JP2021025786A - 表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法、及び、表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験装置 - Google Patents

表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法、及び、表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 基板の反りの有無、更には基板の反り具合によらず高精度で評価可能であり、かつ、基板のひずみを基準にした表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法を提供する。【解決手段】 検量基板を支持台に取り付ける工程と、複数種類の荷重を上記検量基板の実装面とは反対の主面側から印加して、上記複数種類の荷重毎に上記検量基板のひずみを測定することにより、上記検量基板に印加される荷重と上記検量基板のひずみとの関係を示す荷重−ひずみ検量線を定める工程と、基板の実装面上に表面実装部品が実装された試験基板を上記支持台に取り付ける工程と、上記荷重−ひずみ検量線を用いて、所定のひずみに対応する試験荷重を設定する工程と、上記試験荷重を上記基板の実装面とは反対の主面側から印加することにより、上記試験基板を曲げる工程と、を備える、表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法。【選択図】 図3

Description

本発明は、表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法、及び、表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験装置に関する。
表面実装部品(SMD)の耐プリント板曲げ性を評価する方法として、例えば、「JIS C 5101−1」に規定された耐プリント板曲げ性試験方法が知られている。この試験方法では、表面実装部品が実装されたプリント配線板を所定の曲げ深さに達するまで曲げ、曲げた状態での表面実装部品の特性(例えば、コンデンサの静電容量)を測定したり、元に戻した状態での表面実装部品の外観検査(例えば、クラックの有無の検査)をしたりすることにより、表面実装部品の耐プリント板曲げ性を評価している。
その他の評価方法例として、特許文献1には、規定のサイズ及び厚みの基板に表面実装部品を実装し、これを試料にして規定サイズの支持台に表面実装部品が下向きになるように載せ、上方より規定サイズの圧子で実装面の反対側より基板を加圧して規定曲げ量に達するまで曲げ、しかる後、表面実装部品の外観異常の有無及び電気的性能の劣化状況を調べる表面実装部品の耐基板曲げ性試験において、圧子による加圧時に基板の曲げ量と加圧力とを測定し、基板の固さに応じて印加応力を調整する、表面実装部品の耐基板曲げ性試験方法が開示されている。
特開平11−230878号公報
近年、表面実装部品の小型化が進んでいるが、それに伴って、表面実装部品の強度が低下しやすくなる(例えば、クラックが発生しやすくなる)おそれがある。そのため、高精度で評価可能な表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法が求められている。
「JIS C 5101−1」に規定された耐プリント板曲げ性試験方法では、基板の実装面上に表面実装部品が実装された試験基板を支持台に取り付け、試験基板を基板の実装面とは反対の主面側から押し治具で規定の押し込み量(曲げ深さ)だけ押し込むことにより、表面実装部品に機械的ストレスを加えている。このような試験に用いられる試験装置では、支持台と押し治具との位置関係を調整する、いわゆるゼロ点調整を行うことにより、試験基板を適切な押し込み量で押し込む必要がある。
ところが、試験基板を構成する基板には、材料、厚み、加工メーカ等のばらつきによって、反りが発生することがある。このような反りは基板が薄くなるほど顕著に現れ、反り量が、例えば、0.1mm以上、0.2mm以下となることがある。更に、反りの向き、反り量等の反り具合は基板毎に異なることが多い。よって、支持台及び押し治具のゼロ点調整を行っていても、基板の反りの有無、更には基板の反り具合によって基板の押し込み量がばらつき、結果的に、使用する基板によって試験結果がばらつくことがある。そのため、「JIS C 5101−1」に規定された耐プリント板曲げ性試験方法のような、基板の押し込み量を基準にした試験方法では、実際の工程管理への適用が困難である。
これに対して、基板の押し込み量の代わりに基板のひずみを基準にした試験方法を工程管理に適用することが検討されている。しかしながら、基板のひずみを基板の押し込み量との関係で規定すると、基板の押し込み量が上述したような基板の反りの影響を受けるため、試験結果がばらつくことがある。
