JP2021010889A - 水回収装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被処理水の有機物濃度を低減するための高度処理を安定して行える水回収装置の提供。【解決手段】有機物を含む被処理水1を導入して生物処理水2を得る生物処理槽21と、生物処理水2を上澄液3と汚泥31に固液分離する固液分離槽11と、上澄液3に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段12と、凝集剤が添加された上澄液3を導入して膜分離水4を得るろ過膜13と、膜分離水4を導入して処理水5を得る逆浸透膜14とを備える、水回収装置。【選択図】図1
Description
本発明は、水回収装置に関する。
近年、水資源のリサイクルが重要視されるようになり、放流排水の再処理のために生物処理水などをろ過膜でさらに高度処理して回収することが求められている。
特許文献1には、有機性排水を受け入れる、微生物を担持した流動担体を保持する第1の好気性生物処理槽と、第1の好気性生物処理槽の流出水を受け入れる、微生物を担持した流動担体と浮遊活性汚泥とを保持する第2の好気性生物処理槽と、第2の好気性生物処理槽の流出水を受け入れ、流出水を上澄液と沈殿汚泥とに分離する沈殿槽と、沈殿槽の上澄液を受け入れ、上澄液に同伴される汚泥を分離すると共に処理水を排出する分離膜浸漬槽であって、槽内に浸漬された分離膜モジュールと分離膜モジュールの下方に設けられた散気手段とを備える分離膜浸漬槽と、沈殿槽の沈殿汚泥を第2の好気性生物処理槽に返送する第1の汚泥返送手段と、分離膜浸漬槽の汚泥を第2の好気性生物処理槽に返送する第2の汚泥返送手段と、を具備する生物処理装置が記載されている。
特許文献2には、有機物含有排水を生物処理する第1の生物処理手段と、第1の生物処理手段から流出する生物処理水を固液分離する第1の固液分離手段と、第1の固液分離手段で分離された分離水を生物処理する第2の生物処理手段と、第2の生物処理手段から流出する生物処理水を固液分離する第2の固液分離手段と、第2の固液分離手段で分離された分離水に含まれる溶存物質を除去する高度処理手段とを有する有機物含有排水の処理装置が記載されている。
特許文献3には、有機性排水を生物処理する、生物膜を有する流動床式の第1の生物処理反応槽と、第1の生物処理反応槽から流出する生物処理水を固液分離する無凝集かつ浮上分離方式の第1の固液分離手段と、第1の固液分離手段で分離された分離水を生物処理する流動床式又は膜分離活性汚泥式の第2の生物処理反応槽とを有する有機性排水の処理装置が記載されている。
特許文献4には、有機性排水を嫌気的に生物処理する嫌気性生物処理手段と、嫌気性生物処理手段から流出する嫌気性生物処理水を好気的に生物処理する好気性生物処理手段と、好気性生物処理手段から流出する好気性生物処理水に凝集剤を添加する凝集剤添加手段と、凝集剤が添加された水を固液分離する固液分離手段と、固液分離手段で分離された分離水を処理する逆浸透膜分離手段とを有する有機性排水の処理装置において、好気性生物処理手段は、pH5.5〜6.5の条件下に、担体に付着した好気性微生物により一過式で処理する手段である有機性排水の処理装置が記載されている。
しかしながら、本発明者らが特許文献1〜4に記載の水処理装置または水回収装置を用いて水回収処理を行ったところ、ろ過膜の膜間差圧が安定せず、洗浄頻度が高いなど、被処理水の有機物濃度を低減するための高度処理が不安定となる問題があることがわかった。
本発明が解決しようとする課題は、被処理水の有機物濃度を低減するための高度処理を安定して行える水回収装置を提供することである。
上記課題を解決するために本発明者が鋭意検討したところ、特許文献1〜4では、いずれも生物処理水を上澄液と汚泥に固液分離した後、上澄液をそのままろ過膜で高度処理していたことを見出した。
これに対し、本発明では、生物処理水を上澄液と汚泥に固液分離した後、上澄液に対して凝集剤を添加して凝集剤が添加された上澄液をろ過膜に導入することによって、ろ過膜で高度処理を安定して行えることを見出し、上記課題を解決できることを見出した。
ここで、特許文献4の[0032]には、凝集処理に必要な凝集剤量を低減することで、固液分離水中の塩類濃度が低減され、RO膜分離装置の塩類負荷が低減される結果、このRO膜分離装置の透過水量を増大させることができると記載されている。この記載からは固液分離した後の上澄液に凝集剤を添加しない方が好ましいと示唆されるが、本発明では固液分離した後の上澄液にあえて凝集剤を添加する構成により、上記課題を解決できるという従来知られていなかった効果が得られる。
これに対し、本発明では、生物処理水を上澄液と汚泥に固液分離した後、上澄液に対して凝集剤を添加して凝集剤が添加された上澄液をろ過膜に導入することによって、ろ過膜で高度処理を安定して行えることを見出し、上記課題を解決できることを見出した。
ここで、特許文献4の[0032]には、凝集処理に必要な凝集剤量を低減することで、固液分離水中の塩類濃度が低減され、RO膜分離装置の塩類負荷が低減される結果、このRO膜分離装置の透過水量を増大させることができると記載されている。この記載からは固液分離した後の上澄液に凝集剤を添加しない方が好ましいと示唆されるが、本発明では固液分離した後の上澄液にあえて凝集剤を添加する構成により、上記課題を解決できるという従来知られていなかった効果が得られる。
上記課題を解決するための具体的な手段である本発明の構成と、本発明の好ましい構成を以下に記載する。
[1] 有機物を含む被処理水を導入して生物処理水を得る生物処理槽と、
生物処理水を上澄液と汚泥に固液分離する固液分離槽と、
上澄液に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段と、
凝集剤が添加された上澄液を導入して膜分離水を得るろ過膜と、
膜分離水を導入して処理水を得る逆浸透膜とを備える、水回収装置。
[2] 生物処理槽として、2槽の生物処理槽を備える[1]に記載の水回収装置。
[3] 生物処理槽として、流動担体を保持する流動担体槽を少なくとも1槽備える[1]または[2]に記載の水回収装置。
[4] 生物処理槽として、流動担体を含む流動担体槽および活性汚泥槽をこの順で備える[3]に記載の水回収装置。
[5] 汚泥を活性汚泥槽に返送する返送手段を備える[4]に記載の水回収装置。
[6] 活性汚泥槽の実効容量が、流動担体槽の実効容量の4〜10倍である[4]または[5]に記載の水回収装置。
[7] さらに流動担体槽からの出口水である生物処理水に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段を備え、凝集剤が添加された生物処理水を固液分離する[3]に記載の水回収装置。
[8] 生物処理槽として、流動担体を保持する流動担体槽を2槽備える[7]に記載の水回収装置。
[9] 生物処理槽として、嫌気処理槽および流動担体を保持する流動担体槽をこの順で備える[1]〜[3]のいずれか一項に記載の水回収装置。
[10] 生物処理槽として、嫌気処理槽および活性汚泥槽をこの順で備える[1]または[2]に記載の水回収装置。
[11] 汚泥を活性汚泥槽に返送する返送手段を備える[10]に記載の水回収装置。
[12] 凝集剤が無機凝集剤を含み、かつ、凝集剤が高分子凝集剤を含まない[1]〜[11]のいずれか一項に記載の水回収装置。
[13] ろ過膜が精密ろ過膜または限外ろ過膜である[1]〜[12]のいずれか一項に記載の水回収装置。
[14] 被処理水がBOD2000mg/L以上である[1]〜[13]のいずれか一項に記載の水回収装置。
[1] 有機物を含む被処理水を導入して生物処理水を得る生物処理槽と、
生物処理水を上澄液と汚泥に固液分離する固液分離槽と、
上澄液に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段と、
凝集剤が添加された上澄液を導入して膜分離水を得るろ過膜と、
膜分離水を導入して処理水を得る逆浸透膜とを備える、水回収装置。
[2] 生物処理槽として、2槽の生物処理槽を備える[1]に記載の水回収装置。
[3] 生物処理槽として、流動担体を保持する流動担体槽を少なくとも1槽備える[1]または[2]に記載の水回収装置。
[4] 生物処理槽として、流動担体を含む流動担体槽および活性汚泥槽をこの順で備える[3]に記載の水回収装置。
[5] 汚泥を活性汚泥槽に返送する返送手段を備える[4]に記載の水回収装置。
