JP2021026856A - 燃料電池の暖機システム - Google Patents
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Abstract
【課題】より小型、より省電力な熱源で燃料電池を効率的に暖機可能な燃料電池の暖機システムを提案する。【解決手段】燃料電池3の暖機システム1は、酸化剤ガスと燃料ガスとを反応させて発電する燃料電池3と、燃料電池3へ酸化剤ガスとしての空気を供給する圧縮機23と、燃料電池3へ供給される空気の供給量を変化させる弁体21を有する弁22と、弁体21に設けられて燃料電池3へ供給される空気を加熱可能な熱源27と、燃料電池3の発電量を制御する制御部11と、を備え、制御部11は、燃料電池3の暖機条件が成立している場合には、熱源27を加熱し、かつ弁の開度を絞る。【選択図】 図1
Description
本発明は、燃料電池の暖機システムに関する。
燃料電池スタックに熱交換器を取り付け、エアーコンプレッサーで空気を断熱圧縮して昇温し、昇温された空気を熱交換器に供給して燃料電池スタックを暖機する燃料電池システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
周囲温度が零下に達するような環境下では、空気の断熱圧縮による温度上昇では、燃料電池の暖機および燃料電池内で凍結した水分の解凍が不十分になる虞がある。
一方、燃料電池にヒーターを取り付け、ヒーターを発熱させることで燃料電池を暖機する燃料電池システムが知られている。
しかしながら、燃料電池にヒーターを取り付ける、従来の燃料電池システムでは、燃料電池を効率的に温めるために、相応のサイズのヒーターと、相応の消費電力を有する。
そこで、本発明は、より小型、より省電力な熱源で燃料電池を効率的に暖機可能な燃料電池の暖機システムを提案することを目的とする。
前記の課題を解決するため本発明に係る燃料電池の暖機システムは、
本発明によれば、より小型、より省電力なヒーターで燃料電池を効率的に暖機可能な燃料電池の暖機システムを提供できる。
本発明に係る燃料電池の暖機システムの実施形態について図1から図5を参照して説明する。なお、複数の図面中、同一または相当する構成には同一の符号を付す。
図1は、本発明の実施形態に係る暖機システムが適用される燃料電池システムの構成図である。
本実施形態に係る燃料電池の暖機システム1は、燃料電池システム2を暖機運転して燃料電池3を暖機する。
先ず、本実施形態に係る燃料電池システム2は、酸化剤ガスと燃料ガスとを反応させて発電する燃料電池3と、燃料電池3へ酸化剤ガスとしての空気を供給する空気供給通路5と、燃料電池3から発電反応に使用された空気を排出する空気排出通路6と、燃料ガスとしての水素を貯蔵する貯槽7と、貯槽7から燃料電池3に水素を供給する水素供給通路8と、燃料電池3から排出された水素を水素供給通路8に送り込んで再び燃料電池3に供給する水素循環通路9と、燃料電池システム2の運転を制御する制御部11と、を備えている。
燃料電池システム2は、燃料電池3で発電した電力を負荷101へ供給する。例えば、燃料電池システム2が車両に搭載される場合には、負荷101は、駆動輪を駆動させるモーター102を含む。モーター102は、インバーター103を介して燃料電池3に接続される。この車両が、燃料電池システム2に並列に接続される電池105を備えている場合には、負荷101が要求する電力は、燃料電池システム2と電池105とで分担される。このような車両では、制御部11は、燃料電池システム2と電池105との出力配分を演算できることが好ましい。また、電池105は、蓄電池、例えばリチウムイオン電池である。
燃料電池3は、積層された多数の燃料電池セルを備えている。そのため、燃料電池3は、燃料電池スタックとも呼ばれる。燃料電池3は、燃料電池セルを最小単位とし、この燃料電池セルを数十から数百積層した燃料電池スタックとして使用される。
