JP2021010664A - 遊技機 - Google Patents

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小倉 敏男
Toshio Ogura
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Abstract

【課題】興趣の低下を抑制できる遊技機を提供する。【解決手段】ラウンド昇格演出(第1パターンの特定演出)の実行可能タイミングは、2、4及び6ラウンドのタイミングT1、T2及びT3といった3箇所となっている。また、このタイミングT1、T2及びT3は、ラウンド昇格演出ガセ(第3パターンの特定演出)の実行可能タイミングにもなっている。これに対して、保留連報知(第2パターンの特定演出)の実行可能タイミングは、10ラウンドのタイミングT4となっており、このタイミングでは、ラウンド昇格演出ガセ(第3パターンの特定演出)は実行されないようになっている。【選択図】図10−4

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
大当り遊技状態において、表示結果が大当りとなることに対応した保留データが記憶されていることを報知する先読演出と、大当り遊技状態のラウンド数が昇格することを報知する大当り中昇格演出と、を実行可能な遊技機が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2011−152237号公報
特許文献1に記載された遊技機において、先読演出や大当り中昇格演出のいわゆるガセ演出を共通の態様で行う場合、その実行タイミングによっては遊技者に過度に期待感を与えてしまい、興趣が低下してしまうおそれがある。
この発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、興趣の低下を抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するため、本願発明に係る遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機(例えば特徴部034AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
前記有利状態に制御されているときに特定演出(例えばラウンド昇格演出、保留連報知、ラウンド昇格演出ガセ)を実行可能な特定演出実行手段(例えばステップ034AKS014、ステップ034AKS016、ステップ034AKS033の処理を実行する演出制御用CPU120)を備え、
前記特定演出実行手段が実行可能な前記特定演出の演出パターンとして、
制御中の前記有利状態の有利度が所定有利度となることに対応する第1パターン(例えばラウンド昇格演出)と、
制御中の前記有利状態よりも後に、次の前記有利状態に制御されることに対応する第2パターン(例えば保留連報知)と、
遊技者にとっての有利度が前記所定有利度とならないことに対応する第3パターン(例えばラウンド昇格演出ガセ)と、があり、
前記第1パターンと前記第2パターンと前記第3パターンとで、前記特定演出の演出態様の少なくとも一部が共通しており(例えば図10−5(C)、(I)、図10−6(C)、(G))、
前記第1パターンの前記特定演出を実行可能な第1実行可能期間(例えば図10−4のタイミングT1、T2、T3)と、前記第2パターンの前記特定演出を実行可能な第2実行可能期間(例えば図10−4のタイミングT4)との少なくとも一部が異なり、
前記特定演出実行手段は、
前記第1実行可能期間と共通の期間(例えば図10−4のタイミングT1、T2、T3)で前記第3パターンの前記特定演出を実行可能である一方で、
前記第2実行可能期間において前記第3パターンの前記特定演出を実行しない。
このような構成によれば、次の有利状態に制御されることに対応する第2パターンの特定演出を実行可能な第2実行可能期間では第3パターンの特定演出を実行しないので、遊技者を過度に期待させることがなく、興趣の低下を抑制できる。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 この実施の形態におけるパチンコ遊技機の背面斜視図である。 パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。 遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 表示結果判定テーブルを示す説明図である。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部034AKの特定演出設定処理を示すフローチャート等である。 特徴部034AKの特定演出実行処理を示すフローチャート等である。 特徴部034AKの特定演出実行処理を示すフローチャートである。 特徴部034AKの特定演出の実行可能タイミングを示すタイミングチャートである。 特徴部034AKの演出動作例を示す図である。 特徴部034AKの演出動作例を示す図である。 特徴部034AKの設定変更示唆演出処理を示すフローチャートである。 特徴部034AKの設定示唆演出処理を示すフローチャートである。 設定示唆演出パターンの決定割合等を示す図である。 特徴部034AKの演出動作例を示す図である。 特徴部034AKの演出動作例を示す図である。 特徴部034AKの特定演出及び設定示唆演出の実行期間を示すタイミングチャートである。 特徴部034AKの変形例の特定演出及び設定示唆演出の実行期間を示すタイミングチャートである。 特徴部034AKの変形例の演出動作例を示す図である。 特徴部010AKの特定表示パターンの決定割合を示す図である。 特徴部010AKの消去演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。 特徴部010AKの消去演出処理を示すフローチャートである。 特徴部010AKの第2消去演出設定処理を示すフローチャートである。 特徴部010AKの演出動作例を示す図である。 特徴部010AKの演出動作例を示す図である。 特徴部010AKの演出動作例を示す図である。 特徴部010AKの演出動作例を示す図である。
(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出または導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタおよびスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲームおよび飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示およびアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示する。第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図3参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図3参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口および一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図3参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図3参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
図2は、パチンコ遊技機1の背面斜視図である。パチンコ遊技機1の背面には、基板ケース201に収納された主基板11が搭載されている。主基板11には、設定キー51や設定切替スイッチ52が設けられている。設定キー51は、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための錠スイッチとして機能する。設定切替スイッチ52は、設定変更状態において大当りの当選確率や出玉率等の設定値を変更するための設定スイッチとして機能する。設定キー51や設定切替スイッチ52は、例えば電源基板17の所定位置といった、主基板11の外部に取り付けられてもよい。
主基板11の背面中央には、表示モニタ29が配置され、表示モニタ29の側方には表示切替スイッチ30が配置されている。表示モニタ29は、例えば7セグメントのLED表示装置を用いて、構成されていればよい。表示モニタ29および表示切替スイッチ30は、遊技機用枠3を開放した状態で遊技盤2の裏面側を視認した場合に、主基板11を視認する際の正面に配置されている。
表示モニタ29は、例えば連比や役比、ベースなどの入賞情報を表示可能である。連比は、賞球合計数のうち第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である。役比は、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である。ベースは、打ち出した遊技球数に対する賞球合計数が占める割合である。設定変更状態や設定確認状態であるときに、表示モニタ29は、パチンコ遊技機1における設定値を表示可能である。表示モニタ29は、設定変更状態や設定確認状態であるときに、変更や確認の対象となる設定値などを表示可能であればよい。
設定キー51や設定切替スイッチ52は、遊技機用枠3を閉鎖した状態であるときに、パチンコ遊技機1の正面側から操作が不可能となっている。遊技機用枠3には、ガラス窓を有するガラス扉枠3aが回動可能に設けられ、ガラス扉枠3aにより遊技領域を開閉可能に構成されている。ガラス扉枠3aを閉鎖したときに、ガラス窓を通して遊技領域を透視可能である。
パチンコ遊技機1において、縦長の方形枠状に形成された外枠1aの右端部には、セキュリティカバー500Aが取り付けられている。セキュリティカバー500Aは、遊技機用枠3を閉鎖したときに、設定キー51や設定切替スイッチ52を含む基板ケース201の右側部を、背面側から被覆する。セキュリティカバー500Aは、短片500Aaおよび長片500Abを含む略L字状の部材であり、透明性を有する合成樹脂により構成されていればよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない大当り種別、または、ほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率および特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて、または当該表示に代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9の点灯や消灯、可動体32の動作、あるいは、これらの一部または全部を含む任意の演出装置を用いた演出として行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読予告演出がある。先読予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図3に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板などといった、各種の基板が配置されている。さらには、電源基板17も搭載されている。各種制御基板は、導体パターンが形成されて電気部品を実装可能なプリント配線板などの電子回路基板だけでなく、電子回路基板に電気部品が実装されて特定の電気的機能を実現するように構成された電子回路実装基板を含む概念である。
パチンコ遊技機1では、商用電源などの外部電源におけるAC100Vといった交流電源からの電力を、電源基板17により主基板11や演出制御基板12などの各種制御基板を含めた電気部品に供給可能である。電源基板17は、例えば交流(AC)を直流(DC)に変換するための整流回路、所定の直流電圧を特定の直流電圧(例えば直流12Vや直流5Vなど)に変換するための電源回路などを備えている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部または一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過または進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過または進入が検出されたことになる。
スイッチ回路110には、電源基板17からのリセット信号、電源断信号、クリア信号が取り込まれて遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送される。リセット信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ100などの制御回路を動作停止状態とするための動作停止信号であり、電源監視回路、ウォッチドッグタイマ内蔵IC、システムリセットICのいずれかを用いて出力可能であればよい。電源断信号は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧が所定値を超えるとオフ状態となり、所定電源電圧が所定値以下になった期間が電断基準時間以上まで継続したときにオン状態となる。クリア信号は、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチに対する押下操作などに応じてオン状態となる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11には、表示モニタ29、表示切替スイッチ30、設定キー51、設定切替スイッチ52、扉開放センサ90が接続されている。扉開放センサ90は、ガラス扉枠3aを含めた遊技機用枠3の開放を検知する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32または当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図4は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図4に示す遊技制御メイン処理において、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、復旧条件が成立したか否かを判定する(ステップS3)。復旧条件は、クリア信号がオフ状態であり、バックアップデータがあり、バックアップRAMが正常である場合に、成立可能である。パチンコ遊技機1の電力供給が開始されたときに、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチが押下操作されていれば、オン状態のクリア信号が遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。このようなオン状態のクリア信号が入力されている場合には、ステップS3にて復旧条件が成立していないと判定すればよい。バックアップデータは、遊技制御用のバックアップRAMとなるRAM102に保存可能であればよい。ステップS3では、バックアップデータの有無やデータ誤りの有無などを確認あるいは検査して、復旧条件が成立し得るか否かを判定すればよい。
復旧条件が成立した場合には(ステップS3;Yes)、復旧処理(ステップS4)を実行した後に、設定確認処理(ステップS5)を実行する。ステップS4の復旧処理により、RAM102の記憶内容に基づいて作業領域の設定が行われる。RAM102に記憶されたバックアップデータを用いて作業領域を設定することで、電力供給が停止したときの遊技状態に復旧し、例えば特別図柄の変動中であった場合には、停止前の状態から特別図柄の変動を再開可能であればよい。
復旧条件が成立しなかった場合には(ステップS3;No)、初期化処理(ステップS6)を実行した後に、設定変更処理(ステップS7)を実行する。ステップS6の初期化処理は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするクリア処理を含み、クリア処理の実行により作業領域に初期値が設定される。
ステップS5の設定確認処理では、予め定められた設定確認条件が成立したか否かを判定する。設定確認条件は、例えば電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオン状態であるとともに設定キー51がオン操作されている場合に成立する。ステップS5の設定確認処理が実行されるのは、ステップS3において、クリア信号がオフ状態であることを含めた復旧条件が成立した場合である。したがって、設定確認条件が成立し得るのは、クリア信号がオフ状態である場合となるので、クリア信号がオフ状態であることも、設定確認条件に含めることができる。
ステップS5の設定確認処理において設定確認条件が成立した場合には、パチンコ遊技機1において設定されている設定値を確認可能な設定確認状態となり、主基板11から演出制御基板12に対して、設定確認開始コマンドが送信される。設定確認状態においては、パチンコ遊技機1にて設定されている設定値を表示モニタ29の表示により確認することが可能となっている。設定確認状態を終了するときには、主基板11から演出制御基板12に対して、設定確認終了コマンドが送信される。
