以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1Aは、本実施形態に係る液位計の模式図である。図1Aに示すように、本実施形態に係る液位計1は、配管100の内部の液体Lの液位を測定する装置である。液位計1は、音波E0を配管100に向けて出力する。音波E0は、配管100内の液体L中を通り、液体Lの液面LAで反射し、反射波Eとして液位計1に到達する。液位計1は、この音波E0の液面LAでの反射波Eを検出することで、液体Lの液位を測定する。液面LAとは、配管100内における液体Lと気相との界面である。液位とは、配管100内における液体Lの液位(水位)であり、配管100の底面から液面LAまでの間の長さ(高さ)である。配管100の底面とは、配管100の鉛直方向における下方側の面である。なお、本実施形態においては、配管100は、原子力設備の配管であるが、原子力設備に限られず任意の設備の配管であってよい。また、液位計1は、配管100内の液体Lの液位を測定することに限られず、容器など、内部に液体Lが存在する物体における液位を測定するものであればよい。また、液体Lは、例えば水であるが、水であることに限られず任意の液体であってよい。
液位計1は、超音波トランデューサ10と、温度センサ12と、制御装置14とを備える。超音波トランデューサ10は、配管100の外周面に取付けられ、さらに言えば、配管100の底面側の外周面に取付けられる。超音波トランデューサ10は、音波E0を発信する発信部10Aと、反射波Eを受信する受信部10Bとを備える。音波E0は、本実施形態では、超音波である。本実施形態では、発信部10Aと受信部10Bとが一体で超音波トランデューサ10を構成しているが、発信部10Aと受信部10Bとが別体であってもよい。温度センサ12は、温度を測定するセンサであり、配管100の外周面に取付けられる。温度センサ12は、配管100の外周面を測定するが、配管100の内部の液体Lの温度を測定するともいえる。なお、温度センサ12は必須の構成でない。例えば温度センサ12を設けず、オペレータが温度を測定して、温度の測定結果を制御装置14に入力することで、制御装置14が温度の情報を取得してもよいし、制御装置14が温度の情報自体を用いなくてもよい。
図1Bは、本実施形態に係る液位計の他の例を示す模式図である。温度センサ12の取付け位置は、図1Aに示したものに限られない。例えば図1Bに示すように、温度センサ12は、配管100の内部に挿入されていてもよい。具体的には、図1Bの例では、保護管(ウェル)12Aが、配管100内に挿入された状態で固定されており、保護管12A内に、温度センサ12が設けられている。すなわち、温度センサ12は、配管100内の液体Lの温度を測定するものであれば、取付け位置は任意であってよい。また、超音波トランデューサ10も、配管100内の液体Lの液位を検出可能であれば、取付け位置は任意であってよい。
制御装置14は、液位計1を制御する装置である。制御装置14は、超音波トランデューサ10を制御して発信部10Aに音波E0を発信させ、受信部10Bに反射波Eを検出させる。また、制御装置14は、温度センサ12に温度を測定させて、温度の測定結果を取得する。なお、制御装置14は、超音波トランデューサ10及び温度センサ12に配線Cで接続されて、配線Cを介して、すなわち有線による通信で、情報の送受信を行っている。ただし、制御装置14は、超音波トランデューサ10及び温度センサ12に配線Cで接続されることなく、無線通信で超音波トランデューサ10及び温度センサ12と情報の送受信を行ってもよい。
図2は、本実施形態に係る制御装置のブロック図である。図2に示すように、制御装置14は、コンピュータであり、入力部20と、出力部22と、記憶部24と、制御部26とを備える。入力部20は、例えばマウスやキーボードなど、ユーザの操作を受け付ける機構である。出力部22は、情報を出力する機構であり、例えば情報を表示する表示部(表示装置)である。また、出力部22は、例えば音声を出力するスピーカを備えてもよい。記憶部24は、制御部26の演算内容やプログラムの情報などを記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つを含む。
制御部26は、演算装置、すなわちCPU(Central Processing Unit)である。制御部26は、トランデューサ制御部30と、温度取得部32と、液位測定部34と、液位情報出力部36と、通知制御部38とを有する。トランデューサ制御部30と、温度取得部32と、液位測定部34と、液位情報出力部36と、通知制御部38とは、制御部26が記憶部24に記憶されたソフトウェア(プログラム)を読み出すことで実現されて、後述する処理を実行する。
トランデューサ制御部30は、超音波トランデューサ10を制御して、発信部10Aに音波E0を発信させる。トランデューサ制御部30は、例えば、所定の時間毎に、発信部10Aに音波E0を発信させる。また、トランデューサ制御部30は、超音波トランデューサ10を制御して、受信部10Bに反射波Eを受信させる。
温度取得部32は、温度センサ12による配管100内の液体Lの温度の測定結果を取得する。
