JP2021017771A - 管内調査用浮流装置、管内調査方法及び管内調査システム - Google Patents

管内調査用浮流装置、管内調査方法及び管内調査システム Download PDF

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Abstract

【課題】簡便ながらも精度よく且つ効率的に下水道管の内部の調査を行うことができる管内調査用浮流装置を提供する。【解決手段】管内調査用浮流装置1は、管内を照明するライト120と、管内の少なくとも内壁を撮影して画像データを出力するカメラ130と、画像データに管内調査用浮流装置1の位置データを対応させるための時間データを出力するタイマー164と、管内調査用浮流装置1の加速度を計測して加速度データを出力する加速度計140と、時間データ、加速度データ及び画像データを記憶する記憶装置166と、これらのデバイスを収容するケーシング110と、姿勢制御手段200とを備える。ケーシング110は、カメラ130が撮影する画角の少なくとも一部に対応して設けられた撮影窓113を備え、姿勢制御手段200は、カメラ130及び撮影窓113を下水の水面より上方に保つように管内調査用浮流装置1の本体100の姿勢を制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、下水道管の内部の性状を調査するための管内調査用浮流装置、管内調査方法及び管内調査システムに関する。
我が国の下水道は全国で普及しており、その普及率は2017年時点で80%近くに達し、下水道管路の総延長は約47万KMと大変長いものとなっている。しかしながら、我が国の下水道管路はその多くが老朽化してきており、かかる老朽化に起因する道路の陥没、管渠の閉塞等の問題が各地で顕在化している。例えば道路の陥没については1975年以前に施工された下水道管路で発生確率が高いことが分かっており、下水道管路の老朽化対策は喫緊の課題となっている。
このような道路陥没、管渠閉塞等を予防し下水道管路を保全するため、フィールドにおいて下水道管の内部の性状を調査する必要性が以前にも増して高まっている(以下、下水道管の内部の性状の調査を「下水道管内部の調査」又は単に「調査」ということがある)。
現在、下水道管内部の調査は幾つかの方法により行われている。比較的大口径の下水道管、例えば口径(内径)800MM以上の下水道管の場合には、人間(調査員)が管内に潜行して調査を行う(潜行目視調査)。一方、比較的小口径の下水道管、例えば口径800MM未満の下水道管の場合には、管口カメラ、自走式テレビカメラ等を管内に挿入することによって調査を行う(それぞれ「管口カメラ調査」・「自走式テレビカメラ調査」と呼ぶものとする)。
潜行目視調査は、マンホールから調査員が管内に潜行し、目視によりその性状を調査するものである。調査員は、テストハンマー・スケール等を用いて管内を点検・測定し、異常が発見された個所の写真撮影を行い、撮影により得られた画像データを保存する。潜行目視調査は、調査員が現場で直接的に管内を調査するものであるため、精度が比較的高い調査となる。
管口カメラ調査は、伸縮可能な操作棒の先にライト及びカメラを取り付けた機材(管口カメラ)を用いて実施するものである(図示を省略)。具体的には、管口カメラを地上からマンホール内に挿入し、管口カメラに接続されている手元のモニタを調査員が見ながら管内の様子を撮影し、異常と判断される箇所の画像を記録する。
管口カメラは、自走式テレビカメラの一式(後述)と比べ、構造が簡易であるため携行性が高く操作も容易である。また、管口カメラ調査はカメラを移動しないで行うものであるため、自走式テレビカメラ調査(後述)と比べて、日進量(ここでは1日当たり調査可能な下水道管路の長さを指す)を伸ばすことができ、これに伴い調査費用も相対的に安価となる。
自走式テレビカメラ調査は、調査対象となっている下水道管が一定程度以上の口径(例えば150MM以上)を有している場合や有毒ガスが管内に漂っている場合などにおいて、人間が管内に潜行するのに代わり、カメラが搭載された管内推進体(例えば、特許文献1に記載された自走車を参照)を管内に推進させて必要な画像データを収集するというものである。
図11は、特許文献2に記載された自走式テレビカメラ調査を説明するための模式図を示す。特許文献2には、上水道管の内部を調査する例ではあるが、管内推進体を用いた自走式テレビカメラ調査の例が記載されている。
管内推進体としての自走式テレビカメラ900は、テレビカメラ913を搭載している。自走式テレビカメラ900は、リモコンケーブル920を介して地上コントローラ950、マニュアル操作部953及び地上モニタ954に接続されている。
自走式テレビカメラ調査は、隣り合うマンホールの間(図中のマンホール800A及びマンホール800Bの間)の1スパンの下水道管路の調査を一工程とし、自走式テレビカメラ900を上流のマンホール800Aから下水道管981の管内982に挿入し、自走式テレビカメラ900を管内982の下流側に向かって推進させながら必要な画像データを収集することによって実施する。
地上に居るオペレータは、テレビカメラ913の操縦を行いつつ、テレビカメラ913で撮影されている映像を地上モニタ954で確認する。自走式テレビカメラ900の走行中、テレビカメラ913は主に前方の状況を映すが、不具合があるものと思われる箇所では、自走式テレビカメラ900を一旦停止させ、テレビカメラ913のレンズ(図示を省略)を回転させて内壁988の状況を確認し劣化状況を判定し必要な撮影を行う。
なお、実際の下水道管内部の調査では、管内推進体としては、特許文献2に記載されているようなインペラ(図示を省略)で管内の流体を推して推進するタイプのものではなく、特許文献1に記載されているようなタイヤ(図示を省略)で内壁を押して推進するタイプのものが用いられる。
また、実務上は、管口カメラ調査で「異常の有無」の把握をしつつ大雑把なスクリーニングを行い、管内に異常が有るものと推察される場合には自走式テレビカメラ調査で詳細な調査を行う、というように調査方法の使い分けをするのが一般的である。
特開昭61−261161号公報 特開平10−221257号公報
しかしながら、潜行目視調査は、上記したように人間の目視に頼る調査であるため見落としのリスクを完全に排除することができない。また、調査の精度等が調査員の技量・経験に依存するとの指摘もある。さらには、中小口径の下水道管にはこの調査を適用することができない、調査員の安全性確保が必要不可欠である、調査時間が長いため調査員への負担が大きく且つ調査効率を上げづらい等の課題も指摘されている。
管口カメラ調査は、管口カメラをマンホールに固定しズーム機能を適宜活用して撮影を行うものである。このため、管口カメラが固定された管口から遠い箇所の内壁については、浅い角度でしか様子を撮影することができない。したがって、管口から遠い箇所の内壁の劣化状況を正しく把握することが難しい。一般に、管口から遠い箇所の方が破損等の異常が発生し易いと言われており、この点からすると、管口カメラから遠い箇所の異常をスクリーニングの段階で見落とすリスクがあり、全体として調査の精度を落とす可能性がある。また、管口カメラ調査は、フィールドでの異常診断の他、後刻、室内で録画画像を確認することによっても異常診断を行うため調査時間が長く調査効率を上げづらいとの課題も指摘されている。
自走式テレビカメラ調査は、上記したように自走式テレビカメラの管内への挿入、管内のモニタ、レンズの操縦、必要な撮影、及び、自走式テレビカメラの回収の一連のルーチンを1スパンずつ繰り返し行うもので、調査時間が長く調査効率を上げづらい。これに伴い調査費用も割高になる。また、オペレータの技量に依り調査の精度にバラツキが生じやすいという課題も指摘されている。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、従来に比べ、簡便ながらも精度よく且つ効率的に下水道管の内部の調査を行うことができる管内調査用浮流装置、管内調査方法及び管内調査システムを提供することを目的とする。
[1]本発明の管内調査用浮流装置は、
下水道管の内部の性状を調査するために管内の下水を浮流可能な管内調査用浮流装置であって、
管内を照明するライトと、
管内の少なくとも内壁を撮影し、撮影によって得られた画像データを出力するカメラと、
