JP2021006664A - アクチュエータ、およびアクチュエータの製造方法 - Google Patents

アクチュエータ、およびアクチュエータの製造方法 Download PDF

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寿平 入澤
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賢太郎 ▲高▼木
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靖博 田邊
Yasuhiro Tanabe
靖博 田邊
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Kazunari TAKESHIGE
一成 武重
玄太 土井
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拓磨 山内
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拓磨 山内
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Seiichiro Washino
誠一郎 鷲野
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Eitaro Tanaka
田中  栄太郎
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Abstract

【課題】新たな高分子繊維のアクチュエータを提供する。【解決手段】アクチュエータ10は、高分子繊維12と、高分子繊維12の長さ方向に引張応力を加える応力印加部14と、高分子繊維12を加熱及び冷却して、高分子繊維12を伸縮駆動する加熱冷却部16と、を備える。応力印加部14は、高分子繊維12の伸縮駆動後に、高分子繊維12がその伸縮駆動前の長さに戻るか又は近づく引張応力を高分子繊維12に加えるように設定されている。【選択図】図1

Description

本開示は、アクチュエータ、およびアクチュエータの製造方法に関する。
近年、加熱および冷却の繰り返しにより伸縮駆動する高分子繊維を含むアクチュエータの開発が進んでいる。例えば、特許文献1には、コイル状にした高分子繊維からなるアクチュエータが開示されている。また、非特許文献1には、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)繊維を含む、より低温で駆動可能なアクチュエータが開示されている。
国際公開第2014/022667号
Scientific Reports 6: 36358. DOI: 10.1038/srep36358
高分子繊維は通常、加熱により熱収縮する性質を有することが知られている。しかしながら、熱収縮させた高分子繊維を冷却しても、その長さは加熱前の繊維の長さに戻らない。そこで、駆動を繰り返しても冷却後に加熱前の繊維の長さに戻るアクチュエータが望まれている。
本開示はこうした状況に鑑みてなされており、新たな高分子繊維のアクチュエータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示のある態様のアクチュエータは、高分子繊維と、
高分子繊維の長さ方向に引張応力を加える応力印加部と、
高分子繊維を加熱及び冷却して、高分子繊維を伸縮駆動する加熱冷却部と、を備え、
応力印加部は、高分子繊維の伸縮駆動後に、高分子繊維がその伸縮駆動前の長さに戻るか又は近づく引張応力を高分子繊維に加えるように設定されている。
本開示によれば、新たな高分子繊維のアクチュエータを提供できる。