液位測定部34は、受信部10Bが受信した反射波Eに基づき、より具体的には後述する第1反射波E1Aと第2反射波E2Aとに基づき、配管100内における液体Lの液位を測定する。液位測定部34は、反射波抽出部40と、情報値算出部42と、液位算出部44とを有する。
図3及び図4は、反射波を説明するための模式図である。図5は、受信部による反射波の受信状態の例を説明するグラフである。反射波抽出部40は、受信部10Bが受信した反射波Eのうちから、液体Lの液位の算出に使用する反射波Eを抽出(選定)する。ここで、受信部10Bは、複数の反射波Eを、それぞれ異なるタイミングで受信する。例えば、図3に示すように、発信部10Aからの音波E0は、所定のわずかな放射角をもって液面LAに照射される。従って、発信部10Aからの音波E0は、液面LAの所定面積内に、すなわち液面LAの面内において異なる位置に、照射される。液面LAの面内において異なる位置に照射された音波E0は、それぞれの位置で反射されて、反射波Eとして受信部10Bに到達する。液面LAの異なる位置で反射された反射波Eは、進行する経路長が互いに異なる。従って、液液面LAの異なる位置で反射された反射波Eは、それぞれ異なるタイミングで受信部10Bに到達し、受信部10Bは、液面LAの異なる位置で反射された反射波Eのそれぞれを、異なるタイミングで受信する。従って、図5の破線に示すように、受信部10Bが受信する反射波Eは、受信部10Bへの到達時間が遅延した超音波が重畳した形状を成すため、時間幅を有した形状となる。
また、液面LAで反射される回数が異なる反射波Eも存在する。図4の(A)に示すように、発信部10Aから発信された音波E0は、液面LAで反射されて、第1反射波E1として受信部10Bに到達する。すなわち、第1反射波E1は、液面LAに1回反射された反射波Eである。また、図4の(B)に示すように、発信部10Aから発信された音波E0は、液面LAで反射されて、配管100の底面側の内周面に到達し、その内周面で反射され、再度液面LAに到達するものもある。液面LAに到達した反射波Eは、液面LAで再度反射されて、第2反射波E2として受信部10Bに到達する。すなわち、第2反射波E2は、液面LAに2回反射された反射波Eである。第1反射波E1の経路長と、第2反射波E2の経路長とは互いに異なるため、それぞれ異なるタイミングで受信部10Bに到達し、受信部10Bは、第1反射波E1と第2反射波E2とを、異なるタイミングで受信する。また、液面LAに3回以上反射する反射波Eもあり、そのような反射波Eを受信部10Bが取得する場合もある。受信部10Bは、このように液面LAでの反射回数が異なる反射波Eを、異なるタイミングで受信する。
なお、本実施形態においては、第1反射波E1を、液面LAで1回反射された反射波Eとし、第2反射波E2を、液面LAで2回反射された反射波Eとしている。ただし、第1反射波E1と第2反射波E2とは、液面LAでの反射回数が1回及び2回のものに限られない。第1反射波E1と第2反射波E2とは、同じタイミングで発信された音波E0の反射波であり、異なるタイミングで受信部10Bに受信された反射波であればよく、さらに言えば、液面LAでの反射回数が互いに異なるものであればよい。
このように、受信部10Bは、異なるタイミングで複数の反射波Eを受信するため、例えば図5に示すように、時間毎に反射波Eを受信する。図5に示すように、受信部10Bは、異なるタイミングで複数の第1反射波E1を検出する。それぞれの第1反射波E1は、液面LAで反射される回数は1回で共通するが、液面LAの異なる位置で反射された反射波であるため、受信部10Bに受信されるタイミングが異なる。同様に、受信部10Bは、異なるタイミングで複数の第2反射波E2を検出する。それぞれの第2反射波E2は、液面LAで反射される回数は2回で共通するが、液面LAの異なる位置で反射された反射波であるため、受信部10Bに受信されるタイミングが異なる。また、第1反射波E1同士や第2反射波E2同士の受信タイミングのずれよりも、第1反射波E1と第2反射波E2との間の受信タイミングのずれの方が大きい。従って、第1反射波E1が最後に受信されてから所定時間が経過した後に、最初の第2反射波E2が受信される。なお、図5は、受信部10Bが受信する反射波Eの一例であり、実際に受信部10Bが受信する反射波Eは、図5に限定されるものではない。
反射波抽出部40は、このように異なるタイミングで受信部10Bに受信された反射波Eの情報を取得して、異なるタイミングで受信部10Bに受信された反射波Eのうちから、液体Lの液位を算出するための反射波Eを抽出する。反射波抽出部40は、複数の第1反射波E1のうちの1つの第1反射波E1Aと、複数の第2反射波E2のうちの1つの第2反射波E2Aとを、液体Lの液位を算出するための反射波Eとして抽出する。第1反射波E1Aは、本実施形態では、複数の第1反射波E1のうち最も早いタイミングで受信部10Bに受信された第1反射波E1である。同様に、第2反射波E2Aは、本実施形態では、複数の第2反射波E2のうち最も早いタイミングで受信部10Bに受信された第2反射波E2である。ただし、第1反射波E1Aと第2反射波E2Aとは、それぞれ複数の第1反射波E1と第2反射波E2とのうちの1つであれば、最も早いタイミングで受信されたものに限られない。