[6] 活性汚泥槽の実効容量が、流動担体槽の実効容量の4〜10倍である[4]または[5]に記載の水回収装置。
[7] さらに流動担体槽からの出口水である生物処理水に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段を備え、凝集剤が添加された生物処理水を固液分離する[3]に記載の水回収装置。
[8] 生物処理槽として、流動担体を保持する流動担体槽を2槽備える[7]に記載の水回収装置。
[9] 生物処理槽として、嫌気処理槽および流動担体を保持する流動担体槽をこの順で備える[1]〜[3]のいずれか一項に記載の水回収装置。
[10] 生物処理槽として、嫌気処理槽および活性汚泥槽をこの順で備える[1]または[2]に記載の水回収装置。
[11] 汚泥を活性汚泥槽に返送する返送手段を備える[10]に記載の水回収装置。
[12] 凝集剤が無機凝集剤を含み、かつ、凝集剤が高分子凝集剤を含まない[1]〜[11]のいずれか一項に記載の水回収装置。
[13] ろ過膜が精密ろ過膜または限外ろ過膜である[1]〜[12]のいずれか一項に記載の水回収装置。
[14] 被処理水がBOD2000mg/L以上である[1]〜[13]のいずれか一項に記載の水回収装置。
本発明によれば、被処理水の有機物濃度を低減するための高度処理を安定して行える水回収装置を提供できる。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[水回収装置]
本発明の水回収装置は、有機物を含む被処理水を導入して生物処理水を得る生物処理槽と、生物処理水を上澄液と汚泥に固液分離する固液分離槽と、上澄液に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段と、凝集剤が添加された上澄液を導入して膜分離水を得るろ過膜と、膜分離水を導入して処理水を得る逆浸透膜とを備える。
本発明によれば、被処理水の有機物濃度を低減するための高度処理を安定して行える水回収装置を提供できる。
以下、本発明の水回収装置の好ましい態様について説明する。
本発明の水回収装置は、有機物を含む被処理水を導入して生物処理水を得る生物処理槽と、生物処理水を上澄液と汚泥に固液分離する固液分離槽と、上澄液に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段と、凝集剤が添加された上澄液を導入して膜分離水を得るろ過膜と、膜分離水を導入して処理水を得る逆浸透膜とを備える。
本発明によれば、被処理水の有機物濃度を低減するための高度処理を安定して行える水回収装置を提供できる。
以下、本発明の水回収装置の好ましい態様について説明する。
<水回収装置の全体的な構成>
本発明の水回収装置の全体的な構成の好ましい態様を、図面を用いて説明する。図1は、本発明の水回収装置の一例の断面概略図である。
図1に示した水回収装置は、有機物を含む被処理水1を導入して生物処理水2を得る生物処理槽21と、生物処理水2を上澄液3と汚泥31に固液分離する固液分離槽11と、上澄液3に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段12と、凝集剤が添加された上澄液3を導入して膜分離水4を得るろ過膜13と、膜分離水4を導入して処理水5を得る逆浸透膜14とを備える。
本発明の水回収装置は、後述する第1の好ましい態様から第4の好ましい態様であることがより好ましい。第1の好ましい態様から第4の好ましい態様のうち、それぞれのより好ましい態様がそれぞれ図2〜図5に示した構成である。水回収装置は、生物処理槽を1槽のみ備えていてもよく、2槽以上備えていてもよい。水回収装置は、生物処理槽を2槽以上備えることが好ましく、図2〜図5に示した構成で(第1の)生物処理槽21および第2の生物処理槽22を備えることがより好ましい。
本発明の水回収装置の全体的な構成の好ましい態様を、図面を用いて説明する。図1は、本発明の水回収装置の一例の断面概略図である。
図1に示した水回収装置は、有機物を含む被処理水1を導入して生物処理水2を得る生物処理槽21と、生物処理水2を上澄液3と汚泥31に固液分離する固液分離槽11と、上澄液3に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段12と、凝集剤が添加された上澄液3を導入して膜分離水4を得るろ過膜13と、膜分離水4を導入して処理水5を得る逆浸透膜14とを備える。
本発明の水回収装置は、後述する第1の好ましい態様から第4の好ましい態様であることがより好ましい。第1の好ましい態様から第4の好ましい態様のうち、それぞれのより好ましい態様がそれぞれ図2〜図5に示した構成である。水回収装置は、生物処理槽を1槽のみ備えていてもよく、2槽以上備えていてもよい。水回収装置は、生物処理槽を2槽以上備えることが好ましく、図2〜図5に示した構成で(第1の)生物処理槽21および第2の生物処理槽22を備えることがより好ましい。
<被処理水>
本発明では、被処理水として、有機物を含む被処理水を用いる。
被処理水は、有機物を含むこと以外は特に制限はない。例えば生活排水、下水、食品工場や製紙工場の排水等の様々な種類の有機性排水を、被処理水として用いることができる。製紙工場の排水の中でも、紙パルプ工場の排水を好ましく用いられる。
被処理水の濃度は特に制限はなく、広い濃度範囲の排水に適用できる。被処理水がBOD(Biochemical oxygen demand;生物化学的酸素要求量)500mg/L以上であることが好ましく、1000mg/L以上であることがより好ましく、2000mg/L以上であることが特に好ましい。
本発明では、被処理水として、有機物を含む被処理水を用いる。
被処理水は、有機物を含むこと以外は特に制限はない。例えば生活排水、下水、食品工場や製紙工場の排水等の様々な種類の有機性排水を、被処理水として用いることができる。製紙工場の排水の中でも、紙パルプ工場の排水を好ましく用いられる。
被処理水の濃度は特に制限はなく、広い濃度範囲の排水に適用できる。被処理水がBOD(Biochemical oxygen demand;生物化学的酸素要求量)500mg/L以上であることが好ましく、1000mg/L以上であることがより好ましく、2000mg/L以上であることが特に好ましい。
<生物処理槽>
本発明の水回収装置は、有機物を含む被処理水を導入して生物処理水を得る生物処理槽を備える。
生物処理槽としては特に制限はない。
生物処理槽は、好気処理槽であっても、嫌気処理槽であってもよい。生物処理槽は、好気処理槽であることが好ましい。すなわち、生物処理槽が、槽内に酸素(空気)を供給するための散気管または曝気手段を少なくとも備えることが好ましい。
ここで、好気処理の方法として、活性汚泥法と生物膜法が挙げられる。好気処理槽としては、活性汚泥槽や生物膜処理槽が挙げられる。返送汚泥の管理が不要になる観点から、生物膜処理槽であることが好ましい。
生物膜処理槽としては、担体を含む生物膜処理槽であることが好ましい。担体を含む生物膜処理槽において微生物を担持する担体は、固定床式、流動床式、展開床式のなど任意の微生物床方式とすることができるが、流動床式または固定床式であることが好ましく、流動床式であることがより好ましい。すなわち、流動担体を含む流動担体槽を用いることが好ましい。担体としては特に制限はなく、活性炭、種々のプラスチック担体、スポンジ担体などがいずれも使用できる。特開2006−082024号公報の[0017]に記載の流動担体を用いてもよい。特開2006−082024号公報の[0018]に記載の流動担体と生物処理水を分離するためのスクリーンを用いてもよい。
水回収装置が備える生物処理槽の数に制限はなく、1槽式でも2槽以上の多段式であってもよい。本発明の水回収装置は、2槽の生物処理槽を備えることが好ましい。生物処理槽として、流動担体を保持する流動担体槽を少なくとも1槽備えることが好ましい。
本発明の水回収装置は、生物処理槽が以下の第1の好ましい態様から第4の好ましい態様であることがより好ましい。
本発明の水回収装置は、有機物を含む被処理水を導入して生物処理水を得る生物処理槽を備える。
生物処理槽としては特に制限はない。
生物処理槽は、好気処理槽であっても、嫌気処理槽であってもよい。生物処理槽は、好気処理槽であることが好ましい。すなわち、生物処理槽が、槽内に酸素(空気)を供給するための散気管または曝気手段を少なくとも備えることが好ましい。