実施の形態に係るアクチュエータの構成を示す概略図である。 図2(A)および図2(B)は、実施形態のアクチュエータの動作を説明する図である。 図3は、実施例1のナイロン6繊維の荷重下熱伸縮試験の結果を示すグラフである。 図4は、実施例2のナイロン6繊維の荷重下熱伸縮試験の結果を示すグラフである。 図5は、実施例3のナイロン6繊維の荷重下熱伸縮試験の結果を示すグラフである。 図6は、実施例4のポリプロピレン繊維の荷重下熱伸縮試験の結果を示すグラフである。 図7は、実施例5のポリプロピレン繊維の荷重下熱伸縮試験の結果を示すグラフである。 図8は、実施例6のポリプロピレン繊維の荷重下熱伸縮試験の結果を示すグラフである。 図9は、実施例7のポリエステル繊維の荷重下熱伸縮試験の結果を示すグラフである。 図10は、実施例8のポリエステル繊維の荷重下熱伸縮試験の結果を示すグラフである。 図11は、実施例9のポリエステル繊維の荷重下熱伸縮試験の結果を示すグラフである。
本開示のある態様のアクチュエータは、高分子繊維と、
高分子繊維の長さ方向に引張応力を加える応力印加部と、
高分子繊維を加熱及び冷却して、高分子繊維を伸縮駆動する加熱冷却部と、を備え、
応力印加部は、高分子繊維の伸縮駆動後に、高分子繊維がその伸縮駆動前の長さに戻るか又は近づく引張応力を加えるように設定されている。
本開示の別の態様もアクチュエータである。このアクチュエータは、ナイロンを溶融紡糸した後、2.5倍以上の延伸倍率で延伸することによって形成されたナイロン繊維と、
ナイロン繊維の長さ方向に2.5MPa以上の引張応力を加える応力印加部と、
ナイロン繊維を加熱及び冷却して、ナイロン繊維を伸縮駆動する加熱冷却部と、を備える。
本開示のさらに別の態様も、アクチュエータである。このアクチュエータは、ポリプロピレンを溶融紡糸した後、3倍以上の延伸倍率で延伸することによって形成されたポリプロピレン繊維と、
ポリプロピレン繊維の長さ方向に2.3MPa以上の引張応力を加える応力印加部と、
ポリプロピレン繊維を加熱及び冷却して、ポリプロピレン繊維を伸縮駆動する加熱冷却部と、を備える。
本開示のさらに別の態様もまた、アクチュエータである。この態様のアクチュエータは、ポリエステルを溶融紡糸した後、2.5倍以上の延伸倍率で延伸することによって形成されたポリプロピレン繊維と、
ポリエステル繊維の長さ方向に2MPa以上の引張応力を加える応力印加部と、
ポリエステル繊維の周囲を加熱及び冷却して、ポリエステル繊維を伸縮駆動する加熱冷却部と、を備える。
本開示の他の態様は、アクチュエータの製造方法である。この方法は、所定の延伸倍率で延伸処理した高分子繊維に対し、その長さ方向に荷重または引張応力を初期設定する方法である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。
(アクチュエータ)
図1は、実施の形態に係るアクチュエータ10の構成を示す。アクチュエータ10は、高分子繊維12と、高分子繊維12の長さ方向に引張応力を加える応力印加部14と、高分子繊維12を加熱及び冷却して、高分子繊維12を伸縮駆動する加熱冷却部16と、を備える。図1のアクチュエータ10は、高分子繊維12の一端を固定する固定部18を含む基部20をさらに備える。
高分子繊維12としては、高分子から形成された天然繊維、合成繊維、半合成繊維が挙げられる。天然繊維の例としては、綿、絹、麻、羊毛、蜘蛛糸等が挙げられる。半合成繊維の例としては、セルロース系繊維(アセテート等)、タンパク質系繊維(プロミックス)等が挙げられる。合成繊維の例としては、ナイロン・ポリアミド系繊維(PA6、PA66等)、ポリエステル繊維(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、アクリル系繊維(ポリアクリロニトリル等)、ポリビニルアルコール系繊維(ビニロン),ポリオレフィン系繊維(ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリウレタン系繊維、芳香族系高分子繊維(アラミド系繊維、ポリベンズイミダーゾール、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾール、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド等)などが挙げられる。