なお、本実施形態では、トランデューサ制御部30は、発信部10Aが音波E0を発信したタイミングt0から予め設定したタイミングtxまで、受信部10Bに音波(反射波E)を受信させる。また、トランデューサ制御部30は、第2反射波E2Aを受信した時点で受信部10Bに受信を終了させてよい。反射波抽出部40は、受信部10Bが受信した音波(反射波E)の情報を取得して、発信部10Aが音波E0を発信したタイミングt0の後に、最初に受信部10Bが検出した音波(反射波E)を、第1反射波E1Aとして抽出する。そして、反射波抽出部40は、受信部10Bが最初に波(第1反射波E1A)を検出したタイミングt1から不感帯時間Δtxが経過するまでの間に、受信部10Bが検出した波(反射波E)を、除外する。すなわち、反射波抽出部40は、タイミングt1から不感帯時間Δtxが経過するまでの間に受信部10Bが検出した波(反射波E)を液体Lの液位を算出するための反射波Eとしない。また、反射波抽出部40は、タイミングt1から不感帯時間Δtxが経過した後に、最初に受信部10Bが検出した波(反射波E)を、第2反射波E2Aとして抽出する。反射波抽出部40は、第2反射波E2Aを検出したタイミングt2から不感帯時間Δtxが経過するまでの間に、受信部10Bが検出した波(反射波E)を、除外する。なお、不感帯時間Δtxの長さは、任意に設定してよいが、例えば、液面LAでの反射回数が同じであるが液面LAで様々な角度に反射された反射波Eの受信が終了する時間より長く、かつ、反射回数が1回多い反射波Eの受信が始まるまでの時間より短い時間に設定されることが好ましい。
また、反射波抽出部40は、受信部10Bが検出した波の強度が、例えば強度閾値Kよりも強度が低い場合は、その波を、液体Lの液位を算出するための反射波Eとしない。また、強度閾値Kも、任意に設定してよいが、例えば図5に示すように、時間経過に応じて値が小さくなるように設定されることが好ましい。また、液面LAの状態などにより反射波Eの強度が小さく、第1反射波E1Aと第2反射波E2Aとが検出できなかった場合、検出できなかったことを識別するためにあらかじめ決定した値が、第1反射波E1Aが受信されたタイミングt1及び第2反射波E2Aが受信されたタイミングt2として、入力されてよい。
図2に示す情報値算出部42は、反射波抽出部40が抽出した第1反射波E1Aと第2反射波E2Aとの情報を取得して、第1情報値G1と第2情報値G2とを算出する。具体的には、情報値算出部42は、第1反射波E1Aと第2反射波E2Aとの情報として、発信部10Aが音波E0を発信したタイミングt0と、受信部10Bが第1反射波E1Aを検出したタイミングt1と、受信部10Bが第2反射波E2Aを検出したタイミングt2と、の情報を取得する。そして、情報値算出部42は、受信部10Bが第1反射波E1Aを検出したタイミングt1と発信部10Aが音波E0を発信したタイミングt0との差分を、第1時間Δt1として算出する。第1時間Δt1は、音波E0の発信から第1反射波E1Aの受信までの間の時間であるといえる。また、情報値算出部42は、受信部10Bが第2反射波E2Aを検出したタイミングt2と受信部10Bが第1反射波E1Aを検出したタイミングt1の差分を、第2時間Δt2として算出する。第2時間Δt2は、第1反射波E1Aの受信から第2反射波E2Aの受信までの間の時間であるといえる。
情報値算出部42は、第1時間Δt1に基づいて第1情報値G1を算出し、第2時間Δt2に基づいて第2情報値G2を算出する。本実施形態では、第1情報値G1は、第1反射波E1A(第1時間Δt1)に基づいて算出される液体Lの液位であり、第2情報値G2は、第2反射波E2A(第2時間Δt2)に基づいて算出される液体Lの液位である。ただし、第1情報値G1と第2情報値G2とは、液体Lの液位であることに限られない。例えば、第1情報値G1は、第1反射波E1Aが液体Lの底面から液面LAまでを1往復した時間であってもよいし、第2情報値G2は、第2反射波E2Aが液体Lの底面から液面LAまでを2往復した時間であってもよい。すなわち、第1情報値G1は、第1反射波E1Aに基づいた、液体Lの液位に関する値であるといえ、第2情報値G2は、第2反射波E2Aに基づいた、液体Lの液位に関する値であるといえる。
本実施形態では、情報値算出部42は、第1時間Δt1と、液体L中における音波E0の速度Vとに基づき、第1時間Δt1に基づいた液位である第1情報値G1を算出する。より詳しくは、情報値算出部42は、以下の式(1)に示すように、第1時間Δt1と、液体L内以外を通った時間を示す時間Δt0と、速度Vとに基づき、第1情報値G1を算出する。
G1=(Δt1−Δt0)・V/2 ・・・(1)
ここで、第1時間Δt1は、音波E0が発振されてから第1反射波E1Aが受信されるまでの時間であるため、液体L内を1往復した時間に加え、配管100や超音波トランデューサ10の筐体など、液体L内以外を通った時間を含む。時間Δt0は、音波E0及び反射波Eが、配管100や超音波トランデューサ10の筐体など、音波が液体L内以外を通った時間を示す。従って、式(1)に示すように、第1時間Δt1から時間Δt0を差し引くことで、音波が液体L内を1往復した時間が算出され、その値に速度Vを乗じて2で除することで、第1時間Δt1に基づいた液位である第1情報値G1が算出される。なお、時間Δt0は、情報値算出部42により、タイミングt1及びタイミングt2に基づき算出される。例えば、時間Δt0は、(t1−(t2−t1)として算出される。また、時間Δt0は、タイミングt1及びタイミングt2に基づき算出されることに限られず、例えば、予め液体L内以外を通った時間の設定値として設定された値であってもよい。また、速度Vは、液体L中における音波E0の速度として予め設定された値であるが、温度取得部32が取得した、温度センサ12による配管100内の液体Lの温度の測定結果に基づき、補正されてもよい。なお、速度Vは、反射波Eの速度であるともいえる。