パチンコ遊技機1が設定確認状態であるときには、パチンコ遊技機1における遊技の進行を停止させる遊技停止状態としてもよい。遊技停止状態であるときには、打球操作ハンドルの操作による遊技球の発射、各種スイッチによる遊技球の検出などが停止され、また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20において、ハズレ図柄などを停止表示したり、ハズレ図柄とは異なる遊技停止状態に対応した表示が行われたりするように制御すればよい。設定確認状態が終了するときには、これに伴う遊技停止状態も終了すればよい。
ステップS7の設定変更処理では、予め定められた設定変更条件が成立したか否かを判定する。設定変更条件は、例えば電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオン状態であるとともに設定キー51がオン操作されている場合に成立する。設定変更条件は、クリア信号がオン状態であることを含んでいてもよい。
ステップS7の設定変更処理において設定変更条件が成立した場合には、パチンコ遊技機1において設定されている設定値を変更可能な設定変更状態となり、主基板11から演出制御基板12に対して、設定変更開始コマンドが送信される。設定変更状態においては、表示モニタ29に設定値が表示され、設定切替スイッチ52の操作を検出するごとに表示モニタ29に表示している数値を順次更新して表示する。その後、設定キー51が遊技場の係員などによる操作でオフとなったことに基づいて、表示モニタ29に表示されている設定値をRAM102のバックアップ領域に格納(更新記憶)するとともに、表示モニタ29を消灯させる。設定変更状態を終了するときには、主基板11から演出制御基板12に対して、設定変更終了コマンドが送信される。
パチンコ遊技機1が設定変更状態であるときには、設定確認状態であるときと同様に、パチンコ遊技機1を遊技停止状態としてもよい。設定変更状態が終了するときには、これに伴う遊技停止状態も終了すればよい。
演出制御基板12側では、設定確認開始コマンドや設定変更開始コマンドを受信すると、設定確認中である旨や設定変更中である旨を報知する制御が行われてもよい。例えば、画像表示装置5において所定の画像を表示したり、スピーカ8L、8Rから所定の音を出力したり、遊技効果ランプ9といった発光部材を所定の態様により発光させたりしてもよい。
クリア信号は、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチの押下操作などによりオン状態となる。したがって、電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオンであるとともに設定キー51がオンである場合には、クリアスイッチがオンであればステップS6の初期化処理とともにステップS7の設定変更処理が実行されて設定変更状態に制御可能となり、クリアスイッチがオフであればステップS4の復旧処理とともにステップS5の設定確認処理が実行されて設定確認状態に制御可能となる。電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオフである場合、または設定キー51がオフである場合には、クリアスイッチがオンであればステップS6の初期化処理が実行される一方で設定変更状態には制御されず、クリアスイッチがオフであればステップS4の復旧処理が実行される一方で設定確認状態には制御されない。
設定確認処理または設定変更処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS8)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS9)、割込みを許可する(ステップS10)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図5のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図5に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行および保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行および保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図6は、特別図柄プロセス処理として、図5に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図5に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口および第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」または「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
パチンコ遊技機1は、設定値に応じて大当りの当選確率や出玉率が変わる構成とされている。例えば、特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率や出玉率が変わるようになっている。例えば設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も大当りの当選確率が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど大当りの当選確率が低くなる。この例において、設定値として6が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。設定値に応じて大当りの当選確率が変われば、出玉率も設定値に応じて変わってもよい。大当りの当選確率は設定値にかかわらず一定であるのに対し、大当り遊技状態におけるラウンド数が設定値に応じて変わってもよい。パチンコ遊技機1は、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値のうちいずれかを設定可能に構成されていればよい。パチンコ遊技機1において設定されている設定値は、主基板11の側から演出制御基板12の側へ設定値指定コマンドが送信されることにより通知される。
図7は、表示結果判定テーブルの構成例を示している。図7(A)は、変動特図が第1特図である場合に用いられる第1特図用表示結果判定テーブルの構成例を示し、図7(B)は、変動特図が第2特図である場合に用いられる第2特図用表示結果判定テーブルの構成例を示している。表示結果判定テーブルは、ROM101に記憶されているデータの集まりである。表示結果判定テーブルでは、設定値に応じて、乱数値MR1と比較される当り判定値が特別図柄の可変表示結果である特図表示結果に割り当てられている。乱数値MR1は、表示結果決定用の乱数値であり、0〜65535の範囲でランダムに値が更新される。表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いるようにしてもよい。
表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態といった高確状態であるときには、通常状態または時短状態といった低確状態であるときに比べて、大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。
第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が同一値となるように判定値が割り当てられている。第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が第1特図用表示結果判定テーブルとは異なる同一値となるように判定値が割り当てられている。なお、設定値に応じて特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を異ならせてもよい。変動特図にかかわらず特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を同一確率としてもよい。
第1特図用表示結果判定テーブルおよび第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態の場合に、当り判定値のうち1020から1237までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、1020から1237までが「大当り」に割り当てられ、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている一方で、設定値2〜設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1238から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。
第1特図用表示結果判定テーブルおよび第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態の場合に、当り判定値のうち1020から1346までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、1020から1346までが「大当り」に割り当てられることで、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定され、その一方で、設定値2〜設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1346から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定される。
第1特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、当り判定値のうち32767から33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1〜6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
第1特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態である場合に、遊技状態が通常状態または時短状態である場合と同じく、当り判定値のうち32767から33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1〜6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、当り判定値のうち32767から33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1〜6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態である場合に、遊技状態が通常状態または時短状態である場合と同じく、当り判定値のうち32767から33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1〜6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
パチンコ遊技機1に設定可能な設定値は、5個以下や7個以上であってもよい。パチンコ遊技機1に設定される設定値が小さいほど遊技者にとって有利となるようにしてもよい。パチンコ遊技機1に設定される設定値に応じて遊技性が変化するようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機1に設定される設定値が1である場合は、通常状態での大当り確率が1/320、確変状態が65%の割合でループする遊技性(いわゆる確変ループタイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が2である場合は、通常状態での大当り確率が1/200、大当り遊技中に遊技球が、特別可変入賞球装置7の内部に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に制御する一方で、変動特図に応じて大当り遊技中に遊技球が所定スイッチを通過する割合が異なる遊技性(いわゆるV確変タイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が3である場合は、大当り確率が1/320で小当り確率が1/50であり、高ベース中(時短制御中)に遊技球が特別可変入賞球装置7の内部に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技状態に制御する遊技性(いわゆる1種2種混合タイプ)としてもよい。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1〜3のいずれかである場合は遊技性が同一であるが、これら設定値が1〜3のいずれかである場合よりも大当り確率や小当り確率が高い一方で大当り遊技中に獲得可能な賞球数が少ない設定(例えば、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が4〜6のいずれかである場合)を設けてもよい。設定値に応じて遊技性を変化させる場合は、共通のスイッチを異なる用途に使用してもよい。具体的には、設定値が1〜3の場合は、特別可変入賞球装置7内に設けられた所定スイッチを演出用スイッチ(遊技球が所定領域を通過する毎に所定の演出を実行するためのスイッチ)として使用し、設定値が4〜6の場合は、所定スイッチを遊技用スイッチ(遊技球が所定スイッチを通過したことに基づいて遊技状態を確変状態や大当り遊技状態に制御するためのスイッチ)として使用してもよい。
大当り種別は、大当り種別判定テーブルにおける判定値の割当てに基づいて、設定値に応じて異なる割合で決定されてもよい。あるいは、大当り種別は、設定値にかかわらず共通の割合で決定されてもよい。変動パターンは、変動パターン判定テーブルにおける判定値の割当てに基づいて、設定値に応じて異なる割合で決定されてもよい。あるいは、変動パターンは、設定値にかかわらず共通の割合で決定されてもよい。設定値に応じてノーマルリーチやスーパーリーチの実行割合が異なることで、ノーマルリーチやスーパーリーチが実行される頻度により設定値が示唆されてもよい。あるいは、設定値にかかわらずノーマルリーチやスーパーリーチの実行割合は共通であってもよい。その他、設定値に応じて、異なる割合で任意の設定示唆演出を実行可能としたものであってもよい。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図8のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図8に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図9は、演出制御プロセス処理として、図8のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形および応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合または「100%」未満の割合であることも含む。
(特徴部034AKに関する説明)
続いて、特徴部034AKについて説明する。特徴部034AKにおいて、基本説明と共通する部分(構成、処理等)については説明を省略する。
(特徴部034AKの特定演出)
特徴部034AKのパチンコ遊技機1は、有利状態(大当り遊技状態、大当り)において、遊技者にとっての有利度合いを示唆・報知する特定演出を実行可能となっている。そして、特徴部034AKのパチンコ遊技機1は、そのような特定演出として、制御中の有利状態の有利度(ラウンド数等)が所定有利度となることを報知する第1パターン(ラウンド昇格演出)と、制御中の有利状態よりも後に、次の有利状態に制御されることを報知する第2パターン(保留内連荘報知)と、遊技者にとっての有利度が所定有利度とならないことに対応する第3パターン(ラウンド昇格演出ガセ)と、を実行可能になっている。
そして、第1パターンの特定演出を実行可能な第1実行可能期間と、第2パターンの特定演出を実行可能な第2実行可能期間との少なくとも一部が異なり、第1実行可能期間と共通の期間で第3パターンの特定演出(ラウンド昇格演出ガセ)を実行可能である一方で、第2実行可能期間において第3パターンの特定演出(ラウンド昇格演出ガセ)を実行しないようになっている。このように、保留内連荘報知の実行タイミングでは、ラウンド昇格演出ガセを実行しないので、過度に遊技者の期待感を煽ることがなく、興趣の低下を抑制できる。また、保留内連荘報知の実行タイミングでガセの特定演出を実行して、遊技者を落胆させてしまうことを防止できる。
図10−1(A)は、特徴部034AKの特定演出設定処理の動作を示すフローチャートである。特定演出設定処理は、特定演出を実行するか否かを判定するための処理である。特定演出設定処理は、図9のステップS176の大当り中演出処理内で実行される。特定演出設定処理では、演出制御用CPU120は、先ず、RAM122の受信コマンドバッファを確認して、主基板11から大当り開始指定コマンドを受信したか否かを判定すること等により、大当り開始時であるか否かを判定する(ステップ034AKS001)。大当りの開始時でなければ(ステップ034AKS001;No)、特定演出設定処理を終了する。
大当りの開始時であれば(ステップ034AKS001;Yes)、大当り開始指定コマンドから特定される今回の大当りの大当り種別が10ラウンド大当りであるか否かを判定する(ステップ034AKS002)。この実施例では、大当り種別として2ラウンド大当り(2R大当り)、4ラウンド大当り(4R大当り)、6ラウンド大当り(6R大当り)、10ラウンド大当り(10R大当り)の4種類が設けられている。
