JP2021002337A - タッチパネル - Google Patents

タッチパネル Download PDF

Info

Publication number
JP2021002337A
JP2021002337A JP2020098638A JP2020098638A JP2021002337A JP 2021002337 A JP2021002337 A JP 2021002337A JP 2020098638 A JP2020098638 A JP 2020098638A JP 2020098638 A JP2020098638 A JP 2020098638A JP 2021002337 A JP2021002337 A JP 2021002337A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
electrodes
resistance
pattern
change
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020098638A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6877861B2 (ja
JP2021002337A5 (ja
Inventor
裕次 渡津
Yuji Totsu
裕次 渡津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissha Co Ltd
Original Assignee
Nissha Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissha Co Ltd filed Critical Nissha Co Ltd
Priority to CN202080031910.XA priority Critical patent/CN113748403B/zh
Priority to PCT/JP2020/022805 priority patent/WO2020255816A1/ja
Priority to US17/596,190 priority patent/US11762517B2/en
Priority to KR1020217027427A priority patent/KR20220022109A/ko
Publication of JP2021002337A publication Critical patent/JP2021002337A/ja
Publication of JP2021002337A5 publication Critical patent/JP2021002337A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6877861B2 publication Critical patent/JP6877861B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 感圧機能付きタッチパネルにおいて、温度変化に起因する抵抗変化の問題を解決することで、押圧力を正確に測定できるようにする。
【解決手段】 本発明に係るタッチパネル5は、パネル部材10と、パネル部材10のビューエリアに対応する位置において、互いに平行に配置され、被検知物の近接/離間に応じて容量が変化する複数の第1電極22と、複数の第1電極22と交差し、互いに平行に配置され、第1電極22同様に容量が変化する複数の第2電極32と、複数の第1電極22又どうしまたは複数の第2電極32どうしの間に平行に配置され、姿勢変化および温度変化に応じて電気抵抗が変化する複数の第3電極42と、複数の第3電極42のそれぞれに沿って延在するように配置され、第3電極42同様に電気抵抗が変化する複数の第4電極82と、を備え、第4電極82の温度変化による抵抗変化率は第3電極42と同じであり、第4電極82の姿勢変化による抵抗変化率は第3電極42の90%以下である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ユーザーが指またはスタイラス等で操作面をタッチしたときに、操作面上の押圧位置に加えて、押圧力をも検出することができるタッチパネル(感圧機能付きタッチパネル)に関する。
上記のようなタッチパネルとして、特許文献1に記載された機器が知られている。特許文献1の機器は、ストライプ状に形成された電極2c,2dを有する一対のポリエステルフイルム基板2a,2bがドット状のスペーサを介して対向配置された構成のタッチパネル2を備えている(特許文献1の図2を参照)。そして、この可撓性を有するタッチパネル2が、平面状の感圧センサ1上に密着するように重ねて配置されている(特許文献1の図1を参照)。
特許文献1の機器では、タッチパネル2の操作面をユーザーが指等でタッチすると、当該タッチ部分に位置する電極2c,2dどうしが接触して導通する。これを利用して、電極2c,2dの交点位置が、操作面上の押圧位置として検出される。また、その際、可撓性を有するタッチパネル2は、押圧位置のみにおいて部分的に変形して感圧センサ1を押圧するので、感圧センサ1からの出力値に応じて操作面に対する押圧力が検出される。これにより、操作面上での位置情報と押圧力情報とを同時に入力することが可能となっている。
しかし、特許文献1の機器では、操作面上の押圧位置を検出するためのタッチパネル2と操作面に対する押圧力を検出するための感圧センサ1とが別部材として構成され、さらにこれらは厚み方向に直列的に積層されている。このため、機器全体としての厚みが大きいという課題があった。
そこで、感圧機能を有するとともに薄型のタッチパネルも提案された(特許文献2)。特許文献2のタッチパネルでは、弾性変形可能なパネル部材10と、X軸方向に並ぶように配置され、被検知物の近接/離間に応じて自己容量または相互容量が変化する第1電極22と、Y軸方向に並ぶように配置され、被検知物の近接/離間に応じて自己容量または相互容量が変化する第2電極32と、第1電極22どうしの間または第2電極32どうしの間に配置され、姿勢変化に応じて電気抵抗が変化する第3電極42と、を備える(特許文献2の図3を参照)。
特許文献2の構成によれば、操作面に対する押圧力を検出するための第3電極42が、操作面上の押圧位置を検出するための第1電極22および第2電極32のうちのいずれかの間に配置される。つまり、X軸方向に互いに隣接する第1電極22どうしの間の領域、または、Y軸方向に互いに隣接する第2電極32どうしの間の領域を有効利用して、第3電極42が、第1電極22および第2電極32のうちのいずれかと同一平面状に配置される。よって、第1電極22および第2電極32を備える静電容量方式のタッチパネルに感圧機能を付与するために第3電極42を追加する場合であっても、機器全体としての厚みは増大しない。
特開平5−61592号公報 特開平2015−041160号公報
しかし、特許文献2のタッチパネルでは、温度変化が生じたときに、操作面に対する押圧力を検出するための第3電極42の電気抵抗がこの温度変化によっても変化してしまう。このため第3電極42の姿勢変化を伴わない押圧であっても押圧力を検出してしまい、正確な押圧を検出できないという課題があった。
温度変化は、操作面に指が接触したときの指の熱が、第3電極42に伝わることによって生じる。
本発明の目的は、感圧機能付きタッチパネルにおいて、温度変化に起因する抵抗変化の問題を解決することで、押圧力を正確に測定できるようにすることにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係るタッチパネルは、パネル部材と、第1電極と、第2電極と、第3電極と、第4電極とを備えている。
パネル部材は、操作面を有するとともに弾性変形可能である。
第1電極は、パネル部材における操作面とは反対側に第1方向(例えばX軸方向)に所定間隔を隔てて並ぶように互いに平行に複数配置され、被検知物の近接/離間に応じて自己容量または相互容量が変化する。
第2電極は、複数の第1電極と対向し、かつ、第1方向に交差する第2方向(例えばY軸方向)に所定間隔を隔てて並ぶように互いに平行に配置され、被検知物の近接/離間に応じて自己容量または相互容量が変化する。
第3電極は、複数の第1電極どうしの間に第1方向に並ぶように互いに平行に配置され、または、複数の第2電極どうしの間に第2方向に並ぶように互いに平行に配置され、姿勢変化および温度変化に応じて電気抵抗が変化する。
第4電極は、複数の第3電極のそれぞれに沿って延在するように配置され、姿勢変化および温度変化に応じて電気抵抗が変化する。
また、第4電極の温度変化による抵抗変化率は、第3電極の温度変化による抵抗変化率と同じである。
また、第4電極の姿勢変化による抵抗変化率は、常温での姿勢変化中において、第3電極の姿勢変化による抵抗変化率の90%以下である。
本願において、第1電極および第2電極についての「自己容量」とは、各電極単独での静電容量(self capacitance)を表す。また、「相互容量」とは、第1電極と第2電極との間の静電容量(mutual capacitance)を表す。
この特徴構成によれば、従来からある静電容量方式のタッチパネルと同様に、パネル部材の操作面に接触または近接するユーザーの指等の位置(“タッチ位置”と称する)を判定することができる。つまり、第1電極および第2電極のそれぞれの自己容量の変化、または第1電極と第2電極との間の相互容量の変化に基づき、操作面におけるX−Y座標系でのタッチ位置を適切に決定することができる。
また、パネル部材の操作面をユーザーが指等でタッチすると、当該パネル部材は弾性変形し、それに伴って1つ以上の第3電極および第4電極も変形する。このとき、第3電極および第4電極は、その変形(姿勢変化)に応じて電気抵抗が変化するが、同時に温度変化に応じても電気抵抗が変化する。
しかし、第4電極の温度変化による抵抗変化率が第3電極の温度変化による抵抗変化率と同じであり、第4電極の姿勢変化による抵抗変化率が、常温での姿勢変化中において、第3電極の姿勢変化による抵抗変化率の90%以下であるので、第3電極の温度変化に起因する電気抵抗の変化を含む検出結果を補正(温度補償)することができる。すなわち、第3電極の電気抵抗の変化と、第3電極のそれぞれに沿って延在するように配置された第4電極の電気抵抗の変化を検出する。そして、押圧時において、第3電極の抵抗変化率と、第3電極近傍に位置し、かつ、第3電極より抵抗変化率の小さい第4電極の抵抗変化率との差を得ることで、当該差に応じて操作面に対する押圧力の大きさを適切に決定することができる。
また、抵抗変化が検出された第3電極を特定することで、操作面上でのX軸方向またはY軸方向に沿った押圧位置毎の押圧力を決定することもできる。
以下、本発明の好適な態様について説明する。
1つの態様として、第3電極および第4電極が以下のパターンであると好適である。
すなわち、第3電極のパターンは、直線パターンである。
一方、第4電極のパターンは、第4電極を構成する抵抗線が平面視でジグザグ状に折り返されたパターンである。第4電極のパターンは、互いに平行に形成されている複数の重複部分を有している。また、複数の重複部分の並び方向が第4電極の延在方向に一致する。
この構成によれば、第4電極は、当該第4電極の伸び方向に垂直な複数の重複部分では姿勢変化に応じた電気抵抗の変化が生じず、重複部分どうしを接続する折り返し部分のみで姿勢変化に応じた電気抵抗の変化が生じるよって、第3電極と第4電極が同じ材料であっても、押圧時に検出される第4電極の抵抗変化率が、直線パターンである第3電極の抵抗変化率に比べて小さくなる。すなわち、パターンの違いだけで、押圧時の第3電極の抵抗変化率と第4電極の抵抗変化率との差を生じさせることができる。
なお、第3電極は、第4電極のように延在方向に直交する方向の幅を取らないので、第2電極、第3電極および第4電極を詰めて並べることができる。その結果、押圧位置および押圧力の検出精度を高めることができる。
1つの態様として、第4電極を構成する平面視でジグザグ状に折り返された抵抗線の幅を、重複部分で細く、重複部分どうしを接続する折り返し部分では太くすると好適である。
この構成によれば、第4電極を構成する抵抗線の折り返し部分の幅を重複部分に比べて太くすることにより、押圧時に検出される第4電極の抵抗変化率が、重複部分と折り返し部分が同幅の場合に比べて小さくなる。よって、押圧時の第3電極の抵抗変化率と第4電極の抵抗変化率の差が大きくなるため、さらにより正確な検出が容易となる。
