以下、本発明を実施するための例示的な形態について、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施の形態>
図1(a)は、第1の実施の形態に係る画像形成装置1の構成を示す概略図である。画像形成装置1は、外部機器から入力される画像情報に基づいて記録材に画像を形成するモノクロプリンターである。記録材には、普通紙及び厚紙等の紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等のプラスチックフィルム、封筒やインデックス紙等の特殊形状のシート、並びに布等の、材質の異なる様々なシート材が含まれる。
[全体構成]
画像形成装置1は、図1(a)(b)に示すように、装置本体としてのプリンタ本体100と、プリンタ本体100に開閉可能に支持される読取装置200と、プリンタ本体100の外装面に取り付けられた操作部300と、を有している。プリンタ本体100は、記録材にトナー像を形成する画像形成部10と、画像形成部10に記録材を給送する給送部60と、画像形成部10によって形成されたトナー像を記録材に定着させる定着部70と、排出ローラ対80と、を有している。
画像形成部10は、スキャナユニット11と、電子写真方式のプロセスカートリッジ20と、プロセスカートリッジ20の感光ドラム21に形成されたトナー像を記録材に転写する転写ローラ12と、を有している。プロセスカートリッジ20は、図6(a)(b)に示すように、感光ドラム21と、感光ドラム21の周囲に配置された帯電ローラ22、前露光装置23及び現像ローラ31を含む現像装置30を有している。
感光ドラム21は、円筒型に成形された感光体である。本実施の形態の感光ドラム21は、アルミニウムで成形されたドラム状の基体上に、負帯電性の有機感光体で形成された感光層を有している。また、像担持体としての感光ドラム21は、モータによって所定の方向(図中時計周り方向)に所定のプロセススピードで回転駆動される。
帯電ローラ22は、感光ドラム21に所定の圧接力で接触し、帯電部を形成する。また、帯電高圧電源によって所望の帯電電圧を印加されることで、感光ドラム21の表面を所定の電位に均一に帯電させる。本実施の形態では、感光ドラム21は帯電ローラ22により負極性に帯電する。前露光装置23は、帯電部で安定した放電を生じさせるために、帯電部に侵入する前の感光ドラム21の表面電位を除電する。
露光手段としてのスキャナユニット11は、外部機器又は読取装置200から入力された画像情報に対応したレーザ光を、ポリゴンミラーを用いて感光ドラム21に照射することで、感光ドラム21の表面を走査露光する。この露光により、感光ドラム21の表面に画像情報に応じた静電潜像が形成される。なお、スキャナユニット11は、レーザスキャナ装置に限定されることはなく、例えば、感光ドラム21の長手方向に沿って複数のLEDが配列されたLEDアレイを有するLED露光装置を採用しても良い。
現像装置30は、現像剤を担持する現像剤担持体としての現像ローラ31と、現像装置30の枠体となる現像容器32と、現像ローラ31に現像剤を供給可能な供給ローラ33と、を備えている。現像ローラ31及び供給ローラ33は、現像容器32によって回転可能に支持されている。また、現像ローラ31は、感光ドラム21に対向するように、現像容器32の開口部に配置されている。供給ローラ33は現像ローラ31に回転可能に当接しており、現像容器32に収容されている現像剤としてのトナーは供給ローラ33によって現像ローラ31の表面に塗布される。なお、現像ローラ31に十分にトナーを供給できる構成であれば、必ずしも供給ローラ33は必要としない。
本実施の形態の現像装置30は、現像方式として接触現像方式を用いている。即ち、現像ローラ31に担持されたトナー層が、感光ドラム21と現像ローラ31とが対向する現像部(現像領域)において感光ドラム21と接触する。現像ローラ31には現像高圧電源によって現像電圧が印加される。現像電圧の下で、現像ローラ31に担持されたトナーが感光ドラム21の表面の電位分布に従って現像ローラ31からドラム表面に転移することで、静電潜像がトナー像に現像される。なお、本実施の形態では、反転現像方式を採用している。即ち、帯電工程において帯電させられた後、露光工程において露光されることで電荷量が減衰した感光ドラム21の表面領域にトナーが付着することでトナー像が形成される。
また、本実施の形態では、粒径が6μmで、正規の帯電極性が負極性のトナーを用いている。本実施の形態のトナーは一例として重合法により生成された重合トナーを採用している。また、本実施の形態のトナーは磁性成分を含有せず、主に分子間力や静電気力(鏡像力)によってトナーが現像ローラ31に担持される、所謂非磁性の一成分現像剤である。ただし、磁性成分を含有する一成分現像剤を用いてもよい。また、一成分現像剤には、トナー粒子以外にもトナーの流動性や帯電性能を調整するための添加物(例えば、ワックスやシリカ微粒子)が含まれている場合がある。また、現像剤として非磁性のトナーと磁性を有するキャリアとによって構成された二成分現像剤を用いてもよい。磁性を有する現像剤を用いる場合、現像剤担持体としては、例えば内側にマグネットが配置された円筒状の現像スリーブが用いられる。
現像容器32の内部には、撹拌手段としての撹拌部材34が設けられている。撹拌部材34は、モータM1(図12参照)に駆動されて回動することで、現像容器32内のトナーを撹拌すると共に、現像ローラ31及び供給ローラ33に向け、トナーを送り込む。また、撹拌部材34は、現像に使用されず現像ローラ31から剥ぎ取られたトナーを現像容器内で循環させ、現像容器内のトナーを均一化する役割を有する。なお、撹拌部材34は、回動する形態に限定されない。例えば、揺動する形態の撹拌部材を採用しても良い。
また、現像ローラ31が配置される現像容器32の開口部には、現像ローラ31に担持されるトナーの量を規制する現像ブレード35が配置されている。現像ローラ31の表面に供給されたトナーは、現像ローラ31の回転に伴って現像ブレード35との対向部を通過することで、均一に薄層化され、また摩擦帯電により負極性に帯電させられる。
給送部60は、図1(a)(b)に示すように、プリンタ本体100に開閉可能に支持される前扉61と、トレイ部62と、中板63と、トレイバネ64と、ピックアップローラ65と、を有している。トレイ部62は、前扉61が開かれることで現れる記録材収容空間の底面を構成しており、中板63は、トレイ部62に昇降可能に支持されている。トレイバネ64は、中板63を上方に付勢しており、中板63に積載された記録材Pをピックアップローラ65に押し付ける。なお、前扉61は、プリンタ本体100に対して閉じられた状態で記録材収容空間を閉塞し、プリンタ本体100に対して開かれた状態でトレイ部62、中板63と共に記録材Pを支持する。
定着部70は、記録材上のトナーを加熱して溶融させることで画像の定着処理を行う熱定着方式のものである。定着部70は、定着フィルム71と、定着フィルム71を加熱するセラミックヒータ等の定着ヒータと、定着ヒータの温度を測定するサーミスタと、定着フィルム71に圧接する加圧ローラ72と、を備える。
次に、画像形成装置1の画像形成動作について説明する。画像形成装置1に画像形成の指令が入力されると、画像形成装置1に接続された外部のコンピュータ又は読取装置200から入力された画像情報に基づいて、画像形成部10による画像形成プロセスが開始される。スキャナユニット11は、入力された画像情報に基づいて、感光ドラム21に向けてレーザ光を照射する。このとき感光ドラム21は、帯電ローラ22により予め帯電されており、レーザ光が照射されることで感光ドラム21上に静電潜像が形成される。その後、現像ローラ31によりこの静電潜像が現像され、感光ドラム21上にトナー像が形成される。
上述の画像形成プロセスに並行して、給送部60のピックアップローラ65は、前扉61、トレイ部62及び中板63に支持された記録材Pを送り出す。記録材Pは、ピックアップローラ65によってレジストレーションローラ対15に給送され、レジストレーションローラ対15のニップに突き当たることで斜行が補正される。そして、レジストレーションローラ対15は、トナー像の転写タイミングに合わせて駆動され、記録材Pを転写ローラ12及び感光ドラム21によって形成される転写ニップに向けて搬送する。
転写手段としての転写ローラ12には、転写高圧電源から転写電圧が印加され、レジストレーションローラ対15によって搬送される記録材Pに感光ドラム21に担持されているトナー像が転写される。トナー像を転写された記録材Pは、定着部70に搬送され、定着部70の定着フィルム71と加圧ローラ72との間のニップ部を通過する際にトナー像が加熱及び加圧される。これによりトナー粒子が溶融し、その後固着することで、トナー像が記録材Pに定着する。定着部70を通過した記録材Pは、排出手段としての排出ローラ対80によって画像形成装置1の外部(機外)に排出され、プリンタ本体100の上部に形成された積載部としての排出トレイ81に積載される。
排出トレイ81は、記録材の排出方向における下流に向けて上り傾斜しており、排出トレイ81に排出された記録材は、排出トレイ81を滑り下りることで、後端が規制面84によって整合される。
読取装置200は、図4(a)(b)に示すように、内部に不図示の読取部を内蔵する読取ユニット201と、読取ユニット201に開閉可能に支持される圧板202と、を有している。読取ユニット201の上面には、読取部から出射される光を透過すると共に、原稿が載置される原稿台ガラス203が設けられている。
ユーザは、原稿の画像を読取装置200によって読取らせる場合には、圧板202を開いた状態で原稿台ガラス203上に原稿を載置する。そして、圧板202を閉じることで原稿台ガラス203上の原稿の位置ずれを防止し、例えば操作部300を操作することで画像形成装置1に読取指令を出力する。読取動作が開始されると、読取ユニット201内の読取部が副走査方向、すなわち画像形成装置1の操作部300を正面に臨んだ状態で左右方向に読取部が往復移動する。読取部は、発光部から原稿に対して光を出射しつつ、原稿によって反射した光を受光部によって受光し、光電変換することで原稿の画像を読み取る。なお、以下では、操作部300を正面に臨んだ状態を基準にして、前後方向、左右方向及び上下方向を規定する。
図2(b)及び図3に示すように、プリンタ本体100の上部には、上方に開口した第1開口部101が形成されており、第1開口部101は、トップカバー82によって覆われている。積載トレイとしてのトップカバー82は、左右方向に延びる回動軸82cを中心にプリンタ本体100に対して開閉可能に支持されており、上面に積載面としての排出トレイ81が形成されている。トップカバー82は、読取装置200がプリンタ本体100に対して開かれた状態で、手前側から奥側に向けて開かれる。なお、読取装置200及びトップカバー82は、ヒンジ機構等の保持機構によって、開かれた状態及び閉じられた状態で保持されるように構成されてもよい。
例えば、ピックアップローラ65によって給送された記録材が通過する搬送路CPにおいて、記録材が紙詰まり等によってジャムしてしまった場合、ユーザは読取装置200と共にトップカバー82を開く。そして、ユーザは、トップカバー82が開かれたことで露出した第1開口部101からプロセスカートリッジ20にアクセスし、プロセスカートリッジ20をカートリッジガイド102に沿って引き出す。カートリッジガイド102は、プロセスカートリッジ20の感光ドラム21の軸方向における端部に設けられた突出部21a(図5(a)参照)に摺動して案内する。
