JP2021019664A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】好適に振動演出を実行できつつ、振動演出により興趣を向上させた遊技機を提供する。【解決手段】有利小当りでは、V入賞率が100%となっていることから、V判定入賞装置87のアタッカーが開放される期間中に右打ちをすれば必ずV入賞が発生して大当り遊技状態に制御される。そのため、有利小当りの小当り図柄が図柄確定期間中に、大当り遊技状態に制御されることを報知、祝福する振動演出を実行するようになっている。【選択図】図10−5

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
特別可変入賞球装置の作動中に、振動センサにより異常振動が検出された場合、電源がオフされるまで遊技停止状態に制御され、特別可変入賞球装置の非作動中に、振動センサにより異常振動が検出された場合、遊技停止状態に制御されることなく、60秒後に当該エラーが解除されるようになっている遊技機が提案されている(例えば特許文献1)。
特開2018−20021号公報
特許文献1に記載されたような遊技機において、特別可変入賞球装置の作動中に振動を伴う振動演出を実行すると、当該振動演出による振動が異常振動と判定されて、遊技停止状態に制御されてしまうおそれがあった。
この発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、好適に振動演出を実行できつつ、振動演出により興趣を向上させた遊技機を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するため、本願発明に係る遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば特徴部047AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
可変表示を行い可変表示の表示結果として特殊表示結果(例えば小当り図柄)が導出されたときに特殊状態(例えば小当り遊技状態)に制御可能であり、当該特殊状態において特定領域(例えばV入賞領域870、V入賞口)を遊技媒体が通過したことに基づいて前記有利状態に制御可能な制御手段(例えばステップS120の処理を実行するCPU103)と、
振動を検出可能な振動検出手段(例えば振動センサ046AK01)と、
前記振動検出手段による検出結果に基づいて、振動異常の発生を判定する振動異常判定手段(例えばステップS402の処理を実行するCPU103)と、
前記振動異常判定手段により振動異常が発生したと判定された場合に、振動異常報知を行う異常報知手段(例えばステップS402、S413の処理を実行するCPU10や演出制御用CPU120)と、
振動を発生させる振動演出を実行可能な振動演出実行手段(例えばステップ046AKS113、ステップ046AKS123、ステップ046AKS103の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、
可変表示の表示結果として前記特殊表示結果とは異なる特定表示結果が導出されるときの表示結果の表示時間よりも、可変表示の表示結果として前記特殊表示結果が導出されるときの表示結果の表示時間の方が長く(例えば図10−5、図10−6参照)、
可変表示の表示結果として前記特殊表示結果が導出されるときの表示結果の表示時間内に前記振動演出が実行される(例えばステップ046AKS113の処理を実行する。図10−5(A)、図10−17(A)参照)。
このような構成によれば、適切に振動の監視を行うとともに不適切な異常判定による興趣の低下を抑えつつ、振動演出により興趣を向上させることができる。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 この実施の形態におけるパチンコ遊技機の背面斜視図である。 パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。 遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 表示結果判定テーブルを示す説明図である。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部046AKのパチンコ遊技機の正面図である。 特徴部046AKのV判定入賞装置の概略構成を示す図である。 特徴部046AKの当り種別を示す図である。 特徴部046AKの当り判定割合や小当り種別の判定割合を示す説明図である。 特徴部046AKの表示結果の導出時の演出制御を示すタイミングチャートである。 特徴部046AKの表示結果の導出時の演出制御を示すタイミングチャートである。 特徴部046AKの各種の制御基板やセンサ等を示す構成図である。 特徴部046AKのメイン側エラー処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部046AKの各種のエラーとエラーの優先順位や解除条件等の内容を示す説明図である。 特徴部046AKの振動エラーの判定方法を説明するための図である。 特徴部046AKの小当り開放前処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部046AKの小当り開放中処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部046AKの振動演出処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部046AKの設定示唆演出の決定割合等を示す図である。 特徴部046AKの演出動作例を示す図である。 特徴部046AKの演出動作例を示す図である。 特徴部046AKの変形例の表示結果の導出時の演出制御を示すタイミングチャートである。 特徴部046AKの変形例サブ側振動エラー判定処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部010AKの消去演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。 特徴部010AKの消去演出処理を示すフローチャートである。 特徴部010AKの第2消去演出設定処理を示すフローチャートである。 特徴部010AKの演出動作例を示す図である。 特徴部010AKの演出動作例を示す図である。 特徴部010AKの演出動作例を示す図である。 特徴部010AKの演出動作例を示す図である。
(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出または導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタおよびスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲームおよび飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示およびアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示する。第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図3参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図3参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口および一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図3参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図3参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
図2は、パチンコ遊技機1の背面斜視図である。パチンコ遊技機1の背面には、基板ケース201に収納された主基板11が搭載されている。主基板11には、設定キー51や設定切替スイッチ52が設けられている。設定キー51は、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための錠スイッチとして機能する。設定切替スイッチ52は、設定変更状態において大当りの当選確率や出玉率等の設定値を変更するための設定スイッチとして機能する。設定キー51や設定切替スイッチ52は、例えば電源基板17の所定位置といった、主基板11の外部に取り付けられてもよい。
主基板11の背面中央には、表示モニタ29が配置され、表示モニタ29の側方には表示切替スイッチ30が配置されている。表示モニタ29は、例えば7セグメントのLED表示装置を用いて、構成されていればよい。表示モニタ29および表示切替スイッチ30は、遊技機用枠3を開放した状態で遊技盤2の裏面側を視認した場合に、主基板11を視認する際の正面に配置されている。
表示モニタ29は、例えば連比や役比、ベースなどの入賞情報を表示可能である。連比は、賞球合計数のうち第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である。役比は、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である。ベースは、打ち出した遊技球数に対する賞球合計数が占める割合である。設定変更状態や設定確認状態であるときに、表示モニタ29は、パチンコ遊技機1における設定値を表示可能である。表示モニタ29は、設定変更状態や設定確認状態であるときに、変更や確認の対象となる設定値などを表示可能であればよい。
設定キー51や設定切替スイッチ52は、遊技機用枠3を閉鎖した状態であるときに、パチンコ遊技機1の正面側から操作が不可能となっている。遊技機用枠3には、ガラス窓を有するガラス扉枠3aが回動可能に設けられ、ガラス扉枠3aにより遊技領域を開閉可能に構成されている。ガラス扉枠3aを閉鎖したときに、ガラス窓を通して遊技領域を透視可能である。
パチンコ遊技機1において、縦長の方形枠状に形成された外枠1aの右端部には、セキュリティカバー500Aが取り付けられている。セキュリティカバー500Aは、遊技機用枠3を閉鎖したときに、設定キー51や設定切替スイッチ52を含む基板ケース201の右側部を、背面側から被覆する。セキュリティカバー500Aは、短片500Aaおよび長片500Abを含む略L字状の部材であり、透明性を有する合成樹脂により構成されていればよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない大当り種別、または、ほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率および特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて、または当該表示に代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9の点灯や消灯、可動体32の動作、あるいは、これらの一部または全部を含む任意の演出装置を用いた演出として行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読予告演出がある。先読予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図3に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板などといった、各種の基板が配置されている。さらには、電源基板17も搭載されている。各種制御基板は、導体パターンが形成されて電気部品を実装可能なプリント配線板などの電子回路基板だけでなく、電子回路基板に電気部品が実装されて特定の電気的機能を実現するように構成された電子回路実装基板を含む概念である。
パチンコ遊技機1では、商用電源などの外部電源におけるAC100Vといった交流電源からの電力を、電源基板17により主基板11や演出制御基板12などの各種制御基板を含めた電気部品に供給可能である。電源基板17は、例えば交流(AC)を直流(DC)に変換するための整流回路、所定の直流電圧を特定の直流電圧(例えば直流12Vや直流5Vなど)に変換するための電源回路などを備えている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部または一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過または進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過または進入が検出されたことになる。
スイッチ回路110には、電源基板17からのリセット信号、電源断信号、クリア信号が取り込まれて遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送される。リセット信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ100などの制御回路を動作停止状態とするための動作停止信号であり、電源監視回路、ウォッチドッグタイマ内蔵IC、システムリセットICのいずれかを用いて出力可能であればよい。電源断信号は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧が所定値を超えるとオフ状態となり、所定電源電圧が所定値以下になった期間が電断基準時間以上まで継続したときにオン状態となる。クリア信号は、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチに対する押下操作などに応じてオン状態となる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11には、表示モニタ29、表示切替スイッチ30、設定キー51、設定切替スイッチ52、扉開放センサ90が接続されている。扉開放センサ90は、ガラス扉枠3aを含めた遊技機用枠3の開放を検知する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32または当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図4は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図4に示す遊技制御メイン処理において、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、復旧条件が成立したか否かを判定する(ステップS3)。復旧条件は、クリア信号がオフ状態であり、バックアップデータがあり、バックアップRAMが正常である場合に、成立可能である。パチンコ遊技機1の電力供給が開始されたときに、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチが押下操作されていれば、オン状態のクリア信号が遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。このようなオン状態のクリア信号が入力されている場合には、ステップS3にて復旧条件が成立していないと判定すればよい。バックアップデータは、遊技制御用のバックアップRAMとなるRAM102に保存可能であればよい。ステップS3では、バックアップデータの有無やデータ誤りの有無などを確認あるいは検査して、復旧条件が成立し得るか否かを判定すればよい。
復旧条件が成立した場合には(ステップS3;Yes)、復旧処理(ステップS4)を実行した後に、設定確認処理(ステップS5)を実行する。ステップS4の復旧処理により、RAM102の記憶内容に基づいて作業領域の設定が行われる。RAM102に記憶されたバックアップデータを用いて作業領域を設定することで、電力供給が停止したときの遊技状態に復旧し、例えば特別図柄の変動中であった場合には、停止前の状態から特別図柄の変動を再開可能であればよい。
復旧条件が成立しなかった場合には(ステップS3;No)、初期化処理(ステップS6)を実行した後に、設定変更処理(ステップS7)を実行する。ステップS6の初期化処理は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするクリア処理を含み、クリア処理の実行により作業領域に初期値が設定される。
ステップS5の設定確認処理では、予め定められた設定確認条件が成立したか否かを判定する。設定確認条件は、例えば電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオン状態であるとともに設定キー51がオン操作されている場合に成立する。ステップS5の設定確認処理が実行されるのは、ステップS3において、クリア信号がオフ状態であることを含めた復旧条件が成立した場合である。したがって、設定確認条件が成立し得るのは、クリア信号がオフ状態である場合となるので、クリア信号がオフ状態であることも、設定確認条件に含めることができる。
ステップS5の設定確認処理において設定確認条件が成立した場合には、パチンコ遊技機1において設定されている設定値を確認可能な設定確認状態となり、主基板11から演出制御基板12に対して、設定確認開始コマンドが送信される。設定確認状態においては、パチンコ遊技機1にて設定されている設定値を表示モニタ29の表示により確認することが可能となっている。設定確認状態を終了するときには、主基板11から演出制御基板12に対して、設定確認終了コマンドが送信される。
パチンコ遊技機1が設定確認状態であるときには、パチンコ遊技機1における遊技の進行を停止させる遊技停止状態としてもよい。遊技停止状態であるときには、打球操作ハンドルの操作による遊技球の発射、各種スイッチによる遊技球の検出などが停止され、また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20において、ハズレ図柄などを停止表示したり、ハズレ図柄とは異なる遊技停止状態に対応した表示が行われたりするように制御すればよい。設定確認状態が終了するときには、これに伴う遊技停止状態も終了すればよい。
ステップS7の設定変更処理では、予め定められた設定変更条件が成立したか否かを判定する。設定変更条件は、例えば電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオン状態であるとともに設定キー51がオン操作されている場合に成立する。設定変更条件は、クリア信号がオン状態であることを含んでいてもよい。
ステップS7の設定変更処理において設定変更条件が成立した場合には、パチンコ遊技機1において設定されている設定値を変更可能な設定変更状態となり、主基板11から演出制御基板12に対して、設定変更開始コマンドが送信される。設定変更状態においては、表示モニタ29に設定値が表示され、設定切替スイッチ52の操作を検出するごとに表示モニタ29に表示している数値を順次更新して表示する。その後、設定キー51が遊技場の係員などによる操作でオフとなったことに基づいて、表示モニタ29に表示されている設定値をRAM102のバックアップ領域に格納(更新記憶)するとともに、表示モニタ29を消灯させる。設定変更状態を終了するときには、主基板11から演出制御基板12に対して、設定変更終了コマンドが送信される。
パチンコ遊技機1が設定変更状態であるときには、設定確認状態であるときと同様に、パチンコ遊技機1を遊技停止状態としてもよい。設定変更状態が終了するときには、これに伴う遊技停止状態も終了すればよい。
演出制御基板12側では、設定確認開始コマンドや設定変更開始コマンドを受信すると、設定確認中である旨や設定変更中である旨を報知する制御が行われてもよい。例えば、画像表示装置5において所定の画像を表示したり、スピーカ8L、8Rから所定の音を出力したり、遊技効果ランプ9といった発光部材を所定の態様により発光させたりしてもよい。
クリア信号は、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチの押下操作などによりオン状態となる。したがって、電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオンであるとともに設定キー51がオンである場合には、クリアスイッチがオンであればステップS6の初期化処理とともにステップS7の設定変更処理が実行されて設定変更状態に制御可能となり、クリアスイッチがオフであればステップS4の復旧処理とともにステップS5の設定確認処理が実行されて設定確認状態に制御可能となる。電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオフである場合、または設定キー51がオフである場合には、クリアスイッチがオンであればステップS6の初期化処理が実行される一方で設定変更状態には制御されず、クリアスイッチがオフであればステップS4の復旧処理が実行される一方で設定確認状態には制御されない。
設定確認処理または設定変更処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS8)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS9)、割込みを許可する(ステップS10)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図5のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図5に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行および保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行および保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図6は、特別図柄プロセス処理として、図5に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図5に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口および第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」または「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