それぞれの画像データに管内調査用浮流装置の位置データを対応させるための時間データを出力するタイマーと、
管内調査用浮流装置の加速度を計測して加速度データを出力する加速度計と、
時間データ、加速度データ及び画像データを記憶する記憶装置と、
少なくともカメラ、タイマー、加速度計及び記憶装置を収容し、当該管内調査用浮流装置の本体の外形を画定するケーシングと、
姿勢制御手段と、を備える。
ケーシングは、カメラが撮影する画角の少なくとも一部に対応して設けられ外部からの光が通過する撮影窓を備え、
姿勢制御手段は、カメラ及び撮影窓を下水の水面より上方に保つように本体の姿勢を制御する。
[2]本発明の別の態様に係る管内調査用浮流装置において、カメラは全天球カメラであることが好ましい。
[3]本発明の別の態様に係る管内調査用浮流装置において、
姿勢制御手段は、少なくとも、
一端側が本体の側面に接続されたロープと、
ロープの他端側に接続され、本体を先導して下水を流れるシーアンカーと、
を備えることが好ましい。
[4]本発明の別の態様に係る管内調査用浮流装置において、
シーアンカーは、本体に比べて下水に浮きやすく構成されていることが好ましい。
[5]本発明の別の態様に係る管内調査用浮流装置において、
本体は球状をなしており、ライト及びカメラを上半球の内部に備え、
撮影窓は、上半球の外殻の少なくとも一部をなしていることが好ましい。
[6]本発明の別の態様に係る管内調査用浮流装置において、
当該管内調査用浮流装置から外部に対して電波を発信する電波発信手段を更に備えていることが好ましい。
[7]本発明の管内調査システムは、
少なくとも3箇所以上のマンホールを連続的に辿る下水道管路における下水道管の内部の性状を調査する管内調査システムであって、
上記[6]に記載の管内調査用浮流装置と、
マンホールの竪穴に配置されるホール内アンテナと、
ホール内アンテナに接続され、ホール内アンテナが捉えた電波を受信する受信装置と、
を備え、
管内調査用浮流装置は、少なくともマンホール付近を通過する際には、電波発信手段によって標識電波を外部に発信し、
受信装置は、標識電波を受信したとき該標識電波の受信に基づいて管内調査用浮流装置の通過情報を出力するシステムである。
[8]本発明の管内調査方法は、
下水道管の内部の性状を、上記した管内調査用浮流装置を使用して調査する管内調査方法であって、
マンホールから下水道管の内部に管内調査用浮流装置を投入する管内調査用浮流装置投入ステップと、
下水道管の内部において、管内調査用浮流装置を浮流させつつ、ライトによって管内を照明し、カメラよって少なくとも管内の内壁を撮影して画像データを収集し、タイマーが出力した時間データ、及び、加速度計が出力した加速度データと共にカメラが出力した画像データを記憶装置に記憶させる管内画像収集ステップと、
記憶装置に記憶されている画像データ、時間データ及び加速度データを読み出し、各画像データを解析して管内の不具合の存否及び程度を解析し、当該画像データに基づく画面中に不具合が存在しているものと判断される場合には、時間データ及び加速度データに基づいて算出された位置データに基づき、不具合が存在している位置を特定する管内不具合解析ステップと、
を含む管内調査方法である。
[9]本発明の別の態様に係る管内調査方法において、
管内調査用浮流装置は外部に対して電波を発信する電波発信手段を更に備えており、且つ、上流のマンホール及び下流のマンホールの間に位置する中間の各マンホールには、その竪穴にホール内アンテナが配置され、且つ、ホール内アンテナが捉えた電波を受信する受信装置が配置され、
管内画像収集ステップでは、管内調査用浮流装置に画像データの収集を実行させると共に、電波発信手段によって標識電波を当該管内調査用浮流装置から外部に対して発信させ、
受信装置によって、管内調査用浮流装置から発信された標識電波を捉えさせ、管内調査用浮流装置が当該マンホール付近を通過したことを示す通過情報を出力させて、管内調査用浮流装置の存在する区間を把握する存在区間把握ステップを実行することが好ましい。
なお、ここでの「下水道管の内部の性状の調査」とは、具体的には、下水道管の腐食・破損・クラック・継ぎ手ずれ等の管の劣化の度合い、取付管の突出の有無や度合い、流下能力に影響を与える管の上下方向のたるみの度合い、土砂等の堆積状態、モルタル・油脂等の内壁への付着の有無、樹木根・地下水等の管内への侵入の有無などを定性的/定量的に把握するものである。
参考までに、我が国の下水道管路はその殆どが、上記したような不具合を生じやすい「自然流下式」のものである。
本発明によれば、従来の下水道管内部を調査する技術に比べ、簡便ながらも精度よく且つ効率的に下水道管の内部の調査を行うことができる。
第1実施形態に係る管内調査用浮流装置1の構成及びその使用例を表した模式図を示す。 第1実施形態の本体100の斜視図を示す。 第1実施形態に係る管内調査用浮流装置1の概念図を示す。 第1実施形態において時間データ及び加速度データに基づいて位置データを算出する一例の模式図を示す。 第1実施形態に係る管内調査用浮流装置1のブロック図の一例を示す。 第1実施形態のカメラ130/130Aが撮影する画角VAを表した模式図を示す。 第2実施形態に係る管内調査用浮流装置2の構成及びその使用例を表した模式図を示す。 第3実施形態に係る管内調査システム10の構成図を示す。 第4実施形態に係る管内調査方法のフローチャートを示す。 その他の実施形態に係る本体100B,100Cの断面図を示す。 特許文献2に記載された自走式テレビカメラ調査を説明するための模式図を示す。
以下、本発明の管内調査用浮流装置、管内調査システム及び管内調査方法の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する各実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、各実施形態の中で説明されている諸要素およびその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る管内調査用浮流装置は、例えば、半透明の球体としてケーシングされた浮流装置の本体(以下、単に「本体」という)の中にライト・カメラ・管内調査用浮流装置の位置データを得るためのデバイス(例えば加速度計とタイマー)・記憶装置が搭載されたものである。これを下水道管の内部に投下すると下水と共に浮流するため、管内調査用浮流装置は浮流しながら、内蔵されたカメラによって順次管内の内壁等を撮影するというものである。以下にその詳細を説明する。
1.第1実施形態に係る管内調査用浮流装置1の構成
図1は、第1実施形態に係る管内調査用浮流装置1の構成及びその使用例を表した模式図を示す。図2は、第1実施形態の本体100の斜視図を示す。図3は、第1実施形態に係る管内調査用浮流装置1の概念図を示す。
(1)管内調査用浮流装置1の概要
図1に示すように、第1実施形態に係る管内調査用浮流装置1は、下水道管810の内部811(以下、単に「管内811」ということがある)の性状を調査するために管内811の下水890を浮流可能な装置である。管内調査用浮流装置1は下水道管810の内部に投下されると、管内811に流れる下水890と共に下流に向けて浮流するようになっている。管内調査用浮流装置1は、実施形態の例では、大きく分けて本体100と姿勢制御手段200とを備えている。
図2に示すように、管内調査用浮流装置1は、ライト120と、カメラ130と、タイマー162と、加速度計140と、記憶装置163とを備えており、少なくともカメラ130、タイマー162、加速度計140及び記憶装置163がケーシング110の内部に収められてパッケージ化されている。
さらに、管内調査用浮流装置1は姿勢制御手段200を備えている(図1参照)。
この実施形態におけるケーシング110は、上半球を構成する上ケーシング112と下半球を構成する下ケーシング114とを接続してなり、全体として球体をなしている。なお、説明の便宜上、上半球と下半球との境界の部分を「赤道」と呼び、球体の中心から赤道を見たときの仰角を0°としたときの上半球における仰角90°のポイントを「天頂Z」と呼ぶものとする。
以下、各構成要素についての詳細な説明を続ける。
(2)ライト120
