JP2021014898A - 角度位置保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】入力側機器の軸部と出力側機器の軸部との間で芯ずれが生じても、制動トルク付与手段の特定部位が偏って電動モーターの出力軸及びハッチバックの回転軸のいずれか一方又はその両方に作用することのない角度位置保持装置を提供すること。【解決手段】ハウジング4の内側に、軸状の内輪6及び外輪8と、摩擦によって外輪に対して所定の制動トルクを付与する制動トルク付与手段10とを配置し、内輪の内側に入力側機器の軸部及び出力側機器の軸部を共通して挿通し、内輪は入力側機器の軸部及び出力側機器の軸部と一体となって回転可能するようにし、内輪の外周面と外輪の内周面との間に、内輪の外周面及び外輪の内周面のいずれか一方又はその両方と密着し変形可能な突出部(角部54及び辺部56)が周方向に複数設けられた接続部材50を配設する。【選択図】 図2

Description

本発明は、中心軸の回りに回動可能となった物品を支持するための角度位置保持装置に関するものである。
ワゴン車やワンボックス車等の車両の後端部に装着された跳ね上げ式のハッチバックには、電動モーターによって開閉動するものがある。下記特許文献1には、電動モーターによって全開位置と全閉位置との間を開閉動するハッチバックにおいて、ハッチバックを全開位置もしくは全開位置と全閉位置との間の中間位置で停止させた際に、電磁クラッチでハッチバックを保持することが開示されている。この開閉装置では、入力側機器である電動モーターの駆動が停止しても、出力側機器であるハッチバックは電磁クラッチによって保持されているため、ハッチバックが自重で落下することはない。
ところで、電気的な手段によることなく、ハッチバックの如き従動部材(出力側機器)を任意の角度位置で保持するための機構部品として、所謂トルクヒンジが存在する。トルクヒンジとは、回転体に対して所定の制動トルクを付与するヒンジ(蝶番)であり、回転体は、所定の制動トルク以上の付加トルクが作用すると回転可能である一方、付加トルクの作用が停止するとその角度位置で保持される。下記特許文献2には、本願に先立って出願された本出願人によるトルクヒンジの一例が示されている。
特開2006−265982号公報 特許3592984号公報
車両のハッチバックを電動モーターで駆動して開閉する開閉装置では、電動モーター等の機器を設置するスペースが限定されているため、開閉装置を構成する機器をなるべく小型化しコンパクト化することが好ましい。上記特許文献1の開閉装置には、入力側機器である電動モーターの停止時に、ハッチバックを保持するのに電磁クラッチを用いていることから、電磁クラッチを設置するための空間を要するとともに、電気配線や制御機構を別途構築する必要があり、コストがかかる。
一方、上記特許文献2に示されるトルクヒンジによれば、電磁クラッチを用いることなくハッチバックを任意の角度位置で保持することも可能となるが、通常、電動モーターの出力軸(シャフト)が直接ハッチバックの如き従動部材に連結されることはなく、電動モーターから延びる上記出力軸は適宜の継ぎ手を介してハッチバックの回転軸に連結される。継ぎ手を介して電動モーターの出力軸とハッチバックの回転軸とを同軸上に連結すると共に、電動モーターの出力軸及びハッチバックの回転軸のいずれか一方又はその両方に制動トルク付与手段による制動トルクを付与しようとすると、電動モーターの出力軸とハッチバックの回転軸との間の芯ずれによって、制動トルク付与手段の特定部位が偏って電動モーターの出力軸及びハッチバックの回転軸のいずれか一方又はその両方に作用することとなり、制動トルク付与手段の使用寿命が短縮されると共に、好ましくない振動や異音が発生する虞もある。