そして、第1開口部101から外部にプロセスカートリッジ20が引き出されることで、搬送路CPに手を入れることができるスペースができる。ユーザは、第1開口部101からプリンタ本体100の内部に手を入れ、搬送路CPでジャムした記録材にアクセスすることで、ジャムした記録材を処理することができる。
また、本実施の形態では、図1(b)及び図4(c)に示すように、トップカバー82に開閉部材83が開閉可能に設けられている。トップカバー82の排出トレイ81には、上方に開口した開口部としての第2開口部82aが形成されている。開閉部材83は、トナーパウチ40が現像容器32に装着できないように補給口32aを覆う閉位置と、トナーパウチ40が現像容器32に装着できるように補給口32aを露出させる開位置と、の間を移動可能に構成される。開閉部材83は、閉位置において、排出トレイ81の一部として機能する。開閉部材83及び第2開口部82aは、排出トレイ81の左側に形成されている。また、開閉部材83は、前後方向に延びる回動軸83aを中心にトップカバー82に開閉可能に支持されており、トップカバー82に設けられた溝部82bから指を掛けることで左方向に開かれる。開閉部材83は、トップカバー82の形状に沿って、略L字状に形成されている。
排出トレイ81の第2開口部82aは、現像容器32の上部に形成されたトナー補給用の補給口32aが露出するように開口しており、開閉部材83が開かれることで、ユーザはトップカバー82を開けることなく、補給口32aにアクセスすることができる。なお本実施の形態では、現像装置30が画像形成装置1に装着されている状態でトナー容器としてのトナーパウチ40(図1(a)(b))から現像装置30へとトナーを補給する方式(直接補給方式)を採用している。このため、プロセスカートリッジ20のトナー残量が少なくなった場合に、プロセスカートリッジ20をプリンタ本体100から取り出して新品のプロセスカートリッジに交換する作業が不要になるので、ユーザビリティを向上することができる。また、プロセスカートリッジ20全体を交換するよりも安価に現像容器32にトナーを補給することができる。なお、直接補給方式は、プロセスカートリッジ20の現像装置30のみを交換する場合に比しても、各種のローラやギア等を交換する必要が無いので、コストダウンできる。なお、画像形成装置1及びトナーパウチ40は、画像形成システムを構成している。
[転写残トナーの回収]
本実施の形態は、記録材Pに転写されずに感光ドラム21に残留した転写残トナーを現像装置30に回収し再利用するクリーナーレス構成を採用している。転写残トナーは、以下の工程で除去される。転写残トナーには正極性に帯電しているトナーや、負極性に帯電しているものの充分な電荷を有していないトナーが混在する。前露光装置23により転写後の感光ドラム21を除電し、帯電ローラ22による均一な放電を生じさせることで、転写残トナーは再び負極性に帯電させられる。帯電部において再び負極性に帯電させられた転写残トナーは、感光ドラム21の回転に伴い現像部に到達する。そして、帯電部を通過した感光ドラム21の表面領域は、転写残トナーが表面に付着した状態のまま、スキャナユニット11により露光されて静電潜像を書き込まれる。
ここで、現像部に到達した転写残トナーの挙動について、感光ドラム21の露光部と非露光部に分けて説明する。感光ドラム21の非露光部に付着している転写残トナーは、現像部において感光ドラム21の非露光部の電位(暗部電位)と現像電圧との電位差により現像ローラ31に転移し、現像容器32に回収される。これは、トナーの正規帯電極性が負極性であるものとして、現像ローラ31に印加される現像電圧が、非露光部の電位に対して相対的に正極性だからである。なお、現像容器32に回収されたトナーは、撹拌部材34によって現像容器内のトナーと撹拌されて分散すると共に、現像ローラ31に担持されることで再び現像工程に使用される。
一方、感光ドラム21の露光部に付着している転写残トナーは、現像部において感光ドラム21から現像ローラ31に転移せずにドラム表面に残る。これは、トナーの正規帯電極性が負極性であるものとして、現像ローラ31に印加される現像電圧が、露光部の電位(明部電位)よりもさらに負極性の電位となっているためである。ドラム表面に残った転写残トナーは、現像ローラ31から露光部へと転移する他のトナーと共に感光ドラム21に担持されて転写部へ移動し、転写部において記録材Sに転写される。
このように、本実施の形態は、転写残トナーを現像装置30に回収し再利用するクリーナーレス構成としたが、従来公知の感光ドラム21に当接するクリーニングブレードを使用して転写残トナーを回収する構成としてもよい。その場合、クリーニングブレードによって回収された転写残トナーは、現像装置30とは別に設置される回収容器に回収される。ただし、クリーナーレス構成とすることで、転写残トナー等を回収する回収容器の設置スペースが不要となって画像形成装置1のより一層の小型化が可能となり、また、転写残トナーを再利用することで印刷コストの低減を図ることもできる。
[現像容器とトナーパウチの構成]
次に、現像容器32とトナーパウチ40の構成について説明する。図5(a)は、現像容器32及びトナーパウチ40を示す斜視図であり、図5(b)は、現像容器32及びトナーパウチ40を示す正面図である。図6(a)は、図5(b)の6A−6A断面図であり、図6(b)は、図5(b)の6B−6B断面図である。
図5(a)乃至図6(b)に示すように、現像容器32は、撹拌部材34を収容する搬送室36を有しており、トナーを収容する収容部としての搬送室36は、現像容器32の長手方向(左右方向)における全長に亘って延びている。また、搬送室36は、現像ローラ31及び供給ローラ33を回転可能に支持すると共に、現像ローラ31に担持されるための現像剤を収容している。また、現像容器32は、搬送室36の長手方向における一端部から上方に突出し、搬送室36に連通する突出部としての第1突出部37と、搬送室36の長手方向における他端部から上方に突出する第2突出部38と、を有している。すなわち、第1突出部37は、現像ローラ31の回転軸線方向において現像容器32の一端部に設けられ、現像容器32の中央部よりも上記回転軸線方向に交差する交差方向において排出トレイ81に向かって突出している。第2突出部38は、現像ローラ31の回転軸線方向において現像容器32の他端部に設けられ、現像容器32の中央部よりも交差方向において排出トレイ81に向かって突出している。本実施の形態では、第1突出部37は、現像容器32の左側に形成され、第2突出部38は、現像容器32の右側に形成されている。第1突出部37の上端部(先端部)には、トナーパウチ40を装着可能な装着部57が設けられており、装着部57には、トナーパウチ40から搬送室36へ現像剤が補給されるための補給口32aが形成されている。装着部57には、トナーパウチ40が装置の外部に露出した状態で装着できる。
第1突出部37及び第2突出部38は、搬送室36から装置手前かつ上方に向かって斜めに延びている。すなわち、第1突出部37及び第2突出部38は、排出ローラ対80の排出方向における下流かつ上方に向けて突出している。このため、第1突出部37に形成された補給口32aは、画像形成装置1の手前側に配置されることとなり、現像容器32へのトナーの補給作業を容易に行うことができる。
特に、本実施の形態では、開閉部材83の上方に、装置奥側を中心に開閉可能な読取装置200が配置されているため、装置手前に補給口32aを配置した方が、補給口32aと読取装置200との間のスペースを有効活用できる。このため、補給口32aからトナーを補給する際の作業性を向上できる。
第1突出部37の上部と第2突出部38の上部は、接続部としての把手部39によって接続されている。把手部39と搬送室36との間には、スキャナユニット11(図1(a)参照)から感光ドラム21に向けて出射されるレーザL(図1(a)参照)が通過可能な空隙としてのレーザ通過空間SPが形成されている。
把手部39は、ユーザが指を掛けて把持可能な摘まみ部39aを有しており、摘まみ部39aは、把手部39の天面から上方に突出して形成されている。第1突出部37は、内部が中空状に形成されており、上面に補給口32aが形成されている。補給口32aは、トナーパウチ40に対して連結可能に構成されている。
補給口32aが先端部に形成される第1突出部37を、現像容器32の長手方向における一方側に設けることで、スキャナユニット11から出射されるレーザLが通過可能なレーザ通過空間SPを確保することができ、画像形成装置1を小型化できる。また、第2突出部38を現像容器32の長手方向における他方側に設けると共に第1突出部37及び第2突出部38を接続する把手部39を形成したので、プロセスカートリッジ20をプリンタ本体100から取り出す際のユーザビリティを向上できる。なお、第2突出部38は、第1突出部37と同様に中空形状に形成されてもよく、また中実形状でもよい。
トナーパウチ40は、第1突出部37の装着部57に着脱可能に構成されている。また、トナーパウチ40は、開口部に設けられ開閉可能な第2シャッタ41と、装着部57に形成された複数(本実施の形態では3つ)の溝部32bに対応して形成された複数(本実施の形態では3つ)の突起42と、を有している。ユーザは、現像容器32にトナーを補給する場合、トナーパウチ40の突起42が装着部57の溝部32bを通過するように位置合わせして、トナーパウチ40を装着部57に連結する。そして、この状態でトナーパウチ40を180度回転させると、トナーパウチ40の第2シャッタ41が装着部57の不図示の突き当て部に突き当たることでトナーパウチ40の本体に対して回転し、第2シャッタ41が開かれる。これにより、トナーパウチ40に収容されたトナーがトナーパウチ40から漏下し、漏下したトナーは、補給口32aを介して中空状の第1突出部37に進入する。なお、第2シャッタ41は、補給口32a側に設けられてもよい。
第1突出部37は、補給口32aの開口に対向する位置に、斜面37aを有しており、斜面37aは、搬送室36に向けて下り傾斜している。このため、補給口32aから補給されたトナーは、斜面37aによって搬送室36に案内される。また、撹拌部材34は、長手方向に延びる撹拌軸34aと、撹拌軸34aよりも径方向外側に延びる羽根部34bと、を有している。
撹拌部材34の搬送方向における上流側に配置された補給口32aから補給されたトナーは、撹拌部材34の回転に伴い、現像ローラ31及び供給ローラ33に向け、送り込まれることになる。撹拌部材34の搬送方向は、現像容器32の長手方向に平行な方向である。補給口32a及び第1突出部37は、現像容器32の長手方向における一端部に配置されているが、撹拌部材34の回転を繰り返すことで、現像容器32の全長に亘ってトナーを行きわたる。なお、本実施の形態においては、撹拌部材34は、撹拌軸34aと羽根部34bとで構成されているが、現像容器32の全長に亘ってトナーを行きわたらせる構成として、ラセン形状の撹拌軸を用いてもよい。