ライト120は管内811を照らすものである。この実施形態では、ライト120として、薄型のLED(LIGHT EMITTING DIODE)120Aを用いることができる。LED120Aは、テープタイプのものであり、透明な材料からなる上ケーシング112の内面に貼り付けられている。LED120Aは、下水道管の内部811(内壁818を含む)に光を投射して管内811を照らすことができる。LED120Aは、例えば、上ケーシング112の赤道付近の円周(縁)に沿って上に等間隔で複数個(例えば10個)配設されている(図3参照)。
なお、ライト120は、管内811を照明可能であれば足りるため、図1及び図2に示すようにケーシング110(つまり本体100)に内蔵されていてもよいし、ケーシング110の外に配置されたものであってもよい(図示を省略)。
(3)カメラ130
カメラ130は、管内811の様子(少なくとも内壁818)を撮影し、撮影によって得られた画像データを出力する。カメラ130は撮像素子132、レンズ134等を有している(図3参照)。この実施形態で使用するカメラ130には、できるだけ広い範囲の管内811の様子を撮影することが期待されている。このため、カメラ130は、広角のレンズを備えたものが望ましい。したがって、カメラ130は、好ましくは全天球カメラで130Aである。
この実施形態では、カメラ130として、魚眼レンズ134Aを有する全天球カメラ130Aが用いられている。全天球カメラ130Aの仕様としては、例えば、天頂Zを上方として全天球カメラ130Aを正置したとき、全天球カメラ130Aは、赤道と平行な水平線に沿った1周(360°)をカバーして撮像することができるものである。加えて、全天球カメラ130Aは、好ましくは、仰角が例えば0°〜90°の範囲よりも広い範囲(例えば−30°〜90°すなわち水平線よりも下方向の−30°から天頂の90°まで)をカバーして撮影することができる(後述の図5も併せて参照)。
なお、カメラ130は、広い範囲の管内811の様子を撮影することができればよいため、全天球カメラ130Aに限定されるものではない。例えば、比較的狭角のレンズを有するカメラを複数台導入して、それらのカメラが捉える画像を合成することで広い範囲の撮影を実現してもよい。また、比較的狭角のレンズを有するカメラを用い、当該カメラのレンズの光軸を適宜スキャンして結果的に広い範囲を撮影する等の方式を導入してもよい。
(4)タイマー162、加速度計140及び記憶装置163
管内811には、例えばGPS(GLOBAL POSITIONING SATELLITE)によるGPS電波が届かないため、管内811で撮影したときのカメラ130の位置(撮影位置、撮影座標)、ひいては管内調査用浮流装置1の位置、を直接的に知ることができない。
そこで、図3に示すように、タイマー162及び加速度計140を用いて撮影位置を間接的に算出して、それぞれの画像データに対応する撮影位置のデータ(位置データ)を紐づけする。具体的には、タイマー162によって得られた時間データ及び加速度計140によって得られた加速度データに基づき、当該管内調査用浮流装置1の位置データ(少なくともカメラ130が撮影したときの撮影位置のデータ)を得るものとする。
当該画像を撮影した時刻(又は時間)を把握しておくことにより、加速度データも踏まえながら当該画像データに位置データを紐づけすることができる(詳細は図6を用いて後述する)。
タイマー162は、カメラ130が管内811を撮影することによって得られたそれぞれの画像データに管内調査用浮流装置の位置データを対応させるために用いられるもので、時間データを出力する(図3参照)。
ここでの「時間データ」は、時間に関するデータで、例えば実時刻データであってもよいし、または当該管内調査用浮流装置1を管内に投下された時刻からの経過時間のデータであってもよい。
ここで、「タイマー162」は、時間が把握できればよく、図3に示されているようにコントローラ160(後述)に実装されている電子デバイス(RTC162A)、カメラ130にタイマーが内蔵されている場合には当該内蔵タイマー、加速度計140にタイマーが内蔵されている場合には当該内蔵タイマー等のいずれのものであってもよい。
加速度計140は、当該管内調査用浮流装置1の加速度を計測して加速度データを出力する(図3参照)。ここでの「加速度データ」は加速度に関連するデータである。例えば、ある特定時刻における加速度の値そのものを表すデータであってもよいし、または時間軸に対する加速度の推移を表したデータであってもよい。また、加速度データは、加速度を時間で積分した速度の値を表すデータであってもよい。
記憶装置163は、上記した時間データ、加速度データ及び画像データを記憶する(図3参照)。なお、記憶装置163はこれらのデータ以外のデータ、プログラム等を記憶しても良い。
(5)時間情報及び加速度情報に基づく位置情報の算出の例
図4は、第1実施形態において時間データ及び加速度データに基づいて位置データを算出する一例の模式図を示す。具体的には下水道管路を上空から見たときに模式図である。
図4に示すように、例えばマンホール800Aからマンホール800Bに向かって、管内調査用浮流装置1が移動しているものとする。
管内調査用浮流装置1が、下水道管810のポイントP1を通過したときの速度をVA、ポイントP2を通過したときの速度をVB、ポイントP3を通過したときの速度をVC、ポイントP4を通過したときの速度をVD、ポイントP5を通過したときの速度をVE、ポイントP6を通過したときの速度をVFとする。
それぞれのポイントにおける速度は、各ポイントを通過したときに加速度計140が出力する加速度情報を基に得ることができる。例えば、加速度計140が出力する加速度データが加速度の値であれば、ポイント通過時のかかる加速度の値を時間Tにより積分することによって求めることができる。
隣り合うポイント間を管内調査用浮流装置1が移動するのに要した時間は、タイマー162が出力した時間データが実時刻であれば、当該ポイント通過時の実時刻から直前に通過したポイントの通過時刻を減算することにより求めることができる(図4におけるT1,T2,T3,T4,T5を参照)。
ここで、隣り合うポイント間においては管内調査用浮流装置1が概ね等速で移動しているものと仮定すると、例えば、ポイントP1〜ポイントP4の間の長さL1は、L1≒VAT1+VBT2+VCT3という近似式によって求めることができる。すなわち、ポイントP4の位置情報としては、マンホール800AからL1≒VAT1+VBT2+VCT3で得られるL1の長さだけ下流にオフセットした位置(座標)である、との「位置データ」を算出することができる。
よって、例えば、各ポイントP1〜P6において管内811の様子を撮影してそれぞれの画像データを得た場合、それぞれの画像データに対しては、上記近似式と同様の式によって得られた各ポイントP1〜P6の位置データを、それぞれ対応づけて紐づけることができる。
このような対応づけ(紐づけ)を行うことにより、例えば、ポイントP4の画像情報(写真)に下水道管810のクラックが発見された場合には、当該クラックは、ポイントP4の画像データに紐づけられたポイントP4の位置データが示す位置(上記ではマンホール800Aから長さL1分だけオフセットした位置)に存在するものとして場所を特定することができる。
(6)構成部品の管内調査用浮流装置1への実装
タイマー162、加速度計140及び記憶装置163は、図示しないプリント基板に実装されていてもよい。また、タイマー162、記憶装置163等によってコントローラ160を構成してもよい(図2の下半球において点線で示した部分を参照)。
図5は、第1実施形態に係る管内調査用浮流装置1のブロック図の一例を示す。
図5に示すように、コントローラ160は、プロセッサ161、タイマー162としてのRTC(REAL TIME CLOCK)162A、記憶装置163としてのメモリ163A、後述する電波発信手段170を構成する発信回路166、電源回路165、インターフェース回路164等を有している。
インターフェース回路164には、カメラ130、加速度計140としての加速度センサ140A、及び、ライト120としてのLED120Aが接続されている。インターフェース回路164はバス168との間をインターフェースする。