本発明は上記事実を踏まえてなされたものであり、その主たる技術的課題は、車両用ハッチバックの開閉装置などに用いられる、入力側機器から回転トルクが入力されないときに制動トルクを付与して出力側機器の角度位置を保持する角度位置保持装置において、入力側機器の軸部と出力側機器の軸部との間で芯ずれが生じても、制動トルク付与手段の特定部位が偏って電動モーターの出力軸及びハッチバックの回転軸のいずれか一方又はその両方に作用することのない、新規の角度位置保持装置を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討の結果、ハウジングの内側に、軸状の内輪及び外輪と、摩擦によって外輪に対して所定の制動トルクを付与する制動トルク付与手段とを配置し、内輪の内側に入力側機器の軸部及び出力側機器の軸部を共通して挿通し、内輪は入力側機器の軸部及び出力側機器の軸部と一体となって回転可能するようにし、内輪の外周面と外輪の内周面との間に、内輪の外周面及び外輪の内周面のいずれか一方又はその両方と密着して変形可能な突出部が周方向に複数設けられた接続部材を配設することによって、上記主たる技術的課題が解決されることを見出した。
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成する角度位置保持装置として、入力側機器から回転トルクが入力されないときは、制動トルクを付与して出力側機器の角度位置を保持する角度位置保持装置であって、
固定のハウジングを具備し、
前記ハウジングの内側には、軸状の内輪と、前記内輪の外周面を囲繞する軸状の外輪と、前記外輪の外周面との摩擦によって前記外輪に対して所定の制動トルクを付与する制動トルク付与手段とが設けられており、
前記内輪の内側には、入力側機器の軸部及び出力側機器の軸部が共通して挿通され、前記内輪は入力側機器の軸部及び出力側機器の軸部と一体となって回転可能であり、
前記内輪の外周面と前記外輪の内周面との間には、断面が周状乃至環状であって、前記内輪と前記外輪とを一体的に接続する接続部材が配設され、前記接続部材には、前記内輪の外周面及び前記外輪の内周面のいずれか一方又はその両方と密着して変形可能な突出部が周方向に複数設けられている、ことを特徴とする角度位置保持装置、ことを特徴とする角度位置保持装置が提供される。
好ましくは、前記接続部材は前記内輪の軸方向長さと対応する。前記突出部は前記接続部材の軸方向にも延在するのが好適である。前記制動トルク付与手段は、コイルばねによって径方向内側に付勢されて前記外輪の外周面を押圧する押圧片を備えているのがよい。この場合には、前記押圧片は軸方向及び周方向のいずれか一方又はその両方に間隔をおいて複数設けられているのがよい。そして、前記押圧片の径方向内側端面には、縦断面が径方向内側に向かって凸弧状の押圧面が形成されていると共に、前記外輪の外周面には、前記押圧面と対応する凹弧状の被押圧溝が環状に形成されているのが好適である。
本発明の角度位置保持装置では、軸状の内輪とこれを囲繞する軸状の外輪とが配置され、内輪の外周面と外輪の内周面との間には、断面が周状乃至環状であって、内輪と外輪とを一体的に接続する接続部材が配設されており、接続部材には、内輪の外周面及び外輪の内周面のいずれか一方又はその両方と密着して変形可能な突出部が周方向に複数設けられている。そのため、内輪の内側に入力側機器の軸部及び出力側機器の軸部が共通して挿通されてこれらと内輪とが一体的に連結された際、入力側部材の軸部と出力側部材の軸部との間の芯ずれによって内輪の中心軸が外輪の中心軸に対して変位若しくは傾斜した場合であっても、接続部材に設けられた突出部が変形することで、外輪は、中心軸が変位若しくは傾斜することなく、内輪と一体的に連結される。これにより、外輪と、これの外周面に作用する制動トルク付与手段との間の相対的な位置関係が変化することは抑制され、外輪が回転した際に、制動トルク付与手段の特定部位が偏って外輪の外周面に作用して制動トルク付与手段の使用寿命が短縮してしまうことや、余計な振動や異音が発生してしまうことが防止される。
本発明に従って構成される角度位置保持装置の使用形態の一例を模式的に示す図。 本発明に従って構成された角度位置保持装置の好適実施形態を示す図。 図2に示す角度位置保持装置の分解斜視図。 図2に示す角度位置保持装置のハウジングを単体で示す図。 図4に示すハウジングの斜視図。 図2に示す角度位置保持装置の内輪を単体で示す図。 図2に示す角度位置保持装置の外輪を単体で示す図。 図2に示す角度位置保持装置の接続部材を単体で示す図。 図2に示す角度位置保持装置の制動トルク付与手段の押圧片を単体で示す図。 図2に示す角度位置保持装置の制動トルク付与手段のリテーナを単体で示す図。 図10に示すリテーナの斜視図。
