JP2021025787A - 配電系統探査システム - Google Patents

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Abstract

【課題】現実の運用に適した架空配電系統探査システムを提供する。【解決手段】少なくとも架空配線区間を含む配電系統に生じる異常を探査するための配電系統探査システムが提供される。配電系統探査システムは、配電系統のそれぞれ異なる位置に配置された複数の測定装置と、複数の測定装置により取得されるそれぞれの測定結果を処理する処理装置とを含む。複数の測定装置の各々は、パルス状の入射波を発生するパルス発生部と、パルス発生部により発生された入射波によって配電系統で生じる電気的変化を測定結果として出力する検出部とを含む。処理装置は、複数の測定装置のうちいずれかの測定装置からの測定結果が予め定められた異常判定条件を満たすと、当該異常判定条件を満たした測定装置の近傍に位置する他の測定装置の測定結果も参照して、配電系統において異常が生じた位置を決定する。【選択図】図3

Description

本発明は、少なくとも架空配線区間を含む配電系統に生じる異常を探査する技術に関する。
発電所で発生した電力は送電線により変電所まで運ばれ、変電所で所定電圧に変換された上で、配電線により電力消費先である需要家まで運ばれる。都市部などでは、地中配電線により電力が需要家まで運ばれるが、それ以外では、架空配電線により電力が需要家まで運ばれる。
架空配電線は、その線路が屋外にあるため、地中配電線に比較して、事故を生じさせる要因が多い。例えば、樹木が架空配電線に接触したり、鳥獣が架空配電線に接触したりするような場合である。万が一、このような事故が発生した場合、その事故点および事故原因を可能な限り早期に探索し、事故原因の除去および復旧を行う必要がある。
特開2018−031718号公報(特許文献1)は、架空配電系統に生じる事故点をより短時間で探索できる架空配電系統探査システムを開示する。
特開2018−031718号公報
上述の特許文献1に開示される架空配電系統探査システムによれば、架空配電系統に生じる事故点をより短時間で探索できるが、現実の運用を考慮すると、事故が生じ得る区間は広大であり、単一の架空配電系統探索装置では十分にカバーできない可能性がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、現実の運用に適した架空配電系統探査システムを提供することである。
本発明のある局面に従えば、少なくとも架空配線区間を含む配電系統に生じる異常を探査するための配電系統探査システムが提供される。配電系統探査システムは、配電系統のそれぞれ異なる位置に配置された複数の測定装置と、複数の測定装置により取得されるそれぞれの測定結果を処理する処理装置とを含む。複数の測定装置の各々は、パルス状の入射波を発生するパルス発生部と、パルス発生部により発生された入射波によって配電系統で生じる電気的変化を測定結果として出力する検出部とを含む。処理装置は、複数の測定装置のうちいずれかの測定装置からの測定結果が予め定められた異常判定条件を満たすと、当該異常判定条件を満たした測定装置の近傍に位置する他の測定装置の測定結果も参照して、配電系統において異常が生じた位置を決定する。
好ましくは、処理装置は、対象とする測定装置が時間波形を測定したときの状況に基づいて、異常が生じた位置を決定する。
好ましくは、異常判定条件は、予め定められた直前の期間に亘る測定結果に依存して決定される。
好ましくは、パルス発生部は、容量性結合を介して、配電系統に入射波を注入するように構成される。
好ましくは、複数の測定装置の各々は、パルス発生部と配電系統との間に配置され、パルス発生部からの入射波を配電系統に導くとともに、配電系統からの入射波に応じた反射波を検出部へ導く方向性結合器をさらに含む。
好ましくは、配電系統探査システムは、配電系統に含まれる分岐経路のいずれかに配置され、いずれかの測定装置からの入射波を当該分岐経路のうち特定の経路に導くフェライトコアをさらに含む。処理装置は、フェライトコアの配置位置に応じて、配電系統において生じる得る異常の位置を決定する。
本発明によれば、現実の運用に適した架空配電系統探査システムを実現できる。
本実施の形態に従う配電系統探査システムの構成例を示す模式図である。 本実施の形態に従う配電系統探査システムにおいて用いられるTDR測定の概要を説明するための図である。 本実施の形態に従う配電系統探査システムにおいて用いられる測定装置のハードウェア構成例を示す模式図である。 図3に示す方向性結合器の機能を説明するための図である。 本実施の形態に従う配電系統探査システムにおいて用いられるTDR測定における電圧シフトについて説明するための図である。 本実施の形態に従う測定装置による電圧シフトの影響を評価するための測定結果の一例を示す。 本実施の形態に従う測定装置によるパルス波の注入タイミングを説明するための図である。 本実施の形態に従う測定装置による短絡事故の事故点標定の結果例を示す図である。 本実施の形態に従う測定装置による地絡事故の事故点標定の結果例を示す図である。 本実施の形態に従う測定装置により取得される測定結果の時間的変動の一例を示す図である。 本実施の形態に従う測定装置により取得される測定結果に生じる時間的変動の評価例を示す図である。 本実施の形態に従う配電系統探査システムにおける事故点標定の処理手順を説明するための図である。 本実施の形態に従う測定装置による位置標定に係る処理手順を示すフローチャートである。 本実施の形態に従う測定装置による模擬線路に樹木接触を発生させた状態での測定結果の一例を示す。 本実施の形態に従う測定装置による模擬線路に碍子不良を発生させた状態での測定結果の一例を示す。 本実施の形態に従う測定装置による通常とは異なる状態を検出する処理手順を示すフローチャートである。 事故中に流れる事故電流に基づく事故点の標定を評価するための模擬線路を説明するための図である。 図17に示す模擬線路において短絡事故が発生中に取得された測定結果の一例を示す。 図17に示す模擬線路において地絡事故が発生中に取得された測定結果の一例を示す。 本実施の形態に従う配電系統探査システムにおける異常探査の動作例を説明するための図である。 本実施の形態に従う配電系統探査システムにおける異常探査に係る処理手順を示すフローチャートである。 本実施の形態に従う配電系統探査システムにおけるフェライトコアの遮断性能を評価するための模擬線路の一例を示す図である。 図22に示す模擬線路において測定された時間波形の一例を示す。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