ここで、好気処理の方法として、活性汚泥法と生物膜法が挙げられる。好気処理槽としては、活性汚泥槽や生物膜処理槽が挙げられる。返送汚泥の管理が不要になる観点から、生物膜処理槽であることが好ましい。
生物膜処理槽としては、担体を含む生物膜処理槽であることが好ましい。担体を含む生物膜処理槽において微生物を担持する担体は、固定床式、流動床式、展開床式のなど任意の微生物床方式とすることができるが、流動床式または固定床式であることが好ましく、流動床式であることがより好ましい。すなわち、流動担体を含む流動担体槽を用いることが好ましい。担体としては特に制限はなく、活性炭、種々のプラスチック担体、スポンジ担体などがいずれも使用できる。特開2006−082024号公報の[0017]に記載の流動担体を用いてもよい。特開2006−082024号公報の[0018]に記載の流動担体と生物処理水を分離するためのスクリーンを用いてもよい。
水回収装置が備える生物処理槽の数に制限はなく、1槽式でも2槽以上の多段式であってもよい。本発明の水回収装置は、2槽の生物処理槽を備えることが好ましい。生物処理槽として、流動担体を保持する流動担体槽を少なくとも1槽備えることが好ましい。
本発明の水回収装置は、生物処理槽が以下の第1の好ましい態様から第4の好ましい態様であることがより好ましい。
(第1の好ましい態様)
水回収装置の第1の好ましい態様は、生物処理槽として、流動担体を含む流動担体槽および活性汚泥槽をこの順で備える態様である。
図2は、本発明の水回収装置の他の一例の断面概略図であり、本発明の水回収装置の第1の好ましい態様に関する。図2に示した水回収装置は、生物処理槽21として流動担体を保持する流動担体槽23を備え、第2の生物処理槽22として活性汚泥槽24を備える態様であり、流動担体槽の出口水6は活性汚泥槽24に導入される。さらに、図2に示した水回収装置は、活性汚泥処理水である生物処理水2を上澄液3と汚泥31に固液分離する固液分離槽11と、上澄液3に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段12と、凝集剤が添加された上澄液3を導入して膜分離水4を得るろ過膜13と、膜分離水4を導入して処理水5を得る逆浸透膜14とを備える。
第1の好ましい態様のように活性汚泥槽を用いる場合、図2に示したとおり、水回収装置は、汚泥を活性汚泥槽に返送する返送手段32を備えることが好ましい。特に、活性汚泥処理水である生物処理水2に対して凝集剤を添加せずに、沈殿槽を用いて沈殿した汚泥31の一部を返送汚泥として再利用することがより好ましい。返送手段としては特に制限はなく、例えば公知のポンプを用いることができる。
一方、返送しない残りの汚泥31は必要に応じて余剰汚泥33として系外に排出されてもよい。
水回収装置の第1の好ましい態様は、生物処理槽として、流動担体を含む流動担体槽および活性汚泥槽をこの順で備える態様である。
図2は、本発明の水回収装置の他の一例の断面概略図であり、本発明の水回収装置の第1の好ましい態様に関する。図2に示した水回収装置は、生物処理槽21として流動担体を保持する流動担体槽23を備え、第2の生物処理槽22として活性汚泥槽24を備える態様であり、流動担体槽の出口水6は活性汚泥槽24に導入される。さらに、図2に示した水回収装置は、活性汚泥処理水である生物処理水2を上澄液3と汚泥31に固液分離する固液分離槽11と、上澄液3に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段12と、凝集剤が添加された上澄液3を導入して膜分離水4を得るろ過膜13と、膜分離水4を導入して処理水5を得る逆浸透膜14とを備える。
第1の好ましい態様のように活性汚泥槽を用いる場合、図2に示したとおり、水回収装置は、汚泥を活性汚泥槽に返送する返送手段32を備えることが好ましい。特に、活性汚泥処理水である生物処理水2に対して凝集剤を添加せずに、沈殿槽を用いて沈殿した汚泥31の一部を返送汚泥として再利用することがより好ましい。返送手段としては特に制限はなく、例えば公知のポンプを用いることができる。
一方、返送しない残りの汚泥31は必要に応じて余剰汚泥33として系外に排出されてもよい。
流動担体槽は、BOD容積負荷が0.8〜8.0kg−BOD/m3・dayであることが好ましく、2.0〜7.0kg−BOD/m3・dayであることがより好ましく、3.0〜6.0kg−BOD/m3・dayであることが特に好ましい。流動担体槽は、担体充填率(体積比)が5〜50%であることが好ましく、10〜40%であることがより好ましく、15〜30%であることが特に好ましい。
活性汚泥槽の実効容量が、流動担体槽の実効容量の4〜10倍であることが好ましく、4〜8倍であることがより好ましく、4〜6倍であることが特に好ましい。
活性汚泥槽は、BOD汚泥負荷が0.01〜0.8kg/m3−VSS・dayであることが好ましく、0.02〜0.3kg/m3−VSS・dayであることがより好ましく、0.03〜0.1kg/m3−VSS・dayであることが特に好ましい。なお、VSS(volatile suspended solids;浮遊物質の強熱減量)とは、SSを強熱したときに揮発する物質のことを言い、揮発性の物質は主に有機物である。活性汚泥槽は、MLSS(Mixed liquor suspended solids;生物処理槽内の浮遊物質濃度)が1000〜20000mg/Lであることが好ましく、2000〜10000mg/Lであることがより好ましく、3000〜7000mg/Lであることが特に好ましい。活性汚泥槽は、SRT(Sludge retention time;汚泥滞留時間)が5〜30dayであることが好ましく、10〜25dayであることがより好ましく、15〜20dayであることが特に好ましい。
活性汚泥槽は、BOD汚泥負荷が0.01〜0.8kg/m3−VSS・dayであることが好ましく、0.02〜0.3kg/m3−VSS・dayであることがより好ましく、0.03〜0.1kg/m3−VSS・dayであることが特に好ましい。なお、VSS(volatile suspended solids;浮遊物質の強熱減量)とは、SSを強熱したときに揮発する物質のことを言い、揮発性の物質は主に有機物である。活性汚泥槽は、MLSS(Mixed liquor suspended solids;生物処理槽内の浮遊物質濃度)が1000〜20000mg/Lであることが好ましく、2000〜10000mg/Lであることがより好ましく、3000〜7000mg/Lであることが特に好ましい。活性汚泥槽は、SRT(Sludge retention time;汚泥滞留時間)が5〜30dayであることが好ましく、10〜25dayであることがより好ましく、15〜20dayであることが特に好ましい。
(第2の好ましい態様)
水回収装置の第2の好ましい態様は、生物処理槽として、流動担体を含む流動担体槽を少なくとも1槽備え、かつ、活性汚泥槽を備えない態様である。水回収装置の第2の好ましい態様では、流動担体を保持する流動担体槽を2槽以上備えることが好ましく、流動担体を保持する流動担体槽を2槽備えることがより好ましい。
図3は、本発明の水回収装置の他の一例の断面概略図であり、本発明の水回収装置の第2の好ましい態様に関する。図3に示した水回収装置は、生物処理槽21として流動担体を保持する流動担体槽23を備え、第2の生物処理槽22として2槽目となる流動担体槽25を備える態様であり、流動担体槽の出口水6は2槽目となる流動担体槽25に導入される。さらに、図3に示した水回収装置は、(第2の)流動担体槽の出口水6である生物処理水2に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段12と、凝集剤を添加された生物処理水2を上澄液3と汚泥31に固液分離する固液分離槽11と、上澄液3に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段12と、凝集剤が添加された上澄液3を導入して膜分離水4を得るろ過膜13と、膜分離水4を導入して処理水5を得る逆浸透膜14とを備える。
図3に示したとおり、本発明の水回収装置は、流動担体槽からの出口水(または2槽目となる流動担体槽の出口水)である生物処理水に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段を固液分離槽の前段に備え、凝集剤が添加された生物処理水を固液分離することがより好ましい。一般に、流動担体槽の出口水は凝集しにくい性質である。本発明では、流動担体槽からの出口水に凝集剤を添加した生物処理水を凝集沈殿処理することにより、活性汚泥処理水や流動担体槽からの出口水に凝集剤を添加せずに固液分離する場合よりも、汚泥が流出し難くでき、ろ過膜の膜間差圧をより安定させて、洗浄頻度をより低くできる。