一方、特許文献1に記載の表面実装部品の耐基板曲げ性試験方法では、基板の固さに応じて印加応力を調整するため、基板の固さのばらつきによる影響が小さくなって測定精度が向上する、とされている。しかしながら、特許文献1に記載の表面実装部品の耐基板曲げ性試験方法では、基板のひずみを基準にした試験方法とする点で改善の余地がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、基板の反りの有無、更には基板の反り具合によらず高精度で評価可能であり、かつ、基板のひずみを基準にした表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法を提供することを目的とするものである。また、本発明は、上記表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法を実現可能な表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験装置を提供することを目的とするものである。
本発明の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法は、検量基板を支持台に取り付ける工程と、複数種類の荷重を上記検量基板の実装面とは反対の主面側から印加して、上記複数種類の荷重毎に上記検量基板のひずみを測定することにより、上記検量基板に印加される荷重と上記検量基板のひずみとの関係を示す荷重−ひずみ検量線を定める工程と、基板の実装面上に表面実装部品が実装された試験基板を上記支持台に取り付ける工程と、上記荷重−ひずみ検量線を用いて、所定のひずみに対応する試験荷重を設定する工程と、上記試験荷重を上記基板の実装面とは反対の主面側から印加することにより、上記試験基板を曲げる工程と、を備える、ことを特徴とする。
本発明の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験装置は、基板の実装面上に表面実装部品が実装された試験基板を取り付け可能な支持台と、上記支持台に取り付けられた上記試験基板に対して、試験荷重を上記基板の実装面とは反対の主面側から印加可能な押し治具と、を備える、表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験装置であって、検量基板が上記支持台に取り付けられた状態で、上記押し治具が上記検量基板の実装面とは反対の主面側から印加する荷重をモニタリングする荷重計測部と、上記押し治具が上記検量基板の実装面とは反対の主面側から荷重を印加するときの上記検量基板のひずみをモニタリングするひずみ計測部と、上記荷重計測部及び上記ひずみ計測部のモニタリング結果に基づき、上記検量基板に印加される荷重と上記検量基板のひずみとの関係を示す荷重−ひずみ検量線を定める検量線計測部と、上記荷重−ひずみ検量線を用いて、所定のひずみに対応する上記試験荷重を設定する試験荷重制御部と、上記試験荷重に応じて上記押し治具を昇降させる昇降制御部と、を備える、ことを特徴とする。
本発明によれば、基板の反りの有無、更には基板の反り具合によらず高精度で評価可能であり、かつ、基板のひずみを基準にした表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法を提供できる。また、本発明によれば、上記表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法を実現可能な表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験装置を提供できる。
本発明の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験装置の一例を示す断面模式図である。 検量基板を支持台に取り付ける工程の一例を示す断面模式図である。 荷重−ひずみ検量線を定める工程の一例を示す断面模式図である。 図2中の検量基板に対して定められる荷重−ひずみ検量線の一例を示すグラフである。 図2中の検量基板が上方に向かって凸状に反っている場合を示す断面模式図である。 図5中の検量基板に対して定められる荷重−ひずみ検量線の一例を示すグラフである。 図2中の検量基板が下方に向かって凸状に反っている場合を示す断面模式図である。 図7中の検量基板に対して定められる荷重−ひずみ検量線の一例を示すグラフである。 試験基板を支持台に取り付ける工程の一例を示す断面模式図である。 試験基板を曲げる工程の一例を示す断面模式図である。 従来の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法について、荷重が印加されていない状態で基板が反っていない場合を示す断面模式図である。 従来の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法について、荷重が印加されていない状態で基板が上方に向かって凸状に反っている場合を示す断面模式図である。 図12中の基板に対して定められる押し込み量−ひずみ検量線の一例を示すグラフである。 従来の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法について、荷重が印加されていない状態で基板が下方に向かって凸状に反っている場合を示す断面模式図である。 図14中の基板に対して定められる押し込み量−ひずみ検量線の一例を示すグラフである。
