(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出または導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタおよびスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲームおよび飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示およびアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示する。第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図3参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図3参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口および一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図3参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図3参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
図2は、パチンコ遊技機1の背面斜視図である。パチンコ遊技機1の背面には、基板ケース201に収納された主基板11が搭載されている。主基板11には、設定キー51や設定切替スイッチ52が設けられている。設定キー51は、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための錠スイッチとして機能する。設定切替スイッチ52は、設定変更状態において大当りの当選確率や出玉率等の設定値を変更するための設定スイッチとして機能する。設定キー51や設定切替スイッチ52は、例えば電源基板17の所定位置といった、主基板11の外部に取り付けられてもよい。
主基板11の背面中央には、表示モニタ29が配置され、表示モニタ29の側方には表示切替スイッチ30が配置されている。表示モニタ29は、例えば7セグメントのLED表示装置を用いて、構成されていればよい。表示モニタ29および表示切替スイッチ30は、遊技機用枠3を開放した状態で遊技盤2の裏面側を視認した場合に、主基板11を視認する際の正面に配置されている。
表示モニタ29は、例えば連比や役比、ベースなどの入賞情報を表示可能である。連比は、賞球合計数のうち第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である。役比は、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である。ベースは、打ち出した遊技球数に対する賞球合計数が占める割合である。設定変更状態や設定確認状態であるときに、表示モニタ29は、パチンコ遊技機1における設定値を表示可能である。表示モニタ29は、設定変更状態や設定確認状態であるときに、変更や確認の対象となる設定値などを表示可能であればよい。
設定キー51や設定切替スイッチ52は、遊技機用枠3を閉鎖した状態であるときに、パチンコ遊技機1の正面側から操作が不可能となっている。遊技機用枠3には、ガラス窓を有するガラス扉枠3aが回動可能に設けられ、ガラス扉枠3aにより遊技領域を開閉可能に構成されている。ガラス扉枠3aを閉鎖したときに、ガラス窓を通して遊技領域を透視可能である。
パチンコ遊技機1において、縦長の方形枠状に形成された外枠1aの右端部には、セキュリティカバー500Aが取り付けられている。セキュリティカバー500Aは、遊技機用枠3を閉鎖したときに、設定キー51や設定切替スイッチ52を含む基板ケース201の右側部を、背面側から被覆する。セキュリティカバー500Aは、短片500Aaおよび長片500Abを含む略L字状の部材であり、透明性を有する合成樹脂により構成されていればよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドルへの遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない大当り種別、または、ほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率および特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて、または当該表示に代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9の点灯や消灯、可動体32の動作、あるいは、これらの一部または全部を含む任意の演出装置を用いた演出として行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読予告演出がある。先読予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図3に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板などといった、各種の基板が配置されている。さらには、電源基板17も搭載されている。各種制御基板は、導体パターンが形成されて電気部品を実装可能なプリント配線板などの電子回路基板だけでなく、電子回路基板に電気部品が実装されて特定の電気的機能を実現するように構成された電子回路実装基板を含む概念である。
パチンコ遊技機1では、商用電源などの外部電源におけるAC100Vといった交流電源からの電力を、電源基板17により主基板11や演出制御基板12などの各種制御基板を含めた電気部品に供給可能である。電源基板17は、例えば交流(AC)を直流(DC)に変換するための整流回路、所定の直流電圧を特定の直流電圧(例えば直流12Vや直流5Vなど)に変換するための電源回路などを備えている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部または一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過または進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過または進入が検出されたことになる。
スイッチ回路110には、電源基板17からのリセット信号、電源断信号、クリア信号が取り込まれて遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送される。リセット信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ100などの制御回路を動作停止状態とするための動作停止信号であり、電源監視回路、ウォッチドッグタイマ内蔵IC、システムリセットICのいずれかを用いて出力可能であればよい。電源断信号は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧が所定値を超えるとオフ状態となり、所定電源電圧が所定値以下になった期間が電断基準時間以上まで継続したときにオン状態となる。クリア信号は、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチに対する押下操作などに応じてオン状態となる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11には、表示モニタ29、表示切替スイッチ30、設定キー51、設定切替スイッチ52、扉開放センサ90が接続されている。扉開放センサ90は、ガラス扉枠3aを含めた遊技機用枠3の開放を検知する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32または当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図4は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図4に示す遊技制御メイン処理において、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、復旧条件が成立したか否かを判定する(ステップS3)。復旧条件は、クリア信号がオフ状態であり、バックアップデータがあり、バックアップRAMが正常である場合に、成立可能である。パチンコ遊技機1の電力供給が開始されたときに、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチが押下操作されていれば、オン状態のクリア信号が遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。このようなオン状態のクリア信号が入力されている場合には、ステップS3にて復旧条件が成立していないと判定すればよい。バックアップデータは、遊技制御用のバックアップRAMとなるRAM102に保存可能であればよい。ステップS3では、バックアップデータの有無やデータ誤りの有無などを確認あるいは検査して、復旧条件が成立し得るか否かを判定すればよい。
復旧条件が成立した場合には(ステップS3;Yes)、復旧処理(ステップS4)を実行した後に、設定確認処理(ステップS5)を実行する。ステップS4の復旧処理により、RAM102の記憶内容に基づいて作業領域の設定が行われる。RAM102に記憶されたバックアップデータを用いて作業領域を設定することで、電力供給が停止したときの遊技状態に復旧し、例えば特別図柄の変動中であった場合には、停止前の状態から特別図柄の変動を再開可能であればよい。
復旧条件が成立しなかった場合には(ステップS3;No)、初期化処理(ステップS6)を実行した後に、設定変更処理(ステップS7)を実行する。ステップS6の初期化処理は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするクリア処理を含み、クリア処理の実行により作業領域に初期値が設定される。
ステップS5の設定確認処理では、予め定められた設定確認条件が成立したか否かを判定する。設定確認条件は、例えば電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオン状態であるとともに設定キー51がオン操作されている場合に成立する。ステップS5の設定確認処理が実行されるのは、ステップS3において、クリア信号がオフ状態であることを含めた復旧条件が成立した場合である。したがって、設定確認条件が成立し得るのは、クリア信号がオフ状態である場合となるので、クリア信号がオフ状態であることも、設定確認条件に含めることができる。
ステップS5の設定確認処理において設定確認条件が成立した場合には、パチンコ遊技機1において設定されている設定値を確認可能な設定確認状態となり、主基板11から演出制御基板12に対して、設定確認開始コマンドが送信される。設定確認状態においては、パチンコ遊技機1にて設定されている設定値を表示モニタ29の表示により確認することが可能となっている。設定確認状態を終了するときには、主基板11から演出制御基板12に対して、設定確認終了コマンドが送信される。
パチンコ遊技機1が設定確認状態であるときには、パチンコ遊技機1における遊技の進行を停止させる遊技停止状態としてもよい。遊技停止状態であるときには、打球操作ハンドルの操作による遊技球の発射、各種スイッチによる遊技球の検出などが停止され、また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20において、ハズレ図柄などを停止表示したり、ハズレ図柄とは異なる遊技停止状態に対応した表示が行われたりするように制御すればよい。設定確認状態が終了するときには、これに伴う遊技停止状態も終了すればよい。
ステップS7の設定変更処理では、予め定められた設定変更条件が成立したか否かを判定する。設定変更条件は、例えば電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオン状態であるとともに設定キー51がオン操作されている場合に成立する。設定変更条件は、クリア信号がオン状態であることを含んでいてもよい。
ステップS7の設定変更処理において設定変更条件が成立した場合には、パチンコ遊技機1において設定されている設定値を変更可能な設定変更状態となり、主基板11から演出制御基板12に対して、設定変更開始コマンドが送信される。設定変更状態においては、表示モニタ29に設定値が表示され、設定切替スイッチ52の操作を検出するごとに表示モニタ29に表示している数値を順次更新して表示する。その後、設定キー51が遊技場の係員などによる操作でオフとなったことに基づいて、表示モニタ29に表示されている設定値をRAM102のバックアップ領域に格納(更新記憶)するとともに、表示モニタ29を消灯させる。設定変更状態を終了するときには、主基板11から演出制御基板12に対して、設定変更終了コマンドが送信される。
パチンコ遊技機1が設定変更状態であるときには、設定確認状態であるときと同様に、パチンコ遊技機1を遊技停止状態としてもよい。設定変更状態が終了するときには、これに伴う遊技停止状態も終了すればよい。
演出制御基板12側では、設定確認開始コマンドや設定変更開始コマンドを受信すると、設定確認中である旨や設定変更中である旨を報知する制御が行われてもよい。例えば、画像表示装置5において所定の画像を表示したり、スピーカ8L、8Rから所定の音を出力したり、遊技効果ランプ9といった発光部材を所定の態様により発光させたりしてもよい。
クリア信号は、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチの押下操作などによりオン状態となる。したがって、電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオンであるとともに設定キー51がオンである場合には、クリアスイッチがオンであればステップS6の初期化処理とともにステップS7の設定変更処理が実行されて設定変更状態に制御可能となり、クリアスイッチがオフであればステップS4の復旧処理とともにステップS5の設定確認処理が実行されて設定確認状態に制御可能となる。電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオフである場合、または設定キー51がオフである場合には、クリアスイッチがオンであればステップS6の初期化処理が実行される一方で設定変更状態には制御されず、クリアスイッチがオフであればステップS4の復旧処理が実行される一方で設定確認状態には制御されない。
設定確認処理または設定変更処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS8)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS9)、割込みを許可する(ステップS10)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図5のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図5に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行および保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行および保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図6は、特別図柄プロセス処理として、図5に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図5に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110~S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110~S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口および第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」または「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
パチンコ遊技機1は、設定値に応じて大当りの当選確率や出玉率が変わる構成とされている。例えば、特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率や出玉率が変わるようになっている。例えば設定値は1~6の6段階からなり、6が最も大当りの当選確率が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど大当りの当選確率が低くなる。この例において、設定値として6が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。設定値に応じて大当りの当選確率が変われば、出玉率も設定値に応じて変わってもよい。大当りの当選確率は設定値にかかわらず一定であるのに対し、大当り遊技状態におけるラウンド数が設定値に応じて変わってもよい。パチンコ遊技機1は、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値のうちいずれかを設定可能に構成されていればよい。パチンコ遊技機1において設定されている設定値は、主基板11の側から演出制御基板12の側へ設定値指定コマンドが送信されることにより通知される。
