JP2021012858A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】適切な掃気を実行することができる燃料電池システムを提供すること。【解決手段】燃料電池内を掃気可能な掃気装置と、手動で操作可能なスイッチと、掃気装置を制御することにより燃料電池内の掃気を実行する制御装置と、を備えた燃料電池システムにおいて、制御装置は、スイッチの操作に応じて、燃料電池の発電停止時に通常掃気を実行する通常掃気モードと、燃料電池の発電停止時に掃気を実行しない又は通常掃気よりも消費エネルギーが少ない簡易的な掃気を実行する掃気抑制モードを実行する。ただし、制御装置は、掃気抑制モードが選択された状態で所定の条件が成立した場合には、強制的に掃気を実行する。所定の条件は、燃料電池の発電が停止してから所定時間が経過したこと、燃料電池システムが搭載された車両の停車位置が所定位置であること、外気温度が閾値未満であること、の少なくとも一つである。【選択図】図3
Description
本発明は、燃料電池システムに関する。
発電停止時に燃料電池内を掃気することにより、燃料電池内の残水が外部へと排出される。これにより、例えば燃料電池内の残水が氷点下環境下で凍結することを防止できる(特許文献1参照)。
例えばこのような燃料電池を搭載した配送用トラックでは、荷物の積み下ろしのために短時間だけ停車し、再度走行を開始することが想定される。このように、短時間だけ停車する度に燃料電池の発電を停止して掃気を実行すると、燃料電池内の残水が凍結する可能性が低いにもかかわらず、掃気を実行することになり、掃気の実行に伴うエネルギーが浪費する。しかしながら、長時間停車する場合には、適切に掃気を実行する必要がある。
本発明は、エネルギーの浪費を抑制すると共に、必要な場合には掃気を適切に実行することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記目的は、燃料電池内を掃気可能な掃気装置と、手動で操作可能なスイッチと、前記掃気装置を制御することにより前記燃料電池内の掃気を実行する制御装置と、を備えた燃料電池システムにおいて、前記制御装置は、前記スイッチの操作に応じて、前記燃料電池の発電停止時に通常掃気を実行する通常掃気モードと、前記燃料電池の発電停止時に掃気を実行しない又は前記通常掃気よりも消費エネルギーが少ない簡易的な掃気を実行する掃気抑制モードと、を切り替え、前記制御装置は、前記掃気抑制モードが選択された状態で所定の条件が成立した場合には、強制的に掃気を実行し、前記所定の条件は、前記燃料電池の発電が停止してから所定時間が経過したこと、前記燃料電池システムが搭載された車両の停車位置が所定位置であること、外気温度が閾値未満であること、の少なくとも一つを含み、前記制御装置は、前記所定の条件に、前記燃料電池の発電が停止してから前記所定時間が経過したこと、を含む場合は、外気温度が低いほど前記所定時間を短くする、燃料電池システムによって達成できる。
本発明によれば、エネルギーの浪費を抑制すると共に、必要な場合には掃気を適切に実行することができる燃料電池システムを提供できる。
[燃料電池システムの構成]
図1は、車両に搭載された燃料電池システム1の構成図である。燃料電池システム1は、ECU(Electronic Control Unit)3、燃料電池(以下、FCと称する)4、二次電池(以下、BATと称する)8、カソードガス供給系10、アノードガス供給系20、及び電力制御系30を含む。尚、燃料電池システム1は、FC4に冷却水を循環させて冷却する不図示の冷却系を含む。また、車両には、走行用のモータ50や、イグニッションスイッチ2、車輪5、アクセル開度センサ6、後述する掃気抑制スイッチ7、及び外気温センサ9を備えている。FC4は、カソードガスとアノードガスの供給を受けて発電する燃料電池であり、固体高分子電解質型の単セルを複数積層して構成されている。
図1は、車両に搭載された燃料電池システム1の構成図である。燃料電池システム1は、ECU(Electronic Control Unit)3、燃料電池(以下、FCと称する)4、二次電池(以下、BATと称する)8、カソードガス供給系10、アノードガス供給系20、及び電力制御系30を含む。尚、燃料電池システム1は、FC4に冷却水を循環させて冷却する不図示の冷却系を含む。また、車両には、走行用のモータ50や、イグニッションスイッチ2、車輪5、アクセル開度センサ6、後述する掃気抑制スイッチ7、及び外気温センサ9を備えている。FC4は、カソードガスとアノードガスの供給を受けて発電する燃料電池であり、固体高分子電解質型の単セルを複数積層して構成されている。
