JP2021002944A - 多相電動機駆動装置及び制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】単相インバータの出力に含まれる高調波成分のピーク値をより平坦化する。【解決手段】多相電動機駆動装置の第1制御部は、第1同期信号に同期するように生成された第1の搬送波周波数の第1搬送波と、第2の搬送波周波数の第2搬送波とを合成した第1合成搬送波を用いて多相電動機の第1相の基準信号を変調することによって得られた第1PWM信号を第1主回路に供給する。第2制御部は、第2同期信号に同期するように生成された第1の搬送波周波数の第3搬送波と、第2の搬送波周波数の第4搬送波とを合成した第2合成搬送波を用いて前記多相電動機の第2相の基準信号を変調することによって得られた第2PWM信号を第2主回路に供給する。共通制御部は、前記第1同期信号と前記第1同期信号に同期する前記第2同期信号とを供給し、前記第1合成搬送波と前記第2合成搬送波が同じ波形になるように前記第1制御部と前記第2制御部とを制御する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、多相電動機駆動装置及び制御装置に関する。
多相電動機駆動装置は、複数の単相インバータを用いて多相電動機を駆動する。多相電動機は、互いに電気的に絶縁された複数の巻線を備える。多相電動機は、上記の各単相インバータから各巻線に交流電力が供給されることによって駆動される。多相電動機を駆動する際に各単相インバータの出力高調波のピーク値をより平坦化させたいという要求があった。
特開2014−230472号公報
本発明の目的は、単相インバータの出力に含まれる高調波成分のピーク値をより平坦化する多相電動機駆動装置及び制御装置を提供することである。
実施形態の多相電動機駆動装置は、第1主回路と、第2主回路と、第1制御部と、第2制御部と、共通制御部と、を備える。多相電動機は、少なくとも第1巻線と第2巻線とが含まれる複数の巻線を備え、各巻線相互間は電気的に絶縁され、かつ磁気的に結合される。第1主回路は、前記第1巻線に接続され、単相パルス幅変調(以下、PWMという。)方式により変調された第1PWM信号に基づいて前記第1巻線に交流電力を供給する。第2主回路は、前記第2巻線に接続され、PWM方式により変調された第2PWM信号に基づいて前記第2巻線に交流電力を供給する。第1制御部は、前記第1主回路に対応付けて設けられ、第1同期信号に同期するように生成された第1の搬送波周波数の第1搬送波と前記第1同期信号に同期するように生成された第2の搬送波周波数の第2搬送波とを時分割で合成した第1合成搬送波を用いて前記多相電動機の第1相の基準信号を変調することによって得られた前記第1PWM信号を前記第1主回路に供給する。第2制御部は、前記第2主回路に対応付けて設けられ、第2同期信号に同期するように生成された第1の搬送波周波数の第3搬送波と前記第2同期信号に同期するように生成された第2の搬送波周波数の第4搬送波とを時分割で合成した第2合成搬送波を用いて前記多相電動機の第2相の基準信号を変調することによって得られた前記第2PWM信号を前記第2主回路に供給する。共通制御部は、前記第1同期信号を前記第1制御部に供給し、前記第1同期信号に同期する前記第2同期信号を前記第2制御部に供給し、前記第1合成搬送波と前記第2合成搬送波が同じ波形になるように前記第1制御部と前記第2制御部とを制御する。
第1の実施形態の多相電動機駆動装置の構成図。 実施形態の多相電動機と各単相インバータとの関係を説明するための図。 実施形態の多相電動機駆動装置の主要部の構成図。 実施形態の電流制御回路の構成図。 実施形態の電流制御回路の構成図。 実施形態の第1の動作モードについて説明するための図。 実施形態の動作モードについて説明するための図。 実施形態の動作モードについて説明するための図。 第2の実施形態の多相電動機駆動装置の構成図。 実施形態の多相電動機駆動装置の主要部の構成図。 実施形態の電流制御回路の構成図。 実施形態の電流制御回路の構成図。 実施形態の疑似乱数の種の初期化について説明するための図。 実施形態のキャリア同期信号CSSの周期Tを単調に変化させる制御について説明するための図。 実施形態のキャリア同期信号CSSの周期Tを調整する動作モードについて説明するための図。 実施形態の3種類以上の搬送波周波数の搬送波を切り替える動作モードについて説明するための図。 実施形態の高調波成分の分散の状況について説明するための図。
以下、実施形態の多相電動機駆動装置及び制御装置を、図面を参照して説明する。
なお、以下の説明では、可変速の多相電動機駆動装置を単に多相電動機駆動装置と呼ぶ。また、同一又は類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それらの構成の重複する説明は省略する場合がある。なお、電気的に接続されることを、単に「接続される」ということがある。以下の説明に示す「単相パルス幅変調」とは、単相交流を出力するパルス幅変調(Pulse Width Modulation)のことであり、単にPWMと呼ぶことがある。「搬送波」とは、キャリア比較PWM方式による制御(PWM制御)に用いられる三角波又は鋸歯状波のことである。「合成搬送波」とは、繰り返し周期が互いに異なる複数種類の搬送波を時分割で合成した信号(合成キャリア信号)のことである。「搬送波周波数」とは、特定の搬送波における三角波又は鋸歯状波の繰り返し周期の逆数のことである。「基本波」とは、特定の搬送波の信号成分の中で、周波数が最も低い成分をいう。また、「高調波成分」とは、基本波の周波数に対する高調波成分であって、特に指定がなければ電流、電圧、電力の中の何れかに含まれる奇数の1又は複数の次数の高調波成分のことである。なお、「同じ波形」の場合には、波形が略等しい場合も含む。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の多相電動機駆動装置1の構成図である。
多相電動機駆動装置1は、直流電源2と、多相電動機(M)3と、制御装置10とを備える。
直流電源2は、多相電動機駆動装置1の電源であり、直流電力を後述する制御装置10に供給する。直流電源2は、負極VNと正極VP間に所望の電圧を出力する。
多相電動機3は、複数の巻線を有し、各巻線相互間は電気的に絶縁され、かつ磁気的に結合されている。後述する第1巻線と第2巻線は、複数の巻線の一例である。
制御装置10は、例えば、単相インバータ101と、単相インバータ102と、単相インバータ10Nと、キャリア制御回路150と、速度位相制御回路160と、回転角度検出器170を備える。キャリア制御回路150と、速度位相制御回路160は、共通制御部の一例である。
単相インバータ101は、例えば、主回路111(第1主回路)と、電流制御回路121(第1制御部)と、コンデンサ131と、電流センサ141とを備える。
主回路111は、第1主回路の一例である。例えば、主回路111は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)のスイッチS1、S2、S3、S4と、各々逆並列に接続されたダイオードD1、D2、D3、D4とを備え、フルブリッジ型に形成されている。図に示す形態は一例でありこれに制限されることなく、スイッチS1、S2、S3、S4がFET(Field-Effect Transistor)であってもよく、主回路111がハーフブリッジ型に形成されてもよい。
主回路111の入力側は、直流電源2とコンデンサ131とに並列に接続され、コンデンサ131によって平滑化された電圧が直流電源2から供給される。主回路111の出力側は、多相電動機3の第1巻線に接続されている。電流センサ141は、主回路111から多相電動機3の第1巻線に流れる電流を検出する。主回路111は、後述する電流制御回路121から供給されるゲートパルスGP1に基づいて、多相電動機3の第1巻線に単相交流電力を供給する。
単相インバータ102は、例えば、主回路112(第2主回路)と、電流制御回路122(第2制御部)と、コンデンサ132と、電流センサ142とを備える。
主回路112は、第2主回路の一例である。主回路112と後述する主回路11Nは、主回路111と同様に構成されている。
主回路112の入力側は、直流電源2に接続され、並列に接続されたコンデンサ132によって平滑化された電圧が直流電源2から供給される。主回路112の出力側は、多相電動機3の第2巻線に接続されている。電流センサ142は、主回路112から多相電動機3の第2巻線に流れる電流を検出する。主回路112は、PWM方式により変調された第2PWM信号に基づいて、多相電動機3の第2巻線に単相交流電力を供給する。
単相インバータ10Nは、例えば、主回路11Nと、電流制御回路12Nと、コンデンサ13Nと、電流センサ14Nとを備える。
主回路11Nの入力側は、直流電源2に接続され、並列に接続されたコンデンサ13Nによって平滑化された電圧が直流電源2から供給される。主回路11Nの出力側は、多相電動機3の第N巻線に接続されている。電流センサ14Nは、主回路11Nから多相電動機3の第N巻線に流れる電流を検出する。主回路11Nは、PWM方式により変調された第NPWM信号に基づいて、多相電動機3の第N巻線に単相交流電力を供給する。
