JP2021023014A - スイッチング電源装置 - Google Patents

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健志 ▲濱▼田
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【課題】瞬間的な入力電圧変動や負荷変動に対しても、出力電圧の変動及び異常発振を抑制すること。【解決手段】スイッチング電源装置1は、入力電圧Vinを目標電圧VTARGETに変換して出力するスイッチング回路10と、スイッチング回路10の出力電圧Voutに基づいてパルス変調制御の変調量を演算する演算部32と、を備え、演算部32は、出力電圧Voutと基準電圧Vrefとの誤差に基づいて第1ゲインG1により変調量を演算する第1補償器41と、第1ゲインG1よりも低い第2ゲインG2により変調量を演算する第2補償器47と、出力電圧Voutの変化量uが所定の変化量閾値ΔVsetを超えた変動検出時に、第2補償器47へ切り替える補償器選択部48と、を含み、第2補償器47は、変動検出時から第1期間LIMT1が経過するまで、変化量uに基づいて変調量を補正する。【選択図】図2

Description

本発明は、スイッチング電源装置に関する。
入力された電圧を所望の電圧に変換して出力する電力変換装置の1つとして、スイッチング電源装置が広く利用されている。近年、スイッチング電源装置は、出力電圧や出力電流、温度などの帰還信号をA/D変換してマイコン制御回路に取り込み、当該帰還信号に基づいて電力変換を行うフルデジタル制御によるものが増加している。このようなフルデジタル制御によるスイッチング電源装置は、負荷条件や入力条件の変化に対して、スイッチング動作のタイミングを正確に制御することができるため、ノイズや電力損失を低減することができる。また、フルデジタル制御によるスイッチング電源装置は、様々なシーケンス動作をファームウェアで設定できるため、部品の削減が可能となり、システムを小型化することができる。
上記のようなスイッチング電源装置は、一般的に出力電圧の変動を抑制するためのフィードバック制御として、出力電圧と目標電圧との誤差に応じてフィードバックゲインを変化させるPI制御が行われることが多い。例えば特許文献1には、複数のパラメータをトリガとしてフィードバックゲイン(PI制御ゲイン)を変化させる電力変換装置が開示されている。
特許第6221851号公報
しかしながら、上記のようなスイッチング電源装置では、瞬間的な入力電圧変動や負荷変動には対応できず、出力電圧の変動を十分に抑制できないことにより構成部品が耐圧超過に陥る虞が生じる。また、スイッチング電源装置は、瞬間的な入力電圧変動や負荷変動に対応できる程度のフィードバックゲインが設定された場合には、瞬間的な当該変動に対応した直後の出力電圧の安定性が低下して収束までに時間を要するほか、条件によっては異常発振が生じる虞が生じる。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、瞬間的な入力電圧変動や負荷変動に対しても、出力電圧の変動及び異常発振を抑制することができるスイッチング電源装置を提供することにある。
<本発明の第1の態様>
本発明の第1の態様は、入力電圧をスイッチング素子のパルス変調制御により目標電圧に変換して出力するスイッチング回路と、前記スイッチング回路の出力電圧に基づいて前記パルス変調制御の変調量を演算する演算部と、を備え、前記演算部は、前記出力電圧と所定の基準電圧との誤差に基づいて定常動作用の第1ゲインにより前記変調量を演算する第1補償器と、前記誤差に基づいて前記第1ゲインよりも低い過渡応答用の第2ゲインにより前記変調量を演算する第2補償器と、前記出力電圧の変化量が所定の変化量閾値を超えた変動検出時に、前記第1補償器から前記第2補償器へ切り替える補償器選択部と、を含み、前記第2補償器は、前記変動検出時から所定の第1期間が経過するまで、前記出力電圧の前記変化量に基づいて前記変調量を補正する、スイッチング電源装置である。