カソードガス供給系10は、カソードガスとして酸素を含む空気をFC4に供給し、供給管11、排出管12、バイパス管13、エアコンプレッサ14、バイパス弁15、インタークーラ16、背圧弁17、及び加湿器18を含む。供給管11は、FC4のカソード入口マニホールドに接続されている。排出管12は、FC4のカソード出口マニホールドに接続されている。バイパス管13は供給管11及び排出管12を連通している。バイパス弁15は、供給管11とバイパス管13との接続部分に設けられている。バイパス弁15は供給管11とバイパス管13との連通状態を切り替える。エアコンプレッサ14、バイパス弁15、及びインタークーラ16は、供給管11上に上流側から順に配置されている。背圧弁17は、排出管12上であって、排出管12とバイパス管13との接続部分よりも上流側に配置されている。加湿器18は、供給管11及び排出管12に亘って設けられており、具体的には、インタークーラ16よりも下流側の供給管11上に設けられ、背圧弁17よりも上流側の排出管12上に設けられている。
エアコンプレッサ14は、カソードガスとして酸素を含む空気を、供給管11を介してFC4に供給する。FC4に供給されたカソードガスは、排出管12を介して排出される。インタークーラ16は、FC4に供給されるカソードガスを冷却する。背圧弁17は、FC4のカソード側の背圧を調整する。エアコンプレッサ14、バイパス弁15、及び背圧弁17の駆動は、ECU3により制御される。ECU3は、エアコンプレッサ14の回転速度を制御することにより、FC4に供給されるカソードガスの流量を調整できる。また、ECU3は、バイパス弁15及び背圧弁17の開度を制御することにより、FC4に供給されるカソードガスの流量及びバイバスされるカソードガスの流量を調整することができる。加湿器18は、排出管12を流れるFC4から排出されたカソードオフガス中の水分を利用して、供給管11を流れるFC4に供給される前のカソードガスを加湿する。加湿器18内には、カソードガスが流れる流路とカソードオフガスが流れる流路とを仕切るように水分透過膜が設けられており、この水分透過膜を介してカソードオフガス中の水分がカソードガス側に透過することにより、カソードガスが加湿される。
アノードガス供給系20は、アノードガスとして水素ガスをFC4に供給し、タンク20T、供給管21、排出管22、循環管23、タンク弁24、調圧弁25、インジェクタ(以下、INJと称する)26、気液分離器27、排水弁28、及び水素循環ポンプ(以下、HPと称する)29を含む。タンク20TとFC4のアノード入口マニホールドは、供給管21により接続されている。タンク20Tには、アノードガスである水素ガスが貯留されている。排出管22の一端は、FC4のアノード出口マニホールドに接続され、排出管22の他端は、酸化剤ガス供給系10の排出管12に接続されている。循環管23は、気液分離器27と供給管21とを連通している。タンク弁24、調圧弁25、及びINJ26は、供給管21の上流側から順に配置されている。
タンク弁24が開いた状態で、調圧弁25の開度が調整され、INJ26がアノードガスを噴射する。これにより、FC4にアノードガスが供給される。排出管22には、気液分離器27及び排水弁28が、上流側から順に配置されている。気液分離器27は、FC4から排出されたアノードガスから水分を分離して貯留する。気液分離器27に貯留された水は、排水弁28が開くことにより、排出管22を介して燃料電池システム1の外部へと排出される。循環管23は、アノードガスをFC4へ還流させるため配管であり、上流側の端部が気液分離器27に接続され、HP29が配置されている。FC4から排出されたアノードガスは、HP29によって適度に加圧され、供給管21へ導かれる。タンク弁24、調圧弁25、INJ26、排水弁28、及びHP29の駆動は、ECU3により制御される。尚、HP29の代わりにエジェクタを設け、エジェクタによりFC4から排出されたアノードガスが供給管21に再供給される構成としてもよい。