また、情報値算出部42は、第2時間Δt2と、液体L中における音波E0の速度Vとに基づき、第2時間Δt2に基づいた液位である第2情報値G2を算出する。より詳しくは、情報値算出部42は、以下の式(2)に示すように、第2時間Δt2と速度Vを乗じた値に基づき、第2情報値G2を算出する。
G2=Δt2・V/2 ・・・(2)
第2時間Δt2は、第2反射波E2Aを検出したタイミングt2と第1反射波E1Aを検出したタイミングt1との差分であり、例えば図4の(B)の経路から図4の(A)の経路を引いた経路を進む時間に該当するため、反射波Eが液体L内を1往復した時間であるといえる。従って、第2時間Δt2に速度Vを乗じて2で除することで、第2時間Δt2に基づいた液位である第2情報値G2が算出される。
情報値算出部42は、以上のように第1情報値G1と第2情報値G2とを算出する。ここで、発信部10Aは、異なるタイミングで音波E0を複数回発信し、受信部10Bは、音波E0が発信される毎に、すなわち異なるタイミングで発信された音波E0のそれぞれについての、反射波Eを取得する。従って、反射波抽出部40は、音波E0が発信される毎に、すなわち異なるタイミングの音波E0毎に、第1反射波E1Aと第2反射波E2Aとを抽出する。情報値算出部42は、音波E0が発信される毎に、すなわち異なるタイミングの音波E0毎に、第1情報値G1と第2情報値G2とを算出する。
ここで、受信部10Bは、液面LAの状態、例えば液面LAの揺らぎなどにより、音波E0が乱反射し、反射波Eを安定して受信できない場合がある。また液位計1の周囲環境により、配線Cなどから制御装置14にノイズが重畳した場合、反射波Eを検出すべきところノイズを検出し、正確に液面LAを計測できない状態となる場合もある。それに対し、本実施形態に係る液位計1は、以降で説明する液位算出部44により、第1時間Δt1(第1反射波E1A)に基づいた液位である第1情報値G1と、第2時間Δt2(第2反射波E2A)に基づいた液位である第2情報値G2とに基づき、液体Lの液位を算出する。すなわち、本実施形態に係る液位計1は、反射回数が異なる第1反射波E1Aと第2反射波E2Aとに基づき液位を算出するため、例えば、反射波Eを安定して受信できない場合やノイズが重畳した場合のデータを除外することが可能となり、液位の算出精度の低下を抑制できる。以下、液位算出部44による液位の算出方法について説明する。
図6及び図7は、本実施形態に係る液位の算出方法を説明するフローチャートである。図6に示すように、液位算出部44は、最初に、第1情報値G1と第2情報値G2との差分値を算出する(ステップS10)。すなわち、液位算出部44は、情報値算出部42が算出した第1情報値G1と第2情報値G2とを取得して、第1情報値G1と第2情報値G2との差分値を算出する。差分値は、第1情報値G1と第2情報値G2との差分の絶対値である。液位算出部44は、算出した第1情報値G1と第2情報値G2との差分値が、閾値T以下であるかを判断する(ステップS12)。第1情報値G1と第2情報値G2との差分値が閾値T以下でない場合(ステップS12;No)、すなわち閾値Tより大きい場合、後述の図7に示すステップS30に進む。なお、ここでの閾値Tは、任意に設定されてよいが、例えば、第1情報値G1の2%程度の値であってよい。
第1情報値G1と第2情報値G2との差分値が、閾値T以下である場合(ステップS12;Yes)、液位算出部44は、累計異常回数が第1回数以下であるかを判断する(ステップS13)。ここで、第1情報値G1及び第2情報値G2(ここでは液位)は、音波E0を発信する毎に算出される。累計異常回数とは、液位(第1情報値G1及び第2情報値G2)の測定結果の異常が連続して起こった回数を示す。例えば、第1情報値G1と第2情報値G2との差分値が閾値Tより大きくなった場合に、液位の測定結果が異常と判断される。より具体的には、液位算出部44は、後述の図7のステップS32でNoの場合、又はステップS42でNoの場合に、液位の測定結果が異常であると判断して、累計異常回数のカウント数を1つ増やす。なお、第1回数は、任意に設定された回数、すなわち所定回数であってよい。
