JP2021017222A - 鞍乗り型電気二輪車 - Google Patents

Abstract

【課題】モータ、ギアボックス及び伝達ユニットを備える鞍乗り型電気二輪車において、車両の重量バランスを改善させる。【解決手段】電力から回転動力を生成するモータ２と、モータ２に接続されてモータ２からの出力を変速するギアボックス５と、ギアボックス５から出力された動力を後輪４に伝達する伝達ユニット６とを備えた鞍乗り型電気二輪車であって、伝達ユニット６が、動力を伝達する無端ベルト６ｃを備え、平面視にて、無端ベルト６ｃとギアボックス本体部５ａとの間に後輪４が配置されている。【選択図】図１

Description

本発明は、鞍乗り型電気二輪車に関するものである。

近年、モータを小型二輪車等に搭載し、バッテリ電力によって走行可能とする鞍乗り型電気二輪車が提案されている。例えば、特許文献１には、モータと後輪との間に、モータ出力を変速するギアボックスと、ギアボックスの出力を後輪に伝達する伝達ユニットとを備える構成が開示されている。

特開平８−７２７８０号公報

ところで、上述の特許文献１に開示された電気自動車では、出力軸の軸心が車幅方向に沿って水平となるようにモータが配置されており、このようなモータの出力軸の先端部が平面視にて後輪の一方側に位置されている。また、平面視にて、ギアボックス及び伝達ユニットも、モータの出力軸の先端部と同じ側に配置されている。つまり、特許文献１では、モータの出力軸の先端部が平面視にて後輪の左側に配置されている場合には、ギアユニット及び伝達ユニットの全てが後輪の左側に配置されることになる。

このような特許文献１に示された構成では、平面視にて後輪に対して片側のみに重量物であるギアユニット及び伝達ユニットが配置されており、車両の重量バランスが悪化することになる。

本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、モータ、ギアボックス及び伝達ユニットを備える鞍乗り型電気二輪車において、車両の重量バランスを改善させることを目的とする。

本発明は、上記課題を解決するための手段として、電力から回転動力を生成するモータと、上記モータに接続されて上記モータから出力される動力の回転数を変更するギアボックスと、上記ギアボックスから出力された動力を後輪に伝達する伝達ユニットとを備える鞍乗り型電気二輪車であって、上記伝達ユニットが、上記動力を伝達する無端ベルトを備え、平面視にて、上記無端ベルトと上記ギアボックスの本体部との間に上記後輪が配置されているという構成を採用する。

本発明によれば、平面視にて、後輪の一方側にギアボックスの本体部が配置され、後輪の他方側に伝達ユニットの無端ベルトが配置されている。このため、ギアボックス及び伝達ユニットの全てが後輪の片側のみに配置されている場合と比較して、重心位置が偏ることを防止し、車両の重量バランスを改善させることが可能となる。

本発明の一実施形態における鞍乗り型電気二輪車の後輪を含む模式的な平面図である。

以下、図面を参照して、本発明に係る鞍乗り型電気二輪車の一実施形態について説明する。

図１は、本実施形態の鞍乗り型電気二輪車１の後輪４を含む概略構成を模式的に示す平面図である。この図に示すように、本実施形態の鞍乗り型電気二輪車１は、モータ２と、モータ２等が固定される車体フレーム３、モータ２で生成された回転動力により回転される後輪４、モータ２で生成された回転動力を変速するギアボックス５と、ギアボックス５から出力される動力を後輪４に伝達する伝達ユニット６とを備えている。

また、本実施形態の鞍乗り型電気二輪車１は、他に、後輪４の前方に配置されて鞍乗り型電気二輪車１の走行に伴って従動回転される前輪、モータ２に給電する電力を蓄えるバッテリ、バッテリ電力を変換してモータ２に供給するパワーコントロールユニット等を有している。

モータ２は、モータハウジングの内部に収容されたステータやロータを備えており、供給される電力によってロータを回転させることで回転動力を生成する。このモータ２は、回転動力を出力するためのモータシャフト２ａを備えている。モータ２は、モータシャフト２ａの軸心が車幅方向に沿って水平となるように、車体フレーム３に対して固定されている。

車体フレーム３は、モータ２、後輪４、ギアボックス５、伝達ユニット６等を直接的あるいは間接的に支持している。後輪４は、車体フレーム３に対して回転可能に支持されている。この後輪４は、伝達ユニット６に接続された後輪シャフト４ａを備えており、後輪シャフト４ａに回転動力が伝達されることによって回転される。このような後輪４は、図１に示すように、車幅方向における中央位置Ｌと重なるように配置されている。

ギアボックス５は、ギアボックス本体部５ａと、ギアシャフト５ｂとを備えている。ギアボックス本体部５ａは、モータ２のモータシャフト２ａに固定された第１ギア５ｃと、ギアシャフト５ｂに固定された第２ギア５ｄと、これらの第１ギア５ｃ及び第２ギア５ｄを収容するギアケース５ｅとを備えている。このようなギアボックス５は、モータ２から出力される動力の回転数を変更する。

