JP2021017680A - トランクス - Google Patents

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Abstract

【課題】着用中のトランクス内でプライベート・ディスタンス(陰部間距離)を持たせることで、起こりやすい捲れ上がり、はみ出し、べたつき、股ずれなどの不快感を取り除くこと。【解決手段】トランクスを構成するパーツのうち、翼体の裾丈を延ばすことで、内股との密着、はみ出し、捲れ上がりを抑え、股下中央に緩衝体を設けることで、男性器の片寄りによるベタつきを抑え、中央の位置に落ち着かせる。さらに、分立ひもに男性器の一部を引っかけることで、男性器同士を分離させて、内股との密着による不快感をなくす。【選択図】図1

Description

本発明は、風通しの良い開放感があり、履き心地の良いトランクに関するものである。
下着の中でもトランクスは通気性が良く蒸れにくく、開放的な履物として人気が高い。
しかし、開放的であるがゆえにいくつかの問題点もある。市販されているトランクスには、伸縮性を持ちしっかり体にフィットする構造のボクサータイプのトランクスを除いて、脚部の丈はあまり長く作られていない。そのためズボン着用中に、動きの中で擦れて捲れ上がったり、急を要して用を足したい時に,前開き口が狭く、取り出しにくい為、つい脚口の裾を捲ってしまうことから、左右のどちらかに片寄った、下垂した陰茎と陰嚢が裾脇から露出しやすくしてしまうことがある。また、取る姿勢によっては、ズボンの縫い目とトランクスの中心線の縫い目の重なり合いの部分が、股下の皮膚に食い込んだり、擦れたりして痛むことがある。更に、下垂した陰茎と陰嚢と内股が互いに密着し、汗ばんで不快なときがある。
不快となる陰茎と陰嚢と内股との相互接触を回避するために、特許文献1に記載されているトランクス本体の前身頃の内側に袋状の仕切りを設けて、その間に陰茎と陰嚢を共に収めて、内股との密着を防止する方法が提案されている。この方法では陰茎と陰嚢が常に密着状態にあるので、汗ばんだ不快感は取り除けない。
一方、特許文献2では、記載されているトランクス本体の内側の股下に片側を縫合し、着脱自在で長さ調整可能な一対の吊り手でトランクス前面の内側に取り付けられたサポータに陰嚢を支持する方法が提案されている。しかしこの方法では陰茎は下垂した状態にあり、ズボン着用時、取る姿勢によってはズボンからの押し上げによって不自然に圧迫されて不快になる恐れが生じる。さらにサポータはある程度の大きさで、デリケートな構造になっているので、着脱する際、過ってつま先等が触れてしまい破損する恐れもある。
トランクスは、毎日利用するものであるから、できるだけシンプルな、手間のかからない形状のものが望まれる。
実開平6−12404号公報 特開 2008−169524号公報
トランクスにおいて、解決しようとする問題点は、トランクス股下の前方に存在する左右脚入れ分岐部にある、そそり立つ尾根のように続く縫い合わせにより、着用時のくい込みや擦れが生じ、さらに下垂した陰茎、陰嚢の位置が安定せず、左右どちらか片方に片寄ることで内股との接触、陰茎と陰嚢との密着が起こり,ベタつく不快感が生じる。一方、内股側の裾丈が短いと、裾捲れ、露出、股ずれを生じやすい。これらの不快となる要因を取り除き、開放感を維持したまま、安定感のある、通気性の良いトランクスを提供することを課題とする。一方、用を足すときに、一物をスムーズに取り出せず、探る動作を繰り返さねばならない時もある。また、ズボンと一緒に下に脱いで、上から用を足す人も存在する。そこで前開き口の改善も考慮すべき問題点の一つである。
本発明の目的として、ゆったりした、通気性の良い、開放感を味わえるトランクスを提供することである。そのために、体とトランクスとの間の空気層を確保し、肌に優しく、肌に常に触れている部分をできるだけ少なくすることをめざす。素材としての布帛とカットソーのそれぞれの特徴を生かして、パーツに最適な素材を選択して使用することも考慮すべき点である。
本発明のトランクスは、普段下垂している陰茎と二つの睾丸がトランクス着用時、片側に片寄っていることが、不快の原因と考えられるので、陰茎と陰嚢と内股との直接な密着を抑え、陰茎と陰嚢とが適度に離れた状態にある位置に落ち着かせることが課題である。さらに、密着によって起こるベタつく不快感を解消するための隙間(プライベート・ディスタンス)を確保するために、緩衝体(5)を中心に、左右前身頃(1)(2)、左右翼体(11)(12)、股下マチ(18)、後身頃(7)、分立ひも(9)、左右前身頃の打ち合わせ部分にある前開き口(6)の補強用に取り付ける左右の見返し、合わせて10パーツの構成からなるトランクスを考案した。その中において、翼体の裾丈を延ばしてできる延長部(3)(4)を設けることで、捲れ上がり、股ずれを防ぎ、さらに、前身頃と翼体と股下マチとに隣接する緩衝体に緩やかなカーブと弛みをもたせることで、下垂状態の陰茎と陰嚢を左右どちらかに片寄ることを抑え、股下中央に落ち着かせる。さらに、分立ひもを設け、亀頭のくぼみを分立ひも上縁部(10)にひっかけることで、密着状態にある陰嚢と陰茎を離れさせることができ、汗ばんで、べたつく不快感を回避できる。