累計異常回数が第1回数以下である場合(ステップS13;Yes)、液位算出部44は、第1情報値G1と第2情報値G2とのうち、小さい方の値を、液体Lの液位とする(ステップS14)。すなわち、液位算出部44は、第1情報値G1と第2情報値G2とのうち第1情報値G1が小さい場合は、第1情報値G1を液体Lの液位として設定し、言い換えれば、第1情報値G1を用いて液位を算出する。一方、液位算出部44は、第1情報値G1と第2情報値G2とのうち第2情報値G2が小さい場合は、第2情報値G2を液体Lの液位として設定し、言い換えれば、第2情報値G2を用いて液位を算出する。ただし、液位算出部44は、第1情報値G1と第2情報値G2とのうちの小さい値を液位とすることに限られず、第1情報値G1と第2情報値G2とのうち一方を液位とすればよい。すなわち、液位算出部44は、第1情報値G1と第2情報値G2とを比較して、第1情報値G1と第2情報値G2とのうちの一方を用いて、液位を算出すればよい。言い換えれば、液位算出部44は、第1反射波E1Aと第2反射波E2Aとを比較して、第1反射波E1Aと第2反射波E2Aとのうちの一方を用いて、液位を測定する。
そして、液位算出部44は、過去情報値を更新する(ステップS16)。過去情報値とは、過去に液位を算出した際に用いた第1情報値G1と第2情報値G2とのうちの一方であり、本実施形態では過去に算出された液位である。従って、前回第1情報値G1を用いて液位を算出した場合、過去情報値は、その前回における第1情報値G1となる。液位算出部44は、ステップS16において、ステップS14で用いた第1情報値G1と第2情報値G2とのうちの一方(本実施形態ではステップS14で算出した液位)を、過去情報値として設定することで、過去情報値を更新する。例えばステップS14で第1情報値G1を用いた場合、ステップS16においては、ステップS14で用いた第1情報値G1を、過去情報値として設定する。すなわち、過去情報値は、直近で正常に液位が算出された際の値であるといえる。
そして、液位算出部44は、累計異常回数と累計正常回数とをリセットする(ステップS18)。すなわち、液位算出部44は、累計異常回数と累計正常回数とのカウント数を0にする。累計正常回数とは、警報(後述の図7のステップS52を参照)が通知された場合において、警報を停止するためにカウントされるカウント数である。累計正常回数とは、液位(第1情報値G1及び第2情報値G2)の測定結果が正常であることが連続して起こった回数を示す。例えば、第1情報値G1と第2情報値G2との差分値が閾値T以下になった場合に、液位の測定結果が正常と判断される。より具体的には、液位算出部44は、後述のステップS13でNoの場合に、液位の測定結果が正常であると判断して、累計正常回数のカウント数を1つ増やす。
そして、液位算出部44は、警報が通知中であるかを判断し(ステップS20)、警報が通知中でない場合(ステップS20;No)、本処理を終了し、警報が通知中である場合(ステップS20;Yes)、警報を停止して(ステップS22)、本処理を終了する。なお、警報については、後述の図7のステップS52で説明する。また、ステップS14、S16、S18、S20の順番は、図7で示した順番で実行されることに限られず、順番が入れ替わってもよいし、同時に行われてもよい。また、ここでは、ステップS22の場合、すなわち累積異常回数が第1回数以下または累積正常回数が第2回数以上である場合に、制御部26の制御により警報を停止したが、制御部26の制御によって警報を停止することに限られない。例えば、作業者が点検などの際に警報が通知されていることを認識した場合に、作業者が手動で警報を停止してもよい。
一方、累計異常回数が第1回数以下でない場合(ステップS13;No)、すなわち累計異常回数が第1回数より大きい場合、液位算出部44は、累計正常回数に1を加えて(ステップS24)、累計正常回数のカウント数を1つ増やす。そして、液位算出部44は、累計正常回数が第2回数以上であるかを判断する(ステップS26)。累計正常回数が第2回数以上である場合(ステップS26;Yes)、ステップS14に進み、第1情報値G1と第2情報値G2とのうち、小さい方の値を、液体Lの液位とする。さらに、ステップS16、S18、S20も実行する。従って、累計正常回数が第2回数以上である場合、すなわち差分値が閾値T以下となることが第2回数以上継続した場合には、ステップS22で警報を停止する。なお、第2回数は、任意に設定された回数、すなわち所定回数であってよい。
累計正常回数が第2回数以上でない場合(ステップS26;No)、すなわち累計正常回数が第2回数より小さい場合、液位算出部44は、過去情報値を、液体Lの水位として設定して(ステップS28)、本処理を終了する。すなわち、ステップS28においては、過去情報値を用いて、液体Lの水位を算出する。
ここで、第1情報値G1と第2情報値G2とは、両方とも液位を示す値であるため、測定に異常がない場合、近い値となり、第1情報値G1と第2情報値G2との差分値が閾値T以下(ステップS12でYes)となる傾向にある。図6で示したように、差分値が閾値T以下となった際には、液位算出部44は、累計異常回数が第1回数以下である場合(ステップS13でYesの場合)、すなわち、直近で液位の測定異常が顕著に起きていない場合、今回の測定も正常であると判断して、ステップS14に示すように、第1情報値G1と第2情報値G2とのうちの一方を用いて、液位を設定する。一方、累計異常回数が第1回数より大きい場合であって、累計正常回数が第2回数以上となった場合(ステップS26でYesの場合)、測定異常が過去に起きていたが、測定が安定して正常に戻ったと判断して、ステップS14に示すように、第1情報値G1と第2情報値G2とのうちの一方を用いて、液位を設定する。また、累計異常回数が第1回数より大きい場合であって、累計正常回数が第2回数より小さい場合に(ステップS26でNoの場合)、液位の測定が安定して正常に戻っていないと判断して、ステップS28に示すように、過去情報値、すなわち過去に正常に測定された液位を、今回の液位の測定結果として用いる。