スイッチング電源装置は、定常動作時においては、第1補償器の第1ゲインに基づいてパルス変調制御の変調量を演算することにより、出力電圧が目標電圧となるようにスイッチング素子を制御する。また、スイッチング電源装置は、出力電圧の変化量が所定の変化量閾値を超えた場合には、瞬間的な入力電圧変動や負荷変動が発生したものとして、第1ゲインよりも低い第2ゲインを有する第2補償器に切り替えてフィードバック制御を行うと共に、第1期間が経過するまでは出力電圧の変化量に基づいて変調量を補正する。
これにより、本発明に係るスイッチング電源装置は、瞬間的な出力変動を補償器のゲイン調整により抑制するのではなく、変動検出時に一時的に出力電圧の変化量に応じて変調量を補正するため、出力電圧の急変に対応したゲインで出力電圧の変動抑制を行うことができる。また、本発明に係るスイッチング電源装置は、第1期間の経過により変調量の補正を停止した後であっても、第2補償器の第2ゲインによる緩やかなフィードバック制御により、出力電圧の急変抑制直後におけるオーバーシュートやアンダーシュートを抑制することができる。従って、本発明に係るスイッチング電源装置によれば、瞬間的な入力電圧変動や負荷変動に対しても、出力電圧の変動及び異常発振を抑制することができる。
<本発明の第2の態様>
本発明の第2の態様は、上記した本発明の第1の態様において、前記補償器選択部は、前記変動検出時から所定の第2期間が経過した場合、前記第2補償器から前記第1補償器へ切り替える、スイッチング電源装置である。
本発明の第2の態様に係るスイッチング電源装置によれば、変動検出時から出力電圧が収束する第2期間が経過した後に過渡応答用の第2補償器から定常動作用の第1補償器へ戻ることから、パルス変調制御に対する補正を停止する直後においても出力電圧の安定性を向上させることができる。
<本発明の第3の態様>
本発明の第3の態様は、上記した本発明の第1又は2の態様において、前記補償器選択部は、前記変動検出時から所定の第3期間が経過するまで、前記第1補償器から前記第2補償器への再度の切り替えを禁止する、スイッチング電源装置である。
本発明の第3の態様に係るスイッチング電源装置によれば、第2補償器から第1補償器へ戻った後であっても、変動検出時から出力電圧が元の状態に戻るまでは、各補償器の切り替えと出力電圧の急変を抑制するための変調量に対する補正とが短期間のうちに繰り返されることを回避し、これに伴う出力電圧の異常発振の発生を防止することができる。
<本発明の第4の態様>
本発明の第4の態様は、上記した本発明の第1乃至3のいずれかの態様において、前記パルス変調制御は、PWM制御である、スイッチング電源装置である。
本発明の第4の態様に係るスイッチング電源装置によれば、パルス変調制御としてPWM制御方式が採用される場合であっても、出力電圧の変動及び異常発振を抑制することができる。
<本発明の第5の態様>
本発明の第5の態様は、上記した本発明の第1乃至3のいずれかの態様において、前記パルス変調制御は、PFM制御である、スイッチング電源装置である。
本発明の第5の態様に係るスイッチング電源装置によれば、パルス変調制御としてPFM制御方式が採用される場合であっても、出力電圧の変動及び異常発振を抑制することができる。
本発明によれば、瞬間的な入力電圧や負荷変動に対しても、出力電圧の変動及び異常発振を抑制することができるスイッチング電源装置を提供することができる。
本発明に係るスイッチング電源装置の構成を示す回路図である。 演算部における変調量の演算を模式的に表す回路図である。 タイマ回路の制御動作を模式的に表す論理回路図である。 出力電圧の変化量とタイマ回路の各信号波形を表すタイミングチャートの一例である。 負荷急変時における従来技術に係るスイッチング電源装置の出力電圧の波形図である。 負荷急変時における本発明に係るスイッチング電源装置の出力電圧の波形図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する内容に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において任意に変更して実施することが可能である。また、実施の形態の説明に用いる図面は、いずれも構成部材を模式的に示すものであって、理解を深めるべく部分的な強調、拡大、縮小、または省略などを行っており、構成部材の縮尺や形状等を正確に表すものとはなっていない場合がある。