図7は、表示結果判定テーブルの構成例を示している。図7(A)は、変動特図が第1特図である場合に用いられる第1特図用表示結果判定テーブルの構成例を示し、図7(B)は、変動特図が第2特図である場合に用いられる第2特図用表示結果判定テーブルの構成例を示している。表示結果判定テーブルは、ROM101に記憶されているデータの集まりである。表示結果判定テーブルでは、設定値に応じて、乱数値MR1と比較される当り判定値が特別図柄の可変表示結果である特図表示結果に割り当てられている。乱数値MR1は、表示結果決定用の乱数値であり、0~65535の範囲でランダムに値が更新される。表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いるようにしてもよい。
表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態といった高確状態であるときには、通常状態または時短状態といった低確状態であるときに比べて、大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。
第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が同一値となるように判定値が割り当てられている。第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が第1特図用表示結果判定テーブルとは異なる同一値となるように判定値が割り当てられている。なお、設定値に応じて特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を異ならせてもよい。変動特図にかかわらず特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を同一確率としてもよい。
第1特図用表示結果判定テーブルおよび第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態の場合に、当り判定値のうち1020から1237までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、1020から1237までが「大当り」に割り当てられ、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている一方で、設定値2~設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1238から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。
第1特図用表示結果判定テーブルおよび第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態の場合に、当り判定値のうち1020から1346までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、1020から1346までが「大当り」に割り当てられることで、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定され、その一方で、設定値2~設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1346から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定される。
第1特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、当り判定値のうち32767から33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1~6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
第1特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態である場合に、遊技状態が通常状態または時短状態である場合と同じく、当り判定値のうち32767から33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1~6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、当り判定値のうち32767から33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1~6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態である場合に、遊技状態が通常状態または時短状態である場合と同じく、当り判定値のうち32767から33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1~6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
パチンコ遊技機1に設定可能な設定値は、5個以下や7個以上であってもよい。パチンコ遊技機1に設定される設定値が小さいほど遊技者にとって有利となるようにしてもよい。パチンコ遊技機1に設定される設定値に応じて遊技性が変化するようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機1に設定される設定値が1である場合は、通常状態での大当り確率が1/320、確変状態が65%の割合でループする遊技性(いわゆる確変ループタイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が2である場合は、通常状態での大当り確率が1/200、大当り遊技中に遊技球が、特別可変入賞球装置7の内部に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に制御する一方で、変動特図に応じて大当り遊技中に遊技球が所定スイッチを通過する割合が異なる遊技性(いわゆるV確変タイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が3である場合は、大当り確率が1/320で小当り確率が1/50であり、高ベース中(時短制御中)に遊技球が特別可変入賞球装置7の内部に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技状態に制御する遊技性(いわゆる1種2種混合タイプ)としてもよい。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1~3のいずれかである場合は遊技性が同一であるが、これら設定値が1~3のいずれかである場合よりも大当り確率や小当り確率が高い一方で大当り遊技中に獲得可能な賞球数が少ない設定(例えば、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が4~6のいずれかである場合)を設けてもよい。設定値に応じて遊技性を変化させる場合は、共通のスイッチを異なる用途に使用してもよい。具体的には、設定値が1~3の場合は、特別可変入賞球装置7内に設けられた所定スイッチを演出用スイッチ(遊技球が所定領域を通過する毎に所定の演出を実行するためのスイッチ)として使用し、設定値が4~6の場合は、所定スイッチを遊技用スイッチ(遊技球が所定スイッチを通過したことに基づいて遊技状態を確変状態や大当り遊技状態に制御するためのスイッチ)として使用してもよい。
大当り種別は、大当り種別判定テーブルにおける判定値の割当てに基づいて、設定値に応じて異なる割合で決定されてもよい。あるいは、大当り種別は、設定値にかかわらず共通の割合で決定されてもよい。変動パターンは、変動パターン判定テーブルにおける判定値の割当てに基づいて、設定値に応じて異なる割合で決定されてもよい。あるいは、変動パターンは、設定値にかかわらず共通の割合で決定されてもよい。設定値に応じてノーマルリーチやスーパーリーチの実行割合が異なることで、ノーマルリーチやスーパーリーチが実行される頻度により設定値が示唆されてもよい。あるいは、設定値にかかわらずノーマルリーチやスーパーリーチの実行割合は共通であってもよい。その他、設定値に応じて、異なる割合で任意の設定示唆演出を実行可能としたものであってもよい。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図8のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図8に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図9は、演出制御プロセス処理として、図8のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170~S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形および応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「-」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「-」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合または「100%」未満の割合であることも含む。
(特徴部87AKに関する説明)
続いて、特徴部87AKについて説明する。特徴部87AKにおいて、基本説明と共通する部分(構成、処理等)については説明を省略する。
特徴部87AKのパチンコ遊技機1は、可変表示の表示結果として小当り図柄(特殊表示結果)が導出されたときに小当り遊技状態(特殊状態)に制御可能であり、当該小当り遊技状態においてV入賞領域870(特定領域、V入賞口)を遊技球が通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御可能となっている。なお、小当り遊技状態及び大当り遊技状態を特定状態ともいう。
図10-1は、特徴部87AKのパチンコ遊技機1の正面図である。特徴部87AKのパチンコ遊技機1においては、図1に示すパチンコ遊技機1の正面図と同様の構成については符号および説明を省略し、異なる部分について説明する。
特徴部87AKのパチンコ遊技機1の打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域においては、遊技球が流下する流下経路のうちの第1経路が、正面から見て画像表示装置5よりも左側の領域に主に設けられ、遊技球が流下する流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路が、正面から見て画像表示装置5よりも右側の領域に主に設けられている。
第1経路に遊技球を流下させるために画像表示装置5の左側領域(左側遊技領域)に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるために画像表示装置5の右側領域(右側遊技領域)に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。第1経路は、遊技領域の左側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、左打ち経路と呼ばれてもよい。また、第2経路は、遊技領域の右側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、右打ち経路と呼ばれてもよい。
なお、第1経路と第2経路とは、別の経路により構成されてもよく、一部が共有化された経路であってもよい。左遊技領域と右遊技領域とは、たとえば、遊技領域内における画像表示装置5の端面や遊技釘の配列等により区分けされていればよい。
打球操作ハンドルの操作に応じて打球発射装置から発射されて遊技領域に打込まれた遊技球は、左遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、右遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。また、遊技球は、右遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、左遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。
遊技領域のうちの左遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、第1始動入賞口が形成された入賞球装置6Aが設けられている。入賞球装置6Aは、画像表示装置5の下方に配置されている。入賞球装置6Aには、第1始動入賞口へ進入した遊技球を検出するための第1始動口スイッチ22Aが設けられている。
遊技領域のうちの右遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、通過ゲート41、可変入賞球装置6B、および、V判定入賞装置87が設けられている。可変入賞球装置6Bは、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口を有する。また、それぞれに進入した遊技球を検出するためのスイッチとして、通過ゲート41の内部にはゲートスイッチ21が、第2始動入賞口の内部には第2始動口スイッチ22Bが、V判定入賞装置87の内部にはV入賞スイッチ87a、第2カウントスイッチ15aおよびV判定排出スイッチ15bが、それぞれ設けられている。
左遊技領域では、入賞口構造物のうち第1始動入賞口に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第1始動入賞口に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を左打ちすればよい。また、右遊技領域では、入賞口構造物のうち第2始動入賞口、および通過ゲート41に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第2始動入賞口、および通過ゲート41に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
通過ゲート41は、遊技球が進入(通過)可能なゲート構造物である。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄が変動表示する。普通図柄については後述する。左遊技領域では、入賞口構造物のうち第1始動入賞口に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第1始動入賞口に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を左打ちすればよい。また、右遊技領域では、入賞口構造物のうち第2始動入賞口、および通過ゲート41に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第2始動入賞口、および通過ゲート41に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
V判定入賞装置87は、小当りが発生したときに大当りを発生させるための条件となる遊技球のV入賞を判定するための装置である。
V判定入賞装置87は、透明の部材で形成され、内部を遊技球が通過する様子が視認可能である。V判定入賞装置87は、上部に、前後方向に遊技球が通過可能な幅が設けられ、右から左に向かって傾斜し左右方向に延在した通路の両側(手前側と奥側)に壁部が設けられ、その通路に沿って遊技球が誘導される誘導路が形成されている。導路の中央部には、小当りとなったときに所定期間(たとえば、0.1秒間×所定回+インターバル1秒間)に亘り開放と閉鎖とが繰返されることにより、開放されている所定期間内に合計約10個数以上の遊技球が入賞可能な開口部としての作動口(アタッカー、第2大入賞口ともいう)が形成されている。V判定入賞装置87における遊技球の通路には、誘導される遊技球を減速させるための減速手段としての突起が壁部の両側に交互に複数突出する態様で設けられることにより、右打ち時において、V判定入賞装置87上部の作動口上の通路に遊技球がゆっくりと流れるような構造(以下減速構造という)が形成されている。
小当り遊技状態においては、V判定入賞装置87内への10個の遊技球の進入が検出されるまで、または、所定期間が経過するまで、V判定入賞装置87の開放制御が実行される。V判定入賞装置87において、誘導路における作動口が形成されていない部分は、固定部873とよばれる固定された通路をなす。作動口を開閉可能な位置には、作動口上を前後方向に進退移動可能な可動部872が設けられている。