<A.配電系統探査システムの概要>
まず、本実施の形態に従う配電系統探査システム1における構成および測定方法などについて概略する。
通常の配電系統の運用においては、配電系統を区間毎に区切る自動区分開閉器と自動区分開閉器を制御する配電自動化システムとが用いられる。配電系統に何らかの事故が発生すると、配電自動化システムによりその事故が発生した区間が特定され、事故が発生していない健全な区間について送電が再開される。配電自動化システムでは、何らかの事故が発生した区間を特定できるものの、その区間は相対的に長いので、実際の事故点を特定するための調査(典型的には、線路巡視や架電探査といった作業員による作業)が必要となる。なお、事故点の特定(「標定」とも称される)には、電柱の識別番号などが用いられる。
これに対して、配電系統探査システム1は、少なくとも架空配線区間を含む配電系統に生じる異常を自動的に探査する。本明細書において、「配電系統に生じる異常」との用語は、短絡、地絡、断線などの何らかの事故が発生した状態に加えて、通常とは異なる状態(例えば、漏れ電流が通常よりは多いなど)を含み得る。
図1は、本実施の形態に従う配電系統探査システム1の構成例を示す模式図である。図1を参照して、配電系統探査システム1は、変電所4から電力が供給される1または複数の配電系統2を探査対象とする。配電系統2は、少なくとも架空配線区間を含む。
配電系統探査システム1は、配電系統2のそれぞれ異なる位置に配置された複数の測定装置100を含む。測定装置100は、時間領域反射(TDR:Time Domain Reflectometry)測定を用いて、配電系統2に生じる異常の探査に必要な測定結果10を取得する。典型的には、測定装置100は、配電系統2の任意の位置に単独で配置することもできるし、配電系統2に配置される機器(例えば、開閉器や柱上トランス)の一部として組み込むこともできる。
配電系統探査システム1は、複数の測定装置100により取得されるそれぞれの測定結果10を処理する処理装置200をさらに含む。より具体的には、処理装置200は、複数の測定装置100のうちいずれかの測定装置100からの測定結果10が予め定められた異常判定条件を満たすと、当該異常判定条件を満たした測定装置100の近傍に位置する他の測定装置100の測定結果10も参照して、配電系統2において異常が生じた位置を決定する。また、処理装置200は、配電系統2に発生した異常の位置を特定する(事故点を標定する)機能(事故点標定機能)に加えて、配電系統2に生じた事故の種別(短絡、地絡、断線など)を特定する機能(事故種別特定機能)を有していてもよい。処理装置200において実行される処理の詳細については後述する。
図2は、本実施の形態に従う配電系統探査システム1において用いられるTDR測定の概要を説明するための図である。図2を参照して、TDR測定の手順としては、(1)事故点に向かってパルス波を送出し、(2)パルス波を送出してから事故点で反射するパルス波が到着するまでの時間(すなわち、往復時間t)を測定する。パルス波の伝搬速度vとすると、測定装置100から事故点までのLは、以下のように示すことができる。
L=v×t/2
事故点ではインピーダンスの変化が生じるので、配電系統2にパルス波を注入して事故点で反射して生じる反射波から距離を算出する手法を適用し、事故前後の測定結果の差を算出することで、事故点を標定できる。
但し、配電系統2を流れる負荷電流が大きいと、注入されるパルス波の振幅が相対的に小さくなり、事故点より手前の反射波にも差分が残留する場合がある。また、電流プローブを介してパルスを注入する方式を採用した場合には、配電系統2を流れる負荷電流が大きいと、電流プローブに磁気飽和が生じ、適切なパルス波を配電系統2に注入することができない場合がある。
そこで、本実施の形態に従う配電系統探査システム1を構成する測定装置100は、容量性結合を介して、パルスを配電系統2に注入するという方式を採用する。
<B.測定装置100のハードウェア構成例>
次に、本実施の形態に従う配電系統探査システム1において用いられる測定装置100のハードウェア構成例について説明する。
図3は、本実施の形態に従う配電系統探査システム1において用いられる測定装置100のハードウェア構成例を示す模式図である。図3を参照して、測定装置100は、配電系統2に対して注入する入射波(パルス波)の生成および配電系統2に生じる反射波を収集するための測定部110と、測定部110を配電系統2と電気的に接続するための結合部140とを含む。測定装置100は、加工性のよい樹脂製のケースに収めるようにしてもよい。
測定部110と結合部140との間は、ノイズを低減するために、同軸ケーブル104を介して電気的に接続されている。図3には、配電系統2に含まれる2つの相(2線:「CH1」および「CH2」と表す。)を測定可能な構成例を示すが、より多くの相を測定できる構成を採用してもよい。
測定部110は、主制御部106と、増幅器120,130と、方向性結合器122,132と、パルストランス基板102とを含む。主制御部106は、パルス発生器112と、A/D(Analog to Digital)変換器114と、演算部116と、通信部118とを含む。
パルス発生器112は、予め定められたパルス状の入射波を周期的あるいは任意のタイミングで発生する。パルス発生器112が発生したパルス波は、主制御部106の送信ポートから増幅器120,130へ供給される。
A/D変換器114は、方向性結合器122,132から出力される信号(パルス波の反射波成分を含む)を受けて、その波形を示すデジタル信号を出力する。演算部116は、A/D変換器114から出力されるデジタル信号を処理して測定結果10を生成する。測定結果10を生成する処理の詳細については後述する。このように、A/D変換器114および演算部116は、パルス発生器112により発生された入射波によって配電系統2で生じる電気的変化を測定結果10として出力する。
通信部118は、演算部116により生成される測定結果を処理装置200などへ送信する。通信部118としては、配電系統2を構成する導体を介して信号を伝送する方式を採用してもよいし、LTE(Long Term Evolution)や無線LAN(Local Area Network)などの無線通信方式を採用してもよい。