図1は、本発明に係るスイッチング電源装置1の構成を示す回路図である。スイッチング電源装置1は、本実施形態においては、2つの入力端子TINに外部電源2が接続され、2つの出力端子TOUTに外部負荷3が接続されることにより、外部電源2から入力される直流の入力電圧Vinを所望の目標電圧VTARGETに変換して外部負荷3へ安定した直流の出力電圧Voutを出力する所謂DC−DCコンバータである。スイッチング電源装置1は、電力の変換を行うスイッチング回路10、スイッチング回路10のスイッチング素子SWを駆動するドライバ回路20、及びスイッチング回路10の出力電圧Voutに基づいてドライバ回路20を制御する制御部30を備える。
スイッチング回路10は、入力コンデンサCIN、スイッチング素子SW、チョークコイルL、転流ダイオードD、及び出力コンデンサCOUTを含む。
入力コンデンサCINは、一端が高電位側の入力端子TINに接続され、他端が低電位側の入力端子TINに接続されることにより、外部電源2から一対の入力端子に入力された入力電圧VINの変動を抑制する。
スイッチング素子SWは、本実施形態においては、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)からなり、ドレインが高電位側の入力端子TINに接続され、ソースがチョークコイルLを介して高電位側の出力端子TOUTに接続されている。そして、スイッチング素子SWは、後述するように、ドライバ回路20からのパルス信号がゲートに入力されることによりパルス変調制御される。尚、スイッチング素子SWは、公知のバイポーラトランジスタやIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)などの他の素子であってもよい。
チョークコイルLは、スイッチング素子SWがONの状態において、スイッチング素子SWから高電位側の出力端子TOUTへ流れる電流によりエネルギーを蓄える。転流ダイオードDは、例えばショットキバリアダイオードからなり、アノードが入力コンデンサCINと低電位側の入力端子TINとの接続点に接続され、カソードがスイッチング素子SWとチョークコイルLとの接続点に接続されている。転流ダイオードDは、スイッチング素子SWがOFFの状態において順方向電流が流れることにより、チョークコイルLに蓄えられたエネルギーを開放する。
出力コンデンサCOUTは、一端がチョークコイルLと高電位側の出力端子TOUTとの接続点に接続され、他端が転流ダイオードDのアノードと低電位側の出力端子TOUTとの接続点に接続されている。
本実施形態におけるスイッチング回路10は、スイッチング素子SWに対するPWM制御(PWM:Pulse Width Modulation)により、入力電圧Vinを降圧して出力電圧Voutを出力することができる。ただし、スイッチング素子SWに対するパルス変調制御は、PWM制御に限定されるものではなく、用途に応じてPFM制御(PFM:Pulse Frequency Modulation)としてもよい。
また、本発明に係るスイッチング回路10は、上記の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、スイッチング回路10は、外部電源2から交流電力が入力される場合にはAC−DCコンバータとして構成してもよく、また、入力電圧Vinを昇圧して出力電圧Voutを形成してもよい。さらに、スイッチング回路10は、ダイオード整流に限られず、転流ダイオードDに替えてスイッチング素子を採用した同期整流であってもよい。また、スイッチング回路10は、絶縁トランスを介した絶縁型のDC−DCコンバータであってもよく、所謂フライバック方式、フォーワード方式、プッシュプル方式、ハーフブリッジ方式、及びフルブリッジ方式などの様々な形態の回路構成を採用することができる。
ドライバ回路20は、制御部30の出力信号に基づいてスイッチング素子SWのゲートにパルス電圧を出力することにより、スイッチング回路10の出力電圧Voutが目標電圧VTARGETとなるよう制御する。
制御部30は、例えば公知のマイコン制御回路からなり、スイッチング回路10から外部負荷へ出力される出力電圧Voutを検出すると共に、目標電圧VTARGETに対して出力電圧Voutが変動しないようにドライバ回路20を介してスイッチング素子SWを制御するためのパルス変調制御を行う。また、本実施形態の制御部30は、ADC31、演算部32、及びパルス生成部33を含む。
