JP2021012333A - 映像処理装置および液晶プロジェクター - Google Patents

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喬 西森
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哲朗 山▲崎▼
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Abstract

【課題】表示の背反とドメインを抑える。【解決手段】液晶パネルの画素を、2軸の4位置にシフトさせて視認させる液晶ロジェクターの映像処理装置は、液晶パネルの着目画素について、4位置のうち、2軸の一方の軸または他方の軸に沿った2位置が、階調レベルが第1しきい値以上の明画素、または、第2しきい値以下の暗画素の一方で揃い、他の2位置が、明画素または暗画素の他方で揃う第1パターンを検出し、液晶パネルの着目画素と隣り合う画素のうち、第1パターンにおいて明画素または暗画素が揃う軸を挟んだ画素について、4位置がすべて明画素または暗画素の一方となる第2パターンを検出し、着目画素が第1パターンとなる場合であって、軸を挟んだ画素が第2パターンとなる場合に、着目画素に割り当てられる暗画素または明画素を補正対象とする。【選択図】図17

Description

本発明は、映像処理装置および液晶プロジェクターに関する。
近年のように液晶パネルの小型化および高精細化が進行して、画素電極同士の隙間が狭くなると、互いに隣り合う画素電極同士で生じる電界、すなわち基板面に対して平行方向の電界(横電界)による影響が無視できなくなる。具体的には、横電界によって、液晶の配向不良、すなわちドメインが発生し、表示上の不具合として視認される。
ドメインによる表示上の不具合を抑えるため、例えば次のような技術が提案されている。すなわち、横方向の電界が大きくなる場合、具体的には、ホスト装置等の上位装置から供給される映像データにしたがった電圧を液晶パネルの画素電極に印加すると仮定した場合に、隣り合う画素電極に印加される電圧の差がしきい値以上大きければ、当該電圧の差が小さくなるように補正する技術が提案されている。なお、このような補正は、ドメイン補正と呼ばれる。
一方、液晶パネルを用いた液晶プロジェクターでは、解像度を擬似的に高めるために、スクリーン等に投射される画素の位置を、シフトデバイスによってシフトさせる技術が知られている。この技術では、1つの単位画像を表示するための期間が、複数の期間に分割され、各期間において、投射される画素の位置がシフトされて、液晶パネルで表現される画素の個数よりも多くの画素が投射されているかのように知覚させる。
このような画素のシフトを用いて解像度を擬似的に高める場合に、横電界に起因するドメインを抑える技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2015−138149号公報
しかしながら、液晶パネルにおいてドメイン補正された画素の階調レベルは、ホスト装置等の上位装置から供給される映像データで指定される階調レベルとは異なるので、いわゆる表示の背反となる。このため、横電界に起因するドメインを抑える点と、表示の背反とを抑える点との両立が困難である、という課題がある。
本発明の一態様に係る映像処理装置は、画素電極とコモン電極とで液晶を挟持した液晶パネルの画素を、互いに異なる2軸に沿ってシフトさせた4位置で視認させる液晶プロジェクターの映像処理装置であって、前記液晶パネルの着目画素について、前記4位置のうち、前記2軸の一方の軸または他方の軸に沿った2位置が、階調レベルが第1しきい値以上の明画素、または、第2しきい値以下の暗画素の一方で揃い、他の2位置が、前記明画素または前記暗画素の他方で揃う第1パターンを検出する第1検出部と、前記液晶パネルの着目画素と隣り合う画素のうち、前記第1パターンにおいて前記明画素または前記暗画素が揃う軸を挟んだ画素について、前記4位置がすべて前記明画素または前記暗画素の一方となる第2パターンを検出する第2検出部と、前記着目画素が第1パターンとなる場合であって、前記軸を挟んだ画素が第2パターンとなる場合に、前記着目画素に割り当てられる暗画素または明画素を補正対象とする補正対象決定部と、前記補正対象となった明画素または暗画素に指定された階調レベルを補正する補正部と、を含む。
なお、2軸とは、例えば画素の配列を平面視したときに左右の軸および上下の軸などのように、互いに交差する2つの軸をいう。4位置とは、例えば、基準位置となる第1位置と、当該第1位置を一方の軸に沿って左にシフトさせた第2位置と、当該第2位置を他方の軸に沿って下にシフトさせた第3位置と、当該第3位置を一方の軸に沿って右にシフトさせた第4位置と、の4位置をいう。
実施形態に係る液晶プロジェクターを示す図である。 液晶プロジェクターの電気的な構成を示すブロック図である。 液晶プロジェクターにおける液晶パネルを示す斜視図である。 液晶パネルの構造を示す断面図である。 液晶パネルの電気的な構成を示すブロック図である。 液晶パネルにおける画素回路の等価回路を示す図である。 液晶プロジェクターにおける画素のシフトを示す図である。 液晶パネルにおけるV−T特性等の例を示す図である。 各フィールドにおける液晶パネルの画素の表示例を示す図である。 各フィールドにおいて液晶パネルで発生するドメインの例を示す図である。 補正例その1を示す図である。 補正例その1を示す図である。 補正例その2を示す図である。 補正例その2を示す図である。 補正例その3を示す図である。 補正例その4を示す図である。 液晶プロジェクターにおける処理回路の構成を示すブロック図である。 着目画素と当該着目画素に隣り合う画素との関係を示す図である。 処理回路における補正部の構成を示すブロック図である。 フラグ、フィールド番号を説明するための図である。
以下、実施形態に電気光学装置について図面を参照して説明する。なお、各図において、各部の寸法および縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本開示の範囲は、以下の説明において特に本開示を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
図1は、実施形態に係る映像処理装置を含む液晶プロジェクター1の光学的な構成を示す図である。図に示されるように、液晶プロジェクター1は、液晶パネル100R、100Gおよび100Bを含む。また、液晶プロジェクター1の内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット2102が設けられている。このランプユニット2102から射出された投射光は、内部に配置された3枚のミラー2106および2枚のダイクロイックミラー2108によって、赤(R)、緑(G)および青(B)の3原色に分離される。このうち、Rの光は液晶パネル100Rに、Gの光は液晶パネル100Gに、Bの光は液晶パネル100Bに、それぞれ入射する。
なお、Bの光路は、他の赤や緑と比較して長い。したがって、Bの光は、光路での損失を防ぐために、入射レンズ2122、リレーレンズ2123および出射レンズ2124からなるリレーレンズ系2121を介して液晶パネル100Bに導かれる。
液晶パネル100Rは、マトリクス状に配列する画素回路を有し、Rに対応するデータ信号に基づいて、上記画素回路の液晶素子を透過した光によってRの透過像を生成する。同様に、液晶パネル100Gは、Gに対応するデータ信号に基づいてGの透過像を生成し、液晶パネル100Bは、Bに対応するデータ信号に基づいてBの透過像を生成する。
液晶パネル100R、100Gおよび100Bによってそれぞれ生成された各色の透過像は、ダイクロイックプリズム2112に3方向から入射する。そして、このダイクロイックプリズム2112において、RおよびBの光は90度に屈折する一方、Gの光は直進する。したがって、各色の画像が合成された後、シフトデバイス2300を介して投射レンズ2114に入射する。シフトデバイス2300は、ダイクロイックプリズム2112からの出射方向の光軸をシフトさせる。なお、シフトデバイス2300によるシフト動作について後述する。投射レンズ2114は、シフトデバイス2300を介した合成像を、スクリーン2120に拡大して投射する。
なお、液晶パネル100R、100Bによる透過像は、ダイクロイックプリズム2112により反射した後に投射されるのに対し、液晶パネル100Gによる透過像は直進して投射される。したがって、液晶パネル100R、100Bによる各透過像は、液晶パネル100Gの透過像に対して左右反転した関係となる。
図2は、液晶プロジェクター1の電気的な構成を示すブロック図である。図に示されるように、液晶プロジェクター1は、映像処理装置200と、上述した液晶パネル100R、100Gおよび100Bと、シフトデバイス2300を含む。
