<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図30を参照し、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口(入球口)63,64,65,71b,72等を有する遊技盤13(図5参照)が前面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット53(図2参照)が設けられ、該球発射ユニット53には、後述する上皿17から発射レール55(図3参照)側へ球を案内する球送りユニット54(図2参照)や、上記球発射ユニット53から発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール55等が取り付けられている。なお、球発射ユニット53、球送りユニット54および発射レール55の詳細については、図2および図3を参照して後述し、遊技盤13の詳細については、図5を参照して後述する。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球送りユニット54(図2参照)を介して球発射ユニット53側(図2参照)へと1球ずつ案内される。また、上皿17の上面の正面視左側には、枠ボタン22が設けられている。
枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図5参照)で表示される演出を変化させるために遊技者により押下操作されるボタンである。
なお、第1実施形態では、枠ボタン22を押下操作されるボタンとして構成したが、枠ボタン22に代えて、遊技者によりパチンコ機10に対して所定方向(例えば、パチンコ機10に対して、前方、後方、右方および左方)に傾倒操作可能な、操作レバーにより構成してもよい。そして、操作レバーが傾倒操作された方向に基づいて後述する第3図柄表示装置81(図5参照)の演出が決定されたりしてもよい。
また、枠ボタン22を上皿17の上面側に配置するように構成しているが、枠ボタン22の配置位置は、遊技者が押下操作可能な位置であれば如何様な配置位置でも良く、例えば、上皿17の側面視正面側に配置してもよいし、後述する下皿50の近傍(上面又は側面)に配置してもよい。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や後述する第3図柄表示装置81(図5参照)で表示される所定演出時等における遊技状態又は演出状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、発光ダイオード(ライト・エミッティング・ダイオード(Light Emitting Diode)。以下、「LED」と略す。)等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。
パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時や後述する第3図柄表示装置81(図5参照)で表示される所定演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前の状態(即ち、「リーチ表示」中)である旨が報知される。また、前面枠14の正面視左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
右側の電飾部32下部左側において、遊技盤13正面視下部右側に設けられた貼着スペースK1(図5参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(Acrylonitrile Butadiene Styrene。以下、「ABS」と略す。)樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット。図示せず。)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット53(図3参照)の駆動を許可するためのタッチスイッチ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器51c(図7参照)とが内蔵されている。
操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチスイッチ51aがオンされると共に可変抵抗器51c(図7参照)の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器51cの抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチスイッチ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。この操作ハンドル51の操作量に対する球の発射態様の詳細については、図8及び図9を参照して後述する。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、バネ等の弾性部材(図示せず)によって右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口(図示せず)が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、例えば、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。
次に、図2を参照して、外枠11及び内枠12に対する前面枠14の施錠を解除して、該前面枠14が開放されたパチンコ機10について説明する。図2は、外枠11及び内枠12から前面枠14を開放した状態のパチンコ機10の正面図である。上述したように、遊技ホールの管理者等によって外枠11及び内枠12に対する前面枠14の施錠が解除(解錠)され、該前面枠14が内枠12に設けられたヒンジ19を軸として正面手前側に開閉された場合に、図2で示す状態となる。
前面枠14が開放された内枠12の正面視右側下部には、上述した球発射ユニット53が設けられ、該球発射ユニット53に対して回動可能に球送りユニット54が取り付けられているとともに、球発射ユニット53の台座部53d(図3参照)に発射レール55が取り付けられている。
ここで、図3を参照して、球発射ユニット53、球送りユニット54および発射レール55の詳細について説明し、併せて上皿17から発射レール55までの球の案内態様について説明する。図3は、球発射ユニット53に対して球送りユニット54を回動させた状態の斜視図であって、図3(a)は、球送りソレノイド54aの非励磁状態を示した図であり、図3(b)は、球送りソレノイド54aの励磁状態を示した図である。
球発射ユニット53は、発射レール55の基端部55a(発射位置。図3参照。)に存在する球を、遊技盤13の後述する内レール61及び外レール62(図5参照)によって形成された遊技領域に向けて発射するための装置であり、台座部53cに取り付けられた所謂プッシュ形の発射ソレノイド53aであって、該発射ソレノイド53aは、発射電磁石(図示せず)と、先端部分に発射槌53bが設けられたプランジャとを備えている。この発射ソレノイド53aは、所定条件(例えば、操作ハンドル51の操作等)が整っている場合に、後述する発射制御装置(図7参照)によって駆動制御され、発射電磁石によってプランジャを励磁し、プランジャの先端部分に設けられた発射槌53bを、発射レール55の基端部55a(発射位置)に存在する球と衝突させることで、該球を遊技盤13の遊技領域に向けて発射するように構成されている。
第1実施形態では、遊技者が操作ハンドル51を回動操作した状態であって、かつ、打ち止めスイッチ51bを操作していない状態において、発射ソレノイド53aは、所定時間毎(例えば、0.6秒毎)に励磁と非励磁とを繰り返して行い、それに対応して、基端部55aに対する発射槌53bの出没が繰り返される。即ち、発射ソレノイド53aが非励磁状態では、発射槌53bが没入状態である一方、発射ソレノイド53aが励磁状態となって発射電磁石の磁力により発射槌53bが突出した場合は、該発射槌53bの先端部が基端部55aに載置されている球と衝突し、該球が衝突速度に応じた強さで発射レール55の指向する斜め上方に向けて発射される。
また、第1実施形態では、操作ハンドル51の操作量を検知する可変抵抗器51cが発射ソレノイド53aに電気的に接続されており、遊技者による操作ハンドル51の回動量に基づいて発射槌53bの突出速度(ストローク量はほぼ一定)が調整され、球の発射速度(球の飛び量)が調整可能に構成されている。
球送りユニット54は、上皿17に貯留された球を1球ずつ発射レール55の基端部55a(発射位置)に案内するためのものであり、球発射ユニット53及び発射レール55のパチンコ機10正面側を被覆するように内枠12(球発射ユニット53の台座部53c)に取着されている。この球送りユニット54には、所謂プル形の球送りソレノイド54aと、該球送りソレノイド54aによって駆動可能な球送り開閉板54bと、球送り電磁石(図示せず)と、球送りケース体54cと、球送り窓部54dとが設けられ(形成され)、上述した球発射ユニット53の発射ソレノイド53aの駆動(励磁)と連動するように球送りソレノイド54aを駆動(励磁)させることで、上皿17に貯留されている球が球送り窓部54dから球送りケース体54cを介して発射レール55の基端部55aに1球ずつ案内される。
具体的には、図3(a)で示すように、球送りソレノイド54aが非励磁状態である場合には、球送り開閉板54bが自重により下方へと回動し、球送り開閉板54bの上部に形成された載置部54b1に球が衝突することで、球送り窓部54dから流入した球の流下が規制される。
そして、図3(b)で示すように、図3(a)の状態から球送りソレノイド54aが励磁状態となった場合には、球送り開閉板54bに内蔵された金属片が球送り電磁石の磁力により引っ張られ、球送り開閉板54bが上方に回動する。これにより、図3(a)では、載置部54b1によって規制されていた球が保持部54b2側へと流下して、該保持部54b2によって球が保持される。なお、第1実施形態のパチンコ機10では、この図3(b)のタイミングでは、発射ソレノイド53aも励磁され、発射レール55の基端部55aに載置されている球が発射される。
そして、再び、球送りソレノイド54aを非励磁状態とした場合、球送り開閉板54bが自重により下方に回動されることで、保持部54b2で保持されていた球が、発射レール55の基端部55aへと流下(案内)されるとともに、再び、載置部54b1に球送り窓部54dから流入した球の流下が規制される。なお、この図3(a)のタイミングでは、発射ソレノイド53aも非励磁状態となり、保持部54b2から基端部55aへと案内された直後であって、基端部55aにおける載置状態が安定していない球が発射されないように構成されている。
発射レール55は、該発射レール55の基端部55a(発射位置)に球送りユニット54から案内された球を1球貯留するとともに、球発射ユニット53により発射された球を後述する内レール61及び外レール62(図5参照)に案内するためのものである。この発射レール55は、該発射レール55の先端部が内レール61及び外レール62で形成された案内流路(図5参照)へ向くように内枠12に固定されている。第1実施形態のパチンコ機10では、操作ハンドル51の操作に伴って球発射ユニット53及び球送りユニット54が駆動されることで、発射レール55の基端部55a(発射位置)に存在する球が、発射レール55の先端部から後述する内レール61及び外レール62の案内流路を介して遊技領域へと発射される。
基端部55aは、発射レール55の右側端部上に載置される球を支持して、発射槌53bによる打撃位置に球を位置決めするための部材であり、台座部53dに円柱状に突出形成される。基端部55aには、その軸方向に沿って貫通する締結孔が設けられ、この締結孔にネジを螺入することによって台座部53dに対して螺着されている。ここで、基端部55aの締結孔は、円柱形状の中心ではなく、偏心した位置に形成されている。このため、基端部55aを適宜回動させてネジを螺入することにより、該基端部55aに載置される球の打撃位置を変更可能に構成されている。このように構成することで、球の飛び量を容易に調整することができる。
図2に戻って説明を続ける。内枠12の正面視右側上部および右側下部には、遊技盤13を固定するための上部クランプ12aと下部クランプ12bとがそれぞれ設けられている。上部クランプ12a及び下部クランプ12bは、内枠12に対して遊技盤13を固定するための固定具であって、遊技盤13を固定する固定位置(図2参照)と、該固定を解除する解除位置(図示せず)とに変位可能に構成されている。
この上部クランプ12a及び下部クランプ12bは、前面枠14の閉鎖(施錠)状態では、前面枠14によって操作不能に構成され、前面枠14が開放された状態で操作可能な状態となる。従って、遊技ホールの管理者等は、遊技盤13をパチンコ機10から取り外したい場合に、先に前面枠14を開放し、その後、上部クランプ12a及び下部クランプ12bを固定位置から解除位置へ操作することで、内枠12に固定された遊技盤13が内枠12の前方側へと取り外される。
次に、図4に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのマイクロ・プロセッシング・ユニット(Micro−Processing Unit。以下、「MPU」と略す)、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図8参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器51cの抵抗値を調整可能な操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図7参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイド53a(図3参照)の発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図5を参照して、遊技盤13の構成について説明する。図5は、遊技盤13の正面図である。図5に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した透明樹脂製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1始動口64、第1大入賞口65、スルーゲート67、第2始動口ユニット71、第2大入賞口72、可変表示装置ユニット80、流路区画部材73等を組み付けて構成される。
一般入賞口63、第1始動口64、第1大入賞口65、スルーゲート67、第2始動口ユニット71、可変表示装置ユニット80は、ベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット53(図2参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図5の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図5の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技盤13の遊技領域には、球が入賞することにより10個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。
可変表示装置ユニット80の正面視右側には、スルーゲート67が設けられている。スルーゲート67には、球が通過するための貫通孔(図示せず)が上下方向に設けられている。遊技領域に発射された球が、スルーゲート67を通過すると、貫通孔に設けられたスルーゲートスイッチ(図示せず)がオンとなり、そのオンに起因して主制御装置110で、普通図柄の当たり抽選が行われる。
スルーゲート67を通過した球に対して行われた普通図柄の抽選の結果、当たりと判定された場合には、普通図柄表示装置83における普通図柄の可変表示を経て「○」の図柄が停止表示された後に、後述する第2始動口71bの正面視上方に設けられた普通電役71aが作動する。これにより、第2始動口71bへ球が入球することを困難としている普通電役71aが第2始動口71bを閉鎖したした状態から遊技盤13の盤面内に没入可動して、所定時間だけ球が第2始動口71bへ入球できる状態、または、閉鎖状態に比して球が入球しやすい状態となる。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1始動口64が配設されている。この第1始動口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1始動口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1始動口スイッチのオンに起因して後述する主制御装置110(図7参照)で第1特別図柄の大当たりの抽選がなされる。そして、その抽選結果に応じた表示が特別図柄表示装置37の特別LED群37bの上方LED群37b1で示されると共に、第3図柄表示装置81にて第1特別図柄に対応する第3図柄の変動演出が実行される。なお、第1始動口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
遊技盤13の正面視右側側方であって、スルーゲート67の下方には、第2始動口ユニット71が配設されている。この第2始動口ユニット71には、遊技盤13の盤面に出没可能に構成された普通電役71aと、該普通電役71aが開放状態である場合にのみ球が入球し得る第2始動口71bとが設けられている。この第2始動口71bへ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2始動口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2始動口スイッチのオンに起因して後述する主制御装置110(図7参照)で第2特別図柄の大当たりの抽選がなされる。そして、その抽選結果に応じた表示が特別図柄表示装置37の特別LED群37bの下方LED群37b2で示されると共に、第3図柄表示装置81にて第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出が実行される。なお、第2始動口71bは、球が入球すると1個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
上述したように、第2始動口71bの正面視上方には、その第2始動口71bへ球が入球する開口部を覆う1枚の板状の普通電役71aが設けられている。普通電役71aは、遊技盤13の盤面から突出することで第2始動口71bへの開口部を覆う閉鎖状態と、遊技盤13の盤面に没入することで第2始動口71bの開口部を開放する開放状態とに変位可能に構成されている。第2始動口71bは、通常時において、普通電役71aが盤面より突出した閉鎖状態となっており、球が第2始動口71bへ入球できない(または、入球し難い)状態となっている。
一方、普通図柄表示装置83における可変表示が「○」の図柄で停止すると、普通電役71aが所定時間だけ作動される。普通電役71aが作動されている間、普通電役71aが盤面から突出した状態から、盤面に没入した状態となり、第2始動口71bが開放状態となる。第2始動口71bが開放状態になると、球が第2始動口71bへ入球できる状態、または、閉鎖状態に比して球が入球しやすい状態となる。つまり、普通図柄表示装置83における可変表示の結果として「○」の図柄で停止して当たりとなり、第2始動口71bが開放状態とすることで、第2始動口71bへ球が入球して大当たり抽選が多く行える状態とすることができる。
第2始動口ユニット71の正面視左側には横長矩形状に開口された第1大入賞口65が配設されており、該第1大入賞口65を覆うように第1大入賞口開閉板65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう特別図柄表示装置37の特別LED群37bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、所定の大当たり種別(後述する大当たり種別「確変A」又は「時短A」)において、予め定められた所定回数(10回)、通常時には閉鎖されている第1大入賞口65が、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この第1大入賞口65は、開放された場合に、開放から所定時間が経過、又は、所定数の入賞を検知すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その第1大入賞口65が開放される。この第1大入賞口65の開閉動作は、最高で例えば10回(10ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当たり状態)の一形態であり、遊技者には、球を該第1大入賞口65に入賞させることで、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、大当たりにおける「ラウンド」とは、大当たりの賞球個数を区切るために後述する第1大入賞口65又は第2大入賞口72が開放されてから閉鎖されるまでのことをいい、第1実施形態のパチンコ機10では、第1大入賞口65又は第2大入賞口72が開放開始されてから「30秒」経過するか、第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開放中に球が10個入賞することで1回の「ラウンド」が実行されるように構成されている。
第1大入賞口65は、該第1大入賞口65を閉塞可能な横長矩形状の第1大入賞口開閉板65aと、その第1大入賞口開閉板65aの下辺を軸として前方側に開閉駆動するための第1大入賞口ソレノイド65b(図7参照)とを備えている。第1大入賞口65は、通常時は、第1大入賞口開閉板65aが起立状態で保持されることで該第1大入賞口65を覆い、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。そして、大当たりの際には第1大入賞口ソレノイド65bを駆動して第1大入賞口開閉板65aを前面下側に傾倒し、球が第1大入賞口65に入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
第1大入賞口65は、後述する右打ち遊技で発射された球のみが該第1大入賞口65へ入賞し得る位置に配設されている。第1大入賞口65へ球が入球すると、遊技盤13の裏面側に設けられる第1大入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1大入賞口スイッチがオンとなった回数をカウントすることで、第1大入賞口65に入賞した球の数がカウントされ、第1大入賞口65の閉鎖条件が判断される。また、第1大入賞口スイッチのオンに起因して、15個の球が賞球として払い出される。そして、大当たりにより第1大入賞口65の開状態と閉状態とが繰り返されることによって、右打ち遊技で発射された多くの球が第1大入賞口65に入賞し易い状態となり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。この状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態である。
また、第1大入賞口65内には、該第1大入賞口65内に流入した球のみが流入可能な第1確変領域65c(所謂、V領域)が設けられている。第1実施形態のパチンコ機10では、特定の大当たり種別(後述する大当たり種別「確変A」)において、第1確変領域65cに設けられた第1確変領域開閉板65dが駆動することにより、該第1確変領域65cへ球が流入可能か否かを切り替えるように構成されている。
具体的には、第1大入賞口65が開放され得る大当たり種別「確変A」又は「時短A」のうち、大当たり種別「確変A」の場合における所定ラウンド(例えば、2ラウンド目)において第1確変領域開閉板65dを駆動することによって第1確変領域65cを開放する一方、大当たり種別「時短A」の場合にはいずれのラウンドでも第1確変領域開閉板65dを駆動しないことで第1確変領域65cを開放せず、閉鎖し続けるように構成する。そして、第1確変領域開閉板65dが開放されている間(即ち、大当たり種別「確変A」の2ラウンド目)において、第1確変領域65cを通過する球を検知可能な第1確変領域スイッチ(図示せず)によって球が検知されることに基づき、該特別遊技状態が終了した後に特別図柄の高確率状態(後述する「確率変動状態」)が発生するように構成されている。
よって、第1大入賞口65の開放中であって、かつ、第1確変領域開閉板65dによって第1確変領域65cが開放されている間に遊技者に右打ち遊技で球を発射させ、該球を該第1大入賞口65および第1確変領域65cに流入させるか否かに応じて、該大当たり後の遊技状態を異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
なお、第1実施形態では、第1確変領域65cを球が通過したか否かを遊技者に認識し難い若しくは認識不可にするように構成している。また、所定条件が成立(例えば、昇格演出抽選の当選等)した場合に、後述する大当たり種別「確変A」と大当たり種別「時短A」との報知態様を同等(例えば、第3図柄表示装置81における大当たり図柄を同等)とすることで、いずれの大当たり種別が発生したか遊技者に認識し難く構成されている。このように構成することで、大当たり後の遊技状態が特別図柄の高確率状態か否かを遊技者に推測させる遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる。
可変表示装置ユニット80の正面視上部には横長矩形状に開口された第2大入賞口72が配設されており、該第2大入賞口72を覆うように第2大入賞口開閉板72aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう特別図柄表示装置37の特別LED群37bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、第1大入賞口65が開放され得る大当たり種別と異なる所定の大当たり種別(後述する大当たり種別「確変B」又は「時短B」)において、予め定められた所定回数(4回)、通常時には閉鎖されている第2大入賞口72が、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この第2大入賞口72は、開放された場合に、開放から所定時間が経過、又は、所定数の入賞を検知すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その第2大入賞口72が開放される。この第2大入賞口72の開閉動作は、最高で例えば4回(4ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当たり状態)の一形態であり、遊技者には、球を該第2大入賞口72に入賞させることで、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
第2大入賞口72は、該第2大入賞口72を閉塞可能な横長矩形状の第2大入賞口開閉板72aと、その第2大入賞口開閉板72aの下辺を軸として前方側に開閉駆動するための第2大入賞口ソレノイド72b(図7参照)とを備えている。第2大入賞口72は、通常時は、第2大入賞口開閉板72aが起立状態で保持されることで該第2大入賞口72を覆い、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。そして、大当たりの際には第2大入賞口ソレノイド72bを駆動して第2大入賞口開閉板72aを前面下側に傾倒し、球が第2大入賞口72に入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
第2大入賞口72は、後述する強左打ち遊技で発射された球のみが該第2大入賞口72へ入賞し得る位置に配設されている。第2大入賞口72へ球が入球すると、遊技盤13の裏面側に設けられる第2大入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2大入賞口スイッチがオンとなった回数をカウントすることで、第2大入賞口72に入賞した球の数がカウントされ、第2大入賞口72の閉鎖条件が判断される。また、第2大入賞口スイッチのオンに起因して、第1大入賞口65に入賞した場合より少ない10個の球が賞球として払い出される。そして、大当たりにより第2大入賞口72の開状態と閉状態とが繰り返されることによって、強左打ち遊技で発射された多くの球が第2大入賞口72に入賞し易い状態となり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。この状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態である。
また、第2大入賞口72内には、該第2大入賞口72内に流入した球のみが流入可能な第2確変領域72c(所謂、V領域)が設けられている。第1実施形態のパチンコ機10では、特定の大当たり種別(後述する大当たり種別「確変B」)において、第2確変領域72cに設けられた第2確変領域開閉板72dにより、該第2確変領域72cへ球が流入可能か否かを切り替えるように構成されている。
具体的には、第2大入賞口72が開放され得る大当たり種別「確変B」又は「時短B」のうち、大当たり種別「確変B」の場合における所定ラウンド(例えば、1ラウンド目)において第2確変領域開閉板72dを駆動することによって第2確変領域72cを開放する一方、大当たり種別「時短B」の場合にはいずれのラウンドでも第2確変領域開閉板72dを駆動しないことで第2確変領域72cを開放せず、閉鎖し続けるように構成する。そして、第2確変領域開閉板72dが開放されている間(即ち、大当たり種別「確変B」の1ラウンド目)において、第2確変領域72cを通過する球を検知可能な第2確変領域スイッチによって球が検知されることに基づき、該特別遊技状態が終了した後に特別図柄の高確率状態が発生するように構成されている。
よって、第2大入賞口72の開放中であって、かつ、第2確変領域開閉板72dによって第2確変領域72cが開放されている間に遊技者に強左打ち遊技で球を発射させ、該球を該第2大入賞口72および第2確変領域72cに流入させるか否かに応じて、該大当たり後の遊技状態を異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
なお、第1実施形態では、第2確変領域72cを球が通過したか否かを遊技者にもれなく認識し難い若しくは認識不可にするように構成している。また、後述する大当たり種別「確変B」と大当たり種別「時短B」との報知態様を同等(例えば、第3図柄表示装置81における大当たり図柄を同等)とすることで、いずれの大当たり種別が発生したか遊技者に認識し難く構成されている。このように構成することで、大当たり後の遊技状態が特別図柄の高確率状態か否かを遊技者に推測させる遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口と、その特定入賞口とは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、特別図柄表示装置37において大当たりに対応した特別LED群37bが点灯した場合に、特定入賞口が所定時間開放され、その特定入賞口の開放中に、球が特定入賞口内へ入賞することを契機として大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1始動口64への入球(始動入賞)又は第2始動口71bへの入球(始動入賞)をトリガとして、特別図柄表示装置37における第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示と同期させながら、第3図柄の変動演出を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして普通図柄を変動表示(以下、普通図柄の変動表示を「可変表示」という)するLEDで構成される普通図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は17インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図7参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列(図示せず)が表示される。
各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。パチンコ機10では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が特別図柄表示装置37で行われるのに対して、その特別図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が第3図柄表示装置81にて行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図6を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図6は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図6(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図6(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図7参照)による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が有効ラインL1上に揃う変動表示(変動演出)が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が有効ラインL1上に揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が有効ラインL1上に揃う変動表示が行われる。
図6(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄(主図柄)を変動表示(変動演出)する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタなどを表示する副表示領域Dsとなっている。また、第3図柄表示装置81の表示画面における下底辺側中央部分には、保留球数を表示するコクピット表示領域Dbが設けられている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その表示領域Dm1に図柄列Z1が表示され、表示領域Dm2に図柄列Z2が表示され、表示領域Dm3に図柄列Z3が表示される。
各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の変動演出に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(同一の主図柄の組合せ)で揃えば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、更に左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。小領域Ds1〜Ds3は、それぞれ、キャラクタや予告演出画像を表示する領域である。小領域Ds1〜Ds3のそれぞれに表示される画像によって、主表示領域Dmにて行われる変動表示の結果として大当たりとなる期待感を遊技者に与えている。
実際の表示画面では、図6(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左の小領域Ds1に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、通常は黒色の少年の髪の毛の色や、通常は白色のハチマキの色が変化したり、別のキャラクタが現出するなどして予告演出が行われる。右の小領域Ds3では、遊技状態ごとに遊技者が行うべき遊技態様を示唆する示唆表示(例えば、大当たり状態中である旨、後述する「確率変動状態」中である旨、後述する「時間短縮状態」中である旨、後述する強左打ち遊技での発射示唆や、右打ち遊技での発射示唆等)が表示される。
コクピット表示領域Dbは、第1始動口64及び第2始動口71bに入球された球のうち変動表示(変動演出)が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域である。
第1実施形態のパチンコ機10では、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)にて第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出(動的表示)が行われている間に球が第1始動口64へ入球した場合、その入球回数(保留球数)は最大4回まで保留される。その保留球数は特別図柄表示装置37により示されると共に、コクピット表示領域Dbの第1特別図柄に対応する第1保留図柄表示領域Db1の特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dおいても示される。特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dには、第1特別図柄の保留球1球(保留球数1回)につき1つの保留図柄(通常の表示態様では「○」図柄(白丸図柄))がそれぞれ表示され、特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dに表示された保留図柄の表示数に応じて、第1特別図柄の変動演出の保留球数が表示される。
即ち、特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dにおいて、特図1第1保留図柄表示領域Db1aに1つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が1回であることを示し、特図1第1・第2保留図柄表示領域Db1a,Db1bにそれぞれ1つずつ計2つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が2回であることを示し、特図1第1〜第3保留図柄表示領域Db1a〜Db1cにそれぞれ1つずつ計3つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が3回であることを示し、特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dにそれぞれ1つずつ計4つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が4回であることを示す。また、特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dに保留図柄が表示されていない場合は、第1特別図柄の保留球数が0回であって保留されている変動演出が存在しないことを示す。
また、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)にて第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出(動的表示)が行われている間に球が第2始動口71bへ入球した場合、その入球回数(保留球数)は最大4回まで保留される。その保留球数は特別図柄表示装置37により示されると共に、コクピット表示領域Dbの第2特別図柄に対応する第2保留図柄表示領域Db2の特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dおいても示される。特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dには、第2特別図柄の保留球1球(保留球数1回)につき1つの保留図柄(通常の表示態様では「○」図柄(白丸図柄))がそれぞれ表示され、特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dに表示された保留図柄の表示数に応じて、第2特別図柄の変動演出の保留球数が表示される。
即ち、特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dにおいて、特図2第1保留図柄表示領域Db2aに1つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が1回であることを示し、特図2第1・第2保留図柄表示領域Db2a,Db2bにそれぞれ1つずつ計2つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が2回であることを示し、特図2第1〜第3保留図柄表示領域Db2a〜Db2cにそれぞれ1つずつ計3つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が3回であることを示し、特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dにそれぞれ1つずつ計4つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が4回であることを示す。また、特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dに保留図柄が表示されていない場合は、第2特別図柄の保留球数が0回であって保留されている変動演出が存在しないことを示す。
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の第2抽選遊技とが同時に実行されず、いずれか一方の抽選遊技のみが実行されるように構成されている。また、第1実施形態のパチンコ機10では、実行中のいずれかの抽選遊技が終了した場合に、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とがそれぞれ記憶されている場合には、第2特別図柄の第2抽選遊技を第1特別図柄の第1抽選遊技より優先的に実行(所謂、特図2優先変動)するように構成されている。なお、入賞した順で抽選遊技を実行(所謂、入賞順変動)してもよいし、第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の第2抽選遊技とを同時に実行(所謂、特図1特図2同時変動)させるように構成してもよい。
コクピット表示領域Dbの中央部分には、主表示領域Dmで変動演出が実行されていることを示す実行図柄が表示される実行図柄表示領域Db0が設けられている。この実行図柄表示領域Db0は、コクピット表示領域Dbの中央部分、即ち、特図1第1保留図柄表示領域Db1aの右側であって、特図2第1保留図柄表示領域Db2aの左側に設けられ、各保留図柄表示領域Db1a〜Db1d,Db2a〜Db2dに表示される各保留図柄より大きい実行図柄が表示されるように構成されている。また、この実行図柄表示領域Db0は、特図1第1保留図柄表示領域Db1a又は特図2第1保留図柄表示領域Db2aに表示されていた保留図柄が移動(シフト)して実行図柄として表示される。
実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄は、変動演出が終了すると消去され、その実行図柄の消去に伴って、表示されている保留図柄が下位側(第1特別図柄であれば右側、第2特別図柄であれば左側)の保留図柄として移動して表示される。具体的には、例えば、第2特別図柄の保留図柄が存在しない状況であって第1特別図柄の保留図柄が4つ存在する状況において、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の終了に伴って実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄が消去された場合、特図1第1保留図柄表示領域Db1aに表示されていた保留図柄が、実行図柄表示領域Db0における実行図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図1第2保留図柄表示領域Db1bに表示されていた保留図柄が、特図1第1保留図柄表示領域Db1aにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。さらに、特図1第3保留図柄表示領域Db1cに表示されていた保留図柄が、特図1第2保留図柄表示領域Db1bにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図1第4保留図柄表示領域Db1dに表示されていた保留図柄が、特図1第3保留図柄表示領域Db1cにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。
また、例えば、第2特別図柄の保留図柄が4つ存在する状況において、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の終了に伴って実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄が消去された場合、特図2第1保留図柄表示領域Db2aに表示されていた保留図柄が、実行図柄表示領域Db0における実行図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図2第2保留図柄表示領域Db2bに表示されていた保留図柄が、特図2第1保留図柄表示領域Db2aにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。さらに、特図2第3保留図柄表示領域Db2cに表示されていた保留図柄が、特図2第2保留図柄表示領域Db2bにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図2第4保留図柄表示領域Db2dに表示されていた保留図柄が、特図2第3保留図柄表示領域Db2cにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。
なお、第1実施形態においては、第1始動口64又は第2始動口71bへの入球に基づく変動演出の保留球数は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、それぞれ3回以下、又は、それぞれ5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、コクピット表示領域Dbにおける保留図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、特別図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させなくてもよい。さらに、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを第1特別図柄および第2特別図柄の最大保留数分の4つそれぞれ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図5に戻って、説明を続ける。普通図柄表示装置83は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(普通図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる可変表示を行うものである。パチンコ機10は、普通図柄表示装置83における可変表示が所定図柄(第1実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第2始動口71bの正面視上方の普通電役71aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
スルーゲート67の保留球数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した特別図柄表示装置37により表示されると共に普通図柄保留ランプ84においても点灯表示される。普通図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。そして、普通図柄保留ランプ84の点灯された数により、保留数を表示する。
なお、普通図柄の可変表示は、第1実施形態のように、普通図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、特別図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、普通図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の通過は、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、特別図柄表示装置37により保留球数が示されるので、普通図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
遊技領域の正面視右側上部(図5の右側上部)には、発光手段である複数のLEDで構成された状態LED群37aと特別LED群37bとが設けられた特別図柄表示装置37が配設されている。特別図柄表示装置37は、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた第1特別図柄(以下、第1特別図柄を「特図1」と称する場合がある)および第2特別図柄(以下、第2特別図柄を「特図2」と称する場合がある)の各変動表示(以下、両特別図柄の変動表示を「動的表示」と称する場合がある)がなされると共に、パチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。
状態LED群37aは、後述する第1始動口64又は第2始動口71bに入賞(入球)した球のうち、変動表示が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。また、大当たりのラウンド数やエラー表示も、該状態に対応する状態LED群37aの点灯状態により示される。なお、状態LED群37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるように構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
特別LED群37bは、6個のLEDで構成された上方LED群37b1と、同じく6個のLEDで構成された下方LED群37b2との計12個のLEDで構成されている。上方LED群37b1は、第1抽選遊技の判定結果を示す第1特別図柄が動的表示される。また、下方LED群37b2は、第2抽選遊技の判定結果を示す第2特別図柄が動的表示される。
具体的には、上方LED群37b1には、遊技盤13の盤面中央に設けられた第1始動口64への入賞に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで動的表示(第1実施形態では、上方LED群37b1の最も上方のLEDから下方のLEDを1つずつ順番に点灯し、該点灯パターンの繰り返し表示)した後に、判定結果を示す図柄(第1実施形態では、6個のLEDの各点灯パターンの組み合わせによって計64種類の停止図柄のいずれか)で停止表示される。
また、下方LED群37b2には、遊技盤13の右側側方に設けられた第2始動口71bへの入賞に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで動的表示(第1実施形態では、下方LED群37b2の最も上方のLEDから下方のLEDを1つずつ順番に点灯し、該点灯パターンの繰り返し表示)した後に、判定結果を示す図柄(第1実施形態では、6個のLEDの各点灯パターンの組み合わせによって計64種類の停止図柄のいずれか)で停止表示される。
いずれのLED群37b1,37b2においても、判定結果がハズレである場合には、最も左側のLEDのみが点灯表示され、判定結果が大当たりである場合には、該大当たりの種類(種別)に対応した点灯パターンで各LED群が点灯表示される。各LED群の停止パターンの詳細については、後述する。
なお、本パチンコ機10では、第1始動口64又は第2始動口71bへの入球に対して大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。
ここで判定される大当たり種別としては、「10ラウンド(以下、ラウンドを単に「R」と称する場合がある)確変大当たり」であって第1大入賞口65が開放され得る「確変A」、「4R確変大当たり」であって第2大入賞口72が開放され得る「確変B」、「10R時短大当たり」であって第1大入賞口65が開放され得る「時短A」、「4R時短大当たり」であって第2大入賞口72が開放され得る「時短B」、が用意されている(図12〜図14参照)。
ここで、「10R確変大当たり」とは、第1大入賞口65が開放される大当たりであって、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に、該大当たり中に第1確変領域65cを球が通過した場合に、該大当たり後に「確率変動状態」へ移行する大当たりのことである。また、「4R確変大当たり」とは、第2大入賞口72が開放される大当たりであって、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に、該大当たり中に第2確変領域72cを球が通過した場合に、該大当たり後に「確率変動状態」へ移行する大当たりのことである。さらに、「10R時短大当たり」とは、第1大入賞口65が開放される大当たりであって、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に、「時間短縮状態」へ移行する大当たりのことである。また、「4R時短大当たり」とは、第2大入賞口72が開放される大当たりであって、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に、「時間短縮状態」へ移行する大当たりのことである。
ここで、各遊技状態についてより詳細に説明する。第1実施形態のパチンコ機10において、「通常遊技状態」とは、「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」又は「時間短縮状態」でない遊技状態の時をいい、各特別図柄の大当たり確率、及び、普通図柄の当たり確率が通常の状態(即ち、低確率状態)かつ普通電役71aの開放が短時間である状態(所謂、非開放延長状態)をいう。即ち、「通常遊技状態」は、「確率変動状態」及び「潜伏確率変動状態」の時より各特別図柄の大当たり確率が低く、また、「確率変動状態」および「時間短縮状態」の時より普通図柄の当たり確率が低い状態であって、普通電役71aの開放時間も短時間であるので、所謂右打ち遊技をした場合に第2始動口71bへ球が入賞し易い遊技状態(以下、第2始動口71bへ球が入賞し易い状態のことを、「入賞補助状態」という場合がある)ではなく、遊技者にとって最も不利な(有利度が低い)遊技状態である。
