JP2021022426A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池の調圧機能を確保しつつタービンの動力回収効率を向上させやすくすることが可能な燃料電池システムを得る。【解決手段】燃料電池1に対する出力要求値に応じて燃料電池1内の目標圧力値が定められ、タービン3cは、タービン3cに供給されるエア流量とタービン3cの上流側および下流側の圧力の比である圧力比との関係である設定圧力ラインL1を有し、制御部9は、燃料電池1の目標圧力値が設定圧力ラインL1よりも低いときには第1制御を行ない、燃料電池1の目標圧力値が設定圧力ラインL1よりも高いときには第2制御を行ない、制御部9は、第2制御を行なう際には、タービンバイパス弁7vを全閉の状態でスタックバイパス弁6vを全閉としないようにする。【選択図】図1
Description
本開示は、燃料電池システムに関する。
下記特許文献1に開示された燃料電池システムは、燃料電池(スタック)と、燃料電池の排出側に配置された三方弁と、三方弁を介して燃料電池の排出側に接続されたタービン(エキスパンダ)と、燃料電池の供給側の流路と排出側の流路とを接続する加湿器とを備える。
燃料電池の発電時、カソード排ガスがタービンに供給されるように三方弁は制御される。燃料電池の掃気時、掃気ガスがタービンを迂回する(バイパスする)ように三方弁は制御される。加湿器は、カソードガスとカソード排ガスとの間で水分交換を行なう。
タービンの上流側に配置された三方弁等のタービンバイパス弁は、カソード排ガス等がタービンに供給されるように、または、カソード排ガス等がタービンに供給されずに迂回するように動作する。特許文献1に開示された三方弁は、掃気を行なうか否かに応じて動作する。燃料電池システムには、燃料電池の供給側の流路と排出側の流路とを接続するスタックバイパス流路が設けられることもある。スタックバイパス流路にはスタックバイパス弁が配置される。
燃料電池システムにおいては、燃料電池に対する出力要求値に応じて燃料電池内の目標圧力値が定められる。従来の燃料電池システムは、この目標圧力値に向けて燃料電池内の圧力を増減させる際に、タービンにおけるより高い動力回収効率を得ることを意図してタービンバイパス弁やスタックバイパス弁などの動作を制御していない。目標圧力値に向けて燃料電池内の圧力を増減させる際にタービンにおけるより高い動力回収効率を得るという点で、従来の燃料電池システムには改善の余地が存在している。
本開示は、燃料電池の調圧機能を確保しつつタービンにおける動力回収効率を従来に比して向上させやすくすることが可能な構成を備えた燃料電池システムを提供することを目的とする。
本開示に基づく燃料電池システムは、燃料電池と、上記燃料電池にカソードガスを供給する供給流路と、上記燃料電池からカソード排ガスを排出する排出流路と、上記排出流路からのカソード排ガスが供給されて動力を生成するタービンと、互いに連通可能な第1接続部と第2接続部とを有し、上記供給流路における上記燃料電池よりも上流の位置に上記第1接続部が接続され、上記排出流路における上記タービンよりも上流の位置に上記第2接続部が接続されたスタックバイパス流路と、上記スタックバイパス流路における上記第1接続部と上記第2接続部との間に設けられ、上記スタックバイパス流路を流れるカソードガスの流量を調節可能なスタックバイパス弁と、互いに連通可能な第3接続部と第4接続部とを有し、上記排出流路における上記タービンよりも上流の位置に上記第3接続部が接続され、上記排出流路における上記タービンよりも下流の位置に上記第4接続部が接続されたタービンバイパス流路と、上記タービンバイパス流路における上記第3接続部と上記第4接続部との間に設けられ、上記タービンバイパス流路を流れるカソード排ガスの流量を調節可能なタービンバイパス弁と、上記燃料電池の圧力を検知する圧力センサと、上記圧力センサが検知した情報に基づき上記タービンバイパス弁の開度と上記スタックバイパス弁の開度とを制御する制御部と、を備え、上記燃料電池に対する出力要求値に応じて上記燃料電池内の目標圧力値が定められ、上記タービンは、上記タービンに供給されるエア流量と上記タービンの上流側および下流側の圧力の比である圧力比との関係である設定圧力ラインを有し、上記制御部は、上記燃料電池の上記目標圧力値が上記設定圧力ラインよりも低いときには第1制御を行ない、上記燃料電池の上記目標圧力値が上記設定圧力ラインよりも高いときには第2制御を行ない、上記制御部は、上記第2制御を行なう際には、上記タービンバイパス弁を全閉の状態で上記スタックバイパス弁を全閉としないようにする。