本実施の形態では、トナーパウチ40は、図7及び図8(a)に示すように、変形容易なプラスチック製の袋体から構成されているが、これに限定されない。例えば、トナーパウチは、図8(b)に示すように略円錐形状のボトル容器40Bから構成されてもよく、図8(c)に示すように紙製の紙容器40Cから構成されてもよい。いずれにしても、トナーパウチは、その材質及び形状はどのようなものでも良い。また、トナーパウチからトナーを吐出させる方法は、トナーパウチ40や紙容器40Cであればユーザが指で絞るようにするのが好適であり、ボトル容器40Bであればユーザが容器を叩く等して振動させながら漏下させるのが好適である。また、ボトル容器40Bからトナーを排出させるために、ボトル容器40B内に排出機構を設けてもよい。さらに、排出機構は、プリンタ本体100と係合してプリンタ本体100から駆動力を受ける構成でもよい。
また、いずれのトナーパウチにおいても第2シャッタ41を省いてもよく、回転式の第2シャッタ41の代わりにスライド式のシャッタを適用してもよい。また、第2シャッタ41は、トナーパウチを補給口32aに装着したり装着状態でトナーパウチを回転させたりすることで破壊される構成でも良く、シールのような取り外し可能な蓋構造であってもよい。
[トナー残量の検知方法]
次に、現像容器32のトナー残量を検知する方法について、図9乃至図11を用いて説明する。本実施の形態の現像装置30には、現像容器32内のトナー残量に応じた状態を検知する第1トナー残量センサ51及び第2トナー残量センサ52が設置されている。
第1トナー残量センサ51は、発光部51a及び受光部51bを有し、第2トナー残量センサ52は、発光部52a及び受光部52bを有している。図10は、トナー残量センサ51,52の回路構成の一例を示す回路図である。なお、以下の説明では、第1トナー残量センサ51の回路構成について説明し、第2トナー残量センサ52の回路構成の説明は省略する。
図10では、発光部51aにLEDを使用し、受光部51bにはLEDからの光によりオン状態となるフォトトランジスタを使用しているが、これに限定されない。例えば、発光部51aにハロゲンランプや蛍光灯を適用してもよく、受光部51bにフォトダイオードやアバランシェフォトダイオードを適用してもよい。なお、発光部51aと電源電圧Vccとの間には、不図示のスイッチが設けられ、スイッチをオン状態にすることにより、電源電圧Vccからの電圧が発光部51aに印加され、発光部51aは導通状態となる。一方、受光部51bも電源電圧Vccとの間に不図示のスイッチが設けられ、スイッチをオン状態にすることにより、検知した光量に応じた電流により受光部51bは導通状態となる。
発光部51aには、電源電圧Vccと電流制限抵抗R1が接続され、発光部51aは、電流制限抵抗R1によって決定される電流により発光する。発光部51aから出射された光は、図9に示すように光路Q1を通り、受光部51bによって受光される。受光部51bのコレクタ端子には電源電圧Vccが接続され、エミッタ端子には検出抵抗R2が接続されている。フォトトランジスタである受光部51bは、発光部51aから出射された光を受光し、受光した光量に応じた信号(電流)を出力する。この信号は、検出抵抗R2により電圧V1に変換され、制御部90(図12参照)のA/D変換部95に入力される。なお、第2トナー残量センサ52の受光部52bは、発光部52aから出射され光路Q2を通った光を受光し、受光した光量に応じて電圧V2が出力され、制御部90のA/D変換部95に入力される。
制御部90(CPU91)は、入力された電圧レベルに基づいて受光部51b,52bが発光部51a,51bから光を受光したか否か判断する。制御部90(CPU91)は、現像容器32内のトナーを撹拌部材34により一定時間撹拌させた時の受光部51b、52bが各光を検知した時間の長さと受光した光強度に基づいて、現像容器32内のトナー量を算出する。即ち、ROM93は、トナーを撹拌部材34で搬送した際の、受光時間及び光強度からトナー残量を出力できるテーブルを予め記憶しており、制御部90は、A/D変換部95への入力とテーブルとに基づきトナー残量を予測/算出する。
より具体的には、第1トナー残量センサ51の光路Q1は、撹拌部材34の回転軌跡Tに交差するように設定されている。そして、撹拌部材34が1回転する際に撹拌部材34によって跳ね上げられるトナーによって光路Q1が遮光された時間、すなわち受光部51bが発光部51aからの光を検知しない時間は、トナー残量に依存して変化する。また受光部51bでの受光強度もトナー残量に依存して変化する。
つまり、トナー残量が多いときは光路Q1がトナーによって遮られやすいために受光部51bが受光している時間が短くなり、また受光部51bが受光する光の受光強度が小さくなる。一方、トナー残量が少ない時は反対に受光部51bが受光している時間が長くなり、また受光部51bが受光する光の受光強度は強くなる。従って、制御部90は、このように受光部51bの受光時間及び受光強度に基づいて、後述するようにトナー残量がLowレベルなのかMidレベルなのかを判断することができる。例えば、図11(a)に示すように、現像容器32の搬送室36内のトナーが微量の場合には、トナー残量がLowレベルであると判断される。なお、上記の説明においては、第2トナー残量センサ52は、撹拌部材34の回転軌跡Tに交差しない配置としているが、前述の第1トナー残量センサ51と同様に、撹拌部材34の回転軌跡Tに交差するように配置されていてもよい。
また、第2トナー残量センサ52の光路Q2は、撹拌部材34の回転軌跡Tに交差しないように、回転軌跡Tよりも上方に設定されている。そして、第2トナー残量センサ52の受光部52bは、光路Q2がトナーによって遮光された場合に発光部52aからの光を検知せず、光路Q2がトナーによって遮光されない場合に発光部52aからの光を検知する。従って、制御部90は、撹拌部材34の回転動作に拘わらず、受光部52bが光を受光したか否かに基づいて、後述するようにトナー残量がFullレベルなのか否かを判断する。例えば、図11(b)に示すように、現像容器32の搬送室36内のトナーが多量の場合には、トナー残量がFullレベルであると判断される。なお、上記の説明においては、第2トナー残量センサ52は、撹拌部材34の回転軌跡Tに交差しない配置としているが、前述の第1トナー残量センサ51と同様に、撹拌部材34の回転軌跡Tに交差するように設定されていてもよい。
なお、トナー残量の検知/推定方法については、図9で説明した光トナー残量検出の方式に限定されることはなく、様々な周知の方式のトナー残量の検知/推定方法を採用できる。例えば、2枚以上の現像ローラ長手方向に延びる金属プレート、又は導電樹脂シートを、枠体である現像容器32の内壁に配置し、2枚の金属プレート又は導電樹脂シート間の静電容量を計測し、トナー残量を検知/推定しても良い。或いは、現像装置30を下から支持する形でロードセルを設け、CPU51が、ロードセルで計測される重量より、トナーが空の場合の現像装置30の重量を減算することで、トナー残量を演算するようにしても良い。また、第1トナー残量センサ51を省略し、第2トナー残量センサ52の検知結果と、レーザ光の発光状況から、制御部90(CPU91)がトナー残量を演算するようにしても良い。
[画像形成装置の制御系]
図12は、画像形成装置1の制御系を示すブロック図である。画像形成装置1の制御手段としての制御部90は、演算装置としてのCPU91と、CPU91の作業領域として使用されるRAM92と、各種プログラムを格納するROM93と、を有している。また、制御部90は、外部の機器と接続される入出力ポートとしてのI/Oインターフェース94と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部95と、を有している。
制御部90の入力側には、第1トナー残量センサ51、第2トナー残量センサ52、装着センサ53及び開閉センサ54が接続されており、装着センサ53は、トナーパウチ40が現像容器32の補給口32aに装着されたことを検知する。例えば、装着センサ53は、補給口32aに設けられ、トナーパウチ40の突起42によって押圧されることで検知信号を出力する感圧スイッチから構成される。また、開閉センサ54は、開閉部材83がトップカバー82に対して開かれたか否かを検知する。開閉センサ54は、例えば感圧スイッチや磁気センサから構成される。
また、制御部90には、操作部300と、画像形成部10と、トナー残量に関する情報を報知可能な報知手段としてのトナー残量パネル400と、が接続されており、操作部300は、各種の設定画面を表示可能な表示部301及び物理キー等を有している。表示部301は、例えば液晶パネルから構成される。画像形成部10は、感光ドラム21、現像ローラ31、供給ローラ33及び撹拌部材34等を駆動する駆動源としてのモータM1を有している。なお、感光ドラム21、現像ローラ31及び供給ローラ33と、撹拌部材34と、をそれぞれ別個のモータによって駆動するように構成してもよい。
トナー残量パネル400は、図1(b)及び図17に示すように、プリンタ本体100の筐体の前面の右側、すなわち左側に配置された操作部300とは反対側に設けられており、現像容器32内のトナー残量に関する情報を表示する。本実施の形態では、トナー残量パネル400は、上下に並設される複数(本実施の形態では3つ)の目盛りからなるパネル部材であり、各目盛りが上記Lowレベル、Midレベル及びFullレベルに対応している。
すなわち、図17(a)に示すように、下方の目盛りのみが点灯している場合には、現像容器32のトナー残量は第3状態としてのLowレベルを示す。図17(b)に示すように、下方及び中央の目盛りが点灯し、上方の目盛りが消灯している場合には、現像容器32のトナー残量は第2状態としてのとしてのMidレベルを示す。図17(c)に示すように、3つの目盛りの全てが点灯している場合には、現像容器32のトナー残量は第1状態としてのFullレベルを示す。なお、トナー残量パネル400は、液晶パネルに限らず、LEDや白熱灯等の光源及び拡散レンズから構成されてもよい。なお、図17に示した例では、トナー残量を表す報知手段として説明したが、これに限定されない。例えば、図17(a)の表示をトナー補給が必要であることの表示にし、図17(b)の表示をトナー補給が不要であることの表示にし、図17(c)の表示をトナー補給が十分に行われたことを示す表示としても良い。
[トナー補給処理]
次に、トナーパウチ40内のトナーを現像容器32に補給するトナー補給処理について説明する。図13に示すように、トナー補給処理がスタートすると、制御部90は、補給動作開始指示があったか否かを判断する(ステップS1)。本実施の形態では、補給動作開始指示は、図15に示すように、操作部300によるユーザの操作である。具体的には、ユーザが操作部300を操作し、表示部301にボタン1の操作を促すメッセージを表示させた状態で、ボタン1を押し操作することで、補給動作開始指示が出力される。
なお、この時、トナーパウチ40は現像容器32の補給口32aに装着された状態であるため、開閉部材83は開かれた状態となっている。操作部300及び補給口32aは、共に装置右側に配置されているため、操作部300の操作をしつつトナーパウチ40を用いたトナー補給作業を容易に行うことができる。また、開閉部材83が開かれたことを開閉センサ54が検知すると、制御部90は、画像形成装置1による画像形成動作を禁止及び停止させる。このため、開閉部材83が開かれた状態では、画像形成装置1の各搬送ローラ、感光ドラム21及びスキャナユニット11等は停止している。