燃料電池3は、積層された複数の燃料電池セルと、積層された燃料電池セルを両方の外側から挟む一対のエンドプレートと、一対のエンドプレートを燃料電池セルの積層体に固定する締結部材と、を備えている。
それぞれの燃料電池セルは、燃料極(負極)、固体高分子膜(電解質)、空気極(正極)を一体化した膜電極接合体((Membrane Electrode Assembly、MEA)と、膜電極接合体を表裏から挟む一対のセパレーターと、を備えている。セパレーターは、反応ガスの供給路を有している。
それぞれの燃料電池セルには、反応ガスとして酸化剤ガスと燃料ガスとが供給される。これら、酸化剤ガスと燃料ガスとが膜電極接合体を挟んで反応してそれぞれの燃料電池セルに電圧が生じる。それぞれの燃料電池セルに生じた電圧の総和が燃料電池3の出力電圧である。
空気供給通路5には、燃料電池3へ供給される空気の供給量を変化させる弁体21を有する弁22と、燃料電池3へ酸化剤ガスとしての空気を供給する圧縮機23と、圧縮機23で圧縮されて高温になった空気を冷却するインタークーラー25と、インタークーラー25の上流で空気供給通路5から分岐しインタークーラー25の下流で空気供給通路5に合流するバイパス回路26と、弁体21に設けられて燃料電池3へ供給される空気を加熱可能な熱源27と、が設けられている。
弁22、圧縮機23、インタークーラー25は、空気供給通路5の上流側から下流側へ順番に並んでいる。
弁22は、例えばバタフライバルブである。弁22の開度の変化は、圧縮機23に吸い込まれる空気の流量を変化させる。弁22が全閉状態の場合には、圧縮機23への空気の流入が阻害される。弁22が全開状態の場合には、圧縮機23に流れ込む空気の流量は最大化する。弁22の開度が全開状態よりも小さく、全閉よりも大きい場合には、圧縮機23に流れ込む空気の流量は絞られる。
圧縮機23は、吸い込んだ空気を圧縮して空気供給通路5に送り込む。圧縮機23はターボ形である。
インタークーラー25は、圧縮機23によって圧縮された空気の温度が燃料電池3に供給するには高温すぎる場合には、圧縮機23によって圧縮された空気を冷却する。
バイパス回路26は、圧縮機23から吐出されて燃料電池3へ向かう空気のうち、インタークーラー25を通過する空気の分配量と、インタークーラー25を通過せずに迂回する空気の分配量と、を変化させる。そうすることで、バイパス回路26は、燃料電池3に供給される空気の温度を、燃料電池セルの発電反応が効率的に起きる適正な温度範囲に入るよう調整する。バイパス回路26は、バイパス回路26を通過してインタークーラー25を迂回する空気の分配量を変化させ、その結果、インタークーラー25を通過する空気の分配量を変化させる迂回量調整弁28を備えている。
熱源27は、例えば電気ヒーターや、シーズヒーターである。熱源27は、弁22を閉じた状態で弁22の上流側を臨む弁体21の面21a(これを、「上流面21a」と呼ぶ。)に設けられている。つまり、弁22を開くと、弁22内の流路を流れる空気は、弁体21の上流面21aに接して加熱される。弁22の開度が小さく、全閉状態に近づくほど、弁22内の空気流に対する弁体21の迎え角は大きい。そのため、弁22内を流れる空気は、弁22の圧力損失によって弁22を通り抜けにくくなり、かつ迎え角の大きく、熱源27によって加熱された弁体21によって、暖められる。弁22の開度が大きくなり全開状態に近づくほど、弁22内の空気流に対する弁体21の迎え角が小さくなる。そうすると、弁22内を流れる空気は、弁22を通り抜け易くなり、かつ迎え角が小さい弁体21による熱的な影響が弱められる。弁体21自体が熱源27であっても良い。
空気排出通路6には、調圧バルブ31が設けられている。調圧バルブ31は、燃料電池3の排気側の圧力損失を変化させて燃料電池3に流れる空気の流量を変化させることができる。