パチンコ遊技機1は、設定値に応じて大当りの当選確率や出玉率が変わる構成とされている。例えば、特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率や出玉率が変わるようになっている。例えば設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も大当りの当選確率が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど大当りの当選確率が低くなる。この例において、設定値として6が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。設定値に応じて大当りの当選確率が変われば、出玉率も設定値に応じて変わってもよい。大当りの当選確率は設定値にかかわらず一定であるのに対し、大当り遊技状態におけるラウンド数が設定値に応じて変わってもよい。パチンコ遊技機1は、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値のうちいずれかを設定可能に構成されていればよい。パチンコ遊技機1において設定されている設定値は、主基板11の側から演出制御基板12の側へ設定値指定コマンドが送信されることにより通知される。
図7は、表示結果判定テーブルの構成例を示している。図7(A)は、変動特図が第1特図である場合に用いられる第1特図用表示結果判定テーブルの構成例を示し、図7(B)は、変動特図が第2特図である場合に用いられる第2特図用表示結果判定テーブルの構成例を示している。表示結果判定テーブルは、ROM101に記憶されているデータの集まりである。表示結果判定テーブルでは、設定値に応じて、乱数値MR1と比較される当り判定値が特別図柄の可変表示結果である特図表示結果に割り当てられている。乱数値MR1は、表示結果決定用の乱数値であり、0〜65535の範囲でランダムに値が更新される。表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いるようにしてもよい。
表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態といった高確状態であるときには、通常状態または時短状態といった低確状態であるときに比べて、大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。
第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が同一値となるように判定値が割り当てられている。第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が第1特図用表示結果判定テーブルとは異なる同一値となるように判定値が割り当てられている。なお、設定値に応じて特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を異ならせてもよい。変動特図にかかわらず特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を同一確率としてもよい。
第1特図用表示結果判定テーブルおよび第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態の場合に、当り判定値のうち1020から1237までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、1020から1237までが「大当り」に割り当てられ、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている一方で、設定値2〜設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1238から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。
第1特図用表示結果判定テーブルおよび第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態の場合に、当り判定値のうち1020から1346までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、1020から1346までが「大当り」に割り当てられることで、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定され、その一方で、設定値2〜設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1346から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定される。
第1特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、当り判定値のうち32767から33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1〜6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
第1特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態である場合に、遊技状態が通常状態または時短状態である場合と同じく、当り判定値のうち32767から33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1〜6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、当り判定値のうち32767から33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1〜6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態である場合に、遊技状態が通常状態または時短状態である場合と同じく、当り判定値のうち32767から33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1〜6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
パチンコ遊技機1に設定可能な設定値は、5個以下や7個以上であってもよい。パチンコ遊技機1に設定される設定値が小さいほど遊技者にとって有利となるようにしてもよい。パチンコ遊技機1に設定される設定値に応じて遊技性が変化するようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機1に設定される設定値が1である場合は、通常状態での大当り確率が1/320、確変状態が65%の割合でループする遊技性(いわゆる確変ループタイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が2である場合は、通常状態での大当り確率が1/200、大当り遊技中に遊技球が、特別可変入賞球装置7の内部に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に制御する一方で、変動特図に応じて大当り遊技中に遊技球が所定スイッチを通過する割合が異なる遊技性(いわゆるV確変タイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が3である場合は、大当り確率が1/320で小当り確率が1/50であり、高ベース中(時短制御中)に遊技球が特別可変入賞球装置7の内部に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技状態に制御する遊技性(いわゆる1種2種混合タイプ)としてもよい。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1〜3のいずれかである場合は遊技性が同一であるが、これら設定値が1〜3のいずれかである場合よりも大当り確率や小当り確率が高い一方で大当り遊技中に獲得可能な賞球数が少ない設定(例えば、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が4〜6のいずれかである場合)を設けてもよい。設定値に応じて遊技性を変化させる場合は、共通のスイッチを異なる用途に使用してもよい。具体的には、設定値が1〜3の場合は、特別可変入賞球装置7内に設けられた所定スイッチを演出用スイッチ(遊技球が所定領域を通過する毎に所定の演出を実行するためのスイッチ)として使用し、設定値が4〜6の場合は、所定スイッチを遊技用スイッチ(遊技球が所定スイッチを通過したことに基づいて遊技状態を確変状態や大当り遊技状態に制御するためのスイッチ)として使用してもよい。
大当り種別は、大当り種別判定テーブルにおける判定値の割当てに基づいて、設定値に応じて異なる割合で決定されてもよい。あるいは、大当り種別は、設定値にかかわらず共通の割合で決定されてもよい。変動パターンは、変動パターン判定テーブルにおける判定値の割当てに基づいて、設定値に応じて異なる割合で決定されてもよい。あるいは、変動パターンは、設定値にかかわらず共通の割合で決定されてもよい。設定値に応じてノーマルリーチやスーパーリーチの実行割合が異なることで、ノーマルリーチやスーパーリーチが実行される頻度により設定値が示唆されてもよい。あるいは、設定値にかかわらずノーマルリーチやスーパーリーチの実行割合は共通であってもよい。その他、設定値に応じて、異なる割合で任意の設定示唆演出を実行可能としたものであってもよい。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図8のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図8に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図9は、演出制御プロセス処理として、図8のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形および応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合または「100%」未満の割合であることも含む。
(特徴部046AKに関する説明)
続いて、特徴部046AKについて説明する。特徴部046AKにおいて、基本説明と共通する部分(構成、処理等)については説明を省略する。
特徴部046AKのパチンコ遊技機1は、可変表示の表示結果として小当り図柄(特殊表示結果)が導出されたときに小当り遊技状態(特殊状態)に制御可能であり、当該小当り遊技状態においてV入賞領域870(特定領域、V入賞口)を遊技球が通過したことに基づいて大当り遊技状態(有利状態)に制御可能となっている。
また、特徴部046AKのパチンコ遊技機1は、所定箇所に振動を検出可能な振動センサ046AK01を備えている。振動センサ046AK01により振動が検出されて、当該振動が異常振動(パチンコ遊技機1に振動を与えて遊技球の進路を変更する等の不正、台叩き等による通常発生しない振動等)と判定された場合、振動エラーが発生したと判定して、振動エラーの報知を行うとともに、遊技続行不可能な遊技停止状態に制御するようになっている。
また、特徴部046AKのパチンコ遊技機1では、小当り遊技状態において、V入賞領域870を遊技球が通過したことに基づいて、大当り遊技状態に制御されることを報知・祝福する演出として振動を発生させる振動演出を実行可能になっている。振動演出による振動が検出されたことに基づいて、振動エラーが発生したと判定されて振動エラーが報知されたり、遊技停止状態となって遊技続行不可能となってしまうと、大幅に興趣が低下してしまう。
そこで、特徴部046AKでは、振動演出を実行するときには、振動エラーの報知を制限するようになっている。このようにすることで、振動演出が異常振動と判定されて振動エラーが報知されたり、遊技停止状態に制御されることはないので、適切に振動の監視を行うとともに不適切な異常判定による興趣の低下を抑えつつ、振動演出により興趣を向上させることができる。なお、振動エラーの報知は、表示、音、ランプ、情報出力によってエラーが報知されることの他、遊技停止状態に制御されることも含む。また、振動エラーの報知を制限するとは、振動センサ046AK01により振動を検出しないようすること、異常振動と判定しないようにすること、異常振動に基づいて振動エラーと判定しないようすること、振動の検出や異常判定は行うもののエラー報知自体を行わないようにすること等を含み、結果的に振動エラーの報知が制限されるものであればよい。
また、特徴部046AK(047AK)のパチンコ遊技機1では、可変表示の表示結果として大当り図柄やハズレ図柄が導出されるときの表示結果の表示時間(確定表示期間)よりも、小当り図柄が導出されるときの確定表示期間の方が長く、小当り図柄が導出されるときの確定表示期間内において振動演出を実行可能になっている。
このようにすることで、小当り図柄が導出されたことを振動演出により報知し祝福できるので、興趣を向上させることができる。また、振動演出の実行期間以外において、好適に振動エラーの発生を判定できるので、適切に振動の監視を行うとともに不適切な異常判定による興趣の低下を抑えつつ、振動演出により興趣を向上させることができる。
図10−1は、特徴部046AKのパチンコ遊技機1の正面図である。特徴部046AKのパチンコ遊技機1においては、図1に示すパチンコ遊技機1の正面図と同様の構成については符号および説明を省略し、異なる部分について説明する。
特徴部046AKのパチンコ遊技機1の打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域においては、遊技球が流下する流下経路のうちの第1経路が、正面から見て画像表示装置5よりも左側の領域に主に設けられ、遊技球が流下する流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路が、正面から見て画像表示装置5よりも右側の領域に主に設けられている。
第1経路に遊技球を流下させるために画像表示装置5の左側領域(左側遊技領域)に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるために画像表示装置5の右側領域(右側遊技領域)に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。第1経路は、遊技領域の左側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、左打ち経路と呼ばれてもよい。また、第2経路は、遊技領域の右側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、右打ち経路と呼ばれてもよい。
なお、第1経路と第2経路とは、別の経路により構成されてもよく、一部が共有化された経路であってもよい。左遊技領域と右遊技領域とは、たとえば、遊技領域内における画像表示装置5の端面や遊技釘の配列等により区分けされていればよい。
打球操作ハンドル30の操作に応じて打球発射装置から発射されて遊技領域に打込まれた遊技球は、左遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、右遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。また、遊技球は、右遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、左遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。
遊技領域のうちの左遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、第1始動入賞口が形成された入賞球装置6Aが設けられている。入賞球装置6Aは、画像表示装置5の下方に配置されている。入賞球装置6Aには、第1始動入賞口へ進入した遊技球を検出するための第1始動口スイッチ22Aが設けられている。
遊技領域のうちの右遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、通過ゲート41、可変入賞球装置6B、および、V判定入賞装置87が設けられている。可変入賞球装置6Bは、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口を有する。また、それぞれに進入した遊技球を検出するためのスイッチとして、通過ゲート41の内部にはゲートスイッチ21が、第2始動入賞口の内部には第2始動口スイッチ22Bが、V判定入賞装置87の内部にはV入賞スイッチ87a、第2カウントスイッチ15aおよびV判定排出スイッチ15bが、それぞれ設けられている。
左遊技領域では、入賞口構造物のうち第1始動入賞口に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第1始動入賞口に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を左打ちすればよい。また、右遊技領域では、入賞口構造物のうち第2始動入賞口、および通過ゲート41に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第2始動入賞口、および通過ゲート41に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
通過ゲート41は、遊技球が進入(通過)可能なゲート構造物である。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄が変動表示する。普通図柄については後述する。左遊技領域では、入賞口構造物のうち第1始動入賞口に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第1始動入賞口に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を左打ちすればよい。また、右遊技領域では、入賞口構造物のうち第2始動入賞口、および通過ゲート41に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第2始動入賞口、および通過ゲート41に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
V判定入賞装置87は、小当りが発生したときに大当りを発生させるための条件となる遊技球のV入賞を判定するための装置である。
V判定入賞装置87は、透明の部材で形成され、内部を遊技球が通過する様子が視認可能である。V判定入賞装置87は、上部に、前後方向に遊技球が通過可能な幅が設けられ、右から左に向かって傾斜し左右方向に延在した通路の両側(手前側と奥側)に壁部が設けられ、その通路に沿って遊技球が誘導される誘導路が形成されている。導路の中央部には、小当りとなったときに所定期間(たとえば、0.1秒間×所定回+インターバル1秒間)に亘り開放と閉鎖とが繰返されることにより、開放されている所定期間内に合計約10個数以上の遊技球が入賞可能な開口部としての作動口(アタッカー、第2大入賞口ともいう)が形成されている。V判定入賞装置87における遊技球の通路には、誘導される遊技球を減速させるための減速手段としての突起が壁部の両側に交互に複数突出する態様で設けられることにより、右打ち時において、V判定入賞装置87上部の作動口上の通路に遊技球がゆっくりと流れるような構造(以下減速構造という)が形成されている。
小当り遊技状態においては、V判定入賞装置87内への10個の遊技球の進入が検出されるまで、または、所定期間が経過するまで、V判定入賞装置87の開放制御が実行される。V判定入賞装置87において、誘導路における作動口が形成されていない部分は、固定部873とよばれる固定された通路をなす。作動口を開閉可能な位置には、作動口上を前後方向に進退移動可能な可動部872が設けられている。
可動部872は、ソレノイド22により駆動され、作動口を開閉するための進退動作が可能である。可動部872の状態により作動口が閉鎖された状態においては、遊技球が可動部872および固定部873の上面を誘導路として通過可能となり、当該誘導路上を右端から左端に誘導されて左端から落下する。可動部872の動作状態により作動口が開放された状態においては、誘導路において作動口が開口するので、誘導路に誘導される遊技球が作動口からV判定入賞装置87の内部に落下可能となる。
図10−2は、V判定入賞装置の概略構成を示す図である。図10−2に示すように、V判定入賞装置87(作動口)の内部においては、作動口から進入した遊技球が入賞可能な入賞領域として、特定領域としてのV入賞領域870がV判定入賞装置87の底部における左右方向の中央部に設けられ、さらに、作動口から進入した遊技球のすべてを傾斜した経路によりV入賞領域870上に誘導する傾斜路が設けられている。V入賞領域870は、遊技球が進入可能なV入賞口を有し、V入賞口から進入した遊技球を下方へ誘導可能である。
V入賞領域870の入賞口(V入賞口)最上端には、V入賞領域870を開放状態と閉鎖状態とのいずれかの状態に切替え可能な板状態の開閉部材874が設けられている。開閉部材874は、ソレノイド24により駆動され、V入賞口を開閉するための進退動作が可能である。開閉部材874は、V入賞領域870内に進出(突出)することで、V入賞口を閉鎖状態とすることができ、V入賞領域870から退避することで、V入賞口を開放状態とすることができる。即ち、開閉部材874は、ソレノイド24の駆動により前後方向(盤面に対して前後方向)にスライド可能に設けられている。