一方、第4電極を構成する抵抗線の幅が折り返し部分では太いので、応力集中に対して折り返し部分の耐久性が上がる。
1つの態様として、第1電極乃至第4電極が以下のパターンであると好適である。
すなわち、第1電極および第2電極のうち第3電極および第4電極と同一面に形成された電極のパターンが、メッシュパターンである。具体的には、メッシュパターンは、X軸方向およびY軸方向の細線からなる矩形状の格子目を有する。第4電極のパターンの隣接する一組の重複部分を対辺とする矩形状の領域と、メッシュパターンの格子目とは、同一または近似サイズ、かつ、同一または近似サイズである。
また、メッシュパターンである電極と、第3電極と、第4電極とが、近接している。
さらに、格子目および矩形状の領域が、全体として規則正しく配列されている、
この構成によれば、第1電極および第2電極のうち第3電極および第4電極と同一面に形成された電極のパターンが、メッシュパターンであるので、タッチパネルの視認性に優れる。
さらに、第4電極のパターンの隣接する一組の重複部分を対辺とする矩形状の領域が、メッシュパターンの格子目と視覚的に同化するため、電極のパターンが視認される現象、いわゆる骨見え現象を抑制することできる。
1つの態様として、第1電極乃至第4電極が以下のパターンであると好適である。
すなわち、第3電極のパターンは、第3電極を構成する抵抗線が平面視でジグザグ状に折り返されたパターンである。第3電極のパターンは、互いに平行に形成されている複数の重複部分を有している。また、複数の重複部分の並び方向が前記第3電極の延在方向に一致する。
一方、第4電極のパターンは、第4電極を構成する抵抗線が平面視でジグザグ状に折り返されたパターンである。第4電極のパターンは、互いに平行に形成されている複数の重複部分を有している。また、複数の重複部分の並び方向が第4電極の延在方向に一致するパターンである。なお、第3電極のパターンと第4電極のパターンの折り返しは、同調した周期を有する。
さらに、第1電極および第2電極のうち第3電極および第4電極と同一面に形成された電極のパターンが、メッシュパターンである。具体的には、メッシュパターンは、X軸方向およびY軸方向の細線からなる矩形状の格子目を有する。第3電極および第4電極のパターンの隣接する一組の重複部分を対辺とする矩形状の領域と、メッシュパターンの格子目とは、同一または近似形状、かつ、同一または近似サイズである。
また、メッシュパターンである電極と、第3電極と、第4電極とが、近接している、
さらに、格子目および矩形状の領域が、全体としてX軸方向およびY軸方向に規則正しく配列されている。
この構成によれば、第1電極および第2電極のうち第3電極および第4電極と同一面に形成された電極のパターンが、メッシュパターンであるので、タッチパネルの視認性に優れる。
さらに、第3電極および第4電極のパターンの隣接する一組の重複部分を対辺とする矩形状の領域が、メッシュパターンの格子目と視覚的に同化するため、電極のパターンが視認される現象、いわゆる骨見え現象を抑制することできる。
前述の第3電極が直線パターンの態様と比べると、本態様は、第4電極のパターンの重複部分どうしを接続する折り返し部分付近で、第4電極と第3電極とが二重線(メッシュパターンの細線を含めると三重線)を構成しない。したがって、メッシュパターンの格子目との同化がより自然である。
1つの態様として、上記の骨見え現象を抑制する構成において、第3電極および第4電極のそれぞれを構成する平面視でジグザグ状に折り返された抵抗線の線幅が、以下の関係にあると好適である。
すなわち、第3電極を構成する抵抗線の線幅が、重複部分で太く、重複部分どうしを接続する折り返し部分では細い。一方、第4電極を構成する抵抗線の線幅が、重複部分で細く、重複部分どうしを接続する折り返し部分では太い。
この構成によれば、第3電極を構成する抵抗線の幅が、第4電極とは逆に、折り返し部分で細いので、折り返し部分の断面積が小さくなる。前述のように、平面視でジグザグ状に折り返された抵抗線は、複数の重複部分では姿勢変化に応じた電気抵抗の変化が生じず、重複部分どうしを接続する折り返し部分のみで姿勢変化に応じた電気抵抗の変化が生じる。よって、第3電極と第4電極が同じ材料であっても、押圧時に検出される折り返し部分が太い第4電極の抵抗変化率が、折り返し部分が細い第3電極の抵抗変化率より小さくなる。すなわち、パターンの違いだけで、押圧時の第3電極の抵抗変化率と第4電極の抵抗変化率との差を生じさせることができる。
また、前々段落に記載の第3電極または第4電極のいずれかについて、電極を構成する抵抗線の線幅が重複部分と折り返し部分とで同一幅のものに置き換えてもよい。
このように第3電極および第4電極のいずれを同一幅に置き換えた場合、第3電極と第4電極が同じ材料であっても、押圧時に検出される第4電極の抵抗変化率が、第3電極の抵抗変化率より小さくなることは変わりがない。すなわち、この場合も、パターンの違いだけで、押圧時の第3電極の抵抗変化率と第4電極の抵抗変化率との差を生じさせることができる。
1つの態様として、第3電極および第4電極のそれぞれを構成する平面視でジグザグ状に折り返された抵抗線の折り返し部分が、曲線的に折り返されていると好適である。
この構成によれば、第3電極および第4電極に伸びの力がかかるときの応力集中を緩和でき、クラックの発生を抑えることができる。
1つの態様として、第3電極および第4電極のそれぞれを構成する平面視でジグザグ状に折り返された抵抗線の折り返し部分が、直線的に折り返されていると好適である。
この構成によれば、曲線的に折り返されている構成と比べて第3電極および第4電極の延在方向に直交する方向の幅が小さくなるので、第2電極、第3電極および第4電極を詰めて並べることができる。その結果、押圧位置および押圧力の検出精度を高めることができる。
1つの態様として、第4電極が、第4電極とパターンの異なる第3電極と同じ材料を用いて構成されていると好適である。
この構成によれば、第3電極と第4電極を同時に形成することができ、工程が簡単である。
1つの態様として、複数の第3電極および複数の第4電極が、それぞれ全体として平面視でジグザグ状に形成されていると好適である。
すなわち、複数の第3電極が、互いに隣接して配置される第3電極どうしがそれらの延在方向の一方側端部と他方側端部とで交互に接続されている。
一方、複数の第4電極が、互いに隣接して配置される第4電極どうしがそれらの延在方向の一方側端部と他方側端部とで交互に接続されている。
この構成によれば、複数の第3電極が互いに接続されて全体として1本につながるので、その全体を検知対象とすることで、操作面に対する押圧力の大きさを容易に決定することができる。特に、1点のみが操作面に接触するシングルタッチの場合には、当該1点における押圧力の大きさを容易に決定することができる。シングルタッチ時にのみ感圧機能が発揮されれば良い仕様であれば、第3電極の電気抵抗を検出するための回路を大幅に簡素化することができ、低コスト化を図ることができる。
なお、複数の第4電極は、第4電極の検出結果に基づいて第3電極の検出結果を温度補償するためのものであるから、複数の第3電極と同様の接続を行なう。
1つの態様として、第3電極および第4電極が、第1電極と第2電極とのうちパネル部材とは反対側に配置される電極と同一面に形成されていると好適である。
この構成によれば、第3電極および第4電極が、第1電極、第2電極およびパネル部材の全体の中立軸からより離れた位置に配置される。このため、操作面に対して押圧力が加わって第1電極、第2電極、第3電極、第4電極およびパネル部材が一体的に弾性変形した際の、第3電極および第4電極の変形(姿勢変化)の程度が相対的に大きくなる。よって、押圧力の検出感度を高めることができ、その結果、押圧力の検出精度を高めることができる。
1つの態様として、複数の第3電極の電気抵抗を検出する第1抵抗検出部と、複数の第4電極の電気抵抗を検出する第2抵抗検出部と、第2抵抗検出部による検出結果に基づいて第1抵抗検出部による検出結果を補正する温度補償部と、第1抵抗検出部による検出結果の温度補償部による補正後の値に基づいて、前記操作面に対する押圧力を決定する押圧力決定部と、前記操作面に対する押圧力と前記非押圧状態からの電気抵抗変化量との相関関係を規定した関係情報を予め記憶した記憶部と、をさらに備え、前記押圧力決定部は、前記関係情報と実際の電気抵抗変化量とに基づいて、実際の電気抵抗変化量に応じた押圧力を決定すると好適である。
この構成によれば、第1抵抗検出部、第2抵抗検出部および温度補償部と押圧力決定部との協働により、記憶部に予め整備された関係情報に基づいて、操作面に対する押圧力を簡易かつ適切に決定することができる。
1つの態様として、押圧力決定部は、非押圧状態での電気抵抗を基準値(=0)として、操作面に対する押圧操作時に複数の第3電極の中で極大となる抵抗変化を与える第3電極の抵抗変化量に応じた押圧力を決定すると好適である。
この構成によれば、比較的単純な演算処理によって、操作面に対する押圧力を適切に決定することができる。つまり、押圧力を簡易かつ適切に決定することができる。
1つの態様として、押圧力決定部は、複数の第3電極のX軸方向またはY軸方向の位置と押圧操作時に実際に検出される抵抗との関係からX軸方向またはY軸方向の各位置における推定抵抗を求め、当該推定抵抗のピーク値に応じた押圧力を決定すると好適である。
この構成によれば、操作面に対する押圧力をより詳細に決定することができる。つまり、押圧力を高精度に決定することができる。
1つの態様として、パネル部材の形状が長方形であり、第3電極の延在方向がパネル部材の短辺と平行であってもよい。
この構成によれば、パネル部材の鉛直方向に加えられた押圧力はパネル部材の長辺の支持端に、すなわち短辺方向に多くが伝達される。そして、パネル部材の短辺と平行な第3電極と第4電極の延在方向に伸びる応力が効果的に印加されることになる。
本発明に係る感圧機能付きタッチパネルでは、温度変化に起因する抵抗変化の問題を解決することで、押圧力を正確に測定できるようになる。
感圧機能付きタッチパネルを搭載した電子機器の斜視図 図1におけるII−II断面図 タッチパネルの分解斜視図 複数の電極の接続形態の一態様を示す模式図 第3電極および第4電極からなる一対パターンの一態様を示す拡大図 各第1電極および各第2電極と制御部との接続関係を示す模式図 各第3電極および各第4電極と制御部との接続関係を示す模式図 制御部の構成を示すブロック図 温度補償部における補正の一例を示すグラフ 押圧操作に伴うタッチパネルの変形を示す模式図 押圧操作に伴って各第3電極で検知される抵抗の一例を示す模式図 押圧操作に伴って各第3電極で検知される抵抗の一例を示す模式図 抵抗の変化量と押圧力との関係を示す関係マップ 第2電極と第1電極との間の電気力線の状態を示す概念図 押圧位置および押圧力の検出処理の流れを示すフローチャート 第3電極および第4電極からなる一対パターンの別の態様を示す拡大図 複数の電極の接続形態の別態様を示す模式図 メッシュパターンを有する電極に対する第3電極および第4電極の視覚的な同化の一態様を示す部分拡大図 メッシュパターンを有する電極に対する第3電極および第4電極の視覚的な同化の別の態様を示す部分拡大図 メッシュパターンを有する電極に対する第3電極および第4電極の視覚的な同化の別の態様を示す部分拡大図 タッチセンサの接続形態の一態様を示す模式図。 圧力センサの抵抗線パターンの模式的平面図。 圧力センサの抵抗線パターンの模式的平面図。 圧力センサの抵抗線パターンの模式的平面図。 圧力センサの抵抗線パターンの模式的平面図。 第9実施形態の電子機器の断面図。
1.第1実施形態
(1)タッチパネルの基本構成
本発明に係るタッチパネルの実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るタッチパネル5は、携帯電話や携帯ゲーム機等の電子機器1、自動車内装に用いられる、センターインフォメーションディスプレイ(CID:Center Information Display)やクラスター(Cluster:Instrument Cluster)、リアシートエンターテイメント(RSE:Rear Seat Entertainment)等の車載ディスプレイに備えられ、タッチ入力デバイスとして機能する。