以下、添付した図面を参照して本発明の角度位置保持装置の好適実施形態について更に説明する。
先ず、図1を参照して本発明の角度位置保持装置の使用形態の一例を模式的に説明する。本発明に従って構成される、番号2で示される角度位置保持装置は、車両のフレームの如き固定部材Fに適宜の固定具Bによって固定され、電動モーターの如き駆動源Mの軸部Ma(シャフト)、及びハッチバックの如き従動部材Hの軸部Haが接続される。駆動源Mからの回転は、角度位置保持装置2を介して軸部Maから軸部Haに変速することなく伝達され、軸部Haは適宜の伝達系Dを介して従動部材Hを回動させる。
次に、図2及び図3を参照して本発明に従って構成された角度位置保持装置2について説明する。本発明に従って構成された角度位置保持装置2は、ハウジング4と、このハウジング4の内側に配置された、軸状の内輪6及び外輪8と、外輪8に対して所定の制動トルクを付与する制動トルク付与手段10とを具備している。ハウジング4が、上述した適宜の固定具Bによって固定部材Fに固定される。図2の断面図においては、容易に理解できるよう、内輪6、及び制動トルク付与手段10の後述するリテーナ(62)にのみハッチングを、外輪8に薄墨を夫々付して示している。
主に図4を参照して説明を続けると、ハウジング4は、全体的に円形の端板12と、端板12の外周縁に接続されてこれに対して実質上垂直に軸方向に延びる円筒形状の外周壁14とを備えている。端板12の中央には、駆動源Mの軸部Ma又は従動部材Hの軸部Haのいずれか一方が挿通されてこれを回転可能に支持する円形の貫通穴16が形成されている。端板12の軸方向片側(同図のA−A断面において右側)面の外周縁部には、扇状の凹部18が周方向に等間隔をおいて6個形成されている。端板12には、軸方向に突出する一対の突出片20も形成されている。端板12の軸方向他側(同図のA−A断面において左側)面の中央には、貫通穴16と同軸上に円形の凹部22が形成されている。図4と共に図5を参照することによって理解されるとおり、径方向に見て凹部22の径方向外側には、略V字状の支持壁24が周方向に等角度間隔をおいて6個形成されている。支持壁24の基端部、つまりV字の付け根は径方向内側に位置し、全ての支持壁24の径方向内側端面は共通の円周面上に位置する。そして、これら支持壁24の径方向内側端面と凹部22は共に外輪8の軸方向片端部を回転可能に支持する。周方向に隣接する2つの支持壁24の間には、径方向に直線状延びるガイド溝26が規定されている。外周壁14の内周面には、軸方向に直線状に延びる断面半円形状の係止突条28が周方向に等角度間隔をおいて3個設けられている。外周壁14の軸方向他端部には環状溝30及び係止突起32が形成されており、環状溝30の内側にシールド板34が嵌め合わされることで、ハウジング4の内側は閉塞される(図2及び図3も参照されたい)。
図2及び図3を参照して説明すると、シールド板34は円板形状であってその中央には外輪8の軸方向他端部が挿通されてこれを回転可能に軸支する貫通穴36が形成されている。シールド板34の内周面には径方向内側に突出し、外輪8の軸方向他端部を軸方向に係止する係止突起38が形成されている。シールド板34の外周面には径方向外方に突出する環状突条40が形成されている。シールド板34はハウジング4の軸方向他端(開放された側の軸方向端)においてこれに対し軸方向片側に向かって強制されることで、環状突条40がハウジング4の係止突起32を弾性的に乗り越えて環状溝30の内側に嵌め合わされる。
図2と共に図6を参照して説明すると、内輪6は円筒形状であって、その外周面の断面は円形である。一方、内輪6の内周面には内歯歯型42が周方向全体に亘って形成されている。内歯歯形42は内輪6の軸方向全体に亘って延在している(図2のA−A断面を参照されたい)。図示の実施形態にあっては、内歯歯形42はインボリュート歯形である。そして、内輪6の内側の軸方向他端部(図2のA−A断面において左側)には入力側機器(駆動源M)の軸部Maが、軸方向他端部(図2のA−A断面において右側)には出力側機器(従動部材H)の軸部Haが夫々挿通され、内輪6は入力側機器の軸部Ma及び出力側機器の軸部Haと一体となって回転可能となる。従って、軸部Ma及び軸部Haの外周面には内歯歯形42と対応する外歯歯形(インボリュート歯形)が形成されており、これら外歯歯形が内歯歯形42と噛み合うことで軸部Maと内輪6とが、軸部Haと内輪6とが夫々結合される。