ここで、右打ち遊技とは、返しゴム69に当たる勢いで球を発射して、該球を可変表示装置ユニット80の正面視右側を通過させる行為をいい、可変表示装置ユニット80の遊技盤13正面視右側に配置されたスルーゲート67、第1大入賞口65、第2始動口71bに球が入賞し得る。また、左打ち遊技とは、発射した球が可変表示装置ユニット80の正面視左側を通過させる行為をいい、一般入賞口63、第1始動口64に球が入賞し得る。以下、右打ち遊技又は左打ち遊技と称した場合は、それぞれ上述した発射態様で球が発射されている状態をいう。
また、第1実施形態では、可変表示装置ユニット80の正面視上部に第2大入賞口72が配設されており、該第2大入賞口72に球を入賞させるためには、左打ち遊技の中でもやや強めの発射態様(以下、第2大入賞口72の配設位置まで球が到達するやや強めの左打ち遊技の発射態様を「強左打ち遊技」、第2大入賞口72の配設位置まで球が到達せず、第1流路74や第2流路75付近に到達し得る弱めの左打ち遊技の発射態様を「弱左打ち遊技」と称する場合がある)で球を発射させる必要がある。
さらに、第1実施形態において、右打ち遊技は「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」、又は、第1大入賞口65が開放される大当たり状態(即ち、大当たり種別「確変A」又は「時短A」)でのみ許容され、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」、並びに、第2大入賞口72が開放される大当たり状態(即ち、大当たり種別「確変B」又は「
時短B」)において右打ち遊技された場合には、該右打ち遊技を遊技者に行わせないために、所定の警報機能を有している。具体的には、左打ち遊技が奨励される「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」、並びに、第2大入賞口72が開放される大当たり状態において、遊技盤13正面視右側に配置されたスルーゲート67によって球の通過を検知した場合には、右打ち遊技が実行されていると判別し、音声出力装置226(図7参照)から警報音を出力するように構成する一方、右打ち遊技が奨励される「確率変動状態」および「時間短縮状態」、並びに、第1大入賞口65が開放される大当たり状態において、スルーゲート67を球が通過しても、上記警報音を出力しないように構成されている。このように構成することで、右打ち遊技が奨励されていない「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」、並びに、第2大入賞口72が開放される大当たり状態において遊技者による右打ち遊技の実行を抑制することができる。
次いで、「時間短縮状態」では、各特別図柄の大当たり確率が「通常遊技状態」と同様に低確率状態となるが、普通図柄の当たり確率がアップし、かつ、普通電役71aの開放時間が長時間となって第2始動口71bへ球を入賞させ易い状態(以下、普通図柄の当たり確率がアップし、かつ、普通電役71aの開放時間が長時間となる機能を、「入賞補助機能」と称する場合がある。また、普通図柄の当たり確率がアップし、かつ、普通電役71aの開放時間が長時間となって第2始動口71bへ球を入賞させ易い状態のことを、「入賞補助機能が作動した状態」と称する場合がある。)となる。即ち、「時間短縮状態」は、特別図柄の大当たり確率が「通常遊技状態」と同等であるものの、普通図柄の当たり確率が「通常遊技状態」より高く、また、普通電役71aの開放状態が長くなる状態である。よって、「時間短縮状態」では、右打ち遊技により発射された球を第2始動口71bへ入賞させ易いため、特図2の動的表示を連続的に実行させることが可能となり、該第2始動口71bへの入賞に基づく賞球(例えば、1個/入賞)を得て持ち球の減少を抑えながらの遊技を行うことが可能となる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「時間短縮状態」は、上述したように、大当たり種別「時短A」又は「時短B」(図12参照)の大当たり後に、該大当たり毎に予め定められた規定回数(第1実施形態では、100回又は50回)の特別図柄の動的表示が実行されるまで維持される。そして、上記規定回数の特別図柄の動的表示が実行された後(即ち、「電サポ終了」後)は、「時間短縮状態」から上記「通常遊技状態」に移行するように構成されている。
次いで、「潜伏確率変動状態」では、大当たり終了後に付加価値としてその後の各特別図柄の大当たり確率がアップした高確率状態となる一方、普通図柄の当たり確率が「通常遊技状態」と同様に低確率状態となる。即ち、「潜伏確率変動状態」は、特別図柄による大当たり結果が導出され易い状態である一方、普通図柄による当たりが「通常遊技状態」と同等となる状態である。よって、「潜伏確率変動状態」では、入賞補助機能が作動しておらず、右打ち遊技を行った場合でも第2始動口71bへ入賞し難いため、遊技者は、「通常遊技状態」と同様、左打ち遊技により第1始動口64に球を入賞させるように遊技を行う。
第1実施形態のパチンコ機10では、大当たり種別「確変B」の大当たり後の「確率変動状態」において特別図柄の動的表示が50回実行された以降に、「潜伏確率変動状態」に突入する。そして、この「潜伏確率変動状態」は、次回大当たりまで各特別図柄の大当たり確率の高確率状態、及び、普通図柄の当たり確率の低確率状態が維持される。即ち、一旦、「潜伏確率変動状態」に突入した場合は、次の特別図柄による大当たり遊技が発生するまで、該「潜伏確率変動状態」が継続することとなる。さらに、この「潜伏確率変動状態」では、特別図柄の大当たり確率が高確率状態となっているため、第1特別図柄の動的表示に基づく大当たり遊技(特別遊技状態)が発生し易い状態で遊技を行うことが可能となる。
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、この「潜伏確率変動状態」において実行される演出は、「通常遊技状態」と同等の演出を実行するように構成されている。よって、遊技者は、演出内容からは「通常遊技状態」で遊技を行っているのか、「潜伏確率変動状態」で遊技を行っているのか判別できず、いずれの遊技状態で遊技を行っているか否かを推測しながら遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上できる。
次いで、「確率変動状態」では、大当たり終了後に付加価値としてその後の各特別図柄の大当たり確率がアップした高確率状態であるとともに、普通図柄の当たり確率がアップし、かつ、普通電役71aの入賞補助機能が作動した状態となる。即ち、「確率変動状態」は、特別図柄による大当たり結果が導出され易い状態であるとともに、普通図柄による当たり結果が導出され易く、さらに、普通電役71aの開放状態が長くなる状態となる。よって、「確率変動状態」では、入賞補助機能が作動しており、右打ち遊技により発射されたほぼすべての球が第2始動口71bへと入賞するため、特図2の動的表示を連続的に実行できるとともに、該第2始動口71bへの入賞に基づく賞球(例えば、1個/入賞)を得て持ち球の減少を抑えながら遊技を行うことができ、さらに、特図2の動的表示に基づく大当たり遊技(特別遊技状態)が発生し易い状態で遊技を行うことが可能となる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「確率変動状態」は、上述したように、大当たり種別「確変A」又は「確変B」(図12参照)の大当たり中において、第1大入賞口65内の第1確変領域65c、又は、第2大入賞口72の第2確変領域72cに球を通過させた場合に発生する一方、大当たり中に第1確変領域65c又は第2確変領域72cに球を通過させれなかった場合には、大当たり終了後に「確率変動状態」に突入せず、大当たり種別「時短A」又は「時短B」と同様、「時間短縮状態」が発生するように構成されている。即ち、第1大入賞口65内の第1確変領域65c、又は、第2大入賞口72の第2確変領域72c(以下、第1確変領域65cと第2確変領域72cとを総称して、「各確変領域65c,72c」と称する場合がある)は、開放されるラウンドが固定されているため、当該ラウンドにおいて球を発射して各確変領域65c,72cに球を流入させなければ、該大当たり終了後に「確率変動状態」が発生しないように構成されている。よって、遊技者は、「確率変動状態」が発生し得る大当たり種別に当選した場合、球を第1大入賞口65又は第2大入賞口72に入賞させながら、併せて各確変領域65c,72cに球を流入させるように遊技を行う必要がある。
そして、「確率変動状態」は、大当たり種別「確変A」の場合は次回大当たりが発生するまで、大当たり種別「確変B」の場合は規定回数(第1実施形態では、50回)の特別図柄の動的表示が実行されるまで維持される。なお、大当たり種別「確変B」に基づく「確率変動状態」の場合、上記規定回数の特別図柄の動的表示が実行された後(即ち、「電サポ終了」後)は、「確率変動状態」から「潜伏確率変動状態」に移行するように構成されている。
ここで、各大当たり種別毎の特別LED群37bの表示態様について説明する。第1特別図柄用の上方LED群37b1の停止表示(点灯表示)として、ハズレに対応する表示パターンは1種類、大当たり種別「確変A」に対応する表示パターンは16種類、大当たり種別「確変B」に対応する表示パターンは16種類、大当たり種別「時短A」に対応する表示パターンは16種類、大当たり種別「時短B」に対応する表示パターンは15種類、の計64種類の表示パターンが設けられている。そして、各表示パターンは、大当たり種別毎に特定の規則性を有さず、無作為な表示パターンが予め対応付けられている。よって、遊技者が上方LED群37b1の表示パターンを見た場合に、ハズレの停止表示が停止されたことを認識することができる一方、大当たり種別「確変A」、「確変B」、「時短A」又は「時短B」のいずれの停止表示であるかを識別困難に構成されている。
また、第2特別図柄用の下方LED群37b2の停止表示(点灯表示)として、ハズレに対応する表示パターンは1種類、大当たり種別「確変A」に対応する表示パターンは32種類、大当たり種別「時短A」に対応する表示パターンは31種類、の計64種類の表示パターンが設けられている。そして、各表示パターンは、大当たり種別毎に特定の規則性を有さず、無作為な表示パターンが予め対応付けられている。よって、遊技者が下方LED群37b2の表示パターンを見た場合に、ハズレの停止表示が停止されたことを認識することができる一方、大当たり種別「確変A」又は「時短A」のいずれかの停止表示であるかを識別困難に構成されている。
なお、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において、普通図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第2始動口71bに付随する後述の普通電役71aが開放される時間や、普通図柄による1回の当たりで普通電役71aが開放される回数を変更するものとしても良い。具体的には、「時間短縮状態」等において、第2始動口71bに付随する普通電役71aが開放される時間を「通常遊技状態」の場合よりも長くしたり、1回の当たりで普通電役71aが開放される回数を「通常遊技状態」の場合よりも多くしたりしてもよい。また、「時間短縮状態」において、普通図柄の当たり確率のアップと、普通電役71aの開放時間の長時間化と、普通電役71aの開放回数の多回数化との少なくとも2つを同時に行うようにしてもよい。
可変表示装置ユニット80の正面視左上方側であって、戻り球防止部材68の正面視右側には、内レール61と可変表示装置ユニット80との間に形成される遊技領域を2つに区画し、該遊技領域を流下する球をそれぞれ異なる位置に流下させる流路区画部材73が配設されている。そして、この流路区画部材73によって、該流路区画部材73の配設位置の正面視左側に第1流路74が形成されるとともに、正面視右側に第2流路75が形成されている。
この第1流路74を流下する球は、流路区画部材73の正面視左側のルート(流路)から後述する風車の正面視左側へ案内され易く、第2流路75を流下する球より、遊技領域の正面視左側に複数配設されている一般入賞口63へ入賞し易く、また、遊技領域の正面視中央に配設されている第1始動口64へ入賞し難いように構成されている。一方、第2流路75を流下する球は、流路区画部材73の正面視右側のルート(流路)から後述する風車の直上若しくは正面視右側へ案内され易く、第1流路74を流下する球より、第1始動口64へ入賞し易く、また、一般入賞口63に入賞し難いように構成されている。即ち、遊技者が一般入賞口63に球を多く入賞させたいと所望する場合は、弱左打ち遊技の中でも弱めの発射態様により球を発射させて第1流路74に球を流入させることで、遊技領域を流下する球を一般入賞口63に多く入賞させることが可能となる。一方、第1始動口64へ球を多く入賞させたいと所望する場合は、弱左打ち遊技の中でもやや強めの発射態様により球を発射させて第2流路75に球を流入させることで、遊技領域を流下する球を第1始動口64に多く入賞させることが可能となる。このように構成することで、遊技者が弱左打ち遊技を行う場合、その発射強度を異ならせることで、球が流下する流下方向を異ならせ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、球発射ユニット53から、弱左打ち遊技の中でも弱めの発射態様で球を発射させた場合には、該球を第1流路74へ流下させて一般入賞口63に球を入賞させ易くし、弱左打ち遊技の中でも強めの発射態様で球を発射させた場合には、該球を第2流路75へ流下させて第1始動口64に球を入賞させ易くし、強左打ち遊技の発射態様で球を発射させた場合には、該球を第2大入賞口72へ流入可能にすると共に、第2流路75へ流下させて第1始動口64に球を流入させ易くし、右打ち遊技の発射態様で球を発射させた場合には、該球を、スルーゲート67、第2始動口71b又は第1大入賞口65に入賞(入球)させ得ることができるように構成されている。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65,71b、72にも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。また、入賞口63,64,65,71b,72に入球した球は、各入賞口毎に設けられた球の入球を検出するためのスイッチを通過後、その球排出路へと案内される。球排出路へ案内された球は、その案内された球を検出するためのアウトスイッチ(図示せず)を通過後、パチンコ機10が設置された島設備(図示せず)に排出される。
なお、遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
次に、図7を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図であって、主に、主制御装置110の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したリード・オンリー・メモリー(Read Only Memory。以下、「ROM」と略す。)ROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるランダム・アクセス・メモリー(Random Access Memory。以下、「RAM」と略す。)203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図25参照)が即座に実行される。
RAM203は、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリア(スタック領域)と、各種フラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM203は、パチンコ機10の電源遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、電源遮断後もすべてバックアップされる。
MPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、発射制御装置112、音声ランプ制御装置113、特別図柄表示装置37、普通図柄表示装置83、普通図柄保留ランプ84のほか、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208、第1大入賞口65の第1大入賞口開閉板65aの下辺を軸として前方側に開閉駆動するための第1大入賞口ソレノイド65b、第1確変領域65cを覆う第1確変領域開閉板65dを出没駆動するための第1確変領域ソレノイド(図示せず)、第2大入賞口72の第2大入賞口開閉板72aの下辺を軸として前方側に開閉駆動するための第2大入賞口ソレノイド72b、第2確変領域72cを覆う第2確変領域開閉板72dを出没駆動するための第2確変領域ソレノイド(図示せず)、普通電役71aを駆動するための普通電役ソレノイド(図示せず)などからなる各種ソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253とが接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、発射レール55の基端部55aに球を配置するように球送りソレノイド54aを制御するとともに、操作ハンドル51の回転操作量(以下、単に「回動量」と称する場合がある)に応じた球の打ち出し強さとなるよう発射ソレノイド53aを制御するものである。発射ソレノイド53a及び球送りソレノイド54aは、所定条件が整っている場合に、駆動が許可される。この発射制御装置112には、少なくとも、タッチスイッチ51a及び打ち止めスイッチ51bからの信号が入力可能な信号変換回路112aと、可変抵抗器51cからの信号が入力可能な回動量変換回路112bとが設けられている。
第1実施形態のパチンコ機10では、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチスイッチ51aにより検出し、かつ、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)であることを検出した場合に、発射制御装置112の信号変換回路112aから発射許可信号SG3が入出力ポート205に入力される。
また、遊技者によって操作ハンドル51の回動量を可変抵抗器51cにより検出し、操作ハンドル51の回動量が戻り球防止部材68に球が到達しない範囲であることを検出した場合に、発射制御装置112の回動量変換回路112bから第1回動量信号SG4が入出力ポート205に入力され、操作ハンドル51の回動量が第2大入賞口72に球が到達し得る回動量であることを検出した場合に、回動量変換回路112bから第2回動量信号SG5が入出力ポート205に入力される。
そして、MPU201は、発射許可信号SG3が入力された場合、少なくとも、第2回動量信号SG5が出力された後であって、第1回動量信号SG4が出力されていないことを条件に、入出力ポート205から、発射ソレノイド53aを駆動するための発射制御信号アルファ(以下、「α」と略す)と、球送りソレノイド54aを駆動するための球送り制御信号ベータ(以下、「β」と略す)とを発射制御装置112へ出力する。
発射制御装置112は、主制御装置110から発射制御信号αが入力されると、球発射ユニット53の発射ソレノイド53aに電圧を供給し、発射ソレノイド53aは、予め発射レール55の基端部55aに配置された球を、操作ハンドル51の回動量に応じた強さで遊技領域へ向けて発射する。
また、発射制御装置112は、主制御装置110から球送り制御信号βが入力されると、球送りユニット54の球送りソレノイド54aに電圧を供給し、球送りソレノイド54aは、上皿17(図1参照)に貯留されている球を、球送り窓部54dから球送りケース体54c(ともに図3参照)を介して、発射レール55の基端部55aに1球ずつ案内する。なお、発射ソレノイド53aの球の発射と、球送りソレノイド54aによる基端部55aへの球送りは、同時に実行されないように構成されている。
ここで、発射許可信号SG3について説明する。発射許可信号SG3は、発射制御装置112内の信号変換回路112aから主制御装置110の入出力ポート205へ出力される信号である。この発射許可信号SG3を出力する信号変換回路112aは、論理回路であるアンド回路を主として構成されている。第1実施形態のパチンコ機10では、タッチスイッチ51aがオン、かつ、打ち止めスイッチ51bがオフの状態となった場合に限って、発射許可信号SG3が出力される一方、いずれかのスイッチが上記条件を満たさなければ発射許可信号SG3が出力されない。よって、例えば、遊技者が発射を意図して操作ハンドル51を回動操作している場合には、タッチスイッチ51aがオン、かつ、打ち止めスイッチ51bがオフとなるので、信号変換回路112aから発射許可信号SG3が出力され、後述する第2回動量信号SG5が出力された後を条件に、発射ソレノイド53aによって球が発射される。
次いで、第1回動量信号SG4および第2回動量信号SG5について説明する。第1回動量信号SG4および第2回動量信号SG5は、発射制御装置112内の回動量変換回路112bから主制御装置110の入出力ポート205へそれぞれ識別されて出力される信号である。第1実施形態のパチンコ機10では、可変抵抗器51cに発生する直流電圧が約2.5ボルトとなった場合、即ち、操作ハンドル51が初期位置から約60度回動された場合に、第1回動量信号SG4が出力される。また、可変抵抗器51Cに発生する直流電圧が約2.95ボルトとなった場合、即ち、操作ハンドル51が初期位置から約75度回動された場合に、第2回動量信号SG5が出力される。よって、主制御装置110は、第1回動量信号SG4又は第2回動量信号SG5が入力されることで、後述する発射許可フラグ203gをオン又はオフを設定し(図24のS506参照)、球が遊技領域(戻り球防止部材68に到達するまでの部位も含む)に向けて発射された場合に、どの地点に到達し得るのかを認識することが可能となる。
ここで、第1実施形態のパチンコ機10では、遊技者によって操作ハンドル51が操作された場合、発射許可信号SG3が出力されている場合であっても、第2回動量信号SG5が出力されるまで(即ち、発射許可フラグ203gがオンされるまで)は、主制御装置110は発射制御信号αおよび球送り制御信号βを出力しないように構成されている。また、第2回動量信号SG5が出力されることで発射制御信号αおよび球送り制御信号βを出力可能な状態となった後、第1回動量信号SG4が出力された場合、発射制御信号αおよび球送り制御信号βの出力を停止し、再び、第2回動量信号SG5が出力されるまで、発射制御信号αおよび球送り制御信号βを出力しないように構成されている。
即ち、操作ハンドル51の初期位置から回動させた場合に、少なくとも、発射された球が第2大入賞口72の配設位置まで到達し得る発射強度(即ち、強左打ち遊技)まで回動されなければ球が発射されないように構成し(球の発射を規制し)、発射レール55から発射された球が戻り球防止部材68(図5参照)に到達せずに、内レール61および外レール62で形成された領域(以下、「発射球案内領域」と称する場合がある)を流下するような現象(所謂、ファール球。以下、遊技領域に到達せずに発射球案内領域を流下する球のことを、「ファール球」と称する。)の発生を抑制することができる。そして、一旦、球が発射された後は、第1流路74や第2流路75付近に到達し得る発射強度(例えば、弱左打ち遊技)によっても遊技を行うことが可能に構成する。また、球を遊技領域に発射可能となった後、操作ハンドル51の回動量が減少して、発射された球が遊技領域まで到達せずに発射球案内領域に留まるような場合に、球の発射を停止し、ファール球が発生しないように構成する。このように構成することで、遊技を行う場合にファール球の発生を抑制し、球を発射しようと意図しているにも関わらず、ファール球によって遊技領域に球を到達させることができないといった事象の発生を抑制することができる。また、一旦、球を発射した後は、遊技者所望の発射態様を調整することができる。よって、遊技者による遊技の選択肢を拡げつつ、遊技で使用され得る球の発射を好適に行い、意図した球を発射できる快適な遊技環境を構築することができる。
ここで、図8を参照して、発射制御装置112の詳細な構成について説明する。図8は、主に、発射制御装置112の電気的構成を示すブロック図である。発射制御装置112は、発射電圧制御部300と、発射ソレノイド制御部310と、球送りソレノイド制御部320と、上述した信号変換回路112aと、同じく上述した回動量変換回路112bとを備えている。また、発射制御装置は、上述したように、主制御装置110の入出力ポート205と電気的に接続されるとともに、操作ハンドル51のタッチスイッチ51a、打ち止めスイッチ51b及び可変抵抗器51c、操作つまみ121、球発射ユニット53の発射ソレノイド53a、並びに、球送りユニット54の球送りソレノイド54aとそれぞれ電気的に接続されている。
発射電圧制御部300は、発射ソレノイド53aに電圧を供給する回路であり、主に、オペアンプOP1と、ローパスフィルタF1と、昇圧器であるDC−DCコンバータCV1と、32ボルト(V)の直流電圧を供給する直流電源DC3と、コンデンサCD1とによって構成されている。オペアンプOP1のマイナス入力端子(反転入力端子)と、該オペアンプOP1の出力端子とは短絡されているので、オペアンプOP1はバッファアンプとして機能する。オペアンプOP1のプラス入力端子(非反転入力端子)は、可変抵抗器51cと接続されている。よって、操作ハンドル51の回動操作量に応じて可変抵抗器51cに発生した直流電圧は、オペアンプOP1のプラス入力端子から入力され、増幅度がほぼ1で、オペアンプOP1の出力端子から出力される。
オペアンプOP1の出力端子は、ローパスフィルタF1の入力端子に接続されており、このローパスフィルタF1で、オペアンプOP1の出力端子から出力された直流電圧に重畳されたノイズ(高周波成分)を減少させる。ローパスフィルタF1の出力端子は、DC−DCコンバータCV1の入力端子と接続されており、さらには、そのDC−DCコンバータCV1には、32ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC3が接続され、その直流電源Dc3からは、32ボルトの直流電圧がDC−DCコンバータCV1に供給されている。よって、ローパスフィルタF1の出力端子から出力された直流電圧は、DC−DCコンバータCV1によって、直流電圧Ecに昇圧される。
DC−DCコンバータCV1の出力端子には、コンデンサCD1の一端(プラス端子)が接続されており、そのコンデンサCD1の他端はグランドされている。よって、DC−DCコンバータCV1の出力端子から出力された昇圧後の直流電圧Ecは、後述するフィールド・エフェクト・トランジスタ(Field Effect Transistor。以下、「FET」と略す。)スイッチSW1のドレイン端子Dとソース端子Sとの導通が遮断されているときに、コンデンサCD1に印加され、これにより、コンデンサCD1には、該コンデンサCD1の容量とコンデンサCD1に印加された直流電圧Ecとの積により求まる電荷が蓄えられる。なお、コンデンサCD1に蓄えられた電荷に応じて、発射ソレノイド53aに電圧が印加される。
また、DC−DCコンバータCV1の出力端子には、発射ソレノイド53aの一端が接続されており、その発射ソレノイド53aの他端には、発射ソレノイド制御部310のFETスイッチSW1のドレイン端子Dが接続されている。また、コンデンサCD1の後段であり、発射ソレノイド53aの一端と他端との間にはダイオードD1が接続され、そのダイオードD1のカソードが発射ソレノイド53aの一端に、ダイオードD1のアノードが発射ソレノイド53aの他端に、それぞれ接続されている。このダイオードD1によって、発射ソレノイド53aの球の発射動作後に発生する逆起電力(サージ電圧)を抑制している。
発射ソレノイド制御部310は、主制御装置110から入力される発射制御信号αに基づいて発射ソレノイド53aのオンオフを制御するための回路であり、主に、抵抗値が固定された抵抗R1と、ローパスフィルタF2と、シュミットトリガインバータIC1と、FETスイッチSW1と、5ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC1とによって構成されている。
発射ソレノイド制御部310のローパスフィルタF2の入力端子は、主制御装置110の入出力ポート205と接続され、その入出力ポート205とローパスフィルタF2の入力端子との間には、抵抗R1の一端が接続されている。抵抗R1の他端は、直流電源DC1と接続されており、入出力ポート205がオン状態(即ち、5ボルト状態)であれば、ローパスフィルタF2の入力端子には、5ボルトが入力される一方、入出力ポート205がオフ状態(即ち、0ボルト状態)であれば、ローパスフィルタF2の入力端子には、無入力状態(即ち、0ボルト状態)となる。なお、入出力ポート205は、オンオフを繰り返し行うので、ローパスフィルタF2の入力端子には、入出力ポート205のオンにより発生するパルス信号である発射制御信号αが入力される。
発射ソレノイド制御部310のローパスフィルタF2の入力端子に発射制御信号αが入力されると、ローパスフィルタF2で該発射制御信号αに重畳されたノイズ(高周波成分)が減少される。ローパスフィルタF2の出力端子は、シュミットトリガインバータIC1の入力端子と接続されており、該シュミットトリガインバータIC1に入力された発射制御信号αは、シュミットトリガインバータIC1で波形が整形されるとともに、波形が反転され、シュミットトリガインバータIC1の出力端子から発射制御信号ガンマ(以下、「γ」と略す)として出力される。
発射ソレノイド制御部310のシュミットトリガインバータIC1の出力端子は、FETスイッチSW1のゲート端子Gと接続される。FETスイッチSW1のドレイン端子Dは、一端がDC−DCコンバータCV1に接続された発射ソレノイド53aの他端およびダイオードD1のアノードと接続され、FETスイッチSW1のソース端子Sはグランドされている。よって、FETスイッチSW1のゲート端子Gに発射制御信号γが入力されると(5ボルト状態になると)、FETスイッチSW1のドレイン端子Dとソース端子Sとが導通し、発射ソレノイド53aには、コンデンサCD1に蓄えられた電荷によって発生する電圧E1(最大値Ecボルト)が印加される。これにより、発射ソレノイド53aのプランジャが突出し、発射ソレノイド53aの突出方向前面に配置された球が遊技領域へ向けて発射される。なお、コンデンサCD1に蓄えられた電荷によって発射ソレノイド53aに印加される電圧E1は、印加された瞬間に最大値Ecボルトとなり、時間経過とともにその電圧値は減少する。
一方、FETスイッチSW1のゲート端子Gに発射制御信号γが入力されていないときは(0ボルト状態のときは)、FETスイッチSW1のドレイン端子Dとソース端子Sとの導通は遮断され、発射ソレノイド53aには電圧E1が印加されない。これにより、発射ソレノイド53aのプランジャは、発射ソレノイド53a内部に設けられたバネ(図示せず)の弾性力によって、突出状態から初期状態に戻される(初期状態が維持される)。
球送りソレノイド制御部320は、主制御装置110から入力される球送り制御信号βに基づいて球送りソレノイド54aのオンオフを制御するための回路であり、抵抗値が固定された抵抗R2と、ローパスフィルタF3と、シュミットトリガインバータIC2と、FETスイッチSW2と、5ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC1と、12ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC2とによって構成されている。
球送りソレノイド制御部320のローパスフィルタF3の入力端子は、主制御装置110の入出力ポート205と接続され、その入出力ポート205とローパスフィルタF3の入力端子との間には、抵抗R2の一端が接続されている。抵抗R2の他端は、直流電源DC1と接続されており、入出力ポート205がオン状態(即ち、5ボルト状態)であれば、ローパスフィルタF3の入力端子には、5ボルトが入力される一方、入出力ポート205がオフ状態(即ち、0ボルト状態)であれば、ローパスフィルタF3の入力端子は、無入力状態(即ち、0ボルト状態)となる。なお、入出力ポート205は、オンオフを繰り返し行うので、ローパスフィルタF3の入力端子には、入出力ポート205のオンにより発生するパルス信号である球送り制御信号βが入力される。
球送りソレノイド制御部320のローパスフィルタF3の入力端子に球送り制御信号βが入力されると、該ローパスフィルタF3で、球送り制御信号βに重畳されたノイズ(高周波成分)が減少される。ローパスフィルタF3の出力端子は、シュミットトリガインバータIC2の入力端子と接続されており、シュミットトリガインバータIC2に入力された球送り制御信号βは、該シュミットトリガインバータIC2で波形が整形されるとともに、波形が反転され、シュミットトリガインバータIC2の出力端子から球送り制御信号デルタ(以下、「δ」と略す)として出力される。
球送りソレノイド制御部320のシュミットトリガインバータIC2の出力端子は、FETスイッチSW2のゲート端子Gと接続される。FETスイッチSW2のドレイン端子Dは、球送りソレノイド54aの他端およびダイオードD2のアノードと接続され、球送りソレノイド54aの一端には、ダイオードD2のカソードおよび12ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC2が接続されている。また、FETスイッチSW2のソース端子Sは、グランドされている。よって、FETスイッチSW2のゲート端子Gに球送り制御信号δが入力されると(即ち、5ボルト状態)、FETスイッチSW2のドレイン端子Dとソース端子Sとが導通し、球送りソレノイド54aには直流電源DC2から供給される12ボルトの直流電圧E2が印加される。これにより、球送りソレノイド54aがオン(励磁)され、球送り開閉板54bが球送りソレノイド54aの磁界によって引っ張られ、球送り開閉板54bが上方へ回動する(図3(b)参照)。よって、球送り開閉板54bの載置部54b1によって流下が規制されていた球が、保持部54b2に収納された状態となる。
一方、FETスイッチSW2のゲート端子Gに球送り制御信号δが入力されていないときは(即ち、0ボルト状態のときは)、FETスイッチSW2のドレイン端子Dとソース端子Sとの導通は遮断され、球送りソレノイド54aには直流電圧E2が印加されない。これにより、球送りソレノイド54aがオフ(非励磁)となり、球送り開閉板54bが下方に回動し(図3(a)参照)、保持部54b2に保持されていた球が、発射レール55の基端部55a(図3参照)へと案内される。なお、ダイオードD2によって、球送りソレノイド54aのオンからオフへの切り替え時に発生する逆起電力(サージ電圧)を抑制している。
次に、図9を参照して、操作ハンドル51が操作された場合の発射制御装置112の動作について説明する。図9は、操作ハンドル51の回動量に基づいて可変抵抗器51cに発生する直流電圧と発射ソレノイド53aに印加される電圧E1との対応関係を示した図である。
図9は、横軸を可変抵抗器51cに発生する直流電圧の値(操作ハンドル51の回動操作量)とし、縦軸を発射ソレノイド53aにいんかされる電圧E1の値としている。第1実施形態のパチンコ機10では、操作ハンドル51の回動操作量は、最小値(初期値)0度から最大値120度まで回動可能に構成されており、操作ハンドル51の回動操作によって操作ハンドル51に設けられた(接続された)可変抵抗器51c(図7参照)に発生する直流電圧が変化する。この可変抵抗器51cに発生する直流電圧が、発射電圧制御部300にあるオペアンプOP1(図8参照)のプラス入力端子(非反転入力端子)に入力されると、オペアンプOP1の出力端子からは、増幅度がほぼ1の信号が出力される。なお、第1実施形態では、操作ハンドル51の回動操作量が0度のとき、可変抵抗器51cから発生する直流電圧値は約0.7ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が10度のとき、可変抵抗器51cから発生する直流電圧値は約1.0ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が20度のとき、可変抵抗器51cから発生する直流電圧値は約1.3ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が30度のとき、可変抵抗器51cから発生する直流電圧値は約1.6ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が40度のとき、可変抵抗器51cから発生する直流電圧値は約1.9ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が50度のとき、可変抵抗器51cから発生する直流電圧値は約2.2ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が60度のとき、可変抵抗器51cから発生する直流電圧値は約2.5ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が70度のとき、可変抵抗器51cから発生する直流電圧値は約2.8ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が80度のとき、可変抵抗器51cから発生する直流電圧値は約3.1ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が90度のとき、可変抵抗器51cから発生する直流電圧値は約3.4ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が100度のとき、可変抵抗器51cから発生する直流電圧値は約3.7ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が110度のとき、可変抵抗器51cから発生する直流電圧値は約4.0ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が120度のとき、可変抵抗器51cから発生する直流電圧値は約4.3ボルトに設定されている。
次に、オペアンプOP1から出力された信号は、ローパスフィルタF1(図8参照)でノイズ成分(高周波成分)が除去され、所定の信号として、ローパスフィルタF1の出力端子から出力される。ローパスフィルタF1の出力端子から出力された信号は、DC−DCコンバータCV1の入力端子へ入力され、昇圧された後、コンデンサCD1に印加される直流電圧Ecとなる(図8参照)。
図9で示すように(上述したように)、操作ハンドル51の回動操作量を0度から120度に変化させた場合、可変抵抗器51cから発生する直流電圧値が約0.7ボルトから約4.3ボルトへの変化に対応して、発射ソレノイド53aに印加される電圧E1は約4.0ボルトから約28.0ボルトまで変化している。
また、発射ソレノイド53aに印加される電圧E1の最大値が16.0ボルト未満(即ち、可変抵抗器51cから発生する直流電圧値が約2.5ボルト未満=操作ハンドル51の回動角度が60度未満)になると、発射ソレノイド53aにより打ち出される球は遊技領域まで到達しないファール球となる。なお、ファール球とは、発射ソレノイド53aの打ち出し力(発射強度)が弱く、戻り球防止部材68(図5参照)が位置する部位に到達せず、発射レール55(図2参照)へ戻る球を意味する。
さらに、発射ソレノイド53a印加される電圧が約19.0ボルト程度(即ち、可変抵抗器51cから発生する直流電圧値が約2.95ボルト程度=操作ハンドル51の回動角度が75度程度)になると、発射ソレノイド53aにより打ち出される球が第2大入賞口72(図5参照)に到達し得るようになる。
また、発射ソレノイド53aに印加される電圧が24.0ボルト以上(即ち、可変抵抗器51cから発生する直流電圧値が約3.7ボルト以上=操作ハンドル51の回動角度が100度以上)になると、発射ソレノイド53aにより打ち出される球は、可変表示装置ユニット80(図5参照)の正面視右側を流下する球(以下、「右打ち球」と称する場合がある)となる。換言すると、発射ソレノイド53aに印加される電圧が24.0ボルト未満である場合は、発射ソレノイド53aにより打ち出される球は、可変表示装置ユニット80の正面視左側を流下する球(以下、「左打ち球」と称する場合がある)、若しくは、ファール球となる。
ここで、第1実施形態のパチンコ機10では、操作ハンドル51の回動操作が初期位置から行われる場合、ファール球とならずに遊技領域まで到達し得る回動量(即ち、60度から75度未満=可変抵抗器51cに発生する直流電圧値が約2.5ボルト〜約2.95ボルト未満)であっても発射ソレノイド53aによって球が打ち出されず、第2大入賞口72まで到達し得る回動量(即ち、75度以上=可変抵抗器51cに発生する直流電圧値が約2.95ボルト以上)となって初めて球が打ち出されるように構成されている。また、一旦、第2大入賞口72に到達し得る回動量となったことに基づいて球が発射された場合、第2大入賞口72に到達し得ない回動量、例えば、第1流路74や第2流路75に到達し得る程度の回動量であっても、球を発射可能に構成されている。さらに、一旦、第2大入賞口72に到達し得る回動量となったことに基づいて球が発射された後、再び、ファール球となり得る回動量となった場合、球の発射を停止(規制)するように構成されている。
従来、「通常遊技状態」等の左打ち遊技が奨励される遊技状態(即ち、右打ち遊技が非奨励の遊技状態)において、発射ソレノイド53aにより打ち出される球が戻り球防止部材68を僅かに超えて遊技領域(例えば、第1流路74や第2流路75(図5参照))に漸く到達し得る打ち出し力となるように操作ハンドル51を回動させる発射態様(所謂、チョロ打ち。弱左打ち遊技。)での遊技を好む(選択する)遊技者が存在する。このような弱左打ち遊技で遊技を行おうとする場合、先に発射された球が遊技領域まで到達し得ず、ファール球となって内レール61および外レール62で形成された発射球案内領域を流下し、後続で発射された球と衝突することでファール球の連鎖が発生してしまう。このファール球の連鎖が発生してしまうと、0.6秒間隔で新たに発射された球が発射球案内領域を流下するファール球と次々と衝突し、どうようの発射を継続している間、ファール球の連鎖が解消せずに継続してしまう場合がある。
このファール球の連鎖を解消するために、遊技者は、例えば、ファール球の連鎖が発生したことを認知した場合に、発射球案内領域を流下するすべての球がファール球としてファール球回収路(図示せず)に回収されるまで新たな球の発射を停止させることで、発射球案内領域を流下する球が存在しなくなるまで待つ場合がある。このような場合、球を発射するという遊技を中断する必要があり、該遊技が中断されることで遊技者が遊技に興醒めしてしまうおそれがある。また、遊技が中断される間、球が発射されないことから、パチンコ機10の稼働率が低下してしまい、遊技ホールの経営に悪影響を及ぼしてしまうおそれがある。
また、上記ファール球の連鎖を解消するために、遊技者は、例えば、ファール球の連鎖が発生している状態で操作ハンドル51をさらに大きく回動させ、発射球案内領域を流下する球に対して新たに強く打ち出した球を衝突させて、その衝突力によってファール球を遊技領域まで到達させるとともに、新たな球も遊技領域まで到達させる場合がある。このような場合、ファール球の連鎖が解消されることもあるが、該ファール球の連鎖が解消された途端、大きく回動させている操作ハンドル51の打ち出し力のまま球が発射されてしまい、遊技者が意図しない右打ち遊技が行われるおそれがある。特に、右打ち遊技が奨励されていない遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)において、上記ファール球の連鎖の解消方法を行った場合、ファール球の連鎖が解消された直後に発射される球が右打ち球となってしまい、遊技仕様上、奨励されていない遊技が行われてしまうおそれがある。
さらに、所定期間の間に確変領域65c,72cに球を通過させないと「確率変動状態」が発生し得ないパチンコ機10において、確変領域65c,72cが開放されて球が通過可能な状態となっているにもかかわらず、上記ファール球の連鎖が発生してしまうと、該ファール球の連鎖の解消に時間を費やしてしまい、確変領域65c,72cが開放されている間に球を該確変領域65c,72cに流入させることができない場合がある。このような場合、折角、「確率変動状態」が発生し得る抽選結果を得ていたにもかかわらず、大当たり終了後に「確率変動状態」に突入させることができないことから、遊技者が遊技に興醒めするおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、遊技球を新たに発射する場合に、操作ハンドル51の回動操作量に基づく可変抵抗器51cに発生する直流電圧値が、ファール球となり得る直流電圧値(回動操作量)より大きな直流電圧値(回動操作量)であって、ファール球となり得る蓋然性が低い第2大入賞口72に球が到達し得る直流電圧値(回動操作量)となって初めて球を発射するように構成する。このように構成することで、例えば、操作ハンドル51が遊技者によって回動され始めてから弱左打ち遊技が行われ得る程度の回動量の場合は、球を発射させないことで、ファール球が発生してしまうことを防止することができ、遊技を行う上で球の発射を好適に行うことができ、遊技者が遊技に興醒めしてしまうこと、および、奨励されていない球の発射態様を抑制し、快適な遊技環境を構築することができる。
また、第1実施形態では、可変抵抗器51cに発生する直流電圧値(即ち、操作ハンドル51の回動操作量)が第2大入賞口72に到達し得る発射強度となる直流電圧値となった場合、その後に操作ハンドル51の回動量が減少されて可変抵抗器51cに発生する直流電圧値が減少した場合でも、弱左打ち遊技のような発射態様で球を発射させることが可能に構成されている。このように構成することで、球が発射可能となった後に発生し得るファール球の発生を抑制して、ファール球の連鎖を予防しつつ、遊技者所望の発射態様を実現可能に構成して、快適な遊技環境を構築することができる。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、第2大入賞口72に到達し得る発射強度となる直流電圧値が可変抵抗器51cに発生する場合に、球を発射可能に構成しているため、例えば、遊技者が操作ハンドル51から手を離した状態から、再び、球を発射し得る場合に、最初の球を第2大入賞口72に入賞可能な発射態様で球を発射させることができる。このため、例えば、「通常遊技状態」において「確率変動状態」が付与され得る大当たり種別(即ち、「確変B」)に当選した場合において、該大当たり種別に当選する変動演出において操作ハンドル51から手を離してリーチ演出等を見ていた遊技者が、大当たりの発生を認知したことによって、再び、球を発射させる場合、第2大入賞口72に到達し得る球が最初に発射されることで、ファール球を発生させることなく第2大入賞口72に球を容易に入賞させることが可能となる。その結果、第2大入賞口72の開放中に第2確変領域72cに球を入賞させ易くすることができ、取得した遊技価値を確実に付与され得るようにして、遊技の興趣を向上することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、球を発射している状況から再びファール球となり得る可変抵抗器51cの直流電圧値(即ち、操作ハンドル51の回動操作量=60度未満)になった場合に、球の発射を停止(規制)するように構成している。このように構成することで、球が発射可能となった後にファール球の連鎖が発生してしまうことを抑制し、遊技を行う上で球の発射を好適に行うことができ、遊技者が遊技に興醒めしてしまうこと、および、奨励されていない球の発射態様を抑制し、快適な遊技環境を構築することができる。
図7に戻って、説明を続ける。主制御装置110では、大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における動的表示および変動演出の設定、普通図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ203cが設けられている。
また、ROM202は、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、保留数テーブル202c、停止パターンテーブル202d、変動パターンテーブル202e、大入賞口開放テーブル202f、確変領域開閉テーブル202gを少なくとも格納している。RAM203に格納された各種カウンタと、ROM202に格納された各種テーブルとによって、主制御装置110は、上記の主要な制御を実行する。
ここで、図10を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や、特別図柄表示装置37の動的表示の設定、および第3図柄表示装置81の変動演出の設定、普通図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。また、各種カウンタの説明の中で、図11乃至図14を参照して、主制御装置110のROM202に格納された各種テーブルについても説明する。
大当たり抽選や、特別図柄表示装置37の動的表示の設定、および、第3図柄表示装置81の変動演出の設定には、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の停止種別の選択に使用する大当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の選択に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。
また、普通図柄表示装置83の抽選には、普図当たり乱数カウンタC4が用いられ、普図当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図15参照)の実行間隔である「4ミリ秒」間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図27参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファ203cに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1特別図柄に関する4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)からなる第1保留球格納エリア203dと、第2特別図柄に関する4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)からなる第2保留球格納エリア203eとが設けられており、これらの各エリアには、第1始動口64又は第2始動口71bへの入球タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。大当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、「0〜899」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜899」の値を取り得るカウンタの場合は「899」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に、大当たり乱数カウンタC1の更新が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれ、その初期値から大当たり乱数カウンタC1の更新が行われる。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、大当たり乱数カウンタC1が「0〜899」の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、「0〜899」の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図15参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図27参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
大当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図15参照)毎に1回)更新される。そして、球が第1始動口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1始動口64(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納される。また、球が第2始動口71bに入賞(始動入賞)したタイミングで、第2始動口71b(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのいずれかの第2保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納される。
大当たり乱数カウンタC1が大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202aによって設定されており、保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1,203e1に格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、大当たりと判定される。
