JP2021009543A - 画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】幾何変形処理において、画質劣化を抑制しつつ、モアレの発生を抑制することができる画像処理装置を提供する。【解決手段】入力画像を複数の画像片に細分化する画像細分化部201と、画像片に対する幾何変形処理によるモアレの発生程度を学習済みであって、入力画像の画像片が入力され、入力された該画像片の幾何変形処理によるモアレの発生程度を出力する畳み込みニューラルネットワーク(CNN)部202を有し、画像片ごとにモアレの発生程度を取得できるようにする。【選択図】図2

Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムに関する。
入力画像と表示画像に解像度の違いがある場合、拡大縮小処理が行われる。また、プロジェクタ等の投影装置においては、スクリーンに表示する投影画像が台形状になることを防止するために、キーストーン変形処理とも呼ばれる台形補正処理が行われる。このような解像度の拡大縮小処理や台形補正処理をまとめて幾何変形処理と呼ぶ。
幾何変形処理における画質上の課題としてモアレがある。モアレは原画像には存在しない縞状の模様であり、主に空間周波数の高い縞模様状の領域で起こる。モアレが発生すると非常に目立つので、大きな画質劣化となってしまう。ローパスフィルタ(LPF)を用いて画像をぼかしてから幾何変形処理を行うと、モアレの発生を抑制することができるが、モアレが発生しない画像領域までぼかしてしまい、画質が劣化する。また、例えば、特許文献1には、モアレが発生しやすい周期性画像領域を見つけて、予め周期性画像領域をシフトしながら足し合わせる処理によってLPF処理と同様にぼかし、幾何変形処理によるモアレの発生を抑制する技術が提案されている。
特開2001−86368号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、モアレ発生部の検出に縞模様フィルタを用いているので、想定する縞模様の幅やピッチや角度から外れるような縞模様を検知することは難しい。また、原理的に縞模様以外のモアレ発生箇所を検出することができない。また、縞模様フィルタ以外の他の方法を用いても、モアレが発生する画像領域だけを高確度に予想することは難しかった。また、幾何変形処理後の画像からモアレが発生した画像領域を縞模様フィルタで検知して幾何変形処理前の画像領域をぼかす方法でも、同様にモアレが発生した画像領域を高確度に検知することは難しかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、画質劣化を抑制しつつ、幾何変形処理におけるモアレの発生を抑制できるようにすることを目的とする。
本発明に係る画像処理装置は、入力画像を複数の画像片に細分化する細分化手段と、画像片に対する幾何変形処理によるモアレの発生程度を学習済みであって、前記入力画像の画像片が入力され、入力された該画像片の前記幾何変形処理によるモアレの発生程度を出力する予測手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、幾何変形処理において、画質劣化を抑制しつつ、モアレの発生を抑制することが可能となる。
本発明の実施形態における画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。 第1の実施形態における画像処理装置の構成例を示す図である。 第1の実施形態において適用されるローパスフィルタの一例を示す図である。 第1の実施形態におけるCNN部を説明する図である。 第1の実施形態における画像処理装置の動作例を示すフローチャートである。 第1の実施形態における学習フェーズを説明する図である。 第1の実施形態における学習フェーズの入出力画像データの一例を示す図である。 第1の実施形態におけるCNN部を説明する図である。 第1の実施形態における画像処理装置の動作例を示すフローチャートである。 第2の実施形態における画像処理装置の構成例を示す図である。 第3の実施形態における画像処理装置の構成例を示す図である。 第3の実施形態におけるCNN部を説明する図である。 第3の実施形態における学習フェーズを説明する図である。 第3の実施形態における学習フェーズの入出力画像データの一例を示す図である。 第4の実施形態における画像処理装置の構成例を示す図である。 第4の実施形態におけるCNN部を説明する図である。 第4の実施形態における画像処理装置の動作例を示すフローチャートである。 第4の実施形態における学習フェーズを説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の実施形態における画像処理装置は、機械学習を利用した画像処理装置であり、例えば畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)を利用した画像処理装置である。機械学習は、主に学習フェーズと適用(推論)フェーズとに分類される。学習フェーズにおいて多くの学習セットを教師データとして与えることで、畳み込み演算(積和演算)における最適なフィルタ係数を探索する。適用フェーズにおいては、そのフィルタ係数を用いて未知のデータを推定することで、学習フェーズで与えた教師データに近い処理結果を得ることが可能となる。
本発明の一実施形態における画像処理装置のハードウェア構成について、図1を用いて説明する。画像処理装置100は、CPU101、ROM102、RAM103、補助記憶装置104、表示部105、操作部106、通信I/F(インタフェース)107、及びバス108を有する。
CPU101は、ROM102やRAM103に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて画像処理装置100の全体を制御することで、各実施形態における画像処理装置の各機能を実現する。なお、画像処理装置100がCPU101とは異なる1又は複数の専用のハードウェアを有し、CPU101による処理の少なくとも一部を専用のハードウェアが実行してもよい。専用のハードウェアの例としては、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、及びDSP(デジタルシグナルプロセッサ)などがある。ROM102は、変更を必要としないプログラムなどを格納する。RAM103は、補助記憶装置104から供給されるプログラムやデータ、及び通信I/F107を介して外部から供給されるデータなどを一時記憶する。補助記憶装置104は、例えばハードディスクドライブ等で構成され、画像データなどの種々のデータを記憶する。