本実施形態では、電子機器1の一種としての多機能携帯電話(スマートフォン)に搭載されたタッチパネル5を例として説明する。なお、以下の説明では、タッチ入力デバイスとしてのタッチパネル5の入力面(後述する操作面10a)が位置している側を「正面側」と称する。この「正面側」は、電子機器1を操作するユーザーに対して正対する側でもある。これとは反対に、電子機器1を操作するユーザーから見た場合における奥側を「背面側」と称する。
図1および図2に示すように、本実施形態の電子機器1は、略直方体状の筐体3と、この筐体3に内蔵された表示装置4と、表示装置4に対して正面側に重ねて配置された長方形のタッチパネル5とを備えている。筐体3は、合成樹脂で構成されている。筐体3は、正面側に向かって矩形状に開口する凹部3aを備えている。凹部3aは段差を有するように形成されており、この段差部分は、タッチパネル5を背面側から支持する支持部3bとして機能する。支持部3bは、凹部3aの形状に対応して、矩形枠状(額縁状)に形成されている。支持部3bよりも背面側の領域には表示装置4が収納され、正面側の領域には、支持部3bによって支持された状態でタッチパネル5が収納されている。なお、表示装置4は、例えば液晶表示パネルや有機EL表示パネルにより構成される。
凹部3aの形状および寸法は、表示装置4やタッチパネル5の形状および寸法に応じて適宜設定することができる。本実施形態では、一例として、表示装置4およびタッチパネル5はいずれも略直方体状の形状を有しており、平面視(正面側から見た状態)での寸法は表示装置4よりもタッチパネル5の方が大きい。そして、凹部3aは、第1収納凹部の側面と表示装置4の側面とが接するとともに第2収納凹部の側面とタッチパネル5の側面とが接し、かつ、表示装置4の表面と支持部3bの表面とが略同じ高さとなるともに筐体3の表面とタッチパネル5の表面とが略同じ高さとなるように形成されている。
本実施形態では、タッチパネル5は、ユーザーの指またはユーザーが操作するスタイラス等が操作面10aに近接または接触したときに、ユーザーの指等に対応する位置(“タッチ位置”と称する)を検出するように構成されている。また、タッチパネル5は、ユーザーが指等で操作面10aを実際にタッチしたときに、タッチ位置(操作面10a上の押圧位置)に加えて、操作面10aに対する押圧力の大きさをも同時に検出するように構成されている。すなわち、本実施形態に係るタッチパネル5は、感圧機能付きタッチパネルとして構成されている。
なお、本実施形態に係るタッチパネル5において、タッチ位置を検出する部分をタッチセンサ5a、押圧力の大きさを検出する部分を圧力センサ5bとする。
図3に示すように、タッチパネル5は、パネル部材10と、第1電極形成部材20と、第2電極形成部材30と、支持部材50とを備えている。これらは、正面側から背面側に向かって記載の順に積層されている。筐体3の支持部3bに支持部材50が配置され、支持部材50の上に第2電極形成部材30が配置され、第2電極形成部材30の上に第1電極形成部材20が配置され、第1電極形成部材20の上にパネル部材10が配置されている(図2を参照)。これらは、例えば感圧接着剤(Pressure Sensitive Adhesive;PSA)等によって互いに貼り合わされている。
また、本実施形態では、パネル部材10、第1電極形成部材20、および第2電極形成部材30は、平面視で長方形に形成されて重ね合わされる。そして、当該長方形を形成する4辺のうちの短辺に沿った方向を、本実施形態では「X軸方向」と定義し、その短辺に交差(本例では直交)する長辺に沿った方向を、本実施形態では「Y軸方向」と定義する。本実施形態では、互いに直交するX軸方向とY軸方向とに基づいて、X−Y座標系(X−Y直交座標系)が構成されている。なお、非直角に互いに交差するX軸方向とY軸方向とに基づいて、X−Y座標系が構成されても良い。
(2)パネル部材
パネル部材10は、タッチパネル5における最正面側に配置される板状部材である。パネル部材10は、その正面側の表面に操作面10aを有する。この操作面10aは、ユーザーが電子機器1に対して所定操作を入力する際に、ユーザーの指等によってタッチされる(操作対象となる)面である。また、操作面10aは、表示装置4のビューエリアとして機能する。操作面10aの外周は、外周エリア10bである。
本実施形態では、パネル部材10は、第1電極形成部材20および第2電極形成部材30を保護する保護パネルとして機能する。パネル部材10は、透明性、耐傷性、および防汚性等を具備していることが好ましい。このようなパネル部材10は、例えばソーダガラスや強化ガラス等を用いたガラス板により構成することができ、本実施形態ではガラス薄板としている。これ以外にも、ポリメチルメタクリレートやポリカーボネート等の樹脂材料や、有機無機ハイブリッド材料等を用いてパネル部材10を構成しても良い。強度に優れた材料を用いることで、パネル部材10の薄型化を図ることができる。パネル部材10の厚みは、例えば、0.4mm〜1.5mmとすることができる。また、パネル部材10は、元来的に弾性変形可能ではあるが、薄型化することで弾性変形しやすくなるという利点もある。
この構成によれば、パネル部材の鉛直方向に加えられた押圧力はパネル部材の長辺の支持端に、すなわち短辺方向に多くが伝達されるので、第3電極と第4電極の延在方向に伸びる応力が効果的に印加される。したがって、押圧力の検出感度を高めることができる。応力の2方向伝達は長辺/短辺が1.0〜1.5程度までであり、長辺/短辺が2.0を超えて細長くなると力は短辺方向にしか流れない。
(3)タッチセンサ
(3−1)第1電極形成部材
第1電極形成部材20は、第1基板21と、この第1基板21上に形成された複数(本
例では8本)の第1電極22を有する。
(a)第1基板
第1基板21は、透明性、柔軟性、および絶縁性等に優れた材料を用いて構成されていることが好ましい。このような要求を満足する材料としては、例えばポリエチレンテレフタレートやアクリル系樹脂等の汎用樹脂、ポリアセタール系樹脂やポリカーボネート系樹脂等の汎用エンジニアリング樹脂、ポリスルホン系樹脂やポリフェニレンサルファイド系樹脂等のスーパーエンジニアリング樹脂等が例示される。その他、シクロオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂でもよい。第1基板21の厚みは、例えば、25μm〜100μmとすることができる。本実施形態では、ポリエチレンテレフタレートフィルムにより第1基板21が構成されている。
(b)第1電極
第1電極22は、本実施形態では、第1基板21における正面側(パネル部材10側)の面において、操作面10aに対応して形成されている。複数の第1電極22は、X軸方向に所定間隔を隔てて並ぶように互いに平行に配置されている。本実施形態では、第1電極22は、ストライプ状(一定幅を有する直線状)に形成されている。なお、第1電極22は、例えば波状やジグザグ状に形成されても良い。いずれにしても、第1電極22のそれぞれは、全体として、Y軸方向に沿って延在するように形成されている。第1電極22は、非検知物(ユーザーの指等の導体)の近接/離間に応じて静電容量が変化する材料を用いて構成されている。なお、「静電容量」とは、自己容量(self capacitance)と相互容量(mutual capacitance)と相互容量(mutual capacitance)との双方を含む概念である。つまり、第1電極22は、非検知物の近接/離間に応じて、自己容量または第2電極32との間の相互容量が変化する材料を用いて構成されている。また、第1電極22は、透明性に優れた材料を用いて構成されていることが好ましい。このような要求を満足する材料としては、例えば酸化スズ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化カドミウム、およびITO(Indium Tin Oxide)等の金属酸化物、銀ナノワイヤー、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー等が例示される。第1電極22が、これらの材料を用いて構成された透明導電膜である場合、その厚みは、例えば5nm〜10000nmとすることができる。
また、第1電極22は、メッシュ電極であってもよい。メッシュ電極は、細線で構成される網目模様または格子模様の形状を有する。メッシュ電極に用いられる材料としては、例えば、前述の透明性に優れた導電材料のほか、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロムなど充分にタッチパネル用電極として機能できる程度の導電性を持つ金属を使用する。
第1電極22の形成方法としては、例えば第1基板21に全面的に上記した電極材料からなる導電膜を形成してから不要部分をエッチング除去する方法が例示される。導電膜の全面的な形成は、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法、およびロールコーター法等によって行うことができる。エッチングは、電極として残したい部分にフォトリソグラフィ法またはスクリーン印刷法等によりレジストを形成した後、塩酸等のエッチング液に浸漬することによって行うことができる。また、エッチングは、レジストの形成後、エッチング液を噴射してレジストが形成されていない部分の導電膜を除去し、その後、溶剤に浸漬することによりレジストを膨潤または溶解させて除去することにより行うこともできる。また、エッチングは、レーザーにより行うこともできる。
(3−2)第2電極形成部材
第2電極形成部材30は、第2基板31と、この第2基板31上に形成された複数(本例では8本)の第2電極32とを有する。
(a)第2基板
第2基板31も、透明性、柔軟性、および絶縁性等に優れた材料を用いて構成されていることが好ましい。第2基板31を構成する材料や第2基板31の厚みに関しては、第1基板21と同様に考えることができる。
(b)第2電極
第2電極32は、本実施形態では、第2基板31における正面側(パネル部材10および第1電極形成部材20側)の面に形成されている。複数の第2電極32は、複数の第1電極22と厚み方向に所定間隔を隔てて対向するように配置されている。また、複数の第2電極32は、Y軸方向に所定間隔を隔てて並ぶように互いに平行に配置されている。本実施形態では、第2電極32は、ストライプ状(一定幅を有する直線状)に形成されている。なお、第2電極32は、例えば波状やジグザグ状に形成されても良い。いずれにしても、第2電極32のそれぞれは、全体として、X軸方向に沿って延在するように形成されている。これにより、第1電極22と第2電極32とは、平面視で互いに交差(本例では直交)するように配置されている。第2電極32は、第1電極22と同様、非検知物の近接/離間に応じて静電容量が変化する材料を用いて構成されている。第2電極32は、非検知物の近接/離間に応じて、自己容量または第1電極22との間の相互容量が変化する材料を用いて構成されている。また、第2電極32は、透明性に優れた材料を用いて構成されていることが好ましい。第2電極32を構成する材料や第2電極32の厚みに関しては、第1電極22と同様に考えることができる。また、第2電極32の形成方法に関しても、第1電極22と同様に考えることができる。
本実施形態では、複数の第1電極22のそれぞれは、第1基板21上において、互いに接続されることなく離間して島状に配置されている。同様に、複数の第2電極32のそれぞれも、第2基板31上において、互いに接続されることなく離間して島状に配置されている。そして、これら複数の第1電極22および複数の第2電極32は、全体として平面視で格子状をなすように配置されている(図6を参照)。これら複数の第1電極22と複数の第2電極32とにより、一般的な静電容量方式のタッチパネルが構成されている。なお、第1電極22と第2電極32との間には第1基板21が存在しており、第1電極22と第2電極32とは厚み方向に第1基板21を介して配置されている。本実施形態では、第1電極22と第2電極32との間にはエアギャップが存在しないので、光学特性を向上させることができる。つまり、光の反射を抑えて、透過率の低下を抑えることができる。
(4)圧力センサ
圧力センサ5bを説明する。
図3に示すように、圧力センサ5bは、第2基板31上に形成された複数(本例では、第2電極32どうしの間の数に対応する7本)の第3電極42をさらに有する。
第3電極42は、第2基板31における正面側(パネル部材10および第1電極形成部材20側)の面に形成されている。第3電極42は、Y軸方向に所定間隔を隔てて並ぶように互いに平行に配置されている。第3電極42は、互いに隣接する第2電極32どうしの間に1本ずつ配置されており、第3電極42のそれぞれの電極42a〜42gは、全体として、X軸方向に沿って延在するように形成されている(図4を参照)。なお、複数の第3電極42は、第2電極32と同様、複数の第1電極22と厚み方向に所定間隔を隔てて対向するように配置されている。