ここで、図11を参照して、大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図11は、ROM202に記憶される大当たり乱数テーブル202aの一例を模式的に示した模式図である。大当たり乱数テーブル202aは、パチンコ機10の遊技状態が、「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」である特別図柄の低確率状態(「確率変動状態」ではない期間)の場合に使用される低確率状態用と、パチンコ機10の遊技状態が、低確率状態より大当たりとなる確率の高い特別図柄の高確率状態である「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」の場合に使用される高確率状態用との2種類に分けられる。そして、低確率状態用と高確率状態用とのそれぞれに含まれる大当たりとなる乱数の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1実施形態のパチンコ機10では、低確率状態の場合に大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の数は3個で、その値「7,307,582」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。つまり、低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)における特別図柄の大当たり確率は、3/900=1/300となるように設定されている。
一方で、高確率状態の場合に大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は9個で、その値「28,122,298,390,486,567,656,750,866」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。つまり、高確率状態(即ち、「確率変動状態」)における特別図柄の大当たり確率は、9/900=1/100となるように設定されている。
なお、第1実施形態では、大当たり乱数テーブル202aに格納されている低確率状態用の大当たり乱数値と、高確率状態用の大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれ大当たり乱数値を設定している。ここで、パチンコ機10の状況にかかわらず大当たり乱数値となる値が存在すれば、その値が外部から予測されやすくなるので、不正に大当たりを引き当てられる可能性が高くなる恐れがある。これに対して、第1実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
図10に戻って、説明を続ける。大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後に「0」に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図15参照)毎に1回)更新される。そして、球が第1始動口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1始動口64(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアと同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納される。また、球が第2始動口71bに入賞(始動入賞)したタイミングで、第2始動口71b(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアと同じ第2保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納される。
ここで、例えば、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、ハズレとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、ハズレ時のものとなる。一方で、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
ここで、例えば、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、ハズレとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、ハズレ時のものとなる。一方で、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
ここで、図12(a)及び図12(b)、図13、並びに、図14を参照して、特図1用大当たり種別テーブル202b1及び特図2用大当たり種別テーブル202b2、大入賞口開放テーブル202f、並びに、確変領域開閉テーブル202gについて説明する。図12(a)は、ROM202に記憶される第1特別図柄に対応する特図1用大当たり種別テーブル202b1の一例を模式的に示した図であり、図12(b)は、同じくROM202に記憶される第2特別図柄に対応する特図2用大当たり種別テーブル202b2の一例を模式的に示した図である。図12(a)及び図12(b)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、特別図柄の種別と、該特別図柄の種別に応じた大当たり種別と、大当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。また、図13は、ROM202に記憶される大入賞口開放テーブル202fの一例を模式的に示した図である。図13に示すように、大入賞口開放テーブル202fは、大当たり種別に応じて開放される第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開放態様と、該大当たり種別後に発生し得る遊技状態等を対応付けたテーブルである。さらに、図14は、ROM202に記憶される確変領域開閉テーブル202gの一例を模式的に示した図である。図14に示すように、確変領域開閉テーブル202gは、大当たり種別に応じて開放される第1確変領域65c又は第2確変領域72cの開放態様を対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に、特別図柄の変動演出における次の大当たり(以下、「次回大当たり」と称する場合がある)が発生するまでの間、特別図柄の大当たり確率及び普通図柄の当たり確率が共に高確率状態となる「10R確変大当たり」である「確変A」と、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に、特別図柄の大当たり確率は次回大当たりまでの間、高確率状態となり、また、普通図柄の当たり確率は特別図柄の変動演出が50回実行されるまでの間、高確率状態(特別図柄の変動演出が50回実行された後は、次回大当たりまで低確率状態。即ち、「潜伏確率変動状態」。)となる「4R確変大当たり」である「確変B」と、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に、特別図柄の変動演出が100回実行されるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態となるが、特別図柄の大当たり確率が低確率状態(所謂、時短100回)となる「時間短縮状態」へ移行する「10R時短大当たり」である「時短A」と、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、特別図柄の変動演出が50回実行されるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態となるが、特別図柄の大当たり確率が低確率状態(所謂、時短50回)となる「時間短縮状態」へ移行する「4R時短大当たり」である「時短B」とがある(図13参照)。
即ち、第1実施形態のパチンコ機10において、大当たり種別「確変A」に当選した場合には、1ラウンド最大30秒間開放される第1大入賞口65の開放が10ラウンド実行される大当たり遊技が行われる。第1大入賞口65の開放中に球が該第1大入賞口65に入賞した場合には、1入賞につき15個の賞球が払い出され、1ラウンド中に10個の球が入賞したとき、開放中の第1大入賞口65が閉鎖される。即ち、大当たり種別「確変A」では、最大10ラウンド×入賞10個×賞球15個の計1500個の賞球が遊技者に払出可能に構成される(図13参照)。
また、該大当たり種別「確変A」の2ラウンド目において第1確変領域65cが開放され(図14参照)、該第1確変領域65cの開放中に球を流入させた場合は、該大当たり遊技終了後に「確率変動状態」が発生する一方、第1確変領域65cの開放中に球を流入させれなかった場合は、該大当たり遊技終了後に(大当たり種別「時短A」と同様の)「時間短縮状態」が発生するように構成されている。なお、大当たり種別「確変A」の1ラウンドにおける最大開放時間は30秒に設定されているため、遊技者が第1大入賞口65に向けて球を発射し続けた場合、最大開放時間による閉鎖条件(開放されてから30秒)より、入賞個数による閉鎖条件(1ラウンドに10個入賞)の方が成立し易いように構成されている。
次いで、大当たり種別「確変B」に当選した場合には、1ラウンド最大6秒間開放される第2大入賞口72の開放が4ラウンド実行される大当たり遊技が行われる。第2大入賞口72の開放中に球が該第2大入賞口72に入賞した場合には、1入賞につき10個の賞球が払い出され、1ラウンド中に10個の球が入賞したとき、開放中の第2大入賞口72が閉鎖される。即ち、大当たり種別「確変B」では、最大4ラウンド×入賞10個×賞球10個の計400個の賞球が遊技者に払出可能に構成される(図13参照)。
また、該大当たり種別「確変B」の1ラウンド目において第2確変領域72cが開放され(図14参照)、該第2確変領域72cの開放中に球を流入させた場合は、該大当たり遊技終了後に「確率変動状態」が発生する一方、第2確変領域72cの開放中に球を流入させれなかった場合は、該大当たり遊技終了後に(大当たり種別「時短B」と同様の)「時間短縮状態」が発生するように構成されている。なお、大当たり種別「確変B」の1ラウンドにおける最大開放時間は6秒に設定されているため、遊技者が第2大入賞口72に向けて球を発射し続けた場合に、入賞個数による閉鎖条件(1ラウンドに10個入賞)が成立する場合もあれば、最大開放時間経過による閉鎖条件(開放されてから6秒経過)が成立する場合もあり得るように構成されている。
ここで、大当たり種別「確変B」は、1ラウンド目において第2確変領域72cが開放され、6秒間の間、第2大入賞口72が開放されている間に第2確変領域72cへ球を流入させた場合に「確率変動状態」が発生し得るように構成されている。しかしながら、大当たり種別「確変B」の1のラウンドは最大開放時間が6秒間であり、また、第2確変領域72cの開放は大当たり開始から1ラウンド目に実行されている。このため、例えば、変動演出における「リーチ表示」の実行中に操作ハンドル51から手を離し、球の発射を停止していた遊技者は、大当たりに当選したことを認識した後に、急遽、操作ハンドル51の回動を開始するため、慌てた遊技者によってファール球が発生してしまったり、発射強度が強過ぎて右打ち球となってしまう等、第2大入賞口72の配設位置に適切に球を発射できないおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、操作ハンドル51が第2大入賞口72に到達し得る回動量となって可変抵抗器51cに発生する直流電圧値が約2.95ボルトとなった場合に、球を発射可能に構成しているため、例えば、遊技者が操作ハンドル51から手を離した状態から、再び、球を発射し得る場合に、最初の球を第2大入賞口72に入賞可能な発射態様で球を発射させることができる。このため、例えば、「通常遊技状態」において「確率変動状態」が付与され得る大当たり種別(即ち、「確変B」)に当選した場合において、該大当たり種別に当選する変動演出において操作ハンドル51から手を離してリーチ演出等を見ていた遊技者が、大当たりの発生を認知したことによって、再び、球を発射させる場合、第2大入賞口72に到達し得る球が最初に発射されることで、ファール球を発生させることなく第2大入賞口72に球を容易に入賞させることが可能となる。その結果、第2大入賞口72の開放中に第2確変領域72cに球を入賞させ易くすることができ、取得した遊技価値を確実に付与され得るようにして、遊技の興趣を向上することができる。
次いで、大当たり種別「時短A」に当選した場合には、大当たり種別「確変A」と同様、1ラウンド最大30秒間開放される第1大入賞口65の開放が10ラウンド実行される大当たり遊技が行われる。第1大入賞口65の開放中に球が該第1大入賞口65に入賞した場合には、1入賞につき15個の賞球が払い出され、1ラウンド中に10個の球が入賞したとき、開放中の第1大入賞口65が閉鎖される。即ち、大当たり種別「時短A」では、大当たり種別「確変A」と同様、最大10ラウンド×入賞10個×賞球15個の計1500個の賞球が遊技者に払出可能に構成される(図13参照)。
しかしながら、大当たり種別「時短A」の大当たり遊技中には、第1確変領域65cが開放されないため(図14参照)、第1確変領域65cに球を流入させることができず、該大当たり遊技終了後にはもれなく「時間短縮状態」が発生するように構成されている。なお、大当たり種別「時短A」の1ラウンドにおける最大開放時間は、大当たり種別「確変A」と同様、30秒に設定されているため、遊技者が第1大入賞口65に向けて球を発射し続けた場合、最大開放時間による閉鎖条件(開放されてから30秒)より、入賞個数による閉鎖条件(1ラウンドに10個入賞)の方が成立し易いように構成されている。
次いで、大当たり種別「時短B」に当選した場合には、大当たり種別「確変B」と同様、1ラウンド最大6秒間開放される第2大入賞口72の開放が4ラウンド実行される大当たり遊技が行われる。第2大入賞口72の開放中に球が該第2大入賞口72に入賞した場合には、1入賞につき10個の賞球が払い出され、1ラウンド中に10個の球が入賞したとき、開放中の第2大入賞口72が閉鎖される。即ち、大当たり種別「時短B」では、大当たり種別「確変B」と同様、最大4ラウンド×入賞10個×賞球10個の計400個の賞球が遊技者に払出可能に構成される(図13参照)。
しかしながら、大当たり種別「時短B」の大当たり遊技中には、第2確変領域72cが開放されないため(図14参照)、第2確変領域72cに球を流入させることができず、該大当たり遊技終了後にはもれなく「時間短縮状態」が発生するように構成されている。なお、大当たり種別「時短B」の1ラウンドにおける最大開放時間は、大当たり種別「確変B」と同様、6秒に設定されているため、遊技者が第2大入賞口72に向けて球を発射し続けた場合に、入賞個数による閉鎖条件(1ラウンドに10個入賞)が成立する場合もあれば、最大開放時間経過による閉鎖条件(開放されてから6秒経過)が成立する場合もあり得るように構成されている。
特図1用大当たり種別テーブル202b1及び特図2用大当たり種別テーブル202b2では、それぞれ、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する大当たり種別カウンタC2の取り得る値が対応付けられている。
図12(a)の特図1用大当たり種別テーブル202b1の例では、「10R確変大当たり」である「確変A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0〜19」が対応付けられ、「4R確変大当たり」である「確変B」に対して大当たり種別カウンタC2の値「20〜79」が対応付けられ、「4R時短大当たり」である「時短B」に対して大当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が対応付けられている。
第1実施形態における第1特別図柄の当否抽選において、第1保留球格納エリア203dのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特図1用大当たり種別テーブル202b1から決定される。
例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「15」であれば、大当たり種別として「10R確変大当たり」に対応する「確変A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「35」であれば、大当たり種別として「4R確変大当たり」に対応する「確変B」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「95」であれば、大当たり種別として「4R時短大当たり」に対応する「時短B」が決定される。
即ち、第1特別図柄の第1抽選遊技(即ち、第1始動口64への入球に基づく抽選)において大当たりに当選した場合には、「確変A」の大当たり種別が20%の割合で選択され、「確変B」の大当たり種別が60%の割合で選択され、「時短B」の大当たり種別が20%の割合で選択されるように構成されている。
また、図12(b)の特図2用大当たり種別テーブル202b2の例では、「10R確変大当たり」である「確変A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0〜79」が対応付けられ、「10R時短大当たり」である「時短A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が対応付けられている。
第1実施形態における第2特別図柄の当否抽選において、第1特別図柄の当否抽選と同様、第2保留球格納エリア203eのいずれかの保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特図2用大当たり種別テーブル202b2から決定される。
例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「10」であれば、大当たり種別として「10R確変大当たり」に対応する「確変A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「90」であれば、大当たり種別として「10R時短大当たり」に対応する「時短A」が決定される。
即ち、第2特別図柄の第2抽選遊技(即ち、第2始動口71bへの入球に基づく抽選)において大当たりに当選した場合には、「確変A」の大当たり種別が80%の割合で選択され、「時短A」の大当たり種別が20%の割合で選択されるように構成されている。
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄による抽選遊技より、第2特別図柄による抽選遊技の方が、遊技者にとって遊技価値が大きいため、遊技者は、如何にして第2特別図柄による抽選を受けるか、即ち、第1始動口64へ入球させるより第2始動口71bへ入球させるかという遊技性が生まれ、遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣が高められている。
次に、各大当たり種別における第1確変領域65c及び第2確変領域72cの開放パターンについて説明する。第1実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の大当たりに当選した場合に、該大当たりの大当たり種別に基づいて、大当たり時の各ラウンド(1ラウンド乃至10ラウンド、又は、1ラウンド乃至4ラウンド。以下同様。)毎の第1確変領域65c又は第2確変領域72cの開放パターン(第1確変領域開閉板65d及び第2確変領域開閉板72dの駆動パターン)が設定されるように構成されている。
図14で示す確変領域開閉テーブル202gでは、各特別図柄における大当たり種別毎において、各ラウンド毎に開放される第1確変領域65c又は第2確変領域72cを示しており、各ラウンド毎に、第1確変領域65c又は第2確変領域72cが開放される場合には「開」と表現し、第1確変領域65c又は第2確変領域72cが閉鎖されている場合は「−」と表現している。なお、各大当たり種別において発生し得ないラウンド(即ち、大当たり種別「確変B」又は「時短B」の5ラウンド乃至10ラウンド)は、斜め斜線で表現している。なお、第1実施形態では、「確率変動状態」を発生可能な各大当たり種別において、開放される第1大入賞口65又は第2大入賞口72に対応する第1確変領域65c又は第2確変領域72cが開放され得るように構成され、閉鎖されている第2大入賞口72又は第1大入賞口65の第2確変領域72c又は第1確変領域65cは閉鎖され続けるように構成されている。
図14で示すように、第1特別図柄又は第2特別図柄で発生し得る大当たり種別「確変A」では、該大当たり遊技の2ラウンド目において第1大入賞口65が開放されることに伴って第1確変領域65cが開放される。また、第1特別図柄で発生し得る大当たり種別「確変B」では、該大当たり遊技の1ラウンド目において第2大入賞口72が開放されることに伴って第2確変領域72cが開放される。なお、第1特別図柄で発生し得る大当たり種別「時短B」、又は、第2特別図柄で発生し得る大当たり種別「時短A」では、いずれのラウンドにおいても第1確変領域65c及び第2確変領域72cが開放されずに閉鎖し続けるように構成されている。
なお、確変領域65c,72cの開放タイミングは、第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開放開始と連動して所定時間経過後に開放されてもよいし、いずれかの大入賞口65,72において所定数(例えば、1個目)の球が入賞したタイミングで開放するように構成してもよい。さらに、確変領域65c,72cの開放ラウンドは、如何様なラウンドでも良く、例えば、各大当たり遊技の最終ラウンドで開放するように構成してもよい。
また、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブル202bにて、各大当たり種別に対して対応付けられる大当たり種別カウンタC2の値が規定される。
さらに、大当たり種別が選択される確率は、パチンコ機10の遊技状態に応じて変更されてもよい。この場合、各遊技状態に対応する大当たり種別テーブル202bを用意し、それぞれの大当たり種別テーブル202bにおいて、各大当たり種別に対して対応付ける大当たり種別カウンタC2の値の数を変更すればよい。
図10に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、例えば「0〜99」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。
第1実施形態では、保留されている変動演出の保留数と停止パターン選択カウンタC3の値とによって、第3図柄表示装置81で表示される大当たり時およびハズレ時の変動演出の大まかな演出態様が選択される。具体的には、「リーチ表示」が発生しない「非リーチ(短縮)」演出態様又は「非リーチ(通常)」演出態様と、「リーチ表示」として「ノーマルリーチ」の変動要素のみが実行される「ノーマルリーチ」演出態様と、該「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「スーパーリーチ」演出態様と、同じく「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「スペシャルリーチ」演出態様との5つの演出態様が選択される。
ここで、各演出態様について詳細に説明する。演出態様の中で、「非リーチ(短縮)」演出態様と「非リーチ(通常)」演出態様とは、主表示領域Dmの各表示領域Dm1〜Dm3(図6(a)参照)にて「高速変動」の変動要素が行われた後に、該左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3に同一の第3図柄が停止せずに「リーチ表示」を発生しない演出態様である。
「高速変動」の変動要素とは、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(図6参照)で行われる変動演出において、各図柄列Z1〜Z3(図6(a)参照)に表示される第3図柄が、表示画面縦方向下方に高速にスクロールされている変動要素をいう。この「高速変動」では、遊技者によって第3図柄の表示内容を明確に認識できないように第3図柄を変動させ、前回停止表示された変動演出の停止結果を不規則に混ぜる(シャッフルする)演出として実行される。
第1実施形態のパチンコ機10では、「高速変動」の変動要素が行われた後、特定の演出態様(「非リーチ(短縮)」演出態様)を除いて「低速変動」の変動要素が行われるように構成されている。「低速変動」の変動要素とは、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(図6(a)参照)で行われる変動演出において、上記「高速変動」の変動要素後、遊技者に視認可能な速度で第3図柄を低速にスクロールしている変動要素をいう。この「低速変動」の変動要素では、遊技者に第3図柄の表示内容を認識させながら、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2(図6(a)参照)の順に第3図柄を停止表示する。左図柄列Z1及び右図柄列Z3において同一の第3図柄が停止した場合は「リーチ表示」が発生したとして「ノーマルリーチ」の変動要素へと発展する一方、左図柄列Z1及び右図柄列Z3において異なる第3図柄が停止した場合は、中図柄列Z2を停止表示して、その変動演出を終了するように構成されている(後述する「疑似連」に発展する場合は除く)。
従って、「非リーチ(通常)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われて、各図柄列Z1〜Z3(図6(a)参照)がそれぞれ順番に停止し、1の変動演出が終了する。一方、「非リーチ(短縮)」演出態様では、「高速変動」が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われず、該「高速変動」の変動要素の終了後、各図柄列Z1〜Z3が同時に停止し、1の変動演出が終了する。
演出態様の中で、「ノーマルリーチ」演出態様とは、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3(図6(a)参照)の変動演出において、左図柄列Z1及び右図柄列Z3に同一の第3図柄が停止した直後に「ノーマルリーチ」の変動要素が実行され、他の「リーチ表示」、即ち、「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展しない「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「ノーマルリーチ」の変動要素では、上述したように、主表示領域Dmの左図柄列Z1(左表示領域Dm1)及び右図柄列Z3(右表示領域Dm3)に停止表示している第3図柄が通常時より拡大して表示される。また、中図柄列Z2(中表示領域Dm2)の第3図柄が低速で表示画面縦方向下方へスクロールして、遊技者により該中表示領域Dm2の第3図柄が視認可能な状態で表示される。さらに、この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域Dmの拡大表示に伴って、副表示領域Dsが消去される(図示せず)。
演出態様の中で、「スーパーリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「スーパーリーチ」演出態様において、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、「ノーマルリーチ」の変動要素の表示状態から、コクピット表示領域Db(図6(a)参照)が消去され、この「リーチ表示」の発生要因であった第3図柄のリーチ形成図柄が表示画面の表示領域左上に縮小表示される。そして、主表示領域Dmの背景表示が「ノーマルリーチ」の変動要素から変化すると共に、複数のキャラクタ図柄を現出させて「バトル演出(例えば、キックボクシング)」を行う(図示せず)。
第1実施形態では、その「バトル演出」の結果(勝敗)に基づいて、変動演出の当否を示唆するように構成されている。具体的には、例えば、上記「バトル演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に勝利した場合には、その変動演出が「大当たり表示」となることを示唆し、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に負けた場合には、その変動演出が「ハズレ表示」となることを示唆するように構成されている。
演出態様の中で、「スペシャルリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「スペシャルリーチ」演出態様において、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中は、上記「スーパーリーチ」の変動要素と同様、「ノーマルリーチ」の変動要素の表示状態から、コクピット表示領域Db(図6(a)参照)が消去され、この「リーチ表示」の発生要因であった第3図柄のリーチ形成図柄が表示画面の表示領域左上に縮小表示される。そして、主表示領域Dm(図6(a)参照)の背景表示が「ノーマルリーチ」の変動要素から変化すると共に、「スーパーリーチ」の変動要素とは異なる複数のキャラクタを現出させて「競争演出(例えば、自動車レース)」を行う(図示せず)。
第1実施形態では、その「競争演出」の結果(勝敗)に基づいて、変動演出の当否を示唆するように構成されている。具体的には、例えば、上記「競争演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に勝利した場合には、その変動演出が「大当たり表示」となることを示唆し、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に負けた場合には、その変動演出が「ハズレ表示」となることを示唆するように構成されている。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図15参照)毎に1回)更新される。そして、球が第1始動口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1始動口64(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3に格納される。また、球が第2始動口71bに入賞(始動入賞)したタイミングで、第2始動口71b(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3に格納される。
第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在保留中の変動演出の数(保留球数)とに応じて、停止パターン選択カウンタC3の値を参照する停止パターンテーブル202dが異なるように構成されている。即ち、停止パターンテーブル202dは、複数種類設けられ、待機中の変動演出の数(保留球数)等によって選択されるように構成されている。
また、第1実施形態では、変動演出の詳細な変動パターンを決定する場合に、まず、ROM202に備えられた保留数テーブル202cに基づいて、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在の変動演出の数(保留球数)とに対応したいずれかの停止パターンテーブル202dが選択される。そして、選択された停止パターンテーブル202dと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて変動演出の大まかな演出態様を選択する。その後、選択された演出態様と後述する変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、変動演出の詳細な変動パターン(変動時間)が決定される。
この複数種類設けられた停止パターンテーブル202dは、各停止パターンテーブル202d毎に演出態様が選択される停止パターン選択カウンタC3の乱数値の範囲が異なるように設定されている。この停止パターンテーブル202dが複数用意されているのは、変動演出の当否、遊技状態及び保留球数に応じて変動演出の演出態様の選択比率を変更するためである。即ち、(1)取得した第3図柄の変動演出において大当たりが発生するか、(2)現在のパチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」(「潜伏確率変動状態」)であるか、及び、(3)保留されている変動演出の保留球数がいくつあるか、に応じて、演出態様の選択比率を変更するためである。
これは、第1の理由として、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させるためである。即ち、大当たり抽選に当選した場合と大当たり抽選にハズレた場合とで、「非リーチ」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、及び、「スペシャルリーチ」演出態様の選択する割合を異ならせるように構成することで、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させる。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選した場合に「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様を選択し易く構成し、大当たり抽選に当選しなかった場合には、「非リーチ」演出態様や「ノーマルリーチ」演出態様を選択し易く構成する。このように構成することで、「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様は、大当たりし易い演出とすることができ、「ノーマルリーチ」演出態様や「非リーチ」演出態様は、大当たりし難い演出若しくは大当たりしない演出とすることができ、各演出態様毎の大当たり期待度を差別化することができる。従って、変動演出に大当たりし易い演出が現出した場合に、その大当たりし易い演出が行われている間、大当たりが発生する可能性が高いことを遊技者に示唆し、遊技の興趣を高めている。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、取得した抽選結果が大当たりである場合には、大当たりし易い演出を選択し易く、かつ、大当たりし難い演出を選択し難い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成する。一方、取得した抽選結果がハズレである場合には、大当たりし易い演出を選択し難く、かつ、大当たりし難い演出を選択し易い停止パターンテーブル202dするように構成する。これにより、変動演出において第3図柄の抽選結果を遊技者に報知する場合に、大当たりし易い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し易く、大当たりし難い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し難くし、演出態様ごとに大当たり期待値に差を設けることで、その変動演出の実行中に遊技の興趣を高めることができる。
また、第2の理由として、第1特別図柄の変動演出の待機回数が上限に達している状態における第1始動口64への入球、又は、第2特別図柄の変動演出の待機回数が上限に達している状態における第2始動口71bへの入球に基づく無駄球(所謂、オーバーフロー入賞による無抽選)を極力削減するためである。具体的に説明すると、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出の待機回数はそれぞれ最大4回と上限が設けられていると共に、変動演出は少なくとも一定時間が実行されることから、「確率変動状態」における第2始動口71bへ球が入球し易い遊技状態では、第2特別図柄の最大保留球数に到達し易い。これらの遊技状態において、長い変動時間の変動演出を選択すると、第2特別図柄の最大保留球数に到達した状態での第2始動口71bへの入球が頻発し、折角、第2始動口71bへ入球したにもかかわらず、第2特別図柄の抽選契機を取得できない。また、「通常遊技状態」においても、第1特別図柄の最大保留球数に到達している状態で、長い変動時間の変動演出を選択すると、その変動演出の実行中は第1特別図柄の保留球数が消化されないため、その間に第1始動口64への入球が発生しても、第1特別図柄の抽選契機を取得できない。このような状態になると、遊技者は、第1始動口64へ球を入球させても遊技価値が得られないと判断し、変動演出が消化されて再び保留球数を取得できる状態になるまで球の発射を停止して遊技を中断してしまう。遊技が中断されると、パチンコ機10の稼働率が低下してしまい、遊技場の経営に影響を与えてしまう。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、第3図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の最大保留球数へ到達し易い遊技状態や、最大保留球数に近い(又は一致する)保留球数では、比較的短い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の最大保留球数に到達している状態での第1始動口64又は第2始動口71bへの入球を防止することができる。
さらに、第3の理由として、実行時間を長く設定して、変動演出の終了を遅らせることで、変動演出が実行されている状態を長く維持するためである。具体的に説明すると、変動演出の保留球数が少ない(無い)場合に、実行中の変動演出の変動時間内に新たに第1始動口64又は第2始動口71bのいずれかに球を入球させないと、次の変動演出を開始することができず、第3図柄表示装置81でデモ画面等を表示しなければいけない。遊技者は、球を発射して遊技を行っているにもかかわらず第3図柄表示装置81において変動演出が行われない場合、遊技者が求めている大当たりの抽選に係る興趣を得ることができず、遊技に興醒めしてしまう。また、遊技者は、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていないことで、第1始動口64又は第2始動口71bへ球が入球し難いパチンコ機10であると認識し、遊技価値を得難い台と判断して、そのパチンコ機10での遊技を止めてしまうおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の保留球数が少ない場合に、比較的長い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていない状況を起こり難く構成し、第3図柄表示装置81における変動演出の実行状態を長く維持することができる。
変動種別カウンタCS1は、例えば「0〜199」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「199」)に達した後「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図15参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図27参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、球が第1始動口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1始動口64(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d4に格納される。また、球が第2始動口71bに入賞(始動入賞)したタイミングで、第2始動口71b(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203e4に格納される。
変動種別カウンタCS1は、変動演出の詳細な変動パターンの決定に用いられる。即ち、主制御装置110のMPU201は、停止パターンテーブル202d及び停止パターン選択カウンタC3によって選択された演出態様において、変動種別カウンタCS1の値と、ROM202に格納された変動パターンテーブル202eとによって、詳細な変動パターンを決定する。変動パターンの決定は、具体的には、変動演出の変動時間の決定である。音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様を決定し、また予告演出実行の有無や予告演出の実行態様を決定する。
このように、主制御装置110のMPU201は、変動演出の大まかな変動パターンを選択して変動時間のみを決定する。このように構成することで、主制御装置110のMPU201において、変動演出を実行するために必要な詳細な予告抽選等の制御を行う必要がなくなるので、変動演出に関するMPU201の処理を軽減することができる。また、主制御装置110において変動演出の全変動パターンのコマンドを用意する必要がなくなり、主制御装置110のROM容量を削減することができる。
また、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114において、主制御装置110で決定された変動時間(大まかな変動パターン)に基づいて、変動演出における詳細な変動パターンを決定することで、変動演出を選択する自由度を高めるができる。さらに、遊技状態が刻々と変化するパチンコ機10において、該変化に対応して随時、変動演出の演出内容の選択又は変更することが可能となり、遊技状態に応じて適切な演出を実行することができる。
ここで、変動パターンを構成する各変動要素について説明する。変動要素とは、1の変動演出の一部分を構成するものであり、各変動要素を組み合わせて1の変動演出が構成される。第1実施形態のパチンコ機10では、変動要素として、「高速変動」の変動要素、「低速変動」の変動要素、「疑似連」の変動要素、「ノーマルリーチ」の変動要素、「スーパーリーチ」の変動要素、「スペシャルリーチ」の変動要素および「再変動」の変動要素が設けられている。
「高速変動」の変動要素とは、遊技者によって第3図柄の内容を明確に認識できないように高速にスクロール変動する変動要素である。この「高速変動」の変動要素は、「非リーチ(短縮)」演出態様が選択された場合は、変動演出の冒頭に「3秒」行われ、「非リーチ(短縮)」以外の変動要素(例えば、「非リーチ(通常)」)の演出態様が選択された場合は、変動演出の冒頭に「7秒」行われる。なお、この「高速変動」の変動要素が終了した場合、後述する「低速変動」の変動要素が開始(実行)されるか、或いは、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
「低速変動」の変動要素とは、「7秒」の「高速変動」の変動要素の実行後に開始され、第3図柄を視認可能にスクロール変動して「リーチ表示」を発生するか否かを見せる変動要素である。この「低速変動」の変動要素は、「非リーチ(短縮)」演出態様が選択された場合は実行されず、「非リーチ(短縮)」演出態様以外の演出態様(例えば、「非リーチ(通常)」演出態様)が選択された場合は、「高速変動」の変動要素の後に「3秒」行われる。即ち、「非リーチ(短縮)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3が「低速変動」の変動要素を経由せずに急速に停止(所謂、ビタ止まり)するように構成されている。なお、この「低速変動」の変動要素が終了した場合は、後述する「疑似連」の変動要素が開始(実行)されるか、後述する「ノーマルリーチ」の変動要素が開始(実行)されるか、或いは、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、「非リーチ(通常)」演出態様は、「7秒」の「高速変動」の変動要素と「3秒」の「低速変動」の変動要素とを含む変動パターンで変動演出が構成される。また、「非リーチ(短縮)」演出態様は、「3秒」の「高速変動」の変動要素のみの変動パターンで変動演出が構成される。
「疑似連」の変動要素とは、1回の変動演出の中で変動演出の開始が複数回(疑似停止が1回)発生する変動要素である。具体的には、第3図柄表示装置81の各図柄列Z1〜Z3にて「高速変動」の変動要素が開始されて「低速変動」の変動要素に切り替わり、その後に全図柄列Z1〜Z3における変動演出が終了されて所定の停止結果(例えば、疑似連チャンス目「677」)が表示されるという単位の演出が行われる変動要素である。この「疑似連」の変動要素は、「低速変動」の変動要素後に、上記所定の停止結果が停止することで、その停止結果から再び「高速変動」の変動要素が始まって、あたかももう1回変動演出が開始されたかのような演出が実行される。
この「疑似連」の変動要素は、「低速変動」の変動要素の実行後に所定の停止結果(所謂、疑似連チャンス目)が現出し、再び2回目の「高速変動」の変動要素が実行され、その後、「ノーマルリーチ」の変動要素に発展する変動要素である。即ち、「疑似連」の変動要素は、疑似連チャンス目が表示される疑似的な変動停止(以下、「疑似停止」という)が1回行われ、その後、その疑似停止において所定の停止結果が現出して、再度、「高速変動」の変動要素を開始する変動要素である。第1実施形態のパチンコ機10では、この「疑似連」の変動要素の終了後は、少なくとも「ノーマルリーチ」の変動要素に必ず発展するように構成されている。この「疑似連」の変動要素は、「低速変動」の変動要素後に「10秒」行われる。
なお、第1実施形態では、「疑似連」の変動要素において、疑似停止の回数を1回としたが、疑似停止の回数を2回以上行われる「疑似連」の変動要素を実行するように構成してもよい。また、「疑似連」の変動要素の発生前に、疑似連チャンス目が停止するか否かの演出を行う変動要素(所謂、「疑似ガセ」の変動要素)を行うように構成してもよい。この「疑似ガセ」の変動要素では、「低速変動」の変動要素の実行後に所定の停止結果が現出するか否かの演出(例えば、上記所定の停止結果を形成する図柄が有効ラインL1(図6(a)参照)上を往復変動して停止するか否かの演出。以下、「疑似変動」という。)を行い、その「疑似変動」にて上記所定の停止結果が現出せず、「疑似連」の変動要素まで発展しないように構成してもよい。この「疑似ガセ」の変動要素を設けることで、該「疑似ガセ」の変動要素の終了後、「ノーマルリーチ」の変動要素に発展するか、或いは、「ハズレ表示」が現出(例えば、「687」)してそのまま変動演出が終了するかの遊技性を付与することができる。
「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動」の変動要素又は「疑似連」の変動要素(以下、「「低速変動」の変動要素又は「疑似連」の変動要素」を総称して、「低速変動等」の変動要素という場合がある)において左図柄列Z1及び右図柄列Z3にリーチ形成図柄が停止表示した場合に、中図柄列Z2の変動結果によって大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動等」の変動要素後に「10秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、「スーパーリーチ」の変動要素に発展するパターンと、「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、が用意されている。
「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに中図柄列Z2の変動が継続された場合に発展して実行され、主表示領域Dmにおいて「バトル演出」を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「10秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、が用意されている。
「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに中図柄列Z2の変動が継続された場合に発展して実行され、主表示領域Dmにおいて「競争演出」を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「20秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」するパターンと、が用意されている。
なお、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成されているが、この構成に代えて、「低速変動」後にリーチ形成図柄が停止した場合に、「ノーマルリーチ」の変動要素を経由せず、いきなり「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成してもよい。また、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後に「スペシャルリーチ」の変動要素が行われるように構成してもよい。
「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」において一旦「ハズレ表示」が現出した後に発展して実行され、「大当たり表示」を現出する変動要素である。この「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」後に「10秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「再変動」の変動要素の実行後は、「大当たり表示」が現出するパターンが用意されている。
また、この「再変動」の変動要素は、大当たりに当選した場合にのみ発生するように構成されている。即ち、「ハズレ表示」の場合には、「再変動」の変動要素は実行されないように構成されている。これは、「再変動」の変動要素は、仮に停止表示された「ハズレ表示」をいずれかの「大当たり表示」に変更する変動要素であるため、大当たりに当選していない「ハズレ表示」の場合に行ってしまうと、演出上の齟齬が発生してしまう。よって、この「再変動」の変動要素は、大当たり用の変動パターンテーブル202eでのみ選定され、ハズレ用の変動パターンテーブル202eでは選定されないように構成されている。
普図当たり乱数カウンタC4は、例えば「0〜99」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻るループカウンタとして構成されている。また、普図当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該普図当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。
なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、普図当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=「0〜99」)、タイマ割込処理(図15参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図27参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
普図当たり乱数カウンタC4の値は、例えば定期的(第1実施形態では、タイマ割込処理(図15参照)毎に1回)更新され、球がスルーゲート67を通過したことが検知されたタイミングで、RAM203の普図保留球格納エリア203jに設けられた普図保留第1〜第4エリアのいずれかの普図保留エリアに格納される。そして、普図保留球格納エリア203jに格納された順に順次普図保留球実行エリア203kにデータをシフトし、該普図保留球実行エリア203kに格納されている普図当たり乱数カウンタC4の値に対して当たり判定を行う。
普通図柄の当たりとなる乱数の値は、遊技状態毎に主制御装置110のROM202に格納される普図当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定(例えば、低確率状態で「1/10」、高確率状態で「9/10」)されており、普図保留球実行エリア203kに格納されている普図当たりカウンタC4の値が、普図当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、当たりと判定される。そして、遊技状態に応じて主制御装置110のROM202に格納される普図変動時間テーブル(図示せず)が参照されて、普通図柄の可変表示時間(例えば、「3秒」又は「0.5秒」)が設定され、普通図柄表示装置83において該可変表示時間の経過後、停止図柄(普通図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。その後、遊技状態に応じて主制御装置110のROM202に格納される普通電役制御テーブル(図示せず)が参照されて、普通電動役物67aの回動板の開放時間(例えば、「0.5秒」又は「5秒」)が設定され、該開放時間の間、回動板が回動作動し、その間、回動板の上面を球が転動可能に構成される。
一方、普図保留球実行エリア203kに格納されている普図当たりカウンタC4の値が、普図当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定された当たりとなる乱数の値と一致しない場合には、ハズレと判定される。そして、遊技状態に応じて普図変動時間テーブル(図示せず)が参照されて可変表示時間(例えば、「3秒」又は「0.5秒」)が設定され、普通図柄表示装置83において該可変表示時間の経過後、停止図柄(普通図柄)として「×」の図柄が点灯表示される。
第1実施形態のパチンコ機10では、普通図柄の当否確率、普通図柄の可変表示時間および普通電役71aの開放時間のバリエーションが各遊技状態に応じてそれぞれ異なるように構成される。具体的には、例えば、「入賞補助機能」を有さない「通常遊技状態」では、普通図柄の当否確率が低確率であって、普通図柄の可変表示時間が長時間であり、普通電役71aの開放時間が短時間となるように設定されている。また、「入賞補助機能」を有する「確率変動状態」又は「時間短縮状態」では、普通図柄の当否確率が高確率であって、普通図柄の可変表示時間が短時間であり、普通電役71aの開放時間が長時間となるように設定されている。
このように、主制御装置110のRAM203には種々のカウンタ等が設けられていると共に、主制御装置110のROM202には各種テーブルが設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値と上述した各テーブル202a〜202gとに応じて大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における動的表示および変動演出の設定、普通図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図7に戻り、説明を続ける。RAM203は、図10に図示したカウンタ用バッファ203cのほか、第1保留球数カウンタ203a、第2保留球数カウンタ203b、第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203e、保留球実行エリア203f、発射許可フラグ203g、確変移行フラグ203hを少なくとも有している。
