JP2021016445A - 側彎矯正装具 - Google Patents
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Abstract
【課題】作製の容易化を図りつつ、品質の安定化ひいては向上にも資する側彎矯正装具を提供すること。【解決手段】骨盤支持体1と、該骨盤支持体1から上方に向かって延びる支柱体2と、該支柱体2に対しその取付位置を変更可能かつ着脱自在に取り付けられる矯正体3A〜3Cとを具備し、前記矯正体3B、3Cは、ベース板11と、該ベース板11の前方に配され、一端側が該ベース板11又は前記支柱体2に固定され、他端側は自由端となっている可撓板12と、前記ベース板11を前後に貫き、その前後方向の位置調整が可能であり、かつ、前端が前記可撓板12における一端部以外の位置に当接可能に臨む調整部材13とを有している。【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、比較的軽度(Cobb角が30度未満)の側彎症の矯正に用いて好適な側彎矯正装具に関する。
従来の側彎矯正装具は、着用者(側彎症の患者)ごとに石膏で型を取り、これを利用して側彎矯正装具の本体プレートを製作した後、着用者に装着する仮合わせを行い、その結果を踏まえて本体プレートに取り付ける各部材の最終調整を行う、といった段階を経て完成する。
上記従来の側彎矯正装具の完成までに、着用者は、石膏での型取り、仮合わせ、最終調整の各作業の都度、その作業場所に出向く必要がある上、石膏での型取りには時間が掛かり、作業者の熟練度等によって品質に大きな差が生じかねないという問題がある。
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、作製の容易化を図りつつ、品質の安定化ひいては向上にも資する側彎矯正装具を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る側彎矯正装具は、骨盤支持体と、該骨盤支持体から上方に向かって延びる支柱体と、該支柱体に対しその取付位置を変更可能かつ着脱自在に取り付けられる矯正体とを具備した(請求項1)。
上記側彎矯正装具において、前記矯正体は、ベース板と、該ベース板の前方に配され、一端側が該ベース板又は前記支柱体に固定され、他端側は自由端となっている可撓板と、前記ベース板を前後に貫き、その前後方向の位置調整が可能であり、かつ、前端が前記可撓板における一端部以外の位置に当接可能に臨む調整部材とを有していてもよい(請求項2)。
上記側彎矯正装具において、前記骨盤支持体は、着用者の骨盤の後方及び側方を覆い前方を開放する横断面略C字状を呈し、また、前記骨盤支持体には骨盤支持バンドが付設され、該骨盤支持バンドは、前記骨盤の前方を覆うように前記骨盤支持体の左右の一方から他方に架け渡され、かつ、その架け渡される部分に、着用者の上前腸骨棘を左右から挟み込むように構成されたクッション部材が設けられていてもよい(請求項3)。
本願発明では、作製の容易化を図りつつ、品質の安定化ひいては向上にも資する側彎矯正装具が得られる。
すなわち、本願の各請求項に係る発明の側彎矯正装具では、上記従来の側彎矯正装具では必須の石膏での型取りを不要とし、矯正体の取付位置等の調整を行うだけで仕上がるので、作製が極めて容易である上、作業の熟練度合いによって品質が左右されるということもなく、品質が安定し、ひいては品質の向上を図ることも可能・容易となる
請求項2に係る発明の側彎矯正装具では、調整部材を調整することにより、着用者の症状(胸椎カーブ、腰椎カーブの大小)等に応じて適した矯正力を付加することが可能となる。
請求項3に係る発明の側彎矯正装具では、クッション部材により着用者の左右の上前腸骨棘を挟み込むことにより、着用状態の装具が着用者の体軸まわりに回転することを確実に防止することができる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら以下に説明する。