増幅器120,130は、パルス発生器112が発生するパルス波を増幅して、方向性結合器122,132へ供給する。
方向性結合器122,132は、パルス発生器112と配電系統2との間に配置され、パルス発生器112からの入射波(パルス波)を配電系統2に導くとともに、配電系統2から入来する信号(入射波(パルス波)に応じた反射波を含む)を主制御部106の受信ポート(A/D変換器114)へ導く。
パルストランス基板102は、パルス波を含む入射波およびパルス波の反射波成分を含む反射波を伝送するためのインターフェイス回路を含む。より具体的には、パルストランス基板102は、方向性結合器122,132と電気的に接続されるとともに、同軸ケーブル104を介して結合部140と電気的に接続されている。
図4は、図3に示す方向性結合器122,132の機能を説明するための図である。方向性結合器122,132は、あるポートから入射して特定の方向に伝搬する信号の一部を別のポートへ導くことができる回路構成を含む。
図4を参照して、主制御部106から送出される入射波(パルス波)が方向性結合器122,132のポートP1に与えられると、方向性結合器122、132を通過して、ポートP2から配電系統2側へ出力される。このとき、実質的に、入射波がポートP3側へ導かれることはない。
一方、配電系統2側から反射波が方向性結合器122,132のポートP2に入射すると、入射された反射波に対して周波数特性に従うフィルタリングされた結果がポートP3(およびポートP1)から出力される。周波数特性としては、低周波カットフィルタを採用することで、配電系統2に現れる商用周波数(60Hzまたは50Hz)の影響をカットできる。本実施の形態に従う測定部110においては、約40dBをカットする低周波カットフィルタを採用する。
このように、方向性結合器122,132は、主制御部106から送出される入射波(パルス波)の影響を除去しつつ、配電系統2からの反射波を主制御部106の受信回路(A/D変換器114)で観測できる。このとき、測定部110のフィルタリングにより、配電系統2に現れる商用周波数(60Hzまたは50Hz)の影響をカットできる。
方向性結合器122,132を採用することで、主制御部106の送信回路(パルス発生器112)および受信回路(A/D変換器114)を同一の伝送線路に組み込むことができる。
なお、方向性結合器122,132に代えて、高速なスイッチングが可能な切替回路を採用してもよい。
再度図3を参照して、結合部140は、結合回路142および高圧コンデンサ144を含む。高圧コンデンサ144は、測定装置100を探査対象の配電系統2に容量性結合させる部材である。高圧コンデンサ144は、例えば、容量が1000pF程度の比較的大きなものを採用することが好ましい。このように、パルス発生器112は、容量性結合を介して、配電系統2に入射波(パルス波)を注入するように構成される。
結合回路142は、同軸ケーブル104と高圧コンデンサ144との電気的な接続を整合させる。
なお、主制御部106の送信回路(パルス発生器112)から配電系統2までの経路に整合回路を配置してもよい。このような整合回路を配置することで、電源側での再反射(多重反射)を低減できる。
但し、整合回路を配置することで、反射波の受信レベルが低下する場合には、図3に示すように、整合回路を設けないようにしてもよい。整合回路を省略することで、配電系統2に対して、より振幅の大きなパルス波を注入できる。
測定装置100においては、配電系統2に含まれる各相にパルス波を注入し、当該パルス波を注入した相に現れるそれぞれの対地電位(CH1およびCH2に現れるそれぞれの対地電位)を測定することもできるし、相間に現れる電位差(CH1とCH2と間の差動電圧)を測定することもできる。以下の説明においては、測定装置100に接続された2つの相に同一のパルス波を注入し、それによって生じる相間に現れる電位差(差動波形)が測定結果とされる。差動波形を用いることで、コモンモードノイズの相殺が可能となり、判定処理などを容易化できる。このような差動波形に代えて、いずれかの相に現れる電位差を測定結果としてもよい。
以下の説明においては、「差分」あるいは「差分波形」という用語を用いることがある。「差分」あるいは「差分波形」は、任意の2つの「差動波形」の差を意味するものであり、「差動」および「差分」は異なる趣旨で用いられることに注意されたい。
<C.TDR測定>
次に、本実施の形態に従う配電系統探査システム1において用いられるTDR測定について説明する。TDR測定においては、異常が生じていない定常状態における測定結果と、対象の状態における測定結果とを比較して得られる差分に基づいて、異常の発生あるいは発生の兆候などを検出する。
図5は、本実施の形態に従う配電系統探査システム1において用いられるTDR測定における電圧シフトについて説明するための図である。図5を参照して、配電系統2に注入されたパルス波は、負荷電流により生じる検出電圧の振幅の大きな波の上に重畳することになる。負荷電流により生じる検出電圧は、約16.7msの周期(商用周波数60Hzの場合)で時間的に変動するが、パルス波のパルス幅は数10〜数100ns程度であるため、測定は、負荷電流の変動周期に比較して極めて短い時間(数百ns〜数μs)だけ行われることになる。そのため、パルス波がその注入されたタイミングにおける負荷電流の大きさだけシフトされたような状態で測定される可能性がある。
しかしながら、本実施の形態に従う測定装置100を採用することで、このような電圧シフトの影響を実質的に無視できる。
図6は、本実施の形態に従う測定装置100による電圧シフトの影響を評価するための測定結果の一例を示す。図6には、模擬線路を用いて測定を行った結果を示す。図6(A)には、模擬線路を定常状態(何らの事故も発生していない状態)で電力を供給している場合(充電(定常))、および、模擬線路を定常状態(何らの事故も発生していない状態)で電力を供給していない場合(停電(定常))のそれぞれについて、パルス波を配電系統2に注入して得られた時間波形を示す。図6(B)には、図6(A)に示す2つの時間波形の差分を示す。
