JP2021025946A - 糖ペプチド解析装置 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)糖タンパク質を精製する。
(2)酵素消化により糖タンパク質を糖ペプチドへ分解してペプチド混合物を得る。
(3)ペプチド混合物から糖ペプチドを選択的に抽出し濃縮する。
(4)逆相カラムを用いた液体クロマトグラフ(LC)により、糖ペプチドをアミノ酸配列等が異なる糖ペプチド毎に分離する。
(5)LCにより分離された糖ペプチドをそれぞれ質量分析装置に供し、MS/MS分析を実行してMS/MSスペクトルを取得する。
(6)MS/MSスペクトルを解析することにより、糖鎖の組成や構造の解析を行う。
目的の糖タンパク質由来の糖ペプチドを含む試料を前記分析装置で分析することで得られたデータに基づいて作成された、解析対象である溶出時間範囲内の複数のMS/MSスペクトルから、糖ペプチドに由来すると推定される糖ペプチド関連スペクトルを選定し、該糖ペプチド関連スペクトルに基づいて該糖ペプチドにおけるペプチドの質量を算出するペプチド質量算出部と、
前記データに基づいて作成された、前記溶出時間範囲内の複数のMSスペクトルにおいて検出される複数のイオンピークのそれぞれの質量電荷比と、前記ペプチド質量算出部で算出されたペプチド質量とに基づいて、各イオンピークに対応する糖ペプチドに含まれると想定される糖又は糖鎖の質量のケンドリックマスディフェクトを算出するケンドリックマスディフェクト算出部と、
前記ケンドリックマスディフェクトの値の分布に基づいて、前記イオンピークを選別するとともに選別されたイオンピークに対応する糖ペプチドのペプチドを推定するグリコフォーム関連ピーク選別部と、
前記選別されたイオンピークの中で前記ペプチド質量算出部で算出されたペプチド質量以上の質量電荷比に対応するイオンピークについて、該イオンピークに対して推定されているペプチドの情報を利用して糖鎖の組成を推定する糖鎖組成推定部と、
を備えるものである。
即ち、まず目的とする糖タンパク質を精製したうえで、酵素消化によりその糖タンパク質を糖ペプチドへ分解してペプチド混合物を得る。そして、そのペプチド混合物から糖ペプチドを選択的に抽出し濃縮する。
ペプチド質量算出部220は、対象のMS/MSスペクトルから、ノイズピーク等を除去した有意なピークの情報を収集してピークリストを作成する。そして、このピークリストと予め設定された検索条件とに基づくデータベース検索により、糖ペプチドの同定を試みる。そして、糖ペプチドの同定が可能であったMS/MSスペクトルを糖ペプチド関連スペクトルとする。
対象の糖ペプチドがN結合型糖ペプチドである場合、衝突誘起解離(CID)を伴うMS/MS分析を行うと、ペプチド部分よりも糖鎖部分が優先的に開裂し、糖残基が順番に脱離したペプチドに由来するイオン、つまりは糖鎖の断片化により生じた糖鎖フラグメントイオン(オキソニウムイオン)が生じ易い。そこでペプチド質量算出部220は、対象のMS/MSスペクトルにおいてこうしたオキソニウムイオンが検出されるか否か判定し、オキソニウムイオンが検出されたMS/MSスペクトルを糖ペプチド関連スペクトルとする。そして、信号強度が最大であるピークを、ペプチドに1個のN−アセチルヘキソサミン(HexNAc)が結合したN結合型糖ペプチドフラグメントイオンであると仮定し、そのピークの質量電荷比からペプチド質量を推算する。
対象の糖ペプチドがN結合型糖ペプチドであって、MALDIイオン源を搭載した質量分析装置を使用する場合、MS/MSスペクトルには特徴的なトリプレットピーク(質量電荷比間隔が低質量電荷比側から83Da及び120Daで並ぶ3本のピーク)が観測されることが知られている。そこでペプチド質量算出部220は、対象のMS/MSスペクトルにおいて上記のトリプレットピークが検出されるか否かを判定し、トリプレットピークが検出されたMS/MSスペクトルを糖ペプチド関連スペクトルとする。そして、そのトリプレットピークの中で質量電荷比が最小であるピークを糖鎖のみが脱離したペプチドイオンであると仮定して、そのピークの質量電荷比からペプチド質量を推算する。
解析結果表示処理部228は、そうして推定された糖鎖組成や構造の解析結果とペプチドの構造解析結果(アミノ酸配列)等とを表示部4に表示する(ステップS9)。
上記実施形態の糖ペプチド解析装置を用いた解析の一例として、α1−酸性糖タンパク質を解析した実例について説明する。