以下、単相インバータ101と、単相インバータ102と、・・・、単相インバータ10Nを纏めて示す場合には、単相インバータ10iという。iは1からNの整数を示し、Nは2以上の整数である。同様に、主回路111と、主回路112と、・・・、主回路11Nを纏めて示す場合には、主回路11iという。電流制御回路121と、電流制御回路122と、・・・、電流制御回路12Nを纏めて示す場合には、電流制御回路12iという。
キャリア制御回路150は、例えば、キャリア同期信号と、周波数選択信号とを、各単相インバータ10iに供給する。キャリア制御回路150の詳細については後述する。
速度位相制御回路160は、速度指令と後述する回転角度検出器170からの角度検出値(機械角)とを受けて、電流指令波高値と、位相角θ(電気角)とを生成し、電流指令波高値と、位相角θとを単相インバータ10iに供給する。電流指令波高値は、速度指令として設定された速度指令値の速度で多相電動機3を駆動するための制御目標値である。速度位相制御回路160の詳細については後述する。
回転角度検出器170は、多相電動機3の回転角度を検出し、角度検出値(機械角)を出力する。なお、回転角度検出器170を設けることなく、センサレス制御にしてもよい。
図2を参照して、多相電動機3と各単相インバータ10iとの関係について説明する。図2は、実施形態の多相電動機3と各単相インバータ10iとの関係を説明するための図である。各相の巻線に対応して単相インバータ10iが配置されている。多相電動機3の各相の巻線は電気的には接続されていないが、異なる相の巻線による磁路がオーバラップするため磁気的に結合されている。
これにより多相電動機3は、各相に対応して設けられた各単相インバータ10iによって駆動される。
図3から図5を参照して、実施形態の多相電動機駆動装置1の一例について説明する。図3は、実施形態の多相電動機駆動装置1の主要部の構成図である。
速度位相制御回路160の詳細について説明する。
速度位相制御回路160は、例えば、減算器161と、速度制御回路162と、位相制御回路163と、速度検出回路164とを備える。減算器161は、速度指令による速度指令値と、後述する速度検出回路164によって検出された速度検出値との速度偏差を算出する。速度制御回路162は、減算器161によって算出された速度偏差が零になるような電流指令波高値を生成し、生成した電流指令波高値を各単相インバータ10iに出力する。速度検出回路164は、回転角度検出器170によって検出された角度検出値(機械角)を微分して速度検出値を生成する。位相制御回路163は、回転角度検出器170によって検出された角度検出値(機械角)に基づいて位相角θ(電気角)を生成して、位相角θを各単相インバータ10iに出力する。
上記のとおり速度位相制御回路160は、回転角度検出器170によって検出された角度検出値に基づいて、多相電動機3の回転速度が速度指令になるような電流指令波高値を各単相インバータ10iに指令し、制御に用いる位相角θを各単相インバータ10iに供給する。
電流制御回路121の詳細について説明する。
電流制御回路121は、例えば、正弦値生成器1211(Sin)と、乗算器1212と、減算器1213と、電流制御回路本体1214と、PWM制御回路1215(第1PWMユニット、図中の表記はPWM。)と、位相比較器1216(第1位相比較器)と、キャリア周波数生成回路1217(第1キャリア周波数生成ユニット)と、キャリア周波数切替回路1218(第1キャリア周波数切替ユニット)と、同期位相生成回路1219とを備える。
正弦値生成器1211は、速度位相制御回路160から供給される位相角θと、多相電動機3の巻線構成に基づき規定される位相差とに基づいた位相の正弦値を生成する。正弦値生成器1211が生成する正弦値は、対応する巻線ごとに互いに異なる。
乗算器1212は、速度位相制御回路160から供給される電流指令波高値と、正弦値生成器1211によって生成された正弦値とを乗算し、電流指令値ICMD1を得る。
減算器1213は、乗算器1212によって算出された電流指令値ICMD1から、電流センサ141によって検出された電流検出値IDET1を減算して、電流偏差ΔI1を得る。
電流制御回路本体1214は、上記の電流偏差ΔI1を0にするような電圧指令値ER1を算出し、PWM制御回路1215に供給する。
位相比較器1216は、後述する同期位相生成回路1219によって第1合成キャリア信号CS1(第1合成搬送波)に基づいて生成された同期位相の供給を受けて、キャリア同期信号CSS1(第1同期信号)の位相と、同期位相とを比較して、その位相差に応じた値PD1を出力する。
同期位相生成回路1219は、例えば、第1合成キャリア信号CS1の搬送波の1波ごとに1波分の周期を積算して、その積算値を出力する。同期位相生成回路1219は、その積算値が第1合成キャリア信号CS1の1周期に対応する上限値に達すると、その積算値を0にする。同期位相生成回路1219から出力される積算値の波形は、第1合成キャリア信号CS1の1周期に同期した信号(上記の同期位相)の波形として利用される。なお、この積算値が示す波形の位相は、合成キャリア信号CS1の1周期の位相値に対応する。以下の説明では、この積算値が示す波形の位相のことを、合成キャリア信号CS1の位相と呼ぶ。
キャリア周波数生成回路1217は、搬送波周波数として設定可能な周波数を有した搬送波周波数であって、互いに周期が異なる複数の種類の搬送波周波数を生成する。キャリア周波数生成回路1217は、搬送波周波数を生成する際に、位相比較器1216から供給される上記の位相差(位相の第1比較結果)に応じた値PD1に基づいて、生成する搬送波周波数を調整する。
例えば、キャリア周波数生成回路1217は、キャリア同期信号CSS1の位相と第1合成キャリア信号CS1の位相とが整合するように、上記の位相差PD1に基づいて、搬送波周波数を所定量調整する。搬送波周波数が2種類の場合には、キャリア周波数生成回路1217は、上記の位相差PD1に基づいて、位相差PD1を減らすように第1の搬送波周波数を第1所定量調整し、同様に第2の搬送波周波数を第2所定量調整する。第1所定量と第2所定量の比は、第1の搬送波周波数と第2の搬送波周波数の比に基づいて規定される。例えば、第1所定量と第2所定量の比は、第1の搬送波周波数と第2の搬送波周波数の比に等しくするとよい。以下の説明では、搬送波周波数として設定可能な周波数のうちより高い周波数を搬送波周波数fHと呼び、より低い周波数を搬送波周波数fLと呼ぶ。搬送波周波数fHは、第1の搬送波周波数の一例であり、搬送波周波数fLは、第2の搬送波周波数の一例である。
キャリア周波数切替回路1218は、キャリア周波数生成回路1217によって調整された搬送波周波数fHの第1搬送波と、同様に調整された搬送波周波数fLの第2搬送波の何れかを、後述するキャリア制御回路150から供給される周波数選択信号FSSに基づいて切り替えて、その結果を第1合成キャリア信号CS1として出力する。
なお、キャリア周波数切替回路1218は、搬送波周波数fHと搬送波周波数fLとに代えて、搬送波周波数として設定可能な周波数のうち最も周波数の高い最大搬送波周波数fmaxと搬送波周波数として設定可能な周波数のうち最も周波数の低い最小搬送波周波数fminの何れか一方を選択してもよい。
上記の位相比較器1216と、キャリア周波数生成回路1217と、キャリア周波数切替回路1218と、同期位相生成回路1219は、第1のPLL(Phase Locked Loop)を形成する。
PWM制御回路1215は、上記の電圧指令値ER1と第1合成キャリア信号CS1とに基づいて、PWM制御によって主回路111を制御するためのゲートパルスGP1を生成する。
単相インバータ102と単相インバータ10Nに関する説明は後述する。
キャリア制御回路150の詳細について説明する。
キャリア制御回路150は、遷移確率選択部151と、同期信号生成部152と、乱数生成部(乱数生成ユニット)155と、遷移判定部156(判定ユニット)と、周波数選択指示部157(選択指示ユニット)とを備える。
遷移確率選択部151は、複数の搬送波周波数の中から特定の搬送波周波数を選択し、搬送波周波数を遷移させるための遷移確率を決定し、決定した遷移確率を、後述する遷移判定部156に出力する。遷移確率選択部151は、予め設定された複数の遷移確率値の何れかを選択して、選択の結果を、遷移判定部156に出力してもよい。
同期信号生成部152は、キャリア同期信号を生成し、生成したキャリア同期信号を各電流制御回路に供給する。上記のキャリア同期信号には、電流制御回路121に供給するキャリア同期信号CSS1、電流制御回路122に供給するキャリア同期信号CSS2(図4)、電流制御回路12Nに供給するキャリア同期信号CSSN(図5)などが含まれる。なお、以下の説明では、各単相インバータ10iに供給されるキャリア同期信号は、共通する信号として説明するが、これに制限されない。例えば、キャリア同期信号CSS1とキャリア同期信号CSS2が独立した信号であって良く、或いは、キャリア同期信号CSS1とキャリア同期信号CSS2とキャリア同期信号CSSNとが互いに同期する信号であって波形の異なる信号であってもよい。上記の同期とは、許容される位相差が含まれている関係にあることを含めてもよい。
乱数生成部155は、疑似乱数を生成する。例えば、疑似乱数は、M系列などの既知の演算手法に従い算出されてもよく、テーブルに格納された値に基づいて所得されてもよい。