第1保留球数カウンタ203aは、「4ミリ秒」毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図15参照)の中で検出される第1始動口64への入球(以下、第1始動口64又は第2始動口71bへの球の入球を「始動入賞」という場合がある)に基づいて、特別図柄表示装置37で行われる第1特別図柄の動的表示(第3図柄表示装置81で行われる第1特別図柄に対応する第3図柄の変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
この第1保留球数カウンタ203aは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図26のS913)によって、初期値として「0」が設定される。そして、第1始動口64への始動入賞が検出されて第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(図16のS203参照)。一方、第1保留球数カウンタ203aは、第1特別図柄の動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(図17のS308参照)。
第2保留球数カウンタ203bは、第1保留球数カウンタ203aと同様、「4ミリ秒」毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図15参照)の中で検出される第2始動口71bへの始動入賞に基づいて、特別図柄表示装置37で行われる第2特別図柄の動的表示(第3図柄表示装置81で行われる第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
この第2保留球数カウンタ203bは、第1保留球数カウンタ203aと同様、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図26のS913)によって、初期値として「0」が設定される。そして、第2始動口71bへの始動入賞が検出されて第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(図16のS207参照)。一方、第2保留球数カウンタ203bは、第2特別図柄の動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(図17のS305参照)。
この第1保留球数カウンタ203aの値(即ち、第1特別図柄の保留球数)又は第2保留球数カウンタ203bの値(即ち、第2特別図柄の保留球数)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図16のS210参照)。保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示(変動演出)の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110へアクセスすることなく各特別図柄の動的表示(変動演出)の保留回数を管理することができる。また、始動入賞が検出される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ保留球数コマンドを送信することにより、音声ランプ制御装置113において管理される各特別図柄の動的表示(変動演出)の保留球数が、ノイズ等の影響によって主制御装置110に保留された実際の動的表示(変動演出)の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、その内部で管理する保留球数が変化する度に、表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbに保留図柄を表示する。
また、第1実施形態では、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して保留球数コマンドを送信する場合、その保留球数コマンドにおいて、1加算された第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値だけでなく、その第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの加算の契機となった上記始動入賞に伴い、カウンタ用バッファ203c(図10参照)より取得される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値も含める。
つまり、始動入賞があった場合に、主制御装置110にてカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値が、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に伝えられる。
音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドにより伝えられた大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、その各値に基づく変動演出が実行される前に先読みし、当該変動演出がどうなるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)をその変動演出の実行前に判断する。そして、その先読みによる判断結果に基づき、各種の演出の実行を決定したり、「保留変化予告」の演出内容及び実行時期(タイミング)を決定できるようになっている。
なお、変動演出の保留球数を示す保留球数コマンドと、大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとを別々に送信するように構成してもよい。保留球数コマンドとは別の大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとしては、第1始動口64又は第2始動口71bへの球の入球タイミングで保留球数コマンドを生成すると共に、該入球に基づく変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに類するコマンド(事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンド)を生成し、音声ランプ制御装置113へ送信するように構成してもよい。この場合に、事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンドの生成のプログラムに関し、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドのプログラムを流用することで、プログラムの作成を容易にすることができる。
第1保留球格納エリア203dは、上述したように、第1始動口64への始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図15参照)の中で、球が第1始動口64へ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第1保留球格納エリア203dに格納する。第1保留球格納エリア203dは、第1特別図柄の一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)を有している(図10参照)。
第2保留球格納エリア203eは、上述したように、第2始動口71bへの始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図15参照)の中で、球が第2始動口71bへ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第2保留球格納エリア203eに格納する。第2保留球格納エリア203eは、第2特別図柄の一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)を有している(図10参照)。
保留球実行エリア203fは、上述したように、実行を開始する、或いは、実行中の第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理を実行するために、上述した第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)のうち、第2保留球格納エリア203eに第2特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されている場合は、該データの一の始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203fへシフトする。一方、第2保留球格納エリア203eに第2特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されておらず、第1保留球格納エリア203dに第1特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されている場合は、該データの一の始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203fへシフトする。即ち、第1実施形態のパチンコ機10では、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)が優先的に実行され、第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)は、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)が保留されていないことを条件に実行されるように構成されている。なお、第1実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
ここで、再び図10を参照して、第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203eおよび保留球実行エリア203fの詳細について説明する。第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203eおよび保留球実行エリア203fは、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
上述したように、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定には、大当たり抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定に使用する大当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の決定に使用する停止パターン選択カウンタC3と、変動パターンの決定に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。第1保留球格納エリア203dは、球が第1始動口64へ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される上記カウンタC1〜C3,CS1の各値をそれぞれ記憶し、第2保留球格納エリア203eは、球が第2始動口71bへ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される上記カウンタC1〜C3,CS1の各値を記憶する。
第1保留球格納エリア203dは、4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203d2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203d4とが設けられている。
また、第2保留球格納エリア203eは、第1保留球格納エリア203dと同様、4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、第1保留球格納エリア203dと同様、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203e2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203e4とが設けられている。
なお、第1実施形態では、大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1,203e1と、大当たり種別カウンタ格納エリア203d2,203e2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3,203e3と、変動種別カウンタ格納エリア203d4,203e4とを1つの保留球格納エリア203d,203eの中にそれぞれまとめて設けているが、各カウンタC1〜C3,CS1毎に保留球格納エリアを複数設けるようにしてもよい。
上述した通り、第1保留球格納エリア203dには、球が第1始動口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い第1始動口64への始動入賞に対応するデータが記憶され、第1保留第1エリアには、時間的に最も古い第1始動口64への始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
また、第2保留球格納エリア203eには、球が第2始動口71bへ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い第2始動口71bへの始動入賞に対応するデータが記憶され、第2保留第1エリアには、時間的に最も古い第2始動口71bへの始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
一方、保留球実行エリア203fは、1つのエリアのみで構成されている。この保留球実行エリア203fには、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eと同様に、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203f2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203f4とが設けられている。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングになったことを判断すると、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が記憶されている場合は、該第2保留第1エリアに記憶されているデータを、この保留球実行エリア203fの各エリア203f1〜203f4にそれぞれシフトする。一方、MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなった場合に、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが記憶されておらず、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1エリアにデータが記憶されているとき、該第1保留第1エリアに記憶されているデータを、この保留球実行エリア203fの各エリア203f1〜203f4にそれぞれシフトする。
そして、保留球実行エリア203fにシフトされたデータを、変動開始処理(図18参照)において参照し、その参照データと遊技状態とに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。特別図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、動的表示が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったことを判断すると、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが格納されているか否かを判断する。判断の結果、第2保留第1エリアにデータが格納されていると判断された場合は、第2保留第1エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1の乱数値を、保留球実行エリア203fの大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1へシフトする。同様に、第2保留第1エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2の乱数値を、大当たり種別カウンタ格納エリア203f2へシフトし、第2保留第1エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3へシフトし、第2保留第1エリアの変動種別カウンタ格納エリア203e4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203f4へシフトする。
そして、保留球実行エリア203fへのデータのシフトが終了すると、第2保留第1エリアが空き状態となるため、第2保留球格納エリア203eの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、第2保留球格納エリア203eにおいて、データが記憶(保留)されている第2保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、第2保留球格納エリア203e内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第2保留球数カウンタ203bの値が「4」であり、第2保留球格納エリア203eの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、第2保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203fへシフトされ、第2保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、第2保留第2エリアのデータを、第2保留第1エリアへシフトし、第2保留第3エリアのデータを、第2保留第2エリアへシフトし、第2保留第4エリアのデータを、第2保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第2保留球数カウンタ203bの値が「2」であれば、MPU201は、第2保留第2エリアのデータのみを、第2保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない第2保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、第2保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第2保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
一方、MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったときに、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが格納されていないと判断された場合は、次いで、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1エリアにデータが格納されているか否かを判断する。判断の結果、第1保留第1エリアにデータが格納されていれば、該第1保留第1エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1の乱数値を、保留球実行エリア203fの大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1へシフトする。同様に、第1保留第1エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2の乱数値を、大当たり種別カウンタ格納エリア203f2へシフトし、第1保留第1エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3へシフトし、第1保留第1エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203f4へシフトする。
そして、保留球実行エリア203fへのデータのシフトが終了すると、第1保留第1エリアが空き状態となるため、第1保留球格納エリア203dの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、第1保留球格納エリア203dにおいて、データが記憶(保留)されている第1保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、第1保留球格納エリア203d内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第1保留球数カウンタ203aの値が「4」であり、第1保留球格納エリア203dの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、第1保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203fへシフトされ、第1保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、第1保留第2エリアのデータを、第1保留第1エリアへシフトし、第1保留第3エリアのデータを、第1保留第2エリアへシフトし、第1保留第4エリアのデータを、第1保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第1保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば、MPU201は、第1保留第2エリアのデータのみを、第1保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない第1保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、第1保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第1保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
次いで、普図保留球格納エリア203jおよび普図保留球実行エリア203kの詳細について説明する。普図保留球格納エリア203jおよび普図保留球実行エリア203kは、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定等を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
普図保留球格納エリア203jは、スルーゲート67への球の通過の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した普図当たりカウンタC4を記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図15参照)の中で、球がスルーゲート67を通過したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから普図当たりカウンタC4の値を取得し、普図保留球格納エリア203jに格納する。普図保留球格納エリア203jは、普通図柄の一の保留球に対応するデータ(普図当たりカウンタC4の値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)を有している(図10参照)。
普図保留球実行エリア203kは、実行を開始する、或いは、実行中の普通図柄の当たり抽選や可変表示の処理において参照すべきデータ(普図当たり乱数カウンタC4の値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、普通図柄の可変表示の実行開始タイミングであることを検出すると、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定等の処理を実行するために、上述した普図保留球格納エリア203jに記憶されているデータ(普図当たり乱数カウンタC4の値)のうち、一のデータをこの普図保留球実行エリア203kへシフトする。なお、第1実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
上述したように、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定には、普通図柄の当たり抽選に使用する普図当たり乱数カウンタC4が用いられる。普図保留球格納エリア203jは、球がスルーゲート67を通過した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される普図当たり乱数カウンタC4の値を記憶する。
また、上述した通り、普図保留球格納エリア203jには、球がスルーゲート67を通過したタイミングで取得されるデータ(普図当たり乱数カウンタC4の値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号が小さいエリアほど、時間的に古いスルーゲート67への球の通過に対応するデータが記憶され、普図保留第1エリアには、時間的に最も古いスルーゲート67への球の通過に対応するデータが記憶されることになる。
一方、普図保留球実行エリア203kは、1つのエリアのみで構成されている。この普図保留球実行エリア203kには、普図保留球格納エリア203jと同様に、普図当たり乱数カウンタC4の値を格納する普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)が設けられている。
MPU201は、普通図柄の可変表示の実行タイミングになったことを判断すると、普図保留球格納エリア203jの普図保留第1エリアに記憶されているデータを、この普図保留球実行エリア203kにシフトする。
そして、普図保留球実行エリア203kにシフトされたデータを、普図変動処理(図15のS111参照)において参照し、その参照データと遊技状態とに基づいて、当たり抽選を行うと共に、可変表示の内容を決定する。普通図柄表示装置83では、主制御装置110の制御により、この決定された内容に基づいて、可変表示が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、普通図柄の可変表示の実行開始タイミングとなったことを判断すると、普図保留球格納エリア203jの普図保留第1エリアの普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)の乱数値を、普図保留球実行エリア203kの普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)へシフトする。
そして、普図保留球実行エリア203kへのデータのシフトが終了すると、普図保留第1エリアが空き状態となるため、普図保留球格納エリア203jの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号が1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、普図保留球格納エリア203jにおいて、データが記憶(保留)されている普図保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、普図保留球格納エリア203j内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、普通図柄の可変表示の開始判断が行われた時の普通図柄の保留数が4個であり、普図保留球格納エリア203jの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、普図保留第1エリアのデータが、普図保留球実行エリア203kへシフトされ、普図保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、普図保留第2エリアのデータを、普図保留第1エリアへシフトし、普図保留第3エリアのデータを、普図保留第2エリアへシフトし、普図保留第4エリアのデータを、普図保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、普通図柄の可変表示の開始判断が行われた時の普通図柄の保留数2個であれば、MPU201は、普図保留第2エリアのデータのみを、普図保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない普図保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、普図保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、普図保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
図7に戻り、説明を続ける。RAM203に設けられた発射許可フラグ203gは、オン状態で球の発射を許可(許容)し、オフ状態で球を発射を規制(停止)するためのフラグである。この発射許可フラグ203gは、パチンコ機10の電源投入時に初期値としてオフに設定される。そして、第2回動量信号SG5が入力された場合、即ち、操作ハンドル51の回動量が約75度以上となって可変抵抗器51cに発生する直流電圧値が約2.95ボルト以上となり、第2大入賞口72に球が到達可能な発射強度となった場合に、オフ状態の発射許可フラグ203gがオンに設定される(図24のS506参照)。その後、第1回動量信号SG4が入力された場合、即ち、操作ハンドル51の回動量が約60度未満となって可変抵抗器51cに発生する直流電圧値が約2.5ボルト未満となり、遊技領域に球が到達し得ない発射強度となった場合に、オン状態の発射許可フラグ203gがオフに設定される(図24のS507参照)。
第1実施形態のパチンコ機10では、遊技者によって操作ハンドル51が操作された場合、発射許可信号SG3が出力されている場合であっても、第2回動量信号SG5が出力されて発射許可フラグ203gがオンされるまでは、主制御装置110は発射制御信号αおよび球送り制御信号βを出力しないように構成されている。また、第2回動量信号SG5が出力されることで発射制御信号αおよび球送り制御信号βを出力可能な状態となった後、第1回動量信号SG4が出力されて発射許可フラグ203gがオフされた場合、発射制御信号αおよび球送り制御信号βの出力を停止し、再び、第2回動量信号SG5が出力されて発射許可フラグ203gがオンされるまで、発射制御信号αおよび球送り制御信号βを出力しないように構成されている。
即ち、操作ハンドル51の初期位置から回動させた場合に、少なくとも、発射された球が第2大入賞口72の配設位置まで到達し得る発射強度(即ち、強左打ち遊技)まで回動されなければ球が発射されないように構成し(球の発射を規制し)、発射レール55から発射された球が戻り球防止部材68(図5参照)に到達せずに、内レール61および外レール62で形成された領域(以下、「発射球案内領域」と称する場合がある)を流下するような現象の発生を抑制することができる。そして、一旦、球が発射された後は、第1流路74や第2流路75付近に到達し得る発射強度(例えば、弱左打ち遊技)によっても遊技を行うことが可能に構成する。また、球を遊技領域に発射可能となった後、操作ハンドル51の回動量が減少して、発射された球が遊技領域まで到達せずにファール球領域に留まるような場合に、球の発射を停止し、ファール球が発生しないように構成する。このように構成することで、遊技を行う場合にファール球の発生を抑制し、球を発射しようと意図しているにも関わらず、ファール球によって遊技領域に球を到達させることができないといった事象の発生を抑制することができる。また、一旦、球を発射した後は、遊技者所望の発射態様を調整することができる。よって、遊技で使用され得る球の発射を好適に行い、意図した球を発射できる快適な遊技環境を構築することができる。
なお、第2回動量信号SG5の出力のみを監視し、第2回動量信号SG5が出力された場合に発射許可フラグ203gをオンに設定し、該発射許可フラグ203gがオンの場合は、球の発射を許可するように構成してもよい。即ち、一旦、第2大入賞口72に到達し得る発射強度となった場合は、操作ハンドル51のいずれの回動操作量であっても球を発射可能に構成する。このように構成することで、操作ハンドル51の回動操作量がファール球となり得る回動操作量となるか否かを監視する必要性がなくなるので、第1回動量信号SG4を出力するあめの回動量変換回路112bの構成を簡略化することができる。
確変移行フラグ203hは、オン状態で「確率変動状態」が発生することを示すためのフラグである。この確変移行フラグ203hは、パチンコ機10の電源投入時に初期値としてオフに設定される。そして、大当たり中において、第1確変領域65cを球が通過するか、或いは、第2確変領域72cを球が通過することにより(図22のS452:Yes参照)、オフ状態の確変移行フラグ203hがオンに設定される(図22のS453参照)。その後、大当たり終了処理(図23参照)において、この確変移行フラグ203hがオンされていることによって「確率変動状態」を設定する場合に、確変移行フラグ203hがオフに設定される(図23のS463参照)。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図25参照)が即座に実行される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出や連続予告演出といった第3図柄表示装置81にて行われる演出の表示態様の設定などを制御するものである。
演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、及び、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。第1実施形態では、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ一方向にのみコマンドが送信されるように構成され、音声ランプ制御装置113から主制御装置110へコマンド送信ができないように構成されている。一方、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とは、互いにコマンドの送受信が可能に構成されている。
また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される演出のステージを変更したり、「スーパーリーチ」演出態様等の背面画像を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御すると共に、表示制御装置114へ枠ボタン22の押下に基づいた表示を第3図柄表示装置81に表示させるように指示する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図4参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111のNMI端子へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理(図25参照)を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図2参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図15から図28のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図26参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図27参照)と、定期的(第1実施形態では、「4ミリ秒」周期)に起動されるタイマ割込処理(図15参照)と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理(図25参照)とがある。ここでは、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理(図15参照)とNMI割込処理(図25参照)とを説明し、その後立ち上げ処理(図26参照)とメイン処理(図27参照)とを説明する。
図15は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば「4ミリ秒」毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。
このタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行する(S101)。タイマ割込処理やメイン処理では、各種処理に基づいて、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等へ送信すべきコマンド等を生成し、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦記憶する。S101の外部出力処理では、このコマンド送信用リングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する。
例えば、後述する始動入賞処理(図16参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、特図変動処理(図17参照)や特図変動処理の一処理である変動開始処理(図18)で設定された変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。その他、後述のS112の発射制御処理において球の発射を行う場合に設定された球発射信号を、発射制御装置112に送信する。
次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S102)、次いで、第1特別図柄又は第2特別図柄に基づく大当たり時における処理を実行する大当たり処理を実行する(S103)。この大当たり処理(S103)の詳細は、図19を参照して後述する。
次いで、普通電役71aの駆動制御処理を実行する普通電役制御処理を実行する(S104)。簡単に説明すると、球がスルーゲート67を通過したことを条件に普通図柄表示装置83にて普通図柄の可変表示が実施され、普通図柄の可変表示の結果、普通図柄の当たり図柄(例えば、「○」図柄)が現出して当たり状態になると、普通電役71aを所定時間開放駆動する。
次いで、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S105)。即ち、主制御装置110に接続されている第1始動口スイッチ、第2始動口スイッチ、第1大入賞口スイッチ、第2大入賞口スイッチ、第1確変領域スイッチ、第2確変領域スイッチ、スルーゲートスイッチ(いずれも図示せず)、及び、各種スイッチ208の状態を読み込むと共に、当該スイッチ208等の状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、賞球コマンドが払出制御装置111に向けて送信される。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S106)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、「899」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、「99」)に達した際、「0」にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。
さらに、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び普図当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S107)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び普図当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、それぞれ、「899」,「99」,「99」,「199」,「99」)に達した際、それぞれ「0」にクリアする。また、大当たり乱数カウンタC1又は普図当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1又は第2初期値乱数カウンタCINI2の値を当該大当たり乱数カウンタC1又は普図当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込み、その初期値を大当たり乱数カウンタC1又は普図当たり乱数カウンタC4に設定する。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。
次に、第1始動口64又は第2始動口71bへの入賞に伴う始動入賞処理を実行し(S108)、次いで、スルーゲート67への球の通過に伴って普通図柄の当否および可変表示の内容等を決定するゲート通過処理を実行する(S109)。なお、始動入賞処理の詳細は、図16を参照して後述する。
ゲート通過処理(S109)を実行した後は、上記始動入賞処理(S108)の処理内容に基づいて特別図柄表示装置37による特別図柄の動的表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特図変動処理を実行する(S110)。なお、特図変動処理(S110)の詳細は、図17を参照して後述する。
次いで、上記ゲート通過処理(S109)の処理内容に基づいて普通図柄表示装置83による普通図柄の可変表示を行うための処理を実行する普図変動処理を実行する(S111)。普図変動処理(S111)では、後述する時短カウンタの値に応じて、普通図柄の抽選確率が高確率(例えば、9/10)か低確率(例えば、1/10)のいずれかで行われる。
普図変動処理(S111)を実行した後は、発射制御処理を実行し(S112)、さらに、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S113)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理(S112)の詳細は、図24を参照して後述する。
次に、図16のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図15参照)の一処理である始動入賞処理(S108)を説明する。図16は、この始動入賞処理(S108)を示すフローチャートである。始動入賞処理は、第1始動口64又は第2始動口71bへの球の入賞の有無を判断し、入賞があった場合は、各カウンタC1〜C3,CS1の値を入賞した入賞口64,71bに対応する第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納する(保留する)処理を実行する。また、保留する各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球数と合わせて音声ランプ制御装置113へ送信するための処理を実行する。
MPU201は、この始動入賞処理(S108)では、まず、球が第1始動口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S201)。ここでは、スイッチ読み込み処理(図15のS105参照)において読み込んだ、第1始動口64への入球(入賞)を検出する第1始動口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、第1始動口64への入球を3回のタイマ割込処理(図15参照)にわたって検出する。
球が第1始動口64に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S201:Yes)、次いで、第1保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1特別図柄の動的表示(変動演出)の作動保留球数N1)が上限値(第1実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S202)。そして、第1始動口64への入賞があっても作動保留球数N1<4でなければ(S202:No)、この始動入賞処理(S108)を終了し、タイマ割込処理(図15参照)へ戻る。
一方、作動保留球数N1<4であれば(S202:Yes)、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)を1加算する(S203)。そして、今回、第1特別図柄に対応する第1始動口64への入賞であるので、第1保留球格納エリア203dを各乱数値C1〜C3,CS1の格納先として設定し(S204)、処理をS209へ移行する。
S201の処理において、球が第1始動口64へ入賞していないと判別された場合(S201:No)、次いで、球が第2始動口71bに入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S205)。ここでは、第1始動口64と同様、スイッチ読み込み処理(図15のS105参照)において読み込んだ、第2始動口71bへの入球(入賞)を検出する第2始動口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、第2始動口71bへの入球を3回のタイマ割込処理(図15参照)にわたって検出する。
球が第2始動口71bに入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S205:Yes)、次いで、第2保留球数カウンタ203bの値(主制御装置110において保留されている第2特別図柄の動的表示(変動演出)の作動保留球数N2)が上限値(第1実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S206)。そして、第2始動口71bへの入賞がないか(S205:No)、或いは、第2始動口71bへの入賞があっても作動保留球数N2<4でなければ(S206:No)、この始動入賞処理(S108)を終了して、タイマ割込処理(図15参照)へ戻る。
一方、作動保留球数N2<4であれば(S206:Yes)、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)を1加算する(S207)。そして、今回、第2特別図柄に対応する第2始動口71bへの入賞であるので、第2保留球格納エリア203eを各乱数値C1〜C3,CS1の格納先として設定し(S208)、処理をS209へ移行する。
S209の処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファ203c(図10参照)から読み出し、S204又はS208で格納先として設定された第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに設けられた第1保留第1〜第4エリア又は第2保留第1〜第4エリアのうち、第1保留球格納エリア203dが格納先として指定されている場合は第1保留球数カウンタ203aで示される値に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1、大当たり種別カウンタ格納エリア203d2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3及び変動種別カウンタ格納エリア203d4に各々保留(格納)する(S209)。また、第2保留球格納エリア203eが格納先として指定されている場合は第2保留球数カウンタ203bで示される値に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1、大当たり種別カウンタ格納エリア203e2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3及び変動種別カウンタ格納エリア203e4に各々保留(格納)する(S209)。
具体的には、例えば、第1始動口64への入賞に基づいてS204の処理において第1保留球格納エリア203dが格納先として設定され、また、S203の処理による加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「1」であれば、第1保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。また、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば第1保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「3」であれば第1保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「4」であれば第1保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。
また、例えば、第2始動口71bへの入賞に基づいてS208の処理において第2保留球格納エリア203eが格納先として設定され、また、S207の処理による加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「1」であれば、第2保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。また、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「2」であれば第2保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「3」であれば第2保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「4」であれば第2保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。
次に、S203又はS207の処理による加算後の第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N1又は作動保留球数N2)と、S209の処理により第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納(保留)した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を含む保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、該保留球数コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する(S210)。これにより、次に実行されるタイマ割込処理(図15参照)のS101の外部出力処理によって、保留球数コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信される。S210の処理を終えると、タイマ割込処理(図15参照)に戻る。
なお、S210の処理において保留球数コマンドに含める各カウンタC1〜C3,CS1の値は、S209の処理によりカウンタ用バッファ203cから読み出した値そのものを用いてもよいし、S209の処理において第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納(保留)された値を読み出したものを用いてもよい。
次に、図17を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図15参照)の一処理である特図変動処理(S110)について説明する。図17は、この特図変動処理(S110)を示すフローチャートである。この特図変動処理(S110)は、特別図柄表示装置37における動的表示や第3図柄表示装置81にて行う変動演出に関する制御を行うものである。
この特図変動処理(S110)では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び特別図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま特図変動処理(S110)を終了し、タイマ割込処理(図15参照)に戻る。
大当たり中でなければ(S301:No)、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であるか否かを判別し(S302)、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中でなければ(S302:No)、次いで、特別図柄表示装置37における動的表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S303)。その結果、動的表示の停止後、所定時間経過していなければ(S303:No)、タイマ割込処理(図15参照)へ戻る。これにより、動的表示(変動演出)における停止図柄が所定時間だけ特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S303の処理の結果、動的表示の停止後、所定時間経過していれば(S303:Yes)、第2保留球数カウンタ203bの値(主制御装置110において保留されている第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の作動保留球数N2)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S304)。その結果、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)が「0」でなければ(S304:Yes)、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の実行開始タイミングであると判断し、まず、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)を1減算する(S305)。これは、後述する変動開始処理(S310)によって、保留されていた第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)のうち1の動的表示(変動演出)の実行が開始されるため、第2特別図柄に関する保留球数が1つ減少するためである。
