(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出または導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタおよびスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲームおよび飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示およびアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示する。第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図3参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図3参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口および一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図3参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図3参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
図2は、パチンコ遊技機1の背面斜視図である。パチンコ遊技機1の背面には、基板ケース201に収納された主基板11が搭載されている。主基板11には、設定キー51や設定切替スイッチ52が設けられている。設定キー51は、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための錠スイッチとして機能する。設定切替スイッチ52は、設定変更状態において大当りの当選確率や出玉率等の設定値を変更するための設定スイッチとして機能する。設定キー51や設定切替スイッチ52は、例えば電源基板17の所定位置といった、主基板11の外部に取り付けられてもよい。
主基板11の背面中央には、表示モニタ29が配置され、表示モニタ29の側方には表示切替スイッチ30が配置されている。表示モニタ29は、例えば7セグメントのLED表示装置を用いて、構成されていればよい。表示モニタ29および表示切替スイッチ30は、遊技機用枠3を開放した状態で遊技盤2の裏面側を視認した場合に、主基板11を視認する際の正面に配置されている。
表示モニタ29は、例えば連比や役比、ベースなどの入賞情報を表示可能である。連比は、賞球合計数のうち第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である。役比は、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である。ベースは、打ち出した遊技球数に対する賞球合計数が占める割合である。設定変更状態や設定確認状態であるときに、表示モニタ29は、パチンコ遊技機1における設定値を表示可能である。表示モニタ29は、設定変更状態や設定確認状態であるときに、変更や確認の対象となる設定値などを表示可能であればよい。
設定キー51や設定切替スイッチ52は、遊技機用枠3を閉鎖した状態であるときに、パチンコ遊技機1の正面側から操作が不可能となっている。遊技機用枠3には、ガラス窓を有するガラス扉枠3aが回動可能に設けられ、ガラス扉枠3aにより遊技領域を開閉可能に構成されている。ガラス扉枠3aを閉鎖したときに、ガラス窓を通して遊技領域を透視可能である。
パチンコ遊技機1において、縦長の方形枠状に形成された外枠1aの右端部には、セキュリティカバー500Aが取り付けられている。セキュリティカバー500Aは、遊技機用枠3を閉鎖したときに、設定キー51や設定切替スイッチ52を含む基板ケース201の右側部を、背面側から被覆する。セキュリティカバー500Aは、短片500Aaおよび長片500Abを含む略L字状の部材であり、透明性を有する合成樹脂により構成されていればよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない大当り種別、または、ほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率および特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて、または当該表示に代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9の点灯や消灯、可動体32の動作、あるいは、これらの一部または全部を含む任意の演出装置を用いた演出として行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読予告演出がある。先読予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図3に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板などといった、各種の基板が配置されている。さらには、電源基板17も搭載されている。各種制御基板は、導体パターンが形成されて電気部品を実装可能なプリント配線板などの電子回路基板だけでなく、電子回路基板に電気部品が実装されて特定の電気的機能を実現するように構成された電子回路実装基板を含む概念である。
パチンコ遊技機1では、商用電源などの外部電源におけるAC100Vといった交流電源からの電力を、電源基板17により主基板11や演出制御基板12などの各種制御基板を含めた電気部品に供給可能である。電源基板17は、例えば交流(AC)を直流(DC)に変換するための整流回路、所定の直流電圧を特定の直流電圧(例えば直流12Vや直流5Vなど)に変換するための電源回路などを備えている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部または一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過または進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過または進入が検出されたことになる。
スイッチ回路110には、電源基板17からのリセット信号、電源断信号、クリア信号が取り込まれて遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送される。リセット信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ100などの制御回路を動作停止状態とするための動作停止信号であり、電源監視回路、ウォッチドッグタイマ内蔵IC、システムリセットICのいずれかを用いて出力可能であればよい。電源断信号は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧が所定値を超えるとオフ状態となり、所定電源電圧が所定値以下になった期間が電断基準時間以上まで継続したときにオン状態となる。クリア信号は、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチに対する押下操作などに応じてオン状態となる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11には、表示モニタ29、表示切替スイッチ30、設定キー51、設定切替スイッチ52、扉開放センサ90が接続されている。扉開放センサ90は、ガラス扉枠3aを含めた遊技機用枠3の開放を検知する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32または当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図4は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図4に示す遊技制御メイン処理において、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、復旧条件が成立したか否かを判定する(ステップS3)。復旧条件は、クリア信号がオフ状態であり、バックアップデータがあり、バックアップRAMが正常である場合に、成立可能である。パチンコ遊技機1の電力供給が開始されたときに、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチが押下操作されていれば、オン状態のクリア信号が遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。このようなオン状態のクリア信号が入力されている場合には、ステップS3にて復旧条件が成立していないと判定すればよい。バックアップデータは、遊技制御用のバックアップRAMとなるRAM102に保存可能であればよい。ステップS3では、バックアップデータの有無やデータ誤りの有無などを確認あるいは検査して、復旧条件が成立し得るか否かを判定すればよい。
復旧条件が成立した場合には(ステップS3;Yes)、復旧処理(ステップS4)を実行した後に、設定確認処理(ステップS5)を実行する。ステップS4の復旧処理により、RAM102の記憶内容に基づいて作業領域の設定が行われる。RAM102に記憶されたバックアップデータを用いて作業領域を設定することで、電力供給が停止したときの遊技状態に復旧し、例えば特別図柄の変動中であった場合には、停止前の状態から特別図柄の変動を再開可能であればよい。
復旧条件が成立しなかった場合には(ステップS3;No)、初期化処理(ステップS6)を実行した後に、設定変更処理(ステップS7)を実行する。ステップS6の初期化処理は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするクリア処理を含み、クリア処理の実行により作業領域に初期値が設定される。
ステップS5の設定確認処理では、予め定められた設定確認条件が成立したか否かを判定する。設定確認条件は、例えば電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオン状態であるとともに設定キー51がオン操作されている場合に成立する。ステップS5の設定確認処理が実行されるのは、ステップS3において、クリア信号がオフ状態であることを含めた復旧条件が成立した場合である。したがって、設定確認条件が成立し得るのは、クリア信号がオフ状態である場合となるので、クリア信号がオフ状態であることも、設定確認条件に含めることができる。
ステップS5の設定確認処理において設定確認条件が成立した場合には、パチンコ遊技機1において設定されている設定値を確認可能な設定確認状態となり、主基板11から演出制御基板12に対して、設定確認開始コマンドが送信される。設定確認状態においては、パチンコ遊技機1にて設定されている設定値を表示モニタ29の表示により確認することが可能となっている。設定確認状態を終了するときには、主基板11から演出制御基板12に対して、設定確認終了コマンドが送信される。
パチンコ遊技機1が設定確認状態であるときには、パチンコ遊技機1における遊技の進行を停止させる遊技停止状態としてもよい。遊技停止状態であるときには、打球操作ハンドルの操作による遊技球の発射、各種スイッチによる遊技球の検出などが停止され、また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20において、ハズレ図柄などを停止表示したり、ハズレ図柄とは異なる遊技停止状態に対応した表示が行われたりするように制御すればよい。設定確認状態が終了するときには、これに伴う遊技停止状態も終了すればよい。
ステップS7の設定変更処理では、予め定められた設定変更条件が成立したか否かを判定する。設定変更条件は、例えば電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオン状態であるとともに設定キー51がオン操作されている場合に成立する。設定変更条件は、クリア信号がオン状態であることを含んでいてもよい。
ステップS7の設定変更処理において設定変更条件が成立した場合には、パチンコ遊技機1において設定されている設定値を変更可能な設定変更状態となり、主基板11から演出制御基板12に対して、設定変更開始コマンドが送信される。設定変更状態においては、表示モニタ29に設定値が表示され、設定切替スイッチ52の操作を検出するごとに表示モニタ29に表示している数値を順次更新して表示する。その後、設定キー51が遊技場の係員などによる操作でオフとなったことに基づいて、表示モニタ29に表示されている設定値をRAM102のバックアップ領域に格納(更新記憶)するとともに、表示モニタ29を消灯させる。設定変更状態を終了するときには、主基板11から演出制御基板12に対して、設定変更終了コマンドが送信される。
パチンコ遊技機1が設定変更状態であるときには、設定確認状態であるときと同様に、パチンコ遊技機1を遊技停止状態としてもよい。設定変更状態が終了するときには、これに伴う遊技停止状態も終了すればよい。
演出制御基板12側では、設定確認開始コマンドや設定変更開始コマンドを受信すると、設定確認中である旨や設定変更中である旨を報知する制御が行われてもよい。例えば、画像表示装置5において所定の画像を表示したり、スピーカ8L、8Rから所定の音を出力したり、遊技効果ランプ9といった発光部材を所定の態様により発光させたりしてもよい。
クリア信号は、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチの押下操作などによりオン状態となる。したがって、電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオンであるとともに設定キー51がオンである場合には、クリアスイッチがオンであればステップS6の初期化処理とともにステップS7の設定変更処理が実行されて設定変更状態に制御可能となり、クリアスイッチがオフであればステップS4の復旧処理とともにステップS5の設定確認処理が実行されて設定確認状態に制御可能となる。電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオフである場合、または設定キー51がオフである場合には、クリアスイッチがオンであればステップS6の初期化処理が実行される一方で設定変更状態には制御されず、クリアスイッチがオフであればステップS4の復旧処理が実行される一方で設定確認状態には制御されない。
設定確認処理または設定変更処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS8)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS9)、割込みを許可する(ステップS10)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図5のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図5に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行および保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行および保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図6は、特別図柄プロセス処理として、図5に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図5に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口および第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」または「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
パチンコ遊技機1は、設定値に応じて大当りの当選確率や出玉率が変わる構成とされている。例えば、特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率や出玉率が変わるようになっている。例えば設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も大当りの当選確率が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど大当りの当選確率が低くなる。この例において、設定値として6が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。設定値に応じて大当りの当選確率が変われば、出玉率も設定値に応じて変わってもよい。大当りの当選確率は設定値にかかわらず一定であるのに対し、大当り遊技状態におけるラウンド数が設定値に応じて変わってもよい。パチンコ遊技機1は、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値のうちいずれかを設定可能に構成されていればよい。パチンコ遊技機1において設定されている設定値は、主基板11の側から演出制御基板12の側へ設定値指定コマンドが送信されることにより通知される。
図7は、表示結果判定テーブルの構成例を示している。図7(A)は、変動特図が第1特図である場合に用いられる第1特図用表示結果判定テーブルの構成例を示し、図7(B)は、変動特図が第2特図である場合に用いられる第2特図用表示結果判定テーブルの構成例を示している。表示結果判定テーブルは、ROM101に記憶されているデータの集まりである。表示結果判定テーブルでは、設定値に応じて、乱数値MR1と比較される当り判定値が特別図柄の可変表示結果である特図表示結果に割り当てられている。乱数値MR1は、表示結果決定用の乱数値であり、0〜65535の範囲でランダムに値が更新される。表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いるようにしてもよい。
表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態といった高確状態であるときには、通常状態または時短状態といった低確状態であるときに比べて、大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。
第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が同一値となるように判定値が割り当てられている。第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が第1特図用表示結果判定テーブルとは異なる同一値となるように判定値が割り当てられている。なお、設定値に応じて特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を異ならせてもよい。変動特図にかかわらず特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を同一確率としてもよい。
第1特図用表示結果判定テーブルおよび第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態の場合に、当り判定値のうち1020から1237までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、1020から1237までが「大当り」に割り当てられ、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている一方で、設定値2〜設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1238から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。
第1特図用表示結果判定テーブルおよび第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態の場合に、当り判定値のうち1020から1346までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、1020から1346までが「大当り」に割り当てられることで、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定され、その一方で、設定値2〜設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1346から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定される。
第1特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、当り判定値のうち32767から33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1〜6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
第1特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態である場合に、遊技状態が通常状態または時短状態である場合と同じく、当り判定値のうち32767から33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1〜6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、当り判定値のうち32767から33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1〜6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態である場合に、遊技状態が通常状態または時短状態である場合と同じく、当り判定値のうち32767から33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1〜6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
パチンコ遊技機1に設定可能な設定値は、5個以下や7個以上であってもよい。パチンコ遊技機1に設定される設定値が小さいほど遊技者にとって有利となるようにしてもよい。パチンコ遊技機1に設定される設定値に応じて遊技性が変化するようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機1に設定される設定値が1である場合は、通常状態での大当り確率が1/320、確変状態が65%の割合でループする遊技性(いわゆる確変ループタイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が2である場合は、通常状態での大当り確率が1/200、大当り遊技中に遊技球が、特別可変入賞球装置7の内部に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に制御する一方で、変動特図に応じて大当り遊技中に遊技球が所定スイッチを通過する割合が異なる遊技性(いわゆるV確変タイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が3である場合は、大当り確率が1/320で小当り確率が1/50であり、高ベース中(時短制御中)に遊技球が特別可変入賞球装置7の内部に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技状態に制御する遊技性(いわゆる1種2種混合タイプ)としてもよい。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1〜3のいずれかである場合は遊技性が同一であるが、これら設定値が1〜3のいずれかである場合よりも大当り確率や小当り確率が高い一方で大当り遊技中に獲得可能な賞球数が少ない設定(例えば、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が4〜6のいずれかである場合)を設けてもよい。設定値に応じて遊技性を変化させる場合は、共通のスイッチを異なる用途に使用してもよい。具体的には、設定値が1〜3の場合は、特別可変入賞球装置7内に設けられた所定スイッチを演出用スイッチ(遊技球が所定領域を通過する毎に所定の演出を実行するためのスイッチ)として使用し、設定値が4〜6の場合は、所定スイッチを遊技用スイッチ(遊技球が所定スイッチを通過したことに基づいて遊技状態を確変状態や大当り遊技状態に制御するためのスイッチ)として使用してもよい。
大当り種別は、大当り種別判定テーブルにおける判定値の割当てに基づいて、設定値に応じて異なる割合で決定されてもよい。あるいは、大当り種別は、設定値にかかわらず共通の割合で決定されてもよい。変動パターンは、変動パターン判定テーブルにおける判定値の割当てに基づいて、設定値に応じて異なる割合で決定されてもよい。あるいは、変動パターンは、設定値にかかわらず共通の割合で決定されてもよい。設定値に応じてノーマルリーチやスーパーリーチの実行割合が異なることで、ノーマルリーチやスーパーリーチが実行される頻度により設定値が示唆されてもよい。あるいは、設定値にかかわらずノーマルリーチやスーパーリーチの実行割合は共通であってもよい。その他、設定値に応じて、異なる割合で任意の設定示唆演出を実行可能としたものであってもよい。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図8のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図8に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図9は、演出制御プロセス処理として、図8のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形および応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合または「100%」未満の割合であることも含む。