遷移判定部156は、乱数生成部155から疑似乱数が供給されると、その疑似乱数と、遷移確率選択部151によって選択された遷移確率値とに基づいて周波数遷移を行うか否かの遷移判定を行い、第1搬送波と第2搬送波とを切り替える順序を決定する。遷移判定部156は、上記の決定に従い第1搬送波と第2搬送波とを切り替える順序を示す遷移指令信号を出力する。
例えば、遷移判定部156には、上記の判定の基準として、次に出力する搬送波を選択する条件が予め規定されている。第1合成搬送波として出力する搬送波が第1搬送波と第2搬送波の何れかに確定して、確定した搬送波の次に出力する搬送波が未確定である場合に、遷移判定部156は、次に出力する搬送波を所定の条件に従い選択する。
上記の判定の基準として定められる所定の条件は、状態遷移の確率値が予め規定されてもよい。より具体的に、変移確率値による高調波成分の周波数スペクトル分布の調整について説明する。
搬送波周波数が搬送波周波数fLと搬送波周波数fHの2種対の場合には、状態遷移は、以下の4つになる。
(1)搬送波周波数fLの継続
(2)搬送波周波数fHの継続
(3)搬送波周波数fLから搬送波周波数fHへの変移
(4)搬送波周波数fHから搬送波周波数fLへの変移
これらの状態遷移について、それぞれの状態遷移の確率を規定する。例えば、上記の(1)から(4)の確率を、順に1/3、2/3、2/3、1/3のように規定する。疑似乱数の分布に偏りがなければ、上記の数値に示すように、搬送波周波数fLよりも搬送波周波数fHの方が選択される確率が高くなる。上記の数値の場合、搬送波周波数fLよりも搬送波周波数fHの方が倍の確率で選択されやすくなる。なお、上記の数値は一例を示すものであり、上記の値の近似値を適用してもよく、他の値にしてもよい。
実際に選択された搬送波周波数の搬送波の波数の比によって、高調波成分の大きさが変化するので、同期周期Tの中に選択可能な波数の制限値を、高調波成分の周波数スペクトル分布の要件を満足するように規定して、搬送波周波数の高調波成分の大きさを調整するとよい。上記のように、搬送波周波数の高調波成分の大きさを、上記の要件を満たすように調整することができ、高調波成分の周波数スペクトル分布を所望の大きさに制限することが容易になる。
周波数選択指示部157は、遷移判定部156から供給される遷移指令信号に基づいて周波数を選択して、選択の結果を周波数選択信号として出力する。例えば、周波数選択指示部157は、上記の遷移指令信号に含まれる切替順の情報に従い、第1搬送波と第2搬送波との切り替えを指示する周波数選択信号を出力する。
図4を参照して、実施形態における単相インバータ102の電流制御回路122について説明する。図4は、実施形態の電流制御回路122の構成図である。電流制御回路122は、主回路112(第2主回路)に対応付けて設けられる。
電流制御回路122(第2制御部)は、例えば、正弦値生成器1221(Sin)と、乗算器1222と、減算器1223と、電流制御回路本体1224と、PWM制御回路1225(第2PWMユニット、図中の表記はPWM。)と、位相比較器1226(第2位相比較器)と、キャリア周波数生成回路1227(第2キャリア周波数生成ユニット)と、キャリア周波数切替回路1228(第2キャリア周波数切替ユニット)と、同期位相生成回路1229とを備える。詳細な説明を省略するが、正弦値生成器1221と、乗算器1222と、減算器1223と、電流制御回路本体1224と、PWM制御回路1225と、位相比較器1226と、キャリア周波数生成回路1227と、キャリア周波数切替回路1228とは、前述の正弦値生成器1211と、乗算器1212と、減算器1213と、電流制御回路本体1214と、PWM制御回路1215と、位相比較器1216と、キャリア周波数生成回路1217と、キャリア周波数切替回路1218、同期位相生成回路1219と同様に構成される。
第2合成キャリア信号CS2の生成について説明する。
位相比較器1226は、後述するキャリア周波数切替回路1228から第2合成キャリア信号CS2(第2合成搬送波)の供給を受けて、キャリア同期信号CSS2(第2同期信号)の位相と、第2合成キャリア信号CS2の位相とを比較して、その位相差に応じた値PD2を出力する。
キャリア周波数生成回路1227は、搬送波周波数として設定可能な周波数を有した搬送波周波数であって、互いに周期が異なる複数の種類の搬送波周波数を生成する。キャリア周波数生成回路1227は、搬送波周波数を生成する際に、位相比較器1226から供給される上記の位相差(位相の第2比較結果)に応じた値PD2に基づいて、生成する搬送波周波数を調整する。
例えば、キャリア周波数生成回路1227は、キャリア同期信号CSS2の位相と第2合成キャリア信号CS2の位相とが整合するように、上記の位相差PD2に基づいて、位相差PD2を減らすように搬送波周波数を所定量調整する。搬送波周波数が2種類の場合には、キャリア周波数生成回路1227は、上記の位相差PD2に基づいて、前述のキャリア周波数生成回路1217と同様に、第1の搬送波周波数を第3所定量調整し、同様に第2の搬送波周波数を第4所定量調整する。第3所定量と第4所定量の比は、第1の搬送波周波数と第2の搬送波周波数の比に基づいて規定され、前述の第1所定量と第2所定量の比と同値になるように調整される。
キャリア周波数切替回路1228は、キャリア周波数生成回路1227によって調整された第1の搬送波周波数の第3搬送波と、同様に調整された第2の搬送波周波数の第4搬送波の何れかに、後述するキャリア制御回路150の制御に応じて切り替えて第2合成キャリア信号CS2を出力する。
例えば、キャリア周波数切替回路1228は、キャリア制御回路150から供給される周波数選択信号に基づいて、搬送波周波数として設定可能な周波数のうちの何れかの周波数の搬送波(キャリア)を出力する。より具体的には、キャリア周波数切替回路1228は、搬送波周波数fHと搬送波周波数fLを出力する。
上記の位相比較器1226と、キャリア周波数生成回路1227と、キャリア周波数切替回路1228は、第2のPLLを形成する。
PWM制御回路1225は、上記電圧指令値ER2と第2合成キャリア信号CS2とに基づいて、PWM制御によって主回路112を制御するためのゲートパルスGP2を生成する。
上記のように、電流制御回路122のキャリア周波数切替回路1228は、キャリア同期信号CSS2(第2同期信号)に同期するように生成された第1の搬送波周波数の第3搬送波と、キャリア同期信号CSS2に同期するように生成された第2の搬送波周波数の第4搬送波とを時分割で合成した第2合成キャリア信号CS2(第2合成搬送波)を生成する。PWM制御回路1225は、第2合成キャリア信号CS2を用いて、多相電動機3の第2相の電圧指令値ER2(基準信号)を変調し、変調されたPWM信号のGP2(第2PWM信号)を主回路112(第2主回路)に供給する。
図5を参照して、実施形態における単相インバータ10Nの電流制御回路12Nについて説明する。図5は、実施形態の電流制御回路12Nの構成図である。電流制御回路12Nは、主回路11Nに対応付けて設けられる。
電流制御回路12Nは、例えば、正弦値生成器12N1(Sin)と、乗算器12N2と、減算器12N3と、電流制御回路本体12N4と、PWM制御回路12N5(第NPWMユニット、図中の表記はPWM。)と、位相比較器12N6(第N位相比較器)と、キャリア周波数生成回路12N7(第Nキャリア周波数生成ユニット)と、キャリア周波数切替回路12N8(第Nキャリア周波数切替ユニット)とを備える。詳細な説明を省略するが、正弦値生成器12N1と、乗算器12N2と、減算器12N3と、電流制御回路本体12N4と、PWM制御回路12N5と、位相比較器12N6と、キャリア周波数生成回路12N7と、キャリア周波数切替回路12N8と、同期位相生成回路12N9とは、前述の正弦値生成器1211と、乗算器1212と、減算器1213と、電流制御回路本体1214と、PWM制御回路1215と、位相比較器1216と、キャリア周波数生成回路1217と、キャリア周波数切替回路1218と、同期位相生成回路1219と同様に構成される。
電流制御回路12Nは、キャリア同期信号CSSNに同期するように生成された第1の搬送波周波数の第(2N−1)搬送波と、キャリア同期信号CSSNに同期するように生成された第2の搬送波周波数の第(2N)搬送波とを時分割で合成した第N合成キャリア信号CSNを用いて多相電動機3の第N相の電圧指令値ERN(基準信号)を変調し、変調されたPWM信号のゲートパルスGPNを主回路11Nに供給する。第(2N−1)搬送波は、第3搬送波の一例であり、第(2N)搬送波は、第4搬送波の一例である。
上記のとおり、少なくとも第1合成キャリア信号CS1と第2合成キャリア信号CS2と第N合成キャリア信号CSNは、共通の周波数選択信号に基づいて、2種類の搬送波周波数の搬送波を時分割で切り替えられて生成される。各電流制御回路12iは、供給されるキャリア同期信号に基づいて2種類の搬送波周波数を調整する。各電流制御回路12iに供給されるキャリア同期信号が互いに同期しているので、それぞれ調整された2種類の搬送波周波数は、等しくなる。
次に、図6から図8を参照して、実施形態の多相電動機駆動装置1の出力における高調波成分の分散制御について説明する。
多相電動機駆動装置1は、キャリア周波数が異なる搬送波を含む合成キャリア信号をPWM制御に利用する。合成キャリア信号は、キャリア周波数が異なる搬送波が合成されたものである。多相電動機駆動装置1の主回路11iは、上記の合成キャリア信号に基づいてPWM制御されることにより、各単相インバータ10iの出力における高調波成分を分散させる。