表示部105は、例えば液晶ディスプレイやLED等で構成され、ユーザーが画像処理装置100を操作するためのGUI(Graphical User Interface)などを表示する。操作部106は、例えばキーボードやマウス、ジョイスティック、タッチパネル等で構成され、ユーザーによる操作を受けて各種の指示をCPU101に入力する。通信I/F107は、画像処理装置100の外部の装置との通信に用いられる。例えば、画像処理装置100が外部の装置と有線で接続される場合には、通信用のケーブルが通信I/F107に接続される。また、例えば、画像処理装置100が外部の装置と無線通信する機能を有する場合には、通信I/F107はアンテナを備える。バス108は、画像処理装置100の各部をつないで情報を伝達する。
本実施形態では表示部105と操作部106が画像処理装置100の内部に存在するものとするが、表示部105と操作部106との少なくとも一方が画像処理装置100の外部に別の装置として存在していてもよい。この場合、CPU101が、表示部105を制御する表示制御部、及び操作部106を制御する操作制御部として動作してもよい。
(第1の実施形態)
第1の実施形態について説明する。図2は、第1の実施形態における画像処理装置の構成例を示すブロック図である。図2には、画像処理装置における適用(推論)フェーズに係る構成を示している。第1の実施形態における画像処理装置は、画像細分化部201、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)部202、ローパスフィルタ(LPF)部203、変換部204、混合部205、画像統合部206、及び幾何変形部207を有する。
画像細分化部201は、入力データである入力画像を受信し、受信した画像を小領域に細分化した複数の画像片に分解して順次出力する。画像片のサイズは、8×8〜128×128画素程度が好適な範囲である。本実施形態では、画像細分化部201は、例えば、入力画像を32×32画素に細分化を行うものとする。また、画像片同士が一部重なるようにずらして細分化しても良く、このようにした場合には画像片同士の境界部で発生するモアレを見落とすことを防止できる。詳細は後述するが、画像細分化部201は、後段のCNN部202の構成に応じた画像片に細分化する。
CNN部202は、画像片に対するモアレ発生程度が学習されている畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)である。CNN部202は、入力された画像片に対して幾何変形処理後にモアレが発生する確率を表すモアレ発生程度を出力する。つまりCNN部202は、モアレ検出部として機能する。LPF部203は、画像片にローパスフィルタ(LPF:Low Pass Filter)処理を行い、低周波画像片を出力する。変換部204は、モアレ発生程度を低周波画像混合比率に変換する。変換部204は、CNN部202から出力されたモアレ発生程度に応じた低周波画像混合比率を出力する。
混合部205は、低周波画像混合比率に従い、LPF部203の出力とオリジナルの画像片とを混合して出力する。画像統合部206は、混合部205から出力される画像片を1枚の画像に統合して出力する。幾何変形部207は、縮小、拡大あるいは台形変形などの指示された変形内容に応じて、画像統合部206の出力画像に対して幾何変形処理を行う。幾何変形処理は、例えば、アフィン変換や射影変換等のマッピング処理と、線形補間やキュービック補間等の画素補間処理によって行うものとする。
このようにして本実施形態における画像処理装置は、画像片に対するモアレ発生程度を学習済みのCNN部202を用いて、画像片ごとのモアレの発生程度を予測し、画像片をモアレの発生程度に応じて必要な量だけぼかした画像を幾何変形することができる。つまり、入力画像全体を一様にぼかすのではなく、入力画像においてモアレが発生する画像領域だけにボケを限定しながら、モアレの発生を抑制した幾何変形処理を行うことが可能になる。
図3は、第1の実施形態における画像処理装置のLPF部203において適用されるローパスフィルタの一例を示す図である。ローパスフィルタは、例えば、ガウスフィルタ又は平均値フィルタを用いることで構成できる。図3(A)には3×3画素サイズのガウスフィルタを示しており、図3(B)には3×3画素サイズの平均値フィルタを示している。また、図3(C)には5×5画素サイズのガウスフィルタを示しており、図3(D)には5×5画素サイズの平均値フィルタを示している。
図3(A)、図3(B)、図3(C)、図3(D)の順で、ローパスフィルタのカットオフ周波数が低くなる。ローパスフィルタのカットオフ周波数が低いほど、フィルタ処理後の画像として、ぼける度合いを強くした低周波画像が出力される。このように、ローパスフィルタのサイズならびに各画素のフィルタ係数、あるいはローパスフィルタを通した画像片とオリジナルの画像片との混合比率を変えることによって、ボケの強度を変えることができる。本実施形態では、混合比率によるローパスフィルタ処理の強度の調整例を説明する。
幾何変形処理による縮小率が、画像の全範囲において0.5倍より小さくならないときは、隣接した画素を参照する3×3画素サイズのローパスフィルタを用いることができる。例えば、モアレ発生程度が1.0の画像で、図3(A)に示したフィルタを用いた低周波画像片の比率を1.0、オリジナルの画像片の比率を0.0とすればモアレの発生を防げる場合、変換部204の変換比率は1倍(スルー)とすればよい。また、モアレ発生程度が1.0の画像で、図3(B)に示したフィルタを用いた低周波画像片の比率を0.5、オリジナルの画像片の比率を0.5とすればモアレの発生を防げる場合、変換部204の変換比率は0.5倍とすればよい。あるいは、単純な乗算(倍数)とせずに、非線形なテーブル等を用いて変換することで、低周波画像の混合比率を非線形に設定することが可能となり、ぼかす度合いをモアレ発生程度に対して非線形に調整することが可能となる。
画像の幾何変形処理による縮小率が、一部の領域でも0.5倍以下になるときは、5×5画素のサイズ以上のLPFを用いる必要がある。必要なフィルタサイズの最小値は、幾何変形処理の縮小率の仕様によって予め決まる。必要なフィルタサイズの最小値以上であれば、大きなサイズのローパスフィルタを用いてもかまわない。フィルタサイズが大きくなるとローパスフィルタ処理によってぼかす強度が強くなるので、その分だけ、変換部204の変換比率を小さくする。