V入賞口が開放された状態においては、V入賞領域870上に誘導された遊技球がV入賞領域870内に落下可能な状態となる。一方、開閉部材874の上部は平坦面に形成されているとともに、該平坦面は、正面視で入賞球領域875側に向けて傾斜しており、V入賞口が閉鎖された状態においては、V入賞領域870上に誘導された遊技球は、開閉部材874の上部に形成された平坦面に沿って、図10−2に示す入賞球領域875内に落下可能な状態となる。
具体的に、V判定入賞装置87のV入賞領域870は、V判定入賞装置87の作動口が開放される小当り遊技状態において、小当り種別や小当り遊技状態における経過時間に応じて、開放状態または閉鎖状態となる。遊技球が開放状態となったV入賞領域870に進入してV入賞口に入賞すると、その遊技球がV入賞領域870に設けられたV入賞スイッチ87aにより検出される。V入賞領域870が閉鎖状態であるときには、V入賞領域870上に誘導された遊技球は、入賞球領域875に誘導されることとなる。入賞球領域875内に進入した遊技球は、入賞球領域875に設けられた第2カウントスイッチ15aにより検出される。
小当り遊技状態において開放されたV判定入賞装置87は、V入賞スイッチ87aおよび第2カウントスイッチ15aにより検出された球の合計個数が10個に達すると、作動口が閉鎖され、遊技球が進入不可能な状態とされる。V入賞領域870と入賞球領域875とは、下方において合流する構成とされており、その合流された排出通路を通り、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は、遊技盤2内部の所定の排出路に排出される。排出通路には、排出される遊技球を検出可能なV判定排出スイッチ15bが設けられ、当該スイッチにより排出されるすべての遊技球が検出される。
小当りが発生してV判定入賞装置87の作動口が開放されたときにおいて、V入賞領域870に遊技球が入賞して所定の有効期間中にV入賞スイッチ87aで遊技球が検出されると、大当りの発生条件が成立し、大当り遊技状態に制御される。このようなV入賞領域870への遊技球の入賞がV入賞と呼ばれる。なお、小当り遊技状態においてV入賞が発生した場合、それ以降V入賞領域870を閉鎖するようにしてもよい。この場合、V入賞の発生以降は、V入賞領域870上に誘導された遊技球は、入賞球領域875に誘導されることとなる。
この実施例では、複数種類の小当り種別が設けられており、V入賞可能な小当り種別と、V入賞不可能な小当り種別が設けられている。特に、遊技者にとって最も有利な小当り種別である有利小当りとなった場合、V判定入賞装置87の作動口が開放される期間中においては、特殊な操作を要することなく平均的に合計10個程度の遊技球がV判定入賞装置87内に進入可能なように構造設計および制御設計がされており、さらに、V判定入賞装置87内に遊技球が進入すると、遊技球が必ず(100%)V入賞領域870に進入するように構造設計がされている。また、パチンコ遊技機1では、小当りが発生したときに、遊技者が容易に遊技球をV判定入賞装置87に打込むことができるように、右打ちを指示する右打ち促進報知が実行される。
したがって、有利小当りが発生したときには、V判定入賞装置87の作動口の開放期間中に、遊技者が遊技球を発射しない場合、および、遊技者が左打ちをする場合を除き、右打ちをすれば、必ず(100%)遊技球がV入賞領域870に進入して大当りが発生することとなる。
これに対して、有利小当りよりも不利な不利小当りとなった場合には、V判定入賞装置87の作動口が開放される期間中においては、有利小当りよりも少ない数の遊技球がV判定入賞装置87内に進入可能なように構造設計および制御設計がされており、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は、所定割合(約50%や0%等)でV入賞領域870に進入するように構造設計がされている。小当り遊技状態におけるV判定入賞装置87の詳しい開閉制御については後述する。
なお、この実施の形態では、V判定入賞装置87に遊技球の減速構造を設けた例を示した。しかし、このような減速構造を設けず、V判定入賞装置87における遊技球の誘導路のうちの一部に遊技球を落下させることが可能となる作動口を設け、有利小当りの小当り遊技状態の期間中に10個程度の遊技球をV入賞領域870に進入させるために、作動口を10回開放させる構成を用いてもよい。
右遊技領域では、可変入賞球装置6BおよびV判定入賞装置87に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、これら可変入賞球装置6BおよびV判定入賞装置87に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
なお、左遊技領域に打分けられた遊技球が可変入賞球装置6B、および、V判定入賞装置87のいずれかに進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は右遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
遊技領域の下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、右打ちされた遊技球が、右遊技領域に植設された遊技釘によって誘導される。また、特別可変入賞球装置7は、遊技釘の植設状態により、左遊技領域からは遊技球が進入しないように構成されている。
特別可変入賞球装置7は、前面が長方形の扉で覆われた大入賞口(第1大入賞口ともいう)を備えており、大当りが発生すると、ソレノイドによって、底辺を軸として扉が前方に傾動し、大入賞口が現れる(開口する)。特別可変入賞球装置7の内部には、進入した遊技球を検出するためのカウントスイッチ23が設けられている。特別可変入賞球装置7へは、右遊技領域に遊技球を打込んだ場合にのみ、大入賞口への遊技球の入賞が可能となるように、遊技釘やその他の構造物によって入賞ルートが制限されている。なお、左遊技領域および右遊技領域のいずれに遊技球を打込んだ場合であっても、大入賞口へ入賞できるようにしてもよい。
大当りは、第1特別図柄表示装置4Aに大当り図柄(大当り表示結果)が導出表示されたとき、および、第2特別図柄表示装置4Bに大当り図柄(大当り表示結果)が導出表示されたときのそれぞれで発生する。第1始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づく抽選により大当りとする決定がされたときに、第1特別図柄表示装置4Aに大当り図柄が導出表示される。第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づく抽選により大当りとする決定がされたときに、第2特別図柄表示装置4Bに大当り図柄が導出表示される。
大当りは、小当り遊技状態となることによってV判定入賞装置87の作動口が開放しているときに進入した遊技球が、V入賞領域870に進入した場合にも発生する。以下、遊技球がV入賞領域870に進入してV入賞スイッチ87aで検出されることをV入賞と呼ぶ。小当りとは、所定の価値付与として、V判定入賞装置87の作動口が開放する当りであり、V入賞を条件として大当りが発生可能となる。V判定入賞装置87において、作動口が開放する遊技状態を「小当り遊技状態」と呼ぶ。そして、小当り遊技状態において、遊技球がV入賞したことに基づいて発生する大当りを、「小当り経由の大当り」または「小当り経由大当り」と呼ぶ。これに対し、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の変動表示の表示結果に基づいて大当り遊技状態となることを、「特別図柄による大当り」と称する。
大当り遊技状態は、所定の価値付与として、遊技者にとって有利な特定遊技状態(有利状態)であり、特別可変入賞球装置7(第1大入賞口)が開放状態と閉鎖状態とを所定回数繰返す繰返し継続制御が行われる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置7が開放(第1大入賞口が開放)されている状態が、ラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置7の開放が再度行われる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる10ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口または第2始動入賞口を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示(確定表示)させることである。
また、第1始動入賞口および第2始動入賞口のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で未だ開始条件が成立していない変動表示に関する情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報を示す(特定する)場合にも用いられる。保留記憶は、始動記憶または始動入賞記憶とも呼ばれる。
第1特別図柄については、第1始動入賞口への遊技球の進入に基づく保留記憶としての第1保留記憶に基づいて変動表示が実行される。第2特別図柄については、第2始動入賞口への遊技球の進入に基づく保留記憶としての第2保留記憶に基づいて変動表示が実行される。このような第1保留記憶または第2保留記憶が存在している状態で大当りが発生した場合、大当り発生前に存在していた保留記憶は、そのまま維持され、大当たり遊技状態の終了後において変動表示のために用いられる。
第2始動入賞口への第2始動入賞が発生したときには、第1始動入賞の保留記憶があっても、当該第2始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示の方が優先して実行される。このように第2特別図柄の変動表示は、第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行される。
第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの上方には、第2始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2保留表示器25Bが設けられている。第2保留表示器25Bは、有効始動入賞がある毎に点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示装置4Bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2保留表示器25Bのさらに上方には、第1始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第1保留表示器25Aが設けられている。第1保留表示器25Aは、有効始動入賞がある毎に点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示装置4Aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
(遊技の流れ)
パチンコ遊技機1においては、遊技状況に応じて、遊技者が左遊技領域を狙う「左打ち」と右遊技領域を狙う「右打ち」とを使い分けるように遊技球を発射することにより、変化に富んだ遊技を楽しむことができるように遊技状態および演出状態が制御される。以下に、遊技者がパチンコ遊技機1において遊技を開始してからの遊技の流れについて説明する。
遊技者は、パチンコ遊技機1に着席して最初に遊技を開始するときに、まず左打ちによって第1始動入賞口に遊技球が入賞するように遊技を行う。そして、第1特別図柄の変動表示が実行され、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、左打ちから右打ちに切替えて、開放される特別可変入賞球装置7を狙い遊技を行う。大当り遊技状態が終了した後は、画像表示装置5の画面上で遊技者に右打ちによって遊技を行うことを促す右打ち促進報知が行われる。具体的には、画像表示装置5の画面上で「右を狙え」等の表示が行われる。
大当り遊技状態中は、開口した特別可変入賞球装置7を右打ちにより狙う遊技を行う。大当り遊技状態中は、右打ち促進報知が行われる。大当り遊技状態の終了後は、後述する時短状態となれば、引き続き右打ちにより遊技を行う。大当り遊技終了後、時短状態となっていれば時短状態が開始されることを報知する時短報知が画像表示装置5の画面上で行われる。また、時短状態中には、右打ち促進報知も行われる。
なお、この実施例では、大当り遊技状態の終了後、必ず時短状態に制御されるようになっている。これに対して、大当り遊技状態の終了後、時短状態に制御されない場合があるようにしてもよい。大当り遊技状態の終了後に時短状態とならなければ、大当り遊技状態中に実行される右打ち促進報知が終了することにより、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口に遊技球が入賞するように遊技を行う。なお、時短状態とならなかった場合には、画像表示装置5の画面上で遊技者に左打ちに戻して遊技を行うことを促す左打ち促進報知(左打ち報知とも呼ばれる)が行われるようにしてもよい。
大当り遊技終了後の時短状態中は、右打ちにより第2始動入賞口を有する可変入賞球装置6Bを狙い遊技を行う。第2始動入賞口に遊技球が入賞し、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、右打ちのまま特別可変入賞球装置7を狙い遊技を行う。また、第2始動入賞口に遊技球が入賞し、表示結果が小当り表示結果となれば、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87の作動口が開放されるので、右打ちのままV判定入賞装置87を狙い遊技を行う。小当り遊技状態の開始時には、画像表示装置5の画面上で小当り遊技状態が開始されることを報知する小当り開始報知が行われる。また、小当り遊技状態に制御されるときには、特定のタイミング(小当り種別に応じて、V判定入賞装置87の作動口が開放される前のタイミング等)で、右打ち促進報知も行われる。
小当り遊技状態によりV判定入賞装置87の作動口が開状態のときに、遊技球が、作動口からV判定入賞装置87の内部に落下し、V入賞領域870に進入して検出されて、V入賞が発生した場合に、小当り経由の大当りが発生する。V入賞が発生したときには、画像表示装置5の画面上でV入賞が発生したことを報知するV入賞報知が行われる。また、小当り遊技状態の終了時は、画像表示装置5の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行われる。そして、小当り終了後に、大当り遊技状態となって特別可変入賞球装置7が開放されるので、遊技者は、右打ちのまま特別可変入賞球装置7を狙い遊技を行う。
また、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87を狙い遊技を行ったときに、遊技球がV入賞領域870に進入せず、入賞球領域875に進入した場合には、大当りが発生しない。このように小当り遊技状態中にV入賞が発生しなかったときには、画像表示装置5の画面上でV入賞に失敗したことを報知するV入賞失敗報知が行われる。また、小当り遊技状態の終了時には、画像表示装置5の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行われる。そして、小当り遊技状態の終了後、時短状態が継続しているときに、遊技者は、引続き右打ちのまま可変入賞球装置6Bを狙い遊技を行う。時短状態が終了した場合は、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口に遊技球が入賞するように遊技を行う。時短状態の終了時には、画像表示装置5の画面上で時短が終了したことを報知する時短終了報知と、遊技者に左打ちに戻して遊技を行うことを促す左打ち促進報知とが行われる。
図10−3(A)は、大当り種別を示す図である。この実施例では、大当り種別として、図柄4R時短大当り、図柄10R時短大当り、小当り経由10(9)R大当りが設けられている。小当り経由の大当りの括弧内は、特別可変入賞球装置7が開放する回数を示している。小当り経由の大当りでは、V判定入賞装置87の作動口が開放する小当り遊技状態が1ラウンドとカウントされ、2ラウンドから10ラウンドにおいて特別可変入賞球装置7が開放することになる。よって、小当り経由10R大当りは、実質的には9R大当りとなっている。
小当りは、可変入賞球装置6Bに設けられた第2始動入賞口に遊技球が入賞し、第2特別図柄の表示結果が小当り図柄になった場合に発生する。特別図柄の表示結果を小当り図柄にするか否かの判定は、乱数抽選によって事前に行われる(特別図柄の小当り判定)。小当りが発生すると、小当り遊技状態となり、小当り種別に応じた開放パターンでV判定入賞装置87の作動口が開放する。小当り遊技状態の終了後の遊技制御状態(後述する大当り確率、小当り確率、ベース)は、小当り前と同じである。小当りにおいては、小当り遊技状態中にV判定入賞装置87内のV入賞領域870に入賞した遊技球に対して賞球が払出される。
図10−3(B)は、小当り種別を示す図である。この実施例では、小当り種別として、有利小当り、不利小当りA、不利小当りBが設けられている。有利小当りの小当り遊技状態では、開放回数が10回で開放時間が0.1秒という開放パターンでV判定入賞装置87の作動口が開放し、作動口の開放中にV判定入賞装置87に進入した遊技球がV入賞領域870(V入賞口)に略100%入賞するように、開閉部材874を開放するようになっている。不利小当りAの小当り遊技状態では、開放回数が2回で開放時間が0.1秒という開放パターンでV判定入賞装置87の作動口が開放し、作動口の開放中にV判定入賞装置87に進入した遊技球がV入賞領域870(V入賞口)に略50%の割合で入賞するように、開閉部材874を開閉するようになっている。不利小当りBの小当り遊技状態では、開放回数が2回で開放時間が0.1秒という開放パターンでV判定入賞装置87の作動口が開放し、作動口の開放中にV判定入賞装置87に進入した遊技球がV入賞領域870(V入賞口)に略入賞しないように、開閉部材874を開閉するようになっている。
このように、V入賞領域870(V入賞口)にV入賞可能な小当り種別と、V入賞不可能な小当り種別と、を設けることで、小当りが多彩になり、遊技者はいずれの小当り種別となるかに期待することができ、興趣が向上する。特に、この実施例では、小当りとなってその後大当り遊技状態に制御される場合に、大当りとなることを報知、祝福する振動演出を実行可能になっているので、V入賞可能な小当り種別とV入賞不可能な小当り種別とを設けることで、振動演出による遊技者の喜びを高めることができるため、振動演出の演出効果を高めることができる。
一方、小当りを経由せずに、特別図柄の変動表示により直接的に発生する大当りは、図柄大当りと呼ばれる。図柄大当りとしては、第1特別図柄の変動表示に基づいて直接発生する図柄4R時短大当り、および、第2特別図柄の変動表示に基づいて直接発生する図柄10R時短大当りがある。
このように、大当りとしては、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に基づいて直接発生する図柄大当りと、第2特別図柄の変動表示に基づく小当りを経由してV入賞により発生する小当り経由大当りとが含まれる。図柄大当りおよび小当り経由大当りの各大当りは、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御される大当りであり、時短大当りという名称が付けられている。本実施形態における遊技者にとって有利な有利状態には、特別可変入賞球装置7が開放することも含まれる。
図柄4R時短大当りは、大入賞口が4回(4R)開放される大当りである。図柄10R時短大当りは、大入賞口が10回(10R)開放される大当りである。小当り経由10(9)R時短大当りは、V判定入賞装置87が開放された後、V入賞を条件として大入賞口が9回(9R)開放される大当りであり、10ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、9回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄9R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。
図柄4R時短大当り後の時短状態は、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件との2つの終了状態が設定されている。第2特別図柄の変動表示では、1/3という割合で小当りが発生する。また、小当りが発生して小当り経由の大当りとなる割合(有利小当りとなってV入賞する確率+不利小当りAとなってV入賞する確率)は、約62.5%となっている。よって、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件は、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、約1/5という割合で、小当り経由の大当りを発生させる可能性がある回数としている。
図柄4R時短大当りの場合には、基本的に第2特別図柄の変動表示が1回実行完了するまで時短状態(電サポ状態含む)を継続させるが、第2特別図柄を変動表示させるには、右打ちをして遊技球を通過ゲート41に進入させて可変入賞球装置6Bを開状態にし、その状態で遊技球を可変入賞球装置6Bに入賞させる必要があり、そのような可変入賞球装置6Bへ遊技球を入賞させるまでに時間がかかってしまい、保留記憶されていた第1特別図柄が先に変動表示される場合がある。
したがって、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件は、時短状態の開始直後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の1回分の変動表示を確実に実行可能にするための条件である。このようにすることで、時短状態開始直後において第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、時短状態において、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動表示が行われなくなってしまうのを防ぐことができる。