例えば、キャリア制御回路150は、キャリア周波数を選択するための周波数選択信号FSSを各単相インバータ10iに供給する。単相インバータ10iの電流制御回路12iは、供給された周波数選択信号FSSに基づいて、PWM制御のキャリア信号として用いるキャリア周波数の合成キャリア信号をそれぞれ生成する。
キャリア制御回路150は、さらに、各単相インバータ10iの合成キャリア信号を同期させるためのキャリア同期信号CSS1、CSS2、CSSNを出力する。例えば、キャリア同期信号CSS1、CSS2、CSSNは、互いの周期が等しい信号である。キャリア同期信号CSS1、CSS2、CSSNは、互いの位相が揃っている信号である。以下の説明において、キャリア同期信号CSS1、CSS2、CSSNを纏めて説明する際にキャリア同期信号CSSと呼ぶことがある。キャリア制御回路150は、そのキャリア同期信号CSSを各単相インバータ10iへ供給する。これにより、単相インバータ10iにおいて、キャリア同期信号CSSにそれぞれ同期した合成キャリア信号を用いたPWM制御が可能になる。
多相電動機駆動装置1は、高調波の分散制御において1又は複数の動作モードを有する。第1の動作モードから第4の動作モードまでの各動作モードでは、搬送波周波数fLと搬送波周波数fHを、搬送波周波数に利用する場合を例示して説明する。
最初に、第1の動作モードについて説明する。
図6は、実施形態の第1の動作モードについて説明するための図である。ここに示す搬送波は、後縁が立ち下がる形の三角波が連続した鋸状波形である。以下、同様である。
第1の動作モードにおける搬送波周波数の切り替えは、同期信号の周期のタイミングに併せて実施される。
例えば、時刻t1から時刻t2までの期間と時刻t2から時刻t3までの期間のそれぞれは、同期信号の1周期(以下、周期Tという。)分であり、波形の立下りのタイミングを同期のタイミングと仮定する。図に示す同期信号は、例えばDuty比が約0.5であるがこれに制限されない。周期T内に存在する搬送波は、1種類であり、周期Tの長さが搬送波の周期の長さの複数倍になっている。つまり、周期T内に搬送波が複数個連なって配置されており、周期Tの長さに、複数個の搬送波の周期の和がちょうど一致する。
周波数選択信号は、時刻t1から時刻t2まで搬送波周波数fLを指定するLレベルに維持されており、時刻t1から時刻t2まで搬送波周波数fLが選択される。時刻t1から時刻t2までの期間の搬送波を第1搬送波と呼ぶ。第1搬送波の周期TLは、(1/fL)である。
周波数選択信号は、時刻t2から時刻t3まで搬送波周波数fHを指定するHレベルに維持されており、時刻t2から時刻t3まで搬送波周波数fHが選択される。時刻t2から時刻t3までの期間の搬送波を第2搬送波と呼ぶ。第2搬送波の周期THは、(1/fH)である。
ここで、第1搬送波の周期TLと、第2搬送波の周期THと、キャリア同期信号CSSの周期Tの関係を、次の式(1)に整理する。
(TL×m1)+(TH×n1)=T ・・・(1)
上記の式(1)におけるm1は、周期Tの中に存在する第1搬送波の波数であり、n1は、周期Tの中に存在する第2搬送波の波数である。上記の式(1)の関係が成立する場合に、合成キャリア信号は、キャリア同期信号CSSに同期する。上記の式(1)が満足するように、周期TLと周期THと周期Tと、波数であるm1とn1とが、予め規定される。
この第1の動作モードでは、m1とn1の一方が0であり、他方が第1搬送波の周期TLと第2搬送波の周期THの何れかが周期Tに収まる最大値である。換言すれば、搬送波周波数fLの周期の整数倍(m1の上限値の倍率)が、キャリア同期信号CSSの周期になるように規定され、搬送波周波数fHの周期の整数倍(n1の上限値の倍率)が、キャリア同期信号CSSの周期になるように規定される。
第1搬送波の搬送波周波数fL(第1搬送波周波数)は、第2搬送波の搬送波周波数fH(第2搬送波周波数)よりも周波数が低い。図示する例の搬送波周波数fHは、搬送波周波数fLの2倍である。搬送波周波数fLに対する搬送波周波数fHの倍率はこれに制限されることなく適宜定めてよい。
上記のとおり、周波数選択信号により搬送波の切り替えを同期信号の論理状態を変化させるタイミングに一致させており、同期信号と周波数選択信号と搬送波(キャリア)は、互いに同期している状態にある。
なお、第1の動作モードの場合、周期T内に存在する搬送波は1種類であり、周期T内で搬送波周波数を遷移させて高調波成分を分散させたものではないが、周期Tごとに搬送波を切り替えることにより、高調波成分を分散させる。
例えば、第1搬送波を割り当てた周期の数m2と、第2搬送波を割り当てた周期の数n2と、繰り返す期間に含まれる周期Tの数TNの関係を、次の式(2)に整理する。
(m2)+(n2)=TN ・・・(2)
キャリア制御回路150は、上記の式(1)が成立する条件において、遷移確率として(m2/TN)又は(n2/TN)を閾値に用いて疑似乱数を判定することで、第1搬送波を割り当てた周期と、第2搬送波を割り当てた周期を疑似乱数に基づいて選択するとよい。これにより、遷移確率に基づいて高調波成分を分散させることができる。
次に、第2の動作モードについて説明する。
図7と図8は、実施形態の動作モードについて説明するための図である。第2の動作モードにおける搬送波周波数の切り替えタイミングには、前述の第1の動作モードの切り替えタイミングに加えて、さらに周期T内の搬送波の切り替えタイミングが含まれる。
例えば、時刻t11から時刻t12までの期間は、周期Tである。周期T内で、周波数選択信号をLレベル(fL)とHレベル(fH)とに遷移させることにより、周期T内に搬送波周波数fLと搬送波周波数fHの何れかが択一的に選択される。それゆえ、第1搬送波と第2搬送波がそれぞれ1波以上存在することになる。この場合、周期T内に存在する搬送波は2種類になる。図示する例の場合、搬送波周波数fHは、搬送波周波数fLの整数倍であるが、これは一例である。
第2の動作モードの場合も、前述の式(1)の条件を適用する。
この第2の動作モードの場合には、上記のm1とn1の値は、1以上の整数(自然数)であり、m1とn1の値の上限は、第1搬送波の周期TLと第2搬送波の周期THの何れかが周期Tに収まる最大値よりも小さな値になる。このように上限値が定められる。
キャリア制御回路150は、キャリア同期信号CSS1の周期Tに、疑似乱数に基づいて第1搬送波の第1波数(m1)と第2搬送波の第2波数(n1)をランダムに並べることで、第1搬送波と第2搬送波が所望の確率で配置される。キャリア制御回路150は、上記の波数を満たすように規定された順序に従って、搬送波を選択するとよい。
キャリア制御回路150は、キャリア同期信号CSS1の周期Tに含まれる第1搬送波の第1波数(m1)と第2搬送波の第2波数(n1)とが所望の確率によって規定される波数になるように、第1搬送波と第2搬送波を切り替える。これにより、第1搬送波と第2搬送波の両方が周期T内に含めることができる。さらに、キャリア制御回路150は、キャリア同期信号CSS2の周期Tに含まれる第3搬送波の第3波数(m1)と第4搬送波の第4波数(n1)とが所望の確率によって規定される波数になるように、第3搬送波と第4搬送波を切り替える。これにより、第3搬送波と第4搬送波の両方が周期T内に含めることができる。
第1搬送波と第3搬送波が同じ搬送波周波数であり、第2搬送波と第4搬送波が同じ搬送波周波数である場合には、第1搬送波と第2搬送波を例示する説明は、第3搬送波と第4搬送波の説明に適用できる。以下の説明では、上記の条件が成り立つと仮定して第1搬送波と第2搬送波を例示して説明する。周期T(第1同期信号の1周期)に含まれる第1搬送波の波数(第1波数)と第2搬送波の波数(第2波数)に基づいた第1搬送波が占める時間と第2搬送波が占める時間との時間比率が所望の確率になる。
例えば、図7に示す時刻t11から時刻t12までの期間に、搬送波周波数fLの第1搬送波が5回配置され、搬送波周波数fHの第2搬送波が6回配置されている。周期T内に、搬送波周波数fLの第1搬送波と搬送波周波数fHの第2搬送波を配置する順序は、疑似乱数によって決定されるため、図に示した順序に制限されない。上記と同じ回数であっても、図8に示すような配置も可能である。第2の動作モードでは、周期T内に搬送波を配置する順序を、都度決定する。なお、電流制御回路121は、第1搬送波と第2搬送波を、配置される位置によらずキャリア同期信号CSS1の位相に整合させるように生成する。電流制御回路122は、第3搬送波と第4搬送波を、配置される位置によらずキャリア同期信号CSS2の位相に整合させるように生成する。以下の動作モードにおいても同様である。
周波数選択信号FSSは、例えば、搬送波周波数fLを指定する期間がLレベルに、搬送波周波数fHを選択する期間がHレベルに規定される。
次に、前述の図7と図8とを参照して、第3の動作モードについて説明する。
第3の動作モードの場合は、前述の第2の動作モードと同様の周波数選択の手法で決定された切替順を切替パターンとして規定する。例えば、第1搬送波と第2搬送波が並ぶ順が互いに異なる切替パターンを1又は複数個規定して、規定した切替パターンを、切替パターンの識別情報に関連付けて各電流制御回路12iの記憶領域に予め格納させておく。例えば、第1切替パターンと第2切替パターンにおける第1搬送波が占める時間と第2搬送波が占める時間の時間比率が所望の確率を満たすものとする。なお、各電流制御回路12iは、図示されない記憶領域を備えてもよく、図示されない外部の記憶媒体に上記の記憶領域を設けてもよい。