(設定示唆演出に関する特徴部の説明)
以下、パチンコ遊技機1における設定示唆演出に関する特徴部について説明する。この特徴部では、可変表示の実行中に、所定割合でパチンコ遊技機1における設定値を示唆する設定示唆演出を実行可能である。
図10−1は、可変表示開始設定処理として、演出制御プロセス処理のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理では、停止図柄決定処理が実行される(ステップS201)。停止図柄決定処理では、飾り図柄の可変表示における最終停止図柄といった、飾り図柄の可変表示において停止表示される飾り図柄の組合せが決定される。停止図柄決定処理に続いて、予告演出決定処理が実行される(ステップS202)。予告演出決定処理は、有利示唆演出に含まれる予告演出を決定可能とする。
予告演出決定処理が実行された後には、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS203)。演出制御パターンは、特図変動時演出制御パターン、予告演出制御パターン、その他、各種の演出実行を制御するための制御パターンなどを含んでいればよい。例えば変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、ステップS202の予告演出決定処理による決定結果に対応して、複数用意された予告演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットしてもよい。なお、特図変動時演出制御パターン、予告演出制御パターンとして、別個の演出制御パターンをセットするものに限定されず、各演出の実行設定の組合せに対応した1の演出制御パターンをセットするものであってもよい。
ステップS203により演出制御パターンが決定されると、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS204)。また、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS205)。このときには、ステップS203にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDPに対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
続いて、可変表示開始時の保留表示更新設定を行う(ステップS206)。例えば、画像表示装置5の画面上に設けられた保留表示エリアにおいて、保留番号「1」に対応した表示部位(左端の表示部位)を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」などに対応した表示部位にある保留表示を1つずつ左方向に移動(シフト)させる。これにより、保留表示のシフトが行われる。画像表示装置5の画面上に設けられたアクティブ表示部では、保留表示エリアにおいて消去(消化)した保留表示に対応したアクティブ表示が行われるようにすればよい。なお、保留記憶数が「0」であるときに、第1始動入賞や第2始動入賞の発生に基づいて直ちに可変表示が開始される場合には、保留表示を更新することなく、アクティブ表示エリアにおけるアクティブ表示を更新するための設定が行われてもよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS207)、可変表示開始設定処理を終了する。
図10−2は、停止図柄決定処理として、可変表示開始設定処理のステップS201にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。停止図柄決定処理では、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるか否かを判定する(ステップS221)。スーパーリーチのリーチ演出が実行されるか否かは、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンに基づいて判定可能である。
スーパーリーチのリーチ演出が実行されない場合には(ステップS221;No)、非リーチ時やノーマルリーチ時の最終停止図柄を決定して(ステップS222)、停止図柄決定処理を終了する。非リーチ時には、可変表示結果が「ハズレ」になる。ノーマルリーチ時には、可変表示結果が「大当り」になる場合と、可変表示結果が「ハズレ」になる場合とが含まれている。飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならない非リーチ時には、最終停止図柄として、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示される。非リーチ時の最終停止図柄は、「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rで異なる(不一致の)飾り図柄となるように決定される。可変表示結果が「ハズレ」になるノーマルリーチ時には、リーチハズレ時の最終停止図柄として、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示される。リーチハズレ時の最終停止図柄は、「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rで同一の(一致する)飾り図柄となるように決定される。可変表示結果が「大当り」になるノーマルリーチ時には、大当り時の最終停止図柄として、大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される。大当り時の最終停止図柄は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄となるように決定される。
スーパーリーチのリーチ演出が実行される場合には(ステップS221;Yes)、スーパーリーチ時の最終停止図柄を決定する(ステップS223)。スーパーリーチ時には、可変表示結果が「大当り」になる場合と、可変表示結果が「ハズレ」になる場合とが含まれている。可変表示結果が「ハズレ」になるスーパーリーチ時には、リーチハズレ時の最終停止図柄として、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示される。可変表示結果が「大当り」になる大当り時には、大当り時の最終停止図柄として、大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される。
スーパーリーチ時には、可変表示結果が「大当り」になるか「ハズレ」になるかにかかわらず、「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rで同一の(一致する)飾り図柄が、確定飾り図柄として停止表示される。このようなリーチハズレ組合せや大当り組合せを構成する左右の飾り図柄は、リーチ図柄ともいう。リーチ図柄として決定可能な飾り図柄は、例えば1〜7の数字に対応する7種類の飾り図柄といった、複数種類の飾り図柄を含んでいればよい。数字に対応する飾り図柄は、数字を示す演出画像のみであってもよいし、数字に加えて各種のキャラクタを示す演出画像であってもよい。リーチ図柄は、リーチ図柄決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ図柄決定テーブルを参照することなどにより、複数の飾り図柄のいずれかに決定されるようにすればよい。リーチ図柄決定用の乱数値を示す数値データは、RAM122に設けられたランダムカウンタや乱数回路124の一方または両方を用いて、更新可能であればよい。
リーチ図柄決定テーブルでは、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかに応じて、リーチ図柄となる飾り図柄に割り当てられた判定値の個数が異なっていてもよい。例えば、可変表示結果が「ハズレ」である場合には、1の数字に対応する飾り図柄の決定割合が最も高くなり、2の数字、3の数字、4の数字、5の数字、6の数字となるに従って、飾り図柄の決定割合が低くなり、7の数字に対応する飾り図柄の決定割合が最も低くなる。これに対し、可変表示結果が「大当り」である場合には、1の数字に対応する飾り図柄の決定割合が最も低くなり、2の数字、3の数字、4の数字、5の数字、6の数字となるに従って、飾り図柄の決定割合が高くなり、7の数字に対応する飾り図柄の決定割合が最も高くなる。このような決定割合の設定では、7の数字に対応する飾り図柄がリーチ図柄として停止表示された場合に、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御される割合が最も高くなり、6の数字、5の数字、4の数字、3の数字、2の数字となるに伴い、リーチ図柄として停止表示された場合の可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御される割合が低くなり、1の数字に対応する飾り図柄がリーチ図柄として停止表示された場合の可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御される割合が最も低くなる。なお、リーチ図柄決定テーブルでは、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかにかかわらず、リーチ図柄となる飾り図柄に割り当てられた判定値の個数が同じであってもよい。リーチ図柄となる飾り図柄ごとに割り当てられた判定値の個数が異なってもよいし、リーチ図柄となる飾り図柄にかかわらず割り当てられた判定値の個数が同じであってもよい。大当り種別に応じて、リーチ図柄となる飾り図柄の決定割合が異なってもよい。
ステップS223に続いて、決定されたリーチ図柄は7の数字に対応する飾り図柄であるか否かを判定する(ステップS224)。このとき、リーチ図柄が7以外の数字に対応する飾り図柄であれば(ステップS224;No)、停止図柄決定処理を終了する。リーチ図柄が7の数字に対応する飾り図柄である場合には(ステップS224;Yes)、設定示唆演出を実行するか否かに応じた設定示唆演出の有無を決定する(ステップS225)。設定示唆演出は、設定示唆演出実行決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された設定示唆演出実行決定テーブルを参照することなどにより、実行の有無が決定されるようにすればよい。設定示唆演出実行決定用の乱数値を示す数値データは、RAM122に設けられたランダムカウンタや乱数回路124の一方または両方を用いて、更新可能であればよい。設定示唆演出の有無として、設定示唆演出を実行しない「演出なし」、または、設定示唆演出を実行する「演出あり」のうちで、いずれかに決定される。
ステップS225の決定結果に基づいて、設定示唆演出を実行する「演出あり」に決定されたか否かを判定する(ステップS226)。設定示唆演出を実行しない「演出なし」に決定された場合には(ステップS226;No)、停止図柄決定処理を終了する。「演出あり」に決定された場合には(ステップS226;Yes)、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を特定する(ステップS227)。演出制御用CPU120は、パチンコ遊技機1の電源投入時に、主基板11の側から送信された設定値通知コマンドを受信し、通知された設定値をRAM122の所定領域に格納すればよい。これにより、ステップS227では、RAM122に格納されている設定値を特定すればよい。
ステップS227に続いて、設定示唆パターンを決定してから(ステップS228)、停止図柄決定処理を終了する。設定示唆パターンは、設定示唆パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された設定示唆パターン決定テーブルを参照することなどにより、複数の設定示唆パターンのうちいずれかに決定されるようにすればよい。設定示唆パターン決定用の乱数値を示す数値データは、RAM122に設けられたランダムカウンタや乱数回路124の一方または両方を用いて、更新可能であればよい。
図10−3は、設定示唆演出実行決定テーブルに関する設定例を示している。例えばROM121には、設定示唆演出実行決定テーブルとして、図10−3に示す決定テーブルTA01を構成するテーブルデータが予め記憶されている。停止図柄決定処理のステップS225では、決定テーブルTA01を参照することなどにより、設定示唆演出の有無が決定される。決定テーブルTA01では、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかに応じて、設定示唆演出の有無に割り当てられた判定値の個数が異なっている。例えば、可変表示結果が「大当り」である場合には、可変表示結果が「ハズレ」である場合よりも、設定示唆演出を実行する「演出あり」の決定割合が高くなる。このような決定割合の設定では、設定示唆演出が実行された場合に、設定示唆演出が実行されない場合よりも、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御される割合が高くなる。なお、設定示唆演出実行決定テーブルでは、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかにかかわらず、設定示唆演出の有無に割り当てられた判定値の個数が同じであってもよい。
図10−4(A)は、設定示唆パターンの構成例を示している。この実施例では、複数の設定示唆パターンとして、4つのパターンRE−0〜パターンRE3が設けられている。これらの設定示唆パターンは、図柄表示色を変化させるか否かや、変化させる場合の表示色に応じて、示唆内容が異なっている。図柄表示色は、リーチ図柄として停止表示された飾り図柄の表示色であり、通常表示色となる赤色の他に、銅色、銀色、金色を含む示唆表示色に変化可能である。パターンRE−0は、図柄表示色を変化させず、遊技者にとって有利な設定値である期待度が低いことを示唆する。パターンRE−1は、図柄表示色を銅色に変化させ、設定値が2以上であることの確定を示唆する。パターンRE−2は、図柄表示色を銀色に変化させ、遊技者にとって有利な設定値である期待度が高いことを示唆する。パターンRE−3は、図柄表示色を金色に変化させ、最高の設定値となる6であることの確定を示唆する。このように、リーチ図柄を用いた設定示唆演出では、図柄表示色が変化したか否かや、変化後の図柄表示色に応じて、パチンコ遊技機1における設定値に関する示唆を行うことができる。
図10−4(B)は、設定示唆パターン決定テーブルに関する設定例を示している。例えばROM121には、設定示唆パターン決定テーブルとして、図10−4(B)に示す決定テーブルTA11を構成するテーブルデータが予め記憶されている。停止図柄決定処理のステップS228では、決定テーブルTA11を参照することなどにより、設定示唆パターンが決定される。決定テーブルTA11では、パチンコ遊技機1において設定されている設定値に応じて、設定示唆パターンの決定結果に割り当てられた判定値の個数が異なっている部分がある。
リーチ図柄を用いた設定示唆演出が実行される場合に、リーチ図柄が7の数字に対応した飾り図柄となることから、大当り遊技状態に制御される割合が高い。そして、設定示唆演出がパターンRE−0で実行される場合は遊技者にとって有利な設定値である期待度が低く、設定示唆演出がパターンRE−1で実行される場合は設定値が2以上であることが確定する。また、設定示唆演出がパターンRE−2で実行される場合は遊技者にとって有利な設定値である期待度が高く、設定示唆演出がパターンRE−3で実行される場合は最高の設定値となる6であることが確定する。このように、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった場合のリーチ図柄には、7以外の数に対応した飾り図柄といった大当り遊技状態の制御に関する示唆を行う図柄表示態様と、7の数字に対応した飾り図柄といった大当り遊技状態の制御に関する示唆を行うとともにパチンコ遊技機1において設定されている設定値に関する示唆を行う図柄表示態様とが含まれている。リーチ図柄が7の数字に対応した飾り図柄の場合には、リーチ図柄が通常表示色で表示されることで大当り遊技状態の制御に関する示唆を行った後に、図柄表示色が変更されることで、大当り遊技状態の制御に関する示唆を継続して行うとともに設定値に関する示唆を行うことになる。
設定示唆演出は、パチンコ遊技機1において設定されている設定値に応じて、演出態様が異なるように実行可能である。例えば、パチンコ遊技機1において設定されている設定値が1である場合には、設定示唆パターンがパターンRE−1に決定されないので、図柄表示色が銅色に変更されることがない。このように、パチンコ遊技機1において設定されている設定値が1以外であるか否かに応じて、リーチ図柄が7の数字に対応する飾り図柄である場合の図柄表示態様として、図柄表示色が銅色に変更されるか否かが異なる。パチンコ遊技機1において設定されている設定値が6以外である場合には、設定示唆パターンがパターンRE−3に決定されないので、図柄表示色が金色に変更されることがない。このように、パチンコ遊技機において設定されている設定値が6であるか否かに応じて、リーチ図柄が7の数字に対応する飾り図柄である場合の図柄表示態様として、図柄表示色が金色に変更されるか否かが異なる。
設定示唆演出は、リーチ図柄として停止表示された飾り図柄の表示色である図柄表示色を変更するものに代えて、あるいは、図柄表示色を変更するものに加えて、リーチ図柄として停止表示された飾り図柄の形状や模様といった、リーチ態様における任意の態様を変更するものであってもよい。あるいは、背景画像や外枠画像その他の任意の演出画像の表示、スピーカ8L、8Rによる音声の出力、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった装飾発光体の点灯、演出用可動部材の動作、これらの一部または全部の組合せといった、任意の演出装置による演出態様を変更するものであってもよい。設定示唆演出その他のパチンコ遊技機1における任意の演出は、演出制御に関連する任意のデータ、演出制御に関連しない任意のデータ、あるいは、これらを組み合わせたデータが、演出実行用として予め定められた単一または複数の条件式を満足する場合に、実行可能であればよい。図柄表示色を変更する演出は、変更演出ともいう。
複数の設定示唆パターンには、大当り遊技状態に制御される場合にのみ決定可能なパターンと、大当り遊技状態に制御されない場合にも決定可能なパターンとが、含まれていてもよい。例えば、パターンRE−0とパターンRE−1は、可変表示結果が「ハズレ」である場合にも、所定割合で決定可能となるのに対し、パターンRE−2とパターンRE−3は、可変表示結果が「大当り」である場合にのみ所定割合で決定可能となり、可変表示結果が「ハズレ」である場合には決定不可能となるようにしてもよい。この場合に、パターンRE−2は、パチンコ遊技機1において設定されている設定値にかかわらず、共通の割合で決定されるのに対し、パターンRE−3は、パチンコ遊技機1において設定されている設定値に応じて、異なる割合で決定されてもよい。
図10−5は、可変表示中演出処理として、演出制御プロセス処理のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理では、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間である特図変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS241)。可変表示時間が経過していないと判定された場合には(ステップS241;No)、可変表示の進行に伴い各種演出を実行するための制御が行われる。演出制御用CPU120は、可変表示開始設定処理のステップS203にて決定された演出制御パターンから読み出した制御データに基づいて、各種指令を作成する。この指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯や消灯や点滅させること、可動体32などの演出用可動部材を動作させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて各種演出を実行できればよい。
可変表示中演出処理では、予告演出期間であるか否かを判定する(ステップS242)。予告演出期間である場合には(ステップS242;Yes)、予告演出を実行する制御が行われる(ステップS243)。予告演出期間ではない場合や(ステップS242;No)、ステップS243の制御を行った後には、リーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップS244)。リーチ演出期間である場合には(ステップS244;Yes)、リーチ演出を実行する制御が行われる(ステップS245)。ステップS245の制御により、リーチ図柄となる飾り図柄が停止表示されてから、図柄表示色の変更後におけるリーチ演出を実行する場合に、大当り遊技状態の制御に関する示唆を行うとともに、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行うことができる。
リーチ演出期間ではない場合や(ステップS244;No)、ステップS245の制御を行った後には、変更演出期間であるか否かを判定する(ステップS246)。変更演出期間は、リーチ図柄を用いた設定示唆演出が実行される場合に、図柄表示色を変更する演出の実行期間として、予め定められていればよい。変更演出期間である場合には(ステップS246;Yes)、変更演出を実行する制御が行われる(ステップS247)。変更演出期間ではない場合や(ステップS246;No)、ステップS247の制御を行った後には、例えば変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するための制御を行ってから(ステップS248)、可変表示中演出処理を終了する。
変更演出期間は、変更演出の演出態様に応じて、異なる時間長に設定されてもよい。例えばパターンRE−0の場合には変更演出期間が最も短い第1期間に設定され、パターンRE−1の場合には変更演出期間が第1期間よりも長い第2期間に設定され、パターンRE−2の場合には変更演出期間が第2期間よりも長い第3期間に設定され、パターンRE−3の場合には変更演出期間が最も長い第4期間に設定されてもよい。一般的に遊技者は、有利なことを報知する演出(有利な演出)が実行された場合、その演出の画像または動画を、遊技者が所有する携帯端末にて撮影し、それをSNS(Social Networking Service)等の会員登録制のウェブサイトや、インターネット動画供給サイト等に投稿する傾向にある。しかしながら、このような有利な演出の実行期間が短いと、適切な撮影時間を確保できないという問題が生じる。その一方で、不利な場合にも行われることの多い演出(不利な演出)については、撮影意欲を喚起しないため、不利な演出の実行期間が長いと、かえって遊技者に不快感を与えてしまうという問題がある。そこで、有利な演出についての実行期間を長くして撮影時間を確保するとともに、不利な演出については有利な演出よりも実行期間を短くして不快感を低減させるようにする。これにより、遊技者にとって有利な演出が実行された場合に、遊技者が見逃すことを防止できるとともに、撮影時間を確保することができる。また、撮影時間を確保できることにより、撮影された画像や動画がインターネット上で遊技者により公開され、パチンコ遊技機1に対する公衆の興味を高めることができる。加えて、多くの場合に、どの遊技場のどのパチンコ遊技機1にて撮影したものかも含めて公開されることにより、遊技場側からすれば、遊技者により遊技場の宣伝が行われたことになる。このように、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆が行われた場合に撮影時間を確保することにより、遊技者のみならず、遊技場側にも相乗的な効果をもたらすことになる。
可変表示時間が経過した場合には(ステップS241;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS249)。図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS249;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS249;Yes)、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS250)。続いて、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS251)。また、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS252)、可変表示中演出処理を終了する。
