詳細な説明
数値の直前にある場合の「約」なる用語は、本開示の文脈がそうではないと示すか、またはそのような解釈と相反していないかぎり、その値のプラスまたはマイナス10%の範囲を意味し、例えば、「約50」は45〜55を意味し、「約25,000」は22,500〜27,500を意味し、他も同様である。例えば、「約49、約50、約55、・・・」などの数値のリストにおいて、「約50」は、前の値と後の値との間隔の半分未満におよぶ範囲、例えば、49.5よりも大きい値から52.5未満の値までを意味する。さらに、「約〜未満」または「約〜よりも大きい」なる語句は、本明細書において提供する用語「約」の定義を考慮して理解されるべきである。
本開示の全体を通して、様々な特許、特許出願および公報を参照する。これらの特許、特許出願および公報の開示は、本開示の日付の時点の当業者には公知の最新技術をより詳細に記載するために、その全体が参照により本開示に組み入れられる。引用する特許、特許出願および公報と本開示との間に任意の不一致がある場合、本開示が支配することになる。
便宜上、本明細書、実施例および特許請求の範囲において用いられる一定の用語をここに集めている。特に定義されないかぎり、本開示において用いられるすべての技術および科学用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
本明細書において用いられる「塩」なる用語は、遊離酸のアルカリ金属塩を形成するため、および遊離塩基の付加塩を形成するために一般に用いられる、薬学的に許容される塩を含む。薬学的に許容されることを条件として、塩の性質は重要ではない。「塩」なる用語は、水和物などの、付加塩の溶媒和物、ならびに付加塩の多形も含む。適切な薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸から、または有機酸から調製することができる。そのような無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸、およびリン酸である。適切な有機酸は、脂肪族、脂環式、芳香族、アリール脂肪族、およびヘテロシクリル含有カルボン酸およびスルホン酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、ステアリン酸、サリチル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、アルゲン酸(algenic)、3-ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸およびガラクツロン酸から選択することができる。
本明細書において用いられる「投与する」、「投与すること」または「投与」なる用語は、化合物もしくは化合物の薬学的に許容される塩または組成物のいずれかを対象に直接投与することを意味する。
本明細書において用いられる「担体」なる用語は、担体、賦形剤、および希釈剤を含み、薬学的作用物質をある器官または体の部分から、別の器官または体の部分へ運搬または輸送することに関与する、液体または固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル化材料などの、材料、組成物または媒体を意味する。
「障害」なる用語は、特に記載がないかぎり、本開示において、疾患、状態、または疾病なる用語を意味するために用いられ、これらと交換可能に用いられる。
「有効量」および「治療的有効量」なる用語は、本開示において交換可能に用いられ、対象に投与した場合に、対象の障害の症状を低減することができる、化合物の量を意味する。「有効量」または「治療的有効量」を含む実際の量は、障害の重症度、患者のサイズおよび健康、ならびに投与の経路を含むが、それらに限定されるわけではない、いくつかの条件に依存して変動することになる。熟練の医師であれば、医学の技術分野において公知の方法を用いて、適切な量を容易に決定することができる。
本明細書において用いられる「薬学的に許容される」なる語句は、健全な医学的判断の範囲内で、妥当な損益比に見合った、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしに、ヒトおよび動物の組織に接触して用いるのに適した、化合物、材料、組成物、および/または剤形を意味する。
本開示において用いられる「対象」なる用語は、ヒトまたは動物を含むが、それらに限定されるわけではない。例示的な動物には、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、サル、チンパンジー、ヒヒ、またはアカゲザルなどの哺乳動物が含まれるが、それらに限定されるわけではない。
対象に関して本明細書において用いられる「処置」なる用語は、対象の障害の少なくとも1つの症状を改善することを意味する。処置することは、障害を治癒、改善、または少なくとも部分的に回復することでありうる。
ナルブフィン
ナルブフィンHCl(17-(シクロブチルメチル)-4,5α-エポキシモルフィニアン-3,6α,14-トリオール塩酸塩)は現在、注射用剤形での後発薬物としてのみ利用可能である。ナルブフィンの注射用剤形は、1978年以来、承認薬物製剤として利用可能であった。Nubain(登録商標)は、現在販売されている後発の生物学的に等価の注射用製剤の素になっている、ナルブフィンの革新的銘柄の注射用剤形である。注射用製剤は現在、中等度から重度の疼痛の軽減、バランス麻酔の補助剤、術前および術後の鎮痛のため、ならびに分娩および出産中の産科的鎮痛のための使用について承認されている。
オピオイド受容体
オピエート効果のメディエーターとして研究されているオピオイド受容体には3つの伝統的な型がある。これらのオピオイド受容体はミュー(「μ」)、カッパ(「κ」)およびデルタ(「δ」)に分類される。ナルブフィンは14-ヒドロキシモルフィンの誘導体で、構造的にオピオイドμ受容体アゴニストのオキシモルフォンおよびオピオイドμ受容体アンタゴニストのナロキソンに関係している。Gutstein et al.(Chapter 23: Opioid Analgesics, Goodman & Gilman's The Pharmacologic Basis of Therapeutics, 10th Ed., McGraw Hill 2001, pp 569-619)は、ナルブフィンはその臨床薬理作用を、オピオイドμ受容体に競合拮抗し、同時にオピオイドκ受容体におけるアゴニストとして作用することにより発揮し、したがってこの二重薬理プロセスを通じて機構的にはたらく薬物の「オピオイドアゴニスト-アンタゴニスト」クラスのメンバーであると報告している。続くGharagozlou et al.(Neurosci. 2002 3:19)によるインビトロでの研究により、ナルブフィンは加えてδオピオイド受容体アンタゴニストであることが判明した。Gutstein et al.(上記)は、オピオイドアゴニスト-アンタゴニスト薬物開発に対する刺激は、呼吸抑制および嗜癖の可能性が少なく、鎮痛特性を有する薬物を特定することであると述べている。
そう痒の処置におけるナルブフィン
第一の局面において、本発明は、そう痒の処置法であって、抗そう痒剤の有効量を、そのような処置を必要としている対象に投与する段階を含み、ここで抗そう痒剤はナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである、方法を提供する。
「ナルブフィン」には、ナルブフィン遊離塩基、その代謝物、その誘導体、その溶媒和物(例えば、水和物、アルコラートなど)および/またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルが含まれる。ナルブフィンの代謝物には、例えば、グルクロン酸抱合体代謝物ならびにナルブフィンのメチル化、酸化/脱水素、ヒドロキシル化、二重ヒドロキシル化、三重ヒドロキシル化、酸化的メチル化、グルコシド抱合、グルクロン酸抱合、およびヒドロキシル-グルクロン酸抱合から生じる代謝物が含まれる。例示的代謝物には、ノルナルブフィン、6-ケトナルブフィン、ナルブフィン3-グルクロニドが含まれうる。1つの態様において、代謝物には、三重ヒドロキシル化ナルブフィン、モノヒドロキシル化ナルブフィン、およびモノグルクロン酸抱合ナルブフィンが含まれる。異性体には、ナルブフィンのC-6β-エピマー(Mallinckrodt、Nalbuphine hydrochloride Technical Package August 2003)が含まれる。ナルブフィンの誘導体には、インビボで加水分解されてナルブフィンを提供しうる、その薬学的に許容されるエステルプロドラッグ(メトキシおよびエトキシエステルなどのアルコキシエステルを含む)、ならびに、例えば、ナルブフィンのヒドロキシル基を適切な保護剤と反応させることにより調製されるエーテルまたは他の化合物が含まれうる。
1つの態様において、本発明の方法における使用に適したナルブフィンは、当技術分野において公知の任意の薬学的に許容される塩またはエステルの形である。例示的な薬学的に許容される塩には、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸、マレイン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、パモ酸、ラウリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、ラウリル硫酸、ナフタレンスルホン酸、リノール酸、リノレン酸などが含まれるが、それらに限定されるわけではない。1つの態様において、抗そう痒剤はナルブフィンの塩酸塩である。
本発明は、抗そう痒剤の薬学的に許容されるエステルも含む。「エステル」なる用語は、エステル型を対象に投与すると、抗そう痒剤を放出することができる、エステル官能基(本明細書に記載のとおり)を含む抗そう痒剤の誘導体を示す。活性成分の放出はインビボで起こる。薬学的に許容されるエステルは、当業者には公知の技術によって調製することができる。これらの技術は一般に、所与の化合物中の適切な官能基を改変する。しかし、これらの改変された官能基は、インビボで化合物の代謝によって元の官能基を再生する。エステルには、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシル、または類似の基が改変されている化合物が含まれる。
ヒドロキシル基の適切な薬学的に許容されるエステルには、エステルのインビボ加水分解の結果、親ヒドロキシ基を提供する、リン酸エステルおよびα-アシルオキシアルキルエーテルならびに関係する化合物などの、無機エステルが含まれる。ヒドロキシのためのインビボで加水分解可能なエステル形成基には、アルカノイル(例えば、C1-10直鎖、分枝または環式アルキル)、ベンゾイル、フェニルアセチルと置換ベンゾイルおよびフェニルアセチル、アルコキシカルボニル(アルキルカルボナートエステルを生じる)、ジアルキルカルバモイルおよびN-(N,N-ジアルキルアミノエチル)-N-アルキルカルバモイル(カルバマートを生じる)、N,N-ジアルキルアミノアセチルならびにカルボキシアセチルが含まれる。
本発明の方法において用いるナルブフィンは、ナルブフィン、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを薬学的に許容される担体と組み合わせることにより、薬学的組成物の一部を形成することができる。加えて、組成物は、補助剤、賦形剤、希釈剤、放出改変剤および安定化剤からなる群より選択される添加物を含むこともできる。組成物は、即時放出製剤、遅延放出製剤、持続放出製剤または長期放出製剤でありうる。
そう痒状態
本発明に従い、そう痒は、任意のかゆみまたはそう痒状態、例えば、ひっかく欲求または反射を引き起こす感覚を含む。いくつかの態様において、本発明の方法を、アトピー性皮膚炎、神経性皮膚炎、接触性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、自己感作性皮膚炎、毛虫皮膚炎、皮脂欠乏症、老人性皮膚そう痒症、昆虫刺傷、光過敏性皮膚疾患、蕁麻疹、痒疹、ヘルペス、膿痂疹、湿疹、白癬、苔癬、乾癬、疥癬および尋常性ざ瘡、ならびに悪性腫瘍、糖尿病、肝疾患、腎不全、血液透析、腹膜透析、および妊娠などの、そう痒を合併した内臓疾患からなる群より選択されるそう痒状態を患っている対象の処置のために用いる。
いくつかの態様において、本発明の方法を、皮膚の変化に関連するそう痒状態を患っている対象の処置のために用いる。例えば、そのようなそう痒状態は、皮膚の炎症に続発するそう痒(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬、熱傷);非病的な皮膚の状態から生じるそう痒(例えば、尿毒症性そう痒、胆汁うっ滞性そう痒、癌、ヒドロキシエチルデンプン誘発性そう痒)、および慢性続発性掻爬に関連するそう痒または根元的な医学的状態が原因である、または原因ではないと考えられる他の型の皮膚病変(例えば、結節性痒疹)からなる群より選択されてもよく、根元疾患は、組織検査、放射線検査または他の検査に基づき、皮膚科学的起源、全身疾患起源、神経性起源、心因性起源、混合起源、または他の起源からなる群より選択される起源のものであると分類する。
いくつかの態様において、本発明の方法を、皮膚の神経原性炎症に関連するそう痒状態、例えば、結節性痒疹、アトピー性皮膚炎、熱傷そう痒、熱傷、創傷治癒などを患っている対象の処置のために用いる。いくつかの他の態様において、本発明の方法を、サブスタンスPレベルの上昇を伴う神経原性炎症に関連するそう痒状態を患っている対象の処置のために用いる。さらにいくつかの他の態様において、本発明の方法を、サブスタンスPレベルの上昇を伴うそう痒状態を患っている対象の処置のために用いる。
いくつかの態様において、本発明の方法を、1つまたは複数の関係する、または関係のない状態に関連するそう痒状態を患っている対象の処置のために用いる。例えば、そう痒状態は、水原性そう痒、アトピー性皮膚炎、特発性そう痒、慢性単純性苔癬、結節性痒疹、乾癬、および疥癬を含む、皮膚科学的状態に関連しうる。もう1つの例において、そう痒状態は、癌関係のそう痒、化学療法誘発性そう痒、HIVプロテアーゼ阻害剤誘発性そう痒、ホジキンリンパ腫関連のそう痒、真性多血症などを含む、血液学的または腫瘍学的状態に関連しうる。もう1つの例において、そう痒状態は、胆汁うっ滞性そう痒、尿毒症性そう痒などを含む、代謝状態に関連しうる。さらにもう1つの例において、そう痒状態は、腕橈骨そう痒、熱傷誘発性そう痒、神経障害性そう痒、モルヒネ誘発性そう痒、多発性硬化症関連のそう痒、ヘルペス後そう痒、精神医学的原因に関連するそう痒などを含む、疼痛の状態または神経学的状態に関連しうる。
1つの態様において、本発明の方法を、尿毒症性そう痒の処置のために用いる。もう1つの態様において、本発明の方法を、結節性痒疹の処置のために用いる。さらにもう1つの態様において、本発明の方法を、ヒトを処置するために用いる。さらにもう1つの態様において、本発明の方法を、ヒト以外の動物を処置するために用いる。
製剤
本発明の方法は、対象、例えば、ヒトおよび動物への単位剤形での投与のために、適切な量の抗そう痒剤、例えば、ナルブフィン、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、無菌非経口溶液または懸濁液、および経口溶液または懸濁液、ならびに油-水乳剤などの様々な製剤を用いることができる。
経口薬学的剤形は、固体または液体のいずれかでありうる。固体剤形は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、および混合散剤でありうる。経口錠剤の型には、腸溶コーティング、糖コーティングまたはフィルムコーティングされていてもよい、圧縮、チュアブルロゼンジおよび錠剤が含まれる。カプセル剤はゼラチン硬カプセル剤または軟カプセル剤でありうる一方、顆粒剤および散剤は、当業者には公知の他の成分との組み合わせで、非発泡性または発泡性の形で提供されうる。他の態様において、経口剤形は浸透圧制御放出経口送達系(OROS)であってもよい。他の態様において、経口剤形にはマトリックス埋め込み剤形または関係する装置が含まれうる。いくつかの態様において、本発明の経口剤形には経口崩壊錠が含まれうる。
錠剤において用いられる薬学的に許容される担体には、結合剤、滑沢剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、着香剤、および湿潤剤が含まれる。
液体経口剤形には、水性溶液、乳剤、懸濁液、非発泡性顆粒剤から再構成した溶液および/または懸濁液ならびに発泡性顆粒剤から再構成した発泡性製剤が含まれる。
水性溶液には、例えば、エリキシル剤およびシロップ剤が含まれる。乳剤は水中油または油中水のいずれかでありうる。エリキシル剤は澄明で、加糖の水性アルコール製剤である。エリキシル剤中で用いられる薬学的に許容される担体には、溶媒が含まれる。シロップ剤は糖、例えば、ショ糖の濃縮水性溶液でありえ、保存剤を含みうる。乳剤は、1つの液体がもう1つの液体全体に小さい液滴の形で分散されている、二相系である。乳剤中で用いられる薬学的に許容される担体は、非水性液体、乳化剤および保存剤である。懸濁液は、薬学的に許容される懸濁化剤および保存剤を使用することができる。液体経口剤形へと再構成するために、非発泡性顆粒剤中で用いられる薬学的に許容される物質には、希釈剤、甘味剤および湿潤剤が含まれる。液体経口剤形へと再構成するために、発泡性顆粒剤中で用いられる薬学的に許容される物質には、有機酸および二酸化炭素の供給源が含まれうる。着色剤および着香剤を前述の剤形のすべてにおいて用いることができる。
本発明の製剤の非経口投与には、即時、持続(例えば、デポー)、長期、および/または改変放出製剤(例えば、本明細書に記載のとおり)の静脈内、皮下および筋肉内投与が含まれる。非経口投与用の製剤には、注射に対応している無菌溶液、皮下注射用錠剤を含む使用直前に溶媒と混合するのに対応している無菌乾燥可溶性製品、使用直前に媒体と混合するのに対応している無菌乾燥不溶性製品、および無菌乳剤が含まれる。溶液は水性または非水性のいずれかでありうる。非経口製剤中で用いられる薬学的に許容される担体には、水性媒体、非水性媒体、抗菌剤、等張化剤、緩衝液、抗酸化剤、局所麻酔剤、懸濁化および分散剤、乳化剤、捕捉またはキレート化剤ならびに他の薬学的に許容される物質が含まれる。
薬学的に活性な化合物の濃度を、注射が所望の薬理効果を生じるのに有効な量を提供するように調節することができる。正確な用量は、当技術分野において公知のとおり、患者または動物の年齢、体重および状態に依存する。単位用量非経口製剤を、アンプルまたは針のついたシリンジ中に包装する。非経口投与用の製剤はすべて、当技術分野において公知であり、実施されているとおり、無菌でなければならない。例示的に、抗そう痒剤を含む無菌水性溶液の静脈内または動脈内注入は、有効な投与様式である。
直腸投与用の薬学的剤形は、全身作用のための直腸坐剤、カプセル剤および錠剤でありうる。本明細書において用いられる直腸坐剤とは、体温で融解または軟化して本発明の組成物中に含まれる薬理的および/または治療的活性成分を放出する、直腸内への挿入のための固体を意味する。直腸坐剤中で用いられる薬学的に許容される物質は、基剤または媒体および融点を上げるための作用物質である。基剤の例には、カカオ脂(テオブロマ油)、グリセリン-ゼラチン、カーボワックス、ポリオキシエチレングリコールならびに脂肪酸のモノ、ジおよびトリグリセリドが含まれる。様々な基剤の組み合わせを用いることができる。坐剤の融点を上げるための作用物質には、鯨ろうおよびワックスが含まれる。直腸坐剤は、圧縮法または成形法のいずれかによって調製することができる。直腸坐剤の典型的重量は約2〜3gである。直腸投与用の錠剤およびカプセル剤は、経口投与用の製剤と同じ薬学的に許容される物質を用い、同じ方法によって製造することができる。
組成物を微粉化もしくは他の適切な形で懸濁することができ、または誘導体化してより可溶性の活性製品を生じることもできる。得られた組成物の形は、所期の投与様式および選択した担体または媒体中の抗そう痒剤の溶解性を含む、いくつかの因子に依存する。有効濃度は、そう痒を処置または緩和するのに十分で、経験的に決定することができる。濃度は一般には化合物の全身投与のための濃度よりも高い。
得られた混合物は溶液、懸濁液、乳液などでありえ、クリーム、ゲル、軟膏、乳剤、溶液、エリキシル剤、ローション、懸濁液、チンキ剤、ペースト、フォーム、エアロゾル、潅注、噴霧剤、坐剤、包帯、または表面もしくは局所投与に適した任意の他の製剤として製剤化することができる。投与様式には、皮膚、頭皮、眼、および/または鼻、口腔もしくは舌下粘膜への表面投与が含まれうる。
組成物の投与に適した薬学的および美容的担体または媒体には、特定の投与様式に適していることが当業者には公知の任意の担体が含まれる。抗そう痒剤は、処置した個体に対する重篤な毒性効果なしに、治療的に有用な効果を発揮するのに十分な量で、担体中に含まれうる。
これらの組成物を製剤化するために、ある重量分率の抗そう痒剤を選択した媒体に、そう痒状態が軽減または改善されるような有効濃度で溶解、懸濁、分散またはそれ以外に混合する。一般に、皮膚の水和を助ける皮膚軟化薬または潤滑媒体が、皮膚を乾燥させる、エタノールなどの揮発性媒体よりも好ましい。ヒトの皮膚で用いるための組成物を調製するのに適した基剤または媒体の例は、ワセリン、ワセリンプラス揮発性シリコーン、ラノリン、コールドクリーム(USP)、および親水軟膏(USP)である。