プロセッサ161には、バス168を介してインターフェース回路164、メモリ163A、RTC162A等が接続されている。プロセッサ161は、図示しないプログラムに基づいて動作する。プロセッサ161による動作とは、例えば、画像データをカメラ130から取り込んでメモリ163Aに記憶させる、各撮影に対応して時間データとしての実時刻データをRTC162Aから取り込み、当該実時刻データを撮影時刻としてメモリ163Aに記憶させる、適宜のタイミングで加速度データを加速度センサ140Aから取り込んでメモリ163Aに記憶させる、時間データ及び加速度データに基づいて位置データを算出する(例えば上記参照)、それぞれの画像データに対応した位置データを紐づけする等の制御を行う。
発信回路166は、管内調査用浮流装置1から外部に対して電波を発信するための回路である(詳細は後述)。
電源回路165は、蓄電デバイス150としてのバッテリー150Aに接続されており、コントローラ160、入出力デバイス(カメラ130、加速度センサ140A、LED120A等)、発信回路166等が動作するのに必要な電源を生成する。
なお、加速度センサ140Aは、上記したプリント基板の上に、コントローラ160を構成する部品群と共に実装されてもよい(図3参照)。また、蓄電デバイス150としては、バッテリー150A(いわゆる1次電池・2次電池等)の他にキャパシタ等を採用することもできる。また、コントローラ160に実装するタイマー162としてはRTC162Aに限定されるものではなく、例えば、単純なクロックを採用することもできる。
ここで説明した実装の構成は、あくまでも一例であって、本発明において何ら限定的に解釈されるものではない。
(7)ケーシング110
次に図2及び図6を参照しながらケーシング110について説明する。
ケーシング110は、少なくともカメラ130、タイマー162、加速度計140及び記憶装置163を収容する。実施形態では、これらに加えてライト120(LED120A)、蓄電デバイス150(バッテリー150A)、発信回路166を含む電波発信手段170、コントローラ160等を収容している。
ケーシング110は、上記したように上ケーシング112と下ケーシング114とに分けて構成してもよい。実施形態においては、上ケーシング112として外面が半球状をなした円蓋状の透明プラスチックを用い、下ケーシング114として半球状の発泡ボリスチレン(発泡スチロール)を用いる。
上ケーシング112及び下ケーシング114が組み立てられると、上ケーシング112及び下ケーシング114の間が密封されたケーシング110を得ることができる。ケーシング110により、ケーシング110の内部と外部とは隔離されており、下水等の液体がケーシング110の内部に浸入しないようになっている。これにより、本体100は全体として下水に対して浮力を生じるようになっている。
なお、本体100の比重は、下水890に対して浮力を生じるように適宜設定される。また、本体100の比重は、本体100の吃水深がシーアンカー(後述)の吃水深と所定の関係になるように適宜設定される(詳細は後述)。
ケーシング110には、カメラ130が撮影する画角の少なくとも一部に対応して設けられ外部からの光が通過する撮影窓113を備えている。
「撮影窓113」は、ライト120による光が管内811の物体に反射して生じた反射光がこの「窓」を通過(透過も含む)するように構成されたものである。カメラ130は、「撮影窓113」越しに管内811の様子を撮影できるようになっている。逆に言うと「撮影窓113」は、透かして管内811の様子を撮像することが可能な透明な部材により構成されていることが好ましい。
実施形態では、本体100は球状をなしており、ライト120及びカメラ130を上半球(上ケーシング112)の内部に備えている。撮影窓113は、上半球の外殻の少なくとも一部をなしている。
図6は、第1実施形態のカメラ130/130Aが撮影する画角VAを表した模式図を示す。具体的には全天球カメラ130Aの光軸及び全天球カメラ130Aの天頂Zを含む平面を垂直に見た(すなわち全天球カメラ130Aを横から見た)ときの図を示している。
実施形態で用いる全天球カメラ130Aの仕様として、仰角が例えば−30°〜90°であるとすると(すなわち水平線よりも下方向の−30°から天頂Zの90°までをカバーして撮影することができるとすると)、全天球カメラ130Aを中心とした画角VAは240°ということになる(図6参照)。
撮影窓113を設ける範囲としては、上記した画角VAの範囲のうち一部の範囲にのみ(必要な範囲のみ)撮影窓113を設けてもよい。勿論、上記画角VAの範囲の全てをカバーする範囲(あるいはそれ以上の範囲)について撮影窓113を設けてもよい。
なお、実施形態においては、上ケーシング112の全てを透明な材質(透明プラスチック)のものを採用し、上ケーシング112の全ての範囲を撮影窓113として設定している(図2及び図6のA−B間を参照)。
ケーシング110は、管内調査用浮流装置1の本体100の外形を画定する。
ケーシング110によって外形が画定された本体100は球状をなしていることが好ましい。別の言い方をすると、外形としては特段の角(凸部)がないことが好ましい。実施形態においては、本体100の外形は凡そ真球となっている。このとき、本体100の直径は、調査対象となる下水道管の口径に応じて選択する。具体的には、例えば、口径が200MM〜350MMの下水道管の調査に向けては本体100の直径を100MMとし、口径が400MM〜600MMの下水道管の調査に向けては本体100の直径を150MMとする。
なお、本体100の外形は球状であることに限定されるものではなく、例えば、直方体状、円環状(ドーナッツ状)であってもよい。
(8)姿勢制御手段200
ところで、管内調査用浮流装置1は、下水道管の内部811に投下され、下水890の自然な流れに乗って移動しながら管内811の撮影をするものである。このため、下水890に流されている間の本体100の姿勢制御は、極めて重要である。例えば、この実施形態のように、本体100の外形が球状となっている場合、本体100は下水890の流れ等の外力によって回転しやすい。本体100が回転すれば、これに伴いカメラ130が撮影する光軸も回転することとなり、撮影された画像も不定の角度の画像となり、誤った画像データとして計上される可能性がある。この結果、適切に管内811を撮影できず、、管内811の損傷個所の位置を特定することも困難となる。そこで、管内調査用浮流装置1は、本体100の姿勢を制御する姿勢制御手段200を備えている。
姿勢制御手段200は、カメラ130及び撮影窓113を下水890の水面より上方に保つように本体100の姿勢を制御する。
換言すると、カメラ130が主に管内811の上方の内壁818を撮影できるように、姿勢制御手段200は、カメラ130の撮像面132Aが上方を向き、撮影窓113も下水890よりも上方に位置するように、本体100の位置を制御する。
図示は省略するが、本体100を水平面に正置したときの、本体100の天頂Zと本体100の中心とを結んだ軸を第1軸とし、本体100が流れる方向(進行前方)の本体100の側部A、本体100の中心及び進行後方の本体100の側部Bを結んだ軸を第2軸とし、第1軸及び第2軸に垂直な方向であって本体100の中心を通過する軸を第3軸と定義する(厳密にはカメラ130を中心に各軸を定義することもできる。カメラ130からみて鉛直方向とは逆の方向(天頂Z)とカメラ130の中心とを結んだ軸を第1軸とし、以下同様にカメラ130を中心に第2軸及び第3軸を定義することができる。)。
このように定義したとき、上記した「姿勢を制御する」とは、より具体的には、下水道管810の軸に対して、本体100が第1軸を中心に可能な限り回動せず、且つ、第2軸を中心に可能な限り回動せず、且つ、第3軸を中心に可能な限り回動しないように制御することをいう。
姿勢制御手段200は、上述したように本体100の姿勢を保てるものであれば、如何なる機構・原理をもって実現してもよい。例えば、管内調査用浮流装置1の上半球よりも下半球の質量を大きくすることにより下ケーシング114のできるだけ下方に重心を位置させても良い。その場合、姿勢制御手段200は、上半球より質量の大きな下半球、または管内調査用浮流装置1の重心を有する下半球である。