なお、補給動作開始指示は、ボタン1の押し操作に限らず、表示部301におけるタッチ操作や、装着センサ53によってトナーパウチ40の補給口32aへの装着が検知されたことに応じて、補給動作開始指示が出力されてもよい。また、トナーパウチ40の第2シャッタ41が開かれたことを検知するセンサを設け、このセンサの検知結果に基づいて補給動作開始指示が出力されてもよい。また、開閉センサ54が開閉部材83の開き操作を検知したことに基づいて補給動作開始指示を出力してもよい。また、開閉部材83が開かれた際には、プロセスカートリッジ20に印加される高圧電源を切り、撹拌部材34を駆動するモータM1のみを駆動可能に構成してもよい。
補給動作開始指示があったと判断された場合(ステップS1:Yes)、制御部90は、後述するタイマーT1,T2のパラメータを初期値(例えばゼロ)に初期化し、タイマーT1,T2をスタートする(ステップS2)。そして、制御部90は、モータM1を駆動させ(ステップS3)、撹拌部材34が回転する。
次に、制御部90は、トナー残量検出処理を実行する(ステップS4)。トナー残量検出処理が実行されると、図14に示すように、制御部90は、第1トナー残量センサ51及び第2トナー残量センサ52の発光部51a,52aを発光させる(ステップS41)。そして、制御部90は、第1トナー残量センサ51及び第2トナー残量センサ52の受光部51b,52bがそれぞれ出力する電圧V1,V2をA/D変換部95によってデジタル信号(以下、A/D変換値とする)に変換する(ステップS42)。
次に、制御部90は、電圧V2のA/D変換値が光路Q2が遮光されていることを示しているか否かを判断する(ステップS43)。光路Q2が遮光されていることを示している場合(ステップS43:Yes)、制御部90は、トナー残量パネル400にトナー残量がFullレベルであることを表示させる(ステップS44)。すなわち、図17(c)に示すように、トナー残量パネル400の3つの目盛り全てが点灯する。
電圧V2のA/D変換値が、光路Q2が遮光されていることを示していない場合(ステップS43:No)、制御部90は、電圧V1のA/D変換値に基づいて現像容器32内のトナーの残量情報を算出する(ステップS45)。そして、制御部90は、算出されたトナーの残量情報に基づいて、トナー残量パネル400にトナー残量がLowレベル又はMidレベルであることを表示させる(ステップS46)。ステップS44又はステップS46が完了すると、トナー残量検出処理を終了する。すなわち、検出手段としての第1トナー残量センサ51及び第2トナー残量センサ52は、撹拌部材34が動作している最中に現像容器32に収容された現像剤量に応じた残量情報を出力する。
次に、制御部90は、図13に示すように、タイマーT2が閾値β以上であるか否かを判断する(ステップS5)。閾値βは、予め設定される値であり、トナー残量検出処理が繰り返し実行される間隔に相当する。なお、α>βである。タイマーT2が閾値β以上の場合(ステップS5:Yes)、制御部90は、タイマーT2を初期化して再スタートさせ(ステップS6)、ステップS4に戻る。すなわち、タイマーT2が閾値βとなる毎に、トナー残量検出処理(ステップS4)が繰り返し行われる。例えば、閾値βが1秒に設定されている場合、ステップS4,S5,S6において、トナー残量検出処理は1秒おきに繰り返し行われる。
また、タイマーT2が閾値β未満の場合(ステップS5:No)、制御部90は、タイマーT1が閾値α以上であるか否かを判断する(ステップS7)。閾値αは、予め設定される値であり、トナー補給処理におけるモータM1及び撹拌部材34の駆動時間に相当する。タイマーT1が閾値α未満の場合(ステップS7:No)、ステップS5に戻る。タイマーT1が閾値α以上の場合(ステップS7:Yes)、制御部90は、モータM1の駆動を停止させ(ステップS8)、トナー補給処理を終了する。例えば、閾値αが10秒に設定されている場合、ステップS3でモータM1が駆動を開始してからステップS8でモータM1が停止されるまでが10秒となる。
上述したトナー補給処理において、図16(a)に示すようにトナーパウチ40からトナーが現像容器32内に落下すると、トナーは、第1突出部37を通って搬送室36に進入する。補給口32a及び第1突出部37は、現像容器32の長手方向における一端部に配置されているため、搬送室36には、一端部側に一括してトナーが供給される。
ここでトナーを搬送室36に供給する際に、撹拌部材34が回転していない場合を考える。トナーパウチ40からトナーを現像容器32内に落下させた場合に、トナーを収容する搬送室36において、撹拌部材34を回転させないと、落下したトナーが感光ドラム21の長手全域に行きわたるのに時間を要する。この時間が長くなると、トナー補給作業を行っているユーザが、トナーが搬送室36内に補給されたことを確認するまで時間を要し、ユーザビリティを低下させてしまう。
そこで、本実施の形態では、トナー補給処理において補給開始時から撹拌部材34を所定時間(閾値α)駆動させる。これにより、図16(b)(c)に示すように、トナーパウチ40から現像容器32の一端部に供給されたトナーが、撹拌部材34によって現像容器32の搬送室36の長手方向における全長に亘って早期に均される。このため、ユーザが、トナー補給が行われたことを確認するまでの時間を短縮化し、ユーザビリティを向上できる。また、現像容器32に収容されるトナーが均されるので、第1トナー残量センサ51及び第2トナー残量センサ52によるトナーの残量情報の検知の精度を向上できる。
そして、トナー補給処理中は、所定時間(閾値β)毎に第1トナー残量センサ51及び第2トナー残量センサ52によって、現像容器32内のトナーの残量情報が検知される。例えば、図17(a)に示すように、トナー残量パネル400が、トナー残量がLowレベルであることを表示した状態で、ユーザはトナーパウチ40から現像容器32にトナーを補給する。
すると、トナー残量パネル400は、図17(b)に示すようにトナー残量がMidレベルであることを表示した後、図17(c)に示すようにトナー残量がFullレベルであることを表示する。これにより、ユーザは、トナーパウチ40から現像容器32にトナーが補給されたことを確実に認知することができ、ユーザビリティを向上することができる。
ここで図16(a)〜(c)の断面図は、図6の16A−16A断面を示す。図16(a)(b)では、発光部52aが感光ドラム21の長手方向右端に配置されていることが示されている。受光部51b、発光部52a及び受光部52bも同一/略同一の感光ドラム21長手位置に配置されているものとする。装置本体内でのセンサ配置制約により、センサの配置を図16(a)(b)に示されるようにする場合がある。そのようなときも、トナー補給時の撹拌部材34の回転により、上述したようなユーザビリティ向上を図れる。
また、場合によっては、補給口32aの直下付近にセンサを配置する場合もある。そのような場合、図16(b)に示されるように、補給されたトナーが左側に偏り、感光ドラム21の長手全域でトナー剤面が均されているまで時間を要してしまう場合がある。正確なトナー補給状態を検知するには、感光ドラム21の長手全域でトナー剤面が均されている必要がある。しかしそのような場合でも、本実施例では、トナー補給時の撹拌部材34の回転により、感光ドラム21の長手全域でトナー剤面が短時間で均され、ユーザビリティを向上させることができる。
[トナーパウチ40に充填されているトナー量と現像容器32の容積の関係]
次に、トナーパウチ40に充填されているトナー量と現像容器32の容積の関係について説明する。現像容器32は、図18(a)に示すように、Z[g]のトナーを収容可能である。なお、図18(a)〜(c)では、グラム(g)換算で表記しているが、ミリリットル(ml)等の容積を示す単位に換算してもよい。
現像容器32に収容されたトナーが0[g]〜X[g]の場合には、第1トナー残量センサ51及び第2トナー残量センサ52の検知結果に基づいて、トナー残量パネル400はLowレベルの表示となる。X[g]が第2の量に対応し、0[g]〜X[g]のトナー量が、第2の量未満のトナー量に対応する。
現像容器32に収容されたトナーがX[g]〜Y[g]の場合には、第1トナー残量センサ51及び第2トナー残量センサ52の検知結果に基づいて、トナー残量パネル400はMidレベルの表示となる。Y[g]が第1の量に対応し、X[g]〜Y[g]のトナー量が、第1の量未満のトナー量に対応する。
現像容器32に収容されたトナーがY[g]以上の場合には、第1トナー残量センサ51及び第2トナー残量センサ52の検知結果に基づいて、トナー残量パネル400はFullレベルの表示となる。Y[g]以上のトナー量が第1の量以上のトナー量に対応する。
図18(b)は、トナーがA[g]充填されたトナーパウチ40によって現像容器32にトナーを補給した場合のトナー量を示すグラフである。図18(c)は、トナーがB[g](>A)充填されたトナーパウチ40によって現像容器32にトナーを補給した場合のトナー量を示すグラフである。なお、トナーパウチ40の製品ラインナップは、A[g]だけトナーが充填された小容量のトナーパウチと、B[g]だけトナーが充填された大容量のトナーパウチと、のいずれか一方でも両方でもよい。また、トナーパウチ40の製品ラインナップは、2種類に限らず3種類以上用意してもよい。
本実施の形態では、補給容器としてのトナーパウチ40に充填されているトナーの量(A,B)は、以下の式(1)(2)を満たす。
Y≦A<Z−Y ・・・(1)
Y≦B<Z−Y ・・・(2)
図18(b)に示すように、現像容器32に残ったトナーが0[g]〜X[g]の間のR[g]の場合に、トナーパウチ40によってA[g]だけトナーを現像容器32に補給すると、現像容器32には(R+A)[g]のトナーが収容されることとなる。上記式(1)により、Y<(R+A)となるため、トナー補給後のトナー残量パネル400は、Fullレベルの表示となる。すなわち、Fullレベルの閾値であるY[g]は、トナーパウチ40より補給される補給量A[g]よりも少ない。
また、図18(c)に示すように、現像容器32に残ったトナーがR[g]の場合に、トナーパウチ40によってB[g]だけトナーを現像容器32に補給すると、現像容器32には(R+B)[g]のトナーが収容されることとなる。上記式(2)により、Y<(R+B)となるため、トナー補給後のトナー残量パネル400は、Fullレベルの表示となる。
このように、現像容器32の容積は、トナー残量パネル400がMidレベル又はLowレベルの表示となっている際にトナー補給されることで、必ずトナー残量パネル400がFullレベルとなるように設定される。なお、一本のトナーパウチ40によって必ずしもFullレベルとなるように現像容器32の容積が設定される必要はなく、例えば少量のトナーを収容した複数本のトナーパウチ40を補給することでFullレベルとなるようにしてもよい。
また、現像容器32の容積は、上記式(1)(2)より、トナー残量パネル400がMidレベル又はLowレベルの表示となっている際にトナーパウチ40に充填されているトナーの全量が現像容器32に移動できるように設定されている。すなわち、現像容器32に収容可能な現像剤の最大量は、FullレベルとMidレベルの境界であるY[g]に、トナーパウチ40が収容する現像剤の量(A[g]又はB[g])を加算した値よりも大きい。言い換えれば、トナーパウチ40に充填されているトナーの量は、現像容器32に収容可能な最大のトナー量(Z[g])と、MidレベルとFullレベルとの境界のトナー残量(Y[g])と、の差分よりも少ない。