図示省略されたホスト装置等の上位装置から、映像データVdaが同期信号Syncに同期して供給される。映像データVdaは、表示すべき画像における画素の階調レベルを、例えばRGB毎に8ビットで指定する。
なお、液晶パネル100R、100Gおよび100Bの合成像では画素が縦方向および横方向にわたってマトリクス状に配列する。映像データVdaで階調レベルが指定される画素の配列は、液晶パネル100R、100Gおよび100Bの合成像における画素の配列と比較して、例えば縦方向で2倍、横方向で2倍となっている。
そこで、本実施形態では、映像データVdaで示される画像を表現するための単位期間(フレーム)が、例えば4つの期間(フィールド)に分割され、さらに、1つの期間は、正極性フィールドと負極性フィールドとに分割される。シフトデバイス2300は、4つのフィールド毎にスクリーン2120に投射される画素の位置を異ならせて、液晶パネル100R、100Gおよび100Bにおける解像度を擬似的に高くする。
なお、本実施形態において、スクリーン2120に投射されるカラー画像は、液晶パネル100R、100Gおよび100Bの各透過像を合成することで、すなわち重ね合わせることで表現される。したがって、カラー画像の最小単位である画素は、液晶パネル100Rによる赤の副画素、液晶パネル100Gによる緑の副画素、および、液晶パネル100Bによる青の副画素に分けることができる。ただし、液晶パネル100R、100Gおよび100Bにおける副画素について、色について特定する必要がない場合、および、単に明暗のみを問題とする場合等では、副画素と敢えて表記する必要がない。そこで本説明では、液晶パネル100R、100Gおよび100Bにおける表示単位についても、画素と称呼する。
同期信号Syncには、映像データVdaの垂直走査開始を指示する垂直同期信号や、水平走査開始を指示する水平同期信号、および、映像データの1画素分のタイミングを示すクロック信号が含まれる。
映像処理装置200は、表示制御回路210、処理回路220R、220Gおよび220Bを含む。
表示制御回路210は、第1に、上位装置から供給される映像データVdaを色毎に分解して、出力する。詳細には、表示制御回路210は、上位装置からの映像データVdaのうち、Rの映像データをVa_Rとして出力する。表示制御回路210は、映像データVdaのうち、Gの映像データをVa_Gとして出力し、また、Bの映像データをVa_Bとして出力する。
表示制御回路210は、第2に、制御信号Ctrを液晶パネル100R、100Gおよび100Gに供給する。
表示制御回路210は、第3に、4つのフィールド毎に、光軸をシフトするための制御信号Lacを、シフトデバイス2300に供給する。
処理回路220R、220Gおよび220Bの詳細については後述するが、処理回路220Rについて概略すれば、映像データVa_Rを解析し、必要であれば後述するドメイン補正して、アナログ電圧のデータ信号Vid_Rに変換し、液晶パネル100Rに供給する。
同様に、処理回路220Gは、映像データVa_Gを解析し、必要であればドメイン補正して、アナログ電圧のデータ信号Vid_Gに変換し、液晶パネル100Gに供給する。処理回路220Bは、映像データVa_Bを解析し、必要であればドメイン補正して、アナログ電圧のデータ信号Vid_Bに変換し、液晶パネル100Bに供給する。
次に、液晶パネル100R、100Gおよび100Gについて説明する。液晶パネル100R、100Gおよび100Gについては、入射する光の色、すなわち波長だけが異なり、構造的には共通である。そこで、液晶パネル100R、100Gおよび100Gについては、符号を100として、色を特定しないで一般的に説明する。
図3は、液晶パネル100の要部を示す図であり、図4は、図3におけるH−h線で破断した断面図である。
これらの図に示されるように、液晶パネル100は、画素電極118が設けられた素子基板100aと、コモン電極108が設けられた対向基板100bとが、図示省略のスペーサーを含むシール材90によって一定の間隙を保ちつつ、互いに電極形成面が対向するように貼り合わせられ、この間隙に液晶105が封入された構造である。
素子基板100aおよび対向基板100bとしては、それぞれガラスや石英などの光透過性を有する基板が用いられる。図3に示されるように、素子基板100aにおける一辺は、対向基板100bから張り出している。この張り出した領域に、X方向に沿って複数の端子106が設けられている。複数の端子106には、FPC基板74の一端が接続される。FPC基板74の他端は、映像処理装置200に接続されて、上述した各種の信号などが供給される。
素子基板100aにおいて対向基板100bに向かう面には、画素電極118が、例えばITOなどの透明性を有する導電層のパターニングによって形成される。なお、ITOは、Indium Tin Oxideの略語である。
また、素子基板100aの対向面および対向基板100bの対向面には、電極以外にも様々な要素が設けられるが、図では省略されている。
図5は、液晶パネル100の電気的な構成を示すブロック図である。液晶パネル100には、表示領域10の周縁に、走査線駆動回路130およびデータ線駆動回路140が設けられる。
液晶パネル100の表示領域10においては、表示すべき画像の画素に対応した画素回路110がマトリクス状に配列される。詳細には、表示領域10において、複数本の走査線12が図においてX方向に延在して設けられ、また、複数本のデータ線14がY方向に延在し、かつ、走査線12と互いに電気的な絶縁を保って設けられる。そして、複数本の走査線12と複数本のデータ線14との交差に対応して画素回路110がマトリクス状に設けられる。
走査線12の本数をmとし、データ線14の本数をnとした場合、画素回路110は、縦m行×横n列でマトリクス状に配列する。m、nは、いずれも2以上の整数である。走査線12と画素回路110とにおいて、マトリクスの行を区別するために、図において上から順に1、2、3、…、(m−1)、m行と呼ぶ場合がある。同様にデータ線14および画素回路110において、マトリクスの列を区別するために、図において左から順に1、2、3、…、(n−1)、n列と呼ぶ場合がある。
走査線駆動回路130は、表示制御回路210による制御にしたがって、走査線12を例えば1、2、3、…、m行目という順番で1本ずつ選択し、選択した走査線12への走査信号をHレベルとする。なお、走査線駆動回路130は、選択した走査線12以外の走査線12への走査信号をLレベルとする。
データ線駆動回路140は、処理回路220R、220Gまたは220Bのうち、対応する色の回路から供給されたデータ信号を1行分ラッチするとともに、走査線12への走査信号がHレベルとなった期間において、当該走査線12に位置する画素回路110に、データ線14を介して出力する。
図6は、隣り合う2本の走査線12と、隣り合う2本のデータ線14との交差に対応する2行2列の計4個の、画素回路110の等価回路を示す図である。
図に示されるように、画素回路110は、トランジスター116と液晶素子120とを含む。トランジスター116は、例えばnチャネル型の薄膜トランジスターである。画素回路110において、トランジスター116のゲートノードは、走査線12に接続される一方、そのソースノードはデータ線14に接続され、そのドレインノードは、平面視で略正方形形状の画素電極118に接続される。
画素電極118に対向するようにコモン電極108が全画素に対して共通に設けられる。コモン電極108には電圧LCcomが印加される。そして、画素電極118とコモン電極108との間には上述したように液晶105が挟持される。したがって、画素回路110毎に、画素電極118およびコモン電極108によって液晶105を挟持した液晶素子120が構成される。
また、液晶素子120に対して並列に蓄積容量109が設けられる。蓄積容量109において、一端が画素電極118に接続され、他端が容量線107に接続されている。容量線107は、時間的に一定の電圧、例えばコモン電極108への印加電圧と同じ電圧LCcomが印加される。画素回路110は、走査線12の延在方向であるX方向とデータ線14の延在方向であるY方向とにわたってマトリクス状に配列するので、画素回路110に含まれる画素電極118についてもY方向およびX方向にわたって配列する。
走査信号がHレベルとなった走査線12では、当該走査線12に対応して設けられる画素回路110のトランジスター116がオンする。トランジスター116のオンにより、データ線14と画素電極118とが電気的に接続された状態となるので、データ線14に供給されたデータ信号が、オンしたトランジスター116を介して画素電極118に到達する。走査線12がLレベルになると、トランジスター116はオフになるが、画素電極118に到達したデータ信号の電圧は、液晶素子120の容量性および蓄積容量109によって保持される。