実施形態において、図1に示すように、姿勢制御手段200は、少なくとも、一端側が本体100の側面(矢印Aで示した部分)に接続されたロープ220と、ロープ220の他端側に接続され、本体100を先導して下水890を流れるシーアンカー210とによって構成されている。
シーアンカー210は、楕円球状(ラグビーボール型)をなしており、下水890に対して浮力を生じつつ、本体100よりも下水890の上方を移動できる。すなわち、シーアンカー210は、本体100よりも低比重となるように構成されている。この点については、後ほど詳述する。
直径が150MMの本体100を制御する場合、シーアンカー210の形状は、例えば、長径30MM×短径10MMのラグビーボール型である。また、本体100とシーアンカー210との離間距離が500MMとなるように、ロープ220の長さは設定されている。
上記のようにシーアンカー210が本体100を先導するように構成することで、シーアンカー210は、本体100を下水890が流れる方向に引っ張ることができる。
上述のように、この実施形態では、シーアンカー210は、本体100に比べて下水890に浮きやすく構成されている。
さらに具体的には、シーアンカー210は、管内811を流れる下水890の流れを捉えられるものであり、且つ、図1に示すように、シーアンカー210の吃水深D2が本体100の吃水深D1に対して異なるように設定され、シーアンカー210が本体100よりも先行して流れるように、シーアンカー210が構成されていることが好ましい。
下水道管810の軸に垂直な平面で下水道管810を断面視したとき、下水890の流速は、場所によって(水面付近の場所、水面下の場所、下水管の内壁と接触している場所等)異なっている。この実施形態では、そのような流速の違いに応じて、シーアンカー210の吃水深D2を設定する。例えば、本体100の吃水深D1は、本体100と下水890との接触面が主に流速が遅い場所(例えば水面からみて深い部分)と接触するように設定する一方で、シーアンカー210の吃水深D2は、シーアンカー210と下水890との接触面が主に流速が速い場所(例えば水面からみて浅い部分)と接触するように設定する。
なお、この実施形態においては、姿勢制御手段200は、ロープ220と、本体100とロープ220により接続されたシーアンカー210とを備えているが、これに限定されるものではない。例えば、姿勢制御手段200は、本体100が上半球を下水890の水面位置をできるだけ保持しながら浮流するのに寄与できれば、本体100の外面に密着するものであってもよいし、本体100の内部に埋め込まれているものであってもよい。
(9)電波発信手段170
管内調査用浮流装置1は、上記構成に加え、当該管内調査用浮流装置1から外部に対して電波を発信する電波発信手段170を更に備えている。
電波発信手段170は、後述するように管内調査用浮流装置1が現在流れている下水道管路の区間(場所)を特定することができる所定の電波であれば、如何なる仕様の電波を発信するものであってもよい。また、回路構成等も如何なるものであってもよい。
この実施形態においては、常に所定の電波(標識電波)を発信するようなビーコンをもって電波発信手段170が構成されている。電波発信手段170は、図5に示すように、標識電波を発信するための発信回路166と、発信回路166に接続され標識電波を出力する内蔵アンテナ167とによって構成されている。
なお、この実施形態において、電波発信手段170は、常に標識電波を発信するものとして構成されているが、これに限定されるものではなく、何等かの方法でマンホール800の接近を検出しマンホール800付近を通過する間だけ電波を発信するよう構成されていてもよい。
2.第1実施形態に係る管内調査用浮流装置1の使用方法
管内調査用浮流装置1は典型的には次のようにして使用することができる。
上流のマンホールと下流のマンホールとの間の下水道管路を調査するものと想定する。
上流のマンホールから管内調査用浮流装置1を投入し、管内調査用浮流装置1を下水道管の内部811に投下する。管内調査用浮流装置1は下水890の流れと共に浮流することになる。管内調査用浮流装置1が浮流する際には、姿勢制御手段200により本体100(特にカメラ130)の姿勢が保たれる。管内調査用浮流装置1は浮流しながら、カメラ130で管内811の様子(少なくとも内壁818)を撮影し、撮影によって出力されたそれぞれの画像データは、時間データ、加速度データ等に基づいて取得された位置データと対応づけられる(紐づけられる)。
下流のマンホールにおいては管内調査用浮流装置1を回収する。管内調査用浮流装置1の記憶装置163に記憶された各画像データを解析して、管内811の不具合の存否及び程度を解析する。不具合が存在しているものと判断される場合には当該画像データに対応付けられた位置データに基づいて不具合が存在している位置を特定する。
また、調査する下水道管路のうち、上流のマンホールと下流のマンホールとの間に位置する中間のマンホールにおいては、管内調査用浮流装置1が発信する標識電波を捉えることにより、当該管内調査用浮流装置1が当該マンホール付近を通過したことを検出し、これにより管内調査用浮流装置1の存在する区間を把握することによって、管内調査用浮流装置1の回収を着実に行う。
なお、詳細は、第3実施形態及び第4実施形態において説明する。
3.第1実施形態に係る管内調査用浮流装置1の効果
(1)管内調査用浮流装置1は、管内811を照明するライト120と、管内811の様子(少なくとも内壁818)を撮影し、撮影によって得られた画像データを出力するカメラ130と、それぞれの画像データに管内調査用浮流装置1の位置データを対応させるための時間データを出力するタイマー162と、当該管内調査用浮流装置1の加速度を計測して加速度データを出力する加速度計140と、時間データ及び加速度データ及び画像データを記憶する記憶装置163と、少なくともカメラ130、タイマー162、加速度計140及び記憶装置163を収容し、当該管内調査用浮流装置1の本体100の外形を画定するケーシング110と、姿勢制御手段200と、を備えている。また、ケーシング110は、カメラ130が撮影する画角の少なくとも一部に対応して設けられ外部からの光が通過する撮影窓113を備え、
姿勢制御手段200は、カメラ130及び撮影窓113を下水890の水面より上方に保つように本体100の姿勢を制御する。
管内調査用浮流装置1は、このように構成されているため、ケーシング110により浮力を得ることができ、管内811にこれが投下されると下水890と共に浮流する。管内調査用浮流装置1は、浮流しながら、ライト120で照明した管内811の様子(少なくとも内壁818)をカメラ130によって撮影窓113を通じ順次撮影し、撮影したそれぞれの画像データを記憶装置163に記憶させる。
そのため人間(調査員)が管内811に潜行せずとも、また、地上でカメラ130等を操縦せずとも管内調査用浮流装置1の自然な流下に沿って管内の様子を撮影することができる。
したがって、従来の下水道管内部を調査する技術に比べ、簡便で効率的な調査を行うことができる。
また、姿勢制御手段200によって本体100(カメラ130が内蔵されている)の姿勢を適切に保つことができ、カメラ130は下水道管810の軸(下水890が流下する方向)に対して常に凡そ同じ方向の同じ角度を保つことができ、管内の様子の撮影を、同じ条件で安定的に遂行することができる。
また、管内調査用浮流装置1は下水890の流れと共に管内811を移動して順次撮影を行うものであり、管内811の様子(特に内壁818など)を間近の位置から撮影することができる。このため、不具合(損傷・劣化等)の存否確認やその程度を高精度で把握することができ、また、不具合の発生した箇所を見落とすリスクを飛躍的に低減することができる。
さらに、撮影によって得られたそれぞれの画像データは、加速度計140、タイマー162等によって算出された位置データが対応づけられる(紐づけられる)ため、調査対象となっている下水道管路の解析を別途行う際にも、不具合(損傷・劣化等)が存在する下水道管路の位置を容易に特定することができる。つまり不具合箇所の位置を高精度で特定することができる。
したがって、従来の下水道管内部を調査する技術に比べて高精度な調査を行うことができる。
以上より、第1実施形態に係る管内調査用浮流装置1によれば、従来に比べ、簡便ながらも精度よく且つ効率的に下水道管の内部の調査を行うことができる。