図柄4R時短大当り以外の大当り後は、第2特別図柄の変動表示回数が7回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が11回という終了条件との2つの終了状態が設定されている。このような、時短状態の終了条件の7回という回数は、小当りが発生して小当り経由の大当りとなる割合(有利小当りとなってV入賞する確率+不利小当りAとなってV入賞する確率)が約62.5%であること及び小当り確率を考慮して設定されている。第2特別図柄の変動表示では、1/3という割合で小当りが発生する。よって、第2特別図柄の変動表示回数が7回という終了条件は、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、図柄4R時短大当りと比べて、小当り経由の大当りを発生させる可能性が大幅に高くなる回数としている。これにより、小当り経由の大当りの発生に遊技者を注目させることができるとともに、小当り経由の大当りの発生についての遊技者の期待感を高めることができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が11回という終了条件は、時短状態の開始直後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の7回分の変動回数の変動表示を確実に実行可能にするためである。このようにすることにより、時短状態開始直後において第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、時短状態において、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動回数が減少してしまうことを防ぐことができる。
この実施の形態においては、通常状態である低ベース状態においては、第1始動入賞口が第1経路から入賞可能に設けられているので、第1経路を遊技球が流下した方が、第2経路を遊技球が流下するよりも、始動入賞の点で遊技者にとって有利である。一方、大当り遊技状態のような有利状態では、開放される特別可変入賞球装置7が第2経路から入賞可能に設けられているので、第2経路を遊技球が流下した方が、第1経路を遊技球が流下するよりも、大当り時入賞の点で遊技者にとって有利である。また、小当り遊技状態のような特殊状態では、開放されるV判定入賞装置87が第2経路から入賞可能に設けられているので、第2経路を遊技球が流下した方が、第1経路を遊技球が流下するよりも、大当り発生の点で遊技者にとって有利である。
なお、このような有利さの比較に限らず、たとえば、その他の入賞口(たとえば、別の可変入賞口(始動入賞用であっても、非始動入賞用であってもよい)が第1経路と第2経路とに設けられており、通常状態としての低ベース状態では第1経路の方が第2経路よりも当該可変入賞口に入賞しやすく、高ベース状態、大当り遊技状態、および、小当り遊技状態のようなその他の状態では、第2経路の方が第1経路よりも当該可変入賞口に入賞しやすいというような、その他の観点から、通常状態においては第1経路を遊技媒体が流下した方が遊技者にとって有利であり、その他の遊技状態では第2経路を遊技媒体が流下した方が遊技者にとって有利である構成を採用してもよい。
図10−4は、当り判定割合や小当り種別の判定割合を示す説明図である。これら判定割合に対応したテーブルが、ROM101に記憶されている。
図10−4(A)は、第1特図当り判定割合を示す説明図である。第1特図当り判定割合は、第1特別図柄について大当り判定をする場合の判定割合(大当り確率)を示している。
第1特別図柄の大当り確率(割合)は、設定値に応じて異なっている。設定1では1/199、設定2では1/190、設定3では1/180、設定4では1/170、設定5では1/160、設定6では1/150となっている。よって、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で大当り確率が高い。
図10−4(B)は、第2特図当り判定割合を示す説明図である。第2特図当り判定割合は、第2特別図柄について大当り判定および小当り判定をする場合の判定割合を示している。図10−4(B)における上段が大当り判定割合(大当り確率)であり、下段が小当り判定割合(小当り確率)である。
第2特別図柄の大当り確率は、設定値に応じて異なっている。設定1では1/199、設定2では1/190、設定3では1/180、設定4では1/170、設定5では1/160、設定6では1/150となっている。よって、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で大当り確率が高い。それに対し、第2特別図柄の小当り確率は、設定値によらず1/3に設定されている。なお、第1特別図柄に小当りを設けてもよい。このような場合には、第2特別図柄よりも第1特別図柄の方が小当りの当選確率が低くすることが望ましい。例えば、第1特別図柄による小当り確率を1/100とすればよい。
第1特別図柄により大当りと判定されたときには、図柄4R時短大当りの大当り種別に決定され、第2特別図柄により大当りと判定されたときには、図柄10R時短大当りの大当り種別に決定される。例えば、図柄4R時短大当りの大当り図柄は「3」となっており、図柄10R時短大当りの大当り図柄は「7」となっている。
図10−4(C)は、第2特図小当り種別判定割合を示す説明図である。第2特図小当り種別判定割合は、第2特別図柄について小当りと判定されたときの小当り種別の判定割合を示している。図10−4(C)に示すように、50%の割合で有利小当りにすると判定され、25%の割合で不利小当りAにすると判定され、25%の割合で不利小当りBにすると判定されるようになっている。有利小当りの小当り図柄は「1」となっており、不利小当りAの小当り図柄は「5」となっており、不利小当りBの小当り図柄は「9」となっている。
図10−3(B)に示したように、有利小当りとなった場合のV入賞率(V判定入賞装置87に進入した遊技球がV入賞する確率)は略100%であり、不利小当りAとなった場合のV入賞率は略50%であり、不利小当りBとなった場合のV入賞率は略0%であった。このように、有利度合いの複数種類の小当り種別を設けて、小当りとなった場合に何れかの小当り遊技状態に制御することで、小当りとなったときの遊技者の期待感を高めることができる。
なお、この実施例における小当り種別の数や各小当りのV入賞率、小当り種別の判定割合は一例であって、任意に変更可能である。この場合において、小当り遊技状態において、V入賞する場合とV入賞しない場合とがあることが好ましい。例えば、この実施例のように、小当り種別によってV入賞率が異なるようにしてもよいし、V入賞可能な小当りにおけるV入賞率が100%ではないようしてもよい。このようにすることで、V入賞が発生したときの興趣を向上させることができるとともに、V入賞して大当り遊技状態に制御されることを報知・祝福する演出として振動を発生させる振動演出を実行することで、振動演出の興趣を高めることができる。
図10−5、図10−6は、各種表示結果の導出時の演出制御を示すタイミングチャートである。図10−5(A)は、有利小当り時の演出制御を示している。図10−5(A)において、変動のONは特別図柄の変動中であり、OFFは変動中でないこと(停止中であること)を示している。有利小当りの小当り図柄が導出時の図柄確定期間は10秒となっており、有利小当りの小当り図柄が図柄確定期間中(10秒間)表示され続ける。この図柄確定期間において、振動がONとなって振動演出が実行される。上述のように、有利小当りでは、V入賞率が100%となっていることから、V判定入賞装置87のアタッカーが開放される期間中に右打ちをすれば必ずV入賞が発生して大当り遊技状態に制御される。そのため、有利小当りの小当り図柄が図柄確定期間中に、大当り遊技状態に制御されることを報知、祝福する振動演出を実行するようになっている。
有利小当りの図柄確定期間が経過する前には、振動がOFFとなり振動演出が終了する。そして、小当り遊技状態が開始され(小当り:ON)、右打ちを指示する右打ち促進報知が実行される。その後、アタッカーが0.1秒×10回という態様で開放する。アタッカーの開放中には、V入賞領域870(V入賞口)が開放状態となり、アタッカー開放中に右打ちすることで、必ずV入賞が発生する。
この実施例では、振動エラーを監視する状態として、振動エラーを検出しやすい振動強監視状態と、振動強監視状態よりも振動エラーを検出しにくい振動弱監視状態と、が設けられている。そして、振動を発生させることによる不正のおそれがある期間において振動強監視状態に制御し、そのような不正のおそれが低い期間において振動弱監視状態に制御するようになっている。
図10−5(A)に示すように、小当り遊技状態が開始されるまでは、振動弱監視状態に制御され、小当り遊技状態の開始からV入賞の発生までの期間振動強監視状態に制御される。このように、有利小当りの小当り遊技状態が開始される前には、図柄確定期間において振動演出が実行されるため、当該振動演出が振動エラーとして検出されて振動エラーが報知されることを制限するため、振動エラーを検出しにくい振動弱監視状態に制御される。このようにすることで、適切に振動の監視を行うとともに不適切な異常判定によって振動エラーが報知されたり遊技停止状態に制御されてしまうことによる興趣の低下を抑えることができる。また、振動演出により大当り遊技状態に制御されることを報知、祝福することができるので、興趣を向上させることができる。
そして、小当り遊技状態の開始からV入賞の発生までは、振動を発生させることによりV入賞を発生させようとする不正を防止するために、振動エラーを検出しやすい振動強監視状態に制御される。そして、V入賞の発生後または小当り遊技状態の終了時には、再度振動弱監視状態に制御される。なお、有利小当りの小当り遊技状態では、アタッカー開放中に右打ちすることで、必ずV入賞が発生することから、振動強監視状態に制御しなくてもよい。
図10−5(B)は、不利小当りA時の演出制御を示している。不利小当りAの小当り図柄が導出時の図柄確定期間は0.5秒となっており、不利小当りAの小当り図柄が0.5秒表示される。
不利小当りAの図柄確定期間が経過すると、小当り遊技状態が開始され(小当り:ON)、右打ちを指示する右打ち促進報知が実行される。その後、アタッカーが0.1秒×2回という態様で開放する。アタッカーの開放期間中(アタッカーの開放よりやや後)には、V入賞領域870(V入賞口)が短期間開放状態(例えば0.1秒×2回)となり、アタッカー開放中に右打ちすることで、略50%の割合でV入賞が発生するように制御される。なお、V入賞領域870の開放態様は一例であり、略50%の割合でV入賞が発生するようになっていればよい。
不利小当りAにおいて、V入賞が発生すると、振動がONとなって振動演出が実行される。上述のように、不利小当りAでは、V入賞率が略50%となっていることから、V判定入賞装置87のアタッカーが開放される期間中に右打ちをしても、V入賞が発生せずに大当り遊技状態に制御されない場合もあるようになっている。そのため、不利小当りAの小当り遊技状態においてV入賞が発生した場合、大当り遊技状態に制御されることを報知、祝福する振動演出を実行するようになっている。
また、図10−5(B)に示すように、小当り遊技状態が開始されるまでは、振動弱監視状態に制御され、小当り遊技状態の開始からV入賞の発生までの期間振動強監視状態に制御される。このように、不利小当りAの小当り遊技状態の開始からV入賞の発生までは、振動を発生させることにより、想定されたV入賞率より高い確率でV入賞を発生させようとする不正を防止するために、振動エラーを検出しやすい振動強監視状態に制御される。そして、V入賞が発生した場合には、振動演出が実行されるため、当該振動演出が振動エラーとして検出されて、振動エラーが報知されることを制限するため、振動エラーを検出しにくい振動弱監視状態に制御される。このようにすることで、適切に振動の監視を行うとともに不適切な異常判定によって振動エラーが報知されたり遊技停止状態に制御されてしまうことによる興趣の低下を抑えることができる。また、振動演出により大当り遊技状態に制御されることを報知、祝福することができるので、興趣を向上させることができる。なお、V入賞が発生しなかった場合、小当り遊技状態の終了時には、振動弱監視状態に制御される。
図10−6(A)は、不利小当りB時の演出制御を示している。不利小当りBの小当り図柄が導出時の図柄確定期間は0.5秒となっており、不利小当りBの小当り図柄が0.5秒表示される。
不利小当りBの図柄確定期間が経過すると、小当り遊技状態が開始され(小当り:ON)、アタッカーが0.1秒×2回という態様で開放する。アタッカーの開放期間中には、V入賞領域870(V入賞口)が開放状態とならず、V入賞が発生することはない。
また、図10−6(A)に示すように、小当り遊技状態が開始されるまでは、振動弱監視状態に制御され、小当り遊技状態の開始から振動強監視状態に制御される。このように、不利小当りBの小当り遊技状態の開始からV入賞の発生までは、振動を発生させることにより、本来発生し得ないV入賞を発生させようとする不正を防止するために、振動エラーを検出しやすい振動強監視状態に制御される。そして、小当り遊技状態の終了時には、再度振動弱監視状態に制御される。
なお、図10−5(A)、(B)、図10−6(A)に示すように、V入賞領域870の開放態様は小当り種別によらず同様になっている。そして、アタッカーの開放態様を異ならせることで、V入賞率(小当りの有利度合い)を異ならせている。このようにすることで、V入賞領域870の開放制御の処理負担を軽減することができる。これに対して、小当り種別によって、V入賞領域870の開放態様を異ならせるようにしてもよい。
図10−6(B)は、図柄大当り時の演出制御を示している。図柄大当り時の大当り図柄が導出時の図柄確定期間は0.5秒となっており、大当り図柄が0.5秒表示される。その後、大当り遊技状態が開始される。
図10−6(C)は、ハズレ時の演出制御を示している。ハズレ時のハズレ図柄が導出時の図柄確定期間は0.5秒となっており、ハズレ図柄が0.5秒表示される。その後、保留記憶等に基づいて次の変動が開始される。
図10−5、図10−6に示したように、この実施例では、有利小当りの図柄確定期間は10秒となっており、他の表示結果の図柄確定期間は0.5秒となっている。このように、有利小当りの図柄確定期間を長くすることで、この期間において大当り遊技状態に制御されることを報知、祝福する振動演出を実行可能になり、興趣を向上させることができる。その一方で、他の表示結果の図柄確定期間は短くなっているので、迅速に遊技を進行させることができる。なお、他の表示結果の図柄確定期間を長くして、演出を実行するようにしてもよい。例えば、不利小当りAや不利小当りBの図柄確定期間を長くして、いずれの不利小当りであるかを煽る演出を実行するようにしてもよい。
図10−7は、特徴部046AKのパチンコ遊技機1に搭載された各種の制御基板やセンサ等を示す構成図である。なお、図10−7では、図3に示されている構成は適宜省略している。図10−7に示すように、主基板11には、磁石による不正を検知するための磁気センサ60、電磁波による不正を検知するための電波センサ70、パチンコ遊技機1に振動を与えて遊技球の進路を変更する等の不正を検知するための振動センサ046AK01、遊技盤2の前面を開閉可能に覆うガラス扉枠3aの開放を検知する扉開放センサ90、大入賞口(第1大入賞口又は第2大入賞口)扉の開放を検知するための大入賞口扉センサ91、遊技球が下皿に流下する経路上に設けられて遊技球が下皿に満杯になっていることを検知するための満タンセンサ93、賞球として払い出す遊技球が所定数以下であることを検知するための球切れセンサ94等の各種のセンサが接続されており、これらのセンサから出力される検知信号に基づいて、各種の異常(エラー)の発生を判定する機能も備えている。尚、図10−7において球切れセンサ94は、主基板11に直接接続されているように表記しているが、実際には、払出基板に接続されており、該払出基板を経由して接続されている。
また、主基板11には、ターミナル基板(情報出力基板)16が接続されており、ターミナル基板16からセキュリティ信号等の各種の信号の出力を行うための情報出力回路112が搭載されている。
また、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aを振動させる振動演出を実行するための振動モータ046AK11が接続されている。演出制御用CPU120が、振動モータ046AK11に駆動信号を送出することで、特徴部046AKに係る振動演出が実行される。
図10−8は、本実施例のメイン側エラー処理(図5のS22)の一例を示すフローチャートである。メイン側エラー処理においてCPU103は、まず、演出制御基板12側において異常報知を所定期間において実行中であることを示す異常報知中タイマが動作中であるか否かを判定する(S401)。
異常報知中タイマが動作中でない場合(S401;N)にはS402に進む。また、異常報知中タイマが動作中である場合(S401;Y)には、S420に進んで、異常報知中タイマを?1し、該減算後の異常報知中タイマがタイマアップしたか否かを判定する(S421)。
異常報知中タイマがタイマアップしていない場合(S421;N)には、S402に進む。一方、異常報知中タイマがタイマアップした場合(S421;Y)には、異常報知中フォラグをクリアした後(S422)、S402に進む。
S402においては、図10−9に示す各エラー(異常)の発生を判定する異常判定処理を行う。本実施例のパチンコ遊技機1では、図10−9に示すエラー(異常)を判定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらエラー(異常)の種類や数は、パチンコ遊技機1の機種や仕様によって適宜に設定されればよい。
本実施例では、図10−9に示すように、1〜15の各エラー(異常)が設定されており、異常判定処理においては、これら1〜15の各エラー(異常)の発生を判定可能である。
これら各エラー(異常)には、図10−9に示すように、優先順位が設定されており、原則として、該優先順位が高いエラー(異常)が優先して報知されるようになっている。
これらエラーとしては、例えば、優先順位「1」のスイッチコモン短絡エラーのように、機器である電源を供給するスイッチ電源の短絡異常によるエラーや、電波センサ70による電磁波の検出や磁気センサ60による磁力の検出等の不正の可能性が非常に高いエラーや、カウントスイッチ23、V入賞スイッチ87a、第2カウントスイッチ15a等の検出異常等のように、機器(スイッチ)の不良または不正の可能性があるエラーや、満タンエラーや球切れエラー等の不正である可能性がないが、遊技の進行において支障が生じるエラー等がある。
また、それぞれのエラーには、発生したエラー(エラーの報知)を解除するための条件が設定されており、比較的優先度の高いエラーについては、主に「電源オフ」が解除条件とされているのに対し、比較的優先度の低いエラー(異常)については、一定時間が経過することや、当該エラーの状態が解除されることが解除条件とされている。
また、エラー(異常)には、図10−9に示すように、所定状態である遊技停止状態に制御されるエラー(異常)と、所定状態である遊技停止状態に制御されないエラー(異常)とがあり、比較的優先度の高いエラーは遊技停止状態に制御されるエラー(異常)とされ、比較的優先度の低いエラー(異常)については、遊技停止状態に制御されないエラー(異常)とされている。
尚、これらエラーには、同一のセンサによるエラーであっても、検出される時期によって異なるエラーとなるものがある。例えば、振動センサ046AK01により検出された振動が異常振動と判定された場合の振動エラーとしては、V判定入賞装置87の作動時(作動口の開放時)の振動強監視状態において異常振動と判定された場合には、優先順位が「6」と高い振動検出1エラーと判定されて、電源がオフされるまで遊技停止状態に制御される。このように、振動強監視状態における振動エラーは遊技停止状態に制御される重大なエラーとなっている。これに対し、V判定入賞装置87の非作動時(作動口の閉鎖時)等の振動弱監視状態において異常振動と判定された場合には、優先順位が「11」と低い振動検出2エラーと判定され、遊技停止状態に制御されることなく、60秒後に当該エラーが解除されるようになっている。
この実施例では、異常振動(振動エラー)を監視する状態として、振動エラーを検出しやすい振動強監視状態と、振動強監視状態よりも振動エラーを検出しにくい振動弱監視状態と、が設けられており、遊技の状況に応じていずれかに制御されるようになっている。V判定入賞装置87の作動口の開放中であって、V入賞の発生前は、パチンコ遊技機1に振動を与えて遊技球の進路を変更することにより、本来V入賞が発生しないような状況、小当り種別で振動によりV入賞を発生させるといった不正を防止するために、振動エラーを検出しやすい振動強監視状態となる。V判定入賞装置87の非作動時や、V入賞が発生した後は、振動強監視状態よりも振動エラーを検出しにくい振動弱監視状態となる。
また、有利小当りの図柄確定期間や不利小当りAの小当り遊技状態においてV入賞が発生した後といった、振動演出が実行されるときには、振動弱監視状態に制御される。この実施例では、振動演出による振動は異常振動と判定しないようになっているが、振動演出による振動が異常振動と判定されてしまった場合でも、振動検出2エラーと判定され、遊技停止状態に制御されることはないので、振動演出を実行することで遊技停止状態になってしまい、興趣が低下してしまうことを防止できる。
この実施例では、振動センサ046AK01により、通常の遊技中に発生し得る誤差範囲の振動を超える強度の振動を検出した場合、当該振動を検出したことをカウントする。そして、所定期間内の振動の発生回数が閾値を超えた場合に、振動エラーが発生したと判定するようになっている。