図1のアクチュエータ10では、高分子繊維12の形状は単繊維状であり、アクチュエータ中の高分子繊維12の数は1本である。アクチュエータ10は、平行に配置した2本以上の高分子繊維12を備えてもよい。また、高分子繊維12の形状を変更してもよい。高分子繊維12の形状の例としては、撚り糸、織布等が挙げられる。
図1において、高分子繊維12の一端は、固定部18によって基部20に固定されている。高分子繊維12の他端は応力印加部14に接続されている。応力印加部14は、高分子繊維12の伸縮駆動後に、高分子繊維12がその伸縮駆動前の長さに戻るか又は近づく引張応力を印加するように設定されている。応力印加部14に設定する引張応力の大きさは、高分子繊維12を構成する高分子の種類と、高分子繊維12の長さ方向の分子の配向度に応じて変動する。この引張応力の大きさは、当業者であれば、高分子繊維ごとに決定することができる。また、この引張応力はアクチュエータそのものの出力を表す。高分子繊維12の分子の配向度を高くすると、高分子繊維12に加える引張応力、すなわちアクチュエータの出力を増大させることができる。また、分子の配向緩和を抑制する効果も期待できるため、伸縮量や強度、寿命等の性能低下を防ぐことができる。
高分子繊維12の長さ方向の分子の配向度は、高分子繊維12の製造時に延伸処理を行うことによって、変えることができる。合成繊維および半合成繊維の延伸処理は、繊維の原料からの紡糸時に行うことができ、または紡糸後の繊維を延伸することによって行うことができる。紡糸時の延伸処理として、例えば、高速紡糸を行って延伸処理と紡糸を同時に行うことが挙げられる。天然繊維は、その改修後にストレッチを行うことによって、その分子を配向させることができる。
具体的に、高分子繊維12の種類と、応力印加部14に設定される引張応力の組み合わせの例は、下記の通りである。
(1)ナイロンを溶融紡糸した後、2.5倍以上の延伸倍率で延伸することによって形成されたナイロン繊維と、2.5MPa以上の引張応力。好ましくは、延伸倍率は5倍以下である。好ましくは、引張応力は33MPa以下である。
(2)ポリプロピレンを溶融紡糸した後、3倍以上の延伸倍率で延伸することによって形成されたポリプロピレン繊維と、2.3MPa以上の引張応力。好ましくは、延伸倍率は10.5倍以下である。好ましくは、引張応力は20MPa以下である。
(3)ポリエステルを溶融紡糸した後、2.5倍以上の延伸倍率で延伸することによって形成されたポリプロピレン繊維と、2MPa以上の引張応力。好ましくは、延伸倍率は5.5倍以下である。好ましくは、引張応力は11MPa以下である。
図1では、加熱冷却部16は、高分子繊維12全体を加熱または冷却することができるように基部20上に配置されている。加熱冷却部16による加熱及び冷却によって、高分子繊維12が伸縮駆動される。ここで、「冷却」は、加熱によって上昇した温度を加熱前の温度まで冷却器等を使用して下げること、または加熱に使用した加熱器の動作を止めることによって、高分子繊維12から熱を放熱させることを意味する。したがって、加熱冷却部16は、加熱器のみを有してもよい。また、加熱冷却部16は、加熱器と冷却器の両方を有してもよい。
次に、アクチュエータ10の動作について説明する。加熱冷却部16によって、高分子繊維12が加熱されると、高分子繊維12は、その種類に応じて、その長さ方向に収縮または伸張する。以下、例として、高分子繊維12が加熱によって収縮し、冷却によって伸張する場合のアクチュエータ10の動作について説明する。
図2(A)は、加熱前のアクチュエータ10を示す。図2(A)中、Lは加熱前の高分子繊維12の長さを示す。図2(B)は、加熱した後のアクチュエータ10を示す。図2(B)中、加熱された高分子繊維12は収縮し、その長さLは、加熱前の長さLより短くなる。冷却後、高分子繊維12は伸張し、その長さは図2(A)に示すLの長さに戻るか、又はLの長さに近づく。
応力印加部14によって所定の引張応力を高分子繊維12に印加することによって、高分子繊維12は、加熱および冷却により、安定した伸縮を繰り返す。ここで、「安定した伸縮の繰り返し」とは、高分子繊維12が加熱によって収縮し続いて冷却によって伸張した後、或いはその逆に高分子繊維12が加熱によって伸張し続いて冷却によって収縮した後、その長さが加熱および冷却前の長さに戻るかまたは近づくのを、加熱および冷却の一サイクルごとに繰り返すことを意味する。