図10−6は、設定示唆演出の実行例を示している。図10−6(A)は、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様でリーチ成立となる演出実行例HD101を示している。「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rには7の数字に対応する飾り図柄が停止表示されることで、リーチ成立となりノーマルリーチのリーチ演出が実行される。図10−6(B)は、ノーマルリーチのリーチ演出がスーパーリーチのリーチ演出に移行するリーチ発展となる演出実行例HD102を示している。画像表示装置5の表示画面では飾り図柄が縮小表示され、スーパーリーチのリーチ演出における演出画像の表示が行われる。図10−6(C)は、設定示唆演出となる変更演出が実行される演出実行例HD103を示している。停止表示されているリーチ図柄に重畳して、変更演出に対応する演出表示が表示される。また、「図柄表示色変更!!」といったメッセージを報知する演出画像が表示されることで、図柄表示色を変更する示唆が行われる。
図10−6(D1)は、パターンRE−0により図柄表示色が変化しない演出実行例HD111を示している。図10−6(D2)は、パターンRE−1により図柄表示色が銅色に変化する演出実行例HD112を示している。図10−6(D3)は、パターンRE−2により図柄表示色が銀色に変化する演出実行例HD113を示している。図10−6(D4)は、パターンRE−3により図柄表示色が金色に変化する演出実行例HD113を示している。演出実行例HD111では、パターンRE−0によりリーチ図柄の表示色が変化せず、通常表示色である赤色のまま変更されない。このように図柄表示色が変更されない失敗演出(ガセ演出)が実行され、遊技者にとって有利な設定値である期待度が低いことを示唆する。演出実行例HD112では、パターンRE−1によりリーチ図柄の表示色が銅色に変更されることで、設定値が2以上であることの確定を示唆する。演出実行例HD113では、パターンRE−2によりリーチ図柄の表示色が銀色に変更されることで、遊技者にとって有利な設定値である期待度が高いことを示唆する。演出実行例HD114では、パターンRE−3によりリーチ図柄の表示色が金色に変更されることで、最高の設定値となる6の確定を示唆する。
設定示唆演出は、リーチ図柄の表示色を変更可能な変更演出の他にも、例えば擬似連演出や先読み予告演出など、任意の演出によって大当り期待度を示唆するとともに、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行うことができるようにしてもよい。可変表示の実行中に、大当り遊技状態の制御に関する示唆を行った後に、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行うことができる演出であってもよい。任意の演出を実行する場合に、大当り遊技状態の制御に関する示唆を行った後、大当り遊技状態の制御に関する示唆を継続して行う場合と、大当り遊技状態の制御に関する示唆を継続して行うとともにパチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行う場合とを含むものであってもよい。任意の演出を実行する場合に、大当り遊技状態の制御に関する示唆を行った後、その示唆が終了する場合と、大当り遊技状態の制御に関する示唆を継続して行うとともにパチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行う場合とを含むものであってもよい。
パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆は、パチンコ遊技機1における設定値を示唆するものに限定されず、例えばパチンコ遊技機1における設定値が変更されたか否かを示唆するものであってもよい。例えば、複数の設定示唆パターンは、パチンコ遊技機1における設定値が変更されたか否かに応じて、決定割合が異なるパターンが含まれてもよい。パチンコ遊技機1における設定値が変更された場合に、高い割合で決定されるパターンの演出態様による示唆が行われることで、設定値の変更があったことを遊技者が認識できるように、演出を多様化して遊技興趣を向上させることができる。
可変表示の実行中には、大当り遊技状態の制御に関する示唆を行う一方で、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行わないようにしてもよい。その後、可変表示の表示結果が「大当り」となった場合に、大当り開始演出(ファンファーレ演出)や大当り中演出(第1ラウンドや第2ラウンドに対応する演出など)の実行に伴い、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行うようにしてもよい。大当り遊技状態の制御に関する示唆を行うことなく、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆が行われる場合があってもよい。
大当り遊技状態の制御に関する示唆の一部または全部に代えて、あるいは、大当り遊技状態の制御に関する示唆の一部または全部とともに、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な状態の制御に関する示唆を行うものであってもよい。例えば、大当り遊技状態の終了後に制御される確変状態に関する示唆を行うものであってもよい。その他、有利状態として、遊技者にとって有利な任意の遊技価値が付与される状態に関して、制御されるか否かなどに応じた示唆を行うものであってもよい。
(特徴部037AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部037AKについて説明する。本実施の形態の特徴部037AKにおけるパチンコ遊技機1では、遊技者の操作に応じて可動体を動作させる可動体演出を実行可能である。そして、特徴部037AKにおける可動体演出では、遊技者の複数回の操作のうち、第1の回の操作と第2の回の操作とで、異なる可動体を動作させる。以下、このような特徴を有する特徴部037AKにおけるパチンコ遊技機1について説明する。なお、この実施の形態の特徴部037AKにおける可動体演出には、初期位置から進出位置まで可動体を動作させる通常可動体演出(図11−10(B)参照)と、初期位置から進出位置未満の位置まで可動体を動作させる(所謂ガタ動作を行う)特別可動体演出およびKT時可動体演出(図11−10(C)参照)とがある。本例では特別可動体演出およびKT時可動体演出における可動体の動作範囲は各可動体同士で共通する例を示しているが、異なっていてもよい。
なお、上記基本説明で説明した部分と同様の部分については説明を省略するものとする。また、この実施の形態の特徴部037AKにおけるパチンコ遊技機1は、上記基本説明で説明したような確変図柄(奇数の飾り図柄)および非確変図柄(偶数の飾り図柄)の区別がなく、停止表示した飾り図柄の種類によって、大当り遊技状態の終了後に確変状態(KT状態も含む)に制御されるか否かが認識できないものとなっている。ただし、「7」の図柄が停止表示した場合など、特定の図柄が停止表示した場合にのみ確変状態に制御されることが確定するものであってもよい。また、大当り遊技状態の終了後についても、確変状態に制御されている場合とそうでない場合(時短状態である場合)とで、例えば背景画像が異なるなどといったことはなく、遊技者が認識できないものとなっている。なお、例えば、停止表示した図柄に応じて大当り遊技状態中に実行されるラウンド数が異なっていてもよい。
図11−1は、本実施の形態の特徴部037AKにおけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示している。図示するように、本実施の形態の特徴部037AKにおけるパチンコ遊技機1は、通過ゲート41が画像表示装置5の右方に設けられている。通過ゲート41を通過した遊技球は、ゲートスイッチ21によって検出される。
通過ゲート41の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材を、前後方向に進退移動させることにより、底面部材の下方に位置する大入賞口に遊技球が入賞可能な開状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な閉状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。特別可変入賞球装置7は、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する大当り遊技状態において、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる大入賞口を開状態とする開放制御を実行する。
特別可変入賞球装置7の下方には、小当り用の特殊入賞口を形成する特殊可変入賞球装置17と、第2始動入賞口を有する可変入賞球装置6Bとが設けられており、図11−1に示すように、左側に特殊可変入賞球装置17が配置され、その右側に隣り合うように可変入賞球装置6Bが配置されている。これら特殊可変入賞球装置17および可変入賞球装置6Bは、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材を、前後方向に進退移動させることにより、底面部材の下方に位置する特殊入賞口や第2始動入賞口に遊技球が入賞可能な開状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な閉状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。特殊可変入賞球装置17は、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに所定表示結果(小当り図柄)が導出表示されたときに生起する小当り遊技状態において、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる特殊入賞口を開状態とする開放制御を実行する。また、可変入賞球装置6Bは、普通図柄表示器20に当り図柄が導出表示されたときに、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる第2始動入賞口を開状態とする開放制御を実行する。
なお、本例では、特別可変入賞球装置7と特殊可変入賞球装置17と可変入賞球装置6Bとは、同様の構造を有するように形成されている。また、図11−1に示すように、特別可変入賞球装置7は底面部材が左上から右下に向けてやや傾斜する態様で形成されているので、特別可変入賞球装置7上に落下した遊技球は、特別可変入賞球装置7が閉状態であれば特別可変入賞球装置7上を左上から右下に向けて移動して行き、その下の可変入賞球装置6B上に落下する。図11−2に示すソレノイド回路111が、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82、ソレノイド83をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82、特殊入賞口用のソレノイド83に伝送することで、それぞれの可変入賞球装置が開閉制御される。
また、本例では、可変入賞球装置6Bと比較して特殊可変入賞球装置17の方が若干大きい。また、図11−1に示すように、特殊可変入賞球装置17および可変入賞球装置6Bは底面部材が右上から左下に向けてやや傾斜する態様で形成されているので、特殊可変入賞球装置17や可変入賞球装置6B上の遊技球は、特殊可変入賞球装置17や可変入賞球装置6Bが閉状態であれば特殊可変入賞球装置17や可変入賞球装置6B上を右上から左下に向けて移動して行く。また、図11−1に示すように、特殊可変入賞球装置17と可変入賞球装置6Bとは隣り合うように配置されているので、特別可変入賞球装置7に入賞することなく可変入賞球装置6B上に落下した遊技球は、可変入賞球装置6Bの底面部材が後退移動されて第2始動入賞口が開状態となっていれば、遊技球は第2始動入賞口に入賞し、特殊可変入賞球装置17の方には遊技球は流れて行かない。一方、第2始動入賞口が開状態となっていなければ、遊技球は可変入賞球装置6Bの底面部材の上を移動して特殊可変入賞球装置17の方に導かれる。この際に特殊可変入賞球装置17の底面部材が後退移動されて特殊入賞口が開状態となっていれば、遊技球は特殊入賞口に入賞する。さらに、特殊入賞口も開状態となっていなければ、遊技球は特殊可変入賞球装置17の底面部材の上を移動して、そのままアウト口の方へ落下することになる。
また、本例では、特別可変入賞球装置7、特殊可変入賞球装置17および可変入賞球装置6Bには、底面部材上を流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片が形成されている。本例では、特別可変入賞球装置7、特殊可変入賞球装置17および可変入賞球装置6Bにおいて規制片が設けられていることによって、左上から右下方向または右上から左下方向に向けて流下する遊技球を前後方向成分の動きをもって蛇行するように、遊技球の流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片がない場合よりも遅延させる。
なお、本例では、図11−1に示すように、特殊可変入賞球装置17が左側に配置され、可変入賞球装置6Bが右側に配置されているのであるが、特殊可変入賞球装置17および可変入賞球装置6Bの底面部材が右上方から左下方に緩やかに傾斜するように形成され、底面部材が後退しておらず閉状態である場合には可変入賞球装置6Bの方から特殊可変入賞球装置17の方に向かって遊技球が流れるように構成されているので、この意味で、可変入賞球装置6Bの方が上流側に設けられ、特殊可変入賞球装置17の方が下流側に設けられているといえる。
大入賞口内には、大入賞口内に入賞した遊技球を検出可能なスイッチ(図11−2に示す第1カウントスイッチ23)が設けられている。第1カウントスイッチ23によって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。従って、特別可変入賞球装置7が開放制御されて大入賞口が開状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7が閉鎖制御されて大入賞口が閉状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
特殊入賞口内には、特殊入賞口内に入賞した遊技球を検出可能なスイッチ(図11−2に示す第2カウントスイッチ24)が設けられている。第2カウントスイッチ24によって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。ここで、特殊可変入賞球装置17において開状態となった特殊入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、大入賞口に遊技球が入賞したときと比較すると賞球の数が少ないものの、例えば第1始動入賞口1や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出されるようになっている。従って、特殊可変入賞球装置17が開放制御されて特殊入賞口が開状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特殊可変入賞球装置17が閉鎖制御されて特殊入賞口が閉状態となれば、特殊入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
なお、このパチンコ遊技機1では、通過ゲート41、特別可変入賞球装置7(大入賞口)、可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)、および特殊可変入賞球装置17(特殊入賞口)が遊技領域の右方に設けられているので、大当り遊技中や時短状態中、およびKT状態(いわゆる小当りRUSH)中である場合には、遊技者は遊技領域の右方を狙って発射操作(いわゆる右打ち操作)を行う。
また、このパチンコ遊技機1には、図11−1に示すように、画像表示装置5の上部分の図示する位置を初期位置とし、進出位置との間を上下方向に動作する上可動体037AK001が設けられている。上可動体037AK001は、演出制御基板12から当該上可動体037AK001を駆動させる駆動モータに駆動指令などを伝送させることにより動作する。
また、このパチンコ遊技機1には、図11−1に示すように、画像表示装置5の左右部分の図示する位置を初期位置とし、進出位置との間を左右方向に動作する横可動体037AK002が設けられている。横可動体037AK002は、演出制御基板12から当該左右の横可動体037AK002をそれぞれ駆動させる駆動モータに駆動指令などをそれぞれ伝送させることにより動作する。
また、このパチンコ遊技機1には、図11−1に示すように、画像表示装置5の下部分の図示する位置を初期位置とし、進出位置との間を上下方向に動作する下可動体037AK003が設けられている。下可動体037AK003は、演出制御基板12から当該下可動体037AK003を駆動させる駆動モータに駆動指令などを伝送させることにより動作する。
上可動体037AK001、横可動体037AK002、および下可動体037AK003は、それぞれ初期位置と進出位置との間を動作可能であり、それぞれの可動体を同時に進出位置に動作させた場合にそれぞれの可動体が干渉しないものとなっている。そのため、いずれかの可動体に故障が発生した場合であっても、他の可動体の動作が制限されることがなく、遊技興趣の低下を防止できる。
図11−3は、この実施の形態の特徴部037AKにおける大当り種別決定テーブルの構成例を示している。当該大当り種別決定テーブルは、例えば、図6のステップS110において特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、「確変A」〜「確変E」、「非確変A」〜「非確変C」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。図11−3に示すように、この実施の形態の特徴部037AKでは、10回のラウンド遊技が行われる大当り種別と、8回のラウンド遊技が行われる大当り種別と、10回のラウンド遊技が行われる大当り種別とがある。
「確変A」の大当り種別は、大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われ、かつ通常状態よりも小当りになりやすいKT制御が実行されるKT状態へそのまま移行する(直接KT状態となる)大当り種別である。「確変B」の大当り種別は、大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われ、かつ100回の可変表示が終了するまでの期間、時短制御が行われた後、KT状態へと移行する大当り種別である。「確変C」〜「確変E」の大当り種別は、大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われ、かつ次回大当りとなるまでの期間、時短制御が行われる大当り種別である。「非確変A」の大当り種別は、大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われずに100回の可変表示が終了するまでの期間、時短制御が行われる(時短状態に制御される)大当り種別である。「非確変B」の大当り種別は、大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われずに50回の可変表示が終了するまでの期間、時短制御が行われる(時短状態に制御される)大当り種別である。「非確変C」の大当り種別は、大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われずに30回の可変表示が終了するまでの期間、時短制御が行われる(時短状態に制御される)大当り種別である。なお、時短状態に制御される回数(時短数)の可変表示が終了した場合(時短制御期間が終了した場合)には、低確低ベース状態である通常状態に制御されることとなる。
また、この実施の形態の特徴部037AKでは、図11−3に示すように、変動特図(可変表示対象の特別図柄)が第2特図である場合、第1特図である場合とは異なり、「非確変B」および「非確変C」といった、時短数が30回や50回である大当り種別に対し判定値が割り当てられていない。そのため、変動特図が第2特図である場合には、時短数が少なくとも100回以上となり、変動特図が第1特図である場合よりも遊技者にとって有利となる。
次に、図11−4を用いてそれぞれの大当り種別について具体的に説明する。低確低ベース状態である通常状態において大当りとなり、その大当り種別が「非確変A」〜「非確変C」のいずれかである場合、当該大当り遊技状態の終了後に、低確高ベース状態である時短状態へと移行する。そして、当該時短状態において、大当り種別に応じて設定された時短数に対応する可変表示が終了すると時短制御が終了し、通常状態(低確低ベース状態)に戻ることとなる。大当りとなったときの大当り種別が「確変B」〜「確変E」のいずれかである場合、当該大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態に移行する。そして、大当り種別が「確変B」である場合、100回の可変表示が終了すると、高確低ベース状態であるKT状態(小当りRUSH)に移行する。一方で、「確変C」〜「確変E」のいずれかである場合は、再度大当りとなるまで、そのまま高確高ベース状態が継続する。大当りとなったときの大当り種別が「確変A」である場合には、大当り遊技状態の終了後に、そのまま高確低ベース状態であるKT状態(小当りRUSH)に移行する。すなわち、特徴部037AKでは、確変制御が行われる遊技状態として、大当り遊技状態に終了後に直接KT状態に制御される種類の遊技状態と、大当り終了後に100回の可変表示が行われるまで時短制御が行われた後にKT状態に制御される種類の遊技状態と、大当り終了後に次回大当りとなるまで時短制御が行われる種類の遊技状態と、がある。
図11−5は、KT状態における可変入賞球装置6Bおよび特殊可変入賞球装置17の開放パターンを説明するための説明図である。図11−5に示すように、通過ゲート41を遊技球が通過してゲートスイッチ21にて遊技球が検出されると、普通図柄表示器20において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器20に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器20にはずれ図柄が導出表示される。本特徴部037AKでは、普図ゲームは遊技状態に関わらず100%当りとなるため、普通図柄表示器20において普通図柄の変動表示が実行され、当り図柄が導出表示されることになる。また、本特徴部037AKでは、図11−5に示すように、普通図柄の変動時間は1.0秒とされ、当り図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示すると、図11−5に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒を経過してから、可変入賞球装置6Bが0.2秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置6Bが開状態となっているときに第2始動入賞口に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示装置4Bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図11−5に示すように、特殊可変入賞球装置17が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口に遊技球が入賞可能となる。なお、KT状態では、KT時可動体演出として初期位置から進出位置未満の位置まで可動体を動作させる演出が実行されるが、当該特殊可変入賞球装置17の開放期間内(特殊入入賞口が開状態となる期間内)に可動体の動作が終了するようになっている(図11−16参照)。
KT状態では、可変入賞球装置6Bの開放時間が0.2秒と極めて短い。また、本特徴部037AKにおけるKT状態では、可変入賞球装置6Bの開放した後のインターバル期間(閉鎖期間)として少なくとも3.8秒(普通図柄の変動時間1.0秒+図柄確定時間0.2秒+第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒)という比較的長い期間が確保されている。従って、KT状態では、図11−5に示すように、上流側の可変入賞球装置6Bの開放時間が短いとともにインターバル期間(閉鎖期間)が長いので、下流側の特殊可変入賞球装置17に遊技球が進入しやすく特殊入賞口に遊技球が入賞しやすくなっている。
なお、KT状態では、特殊入賞口に遊技球が入賞しやすく賞球が得られやすいことから、本例では「小当りRUSH」ともいい、KT状態中である場合には「小当りRUSH」などの文字表示が表示されてもよい。
なお、本例では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合にのみ小当りが発生し、KT状態では第2特別図柄の変動表示の頻度を高くすることにより小当りが発生しやすい状態とし、特に小当りにより賞球が期待できる小当りRUSHを実現する場合を示しているが、そのような態様にかぎれない。例えば、第1特別図柄の変動表示を実行する場合と第2特別図柄の変動表示を実行する場合とのいずれであっても、大当りでなければ100%小当りとなるように構成し、第1特別図柄の変動表示で小当りとなった場合には賞球が得られにくく、第2特別図柄の変動表示で小当りとなった場合には賞球が得られやすくすることにより、小当りにより賞球が期待できる小当りRUSH(第2特別図柄の変動表示での小当りによる遊技価値が増加しやすい遊技状態)が実現されるように構成してもよい。そのように何らかの形式で、同じKT状態でも賞球が期待できない状態がある一方で、賞球が期待できる小当りRUSHの状態が実現されるように構成されてもよい。