図10−10は、振動エラーの判定方法を説明するための図である。図10−10(A)〜(C)に示すように、この実施例では、120ms(ミリ秒)間に振動センサ046AK01により検出した振動の検出回数を順次記憶し、1.2s(秒)間(120ms秒単位の区間×10回)の振動の総検出回数が所定の閾値以上となった場合に、異常振動(振動エラー)が発生したと判定するようになっている。図10−10(D)に示すように、異常振動が発生したと判定する振動の検出回数である振動エラー判定閾値は、振動弱監視状態では1.2秒間に12回、振動強監視状態では1.2秒間に1回となっている。そして、振動弱監視状態において異常振動が発生したと判定された場合には、遊技停止状態とならずにエラー報知が実行されるのに対して、振動強監視状態において異常振動が発生したと判定された場合には、遊技停止状態となる。
図10−10(A)に示す1.2秒間の区間では振動の検出回数が9回であり、図10−10(B)に示す1.2秒間の区間では振動の検出回数が11回であり、振動弱監視状態における振動エラー判定閾値(12回)未満であることから、振動弱監視状態では異常振動と判定されることはない。
これに対して、図10−10(C)に示す1.2秒間の区間では振動の検出回数が13回であり、振動弱監視状態における振動エラー判定閾値(12回)以上であることから、振動弱監視状態でも異常振動と判定される。
なお、振動演出により発生する振動は、通常の遊技中に発生し得る誤差範囲の振動として、振動を検出したことをカウントしないようになっている。しかしながら、共振等によって、振動演出による振動がカウントされて、振動エラーが発生したと判定されてしまうことを防止するために、振動演出中は振動エラーと判定されにくい振動弱監視状態に制御するようになっている。
また、各エラー(異常)には、図10−9に示すように、各々、セキュリティ信号の出力態様が設定されており、各エラー(異常)の発生が判定された場合には、各エラー(異常)に対応する態様にてセキュリティ信号がターミナル基板16からパチンコ遊技機1の外部に出力されるようになっている。尚、セキュリティ信号は、比較的優先度が高く、遊技停止状態となるエラー(異常)については、電源がオフされるまで出力されるのに対し、比較的優先度の低いエラー(異常)については、エラー判定後の一定時間において出力されるか、或いは、出力されないようになっている。尚、優先度「10」の「不正入賞エラー」については、電源がオフされるまでだけではなく、再電源投入後から一定時間(本実施例では4分)に亘り、セキュリティ信号が出力されるように設定されている。
このように、本実施例の異常判定処理においてCPU103は、主基板11に接続されている磁気センサ60、電波センサ70、振動センサ046AK01、扉開放センサ90、大入賞口扉センサ91、満タンセンサ93、球切れセンサ94の検出状態や、払出基板の状態、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、V入賞スイッチ87a、第2カウントスイッチ15a、V判定排出スイッチ15bの遊技球の検知状態等に基づいて、図10−9に示す各エラー(異常)を判定する。
そして、S402の異常判定処理を実行した後、該異常判定処理において異常の発生を判定したか否かを判断し(S403)、異常の発生を判定していない場合(S403;N)には当該メイン側エラー処理を終了する。
一方、異常の発生を判定した場合(S403;Y)には、異常報知を実行中であることを示す異常報知中フラグがセットされているか否か、つまり、既に異常の報知を行っているか否かを判定する(S404)。
異常報知中フラグがセットされていない場合(S404;N)には、S410に進んで、異常報知中フラグと異常報知中タイマをセットするとともに、報知を開始するエラー(異常)を記憶した後、S411に進む。
尚、異常報知中タイマには、例えば、報知を開始するエラー(異常)が振動検出2エラーであれば、60秒に対応するタイマ値がセットされ、報知を開始するエラー(異常)が始動口2異常入賞エラーであれば、300秒に対応するタイマ値がセットされる。但し、報知を開始するエラー(異常)が、「電源オフ」の解除条件に対応するエラーである場合には、異常報知中タイマに「0」をセットする。これにより、S401においては、異常報知中タイマが動作中ではないと判定されることで、セットされた異常報知中フラグは、電源がオフとされるまでセットされていることになる。つまり、これら「電源オフ」の解除条件に対応するエラーについては、電源がオフとされるまでエラーの報知が継続されることになるので、電源がオフとされるまで異常報知中フラグがクリアされないようになっている。尚、異常賞球数が所定数以上であると判定された賞球異常エラーの場合には、遊技停止状態に制御されないので、遊技が可能な状態にてエラーが報知されることになる。
異常報知中フラグがセットされている場合(S404;Y)には、S410にて記憶されている報知異常のデータから報知中の異常を特定し(S405)、S402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)と同一であるか否かを判定する(S406)。
S402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)と同一である場合(S406;Y)には、当該メイン側エラー処理を終了する。一方、S402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)と同一でない場合(S406;N)には、S402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)であるか否かを判定する(S407)。S402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)ではない場合(S407;N)には、当該メイン側エラー処理を終了する。よって、S402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)ではない場合には、S413のステップが実行されてエラー指定コマンドが演出制御基板12に送信されることがないため、該エラー(異常)の報知は実行されず、報知中のエラー(異常)の報知が継続されることになる。
一方、S402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)である場合(S407;Y)には、さらに、所定状態である遊技停止状態を示す遊技停止フラグがセットされているか否かを判定する(S408)。
遊技停止フラグがセットされている場合(S408;Y)、つまり、遊技停止状態である場合には、当該メイン側エラー処理を終了する。よって、遊技停止状態である場合には、報知中のエラー(異常)よりも優先度の高いエラー(異常)がS402にて判定されても、S413のステップやS414のステップが実行されることがないため、演出制御基板12に新たなエラー指定コマンドが送信されることがないので、報知中のエラー(異常)の報知が継続されることになるとともに、出力中のセキュリティ信号の出力が変化(信号のON・OFF)してしまうこともない。
一方、遊技停止フラグがセットされていない場合(S408;N)、つまり、遊技停止状態ではない場合には、S409に進んで、異常報知中タイマを再セットするとともに、報知中のエラー(異常)を更新記憶する。尚、S402にて判定された、報知中のエラー(異常)と異なるエラー(異常)が「電源オフ」の解除条件に対応するエラーである場合には、前述したS410の場合と同様に、異常報知中タイマに「0」をセットすることで、異常報知中フラグが、電源がオフとされるまでセットされているようになる。
そして、S402にて判定された、報知中のエラー(異常)と異なるエラー(異常)が遊技停止に該当するエラーであるか否かを判定し(S411)、遊技停止に該当するエラーでない場合(S411;N)には、S412を経由することなくS413に進む。遊技停止に該当するエラーである場合(S411;Y)には、発射制御基板に対して発射を停止する設定を行って、打球発射装置からの遊技球の発射を不能とし、遊技停止フラグをセットして(S412)、S413に進む。
S413においては、S402にて判定された、報知中のエラー(異常)と異なるエラー(異常)の発生を指定するエラー指定コマンドを演出制御基板12に送信する設定を行い、その後、該エラー(異常)に対応する出力態様にてセキュリティ信号を出力する設定を行い(S414)、メイン側エラー処理を終了する。これらS414にてセキュリティ信号を出力する設定がなされることにより、情報出力処理(図5のS23)において、ターミナル基盤16からセキュリティ信号がホールコンピュータ等の外部機器に対して出力される。
尚、S413において送信設定されたエラー指定コマンドは、図5のS27のコマンド制御処理が実行されることにより演出制御基板12に送信される。そして、演出制御基板12においては、所定のエラー報知処理が実行されることで、該送信されたエラー指定コマンドにて特定されるエラー(異常)に対応したエラー報知が実行される。例えば、遊技状態が所定状態である遊技停止状態であるか否かにより、エラー報知の実行態様が異なるようにしてもよい。
図10−11は、特別図柄プロセス処理における小当り開放前処理(図6のS118)の一例を示すフローチャートである。小当り開放前処理において、CPU103は、先ず、小当り種別(小当り図柄)に応じた図柄確定期間が経過したか否かを判定する(ステップ046AKS001)。この実施例では、有利小当りの図柄確定期間は10秒となっており、他の図柄確定期間は0.5秒となっている。図柄確定期間が経過していなければ(ステップ046AKS001;No)、小当り開放前処理を終了する。
図柄確定期間が経過した場合(ステップ046AKS001;Yes)、小当り種別に応じた小当りの開放態様(図10−5、図10−6(A))に基づき、ソレノイド22を制御することで可動部872を開放状態に動作させ、V判定入賞装置87のアタッカー(第2大入賞口、作動口)の開放動作を開始させる(ステップ046AKS002)。次に、CPU103は、小当り遊技状態が開始されることを示す小当り開始指定コマンドを演出制御用CPU120へ送信する(ステップ046AKS003)。その後、CPU103は、振動エラーを監視する状態として、振動強監視状態に制御する(ステップ046AKS004)。
続いて、小当りの開放状態におけるV判定入賞装置87への入賞個数を当該開放状態の終了条件として用いるために、計数手段としてのV判定入賞個数カウンタをセットする(ステップ046AKS005)。具体的に、ステップ046AKS005では、V判定入賞個数カウンタのカウンタ値を「10」にセットし、V入賞個数をダウンカウントするための設定をする。そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り開放中処理(S119)に対応した値に更新して(ステップ046AKS006)、小当り開放前処理を終了する。
図10−12は、特別図柄プロセス処理における小当り開放中処理(図6のS119)の一例を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、CPU103は、小当り開放制御タイマを−1減算更新する(ステップ046AKS011)。次に、後述するステップ046AKS020でV判定入賞装置87への入賞個数を計数するV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっているか否かを確認する(ステップ046AKS012)。V判定入賞個数カウンタは、図10−11のステップ046AKS005により「10」にセットされ、10個のV入賞球を計数すると、計数値が「0」となる。ステップ046AKS012でV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっているときは、ステップ046AKS023に進む。一方、ステップ046AKS012でV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、小当り開放制御タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(ステップ046AKS013)。
ステップ046AKS013で小当り開放制御タイマがタイムアウトしているときは、ステップ046AKS023に進む。一方、ステップ046AKS013で小当り開放制御タイマがタイムアウトしていないときは、小当り種別に応じた小当りの開放態様(図10−5、図10−6(A))に基づき、小当り開放制御タイマの計時値に対応してソレノイド22を制御することで可動部872を開放状態または閉鎖状態に動作させ、V判定入賞装置87のアタッカーを開閉させるとともに、ソレノイド24を制御することで開閉部材874を開放状態または閉鎖状態に動作させ、V入賞領域870(V入賞口)を開閉させるための処理を行う(ステップ046AKS014)。
次に、V判定入賞装置87内部で開放状態となっているV入賞領域870にV入賞口から遊技球が進入したことにより発生するV入賞が検出されたか否かを判定するために、V入賞スイッチ87aがオン状態となっているか否かを判定する(ステップ046AKS015)。ステップ046AKS015でV入賞スイッチ87aがオン状態となっているときは、V入賞が検出されたときであり、V入賞フラグがオン状態であるか否かを判定し(ステップ046AKS016)、V入賞フラグがオフ状態であれば、V入賞が検出されたときにセットされるV入賞フラグをセットする(ステップ046AKS017)。そして、V入賞球検出指定コマンドを送信するための処理をする(ステップ046AKS018)。これにより、演出制御用CPU120は、V入賞が検出されたことを認識することができ、V入賞したことに対応する演出が可能になる。
次に、振動エラーを監視する状態として、V入賞したことに基づいて、振動弱監視状態に制御する(ステップ046AKS019)。
一方、ステップ046AKS015でV入賞スイッチ87aがオン状態となっていないときは、V入賞が検出されていないときであり、第2カウントスイッチ15aがオン状態となっているか否かを判定する(ステップ046AKS022)。第2カウントスイッチ15aがオン状態となっていないときは小当り開放中処理を終了する。
ステップ046AKS019の処理を実行した後、ステップ046AKS016においてV入賞フラグが既にオン状態である場合、または、ステップ046AKS022において第2カウントスイッチ15aがオン状態となっている場合は、V判定入賞個数カウンタの計数値を「−1」するダウンカウントを行い(ステップ046AKS020)、V判定入賞球検出指定コマンドを送信するための処理をする(ステップ046AKS021)。これにより、演出制御用CPU120は、V判定入賞装置87内に遊技球が進入したことや、V判定入賞装置87内に進入した遊技球の個数を認識することが可能となる。
ステップ046AKS012でV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっているときは、小当りのV入賞個数が上限値に到達したことにより小当りの開放終了条件が成立したときであり、また、ステップ046AKS013で小当り開放制御タイマがタイムアウトしたときは、小当りの開放制御が終了したことにより小当りの開放終了条件が成立したときである。これらのときに、CPU103は、ソレノイド22を制御することで可動部872を閉鎖状態に動作させ、V判定入賞装置87のアタッカーを閉鎖するとともに、ソレノイド24を制御することで開閉部材874を閉鎖状態に動作させ、V入賞領域870(V入賞口)を閉鎖させる(ステップ046AKS023)。V判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になったときは、小当りの開放態様に応じたV判定入賞装置87の開放途中であっても、V判定入賞個数カウンタの計数値に応じてV判定入賞装置87が強制的に閉鎖される。小当り開放制御タイマがタイムアウトしたときは、V判定入賞装置87が小当りの開放態様における小当りの開放制御の終了に応じて閉鎖される。
次に、振動エラーを監視する状態として、V判定入賞装置87が閉鎖して小当り遊技状態が終了することに基づいて、振動弱監視状態に制御する(ステップ046AKS024
)。なお、ステップ046AKS019にて既に振動弱監視状態に制御されている場合には、ステップ046AKS024の処理は省略する。その後、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り終了処理(S120)に対応した値に更新し(ステップ046AKS025)、小当り開放中処理を終了する。小当り終了処理では、V入賞フラグがセットされていれば、小当り遊技状態の終了後大当り遊技状態に制御するための処理が実行され、V入賞フラグがセットされていなければ、そのまま小当り遊技状態を終了させる。
なお、小当り終了処理ではV入賞スイッチ87a、及び、第2カウントスイッチ15aにより検出された遊技球の数(V判定入賞個数カウンタの減算値)がV判定排出スイッチ15bにより検出された遊技球の数と一致したこと、即ち、V判定入賞装置87に進入した遊技球が全て排出されたことに基づいて小当り遊技状態を終了させるようにしてもよい。そして、所定期間経過しても全て排出されたことが確認できなかった場合には、排出エラーと判定するようにしてもよい。このようにすることで、V判定入賞装置87における球詰まりを防止できるとともに、排出エラーを判定でき、好適に小当り遊技状態を終了して大当り遊技状態に制御することができる。
なお、V判定入賞装置87の閉鎖後に特定期間V入賞領域870(V入賞口)を開放状態として、当該特定期間はV入賞を有効としてもよい。このようにすることで、何かの拍子に通常通過する時間より遅れて遊技球がV入賞領域870を通過した場合であっても、V入賞を検出することができる。また、特定期間が設定されているので、不正にV入賞領域へ入賞させようとした者がいたとしてもその期間しか検出されないので、不正を防ぐこともできる。
図10−13は、振動演出処理の一例を示すフローチャートである。振動演出処理は、演出制御基板12の側において、スティックコントローラ31Aを振動させる振動演出を実行するための処理であり、演出制御用CPU120により実行される。振動演出処理は、例えば、図9の演出制御プロセス処理内(例えばステップS161の後等)で実行されればよい。
振動演出処理では、演出制御用CPU120は、先ず、振動演出を実行中であることを示す振動演出中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップ046AKS101)。振動演出中フラグがオン状態であれば(ステップ046AKS101;Yes)、振動演出の開始からの期間等に基づいて、振動演出の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップ046AKS102)。
振動演出の終了タイミングでなければ(ステップ046AKS102;No)、振動モータ046AK11に駆動信号を送出して振動を発生させるといった、振動演出中の制御を行い(ステップ046AKS103)、振動演出処理を終了する。また、この実施例では、振動演出中に可動体を動作させる演出を実行するようになっている。ステップ046AKS103では、可動体の動作制御も実行する。なお、可動体を動作させる演出は、振動演出の一部であってもよいし、振動演出とは独立した演出であってもよい。
この実施例では、振動演出中は、振動エラーと判定されづらい振動弱監視状態に制御されて、振動エラーの報知が制限されるようになっている。そのため、振動演出中に可動体を動作させる演出を実行しても、可動体の動作による振動が検出されて、振動エラーが報知されにくくなっている。そのため、振動演出中に可動体を動作させる演出を実行することで、振動エラーの発生に留意することなく演出効果を高めることできる。
なお、この実施例では、振動演出における振動モータ046AK11の振動の態様は一定となっているが、振動演出における振動パターンが複数種類あってもよい。例えば、振動させる期間の長短によって振動の強弱を表すようにしてもよい。また、駆動信号の異ならせることで、振動モータ046AK11の振動の強度を異ならせるようにしてもよい。
例えば、有利小当りの図柄確定期間に行う振動演出と、不利小当りにおいてV入賞した場合に行う振動演出と、で振動パターン(例えば振動の期間)を異ならせてもよい。振動演出における振動パターンを複数種類設ける場合には、実行する振動演出に対応した演出制御データに基づいて、振動モータ046AK11を駆動させればよい。
振動演出の終了タイミングであれば(ステップ046AKS102;No)、振動モータ046AK11への駆動信号の送出を終了するといった、振動演出を終了させるための制御を行う(ステップ046AKS104)。その後、振動演出中フラグをオフ状態にリセットして(ステップ046AKS105)、振動演出処理を終了する。
振動演出中フラグがオフ状態であれば(ステップ046AKS101;No)、主基板11から特別図柄の変動を終了することを示す図柄確定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップ046AKS111)。図柄確定コマンドを受信した場合(ステップ046AKS111;Yes)、表示結果指定コマンド等から表示結果が有利小当りであるか否かを判定する(ステップ046AKS112)。表示結果が有利小当りでない場合(ステップ046AKS112;No)、振動演出処理を終了する。
表示結果が有利小当りである場合(ステップ046AKS112;Yes)、この実施例では有利小当りの図柄確定期間において振動演出を実行するようになっており、振動モータ046AK11に駆動信号を送出して振動を開始させるといった、当該振動演出を開始させるための制御を実行する(ステップ046AKS113)。そして、振動演出の実行中であることを示す振動演出中フラグをオン状態にセットして(ステップ046AKS114)、後述するステップ046AKS131に進む。
図柄確定コマンドを受信していない場合(ステップ046AKS111;No)、主基板11からV入賞指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップ046AKS121)。V入賞指定コマンドを受信していなければ(ステップ046AKS121;No)、振動演出処理を終了する。
V入賞指定コマンドを受信していれば(ステップ046AKS121;Yes)、表示結果指定コマンド等から表示結果(小当り種別)が不利小当りAであるか否かを判定する(ステップ046AKS122)。表示結果が不利小当りAでなければ(ステップ046AKS122;No)、振動演出処理を終了する。