周知のように、液晶素子120では、画素電極118およびコモン電極108によって生じる電界に応じて液晶分子の配向が変化する。したがって、液晶素子120は、印加された電圧の実効値に応じた透過率となる。なお、本実施形態では、液晶素子120への印加電圧が高くなるにつれて、透過率が高くなるノーマリーブラックモードであるとする。
液晶素子120の画素電極118にデータ信号を供給する動作が、1、2、3、…、m行目という順番で実行されることによって、m行n列で配列する画素回路110の液晶素子120の各々にデータ信号に応じた電圧が保持される。このような電圧の保持によって各液晶素子120が目的とする透過率となり、m行n列で配列する画素によって、対応する色の透過像が生成される。
次に、映像データVdaで階調レベルが指定される画素と、液晶パネル100で表現される画素と、シフトデバイス2300による光軸のシフトと、の関係について説明する。なお、シフトデバイス2300については、上述したようにダイクロイックプリズム2112からの出射方向の光軸をシフトさせるが、便宜的に当該シフトについては、液晶パネル100における画素のマトリクス配列に置き換えて説明する。
図7は、表示解像度とパネル解像度を画素のシフトとの関係を説明するための図である。この図において、「表示解像度」とは、映像データVdaで階調レベルが指定される画素配列、すなわち表示すべき画像の画素配列で示される解像度をいう。なお、図7の(1)の左欄における表示解像度の画素配列では、映像データVdaで階調レベルが指定される画素配列のうち、一部が抜き出されて示される。
「パネル解像度」とは、液晶パネル100の画素配列で示される解像度をいう。なお、図7の(1)の右欄におけるパネル解像度の画素配列では、液晶パネル100における画素配列のうち、(1)の左欄における画素配列に対応した配列が抜き出されて示される。
上述したように本実施形態では、表示解像度が、パネル解像度に対して縦方向で2倍、横方向で2倍となっているので、液晶パネル100における1つの画素が、映像データVdaの4つの画素を、投射位置をシフトして表現する構成となっている。
なお、本実施形態では、液晶パネル100における1つの画素が、映像データVdaの1つの画素を表現するのに要する期間を「フィールド」と称し、映像データVdaの4つの画素を表現するのに要する期間を「フレーム」と称する。ここで、1フレームを構成する4つのフィールドを、時間の順に第1フィールド、第2フィールド、第3フィールドおよび第4フィールドとする。
本実施形態において、シフトデバイス2300は、スクリーン2120に投射される液晶パネル100の画素を、左右の軸と上下の軸との二軸にわたってシフト可能とする。なお、ここでいう左右上下とは、特に指示がない限り、画素のマトリクス配列を平面視した状態で定められる。
第1フィールドから第4フィールドまでにかけて、シフトデバイス2300によってシフトされる画素の位置は、次の通りである。
詳細には、図7の(a)に示されるように、第1フィールドにおける画素の位置を基準位置とした場合、シフトデバイス2300は、第2フィールドでは図7の(b)に示されるように、スクリーン2120に投射される液晶パネル100の画素を、破線で示される第1フィールドの基準位置から当該画素における一辺の長さのおおよそ半分だけ右にシフトさせる。
シフトデバイス2300は、第3フィールドでは図7の(c)に示されるように、投射される液晶パネル100の画素を、第2フィールドの位置から当該画素における一辺の長さのおおよそ半分だけ下にシフトさせる。
シフトデバイス2300は、第4フィールドでは図7の(d)に示されるように、投射される液晶パネル100の画素を、第3フィールドの位置から当該画素における一辺の長さのおおよそ半分だけ右にシフトさせる。
なお、シフトデバイス2300は、第4フィールドの後、次フレームの第1フィールドでは、スクリーン2120に投射される液晶パネル100の画素を、第4フィールドの位置から当該画素における一辺の長さのおおよそ半分だけ上にシフトさせて、基準位置に戻す。
また、図7の(1)において、液晶パネル100の画素のうち、例えば太枠で示される画素b2は、映像データVdaで階調レベルが指定される2m行2n列で配列する画素のうち、左右上下で隣り合う4つの画素C3、C4、D4およびD3を表現する。
第1フィールドでは、図7の(a)に示されるように、画素b2は、映像データVdaにおいて隣り合う4つの画素のうち、左上端の画素C3を表現する。
第2フィールドでは、図7の(b)に示されるように、画素b2は、映像データVdaにおいて隣り合う4つの画素のうち、右上端の画素C4を表現する。
第3フィールドでは、図7の(c)に示されるように、画素b2は、映像データVdaにおいて隣り合う4つの画素のうち、右下端の画素D4を表現する。
第4フィールドでは、図7の(d)に示されるように、画素b2は、映像データVdaにおいて隣り合う4つの画素のうち、左下端の画素D3を表現する。
ここでは、映像データVdaにおいて階調レベルが指定される画素C3、C4、D4およびD3について、液晶パネル100における画素b2との関係で説明したが、映像データVdaにおいて指定される他の画素についても、図7に示されるように、液晶パネル100における画素で表現される。
したがって、本実施形態では、液晶パネル100の解像度がm行n列であっても、第1フィールドから第4フィールドまでの1フレームで通してみたときに、映像データVdaにおいて階調レベルが指定される2m行2n列の画素配列を表現することができる。
液晶パネル100のような表示装置では、一般に、階調レベルが高くなるにつれて、画素が明るくなるように指定される。液晶パネル100でいえば、階調レベルが高くなるにつれて、画素の透過率が高くなるように指定される。ノーマリーブラックモードの液晶パネル100において、透過率を高くするには、液晶素子120の印加電圧、すなわち、画素電極118の電圧とコモン電極108の差が高くなればよい。
図8は、ノーマリーブラックモードにおける液晶素子120の印加電圧−透過率の特性(V−T特性)の一例を示す図である。
この図に示されるように、印加電圧がVminのときに透過率が最小となり、印加電圧がVmaxのときに透過が最大となる。なお、ここでいう透過率は、最小値を0%とし、最大値を100%とした相対透過率をいう。
ノーマリーブラックモードでは、高い階調レベルが指定されて、透過率が比較的高い画素(明画素)では、液晶素子120の印加電圧が高くなる一方で、低い階調レベルが指定されて、透過率が比較的低い画素(暗画素)では、液晶素子120の印加電圧が低くなる。
したがって、明画素と暗画素とが隣り合うと、画素電極118同士の電圧差が大きくなり、2つの画素の境界付近における横電界によって液晶分子の配向乱れ、すなわちドメインが発生しやすくなる。
そこで、このような明画素と暗画素とについて、便宜的に次のように定義する。すなわち、明画素は、階調レベルに応じた電圧が画素電極118に印加された場合に、当該画素電極118を含む液晶素子120への印加電圧がVH以上となる画素とし、暗画素は、液晶素子120への印加電圧がVL以下となる画素とする。ここで、VH、VLについては、
VL<VH
の関係にある。
なお、明画素を規定する電圧VHの透過率を指定する階調レベルが第1しきい値の一例であり、暗画素を規定する電圧VLの透過率を指定する階調レベルが第2しきい値の一例である。
また、液晶素子120の印加電圧が電圧VHである場合、例えば相対透過率が90%となり、電圧VLである場合、例えば相対透過率が10%となる。ただし、VLおよびVHについては、他の相対透過率に対応した電圧であってもよい。
次に、第1フィールドから第4フィールドまでにおいて、液晶パネル100で隣り合う2つの画素が、明画素と暗画素とになる場合について検討する。ここでは、隣り合う2つの画素のうち、便宜的に一方を着目画素とする。
図9は、ホスト装置等の上位装置から供給される映像データVdaによって階調レベルが指定される4つ画素を、液晶パネル100における着目画素が表現する場合に、当該着目画素における明画素と暗画素との組み合わせ等を示す図である。
ここでは、図9の(1)における太枠に示されるように、液晶パネル100において着目する画素b2が、映像データVdaによって階調レベルが指定される画素C3、C4、D4およびD3を表現する場合について説明する。なお、画素b2は、第1フィールドにて画素C3を、第2フィールドにて画素C4を、第3フィールドにて画素D4を、第4フィールドにて画素D3を、それぞれ表現する。
当該着目画素b2が取り得る明画素と暗画素との組み合わせは、(2)に示されるように16通りある。図では、明画素が白の四角形で、暗画素が黒の四角形で、それぞれ表記される。また、液晶パネル100における画素b2が、明画素および暗画素以外となる場合、ドメインが発生しないので、組み合わせからは除外されている。
上記16通りは、次のA、B、C、D、Eの5パターンのいずれかに分類することができる。