水素供給通路8には、貯槽7に貯留されている水素ガスの圧力を燃料電池3の燃料ガスとして適合する圧力に降圧させる調圧弁(図示省略)が設けられている。貯槽7に貯留されている水素ガスは、調圧弁によって降圧されて燃料電池3へ供給される。
水素循環通路9は、水素供給通路8の調圧弁よりも下流側で水素供給通路8に合流する。水素循環通路9には、逆止弁付の水素循環ポンプ35が設けられている。水素循環ポンプ35を運転することで、燃料電池3から排出された水素が水素供給通路8に送り込まれ、再び燃料電池3に供給される。
空気供給通路5から燃料電池3に供給された空気は、積層された複数の燃料電池セルのそれぞれが有するカソード側の供給路に分配される。分配された空気は、それぞれの膜電極接合体のカソード側の面内を伝って流れた後、空気排出通路6へ排出される。
水素供給通路8から燃料電池3に供給された水素は、積層された複数の燃料電池セルのそれぞれが有するアノード側の供給路に分配される。分配された水素は、それぞれの膜電極接合体のアノード側の面内を伝って流れた後、水素循環通路9へ排出される。
制御部11は、いわゆるECM(Engine Control Module)である。制御部11は、信号線41を介して燃料電池3、弁22、圧縮機23、迂回量調整弁28、調圧バルブ31、および水素循環ポンプ35に接続されている。制御部11は、これら燃料電池3、弁22、圧縮機23、迂回量調整弁28、調圧バルブ31、および水素循環ポンプ35の運転を制御し、または運転の指令を下す。制御部11は、負荷101の運転制御を含んでいても良い。
制御部11は、例えば中央処理装置(Central Processing Unit、CPU、図示省略)、中央処理装置で実行(処理)される各種演算プログラム、パラメータなどを記憶する補助記憶装置(例えば、Read Only Memory、ROM、図示省略)、プログラムの作業領域が動的に確保される主記憶装置(例えば、Random Access Memory、RAM、図示省略)を備えている。
燃料電池システム2は、酸化剤ガスである空気の吸気および排気と、燃料ガスである水素の受け入れ、供給、および循環と、燃料電池3、弁22、圧縮機23、迂回量調整弁28、調圧バルブ31、および水素循環ポンプ35の運転制御に要する種々のセンサーを備えている。制御部11は、これら種々のセンサーから取得する情報に基づいて燃料電池システム2の運転を制御し、負荷101へ電力を供給する。
これら種々のセンサーは、例えば、圧縮機23が吐出す空気の流量を検出する吐出流量センサー42、圧縮機23の回転数を検出する回転数センサー43、圧縮機23の吸込側の圧力を検出する第一圧力センサー45、および圧縮機23の吐出側の圧力を検出する第二圧力センサー46、を含んでいる。
また、制御部11は、燃料電池3の暖機条件が成立している場合には、燃料電池システム2を暖機運転させる暖機運転制御機能51を有している。暖機運転制御機能51は、演算プログラムである。
さらに、制御部11は、圧縮機23の吐出流量と、圧縮機23の吸込側圧力と吐出側圧力との圧力比と、の関係で表現されるマップ、いわゆるコンプレッサーマップを記憶する記憶部52を備えている。
ここで先ず、制御部11の記憶部52に記憶されるコンプレッサーマップについて説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る燃料電池システムにおける圧縮機のコンプレッサーマップである。
図2に示すように、本発明の実施の形態に係る燃料電池システム2における圧縮機23のコンプレッサーマップMは、圧縮機23の吐出流量Q(以下、単に「吐出流量Q」と言う。)と、圧縮機23の吸込側圧力と吐出側圧力との圧力比R(以下、単に「圧力比R」と言う。)と、の関係で表現される。コンプレッサーマップMは、横軸を吐出流量Qとし、縦軸を圧力比Rとする、直交する2つの軸を有するグラフで視覚的に表現することができる。
そして、コンプレッサーマップMは、圧縮機23にサージングが発生する領域A1とサージングが発生しない領域A2とを分けるサージ限界線αを有している。