測定装置100の受信回路(A/D変換器114)のダイナミックレンジが±0.5Vであるのに対して、図6(B)に示すように、2つの時間波形の差分(差分波形)は、最大で±0.03Vの振幅を有するに過ぎない。すなわち、配電系統2に電力を供給している場合としていない場合との差は、測定装置100の受信回路のダイナミックレンジに対して、4〜6%と極めて小さいので、商用周波数により生じる電圧シフトの影響は実質的に無視できる。
なお、このような顕著な効果は、パルストランス基板102および方向性結合器122,132などによる周波数フィルタの作用によってもたらされると考えられる。
上述したように、本実施の形態に従う測定装置100を採用した場合には、負荷電流により生じるシフト成分(シフト電圧)を考慮する必要がない。そのため、配電系統2にパルス波を注入した場合の測定結果とパルス波を注入しない場合の測定結果との両方を事前に取得しておく必要がない。
図7は、本実施の形態に従う測定装置100によるパルス波の注入タイミングを説明するための図である。図7(A)には、電圧シフトの影響を除去しなければならない測定装置を用いた場合の注入タイミングを示す。図7(A)に示すように、電圧シフトの影響を除去するためには、パルス波が注入された測定結果とパルス波が注入されていない測定結果とを同じタイミングで取得する必要がある。すなわち、測定およびパルス波の注入タイミングを商用周波数の位相に合わせることで、電圧シフトの影響を固定することで、測定結果同士を差分することで、電圧シフトの影響を除去する。但し、図7(A)に示す測定では、パルス波の注入タイミングが固定されるという制約とともに、注入頻度も制約される。
これに対して、本実施の形態に従う測定装置100では、電圧シフトの影響を実質的に無視できるので、パルス波の注入タイミングを商用周波数の特定位相に固定する必要はなく、測定装置100の都合で任意のタイミングでパルス波を注入できる。これによって、パルス波の注入頻度および測定頻度を増加できるので、時間ダイバーシチ合成などによりノイズを低減して、測定をより安定化できる。
以下、本実施の形態に従う測定装置100を用いた事故点標定の測定例について説明する。以下の測定結果は、模擬線路に短絡事故および地絡事故をそれぞれ生じさせて、測定装置100を用いて測定したものである。なお、測定装置100から各事故点までの距離は、250.5[m]である。
図8は、本実施の形態に従う測定装置100による短絡事故の事故点標定の結果例を示す図である。図8(A)には、模擬線路が定常状態(何らの事故も発生していない状態)にある場合の測定結果(健全(充電))、および、模擬線路に短絡事故を生じさせた状態での測定結果(短絡(停電))を示す。図8(B)には、図8(A)に示す2つの時間波形の差分を示す。
上述したように、本実施の形態に従う測定装置100においては、商用周波数により生じる電圧シフトの影響は実質的に無視できる。そのため、異常の発生前後にそれぞれ取得された測定結果の差分を算出することで、事故の検出および事故点の標定ができる。
図8(B)に示す時間波形の差分(差分波形)において、事故点までの往復時間が1750[ns]であるので、事故点までの距離は256.4[m]と算出できる。実際の事故点までの距離が250.5[m]であるので、標定誤差としては5.9[m]程度(標定誤差:約2.4%)となり、十分な標定精度を有していることが分かる。
図9は、本実施の形態に従う測定装置100による地絡事故の事故点標定の結果例を示す図である。図9(A)には、模擬線路が定常状態(何らの事故も発生していない状態)にある場合の測定結果(健全(充電))、および、模擬線路に地絡事故を生じさせた状態での測定結果(地絡(停電))を示す。図9(B)には、図9(A)に示す2つの時間波形の差分を示す。
図9(B)に示す時間波形の差分(差分波形)において、事故点までの往復時間が1750[ns]であるので、事故点までの距離は256.4[m]と算出できる。実際の事故点までの距離が250.5[m]であるので、標定誤差としては5.9[m]程度(標定誤差:約2.4%)となり、十分な標定精度を有していることが分かる。
なお、図9(B)に示す地絡事故に対して得られた測定結果には、図8(B)に示す短絡事故に対して得られた測定結果に比較して、ノイズの増加が見られる。
<D.基準波形の決定方法>
次に、配電系統に生じる異常を探査するための基準となる時間波形(以下、「基準波形」とも称す。)の決定方法について説明する。
配電系統2の周囲状況(典型的には、気象の影響)の変化によって測定される時間波形は変化し得る。そのため、配電系統に生じる異常を探査するための基準波形は、予め固定的に定められたものではなく、予め定められた直前の期間において測定された時間波形を用いることが好ましい。
図10は、本実施の形態に従う測定装置100により取得される測定結果の時間的変動の一例を示す図である。図10(A)には、5分間隔で取得した時間波形の差分(差分波形)の一例を示し、図10(B)には、1分間隔で取得した時間波形の差分(差分波形)の一例を示す。例えば、表中の「5分−10分」は、基準時刻から5分経過時に取得された時間波形と、基準時刻から10分経過時に取得された時間波形との差分を意味する。
図10に示すように、取得される時間波形は、配電系統2の周囲状況の影響を受けて変動する。但し、図10(A)と図10(B)とを比較すると、測定間隔を短くする(5分間隔から1分間隔)ことで、受ける影響の度合いを小さくできる。そのため、配電系統に生じる異常を探査するための基準波形と、対象となる測定結果との間の測定間隔は、状況に応じて適切に設定する必要がある。
図11は、本実施の形態に従う測定装置100により取得される測定結果に生じる時間的変動の評価例を示す図である。図11には、測定間隔を異ならせて測定結果に生じる時間的変動を評価した結果を示す。図11において、差分量絶対値は、差分波形の振幅の最大値を示す。
なお、各測定においては、測定間隔に応じた回数だけ時間波形(例えば、測定期間3[ms])を繰り返し測定してアベレージング処理を行った。
図11に示すように、測定間隔が長くなると、差分量絶対値は増大する傾向がある。一方、測定間隔が短すぎる場合も差分量絶対値は増大する傾向がある。これは、測定間隔が短すぎると、取得できる時間波形が少なくなり、アベレージングによるノイズ低減効果が薄まるためと想定される。
図11に示す測定結果によれば、測定間隔は10[秒]程度とすることで、アベレージング回数も適度に確保できて、差分量絶対値(すなわち、時間的変動)を低減できることが分かる。なお、図11に示す測定結果は一例であり、対象の配電系統2の状況に応じて、測定間隔は適宜設定することが好ましい。