また、本特徴部037AKにおけるKT状態では、普通図柄の変動が行われていない状態で遊技球が通過ゲート41を通過した後、可変入賞球装置6Bが開放状態に制御されるのは、普通図柄の変動時間1.0秒と図柄確定時間0.2秒と第2始動入賞口開放前処理時間2.6秒とを合計した3.8秒を経過した後であるとともに、遊技球が通過ゲート41を通過してから可変入賞球装置6Bに到達するまでの所要時間が約0.6秒であるよう構成されている。このように、KT状態では、普通図柄の変動が行われていない状態で遊技球が通過ゲート41を通過してから可変入賞球装置6Bが開放状態に制御されるまでの時間の方が、普通図柄の変動が行われていない状態で遊技球が通過ゲート41を通過してから該遊技球が可変入賞球装置6Bに到達するまでの時間よりも長いため、可変入賞球装置6Bが開放状態に制御される前に遊技球が該可変入賞球装置6Bに到達することとなる。従って、KT状態では、普通図柄の変動が行われていない状態で通過ゲート41を通過した遊技球は、可変入賞球装置6Bに入賞しにくくなっている。
なお、本特徴部037AKでは、普通図柄の変動表示を実行したり可変入賞球装置6Bを開放制御したりする処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)によって普通図柄プロセス処理(図5のステップS26参照)が実行されることによって行われる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS26の普通図柄プロセス処理において、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かや、非KT状態(通常状態)、KT状態のいずれであるか、大当り遊技状態であるか否かに関係なく、同じ確率(例えば、100%)により普図当りとするか否かを決定する。すなわち、本特徴部030AKでは、状態に関わらず100%普図当りと決定する。
また、本特徴部037AKにおけるKT状態では、高ベースフラグをセットせず低ベース状態に制御することによって、図11−7に示すように、可変入賞球装置6Bの開放時間が短くなるように制御している。
また、低確率/非KT状態中(通常状態中)においては可変入賞球装置6Bをショート開放するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/非KT状態(左打ち状態)である場合に可変入賞球装置6Bの開放確率が高くなるように構成する場合には、遊技球を数個発射操作しただけでは可変入賞球装置6Bに入賞しないようすることができ、低確率/非KT状態中に右打ち操作が行われてしまうことを防止することができる。
図11−6は、図9のステップS171において実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、例えば、主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)などに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS551)。特図表示結果が「ハズレ」となると判定した場合(ステップS551;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、主基板11から伝送された変動パターン判定結果指定コマンド(変動パターン判定結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)により指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS552)。
ステップS552の処理において非リーチ変動パターンであると判定した場合(ステップS552;Yes)、演出制御用CPU120は、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS553)。演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(非リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS552の処理において非リーチ変動パターンではないと判定された場合(ステップS552;No)、演出制御用CPU120は、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS554)。演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS551の処理において特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定した場合(ステップS551;No)、演出制御用CPU120は、特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS555)。特図表示結果が「小当り」であると判定した場合(ステップS555;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、開放チャンス目といった、「小当り」の場合に対応する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS556)。演出制御用CPU120は、例えば、変動パターン判定結果指定コマンドにより、小当りに対応した複数の変動パターンのいずれかが指定されたことに対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。チャンス目決定テーブルには、例えば、小当り用のチャンス目として偶数で構成される「2」・「4」・「6」や「4」・「6」・「8」などが設定されていればよい。
ステップS555の処理において特図表示結果が「小当り」でないと判定した場合(ステップS555;No)、演出制御用CPU120は、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS557)。演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、主基板11から伝送された表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別に応じて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS557の処理にて大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄が表示された後に、遊技者のスティックコントローラ31Aに対する操作に応じて可動体を動作させる特別可動体演出を実行するための特別可動体演出設定処理を行う(ステップ037AKS001)。この実施の形態の特徴部037AKにおける特別可動体演出は、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄が表示されてから(大当り組合せを構成する飾り図柄が仮停止表示されてから)、当該確定飾り図柄が完全に停止するまでの期間に行われる。なお、この実施の形態の特徴部037AKにおける特別可動体演出では、遊技者のスティックコントローラ31Aに対する操作に応じて可動体を動作させるものとなっているが、これに限られず、例えばプッシュボタン31Bに対する操作や、遊技者が所定の領域に手をかざすといった動作など、遊技者による様々な動作を検知したことに応じて可動体を動作させてよい。また、当該特別可動体演出は、大当り組合せを構成する飾り図柄が仮停止表示した以後のタイミングに限られず、例えば、大当り組合せを構成する飾り図柄が仮停止表示する前のタイミングや、大当り組合せを構成する飾り図柄が完全に停止してから大当り遊技状態に移行する前のタイミングなど、任意のタイミングで実行可能である。
具体的に、特別可動体演出は、図11−12(C)に示すように、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示され、大当りとなることが遊技者に報知された後、図11−13(L)に示すように、大当りを構成する飾り図柄の組合せが完全に停止するまでの期間に実行される演出であり、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作を有効とし、当該操作に応じて、追加して得られる賞球数(上乗せ出玉数)を報知する(上乗せ出玉数報知)とともに、可動体を動作させる演出である。また、当該特別可動体演出では、遊技者にて行われた操作の検知回数に応じて動作させる可動体(上可動体037AK001、横可動体037AK002、および下可動体037AK003)が異なっている。また、この実施の形態の特徴部037AKでは、遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作を検知したことにより一旦可動体が動作すると、当該可動体の動作が終了するまでの期間、遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作を検知しないようになっている。具体的に、可動体が一旦動作した後、動作した可動体が初期位置に戻るまで(初期位置センサにて検出されるまで)、スティックコントローラ31Aの操作の検知を無効とする。なお、動作した可動体が初期位置に戻るまでの期間でなくとも、例えば特別可動体演出において動作する可動体の動作期間は予め定められているため(図11−9参照)、当該期間をタイマにて計測し、当該期間中はスティックコントローラ31Aの操作の検知を無効としてもよい。なお、図11−12(C)に示す大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示されるタイミングにおいて、大当りとなることを報知する有利度が共通の演出として、例えば賑やかしのために各可動体を動作させる大当り時可動体演出を実行してもよい。当該大当り時可動体演出では、通常可動体演出と同様に、全ての可動体を同時に動作させることで、大当りとなることを遊技者に認識しやすいように報知すればよく、動作する可動体によらず有利度が共通であればよい。
図11−7は、図11−6のステップ037AKS001にて実行される特別可動体演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図11−7に示す特別可動体演出設定処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、追加して得られる賞球数としての上乗せ出玉数を決定する(ステップ037AKS002)。具体的にステップ037AKS002では、図11−8(A)に示すように、大当り種別により定められているラウンド数(最大ラウンド数)に応じて、上乗せ出玉数を決定する。この実施の形態における特徴部037AKでは、賞球のベースを500としている。そのため、10Rのラウンド遊技が行われる場合には、図示するように、1000までの上乗せ出玉が得られ、合計で1500の賞球が得られるようになっている。8Rのラウンド遊技が行われる場合には、700までの上乗せ出玉が得られ、合計で1200の賞球が得られるようになっている。4Rのラウンド遊技が行われる場合には、500までの上乗せ出玉が得られ、合計で1000の賞球が得られるようになっている。
なお、この実施の形態における特徴部037AKでは、上乗せ出玉数がいずれの場合であっても(ラウンド数がいくつであっても)、遊技者の操作を1回検知したことに応じて報知される上乗せ出玉数は100となっている。例えば、10Rのラウンド遊技が行われる場合(1000までの上乗せ出玉が得られ場合)には、遊技者の操作を10回検知することで、1000までの上乗せ出玉が得られることが報知されることとなる。なお、これとは異なり、遊技者の操作を1回検知したことに応じて報知される上乗せ出玉数を、50、100、または200のいずれかから、上乗せ出玉数(最大ラウンド数)に応じて異なる決定割合で、抽選により決定してもよい。この場合、遊技者にとって獲得可能な出玉数が多いほど多くの上乗せ出玉数が報知される割合が高くなっていればよい。すなわち、遊技者にとっての有利度が高いほど、多くの上乗せ出玉数が報知される割合が高くなっていればよい。
図11−7のステップ037AKS002の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、特別可動体演出の実行パターンを決定する(ステップ037AKS003)。具体的に、ステップ037AKS003では、図11−8(B)に示すように、大当り種別に応じてパターン1〜パターン4のいずれかのパターンに決定する。図11−8(B)に示すように、この実施の形態の特徴部037AKでは、いずれの大当り種別の場合であっても、遊技者のスティックコントローラ31Aの操作の検知回数に応じて、上可動体037AK001、下可動体037AK003、横可動体037AK002の順番で繰り返し動作する。したがって、いずれの可動体が動作するかによってはいずれの大当り種別となるかは認識できず、大当りとなることを報知するものとなっている。すなわち、いずれの可動体が動作するかによらず共通の期待度を報知するものとなっている。なお、図示する例では、検知回数が7回〜9回の場合に、パターン1およびパターン2では可動体を動作させる一方、パターン3およびパターン4では動作させないようになっている。パターン1およびパターン2は、パターン3およびパターン4よりも遊技者にとって有利な大当り種別の場合に実行されるパターンであることから、検知回数が7回〜9回の場合に可動体が動作するか否かにより、遊技者は大当り種別をある程度認識可能となる。そのため、少なくとも検知回数が7回以上となるよう、遊技者の操作意欲を促進させることができる。なお、検知回数が7回〜9回の場合に、パターン3およびパターン4においても、パターン1およびパターン2と同様に可動体を動作させてもよい。また、この実施の形態の特徴部037AKでは、いずれの可動体が動作するかに関わらず、上乗せ出玉数報知が行われ、その上乗せ出玉数は100となっている。したがって、いずれの可動体が動作するかによらず共通の上乗せ出玉数が報知されるため、各可動体の動作に遊技者を注目させ遊技興趣を向上させることができる。この例では、いずれの可動体が動作するかに関わらず共有の上乗せ出玉数が報知される例を示したが、例えば、大当り状態となることの報知や、小当りによりアタッカーが開放されることの報知であってもよい。なお、小当りによりアタッカーが開放されることの報知は、KT時可動体演出の実行時に、上乗せ出玉数報知に代えて実行されればよい。その際には、いずれの可動体が動作するかに関わらず、遊技者にとっての有利度が共通する内容の報知が行われればよい。
また、図11−8(B)に示すように、この実施の形態の特徴部037AKでは、当該可動体の動作に合わせてLEDランプを発光させる。図示する例では、検知回数が7回〜9回の場合に、パターン1およびパターン2ではLEDランプを発光させる一方、パターン3およびパターン4では発光させない例を示しているが、パターン3およびパターン4においても、パターン1およびパターン2と同様に発光させてもよい。また、検知回数が7回〜9回の場合に、パターン3およびパターン4においても、パターン1およびパターン2と同様に可動体を動作させる場合にLEDランプを発光させてもよいし、可動体は動作させなくとも、LEDランプのみ発光させてもよい。それとは反対に、可動体のみ動作させ、LEDランプは発光させないようにしてもよい。
また、この実施の形態の特徴部037AKでは、上可動体037AK001、下可動体037AK003、横可動体037AK002の順番で繰り返し動作するが、図示するように、当該上可動体037AK001、下可動体037AK003、横可動体037AK002の3つの可動体は、共通の発光色で発光するものとなっており、上可動体037AK001、下可動体037AK003、横可動体037AK002の3つの可動体の動作が繰り返されることに応じて、発光色が変化可能となっている。具体的に、パターン1では、1回目〜3回目の検知回数に対応する上可動体037AK001、下可動体037AK003、横可動体037AK002の動作では、それぞれ「青」の発光色で発光し、4回目〜6回目の検知回数に対応する上可動体037AK001、下可動体037AK003、横可動体037AK002の動作では、それぞれ「緑」の発光色で発光し、7回目〜9回目の検知回数に対応する上可動体037AK001、下可動体037AK003、横可動体037AK002の動作では、それぞれ「赤」の発光色で発光するものとなっている。また、当該特別可動体演出においてLEDランプの発光色が「青」<「緑」<「赤」の順に期待度が高くなっている(遊技者にとって有利な大当り種別であるほど「赤」の発光色となる)。そのため、LEDランプの発光色に対する遊技者の注目を集めることができる。なお、当該LEDランプは、それぞれの可動体に内蔵されており、図11−8(B)に示すランプの発光色は、それぞれの可動体に内蔵されているLEDランプの他、例えば遊技効果ランプ9や、画像表示装置5の背景色やエフェクトなど各種発光手段(ランプ)の発光色を含んでいてよい。すなわち、図11−8(B)に示すランプの発光色は、それぞれの可動体に内蔵されているLEDランプの発光色に限られず、その他の発光手段の発光色についても図示する発光色としてよい。また、各可動体に内蔵されているLEDランプについては、動作している可動体に内蔵されているLEDランプのみ発光し、動作していない可動体に内蔵されているLEDランプについては発光しないようにしてもよいし、動作の有無に関わらず全ての可動体のLEDランプが発光するようにしてもよい。
なお、上述したように、この実施の形態の特徴部037AKでは、遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作を検知したことにより一旦可動体が動作すると、当該可動体の動作が終了するまでの期間、遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作を検知しないようになっている。具体的に、可動体が一旦動作した後、動作した可動体が初期位置に戻るまで(初期位置センサにて検出されるまで)、スティックコントローラ31Aの操作の検知を無効とする。そのため、図11−8(B)に示す検知回数は、ティックコントローラ31Aの操作の検知が有効となった状態での回数を示している。これとは異なり、例えば、遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作の検知は有効とするものの、一旦動作した可動体が初期位置に戻るまで(初期位置センサにて検出されるまで)は、他の可動体の動作自体を禁止するようにしてもよい。具体的には、動作禁止フラグを設け、可動体の動作中は当該動作禁止フラグの状態をオン状態にセットし、動作禁止フラグの状態がオフ状態、すなわち全ての可動体が初期位置に位置している場合に、動作対象の可動体を動作させてもよい。換言すると、動作禁止フラグがオン状態である場合には、遊技者による操作を検知しても可動体の動作を制限してもよい。この場合の制限には、例えば、第1の回の操作に対応した可動体の動作が終了したタイミングで第2の回の操作に対応した可動体の動作を行うこと、すなわち、本来であれば第2の回の操作を検知したタイミングで可動体を動作させるものを、第1の回の操作に対応した可動体の動作の終了時にずらすことが含まれる。
また、この実施の形態の特徴部037AKでは、図11−8(B)に示すように、大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われ、かつ100回の可変表示が終了するまでの期間、時短制御が行われた後、KT状態へと移行する「確変B」の大当り種別の場合と、大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われ、かつ次回大当りとなるまでの期間、時短制御が行われる「確変C」の大当り種別と、大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われずに100回の可変表示が終了するまでの期間、時短制御が行われる「非確変A」の大当り種別の場合のそれぞれの大当り種別の場合に、パターン2の実行パターンとなるようになっている。すなわち、いずれも10Rの大当りではあるものの、KT状態に移行するのか否か、確変状態に移行するのか否か、が遊技者にとって認識できないようになっている。したがって、いずれの遊技状態に移行するかといったその後の展開に対する遊技者の期待感を煽ることができる。同様に、パターン3やパターン4では、それぞれ同じラウンド数の大当り遊技状態ではあるものの、確変状態に移行するのか否かが遊技者にとって認識できないようになっており、いずれの遊技状態に移行するかといったその後の展開に対する遊技者の期待感を煽ることができるようになっている。
図11−7に戻り、ステップ037AKS003の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、スティックコントローラ31Aの操作に対する遊技者の操作を検知しても可動体を動作させない特定期間の設定を行う特定期間動作制限設定を行い(ステップ037AKS004)、特別可動体演出設定処理を終了する。具体的にステップ037AKS004では、スティックコントローラ31Aの操作に対する遊技者の操作を有効に検知可能な8000ms間の有効期間のうち、当該有効期間終了前の800ms間(最も長い動作期間である上可動体037AK001の動作期間以上の期間)を特定期間として設定し、可動体の動作を禁止する。なお、当該特定期間については、スティックコントローラ31Aの操作に対する遊技者の操作を検知すると、可動体の動作は行われないものの、上乗せ出玉数報知は行われる。また、可動体の動作のみ行われず、ランプについては発光してもよい。これとは反対にランプについても発光を禁止してもよい。また、この実施の形態の特徴部037AKにおける有効期間は、大当り種別に関わらず8000ms間で共通である。これとは別に、大当り種別に応じて当該有効期間が異なるようにしてもよい。この場合であっても、大当り種別に関わらず共通の特定期間(例えば有効期間終了前800ms)を特定期間として設定すればよい。
図11−6に戻り、ステップS553、ステップS554、ステップ037AKS001またはステップS556の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、その他の可変表示中における演出の実行設定を行う(ステップS559)。一例として、ステップS559の処理では、「ステップアップ表示」の予告演出とは異なる変動中予告演出を実行するための設定が行われてもよい。変動中予告演出は、開始条件が成立した特図ゲームに対応して実行される飾り図柄の可変表示中に、その可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する予告演出であればよい。
変動中予告演出としては、例えば可変表示の開始時や実行中における所定のタイミングにて、スピーカ8L、8Rから所定の効果音(例えばアラーム音やチャイム音、サイレン音など)が出力されるような態様の演出や、遊技効果ランプ9などに含まれるフラッシュランプが光るような態様の演出のうち、一部または全部を含む所定態様の演出を実行することにより、可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。あるいは、変動中予告演出として、可変表示結果が「大当り」となることに対応した特別な演出画像(プレミアム画像)を表示する演出が実行されてもよい。
他の一例として、ステップS559の処理では、可変表示結果が「大当り」となる可能性などにはかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出を実行するための設定が行われてもよい。より具体的には、遊技効果ランプ9に含まれる所定のランプが光るような態様の演出や、ミニキャラとなる所定の演出画像を表示する演出といった、所定態様の演出を実行できればよい。
また、ステップS559では、変動中予告演出の一例として、通常可動体演出の実行設定が行われる。通常可動体演出は、初期位置から進出位置まで可動体を動作させる演出である。当該通常可動体演出では、例えば、可変表示結果に関わらず、動作させる可動体については共通(例えば3つ)であり、可変表示結果に応じて当該通常可動体演出の実行割合が異なっていればよい(実行されることで「大当り」の期待度が高くなっていればよい)。これによれば、動作させる可動体によっては期待度が共通であるため、可動体が動作するか否か、すなわち通常可動体演出が実行されるか否かに対する遊技者の注目を集めることができ、興趣を向上させることができる。なお、この実施の形態の特徴部037AKにおける通常可動体演出では、上可動体037AK001、下可動体037AK003、横可動体037AK002の3つの可動体が同時に動作するものとなっているが、特別可動体演出と同様に、順番に動作してもよい。また、各可動体が同時に動作しなくてもよい。例えば、上可動体037AK001、下可動体037AK003、横可動体037AK002の3つの可動体のうち、3つ全て動作させるパターン、いずれか2つを動作させるパターン、単体で動作させるパターンなど、動作パターンが複数用意されていてもよく、可変表示結果が「大当り」となる期待度に応じていずれかのパターンに従って動作させてもよい。この場合、より多くの数の可動体が動作するほど大当り期待度が高くなっていればよい。また、通常可動体演出においても、特別可動体演出と同様に、初期位置から進出位置未満の位置まで可動体を動作させる(所謂ガタ動作を行う)ようにしてもよい。さらに、「大当り」の期待度が動作する可動体によらず共通であってもよい。