以下、本発明の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法と本発明の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験装置とについて説明する。なお、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更されてもよい。また、以下において記載する個々の好ましい構成を複数組み合わせたものもまた本発明である。
図1は、本発明の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験装置の一例を示す断面模式図である。図1に示すように、表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験装置1は、支持台2と、押し治具3と、荷重計測部4と、ひずみ計測部5と、検量線計測部6と、試験荷重制御部7と、昇降制御部8と、を有している。荷重計測部4、ひずみ計測部5、検量線計測部6、試験荷重制御部7、及び、昇降制御部8は、コントローラ20に内蔵されており、コントローラ20内でのこれらの位置は特に限定されない。
本発明の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法は、例えば、表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験装置1を用いて以下のように行われる。
<検量基板を支持台に取り付ける工程>
図2は、検量基板を支持台に取り付ける工程の一例を示す断面模式図である。図2に示すように、検量基板40を支持台2に取り付ける。図2において、検量基板40は、実装面が下方を向くように支持台2に取り付けられている。
検量基板40は、いわゆるプリント配線板(単に、プリント板とも言う)である。検量基板40の実装面とは、検量基板40の一方主面及び他方主面のうち、表面実装部品を実装するためのランドが設けられている主面を意味する。
<荷重−ひずみ検量線を定める工程>
図3は、荷重−ひずみ検量線を定める工程の一例を示す断面模式図である。図3に示すように、押し治具3によって、検量基板40の実装面とは反対の主面(図3では、上方側の主面)を押し込む。
ここで、図3に示すように、押し治具3にはロードセル4aが取り付けられている。ロードセル4aは、検量基板40の実装面とは反対の主面側から印加される荷重を検出する。そして、ロードセル4aは、検出した荷重を電気信号に変換し、荷重計測部4に出力する。荷重計測部4は、ロードセル4aから出力された電気信号を増幅等の処理によって数値化し、荷重Lとして測定値を読み込む。
一方、図3に示すように、検量基板40の実装面にはひずみゲージ5aが取り付けられている。ひずみゲージ5aは、荷重Lが検量基板40の実装面とは反対の主面側から印加された状態で検量基板40に発生するひずみ(電気抵抗の変化)を検出する。そして、ひずみゲージ5aは、検出したひずみを電気信号に変換し、ひずみ計測部5に出力する。ひずみ計測部5は、ひずみゲージ5aから出力された電気信号を増幅等の処理によって数値化し、ひずみSとして測定値を読み込む。
検量基板40のひずみとは、荷重が印加された状態での検量基板40の実装面が、荷重が印加されていない状態での長さからどのぐらい伸びたか(縮んだか)を意味する。つまり、ひずみが正である場合は、検量基板40の実装面が、荷重が印加されていない状態での長さから伸びていることを示す。また、ひずみが負である場合は、検量基板40の実装面が、荷重が印加されていない状態での長さから縮んでいることを示す。ここで、検量基板40のひずみは、荷重が印加されていない状態でゼロとなる。
次に、上述したような手順を、検量基板40の実装面とは反対の主面側から印加する荷重を変えながら行う。具体的には、複数種類の荷重L、L、・・・、L(nは、2以上の整数を表す)を検量基板40の実装面とは反対の主面側から印加して、複数種類の荷重L、L、・・・、L毎に検量基板40のひずみS、S、・・・、S(nは、2以上の整数を表す)を測定する。つまり、検量基板40が支持台2に取り付けられた状態で、押し治具3が検量基板40の実装面とは反対の主面側から印加する荷重L、L、・・・、Lを荷重計測部4がモニタリングしつつ、押し治具3が検量基板40の実装面とは反対の主面側から荷重L、L、・・・、Lを印加するときの検量基板40のひずみS、S、・・・、Sをひずみ計測部5がモニタリングする。そして、荷重計測部4及びひずみ計測部5のモニタリング結果に基づき、検量線計測部6が、検量基板40に印加される荷重L、L、・・・、Lと検量基板40のひずみS、S、・・・、Sとの関係を示す荷重−ひずみ検量線を定める。
図4は、図2中の検量基板に対して定められる荷重−ひずみ検量線の一例を示すグラフである。検量基板40は弾性体であることが多いため、図4に示すように、検量基板40の荷重−ひずみ検量線Cは線形であることが多い。この場合、荷重−ひずみ検量線Cの傾きは、検量基板40のヤング率の逆数に相当する。図4では、荷重計測部4及びひずみ計測部5のモニタリング結果から得られる座標点P(L,S)、P(L,S)、・・・、P(L,S)が一直線上に並んでいるが、一直線上に並んでいないこともある。座標点P、P、・・・、Pが一直線上に並んでいない場合は、検量線計測部6が最小二乗法等の近似法を用いて近似直線を求め、この近似直線を荷重−ひずみ検量線Cと定める。