前開き口の形状を変えることで、右利きの人を想定した場合、前開き口から用を足すときに、スムーズに一物を取り出せるようにするために、打ち合わせ部分を、ウエスト部(8)前面の中心点から時計回りに10〜15度程傾斜させ、打ち合わせ部分の下端の中央寄りの隅をトランクスの中心線上にもってくることを考案した。この傾きによって、指先を入れやすくなり、つかみ出しやすくなり、用を足した後、一物を納め易くなる。一方、9パーツの内、前開き口部分をなくすことで、前閉じのトランクスとして利用できる。
翼体と延長部:翼体(11)(12)をパーツの一つとしてトランクスを構成するパーツ群から独立させることで、翼体部分だけを使って、捲り上がりを抑え、股ずれを防ぐための裾にあたる部分の裾丈を、自在に延長でき、所望する長さの翼体の延長部(3)(4)を設けやすくなる。市販されている多くのトランクスは、脚部の丈があまり長くなく、着用して動いている間に、内股側の脚口の裾の部分がだんだん捲れ上がってくる傾向にある。時によっては左右どちらかに片寄った陰茎、陰嚢の一部がトランクスの裾口から露出したり、内股に密着して汗ばんで不快に感じる時がある。それを防ぐために、トランクスを構成するパーツの一つとして設けた翼体の裾側に、陰茎、陰嚢が内股にあたる部位を含めた、大腿の内側から前面にかけての範囲で、トランクスの左右両内股側の脚部の丈を延長して、捲れ上がりを抑える帯状の翼体の延長部(3)(4)を設ける。これによりトランクス内側からの男性器のはみだしを抑え、内股との密着を防ぐ。
緩衝体:従来からのトランクスにみられる股下の内側の形状は、中央線に沿ってそそり立つ尾根のようになって二股に分岐している。これにより、自然の成り行きで、陰茎と陰嚢は左右どちらかの脚側に下垂した状態になることで、内股に密着してべたつくなどの不快感が生じる。また、ズボン着用時には押し上げにより、それぞれの縫い目が重なり合うことによる食い込みや、擦り合せで股下の皮膚が痛むことがある。それを防ぐために、本発明では、巾6.5〜8cm、長さ12〜15cmの、主に長方形をした緩衝体(5)を、股下中心線を挟んで股下の前方寄りに設ける。隣接する他のパーツである前身頃、翼体、股下マチ、(股下マチを省略する場合は後身頃)との縫い合わせで作られるゲレンデのような緩やかなカーブとわずかな弛みを有することで、下垂した状態にある陰嚢と陰茎を片側への片寄りを抑え、股下中央部の位置に落ち着かせ、翼体と連動して内股との接触を防ぐ。そのうえ、ウエスト部の上下調節により、適宜陰嚢を緩衝体の上にソフトランディングさせることが容易に行える便利さがトランクスにはある。緩衝体の形状は自由に変えられる。また、補強と緩衝を兼ねて二重にすることも考えられる。
もう一つの利点として、股下に適度の幅と長さを持つ平らな面として存在する緩衝体があることで、高齢者、障害者向けに、必要に応じて失禁パッドを簡単に装着、着脱できることである。さらに、緩衝体が一時的に受け皿の役目をして、残尿漏れによる不快感も軽減される。
分立ひも:平常時において、シンプルですっきりと陰茎と陰嚢の接触を回避する方法として長さ6.5〜8.5cmの分立ひもを考案した。取り付けは、生地の重なりで厚い縫い目の部分はできるだけ避け、トランクス内側の前開き口と緩衝体との境界付近で、亀頭を無理なくやや上向きに納まるように支えられ、しかも陰茎と陰嚢とが接触しない場所に設ける。しっとり感のある亀頭の持つ柔軟な弾力性のある円柱様物であることに着目し、亀頭ないし亀頭頚のくびれを、分立ひもの上縁にひっかける形で納め、落ち着かせる。汗ばんで不快を感じる時など、必要に応じて適宜利用できる。
ひもの取り付け方としては、一文字型では、緩衝体の上端を跨ぐ形で、二本のひもを交差させる×型では、緩衝体と前開き口との縫い目からできるラインを斜めに跨ぐ形で交差させる。ループ型では、前身頃や前開き口を利用して取りつける。陰嚢と陰茎との接触を回避するためには、個人差があるので、最良の方法を選択する。ひもの他、ポケットを代用してもよい。
股下マチ(11):股下マチの巾を変えることで、前ウエスト上縁から股下最下点を通り尻を回って後ウエスト上縁までの長さ(股ぐるり)を調節でき、翼体、緩衝体、後ろ身頃で作られる立体空間に変化をもたらし、より体にフィットした、ゆとりのある履き易いトランクスとなる。