図1〜図6に示す装具は、アンダーアーム型、前開き(フロントオープン)タイプで夜間用の側彎矯正装具であり、図2及び図4に示すように、骨盤支持体1と、この骨盤支持体1の後部から上方に向かって延びる支柱体(支持板8、ブリッジ9を組んで構成)2と、この支柱体2に取り付けられる複数(本例では三つ)の矯正体3(3A〜3C)とを具備する。
図4に示すように、骨盤支持体1の前面には面ファスナーによってパッドP1を着脱自在に装着可能であり、矯正体3A〜3Cの前面にも面ファスナーによってそれぞれパッドP2〜P4を着脱自在に装着可能である。
また、図4に示すように、三つの矯正体3の一つ(本例では矯正体3C)には、上部支持バンド4の一端部を連結し、図5に示すように、他の二つの矯正体(本例では矯正体3A,3B)には、上部支持バンド4を通すためのバンドループ5を設けてある。本例では、図1及び図3に示すように、矯正体3Cに一端部が連結された上部支持バンド4の他端側を矯正体3Bのバンドループ5に通し、続いて矯正体3Aのバンドループ5に通して折り返し、その折り返した部分を面ファスナーにより上部支持バンド4自体に固定可能としてあり、その固定箇所を上部支持バンド4の長手方向に変更することにより、上部支持バンド4の締め付け度合いを調整することができる。
一方、図4に示すように、骨盤支持体1は、着用者の骨盤の後方及び側方を覆い前方を開放する横断面略C字状を呈し、また、骨盤支持体1には骨盤支持バンド6の一端部を付設し、この骨盤支持バンド6は、着用者の骨盤の前方を覆うように骨盤支持体1の左右の一方から他方に架け渡すことができるように構成してある。本例では、図1及び図3に示すように、骨盤支持体1の左右の一方に骨盤支持バンド6を連結し、他方にこの骨盤支持バンド6を通すためのバンドループ7を設け、骨盤支持バンド6をバンドループ7に通して折り返し、その折り返した部分を面ファスナーにより骨盤支持バンド6自体に固定可能としてあり、その固定箇所を骨盤支持バンド6の長手方向に変更することにより、骨盤支持バンド6の締め付け度合いを調整することができる。
このように構成された装具は、上部支持バンド4及び骨盤支持バンド6を外して装具の前方を開放した状態で着用者の体幹に沿わせ、各バンド4,6をそれぞれバンドループ5,7に通して適宜に締め付けることで装着することができ、この装着状態では、図1に示すように、上三つのパッドP2〜P4による三点支持の原理により、胸椎カーブの矯正機能が発揮され、このうち下二つのパッドP3,P4とその下方にあるパッドP1とによる三点支持の原理により、腰椎カーブの矯正機能が発揮される。
つまり、本例の装具は、胸椎及び腰椎矯正用の装具であり、図1に示すように、パッドP2、P4を着用者の左右の一方(図示例では左側)において上下に離し、パッドP3を着用者の左右の他方(図示例では右側)においてパッドP2,P4の中間高さ位置に配し、パッドP2〜P4がそれぞれ腋窩、胸部、腰部に当接するように構成する。
そして、本例では、パッドP2〜P4を支持する矯正体3の位置調整が可能となるように、支柱体2に対し、矯正体3を着脱自在とし、かつ、その取付位置を変更可能としてある。詳述すると、まず、図2及び図6に示すように、各矯正体3が取り付けられる支柱体2は、骨盤支持体1の背面に連結され上下に延びる2本の支持板8と、左右に間隔をおいて相互に略平行に延びる2本の支持板8の上部どうしを繋ぐブリッジ9とを有する。これに対し、矯正体3A、3Cは、一方の支持板8に対して上下に間隔をおいて取り付け、矯正体3Bは他方の支持板8に対して矯正体3Aと3Cの間の高さ位置となるように取り付けるのであり、支持板8に対する各矯正体3の取り付けは、支持板8に上下方向(長手方向)に等間隔に設けた複数のねじ穴10と、矯正体3に係合する状態で各ねじ穴10に解除可能にねじ結合するねじ部材(図示していない)とを用いて行う。これにより、各矯正体3は支柱体2(支持板8)に着脱自在で、かつ、その取付位置を上下方向に変更可能となる。ここで、各矯正体3を支持板8にある二か所以上のねじ穴を用いて取り付けることにより、矯正体3の状態安定化を図ることができる。