次に、図7を用いて、第1情報値G1と第2情報値G2との差分値が閾値Tより大きくなった場合の処理について説明する。図7に示すように、第1情報値G1と第2情報値G2との差分値が閾値Tより大きい場合(ステップS30)、液位算出部44は、累計異常回数が第1回数以下であるかを判断する(ステップS32)。累計異常回数が第1回数以下である場合(ステップS32;Yes)、液位算出部44は、今回算出した第1情報値G1及び第2情報値G2を、過去情報値と比較する(ステップS33)ことで、第1差分値と第2差分値とを算出する(ステップS34)。第1差分値は、第1情報値G1と過去情報値との差分値の絶対値である。第2差分値は、第2情報値G2と過去情報値との差分値の絶対値である。
液位算出部44は、第1差分値と第2差分値とが閾値T以下であるかを判断する。具体的には、液位算出部44は、第1差分値が閾値T以下であるかを判断して(ステップS36)、第1差分値が閾値T以下である場合(ステップS36;Yes)、第1情報値G1を液位として設定する(ステップS38)。すなわち、液位算出部44は、第1差分値が閾値T以下である場合、さらに言えば第1差分値が閾値T以下であり第2差分値が閾値Tより大きい場合、第1情報値G1を用いて液位を算出する。そして、液位算出部44は、過去情報値を更新して(ステップS39)、累計異常回数と累計正常回数とをリセットして(ステップS40)、累計異常回数と累計正常回数とのカウント数を0にする。この場合、ステップS39では、ステップS38で液位として設定した第1情報値G1を、過去情報値として設定する。また、ステップS40において、警報が通知されている場合は、警報を停止してよい。
一方、第1差分値が閾値T以下でない場合(ステップS36;No)、すなわち第1差分値が閾値Tより大きい場合、液位算出部44は、第2差分値が閾値T以下であるかを判断する(ステップS42)。第2差分値が閾値T以下である場合(ステップS42;Yes)、液位算出部44は、第2情報値G2を液位として設定する(ステップS44)。すなわち、液位算出部44は、第1差分値が閾値Tより大きく第2差分値が閾値T以下である場合、第2情報値G2を用いて液位を算出する。そして、液位算出部44は、ステップS39に進んで過去情報値を更新して、ステップS40に進み、累計異常回数と累計正常回数とをリセットする。なお、この場合は、ステップS39において、ステップS44で液位として設定した第2情報値G2を、過去情報値として設定する。
また、第2差分値が閾値T以下でない場合(ステップS42;No)、すなわち、第1差分値と第2差分値との両方が閾値Tより大きい場合、液位算出部44は、累計異常回数に1を加えて(ステップS46)、累計異常回数のカウント数を1つ増やす。そして、液位算出部44は、累計異常回数が第1回数以下であるかを判断して(ステップS48)、累計異常回数が第1回数以下である場合(ステップS48;Yes)、過去情報値を、液体Lの水位として設定する(ステップS50)。すなわち、ステップS50においては、過去情報値を用いて、液体Lの水位を算出する。
一方、累計異常回数が第1回数以下でない場合(ステップS48;No)、すなわち累計異常回数が第1回数より大きい場合、図2に示す通知制御部38が、警報を出力部22に通知させる(ステップS52)。そして、ステップS50に進み、液位算出部44が、過去情報値を液体Lの水位として設定する。このように、通知制御部38は、累計異常回数が第1回数より大きい場合、言い換えれば、差分値が閾値Tより大きくなることが第1回数以上継続した場合に、警報を通知する。通知制御部38は、計測異常がある旨の情報を、警報として、出力部22に通知させる。計測異常がある旨の情報は、例えば表示部に表示されてもよいし、スピーカにより音声で通知されてもよい。
また、累計異常回数が第1回数以下である場合(ステップS32;No)にも、ステップS46に進み、以降の処理を実行する。ステップS40又はステップS50の実行により、図7の処理は終了する。
ここで、測定に異常がある場合、第1情報値G1と第2情報値G2との差分値は、閾値より大きくなる傾向にある。図7に示したように、差分値が閾値より大きくなった際には、液位算出部44は、累計異常回数が第1回数以下である場合(ステップS32でYesの場合)、直近では顕著に異常が起きていないため、ステップS34以降で、今回の第1情報値G1と第2情報値G2とを使用可能であるかを判断する。液位算出部44は、第1差分値(第1情報値G1と過去情報値との差分)が閾値T以下である場合(ステップS36でYes)、過去の正常値である過去情報値との乖離が少ないため、第1情報値G1を用いてもよいと判断して、第1情報値G1を用いて液位を算出する。一方、液位算出部44は、第2差分値(第2情報値G2と過去情報値との差分)が閾値T以下である場合(ステップS42でYes)、過去の正常値である過去情報値との乖離が少ないため、第2情報値G2を用いてもよいと判断して、第2情報値G2を用いて液位を算出する。一方、第1差分値と第2差分値との両方が閾値Tより大きい場合(ステップS42でNo)、今回の測定結果を使用できないと判断して、ステップS50に示すように、過去情報値、すなわち直近で正常とされた測定値を、今回の測定結果とする。また、累計異常回数が第1回数より大きい場合(ステップS32でNo)、直近から現在まで連続して異常が起きていると判断して、過去情報値、すなわち直近で正常とされた測定値を、今回の測定結果とする。