今回の大当りの大当り種別が10R大当りである場合(ステップ034AKS002;Yes)、保留内に大当りとなる保留情報があるか否かを判定する(ステップ034AKS003)。例えば、入賞指定コマンド等から特定される表示結果を演出制御基板12側の保留情報として、RAM122の所定領域に格納しておき、ステップ034AKS003の処理では、当該演出制御基板12側の保留情報に大当りとなる保留情報が記憶されているか否かを判定する。
保留内に大当りとなる保留情報がある場合は(ステップ034AKS003;Yes)、第2パターンの特定演出として保留内連荘報知(保留連報知)を実行するか否かを判定する(ステップ034AKS004)。ステップ034AKS004では、保留内大当りの大当り種別に応じて、図10−1(B)に示す割合で、保留連報知の実行有無を判定する。
図10−1(B)に示すように、保留内大当りの大当り種別の有利度合いに応じて、異なる割合で保留連報知の実行有無が判定される。具体的には、有利度合いの高い大当り種別である程、実行有りに判定される割合が高くなっている。そして、有利度合いの最も低い2R大当りである場合には、100%の割合で実行無しに判定される。これにより、保留連報知が実行されたにも関わらず、有利度合いの低い大当り種別となって、興趣が低下してしまうことを防止できる。また、有利度合いの最も高い10R大当りである場合には、100%の割合で実行有りに判定される。これにより、演出が多彩になるとともに、保留連報知により遊技者の期待感を向上させることができる。なお、図10−1(B)に示す判定割合は一例であり、任意に変更可能である。
この実施例では、保留連報知の演出態様は1種類であるが、演出態様が複数あってもよい。この場合、保留内大当りの大当り種別に応じて保留連報知の演出態様を異ならせたり、保留内大当りの大当り種別に応じて保留連報知の演出態様の決定割合を異ならせてもよい。例えば、この実施例では、特別表示を表示する保留連報知を実行するが、大当り種別によって表示する特別表示の数を異ならせて、保留内大当りの大当り種別を示唆・報知できるようにしてもよい。また、保留連報知後に画像表示装置5にアイコン等の画像を表示しておくことで、保留内大当りがあることを継続的に報知する保留連報知を行う場合、大当り種別に応じてアイコンの表示態様を異ならせてもよい。
ステップ034AKS004にて、保留連報知を「実行有り」と判定された場合(ステップ034AKS005;Yes)、大当り遊技状態において保留連報知を実行することを示す保留連報知フラグをオン状態にセットする(ステップ034AKS006)。
今回の大当りの大当り種別が10R大当りでない場合(ステップ034AKS002;No)、2R大当り、4R大当り又は6R大当りの最終ラウンドにおいて、第3パターンの特定演出としてラウンド昇格演出ガセを実行するか否かを判定する(ステップ034AKS007)。ステップ034AKS007では、今回の大当りの大当り種別に応じて、図10−1(C)に示す割合で、ラウンド昇格演出ガセの実行有無を判定する。
図10−1(C)に示すように、大当り種別の有利度合いに応じて、異なる割合でラウンド昇格演出ガセの実行有無が判定される。具体的には、有利度合いの高い大当り種別である程、ラウンド昇格演出ガセを実行することに判定される割合が高くなっている。このようにすることで、演出が多彩になるとともに、後半のラウンド程ラウンド昇格演出ガセが実行される割合が高くなり、遊技者の期待感を効果的に煽ることができる。なお、図10−1(C)に示す判定割合は一例であり、任意に変更可能である。例えば、有利度合いの低い大当り種別である程、ラウンド昇格演出ガセを実行することに判定される割合が高くなっていてもよい。このようにすることで、有利度合いの低い大当り種別となった場合でも、遊技者を期待させることができる。
この実施例では、大当り遊技状態における2R、4R、6R中にラウンド昇格演出として、ラウンド数を示す特別表示の表示数を増加させる演出が実行されるようになっている。大当り遊技状態の開始時には、大当り種別のうち最低のラウンド数である2R大当りに対応した2個の特別表示が表示される。大当り種別が4R以上であって2Rにおいてラウンド昇格演出が実行される場合、特別表示の表示数を2個から4個に増加させる演出が実行される。大当り種別が6R以上であって4Rにおいてラウンド昇格演出が実行される場合、特別表示の表示数を4個から6個に増加させる演出が実行される。大当り種別が10Rであって6Rにおいてラウンド昇格演出が実行される場合、特別表示の表示数を6個から10個に増加させる演出が実行される。このように、この実施例では、大当り遊技状態において、段階的にラウンド数が昇格(増加)するようなラウンド昇格演出が実行される。そして、ラウンド昇格演出を実行可能な実行可能期間(2R、4R、6R中)において、ラウンド数が昇格しない場合に(最終ラウンドとなる場合に)、ラウンド昇格演出ガセを実行可能となっている。
ステップ034AKS007にて、ラウンド昇格演出ガセを「実行有り」と判定された場合には(ステップ034AKS008;Yes)、ラウンド昇格演出ガセを実行することに対応したラウンド昇格演出ガセフラグをオン状態にセットする(ステップ034AKS009)。ラウンド昇格演出ガセを「実行有り」と判定された場合、当該大当り遊技状態の最終ラウンドにおいて、ラウンド昇格演出と類似する演出態様により、特別表示の表示数を増加させないラウンド昇格演出ガセが実行されることとなる。
ステップ034AKS006の処理を実行した後や、保留内大当りがない場合(ステップ034AKS003;No)、保留連報知を「実行無し」と判定された場合(ステップ034AKS005;No)、あるいは、ラウンド昇格演出ガセを「実行無し」と判定された場合や(ステップ034AKS008;No)、ステップ034AKS009の処理を実行した後は、即ち、特定演出に係る判定を終えた後には、大当り遊技状態におけるラウンド数を示す特別表示の表示数をカウントする特別表示数カウンタに初期値として2をセットして(ステップ034AKS010)、特定演出設定処理を終了する。
図10−2(A)、図10−3は、特徴部034AKの特定演出実行処理の動作を示すフローチャートである。特定演出実行処理は、大当り遊技状態において特定演出を実行するための処理である。特定演出実行処理は、図9のステップS176の大当り中演出処理内で実行される。特定演出実行処理では、演出制御用CPU120は、先ず、RAM122の受信コマンドバッファを確認して、主基板11から2、4又は6ラウンド(ラウンド昇格演出、ラウンド昇格演出ガセの実行可能ラウンド)の開始を指定するコマンド(大入賞口開放中指定コマンド等)を受信したか否かを判定する(ステップ034AKS011)。
2、4又は6ラウンドの開始を指定するコマンドを受信した場合(ステップ034AKS011;Yes)、大当り種別を確認することで、当該ラウンドが最終ラウンドであるか否かを判定する(ステップ034AKS012)。2、4又は6ラウンドであって最終ラウンドである場合(ステップ034AKS012;Yes)、ラウンド昇格演出ガセフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップ034AKS013)。ラウンド昇格演出ガセフラグがオフ状態であれば(ステップ034AKS013;No)、特定演出実行処理を終了する。この場合、今回のラウンドにてラウンド昇格演出ガセが実行されることなく、今回のラウンド終了後に大当り遊技状態が終了することとなる。
ラウンド昇格演出ガセフラグがオン状態であれば(ステップ034AKS013;Yes)、今回のラウンドにおいてラウンド昇格演出ガセ(第3パターンの特定演出)を実行するための設定を行う(ステップ034AKS014)。ステップ034AKS014では、例えばラウンド昇格演出ガセを実行することに対応した演出制御データを読み出して、今回の使用データとしてRAM122の所定領域にセットする。
その後、ラウンド昇格演出ガセフラグをオフ状態にリセットして(ステップ034AKS015)、特定演出実行処理を終了する。
2、4又は6ラウンドであって最終ラウンドでない場合(ステップ034AKS012;No)、今回のラウンドにおいてラウンド昇格演出(第1パターンの特定演出)を実行するための設定を行う(ステップ034AKS016)。ステップ034AKS016では、例えばラウンド昇格演出を実行することに対応した演出制御データを読み出して、今回の使用データとしてRAM122の所定領域にセットする。
このように、この実施例では、2、4又は6ラウンドであって最終ラウンドでない場合には、必ずラウンド昇格演出が実行されるようになっている。即ち、2Rにおいてラウンド昇格演出が実行される場合、特別表示の表示数を2個から4個に増加させる演出が実行され、4Rにおいてラウンド昇格演出が実行される場合、特別表示の表示数を4個から6個に増加させる演出が実行され、6Rにおいてラウンド昇格演出が実行される場合、特別表示の表示数を6個から10個に増加させる演出が実行される。
なお、最終ラウンドでない場合に、所定の割合でラウンド昇格演出が実行されるようにしてもよいし、2、4又は6ラウンド以外のラウンドにおいてラウンド昇格演出が実行されるようにしてもよい。また、大当り遊技状態の開始時に表示される特別表示の数や、1回のラウンド昇格演出において増加させる特別表示の数を抽選で決定するようにしてもよい。この場合、少なくとも新たなラウンドの開始前に当該新たなラウンド数に対応する数の特別表示が表示されるように制御すればよい。
その後、特別表示数カウンタに今回増加させる特別表示の表示数を加算して(ステップ034AKS017)、特定演出実行処理を終了する。ステップ034AKS017では、図10−2(B)に示すように、2R又は4Rであれば特別表示数カウンタに2を加算し、6Rであれば特別表示数カウンタに4を加算する。
2、4又は6ラウンドの開始を指定するコマンドを受信していない場合(ステップ034AKS011;No)、RAM122の受信コマンドバッファを確認して、主基板11から2、4又は6ラウンド(ラウンド昇格演出、ラウンド昇格演出ガセの実行可能ラウンド)の終了を指定するコマンド(大入賞口開放後指定コマンド等)を受信したか否かを判定する(ステップ034AKS021)。
2、4又は6ラウンドの終了を指定するコマンドを受信した場合(ステップ034AKS021;Yes)、特別表示数カウンタの値が、今回終了するラウンド及び大当り種別と整合しているか否かを判定する(ステップ034AKS022)。ステップ034AKS022では、特別表示数カウンタの値がラウンド終了時の値(2R終了時は4、4R終了時は6、6R終了時は10)となっているか否かを判定する。
特別表示数カウンタの値が終了するラウンド数及び大当り種別と整合していれば(ステップ034AKS022;Yes)、特定演出実行処理を終了する。特別表示数カウンタの値が終了するラウンド数及び大当り種別と整合していなければ(ステップ034AKS022;No)、2、4又は6ラウンドの開始を指定するコマンドを取りこぼしたこと等により、正常にラウンド昇格演出が実行されず、特別表示数カウンタの値が加算されていない場合(ステップ034AKS016、ステップ034AKS017の処理が実行されていない場合)であるので、ラウンド昇格演出に代えて、特別表示の表示数を実行されるラウンド数と整合させるために新たな特別表示を表示する制御を実行し(ステップ034AKS023)、特別表示数カウンタに今回増加させる特別表示の表示数を加算して(ステップ034AKS024)、特定演出実行処理を終了する。ステップ034AKS023では、2R又は4R終了時であれば特別表示の表示数を2個増加させ、6R終了時であれば特別表示の表示数を4個増加させる制御を行う。また、ステップ034AKS024では、図10−2(B)に示すように、2R又は4R終了時であれば特別表示数カウンタに2を加算し、6R終了時であれば特別表示数カウンタに4を加算する。
この実施例では、2、4又は6ラウンドの開始を指定するコマンドを受信したことに基づいて、特別表示の表示数を増加させるラウンド昇格演出が実行されるようになっている。2、4又は6ラウンドの開始を指定するコマンドを取りこぼしたこと等により、正常にラウンド昇格演出が実行されなかった場合には、特別表示の表示数が実際のラウンド数と整合しなくなってしまう。そこで、2、4又は6ラウンドの終了を指定するコマンドを受信したときに、特別表示の表示数が整合していない場合、当該コマンドを受信したことに基づいて、特別表示の表示数を整合させるようになっている。このようにすることで、特別表示の数が進行中のラウンド数よりも少なく表示される等、特別表示の表示数が整合しなくなって遊技者に違和感や不信感を与えてしまうことを防止できる。
なお、この実施例では、2、4又は6ラウンド(ラウンド昇格演出実行可能ラウンド)の終了を指定するコマンドに基づいて、特別表示の表示数を整合させる処理を実行するようになっているが、3、5又は7ラウンド(ラウンド昇格演出実行可能ラウンドの次のラウンド)の開始を指定するコマンド等の他のコマンドを受信したことに基づいて、特別表示の表示数を整合させる処理を実行するようにしてもよい。
2、4又は6ラウンドの終了を指定するコマンドを受信していない場合(ステップ034AKS021;No)、図10−3に移行し、10ラウンド(保留連報知実行可能ラウンド)の開始を指定するコマンド(大入賞口開放中指定コマンド等)を受信したか否かを判定する(ステップ034AKS031)。10ラウンドの開始を指定するコマンドを受信していなければ(ステップ034AKS031;No)、特定演出実行処理を終了する。
10ラウンドの開始を指定するコマンドを受信していれば(ステップ034AKS031;Yes)、保留連報知フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップ034AKS032)。保留連報知フラグがオフ状態であれば(ステップ034AKS032;No)、特定演出実行処理を終了する。この場合、保留連報知が実行されることなく、10ラウンド終了後に大当り遊技状態が終了することとなる。
保留連報知フラグがオン状態であれば(ステップ034AKS032;Yes)、10ラウンドにおいて保留内にさらに大当りとなる保留情報があることを報知する保留連報知(第2パターンの特定演出)を実行するための設定を行う(ステップ034AKS033)。ステップ034AKS033では、例えば保留連報知を実行することに対応した演出制御データを読み出して、今回の使用データとしてRAM122の所定領域にセットする。
その後、保留連報知フラグをオフ状態にリセットして(ステップ034AKS034)、特定演出実行処理を終了する。以上のような特定演出実行処理を実行することで、大当り遊技状態において第1パターン、第2パターン及び第3パターンの特定演出を実行することができる。
図10−4は、特徴部034AKの大当り遊技状態における特定演出の実行可能タイミングを示すタイミングチャートである。図10−4(A)は、10R大当りにおけるタイミングチャートである。大当り開始時には、本実施例における大当り種別のうちラウンド数が最低数である2R大当りに対応した2個の特別表示が表示される。大当り遊技状態における2RのタイミングT1において、ラウンド昇格演出を実行可能となっており、ラウンド昇格演出が実行されると特別表示が2個加算されて4個となる。これにより、2R大当りから4R大当りに昇格したことが報知される。言い換えると、少なくとも大当り遊技状態が4Rまで継続することが報知される。
大当り遊技状態における4RのタイミングT2において、ラウンド昇格演出を実行可能となっており、ラウンド昇格演出が実行されると特別表示が2個加算されて6個となる。これにより、4R大当りから6R大当りに昇格し、少なくとも大当り遊技状態が6Rまで継続することが報知される。更に、大当り遊技状態における6RのタイミングT3において、ラウンド昇格演出を実行可能となっており、ラウンド昇格演出が実行されると特別表示が4個加算されて10個となる。これにより、6R大当りから10R大当りに昇格し、大当り遊技状態が10Rまで継続することが報知される。
大当り遊技状態における10RのタイミングT4において、保留連報知を実行可能となっており、保留内に大当りがある場合、保留連報知が実行されて特別表示が2個加算されて12個となる。これにより、10R大当りから実際には存在しない12R大当りに昇格したような報知が実行される。実際には、今回の大当り遊技状態の終了後に、保留情報にもとづいて、少なくとも2R以上の大当り遊技状態が制御されることになる。
このように、第1パターンの特定演出であるラウンド昇格演出と、第2パターンの特定演出である保留連報知と、で共通の特別表示を表示可能である。これにより、共通の特別表示により、制御中の大当りの有利度と次に大当りに制御されることを報知できるので、演出の興趣が向上する。
また、制御中の大当り遊技状態のラウンド数を示す特別表示を更に表示することにより保留連報知を実行するので、演出が分かりやすくなるとともに、継続的に大当り遊技状態に制御されているような態様で保留連報知を実行することができるので、興趣が向上する。
図10−4(B)は、4R大当りにおけるタイミングチャートである。大当り開始時には、本実施例における大当り種別のうちラウンド数が最低数である2R大当りに対応した2個の特別表示が表示される。大当り遊技状態における2RのタイミングT1において、ラウンド昇格演出を実行可能となっており、ラウンド昇格演出が実行されると特別表示が2個加算されて4個となる。これにより、2R大当りから4R大当りに昇格し、少なくとも大当り遊技状態が4Rまで継続することが報知される。