まず、解析対象であるα1−酸性糖タンパク質を酵素消化して得られたペプチド混合物に対して逆相LC/MS分析を実施し、MSスペクトルデータ及びMS/MSスペクトルデータを収集した。次に、収集されたMS/MSスペクトルデータに基づいて、データベース検索エンジンを用いて糖ペプチド及びペプチドの同定を試みた。データベース検索エンジンとしては、糖ペプチド同定で広く利用されている「Byonic(登録商標)」(非特許文献4参照)を使用した。その結果、糖ペプチドの一つとして、アミノ酸配列が[NEEYNK]であるペプチドを含む糖ペプチドが同定された。
上述した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
目的の糖タンパク質由来の糖ペプチドを含む試料を前記分析装置で分析することで得られたデータに基づいて作成された、解析対象である溶出時間範囲内の複数のMS/MSスペクトルから、糖ペプチドに由来すると推定される糖ペプチド関連スペクトルを選定し、該糖ペプチド関連スペクトルに基づいて該糖ペプチドにおけるペプチドの質量を算出するペプチド質量算出部と、
前記データに基づいて作成された、前記溶出時間範囲内の複数のMSスペクトルにおいて検出される複数のイオンピークのそれぞれの質量電荷比と、前記ペプチド質量算出部で算出されたペプチド質量とに基づいて、各イオンピークに対応する糖ペプチドに含まれると想定される糖又は糖鎖の質量のケンドリックマスディフェクトを算出するケンドリックマスディフェクト算出部と、
前記ケンドリックマスディフェクトの値の分布に基づいて、前記イオンピークを選別するとともに選別されたイオンピークに対応する糖ペプチドのペプチドを推定するグリコフォーム関連ピーク選別部と、
前記選別されたイオンピークの中で前記ペプチド質量算出部で算出されたペプチド質量以上の質量電荷比に対応するイオンピークについて、該イオンピークに対して推定されているペプチドの情報を利用して糖鎖の組成を推定する糖鎖組成推定部と、
を備えるものである。
11…液体クロマトグラフ部
12…質量分析部
2…データ解析部
21…スペクトルデータ格納部
22…糖鎖構造解析部
220…ペプチド質量算出部
221…スペクトル類似度算出部
222…グリコフォーム関連スペクトル選別部
223…グリコフォーム溶出時間範囲算出部
224…溶出時間範囲内ペプチド質量算出部
225…ケンドリックマスディフェクト算出部
226…グリコフォーム関連ピーク選別部
227…糖鎖組成推定部
228…解析結果表示処理部
3…入力部
Claims (3)
- 液体クロマトグラフとMS/MS分析が可能な質量分析装置とを組み合わせた分析装置を用い、糖タンパク質のグリコフォームについての構造解析を行う糖ペプチド解析装置であって、
目的の糖タンパク質由来の糖ペプチドを含む試料を前記分析装置で分析することで得られたデータに基づいて作成された、解析対象である溶出時間範囲内の複数のMS/MSスペクトルから、糖ペプチドに由来すると推定される糖ペプチド関連スペクトルを選定し、該糖ペプチド関連スペクトルに基づいて該糖ペプチドにおけるペプチドの質量を算出するペプチド質量算出部と、
前記データに基づいて作成された、前記溶出時間範囲内の複数のMSスペクトルにおいて検出される複数のイオンピークのそれぞれの質量電荷比と、前記ペプチド質量算出部で算出されたペプチド質量とに基づいて、各イオンピークに対応する糖ペプチドに含まれると想定される糖又は糖鎖の質量のケンドリックマスディフェクトを算出するケンドリックマスディフェクト算出部と、
前記ケンドリックマスディフェクトの値の分布に基づいて、前記イオンピークを選別するとともに選別されたイオンピークに対応する糖ペプチドのペプチドを推定するグリコフォーム関連ピーク選別部と、
前記選別されたイオンピークの中で前記ペプチド質量算出部で算出されたペプチド質量以上の質量電荷比に対応するイオンピークについて、該イオンピークに対して推定されているペプチドの情報を利用して糖鎖の組成を推定する糖鎖組成推定部と、
を備える糖ペプチド解析装置。 - 前記ケンドリックマスディフェクト算出部は、イオンピークの質量電荷比に基づく質量からペプチド質量を差し引くことで得られる質量値に対し、分析対象として想定される特定の糖鎖若しくは糖の理論質量とノミナル質量の比、又は、分析対象として想定される糖鎖若しくは糖の平均的な組成を持つ糖の理論質量とノミナル質量の比、をスケーリングファクタとしてケンドリックマスディフェクトを算出する、請求項1に記載の糖ペプチド解析装置。
- 前記質量分析装置において通常のMS分析を実行してMSスペクトルを取得し、該MSスペクトルにおいて検出されるピークの中で所定の条件を満たすピークの質量電荷比をプリカーサイオンに設定したMS/MS分析を前記MS分析に引き続いて実行するように、前記質量分析装置の動作を制御する分析制御部、をさらに備える、請求項1又は2に記載の糖ペプチド解析装置。
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