電力制御系30は、FC4の放電及びBAT8の充放電を制御する。電力制御系30は、燃料電池DC/DCコンバータ(以下、FDCと称する)32、バッテリDC/DCコンバータ(以下、BDCと称する)34、モータインバータ(以下、MINVと称する)38、補機インバータ(以下、AINVと称する)39を含む。FDC32は、ECU3から送信される要求電流値に基づきFC4による出力電流を制御すると共に、FC4からの直流電力を調整してMINV38やAINV39に出力する。BDC34は、BAT8からの直流電力を調整してMINV38やAINV39に出力する。FC4の発電電力は、BAT8に充電可能である。MINV38は、入力された直流電力を三相交流電力に変換してモータ50へ供給する。モータ50は、車輪5を駆動して車両を走行させる。FC4及びBAT8の電力は、AINV39を介してモータ50以外の負荷装置にも供給可能である。ここで負荷装置は、FC4用の補機と、車両用の補機とを含む。FC4用の補機とは、上述したエアコンプレッサ14、バイパス弁15、背圧弁17、タンク弁24、調圧弁25、INJ26、排水弁28、HP29を含む。車両用の補機は、例えば空調設備や、照明装置、ハザードランプ等を含む。尚、BDC34やFDC32を備えずに、FC4又はBAT8が直接MINV38に接続される構成であってもよい。
ECU3は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を含む。ECU3は、イグニッションスイッチ2、アクセル開度センサ6、掃気抑制スイッチ7、外気温センサ9、エアコンプレッサ14、バイパス弁15、背圧弁17、タンク弁24、調圧弁25、INJ26、排水弁28、HP29、FDC32、及びBDC34が電気的に接続されている。
ECU3は、イグニッションスイッチ2のオン、オフ状態に応じて燃料電池システム1を起動、停止する。ECU3は、アクセル開度センサ6の検出値や上述した車両用の補機及びFC4用の補機の駆動状態、BAT8の蓄電電力等に基づいて、FC4への要求出力を算出し、この要求出力に基づいてFC4への要求電流値を算出する。また、ECU3は、FC4への要求出力に応じてエアコンプレッサ14やINJ26を制御してFC4に供給されるカソードガス及びアノードガスの流量を制御しつつ、FC4の要求電流値に基づいてFDC32を制御することによりFC4の出力電流を制御する。また、ECU3は、外気温センサ9に基づいて外気温度を取得する。
ECU3は、FC4の発電停止後に掃気を実行する。掃気とは、発電停止後にFC4に掃気ガスを供給することにより、FC4内の残水を外部に排出させる処理である。掃気ガスとして、カソードガス及びアノードガスを用いる。発電停止後にエアコンプレッサ14を駆動してFC4にカソードガスを供給することによりFC4のカソード流路内の残水を排出できる。また、発電停止後にHP29を駆動してアノードオフガスをFC4に供給することによりFC4のアノード流路内の残水を排出できる。従って、エアコンプレッサ14やHP29は、掃気装置の一例である。尚、本実施例のようにFC4のカソード流路及びアノード流路の双方を掃気してもよいし、何れか片方のみを掃気してもよい。
上記の掃気は、掃気抑制スイッチ7がオフの場合に実行される。掃気抑制スイッチ7は運転手が手動でオン、オフを切り替えることができるスイッチであり、例えばダッシュボード周辺に設けられている。掃気抑制スイッチ7がオフの状態では、FC4の発電停止時に通常掃気が実行される通常掃気モードが選択される。掃気抑制スイッチ7がオンの状態では、FC4の発電停止時に掃気を実行しない掃気抑制モードが選択される。従って、運転手の判断により、発電停止時に掃気を実行させたくない場合には、掃気抑制スイッチ7をオンにすることにより、掃気が実行されることを回避できる。例えば、燃料電池システム1が搭載された車両が配送用トラックであった場合には、荷物の積み下ろしの際には停車してFC4の発電が停止されるが、その停車時間は比較的短く、その後に再度走行を開始する場合が多い。このような場合には、停車中にFC4内の残水が凍結する可能性は低い。従って、このような場合には掃気抑制スイッチ7をオンにすることにより、掃気の実行を回避し、エネルギーの浪費を抑制できる。また、配送完了後では車両は長時間停車される場合が多いため、運転手は掃気抑制スイッチ7をオフにすることにより、通常掃気が実行され、FC4内の残水が凍結することを防止できる。
ここで、配送完了後に運転手が掃気抑制スイッチ7をオンからオフに切り換えることを忘れてしまうことが考えられる。その結果、FC4が掃気されずに長時間発電が停止され、FC4内の残水が凍結する可能性がある。このため、ECU3は、掃気抑制スイッチ7がオンの状態であっても、所定の条件が成立した場合には、掃気抑制スイッチ7をオフに切り換えて掃気を実行する。以下に、ECU3が実行する掃気制御について説明する。