大当り遊技状態における4RのタイミングT2において、大当り種別が4R大当りである場合には、ラウンド昇格演出は実行されないが、ラウンド昇格演出ガセが実行可能となっている。ラウンド昇格演出ガセを実行すると判定された場合には、タイミングT2において、ラウンド昇格演出が実行されるが、特別表示は加算されず、4ラウンドで大当り遊技状態が終了する。
図10−4(A)に示すように、ラウンド昇格演出(第1パターンの特定演出)の実行可能タイミングは、2、4及び6ラウンドのタイミングT1、T2及びT3といった3箇所となっている。また、このタイミングT1、T2及びT3は、ラウンド昇格演出ガセ(第3パターンの特定演出)の実行可能タイミングにもなっている。これに対して、保留連報知(第2パターンの特定演出)の実行可能タイミングは、10ラウンドのタイミングT4となっており、このタイミングでは、ラウンド昇格演出ガセ(第3パターンの特定演出)は実行されないようになっている。このようにすることで、過度に遊技者の期待感を煽ることがなく、興趣の低下を抑制できる。また、保留連報知の実行タイミングでガセの特定演出を実行して、遊技者を落胆させてしまうことを防止できる。
続いて、特徴部034AKの特定演出の演出動作について説明する。図10−5は、10R大当りの大当り遊技状態において特定演出が実行される場合の演出動作例を示している。図10−5(A)は、大当りとなったときの画像表示装置5を示している。画像表示装置5には、ピースをしたキャラクタ画像と「大当り」という文字が表示され、右下部分に「777」の数字(小図柄)が表示されて、大当りとなったことが示されている。
その後、大当り遊技状態の1ラウンド目が開始される。大当り遊技状態では、例えば図10−5(B)に示すように、画像表示装置5の左上部分に現在のラウンド表示が表示される。また、少なくとも実行されるラウンド数に対応した2個の特別表示034AK01が表示されるとともに、画像表示装置5の右上部分には、大当り遊技状態において右打ちを促す右打ち表示034AK02が表示されている。その他、画像表示装置5の右下部分には小図柄継続して表示され、左下部分には大当り遊技状態における獲得賞球数に対応した表示がなされている。
特徴部034AKでは、第2始動入賞口や大入賞口が遊技領域の右領域に設けられており、大当り遊技状態や時短状態では、右打ち(右領域へ向けての打球)により遊技を行う遊技機を想定している。右打ち表示034AK02は、遊技者に対して右打ちによる遊技を促す表示である。
続いて、大当り遊技状態の2ラウンドとなると、1ラウンドが消化されたことに伴い、図10−5(C)に示すように、特別表示034AK01のうち1個が消化済みであることを示す態様に変化する。特別表示034AK01は、図10−5(C)等に示すように、星の画像であり、未消化のラウンドに対応した特別表示034AK01は白色で表示され、消化済みのラウンドに対応した特別表示034AK01は灰色で表示される。このようにすることで、特別表示034AK01により、少なくとも実行されるラウンド数を報知することができるとともに、表示態様によりラウンドの消化状況を表示することができる。
なお、特別表示034AK01を消化済みであることを示す態様に変化させる制御は、例えば、各ラウンドの終了を指定するコマンド(大入賞口開放後指定コマンド等)を受信したことに基づいて行うことになるが、一のラウンドの終了を指定するコマンドを取りこぼしたこと等により、特別表示034AK01を消化済みであることを示す態様に変化させる制御が正常に行われなかった場合、次のラウンドの開始を指定するコマンドや、次のラウンドの狩猟を指定するコマンドを受信したことに基づいて、特別表示034AK01を消化済みであることを示す態様に変化させる制御が実行されるようにしてもよい。このようにすることで、特別表示034AK01の態様が実行中のラウンド数と整合しなくなってしまうことを防止でき、遊技者に不信感を与えてしまうことを防止できる。
2ラウンドのラウンド昇格演出の実行可能タイミングT1(図10−4(A)参照)となると、図10−5(C)に示すように、画像表示装置5に「まだまだ!?」といった文字が表示されることで、ラウンド昇格演出が開始される。このような演出がラウンド昇格演出の導入部分となっている。
その後、図10−5(D)に示すように、画像表示装置5に新たに2個の特別表示034AK01を獲得したような演出が実行され、図10−5(E)に示すように、当該新たな2個の特別表示034AK01が移動して、既に表示されている特別表示034AK01の横に加算されるラウンド昇格演出が実行される。
2ラウンドが終了すると、図10−5(F)に示すように、3ラウンドに移行し、2個目の特別表示034AK01が消化済みであることを示す灰色の態様に変化する。
その後、図10−5(G)に示すように、4ラウンドのラウンド昇格演出の実行可能タイミングT2(図10−4(A)参照)において、再度ラウンド昇格演出が実行されて、新たに2個の特別表示034AK01が加算される。
また、図10−5(H)に示すように、6ラウンドのラウンド昇格演出の実行可能タイミングT3(図10−4(A)参照)において、再度ラウンド昇格演出が実行されて、新たに4個の特別表示034AK01が加算される。
そして、図10−5(I)に示すように、10ラウンドのタイミングT4(図10−4(A)参照)となると、ラウンド昇格演出の導入部分と同様に、画像表示装置5に「まだまだ!?」といった文字が表示されることで、保留連報知が開始される。
そして、図10−5(J)に示すように、画像表示装置5に新たに2個の特別表示034AK01を獲得したような演出が実行され、当該新たな2個の特別表示034AK01が移動して、既に表示されている特別表示034AK01の横に加算される保留連報知が実行される。
このように、保留連報知はラウンド昇格演出と同様の導入部分で開始され、同様の演出態様で特別表示を加算する演出となっている。
その後、10ラウンドが終了すると大当り遊技状態は終了する。そして、図10−5(K)に示すように、画像表示装置5の右下部分の小図柄の変動が開始されて、図10−5(L)に示すように、保留連報知の対象となった保留情報に基づく変動により次の大当りとなり、次の大当り遊技状態が開始される。なお、大当り遊技状態後、次の大当りとなるまでは、変動時間が極めて短い(例えば1秒等)の変動パターンが選択されて、大当り遊技状態終了時点で記憶されている保留情報に基づく変動が高速消化される。そのため、保留連報知の対象となった保留情報よりも以前に記憶された保留情報が複数ある場合でも、当該保留情報に基づく変動が高速消化されて、直ちに次の大当り遊技状態となるような演出が可能である。このようにすることで、複数の大当り遊技状態が連続するような演出が可能になるとともに、大当りの上限ラウンドを超えて大当り遊技状態が継続するような演出が可能になり、興趣が向上する。
なお、保留連報知の対象の次の大当り遊技状態においては、前回の大当り遊技状態において表示された特別表示を継続して表示し、次の大当り遊技状態の大当り種別に応じて特別表示が追加されていくことになる。また、獲得賞球数は、前回の大当り遊技状態の獲得賞球数に加算されて表示される。このようにすることで、いわゆる連荘中の合計ラウンド数や総獲得賞球数を報知することができ、遊技の興趣が向上する。なお、保留連報知が実行されなかった場合、大当り遊技状態終了後の所定期間(例えば変動が20回実行されるまで)は前回の大当り遊技状態で表示された特別表示を残しておき、当該所定期間中に大当りとなった場合、前回の大当り遊技状態で表示された特別表示に新たな特別表示が加算されて表示されるようにしてもよい。このようにすることで、特別表示や総獲得賞球数が増える機会を多くすることができ、興趣が向上する。なお、そのような所定期間においては、変動時間が極めて短い(例えば1秒等)の変動パターンが選択されて、変動が短時間で消化されるようにしてもよい。このようにすることで、所定期間内に大当りとなった場合に、前回の大当りからの一体感を持たせることができる。
図10−6は、4R大当りの大当り遊技状態において特定演出が実行される場合の演出動作例を示している。図10−6(A)は、大当りとなったときの画像表示装置5を示している。画像表示装置5には、ピースをしたキャラクタ画像と「大当り」という文字が表示され、右下部分に「444」の数字(小図柄)が表示されて、大当りとなったことが示されている。
その後、大当り遊技状態の1ラウンド目が開始される。大当り遊技状態では、例えば図10−6(B)に示すように、画像表示装置5の左上部分に現在のラウンド表示が表示される。また、少なくとも実行されるラウンド数に対応した2個の特別表示034AK01が表示されるとともに、画像表示装置5の右上部分には、大当り遊技状態において右打ちを促す右打ち表示034AK02が表示されている。その他、画像表示装置5の右下部分には小図柄継続して表示され、左下部分には大当り遊技状態における獲得賞球数に対応した表示がなされている。
その後、図10−6(C)〜(F)に示すように、図10−5(C)〜(F)に示した10R大当りのときの演出動作と同様に大当り中の演出動作や特定演出が実行され、3ラウンドまで進行する。
そして、図10−6(G)に示すように、4ラウンドのタイミングT2(図10−4(B)参照)となると、ラウンド昇格演出の導入部分と同様に、画像表示装置5に「まだまだ!?」といった文字が表示されることで、ラウンド昇格演出ガセが開始される。
そして、図10−6(H)に示すように、画像表示装置5に「残念」といった文字が表示され、ラウンドが昇格しないことが示されるラウンド昇格演出ガセが実行される。
4ラウンドが終了すると、図10−6(I)に示すように、画像表示装置5に大当りが終了する旨の表示と、大当り遊技状態における獲得賞球数を示す表示とが含まれるエンディング表示が行われて、大当り遊技状態が終了する。なお、エンディング表示は図10−6(I)に示すような表示に限定されず、エンディング表示において他の表示(のめり込み防止表示やプリペイドカード取り忘れ注意表示等)が含まれていてもよい。
このように、特徴部034AKでは、大当り遊技状態において、特定演出として、ラウンド昇格演出(第1パターン)、保留連報知(第2パターン)、及び、ラウンド昇格演出ガセ(第3パターン)を実行可能となっている。そして、ラウンド昇格演出、保留連報知、及び、ラウンド昇格演出ガセは、同様の導入部分で開始されるようになっている。そのため、特定演出の開始時点では、いずれの特定演出となるかを判別できず、特定演出によって演出結果が異なることになる。そのため、特定演出の導入部分が開始されることで、有利な特定演出が実行されることを遊技者に期待させることができ、興趣が向上する。
また、ラウンド昇格演出(第1パターン)、保留連報知(第2パターン)、及び、ラウンド昇格演出ガセ(第3パターン)は、図10−4に示したように、大当り遊技状態において、実行可能タイミングが異なっている。言い換えると大当り遊技状態におけるタイミングに応じて、いずれの特定演出が実行されるかの割合(実行する特定演出のパターンの選択割合)が異なっている。このようにすることで、特定演出の演出結果がいずれとなるかに注目せることができるとともに、特定演出の開始タイミングにも注目させることができ、興趣が向上する。なお、特定演出を実行可能な実行可能タイミング(例えばタイミングT1〜T4)において、いずれの特定演出(第1パターン〜第3パターン)のいずれを実行するかを決定し、実行可能タイミングに応じて実行する特定演出の選択割合を異ならせるようにしてもよい。
(特徴部034AKの設定示唆演出)
特徴部034AKに係るパチンコ遊技機1では、大当り遊技状態において所定割合でパチンコ遊技機1における電源投入時の設定変更の有無を示唆する設定変更示唆演出、及び、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を示唆する設定示唆演出を実行可能である。設定変更示唆演出と設定示唆演出とをまとめて設定示唆演出ということもある。
また、特徴部034AK(035AK)に係るパチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において上述のような遊技者にとって有利な内容を示唆する特定演出(ラウンド昇格演出、保留連報知)を実行可能であり、特定演出の演出期間と設定変更示唆演出の演出期間との少なくとも一部が重複する場合があり、特定演出の演出期間よりも設定変更示唆演出の演出期間の方が長い。このようにすることで、設定変更示唆演出の認識度合いが高まり、興趣が向上する。
また、特徴部034AK(036AK)に係るパチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において上述のような遊技者にとって有利な内容を示唆する特定演出(ラウンド昇格演出、保留連報知)を実行可能であり、特定演出の演出期間と設定示唆演出の演出期間との少なくとも一部が重複する場合があり、特定演出の演出期間よりも設定示唆演出の演出期間の方が短い。このようにすることで、設定示唆演出に興味のない遊技者の興趣の低下を抑制できる。
図10−7は、特徴部034AKの設定変更示唆演出処理の動作を示すフローチャートである。設定変更示唆演出処理は、設定変更示唆演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定された場合に設定変更示唆演出を実行するための処理である。設定変更示唆演出処理は、図9のステップS176の大当り中演出処理内で実行される。設定変更示唆演出処理では、演出制御用CPU120は、先ず、RAM122の受信コマンドバッファを確認して、主基板11から大当り開始指定コマンドを受信したか否かを判定すること等により、大当り開始時であるか否かを判定する(ステップ034AKS041)。大当りの開始時でなければ(ステップ034AKS041;No)設定変更示唆演出処理を終了する。
大当りの開始時であれば(ステップ034AKS041;Yes)、設定変更フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップ034AKS042)。
例えば、パチンコ遊技機1の電源投入時には、主基板11の側から演出制御基板12の側に設定値を通知するための設定値通知コマンドが送信される。演出制御用CPU120は、設定値通知コマンドにより通知された設定値をRAM122の所定領域に格納する。その際に、通知された設定値がRAM122に記憶されていた前回の設定値から変更がある場合には、今回の電源投入時に設定変更されたこと示す設定変更フラグをオン状態にセットする。
ステップ034AKS042の処理では、その設定変更フラグがオン状態であるか否かを判定することで、今回の電源投入時に設定変更されたか否かを特定する。設定変更フラグがオン状態である場合には(ステップ034AKS042;Yes)、大当り遊技状態において表示する右打ち表示として、設定変更がされたことを示唆する設定変更示唆態様の右打ち表示をするための設定を行う(ステップ034AKS043)。それに対して、設定変更フラグがオフ状態である場合には(ステップ034AKS042;No)、大当り遊技状態において表示する右打ち表示として、通常態様の右打ち表示をするための設定を行う(ステップ034AKS044)。その後、設定変更示唆演出処理を終了する。
通常態様の右打ち表示と、設定変更示唆態様の右打ち表示と、はその表示態様によって見分けが付くものであればよく、例えば、色や模様、大きさ、表示位置等が異なっていればよい。例えば、図10−5に示すような白の矢印の右打ち表示034AK02が通常態様であり、図10−6に示すような黒の矢印の右打ち表示034AK02が設定変更示唆態様であればよい。この場合、大当り遊技状態において、図10−6に示すような黒の矢印の右打ち表示034AK02が表示されることで、遊技者は遊技中の遊技機は、今回の電源投入時に設定変更されたことを認識または予想することができる。また、遊技者は設定変更されたことで、最低設定値である設定1以外にも設定されることがあることを認識できるとともに、少なくとも最低設定値である設定1以外に変更されたこと期待できるので、遊技者の期待感を向上させることができ、興趣が向上する。
この実施例では、右打ち表示の表示態様により、設定変更示唆演出を実行するようになっているが、他の演出態様により設定変更示唆演出を実行するようにしてもよい。例えば、大当り遊技状態において右打ちにより遊技を行わない遊技機である場合には、他の表示物やキャラクタや背景画像の態様により、設定変更示唆演出を実行するようにしてもよい。
また、設定変更示唆演出は、毎回の大当り時に実行するものに限定されず、設定変更後の最初の大当りにおいて実行するようにしてもよい。また、設定変更の有無によって一律に演出態様が決まるものに限定されず、設定変更がされたか否かによって設定変更示唆演出(設定示唆態様の右打ち表示)を実行するか否か抽選する(例えば設定変更された場合の方が設定変更されていない場合よりも実行割合が高い)ようにしてもよい。また、前回の電断時から高い設定値に変更されたときと、前回の電断時から低い設定値に変更されたときとで、異なる割合で設定変更示唆演出(設定示唆態様の右打ち表示)を実行するか否か抽選する(例えば高い設定値に変更された場合の方が低い設定値に変更された場合よりも実行割合が高い)ようにしてもよい。設定変更示唆演出の演出態様を複数設けて、演出態様によって、設定変更されたか否かの割合(示唆の精度、示唆の確度)が異なるようにしてもよい。大当り開始時の右打ち表示の態様は、設定変更が行われたか否かに関わらず共通として、その後の大当り中に右打ち表示の態様が設定示唆態様に変化するようにしてもよい。