流動担体槽からの出口水である生物処理水に対して用いる凝集剤の好ましい範囲は、後述する固液分離後の上澄液に対して用いる凝集剤の好ましい範囲と同様である。
水回収装置の第2の好ましい態様は、生物処理槽として、流動担体を含む流動担体槽を少なくとも1槽備え、かつ、活性汚泥槽を備えない態様である。水回収装置の第2の好ましい態様では、流動担体を保持する流動担体槽を2槽以上備えることが好ましく、流動担体を保持する流動担体槽を2槽備えることがより好ましい。
図3は、本発明の水回収装置の他の一例の断面概略図であり、本発明の水回収装置の第2の好ましい態様に関する。図3に示した水回収装置は、生物処理槽21として流動担体を保持する流動担体槽23を備え、第2の生物処理槽22として2槽目となる流動担体槽25を備える態様であり、流動担体槽の出口水6は2槽目となる流動担体槽25に導入される。さらに、図3に示した水回収装置は、(第2の)流動担体槽の出口水6である生物処理水2に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段12と、凝集剤を添加された生物処理水2を上澄液3と汚泥31に固液分離する固液分離槽11と、上澄液3に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段12と、凝集剤が添加された上澄液3を導入して膜分離水4を得るろ過膜13と、膜分離水4を導入して処理水5を得る逆浸透膜14とを備える。
図3に示したとおり、本発明の水回収装置は、流動担体槽からの出口水(または2槽目となる流動担体槽の出口水)である生物処理水に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段を固液分離槽の前段に備え、凝集剤が添加された生物処理水を固液分離することがより好ましい。一般に、流動担体槽の出口水は凝集しにくい性質である。本発明では、流動担体槽からの出口水に凝集剤を添加した生物処理水を凝集沈殿処理することにより、活性汚泥処理水や流動担体槽からの出口水に凝集剤を添加せずに固液分離する場合よりも、汚泥が流出し難くでき、ろ過膜の膜間差圧をより安定させて、洗浄頻度をより低くできる。
流動担体槽からの出口水である生物処理水に対して用いる凝集剤の好ましい範囲は、後述する固液分離後の上澄液に対して用いる凝集剤の好ましい範囲と同様である。
第1の生物処理槽として用いる流動担体槽は、BOD容積負荷が0.8〜8.0kg−BOD/m3・dayであることが好ましく、2.0〜7.0kg−BOD/m3・dayであることがより好ましく、3.0〜6.0kg−BOD/m3・dayであることが特に好ましい。流動担体槽は、担体充填率が5〜50%であることが好ましく、10〜40%であることがより好ましく、15〜30%であることが特に好ましい。
2槽目となる流動担体槽の実効容量が、流動担体槽の実効容量の4〜10倍であることが好ましく、4〜8倍であることがより好ましく、4〜6倍であることが特に好ましい。
第2の生物処理槽として用いる2槽目となる流動担体槽は、BOD汚泥負荷が0.01〜0.8kg/m3−VSS・dayであることが好ましく、0.02〜0.3kg/m3−VSS・dayであることがより好ましく、0.03〜0.1kg/m3−VSS・dayであることが特に好ましい。2槽目となる流動担体槽の担体充填率の好ましい範囲は、第1の生物処理槽として用いる流動担体槽の担体充填率の好ましい範囲と同様である。
なお、流動担体槽を1槽のみ用いる場合は、第1の生物処理槽として用いる流動担体槽の好ましい態様を採用できる。
第2の生物処理槽として用いる2槽目となる流動担体槽は、BOD汚泥負荷が0.01〜0.8kg/m3−VSS・dayであることが好ましく、0.02〜0.3kg/m3−VSS・dayであることがより好ましく、0.03〜0.1kg/m3−VSS・dayであることが特に好ましい。2槽目となる流動担体槽の担体充填率の好ましい範囲は、第1の生物処理槽として用いる流動担体槽の担体充填率の好ましい範囲と同様である。
なお、流動担体槽を1槽のみ用いる場合は、第1の生物処理槽として用いる流動担体槽の好ましい態様を採用できる。
(第3の好ましい態様)
水回収装置の第3の好ましい態様は、生物処理槽として、嫌気処理槽および活性汚泥槽をこの順で備える態様である。
図4は、本発明の水回収装置の他の一例の断面概略図であり、本発明の水回収装置の第3の好ましい態様に関する。図4に示した水回収装置は、生物処理槽21として嫌気処理槽26を備え、第2の生物処理槽22として活性汚泥槽24を備える態様であり、嫌気処理水7は活性汚泥槽24に導入される。さらに、図4に示した水回収装置は、活性汚泥処理水である生物処理水2を上澄液3と汚泥31に固液分離する固液分離槽11と、上澄液3に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段12と、凝集剤が添加された上澄液3を導入して膜分離水4を得るろ過膜13と、膜分離水4を導入して処理水5を得る逆浸透膜14とを備える。
第3の好ましい態様のように活性汚泥槽を用いる場合、第1の好ましい態様と同様に、水回収装置は、汚泥31を活性汚泥槽24に返送する返送手段32を備えることが好ましく、返送しない残りの汚泥31は余剰汚泥33として系外に排出できる。
嫌気処理槽としては、嫌気性状態で微生物的に有機物を分解できればよく、公知の嫌気処理槽を用いることができる。例えば、槽内に酸素(空気)を供給するための散気管または曝気手段を備えない嫌気処理槽が挙げられる。また、担体や、UASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanket)方式などの粒状汚泥を保持した嫌気処理槽を用いることができる。
第3の好ましい態様に用いられる活性処理槽の好ましい範囲は、第1の好ましい態様に用いられる活性処理槽の好ましい範囲と同様である。
水回収装置の第3の好ましい態様は、生物処理槽として、嫌気処理槽および活性汚泥槽をこの順で備える態様である。
図4は、本発明の水回収装置の他の一例の断面概略図であり、本発明の水回収装置の第3の好ましい態様に関する。図4に示した水回収装置は、生物処理槽21として嫌気処理槽26を備え、第2の生物処理槽22として活性汚泥槽24を備える態様であり、嫌気処理水7は活性汚泥槽24に導入される。さらに、図4に示した水回収装置は、活性汚泥処理水である生物処理水2を上澄液3と汚泥31に固液分離する固液分離槽11と、上澄液3に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段12と、凝集剤が添加された上澄液3を導入して膜分離水4を得るろ過膜13と、膜分離水4を導入して処理水5を得る逆浸透膜14とを備える。
第3の好ましい態様のように活性汚泥槽を用いる場合、第1の好ましい態様と同様に、水回収装置は、汚泥31を活性汚泥槽24に返送する返送手段32を備えることが好ましく、返送しない残りの汚泥31は余剰汚泥33として系外に排出できる。
嫌気処理槽としては、嫌気性状態で微生物的に有機物を分解できればよく、公知の嫌気処理槽を用いることができる。例えば、槽内に酸素(空気)を供給するための散気管または曝気手段を備えない嫌気処理槽が挙げられる。また、担体や、UASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanket)方式などの粒状汚泥を保持した嫌気処理槽を用いることができる。
第3の好ましい態様に用いられる活性処理槽の好ましい範囲は、第1の好ましい態様に用いられる活性処理槽の好ましい範囲と同様である。
(第4の好ましい態様)
水回収装置の第4の好ましい態様は、生物処理槽として、嫌気処理槽を少なくとも1槽備え、かつ、活性汚泥槽を備えない態様である。水回収装置の第4の好ましい態様では、嫌気処理槽および流動担体を保持する流動担体槽をこの順で備えることがより好ましい。