上記燃料電池システムにおいては、上記制御部は、上記目標圧力値に向けて上記燃料電池内の圧力を高くする際には、上記タービンバイパス弁の開度を縮小させることと上記スタックバイパス弁の開度を拡大させることとのうちの少なくとも一方を行ない、上記制御部は、上記目標圧力値に向けて上記燃料電池内の圧力を低くする際には、上記タービンバイパス弁の開度を拡大させることと上記スタックバイパス弁の開度を縮小させることとのうちの少なくとも一方を行なってもよい。
上記燃料電池システムにおいては、上記制御部は、上記タービンバイパス弁を全閉の状態で上記スタックバイパス弁の開度を拡大させることによって、上記目標圧力値に向けて上記燃料電池内の圧力を高くしてもよい。
上記燃料電池システムにおいては、上記制御部は、上記スタックバイパス弁を全閉の状態で上記タービンバイパス弁の開度を拡大することによって、上記目標圧力値に向けて上記燃料電池内の圧力を低くしてもよい。
上記燃料電池システムは、一つのアクチュエータを備え、上記アクチュエータは、上記制御部によって駆動されることで、上記タービンバイパス弁の開度と上記スタックバイパス弁の開度との双方を調節可能であってもよい。
上記燃料電池システムは、上記排出流路における上記燃料電池と上記タービンとの間に設けられ、上記燃料電池から上記排出流路に排出されるカソード排ガスの流量を調節可能な出口弁をさらに備え、上記アクチュエータは、上記制御部によって駆動されることで、上記タービンバイパス弁の開度と上記スタックバイパス弁の開度と上記出口弁の開度とを調節可能であってもよい。
上記燃料電池システムは、一つの弁体を備え、上記弁体は、上記制御部によって駆動されることで、上記タービンバイパス弁の開度と上記スタックバイパス弁の開度との双方を調節可能であってもよい。
上記燃料電池システムは、上記排出流路における上記燃料電池と上記タービンとの間に設けられ、上記燃料電池から上記排出流路に排出されるカソード排ガスの流量を調節可能な出口弁をさらに備え、上記弁体は、上記制御部によって駆動されることで、上記タービンバイパス弁の開度と上記スタックバイパス弁の開度と上記出口弁の開度とを調節可能であってもよい。
上記構成を備えた燃料電池システムによれば、燃料電池の調圧機能を確保しつつタービンにおける動力回収効率を従来に比して向上させやすくすることが可能となる。
実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。以下の説明において同一の部品および相当部品には同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
[実施の形態1]
(燃料電池システム10)
図1は、実施の形態1における燃料電池システム10を模式的に示す図である。燃料電池システム10は、燃料電池1、カソードガス供給系2およびアノードガス供給系(不図示)を備える。燃料電池1は、アノードガス(水素)およびカソードガス(空気)が供給されることにより発電する。
(燃料電池システム10)
図1は、実施の形態1における燃料電池システム10を模式的に示す図である。燃料電池システム10は、燃料電池1、カソードガス供給系2およびアノードガス供給系(不図示)を備える。燃料電池1は、アノードガス(水素)およびカソードガス(空気)が供給されることにより発電する。
カソードガス供給系2は、コンプレッサ3a、モータ3b、タービン3c、供給流路4、入口弁4v、排出流路5、出口弁5v、スタックバイパス流路6、スタックバイパス弁6v、タービンバイパス流路7、タービンバイパス弁7v、圧力センサ8および制御部9を備える。
カソードガスは、コンプレッサ3aにより圧縮された状態で供給流路4に供給される。供給流路4は、燃料電池1とコンプレッサ3aとを接続しており、燃料電池1にカソードガスを供給する。入口弁4vは、供給流路4における燃料電池1とコンプレッサ3aとの間に設けられる。入口弁4vは、たとえば調圧弁、具体的には電磁バルブなどから構成され、燃料電池1に供給されるカソードガスの流量を調節可能である。