ステップS559の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS560)。演出制御用CPU120は、例えば、変動パターン判定結果指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップS161の保留表示設定処理による保留表示変化演出の実行設定に対応して、複数用意された演出制御パターン(保留表示変化パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、ステップS559にて特定演出を実行すると判定された場合には、特定演出を実行することに対応した演出制御パターン(特定演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS560の処理に続いて、演出制御用CPU120は、例えば、変動パターン判定結果指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS561)。そして、画像表示装置5の表示画面上において飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS562)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば、ステップS559の処理において決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDPに対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS562の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である「2」に更新してから(ステップS563)、可変表示開始設定処理を終了する。
図11−9は、各可動体の具体的な動作内容を示す図である。具体的に、図11−9(A−1)、(B−1)、(C−1)は、通常可動体演出時の上可動体037AK001、下可動体037AK003、横可動体037AK002の動作内容を示している。図11−9(A−2)、(B−2)、(C−2)は、特別可動体演出時の上可動体037AK001、下可動体037AK003、横可動体037AK002の動作内容を示している。
図示するように、通常可動体演出時と特別可動体演出時では、動作する可動体同士で、進出動作2の動作時間と退避動作2の動作時間とが異なる(特別可動体演出時の動作時間は通常可動体演出時よりも短い)のみで、その他の動作時間については共通している。また、動作速度については、通常可動体演出時と特別可動体演出時では全ての動作内容において共通するものとなっている。進出動作は、初期位置から進出位置方向への動作であり、退避動作は、進出位置から初期位置方向への動作である。この実施の形態の特徴部037AKでは、進出動作1と進出動作3(退避動作1や退避動作3についても同様)の動作速度を、進出動作2(退避動作2)よりも遅くすることで、停止状態から急速に動作させることや、急停止させることに起因して生じるモータ故障を防止している。
通常可動体演出では、図11−9(A−1)〜(C−1)に示す動作内容の動作がそれぞれの可動体において同時に行われることで、それぞれの可動体が、図11−10(A)に示す初期位置から、図11−10(B)に示す進出位置まで動作し、図11−10(A)に示す初期位置まで戻ることとなる。具体的に、図11−9(A−1)における進出動作1〜進出動作3が行われることで、図11−10(A)に位置する上可動体037AK001が、図11−10(B)に示す位置(進出位置)まで動作することとなる。そして、図11−9(A−1)における退避動作1〜退避動作3が行われることで、図11−10(A)に示す初期位置まで戻ることとなる。図11−9(B−1)における進出動作1〜進出動作3が行われることで、図11−10(A)に位置する下可動体037AK003が、図11−10(B)に示す位置(進出位置)まで動作することとなる。そして、図11−9(B−1)における退避動作1〜退避動作3が行われることで、図11−10(A)に示す初期位置まで戻ることとなる。図11−9(C−1)における進出動作1〜進出動作3が行われることで、図11−10(A)に位置する横可動体037AK002が、図11−10(B)に示す位置(進出位置)まで動作することとなる。そして、図11−9(C−1)における退避動作1〜退避動作3が行われることで、図11−10(A)に示す初期位置まで戻ることとなる。
特別可動体演出では、図11−9(A−2)〜(C−2)に示す動作内容の動作が順番に行われることで、それぞれの可動体が、図11−10(A)に示す初期位置から、図11−10(C)に示す位置(特別位置)まで動作し、図11−10(A)に示す初期位置まで戻ることとなる。具体的に、図11−9(A−2)における進出動作1〜進出動作3が行われることで、図11−10(A)に位置する上可動体037AK001が、図11−10(C)に示す位置(特別位置)まで動作することとなる。そして、図11−9(A−2)における退避動作1〜退避動作3が行われることで、図11−10(A)に示す初期位置まで戻ることとなる。次に、図11−9(B−2)における進出動作1〜進出動作3が行われることで、図11−10(A)に位置する下可動体037AK003が、図11−10(C)に示す位置(特別位置)まで動作することとなる。そして、図11−9(B−2)における退避動作1〜退避動作3が行われることで、図11−10(A)に示す初期位置まで戻ることとなる。その後、図11−9(C−2)における進出動作1〜進出動作3が行われることで、図11−10(A)に位置する横可動体037AK002が、図11−10(C)に示す位置(特別位置)まで動作することとなる。そして、図11−9(C−2)における退避動作1〜退避動作3が行われることで、図11−10(A)に示す初期位置まで戻ることとなる。
なお、図11−9に示す例では、通常時可動体演出および特別可動体演出において、動作する可動体に応じて、動作開始から終了までの期間(初期位置から動作を開始して再度初期位置まで戻るまでの期間であって、動作期間という)が異なる例を示したが、例えば、下可動体037AK003および横可動体037AK002における停止期間を長くし、上可動体037AK001の動作期間と他の可動体の動作期間とが共通するようにしてもよい。また、図11−9に示すように、この実施の形態における特徴部037AKでは、通常可動体演出および特別可動体演出において、動作する可動体により動作速度が異なっている。したがって、通常可動体演出および特別可動体演出における興趣を向上させることができる。
図11−11は、図9のステップS172において実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS801)。演出制御用CPU120は、例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新(例えば、1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS801の処理において可変表示時間が経過していないと判定した場合(ステップS801;No)、演出制御用CPU120は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップS802)。リーチ演出期間は、例えば、変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。リーチ演出期間であると判定した場合(ステップS802;Yes)、演出制御用CPU120は、リーチ演出を実行するための制御を行う(ステップS803)。
ステップS803の処理を実行した後、または、ステップS802にてリーチ演出期間でないと判定した場合(ステップS802;No)、演出制御用CPU120は、大当り組合せを構成する飾り図柄が仮停止表示する大当り図柄仮停止期間であるか否かを判定する(ステップ037AKS011)。当該大当り図柄仮停止期間は、例えば、変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。
大当り図柄仮停止期間である場合(ステップ037AKS011;Yes)、大当り組合せを構成する飾り図柄を仮停止表示させる制御を行う(ステップ037AKS012)。ステップ037AKS012では、図11−6のステップS557にて決定した大当り組合せを構成する飾り図柄を仮停止表示させる。なお、ステップ037AKS012の処理により大当り組合せを構成する飾り図柄を仮停止表示させた後は、遊技者に対し「出玉を獲得しろ!」といったメッセージを表示することで、遊技者に対して遊技の進行に関する事項を報知する(進行報知)。なお、当該ステップ037AKS012の処理にて大当り組合せを構成する飾り図柄が仮停止表示された後は、ステップS810の処理が行われるまで、縮小表示され、当該仮停止表示が継続されればよい。ステップ037AKS012の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、特別可動体演出期間であるか否かを判定する(ステップ037AKS013)。特別可動体演出期間は、図11−6のステップ037AKS001の特別可動体演出設定処理にて設定されていればよい。
特別可動体演出期間である場合(ステップ037AKS013;Yes)、演出制御用CPU120は、遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作を検知したか否かを判定する(ステップ037AKS014)。上述したように、遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作を検知したことにより一旦可動体が動作すると、当該可動体の動作が終了するまでの期間、遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作を検知しないようになっている。そのため、ステップ037AKS014では、全ての可動体が初期位置に存在する状態において遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作が行われた場合にのみ検知したと判定することとなる。なお、遊技者による操作を検知可能な期間については、遊技者に対し当該スティックコントローラ31Aの操作を促す促進画像が表示されればよい(促進表示)。遊技者による操作を検知した場合(ステップ037AKS014;Yes)、演出制御用CPU120は、特定期間であるか否かを判定する(ステップ037AKS015)。特定期間は、図11−7のステップ037AKS004にて設定されていればよい。特定期間でない場合(ステップ037AKS015;No)、演出制御用CPU120は、当該検知回数に基づいて、図11−7のステップ037AKS003にて決定したパターンに応じた可動体を動作させるとともに、当該パターンに応じた態様でランプを発光させる(ステップ037AKS016)。
特定期間である場合(ステップ037AKS015;Yes)や、ステップ037AKS016の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、上乗せ出玉数報知として、上乗せ出玉数である100を表示する制御を行う(ステップ037AKS017)。なお、特定期間である場合に、可動体の動作は行わないものの、ランプの発光は行う場合、当該ステップ037AKS017の処理にてランプを発光させればよい。
ステップ037AKS011にて大当り図柄仮停止期間でないと判定した場合(ステップ037AKS011;No)、ステップ037AKS013にて特別可動体演出期間でないと判定した場合(ステップ037AKS013;No)、ステップ037AKS014にて遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作を検知していないと判定した場合(ステップ037AKS014;No)、またはステップ037AKS017の処理を実行した場合、演出制御用CPU120は、
変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、ミニゲームや、飾り図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するための制御を行い(ステップS808)、可変表示中演出処理を終了する。
一方、ステップS801にて可変表示時間が経過したと判定した場合(ステップS801;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS809)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS809;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。
ステップS809にて図柄確定コマンドの受信があった場合(ステップS809;Yes)、演出制御用CPU120は、獲得可能な出玉数を報知する出玉数報知制御を行う(ステップ037AKS018)。ステップ037AKS018では、賞球のベース500と、図11−7のステップ037AKS002にて決定した上乗せ出玉数と、これらを合計した出玉数とを、それぞれ特定可能に表示することにより、獲得可能な出玉数を報知する。この実施の形態の特徴部037AKでは、ステップ037AKS014にて遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作を検知しないと判定した場合、ステップ037AKS017の上乗せ出玉数表示制御が行われないものとなっているが、当該ステップ037AKS018の処理については実行されるため、獲得可能な出玉数については認識可能となっている。したがって、遊技者に安心感を与え遊技興趣の低下を防止することができる。なお、ステップ037AKS014にて遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作を検知しないと判定した場合であっても、所定時間経過することにより、可動体を動作させるとともに(ランプの発光も含む)、上乗せ出玉数表示制御が行われてもよい。
ステップ037AKS018の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えば、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS810)。
ステップS810の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS811)。続いて演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である「3」に更新し(ステップS812)、可変表示中演出処理を終了する。
図11−12および図11−13は、通常可動体演出および特別可動体演出が実行された場合における演出動作例を示している。なお、この例では、変動中予告演出(開始条件が成立した特図ゲームに対応して実行される飾り図柄の可変表示中に、その可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する演出)として実行される通常可動体演出がスーパーリーチのリーチ演出中に実行される例を示している。当該通常可動体演出の実行期間は、図11−6のステップS559の処理にて決定されればよい。また、図11−12および図11−13に示す例では、大当り種別により定められているラウンド数(最大ラウンド数)が10Rである場合の例を示している。
図11−12(A)のようにリーチ状態となり、スーパーリーチのリーチ演出のタイミングとなると、スーパーリーチのリーチ演出が行われる。そして、通常可動体演出の実行タイミングとなると、図11−12(B)に示すように、上可動体037AK001、下可動体037AK003、横可動体037AK002の各可動体が初期位置から進出位置まで動作し、初期位置まで戻る通常可動体演出が実行される。なお、上述したように、この実施の形態の特徴部037AKにおける通常可動体演出では、上可動体037AK001、下可動体037AK003、横可動体037AK002の3つの可動体が同時に動作するものとなっているが、特別可動体演出と同様に、順番に動作してもよい。
各可動体が初期位置に戻り通常可動体演出が終了し、大当り図柄仮停止表示期間となると、図11−12(C)に示すように、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが仮停止表示され、大当りとなることが遊技者に報知される。なお、上述したように、この実施の形態の特徴部037AKにおけるパチンコ遊技機1は、停止表示した飾り図柄の種類によって、大当り遊技状態の終了後に確変状態(KT状態も含む)に制御されるか否かが認識できないものとなっている。また、図示は省略しているが、例えば、図11−12(C)に示すような、大当りとなることを遊技者に報知するタイミングにおいて、例えば賑やかしのために各可動体を動作させる大当り時可動体演出を実行してもよい。当該大当り時可動体演出では、通常可動体演出と同様に、全ての可動体を同時に動作させることで、大当りとなることを遊技者に認識しやすいように報知すればよい。
大当り図柄が仮停止表示されると、図11−12(D)に示すように、遊技者に対し「出玉を獲得しろ!」といったメッセージを表示することで、遊技者に対して遊技の進行に関する事項を報知する進行報知が行われる。なお、図示するように、大当り組合せを構成する飾り図は、仮停止表示されたまま、図示するように縮小表示される。また、当該進行報知が行われると、特別可動体演出期間となる。その後、図11−12(E)に示すように、遊技者に対し当該スティックコントローラ31Aの操作を促す促進画像を表示する促進表示が行われる。なお、当該促進表示は、全ての可動体が初期位置に存在する状態にのみ行われればよい。
遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作を検知すると、図11−12(F)に示すように、特別可動体演出が実行され、可動体が動作するとともに、上乗せ出玉報知が行われる。図示する例では、検知回数が1回目であることから、図11−8(B)に示す検知回数「1」に対応して上可動体037AK001が動作するとともに、ランプが「青」で発光することとなる。そして、当該上可動体037AK001の動作期間中は、ティックコントローラ31Aの操作の検知が無効となる。
動作した上可動体037AK001が初期位置に戻ると、図11−12(G)に示すように促進表示が再び行われ、遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作を検知すると、図11−13(H)に示すように、可動体が動作するとともに、上乗せ出玉報知が行われる。図示する例では、検知回数が2回目であることから、図11−8(B)に示す検知回数「2」に対応して下可動体037AK003が動作するとともに、ランプが「青」で発光することとなる。そして、当該下可動体037AK003の動作期間中は、ティックコントローラ31Aの操作の検知が無効となる。
動作した下可動体037AK003が初期位置に戻ると、図11−13(I)に示すように促進表示が再び行われ、遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作を検知すると、図11−13(J)に示すように、可動体が動作するとともに、上乗せ出玉報知が行われる。図示する例では、検知回数が3回目であることから、図11−8(B)に示す検知回数「3」に対応して横可動体037AK002が動作するとともに、ランプが「青」で発光することとなる。そして、当該横可動体037AK002の動作期間中は、ティックコントローラ31Aの操作の検知が無効となる。
動作した横可動体037AK002が初期位置に戻ると、図11−12(E)〜図11−13(J)までの演出が、図11−8(B)に示すパターンに従って繰り返し実行される。そして、図11−11のステップS809にて図柄確定コマンドを受信したと判定すると、図11−13(K)に示すように出玉数報知として、賞球のベースである500に、賞球のベース500と、図11−7のステップ037AKS002にて決定した上乗せ出玉数と、これらを合計した出玉数と、を表示し、大当り図柄完全停止表示させて可変表示を終了させる。
図11−14は、図9のステップS174の小当り中演出処理内において実行されるKT時可動体演出処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態の特徴部037AKにおけるKT時可動体演出では、上述したように、特別可動体演出における各可動体同士の動作範囲と同様に動作し、ランプについても同様の態様で発光する。特別可動体演出では、遊技者のスティックコントローラ31Aの操作を検知した際に可動体が動作(ランプの発光も含む)したのに対し、KT時可動体演出では、KT状態に制御中、小当りにより特殊入賞口が開放された際に可動体が動作する(ランプの発光も含む)点で相違する。なお、KT時可動体演出において、いずれの可動体が動作するかによらず共通の期待度を報知する点については特別可動体演出と同様であり、KT時可動体演出では、いずれの可動体が動作した場合であっても、特殊入賞口が開放されたことを報知する。すなわち、いずれの可動体が動作した場合であっても、小当りの開放回数や開放時間が異なることはなく、共通である。図11−14に示すKT時可動体演出処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、KT状態であるか否かを判定する(ステップ038AKS001)。ステップ038AKS001では、主基板11の側から送信された遊技状態を示す演出制御コマンドを確認し、当該コマンドにより示される遊技状態が高確低ベース状態である場合に、KT状態であると判定すればよい。KT状態でない場合(ステップ038AKS001;No)、演出制御用CPU120は、そのままKT時可動体演出処理を終了する。
KT状態である場合(ステップ038AKS001;Yes)、演出制御用CPU120は、特殊入賞口が開状態であるか否かを判定する(ステップ038AKS002)。ステップ038AKS002では、小当り用の特殊入賞口を形成する特殊可変入賞球装置17の開放制御が行われ、特殊入賞口が開状態となったことを示す演出制御コマンドを確認することにより判定すればよい。特殊入賞口が閉状態である場合(ステップ038AKS002;No)、演出制御用CPU120は、KT時可動体演出処理を終了する。なお、図示する例では、KT状態である場合に特殊入賞口が開状態であるか否かを判定する例を示しているが、演出制御コマンドを確認することによりこれらを判定してもよい。具体的に、演出制御コマンドの種類として、低確低B・低確高B・高確高Bの小当り時に送信される「小当り開始1指定コマンド」と、高確低Bの小当り時に送信される「小当り開始2指定コマンド」とがあり、また、低確低B・低確高B・高確高Bの小当り終了時に送信される「小当り終了1指定コマンド」と、高確低Bの小当り終了時に送信される「小当り終了2指定コマンド」とがあることから、ステップ038AKS001およびステップ038AKS002に代えて「小当り開始2指定コマンド」を受信したか否かを判定してもよい。すなわち、「小当り開始2指定コマンド」を受信した場合にステップ038AKS003の処理に移行し、「小当り開始2指定コマンド」を受信していない場合や、「小当り開始1指定コマンド」を受信した場合には、KT時可動体演出処理を終了すればよい。また、特別可動体演出は、小当り用の特殊入賞口の開放中に終了するものとなっているが、モータの脱調等のイレギュラーにより小当り用の特殊入賞口の開放中に特別可動体演出が正常に終了できなかった(可動体が原点位置に戻れなかった)場合を考慮し、この実施の形態では、特別可動体演出の実行中であっても、受信したことに基づいて特殊入賞口を閉状態とする演出制御コマンドである「小当り終了2指定コマンド」を受信した場合(受信したことに基づいて特殊入賞口を閉状態とする点については「小当り終1指定コマンド」の演出制御コマンドも同様)には、可動体を原点位置に復帰させる動作処理を行うこととなっている。なお、例えば、「小当り開始1指定コマンド」の受信に基づいた小当り用の特殊入賞口の開放は開放時間が短く、メインコマンド「小当り開始2指定コマンド」の受信に基づいた小当り用の特殊入賞口の開放は開放時間が長くなっているなど、「小当り開始1指定コマンド」と「小当り開始2指定コマンド」とで、小当り用の特殊入賞口の開放パターンを異ならせてもよい。すなわち、低確低B・低確高B・高確高Bの場合に送信される特殊入賞口を閉状態とする演出制御コマンドの「小当り終了1指定コマンド」と、高確低Bの場合に送信される特殊入賞口を閉状態とする演出制御コマンド「小当り終了2指定コマンド」とで、受信タイミングが異なることにより、小当り用の特殊入賞口の開放パターンが異なっていればよい。
特殊入賞口が開状態である場合(ステップ038AKS002;Yes)、演出制御用CPU120は、開放カウント値を1加算する(ステップ038AKS003)。開放カウント値は、初期値が「0」であり、KT状態において特殊入賞口が開状態となった回数を示すカウンタであり、KT状態の終了とともに初期値の「0」にクリアされる。当該開放カウント値は、RAM122の所定領域に設けられていればよい。
