JP2021026762A - 判定装置及び判定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[判定装置の概要]
図1は、第1の実施形態の判定装置を搭載する車両100を示す図である。車両100は、例えば、大型車両である。運転者の体調不良、体調急変、覚醒度低下、注意散漫、運転以外の作業(例えば、スマートフォンの使用や飲食)等に起因して、車両100の異常運転が行われることがある。図1の例では、異常運転により車両100の蛇行が生じている。判定装置は、運転者による車両100の運転を監視し、蛇行等の異常運転が行われているか否かを判定する。
図2は、車両100の内部構成を示す図である。車両100は、操舵角センサ1、スピーカ2、複数の路面撮像部3及び判定装置4を備える。操舵角センサ1は、ステアリングホイールの操舵角を検出する。スピーカ2は、電気信号を音に変換する。路面撮像部3は、走行中の車両100の周囲の路面を所定時間ごとに撮像する。
上述のとおり、判定部425は、算出部424が算出した第1積分値に対する第2積分値の比の値Rに基づいて、異常運転が行われているか否かを判定する。異常運転が行われている状態では、運転者がステアリングホイールの操作に意識が向いていない時間が長くなっていることに起因して、比較的低い第1角周波数帯に含まれる操舵角周波数の特定数の割合が大きくなり、比較的高い第2角周波数帯に含まれる操舵角周波数の特定数の割合が小さくなる傾向がある。このため、第1の積分値に対する第2の積分値の比の値Rは小さくなる。
判定部425は、特定部423が特定した特定数が最大になる操舵角周波数が第1角周波数帯に含まれていることを条件として、異常運転が行われていると判定する。特定部423が特定した特定数が最大になる操舵角周波数が第1角周波数帯に含まれていることは、異常運転が行われていると判定部425が判定する第2の条件である。判定部425は、特定部423が特定した特定数が最大の操舵角周波数が第1角周波数帯に含まれていない場合に、第2の条件を満たしていないと判定する。
判定部425は、検出部422が検出した横移動の頻度が頻度閾値と比較して高いことを条件として、異常運転が行われていると判定する。検出部422が検出した横移動の頻度が頻度閾値と比較して高いことは、異常運転が行われていると判定部425が判定する第3の条件である。
判定部425は、車両100の走行の状態が第1条件〜第3条件のいずれも満たしている場合に、異常運転が行われていると判定する。図5の例では、判定部425は、上述のように、検出部422が検出した横移動の頻度が頻度閾値と比較して高く、第3の条件が満たされていると判定する。一方、判定部425は、特定数が最大になる操舵角周波数が第2角周波数帯Bに含まれているため、第2の条件が満たされていないと判定する。判定部425は、算出部424が算出した比の値Rが判定閾値以上であり、第1の条件が満たされていないと判定する。したがって、判定部425は、異常運転が行われていないと判定する。図6の例では、判定部425は、上述のように、第1の条件及び第2の条件が満たされているが、第3の条件が満たされておらず、異常運転が行われていないと判定する。
図2の説明に戻る。通知部426は、異常運転が行われていると判定部425が判定した場合に、異常運転が行われていることを運転者に通知するメッセージをスピーカ2により音声出力する。通知部426は、異常運転が行われていると判定部425が判定した場合に、異常運転が行われていることを運転者に通知するメッセージをディスプレイ(不図示)に表示してもよい。
図7は、判定装置4による異常運転の判定の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、例えば、車両100の走行中に開始される。まず、特定部423は、操舵角センサ1の測定結果に基づいて、ステアリングホイールが回転する回転速度を示す操舵角周波数を特定する(S101)。算出部424は、第1角周波数帯の特定数を積分した第1積分値と、第2角周波数帯の特定数を積分した第2積分値とを算出する(S102)。算出部424は、第1積分値に対する第2積分値の比の値Rを算出する。検出部422は、横移動が行われた頻度を検出する(S103)。
第1の実施形態によれば、判定部425は、第1積分値に対する第2積分値の比の値Rに基づいて、異常運転が行われるか否かを判定する。このため、判定部425は、運転者がステアリングホイールの操作に意識が向いていない時間が長くなっているか否かを判定することができ、異常運転が行われているか否かを判定する精度を向上させることができる。
第2の実施形態では、算出部424が算出した比の値Rの統計量に基づいて、判定部425の判定に用いる判定閾値を決定する場合の例について説明する。
図8は、第2の実施形態の車両200の内部構成を示す図である。車両200は、操舵角センサ1、スピーカ2、路面撮像部3、車内撮像部501及び判定装置4を備える。判定装置4の制御部42は、撮像制御部421、検出部422、特定部423、算出部424、判定部425、通知部426、運転者識別部502、状態識別部503、統計処理部504及び決定部505を備える。図8に示す各機能ブロックのうち、図2と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