本発明のトランクスは、緩衝体を中心に10パーツの組み合わせで構成することによって、裁断、縫製の効率が良くなる。また、パーツごとに生地色を変え、色の組み合わせを楽しむ事もできる。さらに、股下中央部の縫い目をなくすことで、ズボン着用時の擦りやくい込みが回避でき、蒸れやべた付きのない肌に優しく、通気性の良い、安定感のある、履き心地の良いトランクスを提供できる。
本発明のトランクスの実施形態の正面側を斜め下から見た斜視図 同トランクスを広げて上方から見た状態を示す説明図 同トランクスの正面図 トランクス内側から見た、亀頭が分立ひも上縁部に支えられ、同トランクス本体前面との間に納まっている状態を示す説明図
左右前身頃(1)(2)、翼体の左右延長部(3)(4)を含む左右翼体(11)(12))、緩衝体(5)、分立ひも(9)、後身頃(7)、股下マチ(18)、前開き口(6)の両見返し、合わせて10パーツを縫い合わせて通気性が良く、開放感を保ちながら、履き心地の良いトランクスを提供する。
本発明の特徴である、翼体(11)(12)、翼体の延長部(3)(4)、緩衝体(5)、分立ひも(9)、斜め開口部を持つ前開き口(6)、前身頃(1)(2)、後身頃(7)、股下マチ(18)から構成されるトランクスについて、図を参照にしながら説明する。翼体の脚部(17)にあたる部分で、股下マチ(18)縫合部から大腿前面隅角部までの範囲で、男性器が内股と接触する位置に相当する領域である、大腿内側面やや前方あたりで、前後に走る股下中心線から測って最大で14cmの裾丈巾を確保し、両側に向かって次第に丈が短くなるような形状の延長部(3(4))を備えた翼体(11)(12)。前開き口(6)を10度程開口部を傾斜させるため、見返しは縦の長さ18cm、巾を3.5cmの幅狭の平行四辺形を内外二枚用意する。さらに、緩衝体(5)は縦15cm、巾6.5cmの面取りした長方形とし、緩衝体の前端を前開き口下端と、後端を股下マチ前端、左右の端を翼体内側の端とをそれぞれ縫合する。
さらに、斜めに打ち合わせるために裁断した左右前身頃(1)(2)、後身頃(7)、股下マチ(18)を縫合してトランクスは完成する。縫い合わせの順序に決まりはない。本発明の特徴として、着用時の見栄えを良くするために、前身頃と緩衝体と翼体と前開き口との縫い目を左右対称なアーチ型に仕上げ、安定感を持たせる。トランクスの便利さは、開放感があり、ウエスト部を上下することで、履き心地を調節できる点があげられる。
最後に、図4に示すように、トランクス内側の緩衝体(5)の上端に、緩衝体を跨ぐ形で長さ7.5cmの分立ひもを取り付ける。この際、上縁はぴんと張らずに多少緩めに設定する。その緩められている分立ひも上縁部(10)に亀頭(15)をひっかける形で亀頭が支えられ、位置が安定する。これにより陰茎と陰嚢が密着せず、近すぎず、離れすぎず適度の距離が保たれ(プライベート・ディスタンス)、接触による不快感がなくなり、通気性の良い、開放感のある本発明のトランクスとなる。
寸法: 総丈 31cm、裾幅 31cm、ゴム仕上がり寸法70cm(ゴム巾3cm)、胴回り84〜94cmの人向けである。
以上の説明は、本発明の一例であり、特許請求の範囲の記載事項を限定するものではない。
1 左前身頃
2 右前身頃
3 翼体の左延長部 (左延長帯)
4 翼体の右延長部 (右延長帯)
5 緩衝体 (緩衝帯)
6 前開き口
7 後身頃
8 ウエスト部
9 分立ひも (ポケット)
10 分立ひも上縁部 (ポケット上縁部)
11 左翼体 (左股下外側部)
12 右翼体 (右股下外側部)
13 左脚口
14 右脚口
15 亀頭
16 トランクス本体前面
17 脚部
18 股下マチ
産業上の利用分野
昨今の異常気象により夏をはじめとする高温による発汗の影響で、集中力が緩み、作業能率が低下する傾向にある。本発明は、股下の不快感を和らげ、気分よく仕事を行えるよう翼体と翼体の延長部と緩衝体と分立ひもを設けることで、ウエストのゴムの部分を除いて、可及的に皮膚との継続する接触を少なくするための空気層を確保し、開放感と安定感を備えたトランクスに関するものである。

Claims (4)

  1. トランクス脚部における左右内股側の裾丈を延ばすための延長部を有する翼体を設けたことを特徴とするトランクス。
  2. 請求項1記載のトランクスにおいて、トランクスの股下前寄り中央部に、周囲を縫合されてトランクス本体の一部となる緩衝体を設けたことを特徴とするトランクス。
  3. 請求項1ないし2のいずれかに記載のトランクスにおいて、トランクス内側にある前開き口と緩衝体のと縫合境界あたりに、男性器の一部を支えるためのひも又は上方に開放したポケットを設けたことを特徴とするトランクス。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のトランクスにおいて、前開き口の向きを、時計回りに10〜15度傾けた、打ち合わせ方にしたことを特徴とするトランクス。
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