図12は、本実施の形態に従う配電系統探査システム1における事故点標定の処理手順を説明するための図である。図12を参照して、任意のイベントタイミング(N秒)の予め定められた直前の期間に亘る測定結果に基づいて、異常判定条件を構成する基準波形が決定される。上述したように、測定間隔を10[秒]と設定した場合には、任意のイベントタイミングの10[秒]程度前から測定結果を繰り返し取得する((1)10秒程度データ蓄積)。この繰り返し取得された測定結果をアベレージング処理することで、対象のイベントタイミング(N秒)についての基準波形が生成される。
そして、対象のイベントタイミング(N秒)において取得された測定結果(対象の時間波形)と基準波形との差分波形が算出される((2)事故前との差分波形)。この算出された差分波形が異常判定条件(この例では、差分波形の振幅が所定のしきい値以上となること)が満たされるか否かが判断される。そして、異常判定条件を満たすと判定された差分波形に基づいて、事故点までの距離が算出される((3)距離算出)。
なお、図12に示す事故点評点の処理は、どのような形態で実装されてもよい。
例えば、時間波形を連続的に取得しておき、変電所でのリレー検出等のイベントが発生すると、事後的に、イベント点から10秒程度前の時間波形から基準波形を決定し、事故点までの距離が算出するようにしてもよい。
あるいは、10秒程度の時間波形から基準波形を繰り返し決定し、評価対象のタイミングにおいて取得された時間波形において、何らかの異常が発生しているか否かを判断するようにしてもよい。さらに、基準波形と評価対象のタイミングで取得された時間波形との差分(差分波形)の振幅が所定のしきい値以上になることを条件に、事故点までの距離を算出するようにしてもよい。
本実施の形態に従う配電系統探査システム1においては、予め定められた直前の期間に亘る測定結果に基づいて基準波形が決定され、その決定された基準波形に対する差分を時間的特徴として、配電系統2に生じる異常の有無および事故点までの距離の算出が行われる。このように、配電系統に生じる異常を検出するための異常判定条件は、予め定められた直前の期間に亘る測定結果に依存して決定されてもよい。このような異常判定条件を採用することで、対象の配電系統2の状況の変化に対応して、より正確に異常の発生を検出できる。
<E.事故発生に伴う位置標定>
次に、事故が発生した場合の測定装置100での位置標定に係る処理手順について説明する。
図13は、本実施の形態に従う測定装置100による位置標定に係る処理手順を示すフローチャートである。図13に示す各ステップは、測定装置100あるいは測定装置100から測定結果を収集する処理装置200によって実行されてもよい。
図13を参照して、所定の周期で測定結果(差動波形)を収集する(ステップS100)。変電所においてリレー検出等のイベントが発生したか否かを判断する(ステップS102)。変電所においてリレー検出等のイベントが発生していなければ(ステップS102においてNO)、ステップS100以下の処理が繰返される。
変電所においてリレー検出等のイベントが発生していれば(ステップS102においてYES)、直前の所定期間(例えば、10秒)において収集された測定結果(差動波形)に基づいて基準波形を決定する(ステップS104)。イベントの発生時または発生後に収集された測定結果(差動波形)と基準波形との差分の時間波形(差分波形)を算出し(ステップS106)、算出した差分波形の振幅が所定のしきい値以上であるか否かを判断する(ステップS108)。
算出した差分波形の振幅が所定のしきい値以上であれば(ステップS108においてYES)、差分波形の振幅が所定のしきい値以上である時間軸上の位置に基づいて、事故点までの距離を算出する(ステップS110)。
一方、算出した差分波形の振幅が所定のしきい値未満であれば(ステップS108においてNO)、事故の発生は対象の測定装置100の監視範囲外であると決定する(ステップS112)。この場合、事故点までの距離は算出されない。
そして、ステップS110またはステップS112における算出あるいは決定の結果が出力される(ステップS114)。そして、ステップS100以下の処理が繰返される。
<F.常時監視による異常検出>
上述したように、本実施の形態に従う配電系統探査システム1は、短絡、地絡、断線などの何らかの事故の発生の検出に加えて、通常とは異なる状態(例えば、漏れ電流が通常よりは多いなど)を検出できる。このような通常とは異なる状態を検出するために、対象の配電系統2を常時監視することが好ましい。対象の配電系統2を常時監視することで、事故に至らない程度の状態変化を検出でき、これによって、事故を未然に防止することもできる。また、事故発生の後、その事故点が消失するような形態についても、事故点を標定し得る。
(f1:通常とは異なる状態の検出)
配電系統2を常時監視することで、通常とは異なる状態を検出して、事故の発生を未然に防止できる。すなわち、本実施の形態によれば、何らかの事故が発生してから事故点を標定するのではなく、常時監視することで、平常時に比較して何らかの状態変化がある位置を標定する。
具体的には、収集される測定結果(差動波形)同士の差分を繰り返し算出することで、事故には至らないまでも、通常とは異なる異常を検出できる。
図14は、本実施の形態に従う測定装置100による模擬線路に樹木接触を発生させた状態での測定結果の一例を示す。樹木接触は、一種の線間の短絡に相当する。図14(A)には、模擬線路を定常状態(何らの事故も発生していない状態)(健全)、および、模擬線路に樹木接触を発生させた状態(線間樹木)のそれぞれについて、パルス波を配電系統2に注入して得られた時間波形を示す。なお、図14(A)に示す時間波形は、100回のアベレージング処理(平均化処理)を施した結果である。図14(B)には、図14(A)に示す2つの時間波形の差分、その差分についての移動平均、およびその移動平均に対する1次微分の波形を示す。
模擬線路に対して事故には至らない異常が発生しただけであるので、測定結果の差分(時間波形)には樹木接触が発生している位置を示す情報が現れているが、ノイズ成分も相対的に大きい。そのため、差分の時間波形の移動平均を算出し、その算出した移動平均に対する1次微分(移動平均に生じるオフセットを除去する趣旨)の波形を用いることで、樹木接触が発生している位置を示す情報を確実に抽出できる。