これにより、トナーパウチ40を用いて現像容器32にトナーを補給している途中で現像容器32にトナーが満杯となることが無く、トナー補給中に補給口32aからトナーが漏れ出ることを低減できる。
以上のように、本実施の形態では、トップカバー82の排出トレイ81に第2開口部82aが形成されており、更にトップカバー82に開閉可能に支持される開閉部材83が設けられている。開閉部材83は、閉状態で第2開口部82aを覆い、かつ開状態で現像容器32の補給口32aを露出させる。このため、ユーザは、開閉部材83を開けるだけで、補給口32aにアクセスすることができる。
本実施の形態は、補給口32aからトナーパウチ40によって直接、現像容器32にトナーを補給する方式(直接補給方式)を採用しているため、現像容器32へのトナーの補給に当たって、プロセスカートリッジ20を取り出す必要が無い。また、現像容器32の補給口32aは、搬送室36の長手方向における一端部から上方に突出する第1突出部37の上面に形成されているため、第2開口部82aに近接して配置されている。このため、ユーザは、補給口32aを介して現像容器32へのトナー補給作業を容易に行うことができる。また、現像容器32にトナーを補給するのにあたって、現像ローラ31や供給ローラ33等の部品を交換しないため、コストダウンできる。
また、第1突出部37、第2突出部38、把手部39及び搬送室36に囲まれるようにレーザ通過空間SPを形成したので、現像容器32とスキャナユニット11とを近接して配置することができ、画像形成装置1を小型化することができる。
更に、トナーパウチ40を補給口32aに装着して、トナー補給作業を行う時には、撹拌部材34が駆動するため、補給口32aが現像容器32の長手方向における一端部側に配置されていたとしても、パッキング現象を低減できる。これにより、画像不良を低減できると共に、トナーの残量情報の検知精度を向上できる。
また、現像容器32に収容可能な現像剤の最大量は、FullレベルとMidレベルの境界であるY[g]に、トナーパウチ40が収容する現像剤の量(A[g]又はB[g])を加算した値よりも大きくなるように設定されている。このため、トナーパウチ40を用いて現像容器32にトナーを補給している途中で現像容器32にトナーが満杯となることが無く、トナー補給中に補給口32aからトナーが漏れ出ることを低減できる。このように画像形成装置1を構成することで、ユーザに求められるニーズを満たす画像形成装置の一形態を提供することができる。
なお、本実施の形態では、トナー補給処理において、ユーザによる操作部300のボタン1の操作に基づいて撹拌部材34を所定時間(閾値α)駆動させたが、これに限定されない。例えば、ボタン1を1回押すことで撹拌部材34の駆動が開始され、ボタン1を再び押すことで撹拌部材34の駆動が停止されてもよい。また、ボタン1を押し続けている間のみ撹拌部材34を駆動してもよい。
また、現像容器32のトナー残量がLowレベルになったら、表示部301にトナー補給を促すための補給通知を表示してもよい。また、トナーが無くなったら表示部301にトナー補給を促すための補給通知を表示してもよい。
また、現像容器32のトナー残量は、トナー残量パネル400によってユーザに報知されるが、本実施の形態のように3つの目盛りから構成されなくてもよい。例えば、トナー残量パネル400は、1つ、2つ又は4つ以上の目盛りから構成されてもよい。また、パーセント表示やゲージ表示によって、トナー残量を連続的に表示するように構成してもよい。また、トナー残量のユーザへの通知は、スピーカーを用いて音声により行ってもよい。
[トナーパウチ]
ここで、画像形成装置に着脱可能であって、現像容器32に設けられた補給口32aに装着可能に構成され、トナーを収容するトナー容器としてのトナーパウチ40の構成について図を用いて詳細を説明する。
図26は、トナーパウチ40の全体を示す斜視図である。トナーパウチ40は、内部にトナーを収容する容器としてのパウチ503、パウチに取り付けられたキャップとしての補給ベース501、回転可能な第2シャッタ41、第2シャッタ41を保持し第2シャッタ41と共に回転するシャッタホルダ502を含む。
図27、図28は、トナーパウチ40を構成する部品を分解して示した斜視図である。トナーパウチ40はその一端部から順に、第2シャッタ41、第2シート505、第2シール504、補給ベース501、シャッタホルダ502、そして、パウチ503の順に構成されている。第2シャッタ41は、図27、28に示す回転軸線zを中心に回転できるように構成されている。パウチ503は、第1開口としてのパウチ開口503aを有する。第2シャッタ41は、遮蔽部41fと、第2シャッタ開口部41iと、中央穴41jと、を有する。
トナーパウチ40は、更に、第2シート505を有する。第2シート505は、厚み100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂のフィルムであり、第2シャッタ41の遮蔽部41fに両面テープで貼り付けられている。第2シート505で用いられるフィルムは、厚み50〜300μmのPET樹脂やPP(ポリプロピレン)樹脂で形成されたものが好ましい。
図29は、第2シート505が固定された第2シャッタ41の斜視図である。図29(a)は、第2シャッタ41を内側(パウチ503がある側)から見た図、図29(b)は、第2シャッタ41を外側(パウチ503がある側と反対側)から見た図である。第2シート505は、第2シャッタ41の回転方向における端部505aが遮蔽部41fの第2シャッタ41の回転方向における端面41hから食み出るように遮蔽部41fに固定されている。
図30は、第2シール504が貼り付けられた補給ベース501を示している。図30(a)及び図30(b)は補給ベース501の斜視図を、図30(c)は補給ベース501の断面図を示している。第2シール504は、変形可能な発泡ウレタンや不織布等の材質で構成されており、両面テープ等で補給ベース501に固定されている。補給ベース501は、上流側開口501aと、下流側開口501bと、上流側開口501aと下流側開口501bを繋ぐ管部501cと、を有する。上流側開口501aは、パウチ開口503aを介してパウチ503からトナーを受け入れる受入口であり、パウチ503の内部と連通する連通穴である。下流側開口501bは、上流側開口501aで受け入れたトナーを現像容器32に供給するための供給口である。管部501cは、上流側開口501aで受け入れたトナーが下流側開口501bまで移動できるように構成された中空の管である。図30に示す補給ベース501の管部501cは、1つの上流側開口501aから2つの下流側開口501bへ分岐するように構成されている。2つの管部501cは、回転軸線zに対し対称に設けられている。パウチ503の開口503a及び補給ベース501の上流側開口501aは、回転軸線zの方向に見ると、回転軸線zと交差する位置に設けられている。一方、補給ベース501の下流側開口501bは、回転軸線zと交差しない位置に設けられている。つまり、管部501cは回転軸線zに対して傾斜した方向に延びている。パウチ503内のトナーがこの傾斜した管部501cを通ることによって、回転軸線zの方向に延びる管部を通る場合よりも、現像装置32に対して断続的なトナーの供給が可能になり、供給量が安定する。
補給ベース501に固定された第2シール504には、補給ベース501の下流側開口501bの位置に対応した開口504aが設けられている。補給ベース501の上流側開口501aを介してパウチ503から供給されたトナーは、管部501c、下流側開口501b、および、第2シール504の開口504aを通過して、現像容器32へ移動することになる。
第2シール504は、補給ベース501に固定されているため、その界面でのトナー漏れは発生しにくい構成となっている。一方で、補給ベース501に固定された第2シール504の摺動面504bは、第2シャッタ41に固定された第2シート505の摺動面505b(図29)と摺動する構成となっている。第2シール504は、第2シート505によって回転軸線zの方向に押圧されて変形し、第2シール504の摺動面504bと第2シート505の摺動面505bとの間に面圧を発生させる構成となっている。これにより、第2シール504と第2シート505との界面でのトナー漏れを抑制している。
第2シート505が固定された第2シャッタ41は、第2シール504が固定された補給ベース501に対して回転軸線zを中心に回転可能な構成となっている。以下、詳細を説明する。図31にはトナーパウチ40の回転軸線zに直交する方向に垂直な断面図を示す。第2シャッタ41の内径部41bと、補給ベース501の外径部501dと、は回転軸線zを同心とする円筒状の一部であり、互いに摺動可能に構成されている。また、第2シャッタ41の円筒部41cと、補給ベース501の内径部501eと、は回転軸線zを同心とする円筒状の一部であり、互いに摺動可能に構成されている。ここで、シャッタホルダ502は、回転軸線zの方向において補給ベース501に対して第2シャッタ41と反対側に配置され、第2シャッタ41に固定されている。具体的には、シャッタホルダ502の面502bが第2シャッタ41の面41dに接着される。更に、シャッタホルダ502の凹部502c(図27)が第2シャッタ41の凸部41e(図26参照)と係合することで、シャッタホルダ502は、第2シャッタ41に対して回転方向で固定されている。シャッタホルダ502は、第2シャッタ41と共に補給ベース501に対して回転軸線zを中心に回転するように構成されている。シャッタホルダ502のリブ502a(図31)が補給ベース501の面501fに当接することで、補給ベース501は、回転軸線z方向への移動が規制されている。
つまり、第2シール504は第2シート505に押圧されて変形し、その変形量を維持するように補給ベース501が第2シャッタ41とシャッタホルダ502の間で支持されている。従って、第2シール504の摺動面504bと、第2シートの摺動面505bと、の間に面圧が発生することになる。上記構成により、トナーパウチ40単体の状態で、トナーパウチ40のパウチ503内に収容されているトナーの外部へ漏れ出しが抑制されている。
図32は、補給ベース501とパウチ503の結合状態を示している。補給ベース501の上流側開口501aの外環501gに対して、パウチ503の開口503aが結合されている。補給ベース501の上流側開口501aとパウチ503の開口503aは、熱溶着や接着剤を用いた方法で結合される。パウチ503内のトナーは、パウチ503の開口503a、および、補給ベース501の上流側開口501aを介して、補給ベース501に向かって移動する。このトナーは、補給ベース501の管部501c、下流側開口501b等を通過して、現像容器32へ移動することになる。
パウチ503の材質は、PE(ポリエチレン)樹脂、PP樹脂、又はPET樹脂のシートや、それらの複合材や、不織布や紙、および、それらの樹脂との複合材が好ましい。パウチ503がユーザにより変形可能な部材で構成されている場合、ユーザが指でパウチ503を押したり絞ったりすることで、パウチ503内のトナーを容易にトナーパウチ40の外部に供給することができる。なお、前述のように、トナーパウチ40がボトル容器40Bであればユーザが容器を叩く等して振動させながら漏下させるのが好適である。