算出部424は、判定期間より前の基準期間にわたって特定部423が特定した複数の操舵角周波数に基づいて、第1の実施形態と同様にして、第1積分値及び第2積分値をそれぞれ算出する。算出部424は、算出した第1積分値に対する第2積分値の比の値Rを算出する。基準期間は、例えば、数十秒から数分である。算出部424は、判定期間より前の複数の基準期間にそれぞれ対応する複数の比の値Rを算出する。複数の基準期間は、互いに連続した期間であってもよく、互いに連続していない期間であってもよい。基準期間と次の基準期間との間において車両200のエンジン(不図示)が停止されている期間があってもよい。以下、複数の基準期間をまとめて測定期間と呼ぶことがある。測定時間は、例えば、数分〜数十分である。
決定部505は、統計処理部504が求めた統計量に基づいて、判定部425が判定に用いる判定閾値を決定する。図9は、決定部505が決定する判定閾値について説明するための図である。図9(a)は、算出部424が算出した第1積分値に対する第2積分値の比の値の時間変化を示す図である。図9(b)は、図9 (a)の破線(i)で示すタイミングにおいて特定部423が特定した操舵角周波数の特定数の分布を示す図である。図9(c)は、図9 (a)の破線(ii)で示すタイミングにおいて特定部423が特定した操舵角周波数の特定数の分布を示す図である。
また、決定部505は、測定期間において状態識別部503が識別した走行状態と、決定した判定閾値とを関連付けた走行状態テーブルを記憶部41に予め記憶させてもよい。判定部425は、記憶部41に記憶されている走行状態テーブルを読み出す。判定部425は、判定期間に状態識別部503が識別した走行状態に走行状態テーブルにおいて関連付けられた判定閾値を取得する。判定部425は、判定期間において算出部424が算出した比の値Rが、取得した判定閾値よりも低いことを条件の一つとして、異常運転が行われていると判定する。
図10は、判定装置4による判定閾値の決定の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、例えば、車両200の走行中に開始する。まず、特定部423は、操舵角センサ1の測定結果に基づいて、ステアリングホイールの回転速度を示す操舵角周波数を特定する(S201)。算出部424は、車両200の速度が基準速度未満であるか、又は、車両200の速度が基準速度以上になってから第1予備時間が経過していない第1の特定期間に該当するか否かを判定する(S202)。算出部424は、S202の判定において第1の特定期間に該当しないと判定した場合(S202のNO)、車両200の方向指示器が点滅しているか、又は、方向指示器が点滅を終了してから第2予備時間が経過していない第2の特定期間に該当するか否かを判定する(S203)。算出部424は、S203の判定において第2の特定期間に該当しないと判定した場合(S203のNO)、路面撮像部3が撮像した撮像画像に車線境界線が含まれていない第3の特定期間に該当するか否かを判定する(S204)。
第2の実施形態によれば、決定部505は、統計処理部504が求めた統計量に基づいて、判定部425が判定に用いる判定閾値を決定する。したがって、決定部505は、運転者の運転の傾向や車両200の車種等に応じた判定閾値を決定することができる。したがって、決定部505は、運転の個人差や車種等に起因して、判定部425による異常運転の有無の判定精度が低下することを抑制することができる。
2 スピーカ
3 路面撮像部
4 判定装置
41 記憶部
42 制御部
100 車両
200 車両
421 撮像制御部
422 検出部
423 特定部
424 算出部
425 判定部
426 通知部
501 車内撮像部
502 運転者識別部
503 状態識別部
504 統計処理部
505 決定部
Claims (12)
- 車両の操舵角周波数を特定する特定部と、
前記特定部が判定期間にわたって特定した複数の前記操舵角周波数のうち、第1角周波数帯に含まれる前記操舵角周波数の特定数の第1積分値に対する、前記第1角周波数帯より高い帯域である第2角周波数帯に含まれる前記操舵角周波数の特定数の第2積分値の比の値を算出する算出部と、
前記算出部が算出した比の値に基づいて、異常運転が行われているか否かを判定する判定部と、
を備える判定装置。 - 前記判定部は、前記算出部が算出した前記比の値が判定閾値よりも低いことを条件の一つとして、前記異常運転が行われていると判定する、
請求項1に記載の判定装置。 - 前記判定部は、前記特定部が特定した特定数が最大の前記操舵角周波数が前記第1角周波数帯に含まれていることを条件の一つとして、前記異常運転が行われていると判定する、
請求項1又は2に記載の判定装置。 - 前記車両の周囲の路面を所定時間ごとに撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像した複数の撮像画像に基づいて、前記車両が前記路面上の車線境界線から所定の距離以下になった横移動の頻度を検出する検出部と、