このように、本例の装具では、支持板8(支柱体2)に対する矯正体3の取付位置を上下方向に変更可能としたことにより、例えば着用者の体形の違いに応じて、あるいは同じ着用者でもその成長に応じて矯正体3の取付位置を変えるといったことが可能となり、汎用性等を高めることができる。また、上記従来の側彎矯正装具では必須の石膏での型取りを不要とし、矯正体3の取付位置等の調整を行うだけで仕上がるので、作製が極めて容易である上、作業の熟練度合いによって品質が左右されるということもなく、品質が安定し、ひいては品質の向上を図ることも可能・容易となる。
また、図7に示すように、本例の矯正体3B,3Cは、支柱体2(支持板8)に取り付けられ、剛性を有するベース板11と、ベース板11の前方に配され、一端側がベース板11又は支柱体2(支持板8)にねじ止め等の適宜の手段により固定され、他端側は自由端となっている可撓板12と、ベース板11を前後に貫き、その前後方向の位置調整が可能であり、かつ、前端が可撓板12における一端部以外の位置(例えば中央部)に当接可能に臨む調整部材13とを有する。なお、本例では、調整部材13は例えば全ねじボルトであり、この調整部材13に螺合する雌ねじを有するガイド部材14がベース板11の前面側に適宜の手段により固定され、調整部材13はベース板11とガイド部材14とを前後に貫くように構成されている。
そして、調整部材13を前進させる(前方への突出量が大きくなるように調整する)と、相対的にベース板11より剛性が低く、撓み易くなっている可撓板12が調整部材13によって押圧されて前方に撓み、この可撓板12の前面に例えば面ファスナーによって着脱自在に装着されるパッドP3、P4がそれだけ着用者の体幹に強く当接することになり、その矯正力(押圧力)が増大することになる。逆に、調整部材13を後退させれば、矯正力は減少する。従って、本例の装具は、調整部材13を調整することにより、着用者の症状(胸椎カーブ、腰椎カーブの大小)等に応じて適した矯正力を付加することが可能である。
さらに、本例では、骨盤支持バンド6において、着用者の骨盤の前方を覆うように骨盤支持体1の左右の一方から他方に架け渡される部分に、左右の上前腸骨棘をそれぞれ左右から挟み込むように構成された二つのパッドP5(図1〜図4参照)を設けてある。具体的には、骨盤支持バンド6の背面に例えば面ファスナーによってパッドP5を着脱自在に装着可能としてあり、パッドP5は、図8に示すように、着用者の体に当接する側の面の左右方向中央に溝15を有し、この溝15に当接させた上前腸骨棘を左右から挟み込むように構成してある。
従って、本例の装具では、パッドP5により着用者の左右の上前腸骨棘を挟み込むことにより、着用状態の装具が着用者の体軸まわりに回転することを確実に防止することができる。
そして、本例の装具の各部品の素材は、上述した各効果を奏することのできる強度等を有するものを適宜に選べばよいが、特に、この装具を装着した状態でレントゲン撮影をしたときにエックス線の透過をなるべく妨げないものが好ましく、例えば、骨盤支持体1、支柱体2、矯正体3には、強度及びエックス線透過性を備えているという点で、熱可塑性樹脂や強化プラスチック等を用いることが好ましいと考えられる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
例えば、上記実施の形態では、クッション部材の一例としてパッドP1〜P5を用いているが、これらの代わりに、クッション性を有する他のクッション部材を用いるようにしてもよい。
上記実施の形態では、骨盤支持体1、矯正体3及び骨盤支持バンド6に対し、パッドP1〜P5を着脱自在に取り付けるために面ファスナー(雌雄の面ファスナーによる係止構造)を採用してあり、これにより、取付状態の各パッドP1〜P5の位置の微調整を行い易くしてあるが、これに限らず、他の取付手段を用いるようにしてもよい。