なお、図3では、パネル部材10の短辺が、第3電極42の延在方向と平行である。この構成によれば、パネル部材10の鉛直方向に加えられた押圧力はパネル部材10の長辺の支持端に、すなわち短辺方向に多くが伝達されるので、第3電極42の延在方向に延びる応力が効果的に印加される。したがって、押圧力の検出感度を高めることができる。
また、図3に示すように、圧力センサ5bは、第2基板31上に形成された複数(本例では、第2電極32どうしの間の数に対応する7本)の第4電極82をさらに有する。
第4電極82は、第2基板31における正面側(パネル部材10および第1電極形成部材20側)の面に形成されている。第4電極82は、第3電極42に沿って延在するように配置されている。第4電極82は、互いに隣接する第2電極32どうしの間に第3電極42との対で1本ずつ配置されている。つまり、互いに平行に形成される第2電極32と第3電極42および第4電極82の対とが、Y軸方向に所定間隔を隔てつつ交互に配置されている。本実施形態では、第4電極82は、ストライプ状(一定幅を有する直線状)に形成されている。第4電極82のそれぞれの電極82a〜82gは、全体として、X軸方向に沿って延在するように形成されている(図4を参照)。なお、複数の第4電極82は、第2電極32および第3電極42と同様、複数の第1電極22と厚み方向に所定間隔を隔てて対向するように配置されている。
なお、前述したように、パネル部材10の鉛直方向に加えられた押圧力はパネル部材10の長辺の支持端に、すなわち短辺方向に多くが伝達されるので、第4電極82の延在方向に延びる応力が効果的に印加される。
(4−1)第3電極の概略説明
第3電極42は、姿勢変化および温度変化に応じて電気抵抗が変化する材料を用いた抵抗線で構成されている。また、第3電極42は、透明性に優れた材料を用いて構成されていることが好ましい。
このような要求を満足する材料としては、例えば酸化スズ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化カドミウム、およびITO等の金属酸化物、銀ナノワイヤー、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー等が例示される。第3電極4が、これらの材料を用いて構成された透明導電膜である場合、その厚みは、例えば5nm〜10000nmとすることができる。
また、第3電極42は、後述するように細線であるので、不透明な材料を用いて構成されていてもよい。このような材料としては、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロムなどの金属、ニッケル銅、ニッケルクロムなどの合金を使用する。その他、カーボン、導電性カーボンインキ、グラフェン、カーボンナノチューブでもよい。
第3電極42の形成方法に関しては、第1電極22および第2電極32と同様に考えることができる。
(4−2)第4電極の概略説明
第4電極82は、姿勢変化および温度変化に応じて電気抵抗が変化する材料を用いた抵抗線で構成されている。また、第4電極82は、透明性に優れた材料を用いて構成されていることが好ましい。
このような要求を満足する材料としては、例えば酸化スズ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化カドミウム、およびITO等の金属酸化物、銀ナノワイヤー、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー等が例示される。第4電極82が、これらの材料を用いて構成された透明導電膜である場合、その厚みは、例えば5nm〜10000nmとすることができる。
また、第4電極82も、第3電極42と同様に不透明な材料を用いて構成されていてもよい。このような材料としては、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロムなどの金属、ニッケル銅、ニッケルクロムなどの合金を使用する。その他、カーボン、導電性カーボンインキ、グラフェン、カーボンナノチューブでもよい。
なお、本実施形態では、第4電極82は、上記例示した材料の中から第3電極42と同じ材料を選択して構成されている。そのため、第4電極82の温度変化による抵抗変化率は、第3電極42の温度変化による抵抗変化率と同じである。
第4電極82の形成方法に関しては、第1電極22、第2電極32および第3電極42と同様に考えることができる。
(4−3)第3、第4電極のパターン
ところで、図3および図4において、第3電極42はストライプ状(一定幅を有する直線状)に描かれているが、これは第3電極42の実際のパターンそのものではない。第2基板31上に複数の各電極32,42,82が並んでいるため、図を見やすくするために、第3電極42を簡略化して表現したものである。
図5は、第3電極42および第4電極82からなる一対パターンの一態様を示す拡大図である。本実施形態の第3電極42の実際のパターンは、図5に示すように、直線パターンである。一方、本実施形態の第4電極82の実際のパターンは、図5に示すように、第4電極82を構成する抵抗線が平面視でジグザグ状に折り返されて互いに平行に形成されている複数の重複部分821を有し、複数の重複部分821の並び方向が第4電極82の延在方向(X軸方向)に一致するパターンである。
この構成によれば、第4電極82は、当該第4電極82の伸び方向に垂直な複数の重複部分821では姿勢変化に応じた電気抵抗の変化が生じず、重複部分821どうしを接続する折り返し部分822のみで姿勢変化に応じた電気抵抗の変化が生じる。よって、第3電極42と第4電極82が前記したように同じ材料であっても、押圧時に検出される第4電極82の抵抗変化率が、直線パターンである第3電極42の抵抗変化率に比べて小さくなる。
例えば、図5(a)のように、第4電極82の幅が、重複部分821と重複部分821どうしを接続する折り返し部分822とで同幅である場合について考える。
直線パターンの第3電極42の抵抗変化後の電気抵抗(R´)は、元の電気抵抗(R)、歪み(ε)およびゲージ率(Ks)と、次式の関係にある。
´=R(1+Ks×ε) (式1)
つまり、電気抵抗の変化した量(ΔR)および抵抗変化率(ΔR/R)は、それぞれ次式のようになる。
ΔR=R×Ks×ε (式2)
ΔR/R=Ks×ε (式3)
これに対して、同幅のジグザグパターンの第4電極82の抵抗変化後の電気抵抗(R´)は、元の電気抵抗(R)、歪み(ε)およびゲージ率(Ks)と、次式の関係にある。
´=R/2+R/2(1+Ks×ε) (式4)
前の項のR/2が重複部分821の電気抵抗、後の項のR/2(1+Ks×ε)が折り返し部分822の抵抗である。つまり、電気抵抗の変化した量(ΔR)および抵抗変化率(ΔR/R)は、それぞれ次式のようになる。
ΔR=R/2×Ks×ε (式5)
ΔR/R=1/2×Ks×ε (式6)
したがって、(式3)と(式6)から明らかな通り、第4電極82の抵抗変化率は、第3電極42の抵抗半化率の1/2に相当する。すなわち、パターンの違いだけで、押圧時の第3電極42の抵抗変化率と第4電極82の抵抗変化率との差を生じさせることができる。
なお、第3電極42は、第4電極82のように延在方向に直交する方向の幅を取らないので、第2電32、第3電極42および第4電極82を詰めて並べることができる。その結果、押圧位置および押圧力の検出精度を高めることができる。
(4−4)第4電極の太さ変化
また、第4電極82を構成する抵抗線の幅を、図5(b)に示すように、重複部分821で細く、重複部分821どうしを接続する折り返し部分822では太くするのが、より好適である。
第4電極82を構成する抵抗線の折り返し部分822の幅を重複部分821に比べて太くすることにより、押圧時に検出される第4電極82の抵抗変化率が、重複部分821と折り返し部分822とが同幅の場合に比べて小さくなる。
例えば、折り返し部分822の幅が重複部分821に比べて太いジグザグパターンである第4電極82の抵抗変化後の電気抵抗(R´)は、仮に押圧前の重複部分821と折り返し部分822の抵抗比が2:1とすると、元の電気抵抗(R)、歪み(ε)およびゲージ率(Ks)と、次式の関係にある。
´=2R/3+R/3(1+Ks×ε) (式7)
前の項の2R/3が押圧後の重複部分821の電気抵抗、後の項のR/3(1+Ks×ε)が押圧後の折り返し部分822の抵抗である。つまり、電気抵抗の変化した量(ΔR)および抵抗変化率(ΔR/R)は、それぞれ次式のようになる。
ΔR=R/3×Ks×ε (式8)
ΔR/R=1/3×Ks×ε (式9)
したがって、(式3)と(式9)から明らかな通り、第4電極82の抵抗変化率は、第3電極42の抵抗半化率の1/3に相当する。すなわち、押圧時の第3電極42の抵抗変化率と第4電極82の抵抗変化率の差が大きくなるため、さらにより正確な検出が容易となる。
また、抵抗線の折り返し部分822で幅を太くすることにより、応力集中に対して折り返し部分822の耐久性が上がる。
ところで、本発明の第4電極82は、本実施形態のように第3電極42と同じ材料を用いて構成されることが好適である。
この構成によれば、第3電極42と第4電極82の温度変化による抵抗変化率を一致させることが、極めて容易である。
さらに、第3電極42および第4電極82は、第2電極32と同じ材料を用いて構成されることが好適である。
この構成によれば、第2電極32、第3電極42および第4電極82の屈折率が全て同じになる。同様に、第2電極32、第3電極42および第4電極82の反射率が全て同じになる。このため、第2電極32、第3電極42および第4電極82の間でパターン見えの問題が生じるのを抑制することができる。また、第2基板21上に第2電極32、第3電極42および第4電極82を同時に形成できるので、工程数を低減して製造工程を簡略化することができる。
本実施形態では、第2基板31上において、互いに隣接して配置される第3電極42どうしが接続されている。より具体的には、複数の第3電極42は、Y軸方向に互いに隣接して配置される第3電極42どうしが接続配線45を介してX軸方向の一方側端部と他方側端部とで交互に接続され、全体として平面視でジグザグ状に形成されている(図4、図7参照)。なお、接続配線45は、金、銀、銅、およびニッケル等の金属、またはカーボン等の導電ペーストを用いて構成される。
また、本実施形態では、第2基板31上において、互いに隣接して配置される第4電極82どうしが接続されている。より具体的には、複数の第4電極82は、Y軸方向に互いに隣接して配置される第4電極82どうしが接続配線85を介してX軸方向の一方側端部と他方側端部とで交互に接続され、全体として平面視でジグザグ状に形成されている(図4、図7参照)。なお、接続配線85は、第3電極42の接続配線45と同様、金、銀、銅、およびニッケル等の金属、またはカーボン等の導電ペーストを用いて構成される。
(5)支持部材
支持部材50は、パネル部材10を背面側(第3電極42および第4電極82が設けられた側)から支持する。支持部材50は、第1電極22が形成された第1電極形成部材20並びに第2電極32、第3電極42および第4電極82が形成された第2電極形成部材30を介して、パネル部材10を背面側から支持する。支持部材50は、枠状に形成されている。支持部材50は、筐体3の支持部3bの形状に対応するように、平面視で矩形枠状に形成されている。支持部材50は、矩形状に形成されたパネル部材10および各電極形成部材20,30の周縁部(各辺の近傍)を支持するように設けられている。支持部材50は、弾性または柔軟性と、パネル部材10等を適切に支持し得る程度の定形性とを兼ね備えた材料を用いて構成されていることが好ましい。
ここでは特に、支持部材50はパネル部材10を構成する材料よりも柔らかい材料で構成されていると好ましい。なお、“柔らかさ”とは、応力に対する変形量の大きさを表す尺度であり、本願においてはヤング率に基づいて評価するものとする。つまり、支持部材50は、パネル部材10を構成する材料よりもヤング率が小さい材料で構成されていると好ましい。例えば、ヤング率が1M・Pa以下、好ましくは0.5M・Pa〜1M・Paの材料が好ましい。