図5は、本発明の水回収装置の他の一例の断面概略図であり、本発明の水回収装置の第4の好ましい態様に関する。図5に示した水回収装置は、生物処理槽21として嫌気処理槽26を備え、第2の生物処理槽22として2槽目となる流動担体槽25を備える態様であり、嫌気処理水7は2槽目となる流動担体槽25に導入される。さらに、図5に示した水回収装置は、(2槽目となる)流動担体槽の出口水6である生物処理水2に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段12と、凝集剤を添加された生物処理水2を上澄液3と汚泥31に固液分離する固液分離槽11と、上澄液3に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段12と、凝集剤が添加された上澄液3を導入して膜分離水4を得るろ過膜13と、膜分離水4を導入して処理水5を得る逆浸透膜14とを備える。
第2の好ましい態様と同様に、2槽目となる流動担体槽からの出口水である生物処理水に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段を固液分離槽の前段に備え、凝集剤が添加された生物処理水を固液分離することがより好ましい。
第4の好ましい態様に用いられる嫌気処理槽の好ましい範囲は、第3の好ましい態様に用いられる嫌気処理槽の好ましい範囲と同様である。
第4の好ましい態様に用いられる2槽目となる流動担体槽の好ましい範囲は、第2の好ましい態様に用いられる2槽目となる流動担体槽の好ましい範囲と同様である。
水回収装置の第4の好ましい態様は、生物処理槽として、嫌気処理槽を少なくとも1槽備え、かつ、活性汚泥槽を備えない態様である。水回収装置の第4の好ましい態様では、嫌気処理槽および流動担体を保持する流動担体槽をこの順で備えることがより好ましい。
図5は、本発明の水回収装置の他の一例の断面概略図であり、本発明の水回収装置の第4の好ましい態様に関する。図5に示した水回収装置は、生物処理槽21として嫌気処理槽26を備え、第2の生物処理槽22として2槽目となる流動担体槽25を備える態様であり、嫌気処理水7は2槽目となる流動担体槽25に導入される。さらに、図5に示した水回収装置は、(2槽目となる)流動担体槽の出口水6である生物処理水2に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段12と、凝集剤を添加された生物処理水2を上澄液3と汚泥31に固液分離する固液分離槽11と、上澄液3に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段12と、凝集剤が添加された上澄液3を導入して膜分離水4を得るろ過膜13と、膜分離水4を導入して処理水5を得る逆浸透膜14とを備える。
第2の好ましい態様と同様に、2槽目となる流動担体槽からの出口水である生物処理水に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段を固液分離槽の前段に備え、凝集剤が添加された生物処理水を固液分離することがより好ましい。
第4の好ましい態様に用いられる嫌気処理槽の好ましい範囲は、第3の好ましい態様に用いられる嫌気処理槽の好ましい範囲と同様である。
第4の好ましい態様に用いられる2槽目となる流動担体槽の好ましい範囲は、第2の好ましい態様に用いられる2槽目となる流動担体槽の好ましい範囲と同様である。
<固液分離槽>
本発明の水回収装置は、生物処理水を上澄液と汚泥に固液分離する固液分離槽を備える。
固液分離槽としては特に制限はなく、沈殿槽、浮上槽、遠心分離機などの公知の固液分離槽を用いることができる。本発明では、固液分離槽として沈殿槽を用いることがより好ましい。
水回収装置が備える固液分離槽の数に制限はないが、固液分離槽を1つのみ備えることが好ましい。
本発明の水回収装置は、生物処理水を上澄液と汚泥に固液分離する固液分離槽を備える。
固液分離槽としては特に制限はなく、沈殿槽、浮上槽、遠心分離機などの公知の固液分離槽を用いることができる。本発明では、固液分離槽として沈殿槽を用いることがより好ましい。
水回収装置が備える固液分離槽の数に制限はないが、固液分離槽を1つのみ備えることが好ましい。
固液分離槽の水面積負荷の下限値は、特に制限はない。固液分離槽の水面積負荷の上限値は、ろ過膜の閉塞を抑制して安定運転する観点から、45m/day以下であることが好ましく、なるべく小さいことがより好ましい。なお、固液分離槽の水面積負荷の単位は、m3/m2/dayまたはm/Dと記載されることもある。
<凝集剤添加手段>
本発明の水回収装置は、上澄液に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段を備える。
水回収装置は凝集剤添加手段を1箇所のみに備えていてもよく、2箇所以上に備えていてもよい。水回収装置は、凝集剤添加手段を少なくとも固液分離槽の後段からろ過膜の前段までの間に備える。例えば、凝集剤添加手段が、固液分離槽とろ過膜との間の配管を通過する上澄液に対して凝集剤を添加するように配置されることが好ましい。
水回収装置は、さらに別の凝集剤添加手段を生物処理槽と固液分離槽との間にも備えていてもよい。例えば、第2の好ましい態様や第4の好ましい態様のように生物処理槽として活性汚泥槽を用いない場合、別の凝集剤添加手段が、生物処理槽と固液分離槽との間の配管を通過する、固液分離前の生物処理水に対して凝集剤を添加するように配置されることが好ましい。凝集剤添加手段を生物処理槽と固液分離槽との間にも備える場合、凝集剤添加手段を備える凝集槽を設けてもよい。
本発明の水回収装置は、上澄液に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段を備える。
水回収装置は凝集剤添加手段を1箇所のみに備えていてもよく、2箇所以上に備えていてもよい。水回収装置は、凝集剤添加手段を少なくとも固液分離槽の後段からろ過膜の前段までの間に備える。例えば、凝集剤添加手段が、固液分離槽とろ過膜との間の配管を通過する上澄液に対して凝集剤を添加するように配置されることが好ましい。
水回収装置は、さらに別の凝集剤添加手段を生物処理槽と固液分離槽との間にも備えていてもよい。例えば、第2の好ましい態様や第4の好ましい態様のように生物処理槽として活性汚泥槽を用いない場合、別の凝集剤添加手段が、生物処理槽と固液分離槽との間の配管を通過する、固液分離前の生物処理水に対して凝集剤を添加するように配置されることが好ましい。凝集剤添加手段を生物処理槽と固液分離槽との間にも備える場合、凝集剤添加手段を備える凝集槽を設けてもよい。
凝集剤としては、無機凝集剤および高分子凝集剤を挙げることができる。本発明では、凝集剤が無機凝集剤を含むことが好ましい。本発明では、凝集剤が無機凝集剤を含み、かつ、凝集剤が高分子凝集剤を含まないことがより好ましい。
無機凝集剤は、アルミニウム系凝集剤または鉄系凝集剤であることが好ましく、アルミニウム系凝集剤であることがより好ましい。無機凝集剤としては、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、ポリ硫酸鉄、ポリシリカ鉄が例示される。これらの中でも、硫酸バンドおよびPACが好ましく、PACがより好ましい。
なお、高分子凝集剤としては、両性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、アニオン性高分子凝集剤、カチオン性高分子凝集剤などを挙げることができる。本発明では、凝集剤として高分子凝集剤を含まないことが好ましい。高分子凝集剤を使わない場合、高分子凝集剤がろ過膜に付着して不可逆的な閉塞が起きることを抑制しやすい。さらに、限外ろ過膜の膜ろ過処理時に通常実施されていた、無機凝集剤および高分子凝集剤の混合の前処理も不要となる。
無機凝集剤は、アルミニウム系凝集剤または鉄系凝集剤であることが好ましく、アルミニウム系凝集剤であることがより好ましい。無機凝集剤としては、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、ポリ硫酸鉄、ポリシリカ鉄が例示される。これらの中でも、硫酸バンドおよびPACが好ましく、PACがより好ましい。
なお、高分子凝集剤としては、両性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、アニオン性高分子凝集剤、カチオン性高分子凝集剤などを挙げることができる。本発明では、凝集剤として高分子凝集剤を含まないことが好ましい。高分子凝集剤を使わない場合、高分子凝集剤がろ過膜に付着して不可逆的な閉塞が起きることを抑制しやすい。さらに、限外ろ過膜の膜ろ過処理時に通常実施されていた、無機凝集剤および高分子凝集剤の混合の前処理も不要となる。