次いで、第2保留球格納エリア203eに格納されたデータをシフト処理する(S306)。このデータシフト処理は、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1〜第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203fへ向けて順にシフトさせる処理であって、第2保留第1エリア→保留球実行エリア203f、第2保留第2エリア→第2保留第1エリア、第2保留第3エリア→第2保留第2エリア、第2保留第4エリア→第2保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
一方、S304の処理において、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)が「0」であると判別されると(S304:No)、次に、第1保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の作動保留球数N1)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S307)。その結果、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」でなければ(S307:Yes)、第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の実行開始タイミングであると判断し、まず、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)を1減算する(S308)。これは、後述する変動開始処理(S310)によって、保留されていた第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)のうち1の動的表示(変動演出)の実行が開始されるため、保留球数が1つ減少するためである。
次いで、第1保留球格納エリア203dに格納されたデータをシフト処理する(S309)。このデータシフト処理は、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1〜第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203fへ向けて順にシフトさせる処理であって、第1保留第1エリア→保留球実行エリア203f、第1保留第2エリア→第1保留第1エリア、第1保留第3エリア→第1保留第2エリア、第1保留第4エリア→第1保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
S306又はS309のデータシフト処理の後は、データシフト処理により保留球実行エリア203fに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81に対する変動開始処理を実行し(S310)、タイマ割込処理(図15参照)に戻る。なお、変動開始処理(S310)については、図18を参照して後述する。
S307の処理において、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」であると判別されると(S307:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態であるか否か、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S311)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N1又は作動保留球数N2)のいずれかの値が「0」より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S311:No)、音声ランプ制御装置113へ送信すべきデモコマンドを設定して(S312)、タイマ割込処理(図15参照)に戻る。一方、デモ中であると判別された場合は(S311:Yes)、そのままタイマ割込処理(図15参照)に戻る。S312の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図15のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、デモコマンドを受信すると、表示用デモコマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用デモコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後、所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後、所定時間経過しても変動演出が開始されない場合は、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。
なお、S311の処理においてデモ中ではない(S311:No)と判断された場合に、さらに、変動停止後、前記所定時間よりも長い第2の所定時間が経過したか否かを判断する処理を実行し、変動停止後、第2の所定時間が経過したことをもってS312の処理を実行してデモコマンドを設定するようにしてもよい。これにより、変動停止後、保留球が1つも存在しない場合に、すぐにデモ演出を開始することなく、比較的長い時間、その停止した変動演出の停止図柄を遊技者に見せることができる。
S302の処理において、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であると判別されると(S302:Yes)、動的表示時間(変動時間)が経過したか否かを判別する(S313)。特別図柄表示装置37の動的表示中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この動的表示時間(変動時間)が経過していなければ(S313:No)、特別図柄表示装置37の表示を更新して(S314)、タイマ割込処理(図15参照)に戻る。
第1実施形態では、特別図柄表示装置37の特別LED群37bにおいて、動的表示が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、特別LED群37bの表示態様が設定される。
一方、特別図柄表示装置37における動的表示の動的表示時間(変動時間)が経過していれば(S313:Yes)、特別図柄表示装置37に対して、停止図柄に対応した表示態様を設定する(S315)。停止図柄は、図18を参照して後述する変動開始処理(S310)によって予め設定される。変動開始処理では、S306又はS309の処理によって保留球実行エリア203fに格納された大当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定され、大当たりである場合には、大当たり種別カウンタC2の値により、大当たり時におけるラウンド数と、大当たり後の遊技状態とが決定される。
S315の処理で停止図柄に対応した特別図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81における変動演出の停止図柄を、特別図柄表示装置37における特別LED群37bの表示と同調して確定表示させるために、確定コマンドを設定して(S316)、処理をS317へ移行する。確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を確定表示させるためコマンドである。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して表示用確定コマンドを送信する。表示制御装置114は、表示用確定コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出を停止して、停止図柄を確定表示させるように構成されている。
S317の処理では、変動演出の実行回数限定の「入賞補助機能」が付加されている遊技状態か否かを判別するために、RAM203に設けられた時短カウンタ(図示せず)の値が「0」よりも大きいか否かを判別する(S317)。この時短カウンタは、後述する大当たり処理内の大当たり終了処理(図19のS417参照)において、大当たり種別「時短A」と判別された場合に「100」がセットされ(図23のS467参照)、大当たり種別「確変B」又は「時短B」と判別された場合に「50」がセットされるように構成されている(図23のS468参照)。なお、大当たり種別「確変A」の場合は、次回大当たり発生まで継続して「入賞補助機能」が作動するため、時短カウンタの値は設定されず、次回大当たりが継続するまでオンされる時短無限フラグ(図示せず)がオン設定される(図23のS465参照)。
S317の処理において、時短カウンタの値が「0」でなければ(S317:Yes)、変動演出の実行回数限定の「入賞補助機能」が付加されている遊技状態であり、いずれかの特別図柄の動的表示(変動演出)が1回終了したので、時短カウンタの値を1減算し(S318)、この特図変動処理(S110)を終了し、タイマ割込処理(図15参照)に戻る。一方、S317の処理において、時短カウンタの値が「0」であれば(S317:No)、変動演出の実行回数限定の「入賞補助機能」が付加されていないため(大当たり種別「確変A」による次回大当たりまでの「入賞補助機能」を除く)、S318の処理をスキップして、この特図変動処理(S110)を終了し、タイマ割込処理(図15参照)に戻る。
次に、図18を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特図変動処理(S110)の一処理である変動開始処理(S310)について説明する。図18は、変動開始処理(S310)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S310)は、遊技状態に応じて保留球実行エリア203fに格納された各種カウンタの値に基づき、大当たり又はハズレの抽選(大当たり抽選)を行うと共に、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる動的表示および変動演出の動的パターン(変動パターン及び停止種別)等を決定する。
変動開始処理(S310)では、まず、特別図柄の大当たり確率が高確率状態か否か、即ち、「確率変動状態」か「潜伏確率変動状態」か否かを判別する(S321)。判別の結果、特別図柄の大当たり確率が高確率状態でなければ(S321:No)、遊技状態が「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」であり、特別図柄の大当たり確率が低確率状態であるので、低確率状態用の大当たり乱数テーブル202aを設定し(S322)、処理をS324へ移行する。一方、特別図柄の大当たり確率が高確率状態であると判別された場合は(S321:Yes)、遊技状態が「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」であるので、高確率状態用の大当たり乱数テーブル202aを設定し(S323)、処理をS324へ移行する。
S324の処理では、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、S322又はS323において設定された大当たり乱数テーブル202a(図11参照)とに基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選(当否判定)処理を行う(S324)。
第1実施形態のパチンコ機10では、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態(モード)との関係に基づいて判別される。上述した通り、大当たり乱数テーブル202aにおいて、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が通常の低確率状態(「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」)にある場合には、「7,307,582」が大当たり乱数値として規定される。また、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が高確率状態(「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」)にある場合には「28,122,298,390,486,567,656,750,866」が大当たり乱数値として規定される。
S324の処理では、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、これら大当たり乱数テーブル202aにて規定される大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。S324の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S324:Yes)、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、第1特別図柄に対応する特図1用大当たり種別テーブル202b1(図12(a)参照)又は第2特別図柄に対応する特図2用大当たり種別テーブル202b2(図12(b)参照)とに基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S325)。
この処理では、大当たり種別テーブル202bによって、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に「確率変動状態」へ移行する「10R確変大当たり」に対応する「確変A」か、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に「確率変動状態」へ移行する「4R確変大当たり」に対応する「確変B」か、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に「時間短縮状態」へ移行する「10R時短大当たり」に対応する「時短A」か、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に「時間短縮状態」へ移行する「4R時短大当たり」に対応する「時短B」か、が判別される。そして、判別された大当たり種別に基づいて、特別図柄表示装置37における大当たり時の表示態様(特別LED群37bの表示態様)が設定される。
具体的には、保留球実行エリア203fに格納されているデータが第1保留球格納エリア203dからシフトされたデータであった場合、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、特図1用大当たり種別テーブル202b1(図12(a)参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。また、保留球実行エリア203fに格納されているデータが第2保留球格納エリア203eからシフトされたデータであった場合、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、特図2用大当たり種別テーブル202b2(図12(b)参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定し(S326)、S329の処理へ移行する。具体的には、S325で決定された大当たり種別(表示態様)と、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて大まかな演出態様を選択し、その選択された大まかな演出態様の中から変動種別カウンタCS1の値に基づいて具体的な動的表示(変動演出)の動的時間(変動時間)が決定される。この大当たり時の変動パターンの決定では、まず、その大当たり種別(表示態様)に応じて、使用する停止パターンテーブル202dを選択する。
具体的には、S325の処理において大当たり種別として「10R確変大当たり」に対応する「確変A」が設定された場合は、「確変A」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、確変A用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。また、大当たり種別として「4R確変大当たり」に対応する「確変B」が設定された場合は、「確変B」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、確変B用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。また、大当たり種別として「10R時短大当たり」に対応する「時短A」が設定された場合は、「時短A」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、時短A用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。また、大当たり種別として「4R時短大当たり」に対応する「時短B」が設定された場合は、「時短B」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、時短B用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。
そして、S326の処理において設定された演出態様毎に設けられた変動パターンテーブル202eのグループにおいて、保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
一方、S324の処理で大当たりではないと判別された場合には(S324:No)、ハズレ時の表示態様を設定する(S327)。S327の処理では、特別図柄表示装置37の表示態様をハズレ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値と第1保留球数カウンタ203a又は(及び)第2保留球数カウンタ203bの値と現在の遊技状態とに基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出態様として、「非リーチ(短縮)」演出態様、「非リーチ(通常)」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様のいずれかを設定する。第1実施形態では、パチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」であるか、「時間短縮状態」であるか、「通常遊技状態」若しくは「潜伏確率変動状態」であるかに応じて、各演出態様に対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように停止パターンテーブル202dが設定されている。
次に、ハズレ時の変動パターンを決定し(S328)、S329の処理へ移行する。S328の処理では、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、ハズレ図柄で停止表示するまでの変動時間が決定される。具体的には、S327の処理において決定されたハズレ時の表示態様(演出態様)毎に設けられた変動パターンテーブル202eのグループにおいて、保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
このように、大当たり時における演出態様および変動パターンの設定処理と、ハズレ時における演出態様および変動パターンの設定処理とを、同じ乱数値C3,CS1を用いて同じ判定プログラムによって判定して決定することで、プログラムを共通化することができ、開発時における開発工数を削減することができる。
S329の処理では、S326及びS328の処理によって決定された変動パターンの応じた変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113を介してその変動パターンに応じた変動時間を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S329)。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選し、該大当たりが「10R確変大当たり」に対応する「確変A」であって、さらに、「25秒」の「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されていた場合は、大当たり・「確変A」・「25秒」の「スーパーリーチ」を示す変動パターンコマンドが設定される。また、大当たり抽選にハズレて、さらに、「25秒」の「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されていた場合は、ハズレ・「25秒」の「スーパーリーチ」を示す変動パターンコマンドが設定される。このように、変動演出が同じ変動時間であっても、変動パターンコマンドに変動演出の当否と大まかな変動パターンの内容も併せて設定することで、音声ランプ制御装置113は、当否を含む演出態様の内容と変動時間とを把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の変動パターンを決定することができる。
また、S325又はS327の処理で設定された停止種別を、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定し(S330)、特図変動処理(図17参照)へ戻る。具体的には、例えば、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「10R確変大当たり」である「確変A」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「7」図柄等)は特定せずに、「確変A」であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「4R時短大当たり」である「時短B」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「2」図柄等)は特定せずに、「時短B」であることを示す停止種別コマンドを設定する。
一方、大当たりに当選せず、さらに、「スーパーリーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「787」等)は特定せずに、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選せず、さらに、「ノーマルリーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「737」等)は特定せずに、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。さらに、大当たりに当選せず、さらに、「非リーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「258」等)は特定せずに、ハズレ時の「非リーチ」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。
このように、停止種別コマンドに変動演出の当否に基づいた大まかな停止種別を設定することで、音声ランプ制御装置113(表示制御装置114)は、当否に基づいた停止種別を把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の停止結果を決定することができる。
これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理(図15参照)のS101の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンドや停止種別コマンドを受信すると、それに基づき表示用変動パターンコマンドや表示種別コマンドを生成して、表示制御装置114へ送信する。
次に、図19を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である大当たり処理(S103)について説明する。図19は、大当たり処理(S103)を示したフローチャートである。
この大当たり処理(S103)は、上述したように、特別図柄の大当たりが発生する場合に、大当たりの種類に応じて第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開放および開放回数(ラウンド数)を設定すると共に、第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開放時間を設定する。また、大当たり種別に基づいて、各ラウンド毎に開放又は閉鎖する第1確変領域65c又は第2確変領域72cを設定するために確変領域開閉テーブル202g(図14参照)を設定する。
また、大当たり処理(S103)では、大当たり状態である場合において、第1大入賞口65又は第2大入賞口72を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉制御処理(図20参照)を実行する。即ち、大当たり種別に基づいて第1大入賞口65を開放するか第2大入賞口72を開放するかを決定し、また、該大当たり状態のラウンド毎に第1大入賞口65又は第2大入賞口72を開放し、第1大入賞口65又は第2大入賞口72の最大開放時間(第1実施形態では、「30秒」又は「6秒」)が経過したか、又は、開放中の第1大入賞口65又は第2大入賞口72に球が規定数(第1実施形態では、10個)入賞したか、の閉鎖条件を判定する。そして、これら何れかの閉鎖条件が成立すると開放中の第1大入賞口65又は第2大入賞口72を閉鎖する。各大当たり種別に応じてこの第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開放に関する制御と閉鎖に関する制御とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
また、この大入賞口開閉制御処理(S415)内で、設定された確変領域開閉テーブル202g(図14参照)に基づいて第1確変領域65c又は第2確変領域72cの開放又は閉鎖するための処理を実行する。即ち、大当たり状態の各ラウンド毎に、設定された確変領域開閉テーブル202gに応じて、第1確変領域65cの第1確変領域開閉板65d、又は、第2確変領域72cの第2確変領域開閉板72dを駆動制御する。そして、開放中の第1確変領域65c又は第2確変領域72cを球が通過した場合、該大当たり遊技終了後に「確率変動状態」を発生させる。
この大当たり処理(S103)では、まず、大当たり中か否かを判別する(S401)。判別の結果、大当たり中でない場合には(S401:No)、次に、特別図柄の動的表示(変動演出)が終了したか否かを判別する(S402)。
S402における判別の結果、特別図柄の動的表示(変動演出)が終了していなければ(S402:No)、この大当たり処理(S103)を終了して、タイマ割込処理(図15参照)へ戻る一方、特別図柄の動的表示(変動演出)が終了していれば(S402:Yes)、次いで、該動的表示(変動演出)において大当たりに当選したか否かを判別する(S403)。
S403における判別の結果、動的表示(変動演出)において大当たりに当選していないと判別された場合は(S403:No)、この大当たり処理(S103)を終了して、タイマ割込処理(図15参照)へ戻る。一方、動的表示(変動演出)において大当たりに当選していると判別された場合は(S403:Yes)、当選した大当たりに関する制御を実行するために、まず、当選した大当たりのラウンド数は10Rか否か、即ち、「10R確変大当たり」に対応する「確変A」か、「10R時短大当たり」に対応する「時短A」に当選したか否かを判別する(S404)。
S404における判別の結果、当選した大当たりのラウンド数が10Rであれば(S404:Yes)、本大当たりにおいて第1大入賞口65の開放制御を10回行うべく、ラウンドカウンタに「10」をセットして(S405)、続いて、遊技盤13正面視右側下方に配置されている第1大入賞口65に球を入賞させるべく右打ち遊技を行うことを遊技者に示唆する「右打ち示唆表示」を行わせる右打ちコマンドを設定し(S406)、処理をS409へ移行する。
S406の処理で設定された右打ちコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(S15のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、右打ちコマンドを受信すると、表示用右打ちコマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用右打ちコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81に「右打ち示唆表示」を表示するように制御を行う。
一方、S404の処理において、当選した大当たりのラウンド数が10Rでない場合、即ち、「4R確変大当たり」に対応する「確変B」、又は、「4R時短大当たり」に対応する「時短B」に当選していた場合は(S404:No)、本大当たりにおいて第2大入賞口72の開放制御を4回行うべく、ラウンドカウンタに「4」をセットして(S407)、続いて、遊技盤13正面視中央上方に配置されている第2大入賞口72に球を入賞させるべく強左打ち遊技(以下、「中打ち」ともいう)を行うことを遊技者に示唆する「中打ち示唆表示」を行わせる中打ちコマンドを設定し(S408)、処理をS409へ移行する。
S408の処理で設定された中打ちコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(S15のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、中打ちコマンドを受信すると、表示用中打ちコマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用中打ちコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81に「中打ち示唆表示」を表示するように制御を行う。
このように、大当たり遊技中に開放されている第1大入賞口65又は第2大入賞口72に球を入賞させ得る発射態様を遊技者に示唆することで、遊技価値と獲得可能な遊技態様を容易に認識させることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、大当たり遊技中に開放されている第1確変領域65c又は第2確変領域72cに球を入賞させ得る発射態様も遊技者に示唆することで、遊技者にとって有利な遊技状態を発生可能な遊技態様を認識させ、かつ、より確実に大当たり種別に対応する遊技価値を遊技者に付与し易く構成することで、遊技の興趣を向上することができる。
MPU201は、S405又はS407で設定されたラウンドカウンタの値を確認して、ラウンドカウンタに値が設定されている場合(即ち、「1」以上)は、大当たり種別に基づいて開放設定された第1大入賞口65又は第2大入賞口72を開放制御しつつ、該ラウンドカウンタの値を1減算する。そして、ラウンドカウンタの値が「0」になった場合に、実行中の大当たりを終了するように構成されている。
S409の処理では、オープニングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、オープニングコマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する(S409)。次いで、該大当たりのオープニング時間(例えば、「10秒」)を設定し(S410)、処理をS411へ移行する。S409の処理で設定されたオープニングコマンドは、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図15のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、大当たりが開始されたことを示す音声の出力やランプ制御等を行うと共に、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。そして、表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にオープニング演出(例えば、総ラウンド数の報知や「右打ち示唆表示」若しくは「中打ち示唆表示」等)を表示するように制御を行う。
S411の処理では、大当たりの種類(大当たり種別)に応じて大入賞口開放テーブル202f(図13参照)を設定して(S411)、処理をS412へ移行する。具体的には、大当たり種別「確変A」及び「時短A」であれば、この大当たり遊技中に第1大入賞口65を開放するように設定し、大当たり種別「確変B」及び「時短B」であれば、この大当たり遊技中に第2大入賞口72を開放するように設定する。
なお、1の大当たり遊技中に、第1大入賞口65と第2大入賞口72とが交互若しくはそれぞれ1回以上開放する大当たり種別を設けてもよい。このように構成することで、大当たり遊技中に球を入賞させるべき入賞口が変化し、遊技のバリエーションを豊富にして、遊技の興趣を向上できる。
S412の処理では、大当たりの種類(大当たり種別)に応じて確変領域開閉テーブル202g(図14参照)を設定して(S412)、処理をS413へ移行する。具体的には、大当たり種別「確変A」であれば、大当たり遊技の2ラウンド目に第1大入賞口65内の第1確変領域開閉板65dを駆動して第1確変領域65cを開放するように設定し、大当たり種別「確変B」であれば、大当たり遊技の1ラウンド目に第2大入賞口72内の第2確変領域開閉板72dを駆動して第2確変領域72cを開放するように設定する。一方、大当たり種別「時短A」及び「時短B」であれば、該大当たり遊技中に第1確変領域開閉板65dおよび第2確変領域開閉板72dを閉鎖し続けるように設定し、いずれのタイミングでも第1確変領域65c及び第2確変領域72cへ球を入賞させないように構成する。
S413の処理では、今回の大当たりにおける大当たり種別が「確変A」か否かを判別する(S413)。判別の結果、「確変A」であると判別された場合は(S413:Yes)、「確率変動状態」であることを遊技者に報知するために、確変報知コマンドを設定して(S414)、大当たり処理(S103)を終了して、タイマ割込処理(図15参照)に戻る。
S414の処理で設定された確変報知コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図15のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、確変報知コマンドを受信した場合には、「確率変動状態」であることを遊技者に報知すべく、「確変報知演出態様」を実行するように構成されている。
一方、S413の処理において、「確変A」ではないと判別された場合は(S413:No)、遊技状態を明確に報知しないため、確変報知コマンドを設定しないようにS414の処理をスキップして、本大当たり処理(S103)を終了し、タイマ割込処理(図15参照)に戻る。
第1実施形態のパチンコ機では、音声ランプ制御装置113が上記確変報知コマンドを受信していない場合において、実行中の大当たりが終了したとき、大当たり後の演出をもれなく「時短報知演出態様」を実行するように構成されており、大当たり種別「確変A」である場合は、遊技者に「確率変動状態」であることを明確に示唆する一方、大当たり種別「確変B」である場合は、遊技者に「確率変動状態」であるのか「時間短縮状態」であるのかを認識し難い(できない)ように構成されている。このように構成することで、例えば、大当たり種別「確変B」における「入賞補助機能」が終了して「潜伏確率変動状態」に遷移した場合に、特別図柄の高確率状態であるのか低確率状態であるのかを遊技者に認識困難にさせて、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。なお、大当たり種別「確変A」の場合であっても、「確率変動状態」が発生することを報知(示唆)しないように構成してもよい。
S401の処理において、既に大当たり中であると判別された場合は(S401:Yes)、第1大入賞口65又は第2大入賞口72、並びに、第1確変領域65c又は第2確変領域72cの開閉制御を実行する大入賞口開閉制御処理(S415)を実行する。
ここで、図20を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり処理(S103)の一処理である大入賞口開閉制御処理(S415)について説明する。図20は、大入賞口開閉制御処理(S415)を示したフローチャートである。上述したように、この大入賞口開閉制御処理(S415)では、大当たり処理(S103)で設定された第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開放回数に基づいて、第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開閉制御と、第1確変領域65c又は第2確変領域72cの開閉制御とを実行する。
この大入賞口開閉制御処理(S415)では、まず、今回の大当たり時におけるオープニング時間、又は、各ラウンド間のインターバル時間(例えば、「1秒」)が経過したか否かを判別する(S421)。判別の結果、オープニング時間又はインターバル時間が経過していなければ(S421:No)、未だ第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開放条件が成立していないので、S422の処理をスキップして、処理をS423へ移行する。一方、オープニング時間又はインターバル時間が経過していれば(S421:Yes)、第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開放条件が成立したので、第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開放設定処理を行い(S422)、処理をS423へ移行する。
ここで、図21を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される開放設定処理(S422)について説明する。図21は、開放設定処理(S422)を示したフローチャートである。上述したように、この開放設定処理(S422)では、第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開放するための各種設定処理等を実行する。
この開放設定処理(S422)では、まず、大当たり処理(図19参照)のS411において設定された大入賞口開放テーブル202f(即ち、大当たり種別)に基づいて、第1大入賞口65又は第2大入賞口72のいずれを開放するかを設定し(S431)、処理をS432へ移行する。このS431の開放処理を行うことで、第1大入賞口ソレノイド65b又は第2大入賞口ソレノイド72bが駆動されて第1大入賞口開閉板65a又は第2大入賞口開閉板72aが開放され、第1大入賞口65又は第2大入賞口72内に球が流入可能となる。
次いで、S432の処理では、開放された第1大入賞口65又は第2大入賞口72へ入賞した球を計数するため、入賞カウンタに「10」をセットして(S432)、処理をS433へ移行する。第1実施形態において、この入賞カウンタの値は、第1大入賞口65又は第2大入賞口72へ球が1球入球する毎に1減算されるように構成され、MPU201は、第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開放後、所定の開放時間が経過した場合か、或いは、該入賞カウンタの値が「0」になった場合に、開放中の第1大入賞口65又は第2大入賞口72を閉鎖するように構成されている。
次いで、S433の処理では、第1大入賞口65又は第2大入賞口72の最大開放時間(例えば、「30秒」又は「6秒」)の設定を行い(S433)、音声ランプ制御装置113に対して第1大入賞口65又は第2大入賞口72が開放中であることを示す開放コマンドを設定し(S434)、処理をS435へ移行する。S434の処理で設定された開放コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図15のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、開放コマンドを受信すると、ラウンドが開始されたことを示す音声の出力やランプ制御等を行うと共に、表示用開放コマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用開放コマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にラウンド演出(例えば、ラウンド数報知)を表示するように制御を行う。
次いで、S435の処理では、大当たり処理(図19参照)のS412において大当たり種別に応じて設定された確変領域開閉テーブル202gに基づいて、当該ラウンドにおける第1確変領域65c又は第2確変領域72cの開放又は閉鎖を設定し(S435)、この開放設定処理(S422)を終了する。この開放設定処理(S422)の終了後は、大入賞口開閉制御処理(図20参照)のS423へ移行する。
S435の処理では、具体的には、大当たり種別「確変A」であった場合は、該大当たり遊技の2ラウンド目において第1確変領域開閉板65dが開放駆動されて第1確変領域65cに球が流入可能となり、大当たり種別「確変B」であった場合は、該大当たり遊技の1ラウンド目において第2確変領域開閉板72dが開放駆動されて第2確変領域72cに球が流入可能となる。一方、大当たり種別「時短A」又は「時短B」であった場合には、該大当たり遊技のいずれのラウンドでも第1確変領域開閉板65d及び第2確変領域開閉板72dが開放駆動されずに閉鎖され続け、第1確変領域65c及び第2確変領域72cのいずれにも球が流入しないように構成される。
図20に戻って説明を続ける。S423の処理では、第1大入賞口65又は第2大入賞口72のいずれかが開放中か否かを判別する(S423)。判別の結果、第1大入賞口65又は第2大入賞口72のいずれも開放中でなければ(S423:No)、第1大入賞口65及び第2大入賞口72のいずれも開放中ではなく、オープニング時間中であったり、インターバル時間中であったり、エンディング時間中であるので、S424をスキップして、この大入賞口開閉制御処理(S415)を終了し、大当たり処理(図19参照)に戻る。一方、第1大入賞口65又は第2大入賞口72が開放中であれば(S423:Yes)、第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開放に伴う各種処理を実行する開放中処理を行い(S424)、この大入賞口開閉制御処理(S415)を終了し、大当たり処理(図19参照)に戻る。
ここで、図22を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される開放中処理(S424)について説明する。図22は、開放中処理(S424)を示したフローチャートである。上述したように、この開放中処理(S424)では、第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開放に伴う球の入賞検知処理や、第1確変領域65c又は第2確変領域72cの開閉制御、又は、開放された第1確変領域65c又は第2確変領域72cへの球の通過検知等の制御を実行する。
この開放中処理(S424)では、まず、上述した開放時間設定処理(図21のS433参照)で設定された第1大入賞口65又は第2大入賞口72の1回の開放時間が経過したタイミングか否かを判別する(S441)。S441の処理において、第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開放時間が経過したタイミングであれば(S441:Yes)、第1大入賞口65又は第2大入賞口72の閉鎖条件が成立し、そのラウンドにおける第1大入賞口65又は第2大入賞口72の閉鎖タイミングであるため、入賞カウンタの値を「0」クリアして(S442)、開放中の第1大入賞口65又は第2大入賞口72を閉鎖させるために、処理をS446へ移行する。S446からの第1大入賞口65又は第2大入賞口72の閉鎖処理については、後述する。一方、S441の処理において、開放中の第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開放時間が経過したタイミングでなければ(S441:No)、次いで、第1大入賞口65又は第2大入賞口72のいずれかへ球が入賞して、第1大入賞口スイッチ又は第2大入賞口スイッチ(いずれも図示せず)がオンされたか否かを判別する(S443)。
S443の処理において、第1大入賞口スイッチ又は第2大入賞口スイッチのいずれかがオンされていれば(S443:Yes)、開放中の第1大入賞口65又は第2大入賞口72へ球が入賞しているので、入賞カウンタの値を1減算して(S444)、次いで、1減算した入賞カウンタの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S445)。入賞カウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S445:No)、即ち、入賞カウンタの値が「0」以下である場合は、開放中の第1大入賞口65又は第2大入賞口72に球が10個入賞して開放中の第1大入賞口65又は第2大入賞口72の閉鎖条件が成立しているので、開放中の第1大入賞口65又は第2大入賞口72を閉鎖させるために、処理をS446へ移行する。
S446からの第1大入賞口65又は第2大入賞口72の閉鎖処理では、まず、開放中の第1大入賞口65又は第2大入賞口72の閉鎖設定を行い(S446)、オン中の第1大入賞口ソレノイド65b又は第2大入賞口ソレノイド72bをオフして、第1大入賞口開閉板65a又は第2大入賞口開閉板72aを閉鎖する。次いで、音声ランプ制御装置113に対して第1大入賞口65又は第2大入賞口72が閉鎖されたことを示す閉鎖コマンドを設定して(S447)、処理をS448へ移行する。なお、S447の処理で設定された閉鎖コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図15のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、閉鎖コマンドを受信すると、1のラウンドが終了したことを示す音声の出力やランプ制御等を行うと共に、表示用閉鎖コマンドを表示制御装置114へ送信する。そして、表示制御装置114は、表示用閉鎖コマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81で実行中のラウンド演出(例えば、ラウンド数報知)を終了し、大当たりが継続する場合は、インターバル時間であることを示すインターバル演出に切り替えて表示するように制御を行い、大当たりが終了する場合は、大当たりを終了させるための制御を行う。
次いで、S448の処理では、第1大入賞口65又は第2大入賞口72の閉鎖、即ち、1のラウンドの終了に伴い、第1確変領域65c及び第2確変領域72cの設定状況を一旦初期化するために、第1確変領域ソレノイド及び第2確変領域ソレノイドをオフに設定して第1確変領域開閉板65d及び第2確変領域開閉板72dを閉鎖させ(S448)、処理をS449へ移行する。
次いで、S449の処理では、第1大入賞口65又は第2大入賞口72の1のラウンドが消化されたことから、ラウンドカウンタの値を1減算し(S449)、1減算したラウンドカウンタの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S450)。ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値である場合(S450:Yes)、該大当たりにおけるラウンド回数(第1大入賞口65又は第2大入賞口72の残り開放回数)が残存している状態であるので、次の第1大入賞口65又は第2大入賞口72を開放させるまでのインターバル時間(例えば、「2秒」)を設定し(S451)、この開放中処理(S424)を終了し、大当たり処理(図19参照)に戻る。
一方、S450の処理において、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S460:No)、即ち、ラウンドカウンタの値が「0」以下である場合は、この大当たりにおける第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開放動作がすべて終了したので、大当たり状態を終了させるために、開放中処理(S424)を終了し、大当たり処理(図19参照)のS417の処理を行う。
S443の処理において、第1大入賞口スイッチ又は第2大入賞口スイッチのいずれもオンされていない場合は(S443:No)、開放中の第1大入賞口65又は第2大入賞口72に球が入賞していないので、開放中の第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開放を継続しつつ、次いで、第1確変領域スイッチ又は第2確変領域スイッチ(いずれも図示せず)がオンされたか否かを判別する(S452)。
S452の処理において、第1確変領域スイッチ又は第2確変領域スイッチのいずれかがオンされていれば(S452:Yes)、開放中の第1確変領域65c又は第2確変領域72cへ球が流入しているので、確変移行フラグ203hをオンに設定し(S453)、開放中処理(S424)を終了し、大当たり処理(図19参照)へ戻る。第1確変領域65c又は第2確変領域72cの球の通過に伴って確変移行フラグ203hをオンし、後述する大当たり終了処理(図23参照)において確変移行フラグ203hの設定状況に応じて「確率変動状態」を発生させることができる。
なお、S452の処理において、第1確変領域スイッチ又は第2確変領域スイッチがオンされていない場合は(S452:No)、この開放中処理(S424)を終了して、大当たり処理(図19参照)に戻る。
図19に戻って、説明を続ける。大入賞口開放制御処理(S415)の処理の実行後は、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値であるか否かを判別する(S416)。上述した大入賞口開閉制御処理の開放中処理(図22参照)では、第1大入賞口65又は第2大入賞口72の閉鎖に伴ってラウンドカウンタの値が減算されるように構成されているため(図22のS449参照)、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値である場合は(S416:Yes)、継続して大当たりを実行するために、S417の処理をスキップして、この大当たり処理(S103)を終了し、タイマ割込処理(図15参照)に戻る。
一方、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値でない場合、即ち、ラウンドカウンタの値が「0」以下であれば(S416:No)、大当たりの終了条件が成立しているので、該大当たりを終了させるために、大当たり終了処理を実行して(S417)、この大当たり処理(S103)を終了し、タイマ割込処理(図15参照)に戻る。
ここで、図23を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり処理の一処理である大当たり終了処理(S417)について説明する。図23は、大当たり終了処理(S417)を示したフローチャートである。上述したように、この大当たり終了処理(S417)では、エンディング時間の設定(例えば、「5秒」)等、大当たりの終了設定制御と、大当たり中に第1確変領域65c又は第2確変領域72cへの球の流入に基づく大当たり後の遊技状態の設定制御とを実行する。
この大当たり終了処理(S415)では、まず、確変移行フラグ203hがオンされているか否かを判別する(S461)。判別の結果、確変移行フラグ203hがオンされていれば(S461:Yes)、この大当たり中において、第1確変領域65c又は第2確変領域72cを球が通過し、特別図柄の高確率状態(即ち、少なくとも、特別図柄の変動演出が50回実行されるまでは「確率変動状態」)への移行条件が成立しているため、大当たり終了時の遊技状態を、少なくとも、特別図柄の高確率状態にし(S462)、確変移行フラグ203hをオフに設定して(S463)、処理をS464へ移行する。
一方、S461の処理において、確変移行フラグ203hがオンされていなければ(S461:No)、この大当たり中において、第1確変領域65c又は第2確変領域72cを球が通過しなかったため、特別図柄の高確率状態への移行条件が成立していないため、S462及びS463の処理をスキップして、処理をS464へ移行する。
S464の処理では、今回の大当たり種別が「確変A」であるか否かを判別する(S464)。判別の結果、今回の大当たり種別が「確変A」であると判別された場合は(S464:Yes)、この大当たり終了後、次回大当たりの発生まで「入賞補助機能」を作動させるべく、時短無限フラグをオンに設定し(S465)、処理をS469へ移行する。
S464の処理において、今回の大当たり種別が「確変A」ではないと判別された場合は(S464:No)、次いで、今回の大当たり種別が「時短A」であるか否かを判別する(S466)。判別の結果、今回の大当たり種別が「時短A」であると判別された場合は(S466:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を、特別図柄の動的表示(変動演出)が100回実行されるまで「開放延長機能」を作動させる「時間短縮状態」に移行させるため、時短カウンタの値に「100」をセットし(S467)、処理をS469へ移行する。
一方、S466の処理において、今回の大当たり種別が「時短A」でないと判別された場合は(S466:No)、今回の大当たり種別は「確変B」又は「時短B」であるので、大当たり終了後の遊技状態を、特別図柄の動的表示(変動演出)が50回実行されるまで「開放延長機能」を作動させる「確率変動状態」又は「時間短縮状態」に移行させるため、時短カウンタの値に「50」をセットし(S468)、処理をS469へ移行する。