このように、液位算出部44は、図6及び図7で説明したフローに従って、液体Lの液位を算出する。以下、液位Lを算出する上で図6及び図7のどのフローを用いるかを、図8を用いて、測定結果のケースごとに場合分けして説明し直す。図8は、測定結果のケースごとの液位の算出方法をまとめた表である。図8に示すように、第1ケースは、今回算出した第1情報値G1と第2情報値G2との差分値が閾値以下であり、累積異常回数が第1回数以下となるケースである。第1ケースは、今回の測定結果も過去の測定結果も正常なケースである。また、第2ケースは、今回算出した第1情報値G1と第2情報値G2との差分値が閾値以下であり、累積異常回数が第1回数より大きく、累積正常回数が第2回数以上となるケースである。第2ケースは、過去の測定結果が異常であったが、今回の測定結果が正常であり、かつ、直近の測定結果も正常が続いているケースである。また、第3ケースは、第2ケースに対し、累積正常回数が第2回数より小さいケースである。第3ケースは、今回の測定結果が正常であるが、直近の測定結果が正常に戻っていないケースである。また、第4ケースは、今回算出した第1情報値G1と第2情報値G2との差分値が閾値より大きく、累積異常回数が第1回数以下となるケースである。第4ケースは、今回の測定結果は異常だが過去の測定結果では異常が続いてないケースである。また、第5ケースは、今回算出した第1情報値G1と第2情報値G2との差分値が閾値より大きく、累積異常回数が第1回数より大きいケースである。第5ケースは、今回の測定結果も過去の測定結果も異常となっているケースである。
第1ケースにおいては、今回の測定値を用いて問題無いと判断されて、第1情報値G1、第2情報値G2のうち小さい値を液位Lとする(ステップS12;Yes、ステップS13;Yes、ステップS14)。第2ケースにおいては、直近の測定値が正常に戻っているため今回の測定値を用いて問題無いと判断されて、第1情報値G1、第2情報値G2のうち小さい値を液位Lとする(ステップS12;Yes、ステップS13;No、ステップS24、ステップS26;Yes、ステップS14)。一方、第3ケースにおいては、今回の測定値は正常に見えるがまだ信頼がおけないデータであると判断されて、過去情報値(過去の正常な測定値)を液位Lとする(ステップS12でYes、ステップS13でNo、ステップS24、ステップS26でNo、ステップS28)。
第4ケースにおいては、今回の測定値は異常だが過去の測定値では異常が続いていないため、今回の測定値と過去情報値(過去の正常な測定値)とを比較して、第1情報値G1、第2情報値G2、及び過去情報値のいずれかを、液位Lとする(ステップS12;No、ステップS30、ステップS32、ステップS34、・・・)。第5ケースにおいては、今回の測定値も過去の測定値も異常と判断して、過去情報値(過去の正常な測定値)を液位Lとする(ステップS12;No、ステップS30、ステップS32;No、ステップS46、・・・)。
なお、警報は、累計異常回数が第1回数より多くなった場合に通知される(ステップS52)。また、警報は、第2ケース、すなわち、今回の測定結果が正常であり、かつ、直近の測定結果も正常が続いている場合に、停止される(ステップS22)。
以上のように、液位算出部44は、図6及び図7で説明したようにして、第1情報値G1と第2情報値G2とを用いて、液体Lの液位を算出する。液位算出部44は、音波E0が発信される毎に、図6及び図7で説明した処理を繰り返して、音波E0が発信される毎に、液体Lの液位を算出する。このように音波E0が発信される毎に異なるタイミングで計測した液位は、液面の揺らぎなどにより変動する場合がある。そのため、液位算出部44は、過去に算出した液体Lの液位との移動平均に基づき、液位を算出してもよい。すなわち、液位算出部44は、今回算出した液体Lの液位と、過去に算出した液体Lの液位との移動平均値を算出し、その移動平均値を、今回の液位の測定結果としてもよい。移動平均値とは、例えば、異なるタイミングで計測した複数の液位Lの計測値を、時間的に移動しながら順々に平均して算出した値である。移動平均を用いることで、液位の変動による計測値のずれを緩和することができる。そして、図2に示す液位情報出力部36は、液位算出部44が算出した液位の値を、出力部22に出力(ここでは表示)させる。また、液位情報出力部36は、例えば累計異常回数や、累計正常回数など、液位算出部44が算出した他のデータについても、出力部22に出力(ここでは表示)させてよい。