ADC32は、高電位側の出力端子TOUTからスイッチング回路10の出力電圧Voutを検出し、アナログ値をデジタル値に変換して演算部32に取り込むためのADコンバータである。
演算部32は、ADC31から入力されたスイッチング回路10の出力電圧Voutに基づいて、出力電圧Voutが目標電圧VTARGETとなるように、スイッチング素子SWを変調制御するためのパルス系列の変調量を演算する。このとき、演算部32は、パルス変調制御の動作周波数でスイッチング回路10の出力電圧Voutをサンプリングする。演算部32の具体的な構成及び動作については詳細を後述する。
パルス生成部33は、演算部32が演算した変調量の情報に基づいてパルス系列を生成し、ドライバ回路20に対して当該パルス系列を出力する。
次に、上記した演算部32の構成及び動作について、より具体的に説明する。図2は、演算部32における変調量の演算を模式的に表す回路図である。演算部32は、スイッチング回路10の出力電圧Voutをフィードバックし、スイッチング素子SWを駆動するためのパルス系列の変調量を演算してパルス生成部33に出力する。
本実施形態においては、演算部32は、第1加算器40、第1補償器41、デジタルハイパスフィルタ42、増幅器43、変化量判定部44、乗算器45、第2加算器46、第2補償器47、補償器選択部48、及びタイマ回路50を含む。
第1加算器40は、目標電圧VTARGETに対応する所定の基準電圧VrefとADC31を介して検出される出力電圧Voutとの差を算出し、出力電圧Voutと目標電圧VTARGETとの誤差(ERROR)として第1補償器41及び第2補償器47に出力する。
第1補償器41は、出力電圧Voutと目標電圧VTARGETとの誤差に基づいて、定常動作用の第1ゲインG1によりパルス変調制御の変調量を演算して補償器選択部48に出力する。すなわち、第1補償器41は、出力電圧Voutの変動が比較的小さい定常動作時において、出力電圧Voutと目標電圧VTARGETとの誤差が減衰するように第1ゲインG1に基づいて変調量を調整する。
デジタルハイパスフィルタ42は、入力される電圧信号のうち所定の周波数以上の成分を出力するフィルタであり、ADC31を介して取得される出力電圧Voutの変化量uを算出して増幅器43及び変化量判定部44のそれぞれに出力する。
増幅器43は、出力電圧Voutの変化量uを所定のフィードバックゲインGで増幅することにより、出力電圧Voutの瞬間的な変動を抑制するための変調量に対する補正値を算出する。
変化量判定部44は、デジタルハイパスフィルタ42から出力される変化量uに基づいて、瞬間的な入力電圧変動や負荷変動の発生を判定する。より具体的には、変化量判定部44は、出力電圧Voutの変化量uが所定の変化量閾値ΔVsetを超えたか否かを判定し、変化量閾値ΔVsetを超えた場合には、瞬間的な入力電圧変動や負荷変動が発生したものとして、タイマ回路50に変動検出信号X=1を出力する。尚、出力電圧Voutの変化量uが変化量閾値ΔVset以下である場合には、タイマ回路50に変動検出信号X=0が出力される。
乗算器45は、増幅器43から出力されるu×Gの値に対し、詳細を後述するタイマ回路からの変調量補正信号Yを乗算して第2加算器46へ出力する。ここで、変調量補正信号Yは、後述するように、変化量判定部44における変動検出時からの経過時間により0又は1のいずれかの値をとる。
第2加算器46は、変調量への補正が必要な場合に、第2補償器47が出力した前回の変調量に対して乗算器45の出力値で補正した値を第2補償器47へフィードバックする。
第2補償器47は、出力電圧Voutと目標電圧VTARGETとの誤差に基づいて、第1ゲインG1よりも低い過渡応答用の第2ゲインG2によりパルス変調制御の変調量を演算して補償器選択部48に出力する。すなわち、第2補償器47は、出力電圧Voutの変動量が比較的大きい過渡応答時において、出力電圧Voutと目標電圧VTARGETとの誤差が減衰するように第2ゲインG2に基づいて変調量を調整する。また、第2補償器47は、瞬間的な入力電圧変動や負荷変動が発生したと判定された場合に、第2加算器46から出力される補正値に基づいて変調量を一時的に補正する。