加熱温度は、高分子繊維12の種類に応じて適宜設定することができる。より具体的には、加熱温度の範囲は、高分子繊維12を構成する高分子のガラス転移温度を超え、かつその融点を超えない温度である。例えば、ナイロン6繊維の場合、加熱温度の範囲は、150〜200℃であるのが好ましい。また、ポリプロピレン繊維の場合、加熱温度の範囲は、100〜150℃であるのが好ましい。ポリエステル繊維の場合、加熱温度の範囲は、150〜220℃であるのが好ましい。
高分子繊維12の長さ方向に所定の引張応力を与えるように応力印加部14を設定した後、高分子繊維12を伸縮駆動させる前に、前処理として高分子繊維12の加熱および冷却を1回行ってもよい。このような加熱および冷却の前処理を行うことによって、駆動後に高分子繊維12の長さがその駆動前の長さに戻るか、またはより近づくようにすることができる。
(アクチュエータの製造方法)
本実施の形態に係るアクチュエータの製造方法は、所定の延伸倍率で延伸処理した高分子繊維に対し、その長さ方向に荷重または引張応力を初期設定する方法である。本実施の形態では、荷重または引張応力は、アクチュエータにおける高分子繊維の加熱および冷却による伸縮駆動後に、高分子繊維がその伸縮駆動前の長さに戻るか又は近づくように初期設定される。初期設定する荷重または引張応力の大きさは、アクチュエータそのものの出力を表す。該荷重または該引張応力の大きさ、すなわちアクチュエータの出力は、高分子繊維の延伸処理時の延伸倍率の大きさを変えることで変更できる。具体的には、延伸倍率を大きくすることによって、初期設定する荷重または引張応力、すなわちアクチュエータの出力を増加させることができる。
本実施の形態のアクチュエータの製造方法では、高分子繊維の種類は特に限定されず、上記アクチュエータの実施の形態で説明したのと同様に、高分子から形成された天然繊維、合成繊維および半合成繊維が挙げられる。ここで、本実施の形態における「延伸倍率」は、高分子繊維が合成繊維または半合成繊維である場合には、紡糸後の繊維の延伸処理時の延伸倍率を指す。この「延伸倍率」は、高分子繊維が天然繊維である場合には、その改修後のストレッチ時の延伸倍率を指す。
以下、本実施の形態を実施例によってさらに詳細に説明するが、これらの実施例は本開示を何ら限定するものではない。
(実施例1:ナイロン6繊維(延伸倍率2.5倍)の作成)
ナイロン6(PA6)繊維の原料として、押し出しブロー成型用の超高粘度PA6ペレット(ユニチカM1040)を用いた。PA6のガラス転移温度は48.5℃、融点は223℃である。PA6ペレットを溶融温度240℃で溶融し、紡糸した。その後、紡糸した繊維を2.5倍の延伸倍率で延伸した。作成した実施例1のPA6繊維の単繊維引張試験を実施したところ、引張弾性率および強度はそれぞれ、2.6GPaと253MPaであり、結晶化度を示差走査熱量計(DSC)によって測定したところ、26.4%であった。
(実施例2:ナイロン6繊維(延伸倍率4倍)の作成)
紡糸した繊維の延伸時の延伸倍率を4倍とした以外は実施例1と同様にして実施例2のPA6繊維を得た。作成したPA6繊維の単繊維引張試験を実施したところ、引張弾性率および強度はそれぞれ、3.2GPaと436MPaであり、結晶化度を示差走査熱量計(DSC)によって測定したところ、26.8%であった。
(実施例3:ナイロン6繊維(延伸倍率5倍)の作成)
紡糸した繊維の延伸時の延伸倍率を5倍とした以外は実施例1と同様にして実施例3のPA6繊維を得た。作成したPA6繊維の単繊維引張試験を実施したところ、引張弾性率および強度はそれぞれ、3.8GPaと528MPaであり、結晶化度を示差走査熱量計(DSC)によって測定したところ、27.2%であった。
(実施例4:ポリプロピレン繊維(延伸倍率3倍)の作成)