S469の処理では、音声ランプ制御装置113に対して大当たりのエンディング演出の開始を示すエンディングコマンドを設定する(S469)。そして、エンディング時間等を設定する大当たりの終了設定処理を行い(S470)、この大当たり終了処理(S417)を終了して、大当たり処理(図19参照)に戻る。なお、S469の処理で設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図15のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、大当たりが終了することを示す音声の出力やランプ制御等を行うと共に、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にエンディング演出(例えば、大当たり終了後の遊技状態の示唆等)を表示するように制御を行う。
このように、大当たり処理(図19参照)の中で、大当たり種別に応じた第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開閉制御を行うと共に、第1確変領域65c及び第2確変領域72cの開閉制御とを実行し、開放中の第1確変領域65c又は第2確変領域72cを球が通過した場合に、該大当たり終了後に特別図柄の高確率状態(即ち、少なくとも特別図柄の変動演出が50回実行されるまでは「確率変動状態」)を発生させるように構成する。このように構成することで、大当たり遊技中に第1確変領域65c又は第2確変領域72cに球を通過させるか否かによって該大当たり終了後の遊技状態を異ならせることができるので、大当たり遊技中の遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
次に、図24を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である発射制御処理(S112)について説明する。図24は、発射制御処理(S112)を示したフローチャートである。
この発射制御処理(S112)では、上述したように、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチスイッチ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に出力される発射許可信号SG3の入力に基づいて、球の発射のオン/オフを決定する処理である。また、第1実施形態のパチンコ機10では、上記発射許可信号SG3が入力されている場合であっても、発射許可フラグ203gがオンされている場合にのみ発射制御信号αを出力する一方、発射許可フラグ203gがオンされていない場合は、発射制御装置112に対して発射制御信号αを出力しないように構成されている。
この発射制御処理(S112)では、まず、発射制御装置112の信号変換回路112aから発射許可信号SG3が入力されているか否かを判別する(S501)。判別の結果、発射許可信号SG3が入力されている場合は(S501:Yes)、遊技者によりタッチスイッチ51aがオンされ、かつ、打ち止めスイッチ51bがオフされている状況なので、球が発射可能な操作ハンドル51の回動量か否かを判別するために、処理をS502へ移行する。一方、発射許可信号SG3が入力されていない場合は(S501:No)、タッチスイッチ51aがオンされていないか、タッチスイッチ51aがオンされているにもかかわらず打ち止めスイッチ51bがオンされている状況なので、発射制御装置112に発射制御信号αを出力することなく、この発射制御処理(S112)を終了する。
次いで、S502の処理では、操作ハンドル51の回動量がファール球となり得る範囲内であることを示す第1回動量信号SG4が回動量変換回路112bから入力されているか否かを判別する(S502)。判別の結果、第1回動量信号SG4が入力されていれば(S502:Yes)、操作ハンドル51が初期位置からファール球となり得る程度の回動量しか操作されていない場合、若しくは、一旦は第2大入賞口72に球が到達し得る程度の回動量となった以降に再びファール球となり得る程度の回動量となった場合であって、可変抵抗器51cに発生している直流電圧値が約2.5ボルト未満ということなので、球の発射を規制(停止)すべく、発射許可フラグ203gをオフに設定し(S507)、この発射制御処理(S112)を終了して、タイマ割込処理(図15参照)に戻る。
一方、S502の処理において、第1回動量信号SG4が入力されていないと判別された場合は(S502:No)、少なくとも、操作ハンドル51の回動量がファール球となり得る範囲以上回動されて可変抵抗器51cに発生する直流電圧値が約2.5ボルト以上となっているということなので、次いで、発射許可フラグ203gがオンされているか否かを判別する(S503)。
S503の判別の結果、発射許可フラグ203gがオンされていれば(S503:Yes)、少なくとも、操作ハンドル51の回動量が第2大入賞口72の配設位置に到達し得る発射強度まで回動されて、可変抵抗器51cに発生する直流電圧値が約2.95ボルト以上になったことを示す第2回動量信号SG5が入力された後であるので、球を発射するために(球の発射を許容するために)、発射制御信号αを設定し(S504)、この発射制御処理(S112)を終了して、タイマ割込処理(図15参照)に戻る。
MPU201は、S504の処理で設定された発射制御信号αを発射制御装置112へ出力するために、その発射制御信号αの情報を、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理(図15参照)のS101の処理によって、発射制御信号αが発射制御装置112へ送信される。
発射制御装置112は、上述したように、主制御装置110から発射制御信号αが入力されると、球発射ユニット53の発射ソレノイド53aに電圧を供給し、発射ソレノイド53aは、予め発射レール55の基端部55aに配置された球を、操作ハンドル51の回動量に応じた強さで遊技領域へ向けて発射する。このとき、一旦、発射許可フラグ203gが設定された以降は、第2回動量信号SG5が出力される回動量以下の回動量であっても球が発射可能に構成される。
S503の処理において、発射許可フラグ203gがオンされていない場合は(S503:No)、この処理以前では未だ第2回動量信号SG5が出力されていない段階であるので、次いで、操作ハンドル51の回動量が第2大入賞口72に球が到達し得る程度の回動操作量であって可変抵抗器51cに発生する直流電圧値が約2.95ボルト以上となったことを示す第2回動量信号SG5が回動量変換回路112bから入力されたか否かを判別する(S505)。判別の結果、第2回動量信号SG5が入力されていなければ(S505:No)、未だ操作ハンドル51の回動操作量は第2大入賞口72へ球が到達し得る回動量となっておらず、可変抵抗器51cに発生する直流電圧値が約2.95ボルトに到達していない(例えば、第1流路74や第2流路75に到達し得る程度の回動量に留まる)ので、球の発射を規制(停止)させるべく、S506及びS504の処理をスキップして、この発射制御処置(S112)を終了して、タイマ割込処理(図15参照)に戻る。
一方、S505の処理において、第2回動量信号SG5が入力された場合は(S505:Yes)、少なくとも、操作ハンドル51の回動操作量が第2大入賞口72に到達し得る回動量となって、可変抵抗器51cに発生する直流電圧値が約2.95ボルト以上となっているので、以降の遊技において球の発射を許可(許容)すべく、発射許可フラグ203gをオンに設定し(S506)、その後、処理をS504へ移行して、発射制御信号αを設定する。
このように、操作ハンドル51の初期位置から回動させた場合に、少なくとも、発射された球が第2大入賞口72の配設位置まで到達し得る発射強度(即ち、強左打ち遊技)まで回動されなければ球が発射されないように構成し(球の発射を規制し)、ファール球の発生を抑制することができる。そして、一旦、球が発射された後は、第1流路74や第2流路75付近に到達し得る発射強度(例えば、弱左打ち遊技)によっても遊技を行うことが可能に構成する。また、球を遊技領域に発射可能となった後、操作ハンドル51の回動量が減少して、発射された球が遊技領域まで到達せずに発射球案内領域に留まるような場合に、球の発射を停止し、ファール球が発生しないように構成する。このように構成することで、遊技を行う場合にファール球の発生を抑制し、球を発射しようと意図しているにも関わらず、ファール球によって遊技領域に球を到達させることができないといった事象の発生を抑制することができる。また、一旦、球を発射した後は、遊技者所望の発射態様を調整することができる。よって、遊技者による遊技の選択肢を拡げつつ、遊技で使用され得る球の発射を好適に行い、意図した球を発射できる快適な遊技環境を構築することができる。
次いで、図25を参照して、停電等の発生した場合に主制御装置110において実行されるNMI割込処理について説明する。図25は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。
このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。NMI端子に停電信号SG1が入力されたMPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図26を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図26は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。
立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(第1実施形態では、「1秒」)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図4参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS911へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS911へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS911へ移行する。
なお、図27のS926でも説明するが、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S911の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S911)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S912,S913)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理(S912,S913)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S912,S913)を実行する。RAM203の初期化処理(S912,S913)では、RAM203の使用領域を「0」クリアし(S912)、その後、RAM203に初期値を設定する(S913)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。そして、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、割込みを許可する(S910)。そして、後述するメイン処理(図27参照)に移行する。
次に、図27を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図27は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別してカウンタの更新処理と電源断時処理とが実行される。
メイン処理では、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S921)。そして、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S921:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S922,S923)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S922)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では「899」、「99」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S107(図15参照)の処理と同一の方法によって実行し(S923)、S921の処理へ移行する。
ここで、このメイン処理が実行されている間、図15を参照して説明したタイマ割込処理が所定時間間隔(第1実施形態では、「4ミリ秒」)で起動され実行される。タイマ割込処理では、遊技の状態に応じて異なる処理が実行される。例えば、大当たり中には、第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開閉を制御する実行が行われ、スルーゲート67への球の通過があれば、普通図柄表示装置83による普通図柄の可変表示に関する表示制御が行われる。また、特別図柄表示装置37での動的表示を開始する場合に実行される大当たり抽選では、高確率状態か低確率状態かによって、取得した大当たり乱数カウンタC1と比較する大当たり乱数値の数が異なってくる。よって、1回のタイマ割込処理の実行にかかる時間は、遊技の状態に応じて変化することになる。従って、一のタイマ割込処理が終了してから次のタイマ割込処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく、その時々の遊技の状態に応じて変化する。
メイン処理の一処理である上記のS922,S923の処理は、このタイマ割込処理の残余時間の中で実行されることになる。つまり、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新が繰り返し実行されることになるので、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値、普図当たり乱数カウンタC4の初期値)とをランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。特に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2とをランダムに更新することによって、これらを更新の初期値として使用する大当たり乱数カウンタC1及び普図当たり乱数カウンタC4の更新に、ランダム性を持たせることができる。
また、S921の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S921:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図25のNMI割込処理が実行されたので、S924以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S924)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S925)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S926)、RAM203のアクセスを禁止して(S927)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S921の処理は、タイマ割込処理(図15参照)の残余時間内に行われるS922とS923の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。これにより、主制御装置110のメイン処理において、タイマ割込処理(図15参照)による各種設定が終了し、また、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新が終わったタイミングで、電源断の発生情報を確認している。よって、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理(図26参照)の終了後、処理をS921の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS921の処理から開始することができる。
従って、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S921の処理から開始することができる。その結果、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
第1実施形態では、定期的に実行する処理をタイマ割込処理(図15参照)で実行し、メイン処理(図27参照)において、タイマ割込処理(図15参照)の残余時間に各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新を実行する場合について説明したが、タイマ割込処理(図15参照)にて実行していた処理の一部または全部を、メイン処理(図27参照)の中で所定時間(例えば、「4ミリ秒」)毎に実行するように構成してもよい。例えば、第1実施形態においてタイマ割込処理(図15参照)にて実行していた賞球計数信号,払出異常信号読み込み処理(S102)、大当たり処理(S103)、普通電役制御処理(S104)及びスイッチ読み込み処理(S105)、始動入賞処理(S108)、ゲート通過処理(S109)、特図変動処理(S110)、普図変動処理(S111)、発射制御処理(S112)の一部または全部を、タイマ割込処理(図15参照)ではなく、メイン処理(図27参照)の中で「4ミリ秒」毎に実行するように構成してもよい。
この場合、メイン処理(図27参照)の中で所定時間(「4ミリ秒」)経過したか否かを判断するステップを設け、所定時間経過したと判断された場合のみ、所定時間毎に実行する処理を実行し、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間の経過の有無にかかわらず実行するようにしてもよい。これにより、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間毎に実行する処理の残余時間に実行されることになるが、所定時間毎に実行する処理は、遊技の状態に応じてその実行にかかる時間が変化するため、このように構成した場合であっても、各カウンタCINI1,CINI2,CS1をランダムに更新することができる。
次に、図28から図30を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図28参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図29参照)とがある。
まず、図28を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図28は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1115の電源断処理(図29参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1002)。図29を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると、S1115の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1115の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1003:Yes)、S1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1003:No)、S1008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1003:Yes)、S1004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1003:No)、S1008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1115の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が「0」クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1005:No)、RAM223の異常を報知して(S1007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1008)。電源断フラグはS1116の電源断処理の実行時にオンされる(図29のS1115参照)。つまり、電源断フラグは、S1116の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1116の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAM223の作業エリアをクリアし(S1009)、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1009をスキップして、処理をS1010へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、メイン処理へ移行する。
なお、S1009のクリア処理をスキップするのは、S1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至った場合には、S1004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図29を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図29は、このメイン処理を示したフローチャートである。
メイン処理が実行されると、まず、前回S1101の処理が実行されてから「1ミリ秒」以上が経過したか否かが判別され(S1101)、「1ミリ秒」以上経過していなければ(S1101:No)、S1102〜S1109の処理を行わずにS1110の処理へ移行する。S1101の処理で、「1ミリ秒」経過したか否かを判別するのは、S1102〜S1109が短い周期(「1ミリ秒」以内)で処理する必要がないものであるのに対して、S1110の変動演出処理やS1111のコマンド判定処理は、短い周期で実行する方が好ましい処理であるからである。S1111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1110の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1101の処理において、前回S1101の処理が実行されてから「1ミリ秒」以上経過していると判断される場合は(S1101:Yes)、S1102の処理へ移行する。なお、S1101の処理が、図28に示す立ち上げ処理の後初めて実行された場合は、そのままS1102の処理へ移行する。
S1102の処理では、S1103〜S1112の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1107の処理で編集されるランプの点灯態様になるように各ランプの出力を設定し(S1103)、その後電源投入報知処理を実行する(S1104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば、「30秒」)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1105の処理へ移行する。
次いで、S1105の処理では、後述するS1111のコマンド判定処理によって設定される大当たりに関する演出を実行する大当たり演出処理を行い(S1105)、S1106の処理へ移行する。
次いで、S1106の処理では、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1106)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22の有効期間において、該枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、上記有効期間に枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。
枠ボタン入力監視・演出処理(S1106)が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1107)、その後音編集・出力処理を実行する(S1108)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1108の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S1109)、S1110の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動演出に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1107のランプ編集処理が実行され、また、S1108の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動演出に要する時間と同期した時間で実行される。
S1110の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110寄り受信した変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに基づいて変動演出を開始するための処理である変動演出処理を実行する。そして、変動演出処理の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行い(S1111)、S1112の処理へ移行する。このコマンド判定処理の詳細については、図30を参照して後述する。
S1112では、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた各種カウンタを更新するカウンタ更新処理を実行する(S1112)。例えば、変動演出の詳細な変動パターンを決定するカウンタの更新が、このカウンタ更新処理の中で行われる。該カウンタの更新は、所定の範囲(本実施形態では、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(「99」)に達した後「0」に戻すことによって行われる。
S1112の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1113)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1113の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1113:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1115)、電源断処理を実行する(S1116)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1117)、その後、処理を無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1113の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1113:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1114)、RAM223が破壊されていなければ(S1114:No)、S1101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1114:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼び、パチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図30を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1111)について説明する。図30は、このコマンド判定処理(S1111)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1111)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図29参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110又は表示制御装置114から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(S1111)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域に、主制御装置110からのコマンドを受信しているか否かを判別する(S1201)。判別の結果、主制御装置110からコマンドを受信していなければ(S1201:No)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図29参照)に戻る。
一方、S1201の処理において、主制御装置110からコマンドを受信していれば(S1201:Yes)、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より右打ちコマンドを受信したか否かを判別する(S1202)。そして、右打ちコマンドを受信したと判別された場合は(S1202:Yes)、操作ハンドル51の回動量を約100度以上回動させる右打ち遊技を行うことを遊技者に示唆する「右打ち示唆演出(表示)」を設定し(S1203)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図29参照)に戻る。
ここで、「右打ち示唆演出(表示)」とは、操作ハンドル51の回動操作量を約100度以上とさせることで、遊技盤13の正面視右側下方に配置されている第1大入賞口65(若しくは第2始動口71b)に球を入賞させ得るような球の発射態様で遊技を行うことを遊技者に示唆する演出であり、例えば、第3図柄表示装置81において第1大入賞口65が配設されている位置を矢印図柄で示すとともに、音声出力装置226から「右打ちだ!」の音声を出力させる。
S1202の処理において、主制御装置110より右打ちコマンドを受信していなければ(S1202:No)、次いで、主制御装置110より中打ちコマンドを受信したか否かを判別する(S1204)。そして、中打ちコマンドを受信したと判別された場合は(S1204:Yes)、操作ハンドル51の回動量を約75度付近に回動させる強左打ち遊技を行うことを遊技者に示唆する「中打ち示唆演出(表示)」を設定し(S1205)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図29参照)に戻る。
ここで、「中打ち示唆演出(表示)」とは、操作ハンドル51の回動操作量を約75度程度にすることで、遊技盤13の中央上方(可変表示装置ユニット80の正面視上方)に配置されている第2大入賞口72に球を入賞させ得るような球の発射態様で遊技を行うことを遊技者に示唆する演出であり、例えば、第3図柄表示装置81において第2大入賞口72が配設されている位置を矢印図柄で示すととともに、音声出力装置226から「上を狙え!」の音声を出力させる。
S1204の処理において、主制御装置110より中打ちコマンドを受信していなければ(S1204:No)、次いで、主制御装置110より確変報知コマンドを受信したか否かを判別する(S1206)。そして、確変報知コマンドを受信したと判別された場合(S1206:Yes)、「確率変動状態」であることを遊技者に報知するために、「確変報知演出態様」を設定し(S1207)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図29参照)に戻る。
ここで、「確変報知演出態様」とは、大当たり時であれば、該大当たり後に「確率変動状態」が発生する報知態様(例えば、「SUPER LUCKY!」の文字表示等)を第3図柄表示装置81に表示し、変動演出中であれば、「確率変動状態」が発生していることを第3図柄表示装置81において文字表示で表示したり、第3図柄表示装置81の背景色を通常とは異なる背景色(例えば、青色から赤色)に変更することで、遊技者に「確率変動状態」であることを認識させる。
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了時において音声ランプ制御装置113が確変報知コマンドを受信していない場合は、大当たり終了後の演出として「時間短縮状態」を示す「時短報知演出態様」をもれなく実行するように構成されている。即ち、大当たり種別「確変B」での大当たりであっても、「確率変動状態」であることを遊技者には報知せず、大当たり種別「時短B」と同等の演出が実行される。
S1206の処理において、主制御装置110より確変報知コマンドを受信していなければ(S1206:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S1208)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図29参照)に戻る。
以上、説明したように、第1実施形態のパチンコ機10は、遊技者によって操作ハンドル51の回動量を可変抵抗器51cにより検出し、操作ハンドル51の回動量が戻り球防止部材68に球が到達しない範囲であることを検出した場合に、発射制御装置112の回動量変換回路112bから第1回動量信号SG4が入出力ポート205に入力され、操作ハンドル51の回動量が第2大入賞口72に球が到達し得る回動量であることを検出した場合に、回動量変換回路112bから第2回動量信号SG5が入出力ポート205に入力される。そして、MPU201は、発射許可信号SG3が入力された場合、少なくとも、第2回動量信号SG5が出力された後であって、第1回動量信号SG4が出力されていないことを条件に、入出力ポート205から、発射ソレノイド53aを駆動するための発射制御信号αと、球送りソレノイド54aを駆動するための球送り制御信号βを発射制御装置112へ出力する。
即ち、第1実施形態のパチンコ機10では、遊技者によって操作ハンドル51が操作された場合、発射許可信号SG3が出力されている場合であっても、第2回動量信号SG5が出力されるまで(即ち、発射許可フラグ203gがオンされるまで)は、主制御装置110は発射制御信号αおよび球送り制御信号βを出力しないように構成されている。また、第2回動量信号SG5が出力されることで発射制御信号αおよび球送り制御信号βを出力可能な状態となった後、第1回動量信号SG4が出力された場合、発射制御信号αおよび球送り制御信号βの出力を停止し、再び、第2回動量信号SG5が出力されるまで、発射制御信号αおよび球送り制御信号βを出力しないように構成されている。
つまり、操作ハンドル51の初期位置から回動させた場合に、少なくとも、発射された球が第2大入賞口72の配設位置まで到達し得る発射強度(即ち、強左打ち遊技)まで回動されなければ球が発射されないように構成し(球の発射を規制し)、ファール球の発生を抑制することができる。そして、一旦、球が発射された後は、第1流路74や第2流路75付近に到達し得る発射強度(例えば、弱左打ち遊技)によっても遊技を行うことが可能に構成する。また、球を遊技領域に発射可能となった後、操作ハンドル51の回動量が減少して、発射された球が遊技領域まで到達せずに発射球案内領域に留まるような場合に、球の発射を停止し、ファール球が発生しないように構成する。このように構成することで、遊技を行う場合にファール球の発生を抑制し、球を発射しようと意図しているにも関わらず、ファール球によって遊技領域に球を到達させることができないといった事象の発生を抑制することができる。また、一旦、球を発射した後は、遊技者所望の発射態様を調整することができる。よって、遊技者による遊技の選択肢を拡げつつ、遊技で使用され得る球の発射を好適に行い、意図した球を発射できる快適な遊技環境を構築することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、遊技球を新たに発射する場合に、操作ハンドル51の回動操作量が、ファール球となり得る回動操作量より大きな回動操作量であって、ファール球となり得る蓋然性が低い第2大入賞口72に球が到達し得る回動操作量となって初めて球を発射するように構成する。このように構成することで、例えば、操作ハンドル51が遊技者によって回動され始めてから弱左打ち遊技が行われ得る程度の回動量の場合は、球を発射させないことで、ファール球が発生してしまうことを防止することができ、遊技を行う上で球の発射を好適に行うことができ、遊技者が遊技に興醒めしてしまうこと、および、奨励されていない球の発射態様を抑制し、快適な遊技環境を構築することができる。
さらに、第1実施形態では、操作ハンドル51の回動操作量が第2大入賞口72に到達し得る発射強度となった場合、その後に操作ハンドル51の回動量を減少させ、弱左打ち遊技を行うことが可能に構成されている。このように構成することで、球が発射可能となった後に発生し得るファール球の発生を抑制して、ファール球の連鎖を予防しつつ、遊技者所望の発射態様を実現可能に構成して、快適な遊技環境を構築することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、第2大入賞口72に到達し得る回動量となった場合に、球を発射可能に構成しているため、例えば、遊技者が操作ハンドル51から手を離した状態から、再び、球を発射し得る場合に、最初の球を第2大入賞口72に入賞可能な発射態様で球を発射させることができる。このため、例えば、「通常遊技状態」において「確率変動状態」が付与され得る大当たり種別(即ち、「確変B」)に当選した場合において、該大当たり種別に当選する変動演出において操作ハンドル51から手を離してリーチ演出等を見ていた遊技者が、大当たりの発生を認知したことによって、再び、球を発射させる場合、第2大入賞口72に到達し得る球が最初に発射されることで、ファール球を発生させることなく第2大入賞口72に球を容易に入賞させることが可能となる。その結果、第2大入賞口72の開放中に第2確変領域72cに球を入賞させ易くすることができ、取得した遊技価値を確実に付与され得るようにして、遊技の興趣を向上することができる。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、球を発射している状況から再びファール球となり得る操作ハンドル51の回動操作量(即ち、60度未満)になった場合に、球の発射を停止(規制)するように構成している。このように構成することで、球が発射可能となった後にファール球の連鎖が発生してしまうことを抑制し、遊技を行う上で球の発射を好適に行うことができ、遊技者が遊技に興醒めしてしまうこと、および、奨励されていない球の発射態様を抑制し、快適な遊技環境を構築することができる。
<第2実施形態>
次いで、図31から図35を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、一旦、操作ハンドル51の回動量を初期位置から第2大入賞口72に到達し得る発射強度となる回動量まで回動させた場合は、その後、いずれの遊技状態でも操作ハンドル51の回動量に応じて左打ち遊技および右打ち遊技を行うことが可能に構成されている。
しかしながら、「通常遊技状態」若しくは「潜伏確率変動状態」、又は、大当たり種別「確変B」若しくは「時短B」では、左打ち遊技で発射された球が第1始動口64、一般入賞口63又は第2大入賞口72等に入賞し易く構成され(奨励され)、右打ち遊技で発射された球は、第2始動口71b又は第1大入賞口65に入賞し難いように構成されている。また、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」、又は、大当たり種別「確変A」若しくは「時短A」では、右打ち遊技で発射された球が第2始動口71b又は第1大入賞口65等に入賞し易く構成され(奨励され)、左打ち遊技で発射された球が第1始動口64、一般入賞口63又は第2大入賞口72等へ入賞するより遊技価値が取得し易く構成されている。つまり、遊技状態に応じて奨励される球の発射態様で遊技を行わない場合、奨励される球の発射態様で遊技を行う場合より遊技価値を取得し難く構成されている。
ここで、遊技に不慣れな遊技者(例えば、初心者や高齢者等)や、遊技仕様を把握していない遊技者、或いは、操作ハンドル51の回動量に応じた発射力の加減を上手く調整できない遊技者は、遊技を行う際、遊技状態に応じて奨励されている発射態様を行えない(理解できていない)場合があり、遊技状態に対して非奨励の球の発射態様を行ってしまうケースが存在する。特に、右打ち遊技は、操作ハンドル51を最大回動量にすることで容易に行うことはできるものの、左打ち遊技(特に、強左打ち遊技)は、ファール球とならない程度の回動量から右打ち遊技とならない程度の回動量の範囲内で操作ハンドル51を操作して微調整する必要があり、その回動量を遊技者に認識するためには所定の経験が必要となる。このように、奨励されていない発射態様で球を発射してしまった場合、警報音が出力されたり、遊技価値が得難い発射をしてしまった喪失感により、遊技者が遊技の興醒めして遊技を中断してしまうおそれがある。
これに対し、第2実施形態のパチンコ機10では、操作ハンドル51の同一の回動量であっても、遊技状態に応じて球の発射強度が異なるように構成し、遊技状態ごとに奨励されている発射態様を行い易くしつつ、遊技状態ごとに非奨励とされている発射態様での遊技を行われ難く構成する。具体的には、左打ち遊技が奨励される遊技状態では、操作ハンドル51の最大回動量であっても発射ソレノイド53aに印加される電圧が右打ち遊技にならないような値となって、右打ち遊技とならないように球を発射させるように構成する。また、右打ち遊技が奨励される遊技状態では、操作ハンドル51の最大回動量とすることで発射ソレノイド53aに印加される電圧が容易に右打ち遊技となる値となって、容易に右打ち遊技を行うことが可能に構成されつつ、かつ、左打ち遊技を行うことも可能な状態で球を発射させる。このように構成することで、遊技状態ごとに奨励されている球の発射態様を容易に実現することができ、意図しない発射態様をしてしまうことで遊技者が遊技に興醒めしてしまうことを抑制し、遊技の興趣向上を図ることができる。
以下、第2実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図31を参照して、第2実施形態のパチンコ機10の電気的構成について説明する。図31は、第2実施形態のパチンコ機10の電気的構成を示したブロック図であって、主に、主制御装置110の電気的構成を示すブロック図である。
第2実施形態では、主制御装置110のMPU201は、入出力ポート205から、遊技状態に応じて出力態様が変化する遊技状態信号イプシロン(以下、「ε」と略す)を発射制御装置112へ出力する。具体的には、左打ち遊技が奨励される「通常遊技状態」若しくは「潜伏確率変動状態」、又は、大当たり種別「確変B」若しくは「時短B」の大当たり状態である場合には、遊技状態信号εは出力されない一方、右打ち遊技が奨励される「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」、又は、大当たり種別「確変A」若しくは「時短A」の大当たり状態である場合に、遊技状態信号εが発射制御装置112に向けて出力される。
第2実施形態の発射制御装置112は、主制御装置110から遊技状態信号εが入力されると、後述する加算電圧調整部350から後述する加算回路部340を介して発射電圧制御部300に対する電圧を加算し、電圧が加算されない場合より発射ソレノイド53aに印加される電圧を上昇させるように構成されている。
ここで、図32を参照して、第2実施形態の発射制御装置112の詳細な構成について説明する。図32は、主に、第2実施形態の発射制御装置112の電気的構成を示すブロック図である。第2実施形態の発射制御装置112は、第1実施形態の発射電圧制御部300と、発射ソレノイド制御部310と、球送りソレノイド制御部320と、信号変換回路112aとに加え、可変電圧調整部330と、加算回路部340と、加算電圧調整部350とを備えている。なお、第2実施形態では、第1実施形態の回動量変換回路112bが搭載されていないが、該回動量変換回路112bを搭載するように構成してもよい。
可変電圧調整部330は、操作ハンドル51の回動操作量に応じて可変抵抗器51cに発生した直流電圧(SA1)を分圧する回路であり、オペアンプOP2と、抵抗値が可変である可変抵抗器VR1とによって構成される。なお、可変抵抗器VR1の抵抗値を、所定の操作手段(操作つまみ等)によって調整可能に構成してもよい。
可変電圧調整部330の入力側であるオペアンプOP2のプラス入力端子(非反転入力端子)は、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器51cと接続されている。なお、図示しないが、可変抵抗器51cの一端には、5ボルトの直流電源DC1が接続され、可変抵抗器51cの他端はグランドされている。これは、操作ハンドル51の回動操作量に応じて可変抵抗器51cの抵抗値が変化し、その抵抗値の変化に対応した直流電圧が可変抵抗器51cに発生し、その発生した直流電圧(信号SA1)をオペアンプOP2のプラス入力端子(非反転入力端子)に入力させるためである。
オペアンプOP2のマイナス入力端子(反転入力端子)は、オペアンプOP2の出力端子と短絡され、オペアンプOP2の出力を、そのままオペアンプOP2のマイナス入力端子に帰還させている。よって、オペアンプOP2は、オペアンプOP2のプラス入力端子(非反転入力端子)から入力された直流電圧を増幅度がほぼ1でオペアンプOP2の出力端子に出力するバッファ回路として用いられている。
オペアンプOP2の出力端子は、可変抵抗器VR1の一端が直列に接続されており、可変抵抗器VR1の他端はグランドされている。よって、オペアンプOP2のプラス入力端子(非反転入力端子)から入力された直流電圧(信号SA1)は、増幅度がほぼ1でオペアンプOP2の出力端子から出力され、その出力された直流電圧は、可変抵抗器VR1で分圧される。分圧された直流電圧は、加算回路部340の抵抗R4に入力される。
なお、可変抵抗器VR1の抵抗値を、所定の操作手段(操作つまみ等)によって調整可能にした場合は、可変抵抗器VR1に発生する直流電圧(信号SB1)を調整することが可能に構成される。可変抵抗器VR1に発生する直流電圧(信号SB1)によって、操作ハンドル51の回動操作量に応じて可変抵抗器51cに発生する直流電圧(信号SA1)の変動幅を小さくすることにより、遊技領域に球が打ち込まれる発射強度となる操作ハンドル51の回動操作量の範囲およびその範囲幅を調整することが可能となる。ただし、可変抵抗器VR1に発生する直流電圧(信号SB1)は、可変抵抗器VR1により操作ハンドル51の可変抵抗器51cに発生した直流電圧(信号SA1)を分圧しているので、可変抵抗器51cに発生した直流電圧(信号SA1)より小さくなる。この小さくなった電圧分は、後述する加算電圧調整部350から加算回路部340へ入力される直流電圧によって増加(補填)することができる。
加算電圧調整部350は、主制御装置110から遊技状態信号εの入力に基づいて、一定値の直流電圧を発生させる回路であり、12ボルトの直流電源DC2と、抵抗値が固定された抵抗R3と、抵抗値が可変である可変抵抗器VR2と、ツェナーダイオードD3と、コンデンサCD2とによって構成される。なお、可変抵抗器VR1の抵抗値を、所定の操作手段(操作つまみ等)によって調整可能に構成してもよい。
可変抵抗器VR2の他端はグランドされており、可変抵抗器VR2の一端は、ツェナーダイオードD3のカソードと、コンデンサCD2の一端と、抵抗R3の一端と接続されている。ツェナーダイオードD3のアノードはグランドされているので、ツェナーダイオードD3と可変抵抗器VR2とは並列に接続されている。また、コンデンサCD2の他端はグランドされているので、コンデンサCD2と可変抵抗器VR2とは、ツェナーダイオードD3と同様、並列に接続される。よって、コンデンサCD2、ツェナーダイオードD3および可変抵抗器VR2で並列回路を構成している。また、抵抗R3の他端は12ボルトの直流電源DC2と接続されている。なお、ツェナーダイオードD3は、ツェナーダイオードD3に発生する直流電圧を一定値(定電圧)とするために、コンデンサCD2は、ツェナーダイオードD3に発生する一定電圧を安定化させるために用いられる。また、抵抗R3は、12ボルトの直流電源DC2から供給される電流を制限するために用いられる。
12ボルトの直流電源DC2から供給された12ボルトの直流電圧は、抵抗R3と、コンデンサCD2、ツェナーダイオードD3及び可変抵抗器VR2の並列回路とで分圧される。ツェナーダイオードD3に発生した一定の直流電圧(ツェナー電圧)は、ツェナーダイオードD3と並列に接続される可変抵抗器VR2にも発生する。ここで、可変抵抗器VR2の抵抗値を操作手段(操作つまみ等)によって調整した場合には、可変抵抗器VR2から出力される直流電圧をツェナー電圧以下の電圧で調整することができる。
なお、可変抵抗器VR2に発生する直流電圧は、加算回路部340の抵抗R5に入力することによって、遊技領域に球が打ち込まれる発射強度となる操作ハンドル51の回動操作量の範囲幅を変えずに、その範囲のみを調整することができる。よって、操作ハンドル51の可変抵抗器51cに発生した直流電圧(信号SA1)を可変電圧調整部330の可変抵抗器VR1により分圧することで、可変抵抗器VR1に発生する直流電圧(信号SB1)が可変抵抗器51cに発生した直流電圧(信号SA1)より小さくなったとしても、この小さくなった電圧分を可変抵抗器VR2に発生する直流電圧によって補うことができる。
なお、12ボルトの直流電源DC2から供給される直流電圧をツェナーダイオードD3を用いて一定電圧化しているので、12ボルトの直流電源DC2から供給される直流電圧が不安定となり、その直流電圧が変化したときにも、ツェナーダイオードD3に発生する直流電圧は安定した一定値(一定電圧)となる。よって、ツェナーダイオードD3に並列に接続される可変抵抗器VR2にも安定した一定電圧が発生することにより、可変抵抗器VR2に発生する直流電圧も安定した一定電圧となる。
加算回路部340は、可変電圧調整部330の可変抵抗器VR1に発生した直流電圧(信号SB1)と、加算電圧調整部350の可変抵抗器VR2に発生した直流電圧とを足し合わせて(加算して)出力する回路であり、抵抗値が固定された抵抗R4,R5,R6,R7と、オペアンプOP3とによって構成されている。
可変電圧調整部330の可変抵抗器VR1は、加算回路部340の抵抗R4の一端と接続されており、また、加算電圧調整部350の可変抵抗器VR2は、加算回路部340の抵抗R5の一端と接続されている。ここで、抵抗R4,R5,R6,R7の抵抗値はすべて同一であり、抵抗R5の他端には、抵抗R4の他端とオペアンプOP3のプラス入力端子(非反転入力端子)とが接続されている。そして、オペアンプOP3のマイナス入力端子(反転入力端子)には、抵抗R6の一端と抵抗R7の一端とが接続されており、抵抗R6の他端はオペアンプOP3の出力端子と接続され、抵抗R7の他端はグランドされている。
よって、抵抗R4,R5,R6,R7とオペアンプOP3とから構成される加算回路部340は、抵抗R4の一端から入力された(可変電圧調整部330の可変抵抗器VR1に発生した)直流電圧(信号SB1)と、抵抗R5の一端から入力された(加算電圧調整部350の可変抵抗器VR2に発生した)直流電圧とを足し合わせて(加算して)、オペアンプOP3の出力端子から出力する加算回路として機能する。なお、オペアンプOP3の出力端子から出力された直流電圧は、発射電圧制御部300のオペアンプOP1のプラス入力端子(非反転入力端子)に入力される。
発射電圧制御部300は、第1実施形態と同様、発射ソレノイド53aに電圧を供給する回路であり、発射電圧制御部300のオペアンプOP1のマイナス入力端子(反転入力端子)とオペアンプOP1の出力端子とは短絡されているので、オペアンプOP1はバッファアンプとして機能する。そして、オペアンプOP1のプラス入力端子(非反転入力端子)は、加算回路部340のオペアンプOP3の出力端子と接続されている。よって、加算回路部340のオペアンプOP3の出力端子で発生した直流電圧は、オペアンプOP1のプラス入力端子から入力され、増幅度がほぼ1で、オペアンプOP1の出力端子から出力される。
オペアンプOP1の出力端子は、ローパスフィルタF1の入力端子に接続されており、このローパスフィルタF1で、オペアンプOP1の出力端子から出力された直流電圧に重畳されたノイズ(高周波成分)を減少させる。ローパスフィルタF1の出力端子は、DC−DCコンバータCV1の入力端子と接続されており、さらには、そのDC−DCコンバータCV1には、32ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC3が接続され、その直流電源DC3からは32ボルトの直流電圧がDC−DCコンバータCV1に供給されている。よって、ローパスフィルタF1の出力端子から出力された直流電圧(信号SC1)は、DC−DCコンバータCV1によって、直流電圧Ecに昇圧される。
ここで、図33及び図34を参照して、第2実施形態の発射制御装置112の動作を説明する。図33は、図32に示す発射制御装置112の各信号SA1〜SC1の電圧変化を示した図である。また、図34は、遊技状態信号εの入力有無に基づいて操作ハンドル51の回動量に基づいて可変抵抗器51cに発生する直流電圧と発射ソレノイド53aに印加される電圧E1(コンデンサCD2に印加される直流電圧Ec)との対応関係を示した図である。