ステップ038AKS003の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、開放カウント値に応じた可動体を動作させる制御を行い(ステップ038AKS004)、KT時可動体演出処理を終了する。ステップ038AKS004では、図11−15に示すように、開放カウント値が1〜3回(10(n回〜n+2回)も同様)である場合には上可動体037AK001を動作させ、開放カウント値が4〜6回(10(n+3回〜n+5回)も同様)である場合には下可動体037AK003を動作させ、開放カウント値が7〜9回(10(n+6回〜n+9回)も同様)である場合には横可動体037AK003を動作させる(nは自然数)。なお、ステップ038AKS004にて可動体を動作させる場合、特別可動体演出時と同様に、それぞれの可動体に内蔵されているLEDランプの他、例えば遊技効果ランプ9や、画像表示装置5の背景色やエフェクトなど各種発光手段(ランプ)を発光させればよい。そして、上可動体037AK001、下可動体037AK003、横可動体037AK002の3つの動作についてはそれぞれの動作で同じ発光色にて発光させ、その繰り返し回数に応じて発光色を変化させればよい。なお、この例では、特殊入賞口が所定回数開状態となったことを契機に動作させる可動体を切り替える例を示しているが、切り替える契機は任意であり、例えば、開状態となる度に動作対象の可動体を変更してもよい(切り替えの契機は1回開状態となることとしてもよい)し、5回毎としてもよい。なお、図11−15に示す例では、一の可動体が連続して動作する回数が共通(3回ずつ)である例を示したが、動作対象の可動体の大きさ等に応じて駆動モータの耐久性や発熱度合いが異なるため、当該事項を考慮し、例えば耐久性等が高い駆動モータに対応する可動体については連続動作回数を他の可動体よりも多くしてもよい。図示する例では、開放カウント値が「16」〜「19」である場合、横可動体037AK002が4回連続で動作するものとしている。これは、横可動体037AK002については左右の両方に設けられているため、両方が動作せず、横可動体037AK002が動作したことを遊技者が認識できないという事象が他の可動体よりも発生しにくいことによるものである。
なお、この例では、KT状態において特殊入賞口が開状態となったことに応じてKT時可動体演出として、開放カウント値に応じて各可動体を順に動作させる例を示したが、例えば、大当り遊技状態中において大入賞口が開状態となったことに応じて、当該大入賞口の開放カウント値に応じて各可動体を順に動作させてもよい。この場合であっても、いずれの可動体が動作するかによらず、遊技者にとっての有利度は共通であればよい。すなわち、動作する可動体により大当りのラウンド数や確変の有無などが異なることはなく、共通であればよい。なお、大当り遊技状態中の場合、各ラウンドの最初の開放時に可動体を動作させてもよく、例えば、1ラウンド目には上可動体037AK001を動作させ、2ラウンド目には下可動体037AK003を動作させ、3ラウンド目には横可動体037AK002を動作させるようにしてもよい(4ラウンド目以降はこの繰り返し)。また、1ラウンド目と2ラウンド目は上可動体037AK001を動作させ、3ラウンド目と4ラウンド目は下可動体037AK003を動作させ、5ラウンド目と6ラウンド目は横可動体037AK002を動作させるなど、複数ラウンドに亘って連続して同一の可動体を動作させてもよい。また、例えば、上可動体037AK001については、連続して3回動作した場合に、動作対象を下可動体037AK003へ切り替え、下可動体037AK003については、連続して2回動作した場合に、動作対象を横可動体037AK002へ切り替えるなど、動作対象の可動体の切り替えは、可動体に応じて異なる連続回数としてもよい。なお、KT時可動体演出では、一旦動作した可動体が初期位置に戻るまで(初期位置センサにて検出されるまで)は、他の可動体の動作自体を禁止するようになっている。具体的には、動作禁止フラグを設け、可動体の動作中は当該動作禁止フラグの状態をオン状態にセットし、動作禁止フラグの状態がオフ状態、すなわち全ての可動体が初期位置に位置している場合に、動作対象の可動体を動作させてもよい。換言すると、動作禁止フラグがオン状態である場合には、仮に特殊入賞口が開状態となっても可動体の動作を制限してもよい。この場合の制限には、例えば、第1の回の開放に対応した可動体の動作が終了したタイミングで第2の回の開放に対応した可動体の動作を行うこと、すなわち、本来であれば第2の回の開放のタイミングで可動体を動作させるものを、第1の回の開放に対応した可動体の動作の終了時にずらすことが含まれる。
図11−16は、KT時可動体演出における各可動体の動作と、特別可動体演出における各可動体の動作を示すタイミングチャートである。具体的に、図11−16(A)は、KT時可動体演出における小当りと特殊入賞口の開閉状態と各可動体の動作タイミングを示しており、図11−16(B)は、特別可動体演出における動作検知と各可動体の動作タイミングを示している。なお、KT時可動体演出における各可動体の動作速度および動作期間は、それぞれ図11−9(A−2)〜(C−2)に示す特別可動体演出の場合と共通である。
図11−16(A)に示すように、小当りを構成する特図表示結果が表示された後、特殊入賞口が開状態となる小当り遊技状態となる(1回目の開放)。当該特殊入賞口が開状態となると、その開放が1回目であることから、開放カウント値「1」に対応して上可動体037AK001が動作する。図示するように、特殊入賞口は800ms間開状態となるが、上可動体037AK001は780ms間動作する(図11−9(A−2)参照)。すなわち、特殊入入賞口が開状態となってから閉状態となる期間内に上可動体037AK001の動作が終了するようになっている。なお、開放カウント値が「3」までは、当該特殊入賞口の開放に合わせて上可動体037AK001が動作する。その後、特殊入賞口が開状態となり、その開放が4回目である場合には、図示するように、開放カウント値「4」に対応して下可動体037AK003が動作する。この場合にも、特殊入入賞口が開状態となってから閉状態となる期間内に下可動体037AK003の動作が終了するようになっている。なお、開放カウント値が「6」までは、当該特殊入賞口の開放に合わせて下可動体037AK003が動作する。特殊入賞口が開状態となり、その開放が7回目である場合には、図示するように、開放カウント値「7」に対応して横可動体037AK002が動作する。この場合にも、特殊入入賞口が開状態となってから閉状態となる期間内に横可動体037AK002の動作が終了するようになっている。なお、開放カウント値が「9」までは、当該特殊入賞口の開放に合わせて横可動体037AK002が動作する。そして、開放カウント値「10」に対応する特殊入賞口の開放に合わせて、動作対象の可動体が上可動体037AK001に切り替わり、開放カウント値が「10」〜「12」までは上可動体037AK001、「13」〜「15」までは下可動体037AK003、「16」〜「19」までは横可動体037AK002が動作し、その後も開放カウント値に応じた可動体が、KT状態が終了するまで、特殊入賞口の開放に合わせて動作する。
特別可動体演出の場合には、図11−16(B)に示すように、遊技者によるスティックコントローラ31Aに対する1回目の操作を検知(動作検知)すると、それに応じて上可動体037AK001が動作する。当該上可動体037AK001は、780ms間動作することから、当該期間は遊技者によるスティックコントローラ31Aに対する操作を検知しないものとなっており、当該期間の経過後、2回目の操作を検知(動作検知)すると、それに応じて下可動体037AK003が動作する。当該下可動体037AK003は、520ms間動作することから、当該期間は遊技者によるスティックコントローラ31Aに対する操作を検知しないものとなっており、当該期間の経過後、3回目の操作を検知(動作検知)すると、それに応じて横可動体037AK002が動作する。当該横可動体037AK002は、450ms間動作することから、当該期間は遊技者によるスティックコントローラ31Aに対する操作を検知しないものとなっており、当該期間の経過後、4回目の操作を検知(動作検知)すると、それに応じて上可動体037AK001が動作し、以降、検知回数に応じて、図11−8(B)に示すパターンに応じて各可動体が動作する。
以上説明したように、この実施の形態における特徴部037AKのパチンコ遊技機1によれば、以下の効果を奏することができる。
演出制御用CPU120は、特別可動体演出として、遊技者にて行われた操作の検知回数に応じて異なる可動体(上可動体037AK001、横可動体037AK002、および下可動体037AK003)を動作させる。したがって、一の可動体の動作頻度を分散させ、当該可動体に対応する駆動モータの発熱を抑制し、駆動モータの故障を防止することができる。
また、当該特別可動体演出において一の可動体が一旦動作した場合、当該動作した可動体が初期位置に戻るまで(初期位置センサにて検出されるまで)、他の可動体の動作を禁止するようにしてもよく、これによれば、一の可動体の動作頻度を分散させ、当該可動体に対応する駆動モータの発熱を抑制し、駆動モータの故障を防止することができるとともに、一の可動体の動作を確実に視認させることができる。
また、当該特別可動体演出において一の可動体が一旦動作した場合、動作した可動体が初期位置に戻るまで(初期位置センサにて検出されるまで)、スティックコントローラ31Aの操作の検知を無効とする。これによれば、一の可動体の動作頻度を分散させ、当該可動体に対応する駆動モータの発熱を抑制し、駆動モータの故障を防止することができるとともに、一の可動体の動作を確実に視認させることができる。
また、図11−9に示すように、当該特別可動体演出において動作する可動体に応じて動作期間が異なっているため、特別可動体演出における興趣を向上させることができる。
また、図11−9に示すように、当該特別可動体演出において動作する可動体に応じて動作速度が異なっているため、特別可動体演出における興趣を向上させることができる。
また、演出制御用CPU120は、図11−7のステップ037AKS004にて、遊技者の操作を有効に検知可能な有効期間のうち、当該遊技者の操作を検知しても可動体を動作させない特定期間の設定を行う。したがって、当該有効期間の経過後も可動体が動作することを防止でき、遊技者に違和感を与えてしまうことを防止することができる。
また、当該特別可動体演出では、図11−8(B)に示すように、上可動体037AK001、下可動体037AK003、横可動体037AK002の3つの可動体は、共通の発光色で発光するものとなっており、上可動体037AK001、下可動体037AK003、横可動体037AK002の3つの可動体の動作が繰り返されることに応じて、発光色が変化可能となっている。すなわち、第1の回の操作に対応して動作する可動体に合わせて発光するランプの発光色と、第2の回の操作に対応して動作する可動体に合わせて発光するランプの発光色とが共通の発光態様となっている。したがって、発光態様により遊技者を混乱させることを防止して特別可動体演出における興趣を向上させることができる。
また、当該特別可動体演出は、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示され、大当りとなることが遊技者に報知された後に実行され、いずれの可動体が動作するかによってはいずれの大当り種別となるかは認識できず、いずれの可動体が動作するかによらず共通の期待度を報知する。すなわち、大当りとなることを報知する報知演出の実行中に特別可動体演出を実行するものの、動作する可動体によらず共通の期待度が報知される。なお、報知演出としては、大当りとなることの他、出玉が上乗せされることや、小当りにより特殊入賞口が開放されることを含んでいてよい。これによれば、遊技者を混乱させることを防止して特別可動体演出における興趣を向上させることができる。
また、演出制御用CPU120は、KT時可動体演出として、KT状態に制御中、小当りにより特殊入賞口が開放されたことを所定条件として、可動体と動作させる。また、KT時可動体演出では、いずれの可動体が動作した場合であっても、特殊入賞口が開放されたことを報知するに過ぎず、開放回数や開放時間が異なるものではない。すなわちいずれの可動体が動作するかによらず共通の期待度を報知する。また、KT時可動体演出では、第1の回にて特殊入賞口が開放された場合と、第2の回にて特殊入賞口が開放された場合とで、異なる可動体を動作させる。したがって、動作させる可動体を切り替え、一の可動体のみ故障しやすくなることを防止することができる。なお、KT時可動体演出の実行条件としては、特殊入賞口の開放のみに限られず、大入賞口の開放や先読み予告演出の実行であってもよく、この場合であっても、いずれの可動体が動作するかにより遊技者に報知される有利度は共通である。例えば、大当りのラウンド数や確変の有無などは、動作する可動体によらず共通である。
また、図11−15に示すように、開放カウント値が1〜3、4〜6といったように、特殊入賞口が所定回開状態となったことに基づいて動作させる可動体を切り替える。したがって、一の可動体のみ故障しやすくなることを防止することができる。また、KT時可動体演出では、一旦動作した可動体が初期位置に戻るまで(初期位置センサにて検出されるまで)は、他の可動体の動作自体を禁止するようになっている。したがって、一の可動体のみ故障しやすくなることを防止することができる。
また、KT時可動体演出における各可動体の動作速度および動作期間は、それぞれ図11−9(A−2)〜(C−2)に示す特別可動体演出の場合と共通である。そのため、図11−9に示すように、当該KT時可動体演出において動作する可動体に応じて動作期間が異なっているため、KT時可動体演出における興趣を向上させることができる。また、当該KT時可動体演出において動作する可動体に応じて動作速度が異なっているため、KT時可動体演出における興趣を向上させることができる。
また、KT時時可動体演出では、特別可動体演出と同様に、上可動体037AK001、下可動体037AK003、横可動体037AK002の3つの動作についてはそれぞれの動作で同じ発光色にて発光させ、その繰り返し回数に応じて発光色を変化させればよい。すなわち、第1の回の特殊入賞口の開放に対応して動作した上可動体037AK001と、第2の回の特殊入賞口の開放に対応して動作した下可動体037AK003とで、共通の発光色でランプを発光させる。したがって、発光態様により遊技者を混乱させることを防止してKT時可動体演出における興趣を向上させることができる。
(特徴部037AKの変形例)
上記実施の形態における特別可動体演出では、遊技者の操作に応じて上乗せ出玉報知を行う例を示したが、上乗せ出玉数報知に代え、時短回数を報知するようにしてもよいし、設定されている設定値を示唆する画像が表示されるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、KT状態中に小当りとなり特殊入賞口が開放したことを条件としてKT時可動体演出を行い、開放カウント値に応じて各可動体を順に動作させる例を示したが、上述したように、大当り遊技状態中において大入賞口が開状態となったことを条件とし、大入賞口の開放カウント値に応じて各可動体を順に動作させてもよい。また、例えば、先読み演出として、先読み対象の保留の表示態様が変化したことを条件に、当該先読み対象の保留に対応する可変表示が開始されるまでの複数回の可変表示に亘って、可変表示毎に動作する可動体を切り替えるようにしてもよい。具体的に、先読み対象の保留の3つ前の保留に対応する可変表示において上可動体037AK001を動作させ、2つ前の保留に対応する可変表示において下可動体037AK003を動作させ、1つ前の保留に対応する可変表示において横可動体037AK002を動作させ、当該先読み対象の保留に対応する可変表示において、通常可動体演出を実行し、全ての可動体を動作させればよい。なお、大入賞口が開状態となったことについては、大当り時にアタッカーを開放させる演出制御コマンドである「開放中指定コマンド」を受信したことに基づいて判定し、特別可動体演出を行えばよい。また、特別可動体演出の実行中であっても、受信したことに基づいて大入賞口を閉状態とする演出制御コマンドである「開放後指定コマンド」を受信した場合には、可動体を原点位置に復帰させる動作処理を行えばよい。
また、上記実施の形態では、特別可動体演出が、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄が表示されてから(大当り組合せを構成する飾り図柄が仮停止表示されてから)、当該確定飾り図柄が完全に停止するまでの期間に行われる例を示したが、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが完全に停止してから大当たり遊技状態となるまでの期間に実行されてもよい。また、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが完全に停止してから、大当り遊技状態となり大入賞口が開放状態となる前までの期間など、可変表示終了から大当り遊技状態にまたがって実行されてもよい。さらに、いわゆるV入賞が発生したときに大当り遊技状態に制御可能なパチンコ遊技機においては、当該V入賞から大当り遊技状態までの期間に、特別可動体演出が実行されてもよい。
(特徴部037AKに係る手段の説明)
(1)特徴部037AKに係る遊技機は、
遊技を行うことが可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)であって、
遊技者の動作を検知可能な動作検知手段(例えばコントローラセンサユニット35Aなど)と、
第1可動体と第2可動体とを含む複数の可動体(例えば上可動体037AK001や下可動体037AK003など)と、
前記複数の可動体の動作を制御する制御手段(例えば通常可動体演出や特別可動体演出を実行する演出制御用CPU120など)と、
所定期間における複数回の遊技者動作に対応して前記複数の可動体を動作させる可動体演出を実行可能な可動体演出実行手段(例えば特別可動体演出を実行する演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記制御手段は、前記複数回の遊技者動作における第1の回の遊技者動作と第2の回の遊技者動作とで、前記可動体演出において動作させる可動体を異ならせる(例えば図11−8に示すように第1回の操作に対応して上可動体037AK001を動作させ、第2回の操作に対応して下可動体037AK003を動作させるなど)、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、一の可動体の動作頻度を分散させモータの発熱を抑制し、モータの故障を防止することができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記可動体演出において、前記第1の回の遊技者動作に対応して動作した可動体の動作が終了するまで、前記第2の回の遊技者動作に対応する可動体の動作を制限する(例えば一の可動体が一旦動作した場合、当該動作した可動体が初期位置に戻るまで(初期位置センサにて検出されるまで)、他の可動体の動作を禁止するなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、一の可動体の動作頻度を分散させ、当該可動体に対応する駆動モータの発熱を抑制し、駆動モータの故障を防止することができるとともに、一の可動体の動作を確実に視認させることができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記第1の回の遊技者動作に対応して動作した可動体の動作が終了するまで、前記第2の回の遊技者動作の検出を無効とする(例えば一の可動体が一旦動作した場合、動作した可動体が初期位置に戻るまで(初期位置センサにて検出されるまで)、スティックコントローラ31Aの操作の検知を無効とするなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、一の可動体の動作頻度を分散させ、当該可動体に対応する駆動モータの発熱を抑制し、駆動モータの故障を防止することができるとともに、一の可動体の動作を確実に視認させることができる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の遊技機において、
前記第1可動体と前記第2可動体とは、前記可動体演出における動作期間が異なる(例えば特別可動体演出において動作する可動体に応じて動作期間が異なっているなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、特別可動体演出における興趣を向上させることができる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の遊技機において、
前記第1可動体と前記第2可動体とは、前記可動体演出における動作速度が異なる(例えば特別可動体演出において動作する可動体に応じて動作速度が異なっているなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、特別可動体演出における興趣を向上させることができる。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の遊技機において、
前記可動体演出実行手段は、前記所定期間のうちの特定期間における遊技者の動作に対応した前記可動体演出を実行しない(例えば遊技者の操作を有効に検知可能な有効期間のうち、当該遊技者の操作を検知しても可動体を動作させない特定期間の設定を行うなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、有効期間の経過後も可動体が動作することを防止でき、遊技者に違和感を与えてしまうことを防止することができる
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の遊技機において、
前記可動体演出実行手段は、可動体を動作させるとともに発光手段を発光させ、
前記第1の回の遊技者動作に対応した可動体の動作と、前記第2の回の遊技者動作に対応した可動体の動作とで、共通の発光態様で前記発光手段を発光させる(例えば上可動体037AK001、下可動体037AK003、横可動体037AK002の3つの可動体は、共通の発光色で発光するなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、発光態様により遊技者を混乱させることを防止して特別可動体演出における興趣を向上させることができる。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の遊技機において、
遊技者にとって有利な内容を報知する報知演出を実行可能であり(例えば大当りとなることの報知など)、
前記可動体演出は前記報知演出の実行中に実行可能であり(例えば大当りとなることを報知する報知演出の実行中に特別可動体演出を実行するなど)、
前記可動体演出においていずれの可動体が動作するかによらず、前記報知演出において有利な内容が報知される期待度は共通である(例えば動作する可動体によらず共通の期待度が報知されるなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技者を混乱させることを防止して特別可動体演出における興趣を向上させることができる。
(9)上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の遊技機において、
可変表示を行い遊技者にとって有利な有利状態に制御可能であり、通常状態と、該通常状態よりも前記有利状態に制御されやすい特別状態に制御可能であり、
遊技者の操作を検出可能な第1検出手段(例えばプッシュセンサ35Bなど)と、
遊技者の動作を検出可能であり、前記第1検出手段とは異なる第2検出手段(例えばコントローラセンサユニット35Aなど)と、
前記有利状態に制御されることを報知する報知演出を実行可能な報知演出手段(例えば大当り組合せを構成する飾り図柄を仮停止表示する演出制御用CPU120など)と、
前記報知演出手段による前記報知演出より前に前記有利状態に制御されるか否かを示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(例えばスーパーリーチのリーチ演出を実行する演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記示唆演出において、前記第1検出手段による検出が可能となる場合と前記第2検出手段による検出が可能となる場合とがあり(例えば操作演出を実行可能であり)、前記第2検出手段による検出が可能となる場合の方が前記第1検出手段による検出が可能となる場合よりも前記有利状態に制御される割合が高く(例えばスティックコントローラ31A(Vコン)の操作を検出する種類の操作演出が実行された場合の方が、プッシュボタン31Bの操作を検出する種類の操作演出が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなっているなど)、
前記通常状態において前記報知演出が実行された後に前記第2検出手段による検出が可能となる第1演出と、前記特別状態において前記報知演出が実行された後に前記第2検出手段による検出が可能となる第2演出と、を実行可能であり(例えば通常状態においては第1演出を実行し、確変状態においては第2演出を実行可能であるなど)、
前記第1演出と前記第2演出とでは、実行期間が異なる(例えば第1演出の方が第2演出よりも実行期間が短いなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、報知演出の後に第2検出手段による検出期間を設けることで第2検出手段による検出頻度を向上させることができるとともに、通常状態と特別状態とで検出対象となる動作を異ならせることで変化が生じるため、遊技興趣の低下を防止することができる。
(特徴部038AKに係る手段の説明)