前記判定部は、前記検出部が検出した前記横移動の頻度が頻度閾値と比較して高いことを条件の一つとして、前記異常運転が行われていると判定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の判定装置。 - 前記車両の周囲の路面を所定時間ごとに撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像した複数の撮像画像に基づいて、一定時間以内に第1距離以上、横方向に移動した横移動の頻度を検出する検出部とを備え、
前記判定部は、前記車両から車線境界線までの距離が基準値以上である場合に、前記検出部が検出した前記横移動の頻度が第1の頻度閾値と比較して高いことを条件の一つとして、前記異常運転が行われていると判定し、前記車両から前記車線境界線までの距離が前記基準値未満である場合に、前記検出部が検出した前記横移動の頻度が、前記第1の頻度閾値より高い値を示す第2の頻度閾値と比較して高いことを条件の一つとして、前記異常運転が行われていると判定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の判定装置。 - 前記車両の周囲の路面を所定時間ごとに撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像した複数の撮像画像に基づいて、前記車両が横方向に移動した横移動の頻度を検出する検出部とを備え、
前記検出部は、前記車両から車線境界線までの距離が基準値以上である場合に、一定時間以内に第1距離以上、横方向に移動したことを前記横移動として検出し、前記車両から前記車線境界線までの距離が前記基準値未満である場合に、当該一定時間以内に、前記第1距離よりも短い値を示す第2距離以上、横方向に移動したことを前記横移動として検出し、
前記判定部は、前記検出部が検出した前記横移動の頻度が頻度閾値と比較して高いことを条件の一つとして、前記異常運転が行われていると判定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の判定装置。 - 前記判定期間より前の複数の基準期間にそれぞれ対応する複数の前記比の値の統計量を求める統計処理部と、
前記統計処理部が求めた前記統計量に基づいて、前記判定部が判定に用いる前記判定閾値を決定する決定部と、をさらに備える、
請求項2に記載の判定装置。 - 運転者を識別する運転者識別部をさらに備え、
前記決定部は、前記複数の基準期間において前記運転者識別部が識別した運転者と、決定した前記判定閾値とを関連付けて記憶部に記憶させ、
前記判定部は、前記判定期間において前記運転者識別部が識別した前記運転者に関連付けられた前記判定閾値を前記記憶部から取得し、前記判定期間において前記算出部が算出した前記比の値が取得した当該判定閾値よりも低いことを条件の一つとして、異常運転が行われていると判定する
請求項7に記載の判定装置。 - 前記車両が直進走行をしている走行状態と、前記車両がカーブを走行している走行状態とを識別する状態識別部をさらに備え、
前記決定部は、前記複数の基準期間において前記状態識別部が識別した走行状態と、決定した前記判定閾値と、を関連付けて記憶部に予め記憶させ、
前記判定部は、前記判定期間において前記状態識別部が識別した前記走行状態に関連付けられた前記判定閾値を前記記憶部から取得し、前記判定期間において前記算出部が算出した前記比の値が取得した当該判定閾値よりも低いことを条件の一つとして、異常運転が行われていると判定する
請求項7又は8に記載の判定装置。 - 前記統計処理部は、前記車両の速度が基準速度未満である期間と、前記車両の速度が基準速度以上になってから第1予備時間が経過するまでの期間とを除く前記複数の基準期間にそれぞれ対応する前記複数の比の値の統計量を求める、
請求項7から9のいずれか一項に記載の判定装置。 - 前記統計処理部は、前記車両の方向指示器が点滅している期間と、当該方向指示器が点滅を終了してから第2予備時間が経過するまでの期間とを除く前記複数の基準期間にそれぞれ対応する前記複数の比の値の統計量を求める、
請求項7から10のいずれか一項に記載の判定装置。 - 1台以上のコンピュータが実行する、
車両の操舵角周波数を特定するステップと、
基準期間にわたって特定した複数の前記操舵角周波数のうち、第1角周波数帯に含まれる前記操舵角周波数の特定数の第1積分値に対する、前記第1角周波数帯より高い帯域である第2角周波数帯に含まれる前記操舵角周波数の特定数の第2積分値の比の値を算出し、複数の前記基準期間にそれぞれ対応する複数の前記比の値の統計量を求めるステップと、
求めた前記統計量に基づいて、判定閾値を決定するステップと、
前記基準期間より後の判定期間にわたって特定した複数の前記操舵角周波数のうち、前記第1角周波数帯に含まれる前記操舵角周波数の特定数の前記第1積分値に対する、前記第2角周波数帯に含まれる前記操舵角周波数の特定数の前記第2積分値の比の値を算出するステップと、
前記判定期間に対応する前記比の値が前記判定閾値よりも低いことを条件の一つとして、異常運転が行われていると判定するステップと、
を有する、判定方法。
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