図2は、ECU3が実行する掃気制御の一例を示したフローチャートである。本制御は繰り返し実行される。ECU3は、FC4の発電停止要求があるか否かを判定する(ステップS1)。例えば、イグニッションスイッチ2がオンからオフに切り換えられた場合には、FC4には発電停止要求がなされる。ステップS1でNoの場合には、本制御は終了する。ステップS1でYesの場合、ECU3はFC4の発電を停止する(ステップS2)。具体的には、ECU3は、FDC32を制御することによりFC4への掃引電流をゼロにすることによりFC4の発電を停止する。尚、FDC32内に、FC4と電気的な接続、切断を切り替え可能なスイッチが設けられている場合には、ECU3がこのスイッチを制御してFC4とFDC32とを切断することにより、FC42の発電を停止してもよい。
次に、ECU3は、掃気抑制スイッチ7がオンか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3でNoの場合、即ち掃気抑制スイッチ7がオフの場合には、ECU3は、上述したように通常掃気を実行する(ステップS9)。ステップS9でYesの場合には、ECU3は発電停止時からの時間のカウントを開始する(ステップS4)。次にECU3は、FC4の発電再開要求があるか否かを判定する(ステップS5)。例えばイグニッションスイッチ2がオフからオンに切り換えられた場合には、FC4に発電再開要求がなされる。ステップS5でYesの場合には、ECU3はFC4の発電を再開する(ステップS6)。具体的には、ECU3は、FDC32を制御することによりFC4への掃引電流をゼロより大きい値にすることによりFC4の発電を再開する。尚、FDC32内に、FC4と電気的な接続、切断を切り替え可能なスイッチが設けられている場合には、ECU3がこのスイッチを制御してFC4とFDC32とを接続する必要がある。
ステップS5でNoの場合には、ECU3は、発電停止時から開始したカウント値に基づいて、発電停止時から所定時間経過したか否かを判定する(ステップS7)。ステップS7でNoの場合には、再度ステップS5の処理が実行される。ステップS7でYesの場合には、ECU3は、掃気抑制スイッチ7をオフに切り換えて(ステップS8)、強制掃気を実行する(ステップS9a)。発電停止時から所定時間経過したことは、「所定の条件」の一例である。
即ち、掃気抑制スイッチ7がオンのままFC4の発電が停止された場合であっても、発電停止から発電再開要求があるまでの時間が比較的短い場合には、掃気が実行されることなく、発電が再開される(ステップS6)。これにより、上述したように停車時間が比較的短い場合には、掃気の実行を回避できる。これに対して、掃気抑制スイッチ7がオンのままFC4の発電が停止されて、発電停止から発電再開要求がないまま所定時間が経過した場合には、強制掃気が実行される(ステップS9a)。このように、掃気抑制スイッチ7をオンのままでもFC4が長時間発電停止状態にあった場合には、強制掃気が実行されるため、FC4内の凍結が防止される。
尚、上記の「所定時間」は、外気が氷点下の時にFC4の発電が停止してからFC4内の残水が凍結するのに要する時間よりも短く、荷物の積み下ろしに要する停車時間よりも長い時間が好ましく、例えば60分である。
[第1変形例]
次に、掃気制御の複数の変形例について説明する。尚、同一の処理については同一の符号を付して重複する説明を省略する。図3は、掃気制御の第1変形例を示したフローチャートである。ステップS3の実行後、ECU3は、外気温度に基づいて「所定時間」を算出する(ステップS3−1)。具体的には、外気温センサ9が検出した外気温度が低いほど、「所定時間」が短くなるように算出される。例えば、外気温度が−10℃の場合には、所定時間が60分であって、外気温度が−30℃の場合には、所定時間は30分であってもよい。尚、ステップS3−1とステップS4の順序は問わない。
次に、掃気制御の複数の変形例について説明する。尚、同一の処理については同一の符号を付して重複する説明を省略する。図3は、掃気制御の第1変形例を示したフローチャートである。ステップS3の実行後、ECU3は、外気温度に基づいて「所定時間」を算出する(ステップS3−1)。具体的には、外気温センサ9が検出した外気温度が低いほど、「所定時間」が短くなるように算出される。例えば、外気温度が−10℃の場合には、所定時間が60分であって、外気温度が−30℃の場合には、所定時間は30分であってもよい。尚、ステップS3−1とステップS4の順序は問わない。