図33は、横軸を操作ハンドル51(図32参照)の回動操作量とし、縦軸を各信号SA1〜SC1(図32参照)の電圧としている。図33で示すように、操作ハンドル51の回動操作量は、最小値0度から最大値120度まで回動可能に構成されており、操作ハンドル51の回動操作によって、操作ハンドル51に接続された可変抵抗器51c(図32参照)に発生する直流電圧が変化する。この可変抵抗器51cに発生する直流電圧、即ち、信号SA1が可変電圧調整部330にあるオペアンプOP2のプラス入力端子(非反転入力端子)に入力されると、オペアンプOP2の出力端子からは、増幅度がほぼ1の信号が出力される(図32参照)。なお、第2実施形態では、操作ハンドル51の回動操作量が最小値である0度の場合、信号SA1の直流電圧値は約0.7ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が10度の場合、信号SA1の直流電圧値は約1.0ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が20度の場合、信号SA1の直流電圧値は約1.3ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が30度の場合、信号SA1の直流電圧値は約1.6ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が40度の場合、信号SA1の直流電圧値は約1.9ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が50度の場合、信号SA1の直流電圧値は約2.2ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が60度の場合、信号SA1の直流電圧値は約2.5ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が70度の場合、信号SA1の直流電圧値は約2.8ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が80度の場合、信号SA1の直流電圧値は約3.1ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が90度の場合、信号SA1の直流電圧値は約3.4ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が100度の場合、信号SA1の直流電圧値は約3.7ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が110度の場合、信号SA1の直流電圧値は約4.0ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が最大値である120度の場合、信号SA1の直流電圧は約4.30ボルトに設定されている。
オペアンプOP2の出力端子から出力された信号は、可変抵抗器VR1で分圧され、その分圧された直流電圧である信号SB1が、加算回路部340の抵抗R4へ入力される(図32参照)。なお、第2実施形態では、操作ハンドル51の回動操作量が最小値である0度のとき、信号SB1の直流電圧値は、約0.25ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が10度のとき、信号SB1の直流電圧値は、約0.35ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が20度のとき、信号SB1の直流電圧値は、約0.45ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が30度のとき、信号SB1の直流電圧値は、約0.55ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が40度のとき、信号SB1の直流電圧値は、約0.65ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が50度のとき、信号SB1の直流電圧値は、約0.75ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が60度のとき、信号SB1の直流電圧値は、約0.85ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が70度のとき、信号SB1の直流電圧値は、約0.95ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が80度のとき、信号SB1の直流電圧値は、約1.05ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が90度のとき、信号SB1の直流電圧値は、約1.15ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が100度のとき、信号SB1の直流電圧値は、約1.25ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が110度のとき、信号SB1の直流電圧値は、約1.35ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が最大値である120度のとき、信号SB1の直流電圧値は約1.45ボルトに設定されている。
一方、加算回路部340の抵抗R5へは、遊技状態信号εが入力されている場合にのみ、加算電圧調整部350の可変抵抗器VR2に発生している直流電圧(第2実施形態では、約2.25ボルト)が入力されるように構成されている。よって、遊技状態信号εが入力されている場合、加算回路部340の抵抗R4へ入力された信号SB1と、加算回路部340の抵抗R5へ入力された約2.25ボルトとが足し合わされ(加算され)、オペアンプOP3の出力端子から出力される。一方、遊技状態信号εが入力されていない場合、加算回路部340の抵抗R4へ入力された信号SB1の値とほぼ同一の値がオペアンプOP3の出力端子から出力される。
オペアンプOP3の出力端子から出力された信号は、バッファアンプであるオペアンプOP1のプラス入力端子(非反転入力端子)へ入力され、オペアンプOP1の出力端子からは、増幅度ほぼ1で出力される。オペアンプOP1の出力端子から出力された信号は、ローパスフィルタF1でノイズ成分(高周波成分)が除去され、信号SC1として、ローパスフィルタF1の出力端子から出力される。
第1実施形態のパチンコ機10では、遊技状態信号εが入力されている場合において、操作ハンドル51の回動操作量が最小値である0度のとき、信号SC1の直流電圧値は、加算回路部340の抵抗R4へ入力された信号SB1の直流電圧値約0.25ボルトと加算回路部340の抵抗R5へ入力された直流電圧値約2.25ボルトとを足し合わせた約2.50ボルトとなっている。また、遊技状態信号εが入力されている場合において、操作ハンドル51の回動操作量が最大値である120度のとき、信号SC1の直流電圧値は、加算回路部340の抵抗R4へ入力された信号SB1の直流電圧値約1.45ボルトと加算回路部340の抵抗R5へ入力された直流電圧値約2.25ボルトとを足し合わせた約3.70ボルトとなっている。
一方、遊技状態信号εが入力されていない場合において、操作ハンドルの回動操作量が最小値である0度のとき、信号SC1の直流電圧値は、加算回路部340の抵抗R4へ入力された信号SB1の直流電圧値約0.25ボルトのみとなっている。また、遊技状態信号εが入力されていない場合において、操作ハンドル51の回動操作量が最大値である120度のとき、信号SC1の直流電圧値は、加算回路部340の抵抗R4へ入力された信号SB1の直流電圧値約1.45ボルトのみとなっている。
ここで、図34を参照して、第2実施形態のパチンコ機10において、遊技状態信号εの入力有無に応じて、操作ハンドル51が操作された場合の発射制御装置112の動作について説明する。図34は、第2実施形態のパチンコ機10における遊技状態信号εの出力有無による操作ハンドル51の回動量における電圧の変化をそれぞれ示した図である。
図34は、第1実施形態の図9と同様、横軸を可変抵抗器51cに発生する直流電圧値(操作ハンドル51の回動操作量)とし、縦軸を電圧E1の値としている。図34で示すように、操作ハンドル51の回動操作量は、遊技状態信号εの出力有無に関係なく、最小値(初期値)0度から最大値120度まで回動可能に構成されており、操作ハンドル51の回動操作によって操作ハンドル51に設けられた(接続された)可変抵抗器51cに発生する直流電圧が変化する(図32参照)。また、遊技状態信号εの出力有無に応じて加算電圧調整部350の可変抵抗器VR2から発生する直流電圧値が変化するように構成されている(図32参照)。そして、可変抵抗器51cに発生する直流電圧と、加算電圧調整部350の可変抵抗器VR2に発生する直流電圧とが足し合わされて加算回路部340のオペアンプOP3のプラス入力端子(非反転入力端子)に入力されると、オペアンプOP3の出力端子からは、増幅度がほぼ1の信号が出力され、該信号が発射電圧制御部300のオペアンプOP1のプラス入力端子(非反転入力端子)に入力されると、オペアンプOP1の出力端子からは、増幅度がほぼ1の信号が出力される。
ここで、遊技状態信号εが加算電圧調整部350に入力されていない場合、操作ハンドル51の回動操作量が0度のとき、発射ソレノイド53aに印加される電圧E1は約4.0ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が120度のとき、発射ソレノイド53aに印加される電圧E1は約22.0ボルトに設定されている。つまり、遊技状態信号εが主制御装置110から出力されていない状態、即ち、「通常遊技状態」若しくは「潜伏確率変動状態」、又は、第2大入賞口72が開放され得る大当たり状態である左打ち遊技が奨励される遊技状態では、操作ハンドル51を最大値(即ち、120度)まで回動させた場合でも、発射ソレノイド53aに印加される電圧が右打ち遊技となり得る打ち出し力には到達しないような値となるように構成されている。具体的には、操作ハンドル51の回動操作量が、80度未満ではファール球となり、90度で第2流路75に到達し得る発射強度となり、100度で第2大入賞口72に到達し得る発射強度となり、最大値の120度でも右打ち遊技となる発射強度に到達しないように設定されている。
一方、遊技状態信号εが加算電圧調整部350に入力されている場合、操作ハンドル51の回動操作量が0度のとき、発射ソレノイド53aに印加される電圧E1は約10.0ボルトに設定され、操作ハンドル51の回動操作量が120度のとき、発射ソレノイド53aに印加される電圧E1は約28.0ボルトに設定されている。つまり、遊技状態信号εが主制御装置110から出力されている状態、即ち、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」、又は、第1大入賞口65が開放され得る大当たり状態である右打ち遊技が奨励される遊技状態では、遊技状態信号εが入力されていない場合より容易に到達し得るように構成されている。具体的には、操作ハンドル51の回動操作量が40度未満ではファール球となり、50度で第2流路75に到達し得る発射強度となり、60度で第2大入賞口72に到達し得る発射強度となり、約93度以上で右打ち遊技となる発射強度となるように設定されている。
このように構成することで、左打ち遊技が奨励される遊技状態では、操作ハンドル51の最大回動量であっても右打ち遊技にならないように球を発射させ、かつ、右打ち遊技が奨励される遊技状態では、操作ハンドル51の最大回動量とすることで容易に右打ち遊技をおこないつつ、かつ、左打ち遊技を行うことも可能な状態で球を発射させる。このように構成することで、遊技状態ごとに奨励されている球の発射態様を容易に実現することができ、意図しない発射態様をしてしまうことで遊技者が遊技に興醒めしてしまうことを抑制し、遊技の興趣向上を図ることができる。
次に、図35を参照して、第2実施形態の主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である発射制御処理(S112)について説明する。図35は、第2実施形態の発射制御処理(S112)を示したフローチャートである。
この第2実施形態の発射制御処理(S112)では、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチスイッチ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に出力される発射許可信号SG3の入力に基づいて、球の発射のオン/オフを決定する処理である。また、第2実施形態のパチンコ機10では、遊技状態に応じて発射制御装置112に対して遊技状態信号εを出力し、発射制御装置112は、発射制御信号αが入力された場合に、遊技状態信号εが入力されているか否かに応じた発射強度で発射ソレノイド53aを駆動するように構成されている。
第2実施形態の発射制御処理(S112)では、まず、発射制御装置112の信号変換回路112aから発射許可信号SG3が入力されているか否かを判別する(S501)。判別の結果、発射許可信号SG3が入力されている場合は(S501:Yes)、遊技者によりタッチスイッチ51aがオンされ、かつ、打ち止めスイッチ51bがオフされている状況なので、続いて遊技状態を判別するために、処理をS551へ移行する。一方、発射許可信号SG3が入力されていない場合は(S501:No)、タッチスイッチ51aがオンされていないか、タッチスイッチ51aがオンされているにもかかわらず打ち止めスイッチ51bがオンされている状況なので、遊技状態の判別や発射制御装置112に発射制御信号αを出力することなく、この発射制御処理(S112)を終了する。
次いで、S551の処理では、左打ち遊技が奨励される遊技状態か否か、即ち、「通常遊技状態」若しくは「潜伏確率変動状態」、又は、第2大入賞口72が開放され得る大当たり状態か否かを判別する(S551)。判別の結果、左打ち遊技が奨励される遊技状態であれば(S551:Yes)、遊技状態信号εを出力する処理(S552)をスキップして、遊技状態信号εを出力することなく、処理をS504へ移行する。一方、左打ち遊技が奨励される遊技状態ではない場合(S551:No)、即ち、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」、又は、第1大入賞口65が開放され得る大当たり状態である右打ち遊技が奨励される遊技状態であれば、遊技状態信号εを発射制御装置112へ設定(出力)し(S552)、処理をS504へ移行する。
MPU201は、S552の処理で設定された遊技状態信号εを発射制御装置112へ出力するために、その遊技状態信号εの情報を、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理(図15参照)のS101の処理によって、遊技状態信号εが発射制御装置112へ送信される。
発射制御装置112は、上述したように、主制御装置110から遊技状態信号εが入力されると、加算電圧調整部350から加算電圧を加算回路部340に供給し、可変電圧調整部330と加算電圧調整部350とから供給される直流電圧に基づいて発射ソレノイド53aに電圧を供給し、発射ソレノイド53aは供給された電圧に応じた強さで遊技領域に向けて球を発射させる。
なお、S504の処理では、発射制御信号αを設定し(S504)、この発射制御処理(S112)を終了して、タイマ割込処理(図15参照)に戻る。
以上、説明したように、第2実施形態のパチンコ機10によれば、操作ハンドル51の同一の回動量であっても、遊技状態に応じて球の発射強度が異なるように構成し、遊技状態ごとに奨励されている発射態様を行い易くしつつ、遊技状態ごとに非奨励とされている発射態様での遊技を行われ難く構成する。具体的には、左打ち遊技が奨励される遊技状態では、操作ハンドル51の最大回動量であっても右打ち遊技にならないように球を発射させ、かつ、右打ち遊技が奨励される遊技状態では、操作ハンドル51の最大回動量とすることで容易に右打ち遊技をおこないつつ、かつ、左打ち遊技を行うことも可能な状態で球を発射させる。このように構成することで、遊技状態ごとに奨励されている球の発射態様を容易に実現することができ、意図しない発射態様をしてしまうことで遊技者が遊技に興醒めしてしまうことを抑制し、球の発射を好適に行い、遊技の興趣向上を図ることができる。
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
以上、各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
また、以下に示す変形例のいずれかの構成に対して、上記各実施形態の各構成を組み合わせて構成することは当然に可能である。さらに、以下に示す変形例のいずれかの構成に対して、他の1又は複数の変形例の各構成を組み合わせて構成することは当然に可能である。これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。以下、第1実施形態における説明で使用した部品の符番を基に説明するが、他の実施形態における同種類又は近似した部品の符番に置き換えることは当然に可能である。
<変形例1>
上記実施形態では、操作ハンドル51が回動操作されることによって第2回動量信号SG5が出力された後、再び、ファール球となり得る回動操作量となった場合に、球の発射を規制し、その規制状態から、再度、第2回動量信号SG5が出力され得る回動操作量となることで該規制を解除し、発射可能となるように構成している。これに対し、操作ハンドル51が回動操作されることによって第2回動量信号SG5が出力された後、再び、ファール球となり得る回動操作量となって発射が規制された場合に、一旦、操作ハンドル51の回動操作量を初期状態(即ち、回動角度0度)にしない限り、球の発射の規制状態を解除しないように構成してもよい。このように構成することで、発射の規制状態の解除方法を、球を発射しない操作量というシンプルな条件にすることで、ファール球の発生を抑制しつつ、球の発射規制の解除方法を遊技者に理解し易くして、遊技を行う上での操作性を向上することができる。
<変形例2>
上記実施形態では、可変表示装置ユニット80のセンターフレーム86の頂部が遊技盤13(遊技領域)の正面視やや右側に位置し、センターフレーム86の正面視左側を流下する(即ち、左打ち遊技で発射された)球が流入し得る入賞口(遊技部材)と、センターフレーム86の正面視右側を流下する(即ち、右打ち遊技で発射された)球が流入し得る入賞口(遊技部材)とが明確に異なるように各入賞口(遊技部材)が配置されている。これに対し、可変表示装置ユニット80のセンターフレーム86の頂部が遊技盤13(遊技領域)の正面視中央に位置し、一部の入賞口(遊技部材)に対して、センターフレーム86の正面視左側を流下する(即ち、左打ち遊技で発射された)球が流入し得るとともに、センターフレーム86の正面視右側を流下する(即ち、右打ち遊技で発射された)球が流入し得るように構成(配置)してもよい(所謂、左右対称ゲージ)。この場合、第2回動量信号SG5が出力される操作ハンドル51の回動操作量は、例えば、センターフレーム86の頂部や、センターフレーム86の正面視左側上部(所謂、天釘左側付近)に球が到達し得る発射強度で操作ハンドル51が回動された場合に出力するように構成してもよい。
<変形例3>
上記実施形態では、操作ハンドル51の回動操作量が第2大入賞口72に到達し得る発射強度となる回動操作量となった場合に、発射許可フラグ203gをオンに設定して、ソフトウェア制御によって球の発射を許容又は規制している。これに対し、操作ハンドル51の回動操作量が所定回動操作量(例えば、第2大入賞口72に到達し得る発射強度となる回動操作量)となった場合に、スイッチング回路がオンされて可変抵抗器51cに電流が流れることで球の発射を許容するように構成することで、ハードウェア的に球の発射を許容又は規制するように構成してもよい。このように構成することで、主制御装置110の制御負担を軽減することができる。
<変形例4>
上記実施形態では、操作ハンドル51に設けられた可変抵抗器51cからの出力を発射制御装置112に入力して、該可変抵抗器51cから発生する直流電圧値に応じた発射強度で発射ソレノイド53aを駆動するように構成している。これに対し、操作ハンドル51に設けられた可変抵抗器51cからの出力を主制御装置110に入力し、主制御装置110から可変抵抗器51cの値に応じて発射ソレノイド53aを駆動するための駆動信号を出力するように構成してもよい。
<変形例5>
上記実施形態では、操作ハンドル51の回動操作量が第2大入賞口72に到達し得る程度となるまでは球の発射を規制し、操作ハンドル51の回動操作量が第2大入賞口72に到達し得る程度になった以降に球の発射を許容するように構成している。これに対し、操作ハンドル51の回動操作量が遊技領域に到達し得る程度、即ち、戻り球防止部材68を球が越えずにファール球となり得る程度までは球の発射を規制し、操作ハンドル51の回動操作量が遊技領域に到達し得る程度になった以降に球の発射を許容するように構成してもよい。このように構成することで、ファール球の発生のみを直接的に規制し、遊技者が理解し易い操作ハンドル51の操作性を実現することができる。
<変形例6>
第2実施形態における可変電圧調整部330の可変抵抗器VR1および加算電圧調整部350の可変抵抗器VR2の抵抗値を、パチンコ機10裏面側(若しくは表面側)に設けられた操作つまみによって、それぞれ調整可能に構成してもよい。このように構成することで、可変抵抗器VR1,VR2に発生する直流電圧を調整することができ、発射ソレノイド53aによって打ち出される球の打ち出し力の範囲幅又は操作ハンドル51の回動操作量の範囲を調整することができる。
<変形例7>
上記実施形態では、第2回動量信号SG5が出力されることによって球の発射を許容し、その後、ファール球となり得る操作ハンドル51の回動操作量となった場合に、球の発射を規制(停止)するように構成している。これに対し、第2回動量信号SG5が出力されることによって球の発射を許容し、その後、ファール球となり得る操作ハンドル51の回動操作量となった場合に、球の発射を所定時間中断(ウェイト)させ、所定時間経過後から再び球の発射を許容するように構成してもよい。この場合、球の発射を中断する所定期間は、球が戻り球防止部材68からファール球回収路(図示せず)まで落下(流下)する時間以上の時間に設定する。このように構成することで、ファール球の連鎖を抑制することができる。
<変形例8>
上記実施形態では、操作ハンドル51の回動操作量が、初期位置から第2大入賞口72に到達し得る発射強度となる回動操作量となった場合に、球の発射を許容するように構成している。これに対し、戻り球防止部材68に最も近い流路(例えば、第1流路74)を超える所定流路(例えば、第2流路75)に到達し得る発射強度となる回動操作量となった場合に、球の発射を許容するように構成してもよい。ファール球に最もなり易い第1流路74付近に到達し得る程度の球の発射を規制し、該第1流路74を超える発射強度となる場合に球の発射を許容することで、ファール球の発生を抑制することができつつ、球の発射が規制される操作回動量を極力少なくし、操作ハンドル51の操作性を向上することができる。
<変形例9>
上記実施形態では、主制御装置110と払出制御装置112とを直接電気的に接続し、主制御装置110における発射制御処理(S112)によって発射制御装置112を制御するように構成している。これに対し、払出制御装置111に発射制御装置112を搭載、又は、払出制御装置111を介して発射制御装置112と主制御装置110を電気的に接続するように構成してもよい。
<変形例10>
上記実施形態では、操作ハンドル51の回動操作量に応じて可変抵抗器51cに発生する直流電圧を変化させて、球の発射強度を異ならせるように構成している。これに対し、可変抵抗器51cに発生する直流電圧を変化させ得る装置(例えば、傾倒式レバーや押しボタン、十字キー、タッチパネル等)によって球の発射強度を異ならせるように構成してもよい。
<変形例11>
上記実施形態では、第1大入賞口65の第1確変領域65c、又は、第2大入賞口72の第2確変領域72cの開放タイミングを、第1大入賞口65又は第2大入賞口72の開放と連動して開放し得るように構成している。これに対し、第1確変領域65c又は第2確変領域72cの開放タイミングを、第1大入賞口65又は第2大入賞口72が開放されてから所定時間経過したことや、開放されている第1大入賞口65又は第2大入賞口72に所定数(例えば、2個)の球が入賞したことを条件に開放するように構成してもよい。
<変形例12>
上記実施形態では、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり種別に基づいて第1大入賞口65又は第2大入賞口72を開放するように構成している。これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄の小当たりに当選することに基づいて第1大入賞口65又は第2大入賞口72を開放するように構成してもよい。
<変形例13>
上記実施形態では、可変抵抗器51cに発生する直流電圧値(操作ハンドル51の回動操作量)に正比例して発射ソレノイド53aに印加される電圧が変化するように構成されている。これに対し、可変抵抗器51cに発生する直流電圧値(操作ハンドル51の回動操作量)に対して発射ソレノイド53aに印加される電圧が非線形に変化するように構成してもよい。
具体的には、例えば、左打ち遊技における操作範囲では、正比例で発射ソレノイド53aに加わる電圧が変化する一方、右打ち遊技における操作範囲では、等比級数的(指数関数的)に発射ソレノイド53aに加わる電圧が変化するように構成してもよい。このように構成することで、左打ち遊技が奨励される遊技状態では、遊技者による操作ハンドル51の回動加減の選択肢を増やして発射強度をし易くする一方、右打ち遊技時には、少ない回動量で右打ち遊技になり易くすることで、操作ハンドル51の操作を好適に行うことができる。また、例えば、ファール球となり得る回動操作量で発射ソレノイド53aに加わる電圧を等比級数的(指数関数的)に変化する一方、遊技領域に到達し得た後の回動操作量では、回動操作量に正比例して発射ソレノイド53aに印加される電圧を変化するように構成してもよい。このように構成することで、ファール球が発生し得る操作ハンドル51の回動範囲を少なくし、ファール球の発生を抑制することができる。
また、例えば、入力された電圧値にそれぞれ対応する電圧値を出力する電圧値変換テーブルに対応するように、発射ソレノイド53aに印加される電圧が変化するように構成してもよい。具体的には、例えば、操作ハンドル51の回動操作量が初期位置からファール球となり得る回動操作量では、急激に可変抵抗器51cで発生する直流電圧値が変化(例えば、0度で約0.7ボルト、10度で約1.3ボルト、20度で約1.9ボルト、30度で約2.5ボルト)することで、発射ソレノイド53aに印加される電圧値も急激に変化し得るように構成する。一方、遊技領域に到達し得る回動操作量から右打ち遊技となるまでの回動操作量では、上記急激な変化よりもなだらかに可変抵抗器51cで発生する直流電圧値が変化(例えば、40度で約2.65ボルト、50度で約2.80ボルト、60度で約2.95ボルト、70度で約3.10ボルト、80度で約3.25ボルト、90度で約3.4ボルト)することで、発射ソレノイド53aに印加される電圧値もなだらかに変化し得るように構成する。そして、操作ハンドル51の回動操作量が右打ち遊技となり得る回動操作量では、上記なだらかな変化よりも急激に可変抵抗器51cで発生する直流電圧値が変化(例えば、100度で約3.7ボルト、110度で約4.0ボルト、120度で約4.3ボルト)することで、発射ソレノイド53aに印加される電圧値も急激に変化し得るように構成する。このように構成することで、操作ハンドル51の回動範囲において、ファール球となり得る回動操作量に該当する部分(範囲)を少なくし、かつ、遊技者の裁量によって発射態様を選択可能な左打ち遊技となり得る回動操作量に該当する部分(範囲)を多くし、さらに、遊技者の裁量による発射態様の選択が不要な右打ち遊技となり得る回動操作量に該当する部分(範囲)を少なくすることができる。よって、遊技者の意思に応じて遊技結果が変化し易い部分では、発射態様を選択できる範囲を増やしつつ、遊技者に意思による発射態様の選択が不要な部分では、発射態様の選択範囲を少なくして、操作ハンドル51の操作性を向上することができる。
さらに、例えば、ファール球となり得る回動操作量に該当する部分のみ、指数関数的に急激に可変抵抗器51cで発生する直流電圧値が変化(例えば、0度で約0.7ボルト、10度で約1.6ボルト、20度で約2.5ボルト)することで、発射ソレノイド53aに印加される電圧値も急激に変化し得るように構成する。一方、上記ファール球となり得る回動操作量に該当する部分以外の部分、即ち、遊技領域に到達し得る回動操作量から右打ち遊技となるまでの回動操作量では、正比例でなだらかに可変抵抗器51cで発生する直流電圧値が変化(例えば、30度で約2.7ボルト、40度で約2.9ボルト、50度で約3.1ボルト、60度で約3.3ボルト、70度で約3.5ボルト、80度で約3.7ボルト、90度で約3.9ボルト、100度で約4.1ボルト、110度で約4.3ボルト(120度では、110度から変化せず(と同等の)約4.3ボルト))することで、発射ソレノイド53aに印加される電圧値も正比例になだらかに変化し得るように構成する。このように構成することで、操作ハンドル51の回動範囲において、ファール球となり得る回動操作量に該当する部分(範囲)を少なくし、かつ、遊技者の裁量によって発射態様を選択可能な回動操作量に該当する部分(範囲)を多くすることができる。よって、遊技者の意思に応じて遊技結果が変化し易い部分では、発射態様を選択できる範囲を増やしつつ、遊技で使用され得ない発射態様の部分では、発射態様の選択範囲を少なくして、操作ハンドル51の操作性を向上することができる。
<変形例14>
上記実施形態では、操作ハンドル51の回動操作量を検知し、その検知結果に応じて第2回動量信号SG5又は第1回動量信号SG4を出力して、球を発射するか否かを制御している。これに対し、操作ハンドル51が所定の回動操作量(例えば、第2大入賞口72に到達し得る程度の回動操作量)となるまで、遊技者による押下操作をしていない場合であっても打ち止めスイッチ51bがオンとなるように構成し、該所定の回動操作量となった場合に初めて打ち止めスイッチ51bがオフとなるように構成して、球の発射を許容するように構成してもよい。そして、所定の回動操作量となった以降は、該所定の回動操作量以下となった場合でも、遊技者によって打ち止めスイッチ51bが押下されない限り打ち止めスイッチ51bがオンされないように構成する。また、球の発射が許容された後、再び、操作ハンドル51の回動操作量がファール球になり得る回動操作量となった場合、遊技者による打ち止めスイッチ51bが押下操作されていない場合であっても、打ち止めスイッチ51bをオンに設定する。ここで、打ち止めスイッチ51bが遊技者によって操作されていない場合であってもオン入力するために、操作ハンドル51の回動操作量が初期位置から上記所定の回動操作量となるまで、打ち止めスイッチ51bが押下操作された状況と同じ態様を維持するようなメカニカルな機構によって実現してもよいし、操作ハンドル51の回動操作量が初期位置から上記所定の回動操作量となるまで、打ち止めスイッチ51bが押下操作された場合と同様の信号を出力し続けるようなソフトウェア的制御で実現してもよいし、操作ハンドル51の回動操作量が初期位置から上記所定の回動操作量となるまで、打ち止めスイッチ51bが押下操作された場合と同様の検知結果が検出されるようなハードウェア的な回路構成で実現してもよい。このように構成することで、既存に装置を活用によってファール球の発生を抑制することができるので、本発明の機能を追加する上でのコストの増加を抑制することができる。
<変形例15>
上記実施形態では、第1大入賞口65内の第1確変領域65c、又は、第2大入賞口72内の第2確変領域72cに球が通過することで、大当たり遊技後の遊技状態を「確率変動状態」にするか否かを決定している。これに対し、第1大入賞口65内の所定領域(V領域)、又は、第2大入賞口72内の所定領域(V領域)を球が通過することに基づいて、大当たり状態を発生するように構成してもよい。
<変形例16>
上記実施形態では、遊技盤13の下方から球を発射し、該球を内レール61及び外レール62で形成された遊技盤13の正面視左側の発射球案内領域を通過させて遊技領域に到達するように構成している。これに対し、遊技盤13の上方側から遊技領域に向けて球を発射するように構成してもよい。具体的には、例えば、遊技盤13の正面視左側上部に発射手段を設け、該発射手段から発射した球が遊技領域を流下可能に構成してもよい。
<変形例17>
上記実施形態では、右打ち遊技が奨励される遊技状態となった場合に、左打ち遊技が奨励される遊技状態より発射ソレノイド53aに加わる電圧を加算して、発射ソレノイド53aから打ち出される球の発射強度を高めるように構成している。これに対し、左打ち遊技が奨励される遊技状態となった場合に、右打ち遊技が奨励される遊技状態より発射ソレノイド53aに加わる電圧を減算して、発射ソレノイド53aから打ち出される球の発射強度を低下させるように構成してもよい。
<変形例18>
上記実施形態では、主制御装置110に第2回動量信号SG5が入力されるまで、主制御装置110から発射制御信号αを出力しないようにして、球の発射を規制している。これに対し、第2回動量信号SG5が出力され得る操作ハンドル51の回動操作量になるまで、発射ソレノイド53aに電圧を供給しないように構成して、球の発射を規制するように構成してもよい。
<変形例19>
上記実施形態では、操作ハンドル51の回動操作量が初期位置である状態から、ファール球となり得る発射強度である場合に、球の発射を規制(停止又は制限)し、所定の発射態様(例えば、第2大入賞口72に到達し得る発射強度)となった場合に、該規制を解除し、球の発射を許容するように構成している。これに対し、操作ハンドル51の回動操作量が初期位置である状態から、いきなり(短期間で)右打ち遊技となる回動操作量となった場合に、該右打ち遊技による球の発射を規制するように構成してもよい。具体的には、例えば、操作ハンドル51の回動操作量が初期位置にある場合、所定期間内に(例えば、球の発射間隔である0.6秒以内に)一気に右打ち遊技で球を発射し得る回動操作量となったとき、該右打ち遊技による球の発射を規制(以下、「右打ち遊技規制」と称する場合がある)する。そして、操作ハンドル51の回動操作量が左打ち遊技で球を発射し得る回動操作量の範囲内(即ち、ファール球とならず(即ち、約2.5ボルト以上)、かつ、弱左打ち遊技以上、右打ち遊技未満(即ち、約3.7ボルト未満))に収まっている場合に、上記発射規制を解除し、球の発射を許容するように構成する。このように構成することで、意図しない発射態様をしてしまうことで遊技者が遊技に興醒めしてしまうことを抑制し、球の発射を好適に行い、遊技の興趣向上を図ることができる。
この場合、例えば、右打ち遊技が奨励されていない「通常遊技状態」等の遊技状態では、上記右打ち遊技規制を行う一方、右打ち遊技が奨励されている「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は大当たり遊技状態中は、上記右打ち遊技規制を行わず、操作ハンドル51の回動操作量が初期位置から一気に右打ち遊技となり得る回動操作量となった場合でも、右打ち遊技での球の発射を許容する。このように構成することで、右打ち遊技すべき遊技状態においては、右打ち遊技の規制を排除し、遊技状態に応じた好適な発射を行い、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例20>
上記実施形態では、可変抵抗器51cに発生する直流電圧値が約3.1ボルトになったタイミングで第2回動量信号SG5を出力して、発射許可フラグ203gをオンに設定し、その後、可変抵抗器51cに発生する直流電圧値が約2.5ボルト未満となったタイミングで第1回動量信号SG4を出力して発射許可フラグ203gをオフに設定することで、球の発射制御を行うように構成していた。これに対し、可変抵抗器51cに発生する直流電圧値が約3.1ボルトになった場合に第2回動量信号SG5を出力して、発射許可フラグ203gをオンに設定するものの、その後、可変抵抗器51cに発生する直流電圧値が約2.5ボルト未満となるまで第2回動量信号SG5を出力し続け、可変抵抗器51cに発生する直流電圧値が約2.5ボルト未満となった場合に第2回動量信号SG5の出力を停止することで、発射許可フラグ203gをオフに設定するように構成してもよい。
上記実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置114に音声ランプ制御装置113を接続して、表示制御装置114から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置113に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。これらを1つの制御装置とすることで、部品点数が削減でき、パチンコ機のコスト増加を抑制することができる。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<A群:回動量が所定量になるまで発射規制、規制解除後、所定量以下の回動量でも球の発射を許容>
従来、遊技者が操作手段(例えば、操作ハンドル)を操作することにより、その操作態様に応じた強さで球発射ユニットに設けられた発射手段(例えば、発射ソレノイド)を駆動させ、遊技球を1発ずつ遊技領域に発射させるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2013−169473号公報))。
しかしながら、遊技を行う上で遊技球の発射を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
A群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技球の発射を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、発射ソレノイド53a)と、
遊技者が操作可能な操作手段(例えば、操作ハンドル51)と、
前記操作手段の操作態様に基づいて所定の範囲内で出力値を変化させる変化手段(例えば、可変抵抗器51c)と、
前記変化手段によって変化された出力値に基づいて、前記発射手段から発射される遊技球の発射を制御する発射制御手段(例えば、主制御装置110及び(又は)発射制御装置112)と、を備えた遊技機において、
前記発射制御手段は、
前記所定の範囲の最小値(例えば、約0.7ボルト)から、該所定の範囲内の第1所定値(例えば、約2.95ボルト)に到達するまでは、前記発射手段による遊技球の発射を規制する規制手段(例えば、発射許可フラグ203gのオフ)と、
前記第1所定値を超えた場合に、前記規制手段による規制を解除する規制解除手段(例えば、発射許可フラグ203gのオン)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機A0。
遊技機A0によれば、発射手段により遊技球が発射され、操作手段が遊技者によって操作可能に構成され、変化手段により、操作手段の操作態様に基づいて所定の範囲内で出力値が変化される。そして、変化手段によって変化された出力値に基づいて、発射制御手段により、発射手段から発射される遊技球の発射が制御される。ここで、発射制御手段に設けられた規制手段により、所定の範囲の最小値から、該所定の範囲内の第1所定値に到達するまでは、発射手段による遊技球の発射が規制される。そして、第1所定値を超えた場合に、発射制御手段に設けられた規制解除手段により、規制手段による規制が解除される。これにより、操作手段が操作されることで変化手段が最小値から第1所定値まで変化するまでは遊技球の発射が規制され、変化手段が第1所定値を超えた場合に、その規制が解除されて遊技球の発射が可能となる。よって、変化手段の最小値から第1所定値までに変化し得る際に生じる遊技球の発射不具合を抑制することができ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
なお、「発射手段による遊技球の発射を規制する」とは、例えば、発射手段による遊技球の発射を停止もしくは禁止する場合や、発射手段による遊技球の発射強度を制限(低下)させる場合、発射手段によって遊技球が発射された場合に警報音等の注意喚起がなされる場合等が例示される。
遊技機A0において、
前記発射制御手段は、
前記規制解除手段によって前記発射手段による遊技球の発射の規制が解除された場合に、前記第1所定値未満(例えば、約2.5ボルト以上約2.95ボルト未満)であっても遊技球の発射を許容する許容手段(例えば、発射許可フラグ203gがオンされている状態であれば第2流路75に到達し得る程度の回動操作量でも発射可能)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技機A0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、規制解除手段によって発射手段による遊技球の発射の規制が解除された場合に発射制御手段に設けられた許容手段により、第1所定値未満であっても遊技球の発射が許容される。これにより、変化手段の最小値から第1所定値まで変化して遊技球の発射規制が解除された後は、第1所定値未満であっても遊技球の発射が可能となる。よって、変化手段の最小値から第1所定値までに変化し得る際に生じる遊技球の発射不具合を抑制しつつ、規制が解除された後は遊技球の発射が第1所定値未満であっても調整可能にし、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機A1において、
遊技に用いられる遊技手段(例えば、第2大入賞口72)が配設された遊技領域と、
前記発射手段によって発射された遊技球を前記遊技領域に案内する案内領域(例えば、内レール61及び外レール62とによって形成される発射球案内領域)と、を備え、
前記規制手段は、
前記規制解除手段によって規制が解除された後、前記第1所定値以下の第2所定値未満(例えば、約2.5ボルト未満)となって、前記発射手段から発射された遊技球が前記遊技領域まで到達しない場合に、前記発射手段による遊技球の発射を規制する第2規制手段(例えば、第2回動量信号SG5が出力された後に第1回動量信号SG4が出力された場合に、発射許可フラグ203gをオフ)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技領域に、遊技に用いられる遊技手段が配設され、案内領域により、発射手段によって発射された遊技球が遊技領域に案内される。ここで、規制解除手段によって規制が解除された後、第1所定値以下の第2所定値未満となって、発射手段から発射された遊技球が遊技領域に到達しない場合に、規制手段に設けられた第2規制手段により、発射手段による遊技球の発射が規制される。これにより、変化手段の最小値から第1所定値まで変化して遊技球の発射規制が解除された後は、第1所定値以下であっても遊技球の発射が可能となる一方、第1所定値以下であって、発射手段から発射される遊技球が遊技領域まで到達しない第2所定値未満となった場合には、遊技球の発射を規制することで、1の遊技球が遊技領域まで案内されずに案内領域内に存在する場合に、次に発射された遊技球が案内領域に存在する該1の遊技球と衝突し得る事象の発生を抑制することができ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機A2において、
前記発射制御手段は、
前記第2規制手段によって遊技球の発射が規制された後、前記変化手段が前記第1所定値となった場合に、前記第2規制手段による規制を解除する第1所定値規制解除手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2規制手段によって遊技球の発射が規制された後、変化手段が第1所定値となった場合に、発射制御手段に設けられた第1所定値規制解除手段により、第2規制手段による規制が解除される。これにより、遊技球の発射が規制された場合であっても、変化手段を、再度、第1所定値にすることで遊技球の発射規制を解除することができ、変化手段の第2所定値となることで生じ得る遊技球の発射不具合を抑制しつつ、変化手段が再び第1所定値となった場合に遊技球を発射可能にすることで、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機A2又はA3において、
前記規制手段は、
少なくとも、前記変化手段が前記最小値から前記第2所定値の範囲では、前記発射手段から遊技球を発射させない
ことを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、規制手段により、少なくとも、変化手段が最小値から第2所定値の範囲では、発射手段から遊技球が発射されないように構成される。これにより、遊技領域に遊技球が到達しない第2所定値である場合に遊技球を発射させずに、1の遊技球が遊技領域まで案内されずに案内領域内に存在する場合に、次に発射された遊技球が案内領域に存在する該1の遊技球と衝突し得る事象の発生を抑制することができ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、
前記遊技手段は、
前記第1所定値によって発射される遊技球が到達し得る位置に配設される
ことを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技手段が、第1所定値によって発射される遊技球が到達し得る位置に配設される。これにより、遊技球の発射規制が解除され得る第1所定値で遊技球が発射された場合に、該第1所定値によって発射される遊技球が到達し得る位置に遊技手段が存在することで、遊技手段へ容易に遊技球を到達させることが可能となる。よって、遊技手段に向けて遊技球を発射し易くし、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機A5において、
前記遊技手段は、
該遊技手段内に遊技球が流入不可若しくは流入困難な第1状態と、該遊技手段内に遊技球が流入可能な第2状態とに変化可能な可動手段(例えば、第2大入賞口開閉板72a)と、
該遊技手段内に遊技球が流入した場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(例えば、第2大入賞口スイッチ若しくは第2確変領域72c)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技手段に、該遊技手段内に遊技球が流入不可若しくは流入困難な第1状態と、該遊技手段内に遊技球が流入可能な第2状態とに変化可能な可動手段が設けられる。また、同じく遊技手段に、該遊技手段内に遊技球が流入した場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段が設けられる。これにより、遊技球の発射規制が解除され得る第1所定値で遊技球が発射された場合に、該第1所定値によって発射される遊技球が到達し得る位置に、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技手段が存在することで、遊技価値が得られる遊技手段へ容易に遊技球を到達させることが可能となる。よって、遊技手段に向けて遊技球を発射し易くすることで遊技価値を得易くしつつ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機A6において、
所定の第1遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)と、該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態(例えば、「確率変動状態」)とに遊技状態を変更可能な遊技状態変更手段(例えば、確変移行フラグ203h)、を備え、
前記遊技価値付与手段は、
前記遊技手段内に設けられた特定領域を遊技球が通過することによって前記第2遊技状態を発生させ得る第2遊技状態発生手段(例えば、第2確変領域72c)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段により、所定の第1遊技状態と、該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態とに遊技状態が変更可能に構成される。そして、遊技価値付与手段に設けられた第2遊技状態発生手段により、遊技手段内に設けられた特定領域を遊技球が通過することによって第2遊技状態が発生され得る。これにより、遊技球の発射規制が解除され得る第1所定値で遊技球が発射された場合に、該第1所定値によって発射される遊技球が到達し得る位置に遊技手段を配置し、遊技者にとって有利な第2遊技状態を発生させ得る特定領域を有する遊技手段へ容易に遊技球を到達させることが可能となる。よって、遊技手段に向けて遊技球を発射し易くすることで遊技者にとって有利な第2遊技状態を発生させ易くしつつ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機A2からA7のいずれかにおいて、
前記遊技領域において、前記第1所定値によって発射される遊技球が到達し得る位置より前記案内領域側に、前記発射手段から発射された遊技球が流下可能な流下手段(例えば、第1流路74又は第2流路75)を1以上設ける
ことを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A2からA7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技領域において、第1所定値によって発射される遊技球が到達し得る位置より案内領域側に、発射手段から発射された遊技球が流下可能な流下手段が設けられる。これにより、変化手段の最小値から第1所定値までに変化し得る際に生じる遊技球の発射不具合を抑制しつつ、規制が解除された後は遊技球の発射が第1所定値以下であっても調整可能にし、第1所定値によって発射される遊技球が到達し得る位置より案内領域側に遊技球が流下可能な流下手段に遊技球を流下させるか否かを遊技者の意思に応じて選択できる。よって、遊技者が遊技を行う上での選択肢を設けることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上できる、という効果がある。
<B群:遊技状態に応じて回動量に対応した発射態様が異なる>
従来、遊技者が操作手段(例えば、操作ハンドル)を操作することにより、その操作態様に応じた強さで球発射ユニットに設けられた発射手段(例えば、発射ソレノイド)を駆動させ、遊技球を1発ずつ遊技領域に発射させるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2013−169473号公報))。
しかしながら、遊技を行う上で遊技球の発射を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
B群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技球の発射を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、発射ソレノイド53a)と、
遊技者が操作可能な操作手段(例えば、操作ハンドル51)と、
前記操作手段の操作態様に基づいて所定の範囲内で出力値を変化させる変化手段(例えば、可変抵抗器51c)と、
前記変化手段によって変化された出力値に基づいて、前記発射手段から発射される遊技球の発射を制御する発射制御手段(例えば、主制御装置110及び(又は)発射制御装置112)と、を備えた遊技機において、
遊技状態を変更可能な遊技状態変更手段(例えば、確変移行フラグ203h)と、
遊技状態に応じて、前記変化手段によって変化された出力値に基づく遊技球の発射強度を変化させる発射強度変化手段(例えば、遊技状態信号εの入力有無に基づく球の発射強度の変化)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B0。
遊技機B0によれば、発射手段により遊技球が発射され、操作手段が遊技者によって操作可能に構成され、変化手段により、操作手段の操作態様に基づいて所定の範囲内で出力値が変化される。そして、変化手段によって変化された出力値に基づいて、発射制御手段により、発射手段から発射される遊技球の発射が制御される。ここで、遊技状態変更手段により、遊技状態が変更可能に構成される。そして、発射強度変化手段により、遊技状態に応じて、変化手段によって変化された出力値に基づく遊技球の発射強度が変化される。これにより、遊技状態に応じた発射強度で遊技を行わせることが可能となることで、遊技状態に反した遊技球の発射不具合を抑制することができる。その結果、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機B0において、
前記発射手段によって発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、第2大入賞口72)、を備え、
前記発射強度変化手段は、
遊技状態に応じて、前記第1入球手段に遊技球が入球し得る前記変化手段の出力値を異ならせる
ことを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機B0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段に、発射手段によって発射された遊技球が入球可能に構成される。そして、発射強度変化手段により、遊技状態に応じて、第1入球手段に遊技球が入球し得る変化手段の出力値が異なるように構成される。これにより、遊技状態に応じて、第1入球手段に遊技球を入球させ得る操作手段の操作態様を異ならせることができ、遊技状態に対応した発射態様で遊技を行わせることで、遊技状態に反した遊技球の発射不具合を抑制することが可能となり、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機B1において、
前記発射手段によって発射された遊技球が入球可能であって、前記第1入球手段と異なる第2入球手段(例えば、第1大入賞口65)、を備え、
前記発射強度変化手段は、
遊技状態に応じて、前記第2入球手段に遊技球が入球し得る前記変化手段の出力値を異ならせる
ことを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段と異なる第2入球手段に、発射手段によって発射された遊技球が入球可能に構成される。そして、発射強度変化手段により、遊技状態に応じて、第2入球手段に遊技球が入球し得る変化手段の出力値が異なるように構成される。これにより、遊技状態に応じて、第2入球手段に遊技球を入球させ得る操作手段の操作態様を異ならせることができ、遊技状態に対応した発射態様で遊技を行わせることで、遊技状態に反した遊技球の発射不具合を抑制することが可能となり、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機B2において、
前記遊技状態変更手段は、少なくとも、