このように本実施形態では、フィルタの強度の違いに応じて、モアレ発生程度に応じた必要十分なぼかし量になるように、変換部204の変換比率を適切に設定する。以上、混合比率を変える例で示したが、必要十分なぼかし量を得られさえすれば、他の方法でも良い。前述したように、ローパスフィルタのサイズや各フィルタ係数を画像片ごとに細かく変えることによっても良いし、画像の高周波領域を減じるなどの方法でも良い。
図4は、第1の実施形態における適用フェーズでのCNN部202を説明する図である。図4(A)に示すように、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、入力画像を入力する入力層401、畳み込み(積和)フィルタに依る特徴抽出を行う隠れ層402、特徴に応じた認識や結合等の処理を行う結合層403、及び出力層404を有する。隠れ層402では、畳み込み演算処理、非線形変換(ReLU)処理、及びプーリング処理等が実施され、結合層403では、全結合(再構築)処理やドロップアウト処理等が実施される。また、図4(B)に示すように、CNN部420は、入力画像411に対する各種処理を行うためのフィルタ等を有している。例えば、隠れ層には、平滑化フィルタ421、エッジの縦横相関の特徴を検出するためのエッジ抽出フィルタ422、周辺近傍の画素の変化量の特徴を取得するための画素勾配抽出等の畳み込みフィルタ423、及び相関度算出処理424等が含まれる。また、結合層において、畳み込みフィルタの抽出した特徴及び画素の相関度に基づいてフィルタの入力ゲインを調整し、畳み込み計算結果の結合処理425を行うことでモアレ発生程度426を生成する。
次に、第1の実施形態における画像処理装置の適用フェーズにおける動作について説明する。図5は、第1の実施形態における画像処理装置の動作例(適用フェーズ)を示すフローチャートである。
ステップS501にて、学習フェーズでの学習によって得られたCNNのフィルタ係数がCNN部202に設定される。
次に、ステップS502にて、画像細分化部201が、入力画像を小領域に細分化して画像片に分解する。画像細分化部201により細分化された画像片は、CNN部202、LPF部203、及び混合部205に出力される。
ステップS503にて、LPF部203が、入力される画像片に対しローパスフィルタ処理を行い、低周波画像片を得る。
また、ステップS504にて、CNN部202が、設定されたフィルタ係数に従って入力された画像片に対して認識処理を実施し、画像片に対するモアレ発生程度を生成し変換部204に出力する。
次に、ステップS505にて、変換部204が、入力されるモアレ発生程度を混合比率に変換する。変換部204で変換して得られた混合比率は、混合部205に出力される。
なお、ステップS503の処理と、ステップS504及びS505の処理との実行順序は順不同であり、また並列して行ってもよい。
次に、ステップS506にて、混合部205が、入力される混合比率に応じて、ステップS503において得られた低周波画像片と、ステップS501において細分化されたオリジナルの画像片とを混合し、混合比率に従って混合した画像片を得る。
次に、ステップS507にて、画像統合部206が、ステップS506において得られた混合した画像片を統合して1枚の画像を得る。
次に、ステップS508にて、幾何変形部207が、ステップS507において統合化された画像に対して、設定された変形指示に応じた幾何変形処理を行い、幾何変形した画像を出力する。
以上のようにして、画像片に対するモアレ発生程度を学習済みのCNNを用いて、入力画像を細分化した画像片ごとのモアレの発生程度を予測し、画像片をモアレの発生程度に応じてぼかして画像を幾何変形することができる。このように、入力画像においてモアレが発生する画像領域だけをぼかすことで、幾何変形処理において、画質劣化を抑制しつつ、モアレの発生を抑制することが可能になる。
図6は、第1の実施形態における画像処理装置での学習フェーズを説明する図である。教師画像である変形前画像片601に、図2に示した幾何変形部207と同様の幾何変形部602が指定された各種変形内容に応じた幾何変形処理を行い、変形後画像片603を得る。この変形後画像片603に基づいて教師データであるモアレ発生程度を得る。例えば、変形後画像片603をモニターに表示させて作業者がモアレの有無を確認することによってモアレが発生した枚数を計測し、全体の枚数で割って計算された確率をモアレ発生程度とする。なお、この時の全体の枚数は、確率が計算できるように4枚以上20枚以下ぐらいが望ましい。このモアレ発生程度を得る過程の具体例は、図7を用いて後述する。
そして、学習フェーズ(学習中)のCNN部604に、教師画像となる変形前画像片601と、教師データとして幾何変形処理後の画像片にモアレが発生した確率であるモアレ発生程度(確率)との組み合わせを入力する。CNN部604には、変形前画像片601とモアレ発生程度(確率)との組み合わせを大量に入力する。例えば、CNN部604に入力する変形前画像片601の枚数は、少なくとも1000枚以上、数万枚のオーダーが望ましい。
学習フェーズにおいては、学習中のCNN部604が演算して得られるモアレ発生程度と、入力した教師データであるところのモアレ発生程度の両者の差分を誤差とする。その誤差を図4に示したCNN中の各層のフィルタに逆伝播して、各層のフィルタ係数を微修正していく。差分(誤差)が十分に小さくなって、学習が終了した時の各層のフィルタ係数を学習データ保持部605に記憶し、適用フェーズのCNN部202で用いる。
図7に学習フェーズにおける入出力画像データの一例を示す。図7において、図6に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付している。教師画像である変形前画像片601を、変形内容を指示しながら幾何変形部602に入力する。この時の幾何変形部602での幾何変形処理は、適用フェーズと同じ変形処理方法及び同じ補間処理方法を行うものであることが望ましい。
例えば、本実施形態における表示部105がディスプレイやデジタルカメラにおけるディスプレイとすると、幾何変形処理は拡大処理又は縮小処理だけである場合にあたり、拡大処理又は縮小処理のみを行った場合のモアレ発生程度を教師データとして求める。本実施形態では、縮小率0.7倍、縮小率0.9倍、拡大率1.3倍の処理を実施するものとして説明する。アスペクト比一定で縦横、横方向のみ、縦方向のみの3種類の処理をそれぞれ行うものとすると、合計で9種類の変形後画像片701が出力される。モアレ発生程度は、この9種類の変形後画像片701に対し、何枚の画像片にモアレが発生しているかを数えることで求める。モアレが発生している画像片の数が1枚であれば、確率は1/9なので、モアレ発生程度を0.11とする。3枚であれば、発生程度は0.33とする。