図4Aは、外気温度と所定時間との関係を規定したマップの一例である。このマップは、予めECU3のROMに記憶されている。ECU3は、外気温度とこのマップを参照して所定時間を算出する。図4Aに示したマップによれば、外気温度が0℃未満から−20℃近傍までは、外気温度が低下するにつれて所定時間が徐々に短くなるように算出される。また、このマップでは、外気温度が−20℃よりも更に低い場合には、FC4内の残水が短時間で凍結する可能性が高いものとして、所定時間として最も短い時間が算出される。
外気温度が0℃以上の場合には、所定時間は無限大として算出される。この場合、FC4内の残水が凍結する可能性は低いとして、ステップS7で常にNoと判定され、掃気抑制スイッチ7のオフへの切り換えは行われず、掃気も実行されない。このように、FC4内で残水の凍結の可能性が低い場合には、掃気を実行しないことにより、掃気の実行に伴うエネルギーの浪費を防止できる。
尚、外気温度と所定時間との関係を規定したマップは、図4Aに示したものに限定されない。図4Bは、外気温度と所定時間との関係を規定したマップの他の例である。図4Bのマップでは、外気温度が低下するにつれて、所定時間が段階的に短くなるように規定している。このようなマップに基づいて所定時間を算出してもよい。
また、図4A及び図4Bの例では、所定時間が無限大に算出される場合として外気温度を0℃以上としたが、これに限定されず、0℃に所定のマージンを加えた0℃よりも高い温度以上の場合に、所定時間を無限大として算出してもよい。
また、発電停止中の随時外気温度を取得し、取得した最新の外気温度に基づいて、「所定時間」を随時更新してもよい。これにより、発電停止中に変化する外気温度に対応して、適切な「所定時間」を算出することができる。例えば、発電停止時の外気温度が−10℃であったが、発電停止中であって掃気が実行される前に外気温度が−30℃にまで低下した場合には、発電停止時に算出された所定時間よりもその後に更新された所定時間の方が短い。これにより、発電停止後に外気温度が更に低下した場合であっても、掃気の実効性を確保してFC4内の残水の凍結を防止できる。
[第2変形例]
図5は、掃気制御の第2変形例を示したフローチャートである。ステップS5でNoの場合、ECU3は、外気温度が閾値未満か否かを判定する(ステップS6−1)。閾値とは、例えば0℃である。ステップS6−1でNoの場合には、ステップS5の処理を実行し、ステップS6−1でYesの場合には、ステップS7以降の処理が実行される。即ち、外気温度が閾値未満ではなく閾値以上の場合には、FC4内の残水が凍結する可能性は低いとして、掃気抑制スイッチ7はオフには切り替えられず、通常掃気も実行されない。外気温度が閾値未満の場合には、FC4内の残水が凍結する可能性があるとして、発電停止から所定時間が経過した場合に、掃気抑制スイッチ7はオフに切り替えられ(ステップS8)、強制掃気が実行される(ステップS9a)。外気温度が閾値未満であることは、「所定の条件」の一例である。
図5は、掃気制御の第2変形例を示したフローチャートである。ステップS5でNoの場合、ECU3は、外気温度が閾値未満か否かを判定する(ステップS6−1)。閾値とは、例えば0℃である。ステップS6−1でNoの場合には、ステップS5の処理を実行し、ステップS6−1でYesの場合には、ステップS7以降の処理が実行される。即ち、外気温度が閾値未満ではなく閾値以上の場合には、FC4内の残水が凍結する可能性は低いとして、掃気抑制スイッチ7はオフには切り替えられず、通常掃気も実行されない。外気温度が閾値未満の場合には、FC4内の残水が凍結する可能性があるとして、発電停止から所定時間が経過した場合に、掃気抑制スイッチ7はオフに切り替えられ(ステップS8)、強制掃気が実行される(ステップS9a)。外気温度が閾値未満であることは、「所定の条件」の一例である。
[第3変形例]
掃気制御の第3変形例では、車両にナビゲーション装置が搭載されており、ECU3はこのナビゲーション装置に電気的に接続されていることが前提である。ナビゲーション装置の記憶装置には、地図データや車両の過去の走行履歴等が記憶されている。また、ナビゲーション装置は、車両の位置情報を取得するGPS(Global Positioning System)受信機を内蔵している。
掃気制御の第3変形例では、車両にナビゲーション装置が搭載されており、ECU3はこのナビゲーション装置に電気的に接続されていることが前提である。ナビゲーション装置の記憶装置には、地図データや車両の過去の走行履歴等が記憶されている。また、ナビゲーション装置は、車両の位置情報を取得するGPS(Global Positioning System)受信機を内蔵している。