図2及び図3と共に図7を参照して説明すると、外輪8は全体的に円筒形状であるが、その軸方向中間部の外周面には、環状の被押圧溝44が軸方向に等間隔をおいて4個形成されている。何れの被押圧溝44も断面は凹弧状である。外輪8の軸方向両端部は円筒形状である。外輪8の軸方向他端部(図7のA−A断面における左側端部)の外径は幾分低減されており、軸方向に対して実質上垂直な円環状の係止面46が形成されている。係止面46はシールド板34の係止突起38によって係止される。外輪8の軸方向他端部の内周面には、径方向内側に突出する円環形状の支持片48が形成されている。支持片48は、外輪8の内側に挿通される内輪6の軸方向他端を支持する。なお、外輪8の内周面は軸方向全体に亘って断面円形である。
図2に示すとおり、外輪8の内側には内輪6が挿通され、内輪6と外輪8とは図8に示される接続部材50によって一体的に接続される。図示の実施形態においては、接続部材50は金属製の薄板を適宜の機械加工することによって周状に形成され、その断面は略正6角形である。そのため、接続部材50の周方向所定位置には、軸方向に延びる隙間52が形成されている。所望ならば、接続部材50の断面は環状であってもよい。また、図示の実施形態においては、接続部材50の軸方向長さは内輪6の軸方向長さと実質上同一である。接続部材50には、内輪6の外周面及び外輪8の内周面のいずれか一方又はその両方と密着して変形可能な突出部が周方向に連続して複数設けられる。図示の実施形態においては、接続部材50の断面には、直線状乃至径方向外方に幾分突出する弧状の角部54(突出部)が周方向に等角度間隔をおいて6個設けられている。また、周方向に隣接する2つの角部54の間には、径方向内側に幾分突出する辺部56(突出部)が設けられている。角部54及び辺部56は共に軸方向全体に亘っても延在しており、図2のB−B断面を参照することによって理解されるとおり、内輪6の外周面と外輪8の内周面との間に接続部材50が配設されると、角部54が外輪8の内周面に、辺部56が内輪6の外周面に夫々密着することとなり、かかる密着によって内輪6と外輪8とは一体的に接続される。接続部材50を介した、内輪6と外輪8との接続については後に更に言及する。
続いて、制動トルク付与手段10について、図2及び図3を参照して説明する。図示の実施形態においては、制動トルク付与手段10は、外輪8の外周面を押圧する押圧片58と、これを径方向内側に付勢するコイルばね60と、押圧片58及びコイルばね60を支持するリテーナ62とを備えている。
図2と共に図9を参照して説明すると、押圧片58は、コイルばね60の内側に挿通されてこれによって支持される円柱形状の軸部64を具備している。軸部64の先端には、コイルばね60によって押圧される円板形状の主部66が固着されている。軸部64が固着された側とは反対側の主部66の端面の中央には、軸部64とは反対側に膨出する膨出部が設けられており、その表面に押圧面68が形成されている。押圧面68の縦断面形状は凸弧状であって、その曲率は外輪8の外周面に形成された凹弧状の被押圧溝44の断面の曲率と同一若しくはこれよりも大きい。
図2と共に図10及び図11を参照して説明すると、リテーナ62は、略円環状の基板70を具備する。基板70には、略V字状の支持壁72が周方向に等角度間隔をおいて6個形成されており、周方向に隣接する支持壁72の間には、径方向に直線状に延びるガイド溝74が規定されている。かような支持壁72及びガイド溝74は、外輪8に設けられた支持壁24及びガイド溝26と実質上同一であるため詳細な説明は省略する。ただし、支持壁72の外周面には、外輪8の外周壁14の内周面に設けられた係止突条28が嵌り込む係止溝76が形成されている。
図2及び図3を参照して上述した各構成部品をハウジング4の内側に配置して組み合わせた状態について説明する。