表示結果が不利小当りAであれば(ステップ046AKS122;Yes)、この実施例ではV入賞率が略50%の割合である不利小当りAにおいてV入賞した場合に振動演出を実行するようになっており、振動モータ046AK11に駆動信号を送出して振動を開始させるといった、当該振動演出を開始させるための制御を実行する(ステップ046AKS123)。そして、振動演出の実行中であることを示す振動演出中フラグをオン状態にセットして(ステップ046AKS124)、ステップ046AKS131に進む。
なお、小当り種別が有利小当りである場合にもV入賞した場合に振動演出を実行するようにしてもよい。また、小当り種別が不利小当りBである場合には、基本的にV入賞は発生しないが、不具合等でV入賞が発生した場合には振動演出を実行するようにしてもよい。この場合、不利小当りBにおいてV入賞が発生したことに対応したエラー報知やセキュリティ信号の出力を行うようにしてもよい。
ステップ046AKS113またはステップ046AKS123の処理で振動演出を開始させる制御を実行して、ステップ046AKS114またはステップ046AKS124の処理を実行した後には、設定示唆演出を実行するか否かを判定するための設定示唆演出実行判定を行う(ステップ046AKS131)。この実施例では、振動演出の実行中に所定の音声を出力することでパチンコ遊技機1の設定値を示唆する設定示唆演出を実行可能になっている。
ステップ046AKS131では、例えば図10−14(A)に示す割合で、設定示唆演出を実行するか否か、及び、実行する設定示唆演出の演出態様(出力する音声の種類)に対応した設定示唆演出パターンを決定する。図10−14(A)に示すように、この実施例では、4種類の設定示唆演出パターンA〜Dが設けられており、設定値が高い程設定示唆演出が実行される割合が高くなっている。また、高設定値である期待度は設定示唆演出パターンC>設定示唆演出パターンB>設定示唆演出パターンAの順に高くなっており、特に設定示唆演出パターンCは、設定値が4以上であることが確定するパターンとなっている。また、設定値示唆演出パターンDは、設定値が偶数である場合に奇数である場合よりも決定される割合が高く、偶数設定値であることを示唆するパターンとなっている。このように、複数種類の設定示唆演出パターンを設けることで、好適に設定値を示唆することができ、興趣が向上する。
図10−14(B)に示すように、設定示唆演出パターンAは、振動演出中に音声Aを出力する設定示唆演出を実行するパターンであり、設定示唆演出パターンBは、振動演出中に音声Bを出力する設定示唆演出を実行するパターンであり、設定示唆演出パターンBは、振動演出中に音声Bを出力する設定示唆演出を実行するパターンであり、設定示唆演出パターンCは、振動演出中に音声Cを出力する設定示唆演出を実行するパターンであり、設定示唆演出パターンDは、振動演出中に音声Dを出力する設定示唆演出を実行するパターンである。音声A〜音声Dは、それぞれ異なっていればよく、直接設定値を示唆する音声(例えば、「高設定かも」等)であってもよいし、直接的には設定値を示唆せずに異なるキャラクタの音声等であってもよい。このように、振動演出に加えて、音声により設定示唆演出を実行するので、演出の興趣が向上する。
なお、設定示唆演出パターンの種類や、設定示唆演出の決定割合、演出態様は任意でよく、例えば、画像表示により設定を示唆するものであってもよい。また、複数種類の設定示唆演出を並行して実行可能にしてもよい。また、設定示唆演出を振動演出中以外に実行するようにしてもよい。
また、遊技の状況に応じて、設定示唆演出の実行割合や、設定示唆演出パターンの決定割合を異ならせてもよい。例えば、時短状態では、小当りとなって振動演出が実行されやすく、設定示唆演出を実行する機会が増えることから、通常状態よりも設定示唆演出の実行割合を低くしてもよい。また、時短状態において大当りが継続するいわゆる連荘中である場合は、通常状態における初当りである場合よりも、設定示唆演出の実行割合を低くしてもよい。このようにすることで、時短状態や連荘中に設定示唆演出が頻発して、設定値が過度に示唆されてしまうことを防止できる。なお、時短状態において通常状態よりも設定示唆演出の実行割合を高くしてもよいし、連荘中である場合は初当りである場合よりも、設定示唆演出の実行割合を高くしてもよい。また、設定値に応じて、いずれの状態の実行割合を高くするかを異ならせてもよい。
設定示唆演出実行判定を実行した後は、設定示唆演出を実行することが決定されたか否かを判定する(ステップ046AKS132)。設定示唆演出を実行しないことに決定された場合は(ステップ046AKS132;No)、振動演出処理を終了する。設定示唆演出を実行することに決定された場合は(ステップ046AKS132;Yes)、決定された設定示唆演出パターンに対応した演出制御データに基づいて、設定示唆演出を実行するための制御(対応する音声をスピーカ8から出力する制御)を行って(ステップ046AKS133)、振動演出処理を終了する。
続いて、特徴部046AKの演出動作例について説明する。図10−15は、有利小当り時の演出動作例を示している。図10−15(A)は、画像表示装置5の「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに「4」の飾り図柄が停止した有利小当りの表示結果が表示されていることを示している。なお、特別図柄としては、有利小当りの小当り図柄「1」が停止表示される。
有利小当りの10秒間の図柄確定期間においては、図10−15(B)〜(D)に示すように、振動モータ046AK11を振動させることで、スティックコントローラ31Aを振動させる振動演出が実行される。このとき、図10−15(B)、(C)に示すように、画像表示装置5の上部の収納位置から可動体046AK21から突出する演出も実行される。有利小当りの小当り遊技状態のおいては、右打ちをすることで必ずV入賞して大当り遊技状態に制御されることになるので、このように、図柄確定期間において大当り遊技状態に制御されることを報知、祝福する振動演出を実行するようになっている。また、振動演出中に可動体046AK21を動作させる演出を実行するので、演出効果を高めることができる。
可動体046AK21は、図柄確定期間の経過前に図10−15(D)に示すように、収納位置に戻り、その後、スティックコントローラ31Aの振動も停止して振動演出が終了する。
その後、有利小当りの図柄確定期間が終了すると、有利小当りの小当り遊技状態が開始し、図10−15(E)に示すように、画像表示装置5の中央に「右を狙え!」という文字が表示されるとともに、画像表示装置5の右上部分に矢印とともに右打ちすることを示す右打ち画像が表示される右打ち促進報知が実行される。
有利小当りの小当り遊技状態のおいては、右打ちをすることで必ずV入賞するようになっており、V入賞が発生すると、図10−15(F)に示すように、画像表示装置5の中央部に大きな「V」の画像が表示されることで、V入賞したことを報知するV入賞報知が実行される。その後、小当り遊技状態が終了すると、大当り遊技状態に制御される。
図10−16は、不利小当りA時の演出動作例を示している。図10−16(A)は、画像表示装置5の「左」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5Rに「2」の飾り図柄が停止し、「中」の各飾り図柄表示エリア5Cに特殊図柄である「チャレンジ」の文字を示す図柄が停止した不利小当りAの表示結果が表示されていることを示している。このように、この実施例では、不利小当りAの小当り遊技状態ではV入賞率が略50%となっており、大当りとなるチャレンジともいえるため、不利小当りAとなるときには、「中」の各飾り図柄表示エリア5Cに「チャレンジ」の文字を示す特殊図柄が停止するようになっている。なお、特別図柄としては、不利小当りAの小当り図柄「5」が停止表示される。
不利小当りAの図柄確定期間は0.5秒であるため、その後間もなく不利小当りAの小当り遊技状態に制御され、図10−16(B)に示すように、画像表示装置5の中央に「右を狙え!」という文字が表示されるとともに、画像表示装置5の右上部分に矢印とともに右打ちすることを示す右打ち画像が表示される右打ち促進報知が実行される。
不利小当りAの小当り遊技状態のおいては、右打ちをした場合のV入賞率は略50%の割合となっている。ここで、V入賞が発生すると、図10−16(C)に示すように、画像表示装置5の中央部に大きな「V」の画像が表示されることで、V入賞したことを報知するV入賞報知が実行される。
また、不利小当りAの小当り遊技状態において、V入賞が発生したことに基づいて、
図10−16(C)〜(E)に示すように、振動モータ046AK11を振動させることで、スティックコントローラ31Aを振動させる振動演出が実行される。このとき、図10−16(C)、(D)に示すように、画像表示装置5の上部の収納位置から可動体046AK21から突出する演出も実行される。不利小当りAの小当り遊技状態のおいては、右打ちした場合のV入賞率は略50%の割合となっているが、V入賞した場合には大当り遊技状態に制御されることになる。よって、このように、V入賞して大当り遊技状態に制御されることを報知、祝福する振動演出を実行するようになっている。また、振動演出中に可動体046AK21を動作させる演出を実行するので、演出効果を高めることができる。
振動演出を実行することに伴って、振動演出中に設定示唆演出パターンAの設定示唆演出を実行することが決定された場合には、図10−16(D)に示すように、スピーカ8から音声Aが出力される設定示唆演出が実行される。これにより、振動演出と並行して設定示唆演出により設定値を示唆することができ、興趣が向上する。
可動体046AK21は、小当り遊技状態の終了前に図10−16(E)に示すように、収納位置に戻り、図10−16(F)スティックコントローラ31Aの振動も停止して振動演出が終了する。その後、小当り遊技状態が終了すると、大当り遊技状態に制御される。
(特徴部046AKの変形例)
本特徴部は、この実施例に限定されず、種々の変形や応用が可能であり、更に特徴を追加してもよい。上記実施例や変形例に示したフローチャートの処理内容や決定割合、各種演出の決定方法は、一例であって、上記実施例と同様の効果を奏することができ、上記実施例で示した演出を好適に実行できれば任意でよい。また、上記実施例で示した演出動作例は一例であり、同様の演出効果を達成できれば適宜変更可能である。また、上記実施例で説明した構成は、その全てが必須構成ではなく、その一部が欠けていてもよい。また、本特徴部と他の特徴部を適宜組み合わせてもよい。
上記実施例では、振動演出が実行される期間において、振動弱監視状態に制御することで、振動エラーの報知を制限するようになっていた。振動エラーの報知を制限する方法はこれに限定されない。例えば、振動演出が実行される期間において振動センサ046AK01による振動の検出感度を低くして振動が検出されないようにしてもよいし、振動演出の実行タイミングにおいて振動エラーの報知を実行しないように制限してもよい。
図10−17は、振動演出の実行タイミングにおいて振動エラーの報知を実行しないように制限した場合の小当り時の演出制御を示すタイミングチャートである。図10−17に示すタイミングチャートは、上記実施例の図10−5に示したタイミングチャートと略同一であり、最下段の「振動監視」が「振動検出2エラー報知」の可否になっている点が異なる。
図10−17(A)、(B)に示すように、この変形例では、有利小当り及び不利小当りAとなった場合の振動演出の実行タイミング(実行期間)においては、振動検出2エラー(振動弱監視状態において異常振動と判定された場合の振動エラー)の報知を実行しないように制限される。即ち、振動演出の実行タイミング(実行期間)において、振動検出2エラーと判定されても、振動演出が原因であるとみなして、エラー報知は実行しないように制限される。これにより、大当りとなることを報知、祝福する振動演出中に振動エラーが報知されて、興趣が低下してしまうことを防止できる。
なお、振動演出の実行タイミングにおいて振動エラーの報知を実行しないようする場合、V判定入賞装置87のアタッカーが開放される期間中は、振動の監視状態を切り替えずに常に振動強監視状態として、振動エラーの報知の有無のみ異ならせるようにしてもよい。
上記実施例では、図10−8のS402の異常判定処理により、主基板11の側でCPU103により、振動エラーの判定を行うようになっていたが、主基板11が送信されるコマンドに基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120が振動エラーの判定を行うようにしてもよい。
図10−18は、演出制御用CPU120が実行するサブ側振動エラー判定処理の一例を示すフローチャートである。サブ側振動エラー判定処理は、図8のコマンド解析処理(ステップS75)内等で実行されればよい。
サブ側振動エラー判定処理において、演出制御用CPU120は、先ず、主基板11から小当り指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップ046AKS201)。小当り指定コマンドを受信した場合(ステップ046AKS201;Yes)、振動エラー判定閾値として振動強監視状態に対応した値(1回)をセットする(ステップ046AKS202)。
小当り指定コマンドを受信していない場合(ステップ046AKS201;No)、主基板11からV入賞指定コマンドまたは小当り終了指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップ046AKS203)。V入賞指定コマンドまたは小当り終了指定コマンドを受信した場合(ステップ046AKS203;Yes)、振動エラー判定閾値として振動弱監視状態に対応した値(12回)をセットする(ステップ046AKS204)。
ステップ046AKS202またはステップ046AKS204を実行した後や、V入賞指定コマンドまたは小当り終了指定コマンドを受信していない場合(ステップ046AKS203;No)、主基板11から振動検出コマンドを受信したか否かを判定する(ステップ046AKS205)。振動検出コマンドは、振動センサ046AK01により振動が検出されたときに、主基板11から演出制御基板12に送信される。振動検出コマンドを受信していない場合(ステップ046AKS205;No)、サブ側振動エラー判定処理を終了する。
振動検出コマンドを受信した場合(ステップ046AKS205;Yes)、振動検出回数をカウントする振動検出カウンタの値を1加算する(ステップ046AKS206)。そして、振動エラーの判定するための期間である1.2秒間(直近の1.2秒間)における振動検出カウンタの値が、振動エラー判定閾値(振動強監視状態では1回、振動弱監視状態では12回)以上となったか否かを判定する(ステップ046AKS207)。振動検出カウンタの値が、振動エラー判定閾値未満であれば(ステップ046AKS207;No)、サブ側振動エラー判定処理を終了する。
振動検出カウンタの値が、振動エラー判定閾値以上であれば(ステップ046AKS207;Yes)、所定の振動エラー時処理(ステップ046AKS208)を実行する。振動エラー時処理では、例えば、振動強監視状態であるか振動弱監視状態であるかに応じたエラー報知が実行されればよい。その後、サブ側振動エラー判定処理を終了する。
このように、振動の検出は主基板11の側で行い、振動エラーの判定を演出制御基板12の側で実行することで、主基板11の側の処理負担や記憶容量を軽減することができる。なお、この変形例では、振動センサ046AK01が主基板11側に設けられており、振動センサ046AK01により振動が検出されたときに、主基板11から演出制御基板12に振動検出コマンドが送信されるようになっていたが、振動センサを演出制御基板12側に設けて、演出制御基板12側の振動センサによる振動の検出結果に基づいて、振動エラーの判定を行うようにしてもよい。
また、振動エラーと判定される閾値を、任意に設定できるようにしてもよい。例えば、所定の操作をすることで、振動弱監視状態に対応した振動エラー判定閾値を任意に設定できるようにしてもよい。また、振動弱監視状態において振動エラーの報知有無を設定可能にしてもよい。このようにすることで、例えばパチンコ遊技機1を設置するホール側で、振動エラーの報知有無や振動エラーと判定される閾値を好みに応じて設定でき、好適に異常判定及び異常報知を実行できる。
上記実施例では、振動演出の実行中に可動体046AK21を動作させる演出や設定示唆演出を実行するようになっていたが、このような演出を実行しないようにしもよい。また、振動演出の実行中に他の演出を実行するようにしてもよい。例えば、振動演出の実行中に先読予告演出や保留内連荘報知、小当り経由の大当りの大当り種別が複数種類ある場合の大当り種別の示唆等を行ってもよい。
上記実施例では、振動エラーを監視する状態として、振動弱監視状態と振動強監視状態との二種類があったが、振動エラーを監視する状態をより細かくわけてもよい。例えば、V判定入賞装置87の非開放期間、V判定入賞装置87の開放期間(V入賞前)、V判定入賞装置87の開放期間(V入賞後)で振動エラーを監視する状態(振動エラーと判定する条件)やエラー判定時の報知内容を異ならせてもよい。また、振動エラーを監視する状態を分けるのではなく検出された振動の強度や回数によって、エラーの種類(報知内容や遊技停止状態とするか否か、セキュリティ信号出力の有無)を異ならせてもよい。
上記実施例では、大当り遊技状態に制御されることを報知、祝福する演出として振動を発生させる振動演出を実行するようになっていたが、他の契機に振動を発生させる振動演出を実行するようにしてもよい。例えば、可変表示の実行中に可変表示の表示結果が大当りや小当りとなることを予告する予告演出として、振動を発生させる振動演出を実行するようにしてもよい。この場合、予告演出としての振動演出を実行する期間においても、振動弱監視状態に制御したり、振動エラーの報知を実行しないようにすることで、振動エラーの報知を制限するようにしてもよい。
また、上記実施例の大当りとなることを報知、祝福する祝福演出としての振動演出や、変形例の予告演出としての振動演出の実行時に、振動の発生に伴ってランプを点灯させるようにしてもよい。例えば、スティックコントローラ31Aを振動させるとともに、ランプを点灯させる振動演出を実行するようにしてもよい。この場合、振動の強度(振動時間)やランプ点灯色やそれらの組合せによって遊技者にとっての有利度合い(大当り信頼度や、当り種別の有利度合い等)を示唆、報知できるようにしてもよい。また、祝福演出としての振動演出と、可変表示中の予告演出としての振動演出と、で振動の強度(振動時間)やランプ点灯有無や点灯色が異なるようにしてもよい。この場合、祝福演出としての振動演出は、大当りとなることが確定したときに実行されるため、予告演出としての振動演出よりも振動の強度が高い(振動期間が長い)ようにしてもよい。
図柄大当り(例えば図柄10R時短大当り)となった場合の演出動作を、有利小当り(小当り経由大当り)となった場合の演出動作と同様にしてもよい。例えば、第2特別図柄の変動表示に基づいて図柄10R時短大当りとなった場合には、図柄確定期間を10秒設けてその期間に振動演出を実行するようにしてよい。また、図柄10R時短大当りの変動期間のうちの図柄揃いの後の期間で振動演出(祝福演出)を実行するようにしてもよい。即ち、図柄10R時短大当りとなった場合の演出動作が、図10−15に示したよう有利小当り時の演出動作と同様にしてもよい。このようにすることで、図柄大当り時と有利小当り経由の大当り時の演出動作を統一できるので、演出動作が複雑になって遊技者を困惑させてしまうことを防止できる。
(特徴部046AKに係る手段)
(1)特徴部046AKに係る遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば特徴部046AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
可変表示を行い可変表示の表示結果として特殊表示結果(例えば小当り図柄)が導出されたときに特殊状態(例えば小当り遊技状態)に制御可能であり、当該特殊状態において特定領域(例えばV入賞領域870、V入賞口)を遊技媒体が通過したことに基づいて前記有利状態に制御可能な制御手段(例えばステップS120の処理を実行するCPU103)と、
振動を検出可能な振動検出手段(例えば振動センサ046AK01)と、
前記振動検出手段による検出結果に基づいて、振動異常の発生を判定する振動異常判定手段(例えばステップS402の処理を実行するCPU103)と、
前記振動異常判定手段により振動異常が発生したと判定された場合に、振動異常報知を行う異常報知手段(例えばステップS402、S413の処理を実行するCPU10や演出制御用CPU120)と、
振動を発生させる振動演出を実行可能な振動演出実行手段(例えばステップ046AKS113、ステップ046AKS123、ステップ046AKS103の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、
前記特殊状態において前記特定領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、前記振動演出を実行する(例えばステップ046AKS123、ステップ046AKS103の処理を実行する)とともに前記振動異常報知を制限する(例えばステップ046AKS019の処理を実行する。図10−5(B)、図10−17(B)参照)。
このような構成によれば、適切に振動の監視を行うとともに不適切な異常判定による興趣の低下を抑えつつ、振動演出により興趣を向上させることができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記振動異常判定手段により振動異常が発生したと判定されやすい強監視状態(例えば振動強監視状態)と、当該強監視状態よりも前記振動異常判定手段により振動異常が発生したと判定されにくい弱監視状態(例えば振動弱監視状態)と、のいずれかに制御可能であり、