<ろ過膜>
凝集剤が添加された上澄液を導入して膜分離水を得るろ過膜を備える。本発明では、ろ過膜が精密ろ過膜または限外ろ過膜であることが好ましく、限外ろ過膜であることがより好ましい。
精密ろ過膜の開口径は特に制限はなく、0.1〜0.5μmであることが好ましく、0.1〜0.2μmであることがより好ましい。限外ろ過膜の開口径は特に制限はなく、0.01〜0.05μmであることが好ましく、0.01〜0.02μmであることがより好ましい。
ろ過膜の形状は特に制限はなく、例えば中空糸膜、スパイラル膜、プリーツ膜、平膜などを挙げることができる。ろ過膜が、中空糸膜であることが好ましい。
ろ過膜の配置位置は、ろ過膜モジュールの内部であることが好ましく、具体的にはろ過膜が生物処理槽の内部以外(外部)に配置されることが好ましく、活性汚泥槽の内部以外に配置されることがより好ましい。すなわち、ろ過膜は、膜分離活性汚泥法に用いられる生物処理槽の内部に配置されたろ過膜ではないことが好ましい。ろ過膜の配置位置をろ過膜モジュールの内部とすることで、ブロワなどの曝気手段が必要ではなくなり、電気代を抑制して運転コストを抑制できる。また、ろ過膜の配置位置をろ過膜モジュールの内部とすることで、ろ過膜を容易に増設しやすくでき、処理水量を増やす等の調整を容易にしやすくなる。
凝集剤が添加された上澄液を導入して膜分離水を得るろ過膜を備える。本発明では、ろ過膜が精密ろ過膜または限外ろ過膜であることが好ましく、限外ろ過膜であることがより好ましい。
精密ろ過膜の開口径は特に制限はなく、0.1〜0.5μmであることが好ましく、0.1〜0.2μmであることがより好ましい。限外ろ過膜の開口径は特に制限はなく、0.01〜0.05μmであることが好ましく、0.01〜0.02μmであることがより好ましい。
ろ過膜の形状は特に制限はなく、例えば中空糸膜、スパイラル膜、プリーツ膜、平膜などを挙げることができる。ろ過膜が、中空糸膜であることが好ましい。
ろ過膜の配置位置は、ろ過膜モジュールの内部であることが好ましく、具体的にはろ過膜が生物処理槽の内部以外(外部)に配置されることが好ましく、活性汚泥槽の内部以外に配置されることがより好ましい。すなわち、ろ過膜は、膜分離活性汚泥法に用いられる生物処理槽の内部に配置されたろ過膜ではないことが好ましい。ろ過膜の配置位置をろ過膜モジュールの内部とすることで、ブロワなどの曝気手段が必要ではなくなり、電気代を抑制して運転コストを抑制できる。また、ろ過膜の配置位置をろ過膜モジュールの内部とすることで、ろ過膜を容易に増設しやすくでき、処理水量を増やす等の調整を容易にしやすくなる。
ろ過膜を通過した膜分離水は、一部が貯留手段に貯留され、逆洗浄に用いられてもよい。膜分離水は、貯留手段に貯留されずにそのまま逆浸透膜に供給してもよい。ただし、ろ過膜を通過した膜分離水の全部が貯留手段に貯留され、貯留手段に貯留された膜分離水の一部がそのまま逆浸透膜に供給されて、残りが逆洗浄用に貯留されることが好ましい。
膜分離水は、浮遊物質(suspended solids;SS)が十分に除去されるため、そのまま逆浸透膜に供給することができる。
膜分離水は、浮遊物質(suspended solids;SS)が十分に除去されるため、そのまま逆浸透膜に供給することができる。
<逆浸透膜>
本発明の水回収装置は、膜分離水を導入して処理水を得る逆浸透膜を備える。
逆浸透膜の開口径は特に制限はなく、0.001〜0.005μmであることが好ましく、0.001〜0.002μmであることがより好ましい。逆浸透膜の材料としては特に制限はなく、例えばポリアミド膜などを用いることができる。
本発明の水回収装置は、膜分離水を導入して処理水を得る逆浸透膜を備える。
逆浸透膜の開口径は特に制限はなく、0.001〜0.005μmであることが好ましく、0.001〜0.002μmであることがより好ましい。逆浸透膜の材料としては特に制限はなく、例えばポリアミド膜などを用いることができる。
水回収装置によって、膜分離水を逆浸透膜処理し、処理水(透過水または回収水とも言われる)として回収して、再利用することができる。例えば、工場からの排水を工業用水並みの水質の処理水として回収し、用水(工業用水)として再利用することができる。また、処理水は、無菌水として再利用することができる。
<その他の装置>
水回収装置は、その他の機能を有する部分を備えていてもよい。
水回収装置は、その他の機能を有する部分を備えていてもよい。
水処理装置は、凝集剤添加手段の上流などに、pH調整手段を備えていてもよい。pH調整手段の位置は特に制限はない。pH調整手段では、被処理水のpHを5.0〜8.0に調整することが好ましく、6.0〜7.0に調整することがより好ましい。なお、被処理水のpHが5.0〜8.0で無機凝集剤の凝集域である場合、pH調整手段を設けなくてもよい。
水回収装置は、凝集処理手段の上流に、被処理水のBODやCOD(Chemical Oxygen Demand;化学的酸素要求量)などの水質を測定する水質測定手段を備えていてもよい。水回収装置は、水質測定手段で測定したBODやCODなどの値に基づいて凝集剤の添加量を制御する凝集剤の添加量制御手段を備えていてもよい。
水回収装置は、ろ過膜および/または逆浸透膜を逆洗浄する逆洗手段を備えることが好ましい。逆洗(逆洗浄)は、空気や洗浄流体などを用いることができ、洗浄流体を用いることが好ましい。逆洗頻度は5〜30分毎であることが好ましく、10〜20分毎であることがより好ましい。
水回収装置は、薬品を用いたCIP(クリーニングインプレイス洗浄)洗浄を行う手段を有することが好ましい。薬品を用いたCIP洗浄は水処理を止めて水回収装置の系内に薬品を循環させることが好ましい。薬品を用いたCIP洗浄に用いられる薬品は酸、アルカリまたは洗浄剤であることが好ましい。被処理水が鉱物を多く含む場合は、酸が好ましい。酸としては、塩酸や硫酸、硝酸、クエン酸、シュウ酸、EDTAなどを挙げることができる。被処理水が有機物を多く含む場合はアルカリであることが好ましい。また、薬品は、限外ろ過膜への耐性を有する洗浄剤であることが好ましい。アルカリや洗浄剤としては、次亜塩素酸またはその塩、水酸化ナトリウム、過酸化水素水などを挙げることができ、次亜塩素酸ナトリウムであることが好ましい。
本発明の水回収装置によれば、ろ過膜および/または逆浸透膜に対して逆洗を定期的に行うのみで薬品洗浄をせずに連続運転できる、いわゆる延べ連続運転時間を長くすることができる。
水回収装置は、薬品を用いたCIP(クリーニングインプレイス洗浄)洗浄を行う手段を有することが好ましい。薬品を用いたCIP洗浄は水処理を止めて水回収装置の系内に薬品を循環させることが好ましい。薬品を用いたCIP洗浄に用いられる薬品は酸、アルカリまたは洗浄剤であることが好ましい。被処理水が鉱物を多く含む場合は、酸が好ましい。酸としては、塩酸や硫酸、硝酸、クエン酸、シュウ酸、EDTAなどを挙げることができる。被処理水が有機物を多く含む場合はアルカリであることが好ましい。また、薬品は、限外ろ過膜への耐性を有する洗浄剤であることが好ましい。アルカリや洗浄剤としては、次亜塩素酸またはその塩、水酸化ナトリウム、過酸化水素水などを挙げることができ、次亜塩素酸ナトリウムであることが好ましい。
本発明の水回収装置によれば、ろ過膜および/または逆浸透膜に対して逆洗を定期的に行うのみで薬品洗浄をせずに連続運転できる、いわゆる延べ連続運転時間を長くすることができる。
<水回収方法>
本発明の水回収装置を用いた、水回収方法について説明する。
水回収方法は、有機物を含む被処理水を生物処理槽に導入して生物処理水を得る工程と、生物処理水を固液分離槽で上澄液と汚泥に固液分離する工程と、上澄液に対して凝集剤添加手段から凝集剤を添加する工程と、凝集剤が添加された上澄液をろ過膜に導入して膜分離水を得る工程と、膜分離水を逆浸透膜に導入して処理水を得る工程とを備えることが好ましい。
水回収方法の好ましい態様は、本発明の水回収装置の好ましい態様と同様である。
本発明の水回収装置を用いた、水回収方法について説明する。
水回収方法は、有機物を含む被処理水を生物処理槽に導入して生物処理水を得る工程と、生物処理水を固液分離槽で上澄液と汚泥に固液分離する工程と、上澄液に対して凝集剤添加手段から凝集剤を添加する工程と、凝集剤が添加された上澄液をろ過膜に導入して膜分離水を得る工程と、膜分離水を逆浸透膜に導入して処理水を得る工程とを備えることが好ましい。