特徴部037AKは、下記の特徴部038AKを含んでいる。
(1)特徴部038AKに係る遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)であって、
第1可動体と第2可動体とを含む複数の可動体(例えば上可動体037AK001や下可動体037AK003など)と、
前記複数の可動体の動作を制御する制御手段(例えば通常可動体演出やKT時可動体演出を実行する演出制御用CPU120など)と、
所定期間中に複数回成立可能な所定条件が成立する度に、可動体を動作させる可動体演出を実行可能な可動体演出実行手段(例えばKT時可動体演出を実行する演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記可動体演出においていずれの可動体が動作するかによらず、前記有利状態に制御されるときの有利度は共通であり(例えばいずれの可動体が動作するかによらず共通の期待度を報知するなど)、
複数回成立する前記所定条件のうち、第1の回で成立したときと第2の回で成立したときとで、動作させる可動体を異ならせる(例えば図11−15に示すように開放カウント値が1である場合に上可動体037AK001を動作させ、開放カウント値が4である場合に下可動体037AK003を動作させるなど)、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、動作させる可動体を切り替え、一の可動体のみ故障しやすくなることを防止することができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記所定条件が所定回数成立したことに基づいて、前記可動体演出において動作させる可動体を異ならせる(例えば特殊入賞口が所定回開状態となったことに基づいて動作させる可動体を切り替えるなど)、
ようにしてもよい。
この構成によれば、一の可動体のみ故障しやすくなることを防止することができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記可動体演出において、前記第1の回に成立した前記所定条件に対応して動作した可動体の動作が終了するまで、前記第2の回で成立した前記所定条件に対応する可動体の動作を制限する(例えば一旦動作した可動体が初期位置に戻るまで(初期位置センサにて検出されるまで)は、他の可動体の動作自体を禁止するなど)、
ようにしてもよい。
この構成によれば、一の可動体のみ故障しやすくなることを防止することができる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の遊技機において、
前記第1可動体と前記第2可動体とは、前記可動体演出における動作期間が異なる(例えばKT時可動体演出において動作する可動体に応じて動作期間が異なっているなど)、
ようにしてもよい。
この構成によれば、KT時可動体演出における興趣を向上させることができる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の遊技機において、
前記第1可動体と前記第2可動体とは、前記可動体演出における動作速度が異なる(例えばKT時可動体演出において動作する可動体に応じて動作速度が異なっているなど)、
ようにしてもよい。
この構成によれば、KT時可動体演出における興趣を向上させることができる。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の遊技機において、
前記可動体演出実行手段は、可動体を動作させるとともに発光手段を発光させ、
前記第1の回に成立した前記所定条件に対応した可動体の動作と、前記第2の回に成立した前記所定条件に対応した可動体の動作とで、共通の発光態様で前記発光手段を発光させる(例えば第1の回の特殊入賞口の開放に対応して動作した上可動体037AK001と、第2の回の特殊入賞口の開放に対応して動作した下可動体037AK003とで、共通の発光色でランプを発光させるなど)、
ようにしてもよい。
この構成によれば、発光態様により遊技者を混乱させることを防止してKT時可動体演出における興趣を向上させることができる。
(特徴部021AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部021AKについて説明する。本実施の形態の特徴部021AKにおけるパチンコ遊技機1では、有利状態に制御されるか否かを示唆する示唆演出において、第1検出手段による検出が可能となる場合と第2検出手段による検出が可能となる場合とがあり、第2検出手段による検出が可能となる場合の方が第1検出手段による検出が可能となる場合よりも有利状態に制御される割合が高くなっている。そして、通常状態において、有利状態に制御されることを報知する報知演出が実行された後に、第2検出手段による検出が可能となる第1演出と、通常状態よりも有利状態に制御されやすい特別状態において報知演出が実行された後に、第2検出手段による検出が可能となる第2演出と、を実行可能であり、第1演出と第2演出とでは、実行期間が異なる、という特徴を有している。以下、このような特徴を有する特徴部021AKにおけるパチンコ遊技機1について説明する。なお、上記基本説明や特徴部037AKで説明した部分と同様の部分については説明を省略するものとする。
図12−1は、この実施の形態の特徴部021AKにおける大当り種別決定テーブルの構成例を示している。当該大当り種別決定テーブルは、例えば、図6のステップS110において特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、可変表示態様を「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。図12−1に示すように、この実施の形態の特徴部021AKでは、8回のラウンド遊技が行われる大当り遊技状態(8ラウンド大当り状態)に制御され、大当り遊技状態が終了した後に時短状態に制御される「非確変(8R)」と、16回のラウンド遊技が行われる大当り遊技状態(16ラウンド大当り状態)に制御され、大当り遊技状態が終了した後に時短状態に制御される「非確変(16R)」と、8ラウンド大当り状態に制御され、大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される「確変(8R)」と、16ラウンド大当り状態に制御され、大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される「確変(16R)」と、2回のラウンド遊技が行われ、大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される「突確」といった大当り種別があり、図示するように、それぞれの大当り種別について、変動特図(可変表示対象の特別図柄)の種類に応じて異なる割合となるよう、判定値が割り当てられている。
なお、この実施の形態の特徴部021AKでは、第1特図よりも第2特図の方が、16ラウンド大当り状態となる割合が高くなるように判定値が割り当てられている。また、16ラウンド大当り状態や8ラウンド大当り状態に制御される大当り種別の場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限が「29秒」に設定されるとともに、ラウンド遊技の実行回数となる大入賞口の開放回数が、16ラウンド大当りの場合には「16回」に、8ラウンド大当りの場合には「8回」に、それぞれ設定される。これに対して、大当り種別が「突確」であることに対応して2ラウンド大当り状態に制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限が「0.5秒」に設定されるとともに、ラウンド遊技の実行回数となる大入賞口の開放回数が「2回」に設定される。
図12−2は、図9のステップS171において実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、例えば、主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)などに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS551)。特図表示結果が「ハズレ」となると判定した場合(ステップS551;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、主基板11から伝送された変動パターン判定結果指定コマンド(変動パターン判定結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)により指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(PA1−1、PA1−2)であるか否かを判定する(ステップS552)。
ステップS552の処理において非リーチ変動パターンであると判定した場合(ステップS552;Yes)、演出制御用CPU120は、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS553)。演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(非リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS552の処理において非リーチ変動パターンではないと判定された場合(ステップS552;No)、演出制御用CPU120は、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS554)。演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS551の処理において特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定した場合(ステップS551;No)、演出制御用CPU120は、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であるか、または、特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS555)。特図表示結果が「突確」または「小当り」であると判定した場合(ステップS555;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS556)。演出制御用CPU120は、例えば、変動パターン判定結果指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜PC1−3のいずれかが指定されたことに対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。チャンス目決定テーブルには、例えば、突確大当り用のチャンス目として奇数で構成される「3」・「5」・「7」、小当り用のチャンス目として偶数で構成される「2」・「4」・「6」などが設定されていればよい。
ステップS555の処理において特図表示結果が「突確」および「小当り」のいずれでもない判定した場合(ステップS555;No)、演出制御用CPU120は、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS557)。演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、主基板11から伝送された表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別に応じて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS555の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄が表示された後に遊技者にスティックコントローラ31Aを操作させるVコン操作演出を実行するためのVコン操作演出設定処理を行う(ステップ021AKS011)。この実施の形態の特徴部021AKにおけるVコン操作演出は、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄が表示されてから(大当り組合せを構成する飾り図柄が仮停止表示されてから)、当該確定飾り図柄が完全に停止するまでの期間に行われる。具体的に、Vコン操作演出は、図12−7(C)や図12−8(B)に示すように、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示され、大当りとなることが遊技者に報知された後、図12−7(F)や図12−9(D)や図12−10(D)に示すように、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが完全に停止するまでの期間に実行される演出であり、スティックコントローラ31Aの操作に対する遊技者の操作を有効とする演出である。
なお、Vコン操作演出は、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが完全に停止してから大当たり遊技状態となるまでの期間に実行されてもよい。また、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが完全に停止してから、大当り遊技状態となり大入賞口が開放状態となる前までの期間など、可変表示中から大当り遊技状態にまたがって実行されてもよい。また、例えば、Vコン操作演出が行われるタイミングを複数設け、当該実行タイミングに応じて設定値が示唆されるようにしてもよいし、確変状態に制御されるか否かが示唆されるようにしてもよい。また、Vコン操作演出は、大当りとなることが遊技者に報知された後に実行されればよく、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄が表示された後でなくても、例えば、大当りとなることを確定的に報知するプレミアム演出の後に実行されてもよい。
図12−3は、図12−2のステップ021AKS011で行われるVコン操作演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図12−3に示すVコン操作演出設定処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、例えば、主基板11から伝送されたコマンドから特定される遊技状態に基づいて、現在の遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(ステップ021AK021)。現在の遊技状態が確変状態でない場合(ステップ021AKS021;No)、演出制御用CPU120は、第1演出を実行するための第1演出実行設定を行い(ステップ021AKS022)、Vコン操作演出設定処理を終了する。すなわち、第1演出は、確変状態に制御されていない通常状態において実行される演出である。なお、例えば、確変制御が行われておらず、時短状態に制御されている時短状態である場合には、ステップ021AKS021にてYesと判定する(確変状態と同様に判定する)ようにすればよい。また、これとは別に、ステップ021AKS021にてNoと判定してもよい(通常状態と同様に判定してもよい)。また、時短状態を確変状態と同様に処理することは、後述するステップ021AKS013についても同様である。
ステップ021AKS021の処理にて設定される第1演出は、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示され、大当りとなることが遊技者に報知された後に実行されるVコン操作演出の一種であり、当該大当り報知後に遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作として、当該スティックコントローラ31Aを傾斜させる操作を検出可能とし、当該操作を検出したときに、図12−7に示すように、スーパーリーチのリーチ演出中に行われるバトル演出に関連した画像(図12−7(E)参照)を表示する演出である。この実施の形態における特徴部021AKでは、図12−7に示すように、当該第1演出において、スーパーリーチ中に行われていたバトル演出について、主人公が勝利することを示す画像を表示する例を示しているが、敵キャラクタを倒す画像(敵にとどめをさす画像)が表示されてから主人公が勝利することを示す画像が表示される。また、バトル演出に限られず、スーパーリーチ中に行われていた演出の結果を示すようなものであれば(スーパーリーチ中に行われていた演出に関連する画像であれば)、任意の画像であってもよい。
図12−3のステップ021AKS021にて現在の遊技状態が確変状態であると判定した場合(ステップ021AKS021;Yes)、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送されたコマンドから特定される可変表示結果(大当り種別)に基づいて、今回の大当りが16回のラウンド遊技が行われる大当りであるか否か、すなわち、「非確変(16R)」または「確変(16R)」といった16R大当りであるか否かを判定する(ステップ021AKS023)。
16R大当りである場合(ステップ021AKS023;Yes)、演出制御用CPU120は、成功する態様の第2演出を実行するための第2演出(成功)実行設定を行い(ステップ021AKS024)、Vコン操作演出設定処理を終了する。一方、16R大当りではなく8R大当りである場合(ステップ021AKS023;No)、演出制御用CPU120は、失敗する態様の第2演出を実行するための第2演出(失敗)実行設定を行い(ステップ021AKS025)、Vコン操作演出設定処理を終了する。
ステップ021AKS024またはステップ021AKS025の処理にて設定される第2演出は、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示され、大当りとなることが遊技者に報知された後に実行されるVコン操作演出の一種であり、当該大当り報知後に遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作として、スティックコントローラ31Aに設けられたトリガボタンに対する操作を検出可能とし、当該操作を検出したときに、所定の画像を表示する演出である。この実施の形態の特徴部021AKにおける第2演出は、成功態様と失敗態様とがあり、成功態様の第2演出が実行された場合には16R大当りであること、すなわち獲得可能な出玉が多いことが遊技者に示唆され、失敗態様の第2演出が実行された場合には8R大当りであること、すなわち獲得可能な出玉が少ないことが遊技者に示唆される。
この実施の形態の特徴部021AKにおける成功態様の第2演出では、図12−9(D)や図12−10(D)に示すように、敵の戦闘機を追撃する画像が表示される。一方、図示は省略しているが、失敗態様の第2演出では、敵の飛行機(敵機)を追撃できなかったことを示す画像が表示されればよい。
図12−3のステップ021AKS024では、図12−4(A)に示す第2演出決定テーブル(成功)に示す決定割合にしたがって、種類Aと種類Bのいずれかの第2演出を実行するかを決定する。また、ステップ021AKS025では、図12−4(B)に示す第2演出決定テーブル(失敗)に示す決定割合にしたがって、種類Aと種類Bのいずれかの第2演出を実行するかを決定する。この実施の形態の特徴部021AKにおける第2演出では、スティックコントローラ31Aに設けられたトリガボタンに対する操作(スティックコントローラ31Aに対する操作)として、図12−4に示すように、遊技者による長押し操作を検出する種類Aの第2演出と、連打操作を検出する種類Bの第2演出とがあり、連打操作を行う種類Bの第2演出の方が成功態様となる割合が高くなっている。したがって、実行される第2演出の種類に対する遊技者の注目を集めることができる。
なお、図12−3に示すステップ021AKS022の処理では、第1演出の実行期間についても設定される。また、同様に、ステップ021AKS024、およびステップ021AKS025の処理では、第2演出の実行期間についても設定される。具体的には、図12−5(A)に示すように、第1演出の実行期間は、第2演出の実行期間よりも短く設定される。これによれば、通常状態においては、大当り遊技状態へと素早く移行したように遊技者に見せることができ興趣の低下を抑制することができる。また、確変状態においては、大当り遊技状態となる確率が高くなっている中で、スティックコントローラ31Aに対する操作をただ行わせるだけでなく、実行期間を長く持つことにより遊技興趣を向上させることができる。なお、当該第1演出および第2演出といったVコン操作演出は、図12−5(B)に示すように、スティックコントローラ31Aの操作を有効に受け付ける有効期間であるVコン操作有効期間と、当該操作を検出した後に所定の画像を表示する期間である検出後表示期間とから構成される。図12−3に示すステップ021AKS022の処理では、第1演出の実行期間として、当該Vコン操作有効期間と検出後表示期間のいずれか、または両方を、第2演出におけるVコン操作有効期間と検出後表示期間よりも短くすることで、第1演出の実行期間を、第2演出の実行期間よりも短く設定する。なお、これとは異なり、第1演出の実行期間を、第2演出の実行期間よりも長く設定してもよい。第2演出の実行期間については、成功態様である場合も失敗態様である場合も同一の期間となっている。また、種類Aの第2演出も種類Bの第2演出も実行期間は共通である。図12−3に示す例では、Vコン操作演出として、第1演出が実行される場合も第2演出が実行される場合も、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示され大当りとなることが遊技者に報知された後、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが完全に停止するまでの期間に実行される例を示しているが、上述したように、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが完全に停止してから大当たり遊技状態となるまでの期間に実行されてもよい。また、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが完全に停止してから、大当り遊技状態となり大入賞口が開放状態となる前までの期間など、可変表示中から大当り遊技状態にまたがって実行されてもよい。
図12−2に戻り、ステップ021AKS011の処理またはステップS554の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、スーパーリーチの可変表示パターンであるか否かを判定する(ステップ021AKS012)。ステップ021AKS012では、主基板11から伝送された変動パターン判定結果指定コマンドを参照することにより、スーパーリーチの変動パターン(可変表示パターン)であるか否かを判定すればよい。
スーパーリーチの可変表示パターンである場合(ステップ021AKS012;Yes)、演出制御用CPU120は、操作演出の実行設定を行う(ステップ021AKS013)。具体的に、ステップ021AKS013では、操作演出の実行有無および実行する場合における操作演出の種類を、遊技状態と可変表示結果に応じて、図12−6(A)または(B)に示すいずれかの操作演出決定テーブルを参照して設定する。この実施の形態の特徴部021AKにおける操作演出は、スーパーリーチ演出の後半で、大当りするか否かのタイミングで行われる、所謂決めの演出である。具体的に、この実施の形態の特徴部021AKにおける操作演出は、最終停止図柄となる確定飾り図柄が表示される直前のタイミングで実行される演出であり、例えば、Vコン操作演出が実行される場合には、図12−7(C)や図12−8(B)に示す大当り組合せを構成する飾り図柄が仮停止表示される直前のタイミングで実行される。当該操作演出には、プッシュボタン31Bの操作を検出する種類と、スティックコントローラ31A(Vコン)の操作を検出する種類と、があり、図12−6に示すように、スティックコントローラ31A(Vコン)の操作を検出する種類の操作演出が実行された場合の方が、プッシュボタン31Bの操作を検出する種類の操作演出が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなっている。したがって、いずれの種類の操作演出が実行されるかに対する遊技者の注目を集めることができる。また、この実施の形態の特徴部021AKでは、図示するように、確変状態である場合には、通常状態である場合よりもスティックコントローラ31A(Vコン)の操作を検出する種類の操作演出が実行される割合が高くなっているが、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、確変状態の方が、通常状態よりもスティックコントローラ31A(Vコン)の操作を検出する種類の操作演出が実行される割合が低くして、確変状態である場合におけるスティックコントローラ31A(Vコン)の操作を検出する種類の操作演出の信頼度が高くなるようにしてもよい。なお、ステップ021AKS013では、プッシュボタン31Bの操作を検出する種類の操作演出が実行される場合には、当該操作を促進させる画像を表示する設定が、スティックコントローラ31A(Vコン)の操作を検出する種類の操作演出が実行される場合には、当該操作を促進させる画像を表示する設定が、それぞれ行われる。