詳細には、パターンAは、画素b2が第1フィールドから第4フィールドまでにわたって、すなわちシフトされる4位置にわたって、明画素または暗画素のいずれかとなって変化しないパターンであり、上記16通りのうち、2通りがある。なお、パターンCが第2パターンの一例である。
パターンBは、画素b2が第1フィールドから第4フィールドまでのうち、いずれかの1つのフィールドで暗画素となり、残りの3つのフィールドで明画素となるパターンであり、上記16通りのうち、4通りがある。
パターンCは、画素b2が第1フィールドから第4フィールドまでのうち、連続する2つのフィールドで暗画素または明画素の一方となった状態から、暗画素または明画素の他方の状態に変化するパターンであり、上記16通りのうち、4通りがある。なお、映像データVdaで示される画像が静止画である場合、あるフレームと次フレームの画素は同じである。このため、連続する2つのフィールドには、あるフレームの第4フィールドおよび次フレームの第1フィールドも含まれる。
なお、パターンCが第1パターンの一例である。
パターンCの4通りは、(3)に示されるように、次のパターンC−1、C−2、C−3およびC−4である。
パターンC−1は、第1フィールドおよび第2フィールドにおいて暗画素となり、第3フィールドおよび第4フィールドにおいて明画素となるパターンである。パターンC−1では、上下および左右の2軸のうち、左右の軸に沿った下の2位置において明画素となり、他の2位置において暗画素となる。
パターンC−2は、第1フィールドおよび第4フィールドにおいて明画素となり、第2フィールドおよび第3フィールドにおいて暗画素となるパターンである。パターンC−2では、上下の軸に沿った左の2位置において明画素となり、他の2位置において暗画素となる。
パターンC−3は、第1フィールドおよび第2フィールドにおいて明画素となり、第3フィールドおよび第4フィールドにおいて暗画素となるパターンである。パターンC−3では、左右の軸に沿った上の2位置において明画素となり、他の2位置において暗画素となる。
パターンC−4は、第2フィールドおよび第3フィールドにおいて明画素となり、第1フィールドおよび第4フィールドにおいて暗画素となるパターンである。パターンC−4では、上下の軸に沿った右の2位置において明画素となり、他の2位置において暗画素となる。
説明を(2)に戻すと、パターンDは、画素b2が第1フィールドから第4フィールドまでのうち、いずれかの3つのフィールドで暗画素となり、残りの1つのフィールドで明画素となるパターンであり、上記16通りのうち、4通りがある。
また、パターンEは、画素b2が第1フィールドから第4フィールドまでにおいて交互に明画素および暗画素となるパターンであり、上記16通りのうち、2通りがある。
ドメインによる表示品位の低下が目立つのは、明画素または暗画素の一方を背景として、明画素または暗画素の他方からなる文字、線図などの静止画を表示する場合である。特に本実施形態のように、液晶パネル100の画素をシフトする場合に、ドメインの発生により表示品位の低下が顕著に目立つのは、明画素または暗画素を背景として、着目画素がパターンCとなるときである。
注目画素が、パターンCのうち、パターンC−2またはC−4で明画素/暗画素が変化する場合に、当該注目画素と例えば右で隣り合う画素が明画素または暗画素で変化しない場合、注目画素と当該隣り合う画素とは、明画素と暗画素とが左右に並んだ状態を維持して上または下にシフトする。また、注目画素が、パターンCのうち、パターンC−1またはC3で明画素/暗画素が変化する場合に、当該注目画素と例えば下で隣り合う画素が明画素または暗画素で変化しない場合、注目画素と当該隣り合う画素とは、明画素と暗画素とが上下に並んだ状態を維持して左または右にシフトする。このため、暗画素および明画素と隣り合うことにより発生したドメインが、シフト方向に拡がったように視認されるので、表示品位の低下が顕著に目立つことになる。
例えば図10の(1)で示されるように、液晶パネル100の着目画素b2がパターンC−4で変化する場合に、当該着目画素b2とは右で隣り合う画素b3がパターンAのうち暗画素で変化しない場合で説明する。
この場合、第2フィールドおよび第3フィールドにおいて明画素と暗画素とが左右で隣り合うので、ドメインが発生する。詳細には、第2フィールドにおいて画素b2およびb3の境界付近で上下にわたって発生したドメインは、引き続き第3フィールドにおいて画素b2およびb3の境界付近で上下にわたって発生する。第2フィールドから第3フィールドにかけて、液晶パネル100の画素が下にシフトされるので、第2フィールドにおいて画素b2およびb3の境界付近で発生したドメインは、第3フィールドにおいて下に引き延ばされる形となり、目立ちやすくなる。
なお、着目画素がパターンEであるときには、パターンCと比べると、ドメインによる影響は少ない。例えば図10の(2)で示されるように、パターンEのうち、液晶パネル100の着目画素b2が例えば第1フィールドおよび第3フィールドで暗画素となり、第2フィールドおよび第4フィールドで明画素となる場合であって、画素b3がパターンAのうち暗画素で変化しない場合で説明する。
この場合、第2フィールドでは、明画素と暗画素とが隣り合うので、パターンC−4と同様にドメインが発生する。第2フィールドから第3フィールドにかけて、液晶パネル100の画素が下にシフトされるが、第3フィールドでは、暗画素と暗画素とが隣り合うので、ドメインが発生しない。
また、第4フィールドにおいても、明画素と暗画素とが隣り合うので、ドメインが発生する。第4フィールドから第1フィールドにかけて、液晶パネル100の画素が上にシフトされるが、第1フィールドでは、暗画素と暗画素とが隣り合うので、ドメインが発生しない。
このように、パターンEでは、発生したドメインが画素のシフトによって拡がらないので、パターンCと比較すれば、ドメインによる表示品位の低下が目立ちにくい。
なお、本実施形態では、着目画素がパターンAおよびDとなる場合を、ドメイン補正の対象外とする。すなわち、本実施形態では、着目画素が、パターンCとなる場合であって、着目画素に対して右または下に隣り合う画素が、背景としてパターンAとなる場合に、ドメイン補正を実行する構成とする。
映像データVdaで階調レベルが指定される画素は、左から右に向かう方向に水平走査され、上から下に向かう垂直走査されるので、着目画素が走査によって移動することを考慮すると、着目画素と右に隣り合う画素は、次に着目画素となり、着目画素と下に隣り合う画素は、1水平走査期間後に着目画素となる。換言すれば、着目画素に対して左に隣り合う画素と、着目画素に対して上に隣り合う画素とは、すでに着目画素となって処理されている。このため、着目画素と隣り合う画素については、右と下とで隣り合う画素について考慮すればよい。なお、走査を考慮しないで、ある任意の画素を着目画素とする場合には、当該着目画素と当該着目画素に対して左右上下に隣り合う画素とを比較すればよい。
次に、本実施形態において横電界を低減するために、着目画素に対応する液晶素子120の印加電圧を補正するための措置として、次のように、その1からその4までの4態様を想定している。
まず、補正例その1について説明する。
補正例その1は、着目画素と当該着目画素に隣り合う画素とが所定の条件を満たすとき、着目画素における液晶素子120の印加電圧を連続する2フィールドにわたって補正する例である。なお、ここでいう所定の条件とは、着目画素がパターンC−2またはC−4となる場合であれば、当該着目画素と右に隣り合う画素がパターンAとなることであり、着目画素がパターンC−1またはC−3となる場合であれば、当該着目画素と下に隣り合う画素がパターンAとなることである。
図11は、補正例その1の具体例を示す図である。
詳細には、図11は、着目画素b2がパターンC−1で変化する場合であって、当該着目画素と下で隣り合う画素c2がパターンAのうち暗画素で変化しない場合に、当該着目画素b2における液晶素子120への印加電圧を補正する例を示す。
なお、図11において、液晶素子120への印加電圧については、画素電極118への印加電圧とコモン電極108への印加電圧との差の絶対値で示される。破線は比較のために補正なしの状態を示し、実線は補正後の状態を示す。
1フレームFは、第1フィールド1fから第4フィールド4fまでに4分割され、さらに1つのフィールドは、符号が+で出示される正極性フィールドと符号が−で示される負極性フィールドとに2分割されている。このため、液晶素子120における画素電極118に、データ線14を介してデータ信号を供給する動作は、正極性フィールドおよび負極性フィールドを単位として2回実行される。
また、この例において、1フレームの期間長が例えば16.7ミリ秒であれば、1フィールドの期間長は4.17ミリ秒である。なお、ここでは説明を簡略化するために、補正なしの印加電圧がVLのときを暗画素の例とし、補正なしの印加電圧がVHのときを明画素の例としている。