排出流路5は、燃料電池1とタービン3cとを接続しており、燃料電池1からカソード排ガスを排出する。カソード排ガスはタービン3cに供給される。タービン3cはこの際、エネルギーを回収し、動力を生成する。タービン3cとコンプレッサ3aとはシャフトを介して連結されている。タービン3cによって回収されたエネルギーは、駆動力としてコンプレッサ3aの回転に利用される。コンプレッサ3aは、モータ3bによっても回転駆動可能である。
排出流路5は、配管部5a,5b,5c,5dを含む。出口弁5vは、排出流路5における燃料電池1とタービン3cの間(配管部5a,5b間)に設けられる。出口弁5vは、たとえば調圧弁、具体的には電磁バルブなどから構成され、燃料電池1から排出流路5に排出されるカソード排ガスの流量を調節可能である。
スタックバイパス流路6は、互いに連通可能な第1接続部6aおよび第2接続部6bを有する。第1接続部6aは、供給流路4における燃料電池1よりも上流の位置、具体的には、コンプレッサ3aと入口弁4vの間の位置に接続される。第2接続部6bは、排出流路5におけるタービン3cよりも上流の位置、具体的には、出口弁5vとタービン3cとの間(配管部5b,5c間)の位置に接続される。
スタックバイパス流路6は、コンプレッサ3aから吐出されたカソードガスを、燃料電池1をバイパスしてタービン3cに供給する。第1接続部6a,6b間にスタックバイパス弁6vが設けられる。スタックバイパス弁6vはスタックバイパス流路6を流れるカソードガスの流量を調節可能である。
タービンバイパス流路7は、互いに連通可能な第3接続部7aと第4接続部7bとを有する。第3接続部7aは、排出流路5におけるタービン3cよりも上流の位置、具体的には、出口弁5vとタービン3cとの間(配管部5b,5c間)の位置に接続される。第4接続部7bは、排出流路5におけるタービン3cよりも下流の位置(配管部5d)に接続される。
タービンバイパス流路7は、燃料電池1から吐出されたカソード排ガスを、タービン3cをバイパスして配管部5dに供給する。第3接続部7aと第4接続部7bとの間にタービンバイパス弁7vが設けられる。タービンバイパス弁7vはタービンバイパス流路7を流れるカソード排ガスの流量を調節可能である。
圧力センサ8は配管部5aに設けられ、燃料電池1内の圧力を検知することができる。圧力センサ8が検知した情報は制御部9に入力される。制御部9は、入口弁4v、出口弁5v、スタックバイパス弁6vおよびタービンバイパス弁7vの各々の開度を制御する。
ここで、燃料電池1内のガス流量および圧力に応じて、燃料電池1の出力(発電量)が変化する。たとえば車両に搭載されたECUは、アクセル開度などに基づいて燃料電池1に対する出力要求値を算出し、出力要求値に応じて燃料電池1内の目標流量(要求流量)および目標圧力値(要求圧力値)が定められる。
燃料電池システム10においては、制御部9は、目標圧力値に向けて燃料電池1内の圧力を高くする際には、タービンバイパス弁7vの開度を縮小させることとスタックバイパス弁6vの開度を拡大させることとのうちの少なくとも一方を行ない、制御部9は、目標圧力値に向けて燃料電池1内の圧力を低くする際には、タービンバイパス弁7vの開度を拡大させることとスタックバイパス弁6vの開度を縮小させることとのうちの少なくとも一方を行なう。
タービンは容量を有しており、燃料電池システム10においては固定容量式のタービン3cが用いられている。タービンは、スタックバイパス流路6から供給されたカソードガスや、燃料電池1から排出されたカソード排ガス等の有するエネルギーを動力として回収する手段であり、調圧弁、配管および絞り等と同様に、圧力損失を発生させる。
この圧力損失は燃料電池1内の圧力にも影響する。燃料電池1内の圧力は、燃料電池1に供給されるカソードガスの流量および圧力(すなわち入口弁4vの開度)だけでなく、スタックバイパス弁6vの開度、出口弁5vの開度、タービン3cの仕様(大きさおよび形状)、タービン3cに供給される流体の流量および圧力、ならびに、タービンバイパス弁7vの開度などによっても定められる。
図2は、タービンに供給されるエア流量と、タービンの上流側および下流側の圧力の比である圧力比との関係を示したグラフである。タービンは、タービンインペラを有する。所定開口径および所定流路断面積を有する流路の内側にタービンインペラが配置される。タービンのこれらの開口径などが決まると、エア流量に対する圧力比が決まる。つまり、タービンの開口径などに応じてエア流量に対する圧力比が決まる。