本発明の方法において用いられる組成物は、皮膚に適用するとそう痒を軽減することができる。組成物を必要に応じて1日に最大8回まで患部に表面投与して、かゆみの減少および軽減を提供することができる。軽減は一時的または永久的でありえ、組成物の単回投与後でさえ明白でありうる。組成物を表面製剤以外の形で投与する場合、FDAによって確立された安全性指針の範囲内である、そう痒の軽減を提供するのに十分な量で投与すべきである。患者への投与にとって適切な量を決定することは、本発明によって提供する教示と関連して、当業者の技能の範囲内である。
表面投与が意図される本発明の組成物の溶液は、抗そう痒量を送達するのに有効な組成物の量を、典型的には約0.01重量%〜約5重量%の間の濃度で含む。溶液の残りは水、適切な有機溶媒または他の適切な溶媒もしくは緩衝液である。溶液または懸濁液として製剤化されるこれらの組成物は、皮膚に適用することができ、またはエアロゾルもしくはフォームとして製剤化し、皮膚に噴霧剤として適用することもできる。エアロゾル組成物は典型的には25重量%〜80重量%、好ましくは30重量%〜50重量%の適切な噴射剤を含む。ゲル組成物は、適切な増粘剤を上記溶液または懸濁液に単に混合することにより製剤化することができる。
溶液および懸濁液は眼および粘膜に表面適用することもできる。溶液、特に眼科的使用が意図されるものは、好ましくは1つまたは複数の本明細書の組成物を、約0.1重量%、最大約5重量%またはそれ以上の濃度で含む、適切な塩による0.01重量%〜10重量%等張溶液、pH約5〜7として製剤化することができる。適切な眼科用溶液は当技術分野において公知である。
表面適用が意図される固体の形の組成物は、唇または体の他の部分への適用が意図されるスティック型組成物として製剤化することができる。そのような組成物は、抗そう痒剤、例えば、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの有効量を含む。存在する抗そう痒剤の量は、典型的には約0.01重量%〜約5重量%である。固体は約40重量%〜98重量%、好ましくは約50重量%〜90重量%の皮膚軟化薬も含む。この組成物は、1重量%〜20重量%、好ましくは5重量%〜15重量%の適切な増粘剤、および望まれるか、または必要な場合、乳化剤および水または緩衝液をさらに含むことができる。
加えて、組成物、および組成物を含む製剤は、包帯上にコーティングする、生体接着剤と混合する、またはドレッシング材に含まれることもできる。したがって、包帯、生体接着剤、ドレッシング材および他のそのような材料と本明細書に記載のとおりに製剤化した組成物との組み合わせが提供される。
持続放出製剤
本発明の方法において用いることができるナルブフィン製剤には、米国特許仮出願第60/772,466号および第60/710,772号;ならびに米国特許出願第11/509,347号および第12/154,496号(それぞれ、米国特許公報第2007/0048376号および第2009/0030026号として公開)に記載の経口持続放出ナルブフィン製剤が含まれ、これらはそれぞれその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
いくつかの態様において、本発明の方法は、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの抗そう痒有効量を含む、ナルブフィンの経口持続放出製剤を用いることができる。経口持続放出製剤は、ボーラス注射または即時放出経口製剤で観察されるよりも長い期間(例えば、少なくとも約8〜12時間)にわたり薬物の制御放出を提供することができる。投薬の頻度を低減することは、患者の便宜および本発明の方法の遵守が増強される可能性を提供する。低い投薬頻度は、患者が経時的に曝露されうる薬物のピーク濃度が低くなるため、副作用が低減される可能性も提供する。
本発明の方法は、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルおよび持続放出送達系を含む組成物を用いることができる。持続放出送達系には(i)少なくとも1つの親水性化合物、少なくとも1つの架橋剤、および少なくとも1つの薬学的希釈剤;(ii)少なくとも1つの親水性化合物、少なくとも1つの架橋剤、少なくとも1つの薬学的希釈剤、および第一の架橋剤とは異なる少なくとも1つのカチオン性架橋剤;または(iii)少なくとも1つの親水性化合物、少なくとも1つのカチオン性架橋化合物、および少なくとも1つの薬学的希釈剤が含まれる。または、他の態様において、本発明の方法は、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルおよび持続放出送達系を含む組成物であって、持続放出系において疎水性化合物を用いうる組成物を用いることができる。
ナルブフィンは、持続放出送達系中に均質に分散させることができる。いくつかの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルは組成物中に約1mg〜約240mg;約1mg〜約150mg;約1mg〜約125mg;または約1mg〜約100mgの量で存在する。いくつかの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルは組成物中に約5mg〜約80mg;約10mg〜約70mg;約15mg〜約60mg;約40mg〜約80mg;約50mg〜約70mg;または約45mg〜約60mgの量で存在する。1つの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルは組成物中に約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、または約240mgの量で存在する。もう1つの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩は組成物中に約30mg、約45mg、約60mg、約120mg、または約180mgの量で存在する。さらにもう1つの態様においてナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩は組成物中に約15mg、30mg、90mg、120mgまたは180mgの量で存在する。
さらにもう1つの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩、例えば、HCLは組成物中に約15mg、約30mg、約90mg、約120mg、または約180mgの量で存在する。
いくつかの態様において、持続放出送達系は組成物中に約10mg〜約420mg;約25mg〜約225mg;約21mg〜約198mg;または約80mg〜約200mg;約80mg〜約220mg;約90mg〜約210mg;約100mg〜約200mg;約110mg〜約190mg;約120mg〜約180mg;約130mg〜約170mg;約140mg〜約160mg;約30mg〜約60mg;約60mg〜約180mg;約30mg〜約180mg、約75mg〜約150mg、約80mg〜約160mg、約90mg〜約150mg、約100mg〜約140mg、約110mg〜約130mg、約100mg〜約300mg、約200mg〜約300mgまたは約200mg〜約250mgの量で存在する。1つの態様において、持続放出送達系は組成物中に約75mg〜約150mgの量で存在する。
いくつかの態様において、持続放出送達系は組成物中に約30mg、約60mg、約75mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約112mg、約115mg、約117mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約225mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約300mg、約320mg、約340mg、約360mg、約380mg、約400mgまたは約420mgの量で存在する。もう1つの態様において、持続放出送達系は組成物中に約112mgの量で存在する。
組成物中のナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルと持続放出送達系との比は、一般には約4:1〜約1:25である。いくつかの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルと持続放出送達系との比は、一般には約2.5:1〜約1:4である。いくつかの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルと持続放出送達系との比は、一般には約5:1〜約1:5、約4:1〜約1:4、約3:1〜約1:3、約2:1〜約1:2、約1:1〜約1:5、約1:1〜約1:4、約1:1〜約1:3、約1:1〜約1.2、および約1:2〜約1:3である。いくつかの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルと持続放出送達系との比は、約1:1、約1:2、約1:2.5、約1:3、約1:4、または約1:5である。
1つの態様において、少なくとも1つの親水性化合物は持続放出送達系中に約5重量%〜約80重量%の量で存在し;少なくとも1つの架橋剤は持続放出送達系中に約0.5重量%〜約80重量%の量で存在し;かつ少なくとも1つの薬学的希釈剤は持続放出送達系中に約20重量%〜約80重量%の量で存在する。もう1つの態様において、少なくとも1つの親水性化合物は持続放出送達系中に約8重量%〜約31重量%の量で存在し;少なくとも1つの架橋剤は持続放出送達系中に約12重量%〜約47重量%の量で存在し;かつ少なくとも1つの薬学的希釈剤は持続放出送達系中に約20重量%〜約78重量%の量で存在する。もう1つの態様において、少なくとも1つの親水性化合物は持続放出送達系中に約10重量%〜約20重量%の量で存在し;少なくとも1つの架橋剤は持続放出送達系中に約15重量%〜約25重量%の量で存在し;かつ少なくとも1つの薬学的希釈剤は持続放出送達系中に約50重量%〜約85重量%の量で存在する。いくつかの態様において、少なくとも1つの親水性化合物は持続放出送達系中に約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約22重量%、約24重量%、約26重量%、約28重量%、約30重量%、約32重量%、約34重量%、または約36重量%の量で存在し;少なくとも1つの架橋剤は持続放出送達系中に約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約22重量%、約24重量%、約26重量%、約28重量%、約30重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、または約35重量%の量で存在し;かつ少なくとも1つの薬学的希釈剤は持続放出送達系中に約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約80重量%、または約85重量%の量で存在する。
いくつかの態様において、少なくとも1つの親水性化合物は持続放出送達系中に約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、または約20重量%の量で存在し;少なくとも1つの架橋剤は持続放出送達系中に約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、または約22重量%の量で存在し;かつ少なくとも1つの薬学的希釈剤は持続放出送達系中に約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約80重量%、または約85重量%の量で存在する。1つの態様において、少なくとも1つの親水性化合物は持続放出送達系中に約8重量%、約12重量%、または約20重量%の量で存在し;少なくとも1つの架橋剤は持続放出送達系中に約12重量%、約18重量%、または約30重量%の量で存在し;かつ少なくとも1つの薬学的希釈剤は持続放出送達系中に約40重量%、約60重量%、または約70重量%の量で存在する。
1つの態様において、ナルブフィンは、当技術分野において公知の任意の薬学的に許容される塩の形である。例示的な薬学的に許容される塩には、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸、マレイン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、パモ酸、ラウリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、ラウリル硫酸、ナフタレンスルホン酸、リノール酸、リノレン酸などが含まれるが、それらに限定されるわけではない。1つの態様はナルブフィンの塩酸塩を含む。
持続放出送達系は少なくとも1つの親水性化合物を含む。親水性化合物は好ましくは、液体への曝露後にナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを持続的速度で放出するゲルマトリックスを形成する。ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルのゲルマトリックスからの放出速度は、ゲルマトリックスの成分と胃腸管内の水相との間の薬物の分配係数に依存する。ナルブフィンと親水性化合物との重量比は、一般には約10:1〜約1:10、約9:1〜約1:9、約8:1〜約1:8、約7:1〜約1:7、約6:1〜約1:6、約5:1〜約1:5、約4:1〜約1:4、約3:1〜約1:3、および約2:1〜約1:2の範囲である。いくつかの態様において、ナルブフィンと親水性化合物との重量比は、約10:1〜約1:1、約10:1〜約2:1、約9:1〜約1:1、約8:1〜約1:1、約7:1〜約1:1、約6:1〜約1:1、約5:1〜約1:1、約4:1〜約1:1、約3:1〜約1:1、および約2:1〜約1:1の範囲である。いくつかの態様において、ナルブフィンと親水性化合物との重量比は、約6:1〜約1:1、約5:1〜約2:1、約4:1〜約3:1、約4:1〜約2:1、および約5:1〜約2:1の範囲である。いくつかの態様において、ナルブフィンと親水性化合物との重量比は、約1:5、約1:4.5、約1:4.4、約1:4、約1:3.5、約1:3.3、約1:3、約1:2.5、約1:2、約1:1、および約1:1.5である。
持続放出送達系は一般には親水性化合物を約5重量%〜約80重量%の量で含む。いくつかの態様において、持続放出送達系は一般には親水性化合物を約5重量%〜約30重量%、約8重量%〜約31重量%、約10重量%〜約20重量%、約20重量%〜約60重量%、または約40重量%〜約60重量%の量で含む。1つの態様において、持続放出送達系は親水性化合物を約8重量%〜約31重量%の量で含む。1つの態様において、持続放出送達系は親水性化合物を約10重量%〜約20重量%の量で含む。いくつかの態様において、持続放出送達系は親水性化合物を約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、または約20重量%の量で含む。1つの態様において、持続放出送達系は親水性化合物を約12重量%の量で含む。1つの態様において、持続放出送達系は親水性化合物を約8重量%の量で含む。1つの態様において、持続放出送達系は親水性化合物を約20重量%の量で含む。1つの態様において、持続放出送達系は親水性化合物を約28重量%の量で含む。
親水性化合物は親水性であることが当技術分野において公知の任意の化合物である。例示的な親水性化合物には、ガム、セルロースエーテル、ポリビニルピロリドン、タンパク質由来化合物、およびその混合物が含まれるが、それらに限定されるわけではない。例示的なガムには、キサンタン、トラガカント、ペクチン、アカシア、カラヤ、アルギナート、寒天、グアー、ヒドロキシプロピルグアー、カラゲナン、ローカストビーンガム、およびゲランガムなどの、ヘテロ多糖ガムおよびホモ多糖ガムが含まれるが、それらに限定されるわけではない。例示的なセルロースエーテルには、ヒドロキシアルキルセルロースおよびカルボキシアルキルセルロースが含まれるが、それらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、セルロースエーテルには、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロース、カルボキシメチルセルロース、およびその混合物が含まれる。いくつかの態様において、親水性化合物はガムである。他の態様において、親水性化合物はヘテロ多糖ガムである。さらなる態様において、親水性化合物はキサンタンガムまたはその誘導体である。キサンタンガムの誘導体には、例えば、脱アシル化キサンタンガム、キサンタンガムのカルボキシメチルエステル、およびキサンタンガムのプロピレングリコールエステルが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
もう1つの局面において、持続放出送達系は少なくとも1つの架橋剤をさらに含む。1つの態様において、架橋剤は、親水性化合物を架橋して、液体存在下でゲルマトリックスを形成することができる化合物である。本明細書において用いられる「液体」は、例えば、胃腸液およびインビトロ溶解試験に用いるものなどの水性溶液を含む。持続放出送達系は一般には架橋剤を約0.5重量%〜約80重量%の量で含む。1つの態様において、持続放出送達系は一般には架橋剤を約12重量%〜約47重量%の量で含む。もう1つの態様において、持続放出送達系は一般には架橋剤を約20重量%〜約30重量%の量で含む。1つの態様において、持続放出送達系は一般には架橋剤を約15重量%〜約25重量%の量で含む。いくつかの態様において、少なくとも1つの架橋剤は持続放出送達系中に約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、または約25重量%の量で存在する。1つの態様において、持続放出送達系は架橋剤を約18重量%の量で含む。1つの態様において、持続放出送達系は架橋剤を約12重量%の量で含む。1つの態様において、持続放出送達系は架橋剤を約30重量%の量で含む。1つの態様において、持続放出送達系は架橋剤を約42重量%の量で含む。
例示的な架橋剤にはホモ多糖が含まれる。例示的なホモ多糖には、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、およびローカストビーンガムなどのガラクトマンナンガムが含まれるが、それらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、架橋剤はローカストビーンガムまたはグアーガムである。他の態様において、架橋剤はアルギン酸誘導体または親水コロイドである。
いくつかの態様において、持続放出送達系が少なくとも1つの親水性化合物および少なくとも1つの架橋剤を含む場合、親水性化合物と架橋剤との重量比は約1:9〜約9:1、約1:8〜約8:1、約1:7〜約7:1、約1:6〜約6:1、約1:5〜約5:1、約1:4〜約4:1、約1:3〜約3:1、または約1:2〜約2:1である。いくつかの態様において、親水性化合物と架橋剤との重量比は約1:5、約1:4.5、約1:4、約1:3.5、約1:3、約1:2.5、約1:2、約1:1.5、および約1:1である。
持続放出送達系が少なくとも1つの親水性化合物および少なくとも1つの架橋剤を含む場合、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルと少なくとも1つの親水性化合物および少なくとも1つの架橋剤の合計との重量比は約10:1〜約1:10、約9:1〜約1:9、約8:1〜約1:8、約7:1〜約1:7、約6:1〜約1:6、約5:1〜約1:5、約4:1〜約1:4、約3:1〜約1:3、または約2:1〜約1:2である。いくつかの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルと少なくとも1つの親水性化合物および少なくとも1つの架橋剤の合計との重量比は約4:1〜約1:1、約4:1〜約1:1.5、約3:1〜約1:1、または約2:1〜約1:1である。1つの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルと少なくとも1つの親水性化合物および少なくとも1つの架橋剤の合計との重量比は約5:1、約4:1(すなわち、1:0.25)、約3.5:1、約3:1、約2.5:1、約2:1(すなわち、1:0.5)、約1.9:1、約1.8:1、約1.7:1、約1.6:1、約1.5:1、約1.4:1、約1.3:1、約1.2:1、約1.1:1、約1:1、約1:1.5、約1:2、約1:3、約1:4、および約1:5である。