可動部872は、ソレノイド22により駆動され、作動口を開閉するための進退動作が可能である。可動部872の状態により作動口が閉鎖された状態においては、遊技球が可動部872および固定部873の上面を誘導路として通過可能となり、当該誘導路上を右端から左端に誘導されて左端から落下する。可動部872の動作状態により作動口が開放された状態においては、誘導路において作動口が開口するので、誘導路に誘導される遊技球が作動口からV判定入賞装置87の内部に落下可能となる。
図10-2は、V判定入賞装置の概略構成を示す図である。図10-2に示すように、V判定入賞装置87(作動口)の内部においては、作動口から進入した遊技球が入賞可能な入賞領域として、特定領域としてのV入賞領域870がV判定入賞装置87の底部における左右方向の中央部に設けられ、さらに、作動口から進入した遊技球のすべてを傾斜した経路によりV入賞領域870上に誘導する傾斜路が設けられている。V入賞領域870は、遊技球が進入可能なV入賞口を有し、V入賞口から進入した遊技球を下方へ誘導可能である。
V入賞領域870の入賞口(V入賞口)最上端には、V入賞領域870を開放状態と閉鎖状態とのいずれかの状態に切替え可能な板状態の開閉部材874が設けられている。開閉部材874は、ソレノイド24により駆動され、V入賞口を開閉するための進退動作が可能である。開閉部材874は、V入賞領域870内に進出(突出)することで、V入賞口を閉鎖状態とすることができ、V入賞領域870から退避することで、V入賞口を開放状態とすることができる。即ち、開閉部材874は、ソレノイド24の駆動により前後方向(盤面に対して前後方向)にスライド可能に設けられている。
V入賞口が開放された状態においては、V入賞領域870上に誘導された遊技球がV入賞領域870内に落下可能な状態となる。一方、開閉部材874の上部は平坦面に形成されているとともに、該平坦面は、正面視で入賞球領域875側に向けて傾斜しており、V入賞口が閉鎖された状態においては、V入賞領域870上に誘導された遊技球は、開閉部材874の上部に形成された平坦面に沿って、図10-2に示す入賞球領域875内に落下可能な状態となる。
具体的に、V判定入賞装置87のV入賞領域870は、V判定入賞装置87の作動口が開放される小当り遊技状態において、小当り種別や小当り遊技状態における経過時間に応じて、開放状態または閉鎖状態となる。遊技球が開放状態となったV入賞領域870に進入してV入賞口に入賞すると、その遊技球がV入賞領域870に設けられたV入賞スイッチ87aにより検出される。V入賞領域870が閉鎖状態であるときには、V入賞領域870上に誘導された遊技球は、入賞球領域875に誘導されることとなる。入賞球領域875内に進入した遊技球は、入賞球領域875に設けられた第2カウントスイッチ15aにより検出される。
小当り遊技状態において開放されたV判定入賞装置87は、V入賞スイッチ87aおよび第2カウントスイッチ15aにより検出された球の合計個数が10個に達すると、作動口が閉鎖され、遊技球が進入不可能な状態とされる。V入賞領域870と入賞球領域875とは、下方において合流する構成とされており、その合流された排出通路を通り、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は、遊技盤2内部の所定の排出路に排出される。排出通路には、排出される遊技球を検出可能なV判定排出スイッチ15bが設けられ、当該スイッチにより排出されるすべての遊技球が検出される。
小当りが発生してV判定入賞装置87の作動口が開放されたときにおいて、V入賞領域870に遊技球が入賞して所定の有効期間中にV入賞スイッチ87aで遊技球が検出されると、大当りの発生条件が成立し、大当り遊技状態に制御される。このようなV入賞領域870への遊技球の入賞がV入賞と呼ばれる。なお、小当り遊技状態においてV入賞が発生した場合、それ以降V入賞領域870を閉鎖するようにしてもよい。この場合、V入賞の発生以降は、V入賞領域870上に誘導された遊技球は、入賞球領域875に誘導されることとなる。
この実施例では、複数種類の小当り種別が設けられており、全てV入賞可能な小当り種別となっている。小当りとなった場合、V判定入賞装置87の作動口が開放される期間中においては、特殊な操作を要することなく平均的に合計10個程度の遊技球がV判定入賞装置87内に進入可能なように構造設計および制御設計がされており、さらに、V判定入賞装置87内に遊技球が進入すると、遊技球が必ず(100%)V入賞領域870に進入するように構造設計がされている。これに対して、V入賞可能な小当り種別と、V入賞不可能な小当り種別が設けられていてもよい。パチンコ遊技機1では、小当りが発生したときに、遊技者が容易に遊技球をV判定入賞装置87に打込むことができるように、右打ちを指示する右打ち促進報知が実行される。
したがって、小当りが発生したときには、V判定入賞装置87の作動口の開放期間中に、遊技者が遊技球を発射しない場合、および、遊技者が左打ちをする場合を除き、右打ちをすれば、必ず(100%)遊技球がV入賞領域870に進入して大当りが発生することとなる。
なお、この実施の形態では、V判定入賞装置87に遊技球の減速構造を設けた例を示した。しかし、このような減速構造を設けず、V判定入賞装置87における遊技球の誘導路のうちの一部に遊技球を落下させることが可能となる作動口を設け、小当り遊技状態の期間中に10個程度の遊技球をV入賞領域870に進入させるために、作動口を10回開放させる構成を用いてもよい。
右遊技領域では、可変入賞球装置6BおよびV判定入賞装置87に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、これら可変入賞球装置6BおよびV判定入賞装置87に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
なお、左遊技領域に打分けられた遊技球が可変入賞球装置6B、および、V判定入賞装置87のいずれかに進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は右遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
遊技領域の下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、右打ちされた遊技球が、右遊技領域に植設された遊技釘によって誘導される。また、特別可変入賞球装置7は、遊技釘の植設状態により、左遊技領域からは遊技球が進入しないように構成されている。
特別可変入賞球装置7は、前面が長方形の扉で覆われた大入賞口(第1大入賞口ともいう)を備えており、大当りが発生すると、ソレノイドによって、底辺を軸として扉が前方に傾動し、大入賞口が現れる(開口する)。特別可変入賞球装置7の内部には、進入した遊技球を検出するためのカウントスイッチ23が設けられている。特別可変入賞球装置7へは、右遊技領域に遊技球を打込んだ場合にのみ、大入賞口への遊技球の入賞が可能となるように、遊技釘やその他の構造物によって入賞ルートが制限されている。なお、左遊技領域および右遊技領域のいずれに遊技球を打込んだ場合であっても、大入賞口へ入賞できるようにしてもよい。
大当りは、第1特別図柄表示装置4Aに大当り図柄(大当り表示結果)が導出表示されたとき、および、第2特別図柄表示装置4Bに大当り図柄(大当り表示結果)が導出表示されたときのそれぞれで発生する。第1始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づく抽選により大当りとする決定がされたときに、第1特別図柄表示装置4Aに大当り図柄が導出表示される。第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づく抽選により大当りとする決定がされたときに、第2特別図柄表示装置4Bに大当り図柄が導出表示される。
大当りは、小当り遊技状態となることによってV判定入賞装置87の作動口が開放しているときに進入した遊技球が、V入賞領域870に進入した場合にも発生する。以下、遊技球がV入賞領域870に進入してV入賞スイッチ87aで検出されることをV入賞と呼ぶ。小当りとは、所定の価値付与として、V判定入賞装置87の作動口が開放する当りであり、V入賞を条件として大当りが発生可能となる。V判定入賞装置87において、作動口が開放する遊技状態を「小当り遊技状態」と呼ぶ。そして、小当り遊技状態において、遊技球がV入賞したことに基づいて発生する大当りを、「小当り経由の大当り」または「小当り経由大当り」と呼ぶ。これに対し、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の変動表示の表示結果に基づいて大当り遊技状態となることを、「特別図柄による大当り」または「図柄大当り」と称する。
大当り遊技状態は、所定の価値付与として、遊技者にとって有利な特定遊技状態(有利状態)であり、特別可変入賞球装置7(第1大入賞口)が開放状態と閉鎖状態とを所定回数繰返す繰返し継続制御が行われる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置7が開放(第1大入賞口が開放)されている状態が、ラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置7の開放が再度行われる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる10ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口または第2始動入賞口を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示(確定表示)させることである。
また、第1始動入賞口および第2始動入賞口のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で未だ開始条件が成立していない変動表示に関する情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報を示す(特定する)場合にも用いられる。保留記憶は、始動記憶または始動入賞記憶とも呼ばれる。
第1特別図柄については、第1始動入賞口への遊技球の進入に基づく保留記憶としての第1保留記憶に基づいて変動表示が実行される。第2特別図柄については、第2始動入賞口への遊技球の進入に基づく保留記憶としての第2保留記憶に基づいて変動表示が実行される。このような第1保留記憶または第2保留記憶が存在している状態で大当りが発生した場合、大当り発生前に存在していた保留記憶は、そのまま維持され、大当たり遊技状態の終了後において変動表示のために用いられる。
第2始動入賞口への第2始動入賞が発生したときには、第1始動入賞の保留記憶があっても、当該第2始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示の方が優先して実行される。このように第2特別図柄の変動表示は、第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行される。
第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの上方には、第2始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2保留表示器25Bが設けられている。第2保留表示器25Bは、有効始動入賞がある毎に点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示装置4Bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2保留表示器25Bのさらに上方には、第1始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第1保留表示器25Aが設けられている。第1保留表示器25Aは、有効始動入賞がある毎に点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示装置4Aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
(遊技の流れ)
パチンコ遊技機1においては、遊技状況に応じて、遊技者が左遊技領域を狙う「左打ち」と右遊技領域を狙う「右打ち」とを使い分けるように遊技球を発射することにより、変化に富んだ遊技を楽しむことができるように遊技状態および演出状態が制御される。以下に、遊技者がパチンコ遊技機1において遊技を開始してからの遊技の流れについて説明する。
遊技者は、パチンコ遊技機1に着席して最初に遊技を開始するときに、まず左打ちによって第1始動入賞口に遊技球が入賞するように遊技を行う。このときの遊技状態は通常状態となる。そして、第1特別図柄の変動表示が実行され、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、左打ちから右打ちに切替えて、開放される特別可変入賞球装置7を狙い遊技を行う。このように通常状態において大当りとなることを「初当り」ともいう。大当り遊技状態が終了した後は、画像表示装置5の画面上で遊技者に右打ちによって遊技を行うことを促す右打ち促進報知が行われる。具体的には、画像表示装置5の画面上で「右を狙え」等の表示が行われる。
大当り遊技状態中は、開口した特別可変入賞球装置7を右打ちにより狙う遊技を行う。大当り遊技状態中は、右打ち促進報知が行われる。大当り遊技状態の終了後は、後述する時短状態となれば、引き続き右打ちにより遊技を行う。大当り遊技終了後、時短状態となっていれば時短状態が開始されることを報知する時短報知が例えば画像表示装置5の画面上で行われる。また、時短状態中には、右打ち促進報知も行われる。
なお、この実施例では、大当り遊技状態の終了後、必ず時短状態に制御されるようになっている。これに対して、大当り遊技状態の終了後、時短状態に制御されない場合があるようにしてもよい。大当り遊技状態の終了後に時短状態とならなければ、大当り遊技状態中に実行される右打ち促進報知が終了することにより、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口に遊技球が入賞するように遊技を行う。なお、時短状態とならなかった場合には、画像表示装置5の画面上で遊技者に左打ちに戻して遊技を行うことを促す左打ち促進報知(左打ち報知とも呼ばれる)が行われるようにしてもよい。
大当り遊技終了後の時短状態中は、右打ちにより第2始動入賞口を有する可変入賞球装置6Bを狙い遊技を行う。時短状態では、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)が実行される。第2始動入賞口に遊技球が入賞し、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、右打ちのまま特別可変入賞球装置7を狙い遊技を行う。また、第2始動入賞口に遊技球が入賞し、表示結果が小当り表示結果となれば、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87の作動口が開放されるので、右打ちのままV判定入賞装置87を狙い遊技を行う。小当り遊技状態の開始時には、例えば画像表示装置5の画面上で小当り遊技状態が開始されることを報知する小当り開始報知が行われる。また、小当り遊技状態に制御されるときには、特定のタイミング(V判定入賞装置87の作動口が開放される前のタイミング等)で、右打ち促進報知も行われる。
小当り遊技状態によりV判定入賞装置87の作動口が開状態のときに、遊技球が、作動口からV判定入賞装置87の内部に落下し、V入賞領域870に進入して検出されて、V入賞が発生した場合に、小当り経由の大当りが発生する。V入賞が発生したときには、例えば画像表示装置5の画面上でV入賞が発生したことを報知するV入賞報知が行われる。また、小当り遊技状態の終了時は、例えば画像表示装置5の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行われる。そして、小当り終了後に、大当り遊技状態となって特別可変入賞球装置7が開放されるので、遊技者は、右打ちのまま特別可変入賞球装置7を狙い遊技を行う。
また、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87を狙い遊技を行ったときに、遊技球がV入賞領域870に進入せず、入賞球領域875に進入した場合には、大当りが発生しない。このように小当り遊技状態中にV入賞が発生しなかったときには、例えば画像表示装置5の画面上でV入賞に失敗したことを報知するV入賞失敗報知が行われる。また、小当り遊技状態の終了時には、例えば画像表示装置5の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行われる。そして、小当り遊技状態の終了後、時短状態が継続しているときに、遊技者は、引続き右打ちのまま可変入賞球装置6Bを狙い遊技を行う。時短状態が終了した場合は、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口に遊技球が入賞するように遊技を行う。時短状態の終了時には、例えば画像表示装置5の画面上で時短が終了したことを報知する時短終了報知と、遊技者に左打ちに戻して遊技を行うことを促す左打ち促進報知とが行われる。