エア流量と圧力比との関係は、たとえば図2に示すような概ね一次直線L1で表わされ、固有の特性(仕様)としてタービンに備えられる。エア流量と圧力比との当該関係を、設定圧力ラインともいう。すなわちタービンは、タービンに供給されるエア流量とタービンの上流側および下流側の圧力の比である圧力比との関係である、設定圧力ラインを有している。設定圧力ラインは、二次曲線や他の曲線で表わされることもある。図2に示す設定圧力ライン(一次直線L1)は、出口弁5vを全開に設定し、タービンバイパス弁7vを全閉に設定した際に得られる、タービン3cのエア流量と圧力比との関係の一例を表している。
タービンの開口径および流路断面積は、消費電力の低減や、タービンの動力回収効率の向上ないし最大化などを意図して所定の値が算出され、設計に反映される。たとえば、エア流量q1のガスがタービンに供給された際に、圧力比p1がタービンの上流と下流との間に形成されるように、タービンの開口径および流路断面積などが設定される。エア流量と圧力比との関係が設定圧力ラインに近くなるような状態でタービン3cが使用および動作されることによって、消費電力の低減やタービンの動力回収効率の向上など、設計段階で期待された効果が得られる。
エア流量と圧力比との関係を設定圧力ラインに近付けることに関して、燃料電池1内の目標圧力値に応じてエア流量qbのガスがタービン3cに供給されることになったとする。この場合に、所望の圧力比paをタービン3cの上流および下流に形成するためには、(エア流量qb−エア流量qa)の分のガスをタービンバイパス流路7によってタービン3cを迂回させる。これにより、エア流量qaに対応する圧力比paをタービン3cの上流および下流に形成でき、ひいては、エア流量と圧力比との関係が設定圧力ラインにより一層近くなるような状態でタービン3cを使用および動作させることが可能となる。
また、燃料電池1内の目標圧力値に応じてエア流量qcのガスがタービン3cに供給されることになったとする。この場合に、所望の圧力比pdをタービン3cの上流および下流に形成するためには、(エア流量qd−エア流量qc)の分のガスをスタックバイパス流路6を介してタービン3cに供給する。これにより、エア流量qdに対応する圧力比pdをタービン3cの上流および下流に形成でき、ひいては、エア流量と圧力比との関係が設定圧力ラインにより一層近くなるような状態でタービン3cを使用および動作させることが可能となる。
上述のとおり、燃料電池1に対する目標流量および目標圧力値は、アクセル開度等に応じて変動する。特段の対策を施さない場合、タービンに供給されるガスの流量および圧力は、消費電力の低減やタービンの動力回収効率の向上を意図して設計された設定圧力ライン(たとえば一次直線L1)から離れやすく、結果として、消費電力の低減やタービンの動力回収効率の向上を十分に図ることができなくなる場合がある。
これに対して燃料電池システム10においては、制御部9が、目標圧力値に向けて燃料電池1内の圧力を増減させる際に、スタックバイパス弁6vよびタービンバイパス弁7vなどの動作を制御する。具体的には制御部9は、目標圧力値に向けて燃料電池1内の圧力を高くする際には、タービンバイパス弁7vの開度を縮小させることとスタックバイパス弁6vの開度を拡大させることとのうちの少なくとも一方を行ない、制御部9は、目標圧力値に向けて燃料電池1内の圧力を低くする際には、タービンバイパス弁7vの開度を拡大させることとスタックバイパス弁6vの開度を縮小させることとのうちの少なくとも一方を行なう。この制御動作によれば、タービンにおける動力回収効率を従来に比して向上させやすくすることが可能となる。
図3を参照して、制御部9は、燃料電池1の目標圧力が設定圧力ライン(たとえば一次直線L1)よりも低いときには第1制御を行ない、燃料電池1の目標圧力が設定圧力ライン(たとえば一次直線L1)よりも高いときには第2制御を行なう。第1制御を行なう場合であっても、第2制御を行なう場合であっても、入口弁4vおよび出口弁5vはいずれも全開に設定するとよい。制御部9は、第2制御を行なう際には、タービンバイパス弁7vを全閉の状態でスタックバイパス弁6vを全閉としないようにする。第1制御および第2制御の詳細については以下のとおりである。