制動トルク付与手段10は、上述したリテーナ62のガイド溝74に押圧片58及びコイルばね60が配置された状態でハウジング4の内側に配置される。この際、リテーナ62の係止溝76にハウジング4の係止突条28が嵌り込むことで、リテーナ62はハウジング4に対し回転不能となる。リテーナ62の内側には外輪8が配置され、コイルばね60によって径方向内側に付勢された押圧片58が外輪8の外周面に押し付けられることで、外輪8には摩擦による所定の制動トルクが付与される。図示の実施形態においては、上述したリテーナ62(これに装着された押圧片58及びコイルばね60も含む)は軸方向に3個並列して配置されており、夫々の押圧片58に形成された押圧面68が外輪8の外周面に形成された被押圧溝44に押し付けられる。この際、押圧面68の縦断面形状が径方向内側に向かって凸弧状であると共に、被押圧溝44の縦断面形状が上記押圧面68と対応する凹弧状であることに起因して、押圧片58によって外輪8は軸方向への移動が規制され、これにより装置全体の挙動が安定することとなる。なお、押圧片58及びコイルばね60はハウジング4に設けられたガイド溝26にも配置される。ハウジング4に配置された押圧片58もリテーナ62に配置された押圧片58と同様の作用効果を奏し、これも制動トルク付与手段10の一部を構成する。
図2と共に図1を参照して、本発明の角度位置保持装置2の作動について説明する。
駆動源Mによって軸部Maが回転すると、内輪6及び出力側機器(従動部材H)の軸部Haが一体となって回転し、駆動源Mからの回転が従動部材Hに伝達され、ハッチバックの如き従動部材Hは開閉動することとなる。この際、接続部材50によって内輪6と一体的に接続された外輪8は制動トルク付与手段10からの制動トルク(押圧片58の押圧面58と外輪8の被押圧溝44との摩擦による)に抗して回転する。そして、駆動源Mによる軸部Maの回転が停止すると、制動トルク付与手段10によって付与される上記所定の制動トルクによって、外輪8の回転が規制される。これにより、内輪6の回転も制限され、出力側機器の軸部Haに接続されたハッチバックの如き従動部材Hの角度位置が保持される。かくして、駆動源M(電動モーター)の停止時に、電磁クラッチ等を用いることなく、ハッチバックの如き従動部材Hの角度位置を保持することが可能となる。
ここで、本発明の角度位置保持装置2では、軸状の内輪6とこれを囲繞する軸状の外輪8とが配置され、内輪6の外周面と外輪8の内周面との間には、断面が周状であって、内輪6と外輪8とを一体的に接続する接続部材50が配設されており、接続部材50には、内輪6の外周面及び外輪8の内周面の両方と密着して変形可能な突出部(角部54及び辺部56)が周方向に複数設けられている。そのため、内輪6の内側に入力側機器(駆動源M)の軸部Ma及び出力側機器(従動部材H)の軸部Haが共通して挿通されてこれらと内輪6とが一体的に連結された際、入力側機器(駆動源M)の軸部Maと出力側機器(従動部材H)の軸部Haとの間の芯ずれによって内輪6の中心軸が外輪8の中心軸に対して変位若しくは傾斜した場合であっても、接続部材50に設けられて変形可能な突出部(角部54及び辺部56)が変形することで、外輪8は、中心軸が変位若しくは傾斜することなく、内輪6と一体的に連結される。これにより、外輪8と、これの外周面に作用する制動トルク付与手段10との間の相対的な位置関係が変化することは抑制され、外輪8が回転した際に、制動トルク付与手段10(押圧片58の押圧面68)の特定部位が偏って外輪8の外周面に作用して制動トルク付与手段10の使用寿命が短縮してしまうことや、余計な振動や異音が発生してしまうことが防止される。
ここで、図示の実施形態においては、接続部材50の軸方向長さは内輪6の軸方向長さと実質上同一であった。しかしながら、上述したとおり、接続部材50は、内輪6の中心軸が外輪8の中心軸に対して変位若しくは傾斜した場合であっても、外輪8の中心軸を変位若しくは傾斜することなく内輪6と外輪8とを接続すればよく、従って、軸方向長さの短い接続部材を内輪6の軸方向両端部に夫々配置するようにして、内輪6と外輪8とを一体的に接続するようにしてもよい。さらに、接続部材に設けられた突出部(角部54及び辺部56)は、内輪6の外周面と外輪8の内周面の両方に密着する必要はなく、例えば、径方向内側又は外側のいずれか一方に向かって突出する突部を設け、かかる突部が内輪6の外周面又は外輪8の内周面のいずれか一方と密着するようにしてもよい。そして、かような突部は軸方向に間隔をおいて複数個配列されるようにしてもよい。