このような要求を満足する材料としては、例えばウレタンフォームやアクリルフォーム、シリコンゴム、スポンジ、ゲル等が例示される。両面に粘着層を有する両面テープ等であっても良い。矩形枠状の支持部材50を構成する各辺の平面視における幅寸法は、パネル部材10等を適切に支持し得る範囲内で、極力狭く設定されていることが好ましい。支持部材50の幅は、例えば0.4mm〜2mmとすることができる。また、支持部材50の厚みは、パネル部材10および各電極形成部材20,30の弾性変形による変位幅を吸収し得るように比較的厚く設定されていることが好ましい。支持部材50の厚みは、例えば0.1mm〜0.4mmとすることが好ましい。
このような柔らかくかつ比較的厚みのある枠状の支持部材50を介して、第1電極22、第2電極32、第3電極42および第4電極82が配置されたパネル部材10が、筐体3の支持部3bに支持される。このとき、パネル部材10の操作面10aをユーザーが指等でタッチしたとき、枠状の支持部材50における内周側の部分が変形しながら、パネル部材10はその全体が反操作面側に向かって凸となるように弾性変形する(図7を参照)。つまり、支持部材50によるパネル部材10の支持形態は単純支持型となる。よって、パネル部材10の一部(具体的には、支持部材50によって支持される被支持部の付近)のみが局所的に変形して第3電極42に縮み変形が生じるのを抑制することができる。すなわち、第3電極42の変形(姿勢変化)を実質的に伸び変形のみとすることができる。
(6)センサの制御装置
図6に示すように、複数の第1電極22のそれぞれは、引き回し配線23を介して制御部60に接続されている。複数の第1電極22から延びるそれぞれの引き回し配線23には、スイッチ24が設けられている。スイッチ24は、本実施形態ではスイッチング素子を用いて構成されている。複数の第2電極32のそれぞれは、引き回し配線33を介して制御部60に接続されている。
複数の第2電極32から延びるそれぞれの引き回し配線33には、スイッチ34が設けられている。スイッチ34は、本実施形態ではスイッチング素子を用いて構成されている。
図7に示すように、全体として1本につながった複数の第3電極42の両端部のそれぞれは、引き回し配線43を介して制御部60に接続されている。また、互いに隣接する第3電極42どうしの間の接続配線45のそれぞれも、引き回し配線43を介して制御部60に接続されている。Y軸方向における両端部の第3電極42および各接続配線45から延びるそれぞれの引き回し配線43には、スイッチ44が設けられている。スイッチ44は、本実施形態ではスイッチング素子を用いて構成されている。
また、図7に示すように、全体として1本につながった複数の第4電極82の両端部のそれぞれは、引き回し配線83を介して制御部60に接続されている。また、互いに隣接する第4電極82どうしの間の接続配線85のそれぞれも、引き回し配線83を介して制御部60に接続されている。Y軸方向における両端部の第4電極82および各接続配線85から延びるそれぞれの引き回し配線83には、スイッチ84が設けられている。スイッチ84は、本実施形態ではスイッチング素子を用いて構成されている。
(6−1)スイッチング素子
スイッチング素子としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、GTO(Gate Turn−Off thyristor)等が例示される。なお、引き回し配線23,33,43,83は、金、銀、銅、およびニッケル等の金属、またはカーボン等の導電ペーストを用いて構成される。また、スイッチ24,34,44,84を構成する各スイッチング素子は、制御信号線を介して制御部60に接続されている。
(6−2)制御部
制御部60は、CPU等の演算処理装置を中核部材として備え、入力されたデータに対して種々の処理を行うための機能部として、ハードウェアまたはソフトウェア(プログラム)或いはその両方により構成されている。図8に示すように、制御部60は、切替え制御部61、容量検出部62、第1抵抗検出部63、第2抵抗検出部64、温度補償部68および入力決定部65を備えている。入力決定部65は、位置決定部66および押圧力決定部67を含んでいる。また、制御部60は、記憶部70と情報通信可能に接続されている。記憶部70は、RAM(Random Access Memory)やEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等のメモリにより構成されている。記憶部70には、関係データ71および基準データ72が記憶されている。
(6−2−1)切替え制御部
切替え制御部61は、スイッチ24,34を構成するスイッチング素子のオン/オフを制御する。切替え制御部61は、例えばスイッチ24,34がIGBTで構成される場合には、各IGBTに対するゲート駆動信号を個別に生成することで、各IGBTのオン/オフを制御する。他のスイッチング素子を用いる場合も同様に考えることができる。切替え制御部61は、例えば第1電極22aに対応するスイッチ24aを構成するIGBTをオン状態とすることで、第1電極22aを選択的に容量検出部62に接続させる。また、切替え制御部61は、例えば第1電極22bに対応するスイッチ24bを構成するIGBTをオン状態とすることで、第1電極22bを選択的に容量検出部62に接続させる。他の第1電極22c〜22h(スイッチ24c〜24h)に関しても、同様に考えることができる。また、第2電極32a〜32h(スイッチ34a〜34h)に関しても、同様に考えることができる。
本実施形態では、切替え制御部61は、スイッチ24a〜24hのうちのいずれか1つが順次オン状態となるように、各スイッチ24a〜24hを制御する。そしてそれを逐次繰り返して実行する。これにより、各第1電極22a〜22hが、順次、選択的に容量検出部62に接続される。また、切替え制御部61は、スイッチ34a〜34hのうちのいずれか1つが順次オン状態となるように、各スイッチ34a〜34hを制御する。そしてそれを逐次繰り返して実行する。これにより、各第2電極32a〜32hが、順次、選択的に容量検出部62に接続される。
切替え制御部61は、スイッチ44,84を構成するスイッチング素子のオン/オフをも制御する。切替え制御部61は、例えばスイッチ44,84がIGBTで構成される場合には、各IGBTに対するゲート駆動信号を個別に生成することで、各IGBTのオン/オフを制御する。本実施形態では、切替え制御部61は、スイッチ44a〜44hのうちのいずれか2つがオン状態となるように、各スイッチ44a〜44hを制御する。切替え制御部61は、例えば第3電極42aに対応するスイッチ44aおよび第3電極42gに対応するスイッチ44hを構成するIGBTをオン状態とすることで、全体として1本につながった複数の第3電極42をまとめて抵抗検出部63に接続させる。また、切替え制御部61は、例えば第3電極42aの両端に対応するスイッチ44aおよびスイッチ44bを構成するIGBTをオン状態とすることで、第3電極42aを選択的に抵抗検出部63に接続させる。また、切替え制御部61は、例えば第3電極42bの両端に対応するスイッチ44bおよびスイッチ44cを構成するIGBTをオン状態とすることで、第3電極42bを選択的に抵抗検出部63に接続させる。他の第3電極42c〜42g(スイッチ44c〜44h)に関しても、同様に考えることができる。また、第4電極82a〜82g(スイッチ84a〜84h)に関しても、同様に考えることができる。
(6−2−2)容量検出部
容量検出部62は、本実施形態では、複数の第1電極22および複数の第2電極32のそれぞれの静電容量(自己容量)を検出する。このため、容量検出部62は、公知の静電容量検出回路を含んで構成されている。容量検出部62は、切替え制御部61により選択的に接続された各第1電極22a〜22hの静電容量を順次検出する。また、容量検出部62は、切替え制御部61により選択的に接続された各第2電極32a〜32hの静電容量を順次検出する。各第1電極22のスキャニングと各第2電極32のスキャニングとは、同期して行われても良いし、交互に行われても良い。
なお、ミューチュアル(mutual)方式の検出方法を採用しても良い。この場合、容量検出部62は、各第1電極22と各第2電極32との間の静電容量(相互容量)を検出する。ミューチュアル方式を採用すれば、マルチタッチ対応が可能となる。容量検出部62による検出値の情報は、入力決定部65(位置決定部66)に伝達される。
(6−2−3)第1/第2抵抗検出部
第1抵抗検出部63は、複数の第3電極42の電気抵抗を検出する。また、第2抵抗検出部64は、複数の第4電極82の電気抵抗を検出する。このため、第1抵抗検出部63および第2抵抗検出部64は、抵抗検出回路を含んで構成されている。この抵抗検出回路は、公知のブリッジ回路(ホイートストンブリッジ回路)により構成されている。 第1抵抗検出部63は、切替え制御部61により選択的に接続された全体または個別の第3電極42の両端間の電圧に基づいて、その電気抵抗(抵抗)を検出する。また、第2抵抗検出部64は、切替え制御部61により選択的に接続された全体または個別の第4電極82の両端間の電圧に基づいて、その電気抵抗(抵抗)を検出する。第1抵抗検出部63は、オン状態とされる2つのスイッチ44の間に設けられた第3電極42の抵抗を検出する。オン状態とされる2つのスイッチ44の間に複数の第3電極42が存在する場合には、第1抵抗検出部63は、それらの全体の抵抗を検出する。また、第2抵抗検出部64は、オン状態とされる2つのスイッチ84の間に設けられた第4電極82の抵抗を検出する。オン状態とされる2つのスイッチ84の間に複数の第4電極82が存在する場合には、第2抵抗検出部64は、それらの全体の抵抗を検出する。第1抵抗検出部63および第2抵抗検出部64による検出値の情報は、温度補償部68に伝達される。
(6−2−4)温度補償部
温度補償部68は、第2抵抗検出部64による検出結果に基づいて、第1抵抗検出部63による検出結果を補正する。温度補償部68による補正値の情報は、入力決定部65(押圧力決定部67)に伝達される。
以下に、図9を用いて、温度補償部68の動作を説明する。図9は、温度補償制御を説明するためのグラフである。詳細には、図9(a)は、押圧力Fの時間経過に対するグラフである。図9(b)は、操作面に指が接触したときの指の熱による温度の変化ΔTの時間経過に対するグラフである。図9(c)は、第1抵抗検出部63から出力された第3電極42の抵抗変化率ΔR/Rの時間経過に対する変化を示すグラフである。図9(d)は、第2抵抗検出部64から出力されてきた第4電極82の抵抗変化率ΔR/Rの時間経過に対する変化を示すグラフである。図9(e)は、温度補償部68から出力されてきた抵抗の変化ΔR/R−ΔR/Rの時間経過に対する変化を示すグラフである。
第1抵抗検出部63によって測定される第3電極42の抵抗変化率ΔR/Rは、図9(c)に示すように、全体的には時間経過に従って大きくなりつつも特に急激に上昇する上側凸状の変化を有している。しかし、実際の押圧力Fは、図9(a)に示すように、ゼロから急激に大きくなりさらに急激に小さくりゼロになる上側凸状の変化である。操作面に指が接触したときの指の熱が伝わることによって生じる温度変化ΔTは、図9(b)に示すように、押圧中は時間経過に比例して大きくなっている。そのため、第3電極42の姿勢変化に応じて抵抗が変化した分だけでなく、温度変化に応じて抵抗が変化した分が加算されて、第3電極42の抵抗の変化ΔR[Ω]となっている。
一方、第2抵抗検出部64によって測定される第4電極82の抵抗変化率ΔR/Rは、図9(d)に示すように、全体的には時間経過に従って大きくなりつつも特に緩やかに上昇する上側凸状の変化を有している。この場合も、第3電極42と同様に、第4電極82の姿勢変化に応じて抵抗が変化した分だけでなく、温度変化に応じて抵抗が変化した分が加算されて、第4電極82の抵抗の変化ΔR[Ω]となっている。
なお、第4電極82の温度変化による抵抗変化率は、第3電極42の温度変化による抵抗変化率と同じであり、第4電極82の姿勢変化による抵抗変化率は、常温での姿勢変化中において、第3電極42の姿勢変化による抵抗変化率の90%以下である。
そこで、温度補償部68が、図9(c)に示す第3電極42の抵抗変化率ΔR/Rを、図9(d)に示す第4電極82の抵抗変化率ΔR/Rに基づいて補正する。より具体的には、温度補償部68は、補正前の第3電極42の抵抗変化率ΔR/Rから第4電極82の抵抗変化率ΔR/Rを減算する。その結果、図9(e)のように、ゼロから急激に大きくなりさらに急激に小さくりゼロになる上側凸状の変化を示す出力信号が得られる。