(2)カメラ130は全天球カメラ130Aである。全天球カメラ130Aにより広角な範囲の画像情報を得ることができるため、不具合(損傷・劣化等)の見落とすリスクを低減することができ、不具合(損傷・劣化等)の存否確認やその程度の精度を上げることができる。
(3)姿勢制御手段200は、少なくとも、一端側が本体100の側面に接続されたロープ220と、ロープ220の他端側に接続され、本体100を先導して下水890を流れるシーアンカー210と、によって構成されている。
このようにシーアンカー210が本体100を先導するように構成されているため、シーアンカー210は本体100の側面(図1におけるA付近)を一方的に引っ張ることとなる。そうすると、本体100は、略水平を保ちながら、図1におけるA−Bを結んだ直線が、下水道管810の軸(下水890が流下する方向)と概略一致し、且つ、Aで示した側面の側が常に流下方向となるようにして牽引されるため、より確実に本体100を適切な姿勢に保つことができる。
(4)また、シーアンカー210は、本体100に比べて下水890に浮きやすく構成されている。
このように構成されているため、本体100の底面及び側面が下水890と接触する下水890の場所(断面としてみたときの場所)に比べて、シーアンカー210の底面及び側面を、流速が比較的速い下水890の場所(水面からみて浅い部分)と接触させることができる。このため、シーアンカー210がより適切に本体100を先導することができ、本体100の姿勢を一層適切に保つことができる。
(5)管内調査用浮流装置1の本体100は球状をなしており、撮影窓113は、球状の本体100の上半球の外殻の少なくとも一部をなすように構成されている。
本体100が球状であり引っ掛かりの部分が少ないため、仮に管内811に障害物(土砂、モルタル、油脂、樹木根等)があったとしても、比較的確実に本体100(ひいては管内調査用浮流装置1)を下流のマンホールまで流すことができる。また、上半球の外殻の少なくとも一部を撮影窓113とするようになっているため、本体100の姿勢を保ちさえすればカメラ130は撮影窓113を通じて管内811の様子を撮影することができる。
(6)管内調査用浮流装置1は、当該管内調査用浮流装置1から外部に対して電波を発信する電波発信手段170を更に備えている。
電波発信手段170が、例えばビーコンのように外部に対して電波を発信するので、外部においては、かかる電波を捉えることにより管内調査用浮流装置1の存在位置を特定することができる。ひいては、管内調査用浮流装置1の回収を確実なものとすることができる(管内調査用浮流装置の位置特定・回収についての詳細は後述する)。
[第2実施形態]
次に第2実施形態に係る管内調査用浮流装置2について説明する。
図7は、第2実施形態に係る管内調査用浮流装置2の構成及びその使用例を表した模式図を示す。第2実施形態において、基本的な構成及び特徴が第1実施形態と同じ構成要素については、第1実施形態と同じ符号を使用し、説明を省略する。
第2実施形態に係る管内調査用浮流装置2は、基本的には第1実施形態に係る管内調査用浮流装置1と同様の構成を有するが、補助ライト300を更に備える点で第1実施形態に係る管内調査用浮流装置1とは異なる。
すなわち、図7に示すように、第2実施形態に係る管内調査用浮流装置2は、本体100に内蔵しているライト120(LED120A)とは別に、本体100とは別体の補助ライト300を備える。
補助ライト300は、下水890に投入したときに浮力を生じ、自身が発光するような材料であればいかなる材料であってもよい。例えば、ライトボール310を採用することができる。
管内調査用浮流装置2において、補助ライト300(ライトボール310)は、本体100と結合され、本体100と共に一体となって浮流できるようになっている。例えば、図7に示すように、本体100の前方側(下流側。図7の符号A参照)において、ロープ220を介して、本体100、補助ライト300及びシーアンカー210が直列に接続された構成となっている。
これに加え、本体100の後方側(上流側。図7の符号B参照)において、本体100及び補助ライト300がロープ220を介して接続された構成を更に備えるとより好ましい。
第2実施形態に係る管内調査用浮流装置2はこのような構成となっているため、本体100に内蔵しているライト120(LED120A)の他に、本体100から離れた位置に発光源たる補助ライト300を浮流させることができる。そうすると、カメラ130から遠い位置の管内についても照明することができ、カメラ130から遠い位置の管内の様子も一層鮮明に撮影することができる。これにより更に調査の精度を高めることができる。
なお、第2実施形態に係る管内調査用浮流装置2は、補助ライト300を更に備える点以外の構成においては、第1実施形態に係る管内調査用浮流装置1と基本的に同様の構成を有する。そのため、第1実施形態に係る管内調査用浮流装置1が有する効果のうち該当する効果を同様に奏する。
[第3実施形態]
次に第3実施形態に係る管内調査システム10について説明する。
図8は、第3実施形態に係る管内調査システム10の構成図を示す。具体的には、下水道管路の軸に沿って鉛直方向に地中及び地上を切り取ったときの断面を示している。第3実施形態において、基本的な構成及び特徴が第1実施形態,第2実施形態と同じ構成要素については、第1実施形態,第2実施形態と同じ符号を使用し、説明を省略する。
1.第3実施形態に係る管内調査システム10の構成
図8に示すように、第3実施形態に係る管内調査システム10は、少なくとも3箇所以上のマンホール(図8においてはマンホール800X,800A,800B,800C,800Y)を連続的に辿る下水道管路における下水道管810の内部の性状を調査する管内調査システムである。
第3実施形態に係る管内調査システム10は、管内調査用浮流装置1,2と、ホール内アンテナ550と、受信装置500と、を備える。
ここでの管内調査用浮流装置1,2は、第1実施形態に係る管内調査用浮流装置1又は第2実施形態に係る管内調査用浮流装置2であって、特に電波発信手段170を有するものを想定している。
管内調査用浮流装置1,2は、少なくともマンホール付近を通過する際には、電波発信手段170によって標識電波を外部に発信するように構成されている。
ホール内アンテナ550は、マンホール800の竪穴805に配置されるものである。
図8においては、管内調査用浮流装置1,2を投入する上流のマンホール800Xと、管内調査用浮流装置1,2を回収する下流のマンホール800Yとの間に位置する中間のマンホール800A,800B,800Cの各竪穴805にそれぞれ配置されている。
受信装置500は、ホール内アンテナ550に接続され、ホール内アンテナ550が捉えた電波を受信するものである。例えば、受信装置500は、上記した中間のマンホール800A,800B,800Cに対応するように地上に配置される。なお、ホール内アンテナ550及び受信装置500のセットは、上流のマンホール800X及び下流のマンホール800Yに配置されることは妨げない。
受信装置500は、標識電波を受信したとき該標識電波の受信に基づいて管内調査用浮流装置1,2の通過情報を出力するように構成されている。
「通過情報の出力」は如何なる方法によるものであってもよい。例えばインジケータ、ディスプレイパネル等の表示器、ブザー等の音声機器等へ出力してもよい。この場合には、地上調査員が目視等によって通過を認識することができ、管内調査用浮流装置1,2がセクションSC1,SC2,SC3,SC4の何れに存在するのかを把握することができる。
また、「通過情報の出力」は、かかる送信装置による無線通信(図8の例)・有線通信を介して集中管理端末610に出力してもよい。図8では、受信装置500として、受信機能に加え、通信によりPC等へ各種情報を送信する送信装置(符号なし)を更に含んだ中継装置を導入している。なお符号510A,510B,510Cはかかる送信装置に接続された空中アンテナを示している。このような構成にすれば、集中管理端末610のディスプレイパネル等により管内調査用浮流装置1,2が通過を認識しつつ、管内調査用浮流装置1,2が在留しているセクションの把握をすることができる。
2.第3実施形態に係る管内調査システム10の効果