ここで、本実施形態における第1補償器41及び第2補償器47は、PWM制御方式が採用されているため、パルス系列のDutyを変調量として出力しているが、PFM制御方式が採用される場合には、パルス系列の周波数を変調量として出力することになる。
補償器選択部48は、タイマ回路50から出力される補償器選択信号Zに基づいて、第1補償器41及び第2補償器47のいずれの演算値を選択するかを切り替え、選択された演算値をパルス変調制御の次回変調量としてパルス生成部33に出力する。
タイマ回路50は、変化量判定部44から出力される変動検出信号Xが0から1になる変動検出時のタイミングにおいてタイマを開始し、タイマの開始から所定の期間が経過した場合に変調量補正信号Y及び補償器選択信号Zをそれぞれ0から1へ切り替える。
図3は、タイマ回路50の制御動作を模式的に表す論理回路図である。タイマ回路50は、第1AND回路51、ラッチ回路52、カウンタ53、第1期間判定部54、第2期間判定部55、第3期間判定部56、第2AND回路57、及び第3AND回路58を含む。
第1AND回路51は、変化量判定部44から出力される変動検出信号Xとラッチ回路52の反転出力との論理積を出力する。
ラッチ回路52は、第1AND回路51から出力される信号をセット信号とする所謂SRフリップフロップであり、0又は1の出力値Qをカウンタ53、第2AND回路57、及び第3AND回路58のそれぞれに出力する。
カウンタ53は、ラッチ回路52からの出力信号を0か1かに拘らずカウントすることにより、変化量判定部44が判定した変動検出時からの経過時間を計測する。尚、タイマ回路50についても、出力電圧Voutのサンプリングと同様に、パルス変調制御の動作周波数に同期して駆動する。
第1期間判定部54は、カウンタ53の出力に基づいて、変動検出時から所定の第1期間Limit1が経過したか否かを判定し、当該期間中においては第2AND回路57への出力信号を0から1へ切り替える。ここで、第1期間Limit1とは、瞬間的な入力電圧変動や負荷変動に伴う出力変動の急変を抑制するために、第2補償器47が変調量を補正する期間を規定するものであり、予め任意に設定される時間幅である。
第2期間判定部55は、カウンタ53の出力に基づいて、変動検出時から所定の第2期間Limit2が経過したか否かを判定し、当該期間中においては第3AND回路58への出力信号を0から1へ切り替える。ここで、第2期間Limit2とは、パルス変調制御における変調量の演算を第2補償器47から第1補償器41へ戻すタイミングを規定するものであり、出力電圧Voutが収束するために要する期間として予め任意に設定される時間幅である。
第3期間判定部56は、カウンタ53の出力に基づいて、変動検出時から所定の第3期間Limit3が経過したか否かを判定し、当該期間中においてはラッチ回路52へのリセット信号を0から1へ切り替える。ここで、第3期間Limit3とは、第2補償器47から第1補償器41への切り替え後においても、一定の期間は第2補償器47への再切り替えを禁止するものであり、予め任意に設定される時間幅である。すなわち、第3期間判定部56は、第2補償器47の第2ゲインG2から第1補償器41の第1ゲインG1へ切り替えた直後に再び変動検出が行われた場合であっても、第2補償器47による変調量の補正を禁止するため、短期間に変調量の補正を繰り返すことを防止し、出力電圧Voutが異常発振する虞を低減することができる。
第2AND回路57は、第1期間判定部54及びラッチ回路52からの出力信号の論理積を変調量補正信号Yとして出力する。すなわち、第2AND回路57は、変動検出時から第1期間Limit1が経過するまでの期間では変調量補正信号Yを1にし、それ以外の期間では変調量補正信号Yを0にする。
第3AND回路58は、第2期間判定部55及びラッチ回路52からの出力信号の論理積を補償器選択信号Zとして出力する。すなわち、第3AND回路58は、変動検出時から第2期間Limit2が経過するまでの期間では補償器選択信号Zを1にし、それ以外の期間では補償器選択信号Zを0にする。
次に、出力電圧Voutの変化量uに対するタイマ回路50の動作について説明する。図4は、出力電圧Voutの変化量uとタイマ回路50の各信号波形を表すタイミングチャートの一例である。