サージングの発生する吐出流量Qは、圧縮機23の回転数Nに応じて変化する。圧縮機23をある回転数Nで運転している際に、コンプレッサーマップ上でサージングの発生する吐出流量に対応する点をサージ限界点と呼び、圧縮機23の回転数Nに応じて変化する各サージ限界点を結んだ曲線がサージ限界線αで表現される。
サージ限界線αよりも小流量側(図2の左側)の領域A1は、サージングの発生するサージング領域である。サージ限界線αよりも大流量側(図2の右側)の領域A2は、サージングの発生しない安定領域である。
また、コンプレッサーマップMは、サージングが発生しない領域A2で吐出流量Qと圧力比Rとの関係を表現する暖機運転線βを有している。暖機運転線βは、サージ限界線αよりも大流量側に設定される。暖機運転線βは、サージ限界線αを大流量側に並行移動させたものであっても良いし、圧縮機23の回転数N毎に異なるマージン(サージ限界線αからの離間距離)を有していても良い。ある回転数Nにおいて圧縮機23の運転点が暖機運転線β上にあれば、サージングを防ぐことができるよう設定される。
なお、圧縮機23の運転点とは、運転中の圧縮機23の吐出流量Q、および圧力比Rであって、吐出流量センサー42、第一圧力センサー45、および第二圧力センサー46の検知結果に基づく。
また、コンプレッサーマップMにおいて、吐出流量Qが暖機運転線βより大きい領域を第一制御領域CA1とし、サージ限界線αと暖機運転線βとの間に挟まれる領域を第二制御領域CA2とする。
さらに、コンプレッサーマップMに記載されている曲線N1、N2、…………は、圧縮機23の回転数Nに応じている。コンプレッサーマップMの原点に近い曲線N1よりも原点から遠い曲線N2のほうが高い回転数を表している。それぞれの曲線N1、N2、…………とサージ限界線αとの交点が、それぞれの曲線N1、N2、…………で表される回転数におけるサージ限界点である。
ところで、燃料電池セルの発電反応には、発電反応が効率的に起きる適正な温度範囲がある。この適正温度範囲は常温よりも高い。そこで、燃料電池3の暖機システム1は、燃料電池3の冷間始動時には燃料電池セルの温度を速やかに上昇させるために燃料電池システム2を暖機運転させる。暖機システム1は、燃料電池システム2を暖機運転させて燃料電池3を暖機する。暖機運転制御機能51で処理される燃料電池システム2の暖機運転の制御を、「暖機運転制御」と呼ぶ。
図3は、本発明の実施形態に係る燃料電池の暖機システムが実行する暖機運転制御のアルゴリズムの一例を表現するフローチャートである。
図4は、本発明の実施形態に係る燃料電池の暖機システムが実行する暖機運転制御における圧縮機の必要吐出流量と目標回転数との関係を表すコンプレッサーマップである。
図5Aから図5Cは、本発明の実施形態に係る暖機システムの弁の開度を例示する図である。図5Aは、弁22の開度が零パーセント、つまり全閉の状態を例示する。図5Bは、弁22の開度が50パーセントの状態を例示する。図5Cは、弁22の開度が100パーセント、つまり全開の状態を例示する。
図3に示すように、本実施形態に係る暖機システム1の暖機運転制御機能51は、燃料電池3の暖機条件が成立している場合には、熱源27を加熱し、かつ弁22の開度を絞って燃料電池システム2を暖機運転させる。
また、暖機運転制御機能51は、暖機運転線βに沿うよう、圧縮機23の回転数Nを変更し、または弁22の開度を増加させ、かつ圧縮機23の回転数Nを変更して燃料電池3を暖機運転する。
さらに、暖機運転制御機能51は、圧縮機23の運転点が第一制御領域CA1に位置する場合には、燃料電池3の目標出力より決定される必要吐出流量DQを満たし、かつ圧縮機23の運転点が暖機運転線βに沿うよう圧縮機23の回転数Nを変更する。
また、暖機運転制御機能51は、圧縮機23の運転点が第二制御領域CA2に位置する場合には、燃料電池3の目標出力より決定される必要吐出流量DQを満たし、かつ圧縮機23の運転点が暖機運転線βに沿うよう弁22の開度を増加させ、圧縮機23の回転数Nを減少させる。