管内調査システム10は上記のような構成を有している。このため、管内調査用浮流装置1,2が中間のマンホール800A,800B,800Cの近傍を通過するごとに、管内調査用浮流装置1,2が当該中間のマンホール800A,800B,800Cの直前のセクションSC1,SC2,SC3を無事通過し当該当該中間のマンホールに到着したことを認識することができる(管内調査用浮流装置の通過情報)。別の言い方をすると、管内調査用浮流装置1,2が現在どのセクションに在留しているのか把握することができる。
管内調査用浮流装置の通過情報を活用することで、次のような対処を行うことができる。例えば、所定時間を経過したとしても下流のマンホール800Yにおいて管内調査用浮流装置1,2を検出出来ない場合には、管内調査用浮流装置1,2が上流のいずれかのセクションに在留しているものと推測することができる。そのときは、当該管内調査用浮流装置の通過情報に基づき、管内調査用浮流装置1,2が在留しているセクションを特定し、特定されたセクションを中心に点検し処置(例えば、下水道管路内を、高圧噴射装置等を利用して強制的に流下させる。)することで、確実に管内調査用浮流装置1,2を回収することができる。
[第4実施形態]
次に第4実施形態に係る管内調査方法について説明する。
図9は、第4実施形態に係る管内調査方法のフローチャートを示す。以下の説明において図9の他に図8等も適宜参照されたい。第4実施形態に係る管内調査方法における構成要件のうち、第1実施形態に係る管内調査用浮流装置1、第2実施形態に係る管内調査用浮流装置2及び第3実施形態に係る管内調査システムの構成要件と共通するものの説明は、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態における説明を援用する。
1.第4実施形態に係る管内調査方法の構成
第4実施形態に係る管内調査方法は、下水道管810の内部811の性状を調査する管内調査方法である。第4実施形態に係る管内調査方法は、第1実施形態に係る管内調査用浮流装置1又は第2実施形態に係る管内調査用浮流装置2を使用して調査を行う。
図9に示すように、第4実施形態に係る管内調査方法は、少なくとも管内調査用浮流装置投入ステップS10と、管内画像収集ステップS20と、管内不具合解析ステップS50とを含む。これに加え、管内画像収集ステップS20及び管内不具合解析ステップS50の間に管内調査用浮流装置回収ステップS40を含んでいてもよい。
管内調査用浮流装置投入ステップS10は、上流のマンホール(図8ではマンホール800X)から下水道管の内部811に管内調査用浮流装置1,2を投入する。
管内画像収集ステップS20は、下水道管の内部811において、管内調査用浮流装置1,2を浮流させつつ、ライト120によって管内811を照明し、カメラ130によって少なくとも管内811の内壁818を撮影して画像データを収集し、タイマー162が出力した時間データ、及び、加速度計140が出力した加速度データと共にカメラ130が出力した画像データを記憶装置163に記憶させる。
管内調査用浮流装置回収ステップS40は、下流のマンホール(図8ではマンホール800Y)において、浮流してきた管内調査用浮流装置1,2を回収する。
管内不具合解析ステップS50は、回収した管内調査用浮流装置1,2の記憶装置163に記憶されている画像データ、時間データ及び加速度データを読み出す。また、各画像データを解析して管内811の不具合の存否及び程度を解析する。さらに、当該画像データの画面中に不具合が存在しているものと判断される場合には、時間データ及び加速度データに基づいて算出されたデータであって画像データに紐づけされている位置データに基づき、不具合が存在している位置を特定する。
第4実施形態に係る管内調査方法は上記に加えて、次のような構成を採ることが好ましい。すなわち、管内調査用浮流装置回収ステップS40に先立ち、存在区間把握ステップS30を、管内画像収集ステップS20と並行して実施することが好ましい(図9参照)。
具体的には次の通りである。まず、前提として管内調査用浮流装置1,2は外部に対して電波を発信する電波発信手段170を更に備えており、且つ、上流のマンホール800X及び下流のマンホール800Yの間に位置する中間の各マンホール800A,800B,800Cには、その竪穴805にホール内アンテナ550が配置され、且つ、ホール内アンテナ550が捉えた電波を受信する受信装置500が各マンホールに対応して配置されているものとする(図8参照)。
このとき、管内画像収集ステップS20では、管内調査用浮流装置1,2に画像収集を実行させるのと並行して、電波発信手段170によって標識電波を当該管内調査用浮流装置1,2から外部に対して発信させる。
また、管内画像収集ステップS20と並行して、存在区間把握ステップS30(図9参照)を実行する。存在区間把握ステップS30は、受信装置500によって、管内調査用浮流装置1,2から発信された標識電波を捉えさせ、管内調査用浮流装置1,2が当該マンホール付近を通過したことを示す通過情報を出力させて、管内調査用浮流装置1,2の存在する区間を把握する。
そして、上記した管内調査用浮流装置回収ステップS40においては、存在区間把握ステップS30によって把握した管内調査用浮流装置1,2の存在する区間に基づいて管内調査用浮流装置1,2をマンホールから回収する。
2.第4実施形態に係る管内調査方法の効果
(1)第4実施形態に係る管内調査方法は、第1実施形態に係る管内調査用浮流装置1及び第2実施形態に係る管内調査用浮流装置2を用いることを前提としている。このため、第1実施形態に係る管内調査用浮流装置1及び/又は第2実施形態に係る管内調査用浮流装置2で得られる効果のうち該当する効果を同様に奏する。
(2)また、第4実施形態に係る管内調査方法は、管内調査用浮流装置1,2において電波発信手段170を備え、中間の各マンホール800A,800B,800Cに対応するようにしてホール内アンテナ550及び受信装置500が配置されており、そのうえで、管内画像収集ステップS20において電波発信手段170によって標識電波を発信させ、存在区間把握ステップS30において、受信装置500によって標識電波を捉えさせて当該マンホール付近を通過したことを示す通過情報を出力している(図8を併せて参照)。
第4実施形態に係る管内調査方法がこのような構成となっているため、管内調査用浮流装置1,2が中間のマンホール800A,800B,800Cの近傍を通過するごとに、管内調査用浮流装置1,2が当該中間のマンホールの直前のセクションSC1,SC2,SC3を無事通過し当該当該中間のマンホールに到着したことを認識することができる(管内調査用浮流装置の通過情報)。別の言い方をすると、管内調査用浮流装置1,2が現在どのセクションに在留しているのか把握することができる。
このため、例えば、所定時間を経過したとしても下流のマンホール800Yにおいて管内調査用浮流装置1,2を検出出来ない場合には、当該管内調査用浮流装置の通過情報に基づき、管内調査用浮流装置1,2が在留しているセクションを特定し、特定されたセクションを中心に点検し処置することで、確実に管内調査用浮流装置1,2を回収することができる。
なお、ここでの電波発信手段170等を前提とした管内調査方法は、第3実施形態に係る管内調査システム10を用いることを前提としている。このため、第4実施形態に係る管内調査方法は、第3実施形態に係る管内調査システム10で得られる効果のうち該当する効果を同様に奏する。
[その他の実施形態]
以上、本発明を上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形実施も可能である。
各実施形態における管内調査用浮流装置1,2の本体100は、カメラ130がケーシング110の中央付近に配置された構成である。しかしながら本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図10(A)に示す本体100Bのように、天蓋状の上ケーシング112の内面にレンズが接するようにしてカメラ130Bが配置された構成であってもよい。この場合の観察窓113Bは図に示す範囲のものとなる。また、図10(B)に示すように、天蓋状の上ケーシング112Cの一部を切り欠いた部分を観察窓113Cとして、当該切り欠いた部分にカメラ130Cのレンズ134Cを嵌め込んだ構成としてもよい。