図12−2に戻り、ステップ021AKS013の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS560)。演出制御用CPU120は、例えば、変動パターン判定結果指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップS161の保留表示設定処理による保留表示変化演出の実行設定に対応して、複数用意された演出制御パターン(保留表示変化パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、ステップS559にて特定演出を実行すると判定された場合には、特定演出を実行することに対応した演出制御パターン(特定演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS560の処理に続いて、演出制御用CPU120は、例えば、変動パターン判定結果指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS561)。そして、画像表示装置5の表示画面上において飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS562)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば、ステップS559の処理において決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDPに対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS562の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である「2」に更新してから(ステップS563)、可変表示開始設定処理を終了する。
図12−7は、Vコン操作演出として第1演出が実行される場合の演出動作例を示している。図12−7(A)に示すように、スーパーリーチのリーチ演出として主人公キャラクタC1と敵キャラクタC3とがバトルするバトル演出が開始され、図12−7(B)に示すように、それぞれのキャラクタがバトルを行う。そして、図示は省略しているが、決めの演出としての操作演出が実行され(操作演出の実行設定がなされていない場合には実行されない)、遊技者によるプッシュボタン31Bの操作またはスティックコントローラ31A(Vコン)の操作を検出すると、図12−7(C)に示すように、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示され大当りとなることが遊技者に報知される。続いて第1演出の実行タイミングとなると、図12−7(D)に示すように、遊技者に対しスティックコントローラ31Aを傾斜させる操作を促す促進画像が表示され、当該操作を検出すると、敵キャラクタを倒す画像(敵にとどめをさす画像)が表示され、図12−7(E)に示すように主人公が勝利することを示す画像が表示される。なお、図示は省略しているが、例えば、主人公の敵キャラクタの倒し方が複数態様あり、いずれの態様の倒し方で敵キャラクタを倒したかに応じて大当り種別が示唆されてもよい。また、設定値が示唆されてもよい。これによれば、いずれの態様の倒し方で敵キャラクタが倒されるかに対する遊技者の注目を集めることができる。また、これとは別に、遊技者の操作を促す促進画像の態様を複数設け、いずれの態様の促進画像が表示されるかに応じて大当り種別または設定値が示唆されてもよい。これによれば、いずれの態様の促進画像が表示されるかに対する遊技者の注目を集めることができる。そして、可変表示の終了タイミングとなると、図12−7(F)に示すように、確定飾り図柄が完全に停止する。なお、図示する例では、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示された後は、図12−7(D)、(E)に示すように当該飾り図柄が揺れながら継続して表示される例を示したが、図12−8〜図12−10に示すように、再度変動するようにしてもよい。大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示することにより、大当りとなることが遊技者に報知されさえすれば、その後は当該種類の飾り図柄が表示され続けなくてもよい(最終的に大当り図柄が再度完全停止すればよい)。また、例えば、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示された後に、再度変動を行い、確変図柄が完全停止する確変昇格の演出が実行されてもよい。これによれば遊技者の期待感を向上させることができる。なお、促進画像を表示する設定については、ステップ021AKS022の第1演出実行設定にて行われればよい。
図12−8〜図12−10は、Vコン操作演出として第2演出が実行される場合の演出動作例を示している。具体的には、種類Aおよび種類Bの成功態様の第2演出が実行された場合の演出動作例を示している。図12−8(A)に示すようにリーチ状態となった後、図12−8(B)に示すように大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示され大当りとなることが遊技者に報知される。なお、図12−8(A)〜図12−8(B)については、図12−7(A)〜図12−7(C)と同様であってよい(バトル演出や操作演出が実行され、バトル演出については、仮停止表示前の操作演出にて敵キャラクタを倒す画像が表示されればよい)。そして、種類A、すなわちスティックコントローラ31Aに設けられたトリガボタンを長押しする種類の第2演出の実行タイミングとなると、図12−8(C1)に示すように、遊技者に対しスティックコントローラ31Aを操作するとともに、トリガボタンを長押しすることを促す促進画像が表示される。その後、例えば図12−8(D1)に示すような演出画像が画像表示装置5の表示領域に表示されるとともに、スティックコントローラ31Aに対する各種操作を有効に検出するトリガボタン有効検出期間となる。促進画像を表示する設定については、ステップ021AKS024およびステップ021AKS025の第2演出実行設定にて行われればよい。
図12−8(D1)に示す表示動作が行われた後には、例えば図12−9(A1)に示すように、飛来する飛行機(敵機)を狙う照準(スコープ)の演出画像を、表示位置の変更が可能となるように表示する。この演出画像は、図12−9(A2)に示すようなスティックコントローラ31Aに対する傾倒操作に応じて、表示位置が変更可能に切換表示される。一例として、コントローラセンサユニット35Aに含まれる傾倒方向センサユニットにおいて、垂直センサ対により操作桿が遊技者からみて奥側へと傾倒されたことを検出したときには、画像表示装置5の表示領域において照準が上方向へと移動する一方、手前側へと傾動されたことを検出したときには、照準が下方向へと移動するように、演出画像が切換表示される。また、傾倒方向センサユニットにおいて、平行センサ対により操作桿が遊技者からみて左側へと傾倒されたことを検出したときには、照準が左方向へと移動する一方、右側へと傾動されたことを検出したときには、照準が右方向へと移動するように、演出画像が切換表示される。垂直センサ対と平行センサ対の双方により操作桿の傾倒操作が検出されたときには、各センサ対での検出結果を組み合わせた方向(例えば左上方向など)へと照準が移動するように、演出画像が切換表示される。なお、照準の表示位置を変更可能に切換表示するものではなく、例えば操作桿が手前側へと傾倒されたときには自己の飛行機(自機)が上向きになることに対応した演出画像の切換表示といった、傾倒操作の検出結果に対応した任意の演出動作が実行されてもよい。こうした演出動作を実現するための処理は、例えば図7のステップS172における可変表示中演出処理内にて実行されればよい。
そして、例えば図12−9(B1)に示すように、敵機に照準が合致した段階で、図12−9(B2)に示すようにスティックコントローラ31Aの操作を停止することで、敵機を打ち落とすための照準を定めることができればよい。このとき、例えば図12−9(C2)に示すようにトリガボタンに対する1回の長押し操作がなされたことに対応して、例えば図12−9(C1)に示すように砲弾を1回発射する演出画像が表示される。続いて、例えば図12−9(D)に示すような敵機が撃墜される演出画像とともに、「7」の数字を示す飾り図柄を揃って「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに停止表示することなどにより、確変大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されればよい。なお、図示する例では、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示された後に、再度変動を行い、確変図柄が完全停止する確変昇格の演出が実行される例を示したが、図12−9と同様に、「6」の飾り図柄の表示が継続するようにしてもよく(種類Bの第2演出についても同様)、最終的に「6」の飾り図柄の組合せが完全に停止するようにしてもよい。
一方、種類B、すなわちスティックコントローラ31Aに設けられたトリガボタンを連打する種類の第2演出の実行タイミングとなると、図12−8(C2)に示すように、遊技者に対しスティックコントローラ31Aを操作するとともに、トリガボタンを連打(連射)することを促す促進画像が表示される。その後、例えば図12−8(D1)に示すような演出画像が画像表示装置5の表示領域に表示されるとともに、スティックコントローラ31Aに対する各種操作を有効に検出するトリガボタン有効検出期間となる。
図12−8(D2)に示す表示動作が行われた後には、例えば図12−10(A1)に示すように、飛来する飛行機(敵機)を狙う照準(スコープ)の演出画像を、表示位置の変更が可能となるように表示する。この演出画像は、図12−10(A2)に示すようなスティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒操作に応じて、表示位置が変更可能に切換表示される。そして、例えば図12−10(B1)に示すように、敵機に照準が合致した段階で、図12−10(B2)に示すようにスティックコントローラ31Aの操作を停止することで、敵機を打ち落とすための照準を定めることができればよい。このとき、例えば図12−10(C2)に示すようにトリガボタンに対する複数回の押引操作(連打操作)がなされたことに対応して、例えば図12−10(C1)に示すように砲弾を複数回発射する演出画像が表示される。そして、例えばトリガボタンに対する指示操作の検出回数(合計回数)が所定回数に達したことに応じて、図12−10(D)に示すような敵機が撃墜される演出画像とともに、「7」の数字を示す飾り図柄を揃って「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに停止表示することなどにより、確変大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されればよい。
以上説明したように、この実施の形態における特徴部021AKのパチンコ遊技機1によれば、以下の効果を奏することができる。
演出制御用CPU120は、有利状態としての大当り遊技状態に制御されるか否かを示唆するスーパーリーチのリーチ演出中に、操作演出が実行され、第1検出手段としてプッシュボタン31Bの操作の検出が可能となる場合(プッシュセンサ35Bが有効となる場合)と第2検出手段としてスティックコントローラ31Aの操作の検出が可能となる場合(コントローラセンサユニット35Aが有効となる場合)とがあり、第2検出手段による検出が可能となる場合の方が第1検出手段による検出が可能となる場合よりも大当り遊技状態に制御される割合が高くなっている。そして、通常状態において、大当り組合せを構成する飾り図柄が仮停止表示され、大当り遊技状態に制御されることが遊技者に報知された後に、第2検出手段による検出が可能となる第1演出と、通常状態よりも大当り状態に制御されやすい確変状態において大当り組合せを構成する飾り図柄が仮停止表示され、大当り遊技状態に制御されることが遊技者に報知された後に、第2検出手段による検出が可能となる第2演出と、を実行可能であり、第1演出の実行期間は第2演出の実行期間よりも短くなっている。これによれば、大当り遊技状態に制御されることが報知された後に第2検出手段による検出期間を設けることで第2検出手段による検出頻度を向上させることができるとともに、通常状態と確変状態とで検出対象となる動作を異ならせることで変化が生じるため、遊技興趣の低下を防止することができる。
また第1演出にて検出される遊技者の操作がスティックコントローラ31Aを傾斜させる操作であり、第2演出にて検出される遊技者の操作はスティックコントローラ31Aに設けられたトリガボタンに対する操作であるなど、第1演出と第2演出とでは、第2検出手段にて検出される遊技者の動作が異なっている。これによれば、報知演出の後に第2検出手段による検出期間を設けることで第2検出手段による検出頻度を向上させることができるとともに、通常状態と確変状態とで検出対象となる動作を異ならせることで変化が生じるため、遊技興趣の低下を防止することができる。
また、図12−6(B)に示すように、通常状態において、第1検出手段としてプッシュボタン31Bの操作の検出が有効となる場合の方が、第2検出手段としてスティックコントローラ31Aの操作の検出が有効となる場合よりも割合が高い。すなわち、通常状態では、第1検出手段よる検出が可能となる頻度よりも第2検出手段による検出が可能となる頻度が少なくなっている。これによれば、第2検出手段に対する動作が貴重であることを遊技者に意識付けることができ、第2検出手段に対して動作を行うことで遊技興趣を向上させることができる。
一方、図12−6(A)に示すように、確変状態では、通常状態よりも第2検出手段としてスティックコントローラ31Aの操作の検出が有効となる割合が高くなっている。すなわち、確変状態では、通常状態よりも第2検出手段よる検出が可能となる頻度が多い。これによれば、確変状態に制御されていることに対し遊技者に優越感を与えることができる。
また、図12−4に示すように、種類Aと種類Bといった複数種類の第2演出があり、いずれの種類の第2演出も実行期間は共通である。したがって、共通の演出期間内における遊技興趣を向上させることができる。
(特徴部021AKの変形例)
上記実施の形態の特徴部021AKでは、Vコン操作演出において図12−7(D)や図12−8(C1)および(C2)に示すように、遊技者に対してスティックコントローラ31Aの操作を促す促進画像を表示する例を示したが、これは一例である。スティックコントローラ31Aの操作を促す促進画像を複数態様設け、当該Vコン操作演出において、確変状態であるか通常状態であるかに応じてそれぞれ複数態様の促進画像からいずれの促進画像を表示するかを異なる割合で決定するようにしてもよい。これによれば、促進演出のバリエーションを増加させて遊技興趣を向上させることができる。なお、上述したように、促進画像の態様に応じて大当り種別や設定値が示唆されるようにしてもよい。これによれば、いずれの態様の促進画像が表示されるかに対する遊技者の注目を集めることができる。複数態様の促進画像については、例えば、検出する操作の種類に応じても、色や大きさ、など態様が異なるようにしてもよい。さらに、通常状態では、通常態様の促進画像が表示される割合が高く、確変状態では、金色や虹色などの特別態様の促進画像が、通常態様の促進画像よりも高い割合で表示されるようにしてもよい。
また、上記実施の形態の特徴部021AKでは、操作演出が所謂決めの演出である例を示したが、所謂決めの演出とは別の特定のタイミング(例えばスーパーリーチに発展するタイミングなど)において、プッシュボタン31またはスティックコントローラ31Aの操作を要求する所定演出が実行されてもよい。この場合、上記実施の形態と同様に、スティックコントローラ31Aの操作を要求する所定演出が実行された場合の方が、プッシュボタン31の操作を要求する所定演出が実行された場合よりも大当り期待度が高ければよい。そして、当該特定のタイミングにおいてプッシュボタン31の操作を要求する所定演出が実行された場合には、設定されている設定値を示唆する設定示唆演出が実行されればよい。具体的には、当該プッシュボタン31の操作を検出した後に、設定値を示唆する画像を表示すればよい。これによれば、大当り期待度の低い方の検出手段に対する動作が有効となった場合の残念感を軽減することができる。なお、上記実施の形態の特徴部021AKにおける操作演出を、例えばスーパーリーチに発展するタイミングに行われる演出とし、当該所定演出を、所謂決めの演出としてもよい。この場合において、スティックコントローラ31Aの操作を要求する所定演出が実行された場合には大当り確定とし、プッシュボタン31の操作を要求する所定演出が実行された場合には、設定されている設定値を示唆する設定示唆演出が実行されてもよい。
また、上記実施の形態の特徴部021AKでは、第1演出の実行期間が第2演出の実行期間よりも短い例を示したが、これとは反対に、第2演出の実行期間が第1演出の実行期間よりも短くてもよい。これによれば、大当り遊技状態となる確率の低い通常状態において、実行頻度の低い第2検出手段に対する操作を行わせる演出が長い期間行われることで、遊技興趣を向上させ、確変状態においては当該期間を短くして大当り遊技状態へと素早く移行させることができる。
また、上記実施の形態の特徴部021AKでは、種類Aの第2演出も種類Bの第2演出も、いずれも飛来する飛行機(敵機)を狙う演出が実行される例を示した(図12−8〜図12−10)が、第2演出の種類に応じて異なる内容の演出が実行されるようにしてもよい。また、上記実施の形態の特徴部021AKでは、種類Aと種類Bの2種類の第2示唆演出が設けられている例を示したが、例えば、種類Cなど、3種類であってもよく、この場合には、例えば10R大当りといった大当り種別を設け、種類A<種類B<種類Cの順に獲得可能な出玉数が多くなるよう、8R大当りの場合には種類Aの第2演出が、10R大当りの場合には種類Bの第2演出が、16R大当りの場合には種類Cの第2演出が、それぞれ高い割合で実行されるようにしてもよい。これによれば、第2演出にバリエーションを持たせることができ、かついずれの種類の第2演出が実行されるかに対する遊技者の注目を集めることができる。なお、例えば、種類Aではスティックコントローラ31Aに設けられたトリガボタンを1度単発で押下する操作が、種類Bでは当該トリガボタンを連打する操作が、種類Cでは当該トリガボタンを長押しする操作が、それぞれ検出されればよい。
(特徴部021AKに係る手段の説明)
(1)特徴部021AKに係る遊技機は、
可変表示を行い遊技者にとって有利な有利状態に制御可能であり、通常状態と、該通常状態よりも前記有利状態に制御されやすい特別状態に制御可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)であって、
遊技者の動作を検出可能な第1検出手段(例えばプッシュセンサ35Bなど)と、
遊技者の動作を検出可能であり、前記第1検出手段とは異なる第2検出手段(例えばコントローラセンサユニット35Aなど)と、
前記有利状態に制御されることを報知する報知演出を実行可能な報知演出手段(例えば大当り組合せを構成する飾り図柄を仮停止表示する演出制御用CPU120など)と、
前記報知演出手段による前記報知演出より前に前記有利状態に制御されるか否かを示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(例えばスーパーリーチのリーチ演出を実行する演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記示唆演出において、前記第1検出手段による検出が可能となる場合と前記第2検出手段による検出が可能となる場合とがあり(例えば操作演出を実行可能であり)、前記第2検出手段による検出が可能となる場合の方が前記第1検出手段による検出が可能となる場合よりも前記有利状態に制御される割合が高く(例えばスティックコントローラ31A(Vコン)の操作を検出する種類の操作演出が実行された場合の方が、プッシュボタン31Bの操作を検出する種類の操作演出が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなっているなど)、
前記通常状態において前記報知演出が実行された後に前記第2検出手段による検出が可能となる第1演出と、前記特別状態において前記報知演出が実行された後に前記第2検出手段による検出が可能となる第2演出と、を実行可能であり(例えば通常状態においては第1演出を実行し、確変状態においては第2演出を実行可能であるなど)、
前記第1演出と前記第2演出とでは、実行期間が異なる(例えば第1演出の方が第2演出よりも実行期間が短いなど)、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、報知演出の後に第2検出手段による検出期間を設けることで第2検出手段による検出頻度を向上させることができるとともに、通常状態と特別状態とで検出対象となる動作を異ならせることで変化が生じるため、遊技興趣の低下を防止することができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記通常状態では、前記第1検出手段による検出が可能となる頻度よりも前記第2検出手段による検出が可能となる頻度が少ない(例えば図12−6(B)に示すように、通常状態において、第1検出手段としてプッシュボタン31Bの操作の検出が有効となる場合の方が、第2検出手段としてスティックコントローラ31Aの操作の検出が有効となる場合よりも割合が高いなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、第2検出手段に対する動作が貴重であることを遊技者に意識付けることができ、第2検出手段に対して動作を行うことで遊技興趣を向上させることができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記特別状態では、前記通常状態よりも前記第2検出手段による検出が可能となる頻度が多い(例えば、図12−6(A)に示すように、確変状態では、通常状態よりも第2検出手段としてスティックコントローラ31Aの操作の検出が有効となる割合が高くなっているなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、特別状態に制御されていることに対し遊技者に優越感を与えることができる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の遊技機において、
前記第2演出は複数パターンあり、いずれのパターンの前記第2演出も演出期間は共通である(例えば種類Aの第2演出も種類Bの第2演出も実行期間は共通であるなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、共通の演出期間内における遊技興趣を向上させることができる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の遊技機において、
前記第2検出手段に対する動作を促す促進演出を実行可能であり(例えば遊技者に対してスティックコントローラ31Aの操作を促す促進画像を表示するなど)、
前記促進演出は複数種類あり、前記通常状態と前記特別状態とでいずれの種類の前記促進演出が実行されるかの割合が異なる(確変状態であるか通常状態であるかに応じてそれぞれ複数態様の促進画像からいずれの促進画像を表示するかを異なる割合で決定するなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、促進演出のバリエーションを増加させて遊技興趣を向上させることができる。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の遊技機において、
前記有利状態に制御される確率が異なる複数段階の設定値のうちいずれかの設定値に設定可能な設定手段(例えば遊技制御メイン処理を実行するCPU103など)をさらに備え、
前記通常状態において前記報知演出および前記示唆演出とは異なる所定演出を実行可能であり、前記所定演出における特定のタイミングにおいて、前記第1検出手段または前記第2検出手段による検出が可能となり(例えば所定演出を実行するなど)、
前記特定のタイミングにおいて前記第1検出手段による検出が可能となった場合には、設定されている前記設定値を示唆する設定示唆演出を実行する(例えば特定のタイミングにおいてプッシュボタン31の操作を要求する所定演出が実行された場合には、設定されている設定値を示唆する設定示唆演出が実行されるなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、第1検出手段に対する動作が有効となった場合の残念感を軽減することができる。
(特徴部の関連づけに係る説明)
特徴部037AK、特徴部038AKおよび特徴部021AKに関する各構成は、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。このように組み合わせられた特徴部、あるいは、組み合わせられていない個別の特徴部について、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。例えば、特徴部037AKにおいて可変表示中に飾り図柄が大当りの組合せで表示された後(仮停止表示された後)、特徴部021AKにおけるVコン操作演出を実行する場合と、特徴部037AKにおける特別可動体演出とを実行する場合があってもよく、抽選によりいずれの演出を実行するかを決定するようにしてもよい。これによれば実行される演出の種類に対する遊技者の注目を集めることができる。また、特徴部021AKにおける第1演出や第2演出において特別可動体演出を実行し、遊技者の操作を検知した回数に応じて、動作させる可動体を切り替えてもよい。