図の例では、着目画素b2は第1フィールド1fおよび第2フィールド2fで暗画素であるので、液晶素子120への印加電圧が、この例では補正なしの破線で示されるようにVLである。また、着目画素b2は第3フィールド3fおよび第4フィールド4fで明画素であるので、液晶素子120への印加電圧が、この例では補正なしの破線で示されるようにVHである。
これに対して、補正例その1で補正した場合、着目画素b2の液晶素子120への印加電圧は、第1フィールド1fおよび第2フィールド2fでは実線で示されるようにVLであるが、第3フィールド3fおよび第4フィールド4fでは実線で示されるように、VHよりも低いVchに変更される。
なお、画素c2における液晶素子120への印加電圧については特に示していないが、暗画素で変化しないので、例えばVLで一定である。
破線から実線に変更されると、着目画素b2における画素電極118と画素c2における画素電極118との電圧差が小さくなり、特に第3フィールド3fおよび第4フィールド4fにおける横電界が低減されるので、ドメインの発生が抑えられる。このため、シフトによって方向に拡がったように視認されることもない。
図12は、着目画素b2がパターンC−3で変化する場合であって、当該着目画素と下で隣り合う画素c2がパターンAのうち明画素で変化しない場合に、当該着目画素b2における液晶素子120への印加電圧を補正する例を示す。
図の例では、着目画素b2は第1フィールド1fおよび第2フィールド2fで明画素であるので、液晶素子120への印加電圧が、この例では補正なしの破線で示されるようにVHである。また、着目画素b2は第3フィールド3fおよび第4フィールド4fで暗画素であるので、液晶素子120への印加電圧が、この例では補正なしの破線で示されるようにVLである。
これに対して、補正例その1で補正した場合、着目画素b2の液晶素子120への印加電圧は、第1フィールド1fおよび第2フィールド2fでは実線で示されるようにVHであるが、第3フィールド3fおよび第4フィールド4fでは実線で示されるように、VLよりも高いVclに変更される。
なお、画素c2における液晶素子120への印加電圧については特に示していないが、明画素で変化しないので、例えばVHで一定である。
破線から実線に変更されると、着目画素b2における画素電極118と画素c2における画素電極118との電圧差が小さくなり、特に第3フィールド3fおよび第4フィールド4fにおける横電界が低減されるので、ドメインの発生が抑えられる。このため、シフトによって方向に拡がったように視認されることもない。
補正例その1では、着目画素と、当該着目画素に隣り合う画素とが所定の条件を満たす場合、単純に当該着目画素における液晶素子120の印加電圧が、階調レベルに応じた電圧から横電界を低減する電圧に変更される。
次に、補正例その2について説明する。
補正例その2は、着目画素と、当該着目画素に隣り合う画素とが所定の条件を満たす場合、当該着目画素で表現する明画素または暗画素を、時間的に集中するように変更する例である。
図13は、補正例その2の具体例を示す図である。
詳細には、図13は、図11と同様に、着目画素b2がパターンC−1で変化する場合であって、当該着目画素と下で隣り合う画素c2がパターンAのうち暗画素で変化しない場合に、当該着目画素b2における液晶素子120への印加電圧を補正する例を示す。
補正例その2で補正した場合、着目画素b2の液晶素子120への印加電圧は、第3フィールド3fの正極性フィールドおよび第4フィールド4fの負極性フィールドでは、実線で示されるように暗画素に対応する電圧VL、すなわち、第1フィールド1fおよび第2フィールド2fと同じ電圧VLに変更される。また、着目画素b2の液晶素子120への印加電圧は、第3フィールド3fの負極性フィールドおよび第4フィールド4fの正極性フィールドでは、実線で示されるようにVa1に変更される。
電圧Va1は、VHよりも高く、かつ、次のような電圧である。詳細には、電圧Va1は、補正例その2で補正した場合に、第3フィールド3fから第4フィールド4fまでの期間(8.33ミリ秒)にわたった液晶素子120の電圧積分値が、電圧VHを、第3フィールド3fから第4フィールド4fの負極性フィールドまでの期間にわたって印加した場合における液晶素子120の電圧積分値と同じとさせる電圧である。
なお、着目画素b2の液晶素子120への印加電圧は、第1フィールド1fおよび第2フィールド2fでは、補正なしの場合も、補正する場合も、暗画素に対応する例えば電圧VLである。
着目画素b2について、補正例その2で補正されると、第3フィールド3fの負極性フィールドから第4フィールド4fの正極性フィールドまでの短期間でみれば、画素c2とのドメインが発生するが、第3フィールド3fの正極性フィールドおよび第4フィールド4fの負極性フィールドでは、画素c2と同じ暗画素となるので、ドメインが発生しない。したがって、着目画素b2は、第3フィールド3fおよび第4フィールド4fの期間(8.33ミリ秒)で通したみたときには、ドメインが目立たない。
また、補正例その1では、第3フィールド3fから第4フィールド4fまでの期間(8.33ミリ秒)で通したみたときの電圧が映像データVdaで指定される階調レベルに応じた電圧と異なるので、表示の背反が生じるが、補正例その2では、第3フィールド3fから第4フィールド4fまでの期間(8.33ミリ秒)で通したみたときの電圧積分値が、映像データVdaで指定される階調レベルに応じた電圧とほぼ同一となるので、表示の背反とはならない。
補正例その2では、第3フィールドから第4フィールドまでの期間のうち、明画素となる期間が、第3フィールドの負極性フィールドから第4フィールドの正極性フィールドまでの期間に集中して、画素がシフトする期間を含むので、クロストークや位相差による影響を小さく抑えることができる。
図14は、図12と同様に、着目画素b2がパターンC−3で変化する場合であって、当該着目画素と下で隣り合う画素c2がパターンAのうち明画素で変化しない場合に、当該着目画素b2における液晶素子120への印加電圧を補正する例を示す。
補正例その2で補正した場合、着目画素b2の液晶素子120への印加電圧は、第3フィールド3fの正極性フィールドおよび第4フィールド4fの負極性フィールドでは、明画素の電圧VH、すなわち、第1フィールド1fおよび第2フィールド2fと同じ電圧VHに変更され、第3フィールド3fの負極性フィールドおよび第4フィールド4fの正極性フィールドでは、電圧Vminに変更される。
電圧Vminは、VLよりも低い電圧であり、例えば液晶素子120に印加される電圧の最小値である。このような補正によれば、第3フィールド3fの正極性フィールドおよび第4フィールド4fの負極性フィールドでは、着目画素b2が画素c2と同じ明画素となるので、ドメインの発生が抑えられる。
また、この例では、第3フィールド3fから第4フィールド4fまでの期間のうち、暗画素となる期間が、第3フィールド3fの負極性フィールドから第4フィールド4fの正極性フィールドまでの期間に集中して、画素がシフトする期間を含むので、クロストークや位相差による影響を小さく抑えることができる。
補正例その2は、補正対象となった明画素を、時間的に集中させて明るくし、当該明るくする期間の前後において相対的に暗くし、補正対象となった暗画素を、時間的に集中させて暗くし、当該暗くする期間の前後において相対的に明るくする例である。
なお、補正対象となった明画素を、時間的に集中させて明るくし、当該明るくする期間の前において相対的に暗くするか、もしくは、当該明るくする期間の後ろにおいて相対的に暗くする構成としてもよい。また、補正対象となった暗画素を、時間的に集中させて暗くし、当該暗くする期間の前において相対的に明るくするか、もしくは、当該暗くする期間の後ろにおいて相対的に明るくする構成としてもよい。
次に、補正例その3について説明する。
補正例その3は、着目画素と、当該着目画素に隣り合う画素とが所定の条件を満たす場合、極性のバランスを取りつつ、当該着目画素で表現する明画素または暗画素を時間的に分散させる例である。
図15は、補正例その3の具体例を示す図である。
詳細には、図15は、図11等と同様に、着目画素b2がパターンC−1で変化する場合であって、当該着目画素と下で隣り合う画素c2がパターンAのうち暗画素で変化しない場合に、当該着目画素b2における液晶素子120への印加電圧を補正する例を示す。
補正例その3では、1フレームが、第1フィールド1fから第4フィールド4fまでに4分割され、さらに1つのフィールドは、正極性フィールドと負極性フィールドとに2分割されている点については、補正例その1、および、補正例その2と同様である。ただし、補正例その3では、1フレームが時間的に半分に短縮されるとともに、同じ表示が2フレームで繰り返される。
すなわち、補正例その3では、1フレームの期間長が、補正例その1の半分の8.33ミリ秒であれば、1フィールドの期間長は2.08ミリ秒である。
なお、便宜的に、同じ表示が繰り返される2フレームのうち、時間的に先行するフレームの符号を1Fと表記し、時間的に後行するフレームの符号を2Fと表記する。