より好ましくは、第4電極82の姿勢変化による抵抗変化率は、常温での姿勢変化中において、第3電極42の姿勢変化による抵抗変化率の50%以下である。さらに好ましくは、10%以下である。
(6−2−5)位置決定部
入力決定部65に含まれる位置決定部66は、容量検出部62による検出結果に基づいて、操作面10aにおけるX−Y座標系での押圧位置を決定する。本実施形態では、位置決定部66は、ユーザーの指等が十分に離間した状態における静電容量を基準として、操作面10aに対するタッチ操作時に複数の第1電極22の中で最大(複数の位置がタッチ操作される場合は極大)となる静電容量変化を与える第1電極22を特定することで、タッチ位置のX座標を決定する。
また、位置決定部66は、ユーザーの指等が十分に離間した状態における静電容量を基準として、操作面10aに対するタッチ操作時に複数の第2電極32の中で最大(または極大)となる静電容量変化を与える第2電極32を特定することで、タッチ位置のY座標を決定する。また、位置決定部66は、ミューチュアル方式の場合には、各第1電極22と各第2電極32との間の相互容量の変化量に基づいて、タッチ位置のX座標およびY座標を決定する。なお、位置決定部66は、容量検出部62により実際に検出された静電容量を用いて補間演算を行い、その演算結果に基づいてタッチ位置をより詳細に特定するように構成されても好適である。
(6−2−6)押圧力決定部
入力決定部65に含まれる押圧力決定部67は、第1抵抗検出部63による検出結果の温度補償部68による補正後の値に基づいて、操作面10aに対する押圧力を決定する。ここで、図10は、ユーザーの指が操作面10aに次第に近づき、その後、操作面10aを次第に大きな力で押し込む様子を模式的に示している。図11は、図10の中段の状態における、押圧位置(「X」で表される位置)と第1抵抗検出部63で検出される各第3電極42a〜42gの温度補償部68による補正後の抵抗変化との関係を模式的に示している。また、図12は、図10の下段の状態における、押圧位置と第1抵抗検出部63で検出される各第3電極42a〜42gの温度補償部68による補正後の抵抗変化との関係を模式的に示している。なお、説明の便宜上、ここではシングルタッチに対しても各第3電極42a〜42gの抵抗が個別に検出される場合の例を示している。
これらの図から容易に理解できるように、Y軸方向における押圧位置により近く、変形(姿勢変化)の程度が大きい第3電極42ではその抵抗変化が大きく、押圧位置からより遠い第3電極42ではその抵抗変化が小さい。そして、押圧位置からY軸方向に沿って所定距離以上離れた第3電極42の抵抗変化は、略ゼロに収束している。なお、抵抗値変化とは、操作面10aが全く押圧されていない状態(非押圧状態)での各第3電極42の抵抗(基準抵抗)と、操作面10aの一部が押圧されている状態(押圧状態)で実測される各第3電極42の抵抗との差である。すなわち、抵抗変化とは、押圧力が加わったときの第3電極42の抵抗の絶対量変化を表し、その値は正であっても良いし、負であっても良い。また、図11と図12との比較から容易に理解できるように、操作面10aを押し込む力が大きくなってタッチパネル5の変形(姿勢変化)の程度が大きくなるに従い、各第3電極42における抵抗変化が大きくなる。そこで、操作面10aに対する押圧力と抵抗変化との関係を予め求めておくことで、実際の抵抗の変化量から操作面10aに対する押圧力を定量的に評価することができる。
(6−2−7)記憶部
本実施形態では、操作面10aに対する押圧力と非押圧状態からの抵抗の変化量との
相関関係を規定した関係データ71が、記憶部70に予め記憶して備えられている。関係データ71としては、例えば図13に示されるような関係マップの形態であっても良いし、所定の関係式の形態であっても良い。また、記憶部70には、非押圧状態での各第3電極42の抵抗(基準抵抗)を予め測定して得られた基準データ72が、記憶して備えられている。押圧力決定部67は、関係データ71と実際に検出される抵抗変化(実抵抗値と基準抵抗との差)とに基づいて、実抵抗の変化量に応じた押圧力を決定する。なお、「実抵抗の変化量」は、複数の位置が押圧操作される場合には、それぞれの位置における変化量である。これにより、それぞれの押圧位置における押圧力を個別に決定することができる。つまり、マルチフォース対応が可能となる。
また、「実抵抗の変化量」は、現実に検出された値(実検出値)の中から選択されても良いし、実検出値に基づいて算出される推定値であっても良い。例えば押圧力決定部67は、非押圧状態で検出される電気抵抗を基準として、操作面10aに対する押圧操作時に複数の第3電極42の中でそれぞれ最大(複数の位置が押圧操作される場合は極大)となる抵抗変化を与える第3電極42の抵抗変化量に応じた押圧力を決定しても良い。このように構成することで、比較的単純な演算処理によって操作面10aに対する押圧力を決定することができる。或いは、押圧力決定部67は、複数の第3電極42のY軸方向の位置と押圧操作時に実際に検出される抵抗との関係からY軸方向の各位置における推定抵抗を求め、その推定抵抗のピーク値に応じた押圧力を決定しても良い。このようにすれば、操作面10aに対する押圧力をより詳細に決定することができる。
(7).その他
なお、本実施形態では、第3電極42および第4電極82は、第1電極形成部材20および第2電極形成部材30のうち、パネル部材10とは反対側に配置される方の部材である第2電極形成部材30に形成されている。つまり、第3電極42および第4電極82は、第1電極22および第2電極32のうち、パネル部材10とは反対側に配置される方の電極である第2電極32どうしの間に配置されている。第2電極32は、第1電極22に比べて、パネル部材10、第1電極形成部材20、および第2電極形成部材30からなるタッチパネル本体部の中立軸(図10の下段において太い一点鎖線で表示)からより離れた位置に配置されている。このため、操作面10aに対して押圧力が加わってタッチパネル本体部が一体的に弾性変形した際の変形(姿勢変化)の程度は、第1電極22に比べて第2電極32の方が大きくなる。よって、第1電極22どうしの間ではなく、第2電極32どうしの間に第3電極42および第4電極82を配置することで、第3電極42および第4電極82の変形(姿勢変化)の程度を相対的に大きくすることができる。その結果、検出感度を高めることができ、押圧力の検出精度を高めることができる。
また、このような第3電極42の配置構成は、位置決定部66によるタッチ位置の検出において、ミューチュアル(mutual)方式の検出方法が採用される場合にも有利となる。送信側電極としての第2電極32から受信側電極としての第1電極22へと向かう電気力線は、図14に示すように、第1電極22どうしの間を通過することが知られている。一方、第2電極32どうしの間は、そのような電気力線が通過することはない。このため、第1電極22どうしの間ではなく、第2電極32どうしの間に第3電極42を配置することで、位置決定部66によるタッチ位置の検出に悪影響が及ぶことを回避できる。
また、上述したように本実施形態では、各電極22,32,42,82が配置されたパネル部材10が、柔らかく厚みのある枠状の支持部材50を介して支持される。よって、支持部材50によるパネル部材10の支持形態は単純支持型となり、第3電極42の変形(姿勢変化)を実質的に伸び変形のみとすることができる。これにより、押圧力の検出精度をさらに高めることができる。
このように、入力決定部65は、容量検出部62による検出結果に基づいて操作面10aにおけるX−Y座標系での押圧位置を決定するとともに、第1抵抗検出部63および第2抵抗検出部64による検出結果に基づいて操作面10aに対する押圧力を決定する。これにより、通常の位置検出機能に加えて、感圧機能をも有するタッチパネル5が実現される。このとき、本実施形態では、ガラス薄板からなるパネル部材10に4つの電極22,32,42,82を形成するOGS(One Glass Solution)技術を採用したことにより、薄型のタッチパネル5を実現している。
さらに、本実施形態では、感圧機能の実現のための第3電極42および第3電極42の検出結果の温度補償のための第4電極82が、位置検出機能の実現のための第2電極32どうしのいずれかの間に隣接して配置される。つまり、Y軸方向に互いに隣接する第2電極32どうしの間の領域を有効利用して、第3電極42および第4電極82が、第2電極32と同一平面状に配置される。よって、第1電極22および第2電極32を備える静電容量方式のタッチパネル5に感圧機能を付与するために第3電極42および第4電極82を追加する場合であっても、機器全体としての厚みは増大しない。特に、別途、感圧センサを積層するように設ける場合と比較して、機器全体としての厚みを大幅に低減することができる。つまり、感圧機能を有するとともに従来に比べて薄型のタッチパネル5を実現することができる。
また、本実施形態では、複数の第3電極42が互いに接続されて全体として1本につながり、平面視でジグザグ状に形成されている。そして、各スイッチ44a〜44gのオン/オフ制御により、複数の第3電極42の全体抵抗を検出するモード(全体検出モード)と各第3電極42の個別抵抗を検出するモード(個別検出モード)とが切り替えられる(図7を参照)。全体検出モードでは、各スイッチ44a〜44gのオン/オフを動的に制御することなく一定の状態で、タッチ位置によらずに操作面10aに対する押圧力の大きさを容易に決定することができる。全体検出モードは、1点のみが操作面10aに接触するシングルタッチの場合に有効である。一方、例えば多点が操作面10aに接触するマルチタッチの場合には、個別検出モードに切り替え、各第3電極42のスキャニングを行うように構成する。このようにすれば、それぞれのタッチ位置における押圧力を個別に決定することができる。つまり、マルチフォース対応が可能となる。そして、シングルタッチであるかマルチタッチであるかに基づいて検出モードを切り替えることで、第3電極42のスキャニング時間を必要最小限に抑えて、消費電力の低減を図ることができる。
前段落と同様に、複数の第4電極82が互いに接続されて全体として1本につながり、平面視でジグザグ状に形成されている。そして、各スイッチ84a〜84gのオン/オフ制御により、複数の第4電極82の全体抵抗を検出するモード(全体検出モード)と各第4電極82の個別抵抗を検出するモード(個別検出モード)とが切り替えられる(図7を参照)。
この場合における押圧位置および押圧力の検出処理の流れを、図15のフローチャートに示す。まず、各電極22,32の静電容量に基づいて、操作面10aにおけるタッチ位置およびその個数が決定される(ステップ#01)。操作面10aに対するタッチ操作が、シングルタッチであるか否かが判定される(ステップ#02)。シングルタッチである場合には(ステップ#02:Yes)、スイッチ44a,44hおよびスイッチ84a,84hがオン状態とされ、全体として1本の第3電極42の両端間の抵抗と全体として1本の第4電極82の両端間の抵抗がそれぞれ検出される(ステップ#03)。第3電極42の全体抵抗は、第4電極82の全体抵抗によって温度補償の補正がされる(ステップ#05)。第3電極42の補正後の全体抵抗に基づいて、操作面10aに対する押圧力が決定される(ステップ#06)。一方、マルチタッチである場合には(ステップ#02:No)、スイッチ44a〜44hのうちの特定の2つが順次オン状態とされ、各第3電極42の両端間の抵抗が順次検出される(ステップ#04)。各第3電極42の個別抵抗は、各第4電極82の個別抵抗によって温度補償の補正がされる(ステップ#05)。各第3電極42の補正後の個別抵抗に基づいて、操作面10aに対する押圧力が個別に決定される(ステップ#06)。このようにして導出された位置情報および押圧力情報は、電子機器1に出力される(ステップ#07)。電子機器1では、当該位置情報および押圧力情報に基づいて、アプリケーションに応じた各種の処理が実行される。
2.第2実施形態
第1実施形態では、第3電極42と第4電極82との間における直線パターンとジグザグパターンの違いで、押圧時の第3電極42の抵抗変化率と第4電極82の抵抗変化率との差を生じさせる構成を例として説明した。
しかし、本発明の実施形態は、第4電極82の温度変化による抵抗変化率が、第3電極の温度変化による抵抗変化率と同じであって、第4電極82の姿勢変化による抵抗変化率が、常温での姿勢変化中において、第3電極42の姿勢変化による抵抗変化率の90%以下となればよい。