上記実施の形態では、例えば図2に示すように、各支持板8において複数のねじ穴10を一列に並べてあるため、パッドP2〜P4の取付位置は上下方向にのみ変更可能となっているが、これに限らず、各支持板8に複数のねじ穴10を複数列に並べ、パッドP2〜P4の取付位置を上下方向及び左右方向に変更可能としてもよい。また、支柱体2は、二つの支持板8とブリッジ9とを有するものに限らず、例えば図9に示すように、一つのプレート体によって構成してあってもよい。なお、図9に示す支柱体2には、ねじ穴10を左右両側にそれぞれ3列ずつ設けてある。
上記実施の形態では、矯正体3B,3Cに図6の構成、すなわち調整部材13等からなる調整機構を採用し、矯正力の調整を可能としてあるが、斯かる調整機構を矯正体3Aや骨盤支持体1にも設けるようにしてもよく、逆に不要であれば、斯かる調整機構を矯正体3B、3Cに設けないようにしてもよい。
上記実施の形態では、胸椎カーブ及び腰椎カーブの矯正用としてあるが、いずれか一方のみの矯正用(シングルカーブ用)としてもよく、例えば胸椎カーブのみを矯正する場合には矯正体3Cを省略し、腰椎カーブのみを矯正する場合には矯正体3Bを省略するなど、矯正部位に応じて用いる矯正体3を減らしてもよい。
骨盤支持体1、各矯正体3につき、サイズ、形状等が異なる複数種類を用意し、着用者の症状や体形等に応じて適切なものを選択して用いるようにしてもよい。
なお、本明細書で挙げた変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
1 骨盤支持体
2 支柱体
3 矯正体(3A〜3C)
4 上部支持バンド
5 バンドループ
6 骨盤支持バンド
7 バンドループ
8 支持板
9 ブリッジ
10 ねじ穴
11 ベース板
12 可撓板
13 調整部材
14 ガイド部材
15 溝
P パッド(P1〜P5)
2 支柱体
3 矯正体(3A〜3C)
4 上部支持バンド
5 バンドループ
6 骨盤支持バンド
7 バンドループ
8 支持板
9 ブリッジ
10 ねじ穴
11 ベース板
12 可撓板
13 調整部材
14 ガイド部材
15 溝
P パッド(P1〜P5)
Claims (3)
- 骨盤支持体と、
該骨盤支持体から上方に向かって延びる支柱体と、
該支柱体に対しその取付位置を変更可能かつ着脱自在に取り付けられる矯正体とを具備した側彎矯正装具。 - 前記矯正体は、
ベース板と、
該ベース板の前方に配され、一端側が該ベース板又は前記支柱体に固定され、他端側は自由端となっている可撓板と、
前記ベース板を前後に貫き、その前後方向の位置調整が可能であり、かつ、前端が前記可撓板における一端部以外の位置に当接可能に臨む調整部材とを有する請求項1に記載の側彎矯正装具。 - 前記骨盤支持体は、着用者の骨盤の後方及び側方を覆い前方を開放する横断面略C字状を呈し、
また、前記骨盤支持体には骨盤支持バンドが付設され、該骨盤支持バンドは、前記骨盤の前方を覆うように前記骨盤支持体の左右の一方から他方に架け渡され、かつ、その架け渡される部分に、着用者の上前腸骨棘を左右から挟み込むように構成されたクッション部材が設けられている請求項1または2に記載の側彎矯正装具。
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JP2019132345A JP2021016445A (ja) | 2019-07-18 | 2019-07-18 | 側彎矯正装具 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113499180A (zh) * | 2021-06-25 | 2021-10-15 | 西安交通大学 | 一种脊柱侧凸矫形器及其制造方法 |
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-
2019
- 2019-07-18 JP JP2019132345A patent/JP2021016445A/ja active Pending
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