前記第1入球手段に向けた遊技球の発射が奨励(許容)されるとともに、前記第2入球手段に向けた遊技球の発射が非奨励とされる第1遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)と、
前記第2入球手段に向けた遊技球の発射が奨励(許容)される第2遊技状態(例えば、「確率変動状態」)と、に遊技状態を変更可能に構成され、
前記発射強度変化手段は、
少なくとも、前記第1遊技状態における前記第2入球手段に向けた遊技球の発射を規制する規制手段(例えば、遊技状態信号εが出力されていない状態で操作ハンドル51の回動操作量が最大値でも右打ち遊技とならない)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段により、少なくとも、第1入球手段に向けた遊技球の発射が奨励されるとともに、第2入球手段に向けた遊技球の発射が規制される第1遊技状態と、第2入球手段に向けた遊技球の発射が奨励される第2遊技状態とに、遊技状態が変更可能に構成される。そして、発射強度変化手段に設けられた規制手段により、少なくとも、第1遊技状態における第2入球手段に向けた遊技球の発射が規制される。これにより、第2入球手段に向けた遊技球の発射が非奨励とされる第1遊技状態において、少なくとも、第2入球手段に向けた遊技球の発射を規制することができるので、意図しない発射態様をしてしまうことで遊技者が遊技に興醒めしてしまうことを抑制し、遊技球の発射を好適に行い、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、
前記発射手段は、
該発射手段に供給される電圧の大きさに応じて、遊技球の発射強度が異なるように構成され、
前記発射強度変化手段は、
前記操作手段の所定操作態様である場合に、前記第1遊技状態において前記発射手段に供給される電圧の大きさと、前記第2遊技状態において前記発射手段に供給される電圧の大きさとを異ならせる電圧変化手段(例えば、加算回路部340)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段に供給される電圧の大きさに応じて、発射手段による遊技球の発射強度が異なるように構成される。そして、操作手段の所定操作態様である場合に、発射強度変化手段に設けられた電圧変化手段により、第1遊技状態において発射手段に供給される電圧の大きさと、第2遊技状態において発射手段に供給される電圧の大きさとが異なるように構成される。これにより、遊技状態に応じて発射手段に供給される電圧値を変更して、遊技状態ごとに発射され得る遊技球の発射強度を異ならせることで、遊技状態に対応した発射態様で遊技を行わせ、遊技球の発射不具合を抑制することができ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機B4において、
前記電圧変化手段は、
前記第2遊技状態において、前記第1遊技状態で前記発射手段に供給される電圧に対して、さらに電圧を加算する加算手段(例えば、加算電圧調整部350)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、電圧変化手段に設けられた加算手段により、第2遊技状態において、第1遊技状態で発射手段に供給される電圧に対して、さらに電圧が加算される。これにより、第2遊技状態において、第1遊技状態で発射手段に供給される電圧値より大きな電圧を加えて、第1遊技状態で発射され得る遊技球の発射強度より強くすることで、遊技状態に対応した発射態様で遊技を行わせ、遊技球の発射不具合を抑制することができ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機B5において、
前記加算手段による加算前の電圧値は、前記変化手段が最大値であっても前記第2入球手段に向けて遊技球が発射されない電圧値である
ことを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、加算手段による加算前の電圧値が、変化手段が最大値であっても第2入球手段に向けて遊技球が発射されない電圧値とされる。これにより、第1遊技状態では、操作手段を操作することで変化手段が最大値となった場合でも、第2入球手段に向けて遊技球が発射されないようにすることができる。その結果、遊技状態に対応した発射態様で遊技を行わせ、遊技球の発射不具合を抑制することができ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機B4において、
前記電圧変化手段は、
前記第1遊技状態において、前記第2遊技状態で前記発射手段に供給される電圧に対して、電圧を減算する減算手段(例えば、変形例17)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、電圧変化手段に設けられた減算手段により、第1遊技状態において、第2遊技状態で発射手段に供給される電圧に対して、電圧が減算される。これにより、第1遊技状態において、第2遊技状態で発射手段に供給される電圧値より少ない電圧に減らして、第2遊技状態で発射され得る遊技球の発射強度より弱くすることで、遊技状態に対応した発射態様で遊技を行わせ、遊技球の発射不具合を抑制することができ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機B0からB7のいずれかにおいて、
前記変化手段によって変化された出力値に基づいて、前記発射手段による発射強度を線形に変化させる線形変化手段(例えば、可変抵抗器51cに発生する直流電圧値と発射ソレノイド53aに印加される電圧値とが正比例)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B0からB7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、線形変化手段により、変化手段によって変化された所定値に基づいて、発射手段による発射強度が線形に変化される。これにより、変化手段による所定値の変化、即ち、操作手段の操作態様に応じて線形に発射強度が変化することで、遊技者が直感的に操作手段の操作態様に応じて発射強度を認識させ易くすることができる。その結果、操作手段の操作性を向上し、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機B0からB7のいずれかにおいて、
前記変化手段によって変化された出力値に基づいて、前記発射手段による発射強度を非線形に変化させる非線形変化手段(例えば、変形例13)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B0からB7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、非線形変化手段により、変化手段によって変化された所定値に基づいて、発射手段による発射強度が非線形に変化される。これにより、変化手段による所定値の変化、即ち、操作手段の操作態様に応じて、例えば、操作量に対して急激に発射強度が強くなる部分と、操作量に対してなだらかに発射態様が強くなる部分とを設けることができ、メリハリのある発射態様を実現することで、操作手段の操作性を向上し、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機B9において、
前記非線形変化手段は、
前記変化手段によって変化される所定値にそれぞれ対応する発射強度を記憶した記憶手段(例えば、電圧値変換テーブル)と、
前記記憶手段に記憶された発射強度に基づいて遊技球を発射する記憶発射手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、非線形変化手段に設けられた記憶手段により、変化手段によって変化される所定値にそれぞれ対応する発射強度が記憶され、同じく非線形変化手段に設けられた記憶発射手段により、記憶手段に記憶された発射強度に基づいて遊技球が発射される。これにより、変化手段による所定値の変化、即ち、操作手段の操作態様に応じて、例えば、操作量に対して急激に発射強度が強くなる部分と、操作量に対してなだらかに発射態様が強くなる部分とを設けることができ、メリハリのある発射態様を実現することで、操作手段の操作性を向上し、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機B0から遊技機B10のいずれかにおいて、
いずれの遊技状態であっても遊技球を入球可能な位置に、遊技に用いられる遊技手段(例えば、第2大入賞口72)を少なくとも1以上配設する
ことを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B0からB10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、いずれの遊技状態であっても遊技球を入球可能な位置に、遊技に用いられる遊技手段が少なくとも1以上配設される。これにより、いずれの遊技状態であっても少なくとも1以上の遊技手段に遊技球を入球させることができるので、いずれの遊技状態における各発射態様であっても遊技手段に遊技球を入球させ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機B11において、
前記遊技手段は、
該遊技手段内に遊技球が流入不可若しくは流入困難な第1状態と、該遊技手段内に遊技球が流入可能な第2状態とに変化可能な可動手段(例えば、第2大入賞口開閉板72a)と、
該遊技手段内に遊技球が流入した場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(例えば、第2大入賞口スイッチ若しくは第2確変領域72c)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技手段に、該遊技手段内に遊技球が流入不可若しくは流入困難な第1状態と、該遊技手段内に遊技球が流入可能な第2状態とに変化可能な可動手段が設けられる。また、同じく遊技手段に、該遊技手段内に遊技球が流入した場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段が設けられる。これにより、いずれの遊技状態であっても少なくとも1以上の遊技手段に遊技球を入球させることができるので、いずれの遊技状態における各発射態様であっても遊技手段に遊技球を入球させ、遊技価値を取得可能に構成して、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機B12において、
前記遊技価値付与手段は、
前記遊技手段内に設けられた特定領域を遊技球が通過することによって前記第2遊技状態を発生させ得る第2遊技状態発生手段(例えば、第2確変領域72c)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B13。
遊技機B13によれば、遊技機B12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技価値付与手段に設けられた第2遊技状態発生手段により、遊技手段内に設けられた特定領域を遊技球が通過することによって第2遊技状態が発生され得る。これにより、いずれの遊技状態でも遊技球が入球可能な遊技手段内に特定領域を配置し、遊技者にとって有利な第2遊技状態を発生させ得る特定領域を有する遊技手段へ、いずれの遊技状態であっても遊技球を入球させることが可能となる。よって、いずれの遊技状態における各発射態様であっても遊技手段内の特定領域に遊技球を入球させ、第2遊技状態を発生可能に構成して、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
<C群:ファール球となり得る発射を規制>
従来、遊技者が操作手段(例えば、操作ハンドル)を操作することにより、その操作態様に応じた強さで球発射ユニットに設けられた発射手段(例えば、発射ソレノイド)を駆動させ、遊技球を1発ずつ遊技領域に発射させるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2013−169473号公報))。
しかしながら、遊技を行う上で遊技球の発射を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
C群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技球の発射を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、発射ソレノイド53a)と、
遊技者が操作可能な操作手段(例えば、操作ハンドル51)と、
前記操作手段の操作態様に基づいて所定の範囲内で出力値を変化させる変化手段(例えば、可変抵抗器51c)と、
前記変化手段によって変化された出力値に基づいて、前記発射手段から発射される遊技球の発射を制御する発射制御手段(例えば、主制御装置110及び(又は)発射制御装置112)と、を備えた遊技機において、
遊技に用いられる遊技手段(例えば、第2大入賞口72)が配設された遊技領域と、
前記発射手段によって発射された遊技球を前記遊技領域に案内する案内領域(例えば、内レール61及び外レール62によって形成される発射球案内領域)と、を備え、
前記発射制御手段は、
少なくとも、前記変化手段の出力値が、前記案内領域を超え得る発射強度となる第1所定値(例えば、60度)まで、遊技球の発射を規制する規制手段(例えば、発射許可フラグ203g)、を備えている
ことを特徴とする遊技機C0。
遊技機C0によれば、発射手段により遊技球が発射され、操作手段が遊技者によって操作可能に構成され、変化手段により、操作手段の操作態様に基づいて所定の範囲内で出力値が変化される。そして、変化手段によって変化された出力値に基づいて、発射制御手段により、発射手段から発射される遊技球の発射が制御される。ここで、遊技領域に、遊技に用いられる遊技手段が配設され、案内領域により、発射手段によって発射された遊技球が遊技領域に案内される。そして、発射制御手段に設けられた規制手段により、少なくとも、変化手段の出力値が、案内領域を超え得る発射強度となる第1所定値まで、遊技球の発射が規制される。これにより、少なくとも、遊技球が遊技領域に到達する発射強度となるまでは遊技球の発射が規制されるため、変化手段が第1所定値となるまでに生じ得る遊技球の発射不具合を抑制することができ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機C0において、
前記発射制御手段は、
所定の第1条件(例えば、第2大入賞口72に到達し得る発射強度となる操作ハンドル51の回動操作量)が成立した場合に、前記規制手段による規制を解除する規制解除手段(例えば、発射許可フラグ203gのオン)、を備えている
ことを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機C0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の第1条件が成立した場合に、発射制御手段に設けられた規制解除手段により、規制手段による規制が解除される。これにより、第1条件が成立した場合に、規制が解除されて遊技球の発射が可能となる。よって、変化手段が第1所定値となるまでに生じ得る遊技球の発射不具合を抑制しつつ、第1所定値となった後は、遊技球を発射させ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機C1において、
前記第1条件は、
前記遊技手段に遊技球が到達し得る発射強度となる前記操作手段の操作態様である
ことを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技手段に遊技球が到達し得る発射強度となる操作手段の操作態様となった場合に、第1条件が成立する。これにより、遊技球の発射が規制されている状態から、遊技手段に遊技球が到達し得る発射強度となるように操作手段が操作された場合に、遊技球の発射が可能となる。よって、変化手段が第1所定値となるまでに生じ得る遊技球の発射不具合を抑制しつつ、遊技手段に遊技球を到達し得る発射強度となった場合に遊技球を発射可能にすることで、遊技手段に向けて遊技球を発射し易くし、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機C1において、
前記遊技領域は、
所定の第1発射強度で発射された遊技球が到達し得る第1遊技領域(例えば、第1流路74)と、
前記第1遊技領域に到達し得る第1発射強度より強い第2発射強度で発射された遊技球が到達し得る第2遊技領域(例えば、第2流路75)と、を備え、
前記第1条件は、
前記第2発射強度となる前記第2操作手段の操作態様である
ことを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技領域に、所定の第1発射強度で発射された遊技球が到達し得る第1遊技領域と、第1遊技領域に到達し得る第1発射強度より強い第2発射強度で発射された遊技球が到達し得る第2遊技領域とが設けられる。そして、第2発射強度となる遭い2操作手段の操作態様となる場合に、第1条件が成立する。これにより、遊技球の発射が規制されている状態から、第1発射態様より強い第2発射態様で発射された遊技球が到達し得る第2遊技領域に遊技球が到達し得るまでに生じ得る遊技球の発射不具合を抑制しつつ、第2遊技領域に遊技球を到達し得る第2発射強度となった場合に遊技球を発射可能にすることで、第2遊技領域に向けて遊技球を発射し易くし、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、
前記発射制御手段に対して前記発射手段による遊技球の発射指示(例えば、発射制御信号α)を出力可能な主制御手段(例えば、主制御装置110)、を備え、
前記規制手段は、
前記第1条件が成立するまで、前記発射指示を出力しない
ことを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段により、発射制御手段に対して発射手段による遊技球の発射指示が出力可能に構成される。そして、第1条件が成立するまで、規制手段により、発射指示が出力されないように構成される。これにより、第1条件が成立するまでは遊技球の発射指示を出力させずに遊技球の発射不具合を抑制しつつ、第1条件が成立した後は、遊技球を発射させ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、
前記発射手段は、
該発射手段に供給される電圧の大きさに応じて、遊技球の発射強度が異なるように構成され、
前記規制手段は、
前記第1条件が成立するまで、前記発射手段に供給される電圧を規制する
ことを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C1からC3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段が、該発射手段に供給される電圧の大きさに応じて、遊技球の発射強度が異なるように構成される。そして、第1条件が成立するまで、規制手段により、発射手段に供給される電圧が規制される。これにより、第1条件が成立するまでは発射手段に供給される電圧を規制することで遊技球の発射不具合を抑制しつつ、第1条件が成立した後は、発射手段に電圧を供給可能に構成して遊技球を発射させ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機C0からC5のいずれかにおいて
前記遊技手段は、
該遊技手段内に遊技球が流入不可若しくは流入困難な第1状態と、該遊技手段内に遊技球が流入可能な第2状態とに変化可能な可動手段(例えば、第2大入賞口開閉板72a)と、
該遊技手段内に遊技球が流入した場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(例えば、第2大入賞口スイッチ若しくは第2確変領域72c)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C0からC5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技手段に、該遊技手段内に遊技球が流入不可若しくは流入困難な第1状態と、該遊技手段内に遊技球が流入可能な第2状態とに変化可能な可動手段が設けられる。また、同じく遊技手段に、該遊技手段内に遊技球が流入した場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段が設けられる。これにより、遊技球の発射規制が解除され得る案内領域を超え得る発射強度となって遊技球が発射された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技手段が存在することで、遊技球の発射不具合の発生を抑制しつつ、遊技価値が得られる遊技手段へ容易に遊技球を到達させることが可能となる。よって、遊技手段に向けて遊技球を発射し易くすることで遊技価値を得易くしつつ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機C6において、
所定の第1遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)と、該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態(例えば、「確率変動状態」)とに遊技状態を変更可能な遊技状態変更手段(例えば、確変移行フラグ203h)、を備え、
前記遊技価値付与手段は、
前記遊技手段内に設けられた特定領域を遊技球が通過することによって前記第2遊技状態を発生させ得る第2遊技状態発生手段(例えば、第2確変領域72c)、を備えている
ことを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段により、所定の第1遊技状態と、該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態とに遊技状態が変更可能に構成される。そして、遊技価値付与手段に設けられた第2遊技状態発生手段により、遊技手段内に設けられた特定領域を遊技球が通過することによって第2遊技状態が発生され得る。これにより、遊技球の発射規制が解除され得る案内領域を超え得る発射強度となって遊技球が発射された場合に、第2遊技状態を発生させ得る特定領域を有する遊技手段が存在することで、遊技球の発射不具合の発生を抑制しつつ、遊技者にとって有利な第2遊技状態を発生させ得る特定領域を有する遊技手段へ容易に遊技球を到達させることが可能となる。よって、遊技手段に向けて遊技球を発射し易くすることで遊技者にとって有利な第2遊技状態を発生させ易くしつつ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
<D群:所定回動量となるまで打ち止めスイッチがオン、所定量となった場合に打ち止めスイッチオフ、所定量以下の回動量によっても球を発射可能>
従来、遊技者が操作手段(例えば、操作ハンドル)を操作することにより、その操作態様に応じた強さで球発射ユニットに設けられた発射手段(例えば、発射ソレノイド)を駆動させ、遊技球を1発ずつ遊技領域に発射させるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2013−169473号公報))。
しかしながら、遊技を行う上で遊技球の発射を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
D群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技球の発射を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、発射ソレノイド53a)と、
遊技者による第1操作(例えば、操作ハンドル51への回動操作)によって操作可能な第1操作手段(例えば、操作ハンドル51)と、
前記第1操作手段に対する遊技者の前記第1操作に基づいて所定の範囲内で出力値を変化させる変化手段(例えば、可変抵抗器51c)と、
前記変化手段によって変化された出力値に基づいて、前記発射手段から発射される遊技球の発射を制御する発射制御手段(例えば、主制御装置110及び(又は)発射制御装置112)と、を備えた遊技機において、
前記第1操作と異なる遊技者による第2操作(例えば、打ち止めスイッチ51bへの押下操作)によって操作可能な第2操作手段(例えば、打ち止めスイッチ51b)と、
前記第2操作手段に対して遊技者による前記第2操作が行われた場合に、前記発射手段による遊技球の発射を停止させる停止手段(例えば、打ち止めスイッチ51bの押下による発射停止)と、を備え、
前記発射制御手段は、
前記所定の範囲の最小値(例えば、0度)から、該所定の範囲内の第1所定値(例えば、75度)に到達するまで、遊技者の前記第2操作手段への前記第2操作如何に関わらず、前記停止手段により遊技球の発射を停止させる規制手段(例えば、第2大入賞口72へ到達し得る発射強度となるまで打ち止めスイッチ51bをオンとみなす)、を備えている
ことを特徴とする遊技機D0。
遊技機D0によれば、発射手段により遊技球が発射され、第1操作手段が遊技者による第1操作によって操作可能に構成され、変化手段により、第1操作手段に対する遊技者の第1操作に基づいて所定の範囲内で出力値が変化される。そして、変化手段によって変化された出力値に基づいて、発射制御手段により、発射手段から発射される遊技球の発射が制御される。ここで、第2操作手段が遊技者による第2操作によって操作可能に構成され、第2操作手段に対して遊技者による第2操作が行われた場合に、停止手段により、発射手段による遊技球の発射が停止される。そして、所定の範囲の最小値から、該所定の範囲内の第1所定値に到達するまで、発射制御手段に設けられた規制手段により、遊技者の第2操作手段への第2操作如何に関わらず、停止手段により遊技球の発射が停止される。これにより、第1操作手段が操作されることで変化手段が最小値から第1所定値まで変化するまでは遊技球の発射が規制される。よって、変化手段の最小値から第1所定値までに変化し得る際に生じる遊技球の発射不具合を抑制することができ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機D0において、
前記発射制御手段は、
前記第1所定値を超えた場合に、前記規制手段による規制を解除する規制解除手段(例えば、打ち止めスイッチ51bが押下されていない場合は、オフ)、を備えている
ことを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機D0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1所定値を超えた場合に、発射制御手段に設けられた規制解除手段により、規制手段による規制が解除される。これにより、第1操作手段が操作されることで変化手段が最小値から第1所定値まで変化するまでは遊技球の発射が規制され、変化手段が第1所定値を超えた場合に、その規制が解除されて遊技球の発射が可能となる。よって、変化手段の最小値から第1所定値までに変化し得る際に生じる遊技球の発射不具合を抑制することができ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機D1において、
前記発射制御手段は、
前記規制解除手段によって前記発射手段による遊技球の発射の規制が解除された場合に、前記第1所定値以下の第2所定値(例えば、67.5度)であっても、遊技者による前記第2操作手段への前記第2操作が行われていないときは、遊技球の発射を許容する許容手段(例えば、発射許可フラグ203gがオンされている状態であれば第2流路75に到達し得る程度の回動操作量でも発射可能)、を備えている
ことを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、規制解除手段によって発射手段による遊技球の発射の規制が解除された場合に発射制御手段に設けられた許容手段により、第1所定値以下の第2所定値であっても、遊技者による第2操作手段への第2操作が行われていないときは、遊技球の発射が許容される。これにより、変化手段の最小値から第1所定値まで変化して遊技球の発射規制が解除された後は、第1所定値以下の第2所定値であっても遊技球の発射が可能となる。よって、変化手段の最小値から第1所定値までに変化し得る際に生じる遊技球の発射不具合を抑制しつつ、規制が解除された後は遊技球の発射が第1所定値以下であっても調整可能にし、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機D2において、
遊技に用いられる遊技手段(例えば、第2大入賞口72)が配設された遊技領域と、
前記発射手段によって発射された遊技球を前記遊技領域に案内する案内領域(例えば、内レール61及び外レール62とによって形成される発射球案内領域)と、を備え、
前記発射制御手段は、
前記第2所定値以下の第3所定値(例えば、60度)未満である場合に、前記発射手段から発射される遊技球が前記遊技領域まで到達しないように前記発射手段を制御し、
前記規制手段は、
前記規制解除手段によって規制が解除された後、前記第3所定値未満となった場合に、遊技者の前記第2操作手段への前記第2操作如何に関わらず、前記停止手段により遊技球の発射を再び停止させる再規制手段(例えば、第2回動量信号SG5が出力された後に第1回動量信号SG4が出力された場合に、打ち止めスイッチ51bをオン)、を備えている
ことを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技領域に、遊技に用いられる遊技手段が配設され、案内領域により、発射手段によって発射された遊技球が遊技領域に案内される。ここで、第2所定値以下の第3所定値未満である場合に、発射制御手段により、発射手段から発射された遊技球が遊技領域まで到達しないように発射手段が制御される。そして、規制解除手段によって規制が解除された後、第3所定値未満となった場合に、規制手段に設けられた再規制手段により、遊技者の第2操作手段への第2操作如何に関わらず、停止手段により遊技球の発射が再び停止される。これにより、変化手段の最小値から第1所定値まで変化して遊技球の発射規制が解除された後は、第1所定値以下の第2所定値であっても遊技球の発射が可能となる一方、第2所定値以下であって、発射手段から発射される遊技球が遊技領域まで到達しない第3所定値未満となった場合には、再び遊技球の発射を規制することで、1の遊技球が遊技領域まで案内されずに案内領域内に存在する場合に、次に発射された遊技球が案内領域に存在する該1の遊技球と衝突し得る事象の発生を抑制することができ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機D3において、
前記発射制御手段は、
前記再規制手段によって遊技球の発射が規制された後、前記変化手段が前記第1所定値となった場合に、前記再規制手段による規制を解除する第1所定値規制解除手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、再規制手段によって遊技球の発射が規制された後、変化手段が第1所定値となった場合に、発射制御手段に設けられた第1所定値規制解除手段により、再規制手段による規制が解除される。これにより、遊技球の発射が再び規制された場合であっても、変化手段を、再度、第1所定値にすることで遊技球の発射規制を解除することができ、変化手段の第3所定値となることで生じ得る遊技球の発射不具合を抑制しつつ、変化手段が再び第1所定値となった場合に遊技球を発射可能にすることで、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機D0からD4のいずれかにおいて、
前記規制手段は、
少なくとも、前記変化手段が前記最小値から前記第3所定値の範囲では、前記発射手段から遊技球を発射させない
ことを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D0からD4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、規制手段により、少なくとも、変化手段が最小値から第3所定値の範囲では、発射手段から遊技球が発射されないように構成される。これにより、遊技領域に遊技球が到達しない第3所定値である場合に遊技球を発射させずに、1の遊技球が遊技領域まで案内されずに案内領域内に存在する場合に、次に発射された遊技球が案内領域に存在する該1の遊技球と衝突し得る事象の発生を抑制することができ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機D3からD5のいずれかにおいて、
前記遊技手段は、
前記第1所定値によって発射される遊技球が到達し得る位置に配設される
ことを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D3からD5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技手段が、第1所定値によって発射される遊技球が到達し得る位置に配設される。これにより、遊技球の発射規制が解除され得る第1所定値で遊技球が発射された場合に、該第1所定値によって発射される遊技球が到達し得る位置に遊技手段が存在することで、遊技手段へ容易に遊技球を到達させることが可能となる。よって、遊技手段に向けて遊技球を発射し易くし、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機D6において、
前記遊技手段は、
該遊技手段内に遊技球が流入不可若しくは流入困難な第1状態と、該遊技手段内に遊技球が流入可能な第2状態とに変化可能な可動手段(例えば、第2大入賞口開閉板72a)と、
該遊技手段内に遊技球が流入した場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(例えば、第2大入賞口スイッチ若しくは第2確変領域72c)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技手段に、該遊技手段内に遊技球が流入不可若しくは流入困難な第1状態と、該遊技手段内に遊技球が流入可能な第2状態とに変化可能な可動手段が設けられる。また、同じく遊技手段に、該遊技手段内に遊技球が流入した場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段が設けられる。これにより、遊技球の発射規制が解除され得る第1所定値で遊技球が発射された場合に、該第1所定値によって発射される遊技球が到達し得る位置に、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技手段が存在することで、遊技価値が得られる遊技手段へ容易に遊技球を到達させることが可能となる。よって、遊技手段に向けて遊技球を発射し易くすることで遊技価値を得易くしつつ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機D7において、
所定の第1遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)と、該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態(例えば、「確率変動状態」)とに遊技状態を変更可能な遊技状態変更手段(例えば、確変移行フラグ203h)、を備え、
前記遊技価値付与手段は、
前記遊技手段内に設けられた特定領域を遊技球が通過することによって前記第2遊技状態を発生させ得る第2遊技状態発生手段(例えば、第2確変領域72c)、を備えている
ことを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段により、所定の第1遊技状態と、該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態とに遊技状態が変更可能に構成される。そして、遊技価値付与手段に設けられた第2遊技状態発生手段により、遊技手段内に設けられた特定領域を遊技球が通過することによって第2遊技状態が発生され得る。これにより、遊技球の発射規制が解除され得る第1所定値で遊技球が発射された場合に、該第1所定値によって発射される遊技球が到達し得る位置に遊技手段を配置し、遊技者にとって有利な第2遊技状態を発生させ得る特定領域を有する遊技手段へ容易に遊技球を到達させることが可能となる。よって、遊技手段に向けて遊技球を発射し易くすることで遊技者にとって有利な第2遊技状態を発生させ易くしつつ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機D3からD8のいずれかにおいて、
前記遊技領域において、前記第1所定値によって発射される遊技球が到達し得る位置より前記案内領域側に、前記発射手段から発射された遊技球が流下可能な流下手段(例えば、第1流路74又は第2流路75)を1以上設ける
ことを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D3からD8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技領域において、第1所定値によって発射される遊技球が到達し得る位置より案内領域側に、発射手段から発射された遊技球が流下可能な流下手段が設けられる。これにより、変化手段の最小値から第1所定値までに変化し得る際に生じる遊技球の発射不具合を抑制しつつ、規制が解除された後は遊技球の発射が第1所定値以下であっても調整可能にし、第1所定値によって発射される遊技球が到達し得る位置より案内領域側に遊技球が流下可能な流下手段に遊技球を流下させるか否かを遊技者の意思に応じて選択できる。よって、遊技者が遊技を行う上での選択肢を設けることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上できる、という効果がある。
<E群:所定範囲に収まった場合に発射許容>
従来、遊技者が操作手段(例えば、操作ハンドル)を操作することにより、その操作態様に応じた強さで球発射ユニットに設けられた発射手段(例えば、発射ソレノイド)を駆動させ、遊技球を1発ずつ遊技領域に発射させるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2013−169473号公報))。
しかしながら、遊技を行う上で遊技球の発射を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
E群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技球の発射を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、発射ソレノイド53a)と、
遊技者が操作可能な操作手段(例えば、操作ハンドル51)と、
前記操作手段の操作態様に基づいて所定の最小値(例えば、0.7ボルト)から所定の最大値(例えば、4.3ボルト)の範囲内で出力値を変化させる変化手段(例えば、可変抵抗器51c)と、
前記変化手段によって変化された出力値に基づいて、前記発射手段から発射される遊技球の発射を制御する発射制御手段(例えば、主制御装置110及び(又は)発射制御装置112)と、を備えた遊技機において、
前記発射制御手段は、
前記変化手段によって前記所定値が前記最小値から変化する場合に、前記最小値より大きく、かつ、前記最大値より小さい特定範囲(例えば、約2.5ボルト以上約3.7ボルト未満)に収まっているときに、前記発射手段からの遊技球の発射を許容する発射許容手段(例えば、ファール球とならず、かつ、弱左打ち遊技以上、右打ち遊技未満)と、
前記変化手段によって前記所定値が前記最小値から変化する場合に、前記特定範囲外となっているとき、前記発射手段からの遊技球の発射を規制する規制手段(例えば、ファール球となり得る発射強度)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E0。
遊技機E0によれば、発射手段により遊技球が発射され、操作手段が遊技者によって操作可能に構成され、変化手段により、操作手段の操作態様に基づいて所定の最小値から所定の最大値の範囲内で出力値が変化される。そして、変化手段によって変化された出力値に基づいて、発射制御手段により、発射手段から発射される遊技球の発射が制御される。ここで、変化手段によって所定値が最小値から変化する場合に、最小値より大きく、かつ、最大値より小さい特定範囲に収まっているとき、発射制御手段に設けられた発射許容手段により、発射手段からの遊技球の発射が許容される。一方、変化手段によって所定値が最小値から変化する場合に、特定範囲外となっているとき、発射制御手段に設けられた規制手段により、発射手段からの遊技球の発射が規制される。これにより、操作手段が初期位置から操作される場合に、変化手段による所定値が特定範囲内に収まっている場合にのみ遊技球の発射が許容され、特定範囲外の場合は遊技球の発射を規制することができる。よって、変化手段が最小値から変化する際に生じる遊技球の発射不具合を抑制することができ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
なお、「発射手段からの遊技球の発射を規制する」とは、例えば、発射手段による遊技球の発射を停止もしくは禁止する場合や、発射手段による遊技球の発射強度を制限(低下)させる場合、発射手段によって遊技球が発射された場合に警報音等の注意喚起がなされる場合等が例示される。
遊技機E0において、
遊技に使用される遊技手段(例えば、第2大入賞口72)が配設された遊技領域と、
前記発射手段によって発射された遊技球を前記遊技領域に案内する案内領域(例えば、内レール61及び外レール62によって形成される発射球案内領域)と、を備え、
前記規制手段は、
前記変化手段によって変化される前記所定値が、前記発射手段によって発射された遊技球が前記遊技領域に到達しない第1所定値(例えば、約2.5ボルト)未満である場合に、前記発射手段からの遊技球の発射を規制する第1所定値規制手段(例えば、ファール球となり得る球の発射を規制)、を備えている
ことを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機E0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技領域に、遊技に用いられる遊技手段が配設され、案内領域により、発射手段によって発射された遊技球が遊技領域に案内される。ここで、変化手段によって変化される所定値が、発射手段によって発射された遊技球が遊技領域に到達しない第1所定値未満である場合に、規制手段に設けられた第1所定値規制手段により、発射手段からの遊技球の発射が規制される。これにより、遊技領域に到達し得ない遊技球の発射を規制することで、1の遊技球が遊技領域まで案内されずに案内領域内に存在する場合に、次に発射された遊技球が案内領域に存在する該1の遊技球と衝突し得る事象の発生を抑制することができ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機E0において、
前記発射手段によって発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、第2大入賞口72)と、
前記発射手段によって発射された遊技球が入球可能であって、前記第1入球手段と異なる第2入球手段(例えば、第1大入賞口65)と、
遊技状態を変更可能な遊技状態変更手段(例えば、確変移行フラグ203h)と、を備え、
前記遊技状態変更手段は、少なくとも、
前記第1入球手段に向けた遊技球の発射が奨励(許容)されるとともに、前記第2入球手段に向けた遊技球の発射が非奨励とされる第1遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)と、
前記第2入球手段に向けた遊技球の発射が奨励(許容)される第2遊技状態(例えば、「確率変動状態」)と、に遊技状態を変更可能に構成され、
前記規制手段は、
前記変化手段によって前記所定値が前記最小値から変化する場合に、少なくとも、前記第1遊技状態における前記第2入球手段に向けた遊技球の発射を規制する第1遊技状態規制手段(例えば、右打ち遊技が非奨励の遊技状態において、右打ち遊技となり得る球の発射を規制)、を備えている
ことを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段に、発射手段によって発射された遊技球が入球可能に構成される。また、第1入球手段と異なる第2入球手段に、発射手段によって発射された遊技球が入球可能に構成される。そして、遊技状態変更手段により、遊技状態が変更可能に構成される。ここで、遊技状態変更手段により、少なくとも、第1入球手段に向けた遊技球の発射が奨励されるとともに、第2入球手段に向けた遊技球の発射が規制される第1遊技状態と、第2入球手段に向けた遊技球の発射が奨励される第2遊技状態とに、遊技状態が変更可能に構成される。そして、変化手段によって所定値が最小値から変化する場合に、規制手段に設けられた第1遊技状態規制手段により、少なくとも、第1遊技状態における第2入球手段に向けた遊技球の発射が規制される。これにより、第2入球手段に向けた遊技球の発射が非奨励とされる第1遊技状態において、少なくとも、操作手段が初期位置から操作される場合に、いきなり第2入球手段に向けた遊技球が発射されてしまうことを規制することができるので、意図しない発射態様をしてしまうことで遊技者が遊技に興醒めしてしまうことを抑制し、遊技球の発射を好適に行い、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機E2において、
前記変化手段によって前記所定値が前記最小値から変化する場合に、前記第2遊技状態における前記第2入球手段に向けた遊技球の発射を規制しない第2遊技状態非規制手段(例えば、右打ち遊技を奨励する遊技状態において、右打ち遊技となり得る球の発射を規制しない)、を備えている
ことを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、変化手段によって所定値が最小値から変化する場合に、第2遊技状態非規制手段により、第2遊技状態における第2入球手段に向けた遊技球の発射が規制されない。即ち、第2遊技状態では、変化手段によって所定値が最小値から変化する場合であって、第2入球手段に向けた遊技球の発射が許容される。これにより、第2入球手段に向けた遊技球の発射が奨励される第2遊技状態において、変化手段によって所定値が最小値から変化する場合であっても、第2入球手段に向けた遊技球を発射することができ、意図した遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機E0からE3のいずれかにおいて、
前記発射許容手段は、
前記変化手段によって前記所定値が前記最小値から変化する場合に、該所定値が前記特定範囲内に所定期間の間、収まっているとき、前記発射手段からの遊技球の発射を許容する所定期間許容手段(例えば、0.6秒間、ファール球とならず、かつ、弱左打ち遊技以上、右打ち遊技未満の範囲に収まっている場合)、を備えている
ことを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E0からE3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、変化手段によって所定値が最小値から変化する場合に、発射許容手段に設けられた所定期間許容手段により、所定値が特定範囲内に所定期間に間、収まっているとき、発射手段からの遊技球の発射が許容される。これにより、変化手段による所定値が所定期間以上、特定範囲内に収まっている場合にのみ遊技球の発射が許容され、特定範囲外の場合や、特定範囲内であっても所定期間未満しか特定範囲内にない場合は、遊技球の発射を規制することができる。よって、変化手段が最小値から変化する際に生じる遊技球の発射不具合を抑制することができ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機E4において、
前記所定期間は、
前記発射手段による1の遊技球と次の遊技球との発射間隔以上である
ことを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定期間が、発射手段による1の遊技球の次の遊技球との発射間隔以上となるように構成される。これにより、遊技球の発射間隔以上、変化手段による所定値が特定範囲内に収まっている場合にのみ遊技球の発射が許容され、特定範囲外の場合や、特定範囲内であっても遊技球の発射間隔未満しか特定範囲内にない場合は、遊技球の発射を規制することができる。よって、変化手段が最小値から変化する際に生じる遊技球の発射不具合を抑制することができ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機E0からE5のいずれかにおいて、
前記規制手段は、
前記変化手段によって前記所定値が前記最小値から変化する場合に、所定の第2所定値(例えば、約2.95ボルト)に到達するまでは、前記発射手段による遊技球の発射を規制する第2所定値規制手段(例えば、発射許可フラグ203gのオフ)、を備え、
前記発射制御手段は、
前記第2所定値を超えた場合に、前記規制手段による規制を解除する規制解除手段(例えば、発射許可フラグ203gのオン)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E0からE5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、規制手段に設けられた第2所定値規制手段により、所定の第2所定値に到達するまでは、発射手段による遊技球の発射が規制される。そして、第2所定値を超えた場合に、発射制御手段に設けられた規制解除手段により、第2所定値規制手段による規制が解除される。これにより、操作手段が操作されることで変化手段が第2所定値まで変化するまでは遊技球の発射が規制され、変化手段が第2所定値を超えた場合に、その規制が解除されて遊技球の発射が可能となる。よって、変化手段が第2所定値までに変化し得る際に生じる遊技球の発射不具合を抑制することができ、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機E6において、
前記発射制御手段は、
前記規制解除手段によって前記発射手段による遊技球の発射の規制が解除された場合に、前記第2所定値未満(例えば、約2.5ボルト以上約2.95ボルト未満)であっても遊技球の発射を許容する第2所定値許容手段(例えば、発射許可フラグ203gがオンされている状態であれば第2流路75に到達し得る程度の回動操作量でも発射可能)、を備えている
ことを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、規制解除手段によって発射手段による遊技球の発射の規制が解除された場合に発射制御手段に設けられた第2所定値許容手段により、第2所定値未満であっても遊技球の発射が許容される。これにより、変化手段の最小値から第2所定値まで変化して遊技球の発射規制が解除された後は、第2所定値未満であっても遊技球の発射が可能となる。よって、変化手段の最小値から第2所定値までに変化し得る際に生じる遊技球の発射不具合を抑制しつつ、規制が解除された後は遊技球の発射が第2所定値未満であっても調整可能にし、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
遊技機E7において、
前記遊技手段は、
前記第2所定値によって発射される遊技球が到達し得る位置に配設される
ことを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技手段が、第2所定値によって発射される遊技球が到達し得る位置に配設される。これにより、遊技球の発射規制が解除され得る第2所定値で遊技球が発射された場合に、該第2所定値によって発射される遊技球が到達し得る位置に遊技手段が存在することで、遊技手段へ容易に遊技球を到達させることが可能となる。よって、遊技手段に向けて遊技球を発射し易くし、遊技球の発射を好適に行うことができる、という効果がある。
なお、上記遊技機A0〜A8のいずれかの構成に対して、上記遊技機B0〜B13,遊技機C0〜C7,遊技機D0〜D9,遊技機E0〜E8のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機B0〜B13のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A8,遊技機C0〜C7,遊技機D0〜D9,遊技機E0〜E8のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機C0〜C7のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A8,遊技機B0〜B13,遊技機D0〜D9,遊技機E0〜E8のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機D0〜D9のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A8,遊技機B0〜B13,遊技機C0〜C7,遊技機E0〜E8のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機E0〜D8のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A8,遊技機B0〜B13,遊技機C0〜C7,遊技機D0〜D9のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
遊技機A0からA8,遊技機B0からB13,遊技機C0からC7,遊技機D0からD9、遊技機E0からE8のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A0からA8,遊技機B0からB13,遊技機C0からC7,遊技機D0からD9、遊技機E0からE8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(大入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A0からA8,遊技機B0からB13,遊技機C0からC7,遊技機D0からD9、遊技機E0からE8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。