このような差分波形に対する信号処理によって得られた測定結果に基づいて距離を算出すると、76.4[m]と算出された。実際の距離が72.5[m]であったので、標定誤差としては3.9[m]程度(標定誤差:約5.8%)となり、十分な標定精度を有していることが分かる。
図15は、本実施の形態に従う測定装置100による模擬線路に碍子不良を発生させた状態での測定結果の一例を示す。不良碍子の存在は、一種の地絡あるいは線間の短絡に相当する。図15(A)には、模擬線路を定常状態(何らの事故も発生していない状態)(健全)、および、模擬線路に不良碍子が存在する状態(不良碍子)のそれぞれについて、パルス波を配電系統2に注入して得られた時間波形を示す。なお、図15(A)に示す時間波形は、100回のアベレージング処理(平均化処理)を施した結果である。図15(B)には、図15(A)に示す2つの時間波形の差分、その差分についての移動平均、およびその移動平均に対する1次微分の波形を示す。
模擬線路に対して事故には至らない異常が発生しただけであるので、測定結果の差分(時間波形)には碍子不良が発生している位置を示す情報が現れているが、ノイズ成分も相対的に大きい。そのため、差分の時間波形の移動平均を算出し、その算出した移動平均に対する1次微分(移動平均に生じるオフセットを除去する趣旨)の波形を用いることで、碍子不良が発生している位置を示す情報を確実に抽出できる。
このような差分波形に対する信号処理によって得られた測定結果に基づいて距離を算出すると、79.1[m]と算出された。実際の距離が67.5[m]であったので、標定誤差としては11.6[m]程度(標定誤差:約17%)となり、標定精度がやや低いが、配電系統2の保守においては十分実用的な精度である。
図16は、本実施の形態に従う測定装置100による通常とは異なる状態を検出する処理手順を示すフローチャートである。図16に示す各ステップは、測定装置100あるいは測定装置100から測定結果を収集する処理装置200によって実行されてもよい。
図16を参照して、所定の周期で測定結果(差動波形)を収集する(ステップS200)。予め定められた判定周期が到来したか否かを判断する(ステップS202)。予め定められた判定周期が到来していなければ(ステップS202においてNO)、ステップS200以下の処理が繰返される。
予め定められた判定周期が到来していれば(ステップS202においてYES)、直前の所定期間(例えば、10秒)において収集された測定結果(差動波形)に基づいて基準波形を決定する(ステップS204)。当該判定周期のタイミングまたはそれ以降に収集された測定結果(差動波形)と基準波形との差分の時間波形(差分波形)を算出し(ステップS206)、算出した差分波形の移動平均を算出する(ステップS208)。さらに、算出した移動平均に対する1次微分を算出する(ステップS210)。そして、算出した1次微分の振幅が所定のしきい値以上であるか否かを判断する(ステップS212)。
算出した1次微分の振幅が所定のしきい値以上であれば(ステップS212においてYES)、対象の配電系統2に何らかの異常が発生していると決定し(ステップS214)、1次微分の振幅が所定のしきい値以上である時間軸上の位置に基づいて、何らかの異常が発生している点までの距離を算出する(ステップS216)。
一方、算出した1次微分の振幅が所定のしきい値未満であれば(ステップS212においてNO)、対象の配電系統2は正常であると決定する(ステップS218)。この場合、事故点までの距離は算出されない。
そして、ステップS214およびS216またはステップS218における算出あるいは決定の結果が出力される(ステップS220)。そして、ステップS200以下の処理が繰返される。
(f2:事故後に消滅する事故点の標定)
配電系統2を常時監視することで、永久事故モードにはならない事故についても事故点を標定できる。例えば、何らかの事故が発生した後、事故電流によって事故点が消滅するような場合がある。例えば、線間短絡を生じた樹木が事故電流によって脱落するような場合である。このような場合には、事故発生後にパルス波を入射しても、反射波が生じないので、事故点を標定することができない。
しかしながら、事故中(すなわち、事故電流が流れている最中)には、パルス波に対する反射波が発生するので、その反射波を利用することで、事故点を標定できる。以下、事故中に流れる電流による事故点の標定について説明する。
図17は、事故中に流れる事故電流に基づく事故点の標定を評価するための模擬線路を説明するための図である。図17を参照して、模擬線路に2つの測定装置100を配置する(22号柱および24号柱)とともに、23E2号柱において、短絡事故および地絡事故を発生させて事故電流を測定した。なお、短絡事故および地絡事故は、鳥類を模して鶏肉を導体として利用した。鶏肉を導体として利用することで、事故電流による加熱によって導体として機能しなくなるため、一瞬の事故を模擬できる。このとき、22号柱には事故電流が流れ、24号柱には事故電流が流れない。
図18は、図17に示す模擬線路において短絡事故が発生中に取得された測定結果の一例を示す。図18(A)には、図17の模擬線路の22号柱に配置された測定装置100において収集された差分波形(定常状態と事故発生中との差分)を示し、図18(B)には、図17の模擬線路の24号柱に配置された測定装置100において収集された差分波形(定常状態と事故発生中との差分)を示す。
図18(A)および図18(B)に示すように、22号柱および24号柱に配置されたそれぞれの測定装置100において事故点を標定できる。図18(A)に示す差分波形によれば、事故点までの距離は76.4[m]となり、実際の事故点までの距離は67.5[m]であるので、標定誤差としては8.9[m](標定誤差:約13%)となる。図18(B)に示す差分波形によれば、事故点までの距離は105.9[m]となり、実際の事故点までの距離は92.5[m]であるので、標定誤差としては13.4[m](標定誤差:約14%)となる。標定誤差はやや大きいが、十分実用的な精度である。
このように、常時監視することにより、事故発生中の瞬間的な変化を捉えることができる。また、事故電流が流れる位置および事故電流が流れない位置のいずれにおいても、事故点を標定できる。