持続放出送達系は当技術分野において公知の1つまたは複数の薬学的希釈剤をさらに含む。例示的な薬学的希釈剤には、単糖、二糖、多価アルコールおよびその混合物が含まれるが、それらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、薬学的希釈剤には、例えば、デンプン、マンニトール、乳糖、デキストロース、ショ糖、微結晶セルロース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、およびその混合物が含まれる。いくつかの態様において、薬学的希釈剤は水溶性である。水溶性の薬学的希釈剤の非限定例には、乳糖、デキストロース、ショ糖、またはその混合物が含まれる。薬学的希釈剤と親水性化合物との重量比は一般には約1:9〜約9:1、約1:8〜約8:1、約1:7〜約7:1、約1:6〜約6:1、約1:5〜約5:1、約1:4〜約4:1、約1:3〜約3:1、または約1:2〜約2:1である。いくつかの態様において、薬学的希釈剤と親水性化合物との重量比は一般には約9:1〜約1:1.5である。いくつかの態様において、薬学的希釈剤と親水性化合物との重量比は約9:1、約8.75:1、約8.5:1、約8.25:1、約8:1、約7.5:1、約7:1、約6.5:1、約6:1、約5.5:1、約5:1、約4.5:1、約4:1、約3.5:1、約3:1、約2.5:1、約2:1、約1.5:1、または約1:1である。
持続放出送達系は一般には1つまたは複数の薬学的希釈剤を約20%〜約80%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、または約40%〜約60%の量で含む。1つの態様において、持続放出送達系は1つまたは複数の薬学的希釈剤を約20重量%〜約70重量%の量で含む。1つの態様において、持続放出送達系は1つまたは複数の薬学的希釈剤を約50重量%〜約85重量%の量で含む。いくつかの態様において、持続放出送達系は1つまたは複数の薬学的希釈剤を約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約80重量%、または約85重量%の量で含む。1つの態様において、持続放出送達系は1つまたは複数の薬学的希釈剤を約20重量%の量で含む。1つの態様において、持続放出送達系は1つまたは複数の薬学的希釈剤を約30重量%の量で含む。1つの態様において、持続放出送達系は1つまたは複数の薬学的希釈剤を約40重量%の量で含む。1つの態様において、持続放出送達系は1つまたは複数の薬学的希釈剤を約50重量%の量で含む。1つの態様において、持続放出送達系は1つまたは複数の薬学的希釈剤を約60重量%の量で含む。1つの態様において、持続放出送達系は1つまたは複数の薬学的希釈剤を約70重量%の量で含む。
さらなる局面において、持続放出送達系は1つまたは複数のカチオン性架橋化合物を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数のカチオン性架橋化合物を架橋剤の代わりに用いる。いくつかの態様において、1つまたは複数のカチオン性架橋化合物を架橋剤に加えて用いる。1つの態様において、1つまたは複数のカチオン性架橋化合物を、親水性化合物を架橋して液体存在下でゲルマトリックスを形成するのに十分な量で用いる。いくつかの態様において、1つまたは複数のカチオン性架橋化合物は持続放出送達系中に約0.5重量%〜約30重量%、約0.5重量%〜約25重量%、約0.5重量%〜約20重量%、約0.5重量%〜約15重量%、約0.5重量%〜約10重量%、または約0.5重量%〜約5重量%の量で存在する。いくつかの態様において、1つまたは複数のカチオン性架橋化合物は持続放出送達系中に約5重量%〜約20重量%、約5重量%〜約15重量%、約6重量%〜約14重量%、約7重量%〜約13重量%、約8重量%〜約12重量%、または約9重量%〜約11重量%の量で存在する。いくつかの態様において、1つまたは複数のカチオン性架橋化合物は持続放出送達系中に約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、または約15重量%の量で存在する。1つの態様において、カチオン性架橋化合物は持続放出送達系中に約10重量%の量で存在する。
例示的なカチオン性架橋化合物には、一価金属カチオン、多価金属カチオン、ならびにアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩、塩化物塩、ホウ酸塩、臭化物塩、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、およびその混合物を含む無機塩が含まれるが、それらに限定されるわけではない。例えば、カチオン性架橋化合物には、硫酸カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、塩化リチウム、リン酸3カリウム、ホウ酸ナトリウム、臭化カリウム、フッ化カリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸カルシウム、硫酸マグネシウム、フッ化ナトリウム、またはその混合物の1つまたは複数が含まれるが、それらに限定されるわけではない。
持続放出送達系が少なくとも1つの親水性化合物および少なくとも1つのカチオン性架橋化合物を含む場合、親水性化合物とカチオン性架橋化合物との重量比は約1:9〜約9:1、約1:8〜約8:1、約1:7〜約7:1、約1:6〜約6:1、約1:5〜約5:1、約1:4〜約4:1、約1:3〜約3:1、または約1:2〜約2:1の範囲である。1つの態様において、親水性化合物とカチオン性架橋化合物との重量比は約1:3〜約3:1の範囲である。いくつかの態様において、親水性化合物とカチオン性架橋化合物との重量比は約3:1、約2.75:1、約2.5:1、約2.25:1、約2:1、約1.8:1、約1.6:1、約1.4:1、約1.2:1、約1:1、約1:1.25、約1:1.5、または約1:2である。1つの態様において、親水性化合物とカチオン性架橋化合物との重量比は約1:1.25である。1つの態様において、親水性化合物とカチオン性架橋化合物との重量比は約1.2:1である。1つの態様において、親水性化合物とカチオン性架橋化合物との重量比は約2:1である。1つの態様において、親水性化合物とカチオン性架橋化合物との重量比は約2.8:1である。
1つの態様において、少なくとも1つの親水性化合物は持続放出送達系中に約5重量%〜約80重量%の量で存在し;少なくとも1つのカチオン性架橋剤は持続放出送達系中に約0.5重量%〜約30重量%の量で存在し;かつ少なくとも1つの薬学的希釈剤は持続放出送達系中に約20重量%〜約80重量%の量で存在する。もう1つの態様において、少なくとも1つの親水性化合物は持続放出送達系中に約8重量%〜約30重量%の量で存在し;少なくとも1つのカチオン性架橋剤は持続放出送達系中に約10重量%の量で存在し;かつ少なくとも1つの薬学的希釈剤は持続放出送達系中に約20重量%〜約70重量%の量で存在する。もう1つの態様において、少なくとも1つの親水性化合物は持続放出送達系中に約5重量%〜約30重量%の量で存在し;少なくとも1つのカチオン性架橋剤は持続放出送達系中に約5重量%〜約20重量%の量で存在し;かつ少なくとも1つの薬学的希釈剤は持続放出送達系中に約20重量%〜約85重量%の量で存在する。もう1つの態様において、少なくとも1つの親水性化合物は持続放出送達系中に約10重量%〜約20重量%の量で存在し;少なくとも1つのカチオン性架橋剤は持続放出送達系中に約5重量%〜約15重量%の量で存在し;かつ少なくとも1つの薬学的希釈剤は持続放出送達系中に約50重量%〜約85重量%の量で存在する。
いくつかの態様において、少なくとも1つの親水性化合物は持続放出送達系中に約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約22重量%、約24重量%、約26重量%、約28重量%、または約30重量%の量で存在し;少なくとも1つのカチオン性架橋剤は持続放出送達系中に約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、または約20重量%の量で存在し;かつ少なくとも1つの薬学的希釈剤は持続放出送達系中に約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約80重量%、または約85重量%の量で存在する。1つの態様において、少なくとも1つの親水性化合物は持続放出送達系中に約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、または約20重量%の量で存在し;少なくとも1つのカチオン性架橋剤は持続放出送達系中に約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%の量で存在し;かつ少なくとも1つの薬学的希釈剤は持続放出送達系中に約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約80重量%、または約85重量%の量で存在する。1つの態様において、少なくとも1つの親水性化合物は持続放出送達系中に約8重量%、約12重量%、または約20重量%の量で存在し;少なくとも1つのカチオン性架橋剤は持続放出送達系中に約10重量%、約12重量%、または約14重量%の量で存在し;かつ少なくとも1つの薬学的希釈剤は持続放出送達系中に約40重量%、約60重量%、または約70重量%の量で存在する。
1つの態様において、持続放出送達系は約0.5%〜約80%のローカストビーンガム、約5%〜約80%のキサンタンガム、約20%〜約80%のマンニトールおよび約0.5%〜80%の硫酸カルシウム二水和物を含む。1つの態様において、持続放出送達系は約12%〜約47%のローカストビーンガム、約8%〜約31%のキサンタンガム、約20%〜約78%のマンニトールおよび約0.5%〜25%の硫酸カルシウム二水和物を含む。1つの態様において、持続放出送達系は約15%〜約25%のローカストビーンガム、約10%〜約20%のキサンタンガム、約50%〜約85%のマンニトールおよび約5%〜15%の硫酸カルシウム二水和物を含む。1つの態様において、持続放出送達系は約18%のローカストビーンガム、約12%のキサンタンガム、約60%のマンニトールおよび約10%の硫酸カルシウム二水和物を含む。1つの態様において、持続放出送達系は約12%のローカストビーンガム、約8%のキサンタンガム、約70%のマンニトールおよび約10%の硫酸カルシウム二水和物を含む。1つの態様において、持続放出送達系は約20%のローカストビーンガム、約30%のキサンタンガム、約40%のマンニトールおよび約10%の硫酸カルシウム二水和物を含む。1つの態様において、持続放出送達系は約30%のローカストビーンガム、約20%のキサンタンガム、約40%のマンニトールおよび約10%の硫酸カルシウム二水和物を含む。1つの態様において、持続放出送達系は約42%のローカストビーンガム、約28%のキサンタンガム、約20%のマンニトールおよび約10%の硫酸カルシウム二水和物を含む。
この持続放出系の成分(例えば、少なくとも1つの親水性化合物および少なくとも1つの架橋剤;または少なくとも1つの親水性化合物および少なくとも1つのカチオン性架橋化合物)の2つの特性は、液体への曝露後にゲルマトリックスを形成するのは化合物/作用物質の急速な水和であること、および高いゲル強度を有するゲルマトリックスを形成する能力である。これらの2つの特性は、徐放性ゲルマトリックスを達成するのに必要であり、化合物の特定の組み合わせ(例えば、少なくとも1つの親水性化合物および少なくとも1つの架橋剤;または少なくとも1つの親水性化合物および少なくとも1つのカチオン性架橋化合物)によって最大になる。例えば、親水性化合物(例えば、キサンタンガム)は、急速な水和を提供するすぐれた吸水特性を有する。親水性化合物と、親水性化合物の硬いらせん状に配置された構造を架橋することができる材料(例えば、架橋剤および/またはカチオン性架橋化合物)との組み合わせは、それにより相乗的に作用して、ゲルマトリックスの予想以上に高い粘性(すなわち、高いゲル強度)を提供する。
いくつかの態様において、持続放出組成物を1つもしくは複数の湿潤剤(例えば、ポリエトキシ化ひまし油、ひまし油由来ポリエトキシ化脂肪酸、硬化ひまし油由来ポリエトキシ化脂肪酸)1つもしくは複数の滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウムなど)、1つもしくは複数の緩衝化剤、1つもしくは複数の着色剤、および/または他の通常の成分とさらに混合する。
いくつかの態様において、本発明の方法において用いる組成物は、追加の薬学的賦形剤を含みうる。例えば、一定の態様において、フマル酸を本明細書に記載の製剤に加えることができる。
他の態様において、非機能性コーティング、例えば、Opadry(登録商標)を本明細書に記載の組成物に加えることもできる。
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、第二の親水性化合物をさらに含む。いくつかの態様において、第二の親水性化合物はセルロースエーテルである。いくつかの態様において、第二の親水性化合物はヒドロキシアルキルセルロースまたはカルボキシアルキルセルロースである。いくつかの態様において、第二の親水性化合物はヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロース、カルボキシメチルセルロース、またはその混合物である。いくつかの態様において、第二の親水性物はエチルセルロースまたはワックス(例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、白ろう、またはカルナウバろうを含むが、それらに限定されるわけではない)である。第二の親水性化合物は製剤中に約5重量%〜約45重量%、約5重量%〜約25重量%、約10重量%〜約20重量%、または12重量%〜約18重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、第二の親水性化合物は製剤中に約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約30%、約35%、約40%、または約45%の量で存在する。
いくつかの態様において、第二の親水性化合物とナルブフィンまたは薬学的に許容される塩もしくはエステルとの重量比は約5:1〜約1:5、約4:1〜約1:4、約3:1〜約1:3、約2:1〜約1:2、約1:1〜約1:3、または約1:1〜約1:2の範囲である。いくつかの態様において、第二の親水性化合物とナルブフィンまたは薬学的に許容される塩もしくはエステルとの重量比は約5:1、約4:1、約3:1、約2:1、約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、または約1:5である。
いくつかの態様において、第二の親水性化合物と持続放出送達系との重量比は約10:1〜約1:10、約8:1〜約1:8、約6:1〜約1:6、約4:1〜約1:4、約2:1〜約1:3、約1:1〜約1:10、約1:1〜約1:6、または約1:2〜約1:6の範囲である。いくつかの態様において、第二の親水性化合物と持続放出送達系との重量比は約10:1、約8:1、約6:1、約4:1、約2:1、約1:1、約1:1.5、約1:2、約1:2.5、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9または約1:10である。
いくつかの態様において、経口持続放出固体剤形は約1mg〜200mgのナルブフィン塩酸塩および約10mg〜約420mgの持続放出送達系を含む。これらの態様において、持続放出送達系は約12%〜約42%のローカストビーンガム;約8.0%〜約28%のキサンタンガム;約20%〜約70%のマンニトール;および約5%〜約20%の硫酸カルシウム二水和物を含む。いくつかの態様において、本発明の方法は、約5mg〜約80mgのナルブフィン塩酸塩および約80mg〜約360mgの持続放出送達系を含む、経口持続放出固体剤形を用いうる。いくつかの態様において、本発明の方法は、約50mg〜約150mgのナルブフィン塩酸塩および約100mg〜約300mgの持続放出送達系を含む、経口持続放出固体剤形を用いうる。
いくつかの態様において、本発明の方法は、約15mgのナルブフィン塩酸塩、および約25mg〜約225mg、例えば約195mgの持続放出送達系を含む、経口持続放出固体剤形を用いる。これらの態様において、持続放出送達系は約14%のローカストビーンガム;約9%のキサンタンガム;約47%のマンニトール;および約8%の硫酸カルシウム二水和物を含む。
いくつかの態様において、本発明の方法は、約30mgのナルブフィン塩酸塩、および約25mg〜約225mg、例えば約180mgの持続放出送達系を含む、経口持続放出固体剤形を用いる。これらの態様において、持続放出送達系は約18%のローカストビーンガム;約12%のキサンタンガム;約60%のマンニトール;および約10%の硫酸カルシウム二水和物を含む。
いくつかの態様において、本発明の方法は、約60mgのナルブフィン塩酸塩、および約25mg〜約225mg、例えば約120mgの持続放出送達系を含む、経口持続放出固体剤形を用いる。これらの態様において、持続放出送達系は約10%のローカストビーンガム;約12%のキサンタンガム;約60%のマンニトール;および約10%の硫酸カルシウム二水和物を含む。いくつかの態様において、本発明の方法は、約5mg〜約80mgのナルブフィン塩酸塩および約80mg〜約360mgの持続放出送達系を含む、経口持続放出固体剤形を用いる。
いくつかの態様において、本発明の方法は、約120mgのナルブフィン塩酸塩、および約25mg〜約250mg、例えば約240mgの持続放出送達系を含む、経口持続放出固体剤形を用いる。これらの態様において、持続放出送達系は約18%のローカストビーンガム;約12%のキサンタンガム;約60%のマンニトール;および約10%の硫酸カルシウム二水和物を含む。
いくつかの態様において、本発明の方法は、約30mgのナルブフィン塩酸塩、および約25mg〜約350mg、例えば約270mgまたは約360mgの持続放出送達系を含む、経口持続放出固体剤形を用いる。これらの態様において、持続放出送達系は約18%のローカストビーンガム;約12%のキサンタンガム;約60%のマンニトール;および約10%の硫酸カルシウム二水和物を含む。
いくつかの態様において、本発明の方法は、約45〜約60mgのナルブフィン塩酸塩および約100mg〜約200mgの持続放出送達系を含む、経口持続放出固体剤形を用いる。これらの態様において、持続放出送達系は約15%〜約25%のローカストビーンガム;約10%〜約20%のキサンタンガム;約50%〜約85%のマンニトール;および約5%〜約15%の硫酸カルシウム二水和物を含む。
いくつかの態様において、本発明の方法は、約30mgのナルブフィン塩酸塩、約32.4mgのローカストビーンガム;約21.6mgのキサンタンガム;約108mgのマンニトール;約18mgの硫酸カルシウム二水和物、約35mgのヒドロキシプロピルセルロース、および約1.9mgのステアリン酸マグネシウムを含む、経口持続放出固体剤形を用いる。
いくつかの態様において、本発明の方法は、約60mgのナルブフィン塩酸塩、約21.6mgのローカストビーンガム;約14.4mgのキサンタンガム;約72mgのマンニトール;約12mgの硫酸カルシウム二水和物、約30mgのヒドロキシプロピルセルロース、および約1.6mgのステアリン酸マグネシウムを含む、経口持続放出固体剤形を用いる。
いくつかの態様において、本発明の方法は、約120mgのナルブフィン塩酸塩、約43.2mgのローカストビーンガム;約28.8mgのキサンタンガム;約144mgのマンニトール;約24mgの硫酸カルシウム二水和物、約60mgのヒドロキシプロピルセルロース、および約3.2mgのステアリン酸マグネシウムを含む、経口持続放出固体剤形を用いる。
いくつかの態様において、本発明の方法は、約180mgのナルブフィン塩酸塩、約64.8mgのローカストビーンガム;約43.2mgのキサンタンガム;約216mgのマンニトール;約36mgの硫酸カルシウム二水和物、約90mgのヒドロキシプロピルセルロース、約5mgのステアリン酸マグネシウム、および約25mgのフマル酸を含む、経口持続放出固体剤形を用いる。
いくつかの態様において、本発明の方法は、約180mgのナルブフィン塩酸塩、約48.6mgのローカストビーンガム;約32.4mgのキサンタンガム;約162mgのマンニトール;約27mgの硫酸カルシウム二水和物、約60mgのヒドロキシプロピルセルロース、約4mgのステアリン酸マグネシウム、および約25mgのフマル酸を含む、経口持続放出固体剤形を用いる。
いくつかの態様において、本発明の方法は、約30mgのナルブフィン塩酸塩、約32.4mgのローカストビーンガム;約21.6mgのキサンタンガム;約108mgのマンニトール;約18mgの硫酸カルシウム二水和物、約35mgのヒドロキシプロピルセルロース、約1.9mgのステアリン酸マグネシウム、および約7.4mgのOpadry II Whiteを含む、経口持続放出固体剤形を用いる。
ナルブフィンの持続放出製剤は経口投与可能な固体剤形である。経口固体剤形の非限定例には、錠剤、多数の顆粒を含むカプセル剤、舌下錠、散剤、顆粒剤、シロップ剤、および口腔剤形または装置(例えば、口腔パッチ、口腔錠など)が含まれる。いくつかの態様において、錠剤は腸溶コーティングまたは親水性コーティングを有する。