図の例では、着目画素b2は、第1フィールド1fおよび第2フィールド2fで暗画素であるので、液晶素子120への印加電圧が、この例では補正なしの破線で示されるようにVLであり、第1フレーム1Fおよび第2フレーム2Fで繰り返される。
また、着目画素b2は第3フィールド3fおよび第4フィールド4fで明画素であるので、液晶素子120への印加電圧は、補正なしでは、破線で示されるように例えばVHとなる。
これに対して、補正例その3で補正した場合、着目画素b2の液晶素子120への印加電圧は、第1フレーム1Fのうち、第3フィールド3fの正極性フィールドと、第4フィールド4fの正極性フィールドとで、実線に示されるように例えばVmaxにそれぞれ変更され、第3フィールド3fの負極性フィールドと、第4フィールド4fの負極性フィールドとでVLにそれぞれ変更される。
一方、着目画素b2の液晶素子120への印加電圧は、第2フレーム2Fのうち、第3フィールド3fの負極性フィールドと、第4フィールド4fの負極性フィールドとでVmaxにそれぞれ変更され、第3フィールド3fの正極性フィールドと、第4フィールド4fの正極性フィールドとでVLにそれぞれ変更される。
着目画素b2について、補正例その3で補正すると、第1フレーム1Fおよび第2フレーム2Fでは、第3フィールド3fおよび第4フィールド4fのうち、液晶素子120への印加電圧がVmaxとなる場合に、画素c2とのドメインが発生するが、電圧VLとなる場合ではドメインが発生しない。すなわち、補正なしの場合と比較すると、横電界が発生する期間が半分になるので、ドメインが抑えられる。また、補正例その3では、正極性と負極性とのバランスが確保された上で、正横電界が発生する期間が、補正例その2と比較すると、連続せずに時間的に分散するので、ドメインによる表示品位の低下が視認されにくくなる。
なお、補正例その3は、特に図示しないが、例えば着目画素b2がパターンC−3で変化する場合であって、当該着目画素と下で隣り合う画素c2がパターンAのうち明画素で変化する場合でも、補正例その1やその2と同様に適用可能である。
また、上記の例では、着目画素b2の液晶素子120への印加電圧が、第1フレーム1Fのうち、第3フィールド3fの正極性フィールドと、第4フィールド4fの正極性フィールドとにおいて電圧Vmaxに変更され、第2フレーム2Fのうち、第3フィールド3fの負極性フィールドと、第4フィールド4fの負極性フィールドとにおいて電圧Vmaxに変更された構成(構成その1)としたが、逆に、第1フレーム1Fのうち、第3フィールド3fの負極性フィールドと、第4フィールド4fの負極性フィールドとにおいて電圧Vmaxに変更され、第2フレーム2Fのうち、第3フィールド3fの正極性フィールドと、第4フィールド4fの正極性フィールドとにおいて変更された構成(構成その2)としてもよい。また、例えば奇数行を構成その1とし、偶数行を構成その2としてもよいし、例えば奇数列を構成その1とし、偶数列を構成その2としてもよい。
なお、補正例その3では、4位置を2回繰り返したが、4回、8回、……と繰り返してもよい。偶数回繰り返すのは、極性のバランスを確保するためである。
このように補正例その3は、補正対象となった明画素を、1回目のシフトにおいて正極性または負極性の一方で、時間的に分散させて明るくし、2回目のシフトにおいて正極性または負極性の他方で、時間的に分散させて明るくし、補正対象となった前記暗画素を、1回目のシフトにおいて正極性または負極性の一方で、時間的に分散させて暗くし、2回目のシフトにおいて正極性または負極性の他方で、時間的に分散させて暗くする例である。
補正例その4について説明する。
補正例その4は、着目画素と、当該着目画素に隣り合う画素とが所定の条件を満たす場合、補正例その2のように、暗画素または明画素の一方から、直接、暗画素または明画素の他方に変化させて、当該他方を時間的に集中するのではなく、一旦中間電圧を挟んで変更する例である。
図16は、補正例その4の具体例を示す図である。
詳細には、図16は、図11等と同様に、着目画素b2がパターンC−1で変化する場合であって、当該着目画素と下で隣り合う画素c2がパターンAのうち暗画素で変化しない場合に、当該着目画素b2における液晶素子120への印加電圧を補正する例を示す。
補正例その4で補正した場合、着目画素b2の液晶素子120への印加電圧は、第3フィールド3fの正極性フィールドおよび第4フィールド4fの負極性フィールドでは、実線で示されるように中間電圧の例えばV3に変更される。また、着目画素b2の液晶素子120への印加電圧は、第3フィールド3fの負極性フィールドおよび第4フィールド4fの正極性フィールドでは、実線で示されるようにVa2に変更される。
電圧V3は、VHよりも低い。また、電圧Va2は、例えば次のような電圧である。詳細には、電圧Va2は、補正例その4で補正した場合に、第3フィールド3fから第4フィールド4fまでの期間(8.3ミリ秒)にわたった液晶素子120の電圧積分値が、電圧VHを第3フィールド3fの正極性フィールドから第4フィールド4fの負極性フィールドまでの期間(16.7ミリ秒)にわたって印加した場合における液晶素子120の電圧積分値と同じとさせる電圧である。
なお、着目画素b2の液晶素子120への印加電圧は、第1フィールド1fおよび第2フィールド2fでは、補正なしの場合も、補正する場合も、暗画素に対応する例えば電圧VLである。
着目画素b2について、補正例その4で補正されると、第3フィールド3fの負極性フィールドから第4フィールド4fの正極性フィールドまでの短期間でみれば、画素c2とのドメインが発生するが、第3フィールド3fの正極性フィールドおよび第4フィールド4fの負極性フィールドでは、横電界が低減されるので、ドメインが目立たない。
また、補正例その4では、第3フィールド3fから第4フィールド4fまでの期間(8.33ミリ秒)で通したみたときの電圧積分値が、映像データVdaで指定される階調レベルに応じた電圧とほぼ同一となるので、表示の背反とはならない。
なお、補正例その4は、特に図示しないが、例えば着目画素b2がパターンC−3で変化する場合であって、当該着目画素と下で隣り合う画素c2がパターンAのうち明画素で変化する場合でも、補正例その1やその2等と同様に適用可能である。
また、補正例その4では、中間電圧を1つ用いて2段階で変更するほか、2つ以上用いて、3段階以上にわたって変更してもよい。
このように補正例その4は、補正対象となった明画素または暗画素の液晶素子への印加電圧を複数段階で変化させる例である。
次に、補正例を適用するための具体的な構成である処理回路220R、220Gおよび220Bについて説明する。なお、処理回路220R、220Gおよび220Bについては構成が共通なので、ここでは、処理回路220Rを例にとって説明する。
図17は、処理回路220Rの構成を示すブロック図である。
処理回路220Rには、R成分の映像データVa_Rが表示制御回路210から供給される。映像データVa_Rは、液晶パネル100Rの画素配列に対して上下2倍、左右2倍で配列する画素の階調レベルを、1行1列〜1行2n列、2行1列〜2行2n列、…、(2m−1)行1列〜(2m−1)行(2n)列、(2m)行1列〜(2m)行(2n)列という画素の順番で指定する。
処理回路220Rは、図17に示されるように、パターン判定部224、記憶部230および補正部240を含み、パターン判定部224は、第1検出部2241、第2検出部2242およぶ補正対象決定部2243を含む。
パターン判定部224は、表示制御回路210から供給される映像データVa_Rを一旦蓄積して、液晶パネル100Rにおける1つの画素に着目して、当該着目画素に対応する4画素分の階調レベルと、当該着目画素に右に隣り合う画素に対応する4画素分の階調レベルと、当該着目画素に下に隣り合う画素に対応する4画素分の階調レベルとを解析して、当該解析の結果、補正対象として決定した画素については、「1」のフラグQaを出力し、補正対象として決定しなかった画素については、「0」のフラグQaを出力する。
詳細には、パターン判定部224において第1検出部2241は、映像データVa_Rで階調レベルが指定される画素のうち、1つの着目画素に対応する4画素分の階調レベルを解析して、当該4画素を第1フィールド1fから第4フィールド4fまでにわたって割り当てたときに上記パターンCであるか否かを検出する。
着目画素に対応する4画素がパターンCであれば、第2検出部2242は、当該着目画素に対して右または下に隣り合う画素のうち、明画素または暗画素が揃う軸を挟んだ画素に対応する4画素分の階調レベルを解析し、当該4画素を第1フィールド1fから第4フィールド4fまでにわたって割り当てたときに上記パターンAであるか否かを検出する。