図4中の荷重−ひずみ検量線Cは、図2に示すように荷重が印加されていない状態で検量基板40が反っていない場合に定められる荷重−ひずみ検量線の一例である。しかしながら、実際には、検量基板40に反りが発生していることがある。荷重が印加されていない状態で検量基板40が反っている場合に定められる荷重−ひずみ検量線について、以下に説明する。
図5は、図2中の検量基板が上方に向かって凸状に反っている場合を示す断面模式図である。図6は、図5中の検量基板に対して定められる荷重−ひずみ検量線の一例を示すグラフである。図5に示すように、検量基板40は、荷重が印加されていない状態で上方に向かって凸状に反っている。検量基板40がこのように上方に向かって凸状に反っている場合でも、荷重が印加されていない状態での検量基板40のひずみはゼロであり、検量基板40の実装面とは反対の主面側から荷重を印加していくと、図6中の荷重−ひずみ検量線Cに示すように、検量基板40のひずみは増加する。
図7は、図2中の検量基板が下方に向かって凸状に反っている場合を示す断面模式図である。図8は、図7中の検量基板に対して定められる荷重−ひずみ検量線の一例を示すグラフである。図7に示すように、検量基板40は、荷重が印加されていない状態で下方に向かって凸状に反っている。検量基板40がこのように下方に向かって凸状に反っている場合でも、荷重が印加されていない状態での検量基板40のひずみはゼロであり、検量基板40の実装面とは反対の主面側から荷重を印加していくと、図8中の荷重−ひずみ検量線Cに示すように、検量基板40のひずみは増加する。
図6及び図8には、図4中の荷重−ひずみ検量線Cも示しているが、図2、図5、及び、図7中の検量基板40の仕様(材料組成、サイズ、厚み、配線幅、配線厚み等)が互いに同じであるため、荷重−ひずみ検量線Cの傾き、荷重−ひずみ検量線Cの傾き、及び、荷重−ひずみ検量線Cの傾きは、図6及び図8に示すように互いに同じになる。つまり、荷重が印加されていない状態での検量基板40の反りの有無、更には検量基板40の反り具合によらず、同じ荷重−ひずみ検量線が定まる。
図2、図5、及び、図7中の検量基板40の実装面には、ひずみゲージ5aが取り付けられている一方で、表面実装部品が実装されていない。実装面上に表面実装部品が実装されていない検量基板40を用いる場合には、検量基板40を支持台2に取り付ける前に、前処理として、検量基板40をリフロー炉等で加熱処理することが好ましい。検量基板40を加熱処理することにより、検量基板40の物性(例えば、ヤング率、線膨張係数等)が安定するため、高精度の荷重−ひずみ検量線を定められる。検量基板40を加熱処理する際には、検量基板40をリフロー炉に1回通してもよく、2回以上通してもよい。
検量基板40の実装面上には、表面実装部品が実装されていてもよい。
<試験基板を支持台に取り付ける工程>
図9は、試験基板を支持台に取り付ける工程の一例を示す断面模式図である。図9に示すように、基板50の実装面上に表面実装部品60が実装された試験基板70を支持台2に取り付ける。図9において、試験基板70は、表面実装部品60(基板50の実装面)が下方を向くように支持台2に取り付けられている。試験基板70において、表面実装部品60は、例えば、はんだを介して基板50の実装面上に実装される。
基板50は、いわゆるプリント配線板(単に、プリント板とも言う)である。基板50の実装面とは、基板50の一方主面及び他方主面のうち、表面実装部品60を実装するためのランドが設けられている主面を意味する。
基板50としては、検量基板40を用いてもよく、検量基板40と仕様(材料組成、サイズ、厚み、配線幅、配線厚み等)が同じである別のプリント配線板を用いてもよい。よって、荷重−ひずみ検量線を定める工程において検量基板40に対して定められた荷重−ひずみ検量線を、基板50に対しても適用できる。
基板50は、荷重が印加されていない状態で、図9に示すように反っていなくてもよく、上方に向かって凸状に反っていてもよく、下方に向かって凸状に反っていてもよい。このように、荷重が印加されていない状態での基板50の反りの有無、更には基板50の反り具合によらず、荷重−ひずみ検量線を定める工程において検量基板40に対して定められたものと同じ荷重−ひずみ検量線を適用できる。
表面実装部品60としては、例えば、コンデンサ、抵抗器等の電子部品が挙げられる。
<試験荷重を設定する工程>
試験荷重制御部7において、図4、図6、及び、図8に示したような荷重−ひずみ検量線を用いて、所定のひずみに対応する試験荷重を設定する。
試験荷重を設定する工程は、上述した試験基板を支持台に取り付ける工程の後に行われてもよく、前に行われてもよい。
<試験基板を曲げる工程>
図10は、試験基板を曲げる工程の一例を示す断面模式図である。図10に示すように、押し治具3によって、試験荷重制御部7で設定された試験荷重を基板50の実装面とは反対の主面側から印加することにより、試験基板70を曲げる。この際、押し治具3の位置は、昇降制御部8が試験荷重に応じて押し治具3を昇降させることにより調整される。