持続放出送達系を乾式造粒または湿式造粒により、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを加える前に調製するが、成分を凝集技術によりまとめて、許容される製品を生成することができる。湿式造粒技術において、成分(例えば、親水性化合物、架橋剤、薬学的希釈剤、カチオン性架橋化合物、疎水性ポリマーなど)を一緒に混合し、次いで1つまたは複数の液体(例えば、水、プロピレングリコール、グリセロール、アルコール)で湿らせて、湿った塊を生成し、これを続いて乾燥する。次いで、乾燥した塊を通常の装置で製粉して、持続放出送達系の顆粒とする。その後、持続放出送達系を所望の量でナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステル、および任意に1つまたは複数の湿潤剤、1つまたは複数の滑沢剤、1つまたは複数の緩衝化剤、1つまたは複数の着色剤、1つまたは複数の第二の親水性化合物、または他の通常の成分と混合して、顆粒状組成物を生成する。持続放出送達系およびナルブフィンを、例えば、高せん断ミキサーで混合することができる。ナルブフィンを持続放出送達系中に、好ましくは微細かつ均質に分散させる。錠剤の均一なバッチを作製するのに十分な量の顆粒状組成物を、通常の製造規模の打錠機で、典型的な圧縮圧、すなわち約2,000〜16,000psiの打錠にかける。いくつかの態様において、混合物は、液体への曝露後の水和が後に困難になる点まで圧縮すべきではない。
いくつかの態様において、ナルブフィン製剤を乾式造粒または湿式造粒により調製する。持続放出送達系の成分を、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルと共に加える。または、成分のすべてを凝集技術によりまとめて、許容される製品を生成することができる。湿式造粒技術において、ナルブフィンまたはその薬学的塩もしくはエステルおよび成分(例えば、親水性化合物、架橋剤、薬学的希釈剤、カチオン性架橋化合物、疎水性ポリマーなど)を一緒に混合し、次いで1つまたは複数の液体(例えば、水、プロピレングリコール、グリセロール、アルコール)で湿らせて、湿った塊を生成し、これを続いて乾燥する。次いで、乾燥した塊を通常の装置で製粉して、顆粒とする。任意に1つまたは複数の湿潤剤、1つまたは複数の滑沢剤、1つまたは複数の緩衝化剤、1つまたは複数の着色剤、1つまたは複数の第二の親水性化合物、または他の通常の成分も顆粒に加える。錠剤の均一なバッチを作製するのに十分な量の顆粒状組成物を、通常の製造規模の打錠機で、典型的な圧縮圧、すなわち約2,000〜16,000psiの打錠にかける。いくつかの態様において、混合物は、液体への曝露後の水和が後に困難になる点まで圧縮すべきではない。
顆粒状組成物の平均粒径は重量により約50μm〜約400gmである。いくつかの態様において、重量による平均粒径は約185μm〜約265μmである。顆粒状組成物の平均密度は約0.3g/mL〜約0.8g/mLである。いくつかの態様において、平均密度は約0.5g/mL〜約0.7g/mLである。顆粒から生成した錠剤は、一般には約4Kp〜約22Kpの硬度である。顆粒の平均流量は約25〜約40g/秒である。
いくつかの態様において、本発明の方法は、層がナルブフィン塩酸塩を異なる速度で放出するよう製剤化された、多層固体剤形を用いることができる。例えば、1つの態様において、第二の層は、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステル、およびナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを、治療的に有益な血液レベルが長期間(例えば、約8〜約12時間)にわたって維持されるように制御された速度で放出するよう設計された、持続放出送達系を含む長期放出層である。第一の層は、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを、治療的に有益な血液レベルを即時に(例えば、約1〜約2時間)達成するために、第二の層の速度よりも速い速度で放出するよう設計された、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの製剤を含む即時放出層である。いくつかの態様において、第一の層は持続放出送達系を含む。いくつかの態様において、第一の層は持続放出送達系を含まない。
いくつかの態様において、第二の層と第一の層との重量比は約10:1〜約1:10、約9:1〜約1:9、約8:1〜約1:8、約7:1〜約1:7、約6:1〜約1:6、約5:1〜約1:5、約4:1〜約1:4、約3:1〜約1:3、約2:1〜約1:2である。1つの態様において、第二の層と第一の層との重量比は約5:1〜約1:5である。さらなる態様において、第二の層と第一の層との重量比は約1:1〜約1:2である。いくつかの態様において、第二の層と第一の層との重量比は約1:1、約1:1.2、約1:1.4、約1:1.6、約1:1.8、または約1:2である。1つの態様において、第二の層と第一の層との重量比は約1:2である。1つの態様において、第二の層と第一の層との重量比は約1:1.4である。いくつかの態様において、第二の層と第一の層との重量比は約3:1、約2.5:1、約2:1、約1.5:1である。1つの態様において、第二の層と第一の層との重量比は約2.5:1である。
多層剤形の持続放出送達系は(i)少なくとも1つの親水性化合物、少なくとも1つの架橋剤、および少なくとも1つの薬学的希釈剤;(ii)少なくとも1つの親水性化合物、少なくとも1つの架橋剤、少なくとも1つの薬学的希釈剤、および第一の架橋剤とは異なる少なくとも1つのカチオン性架橋剤;または(iii)少なくとも1つの親水性化合物、少なくとも1つのカチオン性架橋化合物、および少なくとも1つの薬学的希釈剤を含む。いくつかの態様において、第一の層が持続放出送達系を含む場合、第一の層の持続放出送達系は第二の層の持続放出送達系と同じ成分を含む(例えば、第一および第二の層はいずれも、上に挙げた態様(i)〜(iii)の1つである)。他の態様において、第一の層の持続放出送達系は第二の層の持続放出送達系とは異なる成分を含む(例えば、第一の層は、上に挙げた態様(i)であり、一方、第二の層は、上に挙げた態様(iii)である)。いずれの層の持続放出送達系も上に挙げた態様(i)〜(iii)の1つでありうることが理解される。さらに、いくつかの態様において、第一の層は持続放出送達系を含まないことが理解される。
持続放出送達系は、一般には第二の層(例えば、長期放出層)中に約10mg〜約420mgの範囲の量で存在する。いくつかの態様において、持続放出送達系は第二の層中に約110mg〜約200mgの範囲の量で存在する。いくつかの態様において、持続放出送達系は第二の層中に約110mg〜約150mgの範囲の量で存在する。いくつかの態様において、持続放出送達系は第二の層中に約90mg〜約150mgの範囲の量で存在する。いくつかの態様において、持続放出送達系は第二の層中に約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、または約200mgの量で存在する。1つの態様において、持続放出送達系は第二の層中に約123mgの量で存在する。1つの態様において、持続放出送達系は第二の層中に約101mgの量で存在する。1つの態様において、持続放出送達系は第二の層中に約92mgの量で存在する。もう1つの態様において、持続放出送達系は第二の層中に約112.5mgの量で存在する。1つの態様において、持続放出送達系は第二の層中に約135mgの量で存在する。1つの態様において、持続放出送達系は第二の層中に約150mgの量で存在する。
ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルは、一般には第二の層中に約15mg〜約60mgの範囲の量で存在する。いくつかの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルは第二の層中に約30mg〜約60mgの範囲の量で存在する。いくつかの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルは第二の層中に約45mg〜約60mgの範囲の量で存在する。1つの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルは第二の層中に約15mgの量で存在する。1つの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルは第二の層中に約30mgの量で存在する。1つの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルは第二の層中に約45mgの量で存在する。1つの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルは第二の層中に約15mg、約30mg、約90mg、約120mg、または約180mgの量で存在する。
いくつかの態様において、第二の層中のナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルと持続放出送達系との重量比は約10:1〜約1:10、約9:1〜約1:9、約8:1〜約1:8、約7:1〜約1:7、約6:1〜約1:6、約5:1〜約1:5、約4:1〜約1:4、約3:1〜約1:3、または約2:1〜約1:2である。1つの態様において、第二の層中のナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルと持続放出送達系との重量比は約1:2〜約1:4である。1つの態様において、第二の層中のナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルと持続放出送達系との重量比は約1:1〜約1:5である。いくつかの態様において、第二の層中のナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルと持続放出送達系との重量比は約1: 1、約1:1.2、約1:1.4、約1:1.6、約1:1.8、約1:2、約1:2.5、約1:3、または約1:3.5である。1つの態様において、第二の層中のナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルと持続放出送達系との重量比は約1:2.5である。もう1つの態様において、第二の層中のナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルと持続放出送達系との重量比は約1:3.3である。さらなる態様において、第二の層中のナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルと持続放出送達系との重量比は約1:3である。さらにもう1つの態様において、第二の層中のナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルと持続放出送達系との比は約1:2である。
持続放出送達系が第一の層(例えば、即時放出層)中に存在する場合、一般には約0mg〜約50mgの範囲の量で存在する。いくつかの態様において、持続放出送達系は第一の層中に約5mg〜約25mgまたは約5mg〜約15mgの範囲の量で存在する。1つの態様において、持続放出送達系は第一の層中に約3mg〜約9mgの量で存在する。1つの態様において、持続放出送達系は第一の層中に約4mg〜約6mgの量で存在する。いくつかの態様において、持続放出送達系は第一の層中に約2mg、約4mg、約6mg、約8mg、約10mg、約12mg、約14mg、約15mg、約16mg、約18mg、約20mg 約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mgまたは約50mgの量で存在する。1つの態様において、持続放出送達系は第一の層中に約6mgの量で存在する。
いくつかの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルは、一般には第一の層(例えば、即時放出層)中に約5mg〜約180mgの範囲の量で存在する。いくつかの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルは第一の層中に約5mg〜約25mgまたは約10mg〜約20mgの範囲の量で存在する。いくつかの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルは第一の層中に約5mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg または約50mgの量で存在する。1つの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルは第一の層中に約15mg、約30mg、約90mg、約120mg、または約180mgの量で存在する。
いくつかの態様において、第一の層が持続放出送達系を含む場合、第一の層中のナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルと持続放出送達系との比は約10:1〜約1:10、約9:1〜約1:9、約8:1〜約1:8、約7:1〜約1:7、約6:1〜約1:6、約5:1〜約1:5、約4:1〜約1:4、約3:1〜約1:3、約2:1〜約1:2である。1つの態様において、第一の層中のナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルと持続放出送達系との比は約2:1〜約4:1である。いくつかの態様において、第一の層中のナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルと持続放出送達系との比は約5:1、約4.5:1、約4:1、約3.5:1、約3:1、約2.5:1、約2:1、約1.5:1、または約1:1である。1つの態様において、第一の層中のナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルと持続放出送達系との比は約2.5:1である。もう1つの態様において、第一の層中のナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルと持続放出送達系との比は約3:1である。
いくつかの態様において、多層剤形は薬学的崩壊剤をさらに含む。崩壊剤はナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの即時放出層からの溶解および吸収を促進する。薬学的崩壊剤の非限定例には、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸塩、クロスポビドン、および非改変デンプンが含まれる。1つの態様において、崩壊剤は剤形の第一の層(すなわち、即時放出層)中にある。崩壊剤は、一般には層中に約1.5mg〜約4.5mgの量で存在する。1つの態様において、崩壊剤は約3mgの量で存在する。1つの態様において、崩壊剤は層中に約2〜10重量%の量で存在する。1つの態様において、崩壊剤は層中に約5重量%の量で存在する。層が持続放出送達系を含む場合、持続放出送達系と崩壊剤との重量比は約5:1〜約1:5の範囲である。いくつかの態様において、持続放出送達系と崩壊剤との比は約1:1〜約3:1の範囲である。他の態様において、持続放出送達系と崩壊剤との比は約2:1の範囲である。
いくつかの態様において、多層錠を、まず即時放出層および長期放出層混合物を別々に調製することにより調製する。長期放出層は前述のとおりに調製する。次いで、長期放出層の湿った顆粒を乾燥し、製粉して適切なサイズとする。ステアリン酸マグネシウムを加え、製粉した顆粒と混合する。即時放出層は、まずナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを1つまたは複数の希釈剤(例えば、微結晶セルロース)と混合することにより調製する。次いで、この混合物を任意に1つまたは複数の崩壊剤と混合する。混合物をステアリン酸マグネシウムと混合する。最後に、即時放出層混合物および長期放出層混合物を圧縮して多層(例えば、二層)錠とする。
本発明は、そう痒の処置法であって、有効量、例えば、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの持続放出製剤の有効量を、それを必要としている対象、例えば、ヒトまたは動物患者に投与することによる方法を提供する。有効量は、そう痒症状を除去もしくは有意に低減する、またはそれらの症状を緩和する(例えば、ナルブフィン持続放出製剤の投与前に存在する症状に比べて、かゆみなどの症状を低減する)のに十分な量である。「持続放出」または「長期放出」とは、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルが製剤から、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの治療的に有益な血液レベル(しかし毒性レベルよりも低い)が長期間にわたって維持されるように制御された速度で放出されることを意味する。または、「持続放出」または「長期放出」とは、所望の薬理効果が長期間にわたって維持されることを意味する。本明細書に記載の製剤の臨床試験により、そう痒症状の軽減の持続時間は、予想よりも長いことが判明している。実験的経口投与したナルブフィン製剤(すなわち、即時放出製剤)の半減期は比較的短く、約5〜7時間にすぎないと報告されている。さらに、出版された文献は、即時放出ナルブフィンの実験的製剤の効果の持続時間は約4時間にすぎないと示唆している。これらのデータに基づき、持続放出製剤は約6〜8時間の抗そう痒効果の持続時間を提供し、すなわち、1日に2〜3回の投与を可能にすると予想された。しかし、本明細書に記載の臨床試験において、ナルブフィン持続放出製剤は8時間よりも長い抗そう痒効果を有する。いくつかの場合に、抗そう痒効果の持続時間は少なくとも約12時間で、したがってより少ない投与回数の可能性を提供する。
特定の理論に縛られたくはないが、抗そう痒効果の予想よりも長い持続時間は、ナルブフィンの腸肝再循環に起因している。ナルブフィンは、UDP-グルクロニルトランスフェラーゼなどの酵素系による酵素反応を通じて、インビボでグルクロン酸または他の型の抱合代謝物を生成する。腸肝再循環は、胆汁中の親薬物が胆嚢から腸内に放出され、再吸収される場合にも起こる可能性がある。いったん生成すれば、抱合ナルブフィン生成物は、胆汁分泌を介して胃腸管内に輸送され、それにより薬物抱合体は切断されてナルブフィンを遊離し、これは腸から再吸収されうると考えられる。持続放出製剤は、ナルブフィンをインビボ系によりゆっくり放出して、より多くの薬物が抱合され、したがって再循環およびその後の腸からの再吸収に利用されることを可能にすることにより、抗そう痒効果の持続時間を改善することができる。
一定の態様において、親水性化合物(例えば、キサンタンガム)などの、製剤の一定の成分の化学は、成分が胃腸管の長さに沿ってのナルブフィンの溶解性およびpH変化に実質的に非感受性の自己緩衝化剤であると考えられるようなものである。さらに、成分の化学は、ポリカルボフィルなどの一定の公知の粘膜付着性物質に類似であると考えられる。粘膜付着特性は口腔送達系にとって望ましい。したがって、持続放出製剤は胃腸管のムチンと緩く相互作用し、それによりナルブフィンの一定速度の送達が達成されるもう1つの様式を提供することができる。
前述の2つの現象(回復力および粘膜付着特性)は、それによって持続放出製剤が胃腸管のムチンおよび液体と相互作用し、ナルブフィンの一定速度の送達を提供しうるメカニズムである。
USP Procedure Drug Release General Chapter <711> Dissolution(その全体が参照により本明細書に組み入れられる)によって測定した場合、本発明の方法において用いる持続放出製剤は、一般にはインビトロで1時間後に約15重量%〜約50重量%のナルブフィン、4時間後に約45重量%〜約80重量%のナルブフィン、または10時間後に少なくとも約80重量%のナルブフィンの溶解を示す。いくつかの態様において、持続放出製剤のインビトロおよびインビボ放出特性を、1つもしくは複数の異なる水不溶性および/もしくは水溶性化合物の混合物を用いて、異なる可塑剤を用いて、コーティング中に放出改変化合物を提供することを含む、持続放出フィルムの厚さを変動させて、ならびに/またはコーティングを通過する通路を提供することにより、改変する。いくつかの態様において、溶解速度は器具USP Type III/250mLをpH6.8、37℃および15dpmで用いて判定する。いくつかの態様において、溶解速度は器具USP Type III/250mLを用い、37℃および15dpmでpHを変化させて(0〜1時間はpH1.2、1時間以後はpH4.5、2時間以後はpH6.8)実施して判定する。