また、表示部105として例えば投影装置に適用する場合、変形内容として拡大縮小もあるが、キーストーン変形処理が主となるので、幾何変形部602にてキーストーン変形処理を行い、キーストーン変形処理した変形後画像片702を得る。本実施形態においては、画像片の4隅のうち、1隅のみ動かした4枚と2隅のみ動かした4枚の計8種類の変形後画像片702が出力されるものとする。この時の変形程度は、それぞれの4枚の中で異なる変形程度としておく方が、発生確率をより忠実に示すので望ましい。この8種類の変形後画像片702に対し、何枚の画像片にモアレが発生しているかを数える。モアレが発生している画像片の数が1枚であれば、確率は1/8なので、モアレ発生程度を0.125とする。3枚であれば、発生程度は0.375とする。
なお、発生したモアレの目立ちやすさによって、モアレが発生した画像片1枚あたりの重み付けを調整しても良い。例えば、目立つモアレは普通のモアレの2倍とし、微かしか目立たないモアレは普通のモアレの半分である0.5倍とする。そうすれば、モアレが発生した画像片が同じ2枚でも、目立つ場合には確率が4/8で発生程度は0.5となり、目立たないモアレの場合には確率が1/8で発生程度は0.125となる。ただし、重み付け調整により発生程度が1.0を超える場合には、1.0を上限する。このようにすれば、適用フェーズにおいて目立つモアレは低周波画像比率を上げて抑制し、僅かなモアレは少ない低周波画像比率で抑制できるので、画像の先鋭度をほとんど落とさずにモアレを抑制して幾何変形を行うことができるので、さらに好適である。
なお、実際に使用する幾何変形処理の内容によって、変形する画像片の種類や枚数を変更することが可能である。例えば、拡大処理とキーストーン変形処理との両方を行う場合、拡大処理した画像片3枚と、キーストーン変形処理した画像片8枚を用いて、モアレの発生程度を決定すればよい。曲面への幾何変換処理の場合も同様に、曲面に変換処理した画像片を用いればよい。
図8は、第1の実施形態における学習フェーズでのCNN部を説明する図である。基本的な構成は、図4に示した適用フェーズにおける構成と同様である。図8(A)に示すように、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、入力画像を入力する入力層801、畳み込み(積和)フィルタに依る特徴抽出を行う隠れ層802、特徴に応じた認識や結合等の処理を行う結合層803、及び出力層804を有する。また、図8(B)に示すように、CNN部820は、入力画像811に対する各種処理を行うためのフィルタ等を有している。例えば、隠れ層には、平滑化フィルタ821、エッジの縦横相関の特徴を検出するためのエッジ抽出フィルタ822、周辺近傍の画素の変化量の特徴を取得するための画素勾配抽出等の畳み込みフィルタ823、及び相関度算出処理824等が含まれる。また、結合層において、畳み込みフィルタの抽出した特徴及び画素の相関度に基づいてフィルタの入力ゲインを調整し、畳み込み計算結果の結合処理825を行うことでモアレ発生程度826を生成する。
ただし、学習フェーズでは、最適なフィルタ係数を見つけるために発生程度比較部831から受信する誤差を逆伝搬するバックプロパゲーションの機能が活性化される。生成した補間データに対する誤差が小さくなるようにCNN部820内部の各層のフィルタ係数が更新される。学習セットを増やし、繰り返し学習を重ねることでフィルタ係数の最適化を実施し、最適化したCNNのフィルタ係数を学習データ保持部605へ登録する。
次に、第1の実施形態における画像処理装置の学習フェーズにおける動作について説明する。図9は、第1の実施形態における画像処理装置の動作例(学習フェーズ)を示すフローチャートである。
ステップS901にて、CNNの初期のフィルタ係数がCNN部604に設定される。初期のフィルタ係数は、0.01〜0.5の範囲とし、例えば、0.1や0.2とすればよい。
次に、ステップS902にて、教師用画像となる細分化された画像片601を1枚、画像処理装置に入力する。
ステップS903にて、CNN部604が、ステップS902において入力された画像片601に対して畳み込みニューラルネットワーク処理を行う。
そして、次のステップS904にて、CNN部604が、処理結果である画像片601に対するモアレ発生程度を出力する。
次に、ステップS905にて、CNN部604が、ステップS903での処理で得られたモアレ発生程度と、教師データであるモアレ発生程度との誤差を算出する。
次に、ステップS906にて、CNN部604が、ステップS905において算出された誤差を逆伝搬し誤差が小さくなるように各層のフィルタ係数を更新する。なお、フィルタ係数は、一度には若干しか変更せず、回数をかけて徐々に誤差が小さくなるようにしていく。例えば、誤差の数十分の1だけ係数を変更すればよい。
次に、ステップS907にて、教師画像としての細分化された画像片601が残っているか否かを判定する。教師画像としての画像片601が残っていれば、ステップS902へ戻り、次の画像片を入力画像片としてステップS902以降の処理を実行する。以後、教師画像としての細分化された画像片がなくなるまで繰り返す。
学習に使用するために用意した教師用画像片についての処理が終了し、教師画像としての画像片601が残っていなければ、ステップS908へ進む。ステップS908にて、CNN部604が、学習によって得られたフィルタ係数を学習データ保持部605へ登録し、学習フェーズにおける動作を終了する。この学習データ(フィルタ係数)を適用フェーズで使用する。
第1の実施形態によれば、画像片に対するモアレ発生程度を学習済みのCNNを用いて、入力画像を細分化した画像片ごとのモアレの発生程度を予測し、画像片をモアレの発生程度に応じてぼかして画像を幾何変形することができる。このように、モアレ発生領域の学習及びモアレ発生の抑制にCNNを適用し、幾何変形処理において、画質劣化を抑制しつつ、モアレの発生を抑制することが可能になる。なお、モアレの発生を抑制するために画像片をぼかす方法は、ローパスフィルタを使用する方法に限定されるものではなく、他の方法でもよい(以下に説明する第2〜第4の実施形態でも同様である)。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、適用(推論)フェーズにおける画像処理装置の変換部に、モアレの発生に影響を及ぼす縮小率(変形率)を入力する。なお、第2の実施形態における画像処理装置での学習フェーズは、第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