着目画素に対応する4画素がパターンCであって、当該着目画素に対して右または下に隣り合う画素のうち、明画素または暗画素が揃う軸を挟んだ画素に対応する4画素がパターンAである場合、補正対象決定部2243は、着目画素に対応する4画素のうち、明画素または暗画素を補正対象として決定する。詳細には、補正対象決定部2243は、原則として、軸を挟んだ画素に対応する4画素が明画素であれば、着目画素に対応する4画素のうち、暗画素を補正対象として決定し、軸を挟んだ画素に対応する4画素が暗画素であれば、着目画素に対応する4画素のうち、明画素を補正対象として決定する。
具体的には、図18の(1)に示されるように、太線で示される着目画素がパターンC−2である場合に、明画素または暗画素が揃う軸は上下となるので、当該軸を挟んで隣り合う画素、すなわち、当該着目画素と右で隣り合う画素がパターンAの暗画素であれば、着目画素に対応する4画素のうち、明画素が補正対象として決定される。なお、図では、着目画素に対応する4画素のうち、補正対象となった画素に「1」が付され、補正対象ではない画素に「0」が付されている。この場合、補正対象の画素が着目画素において左に揃っているので左補正と呼ぶことがある。
特に図示しないが、左補正の例としては、ほかに、着目画素がパターンC−4である場合であって、当該着目画素と右で隣り合う画素がパターンAの明画素である場合がある。
また、図18の(2)に示されるように、着目画素がパターンC−2である場合に、当該着目画素と右で隣り合う画素がパターンAの明画素であれば、着目画素に対応する4画素のうち、暗画素が補正対象として決定される。この場合、補正対象の画素が着目画素において右に揃っているので右補正と呼ぶことがある。
特に図示しないが、右補正の例としては、ほかに、着目画素がパターンC−4である場合であって、当該着目画素と右で隣り合う画素がパターンAの暗画素である場合がある。
図18の(3)に示されるように、着目画素がパターンC−3である場合に、明画素または暗画素が揃う軸は左右となるので、当該軸を挟んで隣り合う画素、すなわち、当該着目画素と下で隣り合う画素がパターンAの暗画素であれば、着目画素に対応する4画素のうち、明画素が補正対象として決定される。この場合、補正対象の画素が着目画素において上に揃っているので上補正と呼ぶことがある。
特に図示しないが、上補正の例としては、ほかに、着目画素がパターンC−1である場合であって、当該着目画素と下で隣り合う画素がパターンAの明画素である場合がある。
図18の(4)に示されるように、着目画素がパターンC−3である場合に、当該着目画素と下で隣り合う画素がパターンAの明画素であれば、着目画素に対応する4画素のうち、暗画素が補正対象として決定される。この場合、補正対象の画素が着目画素において下に揃っているので下補正と呼ぶことがある。
特に図示しないが、下補正の例としては、ほかに、着目画素がパターンC−1である場合であって、当該着目画素と下で隣り合う画素がパターンAの暗画素である場合がある。
なお、補正対象決定部2243は、着目画素に対応する4画素がパターンCではない場合、または、当該着目画素に対して隣り合う画素に対応する4画素がパターンAではない場合、着目画素に対応する4画素を補正の対象外とする。
補正対象決定部2243による補正対象の決定については、適宜例外を設けてもよい。例えば、図18の(5)に示されるように、着目画素がパターンC−2である場合に、当該着目画素と右で隣り合う画素がパターンAの暗画素であれば、当該着目画素と下で隣り合う画素がパターンAの明画素であるかにかかわらず、原則によれば、上述したように着目画素に対応する4画素のうち、明画素が補正対象として決定される。
ただし、液晶パネル100の特性などの事情、例えばドメインを抑制する場合に、暗画素を補正対象とした方がよい結果が得られるような事情がある場合には、暗画素を補正対象として決定してもよい。
説明を再び図17に戻すと、記憶部230は、いわゆるフレームメモリである。記憶部230には、表示制御回路210から供給される映像データVa_Rが、フラグQaと対応付けて一旦蓄積されるとともに、蓄積された映像データVa_Rのうち、各フィールドの正極性フィールドまたは負極性フィールドに対応したデータが読み出される。
なお、記憶部230からは、液晶パネル100の画素に対応する映像データCur_Vidとともに、フラグQbと、当該映像データCur_Vidに対応する画素に対して2位置前の画素に対応する映像データPre_Vidとが読み出される。
記憶部230への格納および読出は、例えば表示制御回路210によって制御される。
フラグQbとは、蓄積されたフラグQaであって、読み出される映像データCur_Vidに対応した画素が補正対象であるか否かを示す。したがって、映像データCur_Vidに付帯して読み出されたフラグQbが「1」であれば、当該映像データCur_Vidで示される画素が補正対象であることを示し、「0」であれば、補正対象ではないことを示している。
また、映像データCur_Vidに対して1位置前でなく、2位置前の画素に対応する映像データPre_Vidを読み出す理由は、パターンCでは明画素または暗画素が2位置分連続するので、1シフト分では明画素または暗画素の一方から他方への変化分が判明しないためである。
補正部240は、概略的には、映像データCur_Vidを、フラグQbおよび映像データPre_Vid等を用いて、上記補正例その1乃至その4のいずれかで補正する。
図19は、補正部240の構成を示すブロック図である。
この図に示されるように補正部240は、LUT2402、2403および出力選択部2410を含む。なお、LUTは、Look Up Tableの略語である。
LUT2402は、二次元テーブルであり、映像データCur_Vidで指定される階調レベルと、映像データPre_Vidで指定される階調レベルとに対応した記憶した映像データCurB_Vidを出力する。
詳細には、LUT2402は、映像データCur_Vidで指定される階調レベルを、2位置前の映像データPre_Vidで指定される階調レベルからの変化分で補正して、映像データCurB_Vidとして出力する。
なお、LUT2402における二次元テーブルの内容は、補正例その1からその4まで毎に用意される。
LUT2404は、二次元テーブルであり、映像データCur_Vidで指定される階調レベルと、映像データPre_Vidで指定される階調レベルとに対応した電圧データV3を出力する。なお、この電圧データV3は、補正例その4で使用する中間電圧に相当するデータである。
出力選択部2410は、映像データCur_Vid、Pre_Vid、CurB_Vidまたは電圧データV3のいずれかを、フラグQb、フィールド番号データf_c、出力フィールド設定データf_sおよび出力信号設定データS_sに基づいて選択し、映像データVid_rとして出力する。
出力選択部2410から出力される映像データVid_rは、図示省略されたD/A変換部によって、例えば表示制御回路210によって指定された極性のアナログ電圧のデータ信号Vid_Rに変換されて、液晶パネル100Rに供給される。
フィールド番号データf_cは、第1フィールド1fから第4フィールド4fまでにおける正極性および負極性フィールドの通し番号を示す。具体的には、フィールド番号データf_cは、図20に示されるように、第1フィールド1fの正極性フィールドにおいて「0」であり、以降、「1」ずつインクリメントされて、第4フィールド4fの負極性フィールドにおいて「7」となる。
なお、フィールド番号データf_c、出力フィールド設定データf_sおよび出力信号設定データS_sは、例えば表示制御回路210から供給される。
出力選択部2410は、フラグQbが「0」であれば、補正されていない映像データCur_Vidを選択し、フラグQbが「1」であれば、出力フィールド設定データf_s、および、出力信号設定データS_sに基づいて次のような電圧を選択する。
出力フィールド設定データf_sは、フラグQbが「1」である場合に、出力選択部2410に対して映像データCurB_Vidの選択を、フィールド毎に指定するデータである。なお、出力フィールド設定データf_sは、出力選択部2410に対して、「1」であれば、映像データCurB_Vidを選択させ、「0」であれば、さらに出力フィールド設定データf_sによって次のような電圧を選択させる。
出力信号設定データS_sは、出力選択部2410に対して、出力フィールド設定データf_sが「0」であるフィールドにおいて、「1」であれば、電圧データV3を選択させ、「0」であれば、映像データPre_Vidを選択させる。
例えば、図11の補正例その1でいえば、着目画素b2は、第1フィールド1fおよび第2フィールド2fで補正対象ではなく、第3フィールド3fおよび第4フィールド4fで補正対象となる。このため、フラグQbは、図20に示されるように、第1フィールド1fおよび第2フィールド2fにおいて「0」になり、第3フィールド3fおよび第4フィールド4fにおいて「1」になる。また、出力フィールド設定データf_sは、第3フィールド3fの正極性フィールド、第3フィールド3fの負極性フィールド、第4フィールド4fの正極性フィールドおよび第4フィールド4fの負極性フィールドにおいて、この順で「1111」となる。