具体的には、暖機運転制御機能51は、燃料電池3の暖機条件が成立しているか否かを判断する(ステップS1)。燃料電池3の暖機条件は、例えば燃料電池3の温度に基づいて判断される。燃料電池3の暖機条件の判断の閾値は、燃料電池3内で水分が凍結していることが予想される温度や、圧縮機23で断熱圧縮された空気では燃料電池セルを発電反応に適正な温度範囲まで加熱できないと予測される温度、例えば零度に設定される。燃料電池3の暖機条件は、燃料電池3の温度が閾値以下に低下していれば成立する(ステップS1 Yes)。なお、燃料電池3の暖機条件が不成立の場合には、ステップS1の判断が繰り返される。
燃料電池3の暖機条件が成立した場合(ステップS1 Yes)には、暖機運転制御機能51は、全閉されている弁22を初期弁開度で開く(ステップS2)。初期弁開度は、予め設定される弁開度であって、零パーセント(全閉、図5A)より大きく、100パーセント(全開、図5C)より小さい。初期弁開度は、例えば50パーセント(図5B)に設定される。なお、図5Bから図5Cには、圧縮機23へ吸い込まれる空気の流れを実線矢印fで示す。
このとき、弁体21に設けられた熱源27に電力が供給されて、熱源27が発熱する。発熱した熱源27は、弁体21の周囲の空気、および弁体21の周囲を流れる空気を加熱する(ステップS2)。
このように、弁体21に熱源27を備える暖機システム1は、弁22の開度を絞ることによって弁22の圧力損失を増加させ、弁体21に設けられた熱源27による弁22を通過する空気の加熱効率を高め、燃料電池3の暖気を促進する。
このとき、暖機運転制御機能51は、迂回量調整弁28を全開状態にしてバイパス回路26に流れる空気の流量を最大化させておくことが好ましい。また、インタークーラー25の運転を停止させておいても良い。また、暖機運転制御機能51は、空気排出通路6の調圧バルブ31を少なくとも開き、全開状態にしておくことが好ましい。
さらに、燃料電池システム2は、インタークーラー25の吸気側、またはインタークーラー25の吸気側および排気側の両方にインタークーラー25へ導入される吸気量を抑制するバルブ(図示省略)を備えていても良い。また、インタークーラー25に冷媒、例えば冷却水を循環させるポンプ(図示省略)や、冷媒を冷却するためにインタークーラー25へ冷却用の空気を通風させるファン(図示省略)を停止させてもよい。これらによって、インタークーラー25における損失が低減される。
制御部11は、負荷101が暖機運転の燃料電池3に要求する電力を演算する(ステップS3)。負荷101が要求する電力は、例えば、燃料電池システム2が車両に搭載される場合には、車両のアクセルの操作量に基づいて演算される。燃料電池システム2に並列に接続される電池105を備える車両では、負荷101が要求する電力は、燃料電池システム2と電池105とで分担される。制御部11は、燃料電池3が発電可能な電力を算出し、この算出結果に基づいて燃料電池3が分担する電力を決定する。
そして、暖機運転制御機能51は、燃料電池3が負荷101へ供給する電力(例えば、燃料電池3が分担する電力)に基づいて、燃料電池3へ供給する空気の流量、つまり圧縮機23の必要吐出流量DQを演算する(ステップS4)。また、暖機運転制御機能51は、必要吐出流量DQを達成可能な圧縮機23の目標回転数Ntを演算する(ステップS5)。この目標回転数Ntは、図4に示すように、コンプレッサーマップMに基づいて演算される。目標回転数Ntは、コンプレッサーマップMにおいて、必要吐出流量DQを横軸の切片とする垂線DQと暖機運転線βとの交点IPtを通る回転数(曲線Nt)として算出される。
次いで、暖機運転制御機能51は、圧縮機23を目標回転数Ntで運転する(ステップS6)。