第1制御においては、制御部9は、目標圧力値に向けて燃料電池1内の圧力を高くする際には、スタックバイパス弁6vを全閉の状態でタービンバイパス弁7vの開度を縮小するとよい。たとえば、スタックバイパス弁6vの開度縮小をタービンバイパス弁7vの開度調節よりも優先して実施し、スタックバイパス弁6vの開度が全閉状態となった後に、タービンバイパス弁7vの開度を縮小する。これらの制御動作によれば、目標圧力値に向けて燃料電池1内の圧力を高くすること、すなわち燃料電池1の調圧機能を確保することが可能となりつつ、タービン3cへのガス供給量が多くなり、タービン3cにおける動力回収効率を得ることが可能となる。
第1制御においては、制御部9は、目標圧力値に向けて燃料電池1内の圧力を低くする際には、スタックバイパス弁6vを全閉の状態でタービンバイパス弁7vの開度を拡大するとよい。たとえば、スタックバイパス弁6vの開度縮小をタービンバイパス弁7vの開度調節よりも優先して実施し、スタックバイパス弁6vの開度が全閉状態となった後に、タービンバイパス弁7vの開度を拡大する。これらの制御動作によれば、タービン3cへのガス供給量が少なくなるものの、タービン3cへのガス供給量を最大限確保しつつ、目標圧力値に向けて燃料電池1内の圧力を低くすること、すなわち燃料電池1の調圧機能を確保することが可能となりつつ、タービン3cにおける動力回収効率を得ることが可能となる。
第2制御においては、制御部9は、目標圧力値に向けて燃料電池1内の圧力を高くする際には、タービンバイパス弁7vを全閉の状態でスタックバイパス弁6vの開度を拡大するとよい。たとえば、タービンバイパス弁7vの開度縮小をスタックバイパス弁6vの開度調節よりも優先して実施し、タービンバイパス弁7vの開度が全閉状態となった後に、スタックバイパス弁6vの開度を拡大する。これらの制御動作によれば、目標圧力値に向けて燃料電池1内の圧力を高くすること、すなわち燃料電池1の調圧機能を確保することが可能となりつつ、タービン3cへのガス供給量が多くなり、タービン3cにおける動力回収効率を得ることが可能となる。
第2制御においては、制御部9は、目標圧力値に向けて燃料電池1内の圧力を低くする際には、タービンバイパス弁7vを全閉の状態でスタックバイパス弁6vの開度を縮小するとよい。たとえば、タービンバイパス弁7vの開度縮小をスタックバイパス弁6vの開度調節よりも優先して実施し、タービンバイパス弁7vの開度が全閉状態となった後に、スタックバイパス弁6vの開度を縮小する。これらの制御動作によれば、目標圧力値に向けて燃料電池1内の圧力を低くすること、すなわち燃料電池1の調圧機能を確保することが可能となりつつ、タービン3cへのガス供給量が多くなり、タービン3cにおける動力回収効率を得ることが可能となる。
なお、燃料電池システム10の停止時には、入口弁4vおよび出口弁5vはいずれも全閉に設定され、スタックバイパス弁6vおよびタービンバイパス弁7vはいずれも任意の開度(たとえば全開)に設定されるとよい。入口弁4vおよび出口弁5vがいずれも全閉に設定されていることにより、燃料電池1へのガスの供給および排出は制限される。
[実施の形態2]
上述の実施の形態1(図1)においては、出口弁5v、スタックバイパス弁6vおよびタービンバイパス弁7vが相互に離間して配置される。制御部9は、出口弁5v、スタックバイパス弁6vおよびタービンバイパス弁7vをそれぞれ独立して駆動することができる。
上述の実施の形態1(図1)においては、出口弁5v、スタックバイパス弁6vおよびタービンバイパス弁7vが相互に離間して配置される。制御部9は、出口弁5v、スタックバイパス弁6vおよびタービンバイパス弁7vをそれぞれ独立して駆動することができる。
図4に示す構成においては、ハウジング11が1つの弁体12を収容している。ハウジング11のうちの弁体12を収容している空間には、燃料電池1(図1。以下同じ)に連通する配管部5aと、スタックバイパス流路6に連通する第1接続部6aと、配管部5dに連通する第4接続部7bと、タービン3cに連通する配管部5cとが接続されている。タービン3cに連通する配管部5cはたとえば図4紙面に対して垂直な方向に延びる。
弁体12は、半円の断面形状を有し、シャフト13により軸支されている。アクチュエータ14がシャフト13を回転させることによって、弁体12はハウジング11内で回転する。弁体12が収容されている空間と配管部5aとの間で出口弁5vが構成されており、同空間と第1接続部6aとの間でスタックバイパス弁6vが構成されており、同空間と第4接続部7bとの間でタービンバイパス弁7vが構成されている。