例えば、本実施形態では、第3電極42および第4電極82の一方の電極材料に、他方の電極材料とは温度変化による抵抗変化率が同じであって、姿勢変化による抵抗変化率は異なる材料を使用する場合、第3電極42と第4電極82とを同一形状および同一サイズのパターンとすることができる(図示せず)。
3.第3実施形態
本実施形態では、第1電極22および第2電極32のうち第3電極42および第4電極と82同一面に形成された電極(図18および図19の例では、第2電極32)のパターンが、X軸方向およびY軸方向の細線からなる矩形状の格子目323を有するメッシュパターンである。本実施形態において、格子目は、正方形または長方形である。
また、第4電極82のパターンの隣接する一組の重複部分821を対辺とする矩形状の領域823と、メッシュパターンの格子目323とが同一形状または近似形状、かつ、同一または近似サイズである。
さらに、メッシュパターンである電極(図18および図19の例では、第2電極32)と、第3電極42と、第4電極82とが、近接しており、格子目323および矩形状の領域823が、全体として規則正しく配列されている。
その他の点については、第1実施形態と同様である。
この構成によれば、第4電極82のパターンの隣接する一組の重複部分821を対辺とする矩形状の領域823が、メッシュパターンの格子目323と視覚的に同化する。
格子目323および矩形状の領域823の配列方向は、例えば、図18に示ように得X軸方向およびY軸方向への直列配列とすることができる。また、格子目323および矩形状の領域823の配列方向は、図19に示ように、千鳥配列することができる。また、全体として規則正しく配列されていれば、これらに限定されない。
なお、図18および図19において、第4電極82のジグザグパターンを構成する抵抗線は一定幅で描かれているが、これは図を見やすくするために簡略化して表現したものである。実際には、図5の(a)、(b)のいずれの場合もあり得る。
矩形状の領域823をメッシュパターンの格子目323と視覚的に同化する意味では、図5(a)のように同一幅の方がより好ましい。しかしながら、図5(b)のように第4電極82の重複部分821と折り返し部分822との太さが異なっていても、複数の折り返し部分822どうしが連続していないため、それほど目立たない。
4.第4実施形態
本実施形態では、図20に示すように、第3電極42のパターンが、第3電極42を構成する抵抗線が平面視でジグザグ状に折り返されて互いに平行に形成されている複数の重複部分421を有し、複数の重複部分421の並び方向が第3電極42の延在方向に一致する。
また、第4電極82のパターンが、第4電極82を構成する抵抗線が平面視でジグザグ状に折り返されて互いに平行に形成されている複数の重複部分821を有し、複数の重複部分821の並び方向が第4電極82の延在方向に一致する。
第3電極42のパターンと第4電極82のパターンは、折り返しが同調した周期を有している。
第1電極22および第2電極32のうち第3電極42および第4電極82と同一面に形成された電極(図20の例では、第2電極32)のパターンが、X軸方向およびY軸方向の細線からなる矩形状の格子目を有するメッシュパターンである。本実施形態において、格子目は、正方形または長方形である。
第3電極42および第4電極82のパターンの隣接する一組の重複部分421,821を対辺とする矩形状の領域423,823と、前メッシュパターンの格子目323とが同一または近似形状、かつ、同一または近似サイズである。
前記メッシュパターンである電極(図20の例では、第2電極32と、第3電極42と、第4電極82とが、近接しており、格子目323および矩形状の領域423,823が、全体としてX軸方向およびY軸方向に規則正しく配列されている。
なお、本実施形態の第3電極と第4電極82とは、使用する材料が異なっている。第3電極と第4電極82のパターンをジグザグ形状に揃えながら、材料を異ならせることによって、第3電極42と第4電極82の温度変化による抵抗変化率が同じであって、第4電極82の姿勢変化による抵抗変化率が、常温での姿勢変化中において、第3電極42の姿勢変化による抵抗変化率の90%以下としたものである。
また、本実施形態の第3電極と第4電極82は、ジグザグパターンを構成する抵抗線が一定幅である。
その他の点については、第1実施形態と同様である。
この構成によれば、第3電極42および第4電極82のパターンの隣接する一組の重複部分421,821を対辺とする矩形状の領域423,823が、メッシュパターンの格子目323と視覚的に同化する。
格子目323および矩形状の領域423,823の配列方向は、図20に示ようにX軸方向およびY軸方向への直列配列である。
なお、図20において、第3電極42および第4電極82のジグザグパターンを構成する抵抗線は一定幅で描かれているが、これは図を見やすくするために簡略化して表現したものである。したがって、以下に続く第5〜7実施形態の説明においても共用する。
5.第5実施形態
本実施形態では、第3電極42および第4電極82のパターンが共にジグザグパターンで、第3電極42および第4電極82と同一面に形成された第1電極22または第2電極32のパターンがメッシュパターンである第4実施形態と同様のパターン構成(図20参照)において、さらに第3電極42および第4電極82の抵抗線の幅に変化をつけた。
具体的には、図16(a)に示すように、第3電極42を構成する抵抗線の幅が、重複部分421で太く、前記重複部分421どうしを接続する折り返し部分422では細く形成されている。また、第4電極82を構成する抵抗線の幅が、前記重複部分821で細く、前記重複部分821どうしを接続する折り返し部分822では太く形成されている。
また、第4実施形態と異なり、本実施形態では、第3電極42と第4電極82が同じ電極材料からなる。この点は、第1実施形態と同様である。
その他の点については、第4実施形態と同様である。
この構成によれば、第3電極42を構成する抵抗線の折り返し部分422の幅を重複部分421に比べて細くすることにより、同じ材料であっても、押圧時に検出される第3電極42の抵抗変化率が、重複部分421と折り返し部分422とが同幅の場合に比べて大きくなる。
例えば、折り返し部分422の幅が重複部分421に比べて細いジグザグパターンである三電極42の抵抗変化後の電気抵抗(R´)は、仮に押圧前の重複部分421と折り返し部分422の抵抗比が1:2とすると、元の電気抵抗(R)、歪み(ε)およびゲージ率(Ks)と、次式の関係にある。
´=R/3+2R/3(1+Ks×ε) (式10)
前の項のR/3が押圧後の重複部分421の電気抵抗、後の項の2R/3(1+Ks×ε)が押圧後の折り返し部分422の抵抗である。つまり、電気抵抗の変化した量(ΔR)および抵抗変化率(ΔR/R)は、それぞれ次式のようになる。
ΔR=2R/3×Ks×ε (式11)
ΔR/R=2/3×Ks×ε (式12)
一方、第4電極82を構成する抵抗線の折り返し部分822の幅を重複部分821に比べて太くすることにより、押圧時に検出される第4電極82の抵抗変化率が、重複部分821と折り返し部分822とが同幅の場合に比べて小さくなる。
例えば、折り返し部分422の幅が重複部分421に比べて太いジグザグパターンの第4電極82の抵抗変化後の電気抵抗(R´)は、仮に重複部分821と折り返し部分822の抵抗比が2:1とすると、前述の(式7)〜(式9)のようになる。
したがって、(式12)と(式9)から明らかな通り、第4電極82の抵抗変化率は、第3電極42の抵抗半化率の1/2に相当する。すなわち、パターンの違いだけで、押圧時の第3電極42の抵抗変化率と第4電極82の抵抗変化率との差を生じさせることができる。
6.第6実施形態
本実施形態においては、第3電極42および第4電極82のパターンが共にジグザグパターンで、第3電極42および第4電極82と同一面に形成された第1電極22または第2電極32のパターンがメッシュパターンである第4実施形態と同様のパターン構成(図20参照)において、さらに第3電極42および第4電極82の抵抗線の幅に第5実施形態とは別の変化をつけた。
具体的には、第3電極42を構成する抵抗線の線幅が、重複部分421で太く、重複部分421どうしを接続する折り返し部分422では細く形成され、第4電極82を構成する抵抗線の線幅が、同一幅に形成されている。
また、本実施形態でも、第5実施形態と同様に、第3電極42と第4電極82が同じ電極材料からなる。
その他の点については、第4実施形態と同様である。
この構成によれば、第5実施形態でも説明したように、第3電極42を構成する抵抗線の折り返し部分422の幅を重複部分421に比べて細くすることにより、押圧時に検出される第3電極42の抵抗変化率が、重複部分421と折り返し部分422とが同幅の場合に比べて大きくなる。ここで、この同一幅の構成は、本実施形態での第4電極82に相当する。
したがって、第3電極42と第4電極82が同じ材料であっても、パターンの違いだけで、押圧時の第3電極42の抵抗変化率と第4電極82の抵抗変化率との差を生じさせることができる。
7.第7実施形態
本実施形態においては、第3電極42および第4電極82のパターンが共にジグザグパターンで、第3電極42および第4電極82と同一面に形成された第1電極22または第2電極32のパターンがメッシュパターンである第4実施形態と同様のパターン構成(図20参照)において、さらに第3電極42および第4電極82の抵抗線の幅に第5および第6実施形態とは別の変化をつけた。
具体的には、第3電極42を構成する抵抗線の線幅が、同一幅に形成され、第4電極82を構成する抵抗線の線幅が、重複部分821で細く、重複部分821どうしを接続する折り返し部分822では太く形成されている、
また、本実施形態でも、第5および第6実施形態と同様に、第3電極42と第4電極82が同じ電極材料からなる。
その他の点については、第4実施形態と同様である。
この構成によれば、第1実施形態でも説明したように、第4電極82を構成する抵抗線の折り返し部分822の幅を重複部分821に比べて太くすることにより、押圧時に検出される第4電極82の抵抗変化率が、重複部分821と折り返し部分822とが同幅の場合に比べて大きくなる。ここで、この同一幅の構成は、本実施形態での第3電極42に相当する。
したがって、第3電極42と第4電極82が同じ材料であっても、パターンの違いだけで、押圧時の第3電極42の抵抗変化率と第4電極82の抵抗変化率との差を生じさせることができる。
8.第8実施形態
上記の各実施形態では、第3電極42および第4電極82のそれぞれを構成する抵抗線の折り返し部分422,822が、直線的に折り返されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、図16(b)に示すように、第3電極42および第4電極82を構成する抵抗線の折り返し部分422,822が、曲線的に折り返されている構成であっても良い。
図16(b)に示す第3電極42の例では、第3電極42を構成する抵抗線の折り返し部分422は、外縁の形状が半楕円形状で、内縁の形状が半円形状となっている。また、図16(b)に示す第4電極82の例では、第4電極82を構成する抵抗線の折り返し部分822は、外縁の形状が半円形状で、内縁の形状が半楕円形状となっている。
この構成によれば、第3電極42および第4電極82に伸びの力がかかるときの応力集中を緩和できる。すなわち、応力集中は折り返し部分422,822でのクラックの発生を招くが、抵抗線の折り返し部分422,822が曲線的に折り返されているため、折り返し部分422,822に発生する応力は分散して弱められ、クラックの発生を抑えることができる。
なお、抵抗線の折り返し部分422,822が直線的に折り返されている構成にすると、曲線的に折り返されている構成と比べて第3電極42および第4電極82の延在方向(X軸方向)に直交する方向(Y軸方向)の幅が小さくなるので、第2電極32、第3電極42および第4電極82を詰めて並べることができる。その結果、押圧位置および押圧力の検出精度を高めることができる。
9.第1〜第8実施形態の変形例
さらに、第1〜第8実施形態の変形例について説明する。なお、以下のそれぞれの変形例で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の変形例で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の各実施形態では、パネル部材10の形状が長方形であり、パネル部材10の短辺が、第3電極42および第4電極82の延在方向と平行である構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。