ところで、圧縮機23を目標回転数Ntで運転した場合であっても、空気の温度の高低、つまり空気密度の高低や、圧縮機23の吸込側に設けられた弁22の弁開度が絞られていることなどを理由に、吐出流量センサー42で検出される圧縮機23の吐出流量が必要吐出流量DQと異なる場合がある。そこで、暖機運転制御機能51は、圧縮機23の吐出流量が必要吐出流量DQに達するように、圧縮機23の回転数Nを変更する(ステップS7)。そうすると、圧縮機23の運転点は、暖機運転線βの右側の第一制御領域CA1、または左側の第二制御領域CA2に位置する場合がある。
そこで、暖機運転制御機能51は、吐出流量センサー42、第一圧力センサー45、および第二圧力センサー46の検知結果に基づいて、実際の運転点(実際の吐出流量Q、実際の圧力比R)が第一制御領域CA1に位置しているのか(ステップS8)、左側の第二制御領域CA2に位置しているのか(ステップS10)、を判断する。
先ず、暖機運転制御機能51は、実際の運転点が第一制御領域CA1に位置しているのか否かを判断する(ステップS8)。
ステップS8の判断が肯定された場合、つまり実際の運転点が第一制御領域CA1に位置している場合(ステップS8 Yes)には、暖機運転制御機能51は、燃料電池3の目標出力より決定される必要吐出流量DQを満たし、かつ運転点が暖機運転線βに沿うよう圧縮機23の回転数Nを新たな目標回転数Nt_Newに変更する(ステップS9)。なお、「燃料電池3の目標出力より決定される必要吐出流量DQを満たす」とは、圧縮機23の吐出流量Qが必要吐出流量DQ以上であることを意味している。また、ステップS9では、弁22の開度は変更されずに維持される。
例えば、実際の運転点DP’が、図4に示すように交点IPtから離れて第一制御領域CA1に位置する場合には、暖機運転制御機能51は、圧縮機23の運転点が新たな交点IP’_Newに位置するよう、燃料電池3の目標出力より決定される必要吐出流量DQを満たし、かつ運転点が暖機運転線βに沿うよう圧縮機23の回転数Nを新たな目標回転数Nt’_Newに変更させる。
ステップS8の判断が否定された場合、つまり実際の運転点が第一制御領域CA1に位置していない場合(ステップS8 No)には、暖機運転制御機能51は、実際の運転点が第二制御領域CA2に位置しているのか否かを判断する(ステップS10)。
ステップS10の判断が肯定された場合、つまり実際の運転点が第二制御領域CA2に位置している場合(ステップS10 Yes)には、暖機運転制御機能51は、燃料電池3の目標出力より決定される必要吐出流量DQを満たし、かつ運転点が暖機運転線βに沿うよう弁22の開度を増加させ、圧縮機23の回転数Nを新たな目標回転数Nt_Newに減少させる(ステップS11)。
例えば、実際の運転点DPが、図4に示すように交点IPtから離れて第二制御領域CA2に位置する場合には、暖機運転制御機能51は、圧縮機23の運転点が新たな交点IP_Newに位置するよう、燃料電池3の目標出力より決定される必要吐出流量DQを満たし、かつ運転点が暖機運転線βに沿うよう弁22の開度を増加させ、圧縮機23の回転数Nを新たな目標回転数Nt_Newに減少させる。
ステップS10の判断が否定された場合、つまり実際の運転点が第一制御領域CA1にも第二制御領域CA2にも位置せず、暖機運転線βに沿っている(ステップS8 No、およびステップS10 No)、ステップS9の処理が実行された、およびステップS11の処理が実行された、のいずれかの場合には、暖機運転制御機能51は、暖機完了条件が満たされているか否かを判断する(ステップS12)。燃料電池3の暖機完了条件は、例えば燃料電池3の温度に基づいて判断される。燃料電池3の暖機完了条件の判断の閾値は、燃料電池3の燃料電池セルが発電反応を効率的に生じさせる適正な温度範囲に設定される。燃料電池3の暖機完了条件は、燃料電池3の温度が適正な温度範囲に達していれば成立する(ステップS12 Yes)。燃料電池3の暖機完了条件が不成立(ステップS12 No)の場合には、ステップS3に戻って暖機運転制御が繰り返される。