図19は、図17に示す模擬線路において地絡事故が発生中に取得された測定結果の一例を示す。図19(A)には、図17の模擬線路の22号柱に配置された測定装置100において収集された差分波形(定常状態と事故発生中との差分)を示し、図19(B)には、図17の模擬線路の24号柱に配置された測定装置100において収集された差分波形(定常状態と事故発生中との差分)を示す。
図19(A)および図19(B)に示すように、22号柱および24号柱に配置されたそれぞれの測定装置100において事故点を標定できる。図19(A)に示す差分波形によれば、事故点までの距離は76.3[m]となり、実際の事故点までの距離は67.5[m]であるので、標定誤差としては8.8[m](標定誤差:約13%)となる。図19(B)に示す差分波形によれば、事故点までの距離は105.3[m]となり、実際の事故点までの距離は92.5[m]であるので、標定誤差としては12.8[m](標定誤差:約14%)となる。標定誤差はやや大きいが、十分実用的な精度である。
このように、常時監視することにより、事故発生中の瞬間的な変化を捉えることができる。また、事故電流が流れる位置および事故電流が流れない位置のいずれにおいても、事故点を標定できる。
このように、常時監視することで、樹木接触などの一時的に発生する事故の検出およびその事故の事故点の標定が可能になる。
<G.配電系統における異常の探索>
本実施の形態に従う配電系統探査システム1においては、配電系統2に分散配置された複数の測定装置100による測定結果10に基づいて、配電系統2内に何らかの異常の発生の検出、および、発生した異常の位置の特定(標定)を行う。
特に、配電系統2の線路長が長くなるほど、注入されるパルス波が分岐部などで減衰するために、測定装置100を分散配置することで、配電系統2を網羅的な監視が可能となる。
上述したように、本実施の形態に従う配電系統探査システム1は、短絡、地絡、断線などの何らかの事故が発生した状態に加えて、通常とは異なる状態(例えば、漏れ電流が通常よりは多いなど)を検出できる。さらに、事故後に事故要因が消滅して復旧するような事故についても検出が可能である。各測定装置100により収集されるそれぞれの測定結果10を処理装置200に集約することで、配電系統2に生じた事故や、配電系統2に生じる事故の予兆などを検出できる。また、不具合が生じている設備などを特定することもできる。これによって、電力の供給に支障を生じるような事故の発生前に、設備の改修が可能となる。
図20は、本実施の形態に従う配電系統探査システム1における異常探査の動作例を説明するための図である。図20を参照して、例えば、測定装置100−1と測定装置100−2との間の位置で何らかの事故(例えば、地絡事故)が発生したとする。この場合、変電所4から事故点には事故電流が流れることになるが、事故点より下流側(負荷側)の配線区間には事故電流は流れない。図20に示す例において、配電系統2の測定装置100−1が接続されている位置には事故電流が流れるが、配電系統2の測定装置100−2が接続されている位置には事故電流が流れない。
一方で、変電所4でのリレー検出等のイベントが発生すると、測定装置100−1および100−2は、測定を開始する。この測定において、測定装置100−1および100−2は、いずれも事故点を標定することができる。
処理装置200は、測定装置100−1および100−2からの測定結果として、収集された時間波形および/または評点した事故点までの距離などを収集する。さらに、処理装置200は、測定装置100−1および100−2における事故電流の有無を示す情報なども測定結果として収集する。
そして、処理装置200は、測定装置100−1および100−2における事故電流の有無を示す情報に基づいて、配電系統2内の事故点を特定できる。このように、事故電流情報の活用により異常が発生した方向などを特定できる。すなわち、処理装置200は、対象とする測定装置100が時間波形を測定したときの状況(例えば、事故電流の有無や事故電流の流れる方向など)に基づいて、異常が生じた位置を決定する。
図20には、典型例として、隣接する2つの測定装置100からの測定結果を利用する典型的な構成として、2つの測定装置100の測定結果に基づいて、配電系統2内の異常を探索する例を示すが、より多くの測定装置100からの測定結果を利用して、同一の異常を探索するようにしてもよい。
図21は、本実施の形態に従う配電系統探査システム1における異常探査に係る処理手順を示すフローチャートである。図21に示す各ステップは、測定装置100あるいは測定装置100から測定結果を収集する処理装置200によって実行されてもよい。
図21を参照して、配電系統2に含まれる各測定装置100についての異常検出の結果(配電系統2に生じる異常の有無、および、異常が発生している場合には、その異常が発生している地点までの距離など)が収集される(ステップS300)。なお、各測定装置100についての異常検出の結果は、各測定装置100において異常検出の処理が実行されることで得られてもよいし、各測定装置100からの測定結果10を収集して、処理装置200が異常検出の処理が実行することで得られてもよい。また、異常検出の処理は、典型的には、上述の図13および図16に示すような処理手順によって実行される。
そして、何らかの異常が発生していることが検出された測定装置100が存在するか否かが判断される(ステップS302)。何らかの異常が発生していることが検出された測定装置100が存在しなければ(ステップS302においてNO)、ステップS300以下の処理が繰返される。
何らかの異常が発生していることが検出された測定装置100が存在すれば(ステップS302においてYES)、当該何らかの異常が発生していることが検出された測定装置100の近傍に配置された測定装置100についての異常検出の結果が集約される(ステップS304)。そして、近傍に配置された複数の測定装置100についての異常検出の結果に基づいて、配電系統2内で発生している異常の特定および特定された異常が発生している位置などが標定される(ステップS306)。ステップS306においては、各測定装置100における異常電流の有無などに基づいて、事故点を標定する処理が実行されてもよい。このように、処理装置200は、複数の測定装置100のうちいずれかの測定装置100からの測定結果が予め定められた異常判定条件を満たすと、当該異常判定条件を満たした測定装置100の近傍に位置する他の測定装置100の測定結果も参照して、配電系統2において異常が生じた位置を決定する。なお、異常判定条件としては、差分波形の振幅が所定のしきい値以上となることなどを含む。
