設けられた非接触給電用コイル。
  2. 受電もしくは送電、あるいは受電と送電に用いられることを特徴とする請求項1に記載の非接触給電用コイル。
  3. 前記コイルは、絶縁層を挟んで貼り合わされ、それぞれ同方向に同一ピッチで巻回された第1のコイルと第2のコイルで構成され、前記第2のコイルと前記磁気シールドと前記絶縁層で囲まれた空間には磁性体が充填されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の非接触給電用コイル。
  4. 前記コイルの線幅とピッチはそれぞれ均一であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の非接触給電用コイル。
  5. 前記コイルの最外周のコイル導体の外側と前記コイルの最内周のコイル導体の内側に、それぞれ磁性体壁と磁性キャップが設けられていることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の非接触給電用コイル。
  6. 前記コイルの最内周のコイル導体の内側にはさらに磁性体が充填されていることを特徴とする、請求項5に記載の非接触給電用コイル。
  7. 前記コイル内周部の磁性キャップの幅は前記コイル外周部の磁性キャップの幅よりも広いことを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の非接触給電用コイル。
  8. 前記コイルの巻き数をN(N>8)として、最内周から外側に1〜7N/10巻きまでの領域を前記内周部とし、最外周から内側に1〜3N/10巻きまでの領域を前記外周部とする、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の非接触給電用コイル。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024053620A1 (ja) * 2022-09-05 2024-03-14 大日本印刷株式会社 コイル部品及びその製造方法、送電装置、受電装置、電力伝送システム、並びに移動体

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