図10-3は、特徴部87AKの大当り種別を示す図である。図10-3(A)は、図柄大当りの大当り種別を示している。図10-3(A)に示すように、図柄大当りとして、第1大当りと第2大当りとが設けられている。第1大当りは、大当り遊技状態におけるラウンド数が3ラウンドであって、大当り遊技状態の終了後第2特別図柄の変動表示が7回行われるまで時短状態に制御される。第2大当りは、大当り遊技状態におけるラウンド数が3ラウンドであって、大当り遊技状態の終了後第2特別図柄の変動表示が1回行われるまで時短状態に制御される。
図10-3(B)は、小当り経由大当りの大当り種別を示している。図10-3(B)に示すように、小当り経由大当りとして、第1小当り経由大当りと、第2小当り経由大当りと、第3小当り経由大当りと、が設けられている。第1小当り経由大当りは、第1小当り経由の大当りであり、小当り遊技状態及び大当り遊技状態における合計ラウンド数が10ラウンドであって、大当り遊技状態の終了後第2特別図柄の変動表示が7回行われるまで時短状態に制御される。第2小当り経由大当りは、第2小当り経由の大当りであり、小当り遊技状態及び大当り遊技状態における合計ラウンド数が7ラウンドであって、大当り遊技状態の終了後第2特別図柄の変動表示が7回行われるまで時短状態に制御される。第3小当り経由大当りは、第3小当り経由の大当りであり、小当り遊技状態及び大当り遊技状態における合計ラウンド数が3ラウンドであって、大当り遊技状態の終了後第2特別図柄の変動表示が7回行われるまで時短状態に制御される。
小当り経由の大当りでは、V判定入賞装置87の作動口が開放する小当り遊技状態が1ラウンドとカウントされ、2ラウンド以降において特別可変入賞球装置7が開放することになる。よって、第1小当り経由大当りは実質的には9ラウンドの大当りであり、第2小当り経由大当りは実質的には6ラウンドの大当りであり、第3小当り経由大当りは実質的には2ラウンドの大当りであるともいえる。
小当りは、可変入賞球装置6Bに設けられた第2始動入賞口に遊技球が入賞し、第2特別図柄の表示結果が小当り図柄になった場合に発生する。特別図柄の表示結果を小当り図柄にするか否かの判定は、乱数抽選によって事前に行われる(特別図柄の小当り判定)。小当りが発生すると、小当り遊技状態となり、V判定入賞装置87の作動口が開放する。小当り遊技状態の終了後の遊技制御状態(後述する大当り確率、小当り確率、ベース)は、小当り前と同じである。小当りにおいては、小当り遊技状態中にV判定入賞装置87内のV入賞領域870に入賞した遊技球に対して賞球が払出される。
この実施例では、小当り種別として、第1小当り、第2小当り、第3小当りが設けられている。各小当りの小当り遊技状態では、開放回数が10回で開放時間が0.1秒という開放パターンでV判定入賞装置87の作動口が開放し、作動口の開放中にV判定入賞装置87に進入した遊技球がV入賞領域870(V入賞口)に略100%入賞するように、開閉部材874を開放するようになっている。第1小当りの小当り遊技状態においてV入賞すると第1小当り経由大当りの大当り遊技状態に制御される。第2小当りの小当り遊技状態においてV入賞すると第2小当り経由大当りの大当り遊技状態に制御される。第3小当りの小当り遊技状態においてV入賞すると第3小当り経由大当りの大当り遊技状態に制御される。
なお、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数を時短状態の終了条件に設定してもよい。例えば、初当りの大当り遊技状態前には、第1始動入賞に基づく保留記憶が最大4個記憶される。時短状態の開始直後において、可変入賞球装置6Bへ遊技球を入賞させるまでに時間がかかってしまった場合等には、その保留記憶に基づく第1特別図柄の変動表示が4回実行され得る状態となる。そこで、時短状態における第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が、図10-3に示す回数プラス4回となることを時短状態の終了条件としてもよい。
図10-4は、当り決定割合や小当り種別の決定割合を示す説明図である。これら決定割合に対応したテーブルが、ROM101に記憶されている。
図10-4(A)は、当り決定割合を示す説明図である。第1特別図柄について表示結果を大当りに決定する割合(大当り確率)は1/199となっており、小当りには決定されない。また、第2特別図柄について表示結果を大当りに決定する割合(大当り確率)は1/199となっており、小当りに決定する割合(小当り確率)は、1/7となっている。
このように、この実施例では、第2特別図柄の表示結果が小当りとなる確率が1/7と高くなっていることから、時短回数(第2特図変動回数)が1回である第2大当り以外の大当り種別となった場合には、時短状態終了前に再度小当りとなる確率(いわゆる連チャンとなる確率)が高くなっている。
図10-4(B)は、第1特図大当り決定割合を示す説明図である。第1特図大当り種別判定割合は、第1特別図柄の表示結果が大当りに決定されたときの大当り種別の決定割合を示している。図10-4(B)に示すように、10%の割合で第1大当りに決定され、90%の割合で第2大当りに決定される。
図10-4(C)は、第2特図大当り決定割合を示す説明図である。第2特図大当り種別判定割合は、第2特別図柄の表示結果が大当りに決定されたときの大当り種別の決定割合を示している。図10-4(C)に示すように、100%の割合で第1大当りに決定される。
図10-4(D)は、第2特図小当り決定割合を示す説明図である。第2特図小当り種別判定割合は、第2特別図柄の表示結果が小当りに決定されたときの小当り種別の決定割合を示している。図10-4(D)に示すように、30%の割合で第1小当りに決定され、40%の割合で第2小当りに決定され、30%の割合で第3小当りに決定される。
なお、大当り種別に応じて異なる大当り図柄が定められ、小当り種別に応じて異なる小当り図柄が定められていればよい。
なお、図10-3に示した大当り種別や小当り種別は一例であり、図10-3以外の当り種別が設けられていてもよいし、図10-3に示した当り種別が設けられていなくてもよい。図10-4に示す決定割合は一例であり、他の決定割合であってもよい。例えば、第1特別図柄の表示結果が小当りとなる場合があってもよいし、第2特別図柄の大当り種別として第2大当りに決定されるようにしてもよい。この実施例では、大当り遊技状態の終了時に当りとなる保留記憶がある場合(保留内連チャンする場合)、その旨を報知する保留連演出を実行可能なっている。そのため、当り確率(例えば第2特図の小当り確率)は、保留内連チャンが発生しやすい確率、即ち、保留連演出の実行頻度を確保できる確率となっていることが好ましい。
続いて、特徴部87AKの演出動作例について説明する。図10-5は、連チャン中において保留連演出が実行される場合の演出動作例を示している。なお、図10-5に示すような演出動作は、演出制御用CPU120が対応する演出制御パターンに基づいて、図9のステップS172の処理を実行することにより実現される。
図10-5(A)は、画像表示装置5の「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに「6」の飾り図柄が停止して小当り(第1小当り)の表示結果が表示されていることを示している。また、図10-5(A)では、画像表示装置5の右上に遊技者が常時視認可能であり、変動表示の実行中であることや変動表示が停止中であることを特定可能な小図柄が表示されている。また、画像表示装置5の右下には右打ちを指示する右打ち画像が表示されている。
続いて、小当り遊技状態が開始してV判定入賞装置87の作動口が開放されV入賞領域870が開放状態となると、例えば図10-5(B)に示すように、画像表示装置5に「Vを狙え!」という文字が表示されるとともに、右打ち画像が拡大されてV判定入賞装置87への打球が促される。
そして、V入賞領域870(特定領域、V入賞口)を遊技球が通過すると、図10-5(C)に示すように、「Vを狙え!」という文字が消去され、右打ち画像が元のサイズに戻り、画像表示装置5の上部に今回のラウンド数やラウンドの経過を示すラウンド表示87AK01が表示される。図10-5(C)では、今回の小当り種別が第1小当りであることに対応して、ラウンド数が10ラウンドであることを示す10個の白い星のラウンド表示87AK01が表示されている。このように、ラウンド表示は、複数の星の画像により構成される。ラウンド表示は、大当りのラウンド数や当り(特定状態)におけるラウンドの経過を示す「示唆画像」ともいう。
なお、今回の小当り種別が第2小当りである場合は7個のラウンド表示が表示され、第3小当りである場合は3個のラウンド表示が表示され、第1大当りである場合は3個のラウンド表示が表示されることになる。
ラウンド表示87AK01は、ラウンドが終了する毎に白い星から黒い星に変化するようになっている。従って、図10-5(C)は、1ラウンド(小当り遊技状態中)であることを示している。そして、ラウンド(大当り遊技状態)が進行して4ラウンドになると、図10-5(D)示すように、3ラウンドが消化されたことに対応してラウンド表示87AK01のうち3個が黒い星に変化することになる。更にラウンドが進行して9ラウンドになると、図10-5(E)示すように、ラウンド表示87AK01のうち9個が黒い星に変化することになる。このように、ラウンド表示87AK01により大当り遊技状態におけるラウンドの進行や大当り遊技状態の残り期間を好適に報知できる。
そして、大当り遊技状態が終了すると、図10-5(F)に示すように、10個全てのラウンド表示87AK01が黒い星に変化し、画像表示装置5に「大当り終了」といった大当りが終了した旨が表示される。
連チャン中は時短状態(高ベース状態)であり、右打ちをしていれば容易に第2始動入賞口に遊技球が進入することから、大当りの終了時には通常は第2保留記憶が上限数の4個記憶されていることになる。また、図10-4(A)に示したように、第2特別図柄の表示結果が小当りとなる確率は高い。そこで、この実施例では、大当り遊技状態の終了時に、当り(小当り、大当り)となることに対応した第2保留記憶が記憶されている場合には、第2保留記憶内で再度当り(保留内連チャン)となることを報知する保留連演出を実行するようになっている。
保留連演出が実行される場合には、大当り遊技状態のエンディング演出中に、例えば図10-5(G)に示すように、キャラクタ画像87AK02が割り込んで(カットインして)表示される保留連演出が実行される。
そして、キャラクタ画像87AK02が消去されると、図10-5(H)に示すように、表示中だったラウンド表示87AK01が下方向にシフトする。そして、ラウンド表示87AK01が下方向にシフトして空いた領域(ラウンド表示87AK01が表示されていた領域)に、保留内連チャンの当りのラウンド数に対応した新たなラウンド表示87AK03が表示される。このようにすることで、ラウンド表示が追加されたことが直感的に分かりやすくなる。
ここでは、新たなラウンド表示87AK03として7個の白い星が表示され、保留内連チャンの当りのラウンド数が7ラウンドであること(第2小当りとなる第2保留記憶があること)が示唆される。また、このとき、「継続!」という文字画像87AK04が表示される。例えば、図10-5(G)~(I)に示す演出動作が、本実施例の保留連演出となる。なお、保留連演出の演出態様は図10-5(G)~(I)に示すものに限定されず、保留内連チャンすることが報知できれば任意の態様であってよい。また、ラウンド表示を追加して表示するタイミングも図10-5(H)に示すタイミングに限定されず、他のタイミングであってもよい。
このように、この実施例では保留連演出として、既に表示されているラウンド表示87AK01に加えて、ラウンド表示87AK03を追加して表示する演出が実行される。これにより、当りのラウンドが昇格して継続したかのような演出を実行でき、興趣が向上する。図10-5(H)に示す例では、1回の当りで17ラウンドになったかのように見せることができ、興趣が向上する。
図10-5(H)のラウンド表示87AK01のように、全てのラウンド表示が、消化済みであることを示す黒い星に変化したラウンド表示を「消化済みラウンド表示(第1示唆画像)」ともいう。それに対して、図10-5(H)のラウンド表示87AK03のように、実行前のラウンドを示す白い星を少なくとも含むラウンド表示を「今回ラウンド表示(第2示唆画像)」ともいう。
図10-5(H)に示すように、今回ラウンド表示(第2示唆画像)は、消化済みラウンド表示(第1示唆画像)よりも外側(特定画像の中心を基準に外側)に表示される。これにより、今回ラウンド表示の視認性を確保することができ、好適な報知(保留内連チャンの報知)を実行できる。
なお、今回ラウンド表示は、消化済みラウンド表示よりも外側であるものの、遊技の進行に係る小図柄や右打ち画像の表示位置とは異なる表示位置に表示されるようになっている。このようにすることで、遊技の進行に係る情報の視認性を確保しつつ今回ラウンド表示(第2示唆画像)を表示できる。なお、遊技の進行に係る画像は小図柄や右打ち画像に限定されず、特別図柄が変動していることを示す第4図柄等であってもよい。
なお、上述のように、保留連演出が実行された場合、当りのラウンドが昇格して継続したかのような演出を実行するが、実際にはその時点で記憶されているいずれかの第2保留記憶が当りとなることに対応していることとなる。そのため、大当り遊技状態の終了後、1回~4回の変動表示が実行された後に次の当り(小当り遊技状態または大当り遊技状態)に制御されることになる。この実施例では、保留内連チャンとなる場合には、当りを連続的に見せるため、先の大当り遊技状態の終了後、次の当たりとなるまでの1回~4回の変動表示が高速消化するようになっている。例えば、連チャン中は、大当り遊技状態終了後、短い変動時間(例えば1秒等)の変動パターンが選択されるようにすればよい。
そのため、例えば図10-5(I)に示すように、ラウンド表示87AK01、87AK03を表示したまま、小図柄のみで1回~4回の変動表示が実行され、図10-5(J)に示すように、「555」の小図柄が揃って次の当たり(第2小当り)となる。
その後、V入賞を経て図10-5(K)に示すように、ラウンドが進行して2回目の大当り遊技状態の4ラウンドになると、ラウンド表示87AK03のうち3個が黒い星に変化することになる。
この実施例では、保留内連チャンが継続している間の賞球数が予め定められた所定数(例えば2000、4000等)となる毎に、獲得賞球報知が実行されるようになっている。2回目の大当り遊技状態の4ラウンドにおいて、保留内連チャンが継続している間の賞球数が2000に達すると、図10-5(L)に示すように、「2000GET」という獲得賞球報知画像87AK05が表示される。
このとき、実行中の当りに対応するラウンド表示87AK03(今回ラウンド表示)は、獲得賞球報知画像87AK05よりも優先的に手前に表示される一方、重要度の低い実行済みの当りに対応するラウンド表示87AK03(消化済みラウンド表示)よりも獲得賞球報知画像87AK05が優先的に手前側に表示されるようになっている。これにより、実行中の当りのラウンドの進行や当りの残り期間に好適に報知することができるとともに、獲得賞球報知を好適に行うことができる。
また、今回ラウンド表示(第2示唆画像)は、消化済みラウンド表示(第1示唆画像)よりも、賞球報知画像87AK05(特定画像)の中心を基準に外側に表示される。言い換えると、第2示唆画像の表示位置と特定画像の中心との距離は、第1示唆画像の表示位置と特定画像の中心との距離より長い。このため、今回ラウンド表示の視認性を確保することができ、実行中の当りのラウンドの進行や当りの残り期間に好適に報知することができるとともに、獲得賞球報知を好適に行うことができる。
なお、特定画像の中心との距離を測る上での第1示唆画像の表示位置の基準点は、例えば第1示唆画像の中心であればよい。同様に、特定画像の中心との距離を測る上での第2示唆画像の表示位置の基準点は、例えば第2示唆画像の中心であればよい。図10-5(H)~(L)に示す例では、ラウンド表示87AK01の中央部が第1示唆画像の中心であり、第1示唆画像の表示位置の基準点となる。また、ラウンド表示87AK03の中央部が第2示唆画像の中心であり、第2示唆画像の表示位置の基準点となる。なお、第1示唆画像及び第2示唆画像の表示位置の基準点は、これに限定されず予め定められた代表点であればよく、端部、重心位置等であってもよい。
次に、特徴部87AKにおいて実行される処理ついて説明する。図10-6は、図9のステップS177のエンディング演出処理内で実行される保留連演出設定処理の一例を示すフローチャートである。保留連演出設定処理は、保留連演出を実行するための処理である。保留連演出設定処理では、演出制御用CPU120は、先ず、連チャン中であるか否かを判定する(ステップ87AKS101)。連チャン中であるか否かは、例えば連チャン中フラグがオン状態であるか否かにより判定する。連チャン中フラグは、例えば、初当りの大当り遊技状態が終了して時短状態に制御されるときにオン状態にセットされ、時短状態の終了条件となる第2特別図柄の変動回数が終了し、その時点で記憶されている第2特別図柄の保留記憶が消化された時点でオフ状態にセットされる。