いくつかの態様において、持続放出製剤は約6時間後に約50重量%〜約100重量%のナルブフィンのインビトロ溶解を有する。いくつかの態様において、持続放出製剤は約6時間後に約75重量%〜約100重量%のナルブフィンのインビトロ溶解を有する。他の態様において、持続放出製剤は約6時間〜約8時間で約75重量%〜約100重量%のナルブフィンのインビトロ溶解を有する。さらなる態様において、持続放出製剤は約12時間後に約80重量%〜約100重量%のナルブフィンのインビトロ溶解を有する。さらに他の態様において、持続放出製剤は約12時間〜約24時間で約80重量%〜約100重量%のナルブフィンのインビトロ溶解を有する。いくつかの態様において、持続放出製剤は約8時間〜約12時間後に約80%〜約100%のインビトロ溶解を有する。さらに他の態様において、持続放出製剤は約1時間後に約15重量%〜約75重量%のナルブフィンのインビトロ溶解を有する。さらなる態様において、持続放出製剤は約1時間後に約50重量%のナルブフィンのインビトロ溶解を有する。いくつかの態様において、持続放出製剤は約1時間後に約50重量%のナルブフィンおよび約6時間〜約8時間で約75重量%〜約100重量%のナルブフィンのインビトロ溶解を有する。いくつかの態様において、持続放出製剤は約1時間後に約50重量%のナルブフィンおよび約8時間〜約12時間で約75重量%〜約100重量%のナルブフィンのインビトロ溶解を有する。いくつかの態様において、持続放出製剤は約1時間後に約50重量%のナルブフィンおよび約12時間〜約24時間で約75重量%〜約100重量%のナルブフィンのインビトロ溶解を有する。いくつかの態様において、持続放出製剤は約1時間後に約50重量%のナルブフィンおよび約12時間後に約80重量%〜約100重量%のナルブフィンのインビトロ溶解を有する。
錠剤が第一の長期放出層および第二の即時放出層を有する多層剤形である場合、持続放出製剤は約1時間後に約25重量%〜約75重量%のナルブフィンのインビトロ溶解を有する。いくつかの態様において、多層剤形は約1時間後に約25重量%のナルブフィンのインビトロ溶解を有する。いくつかの態様において、多層剤形は約1時間後に約50重量%のナルブフィンのインビトロ溶解を有する。いくつかの態様において、多層剤形は約6〜8時間後に約75%〜約100%のナルブフィンのインビトロ溶解を有する。いくつかの態様において、多層剤形は約8〜12時間後に約75%〜約100%のナルブフィンのインビトロ溶解を有する。いくつかの態様において、多層剤形は約12〜24時間後に約75%〜約100%のナルブフィンのインビトロ溶解を有する。いくつかの態様において、多層剤形は約12時間後に約75%〜約100%のナルブフィンのインビトロ溶解を有する。
正常または障害性(例えば、低下した)腎機能のいずれかを有する患者に経口投与する場合、本明細書に記載の持続放出製剤は以下のインビボ特性を示す:(a)ナルブフィンのピーク血漿レベルは、投与後、例えば、尿毒症性そう痒もしくは腎機能障害を有する対象では約4時間〜約6時間、または、例えば、腎機能障害のない対象では約3時間〜約5時間以内に起こり;(b)投与の約30分から投与の約6時間以内のナルブフィン抗そう痒効果の開始;(c)ナルブフィン抗そう痒効果の持続時間は約2〜約24時間であり;かつ(d)経口投与したナルブフィンの水性溶液に比べて、相対的ナルブフィンバイオアベイラビリティは約0.5、約1、約1.5または約0.5〜約1.5の間である。抗そう痒効果の開始の時間は、少なくとも投薬およびそう痒症状の重症度に依存しうる。いくつかの態様において、ナルブフィン抗そう痒効果の持続時間は少なくとも約8時間である。いくつかの態様において、ナルブフィン抗そう痒効果の持続時間は少なくとも約9時間である。いくつかの態様において、ナルブフィン抗そう痒効果の持続時間は少なくとも約10時間である。いくつかの態様において、ナルブフィン抗そう痒効果の持続時間は少なくとも約11時間である。いくつかの態様において、ナルブフィン抗そう痒効果の持続時間は少なくとも約12時間である。いくつかの態様において、ナルブフィン抗そう痒効果の持続時間は少なくとも約6時間、8時間、10時間、12時間、15時間、または18時間である。いくつかの態様において、経口投与したナルブフィンの水性溶液に比べて、相対的ナルブフィンバイオアベイラビリティは約0.94である。いくつかの態様において、経口投与したナルブフィンの水性溶液に比べて、相対的ナルブフィンバイオアベイラビリティは約1.35である。
いくつかの態様において、持続放出ナルブフィン製剤は、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む経口単位剤形を提供する。経口剤形は抗そう痒効果を少なくとも約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間 または約24時間の期間にわたって提供する。いくつかの態様において、経口剤形は抗そう痒効果を約6〜18時間、約8〜16時間、約8〜12時間、約8〜約24時間、約12〜約24時間、約18〜約24時間、または約8〜10時間の期間にわたって提供する。経口剤形は抗そう痒効果を約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間または約24時間の期間にわたって提供する。
1つの態様において、経口剤形は抗そう痒効果を提供すると同時に、循環効果を断ち、例えば、かゆみの感覚は一定の処置期間の後は戻らない。
いくつかの態様において、経口剤形は、1つまたは複数のピークと続くプラトー領域によって特徴付けられる、ナルブフィンの血漿レベルを提供する。プラトー領域は、比較的一貫したナルブフィンの血漿レベルを有することで特徴付けられる(例えば、ナルブフィンの血漿レベルは時点から時点まで一貫して上昇または低下しない)。いくつかの態様において、プラトー領域は、一貫したナルブフィンの平均血漿レベルを有することで特徴付けられる。プラトー領域は、プラトー領域に続く領域と対照をなし、後者ではナルブフィンの血漿レベルは一般に1つの時点から次の時点まで低下する。いくつかの態様において、プラトー領域は少なくとも約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間または約12時間の持続時間を有する。いくつかの態様において、プラトー領域は約1時間〜約12時間、約2時間〜約10時間、約2時間〜約8時間、約2時間〜約7時間または約4時間〜約10時間、約4時間〜約8時間、または約4時間〜約6時間の持続時間を有する。いくつかの態様において、プラトー領域における各時点のナルブフィンの血漿レベルはプラトー領域における平均血漿レベルの約75%〜約125%の範囲である。いくつかの態様において、プラトー領域における各時点のナルブフィンの血漿レベルはプラトー領域における平均血漿レベルの約80%〜約120%の範囲である。いくつかの態様において、プラトー領域における各時点のナルブフィンの血漿レベルはプラトー領域における平均血漿レベルの約85%〜約115%の範囲である。いくつかの態様において、プラトー領域における各時点のナルブフィンの血漿レベルはプラトー領域における平均血漿レベルの約90%〜約110%の範囲である。
いくつかの態様において、プラトー領域中に観察されるナルブフィンの最低血漿レベルは、プラトー領域におけるすべての時点の平均血漿レベルよりも約25%を超えて低くはない。いくつかの態様において、プラトー領域中に観察されるナルブフィンの最低血漿レベルは、プラトー領域における平均血漿レベルよりも約20%を超えて低くはない。いくつかの態様において、プラトー領域中に観察されるナルブフィンの最低血漿レベルは、プラトー領域における平均血漿レベルよりも約15%を超えて低くはない。いくつかの態様において、プラトー領域中に観察されるナルブフィンの最低血漿レベルは、プラトー領域における平均血漿レベルの約75%〜約100%の範囲である。いくつかの態様において、プラトー領域中に観察されるナルブフィンの最低血漿レベルは、プラトー領域における平均血漿レベルの約80%〜約100%の範囲である。いくつかの態様において、プラトー領域中に観察されるナルブフィンの最低血漿レベルは、プラトー領域における平均血漿レベルの約85%〜約100%の範囲である。いくつかの態様において、プラトー領域中に観察されるナルブフィンの最低血漿レベルは、プラトー領域における平均血漿レベルの約80%〜約95%の範囲である。
併用療法
組成物を本明細書に記載の方法において唯一の活性薬学的成分または唯一の活性抗そう痒成分として投与することができるが、他の態様において、組成物をそう痒に対して治療的に有効であること、および/または抗そう痒成分の効果を補足することが公知の1つまたは複数の成分との組み合わせで用いることもできる。
例えば、いくつかの態様において、本発明の方法はナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを1つまたは複数の抗そう痒剤と共に用いることができる。いくつかの態様において、抗そう痒剤と組み合わせる追加の化合物、例えば、ナルブフィン、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルには、抗ヒスタミン剤、抗炎症コルチコステロイド、表面抗感染剤および抗真菌剤、抗菌剤と、抗ウイルス剤、細胞毒性剤、ならびに反対刺激剤/鎮痛剤が含まれる。他の抗そう痒剤には、抗うつ剤、ビタミンD、カッパアゴニスト、コールタール誘導体およびソラレンなどの刺激剤、オンダンセトロンなどの5-HT3アンタゴニスト、シメチジンなどのH2受容体アンタゴニスト、セチリジンなどのH1受容体アンタゴニスト、タクロリムスなどの免疫調節剤、シクロスポリンAなどの免疫抑制剤、μ-アンタゴニスト、カプサイシン、カンナビノイド、アマゾンジャングルで見出された様々なクロトン属からのラテックス抽出物(例えば、zangrado(登録商標))、またはNk1アンタゴニストなどが含まれる。いくつかの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを第二の抗そう痒剤との組み合わせで、例えば、共製剤化して、または別々の投与で、投与しない。
投薬
本発明の方法において用いる製剤は、製剤がそう痒の処置のために治療的に有効なナルブフィンの血漿レベルを提供するような、制御放出製剤中にナルブフィンを組み込むことができる。投薬法は、1日1回を基本とする、1日2回を基本とする、1日3回を基本とする、または1日4回を基本とする投与に対して選択することができる。投薬の頻度は、そう痒の症状の有効な軽減を提供するためのナルブフィンの標的血漿濃度を提供するよう選択することができる。
いくつかの態様において、1回用量または2、3もしくは4回用量の合計のいずれかとしての、ナルブフィンの合計1日用量は、1日に約15mg〜1日に約480mgの範囲(例えば、1日に約15mg、1日に約20mg、1日に約25mg、1日に約30mg、1日に約35mg、1日に約40mg、1日に約45mg、1日に約50mg、1日に約55mg、1日に約60mg、1日に約65mg、1日に約70mg、1日に約75mg、1日に約80mg、1日に約85mg、1日に約90mg、1日に約95mg、1日に約100mg、1日に約105mg、1日に約110mg、1日に約115mg、1日に約120mg、1日に約125mg、1日に約130mg、1日に約135mg、1日に約140mg、1日に約145mg、1日に約150mg、1日に約155mg、1日に約160mg、1日に約165mg、1日に約170mg、1日に約175mg、1日に約180mg、1日に約185mg、1日に約190mg、1日に約195mg、1日に約200mg、1日に約205mg、1日に約210mg、1日に約215mg、1日に約220mg、1日に約225mg、1日に約230mg、1日に約235mg、1日に約240mg、1日に約245mg、1日に約250mg、1日に約255mg、1日に約260mg、1日に約265mg、1日に約270mg、1日に約275mg、1日に約280mg、1日に約285mg、1日に約290mg、1日に約295mg、1日に約300mg、1日に約305mg、1日に約310mg、1日に約315mg、1日に約320mg、1日に約325mg、1日に約330mg、1日に約335mg、1日に約340mg、1日に約345mg、1日に約350mg、1日に約355mg、1日に約360mg、約380mg、約400mg、約420mg、約440mg、約460mg、1日に約480mgまたはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)でありうる。
1つの態様において、1回用量または2、3もしくは4回用量の合計のいずれかとしての、ナルブフィンの合計1日用量は、15mg、30mg、60mg、120mg、240mg、360mg、または480mgである。例えば、尿毒症性そう痒の処置のために、1回用量または2回用量の合計のいずれかとしての、ナルブフィンの合計1日用量は120mgまたは240mgである。もう1つの例において、腎機能障害を有しない対象の処置のために、1回用量または2回用量の合計のいずれかとしての、ナルブフィンの合計1日用量は180mgまたは360mgである。
いくつかの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの最高合計1日用量は、1日1回投与しての約75mg〜約180mg、例えば、その間のすべての値または範囲を含む、1日1回投与しての約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、または約180mgである。
いくつかの態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの最高合計1日用量は、1日1回投与しての約90mg〜約360mg、例えば、その間のすべての値または範囲を含む、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、または約360mgである。
いくつかの他の態様において、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの最高合計1日用量は、腎機能障害を有する、または腎機能障害を有しないいずれの対象に対しても、約480mgである。
いくつかの態様において、投薬法は制御放出製剤の1日2回用量で、制御放出製剤中のナルブフィンの量は約15mg〜約180mg(例えば、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)である。1日2回の投薬法は、1日に約15mg〜1日に約360mg(例えば、1日に約15mg、1日に約20mg、1日に約25mg、1日に約30mg、1日に約35mg、1日に約40mg、1日に約45mg、1日に約50mg、1日に約55mg、1日に約60mg、1日に約65mg、1日に約70mg、1日に約75mg、1日に約80mg、1日に約85mg、1日に約90mg、1日に約95mg、1日に約100mg、1日に約105mg、1日に約110mg、1日に約115mg、1日に約120mg、1日に約125mg、1日に約130mg、1日に約135mg、1日に約140mg、1日に約145mg、1日に約150mg、1日に約155mg、1日に約160mg、1日に約165mg、1日に約170mg、1日に約175mg、1日に約180mg、1日に約185mg、1日に約190mg、1日に約195mg、1日に約200mg、1日に約205mg、1日に約210mg、1日に約215mg、1日に約220mg、1日に約225mg、1日に約230mg、1日に約235mg、1日に約240mg、1日に約245mg、1日に約250mg、1日に約255mg、1日に約260mg、1日に約265mg、1日に約270mg、1日に約275mg、1日に約280mg、1日に約285mg、1日に約290mg、1日に約295mg、1日に約300mg、1日に約305mg、1日に約310mg、1日に約315mg、1日に約320mg、1日に約325mg、1日に約330mg、1日に約335mg、1日に約340mg、1日に約345mg、1日に約350mg、1日に約355mg、1日に約360mg、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)の2回投与の合計1日用量を含みうる。
いくつかの態様において、1日2回の投薬法は、約60mg〜約120mg、〜約240mg、〜約360mgまたは〜約480mgの2回投与の合計1日用量を含みうる。
いくつかの態様において、1日2回の投薬法は、任意の腎機能障害を有する対象に対して約120mg〜240mg、またはいかなる腎機能障害も有しない対象に対して約180mg〜約360mgの2回投与の合計1日用量を含みうる。
いくつかの態様において、投薬法は制御放出製剤の1日3回用量で、制御放出製剤中のナルブフィンの量は約15mg〜約180mg(例えば、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)である。1日3回の投薬法は、1日に約15mg〜1日に約360mg(例えば、1日に約15mg、1日に約20mg、1日に約25mg、1日に約30mg、1日に約35mg、1日に約40mg、1日に約45mg、1日に約50mg、1日に約55mg、1日に約60mg、1日に約65mg、1日に約70mg、1日に約75mg、1日に約80mg、1日に約85mg、1日に約90mg、1日に約95mg、1日に約100mg、1日に約105mg、1日に約110mg、1日に約115mg、1日に約120mg、1日に約125mg、1日に約130mg、1日に約135mg、1日に約140mg、1日に約145mg、1日に約150mg、1日に約155mg、1日に約160mg、1日に約165mg、1日に約170mg、1日に約175mg、1日に約180mg、1日に約185mg、1日に約190mg、1日に約195mg、1日に約200mg、1日に約205mg、1日に約210mg、1日に約215mg、1日に約220mg、1日に約225mg、1日に約230mg、1日に約235mg、1日に約240mg、1日に約245mg、1日に約250mg、1日に約255mg、1日に約260mg、1日に約265mg、1日に約270mg、1日に約275mg、1日に約280mg、1日に約285mg、1日に約290mg、1日に約295mg、1日に約300mg、1日に約305mg、1日に約310mg、1日に約315mg、1日に約320mg、1日に約325mg、1日に約330mg、1日に約335mg、1日に約340mg、1日に約345mg、1日に約350mg、1日に約355mg、1日に約360mg、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)の3回投与の合計1日用量を含みうる。
いくつかの態様において、投薬法は1日1回用量で、製剤中のナルブフィンの量は約15mg〜約180mg(例えば、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)である。
いくつかの態様において、投薬法に関係なく、制御放出製剤は約15mg、約30mg、約60mg、約90mg、約120mg、または約180mgのナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む。
いくつかの態様において、ナルブフィンの1日用量は、1日1回用量、1日2回用量、または1日3回用量のいずれかで、前述のとおりに選択し、次いで患者がそう痒状態からの満足できる軽減を経験するまで上方に用量設定することができる。用量の設定は、1日1回用量、1日2回用量、または1日3回用量のいずれかで、基準の1日用量を投与し、次いで基準の第一の1日用量の有効性および/または副作用重症度を判定するための基準の1日用量値での観察期間後、対象が十分な症状軽減を経験していなければ、第一の1日用量を増やすことを含みうる。1日用量を増やす前の、基準の1日用量での観察期間は、約1日〜約21日(例えば、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、約14日、約15日、約16日、約17日、約18日、約19日、約20日、約21日)でありうる。1日用量は約5mg〜約180mg(例えば、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)の範囲の増分で用量設定することができる。1日用量は1つまたは複数の段階で用量設定することができる。1日用量は、単一の1日用量、または1日2回の投薬法の各用量を増やすことによって用量設定することができる。複数の用量設定段階がある場合、投薬を進める量は同じでもよく、または異なっていてもよい。いくつかの態様において、治療的有効性を保持しながら、1日あたりの合計投与回数を減らすために、例えば、1日2回または1日3回の投薬法における用量を下方に用量設定しうる一方で、対応する第二の用量(例えば、1日2回の投薬法において)または対応する第二および第三の用量(例えば、1日3回の投薬法において)は独立に一定に維持するか、または増やすこともできる。
いくつかの態様において、例えば、尿毒症性そう痒または腎機能障害を有する対象に対して、ナルブフィンまたは薬学的に許容される塩もしくはエステルを約15mg〜約30mgで1日1回投与し、次いで1用量あたり約30mgで1日2回を約2〜3日間、次いで1用量あたり約60mgまたは120mgで1日2回に増量する。いくつかの他の態様において、いかなる腎機能障害も有しない対象に対して、ナルブフィンまたは薬学的に許容される塩もしくはエステルを約15〜30mgで1日1回投与し、次いで1用量あたり約30mgで1日2回を約2〜3日間、次いで1用量あたり約90mgまたは180mgで1日2回に増量する。