図4および図5に示すように、アクチュエータ14は、制御部9(図1)によって駆動されることで、タービンバイパス弁7vの開度とスタックバイパス弁6vの開度との双方を調節可能である。図4に示される状態では、出口弁5vが全開に設定され、かつ、スタックバイパス弁6vが全閉に設定された状態で、配管部5aから配管部5cおよびタービン3c(図1)に流れるカソード排ガスの流量と、配管部5aから第4接続部7bおよび配管部5d(図1)に流れるカソード排ガスの流量とが、タービンバイパス弁7vによって調節されている。
図5に示される状態では、出口弁5vが全開に設定され、かつ、タービンバイパス弁7vが全閉に設定された状態で、配管部5aから配管部5cおよびタービン3c(図1)に流れるカソード排ガスの流量と、第1接続部6aから配管部5cおよびタービン3c(図1)に流れるカソードガスの流量とが、スタックバイパス弁6vによって調節されている。
1つの弁体12が制御部9(図1)によって駆動されることでタービンバイパス弁7vの開度およびスタックバイパス弁6vの開度の双方が調節可能であり、制御上の簡素化を図れる。また、1つのアクチュエータ14でタービンバイパス弁7vの開度およびスタックバイパス弁6vの開度の双方が調節可能であり、構成上の簡素化も図れる。
1つの弁体12が制御部9によって駆動されることで、タービンバイパス弁7vの開度と、スタックバイパス弁6vの開度と、出口弁5vの開度とが調節可能なように構成されてもよい。同様に、1つのアクチュエータ14が制御部9によって駆動されることで、タービンバイパス弁7vの開度と、スタックバイパス弁6vの開度と、出口弁5vの開度とが調節可能なように構成されてもよい。これらの構成は、たとえば4方弁や5方弁などの技術を利用して実現してもよい。
以上、実施の形態について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 燃料電池、2 カソードガス供給系、3a コンプレッサ、3b モータ、3c タービン、4 供給流路、4v 入口弁、5 排出流路、5a,5b,5c,5d 配管部、5v 出口弁、6 スタックバイパス流路、6a 第1接続部、6b 第2接続部、6v スタックバイパス弁、7a 第3接続部、7b 第4接続部、7 タービンバイパス流路、7v タービンバイパス弁、8 圧力センサ、9 制御部、10 燃料電池システム、11 ハウジング、12 弁体、13 シャフト、14 アクチュエータ、L1 設定圧力ライン(一次直線)、p1,pa,pd 圧力比、q1,qa,qb,qc,qd エア流量。
Claims (8)
- 燃料電池と、
前記燃料電池にカソードガスを供給する供給流路と、
前記燃料電池からカソード排ガスを排出する排出流路と、
前記排出流路からのカソード排ガスが供給されて動力を生成するタービンと、
互いに連通可能な第1接続部と第2接続部とを有し、前記供給流路における前記燃料電池よりも上流の位置に前記第1接続部が接続され、前記排出流路における前記タービンよりも上流の位置に前記第2接続部が接続されたスタックバイパス流路と、
前記スタックバイパス流路における前記第1接続部と前記第2接続部との間に設けられ、前記スタックバイパス流路を流れるカソードガスの流量を調節可能なスタックバイパス弁と、
互いに連通可能な第3接続部と第4接続部とを有し、前記排出流路における前記タービンよりも上流の位置に前記第3接続部が接続され、前記排出流路における前記タービンよりも下流の位置に前記第4接続部が接続されたタービンバイパス流路と、
前記タービンバイパス流路における前記第3接続部と前記第4接続部との間に設けられ、前記タービンバイパス流路を流れるカソード排ガスの流量を調節可能なタービンバイパス弁と、
前記燃料電池の圧力を検知する圧力センサと、
前記圧力センサが検知した情報に基づき前記タービンバイパス弁の開度と前記スタックバイパス弁の開度とを制御する制御部と、を備え、
前記燃料電池に対する出力要求値に応じて前記燃料電池内の目標圧力値が定められ、
前記タービンは、前記タービンに供給されるエア流量と前記タービンの上流側および下流側の圧力の比である圧力比との関係である設定圧力ラインを有し、
前記制御部は、前記燃料電池の前記目標圧力値が前記設定圧力ラインよりも低いときには第1制御を行ない、前記燃料電池の前記目標圧力値が前記設定圧力ラインよりも高いときには第2制御を行ない、