前記特殊状態に制御されたことに基づいて前記強監視状態に制御し(例えばステップ046AKS004の処理を実行し)、前記特殊状態において前記特定領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、前記弱監視状態に制御する(例えばステップ046AKS019の処理を実行する。図10−5(B)参照)ようにしてもよい。
このような構成によれば、適切に振動の監視を行うとともに不適切な異常判定による興趣の低下を抑えつつ、振動演出により興趣を向上させることができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記強監視状態で前記振動異常判定手段により振動異常が発生したと判定された場合、遊技を実行不可能な遊技停止状態に制御する(例えば図10−9の振動検出1エラー参照)ようにしてもよい。
このような構成によれば、振動異常に応じた制御を行うことができる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかに記載の遊技機において、
遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値のいずれかに設定可能な設定手段(例えば図7参照)と、
前記振動演出の実行中に音声により設定示唆演出を実行可能な設定示唆演出実行手段(例えばステップ046AKS131〜ステップ046AKS133の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備えるようにしてもよい。
このような構成によれば、振動演出に加えて設定示唆を行うことができ、興趣が向上する。
(5)上記(1)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、
前記振動演出の実行中に可動体(例えば可動体046AK21)を動作させる演出を実行可能である(例えば図10−15、図10−16参照)ようにしてもよい。
このような構成によれば、振動演出の演出効果を向上させることができる。また、可動体の動作によって振動異常と判定されることを防止できる。
(6)上記(2)から(5)のいずれかに記載の遊技機において、
前記異常報知手段は、前記特殊状態において前記特定領域を遊技媒体が通過したことに基づいて制御された前記弱監視状態において、前記振動異常報知を実行しない(例えば図10−17(B)参照)ようにしてもよい。
このような構成によれば、振動演出中に振動異常報知されることによる興趣低下を防止できる。
(7)上記(1)から(6)のいずれかに記載の遊技機において、
前記特殊状態は複数種類あり(例えば有利小当り、不利小当りA、及び、不利小当りBの小当り遊技状態)、
前記特定領域を遊技媒体が通過可能な前記特殊状態(例えば有利小当り、不利小当りAの小当り遊技状態)と、前記特定領域を遊技媒体が通過不可能な前記特殊状態(例えば不利小当りBの小当り遊技状態)と、があるようにしてもよい。
このような構成によれば、特殊状態が多彩になり、興趣が向上する。
(8)上記(1)から(7)のいずれかに記載の遊技機において、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば主基板11、遊技制御用マイクロコンピュータ100、CPU103)と、
前記遊技制御手段からの情報に基づいて演出を制御する演出制御手段(例えば演出制御基板12、演出制御用CPU120)と、を備え、
前記遊技制御手段は、前記振動検出手段を備え、前記振動検出手段による検出結果に関する情報(例えば振動検出コマンド)を前記演出制御手段に通知し、
前記演出制御手段は、前記振動異常判定手段(例えばサブ側振動エラー判定処理を実行する演出制御用CPU120)を備え、
前記振動異常判定手段は、前記振動検出手段による検出結果に関する情報に基づいて、前記振動検出手段による検出結果が閾値に達したか否かを判定することにより、振動異常の発生を判定する(例えばステップ046AKS207の処理を実行する)ようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技制御手段の容量を削減することができる。
(9)上記(8)に記載の遊技機において、
遊技停止状態に制御されない振動異常について、前記振動異常判定手段により当該振動異常が発生したと判定される閾値を設定可能であるようにしてもよい。
このような構成によれば、好適に異常判定及び異常報知を実行できる。
(特徴部047AKに係る手段)
特徴部046AKは、以下に示す特徴部047を含んでいる。
(1)特徴部047AKに係る遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば特徴部047AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
可変表示を行い可変表示の表示結果として特殊表示結果(例えば小当り図柄)が導出されたときに特殊状態(例えば小当り遊技状態)に制御可能であり、当該特殊状態において特定領域(例えばV入賞領域870、V入賞口)を遊技媒体が通過したことに基づいて前記有利状態に制御可能な制御手段(例えばステップS120の処理を実行するCPU103)と、
振動を検出可能な振動検出手段(例えば振動センサ046AK01)と、
前記振動検出手段による検出結果に基づいて、振動異常の発生を判定する振動異常判定手段(例えばステップS402の処理を実行するCPU103)と、
前記振動異常判定手段により振動異常が発生したと判定された場合に、振動異常報知を行う異常報知手段(例えばステップS402、S413の処理を実行するCPU10や演出制御用CPU120)と、
振動を発生させる振動演出を実行可能な振動演出実行手段(例えばステップ046AKS113、ステップ046AKS123、ステップ046AKS103の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、
可変表示の表示結果として前記特殊表示結果とは異なる特定表示結果が導出されるときの表示結果の表示時間よりも、可変表示の表示結果として前記特殊表示結果が導出されるときの表示結果の表示時間の方が長く(例えば図10−5、図10−6参照)、
可変表示の表示結果として前記特殊表示結果が導出されるときの表示結果の表示時間内に前記振動演出が実行される(例えばステップ046AKS113の処理を実行する。図10−5(A)、図10−17(A)参照)。
このような構成によれば、適切に振動の監視を行うとともに不適切な異常判定による興趣の低下を抑えつつ、振動演出により興趣を向上させることができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特殊状態は複数種類あり(例えば有利小当り、不利小当りA、及び、不利小当りBの小当り遊技状態)、
前記特殊状態として、第1特殊状態(例えば不利小当りA、不利小当りBの小当り遊技状態)と、当該第1特殊状態よりも遊技媒体が前記特定領域を通過しやすい第2特殊状態(例えば有利小当りの小当り遊技状態)と、があり、
可変表示の表示結果として前記第1特殊状態に対応した第1特殊表示結果(例えば不利小当りA、不利小当りBの小当り図柄)が導出されるときの表示結果の表示時間よりも、可変表示の表示結果として前記前記第2特殊状態に対応した第2特殊表示結果(例えば楓理の小当り図柄)が導出されるときの表示結果の表示時間の方が長く、
可変表示の表示結果として前記第2特殊表示結果が導出されるときの表示結果の表示時間内に前記振動演出が実行される(例えば図10−5、図10−6参照)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特殊状態が多彩になるとともに、振動演出により興趣を向上させることができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記強監視状態で前記振動異常判定手段により振動異常が発生したと判定された場合、遊技を実行不可能な遊技停止状態に制御する(例えば図10−9の振動検出1エラー参照)ようにしてもよい。
このような構成によれば、振動異常に応じた制御を行うことができる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかに記載の遊技機において、
遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値のいずれかに設定可能な設定手段(例えば図7参照)と、
前記振動演出の実行中に音声により設定示唆演出を実行可能な設定示唆演出実行手段(例えばステップ046AKS131〜ステップ046AKS133の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備えるようにしてもよい。
このような構成によれば、振動演出に加えて設定示唆を行うことができ、興趣が向上する。
(5)上記(1)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、
前記振動演出の実行中に可動体(例えば可動体046AK21)を動作させる演出を実行可能である(例えば図10−15、図10−16参照)ようにしてもよい。
このような構成によれば、振動演出の演出効果を向上させることができる。また、可動体の動作によって振動異常と判定されることを防止できる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかに記載の遊技機において、
前記振動異常判定手段により振動異常が発生したと判定されやすい強監視状態(例えば振動強監視状態)と、当該強監視状態よりも前記振動異常判定手段により振動異常が発生したと判定されにくい弱監視状態(例えば振動弱監視状態)と、のいずれかに制御可能であり、
可変表示の表示結果として前記特殊表示結果が導出されるときの表示結果の表示時間中は前記弱監視状態に制御し、前記特殊状態に制御されたことに基づいて前記強監視状態に制御する(例えばステップ046AKS004の処理を実行する。図10−5(A)参照)ようにしてもよい。
このような構成によれば、適切に振動の監視を行うとともに不適切な異常判定による興趣の低下を抑えつつ、振動演出により興趣を向上させることができる。
(7)上記(6)に記載の遊技機において、
前記異常報知手段は、可変表示の表示結果として前記特殊表示結果が導出されるときの表示結果の表示時間中の前記弱監視状態において、前記振動異常報知を実行しない(例えば図10−17(A)参照)ようにしてもよい。
このような構成によれば、振動演出中に振動異常報知されることによる興趣低下を防止できる。
(8)上記(1)から(7)のいずれかに記載の遊技機において、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば主基板11、遊技制御用マイクロコンピュータ100、CPU103)と、
前記遊技制御手段からの情報に基づいて演出を制御する演出制御手段(例えば演出制御基板12、演出制御用CPU120)と、を備え、
前記遊技制御手段は、前記振動検出手段を備え、前記振動検出手段による検出結果に関する情報(例えば振動検出コマンド)を前記演出制御手段に通知し、
前記演出制御手段は、前記振動異常判定手段(例えばサブ側振動エラー判定処理を実行する演出制御用CPU120)を備え、
前記振動異常判定手段は、前記振動検出手段による検出結果に関する情報に基づいて、前記振動検出手段による検出結果が閾値に達したか否かを判定することにより、振動異常の発生を判定する(例えばステップ046AKS207の処理を実行する)ようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技制御手段の容量を削減することができる。
(9)上記(8)に記載の遊技機において、
遊技停止状態に制御されない振動異常について、前記振動異常判定手段により当該振動異常が発生したと判定される閾値を設定可能であるようにしてもよい。
このような構成によれば、好適に異常判定及び異常報知を実行できる。
(特徴部010AKに関する説明)
続いて、特徴010AKについて説明する。特徴部010AKのパチンコ遊技機1は、有利状態(大当り遊技状態やV入賞で大当り遊技状態に制御される小当り遊技状態)に制御されるときに、有利状態に制御されることに対応した保留情報が記憶されていること(保留内当りがあること、保留内連荘すること)を報知する報知演出(保留連報知)を実行可能であり、報知演出が実行されたことにより、特定表示(有利状態に制御されることに対応した保留情報が記憶されていることを示す表示)を表示可能な特定表示手段と、特定表示に対応した可変表示の所定タイミングにおいて、当該特定表示を消去する特定表示消去演出(消去演出)を実行可能な消去演出実行手段と、を備える。このような消去演出を実行することで、保留連報知の対象が分かりやすくなる。また、消去演出が実行されるまで特定表示が継続して表示されるので、継続的に保留内大当りがあることを報知可能となる。
そして、特徴部010AKでは、特定表示が表示されているときに、所定事象が発生したことにより所定タイミングで当該特定表示が消去されなかった場合、所定タイミングよりも後の特定タイミングで当該特定表示を消去する特別制御を実行可能である。即ち、特徴部010AKに係るパチンコ遊技機1では、不具合等の所定事象が発生して所定タイミングで当該特定表示が消去されなかった場合には、特定タイミングで特定表示が消去されるので、保留連報知の対象となる有利状態に制御されたにも関わらず、特定表示が表示され続けて遊技者に不信感を与えてしまうこと防止できる。これにより、保留連報知を好適に実行できる。
以下、特徴010AKのパチンコ遊技機1の特徴的な部分について説明する。ここでは説明しない他の部分については、上述の基本説明のパチンコ遊技機1の構成や他の特徴部の構成を適宜採用すればよい。
図10−19は、特徴部010AKの消去演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。図10−19に示すように、大当り遊技状態(大当り遊技状態がON)において保留連報知が実行されると、特定表示が表示される(特定表示がON)。
その後、大当り遊技状態が終了すると、記憶されている保留情報に基づいて変動(可変表示)が実行される(変動がON)。その変動が保留連報知の対象変動であった場合、当該変動(保留連報知対象変動)において消去演出が実行される。この実施例では、図10−19に示すように、消去演出の実行タイミング(消去タイミング)として、変動開始直後のタイミングTAと、ノーマルリーチ開始時(左右図柄揃い時)のタイミングTBと、スーパーリーチ発展後のタイミングTCと、が設けられている。
この実施例では、保留連報知対象変動の変動開始時に、演出制御用CPU120が、主基板11から受信する演出制御コマンドに基づいて消去演出の実行タイミングをいずれかに決定するようになっている。変動開始時には、図10−19に示すように、背景指定コマンド(ここでは第2時短状態指定コマンド)、変動特図指定コマンド(ここでは第2図柄変動指定コマンド)、表示結果指定コマンド、変動パターン指定コマンドといった複数の演出制御コマンドが送信される。そして、この実施例では、変動パターンから特定される演出の有無や変動時間に基づいて消去演出の実行タイミングが決定される。
このように、変動開始時にコマンドを正常に受信し、演出制御用CPU120が正常な処理を実行した場合には、消去演出の実行タイミングとしてタイミングTA、TB、TCのいずれかに決定される。しかしながら、コマンドを正常に受信できなかった場合や、演出制御基板12側のエラー等の何らかの事象(所定事象)の発生により、消去演出の実行タイミングが正常に決定されなかった場合、保留連報知対象変動において消去演出が実行されずに、特定表示が表示されたままになってしまうおそれがある。
そのような異常時(所定事象の発生時)には、特徴部010AKに係るパチンコ遊技機1では、図10−19に示すように、小当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンドともいう)を受信したことに基づいて、小当り経由大当りの大当り遊技状態中であるタイミングTDにおいて特定表示を消去するようになっている。
即ち、小当り開始指定コマンドを受信時に当該小当りが保留連報知の対象であるのにも関わらず、消去演出が実行されずに特定表示が表示されたままである場合には、タイミングTDにおいて特定表示を消去する。このようにすることで、正常に消去演出が実行されなかった場合でも、特定表示を好適に消去することができる。そして、保留連報知の対象の小当り(小当り経由大当り)となったにも関わらず、特定表示が消去されずに未だ当りとなる権利が残っていると遊技者に誤解させてしまうことを防止できる。
なお、小当り経由でない図柄大当りとなった場合には、大当り開始指定コマンドを受信したことに基づいてタイミングTDにおいて特定表示を消去すればよい。
図10−19に示すように、所定事象発生時の特定表示の消去タイミングTD(特定タイミング)は、正常時の特定表示の消去タイミングTA〜TC(所定タイミング)よりも後のタイミングとなっている。このようにすることで、消去演出が実行され得る所定タイミングがまだ残っているにも関わらず、特定タイミングとなって特定表示が消去されてしまい、違和感を与えてしまうことを防止できる。
図10−20は、消去演出処理の動作を示すフローチャートである。消去演出処理は、可変表示中に図9のステップS172の可変表示中演出処理内で実行される。消去演出処理は、変動パターンに基づいて決定された特定表示の消去タイミングにおいて、特定表示の表示態様に応じた消去演出を実行するための処理である。
図10−20に示す消去演出処理では、演出制御用CPU120は、先ず、消去演出設定処理における消去タイミングの決定結果及び変動開始からの経過時間に基づいて、消去演出の実行タイミングであるか否かを判定する(ステップ010AKS031)。ステップ010AKS031では、今回の変動が保留連報知の報知対象であって、消去タイミングが決定されている場合、当該消去タイミング(タイミングTA、TB、またはTC)となったか否かを判定する。消去演出の実行タイミングでない場合(ステップ010AKS031;No)、消去演出処理を終了する。
消去演出の実行タイミングである場合(ステップ010AKS031;Yes)、特定表示態様記憶領域を参照することで、特定表示は第1態様で表示されているか否かを判定する(ステップ010AKS032)。
特定表示が第1態様で表示されている場合(ステップ010AKS032;Yes)、画像表示装置5において、特定表示を消去する消去演出として第1消去演出を実行するための設定を行う(ステップ010AKS033)。ステップ010AKS033では、第1消去演出に対応した演出制御データに基づいて、第1消去演出を実行するための制御を行う。これにより、特定表示が消去されることになる。
その後、保留連報知中フラグをオフ状態にリセットする(ステップ010AKS034)。
特定表示が第1態様で表示されていない場合(ステップ010AKS032;No)、即ち、特定表示が第2態様で表示されている場合、画像表示装置5において、特定表示を消去する消去演出として第2消去演出を実行するための設定を行う(ステップ010AKS035)。ステップ010AKS035では、第2消去演出に対応した演出制御データに基づいて、第2消去演出を実行するための制御を行う。
このように、この実施例では、特定表示が第1態様で表示されているときには第1消去演出が実行され、特定表示が第2態様で表示されているときには第1消去演出とは演出態様の異なる第2消去演出が実行されるようになっている。例えば、第2消去演出は、第1消去演出よりも遊技者にとって有利な状況で実行されるため、第1消去演出よりも派手な態様、激しい態様、演出量(音量、光量等)の多い態様で実行されるようにしてもよい。このようにすることで、遊技者にとっての有利度合いに合った消去演出を実行でき、消去演出の演出効果を高めることができ、興趣が向上する。
このように、この実施例では特定表示の表示態様に応じて消去演出の演出態様を異ならせているが、特定表示の表示態様によらず同じ消去演出を実行するようにしてもよいし、同じ消去演出が実行される場合があるようにしてもよい。また、消去演出の実行タイミング等の他の条件に応じて消去演出の演出態様を異ならせてもよい。
この実施例では、第2消去演出が実行された場合、第2態様の特定表示が消去されるが、特定表示が第1態様で再度表示されるようになっている。そのため、ステップ010AKS035の処理を実行した後、画像表示装置5の表示エリアに特定表示を第1態様で表示するための表示設定を行う(ステップ010AKS036)。
ステップ010AKS034またはステップ010AKS036の処理を実行した後には、今回の可変表示において消去演出を実行済みであることを示す消去演出済みフラグをオン状態にセットして(ステップ010AKS037)、消去演出設定処理を終了する。
保留連報知の対象変動の開始時に正常に消去タイミングが決定された場合には、図10−20に示す消去演出設定処理が実行されることで、特定表示を消去する消去演出が実行されることになる。
これに対して、変動パターン指定コマンドを取りこぼした場合、受信したがノイズ等で正常なコマンドを受信できなかった場合、消去演出設定処理の処理エラー、変動パターンに対して誤って消去演出が実行できない消去タイミングに決定された場合(例えば変動パターンAに対してタイミングTB、TCに決定された場合)といった所定事象が発生して、消去タイミングが決定されなかった場合や、正常に消去演出が実行されずに特定表示が消去されなかった場合は、図9のステップS173の特図当り待ち処理内にて、図10−21に示す第2消去演出設定処理が実行されることで、特定表示が消去されることになる。
図10−21に示す第2消去演出設定処理では、演出制御用CPU120は、先ず、RAM122の受信コマンドバッファを確認すること等により、主基板11から当り開始指定コマンド(小当り開始指定コマンド、大当り開始指定コマンド)を受信したか否かを判定する(ステップ010AKS041)。当り開始指定コマンドを受信していなければ(ステップ010AKS041;No)、第2消去演出設定処理を終了する。
当り開始指定コマンドを受信していれば(ステップ010AKS041;Yes)、演出制御用の保留情報記憶領域の保留番号0を確認すること等により、今回実行された変動(今回の当り)が保留連報知の報知対象であるか否かを判定する(ステップ010AKS042)。保留連報知の報知対象でない場合(ステップ010AKS042;No)、第2消去演出設定処理を終了する。