連チャン中でない場合は(ステップ87AKS101;No)、保留連演出設定処理を終了する。このように、この実施例では、連チャン中に保留連演出を実行するようになっている。なお、連チャン中以外にも保留連演出を実行可能なようにしてもよい。その場合、連チャン中と連チャン中以外とで保留連演出の演出態様を異ならせてもよい。
連チャン中である場合は(ステップ87AKS101;Yes)、保留連演出の実行タイミングであるか否かを判定する(ステップ87AKS102)。保留連演出はエンディング演出中の予め定められたタイミング(例えば図10-5(G)のタイミング)であればよい。
保留連演出の実行タイミングでない場合(ステップ87AKS102;No)、保留連演出設定処理を終了する。保留連演出の実行タイミングである場合(ステップ87AKS102;Yes)、保留内当り(第2保留記憶内の当り)があるか否かを判定する(ステップ87AKS103)。ステップ87AKS103では小当りまたは大当りとなる第2保留記憶が記憶されているか否かを、先読判定の判定結果を指定するための演出制御コマンド等から判定する。
保留内当りがない場合(ステップ87AKS103;No)、保留連演出設定処理を終了する。保留内当りがある場合(ステップ87AKS103;Yes)、保留連演出を実行するための設定を行う(ステップ87AKS104)。ステップ87AKS104では、例えば、図10-5(G)、(H)に示すような保留連演出を実行するための演出制御パターンを設定し、当該演出制御パターンに基づく演出制御を開始する。その後、保留連演出設定処理を終了する。
図10-7は、図9のステップS177のエンディング演出処理内で実行されるラウンド表示シフト処理の一例を示すフローチャートである。ラウンド表示シフト処理は、保留連演出が実行されたときに、表示中のラウンド表示(第1示唆画像)をシフトして新たなラウンド表示(第2示唆画像)を追加表示するための処理である。ラウンド表示シフト処理では、演出制御用CPU120は、先ず、保留連演出の実行中であるか否かを判定する(ステップ87AKS111)。保留連演出の実行中でなければ(ステップ87AKS111;No)、ラウンド表示シフト処理を終了する。
保留連演出の実行中であれば(ステップ87AKS111;Yes)、ラウンド表示(第1示唆画像)をシフトするシフトタイミングであるか否かを判定する(ステップ87AKS112)。ステップ87AKS112では、例えば保留連演出におけるキャラクタ画像87AK02が消去された直後のタイミング(例えば図10-5(H)のタイミング)であるか否かを判定する。シフトタイミングでなければ(ステップ87AKS112;No)、ラウンド表示シフト処理を終了する。
シフトタイミングであれば(ステップ87AKS112;Yes)、表示中のラウンド表示を消去する(ステップ87AKS113)。そして、消去したラウンド表示をそれぞれ下方向にシフトして下位レイヤ(後述するレイヤ番号104の表示レイヤ)に描画する(ステップ87AKS114)。また、保留内当りに対応した今回ラウンド表示をシフトした消化済みラウンド表示よりも上位レイヤ(後述するレイヤ番号101の表示レイヤ)の上段部(消化済みラウンド表示が下方向にシフトして空いた領域)に描画する(ステップ87AKS115)。その後、ラウンド表示シフト処理を終了する。
図10-8は、特徴部87AKの表示レイヤを説明するための図である。この実施例では、画像表示装置5に表示する画像を描画するための表示レイヤが複数設けられており、該複数の表示レイヤに描画された画像が重ねて画像表示装置5に表示されるようになっている。複数の表示レイヤのそれぞれには優先順位が定められており、より上位の表示レイヤに描画した画像が、より下位の表示レイヤに描画された画像に重畳して上層側(遊技者から見て手前側)に表示される。このようにすることで、画像表示装置5に複数種類の画像を重ねて同時に表示可能となる。
図10-8に示すように、この実施例では、レイヤ番号1~300といった300層の表示レイヤが設けられており、レイヤ番号の小さい表示レイヤの優先順位が高くなっている。
レイヤ番号101は今回ラウンド表示(第2示唆画像)の表示レイヤとなっており、レイヤ番号102は獲得賞球数報知(獲得賞球報知画像)の表示レイヤとなっており、レイヤ番号103は保留連演出における「継続」表示(「継続!」という文字画像)の表示レイヤとなっており、レイヤ番号104は消化済みラウンド表示(第1示唆画像)の表示レイヤとなっている。このように、同じラウンド表示でも、表示の優先順位が今回ラウンド表示(第2示唆画像)>消化済みラウンド表示(第1示唆画像)となっている。また、獲得賞球数報知や保留連演出における「継続」表示といった特定画像に対して、表示の優先順位が第2示唆画像>特定画像>第1示唆画像となっている。このように、今回ラウンド表示(第2示唆画像)を特定画像よりも優先的に表示するので、実行中の当りのラウンドの進行や当りの残り期間に好適に報知することができる。また、重要度の低い実行済みの当りに対応する消化済みラウンド表示(第1示唆画像)よりも特定画像を優先的に表示するので、特定画像による報知(獲得賞球報知、保留内連チャンの報知)を好適に行うことができる。
なお、保留連演出が実行されて表示位置がシフトする前のラウンド表示のうち、最上段に表示されるラウンド表示(例えば図10-5(F)のラウンド表示87AK01)は、レイヤ番号101の表示レイヤに表示されていることになる。そのラウンド表示は、保留連演出が実行されると、図10-7のステップ87AKS113、ステップ87AKS114の処理が実行されることで、表示位置が下方向にシフトするとともに、レイヤ番号101よりも下位のレイヤ番号104に表示レイヤが変更される。このようにすることで、消化済みラウンド表示(第1示唆画像)の表示優先度を特定画像よりも下げることができる。
また、図10-7のステップ87AKS113、ステップ87AKS114の処理が実行されることで、ラウンド表示の表示レイヤがレイヤ番号101よりも下位のレイヤ番号104に変更される際に、ステップ87AKS113において一旦ラウンド表示が消去される。このようにすることで、違和感なくラウンド表示の表示優先度を変更することができる。
また、図10-8に示すように、レイヤ番号1はエラー表示の表示レイヤとなっており、レイヤ番号2は常時視認可能な小図柄の表示レイヤとなっている。このように、上位の表示レイヤには遊技者に認識させる必要性の高い画像の表示レイヤとなっている。また、最下層のレイヤ番号300は背景画像の表示レイヤとなっている。
エラー表示は、今回ラウンド表示(第2示唆画像)や消化済みラウンド表示(第1示唆画像)よりも特定画像を優先的に表示するので、エラー表示の表示タイミング(エラーの報知タイミング)がラウンド表示のタイミングに重複した場合でも、エラー表示を好適に行うことができる。
図10-8では省略しているが、他の画像についても表示の優先順位に応じて描画する表示レイヤのレイヤ番号が予め定められていればよい。なお、この実施例では、300層の表示レイヤが設けられている例について説明したが表示レイヤの数はこれに限定されない。
図10-9は、保留内連チャンが少なくとも6回継続した場合の表示例を示している。保留連演出が実行される毎に、ラウンド表示が下方向にシフトされて表示されることになるが、実行済みの当りに対応するラウンド表示を表示しきれなくなった場合には、図10-9に示すように、下方向にラウンド表示が見切れて消えていくようになっている。なお、図10-9では、保留連演出が実行されて「継続!」という文字画像87AK04が表示されているタイミングであるが、「継続!」という文字画像87AK04は、消化済みラウンド表示より表示レイヤが上位であるため、実行済みの当りに対応する消化済みラウンド表示よりも優先的に表示される。これにより、好適に保留連演出を実行することができる。このように、この実施例では、特定画像として、賞球報知画像87AK05と保留連演出における「継続!」という文字画像87AK04といった複数種類の特定画像が設けられている。そして、複数種類の特定画像は各々異なる特定条件例えば保留内連チャンが継続している間の賞球数が予め定められた所定数となったことや保留連演出が実行されたこと)の成立に応じて表示される。
(特徴部87AKの変形例)
本特徴部は、この実施例に限定されず、種々の変形や応用が可能であり、更に特徴を追加してもよい。上記実施例や変形例に示したフローチャートの処理内容や決定割合、各種演出の決定方法は、一例であって、上記実施例と同様の効果を奏することができ、上記実施例で示した演出を好適に実行できれば任意でよい。また、上記実施例で示した演出動作例は一例であり、同様の演出効果を達成できれば適宜変更可能である。また、上記実施例で説明した構成は、その全てが必須構成ではなく、その一部が欠けていてもよい。また、本特徴部と他の特徴部を適宜組み合わせてもよい。
上記実施例では、星の画像によるラウンド表示を表示するようになっていたが、これに加えて、実行中の当りのラウンド数を数値(例えば○R等)により表示するようにしてもよい。この場合、数値によるラウンド数の表示を獲得賞球報知画像87AK05といった特定画像よりも優先的に表示するようにしてもよい。このようにすることで、実行中の当りのラウンド数を確実に報知することができる。
画像表示装置5に遊技状態に対応したテロップを表示するようにしてもよい。例えば、大当り遊技状態や小当り遊技状態といった有利状態では第1のテロップ(例えば「○○ボーナス」等)を画像表示装置5の外縁部の少なくとも一部等に表示し、時短状態では第2のテロップ(例えば「チャンスタイム」等)を画像表示装置5の外縁部の少なくとも一部等に表示するようにしてもよい。このようにすることで、遊技状態を報知することができる。この場合において、保留内連チャンが発生して、遊技状態が有利状態→時短状態→有利状態と切り替わる場合は、テロップも第1のテロップ→第2のテロップ→第1のテロップと切り替わることになる。テロップの変化により、保留内演出により有利状態が連続(継続)したように見せる演出の演出効果が損なわれることを防止するため、第1のテロップ→第2のテロップ→第1のテロップとなる場合の第2のテロップの視認性を低下させるなど、テロップが変化したことを認識させづらくしてもよい。
上記実施例では、ラウンド表示は、星の画像であり、実行前のラウンドは白い星で表示され、消化済みのラウンドは黒い星で表示されるようになっていたが、ラウンド表示の表示態様はこれに限定されない。例えば、当りの開始時や保留連演出を実行したときに1つのアイコンを表示し、ラウンドの経過に応じて順次アイコンを追加表示するようなものや、メーターやすごろくでラウンドの経過を示すものであってもよい。即ち、ラウンド表示は、少なくとも遊技者がラウンド(総ラウンド数やラウンドの経過)を把握できるものであればよい。
また、上記実施例では、示唆画像は、実行前の当り(特定状態)のラウンド数、実行中の当り(特定状態)のラウンドの経過、実行後の当り(特定状態)におけるラウンド数を示すラウンド表示(「消化済みラウンド表示(第1示唆画像)」、「今回ラウンド表示(第2示唆画像)」)であったが、示唆画像はこれに限定されない。示唆画像は、特定状態に制御されていることを示唆する画像であればよく、第1示唆画像と、1示唆画像を表示しているときに表示される第2示唆画像と、を含んでいればよい。例えば、示唆画像は、連チャン回数を示す表示であってもよいし、順次追加表示される状態表示のテロップ(時短状態を示すテロップ、確変状態を示唆するテロップ、当りの期待度が高いことを示すテロップ等)であってもよいし、時短状態や確変状態の残り変動回数を示す表示であってもよいし、スロットマシンにおけるAT、RT、ARTのゲーム数を示す表示であってよい。
また、上記実施例では、特定画像は、賞球報知画像87AK05や保留連演出における「継続!」という文字画像87AK04であったが、特定画像はこれに限定されない。特定画像は、複数種類の特定条件のいずれかの成立に応じて表示される画像であればよい。そして、そのような特定条件はラウンド表示(示唆画像)が表示される期間に成立する条件であればよい。即ち、特定画像は示唆画像と表示期間が重複するものであればよい。例えば、特定画像は、実行抽選されて実行される演出(例えば予告演出や遊技状態の報知等)に係る画像であってもよいし、遊技の進行に応じて表示される画像(例えば実行ゲーム数に関する表示等)であってもよいし、他の条件によって表示される演出画像(例えば時間経過で表示される画像、遊技者の操作や入力に応じて表示される画像)等であってもよい。
また、特定画像は上記実施例の賞球報知画像87AK05や保留連演出における「継続!」という文字画像87AK04のように、画像表示装置5の一部に表示されるものに限定されず、画像表示装置5の全面に表示される画像であってもよい。また、画像表示装置5の全面に表示される画像の一部が特定画像であってもよい。この場合においても、第2示唆画像の表示位置と特定画像の中心との距離は、第1示唆画像の表示位置と特定画像の中心との距離より長くなっていればよい。
また、上記実施例では、各画像を描画する表示レイヤを異ならせることで、画像の優先順位を変化させていたが、表示優先度がより高い画像を表示するときに、表示優先度がより低い画像を消去したり、表示位置をずらすようにしてもよい。
上記実施例では、ラウンド表示をシフトする際に一旦消去するようになっていたが、消去せずにシフトするようにしてもよい。また、保留連演出を実行したことに応じて、新たなラウンド表示を追加して表示する際に、それまで表示されていたラウンド表示を下方向にシフトするようになっていたが、それまで表示されていたラウンド表示の表示態様を変更したり、別の位置に表示するようにしてもよい。例えば、ラウンド表示を新たに追加して表示する際に、それまで表示されていたラウンド表示を別の表示装置に移動させるようにしてもよいし、縮小して画像表示装置5の端等に表示するようにしてもよい。
(特徴部87AKに係る手段)
(1)特徴部87Kに係る遊技機は、
遊技を行う遊技機(例えば特徴部87AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
特定状態に制御されていることを示唆する示唆画像(例えばラウンド表示)を表示する示唆画像表示手段(例えば演出制御用CPU120)と、
複数種類の特定条件(例えば保留内連チャンが継続している間の賞球数が予め定められた所定数となったことや保留連演出が実行されたこと)のいずれかの成立に応じて特定画像(例えば獲得賞球報知画像87AK05、「継続!」という文字画像87AK04)を表示し、該特定条件の成立を報知する報知手段(例えば演出制御用CPU120)と、を備え、
前記示唆画像表示手段は、前記示唆画像として、第1示唆画像(例えばラウンド表示87AK01)を表示しているときに、該第1示唆画像と対応した示唆を行う第2示唆画像(例えばラウンド表示87AK03)を表示可能であり、
前記第1示唆画像及び前記第2示唆画像が表示されているときに、前記特定条件が成立し前記特定画像が表示される場合、該特定画像よりも前記第2示唆画像を優先して表示するとともに、前記第1示唆画像よりも前記特定画像を優先して表示し(例えば図10-8)、
前記第2示唆画像の表示位置と前記特定画像の中心との距離は、前記第1示唆画像の表示位置と前記特定画像の中心との距離より長い(例えば図10-5(H)~(L))。
このような構成によれば、追加して表示される第2示唆画像の視認性を確保でき、興趣の低下を抑制できる。また、特定画像の視認性も確保できる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記示唆画像は、複数の示唆表示(例えば星の画像)により構成され、
前記示唆画像表示手段は、前記示唆画像を構成する前記示唆表示の表示態様を第1態様(例えば白い星)から第2態様(例えば黒い星)に順次変化させることにより、前記特定状態の期間の経過を示唆することが可能であり、
前記第1示唆画像は、前記示唆表示が全て前記第2態様で表示された前記示唆画像(例えば消化済みラウンド表示、図10-5(H)~(K)に示すラウンド表示87AK01)であるようにしてもよい。
このような構成によれば、特定画像を表示する場合でも、特定状態の期間を好適に示唆することできる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記示唆画像表示手段は、
前記示唆画像を表示優先度が異なる複数の表示層(例えばレイヤ番号1~300の表示レイヤ)のいずれかに表示可能であり、
前記第1示唆画像を表示しているときに、前記第2示唆画像を表示する場合、該第1示唆画像を表示する表示層を、第1表示層(例えばレイヤ番号101の表示レイヤ)から該第1表示層よりも表示優先度の低い第2表示層(例えばレイヤ番号104の表示レイヤ)に変更するようにしてもよい。
このような構成によれば、第1示唆画像の表示優先度を特定画像より下げることができる。
(4)上記(3)に記載の遊技機において、
前記示唆画像表示手段は、前記第1示唆画像を表示する表示層を前記第1表示層から前記第2表示層に変更する際に、一旦前記第1示唆画像を視認不可能とする(ステップ87AKS114の処理を実行する前にステップ87AKS113の処理でラウンド表示を消去する)ようにしてもよい。