最終的に、異常の特定および異常が発生している位置などの情報が出力される(ステップS308)。そして、ステップS300以下の処理が繰返される。
<H.回線選択>
架空配電系統には分岐経路が存在する場合がある。このような分岐経路が存在する場合には、測定装置100から事故点までの距離を算出できたとしても、いずれの分岐経路に事故点があるのかを特定することができない場合がある。すなわち、事故点となり得る複数の候補が存在することになる。そこで、必要に応じて、分岐経路に対してフェライトコアを配置することで、入射波(パルス波)および反射波が生じる分岐経路を選択するようにしてもよい。これは、フェライトコアを配置した分岐経路については、パルス波の透過が制限される機能を利用したものである。フェライトコアを配置した分岐経路については、入射側から見た入力インピーダンスあるいは透過係数/反射係数が変化することになる。このような作用を利用して、事故点を標定する対象を選択するようにしてもよい。
このようなフェライトコアのパルス波の遮断性能について説明する。
図22は、本実施の形態に従う配電系統探査システム1におけるフェライトコアの遮断性能を評価するための模擬線路の一例を示す図である。図22を参照して、模擬線路に含まれる分岐経路にフェライトコアを配置していない状態と配置した状態とのそれぞれについて、パルス波を入射して配電系統2に現れる時間波形を測定する。
図23は、図22に示す模擬線路において測定された時間波形の一例を示す。図23には、分岐経路にフェライトコアを配置していない状態で測定された時間波形(フェライトコアなし)と、分岐経路にフェライトコアを配置した状態で測定された時間波形(フェライトコアあり)とを同一の時間軸上に示す。
図23に示すように、分岐経路にフェライトコアを配置した状態で測定された時間波形においては、分岐経路にフェライトコアを配置していない状態で測定された時間波形に比較して、フェライトコアを配置した分岐経路上に存在する23E1号柱および23E2号柱からの反射成分が抑制されていることが分かる。
図23に示す時間波形によれば、分岐経路にフェライトコアを配置することで、当該フェライトコアが配置された分岐経路へのパルス波の侵入を低減でき、探査対象から除外できる。すなわち、配電系統2が複数の分岐経路を含む場合において、フェライトコアを配置していない分岐経路が探査対象となる。
このように、配電系統2に含まれる分岐経路のいずれかに配置され、いずれかの測定装置100からのパルス波(入射波)を当該分岐経路のうち特定の経路に導くフェライトコアを配置してもよい。この場合、処理装置200は、フェライトコアの配置位置に応じて、配電系統2において生じる得る異常の位置を決定する。
さらに、フェライトコアの配置あるいは取り外しを自動的に行うような構成を採用してもよい。このような構成を採用することで、何らかの事故が発生した場合や、異常の有無を判断する場合などに、探査範囲を任意にコントロールできる。
<I.利点>
本実施の形態に従う配電系統探査システム1によれば、配電系統2内に分散配置された複数の測定装置100による測定結果10を用いて、配電系統2に生じた何らかの異常を検出できるとともに、当該異常が発生した位置を特定できる。
本実施の形態に従う配電系統探査システム1によれば、配電系統2内に生じ得る、短絡、地絡、断線などの何らかの事故が発生した状態に加えて、通常とは異なる状態(例えば、漏れ電流が通常よりは多いなど)を検出できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 配電系統探査システム、2 配電系統、4 変電所、10 測定結果、100 測定装置、102 パルストランス基板、104 同軸ケーブル、106 主制御部、110 測定部、112 パルス発生器、114 A/D変換器、116 演算部、118 通信部、120,130 増幅器、122,132 方向性結合器、140 結合部、142 結合回路、144 高圧コンデンサ、200 処理装置。

Claims (6)

  1. 少なくとも架空配線区間を含む配電系統に生じる異常を探査するための配電系統探査システムであって、
    前記配電系統のそれぞれ異なる位置に配置された複数の測定装置と、
    前記複数の測定装置により取得されるそれぞれの測定結果を処理する処理装置とを備え、
    前記複数の測定装置の各々は、
    パルス状の入射波を発生するパルス発生部と、
    前記パルス発生部により発生された入射波によって前記配電系統で生じる電気的変化を測定結果として出力する検出部とを含み、
    前記処理装置は、前記複数の測定装置のうちいずれかの測定装置からの測定結果が予め定められた異常判定条件を満たすと、当該異常判定条件を満たした測定装置の近傍に位置する他の測定装置の測定結果も参照して、前記配電系統において異常が生じた位置を決定する、配電系統探査システム。
  2. 前記処理装置は、対象とする測定装置が時間波形を測定したときの状況に基づいて、前記異常が生じた位置を決定する、請求項1に記載の配電系統探査システム。
  3. 前記異常判定条件は、予め定められた直前の期間に亘る測定結果に依存して決定される、請求項1または2に記載の配電系統探査システム。
  4. 前記パルス発生部は、容量性結合を介して、前記配電系統に前記入射波を注入するように構成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の配電系統探査システム。
  5. 前記複数の測定装置の各々は、前記パルス発生部と前記配電系統との間に配置され、前記パルス発生部からの前記入射波を前記配電系統に導くとともに、前記配電系統からの前記入射波に応じた反射波を前記検出部へ導く方向性結合器をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の配電系統探査システム。
  6. 前記配電系統に含まれる分岐経路のいずれかに配置され、いずれかの測定装置からの入射波を当該分岐経路のうち特定の経路に導くフェライトコアをさらに備え、
    前記処理装置は、前記フェライトコアの配置位置に応じて、前記配電系統において生じる得る異常の位置を決定する、請求項1〜5のいずれか1に記載の配電系統探査システム。
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