第１ギア５ｃは、第２ギア５ｄよりも小径の平歯車であり、第２ギア５ｄに噛合されている。第２ギア５ｄは、第１ギア５ｃよりも大径の平歯車である。このようなギアボックス本体部５ａでは、モータシャフト２ａの回転に伴って第１ギア５ｃが回転され、第１ギア５ｃの回転に伴って第２ギア５ｄが回転される。ギアケース５ｅは、例えばモータ２と接続されており、モータ２を介して車体フレーム３に接続されている。

このようなギアボックス本体部５ａは、図１に示すように、中央位置Ｌの左側に配置されており、後輪４の左側に配置されている。つまり、本実施形態においては、ギアボックス本体部５ａは、車幅方向にて後輪４の一方側に配置されている。

ギアシャフト５ｂは、第２ギア５ｄが固定されており、ギアボックス本体部５ａから水平方向に延出されている。ギアシャフト５ｂは、後輪４の左側に配置されたギアボックス本体部５ａから中央位置Ｌ方向（すなわち右方向）に向けて延出されており、先端部が後輪４の右側に位置されている。このようなギアシャフト５ｂは、ギアボックス５にて変速された回転動力を出力する。

伝達ユニット６は、第１プーリ６ａと、第２プーリ６ｂと、無端ベルト６ｃと、を備えている。第１プーリ６ａは、ギアシャフト５ｂの先端部に固定されている。上述のように、ギアシャフト５ｂの先端部は、中央位置Ｌよりも右側に位置されている。このため、第１プーリ６ａも同様に、中央位置Ｌよりも右側すなわち後輪４よりも車幅方向の右側に配置されている。

第２プーリ６ｂは、後輪シャフト４ａに固定されている。これらの第１プーリ６ａと第２プーリ６ｂとは、図１に示すように、中央位置Ｌから同距離に配置されている。この第２プーリ６ｂも、第１プーリ６ａと同様に、中央位置Ｌよりも右側すなわち後輪４よりも車幅方向の右側に配置されている。

無端ベルト６ｃは、第１プーリ６ａと第２プーリ６ｂとに掛け回されており、第１プーリ６ａから第２プーリ６ｂに動力を伝達する。この無端ベルト６ｃは、第１プーリ６ａ及び第２プーリ６ｂと同様に、中央位置Ｌに対して右側に配置されている。つまり、本実施形態において無端ベルト６ｃは、車幅方向にて後輪４の他方側に配置されている。

このような伝達ユニット６では、ギアシャフト５ｂの回転に伴って第１プーリ６ａが回転され、これによって第１プーリ６ａに掛け回された無端ベルト６ｃが回転される。さらに、無端ベルト６ｃが回転されることに伴って第２プーリ６ｂが回転され、これによって後輪４が回転される。つまり、伝達ユニット６は、ギアボックス５から入力された動力を後輪４に対して伝達する。

以上のような本実施形態の鞍乗り型電気二輪車１は、電力から回転動力を生成するモータ２と、モータ２に接続されてモータ２からの出力を変速するギアボックス５と、ギアボックス５から出力された動力を後輪４に伝達する伝達ユニット６とを備えている。さらに、鞍乗り型電気二輪車においては、伝達ユニット６が、動力を伝達する無端ベルト６ｃを備え、平面視にて、無端ベルト６ｃとギアボックス本体部５ａとの間に後輪４が配置されている。

このような本実施形態の鞍乗り型電気二輪車１によれば、平面視にて、後輪４の一方側にギアボックス本体部５ａが配置され、後輪の他方側に伝達ユニット６の無端ベルト６ｃが配置されているため、ギアボックス５及び伝達ユニット６の全てが後輪４の片側のみに配置されている場合と比較して、重心位置が偏ることを防止し、車両の重量バランスを改善させることが可能となる。

以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。

例えば、上記実施形態においては、ギアボックス５が２つのギア（第１ギア５ｃ及び第２ギア５ｄ）を備える構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、ギアボックス５におけるギアの数は変更可能である。

また、上記実施形態においては、中央位置Ｌの左側にギアボックス本体部５ａが配置され、中央位置Ｌの右側に無端ベルト６ｃが配置された構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、中央位置Ｌの右側にギアボックス本体部５ａが配置され、中央位置Ｌの左側に無端ベルト６ｃが配置された構成を採用することも可能である。

また、上記実施形態においては、上記実施形態におけるモータ２の配置姿勢は一例である。本発明においては、モータ２の配置姿勢を変更した構成を採用することも可能である。

１……鞍乗り型電気二輪車、２……モータ、２ａ……モータシャフト、３……車体フレーム、４……後輪、４ａ……後輪シャフト、５……ギアボックス、５ａ……ギアボックス本体部、５ｂ……ギアシャフト、５ｃ……第１ギア、５ｄ……第２ギア、５ｅ……ギアケース、６……伝達ユニット、６ａ……第１プーリ、６ｂ……第２プーリ、６ｃ……無端ベルト、Ｌ……中央位置

Claims (1)

1. 電力から回転動力を生成するモータと、前記モータに接続されて前記モータから出力される動力の回転数を変更するギアボックスと、前記ギアボックスから出力された動力を後輪に伝達する伝達ユニットとを備える鞍乗り型電気二輪車であって、
   前記伝達ユニットは、前記動力を伝達する無端ベルトを備え、
   平面視にて、前記無端ベルトと前記ギアボックスの本体部との間に前記後輪が配置されている
   ことを特徴とする鞍乗り型電気二輪車。

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