前記制御部は、前記第2制御を行なう際には、前記タービンバイパス弁を全閉の状態で前記スタックバイパス弁を全閉としないようにする、
燃料電池システム。 - 前記制御部は、前記目標圧力値に向けて前記燃料電池内の圧力を高くする際には、前記タービンバイパス弁の開度を縮小させることと前記スタックバイパス弁の開度を拡大させることとのうちの少なくとも一方を行ない、
前記制御部は、前記目標圧力値に向けて前記燃料電池内の圧力を低くする際には、前記タービンバイパス弁の開度を拡大させることと前記スタックバイパス弁の開度を縮小させることとのうちの少なくとも一方を行なう、
請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記制御部は、前記タービンバイパス弁を全閉の状態で前記スタックバイパス弁の開度を拡大させることによって、前記目標圧力値に向けて前記燃料電池内の圧力を高くする、
請求項1または2に記載の燃料電池システム。 - 前記制御部は、前記スタックバイパス弁を全閉の状態で前記タービンバイパス弁の開度を拡大することによって、前記目標圧力値に向けて前記燃料電池内の圧力を低くする、
請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。 - 一つのアクチュエータを備え、
前記アクチュエータは、前記制御部によって駆動されることで、前記タービンバイパス弁の開度と前記スタックバイパス弁の開度との双方を調節可能である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。 - 前記排出流路における前記燃料電池と前記タービンとの間に設けられ、前記燃料電池から前記排出流路に排出されるカソード排ガスの流量を調節可能な出口弁をさらに備え、
前記アクチュエータは、前記制御部によって駆動されることで、前記タービンバイパス弁の開度と前記スタックバイパス弁の開度と前記出口弁の開度とを調節可能である、
請求項5に記載の燃料電池システム。 - 一つの弁体を備え、
前記弁体は、前記制御部によって駆動されることで、前記タービンバイパス弁の開度と前記スタックバイパス弁の開度との双方を調節可能である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。 - 前記排出流路における前記燃料電池と前記タービンとの間に設けられ、前記燃料電池から前記排出流路に排出されるカソード排ガスの流量を調節可能な出口弁をさらに備え、
前記弁体は、前記制御部によって駆動されることで、前記タービンバイパス弁の開度と前記スタックバイパス弁の開度と前記出口弁の開度とを調節可能である、
請求項7に記載の燃料電池システム。
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JP2019136161A JP2021022426A (ja) | 2019-07-24 | 2019-07-24 | 燃料電池システム |
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JP2019136161A JP2021022426A (ja) | 2019-07-24 | 2019-07-24 | 燃料電池システム |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115030889A (zh) * | 2022-06-30 | 2022-09-09 | 势加透博(北京)科技有限公司 | 空压机 |
CN115111151A (zh) * | 2022-06-30 | 2022-09-27 | 势加透博(北京)科技有限公司 | 空压机及其控制方法 |
WO2023237309A1 (de) * | 2022-06-10 | 2023-12-14 | Robert Bosch Gmbh | Verfahren zum betreiben eines brennstoffzellensystems |
-
2019
- 2019-07-24 JP JP2019136161A patent/JP2021022426A/ja active Pending
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