図6は、掃気制御の第3変形例を示したフローチャートである。上述した本実施例及び変形例と異なり、第3変形例ではステップS4及びS7の処理は実行されず、ステップS5でNoの場合に、車両が所定位置で停車しているか否かが判定される(ステップS7−1)。所定位置とは、予め登録された車両の拠点位置であり、例えば車両が配送用トラックであった場合には、配送センタである。尚、ECU3は、ナビゲーション装置から車両の停車位置を取得する。ステップS7−1でNoの場合には、再度ステップS5の処理が実行され、ステップS7−1でYesの場合には、ステップS8及びS9aの処理が実行される。即ち、車両が拠点位置以外で停車している場合には、長時間停車される可能性は少ないとして掃気は実行されず、車両が拠点位置で停車している場合には、長時間停車される可能性が高いものとして、掃気抑制スイッチ7はオフに切り替えられ(ステップS8)、強制掃気が実行される(ステップS9a)。車両の停車位置が所定位置であること「所定の条件」の一例である。
[第4変形例]
掃気制御の第4変形例では、車両本体のドアの開閉を検出する開閉センサと荷台のドアの開閉を検出する開閉センサとが設けられており、ECU3はこれらのセンサと電気的に接続されていることが前提である。
掃気制御の第4変形例では、車両本体のドアの開閉を検出する開閉センサと荷台のドアの開閉を検出する開閉センサとが設けられており、ECU3はこれらのセンサと電気的に接続されていることが前提である。
図7は、掃気制御の第4変形例を示したフローチャートである。ステップS5でNoの場合、ECU3は車両のドアや荷台のドアが開閉されているか否かを判定する(ステップS6−2)。車両のドアや荷台のドアの開閉は、上述した開閉センサからの信号に基づいてECU3が判定する。これらのドアの何れも開閉されていない場合にはステップS6−2でYesと判定され、ステップS7以降の処理が実行される。第4変形例でのステップS7の「所定時間」は、例えば荷物の積み下ろしに要する作業時間よりも長い時間を想定しており、例えば45分である。これらのドアの少なくとも一つが開閉された場合にはステップS6−2でNoと判定され、ECU3はカウント値をリセットし再度カウントを開始する(ステップS6−3)。即ち、掃気抑制スイッチ7がオンの状態であってもFC4の発電が停止してから45分以上ドアが開閉されていない場合には、車両は長時間停車されているものとして、掃気抑制スイッチ7はオフに切り替えられ(ステップS8)、強制掃気が実行される(ステップS9a)。
[その他]
上述した本実施例及び変形例においては、掃気抑制スイッチ7がオンの状態、即ち、掃気抑制モードが選択された状態では、FC4の発電停止時には掃気は実行されないが、これに限定されず、通常掃気モードで実行される通常掃気よりも消費エネルギーの少ない簡易的な掃気を実行してもよい。例えば、簡易的な掃気は、通常掃気よりも、エアコンプレッサ14及びHP29の回転速度が遅くてもよいし、これらの駆動時間が短くてもよいし、回転速度が遅く且つ駆動時間が短くてもよい。具体的には、通常掃気で回転速度と駆動時間は2000rpmで30秒であるのに対し、簡易掃気では2000rpmで10秒、又は1000rpmで30秒であってもよい。
上述した本実施例及び変形例においては、掃気抑制スイッチ7がオンの状態、即ち、掃気抑制モードが選択された状態では、FC4の発電停止時には掃気は実行されないが、これに限定されず、通常掃気モードで実行される通常掃気よりも消費エネルギーの少ない簡易的な掃気を実行してもよい。例えば、簡易的な掃気は、通常掃気よりも、エアコンプレッサ14及びHP29の回転速度が遅くてもよいし、これらの駆動時間が短くてもよいし、回転速度が遅く且つ駆動時間が短くてもよい。具体的には、通常掃気で回転速度と駆動時間は2000rpmで30秒であるのに対し、簡易掃気では2000rpmで10秒、又は1000rpmで30秒であってもよい。
ステップS7、S6−1、S7−1、S6−2の処理のうち少なくとも2以上の処理でYesの場合に、強制掃気を実行してもよい。これにより、FC4内の残水が凍結する可能性がより高い場合に強制掃気が実行されるため、不必要に掃気が実行されることを防止できる。
掃気抑制スイッチ7は、専用のスイッチであるがこれに限定されず、例えばハザードスイッチと連動したスイッチであってもよい。一般的に、運転手は短時間だけ停車する際にはハザードスイッチをオンにするため、ハザードスイッチがオンの状態では、その後に再度走行を開始する場合が多い。従って、ハザードスイッチがオンの状態では掃気抑制スイッチ7もオンとなるように両スイッチを共用することにより、部品点数を削減でき、更に、運転手はハザードスイッチのみを操作すればよいため運転手の手間を省くことができる。