このような構成によれば、違和感なく表示優先度を変更することができる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、
前記示唆画像表示手段は、前記第1示唆画像を表示しているときに、前記第2示唆画像を表示する場合、前記第1示唆画像の表示位置を移動させて、該第1示唆画像が表示されていた位置に前記第2示唆画像を表示する(例えば図10-5(H))ようにしてもよい。
このような構成によれば、第2示唆画像が追加されたことが分かりやすくなる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかに記載の遊技機において、
前記第2示唆画像の表示位置は、遊技の進行に係る情報(例えば小図柄や右打ち画像)の表示位置と異なるようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技の進行に係る情報の視認性を確保しつつ第2示唆画像を表示できる。
(7)上記(1)から(6)のいずれかに記載の遊技機において、
前記特定条件とは異なる特殊条件が成立したときに特殊画像(例えばエラー表示)を表示可能であり、
前記特殊画像は、前記第1示唆画像及び前記第2示唆画像よりも表示優先度の高い表示層に表示される(例えば図10-8)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特殊画像を優先して視認させることができる。
(特徴部88AKに係る手段)
特徴部87AKは、以下に示す特徴部88AKを含んでいる。
(1)特徴部88AKに係る遊技機は、
遊技を行う遊技機(例えば特徴部88AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
特定状態に制御されていることを示唆する示唆画像(例えばラウンド表示)を表示する示唆画像表示手段(例えば演出制御用CPU120)と、
複数種類の特定条件(例えば保留内連チャンが継続している間の賞球数が予め定められた所定数となったことや保留連演出が実行されたこと)のいずれかの成立に応じて特定画像(例えば獲得賞球報知画像87AK05、「継続!」という文字画像87AK04)を表示し、該特定条件の成立を報知する報知手段(例えば演出制御用CPU120)と、を備え、
前記示唆画像表示手段は、前記示唆画像として、第1示唆画像(例えばラウンド表示87AK01)を表示しているときに、該第1示唆画像と対応した示唆を行う第2示唆画像(例えばラウンド表示87AK03)を表示可能であり、
前記第1示唆画像及び前記第2示唆画像が表示されているときに、前記特定条件が成立し前記特定画像が表示される場合、該特定画像よりも前記第2示唆画像を優先して表示するとともに、前記第1示唆画像よりも前記特定画像を優先して表示し(例えば図10-8)、
前記示唆画像表示手段は、
前記示唆画像を表示優先度が異なる複数の表示層(例えばレイヤ番号1~300の表示レイヤ)のいずれかに表示可能であり、
前記第1示唆画像を表示しているときに、前記第2示唆画像を表示する場合、該第1示唆画像を表示する表示層を、第1表示層(例えばレイヤ番号101の表示レイヤ)から該第1表示層よりも表示優先度の低い第2表示層(例えばレイヤ番号104の表示レイヤ)に変更し、
前記第1示唆画像を表示する表示層を前記第1表示層から前記第2表示層に変更する際に、一旦前記第1示唆画像を視認不可能とする(ステップ87AKS114の処理を実行する前にステップ87AKS113の処理でラウンド表示を消去する)。
このような構成によれば、追加して表示される第2示唆画像の視認性を確保でき、興趣の低下を抑制できる。また、特定画像の視認性も確保できる。また、違和感なく表示優先度を変更することができる。
(1)に記載の遊技機において、特徴部87AKに係る手段、構成を適宜採用してもよい。
(特徴部021AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部021AKについて説明する。本実施の形態の特徴部021AKにおけるパチンコ遊技機1では、有利状態に制御されるか否かを示唆する示唆演出において、第1検出手段による検出が可能となる場合と第2検出手段による検出が可能となる場合とがあり、第2検出手段による検出が可能となる場合の方が第1検出手段による検出が可能となる場合よりも有利状態に制御される割合が高くなっている。そして、通常状態において、有利状態に制御されることを報知する報知演出が実行された後に、第2検出手段による検出が可能となる第1演出と、通常状態よりも有利状態に制御されやすい特別状態において報知演出が実行された後に、第2検出手段による検出が可能となる第2演出と、を実行可能であり、第1演出と第2演出とでは、実行期間が異なる、という特徴を有している。以下、このような特徴を有する特徴部021AKにおけるパチンコ遊技機1について説明する。なお、上記基本説明で説明した部分と同様の部分については説明を省略するものとする。
図11-1は、この実施の形態の特徴部021AKにおける変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。可変表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。スーパーリーチ変動パターンには、可変表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに関わらず、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCといった態様のリーチ演出がある。この実施の形態における特徴部012AKでは、ノーマルリーチよりもスーパーリーチの方が「大当り」となる割合が高く、かつ、スーパーリーチCよりもスーパーリーチBの方が、スーパーリーチBよりもスーパーリーチAの方が(すなわち変動時間が長いほど)、「大当り」となる割合が高くなる(有利状態に制御される期待度が高くなる)よう設定されている。
図11-2は、この実施の形態の特徴部021AKにおける大当り種別決定テーブルの構成例を示している。当該大当り種別決定テーブルは、例えば、図5のステップS110において特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、可変表示態様を「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。図11-2に示すように、この実施の形態の特徴部021AKでは、8回のラウンド遊技が行われる大当り遊技状態(8ラウンド大当り状態)に制御され、大当り遊技状態が終了した後に時短状態に制御される「非確変(8R)」と、16回のラウンド遊技が行われる大当り遊技状態(16ラウンド大当り状態)に制御され、大当り遊技状態が終了した後に時短状態に制御される「非確変(16R)」と、8ラウンド大当り状態に制御され、大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される「確変(8R)」と、16ラウンド大当り状態に制御され、大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される「確変(16R)」と、2回のラウンド遊技が行われ、大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される「突確」といった大当り種別があり、図示するように、それぞれの大当り種別について、変動特図(可変表示対象の特別図柄)の種類に応じて異なる割合となるよう、判定値が割り当てられている。
なお、この実施の形態の特徴部021AKでは、第1特図よりも第2特図の方が、16ラウンド大当り状態となる割合が高くなるように判定値が割り当てられている。また、16ラウンド大当り状態や8ラウンド大当り状態に制御される大当り種別の場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限が「29秒」に設定されるとともに、ラウンド遊技の実行回数となる大入賞口の開放回数が、16ラウンド大当りの場合には「16回」に、8ラウンド大当りの場合には「8回」に、それぞれ設定される。これに対して、大当り種別が「突確」であることに対応して2ラウンド大当り状態に制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限が「0.5秒」に設定されるとともに、ラウンド遊技の実行回数となる大入賞口の開放回数が「2回」に設定される。
図11-3は、図7のステップS171において実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、例えば、主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)などに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS551)。特図表示結果が「ハズレ」となると判定した場合(ステップS551;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、主基板11から伝送された変動パターン判定結果指定コマンド(変動パターン判定結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)により指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(PA1-1、PA1-2)であるか否かを判定する(ステップS552)。
ステップS552の処理において非リーチ変動パターンであると判定した場合(ステップS552;Yes)、演出制御用CPU120は、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS553)。演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(非リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS552の処理において非リーチ変動パターンではないと判定された場合(ステップS552;No)、演出制御用CPU120は、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS554)。演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS551の処理において特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定した場合(ステップS551;No)、演出制御用CPU120は、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であるか、または、特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS555)。特図表示結果が「突確」または「小当り」であると判定した場合(ステップS555;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS556)。演出制御用CPU120は、例えば、変動パターン判定結果指定コマンドにより変動パターンPC1-1~PC1-3のいずれかが指定されたことに対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。チャンス目決定テーブルには、例えば、突確大当り用のチャンス目として奇数で構成される「3」・「5」・「7」、小当り用のチャンス目として偶数で構成される「2」・「4」・「6」などが設定されていればよい。
ステップS555の処理において特図表示結果が「突確」および「小当り」のいずれでもない判定した場合(ステップS555;No)、演出制御用CPU120は、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS557)。演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、主基板11から伝送された表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別に応じて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS555の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄が表示された後に遊技者にスティックコントローラ31Aを操作させるVコン操作演出を実行するためのVコン操作演出設定処理を行う(ステップ021AKS011)。この実施の形態の特徴部021AKにおけるVコン操作演出は、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄が表示されてから(大当り組合せを構成する飾り図柄が仮停止表示されてから)、当該確定飾り図柄が完全に停止するまでの期間に行われる。具体的に、Vコン操作演出は、図11-8(C)や図11-9(B)に示すように、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示され、大当りとなることが遊技者に報知された後、図11-8(F)や図11-10(D)や図11-11(D)に示すように、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが完全に停止するまでの期間に実行される演出であり、スティックコントローラ31Aの操作に対する遊技者の操作を有効とする演出である。
なお、Vコン操作演出は、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが完全に停止してから大当たり遊技状態となるまでの期間に実行されてもよい。また、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが完全に停止してから、大当り遊技状態となり大入賞口が開放状態となる前までの期間など、可変表示中から大当り遊技状態にまたがって実行されてもよい。また、例えば、Vコン操作演出が行われるタイミングを複数設け、当該実行タイミングに応じて設定値が示唆されるようにしてもよいし、確変状態に制御されるか否かが示唆されるようにしてもよい。また、Vコン操作演出は、大当りとなることが遊技者に報知された後に実行されればよく、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄が表示された後でなくても、例えば、大当りとなることを確定的に報知するプレミアム演出の後に実行されてもよい。
図11-4は、図11-3のステップ021AKS011で行われるVコン操作演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図11-4に示すVコン操作演出設定処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、例えば、主基板11から伝送されたコマンドから特定される遊技状態に基づいて、現在の遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(ステップ021AK021)。現在の遊技状態が確変状態でない場合(ステップ021AKS021;No)、演出制御用CPU120は、第1演出を実行するための第1演出実行設定を行い(ステップ021AKS022)、Vコン操作演出設定処理を終了する。すなわち、第1演出は、確変状態に制御されていない通常状態において実行される演出である。なお、例えば、確変制御が行われておらず、時短状態に制御されている時短状態である場合には、ステップ021AKS021にてYesと判定する(確変状態と同様に判定する)ようにすればよい。また、これとは別に、ステップ021AKS021にてNoと判定してもよい(通常状態と同様に判定してもよい)。また、時短状態を確変状態と同様に処理することは、後述するステップ021AKS013についても同様である。
ステップ021AKS021の処理にて設定される第1演出は、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示され、大当りとなることが遊技者に報知された後に実行されるVコン操作演出の一種であり、当該大当り報知後に遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作として、当該スティックコントローラ31Aを傾斜させる操作を検出可能とし、当該操作を検出したときに、図11-8に示すように、スーパーリーチのリーチ演出中に行われるバトル演出に関連した画像(図11-8(E)参照)を表示する演出である。この実施の形態における特徴部021AKでは、図11-8に示すように、当該第1演出において、スーパーリーチ中に行われていたバトル演出について、主人公が勝利することを示す画像を表示する例を示しているが、敵キャラクタを倒す画像(敵にとどめをさす画像)が表示されてから主人公が勝利することを示す画像が表示される。また、バトル演出に限られず、スーパーリーチ中に行われていた演出の結果を示すようなものであれば(スーパーリーチ中に行われていた演出に関連する画像であれば)、任意の画像であってもよい。