キャリア制御回路150は、第1搬送波の1周期分と第2搬送波の1周期分とを単位にして、キャリア同期信号CSS1の周期T内に第1搬送波と第2搬送波を並べた第1切替パターンと第2切替パターンとを識別するためのパターン識別情報を記憶領域に格納する。キャリア制御回路150は、周波数選択信号として、上記の切替パターンの識別情報であるパターン識別情報を各電流制御回路12iに送る。各電流制御回路12iは、キャリア制御回路150から受信した切替パターンの識別情報に関連する切替パターンに基づいた順序に従って搬送波周波数の切替を制御する。例えば、キャリア制御回路150は、前述の図7と図8の2つの切替パターンを用いて上記の制御を実施してよい。
上記の切替パターンは、第2の動作モードの条件を前提にするので、上記の式(1)を満足する。第3の動作モードにおける切替パターンの切り替えは、遷移確率によらず決定してもよい。
前述の図7と図8とを参照して、第4の動作モードについて説明する。
第4の動作モードの場合は、疑似乱数Aと疑似乱数Bとが用いられる。
疑似乱数Aは、切替パターンの決定に利用される。例えば、第3の動作モードと同様に、キャリア制御回路150は、搬送波周波数を切り替える順序が互いに異なる切替パターンを、疑似乱数Aを用いて規定して、各電流制御回路12iの記憶領域に上記の切替パターンを予め格納させておく。
この第4の動作モードについても、上記の切替パターンが第2の動作モードと同様の条件を前提に上記の式(1)を満足するものになる。
疑似乱数Bは、切替パターンの切り替えに利用される。例えば、キャリア制御回路150は、上記の切替パターンの切り替えを指示する際に、疑似乱数Bを用いて、疑似乱数Aを用いて生成された切替パターン自体を周期Tごとに切り替える。
上記のとおり、多相電動機駆動装置1は、高調波の分散制御を1又は複数の動作モードを利用することができる。
上記の実施形態によれば、少なくともキャリア制御回路150は、第1合成搬送波CS1と第2合成搬送波CS2を揃えるためのキャリア同期信号CSSを生成し、生成したキャリア同期信号CSSをキャリア同期信号CSS1とキャリア同期信号CSS2として出力する。第2同期信号CSS2は、キャリア同期信号CSS1に同期する。キャリア制御回路150は、キャリア同期信号CSS1を電流制御回路121(第1制御部)に供給し、第2同期信号CSS2を電流制御回路122(第2制御部)に供給し、第1合成キャリア信号CS1と第2合成キャリア信号が同じ波形になるように電流制御回路121と電流制御回路122とを制御する。電流制御回路121は、周波数選択信号FSSに基づいて、キャリア同期信号CS1を用いて生成された第1搬送波と第2搬送波とを切り替えて第1合成キャリア信号を得る。流制御回路122は、周波数選択信号FSSに基づいて、キャリア同期信号CS2を用いて生成された第3搬送波と第4搬送波とを切り替えて第2合成キャリア信号を得る。これにより、多相電動機駆動装置1は、第1搬送波と第2搬送波を含む第1合成搬送波CS1と第3搬送波と第4搬送波を含む第2合成搬送波CS2を互いに揃えることで損失を低減させつつ、単相インバータ10iの出力に含まれる高調波成分のピーク値をより平坦化することができる。
(第2の実施形態)
図を参照して、第2の実施形態について説明する。
図9は、第2の実施形態の多相電動機駆動装置の構成図である。
多相電動機駆動装置1Aは、直流電源2と、多相電動機3と、制御装置10Aとを備える。
制御装置10Aは、前述の制御装置10の単相インバータ101と、単相インバータ102と、単相インバータ10Nと、キャリア制御回路150とに代えて、単相インバータ101Aと、単相インバータ102Aと、単相インバータ10NAと、キャリア制御回路150Aとを備える。単相インバータ101Aと、単相インバータ102Aと、単相インバータ10NAと、キャリア制御回路150Aは、前述の単相インバータ101と、単相インバータ102と、単相インバータ10Nと、キャリア制御回路150に相当し、一部の構成が異なる。以下、相違点を中心に説明する。
単相インバータ101Aは、例えば、主回路111と、電流制御回路121Aと、コンデンサ131と、電流センサ141とを備える。
単相インバータ102Aは、例えば、主回路112と、電流制御回路122Aと、コンデンサ132と、電流センサ142とを備える。
単相インバータ10NAは、例えば、主回路11Nと、電流制御回路12NAと、コンデンサ13Nと、電流センサ14Nとを備える。
以下、単相インバータ101Aと、単相インバータ102Aと、・・・、単相インバータ10NAを纏めて示す場合には、単相インバータ10iAという。同様に、電流制御回路121Aと、電流制御回路122Aと、・・・、電流制御回路12NAを纏めて示す場合には、電流制御回路12iAという。
図10を参照して、実施形態の多相電動機駆動装置1Aの一例について説明する。図10は、実施形態の多相電動機駆動装置1Aの主要部の構成図である。
例えば、電流制御回路121Aは、前述の電流制御回路121の構成に加えて、乱数生成部(第1乱数生成ユニット)1515と、遷移判定部1516(第1判定ユニット)と、周波数選択指示部1517(第1選択指示ユニット)とを備える。遷移判定部1516と、周波数選択指示部1517は、前述のキャリア制御回路150の遷移判定部156と、周波数選択指示部157と同様のものであり、電流制御回路121Aの一部として形成される点が異なる。
乱数生成部1515は、疑似乱数の種に基づいた疑似乱数を生成する。乱数生成部1515は、後述するリセット信号を受けると、疑似乱数の種を初期化して、所定の値(初期値)に更新する。例えば、M系列の疑似乱数を生成する場合には、乱数生成部1515は、リセット信号を受けることによってM系列の生成多項式の各項の値を所定の値にするとよい。また、テーブルに格納された疑似乱数を所得する場合には、乱数生成部1515は、リセット信号を受けることによって、テーブルを参照する位置を所定の位置に再設定するとよい。
例えば、乱数生成部1515は、第1疑似乱数を生成する。遷移判定部1516は、遷移確率選択部151Aから供給される遷移確率に基づいて第1搬送波と第2搬送波が遷移するように、上記の第1疑似乱数を用いて第1搬送波と第2搬送波とを切り替える順序(第1切替順)を決定する。周波数選択指示部1517は、上記の第1切替順に従い、第1搬送波と第2搬送波との切り替えを指示する第1選択信号を、キャリア周波数切替回路1218に供給してもよい。
単相インバータ102Aの電流制御回路122Aと、単相インバータ10NAの電流制御回路12NAは、上記の電流制御回路121Aと同様に形成されている。詳細については後述する。
キャリア制御回路150Aは、前述のキャリア制御回路150に比べて、遷移確率選択部151と、乱数生成部155と、遷移判定部156と、周波数選択指示部157とを備えない代わりに、遷移確率選択部151Aと、リセット信号生成部153(リセット信号生成ユニット)とを備える。
遷移確率選択部151Aは、遷移確率選択部151と同様に、複数の搬送波周波数の中から特定の搬送波周波数を選択し、搬送波周波数を遷移させるための遷移確率を決定する。遷移確率選択部151Aは、決定した遷移確率を、後述する遷移判定部1516、1526、15N6等に出力する。
リセット信号生成部153は、電流制御回路121Aの第1合成キャリア信号CS1と、電流制御回路122Aの第2合成キャリア信号CS2と、電流制御回路12NAの第N合成キャリア信号CSNとを揃える際にリセット信号を活性化して、電流制御回路121Aと、電流制御回路122Aと、電流制御回路12NAとに供給する。リセット信号は、少なくとも第1合成キャリア信号CS1と、第2合成キャリア信号CS2と、第N合成キャリア信号CSNとを揃えるために用いられる。
図11を参照して、実施形態における単相インバータ102Aの電流制御回路122Aについて説明する。図11は、実施形態の電流制御回路122Aの構成図である。電流制御回路122Aは、主回路112(第2主回路)に対応付けて設けられる。
電流制御回路122Aは、前述の電流制御回路122の構成に加えて、乱数生成部(第2乱数生成ユニット)1525と、遷移判定部1526(第2判定ユニット)と、周波数選択指示部1527(第2選択指示ユニット)とを備える。乱数生成部1525と、遷移判定部1526と、周波数選択指示部1527は、前述の乱数生成部1515と、遷移判定部1516と、周波数選択指示部1517と同様に構成される。
例えば、乱数生成部1525は、第2疑似乱数を生成する。遷移判定部1526は、遷移確率選択部151Aから供給される遷移確率に基づいて第3搬送波と第4搬送波が遷移するように、上記の第2疑似乱数を用いて第3搬送波と第4搬送波とを切り替える順序(第2切替順)を決定する。周波数選択指示部1527は、上記の第2切替順に従い、第3搬送波と第4搬送波との切り替えを指示する第2選択信号を、キャリア周波数切替回路1228に供給してもよい。
図12を参照して、実施形態における単相インバータ10NAの電流制御回路12NAについて説明する。図12は、実施形態の電流制御回路12NAの構成図である。電流制御回路12NAは、主回路11N(第N主回路)に対応付けて設けられる。