また、図示の実施形態においては、制動トルク付与手段10は、コイルばね60によって径方向内側に付勢された押圧片58が外輪8の外周面を押圧することで、外輪8に制動トルクを付与していたが、これに限定されるものではない。制動トルク付与手段10は、例えば、ハウジングの内周面及び外輪の外周面に夫々摩擦板を固定し、ハウジング側に固定された摩擦板と外輪側に固定された摩擦板との摩擦によって外輪に制動トルクを付与するようにすることもできる。さらに、ハウジングの内周面と外輪の外周面との間に板ばねを配置し、かかる板ばねと外輪の外周面との間の摩擦によって外輪に制動トルクを付与するようにすることもできる。
念のため付言しておくと、本発明の角度位置保持装置は、入力側機器としての電動モーターによって出力側機器であるハッチバックを開閉する開閉機構に限定して適用されるものでなく、種々の装置の機構部品として用いることが可能である。例えば、ヒンジにより回動可能に支持されるトイレの便座又は蓋の自動開閉機構や、プリンタの蓋等の自動開閉機構にも適用されうる。また、ヒンジにより支持される出力側機器ばかりではなく、内輪6に回転・直線運動の変換装置(例えば、歯車の回転をラックにより直線運動に変換する装置)を連結すると、直線運動を行うスライドドアのような機器の位置保持装置として使用することができる。
以上、本発明の角度位置保持装置について添付した図面を参照して詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、図示の実施形態においては、各構成部品を収容するハウジングとシールド板とはいわゆるスナップフィットによって結合されているが、ねじ等の締結具を用いて結合することもできる。また、図示の実施形態においては、内輪の内側の軸方向片端部に入力側機器の軸部を、軸方向他端部に出力側機器の軸部が夫々挿通されていたが、これら軸部は逆に挿通されていてもよい。
2:角度位置保持装置
4:ハウジング
6:内輪
8:外輪
10:制動トルク付与手段
50:接続部材
54:角部(突出部)
56:辺部(突出部)

Claims (6)

  1. 入力側機器から回転トルクが入力されないときは、制動トルクを付与して出力側機器の角度位置を保持する角度位置保持装置であって、
    固定のハウジングを具備し、
    前記ハウジングの内側には、軸状の内輪と、前記内輪の外周面を囲繞する軸状の外輪と、前記外輪の外周面との摩擦によって前記外輪に対して所定の制動トルクを付与する制動トルク付与手段とが設けられており、
    前記内輪の内側には、入力側機器の軸部及び出力側機器の軸部が共通して挿通され、前記内輪は入力側機器の軸部及び出力側機器の軸部と一体となって回転可能であり、
    前記内輪の外周面と前記外輪の内周面との間には、断面が周状乃至環状であって、前記内輪と前記外輪とを一体的に接続する接続部材が配設され、前記接続部材には、前記内輪の外周面及び前記外輪の内周面のいずれか一方又はその両方と密着して変形可能な突出部が周方向に複数設けられている、ことを特徴とする角度位置保持装置。
  2. 前記接続部材は前記内輪の軸方向長さと対応する、請求項1に記載の角度位置保持装置。
  3. 前記突出部は前記接続部材の軸方向にも延在する、請求項1又は2に記載の角度位置保持装置。
  4. 前記制動トルク付与手段は、コイルばねによって径方向内側に付勢されて前記外輪の外周面を押圧する押圧片を備えている、請求項1乃至3のいずれかに記載の角度位置保持装置。
  5. 前記押圧片は軸方向及び周方向のいずれか一方又はその両方に間隔をおいて複数設けられている、請求項4に記載の角度位置保持装置。
  6. 前記押圧片の径方向内側端面には、縦断面が径方向内側に向かって凸弧状の押圧面が形成されていると共に、前記外輪の外周面には、前記押圧面と対応する凹弧状の被押圧溝が環状に形成されている、請求項4又は5に記載の角度位置保持装置。
JP2019130532A 2019-07-12 2019-07-12 角度位置保持装置 Active JP6946380B2 (ja)

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