図10−8は、特徴部034AKの設定示唆演出処理の動作を示すフローチャートである。設定示唆演出処理は、設定示唆演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定された場合に設定示唆演出を実行するための処理である。設定示唆演出処理は、図9のステップS177のエンディング演出処理内で実行される。設定示唆演出処理では、演出制御用CPU120は、先ず、今回の大当り遊技状態において保留連報知が実行されたか否かを判定する(ステップ034AKS051)。例えば、ステップ034AKS051では、今回の大当り遊技状態における特定演出実行処理(図10−3)にて、ステップ034AKS033の処理が実行されたか否かを判定すればよい。
この実施例では、保留連報知が実行された場合、大当り遊技状態終了後に、保留連報知の対象となった保留情報に基づく可変表示までの可変表示が高速消化されて、直ちに新たな大当り遊技状態に制御されるようになっている。そのため、保留連報知が実行された場合、大当り遊技状態におけるエンディング表示が行われない。この実施例では、設定示唆演出を大当り遊技状態におけるエンディングで行うようになっているため、保留連報知が実行された場合(ステップ034AKS051;Yes)、設定示唆演出を実行しないため、設定示唆演出処理を終了する。なお、通常状態における大当り(初当り)や、保留連報知の有無に関わらずエンディング表示を行う大当り種別である場合に、設定示唆演出を実行可能にしてもよい。
保留連報知が実行されなかった場合(ステップ034AKS051;No)、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を特定する(ステップ034AKS052)。演出制御用CPU120は、パチンコ遊技機1の電源投入時に、主基板11の側から送信された設定値通知コマンドを受信し、通知された設定値をRAM122の所定領域に格納すればよい。これにより、ステップ034AKS052では、RAM122に格納されている設定値を特定すればよい。なお、電源投入時に設定値通知コマンドが正常に送信されなかったこと等により、RAM122に設定値に関する情報が格納されていない場合には、設定値は最低設定値である1であるものとして、設定示唆演出を実行すればよい。このようにすることで、実際の設定値よりも高い設定値であることを示唆する設定示唆演出が実行されて、遊技者に誤った示唆を行ってしまい、遊技者に不信感を与えてしまうことを防止できる。
続いて、設定示唆演出として、第1設定示唆演出の演出内容に対応した第1設定示唆演出パターンを決定する(ステップ034AKS053)。図10−9(A)は、第1設定示唆演出パターンの決定割合を示している。この実施例では、第1設定示唆演出パターンとして、設定示唆演出パターンA、設定示唆演出パターンB、設定示唆演出パターンC、及び、設定示唆演出パターンDの4種類が設けられている。ステップ034AKS053の処理では、設定値に応じて、図10−9(A)に示す決定割合で、いずれかのパターンに決定する。
図10−9(A)に示すように、高設定である期待度は設定示唆演出パターンC>設定示唆演出パターンB>設定示唆演出パターンAの順に高くなっている。また、設定示唆演出パターンDは、設定値が偶数(2、4、6)である場合に、設定値が奇数(1、3、5)である場合よりも高い割合で決定されるようになっており、偶数設定値であることを示唆するパターンとなっている。
なお、この実施例では、エンディング表示が行われる場合には、必ず第1設定示唆演出を実行するようになっているが、第1設定示唆演出を実行しない場合があるようにしてもよい。
第1設定示唆演出パターンを決定した後には、決定されたパターンに応じた第1設定示唆演出を実行するための設定を行う(ステップ034AKS054)。ステップ034AKS054では、大当りのエンディング表示において、設定示唆演出パターンに応じた背景やキャラクタ画像を表示するための制御を行う。
続いて、設定示唆演出として、第2設定示唆演出を実行するか否かや、実行する場合の演出内容に対応した第2設定示唆演出パターンを決定する第2設定示唆演出実行判定を行う(ステップ034AKS055)。図10−9(B)は、第2設定示唆演出の実行有無及び第2設定示唆演出パターンの決定割合を示している。この実施例では、第2設定示唆演出パターンとして、設定示唆演出パターンa、設定示唆演出パターンb、設定示唆演出パターンc、及び、設定示唆演出パターンdの4種類が設けられている。ステップ034AKS055の処理では、設定値に応じて、図10−9(B)に示す決定割合で、第2設定示唆演出を実行しない実行無しかいずれかのパターンに決定する。
図10−9(B)に示すように、設定値に応じて、第2示唆演出の実行割合が異なっている。具体的には、高設定値である程、第2示唆演出が実行される割合が高く、設定1である場合には、第2示唆演出が実行されないようになっている。また、高設定である期待度は設定示唆演出パターンd>設定示唆演出パターンc>設定示唆演出パターンb>設定示唆演出パターンaの順に高くなっている。具体的には、図10−9(C)に示すように、設定示唆演出パターンaは最低設定である設定1であることが否定されるパターンであり、設定示唆演出パターンbは設定4以上であることが確定するパターンであり、設定示唆演出パターンcは設定5以上であることが確定するパターンであり、設定示唆演出パターンdは設定6であることが確定するパターンである。このように、第2設定示唆演出は、実行される割合が低いが、示唆する設定値の精度が高くなっている。
第2示唆演出は、大当りのエンディング表示において、所定の色のミニキャラクタ画像(トロフィー画像)を表示する演出となっている。図10−9(B)に示すように、示唆演出パターンaでは、銅のミニキャラクタ画像が表示され、示唆演出パターンbでは、銀のミニキャラクタ画像が表示され、示唆演出パターンcでは、金のミニキャラクタ画像が表示され、示唆演出パターンdでは、虹のミニキャラクタ画像が表示される。
第1設定示唆演出は、大当りのエンディング時に必ず実行されるものの、図10−9に示すように、設定1である場合でも高設定である期待度が高い示唆演出パターンCに決定されることがあり、設定6である場合でも高設定である期待度が低い示唆演出パターンAに決定されることがある。また、奇数設定値である場合でも偶数設定値であることを示唆する示唆演出パターンDに決定されることがある。このように、第1設定示唆演出は、いずれの設定値である場合でも全てのパターンに決定されることがあるため、精度の低い設定示唆演出となっている。それに対して、第2設定示唆演出は、実行頻度は低いが第1設定示唆演出に比べて精度の高い設定示唆演出となっている。このように、複数種類の設定示唆演出を実行することで、演出が多彩になり、設定示唆演出に基づいて遊技者が設定値を推測する楽しみを与えることができ、遊技の興趣が向上する。また、演出が多彩になり、興趣の低下を抑制できる。
第2設定示唆演出実行判定を終了した後には、第2設定示唆演出を実行することが決定されたか否かを判定する(ステップ034AKS056)。第2設定示唆演出を実行しないこと(「実行無し」)に決定された場合(ステップ034AKS056;No)、設定示唆演出処理を終了する。
第2設定示唆演出を実行すること(いずれかの第2示唆演出パターン)に決定された場合(ステップ034AKS056;Yes)、決定されたパターンに応じた第2設定示唆演出を実行するための設定を行う(ステップ034AKS057)。ステップ034AKS057では、大当りのエンディング表示において、第2設定示唆演出パターンに応じたミニキャラクタ画像(トロフィー画像)を表示するための制御を行う。その後、設定示唆演出処理を終了する。
続いて、特徴部034AKの設定示唆演出の演出動作について説明する。図10−10は、第1設定示唆演出の表示例を示している。設定示唆演出パターンA(低期待度)の第1設定示唆演出が実行される場合には、図10−10(A)に示すように、画像表示装置5において通常背景(例えば白)でエンディング表示が行われる。設定示唆演出パターンB(中期待度)の第1設定示唆演出が実行される場合には、図10−10(B)に示すように、画像表示装置5において通常背景とは異なる背景色(例えば赤)でエンディング表示が行われる。設定示唆演出パターンC(高期待度)の第1設定示唆演出が実行される場合には、図10−10(C)に示すように、画像表示装置5においてキャラクタ画像034AK03が横切るエンディング表示が行われる。設定示唆演出パターンD(偶数設定示唆)の第1設定示唆演出が実行される場合には、図10−10(D)に示すように、画像表示装置5において背景に桜の花びら034AK04が舞うエンディング表示が行われる。このように、第1設定示唆演出では、エンディング表示の背景やキャラクタ画像の表示有無によって遊技者に設定値を示唆することができる。
第1示唆演出において高設定である期待度が最も高い設定示唆演出パターンCでは、設定示唆演出に係るキャラクタ画像034AK03は、他の表示(大当りが終了する旨の表示、獲得賞球数の表示)よりも手前側に優先的に表示される(上位レイヤに表示される)ようになっている。このようにすることで、設定示唆演出に係る画像が他の演出画像や文字によって視認困難となることを防止でき、設定示唆演出が無駄になってしまうことを防止できる。また、遊技者が設定示唆演出に興味のない場合であっても、設定示唆演出が無駄になることを防止できる。なお、設定示唆演出パターンA、B及びDは、背景画像により設定示唆を行う設定示唆演出であるが、これらのパターンでも演出画像を表示することにより設定示唆を行うようにしてもよい。この場合、これらの設定示唆演出に係る画像が他の表示(大当りが終了する旨の表示、獲得賞球数の表示)よりも手前側に優先的に表示されるようにすればよい。なお、設定示唆演出に係る画像よりも他の表示を優先的表示してもよいし、設定示唆演出に係る画像と他の表示との表示優先度を同等としてもよい。
図10−11は、第2設定示唆演出の表示例を示している。設定示唆演出パターンa(設定1否定)の第2設定示唆演出が実行される場合には、図10−11(A)に示すように、エンディング表示中に、画像表示装置5に銅色のミニキャラクタ画像034AK11が表示される設定示唆演出が実行される。設定示唆演出パターンb(設定4以上確定)の第2設定示唆演出が実行される場合には、図10−11(B)に示すように、エンディング表示中に、画像表示装置5に銀色のミニキャラクタ画像034AK12が表示される設定示唆演出が実行される。設定示唆演出パターンc(設定5以上確定)の第2設定示唆演出が実行される場合には、図10−11(C)に示すように、エンディング表示中に、画像表示装置5に金色のミニキャラクタ画像034AK13が表示される設定示唆演出が実行される。このように、メダルの色と同様に有利度合いが金>銀>銅の順に高くなっているので、設定示唆演出が分かりやすくなる。
設定示唆演出パターンd(設定6確定)の第2設定示唆演出が実行される場合には、図10−11(D)に示すように、エンディング表示中に、画像表示装置5に虹色のミニキャラクタ画像034AK14が表示される設定示唆演出が実行される。遊技者にとって最も有利な設定6であることが確定する設定示唆演出パターンdの第2設定示唆演出では、ミニキャラクタ画像034AK14が太枠で囲われて表示されることで強調表示される。このようにすることで、設定示唆演出パターンdの第2設定示唆演出を強調でき、遊技者に特別感を与えることができ、興趣が向上する。遊技者が設定示唆演出に興味のない場合であっても、特定の設定示唆演出に注目させることができる。なお、このような強調表示を行わないようにしてもよい。
なお、第1設定示唆演出と第2設定示唆演出とは、並行して実行可能である。例えば、設定示唆演出パターンD(偶数設定示唆)の第1設定示唆演出、及び、設定示唆演出パターンc(設定5以上確定)の第2設定示唆演出が実行される場合には、図10−11(E)に示すように、画像表示装置5において背景に桜の花びら034AK04が舞うエンディング表示中に、金色のミニキャラクタ画像034AK13が表示される設定示唆演出が実行される。これにより、第1設定示唆演出により偶数設定示唆され、第2設定示唆演出により設定5以上確定することから、設定6である可能性が高いことが示唆される。このように、精度や示唆される内容が異なる複数種類の設定示唆演出を並行して実行することで、設定示唆演出の組合せによって遊技者に設定値を推測する楽しみを与えることができ、遊技の興趣が向上する。
なお、設定示唆演出の種類によって、演出期間が異なるようにしてもよい。例えば、第2設定示唆演出において、高設定である期待度が高いパターンほど、演出期間が長くなるようにしてもよい。例えば、ミニキャラクタ画像の表示期間が設定示唆演出パターンd>設定示唆演出パターンc>設定示唆演出パターンb>設定示唆演出パターンaの順に長くなるようにしてもよい。このようにすることで、遊技者にとっての有利度に応じた演出期間で設定示唆演出を実行でき、興趣蛾向上する。また、有利度に応じた演出期間で設定示唆演出を実行でき、興趣の低下を抑制できる。また、演出期間によっても設定示唆を行うことができる。なお、高設定である期待度が高いパターンほど、演出期間が短くなるようにしてもよいし、所定のパターン(例えば設定6確定の設定示唆演出パターンd)だけ演出期間の長さの比例関係が崩れるようにしてもよい。なお、設定示唆演出の種類によらず、演出期間は同様にしてもよい。
図10−12は、特徴部034AKの大当り遊技状態における特定演出及び設定示唆演出の演出期間を示すタイミングチャートである。図10−12に示すように、設定示唆演出(設定変更示唆演出)は、大当り遊技状態における右打ち表示によって実行されることから、大当り遊技状態全体が演出期間P4となっている。また、設定示唆演出は、大当り遊技状態におけるエンディング表示中に演出期間P3が設けられている。また、特定演出のうちラウンド昇格演出は、大当り遊技状態の2R、4R、6R中に演出期間P1が設けられ、保留連報知は、大当り遊技状態の10R中に演出期間P2が設けられている。
図10−12に示すように、設定変更示唆演出の演出期間P4は、特定演出の演出期間P1、P2と一部が重複しているが、特定演出の演出期間P1+P2よりも、設定変更示唆演出の演出期間P4の方が長くなっている。このようにすることで、設定変更示唆演出の認識度合いが高まり、遊技者が設定変更されたことを認識しやすくなり、興趣が向上する。
なお、この実施例では、設定変更示唆演出の演出期間が特定演出(ラウンド昇格演出及び保留連報知)の演出期間よりも長くなっていたが、所定の特定演出(例えばラウンド昇格演出と保留連報知とのいずれか)と演出期間が少なくとも重複する設定示唆演出(例えば設定値を示唆する設定示唆演出)を実行可能であり、当該設定示唆演出の演出期間が所定の特定演出の演出期間よりも長くなっていればよい。例えば、ラウンド昇格演出の演出期間と重複する演出期間で設定値を示唆する設定示唆演出を実行するようにして、当該設定示唆演出の演出期間を所定の特定演出の演出期間よりも長くしてもよい。
上記実施例では、設定示唆演出は、エンディング表示中に実行されるようになっていたが、保留連報知が実行されることによりエンディング表示が表示されない場合でも設定示唆演出を実行可能とするために、設定示唆演出を大当り遊技状態のラウンド中に実行するようにしてもよい。図10−13は、設定示唆演出を大当り遊技状態のラウンド中に実行するようにした特徴部034AKの変形例の大当り遊技状態における特定演出及び設定示唆演出の演出期間を示すタイミングチャートである。図10−13に示すように、この変形例では、大当り遊技状態における10R中に設定示唆演出の演出期間P3が設けられている。そして、設定示唆演出の演出期間P3は、特定演出(保留連報知)の演出期間P2と一部が重複している。この変形例では、特定演出の演出期間P2よりも、設定示唆演出の演出期間P3の方が短くなっている。このようにすることで、特定演出に注目させることができ、設定示唆演出に興味のない遊技者の興趣の低下を抑制できる。
なお、この実施例では、設定示唆演出の演出期間が特定演出(保留連報知)の演出期間よりも短くなっていたが、所定の特定演出(例えばラウンド昇格演出と保留連報知とのいずれか)と演出期間が少なくとも重複する設定示唆演出(設定変更示唆演出でもよい)を実行可能であり、当該設定示唆演出の演出期間が所定の特定演出の演出期間よりも短くなっていればよい。例えば、ラウンド昇格演出の演出期間と重複する演出期間で設定値を示唆する設定示唆演出を実行するようにして、当該設定示唆演出の演出期間を所定の特定演出の演出期間よりも短くしてもよい。
図10−14は、設定示唆演出を大当り遊技状態のラウンド中に実行するようにした特徴部034AKの変形例の演出動作例を示している。図10−14(A)は、大当り遊技状態の10ラウンドにおいて、画像表示装置5に「まだまだ!?」といった文字が表示されることで、保留連報知が開始されていることを示している。
その後、図10−14(B)に示すように、画像表示装置5に新たに2個の特別表示034AK01を獲得したような演出が実行され、当該新たな2個の特別表示034AK01が移動して、既に表示されている特別表示034AK01の横に加算される保留連報知が実行される。このとき、例えば、画像表示装置5の右部分に金色のミニキャラクタ画像034AK13が表示される設定示唆演出が実行される。