電流制御回路12NAは、前述の電流制御回路122の構成に加えて、乱数生成部(第N乱数生成ユニット)15N5と、遷移判定部15N6(第N判定ユニット)と、周波数選択指示部15N7(第N選択指示ユニット)とを備える。乱数生成部15N5と、遷移判定部15N6と、周波数選択指示部15N7は、前述の乱数生成部1515と、遷移判定部1516と、周波数選択指示部1517と同様に構成される。
図13は、実施形態の疑似乱数の種の初期化について説明するための図である。
図13に示すタイミングチャートには、リセット信号と、キャリア同期信号CSSと、疑似乱数の種の識別番号と、疑似乱数と、合成キャリア信号位相値が示される。初期状態は、リセット信号がLレベルにあり活性化されていない。キャリア同期信号CSSは所定の周期Tで繰り返されており、合成キャリア信号位相値が逐次積算され単調に増加している。
なお、合成キャリア信号位相値は、例えば、合成キャリア信号CS1に基づいて同期位相生成回路1219によって生成され、位相比較器1216による位相差の検出に利用される。合成キャリア信号位相値は、合成キャリア信号CS1の位相(同期位相生成回路1219から出力される積算値の波形の位相)の値に相当する。なお、上記の同期位相生成回路1219と位相比較器1216は機能を分離した事例であるが、これに制限されず、同期位相生成回路1219と位相比較器1216は一体化されていてもよい。
疑似乱数の種は、周期Tに併せて所定の更新規則に従い更新されており、このとき疑似乱数の種の識別番号が#0ではない#kであるとする。例えば、疑似乱数の種の識別番号を、周期Tごとに単調に増加させる。
時刻t31から時刻t32まで、リセット信号生成部153は、リセット信号をHレベルにして活性化させる。リセット信号生成部153は、活性化したリセット信号を電流制御回路121Aと、電流制御回路122Aと、電流制御回路12NAとに供給する。
例えば、電流制御回路121Aの乱数生成部1515は、時刻t31にリセット信号を受けて、内部変数である疑似乱数の種を識別番号#0に関連付けられた初期値にする。このとき、乱数生成部1515は、リセット信号によらずに識別番号#kの乱数の出力を続ける。乱数生成部1515は、これに応じて、初期値に設定された疑似乱数の種に基づいて識別番号#0の疑似乱数を生成する。乱数生成部1515は、疑似乱数の更新タイミングの時刻t33になると、識別番号#kの乱数の出力を止めて、識別番号#0の疑似乱数を出力する。乱数生成部1515は、疑似乱数の更新タイミングの時刻t34になると、識別番号#1の疑似乱数を生成し、識別番号#0の乱数の出力を止めて、識別番号#1の疑似乱数を出力する。
上記の疑似乱数の種の初期化は、電流制御回路122Aと、電流制御回路12NAにおいても同じタイミングに実施される。これにより、電流制御回路121Aと、電流制御回路122Aと、電流制御回路12NAにおける疑似乱数を揃えることができる。
なお、上記のように、リセット信号が活性化されても、キャリア同期信号計数値の計数に影響がなく、キャリア同期信号CSSの連続性は維持される。
上記の実施形態によれば、電流制御回路121Aは、リセット信号に基づいて疑似乱数の種を初期化した識別番号#0の第1疑似乱数を用いて第1搬送波と第2搬送波とを切り替える。電流制御回路122Aは、リセット信号に基づいて疑似乱数の種を初期化した識別番号#0の第2疑似乱数を用いて第3搬送波と第4搬送波とを切り替える。上記のように、電流制御回路121Aと電流制御回路122Aは、共通するリセット信号に基づいて疑似乱数の種を初期化し、その後も疑似乱数の更新するタイミングを揃えることにより、上記の第1疑似乱数と第2疑似乱数の値を揃えることができる。第1搬送波と第2搬送波の切替は、疑似乱数に基づいて決定される。同じ値の疑似乱数を用いて第3搬送波と第4搬送波を切り替えることにより、第1搬送波と第2搬送波の切替と第3搬送波と第4搬送波の切替を揃えることができる。
(第3の実施形態)
図14と図15とを参照して、第3の実施形態について説明する。
図14は、実施形態のキャリア同期信号CSSの周期Tを単調に変化させる制御について説明するための図である。
多相電動機駆動装置1に代わる多相電動機駆動装置1B(不図示)は、キャリア同期信号CSSの周期Tを制御により調整する。
例えば、同期信号生成部152は、図示されない上位装置からの指令を受けて、その指令に基づいてキャリア同期信号CSSの周期Tを決定する。例えば、上位装置は、キャリア同期信号CSSの周期Tを更新する際のその目標値として周期Tbを指定する。同期信号生成部152は、例えば、周期Taに維持されている際に、同期信号の周期Tの目標値として周期Tbの指定を受けると、周期Tの変化率が予め定められた制限値を超えないように、周期Taから周期Tbまで変化させる。
図15は、実施形態のキャリア同期信号CSSの周期Tを調整する動作モードについて説明するための図である。図15の上段に、キャリア同期信号CSSの周期Tを周期Taにした状態を示し、下段に周期Tbにした場合を示す。各段に示す信号は、前述の図7と図8と同様である。
上記のようにキャリア同期信号CSSの周期Tを変化させると、電流制御回路12iは、これに応じて合成キャリア信号CSの周期をキャリア同期信号CSSの周期に合わせるように調整する。これにより、単相インバータ10i(電流制御回路12i)に対して搬送波周波数の生成に関する指令を個別に指示することなく、PWM制御における搬送波の周波数帯を変更することができる。なお、キャリア同期信号CSSとしてキャリア同期信号CSS1とキャリア同期信号CSS2とを供給する場合であっても、互いの周期が等しく、互いの位相を揃えることで上記と同様の結果が得られる。
PWM制御の場合、高調波成分は、高調波の中心周波数の側帯波が発生する。上記の搬送波周波数を変化させると、これに伴い側帯波を含む周波数帯も変化する。
上記のキャリア同期信号CSSの周期Tの制御を、下記の事例に適用できる。例えば、多相電動機3の回転周波数に依存する機械的共振ポイントが生じる場合に、その機械的共振ポイントが多相電動機3の回転周波数に比例することがある。上記の事象が生じる場合であっても、機械的共振ポイントにおける共振を避けるようにキャリア同期信号CSSの周期Tを変更することにより、機械的共振ポイントを避けることができる。
実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏することのほか、キャリア同期信号CSSの周期Tを調整することにより、高調波成分の周波数帯を調整することができる。
(第4の実施形態)
図16を参照して、第4の実施形態について説明する。
多相電動機駆動装置1に代わる第4の実施形態の多相電動機駆動装置1C(不図示)は、3種類以上の搬送波周波数の搬送波を含む合成キャリア信号を利用する。
キャリア制御回路150は、前述の第2の動作モードにおける対象の搬送波周波数を3種類以上にして、各電流制御回路12iを制御してもよい。
例えば、電流制御回路121は、周波数選択信号FSSに基づいて、少なくともキャリア同期信号CSS1を用いて生成された、上述の第1搬送波と第2搬送波と、第3の搬送波周波数の第3搬送波との中から何れかの搬送波を選択して、選択された搬送波を含む合成キャリア信号CS1(第3合成搬送波)を生成する。
電流制御回路122は、周波数選択信号FSSに基づいて、少なくともキャリア同期信号CSS2を用いて生成された、上述の第1搬送波と第2搬送波と、第3の搬送波周波数の第3搬送波との中から何れかの搬送波を選択して、選択された搬送波を含む合成キャリア信号CS2(第4合成搬送波)を生成する。
電流制御回路12Nについても同様である。
図16は、実施形態の3種類以上の搬送波周波数の搬送波を切り替える動作モードについて説明するための図である。
例えば、時刻t11から時刻t12までの期間は、周期Tである。周波数選択信号は、f1、f2、f3の3値以上を識別可能にする。例えば、周期T内で、周波数選択信号を3値に遷移させることにより、周期T内に搬送波周波数f1と搬送波周波数f2と搬送波周波数f3との何れかが択一的に選択される。それゆえ、第1搬送波と第2搬送波と第3搬送波とがそれぞれ1波以上存在することになる。図16の上段に示す切替パターンの周期T内に存在する搬送波は3種類になる。搬送波周波数f2と搬送波周波数f3は、搬送波周波数f1の整数倍であるとする。
実施形態によれば、3種類以上の搬送波周波数の搬送波を切り替える動作モードで制御する場合においても、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
(第4の実施形態の変形例)
第4の実施形態の変形例について説明する。第4の実施形態では、第2の動作モードによる制御について説明したが、これに代えて本変形例では、第3の動作モードによる制御を適用する場合について説明する。
前述の図16の上段に示す切替パターンと下段に示す切替パターンは、キャリア同期信号CSSの周期Tが等しい。下段に示す切替パターンは、2種類の搬送波周波数を含む切替パターンである。
キャリア制御回路150は、本変形例に示すように前述の第3の動作モードの要領に従い切替パターンを選択することで、3種類の搬送波周波数を含む切替パターンと、2種類の搬送波周波数を含む切替パターンとを切り替えることができる。
(シミュレーションによる検証)