<表面実装部品を検査する工程>
例えば、試験基板70を曲げた状態で表面実装部品60の特性(例えば、コンデンサの静電容量)を測定する。また、押し治具3を上昇させることにより、試験基板70に試験荷重が印加されていない状態に戻す。そして、試験基板70を支持台2から取り外した後、表面実装部品60を基板50から取り外す。その後、取り外された表面実装部品60に対して、破壊物理解析(DPA)によってクラックの有無を検査する等の外観検査を行う。以上により、表面実装部品60の耐プリント板曲げ性を評価する。
本発明の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法は、上述したように、基板のひずみを基準にした試験方法であり、検量基板の荷重−ひずみ検量線を用いて、基板のひずみを基板に印加される荷重との関係で規定している。基板に荷重が印加される(荷重がゼロではない)ということは、押し治具が基板を押し込んでいることを示すため、荷重が印加されていない状態での基板の反りの有無、更には基板の反り具合によらず、基板に印加される荷重で基板のひずみを正確に制御できる。その結果、使用する基板によって試験結果がばらつくことが抑制され、表面実装部品の耐プリント板曲げ性を高精度で評価できる。また、本発明の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法では、従来行われていた支持台及び押し治具のゼロ点調整が不要となり、作業性が向上する。
本発明の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法において、基板の厚みは0.8mm以下であってもよい。このように基板が薄くて反りやすい状態であっても、本発明の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法によれば、表面実装部品の耐プリント板曲げ性を高精度で評価できる。
本発明の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法において、表面実装部品のサイズは0603サイズ以下であってもよい。このように小型で強度が低下しやすくなる(例えば、クラックが発生しやすくなる)表面実装部品に対しては、高精度の耐プリント板曲げ性評価が求められるが、本発明の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法によれば実現できる。なお、表面実装部品のサイズが0603サイズ以下であるとは、表面実装部品のサイズがJIS規定の0603Mサイズ以下であることを意味する。
本発明の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法が基板のひずみを基準にした試験方法であるのに対して、従来の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法、例えば、「JIS C 5101−1」に規定された耐プリント板曲げ性試験方法は、基板の押し込み量(曲げ深さ)を基準にした試験方法である。基板の押し込み量を基準にした従来の試験方法での問題点について、以下に説明する。
図11は、従来の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法について、荷重が印加されていない状態で基板が反っていない場合を示す断面模式図である。図11に示すように、従来の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験装置101においては、基板150の押し込み量がゼロとなる基準位置を設定するため、基板150の厚みを考慮しつつ支持台102及び押し治具103のゼロ点調整を行う。このようなゼロ点調整を行うことにより、図11に示した状態では基板150の押し込み量を制御できる。
図12は、従来の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法について、荷重が印加されていない状態で基板が上方に向かって凸状に反っている場合を示す断面模式図である。図13は、図12中の基板に対して定められる押し込み量−ひずみ検量線の一例を示すグラフである。図12に示すように荷重が印加されていない状態で基板150が上方に向かって凸状に反っている場合、基板150の一部が上述したように調整したゼロ点よりも上方に位置することがある。そのため、押し治具103が基板150に接触してからゼロ点に達するまで下降する間、基板150が押し治具103によって押し込まれることで基板150に荷重が印加されることになり、ひずみが発生する。よって、図12に示した状態では、ゼロ点を基準にして基板150の押し込み量を制御すると、実際の押し込み量が図11に示した状態よりも増加することになる。その後、押し治具103を更に下降させて押し込み量を増加させると、基板150のひずみは増加する。以上より、図12中の基板150に対しては、図13に示すような押し込み量−ひずみ検量線Dが定められる。