なお、ステップS9における運転点の調整およびステップS11における運転点の調整は、必ずしも図4に示すように暖機運転線βに沿うとは限らない。例えば、ステップS9における運転点の調整の結果、実際の運転点が、第一制御領域CA1から第二制御領域CA2へ移動することもあるし、ステップS11における運転点の調整の結果、実際の運転点が、第二制御領域CA2から第一制御領域CA1へ移動することもある。そのため、暖機運転制御機能51は、燃料電池3の暖機完了条件が不成立(ステップS12 No)の場合には、ステップS3に戻ってステップS9における運転点の調整、またはステップS11における運転点の調整を繰り返して実際の運転点を暖機運転線β上へ調整する。
燃料電池3の温度が適正な温度範囲に達すると(ステップS12 Yes)、暖機運転制御機能51は、弁体21を全開させ、熱源27の電源を遮断して暖機完了処理(ステップS13)を行い、暖機運転制御を終了させる。
以上のように、本実施形態に係る燃料電池3の暖機システム1は、燃料電池3の暖機条件が成立している場合には、熱源27を加熱し、かつ弁22の開度を絞る。そのため、暖機システム1は、圧縮機23の断熱圧縮による空気の温度上昇に加えて、弁体21に設けられている熱源27で圧縮機23に吸い込まれる空気を加熱できる。また、暖機システム1は、弁22の開度を絞って空気と熱源27との熱交換を促進することができる。つまり、暖機システム1は、熱源27を有する弁体21で圧縮機23に吸い込まれる空気を加熱して燃料電池3の暖機を促進させることができる。これら弁体21に設けられる熱源27により圧縮機23に吸い込まれる空気の昇温と、圧縮機23の断熱圧縮による空気の昇温との相乗的な作用は、燃料電池3をヒーターで直接的に温める従来の燃料電池システムに比べて、より小型、より省電力な熱源27で圧縮機23に吸い込まれる空気を容易に加熱することができる。
また、本実施形態に係る燃料電池3の暖機システム1は、暖機運転線βに沿うよう燃料電池3を暖機運転する。暖機システム1は、圧縮機23の吸込側に設けられる弁22の開度を絞って圧縮機23を運転する。このことは、圧縮機23の吸込側の圧力を低下させ、圧縮機23の吐出側の圧力との圧力比Rの上昇を誘起する。そこで、暖機システム1は、暖機運転線βに沿うよう燃料電池3の暖機運転を行うことで、圧縮機23のサージングを防止しつつ、熱源27を有する弁体21による空気の加熱作用と、圧縮機23の断熱圧縮による空気の加熱作用とを相乗させて燃料電池3の暖機を促進することができる。
さらに、本実施形態に係る燃料電池3の暖機システム1は、圧縮機23の運転点が暖機運転線βより大流量側の第一制御領域CA1に位置する場合には、燃料電池3の目標出力より決定される必要吐出流量DQを満たし、かつ圧縮機23の運転点が暖機運転線βに沿うよう圧縮機23回転数を変更する。第一制御領域CA1は暖機運転線βよりもサージ限界線αから離れている。つまり、圧縮機23の運転点が第一制御領域CA1に位置する場合には、サージングの発生の可能性は極めて低い。そのため、暖機システム1は、圧縮機23回転数を変更することで、断熱圧縮による空気の昇温効果をより増加させて、燃料電池3の暖機を促進することができる。
また、本実施形態に係る燃料電池3の暖機システム1は、圧縮機23の運転点が第二制御領域CA2に位置する場合には、燃料電池3の目標出力より決定される必要吐出流量DQを満たし、かつ圧縮機23の運転点が暖機運転線βに沿うよう弁22の開度を増加させ、圧縮機23の回転数を減少させる。第二制御領域CA2は暖機運転線βよりもサージ限界線αに近い。つまり、圧縮機23の運転点が第二制御領域CA2に位置する場合には、サージングの発生の可能性が高まる。そのため、暖機システム1は、弁22の開度を増加させて圧力比Rの低減を促し、かつ圧縮機23の回転数Nを低下させてサージングの発生を防ぐことができる。