これまで説明したように、第2シャッタ41とシャッタホルダ502とは互いに固定されており、また、補給ベース501とパウチ503とは互いに固定されている。一方で、第2シャッタ41は、補給ベース501に対して回転軸線zを中心に回動可能な構成となっている。以下に、補給ベース501の下流側開口501b(第2シール504の開口504a)の第2シャッタ41(第2シート505)による遮蔽状態、および、開放状態について説明する。
図33(a)は、第2シャッタ41がトナーパウチ40の供給口としての下流側開口501bを遮蔽する閉位置にある時のトナーパウチ40の斜視図である。図33(b)は第2シャッタ41が下流側開口501bを開放するように閉位置から退避した閉位置にある時のトナーパウチ40の斜視図である。図33(b)は、第2シャッタ41が開位置から回転軸線zを中心にシャッタホルダ502と共に矢印z1方向に約60度回転した状態を示している。補給ベース501の下流側開口501bがトナーパウチ40の外部に露出し、パウチ503に収容されているトナーを外部に供給可能な状態である。この図33(b)の状態から、第2シャッタ41及びシャッタホルダ502を、回転軸線zを中心に矢印z2方向に回転させることで、再度トナーパウチ40の下流側開口501bがシャッタ41によって遮蔽された状態に戻すことができる(図33(a))。トナーパウチ40が現像容器32に装着された後、シャッタホルダ502の胴体部502dがユーザによって回転軸線zを中心に矢印z1方向に回転させられることによって、第2シャッタ41が回転する。これにより、補給ベース501の下流側開口501bが露出し、パウチ503内のトナーを現像容器32へ供給することが可能になる構成になっている。
[現像容器]
トナーパウチ40からトナーが供給される対象である、本体収容部(トナー収容部)としての現像容器32の構成について図を用いて説明する。図34は、現像容器32の補給口32a近傍の斜視図である。補給口32aは、トナーパウチ40からトナーの供給を受けるための受入口である。図35は、現像容器32の補給口32aおよびその周辺部を分解して示した斜視図である。現像容器32の補給口32aの上には、第1シール506、第1シャッタ507、シャッタカバー508、および、第1シール509がこの順に重なるように配置されている。図34(a)は、補給口32aが第1シャッタ507によって遮蔽された状態であり、図34(b)は補給口32aが開放された状態である。
なお、図34及び35に示すように、現像容器32には、回転軸線zと同軸上に設けられ、回転軸線zの方向に延びる軸部322が設けられている。軸部322は、円筒部32dおよび円筒部32dよりも先端側に設けられた二方取り形状部32e部を有する。第1シャッタ507は、略扇形をした遮蔽部としての面507eと、第1貫通穴507aと、中央穴507eと、を有する。中央穴507eが軸部322の円筒部32dに嵌ることによって、第1シャッタ507は軸部322の軸線(回転軸線z)を中心として回転可能になっている。
軸部322の二方取り形状部32eは、第1シール506の中央穴506b、第1シャッタ507の中央穴507b、および、シャッタカバー508の中央穴508e、を貫通してトナーパウチ40側まで延びている。軸部322の二方取り形状部32eの機能については後述する。
第1シール506は、変形可能な発泡ウレタンや不織布等の材質で構成され、両面テープや接着剤で現像容器32に固定されている。第1シール506には、現像容器32の補給口32aに対応する位置に貫通穴506aが設けられている。現像容器32には、補給口32aとは別に排出口32cが設けられており、第1シール506には、現像容器32の排出口32cに対応する位置にも貫通穴506cが設けられている。
第1シール506の上には第1シャッタ507が配置されている。さらに、第1シャッタ507の上にはシャッタカバー508が配置されている。図37は、現像容器32の補給口32aの周辺部の、回転軸線zに直交する方向に垂直な断面図を示している。
シャッタカバー508は、現像容器32に対して固定されている。シャッタカバー508の凹部508bが現像容器32の凸部32g(図35)と係合した状態でシャッタカバー508の面508aが現像容器32の面32fに接着されている。つまり、シャッタカバー508は、所定の回転位相で現像容器32に対して位置決めされている。第1シャッタ507は、現像容器32の上に設けられた第1シール506とシャッタカバー508との間に配置され、回転軸線zを中心に回転可能に現像容器32に支持されている。
図37に示すように、第1シャッタ507の外環507cとシャッタカバー508の内径部508cは、軸部322の軸線(回転軸線z)と同軸上に設けられた円筒状の一部である。第1シャッタ507は、シャッタカバー508に対し第1シャッタ507の外環507cがシャッタカバー508の内径部508cと摺動しながら回転できるように構成されている。一方、第1シャッタ507の面507dがシャッタカバー508の面508dに当接し、第1シャッタ507の回転軸線zの方向の移動が規制される構成となっている。第1シール506が第1シャッタ507から回転軸線z方向に押圧されることで圧縮された状態が維持されるように、第1シャッタ507がシャッタカバー508と現像容器32との間で支持されている。これにより、現像容器32単体の状態で、現像容器32からのトナーの漏れが抑制される。
図38(a)及び(b)は、シャッタカバー508の斜視図である。図38(c)及び(d)は、第1シール509が取り付けられたシャッタカバー508を示している。第1シール509は、変形可能な発泡ウレタンや不織布等の材質で構成されている。第1シール509は、図38(b)に示すように、シャッタカバー508の面508fと面508gとに亘って、両面テープ等で貼り付けられている。シャッタカバー508の面508fは、第1シャッタ507に対向し回転軸線zに垂直な面508fである。シャッタカバー508の面508gは、回転軸線z方向において面508fの反対側の面である。
第1シャッタ507は、回転軸線zに対して回転可能に支持されている。第1シャッタ507は、図34(a)に示す遮蔽位置(第1位置)と、図34(b)に示す開放位置(第2位置)の間を回転する。遮蔽位置は、回転軸線zの方向に見たときに、面507eが補給口32aとオーバラップする位置であって、現像容器32がトナーパウチ40からトナーの供給を受けることができない位置である。開放位置(第2位置)は、第1貫通穴507aが補給口32aとオーバラップする位置であって、現像容器32がトナーパウチ40からのトナーの供給を受けることができる位置である。
[トナーパウチ及び現像容器の係合及びシャッタの開閉動作]
第1シャッタ507によって補給口32aが遮蔽された、図34(a)に示す現像容器32に対して、トナーパウチ40を装着した状態を図39(a)に示す。
トナーパウチ40を現像容器32に装着すると、現像容器32の二方取り軸部32eが補給ベース501の二方取り穴501hに挿入され、二方取り軸部32eが二方取り穴501hと係合する。言い換えると、トナーパウチ40の二方取り穴501hは、現像容器32の二方取り軸部32eと係合可能に構成されている。また、第1シャッタ507の略扇形をした面507e(図34(a))に第2シャッタ41の略扇形をした面41f(図33(a))が当接している。
図39(a)に示す状態において、ユーザがシャッタホルダ502の胴体部502dを掴んでシャッタホルダ502を矢印z1方向に回転させた場合について説明する。前述したようにシャッタホルダ502と第2シャッタ41は固定されているため、シャッタホルダ501の回転に連動して、第2シャッタ41も矢印z1方向に回転する。このとき、第2シャッタ41の面41g(図33)は、第1シャッタ507のリブ507f(図34)に当接して第1シャッタ507を矢印z1方向に押圧し、第1シャッタ507を矢印z1方向に回転させる。第2シャッタ41の面41g及び第1シャッタ507のリブ507fの面は、回転軸線zの方向に延びている。
係合部としての第2シャッタ41の面41gは、被係合部としての第1シャッタ507のリブ507fと係合することで、第1シャッタ507は、第2シャッタ41と共に回転する構成になっている。
図33(a)および図34(a)はそれぞれ、図33(b)および図34(b)に示す状態から第2シャッタ41および第1シャッタ507が回転軸線zを中心に矢印z1方向に60°回転したトナーパウチ40及び現像容器32の状態を示している。図33(b)のトナーパウチ40は、第2シャッタ41の第2シャッタ開口部41iが補給ベース501の下流側開口501bとオーバラップし下流側開口501bが露出された状態である。この状態においては、トナーパウチ40内に収容されたトナーを現像装置32へ供給可能である。図34(a)の現像容器32は、補給口32aが露出された状態であり、トナーパウチ40からトナーを受け入れ可能な状態になっている。
現像容器32の軸部322は、回転軸線zの周りに回転しないように固定されている。従って、軸部322の二方取り軸部32eに対して二方取り穴501hで係合している補給ベース501およびパウチ503は回転しない。つまり、ユーザがシャッタホルダ502の胴体部502dを回動させた場合、第2シャッタ41及び第1シャッタ507が回転するだけであって補給ベース504及びパウチ503は回転しない。図7に示すように、ユーザはパウチ503を変形させることで、パウチ503のトナーを現像装置32に供給する構成となっているので、パウチ503は変形しやすい構成になっている。従って、パウチ503を持って回転させることができる構成よりも、パウチ503が現像装置32に対して固定され、シャッタホルダ502の胴体部502dを回転させる構成の方が操作性は良い。また、パウチ503が回転せずに常に所定の方向を向いている方が良い場合がある。例えば、パウチ503にトナー補給のためのインストラクションが表示されているもしくはインストラクションラベルが貼られている場合である。このような場合は、パウチ503が回転しない構成にすることでパウチ503のユーザの視認性を高める意味がある。
次に、現像容器32に装着されたトナーパウチ40を現像装置32から離脱させる動作について説明する。図39(b)に示す状態から、シャッタホルダ502の胴体部502dを、回転軸線zを中心に矢印z2方向に回動させる動作を考える。シャッタホルダ502と第2シャッタ41は固定されているため、シャッタホルダ501と連動して、第2シャッタ41も矢印z2方向に回転する。このとき、第2シャッタ41の面41h(図33)が、第1シャッタ507に設けられた面507g(図34)を押圧して第1シャッタ507は回転する。また、第1シャッタ507は回転軸線zを中心に回転可能に支持されているため、シャッタホルダ501の回転動作に連動して、第1シャッタ507もまた、回転軸線zを中心に矢印z2方向に回転することになる。シャッタホルダ502を矢印z2方向に60°回転させることで、図33(a)、図34(a)、および、図39(a)に示すような補給口32aが遮蔽された状態に戻すことが可能である。なお、この第1シャッタ507及び第2シャッタ41を閉じる場合においても、トナーパウチ40は回転しない。