その後、図10−14(C)に示すように、10ラウンドが終了するとミニキャラクタ画像034AK13も消去され、大当り遊技状態は終了する。そして、図10−14(D)に示すように、画像表示装置5の右下部分の小図柄の変動が開始されて、図10−14(E)に示すように、保留連報知の対象となった保留情報に基づく変動により次の大当りとなり、次の大当り遊技状態が開始される。
このように、特定演出の演出期間と重複する期間であって、特定演出の演出期間よりも短い期間で設定示唆演出をすることで、特定演出に注目させつつ、設定値の示唆を行うことができる。
また、図10−14(B)に示す表示例では、ミニキャラクタ画像034AK13が特別表示034AK01よりも手前側に優先的に表示されている(上位レイヤに表示されている)。このようにすることで、遊技者が設定示唆演出に興味がない場合であっても、設定示唆演出が無駄になってしまうことを防止できる。
(特徴部034AKの変形例)
本特徴部は、この実施例に限定されず、種々の変形や応用が可能であり、更に特徴を追加してもよい。上記実施例や変形例に示したフローチャートの処理内容や決定割合、各種演出の決定方法は、一例であって、上記実施例と同様の効果を奏することができ、上記実施例で示した演出を好適に実行できれば任意でよい。また、上記実施例で示した演出動作例は一例であり、同様の演出効果を達成できれば適宜変更可能である。また、上記実施例で説明した構成は、その全てが必須構成ではなく、その一部が欠けていてもよい。また、本特徴部と他の特徴部を適宜組み合わせてもよい。
設定示唆演出は大当り遊技状態の終了時のエンディング中に限定されず、大当り遊技状態における任意のタイミングで実行されるようにしてもよい。また、設定変更示唆演出は大当り遊技状態中に継続的に実行されるものに限定されず、大当り遊技状態の任意のタイミングで実行されるようにしてもよい。また、大当り遊技状態以外の変動中等に設定示唆演出が実行されるようにしてもよい。
また、設定示唆演出の種類や設定変更示唆演出や設定示唆演出の演出態様は一例であり、少なくとも一種類以上の設定示唆演出が任意の演出態様で実行されればよい。例えば、上記実施例では、設定示唆演出として第1設定示唆演出と第2設定示唆演出とを実行可能となっていたが、いずれか一方のみが実行されるようにしてもよい。また、上記実施例では、第1設定示唆演出の演出パターンを決定した後に、第2設定示唆演出の実行有無を決定するようになっていたが、設定示唆演出に係る決定方法はこれに限定されず、設定示唆演出の実行有無や演出パターンを一括で決定してもよいし、設定示唆演出の実行有無を決定してからいずれの設定示唆演出を実行するかを決定するようにしてもよい。
上記実施例の特定演出は、大当り遊技状態の有利度(ラウンド数)に対応する特別表示を表示する演出であったが、特定演出は他の演出であってもよい。例えば、特定演出の演出パターンによって、異なる演出であってもよく、ラウンド昇格演出は、現在進行中のラウンドよりも総ラウンド数が多くなることを報知する演出であればよく、保留連報知は、現在の保留内大当りがあることを報知できる演出であればよい。
上記実施例では、大当り遊技状態が終了する可能性があるラウンドである2R、4R、6R中にラウンド昇格演出やラウンド昇格演出ガセが実行されるようになっていたが、他のラウンド中にラウンド昇格演出やラウンド昇格演出ガセを実行可能にしてもよい。また、上記実施例では、10R大当りにおける最終ラウンドである10R中に保留連報知が実行されるようになっていたが、10R大当り以外の最終ラウンドにおいて保留連報知が実行される場合があるようにしてもよい。また、最終ラウンド以外でも保留連報知が実行される場合があるようにしてもよい。この場合において、保留連報知の実行可能タイミングでは、ガセの特定演出(ラウンド昇格演出ガセ)が実行されないようにしてもよい。また、大当り遊技状態におけるタイミングに応じて、実行する特定演出の演出パターンの選択割合が異なるようにしてもよい。
設定変更示唆演出に係る画像(右打ち表示034AK02)が他の演出画像と重なる場合に、設定変更示唆演出に係る画像の表示レイヤを他の演出画像の表示レイヤよりも上にすることで、設定変更示唆演出に係る画像を優先的に表示するようにしてもよい。このようにすることで、設定変更示唆演出に係る画像が他の演出画像により視認困難となることを防止でき、設定変更示唆演出が無駄になることを防止できる。
設定変更示唆演出に係る画像(右打ち表示034AK02)を強調表示してもよい。例えば、通常態様の右打ち表示034AK02は強調表示せずに、設定変更示唆態様の右打ち表示034AK02を強調表示してもよい。また、設定変更示唆態様を複数設けて、特定の設定変更示唆態様の右打ち表示034AK02を強調表示するようにしてもよい。このようなすることで、特定の設定変更示唆演出に係る画像が表示されたときに遊技者に特別感を与えることができ、興趣が向上する。
有利度が異なる複数種類の設定変更示唆演出(例えば高い設定値に変更されたことを示唆する演出パターンや低い設定値に変更されたことを示唆する演出パターン)を実行可能であり、設定変更示唆演出の有利度によって演出期間が異なるようにしてもよい。このようなすることで、有利度に応じた演出期間で設定示唆演出を実行でき、興趣が向上する。
設定値に関する示唆の精度が異なる複数種類の設定変更示唆演出(例えば設定変更された可能性が高いことを示唆する設定変更示唆演出や設定変更された可能性が低いことを示唆する設定変更示唆演出や)を実行可能であるようにしてもよい。このようなすることで、設定変更示唆演出に応じた設定推測をすることができ、興趣が向上する。
(特徴部034AKに係る手段の説明)
(1)特徴部034AKに係る遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機(例えば特徴部034AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
前記有利状態に制御されているときに特定演出(例えばラウンド昇格演出、保留連報知、ラウンド昇格演出ガセ)を実行可能な特定演出実行手段(例えばステップ034AKS014、ステップ034AKS016、ステップ034AKS033の処理を実行する演出制御用CPU120)を備え、
前記特定演出実行手段が実行可能な前記特定演出の演出パターンとして、
制御中の前記有利状態の有利度が所定有利度となることに対応する第1パターン(例えばラウンド昇格演出)と、
制御中の前記有利状態よりも後に、次の前記有利状態に制御されることに対応する第2パターン(例えば保留連報知)と、
遊技者にとっての有利度が前記所定有利度とならないことに対応する第3パターン(例えばラウンド昇格演出ガセ)と、があり、
前記第1パターンと前記第2パターンと前記第3パターンとで、前記特定演出の演出態様の少なくとも一部が共通しており(例えば図10−5(C)、(I)、図10−6(C)、(G))、
前記第1パターンの前記特定演出を実行可能な第1実行可能期間(例えば図10−4のタイミングT1、T2、T3)と、前記第2パターンの前記特定演出を実行可能な第2実行可能期間(例えば図10−4のタイミングT4)との少なくとも一部が異なり、
前記特定演出実行手段は、
前記第1実行可能期間と共通の期間(例えば図10−4のタイミングT1、T2、T3)で前記第3パターンの前記特定演出を実行可能である一方で、
前記第2実行可能期間において前記第3パターンの前記特定演出を実行しない。
このような構成によれば、次の有利状態に制御されることに対応する第2パターンの特定演出を実行可能な第2実行可能期間では第3パターンの特定演出を実行しないので、遊技者を過度に期待させることがなく、興趣の低下を抑制できる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特定演出実行手段は、前記第1パターンの前記特定演出と前記第2パターンの前記特定演出とで共通の特別表示(例えば特別表示034AK01)を表示可能である(図10−5)ようにしてもよい。
このような構成によれば、共通の特別表示により、制御中の有利状態の有利度と次に有利状態に制御されることを報知できるので、興趣が向上する。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記特定演出実行手段は、制御中の前記有利状態の有利度に対応する特別表示(例えば特別表示034AK01)により、前記第2パターンの前記特定演出を実行可能である(図10−5)ようにしてもよい。
このような構成によれば、制御中の有利状態が継続しているような態様で第2パターンの特定演出を実行できるので、興趣が向上する。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記有利状態の種類が複数あり(例えば2R大当り、4R大当り、6R大当り、10R大当り)、
前記特定演出実行手段は、前記有利状態の種類に応じて前記特定演出の実行有無が異なる(例えば図10−1(B)、(C))ようにしてもよい。
このような構成によれば、演出が多彩になり、興趣が向上する。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記第1パターンと前記第2パターンと前記第3パターンとで、前記特定演出の開始時の演出態様が共通し、前記特定演出の演出パターンに応じて演出結果が異なり(例えば図10−5(C)、(D)、(I)、(J)、図10−6(C)、(D)、(G)、(H))、
前記特定演出実行手段は、前記有利状態におけるタイミングに応じて、実行する前記特定演出の演出パターンの選択割合が異なる(例えば図10−4)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定演出の開始時点でいずれの演出結果となるかに注目させることができるとともに、特定演出の開始タイミングにも注目させることができ、興趣が向上する。
(6)上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
所定事象が発生したことにより所定タイミングで特別表示を正常に表示できなかった場合、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングで当該特別表示を表示する制御を実行可能である(ステップ034AKS022にてNoと判定されたときにステップ034AKS023の処理を実行する)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特別表示の表示数が整合しなくなって遊技者に違和感や不信感を与えてしまうことを防止できる。
(特徴部035AKに係る手段の説明)
特徴部034AKは、特徴部035AKを含んでいる。
(1)特徴部035AKに係る遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機(例えば特徴部035AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
前記有利状態に制御されているときに遊技者にとって有利な内容を示唆する特定演出(例えばラウンド昇格演出、保留連報知)を実行可能な特定演出実行手段と、
設定示唆演出(例えば設定示唆演出、設定変更示唆演出)を実行可能な設定示唆演出実行手段(例えばステップ034AKS043、ステップ034AKS053、ステップ034AKS057の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、
前記特定演出の演出期間(例えば図10−12の演出期間P1、P2)と前記設定示唆演出の演出期間(例えば図10−12の演出期間P4)との少なくとも一部が重複する場合があり、
前記特定演出の演出期間よりも前記設定示唆演出の演出期間の方が長い(例えば図10−12)。
このような構成によれば、設定示唆演出の認識度合いが高まり、興趣が向上する。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記設定示唆演出に係る設定示唆演出画像(例えばキャラクタ画像034AK03、ミニキャラクタ画像034AK13)を他の演出画像よりも優先的に表示する(例えば図10−10(C)、図10−14(B))ようにしてもよい。
このような構成によれば、設定示唆演出に係る画像が他の演出画像により視認困難となることを防止でき、設定示唆演出が無駄になることを防止できる。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記設定示唆演出に係る複数種類の設定示唆演出画像のうち、特定の設定示唆演出画像を強調表示する(例えば図10−11(D))ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定の設定示唆演出画像が表示されたときに遊技者に特別感を与えることができ、興趣が向上する。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記設定示唆演出実行手段は、有利度が異なる複数種類の前記設定示唆演出(例えば第1設定示唆演出、第2設定示唆演出、複数種類の設定示唆演出パターン)を実行可能であり、
前記設定示唆演出の有利度によって演出期間が異なるようにしてもよい。
このような構成によれば、有利度に応じた演出期間で設定示唆演出を実行でき、興趣が向上する。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記設定示唆演出実行手段は、設定値に関する示唆の精度が異なる複数種類の前記設定示唆演出(例えば第1設定示唆演出、第2設定示唆演出)を実行可能である(例えば図10−9(A)、(B))ようにしてもよい。
このような構成によれば、設定示唆演出に応じた設定推測をすることができ、興趣が向上する。
(特徴部036AKに係る手段の説明)
特徴部034AKは、特徴部036AKを含んでいる。
(1)特徴部036AKに係る遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機(例えば特徴部036AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
前記有利状態に制御されているときに遊技者にとって有利な内容を示唆する特定演出(例えばラウンド昇格演出、保留連報知)を実行可能な特定演出実行手段と、
設定示唆演出(例えば設定示唆演出、設定変更示唆演出)を実行可能な設定示唆演出実行手段(例えばステップ034AKS043、ステップ034AKS053、ステップ034AKS057の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、
前記特定演出の演出期間(例えば図10−13の演出期間P1、P2)と前記設定示唆演出の演出期間(例えば図10−13の演出期間P3)との少なくとも一部が重複する場合があり、
前記特定演出の演出期間よりも前記設定示唆演出の演出期間の方が短い(例えば図10−13)。
このような構成によれば、設定示唆演出に興味のない遊技者の興趣の低下を抑制できる
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記設定示唆演出に係る設定示唆演出画像(例えばキャラクタ画像034AK03、ミニキャラクタ画像034AK13)を他の演出画像よりも優先的に表示する(例えば図10−10(C)、図10−14(B))ようにしてもよい。
このような構成によれば、設定示唆演出に係る画像が他の演出画像により視認困難となることを防止でき、遊技者が設定示唆演出に興味のない場合であっても、設定示唆演出が無駄になることを防止できる。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記設定示唆演出に係る複数種類の設定示唆演出画像のうち、特定の設定示唆演出画像を強調表示する(例えば図10−11(D))ようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技者が設定示唆演出に興味のない場合であっても、特定の設定示唆演出画像に注目させることができる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記設定示唆演出実行手段は、有利度が異なる複数種類の前記設定示唆演出(例えば第1設定示唆演出、第2設定示唆演出、複数種類の設定示唆演出パターン)を実行可能であり、
前記設定示唆演出の有利度によって演出期間が異なるようにしてもよい。
このような構成によれば、有利度に応じた演出期間で設定示唆演出を実行でき、興趣の低下を抑制できる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記設定示唆演出実行手段は、設定値に関する示唆の精度が異なる複数種類の前記設定示唆演出(例えば第1設定示唆演出、第2設定示唆演出)を実行可能である(例えば図10−9(A)、(B))ようにしてもよい。
このような構成によれば、演出が多彩になり、興趣の低下を抑制できる。
(特徴部010AKに関する説明)
続いて、特徴部034AKの保留連報知とは異なる態様の保留連報知を実行する特徴部010AKについて説明する。特徴部010AKの内容を上記特徴部034AKに適宜採用してもよい。例えば、特徴部010AKの保留連報知を、保留連報知の一態様として、特徴部034AKに組み込んでもよい。特徴部034AKの特定演出として、特徴部010AKの保留連報知を採用してもよい。更に、特徴部034AKのラウンド昇格演出やラウンド昇格ガセの特徴部010AKの保留連報知と同様の態様(例えば特定表示を表示する演出態様)により開始するようにしてもよい。