図10は、第2の実施形態における画像処理装置の構成例を示すブロック図である。図10には、画像処理装置における適用(推論)フェーズに係る構成を示している。図10において、図2に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。第2の実施形態における画像処理装置は、画像細分化部201、CNN部202、LPF部203、変換部1001、混合部205、画像統合部206、及び幾何変形部207を有する。
変換部1001は、モアレ発生程度と画像の縮小率を低周波画像混合比率に変換する。変換部1001は、入力される画像の縮小率及びCNN部202から出力されたモアレ発生程度に応じた低周波画像混合比率を出力する。画像片を縮小する場合、特に縮小率(変形率)が小さいと、画像の空間周波数が高くなるのでモアレが発生しやすい。そこで、変換部1001は、CNN部202から出力されるモアレ発生程度(発生確率)と、幾何変形処理における縮小率との2つの要素を入力とし、低周波画像混合比率を出力する。ここで、縮小率は、元の画像サイズに対する縮小後の画像サイズを示しており、縮小率が小さいことは画像が大幅に縮小されることを意味する。
一例として、縮小率0.5倍の時に、モアレ発生程度1.0の画像片を低周波画像混合比率0.5に設定すればモアレの発生を抑制できる場合を説明する。混合比率はモアレ発生程度に対して比例し、縮小率に対して2倍に反比例するとし、上記数値を満足させるには、
低周波画像混合比率=モアレ発生程度/(縮小率×4)
とすればよい。ただし、低周波画像混合比率の上限は1.0とする。
また、別の例として、縮小率0.33倍の時に、モアレ発生程度1.0の画像片を低周波画像混合比率1.0に設定すればモアレの発生を抑制できる場合を説明する。この場合には、
低周波画像混合比率=モアレ発生程度/(縮小率×3)
とすればよい。ただし、低周波画像混合比率の上限は1.0とする。
このように線形処理する場合には簡単な構成で実現可能であるが、変換部1001での変換条件を細かく設定する場合には、モアレ発生程度と縮小率との2つの要素から、非線形な変換テーブルを用いて変換することで細かく対応できる。第2の実施形態によれば、画像片ごとのモアレ発生程度及び画像の縮小率によって、画像片をぼかす程度を変えているので、ボケの発生をより少なく画質劣化を抑制しながらモアレの発生を抑制することが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態においては、画像処理装置のCNN部に、変形前画像片とともに、モアレの発生に影響を与える画像片ごとの縮小率(変形率)を入力する。
図11は、第3の実施形態における画像処理装置の構成例を示すブロック図である。図11には、画像処理装置における適用(推論)フェーズに係る構成を示している。図11において、図2に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。第3の実施形態における画像処理装置は、画像細分化部201、CNN部1101、LPF部203、変換部204、混合部205、画像統合部206、及び幾何変形部207を有する。
CNN部1101は、縮小率を加味したCNN部であり、変形前画像片及び縮小率を入力としモアレ発生程度を出力とする。本実施形態では、縮小率を加味したCNN部1101を用いて、画像片ごとのモアレ発生程度を出力する。本実施形態によれば、モアレが発生しやすい小さい縮小率ほどモアレ発生程度が大きくなることで、低周波画像混合比率を大きくして、必要に応じた画質劣化に留め、モアレの発生を抑制することができる。
図12は、第3の実施形態における適用フェーズでのCNN部1001を説明する図である。図12(A)に示すように、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、入力層1201、畳み込み(積和)フィルタに依る特徴抽出を行う隠れ層1202、特徴に応じた認識や結合等の処理を行う結合層1203、及び出力層1204を有する。第3の実施形態におけるCNNでは、結合層1203に対して縮小率kを入力することにより、縮小率ごとのモアレ発生程度を生成する。
また、図12(B)に示すように、CNN部1220は、入力画像1211に対する各種処理を行うためのフィルタ等を有している。例えば、隠れ層には、平滑化フィルタ1221、エッジの縦横相関の特徴を検出するためのエッジ抽出フィルタ1222、周辺近傍の画素の変化量の特徴を取得するための画素勾配抽出等の畳み込みフィルタ1223、及び相関度算出処理1224等が含まれる。また、結合層において、畳み込みフィルタの抽出した特徴及び画素の相関度に基づいてフィルタの入力ゲインを調整し、縮小率1212を考慮した畳み込み計算結果の結合処理1225を行うことでモアレ発生程度1226を生成する。
図13は、第3の実施形態における画像処理装置での学習フェーズを説明する図である。教師画像である変形前画像片1301に、図11に示した幾何変形部207と同様の幾何変形部1302が指定された縮小率kを含む各種変形内容に応じた幾何変形処理を行い、変形後画像片1303を得る。この変形後画像片1303に基づいて教師データであるモアレ発生程度を得る。例えば、変形後画像片1303をモニターに表示させて作業者がモアレの有無を確認することによってモアレが発生した枚数を計測し、全体の枚数で割って計算された確率をモアレ発生程度とする。このモアレ発生程度を得る過程の具体例は、図14を用いて後述する。
そして、学習フェーズ(学習中)のCNN部1304に、教師画像となる変形前画像片1301及び縮小率kと、教師データとして幾何変形処理後の画像片にモアレが発生した確率であるモアレ発生程度(確率)との組み合わせを入力する。CNN部1304には、変形前画像片1301及び縮小率kとモアレ発生程度(確率)との組み合わせを大量に入力する。例えば、CNN部1304に入力する変形前画像片1301の枚数は、少なくとも1000枚以上、数万枚のオーダーが望ましい。
学習フェーズにおいては、学習中のCNN部1304が演算して得られるモアレ発生程度と、入力した教師データであるところのモアレ発生程度の両者の差分を誤差とする。その誤差を図12に示したCNN中の各層のフィルタに逆伝播して、各層のフィルタ係数を微修正していく。差分(誤差)が十分に小さくなって、学習が終了した時の各層のフィルタ係数を学習データ保持部1305に記憶し、適用フェーズのCNN部1101で用いる。