図11-4のステップ021AKS021にて現在の遊技状態が確変状態であると判定した場合(ステップ021AKS021;Yes)、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送されたコマンドから特定される可変表示結果(大当り種別)に基づいて、今回の大当りが16回のラウンド遊技が行われる大当りであるか否か、すなわち、「非確変(16R)」または「確変(16R)」といった16R大当りであるか否かを判定する(ステップ021AKS023)。
16R大当りである場合(ステップ021AKS023;Yes)、演出制御用CPU120は、成功する態様の第2演出を実行するための第2演出(成功)実行設定を行い(ステップ021AKS024)、Vコン操作演出設定処理を終了する。一方、16R大当りではなく8R大当りである場合(ステップ021AKS023;No)、演出制御用CPU120は、失敗する態様の第2演出を実行するための第2演出(失敗)実行設定を行い(ステップ021AKS025)、Vコン操作演出設定処理を終了する。
ステップ021AKS024またはステップ021AKS025の処理にて設定される第2演出は、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示され、大当りとなることが遊技者に報知された後に実行されるVコン操作演出の一種であり、当該大当り報知後に遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作として、スティックコントローラ31Aに設けられたトリガボタンに対する操作を検出可能とし、当該操作を検出したときに、所定の画像を表示する演出である。この実施の形態の特徴部021AKにおける第2演出は、成功態様と失敗態様とがあり、成功態様の第2演出が実行された場合には16R大当りであること、すなわち獲得可能な出玉が多いことが遊技者に示唆され、失敗態様の第2演出が実行された場合には8R大当りであること、すなわち獲得可能な出玉が少ないことが遊技者に示唆される。
この実施の形態の特徴部021AKにおける成功態様の第2演出では、図11-10(D)や図11-11(D)に示すように、敵の戦闘機を追撃する画像が表示される。一方、図示は省略しているが、失敗態様の第2演出では、敵の飛行機(敵機)を追撃できなかったことを示す画像が表示されればよい。
図11-4のステップ021AKS024では、図11-5(A)に示す第2演出決定テーブル(成功)に示す決定割合にしたがって、種類Aと種類Bのいずれかの第2演出を実行するかを決定する。また、ステップ021AKS025では、図11-5(B)に示す第2演出決定テーブル(失敗)に示す決定割合にしたがって、種類Aと種類Bのいずれかの第2演出を実行するかを決定する。この実施の形態の特徴部021AKにおける第2演出では、スティックコントローラ31Aに設けられたトリガボタンに対する操作(スティックコントローラ31Aに対する操作)として、図11-5に示すように、遊技者による長押し操作を検出する種類Aの第2演出と、連打操作を検出する種類Bの第2演出とがあり、連打操作を行う種類Bの第2演出の方が成功態様となる割合が高くなっている。したがって、実行される第2演出の種類に対する遊技者の注目を集めることができる。
なお、図11-4に示すステップ021AKS022の処理では、第1演出の実行期間についても設定される。また、同様に、ステップ021AKS024、およびステップ021AKS025の処理では、第2演出の実行期間についても設定される。具体的には、図11-6(A)に示すように、第1演出の実行期間は、第2演出の実行期間よりも短く設定される。これによれば、通常状態においては、大当り遊技状態へと素早く移行したように遊技者に見せることができ興趣の低下を抑制することができる。また、確変状態においては、大当り遊技状態となる確率が高くなっている中で、スティックコントローラ31Aに対する操作をただ行わせるだけでなく、実行期間を長く持つことにより遊技興趣を向上させることができる。なお、当該第1演出および第2演出といったVコン操作演出は、図11-6(B)に示すように、スティックコントローラ31Aの操作を有効に受け付ける有効期間であるVコン操作有効期間と、当該操作を検出した後に所定の画像を表示する期間である検出後表示期間とから構成される。図11-4に示すステップ021AKS022の処理では、第1演出の実行期間として、当該Vコン操作有効期間と検出後表示期間のいずれか、または両方を、第2演出におけるVコン操作有効期間と検出後表示期間よりも短くすることで、第1演出の実行期間を、第2演出の実行期間よりも短く設定する。なお、これとは異なり、第1演出の実行期間を、第2演出の実行期間よりも長く設定してもよい。第2演出の実行期間については、成功態様である場合も失敗態様である場合も同一の期間となっている。また、種類Aの第2演出も種類Bの第2演出も実行期間は共通である。図11-4に示す例では、Vコン操作演出として、第1演出が実行される場合も第2演出が実行される場合も、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示され大当りとなることが遊技者に報知された後、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが完全に停止するまでの期間に実行される例を示しているが、上述したように、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが完全に停止してから大当たり遊技状態となるまでの期間に実行されてもよい。また、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが完全に停止してから、大当り遊技状態となり大入賞口が開放状態となる前までの期間など、可変表示中から大当り遊技状態にまたがって実行されてもよい。
図11-3に戻り、ステップ021AKS011の処理またはステップS554の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、スーパーリーチの可変表示パターンであるか否かを判定する(ステップ021AKS012)。ステップ021AKS012では、主基板11から伝送された変動パターン判定結果指定コマンドを参照することにより、スーパーリーチの変動パターン(可変表示パターン)であるか否かを判定すればよい。
スーパーリーチの可変表示パターンである場合(ステップ021AKS012;Yes)、演出制御用CPU120は、操作演出の実行設定を行う(ステップ021AKS013)。具体的に、ステップ021AKS013では、操作演出の実行有無および実行する場合における操作演出の種類を、遊技状態と可変表示結果に応じて、図11-7(A)または(B)に示すいずれかの操作演出決定テーブルを参照して設定する。この実施の形態の特徴部021AKにおける操作演出は、スーパーリーチ演出の後半で、大当りするか否かのタイミングで行われる、所謂決めの演出である。具体的に、この実施の形態の特徴部021AKにおける操作演出は、最終停止図柄となる確定飾り図柄が表示される直前のタイミングで実行される演出であり、例えば、Vコン操作演出が実行される場合には、図11-8(C)や図11-9(B)に示す大当り組合せを構成する飾り図柄が仮停止表示される直前のタイミングで実行される。当該操作演出には、プッシュボタン31Bの操作を検出する種類と、スティックコントローラ31A(Vコン)の操作を検出する種類と、があり、図11-7に示すように、スティックコントローラ31A(Vコン)の操作を検出する種類の操作演出が実行された場合の方が、プッシュボタン31Bの操作を検出する種類の操作演出が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなっている。したがって、いずれの種類の操作演出が実行されるかに対する遊技者の注目を集めることができる。また、この実施の形態の特徴部021AKでは、図示するように、確変状態である場合には、通常状態である場合よりもスティックコントローラ31A(Vコン)の操作を検出する種類の操作演出が実行される割合が高くなっているが、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、確変状態の方が、通常状態よりもスティックコントローラ31A(Vコン)の操作を検出する種類の操作演出が実行される割合が低くして、確変状態である場合におけるスティックコントローラ31A(Vコン)の操作を検出する種類の操作演出の信頼度が高くなるようにしてもよい。なお、ステップ021AKS013では、プッシュボタン31Bの操作を検出する種類の操作演出が実行される場合には、当該操作を促進させる画像を表示する設定が、スティックコントローラ31A(Vコン)の操作を検出する種類の操作演出が実行される場合には、当該操作を促進させる画像を表示する設定が、それぞれ行われる。
図11-3に戻り、ステップ021AKS013の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS560)。演出制御用CPU120は、例えば、変動パターン判定結果指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップS161の保留表示設定処理による保留表示変化演出の実行設定に対応して、複数用意された演出制御パターン(保留表示変化パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、ステップS559にて特定演出を実行すると判定された場合には、特定演出を実行することに対応した演出制御パターン(特定演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS560の処理に続いて、演出制御用CPU120は、例えば、変動パターン判定結果指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS561)。そして、画像表示装置5の表示画面上において飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS562)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば、ステップS559の処理において決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDPに対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS562の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である「2」に更新してから(ステップS563)、可変表示開始設定処理を終了する。
図11-8は、Vコン操作演出として第1演出が実行される場合の演出動作例を示している。図11-8(A)に示すように、スーパーリーチのリーチ演出として主人公キャラクタC1と敵キャラクタC3とがバトルするバトル演出が開始され、図11-8(B)に示すように、それぞれのキャラクタがバトルを行う。そして、図示は省略しているが、決めの演出としての操作演出が実行され(操作演出の実行設定がなされていない場合には実行されない)、遊技者によるプッシュボタン31Bの操作またはスティックコントローラ31A(Vコン)の操作を検出すると、図11-8(C)に示すように、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示され大当りとなることが遊技者に報知される。続いて第1演出の実行タイミングとなると、図11-8(D)に示すように、遊技者に対しスティックコントローラ31Aを傾斜させる操作を促す促進画像が表示され、当該操作を検出すると、敵キャラクタを倒す画像(敵にとどめをさす画像)が表示され、図11-8(E)に示すように主人公が勝利することを示す画像が表示される。なお、図示は省略しているが、例えば、主人公の敵キャラクタの倒し方が複数態様あり、いずれの態様の倒し方で敵キャラクタを倒したかに応じて大当り種別が示唆されてもよい。また、設定値が示唆されてもよい。これによれば、いずれの態様の倒し方で敵キャラクタが倒されるかに対する遊技者の注目を集めることができる。また、これとは別に、遊技者の操作を促す促進画像の態様を複数設け、いずれの態様の促進画像が表示されるかに応じて大当り種別または設定値が示唆されてもよい。これによれば、いずれの態様の促進画像が表示されるかに対する遊技者の注目を集めることができる。そして、可変表示の終了タイミングとなると、図11-8(F)に示すように、確定飾り図柄が完全に停止する。なお、図示する例では、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示された後は、図11-8(D)、(E)に示すように当該飾り図柄が揺れながら継続して表示される例を示したが、図11-9~図11-11に示すように、再度変動するようにしてもよい。大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示することにより、大当りとなることが遊技者に報知されさえすれば、その後は当該種類の飾り図柄が表示され続けなくてもよい(最終的に大当り図柄が再度完全停止すればよい)。また、例えば、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示された後に、再度変動を行い、確変図柄が完全停止する確変昇格の演出が実行されてもよい。これによれば遊技者の期待感を向上させることができる。なお、促進画像を表示する設定については、ステップ021AKS022の第1演出実行設定にて行われればよい。
図11-9~図11-11は、Vコン操作演出として第2演出が実行される場合の演出動作例を示している。具体的には、種類Aおよび種類Bの成功態様の第2演出が実行された場合の演出動作例を示している。図11-9(A)に示すようにリーチ状態となった後、図11-9(B)に示すように大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示され大当りとなることが遊技者に報知される。なお、図11-9(A)~図11-9(B)については、図11-8(A)~図11-8(C)と同様であってよい(バトル演出や操作演出が実行され、バトル演出については、仮停止表示前の操作演出にて敵キャラクタを倒す画像が表示されればよい)。そして、種類A、すなわちスティックコントローラ31Aに設けられたトリガボタンを長押しする種類の第2演出の実行タイミングとなると、図11-9(C1)に示すように、遊技者に対しスティックコントローラ31Aを操作するとともに、トリガボタンを長押しすることを促す促進画像が表示される。その後、例えば図11-9(D1)に示すような演出画像が画像表示装置5の表示領域に表示されるとともに、スティックコントローラ31Aに対する各種操作を有効に検出するトリガボタン有効検出期間となる。促進画像を表示する設定については、ステップ021AKS024およびステップ021AKS025の第2演出実行設定にて行われればよい。
図11-9(D1)に示す表示動作が行われた後には、例えば図11-10(A1)に示すように、飛来する飛行機(敵機)を狙う照準(スコープ)の演出画像を、表示位置の変更が可能となるように表示する。この演出画像は、図11-10(A2)に示すようなスティックコントローラ31Aに対する傾倒操作に応じて、表示位置が変更可能に切換表示される。一例として、コントローラセンサユニット35Aに含まれる傾倒方向センサユニットにおいて、垂直センサ対により操作桿が遊技者からみて奥側へと傾倒されたことを検出したときには、画像表示装置5の表示領域において照準が上方向へと移動する一方、手前側へと傾動されたことを検出したときには、照準が下方向へと移動するように、演出画像が切換表示される。また、傾倒方向センサユニットにおいて、平行センサ対により操作桿が遊技者からみて左側へと傾倒されたことを検出したときには、照準が左方向へと移動する一方、右側へと傾動されたことを検出したときには、照準が右方向へと移動するように、演出画像が切換表示される。垂直センサ対と平行センサ対の双方により操作桿の傾倒操作が検出されたときには、各センサ対での検出結果を組み合わせた方向(例えば左上方向など)へと照準が移動するように、演出画像が切換表示される。なお、照準の表示位置を変更可能に切換表示するものではなく、例えば操作桿が手前側へと傾倒されたときには自己の飛行機(自機)が上向きになることに対応した演出画像の切換表示といった、傾倒操作の検出結果に対応した任意の演出動作が実行されてもよい。こうした演出動作を実現するための処理は、例えば図7のステップS172における可変表示中演出処理内にて実行されればよい。