ナルブフィンHCl溶液を食物と共に投与する場合、AUCは比較的変化がないが、Cmax値は絶食(fast)状態よりも食後状態では約1.5倍高い。錠剤投与後の曝露(AUC)は溶液の場合とほぼ同等で、絶食状態下の相対バイオアベイラビリティは94%であった。その一方で、持続放出ナルブフィン製剤では、Cmaxは鈍り(約50%)、Tmaxは食後および絶食状態の両方で、ナルブフィンHCl溶液に比べて延長された。水性溶液の経口投与後、ナルブフィンは容易に吸収されて、絶食状態での試験すべてでTmax中央値は0.5〜1時間、平均血漿半減期(T1/2)は6.87から6.99時間の間の範囲であった。
いくつかの態様において、投薬頻度および1投与あたりの投与量を、1日1回を基本に投与した場合に、そう痒の処置のためにナルブフィンの治療的に有効な血漿レベルを提供するように選択する。例えば、一定の態様において、制御放出製剤は約1.0〜約120ng/mLの平均Cmax、例えば、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.2、約2.4、約2.6、約2.8、約3.0、約3.2、約3.4、約3.6、約3.8、約4.0、約4.2、約4.4、約4.6、約4.8、約5.0、約5.2、約5.4、約5.6、約5.8、約6.0、約6.2、約6.4、約6.6、約6.8、約7.0、約7.2、約7.4、約7.6、約7.8、約8.0、約8.2、約8.4、約8.6、約8.8、約9.0、約9.2、約9.4、約9.6、約9.8、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、31、約32、約33、約34、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42、約43、約44、約45、約46、約47、約48、約49、約50、約51、約52、約53、約54、約55、約56、約57、約58、約59、約60、約61、約62、約63、約64、約65、約66、約67、約68、約69、約70、約71、約72、約73、約74、約75、約76、約77、約78、約79、約80、81、約82、約83、約84、約85、約86、約87、約88、約89、約90、約91、約92、約93、約94、約95、約96、約97、約98、約99、約100、約101、約102、約1〜3、約104、約105、約16、約107、約108、約109、約110、約111、約112、約113、約114、約115、約116、約117、約118、約119、約120ng/mL、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲の平均Cmaxを提供する。
1つの態様において、制御放出製剤は約1.9ng/mL〜約102ng/mLの平均Cmaxを提供する。もう1つの態様において、制御放出製剤は約30ng/mL〜約60ng/mLの平均Cmaxを提供する。さらにもう1つの態様において、制御放出製剤は約2ng/mL〜約15ng/mLの平均Cmaxを提供する。さらにもう1つの態様において、制御放出製剤は約5ng/mL〜約10ng/mLの平均Cmaxを提供する。さらに他の態様において、制御放出製剤は約10ng/mL〜約20ng/mLの平均Cmaxを提供する。さらに他の態様において、制御放出製剤は約20ng/mL〜約30ng/mLの平均Cmaxを提供する。さらに他の態様において、制御放出製剤は約30ng/mL〜約50ng/mLの平均Cmaxを提供する。さらに他の態様において、制御放出製剤は約50ng/mL〜約60ng/mLの平均Cmaxを提供する。
1つの態様において、制御放出製剤は、例えば、尿毒症性そう痒もしくは腎機能障害を有する対象に対して、約5ng/mL〜約85ng/mL、または、例えば、いかなる腎機能障害も有しない対象に対して、約5ng/mL〜約45ng/mLの平均Cmaxを提供する。例えば、制御放出製剤は、例えば、尿毒症性そう痒もしくは腎機能障害を有する対象に対して、約24ng/mL〜約71ng/mL、または、例えば、いかなる腎機能障害も有しない対象に対して、約13ng/mL〜約28ng/mLの平均Cmaxを提供する。
他の態様において、本発明の製剤は、約0.088(ng/mL)/mg〜約0.245(ng/mL)/mg(例えば、約0.08(ng/mL)/mg、約0.09(ng/mL)/mg、約0.1(ng/mL)/mg、約0.11(ng/mL)/mg、約0.12(ng/mL)/mg、約0.13(ng/mL)/mg、約0.14(ng/mL)/mg、約0.15(ng/mL)/mg、約0.16(ng/mL)/mg、約0.17(ng/mL)/mg、約0.18(ng/mL)/mg、約0.19(ng/mL)/mg、約0.20(ng/mL)/mg、約0.21(ng/mL)/mg、約0.22(ng/mL)/mg、約0.23(ng/mL)/mg、約0.24(ng/mL)/mg、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)の平均Cmaxを提供する。いくつかの態様において、本発明の製剤は約0.15(ng/mL)/mg〜約0.35(ng/mL)/mgの平均Cmaxを提供する。例えば、本発明にしたがい、持続放出製剤は約0.2(ng/mL)/mg〜約0.3(ng/mL)/mgの平均Cmaxを有しうる。
1つの態様において、本発明の製剤は、例えば、尿毒症性そう痒もしくは腎機能障害を有する対象に対して、約0.2(ng/mL)/mg〜約0.6(ng/mL)/mg、または、例えば、いかなる腎機能障害も有しない対象に対して、約0.15(ng/mL)/mg〜約0.25(ng/mL)/mgの平均Cmaxを提供する。例えば、本発明の製剤は、例えば、尿毒症性そう痒もしくは腎機能障害を有する対象に対して、約0.4(ng/mL)/mg〜約0.6(ng/mL)/mg、または、例えば、いかなる腎機能障害も有しない対象に対して、約0.2(ng/mL)/mg〜約0.3(ng/mL)/mgの平均Cmaxを提供する。
いくつかの態様において、投薬頻度および1投与あたりの投与量を、約1ng/mL〜約20ng/mL(例えば、約1ng/mL、約2ng/mL、約3ng/mL、約4ng/mL、約5ng/mL、約6ng/mL、約7ng/mL、約8ng/mL、約9ng/mL、約10ng/mL、約11ng/mL、約12ng/mL、約13ng/mL、約14ng/mL、約15ng/mL、約16ng/mL、約17ng/mL、約18ng/mL、約19ng/mL、約20ng/mL、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)の平均Cminを提供するように選択する。一定の態様において、投薬頻度および1投与あたりの投与量を、約2ng/mL〜約15ng/mLの平均Cminを提供するように選択する。他の態様において、投薬頻度および1投与あたりの投与量を、約5ng/mL〜約10ng/mL、10ng/mL〜約20ng/mL、20ng/mL〜約30ng/mL、30ng/mL〜約40ng/mL、40ng/mL〜約50ng/mLまたは50ng/mL〜約60ng/mLの平均Cminを提供するように選択する。
1つの態様において、投薬頻度および1投与あたりの投与量を、例えば、尿毒症性そう痒もしくは腎機能障害を有する対象および任意にプレAM投与に対して、約2ng/mL〜約45ng/mL、またはいかなる腎機能障害も有しない対象および任意にプレAM投与に対して、約0.5ng/mL〜約25ng/mLの平均Cminを提供するように選択する。もう1つの態様において、投薬頻度および1投与あたりの投与量を、例えば、尿毒症性そう痒もしくは腎機能障害を有する対象および任意にプレPM投与に対して、約5ng/mL〜約60ng/mL、またはいかなる腎機能障害も有しない対象および任意にプレPM投与に対して、約2ng/mL〜約20ng/mLの平均Cminを提供するように選択する。
一定の態様において、制御放出製剤の投薬頻度および投与量は約30ng・h/mL〜約950ng・h/mL、例えば、約30、約31、約32、約33、約34、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約45、約50、約55、約60、約65、70、75 約80、85、約90、約95、約100、約105、約110、約115、約120、約125、約130、約135、約140、約145、約150、約155、約160、165、約170、約175、約180、約185、約190、約195、約200、約205、約210、約215、約220、約225、約230、約235、約240、約245、約250 約255、約260、約265、約270、約275、約280、約285、約290、約295、約300、約305、約310、約315、約320、約325、約330、約335、約340、約345、約350、約355、約360、約365、約370、約375、約380、約35、約390、約395、約400、約405、約410、約415、約420、約425、約430、約435、約440、約445、約450、約455、約460、約465、約470、約475、約480、約485、約490、約495、約500、約505、約510、約515、約520、約525、約530、約535、約540、約545、約550、約555、約560、約565、約570、575、約580、585、約590、約595、約600、約605、約610、約615、約620、約625、約630、約635、約640 約645、約650、約655、約670、約675、約680、約685、約690、約695、約700、約705、約710、約715、約720、約725、約730、約735、約740、約745、約750、約755、約760、約765、約770、約775、約780、約785、約790、約795、約800、約805、約810、約815、約820、約825、約830、約835、約840、約845、約850、約855、約860、約865、約870、約875、約880、約885、約890、約895、約900、約905、約910、約915、約920、約925、約930、約935、約940、約945、約950ng・h/mL、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲のナルブフィンAUC(0-∞)を提供する。
1つの態様において、制御放出製剤の投薬頻度および投与量は約37ng・h/mL〜約910ng・h/mLのナルブフィンAUC(0-∞)を提供する。もう1つの態様において、制御放出製剤は約200ng・h/mL〜約500ng・h/mLのナルブフィンAUC(0-∞)を提供する。もう1つの態様において、制御放出製剤は約70ng・h/mL〜約210ng・h/mLのナルブフィンAUC(0-∞)を提供する。さらにもう1つの態様において、制御放出製剤は約50ng・h/mL〜約800ng・h/mLのナルブフィンAUC(0-∞)を提供する。さらにもう1つの態様において、制御放出製剤は約60ng・h/mL〜約720ng・h/mLのナルブフィンAUC(0-∞)を提供する。さらにもう1つの態様において、制御放出製剤は約60ng・h/mL〜約80ng・h/mLのナルブフィンAUC(0-∞)を提供する。
いくつかの態様において、制御放出製剤の投薬頻度および投与量は、例えば、尿毒症性そう痒もしくは腎機能障害を有する対象に対して、約142ng・h/mL〜約2640ng・h/mL、または、例えば、いかなる腎機能障害も有しない対象に対して、約49ng・h/mL〜約600ng・h/mLのナルブフィンAUC(0-∞)を提供する。
他の態様において、本発明の製剤は約1.392(ng*h/ml)/mg〜約3.43(ng*h/ml)/mg)(例えば、約1.4(ng*h/ml)、約1.5(ng*h/ml)、約1.6(ng*h/ml)、約1.7(ng*h/ml)、約1.8(ng*h/ml)、約1.9(ng*h/ml)、約2.0(ng*h/ml)、約2.1(ng*h/ml)、約2.2(ng*h/ml)、約2.3(ng*h/ml)、約2.4(ng*h/ml)、約2.5(ng*h/ml)、約2.6(ng*h/ml)、約2.7(ng*h/ml)、約2.8(ng*h/ml)、約2.9(ng*h/ml)、約3.0(ng*h/ml)、約3.1(ng*h/ml)、約3.2(ng*h/ml)、約3.3(ng*h/ml)、約3.4(ng*h/ml)、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)のナルブフィンAUC(0-inf)を提供する。
いくつかの態様において、本発明の製剤は約20(ng*h/ml)/mg〜約500(ng*h/ml)/mgのナルブフィンAUC(0-inf)を提供する。いくつかの他の態様において、本発明の製剤は約30(ng*h/ml)/mg〜約450(ng*h/ml)/mgのナルブフィンAUC(0-inf)を提供する。さらにいくつかの他の態様において、本発明の製剤は約30(ng*h/ml)/mg〜約150(ng*h/ml)/mgのナルブフィンAUC(0-inf)を提供する。
いくつかの他の態様において、制御放出製剤の投薬頻度および投与量は、例えば、尿毒症性そう痒もしくは腎機能障害を有する対象に対して、約40ng・h/mL〜約800ng・h/mL(50ng・h/mL、60ng・h/mL、70ng・h/mL、80ng・h/mL、90ng・h/mL、100ng・h/mL、120ng・h/mL、140ng・h/mL、160ng・h/mL、180ng・h/mL、200ng・h/mL、300ng・h/mL、400ng・h/mL、500ng・h/mL、600ng・h/mL、700ng・h/mL、750ng・h/mL、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)、または、例えば、いかなる腎機能障害も有しない対象に対して、約30ng・h/mL〜約360ng・h/mL(40ng・h/mL、50ng・h/mL、60ng・h/mL、70ng・h/mL、80ng・h/mL、90ng・h/mL、100ng・h/mL、120ng・h/mL、140ng・h/mL、160ng・h/mL、180ng・h/mL、200ng・h/mL、220ng・h/mL、240ng・h/mL、260ng・h/mL、280ng・h/mL、300ng・h/mL、320ng・h/mL、360ng・h/mLまたはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)のナルブフィンAUCtauを提供する。
さらにいくつかの他の態様において、制御放出製剤の投薬頻度および投与量は、例えば、尿毒症性そう痒または腎機能障害を有する対象に対して、30mg BIDで約1.5ng/mLの平均Cmaxおよび約20h.ng/mLのAUC(0-inf)を提供する。さらにいくつかの他の態様において、制御放出製剤の投薬頻度および投与量は、例えば、尿毒症性そう痒または腎機能障害を有する対象に対して、120mg BIDで約120ng/mLの平均Cmaxおよび約2000h.ng/mLのAUC(0-inf)を提供する。さらにいくつかの他の態様において、制御放出製剤の投薬頻度および投与量は、例えば、尿毒症性そう痒または腎機能障害を有する対象に対して、180mg BIDで約195ng/mLの平均Cmaxおよび約4100h.ng/mLのAUC(0-inf)を提供する。さらにいくつかの他の態様において、制御放出製剤の投薬頻度および投与量は、例えば、尿毒症性そう痒または腎機能障害を有する対象に対して、240mg BIDで約60ng/mLの平均Cmaxおよび約1600h.ng/mLのAUC(0-inf)を提供する。
いくつかの態様において、制御放出製剤の投薬頻度および投与量は、例えば、いかなる腎機能障害も有しない対象に対して、30mg BIDで約1.5ng/mLの平均Cmaxおよび約20h.ng/mLのAUC(0-inf)を提供する。いくつかの他の態様において、制御放出製剤の投薬頻度および投与量は、例えば、いかなる腎機能障害も有しない対象に対して、60mg BIDで約22ng/mLの平均Cmaxおよび約300h.ng/mLのAUC(0-inf)を提供する。いくつかの態様において、制御放出製剤の投薬頻度および投与量は、例えば、いかなる腎機能障害も有しない対象に対して、180mg BIDで約60ng/mLの平均Cmaxおよび約700h.ng/mLのAUC(0-inf)を提供する。
一定の態様において、本発明の方法は、ナルブフィンを含むレスキュードーズを投与して、そう痒の飛躍的軽減を提供する段階をさらに含みうる。レスキュードーズはナルブフィンを約1mg〜約60mg(例えば、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)の量で含みうる。いくつかの態様において、レスキュードーズは約3mg〜約30mgのナルブフィンを含む。他の態様において、レスキュードーズは約3mg〜約45mgのナルブフィンを含む。レスキュードーズは非経口、即時放出製剤での経口、または口腔、舌下、鼻内、もしくは直腸剤形として投与することができる。いくつかの態様において、レスキュードーズは錠剤、カプセル剤、溶液、ロゼンジ、または坐剤である。他の態様において、レスキュードーズは、即時放出層中のナルブフィンのレスキュードーズを含む二層錠を介して投与することもでき、錠剤は長期放出層中のナルブフィン用量をさらに含む。
いくつかの態様において、本発明の方法は1日2回投薬法を用い、第一の1日用量は第二の1日用量よりも少ない。例えば、いくつかの態様において、第二の1日用量は第一の1日用量よりも約5mg〜約180mg多い(例えば、約5mg多い、約10mg多い、約15mg多い、約20mg多い、約25mg多い、約30mg多い、約35mg多い、約40mg多い、約45mg多い、約50mg多い、約55mg多い、約60mg多い、約65mg多い、約70mg多い、約75mg多い、約80mg多い、約85mg多い、約90mg多い、約95mg多い、約100mg多い、約105mg多い、約110mg多い、約115mg多い、約120mg多い、約125mg多い、約130mg多い、約135mg多い、約140mg多い、約145mg多い、約150mg多い、約155mg多い、約160mg多い、約165mg多い、約170mg多い、約175mg多い、約180mg多い、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)。
いくつかの態様において、ナルブフィンの第二の1日用量を前述のとおりに選択し、次いで患者がそう痒状態からの満足できる軽減を経験するまで上方に用量設定することができる。用量の設定は、基準の第二の1日用量を投与し、次いで基準の第二の1日用量の有効性および/または副作用重症度を判定するための基準の第二の1日用量値での観察期間後、対象が十分な症状軽減を経験していなければ、第二の1日用量を増やすことを含みうる。第二の1日用量を増やす前の、基準の第二の1日用量での観察期間は、約1日〜約21日(例えば、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、約14日、約15日、約16日、約17日、約18日、約19日、約20日、約21日)でありうる。第二の1日用量は約5mg〜約180mg(例えば、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)の範囲の増分で用量設定することができる。第二の1日用量は1つまたは複数の段階で用量設定することができる。複数の用量設定段階がある場合、投薬を進める量は同じでもよく、または異なっていてもよい。
いくつかの態様において、本発明の方法は1日2回投薬法を用い、第一の1日用量は第二の1日用量よりも多い。例えば、いくつかの態様において、第一の1日用量は第二の1日用量よりも約5mg〜約180mg多い(例えば、約5mg多い、約10mg多い、約15mg多い、約20mg多い、約25mg多い、約30mg多い、約35mg多い、約40mg多い、約45mg多い、約50mg多い、約55mg多い、約60mg多い、約65mg多い、約70mg多い、約75mg多い、約80mg多い、約85mg多い、約90mg多い、約95mg多い、約100mg多い、約105mg多い、約110mg多い、約115mg多い、約120mg多い、約125mg多い、約130mg多い、約135mg多い、約140mg多い、約145mg多い、約150mg多い、約155mg多い、約160mg多い、約165mg多い、約170mg多い、約175mg多い、約180mg多い、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)。
いくつかの態様において、ナルブフィンの第一の1日用量を前述のとおりに選択し、次いで患者がそう痒状態からの満足できる軽減を経験するまで上方に用量設定することができる。用量の設定は、基準の第一の1日用量を投与し、次いで基準の第一の1日用量の有効性および/または副作用重症度を判定するための基準の第一の1日用量値での観察期間後、対象が十分な症状軽減を経験していなければ、第一の1日用量を増やすことを含みうる。第一の1日用量を増やす前の、基準の第一の1日用量での観察期間は、約1日〜約21日(例えば、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、約14日、約15日、約16日、約17日、約18日、約19日、約20日、約21日)でありうる。第一の1日用量は約5mg〜約180mg(例えば、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)でありうる。