ポリプロピレン(PP)繊維の原料として、PPペレット(プライムポリマーY-400GP)を用いた。PPのガラス転移温度は0℃、融点は162℃である。PPペレットを溶融温度210℃で溶融し、紡糸した。その後、紡糸した繊維を3倍の延伸倍率で延伸した。作成した実施例4のPP繊維の単繊維引張試験を実施したところ、引張弾性率・強度はそれぞれ、4.4GPaと289MPaであり、結晶化度を示差走査熱量計(DSC)によって測定したところ、40.6%であった。
(実施例5:ポリプロピレン繊維(延伸倍率8倍)の作成)
紡糸した繊維の延伸時の延伸倍率を8倍とした以外は実施例4と同様にして実施例5のPP繊維を得た。作成したPP繊維の単繊維引張試験を実施したところ、引張弾性率および強度はそれぞれ、7.7GPaと528MPaであり、結晶化度を示差走査熱量計(DSC)によって測定したところ、42.8%であった。
(実施例6:ポリプロピレン繊維(延伸倍率10.5倍)の作成)
紡糸した繊維の延伸時の延伸倍率を10.5倍とした以外は実施例4と同様にして実施例6のPP繊維を得た。作成したPP繊維の単繊維引張試験を実施したところ、引張弾性率および強度はそれぞれ、9.8GPaと638MPaであり、結晶化度を示差走査熱量計(DSC)によって測定したところ、43.5%であった。
(実施例7:ポリエステル繊維(延伸倍率2.5倍)の作成)
ポリエステル(PET)繊維の原料として、PETペレット(ユニチカSA1206)を用いた。PETのガラス転移温度は75℃、融点は260℃である。PETペレットを溶融温度290℃で溶融し、紡糸した。その後、紡糸した繊維を2.5倍の延伸倍率で延伸した。作成した実施例7のPET繊維の単繊維引張試験を実施したところ、引張弾性率および強度はそれぞれ、10.2GPaと438MPaであり、結晶化度を示差走査熱量計(DSC)によって測定したところ、37.5%であった。
(実施例8:ポリエステル繊維(延伸倍率4.5倍)の作成)
紡糸した繊維の延伸時の延伸倍率を4.5倍とした以外は実施例7と同様にして実施例8のPET繊維を得た。作成したPET繊維の単繊維引張試験を実施したところ、引張弾性率および強度はそれぞれ、13.2GPaと628MPaであり、結晶化度を示差走査熱量計(DSC)によって測定したところ、40.5%であった。
(実施例9:ポリエステル繊維(延伸倍率5.5倍)の作成)
紡糸した繊維の延伸時の延伸倍率を5.5倍とした以外は実施例7と同様にして実施例9のPET繊維を得た。作成したPET繊維の単繊維引張試験を実施したところ、引張弾性率および強度はそれぞれ、15.8GPaと733MPaであり、結晶化度を示差走査熱量計(DSC)によって測定したところ、41.1%であった。
実施例1〜9の繊維について、以下に説明するように、荷重下熱伸縮試験を行った。
(荷重下熱伸縮試験)
実施例1〜9の繊維サンプルを、室温で重りを吊るし、サンプルの長さLを測定した。その後、恒温槽(製品名:アズワンONW?450S)内に重りを吊したサンプルを入れ、室温から、PA6繊維の場合には180℃まで、PP繊維およびPET繊維の場合には130℃まで昇温させた。昇温度後、サンプルの長さを測定した。再度恒温槽内を室温まで戻し、サンプルの長さを測定した。その後同じ操作を2回行った。それぞれ測定した長さをLとして以下の式で変位率yを求めた。
Figure 2021006664
図3〜図5は、それぞれ実施例1〜3のPA6繊維の荷重下熱伸縮試験の結果を示す。図3〜図5から、延伸倍率を上げることで、PA6繊維がアクチュエータ機能を示す荷重が増大することが分かる。また、高荷重を与えるにつれ、繊維の伸縮が安定し(すなわち、繊維が加熱によって収縮した後、冷却によって元の長さへ近づくか、または戻るのを繰り返す)、変位率の変化の幅が小さくなる傾向があった。実施例1のPA6繊維では6.5MPa以上の荷重下では、最初の加熱で繊維が伸張し、それ以降の加熱および冷却において、安定した伸縮が見られなかった。同様の現象が、34MPaの荷重下での実施例2のPA6繊維、および51.3MPaの荷重下での実施例3のPA6繊維で見られた。