水回収方法の好ましい態様は、本発明の水回収装置の好ましい態様と同様である。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
実施例1では、図2に記載の全体構成であり、第1の好ましい態様に相当する水回収装置を用いた。
用いた水回収装置は、生物処理槽21(下記表1に記載の流動担体槽23)、第2の生物処理槽22(下記表1に記載の活性汚泥槽24)、固液分離槽11(下記表1に記載の沈殿槽)、固液分離後の上澄液3に対する凝集剤添加手段12、ろ過膜13、逆浸透膜14とを備える。
流動担体槽23の流動担体として、内部に隔壁を有する、ポリエチレン製の円筒担体(直径25mm、厚さ2mm)を用いた。
実施例1では、図2に記載の全体構成であり、第1の好ましい態様に相当する水回収装置を用いた。
用いた水回収装置は、生物処理槽21(下記表1に記載の流動担体槽23)、第2の生物処理槽22(下記表1に記載の活性汚泥槽24)、固液分離槽11(下記表1に記載の沈殿槽)、固液分離後の上澄液3に対する凝集剤添加手段12、ろ過膜13、逆浸透膜14とを備える。
流動担体槽23の流動担体として、内部に隔壁を有する、ポリエチレン製の円筒担体(直径25mm、厚さ2mm)を用いた。
有機物を含む被処理水1として下記表1に記載のBOD濃度の食品工場排水を用い、流動担体槽23および活性汚泥槽24に導入し、2段階の曝気処理を行って生物処理水2を得た。
生物処理水2を固液分離槽に導入し、汚泥31と固液分離後の上澄液3に分離した。
汚泥31のうち、一部は返送手段32を介して活性汚泥槽24に返送し、残りは余剰汚泥33として系外に排出した。
固液分離後の上澄液3に対し、凝集剤添加手段12から、無機凝集剤を添加した。無機凝集剤としてPACを使用した。PACは原液濃度10質量%品を使用した。
無機凝集剤を添加した固液分離後の上澄液3を、送水ポンプによりろ過膜13の一次側に供給し、膜ろ過して、膜分離水4を得た。膜ろ過では、ろ過膜13として限外ろ過膜であるOJI−MENBRANE(登録商標)(下記表1には限外ろ過膜として記載)を用いた。限外ろ過膜の逆洗頻度は、15分毎とした。
膜分離水4を、逆浸透膜14の一次側に供給し、逆浸透膜を透過させて、処理水5を得た。逆浸透膜として、DOW製FORTILIFE(登録商標)(下記表1には逆浸透膜Aとして記載)を用いた。
生物処理水2を固液分離槽に導入し、汚泥31と固液分離後の上澄液3に分離した。
汚泥31のうち、一部は返送手段32を介して活性汚泥槽24に返送し、残りは余剰汚泥33として系外に排出した。
固液分離後の上澄液3に対し、凝集剤添加手段12から、無機凝集剤を添加した。無機凝集剤としてPACを使用した。PACは原液濃度10質量%品を使用した。
無機凝集剤を添加した固液分離後の上澄液3を、送水ポンプによりろ過膜13の一次側に供給し、膜ろ過して、膜分離水4を得た。膜ろ過では、ろ過膜13として限外ろ過膜であるOJI−MENBRANE(登録商標)(下記表1には限外ろ過膜として記載)を用いた。限外ろ過膜の逆洗頻度は、15分毎とした。
膜分離水4を、逆浸透膜14の一次側に供給し、逆浸透膜を透過させて、処理水5を得た。逆浸透膜として、DOW製FORTILIFE(登録商標)(下記表1には逆浸透膜Aとして記載)を用いた。
[実施例2]
実施例1の水回収装置において、流動担体槽のBOD容積負荷および活性汚泥層のBOD汚泥負荷を下記表1に記載のとおりに変更した水回収装置を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の水処理を行った。
実施例1の水回収装置において、流動担体槽のBOD容積負荷および活性汚泥層のBOD汚泥負荷を下記表1に記載のとおりに変更した水回収装置を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の水処理を行った。
[比較例1]
実施例1の水回収装置において、固液分離後の上澄液に対する凝集剤添加手段を設けないように変更した水回収装置を用いて、固液分離後の上澄液に対して凝集剤添加をしなかった以外は実施例1と同様にして、比較例1の水処理を行った。
実施例1の水回収装置において、固液分離後の上澄液に対する凝集剤添加手段を設けないように変更した水回収装置を用いて、固液分離後の上澄液に対して凝集剤添加をしなかった以外は実施例1と同様にして、比較例1の水処理を行った。
[実施例3]
実施例3では、図3に記載の全体構成であり、第2の好ましい態様に相当する水回収装置を用いた。
用いた水回収装置は、生物処理槽21(下記表1に記載の流動担体槽23)、第2の生物処理槽22(下記表1に記載の2槽目となる流動担体槽25)、固液分離前の生物処理水2(流動担体槽の出口水6)に対する凝集剤添加手段12、固液分離槽11(下記表1に記載の沈殿槽)、固液分離後の上澄液3に対する凝集剤添加手段12、ろ過膜13、逆浸透膜14とを備える。
流動担体槽23の流動担体として、実施例1と同様の担体を用いた。
実施例3では、図3に記載の全体構成であり、第2の好ましい態様に相当する水回収装置を用いた。
用いた水回収装置は、生物処理槽21(下記表1に記載の流動担体槽23)、第2の生物処理槽22(下記表1に記載の2槽目となる流動担体槽25)、固液分離前の生物処理水2(流動担体槽の出口水6)に対する凝集剤添加手段12、固液分離槽11(下記表1に記載の沈殿槽)、固液分離後の上澄液3に対する凝集剤添加手段12、ろ過膜13、逆浸透膜14とを備える。
流動担体槽23の流動担体として、実施例1と同様の担体を用いた。
有機物を含む被処理水1として実施例1と同様の食品工場排水を用い、流動担体槽23および2槽目となる流動担体槽25に導入し、2段階の曝気処理を行って生物処理水2を得た。
固液分離前の生物処理水2(流動担体槽の出口水6)に対し、凝集剤添加手段12から、無機凝集剤を添加した。無機凝集剤として実施例1と同様のPACを用いた。
生物処理水2を固液分離槽に導入し、汚泥31と固液分離後の上澄液3に分離した。
汚泥31は系外に排出した。
固液分離後の上澄液3に対し、凝集剤添加手段12から、無機凝集剤を添加した。無機凝集剤として実施例1と同様のPACを用いた。
無機凝集剤を添加した固液分離後の上澄液3を、送水ポンプによりろ過膜13の一次側に供給し、膜ろ過して、膜分離水4を得た。膜分離水4を、逆浸透膜14の一次側に供給し、逆浸透膜透過して、処理水5を得た。限外ろ過膜および逆浸透膜として実施例1と同様のものを用いた。
固液分離前の生物処理水2(流動担体槽の出口水6)に対し、凝集剤添加手段12から、無機凝集剤を添加した。無機凝集剤として実施例1と同様のPACを用いた。
生物処理水2を固液分離槽に導入し、汚泥31と固液分離後の上澄液3に分離した。
汚泥31は系外に排出した。
固液分離後の上澄液3に対し、凝集剤添加手段12から、無機凝集剤を添加した。無機凝集剤として実施例1と同様のPACを用いた。
無機凝集剤を添加した固液分離後の上澄液3を、送水ポンプによりろ過膜13の一次側に供給し、膜ろ過して、膜分離水4を得た。膜分離水4を、逆浸透膜14の一次側に供給し、逆浸透膜透過して、処理水5を得た。限外ろ過膜および逆浸透膜として実施例1と同様のものを用いた。
[比較例2]
実施例2の水回収装置において、固液分離前の生物処理水に対する凝集剤添加手段および固液分離後の上澄液に対する凝集剤添加手段を設けないように変更した水回収装置を用いて、固液分離前の生物処理水および固液分離後の上澄液に対して凝集剤添加をしなかった以外は実施例2と同様にして、比較例2の水処理を行った。
実施例2の水回収装置において、固液分離前の生物処理水に対する凝集剤添加手段および固液分離後の上澄液に対する凝集剤添加手段を設けないように変更した水回収装置を用いて、固液分離前の生物処理水および固液分離後の上澄液に対して凝集剤添加をしなかった以外は実施例2と同様にして、比較例2の水処理を行った。
[比較例3]
実施例2の水回収装置において、固液分離後の上澄液に対する凝集剤添加手段を設けないように変更した水回収装置を用いて、固液分離前の生物処理水に対して無機凝集剤および高分子凝集剤を添加し、固液分離後の上澄液に対して凝集剤添加をしなかった以外は実施例2と同様にして、比較例3の水処理を行った。
実施例2の水回収装置において、固液分離後の上澄液に対する凝集剤添加手段を設けないように変更した水回収装置を用いて、固液分離前の生物処理水に対して無機凝集剤および高分子凝集剤を添加し、固液分離後の上澄液に対して凝集剤添加をしなかった以外は実施例2と同様にして、比較例3の水処理を行った。
[実施例4]