図14に学習フェーズにおける入出力画像データの一例を示す。図14において、図13に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付している。教師画像である変形前画像片1301を、縮小率kを含む変形内容を指示しながら幾何変形部1302に入力する。この時の幾何変形部1302での幾何変形処理は、適用フェーズと同じ変形処理方法及び同じ補間処理方法を行うものであることが望ましい。
例えば、表示部105がディスプレイやデジタルカメラにおけるディスプレイであれば、幾何変形処理は拡大処理又は縮小処理だけである場合にあたり、拡大処理又は縮小処理のみを行った場合のモアレ発生程度を教師データとして求める。本実施形態では、縮小率k倍の処理を実施するものとして説明する。アスペクト比一定の縮小と、横方向のみの縮小と、縦方向のみの縮小との3種類の処理をそれぞれ行うものとすると、合計で3種類の縮小率kの変形後画像片1401が出力される。この3種類の変形後画像片1401に対し、何枚の画像片にモアレが発生しているかを数える。モアレが発生している画像片の数が1枚であれば、確率は1/3なので、モアレ発生程度を0.33とする。3枚であれば、発生程度は1.0とする。
また、例えば表示部105として投影装置に適用する場合、変形内容がキーストーン変形処理となる。そこで、幾何変形部1302にて、縮小率kだけ、隅の位置を対角線上に縮小した点に移動するようなキーストーン変形処理を行い、縮小率kの変形後画像片1402を得る。本実施形態においては、画像片の4隅のうち、1隅のみ動かした4枚と2隅のみ動かした4枚の計8種類の変形後画像片1402が出力されるものとする。この8種類の変形後画像片1402に対し、何枚の画像片にモアレが発生しているかを数える。モアレが発生している画像片の数が1枚であれば、確率は1/8なので、モアレ発生程度を0.125とする。3枚であれば、発生程度は0.375とする。
なお、第1の実施形態と同様に、発生したモアレの目立ちやすさによって、モアレが発生した画像片1枚あたりの重み付けを調整しても良い。例えば、目立つモアレは普通のモアレの2倍とし、微かしか目立たないモアレは普通のモアレの半分である0.5倍とする。そうすれば、モアレが発生した画像片が同じ2枚でも、目立つ場合には確率が4/8で発生程度は0.5となり、目立たないモアレの場合には確率が1/8で発生程度は0.125となる。ただし、重み付け調整により発生程度が1.0を超える場合には、1.0を上限する。このようにすれば、適用フェーズにおいて目立つモアレは低周波画像比率を上げて抑制し、僅かなモアレは少ない低周波画像比率で抑制できるので、画像の先鋭度をほとんど落とさずにモアレを抑制して幾何変形を行うことができるので、さらに好適である。
また、第1の実施形態と同様に、実際に使用する幾何変形処理の内容によって、教師用の画像片の種類を変更することが可能である。また、曲面への幾何変換処理の場合も同様に、曲面に変換処理した画像片を用いればよい。
第3の実施形態によれば、縮小率を限定していることで、モアレ発生程度をより正確に得ることができるので、画質劣化やモアレの発生をより効果的に抑制することが可能である。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第1〜第3の実施形態では、モアレの発生を発生前にCNNで予測してモアレが発生することを抑制していた。本実施形態は、モアレの発生を発生後にCNNで検出して、モアレが発生することを抑制することでも実現できる。また、第1〜第3の実施形態における学習フェーズでは、人が確認して幾何変形処理された出力画像片にモアレが発生している枚数を確認していた。第4の実施形態で説明するような、幾何変形によって発生したモアレを検知するCNNを用いれば、モアレが発生した変形後画像片の枚数及び確率を自動的に計算することができ、人手を省くことができる。
第4の実施形態では、幾何変形処理後の画像片にモアレが発生しているか否かをCNNによって検出して、ぼかす量を調整することで、モアレの発生を抑制する。図14は、第4の実施形態における画像処理装置の構成例を示すブロック図である。図14には、画像処理装置における適用(推論)フェーズに係る構成を示している。図14において、図2に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。第4の実施形態における画像処理装置は、画像細分化部201、幾何変形部1501、CNN部1502、LPF部203、変換部1503、遅延部1504、混合部205、画像統合部206、及び幾何変形部207を有する。
幾何変形部1501は、入力される画像片に対して、幾何変形部207と同様の幾何変形処理を行う。幾何変形部1501は、予め設定された幾何変形内容に応じて幾何変形処理を行い、変形後画像片を出力する。CNN部1502は、モアレ有無が学習されている畳み込みニューラルネットワーク(CNN)であり、幾何変形処理された画像片におけるモアレの発生を検出する。CNN部1502は、入力された変形後画像片に対するモアレの有無あるいはモアレの強弱を出力する。
変換部1503は、CNN部1502から出力されたモアレの有無あるいは強弱に係る情報を低周波画像混合比率に変換する。モアレの有無あるいは強弱に係る情報は、例えば、モアレ発生有りを1.0、モアレ発生なしを0、弱い(微かな)モアレが発生する場合は0.5とする。変換部1503は、例えばモアレの有無あるいは強弱に係る情報が1.0の時に低周波画像混合比率を0.5とすればモアレの発生を抑制できる場合には、変換比率を0.5とすればよい。
遅延部1504は、画像細分化部201により細分化された変形前の画像片を記憶し、記憶した画像片を幾何変形部1501での幾何変形処理及びCNN部1502でのCNN処理にかかる時間だけ遅延させてから出力する。遅延部で幾何変形処理及びCNN処理の時間分だけ遅延されて出力された画像片は、LPF部203及び混合部205に出力される。なお、混合部205を設けずに、低周波画像混合比率に基づいてLPF部203のフィルタ係数を変えて、LPF部203の出力とオリジナルの画像片との混合を実現するようにしてもよい。
第4の実施形態においては、学習済みのCNN部1502を用いて、画像片ごとのモアレの発生の有無あるいは強弱を確認し、画像片を必要な量だけぼかした画像を幾何変形することができる。したがって、モアレが発生する領域だけにボケを限定しながら、画像にモアレの発生を抑制した幾何変形処理を行うことが可能になる。