図6〜図8は、それぞれ実施例4〜6のPP繊維の荷重下熱伸縮試験の結果を示す。図6〜図8から、延伸倍率を上げることで、PP6繊維がアクチュエータ機能を示す荷重が、PA6繊維と同様に増大することが分かる。2.0MPaおよび7.4MPaの荷重下での実施例4のPP繊維では、最初の加熱および冷却以降の加熱と冷却の繰り返しにおいて、安定した伸縮が見られなかった。同様の現象が、20.7MPaの荷重下での実施例5のPP繊維、および31.25MPaの荷重下での実施例6のPP繊維で見られた。
図9〜図11は、それぞれ実施例7〜9のPET繊維の荷重下熱伸縮試験の結果を示す。延伸倍率2.5倍で製造した実施例7のポリエステル繊維では、2.0MPaおよび5.7MPaの荷重下で、1回目の加熱で繊維が伸張し、その後の冷却によって繊維が収縮した後、加熱および冷却による伸張および収縮の繰り返しが安定して見られた。2.3MPaおよび10.5MPaの荷重下の実施例8のポリエステル繊維と、2.5MPaの荷重下の実施例9のポリエステル繊維では、最初の加熱および冷却後、加熱による伸張と冷却による収縮の繰り返しが見られた。
以上、本開示を上述の実施の形態を参照して説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本開示に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて実施の形態における組み合わせや工程の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本開示の範囲に含まれうる。
10 アクチュエータ、 12 高分子繊維、 14 応力印加部、 16 加熱冷却部。

Claims (11)

  1. 高分子繊維と、
    前記高分子繊維の長さ方向に引張応力を加える応力印加部と、
    前記高分子繊維を加熱及び冷却して、前記高分子繊維を伸縮駆動する加熱冷却部と、を備え、
    前記応力印加部は、前記高分子繊維の伸縮駆動後に、前記高分子繊維がその伸縮駆動前の長さに戻るか又は近づく引張応力を前記高分子繊維に加えるように設定されていることを特徴とするアクチュエータ。
  2. ナイロンを溶融紡糸した後、2.5倍以上の延伸倍率で延伸することによって形成されたナイロン繊維と、
    前記ナイロン繊維の長さ方向に2.5MPa以上の引張応力を加える応力印加部と、
    前記ナイロン繊維を加熱及び冷却して、前記ナイロン繊維を伸縮駆動する加熱冷却部と、を備えることを特徴とするアクチュエータ。
  3. 前記延伸倍率が5倍以下であることを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ。
  4. 前記引張応力が33MPa以下であることを特徴とする請求項2または3に記載のアクチュエータ。
  5. ポリプロピレンを溶融紡糸した後、3倍以上の延伸倍率で延伸することによって形成されたポリプロピレン繊維と、
    前記ポリプロピレン繊維の長さ方向に2.3MPa以上の引張応力を加える応力印加部と、
    前記ポリプロピレン繊維を加熱及び冷却して、前記ポリプロピレン繊維を伸縮駆動する加熱冷却部と、を備えることを特徴とするアクチュエータ。
  6. 前記延伸倍率が10.5倍以下であることを特徴とする請求項5に記載のアクチュエータ。
  7. 前記引張応力が20MPa以下であることを特徴とする請求項5または6に記載のアクチュエータ。
  8. ポリエステルを溶融紡糸した後、2.5倍以上の延伸倍率で延伸することによって形成されたポリエステル繊維と、
    前記ポリエステル繊維の長さ方向に2MPa以上の引張応力を加える応力印加部と、
    前記ポリエステル繊維の周囲を加熱及び冷却して、前記ポリエステル繊維を伸縮駆動する加熱冷却部と、を備えることを特徴とするアクチュエータ。
  9. 前記延伸倍率が5.5倍以下であることを特徴とする請求項8に記載のアクチュエータ。
  10. 前記引張応力が11MPa以下であることを特徴とする請求項8または9に記載のアクチュエータ。
  11. 所定の延伸倍率で延伸処理した高分子繊維に対し、その長さ方向に荷重または引張応力を初期設定することを特徴とするアクチュエータの製造方法。
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