特徴部010AKのパチンコ遊技機1は、有利状態(大当り遊技状態やV入賞で大当り遊技状態に制御される小当り遊技状態)に制御されるときに、有利状態に制御されることに対応した保留情報が記憶されていること(保留内大当りがあること、保留内連荘すること)を報知する報知演出(保留連報知)を実行可能であり、報知演出が実行されたことにより、特定表示(有利状態に制御されることに対応した保留情報が記憶されていることを示す表示)を表示可能な特定表示手段と、特定表示に対応した可変表示の所定タイミングにおいて、当該特定表示を消去する特定表示消去演出(消去演出)を実行可能な消去演出実行手段と、を備える。このような消去演出を実行することで、保留連報知の対象が分かりやすくなる。また、消去演出が実行されるまで特定表示が継続して表示されるので、継続的に保留内大当りがあることを報知可能となる。
そして、特徴部010AKでは、特定表示が表示されているときに、所定事象が発生したことにより所定タイミングで当該特定表示が消去されなかった場合、所定タイミングよりも後の特定タイミングで当該特定表示を消去する特別制御を実行可能である。即ち、特徴部010AKに係るパチンコ遊技機1では、不具合等の所定事象が発生して所定タイミングで当該特定表示が消去されなかった場合には、特定タイミングで特定表示が消去されるので、保留連報知の対象となる有利状態に制御されたにも関わらず、特定表示が表示され続けて遊技者に不信感を与えてしまうこと防止できる。これにより、保留連報知を好適に実行できる。
以下、特徴部010AKのパチンコ遊技機1の特徴的な部分について説明する。ここでは説明しない他の部分については、上述の基本説明のパチンコ遊技機1の構成や他の特徴部の構成を適宜採用すればよい。
なお、特徴部010AKは、当り種別として大当りと小当りとが設けられている遊技機を想定している。表示結果が小当りとなると、遊技球がV入賞領域に進入可能な小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態において、V入賞領域に遊技球が進入すると大当りとなる。V入賞領域に遊技球が進入することをV入賞ともいい、遊技球がV入賞したことに基づいて発生する大当りを、「小当り経由大当り」とも呼ぶ。これに対し、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の変動表示の表示結果に基づいて大当り遊技状態となることを、「図柄大当り」とも呼ぶ。
特徴部010AKの実施例では、特定表示の表示態様として第1態様と保留内当りが複数あることを示す第2態様とが設けられている。よって、第1態様の特定表示よりも、第2態様の特定表示の方が遊技者にとっての有利度合いが高い。このように、保留内当りが複数あることを示す第2態様を設けたことで、1回の報知で複数回当りとなることを報知可能となり、遊技者は第2態様で特定表示が表示されることを期待するようになり、演出の興趣が向上する。
この実施例では、特定表示パターンとして、特定表示を第1態様で表示する特定表示パターンAと、特定表示を第2態様で表示する特定表示パターンBと、が設けられている。
例えば、図10−1(A)のステップ034AKS004の保留連報知実行判定と同様の処理により、保留連報知の実行有無を判定し、保留連報知を実行すると判定された場合、保留連報知の実行対象の保留内当りの数に応じて、例えば、図10−15に示す割合で特定表示パターンを決定する。図10−15に示すように、保留連報知の実行対象の保留内当りが1つである場合には特定表示パターンAに決定され、保留連報知の実行対象の保留内当りが2つ以上である場合には、20%の割合で特定表示パターンAに決定され、80%の割合で特定表示パターンBに決定される。このようにすることで、特定表示が第2態様で表示された場合は保留内当りが2つ以上あることを報知できる。また、保留内当りが2つ以上である場合でも、特定表示パターンAに決定されることがあるようになっている。よって、特定表示が第1態様で表示された場合でも、保留内当りが2つ以上ある場合があるため、特定表示が第1態様で表示された場合の遊技者の落胆を低減することができる。
なお、この決定割合は一例であり、保留連報知の実行対象の保留内当りが大当りであるか小当りであるか、当り種別(ラウンド数、確変制御や時短制御の有無等)等に応じて特定表示パターンの決定割合を異ならせてもよい。即ち、特定表示の表示態様により当りの数以外の有利度合いを示唆するようにしてもよい。また、決定割合も好適に特定表示を表示できれば任意の割合でよい。
図10−16は、特徴部010AKの消去演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。図10−16に示すように、大当り遊技状態(大当り遊技状態がON)において保留連報知が実行されると、特定表示が表示される(特定表示がON)。
その後、大当り遊技状態が終了すると、記憶されている保留情報に基づいて変動(可変表示)が実行される(変動がON)。その変動が保留連報知の対象変動であった場合、当該変動(保留連報知対象変動)において消去演出が実行される。この実施例では、図10−16に示すように、消去演出の実行タイミング(消去タイミング)として、変動開始直後のタイミングTAと、ノーマルリーチ開始時(左右図柄揃い時)のタイミングTBと、スーパーリーチ発展後のタイミングTCと、が設けられている。
この実施例では、保留連報知対象変動の変動開始時に、演出制御用CPU120が、主基板11から受信する演出制御コマンドに基づいて消去演出の実行タイミングをいずれかに決定するようになっている。変動開始時には、図10−16に示すように、背景指定コマンド(ここでは時短状態指定コマンド)、変動特図指定コマンド(ここでは第2図柄変動指定コマンド)、表示結果指定コマンド、変動パターン指定コマンドといった複数の演出制御コマンドが送信される。そして、この実施例では、変動パターンから特定される演出の有無や変動時間に基づいて消去演出の実行タイミングが決定される。
このように、変動開始時にコマンドを正常に受信し、演出制御用CPU120が正常な処理を実行した場合には、消去演出の実行タイミングとしてタイミングTA、TB、TCのいずれかに決定される。しかしながら、コマンドを正常に受信できなかった場合や、演出制御基板12側のエラー等の何らかの事象(所定事象)の発生により、消去演出の実行タイミングが正常に決定されなかった場合、保留連報知対象変動において消去演出が実行されずに、特定表示が表示されたままになってしまうおそれがある。
そのような異常時(所定事象の発生時)には、特徴部010AKに係るパチンコ遊技機1では、図10−16に示すように、小当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンドともいう)を受信したことに基づいて、小当り経由大当りの大当り遊技状態中であるタイミングTDにおいて特定表示を消去するようになっている。
即ち、小当り開始指定コマンドを受信時に当該小当りが保留連報知の対象であるのにも関わらず、消去演出が実行されずに特定表示が表示されたままである場合には、タイミングTDにおいて特定表示を消去する。このようにすることで、正常に消去演出が実行されなかった場合でも、特定表示を好適に消去することができる。そして、保留連報知の対象の小当り(小当り経由大当り)となったにも関わらず、特定表示が消去されずに未だ当りとなる権利が残っていると遊技者に誤解させてしまうことを防止できる。
なお、小当り経由でない図柄大当りとなった場合には、大当り開始指定コマンドを受信したことに基づいてタイミングTDにおいて特定表示を消去すればよい。
図10−16に示すように、所定事象発生時の特定表示の消去タイミングTD(特定タイミング)は、正常時の特定表示の消去タイミングTA〜TC(所定タイミング)よりも後のタイミングとなっている。このようにすることで、消去演出が実行され得る所定タイミングがまだ残っているにも関わらず、特定タイミングとなって特定表示が消去されてしまい、違和感を与えてしまうことを防止できる。
図10−17は、消去演出処理の動作を示すフローチャートである。消去演出処理は、可変表示中に図9のステップS172の可変表示中演出処理内で実行される。消去演出処理は、変動開始時に図9のステップS171の可変表示開始設定処理内等で決定された特定表示の消去タイミングにおいて、特定表示の表示態様に応じた消去演出を実行するための処理である。
図10−17に示す消去演出処理では、演出制御用CPU120は、先ず、消去タイミングの決定結果及び変動開始からの経過時間に基づいて、消去演出の実行タイミングであるか否かを判定する(ステップ010AKS031)。ステップ010AKS031では、今回の変動が保留連報知の報知対象であって、消去タイミングが決定されている場合、当該消去タイミング(タイミングTA、TB、またはTC)となったか否かを判定する。消去演出の実行タイミングでない場合(ステップ010AKS031;No)、消去演出処理を終了する。
消去演出の実行タイミングである場合(ステップ010AKS031;Yes)、特定表示態様記憶領域を参照することで、特定表示は第1態様で表示されているか否かを判定する(ステップ010AKS032)。
特定表示が第1態様で表示されている場合(ステップ010AKS032;Yes)、画像表示装置5において、特定表示を消去する消去演出として第1消去演出を実行するための設定を行う(ステップ010AKS033)。ステップ010AKS033では、第1消去演出に対応した演出制御データに基づいて、第1消去演出を実行するための制御を行う。これにより、特定表示が消去されることになる。
その後、保留連報知中フラグをオフ状態にリセットする(ステップ010AKS034)。
特定表示が第1態様で表示されていない場合(ステップ010AKS032;No)、即ち、特定表示が第2態様で表示されている場合、画像表示装置5において、特定表示を消去する消去演出として第2消去演出を実行するための設定を行う(ステップ010AKS035)。ステップ010AKS035では、第2消去演出に対応した演出制御データに基づいて、第2消去演出を実行するための制御を行う。
このように、この実施例では、特定表示が第1態様で表示されているときには第1消去演出が実行され、特定表示が第2態様で表示されているときには第1消去演出とは演出態様の異なる第2消去演出が実行されるようになっている。例えば、第2消去演出は、第1消去演出よりも遊技者にとって有利な状況で実行されるため、第1消去演出よりも派手な態様、激しい態様、演出量(音量、光量等)の多い態様で実行されるようにしてもよい。このようにすることで、遊技者にとっての有利度合いに合った消去演出を実行でき、消去演出の演出効果を高めることができ、興趣が向上する。
このように、この実施例では特定表示の表示態様に応じて消去演出の演出態様を異ならせているが、特定表示の表示態様によらず同じ消去演出を実行するようにしてもよいし、同じ消去演出が実行される場合があるようにしてもよい。また、消去演出の実行タイミング等の他の条件に応じて消去演出の演出態様を異ならせてもよい。
この実施例では、第2消去演出が実行された場合、第2態様の特定表示が消去されるが、特定表示が第1態様で再度表示されるようになっている。そのため、ステップ010AKS035の処理を実行した後、画像表示装置5の表示エリアに特定表示を第1態様で表示するための表示設定を行う(ステップ010AKS036)。
ステップ010AKS034またはステップ010AKS036の処理を実行した後には、今回の可変表示において消去演出を実行済みであることを示す消去演出済みフラグをオン状態にセットして(ステップ010AKS037)、消去演出処理を終了する。
保留連報知の対象変動の開始時に正常に消去タイミングが決定された場合には、図10−17に示す消去演出処理が実行されることで、特定表示を消去する消去演出が実行されることになる。
これに対して、変動パターン指定コマンドを取りこぼした場合、受信したがノイズ等で正常なコマンドを受信できなかった場合、消去タイミングを決定する処理や消去演出処理の処理エラー、変動パターンに対して誤って消去演出が実行できない消去タイミングに決定された場合(例えば変動パターンAに対してタイミングTB、TCに決定された場合)といった所定事象が発生して、消去タイミングが決定されなかった場合や、正常に消去演出が実行されずに特定表示が消去されなかった場合は、図9のステップS173の特図当り待ち処理内にて、図10−18に示す第2消去演出設定処理が実行されることで、特定表示が消去されることになる。
図10−18に示す第2消去演出設定処理では、演出制御用CPU120は、先ず、RAM122の受信コマンドバッファを確認すること等により、主基板11から当り開始指定コマンド(小当り開始指定コマンド、大当り開始指定コマンド)を受信したか否かを判定する(ステップ010AKS041)。当り開始指定コマンドを受信していなければ(ステップ010AKS041;No)、第2消去演出設定処理を終了する。
当り開始指定コマンドを受信していれば(ステップ010AKS041;Yes)、演出制御用の保留情報記憶領域の保留番号0を確認すること等により、今回実行された変動(今回の当り)が保留連報知の報知対象であるか否かを判定する(ステップ010AKS042)。保留連報知の報知対象でない場合(ステップ010AKS042;No)、第2消去演出設定処理を終了する。
保留連報知の報知対象である場合(ステップ010AKS042;Yes)、今回実行された変動において消去演出が実行済みであることを示す消去演出済みフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップ010AKS043)。消去演出済みフラグがオン状態であれば(ステップ010AKS043;Yes)、今回の保留連報知の報知対象の変動において正常に消去演出が実行された場合であるので、消去演出済みフラグをオフ状態にリセットして(ステップ010AKS044)、第2消去演出設定処理を終了する。
消去演出済みフラグがオフ状態であれば(ステップ010AKS043;No)、今回の保留連報知の報知対象の変動において正常に消去演出が実行されていない場合であるので、大当り遊技状態(小当り経由大当り)中のタイミングであるタイミングTDにおいて消去演出を実行するための設定を行う(ステップ010AKS045)。このように、保留連報知の報知対象の変動において正常に消去演出が実行されなかった場合に、当り開始指定コマンドを受信したことに基づいて特定表示を消去する制御を特定制御ともいう。
その後、特定表示態様記憶領域を参照することで、特定表示は第1態様で表示されているか否かを判定する(ステップ010AKS046)。特定表示が第1態様で表示されている場合(ステップ010AKS046;Yes)、保留連報知中フラグをオフ状態にリセットし(ステップ010AKS047)、第2消去演出設定処理を終了する。
特定表示が第1態様で表示されていない場合(ステップ010AKS046;No)、即ち、特定表示が第2態様で表示されている場合、画像表示装置5の表示エリアに特定表示を第1態様で表示するための表示設定を行い(ステップ010AKS048)、第2消去演出設定処理を終了する。このように、特定表示が第2態様で表示されている場合であって、消去演出が正常に実行されなかった場合には、正常の消去演出が実行された場合と同様に、第2態様の特定表示を第1態様に変化させる制御が行われる。このようにすることで、遊技者にとって有利な第2態様の特定表示が表示され続けて遊技者に違和感や不信感を与えてしまうことを防止できる。
続いて、特徴部010AKの演出動作例について説明する。図10−19は、大当り遊技状態において保留連報知が実行され、保留連報知対象変動において消去演出が実行される場合の演出動作例を示している。図10−19(A)は、大当りとなったときの画像表示装置5を示している。画像表示装置5には、ピースをしたキャラクタ画像と「大当り」という文字が表示され、右上部分に「777」の数字(小図柄)が表示されて、大当り(図柄大当りまたは小当り経由大当り)となったことが示されている。
その後、大当り遊技状態の1ラウンド目が開始される。大当り遊技状態では、例えば図10−19(B)に示すように、画像表示装置5の左上部分に現在のラウンド表示が表示される。
この実施例では、大当り遊技状態における4ラウンド目が保留連報知の実行タイミングとなっている。保留連報知を実行すると決定された場合、大当り遊技状態におけるラウンドが消化されて、4ラウンド目になると、図10−19(C)に示すように、保留内に当りがあること(保留内連荘すること)を報知する保留連報知として、画像表示装置5の中央に「V」を示す第1態様の特定表示010AK001(第1特定表示010AK001)が表示される。第1特定表示010AK001は、図10−19(D)に示すように、画像表示装置5に右下部分に設けられた表示エリア010AK002に移動し、縮小されて表示される。
第1特定表示010AK001は、保留連報知の実行後少なくとも報知対象の当りとなる可変表示が実行されるまでは、表示エリア010AK002において継続的に表示される。これにより、保留内に当りがあること(保留内連荘となること)を継続的に報知でき、報知対象の可変表示が分かりやすくなる。
なお、特定表示は、保留連報知の実行後少なくとも報知対象の当りとなる可変表示が実行されるまで、常に表示されていなくてもよく、例えば所定の演出(予告演出やリーチ演出)が実行される場合等には一時的に視認不可能になるようにしてもよい。
その後、大当り遊技状態が終了するときには、例えば図10−19(E)に示すように、画像表示装置5に、「大当り終了」という文字とともに、大当り遊技状態における総賞球数の表示が表示されるエンディング演出が実行されて、大当り遊技状態が終了する。