なお、図10は、その他の実施形態に係る本体100B,100Cの断面図を示す。またなお、図10(A)及び図10(B)においては、上ケーシング112,112Cの内部は空洞Cが形成され空洞Cが残存しているがこれに限定されるものではない。例えば、空洞Cに対応する部分に所定の材料をモールドしてもよい。
各実施形態における管内調査用浮流装置1,2の本体100の外形形状としては、凡そ真球のものを例示して説明した。しかしながら本発明はこれに限定されるものではない。例えば、いわゆるカプセル形状としてもよいし、円環状のいわゆるドーナッツ形状としてもよい。
図8、図9等を用いた実施形態4に係る管内調査方法についての説明では、管内調査用浮流装置回収ステップS40を実行することを前提に説明を行ってきた。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。管内調査用浮流装置回収ステップS40を実行しない管内調査方法も採用することができる。例えば、管内調査用浮流装置1,2が所定のマンホールを通過した際に、管内調査用浮流装置1,2が電波発信手段170によって上記した画像データ、時間データ及び加速度データを電波に乗せる形で外部に発信し、受信装置500が当該電波を受信する、という構成を採る。このような構成を採ることにより、管内調査用浮流装置1,2が所定のマンホールを通過したときに、必要なデータを吸い上げることができるため、管内調査用浮流装置回収ステップS40を実行しなくても管内を調査することが可能である。
1,2…管内調査用浮流装置、10…管内調査システム、100,100B,100C…(管内調査用浮流装置の)本体、110…ケーシング、112…上ケーシング、113,113B,113C…観察窓、114…下ケーシング、120…ライト、120A…LED、130,130B,130C…カメラ、130A…全天球カメラ、132…撮像素子、134,134C…レンズ、134A…魚眼レンズ、140…加速度計、140A…加速度センサ、150…蓄電デバイス、150A…バッテリー、160…コントローラ、161…プロセッサ、162…タイマー、162A…RTC、163…記憶装置、163A…メモリ、164…インターフェース回路、165…電源回路、166…発信回路、167…内蔵アンテナ、168…バス、170…電波発信手段、200…姿勢制御手段、210…シーアンカー、220…ロープ、300…補助ライト、310…ライトボール、500…受信装置、550…ホール内アンテナ、610…集中管理端末、800,800A,800B,800C,800X,800Y…マンホール、805…(マンホールの)竪穴、810,981…下水道管、811,982…下水道管の内部(管内)、818,988…(下水道管の)内壁、890…下水、900…自走式テレビカメラ、913…テレビカメラ、920…リモコンケーブル、950…地上コントローラ、953…マニュアル操作部、954…地上モニタ

Claims (9)

  1. 下水道管の内部の性状を調査するために管内の下水を浮流可能な管内調査用浮流装置であって、
    前記管内を照明するライトと、
    前記管内の少なくとも内壁を撮影し、撮影によって得られた画像データを出力するカメラと、
    それぞれの前記画像データに前記管内調査用浮流装置の位置データを対応させるための時間データを出力するタイマーと、
    前記管内調査用浮流装置の加速度を計測して加速度データを出力する加速度計と、
    前記時間データ、前記加速度データ及び前記画像データを記憶する記憶装置と、
    少なくとも前記カメラ、前記タイマー、前記加速度計及び前記記憶装置を収容し、当該管内調査用浮流装置の本体の外形を画定するケーシングと、
    姿勢制御手段と、を備え、
    前記ケーシングは、前記カメラが撮影する画角の少なくとも一部に対応して設けられ外部からの光が通過する撮影窓を備え、
    前記姿勢制御手段は、前記カメラ及び前記撮影窓を前記下水の水面より上方に保つように前記本体の姿勢を制御することを特徴とする管内調査用浮流装置。
  2. 請求項1に記載の管内調査用浮流装置において、
    前記カメラは全天球カメラであることを特徴とする管内調査用浮流装置。
  3. 請求項1又は2に記載の管内調査用浮流装置において、
    前記姿勢制御手段は、少なくとも、
    一端側が前記本体の側面に接続されたロープと、
    前記ロープの他端側に接続され、前記本体を先導して前記下水を流れるシーアンカーと、
    を備えること特徴とする管内調査用浮流装置。
  4. 請求項3に記載の管内調査用浮流装置において、
    前記シーアンカーは、前記本体に比べて前記下水に浮きやすく構成されていることを特徴とする管内調査用浮流装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の管内調査用浮流装置において、
    前記本体は球状をなしており、前記ライト及び前記カメラを上半球の内部に備え、
    前記撮影窓は、前記上半球の外殻の少なくとも一部をなすことを特徴とする管内調査用浮流装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の管内調査用浮流装置において、
    当該管内調査用浮流装置から外部に対して電波を発信する電波発信手段を更に備えたことを特徴とする管内調査用浮流装置。
  7. 少なくとも3箇所以上のマンホールを連続的に辿る下水道管路における下水道管の内部の性状を調査する管内調査システムであって、
    請求項6に記載の管内調査用浮流装置と、
    前記マンホールの竪穴に配置されるホール内アンテナと、
    前記ホール内アンテナに接続され、前記ホール内アンテナが捉えた電波を受信する受信装置と、
    を備え、
    前記管内調査用浮流装置は、少なくとも前記マンホール付近を通過する際には、前記電波発信手段によって標識電波を外部に発信し、
    前記受信装置は、前記標識電波を受信したとき該標識電波の受信に基づいて前記管内調査用浮流装置の通過情報を出力することを特徴とする管内調査システム。
  8. 下水道管の内部の性状を、請求項1〜6のいずれか1項に記載の管内調査用浮流装置を使用して調査する管内調査方法であって、
    マンホールから前記下水道管の内部に前記管内調査用浮流装置を投入する管内調査用浮流装置投入ステップと、
    前記下水道管の内部において、前記管内調査用浮流装置を浮流させつつ、前記ライトによって管内を照明し、前記カメラによって少なくとも前記管内の内壁を撮影して画像データを収集し、前記タイマーが出力した前記時間データ、及び、前記加速度計が出力した前記加速度データと共に前記カメラが出力した前記画像データを前記記憶装置に記憶させる管内画像収集ステップと、
    前記記憶装置に記憶されている前記画像データ、前記時間データ及び前記加速度データを読み出し、各前記画像データを解析して管内の不具合の存否及び程度を解析し、当該画像データに基づく画面中に不具合が存在しているものと判断される場合には、前記時間データ及び前記加速度データに基づいて算出された前記位置データに基づき、不具合が存在している位置を特定する管内不具合解析ステップと、
    を含むことを特徴とする下水道管の管内調査方法。
  9. 請求項8に記載の管内調査方法において、
    前記管内調査用浮流装置は外部に対して電波を発信する電波発信手段を更に備えており、且つ、上流のマンホール及び下流のマンホールの間に位置する中間の各マンホールには、その竪穴にホール内アンテナが配置され、且つ、前記ホール内アンテナが捉えた電波を受信する受信装置が配置され、
    前記管内画像収集ステップでは、前記管内調査用浮流装置に前記画像データの収集を実行させると共に、前記電波発信手段によって標識電波を当該管内調査用浮流装置から外部に対して発信させ、
    前記受信装置によって、前記管内調査用浮流装置から発信された前記標識電波を捉えさせ、前記管内調査用浮流装置が当該マンホール付近を通過したことを示す通過情報を出力させて、前記管内調査用浮流装置の存在する区間を把握する存在区間把握ステップを実行することを特徴とする管内調査方法。
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