以上説明したように、本実施形態に係る液位計1は、音波E0を発信する発信部10Aと、音波E0の反射波Eを受信する受信部10Bと、液位測定部34を備える制御部26と、を備える。液位測定部34は、受信部10Bが受信した第1反射波E1Aと、第1反射波E1Aとは異なるタイミングで受信部10Bが受信した第2反射波E2Aと、に基づき、液位を測定する。本実施形態に係る液位計1は、反射回数が異なる第1反射波E1Aと第2反射波E2Aとに基づき液位を算出するため、例えば、反射波Eを安定して受信できない場合やノイズが重畳した場合のデータを除外することが可能となり、液位の算出精度の低下を抑制できる。
また、液位測定部34は、第1反射波E1Aと第2反射波E2Aとを比較して、第1反射波E1Aと第2反射波E2Aとのうちの一方を用いて、液位を測定する。本実施形態に係る液位計1は、第1反射波E1Aと第2反射波E2Aとを比較することで、第1反射波E1Aと第2反射波E2Aとのうち、液位が適切に測定できる方を用いて液位を算出することが可能となるため、液位の算出精度の低下を抑制できる。
また、液位測定部34は、音波E0の発信から第1反射波E1Aの受信までの間の第1時間Δt1に基づいた第1情報値G1と、第1反射波E1Aの受信から第2反射波E2Aの受信までの間の第2時間Δt2に基づいた第2情報値G2と、を比較して、第1情報値G1と第2情報値G2とのうちの一方を用いて、液位を算出する。本実施形態に係る液位計1は、第1時間Δt1に基づいた第1情報値G1と第2時間Δt2に基づいた第2情報値G2とのうち、液位が適切に測定できる方を用いて液位を算出することが可能となるため、液位の算出精度の低下を抑制できる。
液位測定部34は、第1情報値G1と第2情報値G2とのうち、液位が小さくなる方を用いて、液位を算出する。本実施形態に係る液位計1は、液位が小さくなるデータを用いるため、液位をより正確に算出することができる。
液位測定部34は、第1情報値G1と第2情報値G2との差分値を算出し、差分値が所定の閾値T以下である場合に、第1情報値G1と第2情報値G2とのうち一方を用いて液位を算出する。液位測定部34は、第1情報値G1と第2情報値G2との差分値が閾値T以下かを判断することで、第1情報値G1と第2情報値G2とが正常なデータであるかを確認した上で、第1情報値G1と第2情報値G2とのうち一方を用いて液位を算出する。従って、本実施形態に係る液位計1は、液位の算出精度の低下を抑制できる。
液位測定部34は、差分値が閾値Tより大きい場合に、第1差分値と第2差分値とを算出し、第1差分値又は第2差分値に基づき、液位を算出する。第1差分値は、過去情報値と第1情報値G1との差分であり、第2差分値は、過去情報値と第2情報値G2との差分である。過去情報値は、過去に液位を算出した際に用いた第1情報値G1と第2情報値G2とのうちの一方である。本実施形態に係る液位計1は、差分値が閾値Tより大きい場合にこのように過去のデータとの差分値である第1差分値と第2差分値とに基づいて液位を算出することで、第1情報値G1と第2情報値G2とが正常なデータであるかをさらに確認することが可能となり、液位の算出精度の低下を抑制できる。
液位測定部34は、第1差分値が閾値T以下である場合に、第1情報値G1を用いて液位を算出し、第2差分値が閾値T以下である場合に、第2情報値G2を用いて液位を算出し、第1差分値と第2差分値との両方が閾値Tより大きい場合に、過去情報値を用いて液位を算出する。本実施形態に係る液位計1は、差分値が閾値Tより大きい場合にこのように過去のデータとの差分値である第1差分値と第2差分値とに基づいて液位を算出することで、第1情報値G1と第2情報値G2とが正常なデータであるかをさらに確認することが可能となり、液位の算出精度の低下を抑制できる。
発信部10Aは、音波E0を異なるタイミングで複数回発信し、受信部10Bは、異なるタイミングで発信された音波E0のそれぞれについての反射波Eを受信する。液位測定部34は、異なるタイミングで発信された音波E0のそれぞれについて、差分値を算出する。また、通知制御部38は、差分値が閾値Tより大きくなることが第1回数以上継続した場合に、計測異常がある旨の情報、すなわち警報を通知する。測定異常がある場合、差分値が閾値Tより大きくなる傾向にある。ただし、例えば液面の揺れなど一時的に測定異常があっても、すぐに異常が解消される場合がある。本実施形態に係る液位計1は、計測異常が第1回数以上継続した場合に、警報を通知することで、すぐに解消されない異常をユーザに通知することが可能となり、ユーザに異常を適切に認識させることができる。
通知制御部38は、差分値が閾値T以下となることが第2回数以上継続した場合に、計測異常がある旨の情報の通知を停止する。異常が連続して続いた後、一時的に異常が解消しても、その際の測定値は信頼できないデータである可能性がある。それに対し、本実施形態に係る液位計1は、正常が連続した場合に、すなわち安定して正常なデータが測定できた場合に、警報を停止させることで、ユーザに正常に戻ったことを適切に認識させ、信頼できるデータを提供することができる。
また、第1回数及び第2回数は、オペレータが、現場状況に合わせて設定してもよい。
また、第1反射波E1Aは、音波E0が液面LAで1回反射した反射波であり、第2反射波E2Aは、音波E0が液面LAで2回反射した反射波である。このような反射波を用いることで、反射波Eを適切に検出でき、液位の算出精度の低下を抑制できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。