したがって、出力選択部2410は、第1フィールド1fおよび第2フィールド2fにおいて映像データCur_Vidを選択し、第3フィールド3fおよび第4フィールド4fにおいて映像データCurB_Vidを選択する。
また例えば、図13の補正例その2でいえば、フラグQbは、第1フィールド1fおよび第2フィールド2fにおいて「0」になり、第3フィールド3fおよび第4フィールド4fにおいて「1」になる。また、出力フィールド設定データf_sは、第3フィールド3fの正極性フィールド、第3フィールド3fの負極性フィールド、第4フィールド4fの正極性フィールドおよび第4フィールド4fの負極性フィールドにおいて、この順で「0110」となる。
出力信号設定データS_sは、第3フィールド3fの正極性フィールドおよび第4フィールド4fの負極性フィールドにおいて、この順で「00」となる。
したがって、出力選択部2410は、第1フィールド1fおよび第2フィールド2fにおいて映像データCur_Vidを選択し、第3フィールド3fの正極性フィールドにおいて映像データPre_Vidを選択し、第3フィールド3fの負極性フィールドおよび第4フィールド4fの正極性フィールドにおいて映像データCurB_Vidを選択し、第4フィールド4fの負極性フィールドにおいて映像データPre_Vidを選択する。
例えば、図15の補正例その3でいえば、フラグQbは、第1フィールド1fおよび第2フィールド2fにおいて「0」になり、第3フィールド3fおよび第4フィールド4fにおいて「1」になる。また、出力フィールド設定データf_sは、第1フレーム1Fでは、第3フィールド3fの正極性フィールド、第3フィールド3fの負極性フィールド、第4フィールド4fの正極性フィールドおよび第4フィールド4fの負極性フィールドにおいて、この順で「1010」となる。
出力信号設定データS_sは、第3フィールド3fの負極性フィールドおよび第4フィールド4fの負極性フィールドにおいて、この順で「00」となる。
したがって、出力選択部2410は、第1フレームでは、第1フィールド1fおよび第2フィールド2fにおいて映像データCur_Vidを選択し、第3フィールド3fの正極性フィールドにおいて映像データCurB_Vidを選択し、第3フィールド3fの負極性フィールドにおいて映像データPre_Vidを選択し、第4フィールド4fの正極性フィールドにおいて映像データCurB_Vidを選択し、第4フィールド4fの負極性フィールドにおいて映像データPre_Vidを選択する。
なお、出力フィールド設定データf_sは、第2フレーム2Fでは、第3フィールド3fの正極性フィールド、第3フィールド3fの負極性フィールド、第4フィールド4fの正極性フィールドおよび第4フィールド4fの負極性フィールドにおいて、この順で「0101」となる。また、出力信号設定データS_sは、第2フレーム2Fでは、第3フィールド3fの正極性フィールドおよび第4フィールド4fの正極性フィールドにおいて、この順で「00」となる。
また例えば、図16の補正例その4でいえば、フラグQbは、第1フィールド1fおよび第2フィールド2fにおいて「0」になり、第3フィールド3fおよび第4フィールド4fにおいて「1」になる。また、出力フィールド設定データf_sは、第3フィールド3fの正極性フィールド、第3フィールド3fの負極性フィールド、第4フィールド4fの正極性フィールドおよび第4フィールド4fの負極性フィールドにおいて、この順で「0110」となる。
出力信号設定データS_sは、第3フィールド3fの正極性フィールドおよび第4フィールド4fの負極性フィールドにおいて、この順で「11」となる。
したがって、出力選択部2410は、第1フレームでは、第1フィールド1fおよび第2フィールド2fにおいて映像データCur_Vidを選択し、第3フィールド3fの正極性フィールドにおいて電圧データV3を選択し、第3フィールド3fの負極性フィールドおよび第4フィールド4fの正極性フィールドにおいて映像データCurB_Vidを選択し、第4フィールド4fの負極性フィールドにおいて電圧データV3を選択する。
なお、ここでは処理回路220Rを例にとって説明したが、処理回路220G、200Bについても、処理回路220Rと同様な構成である。
すなわち、処理回路220Gは、Gに対応する映像データVa_Gを処理し、データ信号Vid_Gに変換して液晶パネル100Gに供給し、処理回路220Bは、Bに対応する映像データVa_Bを処理し、データ信号Vid_Bに変換して液晶パネル100Bに供給する。
R(赤)は第1色の一例であり、液晶パネル100Rは第1液晶パネルの一例である。G(緑)は第2色の一例であり、液晶パネル100Gは第2液晶パネルの一例である。B(青)は第3色の一例であり、液晶パネル100Bは第3液晶パネルの一例である。
また、実施形態では、ノーマリーブラックモードで説明したが、ノーマリーホワイトモードとしてもよい。また、液晶パネル100R、100G、100Bを透過型としたが、反射型としてもよい。
1…液晶プロジェクター、100R、100G、100B…液晶パネル、110…画素回路、118…画素電極、120…液晶素子、200…映像処理装置、220R、220R、220G…処理回路、224…パターン判定部、230…記憶部、240…補正部、2241…第1検出部、2242…第2検出部、2243…補正対象決定部、2402、2403…LUT、2410…出力選択部。

Claims (8)

  1. 画素電極とコモン電極とで液晶を挟持した液晶パネルの画素を、互いに異なる2軸に沿ってシフトさせた4位置で視認させる液晶プロジェクターの映像処理装置であって、
    前記液晶パネルの着目画素について、前記4位置のうち、前記2軸の一方の軸または他方の軸に沿った2位置が、階調レベルが第1しきい値以上の明画素、または、第2しきい値以下の暗画素の一方で揃い、他の2位置が、前記明画素または前記暗画素の他方で揃う第1パターンを検出する第1検出部と、
    前記液晶パネルの着目画素と隣り合う画素のうち、前記第1パターンにおいて前記明画素または前記暗画素が揃う軸を挟んだ画素について、前記4位置がすべて前記明画素または前記暗画素の一方となる第2パターンを検出する第2検出部と、
    前記着目画素が第1パターンとなる場合であって、前記軸を挟んだ画素が第2パターンとなる場合に、前記着目画素に割り当てられる暗画素または明画素を補正対象とする補正対象決定部と、
    前記補正対象となった明画素または暗画素に指定された階調レベルを補正する補正部と、
    を含む映像処理装置。
  2. 前記補正部は、
    前記補正対象となった前記明画素を、時間的に集中させて明るくし、当該明るくする期間の前後の少なくとも一方において相対的に暗くする
    請求項1に記載の映像処理装置。
  3. 前記補正部は、
    前記補正対象となった前記暗画素を、時間的に集中させて暗くし、当該暗くする期間の前後の少なくとも一方において相対的に明るくする、
    請求項1に記載の映像処理装置。
  4. 前記液晶パネルの画素は、2軸の4位置のシフトを偶数回繰り返し、
    前記補正部は、
    前記補正対象となった前記明画素を、
    1回目のシフトにおいて正極性または負極性の一方で、時間的に分散させて明るくし、
    2回目のシフトにおいて正極性または負極性の他方で、時間的に分散させて明るくする、
    請求項1に記載の映像処理装置。
  5. 前記液晶パネルの画素は、2軸の4位置のシフトを偶数回繰り返し、
    前記補正部は、
    前記補正対象となった前記暗画素を、
    1回目のシフトにおいて正極性または負極性の一方で、時間的に分散させて暗くし、
    2回目のシフトにおいて正極性または負極性の他方で、時間的に分散させて暗くする
    請求項1に記載の映像処理装置。
  6. 前記補正部は、
    前記補正対象となった明画素または暗画素に指定された階調レベルを補正して、当該着目画素の画素電極と、前記軸を挟んだ画素の画素電極とで生じる電界を、補正しない場合の電界と比較して低減させる、
    請求項1に記載の映像処理装置。
  7. 前記補正部は、
    前記補正対象となった前記明画素または前記暗画素の液晶素子への印加電圧を複数段階で変化させる
    請求項1乃至6のいずれかに記載の映像処理装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の映像処理装置と、
    第1色に対応した画像を表示するための第1液晶パネルと、
    前記第1色とは異なる第2色に対応した画像を表示するための第2液晶パネルと、
    前記第1色および第2色とは異なる第3色に対応した画像を表示するための第3液晶パネルと、
    を含む液晶プロジェクター。
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