図17を参照して、実施形態の高調波成分の分散について説明する。図17は、実施形態の高調波成分の分散の状況について説明するための図である。多相電動機駆動装置1の出力をシミュレーションによって生成し、その際の出力に含まれる周波数成分を図17に示す。
前述のとおり、多相電動機駆動装置1の主回路111等は、フルブリッジ型である。そのため、搬送波周波数fcの搬送波を用いてPWM制御を実施すると、搬送波周波数fcの偶数倍の周波数の近傍に、側帯波によるスペクトルの分布が生じる。
多相電動機駆動装置1は、複数の搬送波周波数を用いたPWM制御を実施する。これにより、単独の搬送波周波数fcを用いたPWM制御に比べて、複数の搬送波周波数における下限の搬送波周波数と上限の搬送波周波数の間の周波数帯にスペクトルが分散する。
比較例の場合、PWM制御に単一の搬送波周波数を用いる。単に、多相電動機3のPWM制御に、単一の搬送波周波数を用いて、搬送波の位相が揃うように整合させる方式を適用すると、多相電動機駆動装置の出力に特定の周波数成分が突出する傾向がみられる。
これに対し、本実施形態の多相電動機駆動装置1は、搬送波の位相が揃うように整合させていても、複数の搬送波周波数を用いることで、図17に示すように広範の周波数帯域に成分を分散させることができる。特定の周波数成分に突出する傾向を低減させることによって、単相インバータ10iの出力に含まれる高調波成分のピーク値をより平坦化させることができる。
少なくとも上記の実施形態によれば、多相電動機駆動装置1は、主回路111と、主回路112と、電流制御回路121と、電流制御回路122と、キャリア制御回路150と、を備える。多相電動機3は、少なくとも第1巻線と第2巻線とが含まれる複数の巻線を備え、各巻線相互間は電気的に絶縁され、かつ磁気的に結合される。主回路111は、前記第1巻線に接続され、PWM方式により変調された第1PWM信号に基づいて前記第1巻線に交流電力を供給する。主回路112は、前記第2巻線に接続され、PWM方式により変調された第2PWM信号に基づいて前記第2巻線に交流電力を供給する。電流制御回路121は、主回路111に対応付けて設けられ、第1同期信号に同期するように生成された第1の搬送波周波数の第1搬送波とキャリア同期信号CSS1に同期するように生成された第2の搬送波周波数の第2搬送波とを時分割で合成した合成キャリア信号CS1を用いて前記多相電動機の第1相の基準信号を変調することによって得られた前記第1PWM信号を前記主回路111に供給する。電流制御回路122は、主回路112に対応付けて設けられ、第2同期信号に同期するように生成された第1の搬送波周波数の第3搬送波とキャリア同期信号CSS2に同期するように生成された第2の搬送波周波数の第4搬送波とを時分割で合成した合成キャリア信号CS2を用いて多相電動機3の第2相の基準信号を変調することによって得られた前記第2PWM信号を主回路112に供給する。キャリア制御回路150は、前記第1同期信号を前記電流制御回路121に供給し、前記第1同期信号に同期する前記第2同期信号を前記電流制御回路122に供給し、合成キャリア信号CS1と前記第2合成キャリア信号CS2が同じ波形になるように前記電流制御回路121と前記電流制御回路122とを制御する。これにより、単相インバータ10iの出力に含まれる高調波成分のピーク値をより平坦化することができる。
上記の多相電動機駆動装置1の電流制御回路12i、12iAとは、その少なくとも一部を、CPUなどのプロセッサがプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部で実現してもよく、全てをLSI等のハードウェア機能部で実現してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、主回路11iは、電流制御回路12i、12iAと別体であってよい。
第3の実施形態と第4の実施形態について、図1と図3を例示して説明したが、これに制限されることなく、図8と図9に適用してもよい。
上記の説明の多相電動機3の相数は、実施形態に制限されない。
1、1A、1B、1C…多相電動機駆動装置、2…直流電源、3…多相電動機、10、10A…制御装置、101、102、10N、10i…単相インバータ、150、150A…キャリア制御回路(共通制御部)、160…速度位相制御回路(共通制御部)、170…回転角度検出器、111…主回路(第1主回路)、112…主回路(第2主回路)、11N、11i…主回路、121、121A…電流制御回路(第1制御部)、122、122A…電流制御回路(第2制御部)、12N、12NA、12i、12iA…電流制御回路、1215…PWM制御回路(第1PWMユニット)、1216…位相比較器(第1位相比較器)、1217…キャリア周波数生成回路(第1キャリア周波数生成ユニット)、1218…キャリア周波数切替回路(第1キャリア周波数切替ユニット)、1219…同期位相生成回路、1225…PWM制御回路(第2PWMユニット)、1226…位相比較器(第2位相比較器)、1227…キャリア周波数生成回路(第2キャリア周波数生成ユニット)、1228…キャリア周波数切替回路(第2キャリア周波数切替ユニット)、1229…同期位相生成回路、12N5…PWM制御回路(第NPWMユニット)、12N6…位相比較器(第N位相比較器)、12N7…キャリア周波数生成回路(第Nキャリア周波数生成ユニット)、12N8…キャリア周波数切替回路(第Nキャリア周波数切替ユニット)、12N9…同期位相生成回路、131、132、13N…コンデンサ、141、142、14N…電流センサ、151、151A…遷移確率選択部、152…同期信号生成部、153…リセット信号生成部(リセット信号生成ユニット)、155…乱数生成部(乱数生成ユニット)、156…遷移判定部(判定ユニット)、157…周波数選択指示部(選択指示ユニット)、1515…乱数生成部(第1乱数生成ユニット)、1525…乱数生成部(第2乱数生成ユニット)、15N5…乱数生成部(第N乱数生成ユニット)、1516…遷移判定部(第1判定ユニット)、1526…遷移判定部(第2判定ユニット)、15N6…遷移判定部(第N判定ユニット)、1517…周波数選択指示部(第1選択指示ユニット)、1527…周波数選択指示部(第2選択指示ユニット)、15N7…周波数選択指示部(第N選択指示ユニット)

Claims (18)

  1. 少なくとも第1巻線と第2巻線とが含まれる複数の巻線を備え、各巻線相互間は電気的に絶縁され、かつ磁気的に結合される多相電動機と、
    前記第1巻線に接続され、単相パルス幅変調(以下、PWMという。)方式により変調された第1PWM信号に基づいて前記第1巻線に交流電力を供給する第1主回路と、
    前記第2巻線に接続され、PWM方式により変調された第2PWM信号に基づいて前記第2巻線に交流電力を供給する第2主回路と、
    前記第1主回路に対応付けて設けられ、第1同期信号に同期するように生成された第1の搬送波周波数の第1搬送波と前記第1同期信号に同期するように生成された第2の搬送波周波数の第2搬送波とを時分割で合成した第1合成搬送波を用いて前記多相電動機の第1相の基準信号を変調することによって得られた前記第1PWM信号を前記第1主回路に供給する第1制御部と、
    前記第2主回路に対応付けて設けられ、第2同期信号に同期するように生成された第1の搬送波周波数の第3搬送波と前記第2同期信号に同期するように生成された第2の搬送波周波数の第4搬送波とを時分割で合成した第2合成搬送波を用いて前記多相電動機の第2相の基準信号を変調することによって得られた前記第2PWM信号を前記第2主回路に供給する第2制御部と、
    前記第1同期信号を前記第1制御部に供給し、前記第1同期信号に同期する前記第2同期信号を前記第2制御部に供給し、前記第1合成搬送波と前記第2合成搬送波が同じ波形になるように前記第1制御部と前記第2制御部とを制御する共通制御部と、
    を備える多相電動機駆動装置。
  2. 前記第1制御部は、
    前記供給された第1同期信号の位相と前記第1合成搬送波の位相とを比較して第1比較結果を出力する第1位相比較器を備え、
    前記位相の第1比較結果に基づいて、前記供給された第1同期信号の位相に整合するように、前記第1合成搬送波の位相を調整し、
    前記第2制御部は、
    前記供給された第2同期信号の位相と前記第2合成搬送波の位相とを比較して第2比較結果を出力する第2位相比較器を備え、
    前記位相の第2比較結果に基づいて、前記供給された第2同期信号の位相に整合するように、前記第2合成搬送波の位相を調整する、
    請求項1記載の多相電動機駆動装置。
  3. 前記第1制御部は、
    前記第1比較結果に基づいて前記第1の搬送波周波数を第1所定量調整し、前記第2の搬送波周波数を第2所定量調整する第1キャリア周波数生成ユニットと、
    前記第1所定量調整された前記第1の搬送波周波数の第1搬送波と、前記第2所定量調整された前記第2の搬送波周波数の第2搬送波の何れかに、前記共通制御部の制御に応じて切り替えて前記第1合成搬送波を出力する第1キャリア周波数切替ユニットと、
    前記第1合成搬送波を用いて、前記多相電動機の第1相の基準信号を変調する第1PWMユニットと、
    を備える請求項2記載の多相電動機駆動装置。
  4. 前記第2制御部は、