変化量判定部44は、出力電圧Voutの変化量uが所定の変化量閾値ΔVsetを超えるまでは出力電圧Voutの急変を検出しないため、例えば図4のタイミングT1のように変化量uが変化量閾値ΔVsetに満たない場合には、瞬間的な入力電圧変動や負荷変動が発生していないものと判定する。
これに対し、タイミングT2のように変化量uが変化量閾値ΔVsetを超えた場合には、変化量判定部44は、瞬間的な入力電圧変動や負荷変動が発生したものとして、変動検出信号Xを0から1に切り替える。
このとき、タイマ回路50の内部においては、ラッチ回路52の出力信号Qの立ち上がりに伴い、第2AND回路57が出力する変調量補正信号Y、第3AND回路58が出力する補償器選択信号Z、及び第3期間判定部56が出力するreset信号がいずれも0から1に切り替わり、カウンタ53による経過時間の計測が開始される。
そして、タイミングT2の変動検出時から第1期間Limit1が経過するタイミングT3までの期間では、補償器選択信号Zが1であることから図2に示すように補償器選択部48は過渡応答用の第2補償器47を選択する。また、変調量補正信号Yが1となることから、第2補償器47は、増幅器43が出力するu×Gの大きさに基づいて変調量が補正される。これにより、瞬間的な入力電圧変動や負荷変動に伴う出力電圧Voutの急変が抑制される。
タイミングT3において変調量補正信号Yが1から0に切り替わると、第2補償器47は、出力電圧Voutと目標電圧VTARGETとの誤差、及び過渡応答用の第2ゲインG2に基づく変調量の演算を継続するものの、当該変調量に対する補正については停止する。このため、出力電圧Voutは、第2ゲインG2による緩やかなフィードバック制御により、出力電圧Voutの急変抑制直後におけるオーバーシュートやアンダーシュートを抑制することができる。
また、変動検出時から第2期間Limit2が経過したタイミングT4において、補償器選択信号Zが1から0に戻ることにより、補償器選択部48は、定常動作用の第1補償器41を選択する。これにより、演算部32は、第1補償器41において第1ゲインG1による通常のフィードバック制御により変調量を演算する。
ただし、変動検出時から第3期間Limit3が経過するタイミングT6までの期間では、第1補償器41から第2補償器47への再度の切り替えが禁止されている。このため、例えばタイミングT5に示すように、当該期間中においては変化量uが変化量閾値ΔVsetを超えた場合であっても第2補償器47へ切り替えられることがない。これにより、各補償器の切り替えと出力電圧Voutの急変を抑制するための変調量に対する補正とが短期間のうちに繰り返されることがなく、これに伴う出力電圧Voutの異常発振の発生を防止することができる。
変動検出時から第3期間Limit3が経過すると、第2AND回路57が出力する変調量補正信号Y、第3AND回路58が出力する補償器選択信号Z、及び第3期間判定部56が出力するreset信号がいずれも0の状態に戻り、カウンタ53による経過時間の計測が停止される。そして、タイミングT7のように、再び変化量uが変化量閾値ΔVsetを超えた場合には、タイミングT2と同様に過渡応答時の制御が行われる。
続いて、本発明の効果について、図5及び図6を参照しながら説明する。図5は、負荷急変時における従来技術に係るスイッチング電源装置の出力電圧Voutの波形図である。また、図6は、負荷急変時における本発明に係るスイッチング電源装置1の出力電圧Voutの波形図である。図5及び図6においては、外部負荷3の負荷変動により出力電流Ioutが13[A]から0[A]に低下したタイミングを基準とし、当該タイミングからの経過時間を横軸で表している。また、図5及び図6においては、図の下半分及び上半分のそれぞれにおいて出力電流Iout及び出力電圧Voutの変化を表している。
ここで、従来技術に係るスイッチング電源装置は、出力電圧Voutと基準電圧Vrefとの誤差のみに基づいて上記の第1ゲインG1によりフィードバック制御を行なっていることとしている。このため、従来技術に係るスイッチング電源装置は、図5に示すように、瞬間的な負荷変動に対して出力電圧Voutの変動を抑制しきれず、出力電圧Voutが0[V]から約2[V]まで上昇しているほか、約1.0[ms]付近においてアンダーシュートが発生し、出力電圧Voutが元の状態に安定するまでに1.6[ms]以上の時間を要していることが確認できる。