実施例2の水回収装置を用いて、固液分離前の生物処理水に対して無機凝集剤および高分子凝集剤を添加した以外は実施例2と同様にして、実施例4の水処理を行った。
実施例2の水回収装置を用いて、固液分離前の生物処理水に対して無機凝集剤および高分子凝集剤を添加した以外は実施例2と同様にして、実施例4の水処理を行った。
[評価]
<ろ過膜の膜間差圧>
各実施例および比較例の水処理を行った場合における、ろ過膜(限外ろ過膜)の膜間差圧を以下の基準で評価し、得られた結果を下記表1に記載した。
各実施例の水処理では、膜間差圧が安定していた連続運転時間を求めた。膜間差圧が安定していた連続運転時間は、水処理の開始から、逆洗浄の直後にろ過膜の膜間差圧が安定範囲(例えば、40〜60kPa)を維持できた時間とした。
各比較例の水処理では、逆洗浄の直後にろ過膜の膜間差圧が安定範囲(例えば、40〜60kPa)を維持できなくなった場合に連続運転を止めて、ろ過膜のアルカリ洗浄を行った際に、洗浄効果が得られる洗浄頻度を求めた。
<ろ過膜の膜間差圧>
各実施例および比較例の水処理を行った場合における、ろ過膜(限外ろ過膜)の膜間差圧を以下の基準で評価し、得られた結果を下記表1に記載した。
各実施例の水処理では、膜間差圧が安定していた連続運転時間を求めた。膜間差圧が安定していた連続運転時間は、水処理の開始から、逆洗浄の直後にろ過膜の膜間差圧が安定範囲(例えば、40〜60kPa)を維持できた時間とした。
各比較例の水処理では、逆洗浄の直後にろ過膜の膜間差圧が安定範囲(例えば、40〜60kPa)を維持できなくなった場合に連続運転を止めて、ろ過膜のアルカリ洗浄を行った際に、洗浄効果が得られる洗浄頻度を求めた。
<逆浸透膜の洗浄頻度>
逆浸透膜の酸および/またはアルカリ洗浄を行った際に、洗浄効果が得られる洗浄頻度を求めた。得られた結果を下記表1に記載した。
逆浸透膜の酸および/またはアルカリ洗浄を行った際に、洗浄効果が得られる洗浄頻度を求めた。得られた結果を下記表1に記載した。
上記表1より、本発明の水回収装置によれば、被処理水の有機物濃度を低減するための高度処理を安定して行えることがわかった。
比較例1〜3より、固液分離後の上澄液に対する凝集剤添加手段を備えない水回収装置を用い、固液分離後の上澄液を(凝集剤を添加せずに)ろ過膜に導入した場合、各実施例と比較してろ過膜の膜間差圧が安定せず、洗浄頻度を高くする必要があった。すなわち、各比較例の水回収装置では、被処理水の有機物濃度を低減するための高度処理を安定して行えないことがわかった。
なお、水回収装置の好ましい態様である各実施例によれば、生物処理を最適化することで、設置面積も抑えられることがわかった。
比較例1〜3より、固液分離後の上澄液に対する凝集剤添加手段を備えない水回収装置を用い、固液分離後の上澄液を(凝集剤を添加せずに)ろ過膜に導入した場合、各実施例と比較してろ過膜の膜間差圧が安定せず、洗浄頻度を高くする必要があった。すなわち、各比較例の水回収装置では、被処理水の有機物濃度を低減するための高度処理を安定して行えないことがわかった。
なお、水回収装置の好ましい態様である各実施例によれば、生物処理を最適化することで、設置面積も抑えられることがわかった。
1 被処理水
2 生物処理水
3 上澄液
4 膜分離水
5 処理水
6 流動担体槽の出口水
7 嫌気処理水
11 固液分離槽
12 凝集剤添加手段
13 ろ過膜
14 逆浸透膜
21 生物処理槽
22 第2の生物処理槽
23 流動担体槽
24 活性汚泥槽
25 2槽目となる流動担体槽
26 嫌気処理槽
31 汚泥
32 返送手段
33 余剰汚泥
2 生物処理水
3 上澄液
4 膜分離水
5 処理水
6 流動担体槽の出口水
7 嫌気処理水
11 固液分離槽
12 凝集剤添加手段
13 ろ過膜
14 逆浸透膜
21 生物処理槽
22 第2の生物処理槽
23 流動担体槽
24 活性汚泥槽
25 2槽目となる流動担体槽
26 嫌気処理槽
31 汚泥
32 返送手段
33 余剰汚泥
Claims (14)
- 有機物を含む被処理水を導入して生物処理水を得る生物処理槽と、
前記生物処理水を上澄液と汚泥に固液分離する固液分離槽と、
前記上澄液に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段と、
前記凝集剤が添加された上澄液を導入して膜分離水を得るろ過膜と、
前記膜分離水を導入して処理水を得る逆浸透膜とを備える、水回収装置。 - 前記生物処理槽として、2槽の生物処理槽を備える、請求項1に記載の水回収装置。
- 前記生物処理槽として、流動担体を保持する流動担体槽を少なくとも1槽備える、請求項1または2に記載の水回収装置。
- 前記生物処理槽として、流動担体を含む流動担体槽および活性汚泥槽をこの順で備える、請求項3に記載の水回収装置。
- 前記汚泥を前記活性汚泥槽に返送する返送手段を備える、請求項4に記載の水回収装置。
- 前記活性汚泥槽の実効容量が、前記流動担体槽の実効容量の4〜10倍である、請求項4または5に記載の水回収装置。
- さらに前記流動担体槽からの出口水である前記生物処理水に対して凝集剤を添加する凝集剤添加手段を備え、前記凝集剤が添加された前記生物処理水を固液分離する、請求項3に記載の水回収装置。
- 前記生物処理槽として、流動担体を保持する流動担体槽を2槽備える、請求項7に記載の水回収装置。
- 前記生物処理槽として、嫌気処理槽および流動担体を保持する流動担体槽をこの順で備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水回収装置。
- 前記生物処理槽として、嫌気処理槽および活性汚泥槽をこの順で備える、請求項1または2に記載の水回収装置。
- 前記汚泥を前記活性汚泥槽に返送する返送手段を備える、請求項10に記載の水回収装置。
- 前記凝集剤が無機凝集剤を含み、かつ、前記凝集剤が高分子凝集剤を含まない、請求項1〜11のいずれか一項に記載の水回収装置。
- 前記ろ過膜が精密ろ過膜または限外ろ過膜である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の水回収装置。
- 前記被処理水がBOD2000mg/L以上である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の水回収装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019127206A JP2021010889A (ja) | 2019-07-08 | 2019-07-08 | 水回収装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019127206A JP2021010889A (ja) | 2019-07-08 | 2019-07-08 | 水回収装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2021010889A true JP2021010889A (ja) | 2021-02-04 |
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ID=74226244
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JP2019127206A Pending JP2021010889A (ja) | 2019-07-08 | 2019-07-08 | 水回収装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2021010889A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022163726A1 (ja) | 2021-01-27 | 2022-08-04 | 日本化薬株式会社 | 触媒及びそれを用いた不飽和カルボン酸の製造方法 |
-
2019
- 2019-07-08 JP JP2019127206A patent/JP2021010889A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022163726A1 (ja) | 2021-01-27 | 2022-08-04 | 日本化薬株式会社 | 触媒及びそれを用いた不飽和カルボン酸の製造方法 |
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