    前記第2比較結果に基づいて前記第1の搬送波周波数を第3所定量調整し、前記第2の搬送波周波数を第4所定量調整する第2キャリア周波数生成ユニットと、
    前記第3所定量調整された前記第1の搬送波周波数の第3搬送波と、前記第4所定量調整された前記第2の搬送波周波数の第4搬送波の何れかに、前記共通制御部の制御に応じて切り替えて前記第2合成搬送波を出力する第2キャリア周波数切替ユニットと、
    前記第2合成搬送波を用いて、前記多相電動機の第2相の基準信号を変調する第2PWMユニットと、
    を備える請求項2又は請求項3記載の多相電動機駆動装置。
  5. 前記共通制御部は、
    疑似乱数を生成する乱数生成ユニットと、
    所定の確率で前記第1搬送波と前記第2搬送波が遷移するように、前記生成された疑似乱数を用いて前記第1搬送波と前記第2搬送波とを切り替える順序を決定する判定ユニットと、
    前記切り替えの順序に従い、前記第1搬送波と前記第2搬送波との切り替えを指示する選択信号を出力する選択指示ユニットと、
    を備える請求項1から請求項4の何れか1項記載の多相電動機駆動装置。
  6. 前記共通制御部は、
    前記第1合成搬送波に含まれる前記第1搬送波と前記第2搬送波とを切り替える順序と前記第2合成搬送波に含まれる前記第3搬送波と前記第4搬送波とを切り替える順序とを整合させて前記第1合成搬送波と前記第2合成搬送波を同じ波形にするための周波数選択信号を、前記第1制御部と前記第2制御部とに供給する、
    前記第1制御部は、
    前記供給された周波数選択信号に基づいて、前記第1同期信号を用いて生成された前記第1搬送波と前記第2搬送波とを切り替えて前記第1合成搬送波を得て、
    前記第2制御部は、
    前記供給された周波数選択信号に基づいて、前記第2同期信号を用いて生成された前記第3搬送波と前記第4搬送波とを切り替えて前記第2合成搬送波を得る、
    請求項1から請求項5の何れか1項記載の多相電動機駆動装置。
  7. 前記共通制御部は、
    前記第1合成搬送波と前記第2合成搬送波を揃える際にリセット信号を活性化して、前記第1制御部と前記第2制御部とに供給するリセット信号生成ユニット
    を備え、
    前記第1制御部は、
    前記供給されたリセット信号に基づいて疑似乱数の種を初期化した第1疑似乱数を用いて、前記第1搬送波と前記第2搬送波とを切り替え、
    前記第2制御部は、
    前記供給されたリセット信号に基づいて疑似乱数の種を初期化した第2疑似乱数を用いて、前記第3搬送波と前記第4搬送波とを切り替える、
    請求項1から請求項4の何れか1項記載の多相電動機駆動装置。
  8. 前記第1制御部は、
    前記第1疑似乱数を生成する第1乱数生成ユニットと、
    所定の確率で前記第1搬送波と前記第2搬送波が遷移するように、前記第1疑似乱数を用いて前記第1搬送波と前記第2搬送波の第1切替順を決定する第1判定ユニットと、
    前記第1切替順に従い、前記第1搬送波と前記第2搬送波との切り替えを指示する第1選択信号を出力する第1選択指示ユニットと、
    を備える請求項7記載の多相電動機駆動装置。
  9. 前記第2制御部は、
    前記第2疑似乱数を生成する第2乱数生成ユニットと、
    所定の確率で前記第3搬送波と前記第4搬送波が遷移するように、前記第2疑似乱数を用いて前記第3搬送波と前記第4搬送波の第2切替順を決定する第2判定ユニットと、
    前記第2切替順に従い、前記第3搬送波と前記第4搬送波との切り替えを指示する第2選択信号を出力する第2選択指示ユニットと、
    を備える請求項7又は請求項8記載の多相電動機駆動装置。
  10. 前記共通制御部は、
    前記第1合成搬送波と前記第2合成搬送波を揃えるための同期信号を生成し、前記生成した同期信号を前記第1同期信号と前記第2同期信号として出力する、
    請求項1から請求項9の何れか1項記載の多相電動機駆動装置。
  11. 前記第1同期信号と前記第2同期信号は、互いの周期が等しく、互いの位相が揃っている、
    請求項1から請求項10の何れか1項記載の多相電動機駆動装置。
  12. 前記第1制御部は、
    前記第1合成搬送波に含まれる前記第1搬送波と前記第2搬送波を、前記第1同期信号の位相に整合させるように生成し、
    前記第2制御部は、
    前記第2合成搬送波に含まれる前記第3搬送波と前記第4搬送波を、前記第2同期信号の位相に整合させるように生成する、
    請求項1から請求項11の何れか1項記載の多相電動機駆動装置。
  13. 前記第1合成搬送波として出力する搬送波が前記第1搬送波と前記第2搬送波の何れかに確定し、前記出力することが確定した搬送波の次に出力する搬送波が未確定である場合に、前記次に出力する搬送波を選択する条件が予め規定され、
    前記第1制御部は、
    前記規定された条件に従い、前記次に出力する搬送波を前記第1搬送波と前記第2搬送波の中から選択する、
    請求項1から請求項12の何れか1項記載の多相電動機駆動装置。
  14. 前記共通制御部は、
    前記第1同期信号の周期に含まれる前記第1搬送波の第1波数と前記第2搬送波の第2波数とが所望の確率によって規定される波数になるように、前記第1搬送波と前記第2搬送波を切り替え、
    前記第2同期信号の周期に含まれる前記第3搬送波の第3波数と前記第4搬送波の第4波数とが前記所望の確率によって規定される波数になるように、前記第3搬送波と前記第4搬送波を切り替える、
    請求項1から請求項13の何れか1項記載の多相電動機駆動装置。
  15. 前記共通制御部は、
    前記第1搬送波の1周期分を単位にし、前記第2搬送波の1周期分を単位にして、前記第1同期信号の周期内に少なくとも前記第1搬送波と前記第2搬送波とを並べた第1切替パターンと、前記第1同期信号の周期内に前記第1搬送波が配置される位置が前記第1切替パターンとは異なる第2切替パターンとに関する切替パターンを記憶領域に格納し、前記切替パターンに関連する識別情報を用いて前記第1切替パターンと前記第2切替パターンとの切り替えを指示し、
    前記第1切替パターンと前記第2切替パターンは、前記第1同期信号の周期に対して前記第1搬送波が含まれる比率が所望の値を満たすものであり、
    前記第1同期信号の周期と前記第2同期信号の周期は同一である、
    請求項5又は請求項6記載の多相電動機駆動装置。
  16. 前記共通制御部は、
    前記第1搬送波の1周期分と前記第2搬送波の1周期分とを単位にして、前記第1同期信号の周期内に前記第1搬送波と前記第2搬送波を並べた第1切替パターンと第2切替パターンとに関するパターン識別情報を記憶領域に格納し、前記パターン識別情報を用いて前記第1切替パターンと前記第2切替パターンとを切り替えを指示し、
    前記第1同期信号の周期と前記第2同期信号の周期は同一であり、
    前記第1切替パターンと前記第2切替パターンは、前記第1同期信号の1周期に含まれる前記第1搬送波の第1波数と前記第2搬送波の第2波数とに基づき定まる前記第1搬送波が占める時間と前記第2搬送波の占める時間の時間比率が所望の確率を満たし、
    前記第1切替パターンにおける前記第1搬送波と前記第2搬送波が並ぶ順と、前記第2切替パターンにおける前記第1搬送波と前記第2搬送波が並ぶ順は、互いに異なる、
    請求項5又は請求項6記載の多相電動機駆動装置。
  17. 前記第1制御部は、
    前記第1合成搬送波に代えて、前記第1同期信号を用いて生成された前記第1搬送波と前記第2搬送波と第3の搬送波周波数の第3搬送波とを切り替えて第3合成搬送波を得る、
    前記第2制御部は、
    前記第2合成搬送波に代えて、前記第2同期信号を用いて生成された前記第1搬送波と前記第2搬送波と第3の搬送波周波数の第3搬送波とを切り替えて第4合成搬送波を得る、
    請求項1から請求項16の何れか1項記載の多相電動機駆動装置。
  18. 少なくとも第1巻線と第2巻線とが含まれる複数の巻線を備える多相電動機において、各巻線相互間は電気的に絶縁され、かつ磁気的に結合される多相電動機の制御装置であって、
    前記第1巻線に接続される第1主回路に対応付けて設けられ、第1同期信号に同期するように生成された第1の搬送波周波数の第1搬送波と前記第1同期信号に同期するように生成された第2の搬送波周波数の第2搬送波とを時分割で合成した第1合成搬送波を用いて前記多相電動機の第1相の基準信号を変調することによって得られた第1PWM信号を前記第1主回路に供給する第1制御部と、
    前記第2巻線に接続される第2主回路に対応付けて設けられ、第2同期信号に同期するように生成された第1の搬送波周波数の第3搬送波と前記第2同期信号に同期するように生成された第2の搬送波周波数の第4搬送波とを時分割で合成した第2合成搬送波を用いて前記多相電動機の第2相の基準信号を変調することによって得られた第2PWM信号を前記第2主回路に供給する第2制御部と、
    前記第1同期信号を前記第1制御部に供給し、前記第1同期信号に同期する前記第2同期信号を前記第2制御部に供給し、前記第1合成搬送波と前記第2合成搬送波が同じ波形になるように前記第1制御部と前記第2制御部とを制御する共通制御部と、
    を備える制御装置。
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