大当り遊技状態が終了すると、図10−19(F)に示すように、画像表示装置5において、保留情報に基づく飾り図柄の可変表示が開始される。図10−19(F)では、下向き矢印での各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄が可変表示していることを示している。
保留連報知の対象変動である場合、例えば、図10−19(G)に示すように、左右の飾り図柄表示エリアに「7」の飾り図柄が停止してリーチ状態となる。
例えば、この変動中のタイミングTB(ノーマルリーチ開始時のタイミング)において消去演出を実行することが決定されている場合、図10−19(H)に示すように、第1特定表示010AK001が表示エリア010AK002から飛び出して、画像表示装置5の中央に拡大して表示される。
そして、図10−19(I)に示すように、画像表示装置5の全体がブラックアウトして視認不可能な状態になり、第1特定表示010AK001が消去される第1消去演出が実行される。
その後、図10−19(I)に示すように、中の飾り図柄表示エリアに「7」の飾り図柄が停止して表示結果が当り図柄となる。このように、保留連報知の対象となる可変表示では、特定表示が消去される消去演出が実行される。これにより、特定表示を消化して当り(大当り)となったような演出を実行することができる。
図10−20は、大当り遊技状態において保留連報知が実行され、保留連報知対象変動において消去演出が実行されなかった場合の演出動作例を示している。図10−20(A)〜(G)の演出動作については、図10−19(A)〜(G)の演出動作と同様である。保留連報知対象変動の開始時に所定事象(コマンド取りこぼしや演出制御基板12におけるエラー等)が発生したことにより、消去演出の実行タイミングを正常に決定できなかった場合、図10−20(H)に示すように、消去演出が実行されずに、表示エリア010AK002に第1特定表示010AK001が表示されたまま表示結果が当り図柄となる。
その後、小当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)を受信したことにより、図10−20(I)に示すように、画像表示装置5には、ピースをしたキャラクタ画像と「大当り」という文字が表示され、右上部分に「777」の数字(小図柄)が表示されて、大当り(小当り経由大当り)となったことが報知される。
続いて、小当り遊技状態においてV入賞が発生したことに基づき、大当り遊技状態の1ラウンド目が開始されるが、図10−20(J)に示すように、表示エリア010AK002から第1特定表示010AK001が消去されている。これがタイミングTDにおける消去演出となる。
この実施例では、画像表示装置5に複数の表示レイヤが設けられており、各表示レイヤに異なる画像を表示させることができるようになっている。そして、各表示レイヤには表示優先順位が設定されており、表示優先順位の高い表示レイヤの画像が遊技者から見て手前側に表示される。図10−20(I)に示すように大当りとなったことを報知する演出(ファンファーレ演出)は、表示エリア010AK002よりも表示レイヤが上位に設定されることにより、表示エリア010AK002(特定表示)よりも優先的に表示されるようになっている。このように、表示エリア010AK002(特定表示)が非表示となった、ファンファーレ演出中のタイミングTDにおいて特定表示を消去することで、突然特定表示が消去されるといった違和感を遊技者に与えてしまうことを防止できる。
なお、消去演出が正常に実行されなかった場合に特定表示を消去する特定タイミングは大当り遊技状態のタイミングTDに限定されない。例えば、特定タイミングは、変動中のタイミングであってもよいし、図柄揃い時のタイミングであってもよい。この場合、特定タイミングは、違和感なく特定表示を消去できるタイミングであることが好ましい。例えば、特定タイミングを変動中とする場合には、消去演出を実行する所定タイミングのうち最も遅い所定タイミングよりも後のタイミングであることが好ましい。このようにすることで、演出の不整合を防止でき、未だ消去演出が実行され得る段階で消去演出によらず特定表示が消去されて、遊技者に違和感や不信感を与えてしまうことを防止できる。
また、特定タイミングは、他の演出の実行タイミングと同じタイミングとして、他の演出実行中に特定表示を消去するようにしてもよい。このようにすることで、特定表示を違和感なく消去させることができる。例えば、特定タイミングを、役物を動作させる演出の実行タイミングとしてもよい。そして、例えば、役物を動作させる演出に伴って画像表示装置5に役物動作エフェクトを表示する場合には、当該役物動作エフェクトの表示レイヤを特定表示よりも上位に設定し、役物動作エフェクトの表示中に特定表示を消去するようにしてもよい。このようにすることで、役物を動作させる演出中に、違和感なく特定表示を消去することができる。なお、特定タイミングを大当り遊技状態とした場合、当り指定コマンドを受信したことに基づいて特定表示を消去するようになっていたが、変動中や図柄確定時に特定タイミングを設ける場合は、変動開始からの経過時間や、図柄確定指定コマンドの受信に基づいて特定表示を消去するようにすればよい。
図10−21は、第2消去演出が実行される場合の演出動作例を示している。図10−21(A)は、画像表示装置5の表示エリア010AK002に「W」を示す第2態様の特定表示010AK003(第2特定表示010AK003)が表示されており、左右の飾り図柄表示エリアに「7」の飾り図柄が停止してリーチ状態となっていることを示している。
例えば、この変動中のタイミングTBにおいて消去演出を実行することが決定されている場合、図10−21(B)に示すように、第2特定表示010AK003が表示エリア010AK002から飛び出して、画像表示装置5の中央に拡大して表示される。
そして、図10−21(C)に示すように、画像表示装置5が切り裂かれるようなエフェクトが表示されて、第2特定表示010AK003が消去される第2消去演出が実行される。このように、第2消去演出の演出態様は、図10−19(I)に示した第1消去演出の演出態様と異なっている。
第2消去演出は、第1消去演出よりも遊技者にとって有利な状況で実行されるため、第1消去演出よりも派手な態様、激しい態様、演出量(音量、光量等)の多い態様で実行されるようにしてもよい。例えば、第1消去演出では音声が出力されず、第2消去演出では音声が出力されるようにしてもよい。また、第2消去演出では演出用役物が動作するのに対して、第1消去演出では演出用役物が動作しないようにしてもよいし、第1消去演出では演出用役物の動作量が第1消去演出よりも少ないようにしてもよい。このようにすることで、特定表示の表示態様によって異なる消去演出を実行することができる。そして、遊技者の有利度合いに合った消去演出を実行でき、消去演出の演出効果を高めることができ、興趣が向上する。
その後、図10−21(D)に示すように、中の飾り図柄表示エリアに「7」の飾り図柄が停止して表示結果が大当りとなる。第2消去演出が実行されると、第2特定表示010AK003は消去されるが、表示エリア010AK002には第1特定表示010AK001が表示される。これにより、第2特定表示010AK003は消去されることで大当りとなったような演出を実行できるとともに、第1特定表示010AK001を再表示することで、さらに保留内に当りがあることを継続して報知できる。
なお、第2消去演出が実行された後、第1特定表示010AK001を再表示せずに、その後の有利状態において、再度保留連報知を実行し、当該保留連報知にお実行に応じて第1特定表示010AK001が表示されるようにしてもよい。このようにすることで、第2特定表示010AK003が表示されているときに当りとなった場合には、再度保留連報知が実行されることにあるので、保留連報知がループすること期待できるようになる。
図10−21に示すように、保留連報知の対象となる可変表示において特定表示を消去する消去演出を実行することで、保留連報知の実行対象の可変表示が分かりやすくなる。また、特定表示が消去されるときに、消去演出が実行されるので、特定表示が消去されたことが明確になり、特定表示を消去することの違和感を軽減できる。また、特定表示に対応した可変表示が明確になり、遊技者に分かりやすい遊技機を提供することができる。
図10−22は、第2特定表示010AK003が表示されているときに、保留連報知対象変動において消去演出(第2消去演出)が実行されなかった場合の演出動作例を示している。図10−22(A)は、画像表示装置5の表示エリア010AK002に「W」を示す第2態様の特定表示010AK003(第2特定表示010AK003)が表示されており、左右の飾り図柄表示エリアに「7」の飾り図柄が停止してリーチ状態となっていることを示している。
保留連報知対象変動の開始時に所定事象(コマンド取りこぼしや演出制御基板12におけるエラー等)が発生したことにより、消去演出の実行タイミングを正常に決定できなかった場合、図10−22(B)に示すように、消去演出が実行されずに、表示エリア010AK002に第2特定表示010AK003が表示されたまま表示結果が当り図柄となる。
その後、小当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)を受信したことにより、図10−22(C)に示すように、画像表示装置5には、ピースをしたキャラクタ画像と「大当り」という文字が表示され、右上部分に「777」の数字(小図柄)が表示されて、大当り(小当り経由大当り)となったことが報知される。
続いて、大当り遊技状態の1ラウンド目が開始されるが、図10−22(D)に示すように、表示エリア010AK002の第2特定表示010AK003が第1特定表示010AK001に変更されている。これがタイミングTDにおける第2消去演出となる。
このように、第2特定表示010AK003が表示されているときに、保留連報知対象変動において消去演出(第2消去演出)が実行されなかった場合には、タイミングTDにおいて第2特定表示010AK003が第1特定表示010AK001に変更する制御が実行される。これにより、大当り遊技状態(小当り遊技状態)に制御されたにも関わらず、遊技者にとって有利な態様である第2態様の特定表示が表示されて続けて遊技者を過度に期待させたり、その後期待した程有利にならずに遊技者に不信感を与えてしまうことを防止できる。
(特徴部010AKの変形例)
本特徴部は、この実施例に限定されず、種々の変形や応用が可能であり、更に特徴を追加してもよい。また、上記実施例で説明した構成は、その全てが必須構成ではなく、その一部が欠けていてもよい。
上記実施例では、特定表示は1つだけ表示されるようになっていたが、特定表示が複数同時に表示されるようにしてもよい。例えば、特定表示の表示態様により当り種別の有利度合いを示す場合においては、特定表示の数により保留内当りの数を示すようにしてもよい。
上記実施例の保留連報知、特定表示、消去演出、特定タイミングにおいて特定表示を消去する際の演出態様や表示態様は一例であり、各演出の演出態様や表示態様は任意でよい。例えば、上記実施例では特定表示や消去演出の演出態様が複数種類あったが、一種類であってもよい。
上記実施例に示したフローチャートの処理内容や決定割合、各種演出の決定方法は、一例であって、上記実施例と同様の効果を奏することができ、上記実施例で示した演出を好適に実行できれば任意でよい。
(特徴部010AKに係る手段の説明)
(1)特徴部010AKに係る遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態、小当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば特徴部010AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
可変表示に関する情報を保留情報として記憶可能な保留記憶手段(例えば演出制御用保留情報記憶領域)と、
前記有利状態に制御されるときに、前記保留記憶手段に前記有利状態に制御されることに対応した保留情報が記憶されていることを報知する報知演出(例えば保留連報知)を実行可能な報知演出実行手段(例えばステップ010AKS004、ステップ010AKS007の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
前記報知演出が実行されたことにより、特定表示を表示可能な特定表示手段(例えばステップ010AKS007の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
特定表示に対応した可変表示の所定タイミング(例えばタイミングTA、TB、またはTC)において、当該特定表示を消去する特定表示消去演出(例えば消去演出)を実行可能な消去演出実行手段(例えばステップ010AKS024、ステップ010AKS025の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、
特定表示が表示されているときに、所定事象(例えば変動パターンコマンドの取りこぼしや演出制御基板12におけるエラー)が発生したことにより前記所定タイミングで当該特定表示が消去されなかった場合、前記所定タイミングよりも後の特定タイミング(例えばタイミングTD)で当該特定表示を消去する特別制御を実行可能である(例えばステップ010AKS045の処理を実行可能である)。
このような構成によれば、特定表示が表示され続けて、遊技者に不信感を与えてしまうこと防止でき、好適に報知演出を実行できる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば主基板11、遊技制御用マイクロコンピュータ100、CPU103)と、
前記遊技制御手段からの情報に基づいて演出を制御する演出制御手段(例えば演出制御基板12、演出制御用CPU120)と、を備え、
前記演出制御手段は、前記遊技制御手段から可変表示開始時に情報(例えば変動パターン指定コマンド)を正常に受信できなかったことにより、前記所定タイミングで当該特定表示が消去されなかった場合、前記遊技制御手段から前記有利状態開始時に受信する情報(例えば当り開始指定コマンド)に基づいて前記特別制御を実行可能であるようにしてもよい。
このような構成によれば、特定表示が表示され続けて、遊技者に不信感を与えてしまうこと防止でき、好適に報知演出を実行できる。
(3)上記(2)の遊技機において、
前記有利状態開始時に受信する情報に基づいて実行される有利状態開始時演出の方が特定表示よりも表示優先順位が高く設定されており、
前記有利状態開始時演出期間中に、特定表示を消去する(例えば図10−20(H)〜(J))ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定表示が表示され続けて、遊技者に不信感を与えてしまうこと防止でき、好適に報知演出を実行できる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記所定タイミングは複数あり、
前記特定タイミングは、複数の所定タイミングのうち、最後のタイミングよりも後のタイミングである(例えば図10−16)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定表示消去演出の実行タイミングがまだ残っている状況で特定表示が消去されてしまい、遊技者に違和感を与えてしまうことを防止できる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記特定表示手段は、特定表示を、少なくとも第1態様と、当該第1態様よりも遊技者にとっての有利度の高い第2態様とを含む複数種類の表示態様のうちいずれかにより表示可能であり、
前記第2態様で特定表示が表示されているときに、所定事象が発生したことにより前記所定タイミングで当該特定表示が消去されなかった場合、前記特定タイミングで当該特定表示の表示態様を前記第1態様から前記第2態様に変更する制御を実行可能である(例えば図10−22)ようにしてもよい。
このような構成によれば、第2態様の特定表示が表示され続けて、遊技者に不信感を与えてしまうこと防止でき、好適に報知演出を実行できる。
1 … パチンコ遊技機
11 … 主基板
12 … 演出制御基板

Claims (1)

  1. 遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
    前記有利状態に制御されているときに特定演出を実行可能な特定演出実行手段を備え、
    前記特定演出実行手段が実行可能な前記特定演出の演出パターンとして、
    制御中の前記有利状態の有利度が所定有利度となることに対応する第1パターンと、
    制御中の前記有利状態よりも後に、次の前記有利状態に制御されることに対応する第2パターンと、
    遊技者にとっての有利度が前記所定有利度とならないことに対応する第3パターンと、があり、
    前記第1パターンと前記第2パターンと前記第3パターンとで、前記特定演出の演出態様の少なくとも一部が共通しており、
    前記第1パターンの前記特定演出を実行可能な第1実行可能期間と、前記第2パターンの前記特定演出を実行可能な第2実行可能期間との少なくとも一部が異なり、
    前記特定演出実行手段は、
    前記第1実行可能期間と共通の期間で前記第3パターンの前記特定演出を実行可能である一方で、
    前記第2実行可能期間において前記第3パターンの前記特定演出を実行しない
    ことを特徴とする遊技機。
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