そして、例えば図11-10(B1)に示すように、敵機に照準が合致した段階で、図11-10(B2)に示すようにスティックコントローラ31Aの操作を停止することで、敵機を打ち落とすための照準を定めることができればよい。このとき、例えば図11-10(C2)に示すようにトリガボタンに対する1回の長押し操作がなされたことに対応して、例えば図11-10(C1)に示すように砲弾を1回発射する演出画像が表示される。続いて、例えば図11-10(D)に示すような敵機が撃墜される演出画像とともに、「7」の数字を示す飾り図柄を揃って「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに停止表示することなどにより、確変大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されればよい。なお、図示する例では、大当りを構成する停止飾り図柄の組合せが一旦仮停止表示された後に、再度変動を行い、確変図柄が完全停止する確変昇格の演出が実行される例を示したが、図11-10と同様に、「6」の飾り図柄の表示が継続するようにしてもよく(種類Bの第2演出についても同様)、最終的に「6」の飾り図柄の組合せが完全に停止するようにしてもよい。
一方、種類B、すなわちスティックコントローラ31Aに設けられたトリガボタンを連打する種類の第2演出の実行タイミングとなると、図11-9(C2)に示すように、遊技者に対しスティックコントローラ31Aを操作するとともに、トリガボタンを連打(連射)することを促す促進画像が表示される。その後、例えば図11-9(D1)に示すような演出画像が画像表示装置5の表示領域に表示されるとともに、スティックコントローラ31Aに対する各種操作を有効に検出するトリガボタン有効検出期間となる。
図11-9(D2)に示す表示動作が行われた後には、例えば図11-11(A1)に示すように、飛来する飛行機(敵機)を狙う照準(スコープ)の演出画像を、表示位置の変更が可能となるように表示する。この演出画像は、図11-11(A2)に示すようなスティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒操作に応じて、表示位置が変更可能に切換表示される。そして、例えば図11-11(B1)に示すように、敵機に照準が合致した段階で、図11-11(B2)に示すようにスティックコントローラ31Aの操作を停止することで、敵機を打ち落とすための照準を定めることができればよい。このとき、例えば図11-11(C2)に示すようにトリガボタンに対する複数回の押引操作(連打操作)がなされたことに対応して、例えば図11-11(C1)に示すように砲弾を複数回発射する演出画像が表示される。そして、例えばトリガボタンに対する指示操作の検出回数(合計回数)が所定回数に達したことに応じて、図11-11(D)に示すような敵機が撃墜される演出画像とともに、「7」の数字を示す飾り図柄を揃って「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに停止表示することなどにより、確変大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されればよい。
以上説明したように、この実施の形態における特徴部021AKのパチンコ遊技機1によれば、以下の効果を奏することができる。
演出制御用CPU120は、有利状態としての大当り遊技状態に制御されるか否かを示唆するスーパーリーチのリーチ演出中に、操作演出が実行され、第1検出手段としてプッシュボタン31Bの操作の検出が可能となる場合(プッシュセンサ35Bが有効となる場合)と第2検出手段としてスティックコントローラ31Aの操作の検出が可能となる場合(コントローラセンサユニット35Aが有効となる場合)とがあり、第2検出手段による検出が可能となる場合の方が第1検出手段による検出が可能となる場合よりも大当り遊技状態に制御される割合が高くなっている。そして、通常状態において、大当り組合せを構成する飾り図柄が仮停止表示され、大当り遊技状態に制御されることが遊技者に報知された後に、第2検出手段による検出が可能となる第1演出と、通常状態よりも大当り状態に制御されやすい確変状態において大当り組合せを構成する飾り図柄が仮停止表示され、大当り遊技状態に制御されることが遊技者に報知された後に、第2検出手段による検出が可能となる第2演出と、を実行可能であり、第1演出の実行期間は第2演出の実行期間よりも短くなっている。これによれば、大当り遊技状態に制御されることが報知された後に第2検出手段による検出期間を設けることで第2検出手段による検出頻度を向上させることができるとともに、通常状態と確変状態とで検出対象となる動作を異ならせることで変化が生じるため、遊技興趣の低下を防止することができる。
また第1演出にて検出される遊技者の操作がスティックコントローラ31Aを傾斜させる操作であり、第2演出にて検出される遊技者の操作はスティックコントローラ31Aに設けられたトリガボタンに対する操作であるなど、第1演出と第2演出とでは、第2検出手段にて検出される遊技者の動作が異なっている。これによれば、報知演出の後に第2検出手段による検出期間を設けることで第2検出手段による検出頻度を向上させることができるとともに、通常状態と確変状態とで検出対象となる動作を異ならせることで変化が生じるため、遊技興趣の低下を防止することができる。
また、図11-7(B)に示すように、通常状態において、第1検出手段としてプッシュボタン31Bの操作の検出が有効となる場合の方が、第2検出手段としてスティックコントローラ31Aの操作の検出が有効となる場合よりも割合が高い。すなわち、通常状態では、第1検出手段よる検出が可能となる頻度よりも第2検出手段による検出が可能となる頻度が少なくなっている。これによれば、第2検出手段に対する動作が貴重であることを遊技者に意識付けることができ、第2検出手段に対して動作を行うことで遊技興趣を向上させることができる。
一方、図11-7(A)に示すように、確変状態では、通常状態よりも第2検出手段としてスティックコントローラ31Aの操作の検出が有効となる割合が高くなっている。すなわち、確変状態では、通常状態よりも第2検出手段よる検出が可能となる頻度が多い。これによれば、確変状態に制御されていることに対し遊技者に優越感を与えることができる。
また、図11-5に示すように、種類Aと種類Bといった複数種類の第2演出があり、いずれの種類の第2演出も実行期間は共通である。したがって、共通の演出期間内における遊技興趣を向上させることができる。
(特徴部021AKの変形例)
上記実施の形態の特徴部021AKでは、Vコン操作演出において図11-8(D)や図11-9(C1)および(C2)に示すように、遊技者に対してスティックコントローラ31Aの操作を促す促進画像を表示する例を示したが、これは一例である。スティックコントローラ31Aの操作を促す促進画像を複数態様設け、当該Vコン操作演出において、確変状態であるか通常状態であるかに応じてそれぞれ複数態様の促進画像からいずれの促進画像を表示するかを異なる割合で決定するようにしてもよい。これによれば、促進演出のバリエーションを増加させて遊技興趣を向上させることができる。なお、上述したように、促進画像の態様に応じて大当り種別や設定値が示唆されるようにしてもよい。これによれば、いずれの態様の促進画像が表示されるかに対する遊技者の注目を集めることができる。複数態様の促進画像については、例えば、検出する操作の種類に応じても、色や大きさ、など態様が異なるようにしてもよい。さらに、通常状態では、通常態様の促進画像が表示される割合が高く、確変状態では、金色や虹色などの特別態様の促進画像が、通常態様の促進画像よりも高い割合で表示されるようにしてもよい。
また、上記実施の形態の特徴部021AKでは、操作演出が所謂決めの演出である例を示したが、所謂決めの演出とは別の特定のタイミング(例えばスーパーリーチに発展するタイミングなど)において、プッシュボタン31またはスティックコントローラ31Aの操作を要求する所定演出が実行されてもよい。この場合、上記実施の形態と同様に、スティックコントローラ31Aの操作を要求する所定演出が実行された場合の方が、プッシュボタン31の操作を要求する所定演出が実行された場合よりも大当り期待度が高ければよい。そして、当該特定のタイミングにおいてプッシュボタン31の操作を要求する所定演出が実行された場合には、設定されている設定値を示唆する設定示唆演出が実行されればよい。具体的には、当該プッシュボタン31の操作を検出した後に、設定値を示唆する画像を表示すればよい。これによれば、大当り期待度の低い方の検出手段に対する動作が有効となった場合の残念感を軽減することができる。なお、上記実施の形態の特徴部021AKにおける操作演出を、例えばスーパーリーチに発展するタイミングに行われる演出とし、当該所定演出を、所謂決めの演出としてもよい。この場合において、スティックコントローラ31Aの操作を要求する所定演出が実行された場合には大当り確定とし、プッシュボタン31の操作を要求する所定演出が実行された場合には、設定されている設定値を示唆する設定示唆演出が実行されてもよい。
また、上記実施の形態の特徴部021AKでは、第1演出の実行期間が第2演出の実行期間よりも短い例を示したが、これとは反対に、第2演出の実行期間が第1演出の実行期間よりも短くてもよい。これによれば、大当り遊技状態となる確率の低い通常状態において、実行頻度の低い第2検出手段に対する操作を行わせる演出が長い期間行われることで、遊技興趣を向上させ、確変状態においては当該期間を短くして大当り遊技状態へと素早く移行させることができる。
また、上記実施の形態の特徴部021AKでは、種類Aの第2演出も種類Bの第2演出も、いずれも飛来する飛行機(敵機)を狙う演出が実行される例を示した(図11-9~図11-11)が、第2演出の種類に応じて異なる内容の演出が実行されるようにしてもよい。また、上記実施の形態の特徴部021AKでは、種類Aと種類Bの2種類の第2示唆演出が設けられている例を示したが、例えば、種類Cなど、3種類であってもよく、この場合には、例えば10R大当りといった大当り種別を設け、種類A<種類B<種類Cの順に獲得可能な出玉数が多くなるよう、8R大当りの場合には種類Aの第2演出が、10R大当りの場合には種類Bの第2演出が、16R大当りの場合には種類Cの第2演出が、それぞれ高い割合で実行されるようにしてもよい。これによれば、第2演出にバリエーションを持たせることができ、かついずれの種類の第2演出が実行されるかに対する遊技者の注目を集めることができる。なお、例えば、種類Aではスティックコントローラ31Aに設けられたトリガボタンを1度単発で押下する操作が、種類Bでは当該トリガボタンを連打する操作が、種類Cでは当該トリガボタンを長押しする操作が、それぞれ検出されればよい。
(特徴部021AKに係る手段)
(1)特徴部021AKに係る遊技機は、
可変表示を行い遊技者にとって有利な有利状態に制御可能であり、通常状態と、該通常状態よりも前記有利状態に制御されやすい特別状態に制御可能な遊技機(例えば特徴部021AKに係るパチンコ遊技機1など)であって、
遊技者の動作を検出可能な第1検出手段(例えばプッシュセンサ35Bなど)と、
遊技者の動作を検出可能であり、前記第1検出手段とは異なる第2検出手段(例えばコントローラセンサユニット35Aなど)と、
前記有利状態に制御されることを報知する報知演出を実行可能な報知演出手段(例えば大当り組合せを構成する飾り図柄を仮停止表示する演出制御用CPU120など)と、
前記報知演出手段による前記報知演出より前に前記有利状態に制御されるか否かを示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(例えばスーパーリーチのリーチ演出を実行する演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記示唆演出において、前記第1検出手段による検出が可能となる場合と前記第2検出手段による検出が可能となる場合とがあり(例えば操作演出を実行可能であり)、前記第2検出手段による検出が可能となる場合の方が前記第1検出手段による検出が可能となる場合よりも前記有利状態に制御される割合が高く(例えばスティックコントローラ31A(Vコン)の操作を検出する種類の操作演出が実行された場合の方が、プッシュボタン31Bの操作を検出する種類の操作演出が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなっているなど)、
前記通常状態において前記報知演出が実行された後に前記第2検出手段による検出が可能となる第1演出と、前記特別状態において前記報知演出が実行された後に前記第2検出手段による検出が可能となる第2演出と、を実行可能であり(例えば通常状態においては第1演出を実行し、確変状態においては第2演出を実行可能であるなど)、
前記第1演出と前記第2演出とでは、実行期間が異なる(例えば第1演出の方が第2演出よりも実行期間が短いなど)、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、報知演出の後に第2検出手段による検出期間を設けることで第2検出手段による検出頻度を向上させることができるとともに、通常状態と特別状態とで検出対象となる動作を異ならせることで変化が生じるため、遊技興趣の低下を防止することができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記通常状態では、前記第1検出手段による検出が可能となる頻度よりも前記第2検出手段による検出が可能となる頻度が少ない(例えば図11-7(B)に示すように、通常状態において、第1検出手段としてプッシュボタン31Bの操作の検出が有効となる場合の方が、第2検出手段としてスティックコントローラ31Aの操作の検出が有効となる場合よりも割合が高いなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、第2検出手段に対する動作が貴重であることを遊技者に意識付けることができ、第2検出手段に対して動作を行うことで遊技興趣を向上させることができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記特別状態では、前記通常状態よりも前記第2検出手段による検出が可能となる頻度が多い(例えば、図11-7(A)に示すように、確変状態では、通常状態よりも第2検出手段としてスティックコントローラ31Aの操作の検出が有効となる割合が高くなっているなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、特別状態に制御されていることに対し遊技者に優越感を与えることができる。
(4)上記(1)~(3)のいずれか1つに記載の遊技機において、
前記第2演出は複数パターンあり、いずれのパターンの前記第2演出も演出期間は共通である(例えば種類Aの第2演出も種類Bの第2演出も実行期間は共通であるなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、共通の演出期間内における遊技興趣を向上させることができる。
(5)上記(1)~(4)のいずれか1つに記載の遊技機において、
前記第2検出手段に対する動作を促す促進演出を実行可能であり(例えば遊技者に対してスティックコントローラ31Aの操作を促す促進画像を表示するなど)、
前記促進演出は複数種類あり、前記通常状態と前記特別状態とでいずれの種類の前記促進演出が実行されるかの割合が異なる(確変状態であるか通常状態であるかに応じてそれぞれ複数態様の促進画像からいずれの促進画像を表示するかを異なる割合で決定するなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、促進演出のバリエーションを増加させて遊技興趣を向上させることができる。
(6)上記(1)~(5)のいずれか1つに記載の遊技機において、
前記有利状態に制御される確率が異なる複数段階の設定値のうちいずれかの設定値に設定可能な設定手段(例えば遊技制御メイン処理を実行するCPU103など)をさらに備え、
前記通常状態において前記報知演出および前記示唆演出とは異なる所定演出を実行可能であり、前記所定演出における特定のタイミングにおいて、前記第1検出手段または前記第2検出手段による検出が可能となり(例えば所定演出を実行するなど)、
前記特定のタイミングにおいて前記第1検出手段による検出が可能となった場合には、設定されている前記設定値を示唆する設定示唆演出を実行する(例えば特定のタイミングにおいてプッシュボタン31の操作を要求する所定演出が実行された場合には、設定されている設定値を示唆する設定示唆演出が実行されるなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、第1検出手段に対する動作が有効となった場合の残念感を軽減することができる。
(特徴部の関連づけに係る説明)
特徴部に関する各構成は、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。このように組み合わせられた特徴部、あるいは、組み合わせられていない個別の特徴部について、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。例えば、特徴部021AKの操作演出やVコン操作演出に関する画像が、特徴部87AKの特定画像であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。