これに対し、本発明に係るスイッチング電源装置1の出力電圧Voutは、変動検出時から第1期間Limit1が経過するまでは変化量uに基づいて変調量を補正しているほか、変動検出時から第2期間Limit2が経過するまでは第1ゲインG1よりも低い第2ゲインG2によりフィードバック制御を行なっている。このため、本発明に係るスイッチング電源装置1は、図6に示すように、瞬間的な負荷変動に対して出力電圧Voutの上昇を約0.5[V]程度に抑制できており、約0.5[ms]の時間で出力電圧Voutを元の状態に安定させていることが確認できる。また、図6における出力電圧Voutの波形には、オーバーシュートやアンダーシュートが発生しておらず、異常発振の虞も低減できることが確認できる。
以上のように、本発明に係るスイッチング電源装置1は、定常動作時においては、第1補償器41の第1ゲインG1に基づいてパルス変調制御の変調量を演算することにより、出力電圧Voutが目標電圧VTARGETとなるようにスイッチング素子SWを制御する。また、スイッチング電源装置1は、出力電圧Voutの変化量uが変化量閾値ΔVsetを超えた場合には、瞬間的な入力電圧変動や負荷変動が発生したものとして、第1ゲインG1よりも低い第2ゲインG2を有する第2補償器47に切り替えてフィードバック制御を行うと共に、第1期間Limit1が経過するまでは出力電圧Voutの変化量uに基づいて変調量を補正する。
これにより、本発明に係るスイッチング電源装置1は、瞬間的な出力変動を補償器のゲイン調整により抑制するのではなく、変動検出時に一時的に出力電圧Voutの変化量uに応じて変調量を補正するため、出力電圧Voutの急変に対応したゲインGで出力電圧Voutの変動抑制を行うことができる。また、本発明に係るスイッチング電源装置1は、第1期間Limit1の経過により変調量の補正を停止した後であっても、第2補償器47の第2ゲインG2による緩やかなフィードバック制御により、出力電圧Voutの急変抑制直後におけるオーバーシュートやアンダーシュートを抑制することができる。従って、本発明に係るスイッチング電源装置1によれば、瞬間的な入力電圧変動や負荷変動に対しても、出力電圧Voutの変動及び異常発振を抑制することができる。
1 スイッチング電源装置
2 外部電源
3 外部負荷
10 スイッチング回路
30 制御部
32 演算部
41 第1補償器
42 デジタルハイパスフィルタ
44 変化量判定部
47 第2補償器
48 補償器選択部
50タイマ回路
X 変動検出信号
Y 変調量補正信号
Z 補償器選択信号

Claims (5)

  1. 入力電圧をスイッチング素子のパルス変調制御により目標電圧に変換して出力するスイッチング回路と、
    前記スイッチング回路の出力電圧に基づいて前記パルス変調制御の変調量を演算する演算部と、を備え、
    前記演算部は、前記出力電圧と所定の基準電圧との誤差に基づいて定常動作用の第1ゲインにより前記変調量を演算する第1補償器と、
    前記誤差に基づいて前記第1ゲインよりも低い過渡応答用の第2ゲインにより前記変調量を演算する第2補償器と、
    前記出力電圧の変化量が所定の変化量閾値を超えた変動検出時に、前記第1補償器から前記第2補償器へ切り替える補償器選択部と、を含み、
    前記第2補償器は、前記変動検出時から所定の第1期間が経過するまで、前記出力電圧の前記変化量に基づいて前記変調量を補正する、スイッチング電源装置。
  2. 前記補償器選択部は、前記変動検出時から所定の第2期間が経過した場合、前記第2補償器から前記第1補償器へ切り替える、請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記補償器選択部は、前記変動検出時から所定の第3期間が経過するまで、前記第1補償器から前記第2補償器への再度の切り替えを禁止する、請求項1又は2に記載のスイッチング電源装置。
  4. 前記パルス変調制御は、PWM制御である、請求項1乃至3のいずれかに記載のスイッチング電源装置。
  5. 前記パルス変調制御は、PFM制御である、請求項1乃至3のいずれかに記載のスイッチング電源装置。
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