図16は、第4の実施形態における適用フェーズでのCNN部1502を説明する図である。図16(A)に示すように、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、入力層1601、畳み込み(積和)フィルタに依る特徴抽出を行う隠れ層1602、特徴に応じた認識や結合等の処理を行う結合層1603、及び出力層1604を有する。また、図16(B)に示すように、CNN部1620は、入力画像1611に対する各種処理を行うためのフィルタ等を有している。例えば、隠れ層には、平滑化フィルタ1621、エッジの縦横相関の特徴を検出するためのエッジ抽出フィルタ1622、周辺近傍の画素の変化量の特徴を取得するための画素勾配抽出等の畳み込みフィルタ1623、及び相関度算出処理1624等が含まれる。また、結合層において、畳み込みフィルタの抽出した特徴及び画素の相関度に基づいてフィルタの入力ゲインを調整し、畳み込み計算結果の結合処理1625を行うことでモアレの発生の有無あるいは強弱に係る情報1626を生成する。
次に、第4の実施形態における画像処理装置の適用フェーズにおける動作について説明する。図17は、第4の実施形態における画像処理装置の動作例(適用フェーズ)を示すフローチャートである。
ステップS1701にて、学習フェーズでの学習によって得られたCNNのフィルタ係数がCNN部1502に設定される。
次に、ステップS1702にて、画像細分化部201が、入力画像を小領域に細分化して画像片に分解する。画像細分化部201により細分化された画像片は、幾何変形部1501及び遅延部1504に出力される。
次に、ステップS1703にて、遅延部1504が、入力される画像片を一時的に記憶する。
ステップS1704にて、幾何変形部1501が、入力される画像片に対して、設定された変形指示に応じた幾何変形処理を行い、幾何変形した画像を出力する。
次に、ステップS1705にて、CNN部1502が、設定されたフィルタ係数に従って入力された変形後画像片に対して認識処理を実施し、モアレ発生の有無あるいは強弱を認識する。
次に、ステップS1706にて、変換部1503が、入力されるモアレの発生の有無あるいは強弱に係る情報を混合比率に変換する。変換部1503で変換して得られた混合比率は、混合部205に出力される。
次に、ステップS1707にて、遅延部1504に一時的に記憶されていた画像片が読み出される。
次に、ステップS1708にて、LPF部203が、入力される画像片に対しローパスフィルタ処理を行い、低周波画像片を得る。
次に、ステップS1709にて、混合部205が、入力される混合比率に応じて、ステップS1708において得られた低周波画像片と、ステップS1707において読み出されたオリジナルの画像片とを混合し、混合比率に従って混合した画像片を得る。
次に、ステップS1710にて、画像統合部206が、ステップS1709において得られた混合した画像片を統合して1枚の画像を得る。
ステップS1711にて、幾何変形部207が、ステップS1710において統合化された画像に対して、設定された変形指示に応じた幾何変形処理を行い、幾何変形した画像を出力する。
図18は、第4の実施形態における画像処理装置での学習フェーズを説明する図である。変形前画像片1801に、図15に示した幾何変形部207と同様の幾何変形部1802が指定された各種変形内容に応じた幾何変形処理を行い、変形後画像片1803を得る。第4の実施形態では、この変形後画像片1803を教師画像とするとともに、この変形後画像片1803に基づいて教師データであるモアレ発生の有無あるいは強弱に係る情報を得る。例えば、変形後画像片1803をモニターに表示させて作業者がモアレの有無及び強弱を確認する。
そして、学習フェーズ(学習中)のCNN部1804に、教師画像となる変形後画像片1803と、教師データとして用意したモアレ発生の有無あるいは強弱に係る情報との組み合わせを大量に入力する。例えば、CNN部1804に入力する変形後画像片1803の枚数は、少なくとも1000枚以上、数万枚のオーダーが望ましい。
学習フェーズにおいては、学習中のCNN部1804が演算して得られるモアレ発生の有無あるいは強弱に係る情報と、入力した教師データであるところのモアレ発生の有無あるいは強弱に係る情報の両者の差分を誤差とする。その誤差を図16に示したCNN中の各層のフィルタに逆伝播して、各層のフィルタ係数を微修正していく。差分(誤差)が十分に小さくなって、学習が終了した時の各層のフィルタ係数を学習データ保持部1805に記憶し、適用フェーズのCNN部1502で用いる。
第4の実施形態における学習フェーズでのCNNの構成例は、図16に示したCNNを図8に示したように逆伝播させたものであるので、詳細な説明は省略する。また、第4の実施形態における画像処理装置の学習フェーズにおける動作については、教師用画像を、幾何変形前の画像片から、幾何変形した後の画像片に変更したものとする点が異なり、他は第1の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
第4の実施形態によれば、幾何変形処理した画像片におけるモアレ発生の有無あるいは強弱について学習済みのCNNを用いて、入力画像を細分化した画像片ごとに発生するモアレを予測し、それに応じて画像片をぼかして画像を幾何変形することができる。このように、モアレの発生をCNNを用いて学習させ、学習済みのCNNを用いてモアレの発生を高確度に検知でき、幾何変形処理において、画質劣化を抑制しつつ、モアレの発生を抑制することが可能になる。また、第4の実施形態では、幾何変形処理が2回必要になり遅延が生じるが、幾何変形処理後の画像片を用いて、発生したモアレを検出するので、より確実にモアレの発生を抑制することができる。
なお、本発明は、ハードウェア回路として実現するだけでなく、フローチャートに示したようにコンピュータプログラムで処理すれば、ソフトウエアによって実現することも可能である。また、本発明による画像処理装置及び画像処理方法は、ディスプレイやプロジェクタ等の表示装置をはじめとして、プリンタやオフセット印刷装置、又はカメラやビデオカメラ等の撮影装置等、画像の解像度を変えたり形状を変形したりする装置に適用できる。
(本発明の他の実施形態)
本発明は、前述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
なお、前記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
201:画像細分化部 202、1101、1502:畳み込みニューラルネットワーク(CNN)部 203:ローパスフィルタ部 204、1001、1502:変換部 205:混合部 206:画像統合部 207、1501:幾何変形部 602、1302、1802:幾何変形部 604、1304、1804:畳み込みニューラルネットワーク(CNN)部 605、1305、1805:学習データ保持部 1504:遅延部