したがって、本発明に係る燃料電池3の暖機システム1によれば、より小型、より省電力な熱源27で燃料電池3を効率的に暖機できる。
1…暖機システム、2…燃料電池システム、3…燃料電池、5…空気供給通路、6…空気排出通路、7…貯槽、8…水素供給通路、9…水素循環通路、11…制御部、21…弁体、21a…弁体の上流側を臨む面(上流面)、22…弁、23…圧縮機、25…インタークーラー、26…バイパス回路、27…熱源、28…迂回量調整弁、31…調圧バルブ、35…水素循環ポンプ、41…信号線、42…吐出流量センサー、43…回転数センサー、45…第一圧力センサー、46…第二圧力センサー、51…暖機運転制御機能、52…記憶部、101…負荷、102…モーター、103…インバーター、105…電池。
Claims (4)
- 酸化剤ガスと燃料ガスとを反応させて発電する燃料電池と、
前記燃料電池へ酸化剤ガスとしての空気を供給する圧縮機と、
前記燃料電池へ供給される前記空気の供給量を変化させる弁体を有する弁と、
前記弁体に設けられて前記燃料電池へ供給される前記空気を加熱可能な熱源と、
前記燃料電池の発電量を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記燃料電池の暖機条件が成立している場合には、前記熱源を加熱し、かつ前記弁の開度を絞る燃料電池の暖機システム。 - 前記制御部は、
前記圧縮機の吐出流量、および前記圧縮機の吸込側圧力と吐出側圧力との圧力比の関係において、前記圧縮機にサージングが発生する領域と前記サージングが発生しない領域とを分けるサージ限界線と、前記サージングが発生しない領域で前記吐出流量と前記圧力比との関係を記述する暖機運転線と、を記憶する記憶部を有し、
前記暖機運転線に沿うよう前記前記圧縮機の回転数および前記弁の開度の少なくともいずれかを制御して前記燃料電池を暖機運転する請求項1に記載の燃料電池の暖機システム。 - 運転中の前記圧縮機の吐出流量、および運転中の前記圧縮機の前記圧力比を前記圧縮機の運転点とし、
前記吐出流量が前記暖機運転線より大きい領域を第一制御領域とすると、
前記制御部は、前記運転点が前記第一制御領域に位置する場合には、前記燃料電池の目標出力より決定される必要吐出流量を満たし、かつ前記運転点が前記暖機運転線に沿うよう前記回転数を変更する請求項2に記載の燃料電池の暖機システム。 - 運転中の前記圧縮機の吐出流量、および運転中の前記圧縮機の前記圧力比を前記圧縮機の運転点とし、
前記サージ限界線と前記暖機運転線との間に挟まれる領域を第二制御領域とすると、
前記制御部は、前記運転点が前記第二制御領域に位置する場合には、前記燃料電池の目標出力より決定される必要吐出流量を満たし、かつ前記運転点が前記暖機運転線に沿うよう前記開度を増加させ、前記回転数を減少させる請求項2または3に記載の燃料電池の暖機システム。
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JP2019142720A JP2021026856A (ja) | 2019-08-02 | 2019-08-02 | 燃料電池の暖機システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022143747A (ja) * | 2021-03-18 | 2022-10-03 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池システム及び燃料電池システムの低温起動方法 |
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2019
- 2019-08-02 JP JP2019142720A patent/JP2021026856A/ja active Pending
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