次に、第1シャッタ507及び第2シャッタ41の開閉時のトナー漏れ抑制方法について説明する。図40は、トナーパウチ40を現像容器32に装着する時のトナーパウチ40と現像容器32のインターフェース部の断面模式図である。図40においては、パウチ503は省略している。図40(a)は、トナーパウチ40が装着される前の状態を示している。図40(b)は、図40(a)に示す状態から、トナーパウチ40が現像容器32に装着され、第1シャッタ507及び第2シャッタ41が回転する前の状態を示す。この状態においては、現像装置32の補給口32aと、補給ベース501の下流側開口501bと、が遮蔽されており、パウチ503に収容されたトナーがトナーパウチ40の外へ排出されることはない。また、図40(c)は、図40(b)に示す状態から第2シャッタ41が回転軸線zを中心として矢印z1方向に角度θ1(0<θ1)だけ回転した状態を示している。第2シャッタ41の、回転軸線zを中心として矢印z1方向の回転を、図40においては、図中左方向(矢印z1方向)として示している。また、図40(d)は、図40(b)に示す状態から第2シャッタ41が回転軸線zを中心として矢印z1方向に角度θ2(θ1<θ2)だけ回転した状態を示している。さらに、図40(e)は、図40(b)に示す状態から第2シャッタ41が回転軸線zを中心として矢印z1方向に60°回転した状態であり、補給口32aや補給ベース501の下流側開口501bが露出している状態を示している。 図40(b)は、現像容器32にトナーパウチ40を装着した状態で、第1シート505の第2シャッタ41の回転方向の端部505aは第1シャッタ507の面507hの上に接触するように配置されている。また、第1シャッタ507のリブ507fと第2シャッタ41の面41gは、第2シャッタ41の回転方向において、隙間δ1を有して配置されている。また、第1シャッタ507の面507gと第2シャッタ41の面41hは、第2シャッタ41の回転方向において、隙間δ2を有して配置されている。第1シャッタ507と第2シャッタ41との隙間δ1、隙間δ2は、ユーザが現像容器32に対してトナーパウチ40を装着する際のあそびである。隙間δ1及び隙間δ2を設けることで、トナーパウチ40の現像容器32に対する装着性を向上させることができる。隙間δ1が狭くなると隙間δ2が広がり、隙間δ1が広くなると隙間δ2が狭くなる。
トナーパウチ40が現像容器32に装着された後、第2シャッタ41は、回転軸線zを中心として矢印z1方向に回転させられる。図40(c)は、図40(b)で存在していた隙間δ1がなくなり、第1シャッタ507のリブ507fが第2シャッタ41の面41gに対して接触している状態である。第1シャッタ507のリブ507fが第2シャッタ41の面41gに押されて、第1シャッタ507は、第2シャッタ41と共に回転軸線zを中心に矢印z1方向に回転する。なお、図40(c)の状態における隙間δ2は、図40(b)の状態における隙間δ2よりも広がることなる。また、第2シート505の端部505aは、第1シャッタ507の面507hから脱落することなく、面507hに当接するように構成されている。図40(c)の状態から更に第2シャッタ41が回転軸線zを中心に矢印z1方向に回転させられると、次のようになる。図40(d)に示すように、第1シャッタ507の面507gと第2シャッタ41の面41hとで形成される隙間δ2が、補給ベース501の下流側開口501bの下部に位置する。このとき、第2シート505の端部505aが第1シャッタ507の面507hに当接しているため、隙間δ2へのトナーの侵入を抑制している構成となっている。
図40(d)の状態から更に、第2シャッタ41が回転軸線zを中心に矢印z1方向に回転させられると、図40(e)の状態になる。図40(e)の状態は、補給口32aや下流側開口501bがそれぞれ第1シャッタ507及び第2シャッタ41から露出した状態である。パウチ503内(不図示)に収容されたトナーは、パウチ503の開口503a、補給ベース501の上流側開口501a、管部501c、下流側開口501b、第2シール504の開口504aを介してパウチ503から現像容器32へ供給される。その排出されたトナーは、第1シャッタ507の第1貫通穴507a、第1シール506の穴506a、および、現像容器32の補給口32aを介して、現像容器32内に受け入れられることになる。図40(e)の状態において、第2シール504は、第1シャッタ507との界面へのトナーの侵入を抑制する構成となっている。また、第1シール506もまた、第1シャッタ507との界面へのトナーの侵入を抑制する構成となっている。
次に、トナーパウチ40から現像容器32へのトナー補給(供給)を完了した後、トナーパウチ40を現像容器32から取り外す方法について図を用いて説明する。図40(f)は、図40(e)に示す状態から第2シャッタ41が回転軸線zを中心に矢印z2方向に角度θ3(0<θ3)だけ回転した状態を示している。図40(e)の状態において存在していた隙間δ2がなくなり、第1シャッタ507の面507gが第2シャッタ41の面41hに対して接触している状態である。図40(f)における隙間δ1は、図40(e)における隙間δ1よりも広がることになる。
第1シャッタ507の面507gが第2シャッタ41の面41hから押圧力を受け、第1シャッタ507は第2シャッタ41と共に回転軸線zを中心として矢印z2方向に回転する。第1シャッタ507の面507gは被係合部として、第2シャッタ41の面41hは面507gと係合する係合部として機能する。図40(f)の状態から第1シャッタ507及び第2シャッタ41はそれぞれ、矢印z2方向に回転させられると、図40(g)に示すように、現像容器32の補給口32a及び補給ベース501の下流側開口501bを遮蔽する。第1シャッタ507の第1貫通穴507aは、図40(e)に示す状態のときに、トナーパウチ40から現像容器32へトナーを供給する際のトナーの経路の一部となっており、第1貫通穴507aの内壁にトナーが付着して残る場合がある。そこで、第1シール509は、第1貫通穴507aおよび第1シール509と第1シャッタ507との界面へのトナーの侵入を抑制する構成となっている。
なお、この状態でトナーパウチ40を現像容器32から離脱させることができ、図40(a)に示す状態に戻ることになる。
[トナーパウチ40と現像容器32との結合部について]
前述したように、トナーパウチ40と現像容器32は、トナーパウチ40の補給ベース501の二方取り穴501hと、現像容器32に設けられた軸部322の二方取り軸部32eと、が係合することで互いに結合する構成である。以下、図を用いて詳細を説明する。図41は、現像容器32の二方取り軸部32eおよびその周辺部を示した斜視図である。二方取り軸部32eは、平面32e1及び32e2と、外周面32e3及び32e4と、を有する。平面32e1及び32e2は、回転軸線zの方向に延びる面であって互いに平行で且つ対向する面である。外周面32e3及び32e4は、同じ外径を有し回転軸線zと同軸上に設けられた円筒面の一部であって互いに対向する面である。図41(a)は、二方取り軸部32eの平面32e1が手前になる向きの斜視図である。図41(b)は、二方取り軸部32eの円筒面32e3が手前になる向きの斜視図である。
図30に示す補給ベース501の二方取り穴501hは、平面501h1及び平面501h2と、内周面501h3及び501h4と、を有する。平面501h1及び平面501h2は、回転軸線zの方向に延びる面であって互いに平行で且つ対向する面である。内周面501h3及び501h4は、同じ内径を有し回転軸線zと同軸上に設けられた円筒面の一部であって互いに対向する面である。
トナーパウチ40が現像容器32に装着された際には、二方取り軸部32eの平面32e1及び32e2はそれぞれ、補給ベース501の二方取り穴501hの平面501h1及び平面501h2と対向する。一方、二方取り軸部32eの外周面32e3及び32e4はそれぞれ、図30に示す補給ベース501の二方取り穴501hの内周面501h3及び平面501h4と対向する。
平面501h1と平面502h2との間の距離と、平面32e1と平面32e2との間の距離と、の差分は、内周面501h3(501h4)の内径と、外周面32e3(32e4)の外径と、の差分よりも小さい。そのため、トナーパウチ40を現像容器32に装着した場合、トナーパウチ40は、図41(a)に示す矢印α方向よりも図41(b)に示す矢印β方向の方が傾きにくい構成となっている。
尚、トナーパウチ40と現像容器32の結合部は、本実施例の構成に限らず、次のような構成であれば良い。トナーパウチ40の被係合部と現像容器32の係合部のいずれか一方が軸部であり他方が穴部である。軸部と穴部を回転軸線zの方向に見たときに、回転軸線zに直交する方向を第1方向、第1方向と直交する方向を第2方向と、すると第1方向の軸部と穴部の隙間が第2方向の軸部と穴部の隙間よりも大きい構成であればよい。
図33(b)に示すように、トナーパウチ40の補給ベース501の2つの下流側開口501b(第2シール504の開口504a)はそれぞれ、補給ベース501の二方取り穴501hの平面501h1及び平面501h2に対向する位置に設けられている。また、図34(b)に示すように、現像容器32の2つの補給口32aはそれぞれ、現像容器32の二方取り軸部32eの平面32e1及び平面32e2に対向する位置に設けられている。トナーパウチ40の補給ベース501の2つの下流側開口501bと、現像容器32の2つの補給口32aと、を上述した配置にしている理由を説明する。
トナーパウチ40と現像容器32との結合部におけるトナー汚れを抑制するためには、次のようにすることが好ましい。第1シャッタ507及び第2シャッタ41がそれぞれ補給口32a及び下流側開口501bを開放している位置にある時に、開口504aが設けられた第2シール504の厚み方向(回転軸線zの方向)の変形量を所定範囲に維持する。これによって、補給ベース501の第2シール504の摺動面504bと第1シャッタ507の当接圧を安定させることが好ましい。トナーパウチ40が現像容器32に装着されたときにトナーパウチ40の傾きが大きくなる方向に第2シール504の2つの開口504aが配置されていると次のような課題がある。トナーパウチ40が傾いた場合に、一方の開口504a近傍における第2シール504の変形量が大きくなるものの、他方の開口504a近傍における第2シール504の変形量が小さくなる。その結果、他方の開口504a近傍においてトナー汚れが発生しやすくなる。
そこで、本実施例においては、図41(b)に示すようにトナーパウチ40の傾きが抑制されている矢印β方向に第2シール504の2つの開口504a(補給ベース501の下流側開口501b)を設けている。これによって、トナーパウチ40と現像容器32との間のトナー汚れを抑制することができる。
なお、本実施の形態では、補給ベース501の下流側開口501bは2つ設けているものの、これに限定されない。図42のように下流側開口501bは1つでもよく、また、3つ以上でもよい。なお、この場合、現像容器32の補給口32a等の数もトナーパウチ側の形態に対応させる。
[変形例]
図43は、トナーパウチ40と現像容器32とが結合された状態を示す、回転軸線zの方向に垂直な断面図である。図43(a)及び(b)はそれぞれ、実施例1及び変形例の断面図である。変形例は、回転軸線zの方向における、現像容器32の二方取り軸部32eとトナーパウチ40の二方取り穴501hとが係合する係合領域gの位置が実施例1と異なる。変形例は、図43(b)に示すように、回転軸線z方向に関し係合領域gで第2シール504と第1シャッタ507が当接している。