設定用量は約5mg〜約180mg(例えば、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)の範囲の増分でありうる。第一の1日用量は1つまたは複数の段階で用量設定することができる。複数の用量設定段階がある場合、投薬を進める量は同じでもよく、または異なっていてもよい。
したがって、基準用量および1つまたは複数の設定用量を含む、設定用量を伴う1日1回投薬法の合計1日用量は、約5mg〜約180mg(例えば、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)でありうる。
1つの態様において、初期用量は約15mg〜約30mgを1日1回、1日もしくは2日間、次いで約30mgを1日2回、2〜3日間で、次いで、例えば、尿毒症性そう痒もしくは腎機能障害を有する対象に対して、約60mgもしくは120mgを1日2回まで、または腎機能障害を有しない対象に対して、約90mgもしくは180mgを1日2回まで増やす。
1つの態様において、本発明の方法は、ヒト患者におけるそう痒の処置であって、(a)そう痒を患っているヒト患者に約15mg、30mgまたは60mgのナルブフィンを含む制御放出製剤中のナルブフィンの初期投薬法を1日1回または1日2回を基本に経口投与する段階;(b)処置の少なくとも約1、2または3日後に患者のそう痒の処置におけるナルブフィンの投薬法の有効性を判定する段階;および(c)該患者のそう痒の処置の有効性を改善するために、段階(b)で得た情報に基づき、経口制御放出ナルブフィン製剤の用量および/または投薬感覚を調節する段階を含む処置を含む。
他の態様において、初期投薬は約15mg、30mg、または60mgを1日1回または1日2回であり、有効な投薬は、例えば、あらかじめ決定したスケジュール、例えば、約2もしくは3日後に約15mg、30mgもしくは60mgの増分に基づき、または患者を処置している医師によって設計されたスケジュールに基づき、用量設定を介して得る。
いくつかの他の態様において、最高1日用量は約75mg、150mg、180mg、もしくは240mgを1日1回、または240mg、360mg、480mg、600mg、もしくは720mgを1日2回である。1つの態様において、最高1日用量は、例えば、腎機能障害を有する、または有しない対象に対して、約240mgを1日1回、または480mgを1日2回である。
いくつかの態様において、投薬法の有効性は、そう痒視覚的アナログ尺度(Pruritis Visual Analog Scale、VAS)試験での評価により判定することができる。1つの態様において、投薬法の有効性は、点数評価尺度(Numerical Rating Scale、NRS)での評価により判定することもできる。さらにいくつかの他の態様において、投薬法の有効性は、医学的転帰試験(Medical Outcomes Study、MOS)、かゆみMOS睡眠尺度(Itch MOS Sleep scale)、院内不安およびうつ尺度(Hospital Anxiety and Depression Scale、HADS)、患者評価による疾患重症度尺度、もしくはSkindex-10またはその組み合わせと関連した点数評価尺度(NRS)での評価により判定することもできる。さらにもう1つの態様において、投薬法の有効性は、NRS独立で、またはItchAppによる患者の総合評価(Patient Global Assessment、PGA)、vPGA、皮膚疾患の生活の質指標(Dermatology Life Quality Index、DLQI)、患者の利益指標(Patient Benefit Index、PBI)、MOS睡眠尺度、もしくはHADSまたはその組み合わせと関連しての評価により判定することもできる。さらにもう1つの態様において、投薬法の有効性は、NRS独立で、または痒疹活動性スコア(Prurigo Activity Score、PAS)、アクティグラフィーを用いての夜間ひっかき行動、神経線維密度およびMOR/KOR密度と関連しての評価により判定することもできる。
他の態様において、ナルブフィンの用量の有効性の判定は、そう痒視覚的アナログ尺度(VAS)試験、簡易かゆみ調査票(Brief Itching Inventory)、Skindex-10、睡眠のかゆみMOS、ベックうつ病指数(Beck Depression Index)、およびそう痒疾患重症度の患者分類(Patient Categorization of Pruritus Disease Severity)からなる群より選択される手段を用いての患者のそう痒症状の評価を含みうる。
いくつかの態様において、対象、例えば、ヒトまたは動物患者を最初は1日2回投薬法で処置し、次いで第一の1日用量、第二の1日用量、または両方を用量設定して、患者のそう痒症状を処置するのに有効な合計1日用量に達した後、投薬法を1日1回投薬に変更することができる。次いで、1日2回投薬の各用量を本明細書において前述したとおりにさらに用量設定して、ナルブフィンの治療的に有効な1日1回投薬を提供することができる。したがって、いくつかの態様において、投薬法は1日2回用量であり、第一および第二の用量をそれぞれ用量設定して、最大の治療効果および/または最小の副作用重症度を達成することができる。したがって、いくつかの態様において、1日2回投薬法の第一および第二の用量はそれぞれ約5mg〜約240mg(例えば、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mgまたはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)でありうる。
いくつかの態様において、1日2回投薬法の第一および第二の1日用量はそれぞれ、約5mg〜約240mg(例えば、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mgまたはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)の量で独立に用量設定しうる。1日2回投薬法の第一および第二の用量は、1つまたは複数の段階で独立に用量設定しうる。複数の用量設定段階がある場合、投薬を進める量は同じでもよく、または異なっていてもよい。
したがって、各投与のための基準用量および各投与のための1つまたは複数の設定用量を独立に含む、1日2回投薬法の合計1日用量は、1日に約5mg〜1日に約480mg(例えば、1日に約15mg、1日に約20mg、1日に約25mg、1日に約30mg、1日に約35mg、1日に約40mg、1日に約45mg、1日に約50mg、1日に約55mg、1日に約60mg、1日に約65mg、1日に約70mg、1日に約75mg、1日に約80mg、1日に約85mg、1日に約90mg、1日に約95mg、1日に約100mg、1日に約105mg、1日に約110mg、1日に約115mg、1日に約120mg、1日に約125mg、1日に約130mg、1日に約135mg、1日に約140mg、1日に約145mg、1日に約150mg、1日に約155mg、1日に約160mg、1日に約165mg、1日に約170mg、1日に約175mg、1日に約180mg、1日に約185mg、1日に約190mg、1日に約195mg、1日に約200mg、1日に約205mg、1日に約210mg、1日に約215mg、1日に約220mg、1日に約225mg、1日に約230mg、1日に約235mg、1日に約240mg、1日に約245mg、1日に約250mg、1日に約255mg、1日に約260mg、1日に約265mg、1日に約270mg、1日に約275mg、1日に約280mg、1日に約285mg、1日に約290mg、1日に約295mg、1日に約300mg、1日に約305mg、1日に約310mg、1日に約315mg、1日に約320mg、1日に約325mg、1日に約330mg、1日に約335mg、1日に約340mg、1日に約345mg、1日に約350mg、1日に約355mg、1日に約360mg、約390mg、約420mg、約450mg、約480mgまたはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)でありうる。
いくつかの態様において、本発明の方法は1日3回投薬法を用い、第一の1日用量は第二および第三の1日用量よりも少ない。例えば、いくつかの態様において、第二および第三の1日用量はそれぞれ独立に第一の1日用量よりも約5mg〜約240mg多い(例えば、約5mg多い、約10mg多い、約15mg多い、約20mg多い、約25mg多い、約30mg多い、約35mg多い、約40mg多い、約45mg多い、約50mg多い、約55mg多い、約60mg多い、約65mg多い、約70mg多い、約75mg多い、約80mg多い、約85mg多い、約90mg多い、約95mg多い、約100mg多い、約105mg多い、約110mg多い、約115mg多い、約120mg多い、約125mg多い、約130mg多い、約135mg多い、約140mg多い、約145mg多い、約150mg多い、約155mg多い、約160mg多い、約165mg多い、約170mg多い、約175mg多い、約180mg多い、190mg、200mg、210mg、220mg、230mg、240mgまたはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)こともある。
いくつかの態様において、ナルブフィンの1日3回投薬法の第一、第二および第三の用量をそれぞれ前述のとおりに選択し、次いで患者がそう痒状態からの満足できる軽減を経験するまで上方に用量設定することができる。用量の設定は、基準の用量を投与し、次いで基準の用量の有効性および/または副作用重症度を判定するための基準の用量値での観察期間後、対象が十分な症状軽減を経験していなければ、用量を増やすことを含みうる。第一、第二および第三の用量のいずれかの基準用量での観察期間は、約1日〜約21日(例えば、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、約14日、約15日、約16日、約17日、約18日、約19日、約20日、約21日)でありうる。用量(例えば、1日3回投薬法の3つの用量のいずれか1つ)は約5mg〜約180mg(例えば、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)の範囲の増分で用量設定することができる。第二の1日用量は1つまたは複数の段階で用量設定することができる。複数の用量設定段階がある場合、投薬を進める量は同じでもよく、または異なっていてもよい。
他の態様において、本発明の方法は1日3回投薬法を用い、第一の1日用量は第二および第三の1日用量よりも多い。例えば、いくつかの態様において、第一の1日用量は第二および第三の1日用量よりも約5mg〜約240mg多い(例えば、約5mg多い、約10mg多い、約15mg多い、約20mg多い、約25mg多い、約30mg多い、約35mg多い、約40mg多い、約45mg多い、約50mg多い、約55mg多い、約60mg多い、約65mg多い、約70mg多い、約75mg多い、約80mg多い、約85mg多い、約90mg多い、約95mg多い、約100mg多い、約105mg多い、約110mg多い、約115mg多い、約120mg多い、約125mg多い、約130mg多い、約135mg多い、約140mg多い、約145mg多い、約150mg多い、約155mg多い、約160mg多い、約165mg多い、約170mg多い、約175mg多い、約180mg多い、約190mg多い、約200mg多い、約210mg多い、約220mg多い、約230mg多い、約240mg多い、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)。
いくつかの態様において、1日3回投薬法の第一、第二および第三の用量をそれぞれ前述のとおりに選択し、次いで患者がそう痒状態からの満足できる軽減を経験するまで上方に用量設定することができる。用量の設定は、基準の用量を投与し、次いで基準の用量の有効性および/または副作用重症度を判定するための基準の用量値での観察期間後、対象が十分な症状軽減を経験していなければ、用量を増やすことを含みうる。基準の用量は約5mg〜約240mg(例えば、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)でありうる。
設定用量は約5mg〜約240mg(例えば、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)の範囲の増分でありうる。第一、第二および第三の用量は1つまたは複数の段階で用量設定することができる。複数の用量設定段階がある場合、投薬を進める量は同じでもよく、または異なっていてもよい。したがって、基準用量および1つまたは複数の設定用量を含む、設定用量を伴う1日3回投薬法の合計1日用量は、約5mg〜約480mg(例えば、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約210mg、約240mg、約270mg、約300mg、約330mg、約360mg、約390mg、約420mg、約450mg、約480mg、またはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)でありうる。
したがって、各投与のための基準用量および各投与のための1つまたは複数の設定用量を独立に含む、1日3回投薬法の合計1日用量は、1日に約5mg〜1日に約480mg(例えば、1日に約15mg、1日に約20mg、1日に約25mg、1日に約30mg、1日に約35mg、1日に約40mg、1日に約45mg、1日に約50mg、1日に約55mg、1日に約60mg、1日に約65mg、1日に約70mg、1日に約75mg、1日に約80mg、1日に約85mg、1日に約90mg、1日に約95mg、1日に約100mg、1日に約105mg、1日に約110mg、1日に約115mg、1日に約120mg、1日に約125mg、1日に約130mg、1日に約135mg、1日に約140mg、1日に約145mg、1日に約150mg、1日に約155mg、1日に約160mg、1日に約165mg、1日に約170mg、1日に約175mg、1日に約180mg、1日に約185mg、1日に約190mg、1日に約195mg、1日に約200mg、1日に約205mg、1日に約210mg、1日に約215mg、1日に約220mg、1日に約225mg、1日に約230mg、1日に約235mg、1日に約240mg、1日に約245mg、1日に約250mg、1日に約255mg、1日に約260mg、1日に約265mg、1日に約270mg、1日に約275mg、1日に約280mg、1日に約285mg、1日に約290mg、1日に約295mg、1日に約300mg、1日に約305mg、1日に約310mg、1日に約315mg、1日に約320mg、1日に約325mg、1日に約330mg、1日に約335mg、1日に約340mg、1日に約345mg、1日に約350mg、1日に約355mg、1日に約360mg、1日に約390mg、1日に約420mg、1日に約450mg、1日に約480mgまたはその中の任意の他の値もしくは値の範囲)でありうる。
いくつかの態様において、対象、例えば、ヒトまたは動物患者を最初は1日3回投薬法で処置し、次いで第一の1日用量、第二の1日用量、および/または第三の1日用量を用量設定して、患者のそう痒症状を処置するのに有効な合計1日用量に達した後、投薬法を1日2回投薬または1日1回投薬のいずれかに変更することができる。1日3回投薬の各用量を本明細書において前述したとおりにさらに用量設定して、ナルブフィンの治療的に有効な1日1回投薬を提供することができる。
さらに他の態様において、1日3回投薬法の第二の用量は、第一および第三の用量よりも多くてもよい。さらに他の態様において、第三の1日用量は、第一および第二の用量のそれぞれよりも多くてもよい。さらに、前述のとおり、1日3回投薬法の第一、第二および第三の用量のそれぞれを、他の2つの用量とは独立に、治療的に有効な投薬法に達するまで用量設定してもよい。
いくつかの態様において、単一の1日用量を夕刻または就寝前に投与することができる。他の態様において、単一の1日用量を朝に投与することもできる。いくつかの態様において、単一の1日用量を真昼頃(例えば、午前約11時〜午後約1時)に投与することもできる。1日2回投薬法において、2つの用量を朝夕に投与してもよい。1日3回投薬法において、3つの用量を1つの用量を朝に与え、1つの用量を真昼に与え、1つの用量を夕刻に与えて投与してもよい。
いくつかの態様において、本発明の方法は、対象、例えば、ヒトまたは動物患者におけるそう痒の処置であって、そう痒を患っている対象、例えば、ヒトまたは動物患者に、μ-オピオイド受容体アンタゴニストである薬学的化合物およびκ-オピオイド受容体アゴニストである薬学的化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルからなる薬物の有効量を投与する段階を含む処置を含む。一定の態様において、μ-オピオイド受容体アンタゴニストである薬学的化合物およびκ-オピオイド受容体アゴニストである薬学的化合物は同じである。いくつかの態様において、化合物はナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。
一定の態様において、抗そう痒剤はナルブフィンであり、代謝物にはグルクロニド(フェノールおよびシクロヘキサン環上が多い)、2つのヒドロキシル化ナルブフィン代謝物(シクロブタン環上)および3つのケトン(シクロブタン環のヒドロキシル化と、続くカルボニルへの酸化)が含まれる。いくつかの態様において、ナルブフィン代謝物にはノルナルブフィン、6-ケトナルブフィンおよびナルブフィン3-グルクロニドが含まれる。いくつかの他の態様において、ナルブフィン代謝物には三重ヒドロキシル化ナルブフィン、モノヒドロキシル化ナルブフィン、もしくはモノグルクロン酸抱合ナルブフィンまたはその組み合わせが含まれる。一定の態様において、抗そう痒剤の1つまたは複数の代謝物は検出可能な抗そう痒活性を有しない。他の態様において、抗そう痒剤の代謝物の1つまたは複数は抗そう痒活性を示す。
抗そう痒剤の1つまたは複数の代謝物が抗そう痒活性を示す態様において、抗そう痒剤の投薬法を、抗そう痒活性を示す1つまたは複数の代謝物のクリアランス速度に依存して、本明細書において前述したとおりに調節および/または用量設定してもよい。抗そう痒剤の用量のそのような用量調節および/または用量設定を実施して、抗そう痒剤および/または同じく抗そう痒活性を示しうる1つもしくは複数の代謝物の蓄積を防止し、本発明の抗そう痒剤で処置した患者における毒性効果を避けることができる。
いくつかの態様において、抗そう痒剤は完全に代謝されている(例えば、約100%代謝されている)。他の態様において、抗そう痒剤は完全には代謝されていない(例えば、約100%未満が代謝されている)。例えば、いくつかの態様において、抗そう痒剤は約100%代謝されている、約95%代謝されている、約90%代謝されている、約85%代謝されている、約80%代謝されている、約75%代謝されている、約70%代謝されている、約65%代謝されている、約60%代謝されている、約55%代謝されている、約50%代謝されている、約45%代謝されている、約40%代謝されている、約35%代謝されている、約25%代謝されている、約20%代謝されている、約15%代謝されている、約10%代謝されている、約5%代謝されている、約1%代謝されている、または約0%代謝されている。一定の態様において、透析可能な抗そう痒剤の量を、蓄積のレベル、例えば、抗そう痒剤またはその代謝物の1つもしくは複数の血漿レベルによって測定またはモニターすることができる。
いくつかの態様において、本発明の方法は、抗そう痒剤、またはその1つもしくは複数の代謝物のいずれかの血漿濃度をモニターする段階をさらに含みうる。そのようなモニターする段階は、日常的血液検査による患者の血中の抗そう痒剤、またはその1つもしくは複数の代謝物の濃度の測定によって実施しうる。そのような検査は、抗そう痒剤、またはその1つもしくは複数の代謝物のピーク血漿濃度を判定するのに適した間隔で行いうる。本明細書において前述した用量の設定は、本発明の方法において抗そう痒剤、またはその1つもしくは複数の代謝物の安全なレベルを維持するために、血液検査(そう痒軽減の治療的レベルを判定するために本明細書において前述した定量的尺度に加えて)によっても行うことができる。抗そう痒剤、またはその1つもしくは複数の代謝物のクリアランス速度が確立されれば、適切な投薬法を選択して、本明細書において前述したとおりに標的CmaxおよびAUC(0-∞)範囲を提供することができる。
本発明のいくつかの態様にしたがい、本発明の方法のナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの投与は、統計学的に有意な治療効果を提供する。1つの態様において、統計学的に有意な治療効果は、米国の1つもしくは複数の規制当局、例えば、FDA、または他の国によって提供される1つまたは複数の標準または基準に基づいて判定する。もう1つの態様において、統計学的に有意な治療効果は、規制当局が承認した臨床試験の設定および/または手順から得た結果に基づいて判定する。