Claims (21)

  1. 入力画像を複数の画像片に細分化する細分化手段と、
    画像片に対する幾何変形処理によるモアレの発生程度を学習済みであって、前記入力画像の画像片が入力され、入力された該画像片の前記幾何変形処理によるモアレの発生程度を出力する予測手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記入力画像の画像片ごとに、前記予測手段から出力される前記モアレの発生程度に基づいた強度でぼかした前記画像片を出力する出力手段と、
    前記出力手段から出力された前記画像片を統合して得られる画像に幾何変形処理を行う幾何変形手段とを有することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記出力手段は、
    前記入力画像の画像片にフィルタ処理を行うフィルタ手段と、
    前記細分化手段からの前記入力画像の画像片と、前記フィルタ手段からの前記入力画像の画像片とを、前記予測手段から出力される前記モアレの発生程度に基づいて混合して出力する混合手段とを有することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記フィルタ処理は、ローパスフィルタ処理であることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
  5. 前記強度は、画像の縮小率及び前記予測手段から出力される前記モアレの発生程度に基づいて変更することを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記予測手段は、画像の縮小率がさらに入力され、入力された前記画像片及び前記画像の縮小率に応じた前記モアレの発生程度を出力することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記予測手段は、前記画像片に対するモアレの発生程度が学習されている畳み込みニューラルネットワークを用いることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の画像処理装置。
  8. 入力画像を複数の画像片に細分化する細分化手段と、
    幾何変形処理後の画像片に対するモアレの発生程度を学習済みであって、前記入力画像の前記幾何変形処理後の画像片が入力され、入力された該画像片のモアレの発生程度に基づいて該画像片における前記モアレの発生を検知する予測手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  9. 前記入力画像の画像片ごとに、前記予測手段から出力される前記モアレの発生に係る情報に基づいた強度でぼかした前記画像片を出力する出力手段と、
    前記出力手段から出力された前記画像片を統合して得られる画像に幾何変形処理を行う幾何変形手段とを有することを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
  10. 前記幾何変形処理は、前記入力画像に対する拡大処理、縮小処理、及びキーストーン変形処理の少なくとも1つの処理を含むことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の画像処理装置。
  11. 入力画像を複数の画像片に細分化する細分化工程と、
    画像片に対する幾何変形処理によるモアレの発生程度を学習済みであって、前記入力画像の画像片が入力され、入力された該画像片の前記幾何変形処理によるモアレの発生程度を出力する予測工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
  12. 前記入力画像の画像片ごとに、前記予測工程にて出力される前記モアレの発生程度に基づいた強度でぼかした前記画像片を出力する出力工程と、
    前記出力工程にて出力された前記画像片を統合して得られる画像に幾何変形処理を行う幾何変形工程とを有することを特徴とする請求項11記載の画像処理方法。
  13. 前記出力工程は、
    前記入力画像の画像片にフィルタ処理を行うフィルタ工程と、
    前記細分化工程にて出力された前記入力画像の画像片と、前記フィルタ工程にて出力された前記入力画像の画像片とを、前記予測工程にて出力される前記モアレの発生程度に基づいて混合して出力する混合工程とを有することを特徴とする請求項12記載の画像処理方法。
  14. 前記フィルタ処理は、ローパスフィルタ処理であることを特徴とする請求項13記載の画像処理方法。
  15. 前記強度は、画像の縮小率及び前記予測工程にて出力される前記モアレの発生程度に基づいて変更することを特徴とする請求項12〜14の何れか1項に記載の画像処理方法。
  16. 前記予測工程では、画像の縮小率がさらに入力され、入力された前記画像片及び前記画像の縮小率に応じた前記モアレの発生程度を出力することを特徴とする請求項11〜15の何れか1項に記載の画像処理方法。
  17. 前記予測工程は、前記画像片に対するモアレの発生程度が学習されている畳み込みニューラルネットワークを用いることを特徴とする請求項11〜16の何れか1項に記載の画像処理方法。
  18. 入力画像を複数の画像片に細分化する細分化工程と、
    幾何変形処理後の画像片に対するモアレの発生程度を学習済みであって、前記入力画像の前記幾何変形処理後の画像片が入力され、入力された該画像片のモアレの発生程度に基づいて該画像片における前記モアレの発生を検知する予測工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
  19. 前記入力画像の画像片ごとに、前記予測工程にて出力される前記モアレの発生に係る情報に基づいた強度でぼかした前記画像片を出力する出力工程と、
    前記出力工程にて出力された前記画像片を統合して得られる画像に幾何変形処理を行う幾何変形工程とを有することを特徴とする請求項18記載の画像処理方法。
  20. 前記幾何変形処理は、前記入力画像に対する拡大処理、縮小処理、及びキーストーン変形処理の少なくとも1つの処理を含むことを特徴とする請求項11〜19の何れか1項に記載の画像処理方法。
  21. 請求項11〜20の何れか1項に記載の画像処理方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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