現像容器32にトナーパウチ40を装着した後、トナーパウチ40が現像容器32に対し図41に示す矢印α方向、矢印β方向に傾いたとしても、第2シール504の回転軸線zの方向の変形量への影響を実施例1よりも小さくすることができる。
(現像容器32の排出口)
図44はトナーパウチ40を現像容器32に装着した状態を示した断面模式図である。図44(a)は、現像容器32とトナーパウチ40とが結合される前の状態を示している。図44(b)は、トナーパウチ40が現像容器32に装着され、トナーパウチ40の第2シャッタ41及び第1シャッタ507を回転させる前の状態である。この時の第1シャッタ507の位置を第2位置とする。この状態では、補給口32aや補給ベース501の下流側開口501bはそれぞれ第1シャッタ507及び第2シャッタ41に遮蔽され、パウチ503内に収容されたトナーは現像容器32に供給されない。
図44(c)は、図44(b)に示す状態から第2シャッタ41が回転軸線zを中心に矢印z1方向に60°回転させた状態であって補給口32aや下流側開口501bが開放されている状態を示している。この時の第1シャッタ507の位置を第1位置とする。パウチ503内(不図示)に収容されたトナーは、パウチ503の開口503a、補給ベース501の上流側開口501a、管部501c、下流側開口501b、第2シール504の開口504aを介してトナーパウチ40から現像容器32へ供給される。トナーパウチ40から供給されたトナーは、第1シャッタ507の第1貫通穴507a、第1シール506の供給口506a、および、補給口32aを介して、現像容器32内に補給される。
現像容器32は、補給口32a及び排出口32cを有する。トナーパウチ40が現像容器32に装着された状態において、回転軸線zの方向に見ると、補給口32aはトナーパウチ40の下流側開口501bとオーバラップする位置にあるが、排出口32cは下流側開口501bとオーバラップしない位置に設けられている。
ここで、現像容器32へトナーパウチ40からトナーを供給し、現像容器32内のトナーが満タンになった場合を考える。図44(c)はトナーパウチ40から現像容器32にトナーが供給され、現像容器32内のトナーと、トナーパウチ40から供給されるトナーと、が繋がった状態になっている。現像容器32の補給口32aは、現像容器32の内部に向かって延びた円筒状のリブ32hによって形成されている。尚、リブ32hは、補給口33aを構成する壁であれば良く、必ずしも円筒状である必要はない。トナーパウチ40から供給されたトナーは、補給口32aから現像容器32内に移動し、図44(c)に示すように、現像容器32のリブ32hから下方に末広がりの状態で堆積する。この状態では、トナーパウチ40のパウチ503を変形させても、トナーが連続するように積み重なっているためトナーの紛圧が発生し、結果として、トナーパウチ40内の全てのトナーを現像容器32へ供給することができず、パウチ503にはトナーが残留する。
図44(d)は、図44(c)に示す状態から、第2シャッタ41が回転軸線zを中心に矢印z2方向に角度θ4(0<θ4<60°)回転した状態を示している。パウチ503内のトナーが現像容器32内のトナーと繋がるように積み重なった状態で第1シャッタ507を回転させると次のようになる。図44(c)に示すように、第1シャッタ507の第1貫通穴507aと内部に存在するトナー(図中、領域TAに存在するトナー)は擦り切られて第1シャッタ507と共に移動する。図44(d)では、現像側シャッタ507の第1貫通穴507aの鉛直方向の下に、第1シール506の排出口506c、および、現像容器32の排出口32cが設けられている。この時の第1シャッタ507の位置を第3位置とする。第1シャッタ507の移動に伴って第1貫通穴507aに存在して擦り切られたトナーは、第1シール506の排出口506c、および、現像容器32の排出口32cを介して、現像容器32内に落下する構成となっている。また、現像容器32の排出口32cを構成する壁部の下端は、リブ32hの鉛直方向の下端よりも上側に位置するように構成されている。なぜなら、リブ32hの下方に末広がりの状態で堆積したトナーを避け、現像容器32内の空間部分に対してトナーを落下させるためである。
図44(e)は、図44(d)に示す状態から、第2シャッタ41が回転軸線zを中心に矢印z2方向に60°回転した状態を示している。この時の第1シャッタ507の位置は図44(b)と同じ第2位置である。現像容器32の補給口32aや補給ベース501の下流側開口501bが遮蔽された状態である。つまり、第1シャッタ507の第3位置は、第1位置と第2位置の間にある。
以上、説明したように、トナーパウチ40から現像容器32へトナーを供給する供給口がトナーで満たされた状態で第1シャッタ507の開閉動作を繰り返した場合であっても、トナーの汚れやトナー漏れを抑制することができる。
(パウチの補強)
図45は、トナーパウチ40のパウチ503と補給ベース501との結合部について、別の実施の形態を示している。
補給ベース501は、パウチ503を挟んで補強する補強リブ501kが設けられている。補給ベース501は、パウチ開口503aが設けられている側のパウチ503の長手方向の端部に上流側開口501aとパウチ開口503aとが連通するように取り付けられている。補給ベース501は、パウチ503の長手方向に直交する方向の一端部をパウチ503の長手方向に亘って挟んで支持する支持部としての補強リブ501kが二つ設けられている。パウチ503の長手方向に直交する方向において、第1支持部及び第2支持部としての二つの補強リブ501kは、上流側開口501aを挟んで互いに反対側に設けられている。補強リブ501kは、パウチ503の長手方向においてパウチ503の長手中央まで延びていることが好ましい。パウチ503はPEなどの樹脂シートやそれらの複合材等で構成されており、ユーザにより容易に変形できる形態となっている。一方で、パウチ503と補給ベース501とを確実に結合させたり、パウチを自立させるために、補強リブ501kにてパウチ503を補強(支持)する構成になっている。
尚、補強リブ501kは、パウチ503を挟まずに、パウチ503に接着されることで、パウチ503を支持する構成でも良い。
<第1変形例>
図19(a)に第1の実施の形態の第1変形例を示す。図19(a)に示すように、画像形成装置1Bは、現像容器の補給口132aが装置右側に配置されており、開閉部材83Bも、装置右側に配置されている。開閉部材83Bは、開状態で補給口132aを露出させ、閉状態で補給口132aを覆う。このように、補給口132aを装置右側に配置することで、補給口132aがトナー残量パネル400と近接する。このため、トナーパウチ40を用いて現像容器にトナー補給をする際に、トナー残量パネル400を容易に確認することができる。
<第2変形例>
また、図19(a)に示す形態に限らず、図19(b)に示すように、開閉部材83Cを手前側に開くように構成された画像形成装置1Cに本発明を適用してもよい。
<第3変形例>
また、図19(c)に示すように、開閉部材83Dを奥側に開くように構成された画像形成装置1Dに本発明を適用してもよい。
<第4変形例>
また、図20(a)に示すように、操作部300Eは、プリンタ本体100ではなく読取装置200に配置されてもよく、またトナー残量パネル400と共に装置右側に配置してもよい。なお、操作部300E及びトナー残量パネル400の両方を装置右側に配置してもよいことはもちろんである。
<第5変形例>
また、図20(b)に示すように、トナー残量パネル400Fを装置左側に配置し、操作部300Fを装置右側に配置してもよい。
<第2の実施の形態>
次いで、本発明の第2の実施の形態について説明するが、第2の実施の形態は、第1の実施の形態の補給口32aの構成を変更したものである。このため、第1の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
図21(a)に示すように、画像形成装置1Gは、トップカバー82に開閉部材83Gが開閉可能に支持されており、開閉部材83Gは、装置奥側に開くように構成されている。開閉部材83Gを開くことで、現像容器32Gの補給口232aが露出する。そして、補給口232aは、鉛直方向に対して傾斜するように、排出ローラ対80の排出方向における下流かつ上方に向けて開口している、言い換えれば、補給口232aは、斜め手前上方に向かって開口している。
このように補給口232aを構成することで、トナーパウチ40は、補給口232aに装着された状態で手前に傾斜した状態となる。このため、補給口232aと読取装置200との間のスペースを有効活用でき、大容量のトナーパウチも補給口232aに装着可能となる。
なお、図22(a)(b)に示すように、開閉部材83H及び読取装置200は、図21(a)(b)よりも浅い角度で保持されるように構成してもよい。このように構成することで、画像形成装置1の設置スペースを省スペース化することができる。
<第3の実施の形態>
次いで、本発明の第3の実施の形態について説明するが、第3の実施の形態は、第1の実施の形態のカートリッジガイド102の構成を変更したものである。このため、第1の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
画像形成装置1Jは、図23(a)(b)に示すように、プリンタ本体100J及び読取装置200を有しており、プリンタ本体100Jは、カートリッジガイド102Jを有している。カートリッジガイド102Jは、感光ドラム21の軸方向における端部に設けられた突出部21a(図5(a)参照)に摺動することで、プロセスカートリッジ20を引出す際にプロセスカートリッジ20を案内する。
カートリッジガイド102Jの引き出し方向における下流端には、抜き止め102Jaが形成されている。このため、図23(b)に示すように、プロセスカートリッジ20をユーザが引き出すと、プロセスカートリッジ20の突出部21aが抜き止め102Jaに突き当たり、プロセスカートリッジ20はプリンタ本体100Jから取り外されることはない。なお、抜き止め102Jaの近傍には、不図示の回転止めが設けられており、プロセスカートリッジ20は、抜き止め102Jaに突き当たった状態で、回転止めによって回転することなく保持される。
このように、プロセスカートリッジ20がカートリッジガイド102Jに沿って引き出された状態では、図24及び図25(a)(b)に示すように、補給口32aが画像形成装置1Jの手前側に位置している。このため、トナーパウチ40を用いて補給口32aから現像容器32にトナーを補給するトナー補給作業を容易に行うことができる。また、補給口32aの直上には、大きな空間が存在するため、大容量のトナーパウチを補給口32aに装着することができる。なお、既述のいずれの実施の形態及び変形例は、適宜組み合わせてもよい。
なお、既述のいずれの形態においても、プリンタ本体の上方に読取装置200を設けていたが、これに限定されない。すなわち、画像形成装置は、読取装置を有さないプリンタでもよい。また、読取装置は、原稿を給送するADF(Auto Ducument Feeder)を備えた読取装置でも良い。