保留連報知の報知対象である場合(ステップ010AKS042;Yes)、今回実行された変動において消去演出が実行済みであることを示す消去演出済みフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップ010AKS043)。消去演出済みフラグがオン状態であれば(ステップ010AKS043;Yes)、今回の保留連報知の報知対象の変動において正常に消去演出が実行された場合であるので、消去演出済みフラグをオフ状態にリセットして(ステップ010AKS044)、第2消去演出設定処理を終了する。
消去演出済みフラグがオフ状態であれば(ステップ010AKS043;No)、今回の保留連報知の報知対象の変動において正常に消去演出が実行されていない場合であるので、大当り遊技状態(小当り経由大当り)中のタイミングであるタイミングTDにおいて消去演出を実行するための設定を行う(ステップ010AKS045)。このように、保留連報知の報知対象の変動において正常に消去演出が実行されなかった場合に、当り開始指定コマンドを受信したことに基づいて特定表示を消去する制御を特定制御ともいう。
その後、特定表示態様記憶領域を参照することで、特定表示は第1態様で表示されているか否かを判定する(ステップ010AKS046)。特定表示が第1態様で表示されている場合(ステップ010AKS046;Yes)、保留連報知中フラグをオフ状態にリセットし(ステップ010AKS047)、第2消去演出設定処理を終了する。
特定表示が第1態様で表示されていない場合(ステップ010AKS046;No)、即ち、特定表示が第2態様で表示されている場合、画像表示装置5の表示エリアに特定表示を第1態様で表示するための表示設定を行い(ステップ010AKS048)、第2消去演出設定処理を終了する。このように、特定表示が第2態様で表示されている場合であって、消去演出が正常に実行されなかった場合には、正常の消去演出が実行された場合と同様に、第2態様の特定表示を第1態様に変化させる制御が行われる。このようにすることで、遊技者にとって有利な第2態様の特定表示が表示され続けて遊技者に違和感や不信感を与えてしまうことを防止できる。
続いて、特徴部010AKの演出動作例について説明する。図10−22は、大当り遊技状態において保留連報知が実行され、保留連報知対象変動において消去演出が実行される場合の演出動作例を示している。図10−22(A)は、大当りとなったときの画像表示装置5を示している。画像表示装置5には、ピースをしたキャラクタ画像と「大当り」という文字が表示され、右上部分に「777」の数字(小図柄)が表示されて、大当り(図柄大当りまたは小当り経由大当り)となったことが示されている。
その後、大当り遊技状態の1ラウンド目が開始される。大当り遊技状態では、例えば図10−22(B)に示すように、画像表示装置5の左上部分に現在のラウンド表示が表示される。
この実施例では、大当り遊技状態における4ラウンド目が保留連報知の実行タイミングとなっている。保留連報知を実行すると決定された場合、大当り遊技状態におけるラウンドが消化されて、4ラウンド目になると、図10−22(C)に示すように、保留内に当りがあること(保留内連荘すること)を報知する保留連報知として、画像表示装置5の中央に「V」を示す第1態様の特定表示010AK001(第1特定表示010AK001)が表示される。第1特定表示010AK001は、図10−22(D)に示すように、画像表示装置5に右下部分に設けられた表示エリア010AK002に移動し、縮小されて表示される。
第1特定表示010AK001は、保留連報知の実行後少なくとも報知対象の当りとなる可変表示が実行されるまでは、表示エリア010AK002において継続的に表示される。これにより、保留内に当りがあること(保留内連荘となること)を継続的に報知でき、報知対象の可変表示が分かりやすくなる。
なお、特定表示は、保留連報知の実行後少なくとも報知対象の当りとなる可変表示が実行されるまで、常に表示されていなくてもよく、例えば所定の演出(予告演出やリーチ演出)が実行される場合等には一時的に視認不可能になるようにしてもよい。
その後、大当り遊技状態が終了するときには、例えば図10−22(E)に示すように、画像表示装置5に、「大当り終了」という文字とともに、大当り遊技状態における総賞球数の表示(「TOTAL XXXX pt」)が表示されるエンディング演出が実行されて、大当り遊技状態が終了する。
大当り遊技状態が終了すると、図10−22(F)に示すように、画像表示装置5において、保留情報に基づく飾り図柄の可変表示が開始される。図10−22(F)では、下向き矢印での各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄が可変表示していることを示している。
保留連報知の対象変動である場合、例えば、図10−22(G)に示すように、左右の飾り図柄表示エリアに「7」の飾り図柄が停止してリーチ状態となる。
例えば、この変動中のタイミングTB(ノーマルリーチ開始時のタイミング)において消去演出を実行することが決定されている場合、図10−22(H)に示すように、第1特定表示010AK001が表示エリア010AK002から飛び出して、画像表示装置5の中央に拡大して表示される。
そして、図10−22(I)に示すように、画像表示装置5の全体がブラックアウトして視認不可能な状態になり、第1特定表示010AK001が消去される第1消去演出が実行される。
その後、図10−22(I)に示すように、中の飾り図柄表示エリアに「7」の飾り図柄が停止して表示結果が当り図柄となる。このように、保留連報知の対象となる可変表示では、特定表示が消去される消去演出が実行される。これにより、特定表示を消化して当り(大当り)となったような演出を実行することができる。
図10−23は、大当り遊技状態において保留連報知が実行され、保留連報知対象変動において消去演出が実行されなかった場合の演出動作例を示している。図10−23(A)〜(G)の演出動作については、図10−22(A)〜(G)の演出動作と同様である。保留連報知対象変動の開始時に所定事象(コマンド取りこぼしや演出制御基板12におけるエラー等)が発生したことにより、消去演出の実行タイミングを正常に決定できなかった場合、図10−23(H)に示すように、消去演出が実行されずに、表示エリア010AK002に第1特定表示010AK001が表示されたまま表示結果が当り図柄となる。
その後、小当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)を受信したことにより、図10−23(I)に示すように、画像表示装置5には、ピースをしたキャラクタ画像と「大当り」という文字が表示され、右上部分に「777」の数字(小図柄)が表示されて、大当り(小当り経由大当り)となったことが報知される。
続いて、小当り遊技状態においてV入賞が発生したことに基づき、大当り遊技状態の1ラウンド目が開始されるが、図10−23(J)に示すように、表示エリア010AK002から第1特定表示010AK001が消去されている。これがタイミングTDにおける消去演出となる。
この実施例では、画像表示装置5に複数の表示レイヤが設けられており、各表示レイヤに異なる画像を表示させることができるようになっている。そして、各表示レイヤには表示優先順位が設定されており、表示優先順位の高い表示レイヤの画像が遊技者から見て手前側に表示される。図10−23(I)に示すように大当りとなったことを報知する演出(ファンファーレ演出)は、表示エリア010AK002よりも表示レイヤが上位に設定されることにより、表示エリア010AK002(特定表示)よりも優先的に表示されるようになっている。このように、表示エリア010AK002(特定表示)が非表示となった、ファンファーレ演出中のタイミングTDにおいて特定表示を消去することで、突然特定表示が消去されるといった違和感を遊技者に与えてしまうことを防止できる。
なお、消去演出が正常に実行されなかった場合に特定表示を消去する特定タイミングは大当り遊技状態のタイミングTDに限定されない。例えば、特定タイミングは、変動中のタイミングであってもよいし、図柄揃い時のタイミングであってもよい。この場合、特定タイミングは、違和感なく特定表示を消去できるタイミングであることが好ましい。例えば、特定タイミングを変動中とする場合には、消去演出を実行する所定タイミングのうち最も遅い所定タイミングよりも後のタイミングであることが好ましい。このようにすることで、演出の不整合を防止でき、未だ消去演出が実行され得る段階で消去演出によらず特定表示が消去されて、遊技者に違和感や不信感を与えてしまうことを防止できる。
また、特定タイミングは、他の演出の実行タイミングと同じタイミングとして、他の演出実行中に特定表示を消去するようにしてもよい。このようにすることで、特定表示を違和感なく消去させることができる。例えば、特定タイミングを、役物を動作させる演出の実行タイミングとしてもよい。そして、例えば、役物を動作させる演出に伴って画像表示装置5に役物動作エフェクトを表示する場合には、当該役物動作エフェクトの表示レイヤを特定表示よりも上位に設定し、役物動作エフェクトの表示中に特定表示を消去するようにしてもよい。このようにすることで、役物を動作させる演出中に、違和感なく特定表示を消去することができる。なお、特定タイミングを大当り遊技状態とした場合、当り指定コマンドを受信したことに基づいて特定表示を消去するようになっていたが、変動中や図柄確定時に特定タイミングを設ける場合は、変動開始からの経過時間や、図柄確定指定コマンドの受信に基づいて特定表示を消去するようにすればよい。
図10−24は、第2消去演出が実行される場合の演出動作例を示している。図10−24(A)は、画像表示装置5の表示エリア010AK002に「W」を示す第2態様の特定表示010AK003(第2特定表示010AK003)が表示されており、左右の飾り図柄表示エリアに「7」の飾り図柄が停止してリーチ状態となっていることを示している。
例えば、この変動中のタイミングTBにおいて消去演出を実行することが決定されている場合、図10−24(B)に示すように、第2特定表示010AK003が表示エリア010AK002から飛び出して、画像表示装置5の中央に拡大して表示される。
そして、図10−24(C)に示すように、画像表示装置5が切り裂かれるようなエフェクトが表示されて、第2特定表示010AK003が消去される第2消去演出が実行される。このように、第2消去演出の演出態様は、図10−22(I)に示した第1消去演出の演出態様と異なっている。
第2消去演出は、第1消去演出よりも遊技者にとって有利な状況で実行されるため、第1消去演出よりも派手な態様、激しい態様、演出量(音量、光量等)の多い態様で実行されるようにしてもよい。例えば、第1消去演出では音声が出力されず、第2消去演出では音声が出力されるようにしてもよい。また、第2消去演出では演出用役物が動作するのに対して、第1消去演出では演出用役物が動作しないようにしてもよいし、第1消去演出では演出用役物の動作量が第1消去演出よりも少ないようにしてもよい。このようにすることで、特定表示の表示態様によって異なる消去演出を実行することができる。そして、遊技者の有利度合いに合った消去演出を実行でき、消去演出の演出効果を高めることができ、興趣が向上する。
その後、図10−24(D)に示すように、中の飾り図柄表示エリアに「7」の飾り図柄が停止して表示結果が大当りとなる。第2消去演出が実行されると、第2特定表示010AK003は消去されるが、表示エリア010AK002には第1特定表示010AK001が表示される。これにより、第2特定表示010AK003は消去されることで大当りとなったような演出を実行できるとともに、第1特定表示010AK001を再表示することで、さらに保留内に当りがあることを継続して報知できる。
なお、第2消去演出が実行された後、第1特定表示010AK001を再表示せずに、その後の有利状態において、再度保留連報知を実行し、当該保留連報知にお実行に応じて第1特定表示010AK001が表示されるようにしてもよい。このようにすることで、第2特定表示010AK003が表示されているときに当りとなった場合には、再度保留連報知が実行されることにあるので、保留連報知がループすること期待できるようになる。
図10−24に示すように、保留連報知の対象となる可変表示において特定表示を消去する消去演出を実行することで、保留連報知の実行対象の可変表示が分かりやすくなる。また、特定表示が消去されるときに、消去演出が実行されるので、特定表示が消去されたことが明確になり、特定表示を消去することの違和感を軽減できる。また、特定表示に対応した可変表示が明確になり、遊技者に分かりやすい遊技機を提供することができる。
図10−25は、第2特定表示010AK003が表示されているときに、保留連報知対象変動において消去演出(第2消去演出)が実行されなかった場合の演出動作例を示している。図10−25(A)は、画像表示装置5の表示エリア010AK002に「W」を示す第2態様の特定表示010AK003(第2特定表示010AK003)が表示されており、左右の飾り図柄表示エリアに「7」の飾り図柄が停止してリーチ状態となっていることを示している。
保留連報知対象変動の開始時に所定事象(コマンド取りこぼしや演出制御基板12におけるエラー等)が発生したことにより、消去演出の実行タイミングを正常に決定できなかった場合、図10−25(B)に示すように、消去演出が実行されずに、表示エリア010AK002に第2特定表示010AK003が表示されたまま表示結果が当り図柄となる。
その後、小当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)を受信したことにより、図10−25(C)に示すように、画像表示装置5には、ピースをしたキャラクタ画像と「大当り」という文字が表示され、右上部分に「777」の数字(小図柄)が表示されて、大当り(小当り経由大当り)となったことが報知される。
続いて、大当り遊技状態の1ラウンド目が開始されるが、図10−25(D)に示すように、表示エリア010AK002の第2特定表示010AK003が第1特定表示010AK001に変更されている。これがタイミングTDにおける第2消去演出となる。
このように、第2特定表示010AK003が表示されているときに、保留連報知対象変動において消去演出(第2消去演出)が実行されなかった場合には、タイミングTDにおいて第2特定表示010AK003が第1特定表示010AK001に変更する制御が実行される。これにより、大当り遊技状態(小当り遊技状態)に制御されたにも関わらず、遊技者にとって有利な態様である第2態様の特定表示が表示されて続けて遊技者を過度に期待させたり、その後期待した程有利にならずに遊技者に不信感を与えてしまうことを防止できる。
(特徴部010AKの変形例)
本特徴部は、この実施例に限定されず、種々の変形や応用が可能であり、更に特徴を追加してもよい。また、上記実施例で説明した構成は、その全てが必須構成ではなく、その一部が欠けていてもよい。また、本特徴部と他の特徴部を適宜組み合わせてもよい。
上記実施例では、特定表示は1つだけ表示されるようになっていたが、特定表示が複数同時に表示されるようにしてもよい。例えば、特定表示の表示態様により当り種別の有利度合いを示す場合においては、特定表示の数により保留内当りの数を示すようにしてもよい。
上記実施例の保留連報知、特定表示、消去演出、特定タイミングにおいて特定表示を消去する際の演出態様や表示態様は一例であり、各演出の演出態様や表示態様は任意でよい。例えば、上記実施例では特定表示や消去演出の演出態様が複数種類あったが、一種類であってもよい。
上記実施例や変形例に示したフローチャートの処理内容や決定割合、各種演出の決定方法は、一例であって、上記実施例と同様の効果を奏することができ、上記実施例で示した演出を好適に実行できれば任意でよい。
(特徴部010AKに係る手段の説明)
(1)特徴部010AKに係る遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態、小当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば特徴部010AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
可変表示に関する情報を保留情報として記憶可能な保留記憶手段(例えば演出制御用保留情報記憶領域)と、
前記有利状態に制御されるときに、前記保留記憶手段に前記有利状態に制御されることに対応した保留情報が記憶されていることを報知する報知演出(例えば保留連報知)を実行可能な報知演出実行手段(例えば演出制御用CPU120)と、
前記報知演出が実行されたことにより、特定表示を表示可能な特定表示手段(例えば演出制御用CPU120)と、
特定表示に対応した可変表示の所定タイミング(例えばタイミングTA、TB、またはTC)において、当該特定表示を消去する特定表示消去演出(例えば消去演出)を実行可能な消去演出実行手段(例えばステップ010AKS033、ステップ010AKS035の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、
特定表示が表示されているときに、所定事象(例えば変動パターンコマンドの取りこぼしや消去演出設定処理のエラー)が発生したことにより前記所定タイミングで当該特定表示が消去されなかった場合、前記所定タイミングよりも後の特定タイミング(例えばタイミングTD)で当該特定表示を消去する特別制御を実行可能である(例えばステップ010AKS045の処理を実行可能である)。
このような構成によれば、特定表示が表示され続けて、遊技者に不信感を与えてしまうこと防止でき、好適に報知演出を実行できる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば主基板11、遊技制御用マイクロコンピュータ100、CPU103)と、
前記遊技制御手段からの情報に基づいて演出を制御する演出制御手段(例えば演出制御基板12、演出制御用CPU120)と、を備え、
前記演出制御手段は、前記遊技制御手段から可変表示開始時に情報(例えば変動パターン指定コマンド)を正常に受信できなかったことにより、前記所定タイミングで当該特定表示が消去されなかった場合、前記遊技制御手段から前記有利状態開始時に受信する情報(例えば当り開始指定コマンド)に基づいて前記特別制御を実行可能であるようにしてもよい。
このような構成によれば、特定表示が表示され続けて、遊技者に不信感を与えてしまうこと防止でき、好適に報知演出を実行できる。
(3)上記(2)の遊技機において、
前記有利状態開始時に受信する情報に基づいて実行される有利状態開始時演出の方が特定表示よりも表示優先順位が高く設定されており、
前記有利状態開始時演出期間中に、特定表示を消去する(例えば図10−23(H)〜(J))ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定表示が表示され続けて、遊技者に不信感を与えてしまうこと防止でき、好適に報知演出を実行できる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記所定タイミングは複数あり、
前記特定タイミングは、複数の所定タイミングのうち、最後のタイミングよりも後のタイミングである(例えば図10−19)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定表示消去演出の実行タイミングがまだ残っている状況で特定表示が消去されてしまい、遊技者に違和感を与えてしまうことを防止できる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記特定表示手段は、特定表示を、少なくとも第1態様と、当該第1態様よりも遊技者にとっての有利度の高い第2態様とを含む複数種類の表示態様のうちいずれかにより表示可能であり、
前記第2態様で特定表示が表示されているときに、所定事象が発生したことにより前記所定タイミングで当該特定表示が消去されなかった場合、前記特定タイミングで当該特定表示の表示態様を前記第1態様から前記第2態様に変更する制御を実行可能である(例えば図10−25)ようにしてもよい。
このような構成によれば、第2態様の特定表示が表示され続けて、遊技者に不信感を与えてしまうこと防止でき、好適に報知演出を実行できる。
(特徴部の関連づけに係る説明)
特徴部に関する各構成は、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。このように組み合わせられた特徴部、あるいは、組み合わせられていない個別の特徴部について、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 … パチンコ遊技機
11 … 主基板
12 … 演出制御基板

Claims (1)

  1. 遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
    可変表示を行い可変表示の表示結果として特殊表示結果が導出されたときに特殊状態に制御可能であり、当該特殊状態において特定領域を遊技媒体が通過したことに基づいて前記有利状態に制御可能な制御手段と、
    振動を検出可能な振動検出手段と、
    前記振動検出手段による検出結果に基づいて、振動異常の発生を判定する振動異常判定手段と、
    前記振動異常判定手段により振動異常が発生したと判定された場合に、振動異常報知を行う異常報知手段と、
    振動を発生させる振動演出を実行可能な振動演出実行手段と、を備え、
    可変表示の表示結果として前記特殊表示結果とは異なる特定表示結果が導出されるときの表示結果の表示時間よりも、可変表示の表示結果として前記特殊表示結果が導出されるときの表示結果の表示時間の方が長く、
    可変表示の表示結果として前記特殊表示結果が導出されるときの表示結果の表示時間内に前記振動演出が実行される
    ことを特徴とする遊技機。
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