いくつかの態様において、統計学的に有意な治療効果は、少なくとも100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000または2000名の患者集団に基づいて判定する。いくつかの態様において、統計学的に有意な治療効果は、無作為二重盲検臨床試験の設定から得たデータに基づいて判定する。いくつかの態様において、統計学的に有意な治療効果は、約0.05、0.04、0.03、0.02または0.01以下のp値を有するデータに基づいて判定する。いくつかの態様において、統計学的に有意な治療効果は、95%、96%、97%、98%または99%以上の信頼区間を有するデータに基づいて判定する。いくつかの態様において、統計学的に有意な治療効果は、例えば、米国のFDAによる、本発明により提供する方法の第III相臨床試験の承認後に判定する。
いくつかの態様において、統計学的に有意な治療効果は、ナルブフィンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルにより、任意に標準のケアとの組み合わせで処置した、少なくとも300または350名の患者集団の無作為二重盲検臨床試験によって判定する。いくつかの態様において、統計学的に有意な治療効果は、少なくとも300または350名の患者集団の無作為臨床試験によって、一次有効性パラメーターとしてNRSを、任意にそう痒評価のための任意の他の一般に許容される基準との組み合わせで用いて判定する。
一般には、統計解析は、規制当局、例えば、米国のFDAまたは欧州もしくは任意の他の国によって許可された任意の適切な方法を含みうる。いくつかの態様において、統計解析は、非層別解析、例えば、カプラン-マイヤー、ヤコブソン-トルアックス、グリケン-ロード-ノビック、エドワーズ-ナナリー、ハーゲマン-アリンデルおよび階層線形モデル(HLM)からの対数順位解析、ならびにコックス回帰分析を含む。
以下の非限定例は、本発明の様々な局面を例示する。
実施例1〜3
3つの持続放出送達系を、高速混合/造粒機中でキサンタンガム、ローカストビーンガム、硫酸カルシウム二水和物、およびマンニトールを3分間乾式混合することにより調製した。チョッパー/撹拌羽根を運転しながら、水を環式混合した混合物に噴霧し、さらに6分間造粒した。次いで、造粒工程を停止し、混合機/造粒ボウルを掻き取った。チョッパー/撹拌羽根を運転しながら、顆粒をもう1分間混合した。顆粒の一貫性をチェックした後、チョッパー/撹拌羽根を運転しながら、水を顆粒に追加し、さらに3.5分間造粒した。次いで、顆粒をLOD(乾燥減量)が約4重量%になるまで乾燥した。次いで、#1521-0033のふるいを用いて顆粒を製粉した。成分の相対量を表1に示す。
(表1)
1注射用無菌水, USPは加工中に除去する。
実施例4〜7
異なる量のガムを含む一連の錠剤を、実施例3の持続放出送達系を用いて調製した。1錠あたりの成分の量を表2に示す。
錠剤を、混合機中でナルブフィンを持続放出送達系を混合することによって調製した。ステアリン酸マグネシウムを#30メッシュのふるいを通し、次いでナルブフィンおよび持続放出送達系を含む乾燥混合物と混合した。この滑沢剤を含む混合物を、表2に明記した金型(tooling)を用いて圧縮し、示した合計重量の錠剤を作製した。
実施例4〜7の錠剤を、USP薬物放出性一般試験法<711>溶出試験法(USP Procedure Drug Release General Chapter <711> Dissolution)に従い、器具USP Type III/250 mLを用いて、インビトロでの放出率%について試験した。試験は100mMリン酸アンモニウム緩衝液中、pH6.8、37℃/15dpm(1分あたりの浸漬数)で実施した。結果を表3に示す。
実施例8〜10
異なる量のガムおよび異なる持続放出送達系を含む一連の錠剤を、実施例1および2の持続放出送達系を用いて調製した。1錠あたりの成分の量を表4に示す。
(表4)
2実施例1の持続放出送達系
3実施例2の持続放出送達系
錠剤を、実施例8では混合機中で、実施例9および10では高せん断造粒機中で、ナルブフィンを持続放出送達系とまず混合することによって調製した。実施例9および10では、次いで混合物を水により一貫した顆粒が得られるまで造粒し、続いて流動層乾燥器中、70℃で30分間乾燥した。次いで、乾燥した顆粒を、1521-0050のふるいを用い、2500rpmでFitzmillを通した。ステアリン酸マグネシウムを#30メッシュのふるいを通し、次いで実施例9および10では製粉した顆粒と、実施例8では乾燥混合物と5分間混合した。滑沢剤を含む混合物を、表4に明記した金型を用いて圧縮し、示した合計重量の錠剤を作製した。
実施例8〜10の錠剤を、USP薬物放出性一般試験法<711>溶出試験法に従い、器具USP Type III/250 mLを用いて、インビトロでの放出率%について試験した。試験は37℃/15dpmでpHを変化させて実施した。pH変化は以下のとおりであった:最初の1時間はpH1.2、次の1時間はpH4.5、および2時間経過後、試験期間中はpH6.8。結果を表5に示す。
実施例11〜16
微結晶セルロース(Emococel 90M)と組み合わせたガムの量の効果を判定するために、6つのバッチの錠剤を実施例3の持続放出送達系を用いて調製した。実施例11〜16で用いた活性成分:ガムの比の範囲は1:0.25から1:0.5の間で変動した。錠剤の組成を表6に示す。
実施例11〜15の錠剤を、まずステアリン酸マグネシウムを#30メッシュのふるいを通すことによって調製した。次いで混合機中でナルブフィンを持続放出送達系、およびステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。滑沢剤を含む混合物を、表6に明記した金型を用いて圧縮し、示した合計重量の錠剤を作製した。
実施例16の錠剤を、高せん断造粒機中でナルブフィンを持続放出送達系と混合することによって調製した。次いで混合物を水により一貫した顆粒が得られるまで造粒した。次いで、顆粒を流動層乾燥器中、70℃で40分間乾燥した。次いで、乾燥した顆粒を、1521-0050のふるいを用い、2500rpmでFitzmillを通した。ステアリン酸マグネシウムを430メッシュのふるいを通し、次いで製粉した顆粒と5分間混合した。滑沢剤を含む混合物を、表6に明記した金型を用いて圧縮し、示した合計重量の錠剤を作製した。
実施例11〜16の錠剤を、USP薬物放出性一般試験法<711>溶出試験法に従い、器具USP Type III/250 mLを用いて、インビトロでの放出率%について試験した。試験は、実施例8〜10について前述したとおりに、37℃/15dpmでpHを変化させて実施した。結果を表7に示す。
実施例17および18
二層錠の2つのバッチを、実施例2の持続放出送達系を用いて調製した(実施例17および18)。二層錠において、錠剤の第一の層は比較的遅い持続放出を提供するよう製剤化し;第二の層は比較的速い(即時)放出を提供するよう製剤化した。二層錠のインビトロ溶解特性を、持続放出を提供するよう製剤化した単層錠(実施例9)の溶解特性と比較した。錠剤の組成を表8に示す。
長期放出層のために、高せん断造粒機中でナルブフィンを持続放出送達系と3分間混合した。混合物を水により一貫した顆粒が得られるまで造粒し、次いで湿った塊を流動層乾燥器中、70℃で20分間乾燥した。次いで、乾燥した顆粒を、1521-0050のふるいを用い、2500rpmでFitzmillを通した。即時放出層のために、Vブレンダー中でナルブフィンを持続放出送達系、微結晶セルロース(Emcocel(登録商標)90M)、およびクロスカルメロースナトリウム、NF(Primellose(登録商標))と10分間混合した。ステアリン酸マグネシウムを#30メッシュのふるいを通した。徐放層の製粉した顆粒をふるったステアリン酸マグネシウムと、Vブレンダー中で5分間混合し、即時放出層の乾燥混合物をふるったステアリン酸マグネシウムと、Vブレンダー中で5分間、別々に混合した。次いで、この長期放出層の滑沢剤を含む混合物および即時放出層を、表8に明記した金型を用いて二層錠に圧縮し、示した合計重量の錠剤を作製した。
実施例17〜18の錠剤を、USP薬物放出性一般試験法<711>溶出試験法に従い、器具USP Type III/250 mLを用いて、インビトロでの放出率%について試験した。試験は、実施例8〜10について前述したとおりに、37℃/15dpmで実施例8〜10について前述したとおりにpHを変化させて実施した。結果を表9に示す。二層錠の溶解特性を単層錠と比較するために、実施例9の溶解データも表9に示す。
実施例19および20
臨床試験のために、二層錠の1バッチおよび単層錠の1バッチを、実施例2の持続放出送達系を用いて調製した。錠剤の第一の層は比較的遅い持続放出を提供するよう製剤化し;第二の層は比較的速い(即時放出)を提供するよう製剤化した。錠剤の組成を表10に示す。
(表10)
・注射用無菌水, USPは加工中に除去する。
6実施例2の持続放出送達系
実施例19および20の長期放出層のために、高せん断造粒機(6リットルのDiosna-Pharma Mixer 1/6)中、撹拌羽根速度を300rpm、チョッパーをオフにして、ナルブフィンを持続放出送達系と5分間混合した。混合機が停止した後、ボウルを掻き取り、試料をLOD用に採取した。撹拌羽根およびチョッパーを300rpmで運転しながら、混合物を水と共に2分間造粒した。混合機が停止した後、ボウルを掻き取った。撹拌羽根速度を500rpm、チョッパー速度を300rpmで運転しながら、さらに1分間混合することにより造粒を続けた。混合終了時に、ボウルを掻き取った。撹拌羽根およびチョッパーを300rpmで運転しながら、水(約50.0g)を追加し、実施例19では2分間、実施例20では1分間造粒した。一貫した顆粒を達成するために、顆粒を実施例19ではさらに3分間、実施例20では1分間、撹拌羽根およびチュッパーをそれぞれ500および300rpmで運転しながら混合した。次いで、湿った塊をUni-Glatt流動層乾燥器中、70℃で30分間乾燥した。次いで、乾燥した顆粒を、1521-0033のふるいを用い、ナイフを順方向に2200〜2700rpmの速度でFitzmillを通した。ステアリン酸マグネシウムを#30メッシュのふるいを通した。実施例19および20の長期放出層の製粉した顆粒をふるったステアリン酸マグネシウムと、4クォートのステンレス製シェルのVブレンダー中で5分間別々に混合した。
実施例20のために、長期放出層の滑沢剤を含む混合物を、Piccola錠剤プレスで表11に明記した金型を用いて単層錠に圧縮し、示した合計重量の錠剤を作製した。
実施例19の即時放出層部分において、P-K Blend Master Vブレンダー中でナルブフィンを微結晶セルロース(Emcocel 90M)と5分間混合した。混合物に、クロスカルメロースナトリウム、NF(Primellose(登録商標))を加え、5分間混合した。ステアリン酸マグネシウムを#30メッシュのふるいを通した。実施例19の長期放出層部分の製粉した顆粒をふるったステアリン酸マグネシウムと、4クォートのステンレス製シェルのVブレンダー中で5分間混合し、即時放出層の乾燥混合物をふるったステアリン酸マグネシウムと、4クォートのステンレス製シェルのVブレンダー中で5分間、別々に混合した。次いで、この長期放出層部分の滑沢剤を含む混合物および即時放出層部分を、Piccola錠剤プレスで表10に明記した金型を用いて二層錠に圧縮し、示した合計重量の錠剤を作製した。
実施例19〜20の錠剤を、USP薬物放出性一般試験法<711>溶出試験法に従い、器具USP Type III/250 mLを用いて、インビトロでの放出率%について試験した。試験は、pH6.8、37℃/15dpmで実施した。結果を表11に示す。
これらのデータは、二層(ER/IR)製剤(実施例19(F-2))からの溶解速度は、1および4時間の時点でそれぞれ、単層(ER)製剤(実施例20(F-1))からの速度よりも約21%および16%速かった。
臨床試験
以下の製剤で、絶食状態での第I相非盲検5処置群単一用量漸増試験を行い、薬物動態データを得た:a)持続送達系-ナルブフィン60mg二層錠(IR/ER)(実施例19(F-2))、b)持続送達系-ナルブフィン60mg単層錠(ER)(実施例20(F-1))、c)60mg単層錠2錠(ER、合計用量120mg)、d)60mg単層錠3錠(ER、合計用量180mg)およびe)ナルブフィン即時放出60mg経口溶液(対照)。当初11名の健常志願者が登録され、6名の対象が5つの処置すべてを完了した。薬物動態データを、算術平均および幾何平均の両方の結果として以下にまとめている。各時点のナルブフィンの平均血中レベル(「血漿」)濃度を表16に示す。各製剤の時間に対する平均ナルブフィン血漿濃度の対数グラフを図1に示す。
全般的に、F-1(実施例20)およびF-2(実施例19)製剤は、即時放出経口溶液に比べて、高いAUC(0-tおよび0-∞)および低いCmax値(算術平均値および幾何平均値の両方について)を有していた。これらの差はAUC(0-tおよび0-∞)では中等度、およびCmaxでは中等度から有意であり、F-1およびF-2製剤の即時放出経口溶液との用量正規化比較に基づいていた。AUC(0-tおよび0-∞)における最小の差は、60mgの比較用量でのF-1製剤とF-2製剤との間で見られた。
これらのデータは、持続放出ナルブフィン製剤の経口バイオアベイラビリティが即時放出対照製剤のものよりも大きかったことを示している。具体的には、血漿濃度時間曲線下面積の幾何平均値に基づき、製剤F-2の経口アベイラビリティは即時放出経口溶液のものよりも23%大きかった。同様に、血漿濃度時間曲線下面積の幾何平均値に基づき、製剤F-1の経口バイオアベイラビリティは即時放出経口溶液のものよりも36%大きかった。
持続放出製剤のCmax値は、即時放出経口溶液で観察されたCmaxの約60%であった。これらのデータは、有害事象(すなわち、副作用)の可能性は、持続放出製剤では即時放出製剤に比べて低減しうることを示唆している。
報告されたTmax中央値は、経口溶液、F-2およびF-1でそれぞれ、1.0、1.5および3.5時間であった。F-1製剤の2つのより高い用量では、より長いTmax値が観察された(120mgおよび180mg用量でそれぞれ6.0および8.0時間)。
用量の直線性がF-1製剤の3つの用量すべて(60、120および180mg)で観察された。
図1に示すとおり、長期放出製剤のナルブフィンの血漿濃度は、投与後まもなく速やかに上昇して1つまたは複数のピークを生じ、続いてプラトー領域となる。プラトー期間の持続時間は、用量強度および製剤のタイプに基づいて変動するが、一般には約1.5時間〜約10時間の範囲である。対照的に、即時放出製剤の血漿レベルは速やかに最大となり、続いて時点から時点へとナルブフィン濃度はただちに低下する。プラトー期間の後、ナルブフィン血漿レベルは1つの時点から次の時点へと低下する。
実施例21
ナルブフィン60mg長期放出錠
実施例21の60mg長期放出ナルブフィン錠を以下のとおりに調製した:ナルブフィンHC1およびTIMERx M30Aを高せん断混合機に加え、低速で乾式混合した。次いで、造粒溶液(注射用水または精製水)を混合機に低速で導入した。その後の混合物を高速で造粒し、流動層処理装置中で乾燥した。乾燥した顆粒を通常の製粉機で製粉し、整粒した。次いで、製粉した顆粒を拡散(タンブル)混合機に移した。ステアリン酸マグネシウムを拡散混合機に加えて混合した。最終混合物を回転錠剤プレスを用いて圧縮した。次いで、得られた錠剤を、通常のコーティングパンを用いて非機能性コーティングでコーティングした。
(表17)非機能性コーティングを施した60mg長期放出ナルブフィン錠
1実施例2の持続放出賦形剤
実施例21の製剤は、非機能性コーティングの追加以外は、実施例9および20の錠剤製剤と同じである。
実施例22
ナルブフィン60mg長期放出錠
実施例22の60mg長期放出ナルブフィン錠を以下のとおりに調製した:ナルブフィンHC1およびTIMERx M30Aを高せん断混合機に加え、低速で乾式混合した。次いで、造粒溶液(注射用水または精製水)を混合機に低速で導入した。その後の混合物を高速で造粒し、流動層処理装置中で乾燥した。乾燥した顆粒を通常の製粉機で製粉し、整粒した。次いで、製粉した顆粒を拡散(タンブル)混合機に移した。ヒドロキシプロピルセルロースを拡散混合機に加えて混合した。その後、ステアリン酸マグネシウムを拡散混合機に加えて混合した。最終混合物を回転錠剤プレスを用いて圧縮した。次いで、得られた錠剤を、通常のコーティングパンを用いて非機能性コーティングでコーティングした。
(表18)ヒドロキシプロピルセルロースを添加し、TimeRx賦形剤を減量した60mg長期放出ナルブフィン錠
1実施例2の持続放出賦形剤
実施例23〜28
実施例23〜28のナルブフィン錠を以下のとおりに調製した:ナルブフィンHC1、マンニトール、キサンタンガム、ローカストビーンガムおよび硫酸カルシウム二水和物を高せん断混合機に加え、低速で乾式混合した。造粒溶液(注射用水または精製水)を混合機に低速で導入した。湿った顆粒を高速で造粒し、流動層処理装置中で乾燥した。乾燥した顆粒を通常の製粉機で製粉し、整粒した。製粉した顆粒を拡散(タンブル)混合機に移した。ヒドロキシプロピルセルロースおよび、該当する場合は、フマル酸(180mg製剤のみ)を拡散混合機に加えて混合した。その後、ステアリン酸マグネシウムを拡散混合機に加えて混合した。最終混合物を回転錠剤プレスを用いて圧縮した。
(表19)(実施例23)30mg長期放出ナルブフィン錠
(表20)(実施例24)60mg長期放出ナルブフィン錠
(表21)(実施例25)120mg長期放出ナルブフィン錠
(表22)(実施例26)180mg長期放出ナルブフィン錠(放出1
(表23)(実施例27)180mg長期放出ナルブフィン錠(放出2
(表24)(実施例28)15mg長期放出ナルブフィン錠
実施例29
実施例19のナルブフィン二層錠製剤の安全性および有効性について、第II相無作為二重盲検単一用量プラシーボ対照多施設並行群試験を行った。試験対象を、単一のナルブフィンの60mg長期放出用量または単一のナルブフィンの120mg(2×60mg錠)用量のいずれかを投与する活性薬剤に無作為化した。表25A〜Bは観察された薬物動態パラメーターの概要を示す。
実施例30
食後および絶食状態で健常対象に経口投与した、2つのナルブフィン長期放出錠製剤(実施例19の二層製剤および実施例20の長期放出製剤)に対する食物の影響を評価するために、第I相無作為単一用量4期間交差試験を行った。各試験対象に投与した合計単一用量は120mg(2×60mg錠)であった。表25は観察された薬物動態パラメーターの概要を示す。
実施例31
絶食状態で健常対象に経口投与した、2つのナルブフィン長期放出製剤(実施例19の二層製剤[ERF-2]および実施例20の長期放出製剤[ERF-1])の対象内変動性を評価するために、第I相無作為単一用量4期間交差試験を行った。各試験対象に投与した合計単一用量は120mg(2×60mg錠)であった。表27は観察された薬物動態パラメーターの概要を示す。
実施例32
絶食状態の健常成人対象における、ナルブフィン長期放出錠(実施例21の)の、第I相無作為単盲検プラシーボ対照複数漸増用量耐性試験を行った。表28および29は観察された薬物動態パラメーターの概要を示す。
実施例33
ナルブフィン長期放出錠製剤(実施例22の)の対象内変動性を評価するための、健常対象における第I相無作為単一用量5期間交差試験。表30は観察された薬物動態パラメーターの概要を示す。
実施例34
30、60、120および180mgナルブフィン長期放出錠製剤(実施例24〜28の)の用量比例性を判定するための、第I相非盲検単一用量5期間交差試験。表31A〜Eはそれぞれ、実施例25、26、27および28の60mg、120mgおよび180mg製剤について観察された薬物動態パラメーターの概要を示す。
実施例35
実施例28の錠剤を、USP薬物放出性一般試験法<711>溶出試験法に従い、器具USP Type III/250 mLを用いて、放出%について試験した。試験は、100mMリン酸アンモニウム緩衝液中、pH6.8およびpH6.8、37℃/15dpm(1分あたりの浸漬数)で実施した。結果を表32に示す。
実施例36
実施例23の錠剤を非機能性コーティングでコーティングし、血液透析中の腎機能障害患者および腎機能が正常な健常対象における臨床試験で試験し、複数の漸増用量投与後にpKデータを収集した。
(表33)ナルブフィンHCl ER錠、30mg組成物
(表34)血液透析(HD)患者および健常対象におけるナルブフィンHCl ER錠の複数漸増経口用量後の薬物動態パラメーターの概要(TREVI臨床試験TR01)
(表35)血液透析患者および健常対象における用量および投薬日の関数としてのトラフ(またはCmin)ナルブフィン濃度(ng/mL)(臨床試験TR01)
本明細書に記載し、前述の実施例によって例示する態様は、本発明の例示であることが理解されるべきであり、限定的と解釈されるべきではない。これに反して、本開示は、添付の特許請求の範囲によって具体的に表現されるとおり、その代替物および等価物を含む。本明細書において開示する各参照文献は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。