上記実施例及び変形例では、掃気抑制スイッチ7をオフに切り換えたうえで強制掃気が実行されるが(ステップS8及びS9a)、掃気抑制スイッチ7をオンのままオフに切り換えずに強制掃気を実行してもよい。
上記実施例及び変形例では、通常掃気と強制掃気とで消費エネルギーが一致している必要はない。例えば、通常掃気では、エアコンプレッサ14及びHP29の回転速度と駆動時間は2000rpmで30秒であるのに対して、強制掃気では、2000rpmで35秒であってもよいし、2000rpmで25秒であってもよいし、2100rpmで30秒間であってもよいし、1950rpmで30秒間であってもよい。通常掃気は、FC4の発電停止後に直ちに実行されるのに対して、強制掃気は、FC4の発電停止後から所定時間が経過した後に実行されるため、FC4内での残水の量や分布等が異なっており、排水に適したエネルギーも異なっている場合もあるからである。但し、何れの場合においても、FC4から残水を十分に排出できるように消費エネルギーを設定することが好ましい。
また、掃気抑制スイッチ7がオンの状態で簡易的な掃気が実行される場合には、強制掃気と既に実行済みの簡易的な掃気と合わせてFC4から残水を十分排出できるように、強制掃気による消費エネルギーを設定してもよい。
上記実施例及び変形例では、掃気抑制スイッチ7を採用したが、これに限定されず、例えば掃気実行スイッチを採用してもよい。この場合、掃気抑制スイッチ7がオフで通常掃気モードが選択されオンで掃気抑制モードが選択されたのに対して、掃気実行スイッチでは、オンで通常掃気モードが選択されオフで掃気抑制モードが選択されるように構成してもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
3 ECU(制御装置)
7 掃気抑制スイッチ(スイッチ)
14 エアコンプレッサ(掃気装置)
29 水素循環ポンプ(掃気装置)
7 掃気抑制スイッチ(スイッチ)
14 エアコンプレッサ(掃気装置)
29 水素循環ポンプ(掃気装置)
Claims (1)
- 燃料電池内を掃気可能な掃気装置と、
手動で操作可能なスイッチと、
前記掃気装置を制御することにより前記燃料電池内の掃気を実行する制御装置と、を備えた燃料電池システムにおいて、
前記制御装置は、前記スイッチの操作に応じて、前記燃料電池の発電停止時に通常掃気を実行する通常掃気モードと、前記燃料電池の発電停止時に掃気を実行しない又は前記通常掃気よりも消費エネルギーが少ない簡易的な掃気を実行する掃気抑制モードと、を切り替え、
前記制御装置は、前記掃気抑制モードが選択された状態で所定の条件が成立した場合には、強制的に掃気を実行し、
前記所定の条件は、前記燃料電池の発電が停止してから所定時間が経過したこと、前記燃料電池システムが搭載された車両の停車位置が所定位置であること、外気温度が閾値未満であること、の少なくとも一つを含み、
前記制御装置は、前記所定の条件に、前記燃料電池の発電が停止してから前記所定時間が経過したこと、を含む場合は、外気温度が低いほど前記所定時間を短くする、燃料電池システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019127746A JP2021012858A (ja) | 2019-07-09 | 2019-07-09 | 燃料電池システム |
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JP2016095997A (ja) * | 2014-11-14 | 2016-05-26 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池用排水装置、燃料電池システム、移動体 |
JP2019050167A (ja) * | 2017-09-12 | 2019-03-28 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池システム |
-
2019
- 2019-07-09 JP JP2019127746A patent/JP2021012858A/ja active Pending
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