図14は、従来の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法について、荷重が印加されていない状態で基板が下方に向かって凸状に反っている場合を示す断面模式図である。図15は、図14中の基板に対して定められる押し込み量−ひずみ検量線の一例を示すグラフである。図14に示すように荷重が印加されていない状態で基板150が下方に向かって凸状に反っている場合、基板150の一部が上述したように調整したゼロ点よりも下方に位置することがある。そのため、押し治具103がゼロ点に達するまで下降しても、基板150と接触しないことになる。よって、図14に示した状態では、ゼロ点を基準にして基板150の押し込み量を制御すると、実際の押し込み量が図11に示した状態よりも減少することになる。その後、押し治具103を更に下降させて押し込み量を増加させると、押し治具103が基板150に接触することで基板150に荷重が印加されることになり、ひずみが発生する。更に、その荷重を増加させることにより、ひずみが増加する。以上より、図14中の基板150に対しては、図15に示すような押し込み量−ひずみ検量線Dが定められる。
図13及び図15には、図11中の基板150に対して定められる押し込み量−ひずみ検量線Dも示しているが、押し込み量−ひずみ検量線D、押し込み量−ひずみ検量線D、及び、押し込み量−ひずみ検量線Dは一致しない。以上より、図11、図12、及び、図14に示すような基板150の押し込み量を基準にした従来の試験方法では、ゼロ点調整を行っていても、基板150の反りの有無、更には基板150の反り具合によって基板150の押し込み量がばらつくため、押し込み量で所定のひずみが一意的に決まらず、結果的に、使用する基板150によって試験結果がばらつくことになる。
1、101 表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験装置
2、102 支持台
3、103 押し治具
4 荷重計測部
4a ロードセル
5 ひずみ計測部
5a ひずみゲージ
6 検量線計測部
7 試験荷重制御部
8 昇降制御部
20 コントローラ
40 検量基板
50、150 基板
60 表面実装部品
70 試験基板
、C、C 検量基板の荷重−ひずみ検量線
、D、D 基板の押し込み量−ひずみ検量線
、L、L 荷重
、S、S ひずみ
、P、P 座標点

Claims (4)

  1. 検量基板を支持台に取り付ける工程と、
    複数種類の荷重を前記検量基板の実装面とは反対の主面側から印加して、前記複数種類の荷重毎に前記検量基板のひずみを測定することにより、前記検量基板に印加される荷重と前記検量基板のひずみとの関係を示す荷重−ひずみ検量線を定める工程と、
    基板の実装面上に表面実装部品が実装された試験基板を前記支持台に取り付ける工程と、
    前記荷重−ひずみ検量線を用いて、所定のひずみに対応する試験荷重を設定する工程と、
    前記試験荷重を前記基板の実装面とは反対の主面側から印加することにより、前記試験基板を曲げる工程と、を備える、ことを特徴とする表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法。
  2. 前記基板の厚みが0.8mm以下である、請求項1に記載の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法。
  3. 前記表面実装部品のサイズが0603サイズ以下である、請求項1又は2に記載の表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験方法。
  4. 基板の実装面上に表面実装部品が実装された試験基板を取り付け可能な支持台と、前記支持台に取り付けられた前記試験基板に対して、試験荷重を前記基板の実装面とは反対の主面側から印加可能な押し治具と、を備える、表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験装置であって、
    検量基板が前記支持台に取り付けられた状態で、前記押し治具が前記検量基板の実装面とは反対の主面側から印加する荷重をモニタリングする荷重計測部と、
    前記押し治具が前記検量基板の実装面とは反対の主面側から荷重を印加するときの前記検量基板のひずみをモニタリングするひずみ計測部と、
    前記荷重計測部及び前記ひずみ計測部のモニタリング結果に基づき、前記検量基板に印加される荷重と前記検量基板のひずみとの関係を示す荷重−ひずみ検量線を定める検量線計測部と、
    前記荷重−ひずみ検量線を用いて、所定のひずみに対応する前記試験荷重を設定する試験荷重制御部と、
    前記試験荷重に応じて前記押し治具を昇降させる昇降制御部と、を備える、ことを特徴とする表面実装部品の耐プリント板曲げ性試験装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113324850A (zh) * 2021-06-18 2021-08-31 好维股份有限公司 一种测试儿童牙刷的抗弯力的方法
WO2023181791A1 (ja) * 2022-03-24 2023-09-28 三菱電機株式会社 試験装置および試験方法

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