例えば、パネル部材10の形状が、角が丸みを帯びた形状、辺の一部が丸みを帯びた形状、対抗する辺の一方が他方に対して傾斜を有する形状、外縁が部分的に切り欠きや突出を有する形状など、おおよそ長方形と言える形状であればよい。また、パネル部材10の形状が正方形であってもよい。
(2)上記の各実施形態では、Y軸方向における両端部の第3電極42および各接続配線45が全てスイッチ44を介して制御部60に接続され、Y軸方向における両端部の第4電極82および各接続配線85が全てスイッチ84を介して制御部60に接続された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。これらは、その一部のみが制御部60に接続されても良い。例えば図7に示した例において、Y軸方向における両端部の第3電極42とX軸方向の一方側(例えば図7の下側)に配置された各接続配線45のみが、それぞれスイッチ44a,44c,44e,44g,44hを介して制御部60に接続されたり、Y軸方向における両端部の第4電極82とX軸方向の一方側(例えば図7の下側)に配置された各接続配線85のみが、それぞれスイッチ84a,84c,84e,84g,84hを介して制御部60に接続されたりしても良い。制御部60への接続が省略される接続配線45,85は、適宜設定されて良い。なお、全ての接続配線45,85が制御部60に接続されることなく、Y軸方向における両端部の第3電極42, 両端部の第4電極82のみが、常時、制御部60に接続されても良い。このような構成では、マルチフォースには非対応となるが、シングルタッチ時にのみ感圧機能が発揮されれば良い仕様であれば、抵抗検出回路を大幅に簡素化することができ、低コスト化を図ることができる。
(3)上記の各実施形態では、第3電極42のそれぞれが、互いに隣接して配置される電極どうしがそれらの延在方向の一方側端部と他方側端部とで交互に接続され、全体として平面視でジグザグ状に形成され、第4電極82のそれぞれが、互いに隣接して配置される電極どうしがそれらの延在方向の一方側端部と他方側端部とで交互に接続され、全体として平面視でジグザグ状に形成されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば図17に示すように、第3電極42のそれぞれおよび第4電極82のそれぞれが、第2電極32と同様に、第2基板31上において、互いに接続されることなく離間して島状に配置されても良い。このような構成では、操作面10aに対する押圧力の大きさを決定するためには、各第3電極42および各第4電極82のスキャニングを常時行う必要がある。この場合、常時、マルチフォース対応が可能となる。
(4)上記の各実施形態では、第3電極42が、第2基板31上において、互いに隣接する第2電極32どうしの間にY軸方向に並ぶように互いに平行に配置されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。第3電極42が第1基板21上において、互いに隣接する第1電極22どうしの間にX軸方向に並ぶように互いに平行に配置されても良い。このような構成であっても、上記の実施形態と同様に、感圧機能を有するとともに従来に比べて薄型のタッチパネル5を実現することができる。なお、第3電極42が第1基板21上に配置される場合には、第4電極82も第1基板21上に配置される。
(5)上記の各実施形態では、第1電極22および第2電極32が、それぞれ第1基板21および第2基板31における正面側の面に形成されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば第1電極22および第2電極32が、それぞれ第1基板21および第2基板31における背面側の面に形成されても良い。また、例えば第1電極22および第2電極32が、第1基板21および第2基板31における相互に対向する面にそれぞれ形成されても良い。但し、この場合であっても、第1電極22と第2電極32とが短絡しないように、両電極22,23間には絶縁層が設けられる。この絶縁層は、例えばドット状のスペーサを含む空気層(エアギャップ)であっても良いし、接着層を兼用するものであっても良い。第3電極42および第4電極82の形成位置は、第1基板21および第2基板31における第1電極22および第2電極32の形成位置に応じて設定される。
(6)上記の各実施形態では、パネル部材10と第1電極形成部材20と第2電極形成部材30とが貼り合わされた構成を例として説明した。つまり、パネル部材10と、第1電極22が形成された第1基板21と、第2電極32が形成された第2基板31とが貼り合わされた構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば少なくとも第1基板21を省略し、パネル部材10と第1電極22と第2電極32とが貼り合わされただけの構成(その背面側に第2基板31が存在しても良い)であっても良い。但し、その場合であっても、第1電極22と第2電極32とが短絡しないように、両電極22,23間には絶縁層が設けられる。この絶縁層は、接着層を兼用するものであっても良い。
(7)上記の各実施形態では、位置決定部66が、容量検出部62による検出結果をそのまま用いて押圧位置を決定する構成を念頭に置いて説明した。同様に、押圧力決定部67が、第1抵抗検出部63による検出結果を温度補償部68より補正した後に、そのまま用いて押圧力を決定する構成を念頭に置いて説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば位置決定部66が容量検出部62による検出値のうち予め定められた閾値を超えた値のみを用いて押圧位置を決定しても良い。また、押圧力決定部67が、抵抗検出部63による検出結果の補正値のうち予め定められた閾値を超えた値のみを用いて押圧力を決定しても良い。このようにすれば、操作面10aに対するユーザーの意図しない接触等に基づく誤入力の発生を抑制することができる。
(8)上記の各実施形態では、複数の第1電極22から制御部60に延びるそれぞれの引き回し配線23にはスイッチ24が設けられ、複数の第2電極32から制御部60に延びるそれぞれの引き回し配線33にはスイッチ34が設けられている構成(図6)を念頭に置いて説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、図21に示すように、引き回し配線23,33にはスイッチ24,34を設けず、回路を簡略化してもよい。
(9)以下に示す変形例は、第3電極と第4電極を最も近接に配置した実施例である。この変形例では、省スペースが実現される。また、第3電極42と第4電極82との間で温度勾配が生じにくいので、温度補償が正確にできる。
図22に示す変形例では、第3電極42と第4電極82が延在方向に延びている。第3電極42は、第4電極82の形状に沿って配置されている。具体的には、第3電極42および第4電極82はすでに述べたジグザグ形状であり、第3電極42の重複部分421および折り返し部分422は、それぞれ、第4電極82の重複部分821および折り返し部分822に対して平行に延びて近接している。なお、第4電極82の折り返し部分822は重複部分821に比べて幅が太い。
図23に示す変形例では、図22に示す変形例とは異なり、第3電極42の重複部分421は折り返し部分422に比べて幅が太い。
図24に示す変形例では、圧力センサ5bは、第3電極42及び第4電極82からなる2組を有しており、各組が、外周エリア10bに対応する位置において、短辺の短辺方向両端に配置されている。各組において、第3電極42およびと第4電極82は短辺方向に延びている。なお、図24において、圧力センサ5bの第3電極42および第4電極82(図24では符号なし)は簡略化して直線状に各々記載されている。
第3電極42は、第4電極82の形状に沿って配置されている。具体的には、第3電極42および第4電極82は交互に繰り返される山型(三角)形状である。第3電極42は交互に並んだ第1斜め部42aおよび第2斜め部42bを有しており、第4電極82は交互に並んだ第3斜め部82aおよび第4斜め部82bを有している。第1斜め部42aと第3斜め部82aは、互いに平行でありかつ近接している。第2斜め部42aと第4斜め部82aは、互いに平行でありかつ近接している。
なお、第4電極82の第4斜め部82bは第3斜め部82aに比べて幅が太い。
なお、上記のように三角波形状であるので、第3電極42および第4電極82の延在方向に対して斜めとなる方向(矢印C)に働く歪み応力を測定することができる。
図25に示す変形例では、図24に示す変形例とは異なり、第3電極42の第1斜め部42a(第4電極82の第3斜め部82aに近接する部分)は第2斜め部42bに比べて幅が太い。
10.第9実施形態
図26を用いて、第9実施形態を説明する。図26は、第9実施形態の電子機器の断面図である。第9実施形態は、電子機器のパネル部材支持構造が上記各実施形態と異なる。
本実施形態において、支持部材50Aは、パネル部材10を背面側から支持する。支持部材50Aは、上記各実施形態とは異なり、第1電極22が形成された第1電極形成部材20及び第2電極形成部材30を介さずに、パネル部材10を背面側から支持する。
支持部材50Aは、枠状に形成されている。支持部材50Aは、筐体3の支持部3bの形状に対応するように、平面視で矩形枠状に形成されている。支持部材50Aは、矩形状に形成されたパネル部材10および各電極形成部材20,30の周縁部(各辺の近傍)を支持するように設けられている。
11.他の実施形態
本発明に係るタッチパネルの他の実施形態を説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
圧力センサは、第1基板21の表面若しくは背面または第2基板31の表面または背面に形成されていてもよい。
第3電極と第4電極が、第1電極または第2電極と同じ層に形成されていてもよい。この場合は、第3電極および第4電極は、第1電極および第2電極に接続される引き回し線(通常は、銅や銀ペースト)と同じ材料を用いて、引き回し線と同時に印刷やエッチングにより形成されることができる。
パネル部材、第1基板、第2基板の形状は特に限定されず、例えば正方形でもよい。
第1基板及び第2基板の一方または両方が省略されてもよい。
パネル部材は平面部材に限定されず、曲面を有していてもよい。
上記の各実施形態では、本発明に係るタッチパネルを電子機器1の一種としての多機能携帯電話に適用した例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。電子機器1としては、多機能携帯電話以外にも、例えば従来型携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant))、携帯音楽プレイヤー、車載用ナビゲーション装置、PND(Portable Navigation Device)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯ゲーム機、およびタブレット等が挙げられる。これらの電子機器1にも、本発明に係るタッチパネルを好適に適用することが可能である。また、最初に述べたように、電子機器1に限らず、自動車内装に用いられるセンターインフォメーションディスプレイ(CID:Center Information Display)やクラスター(Cluster:Instrument Cluster)、リアシートエンターテイメント(RSE:Rear Seat Entertainment)等の車載ディスプレイにも、本発明に係るタッチパネルを好適に適用することが可能である。
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。従って、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、例えば多機能携帯電話に搭載されたタッチパネルに利用することができる。
1 :電子機器
3 :筐体
4 :表示装置
5 :タッチパネル
10 :パネル部材
10a :操作面
20 :第一電極形成部材
21 :第一基板
22 :第一電極
30 :第二電極形成部材
31 :第二基板
32 :第二電極
323 :格子目
42 :第三電極
421 :重複部分
422 :折り返し部分
423 :矩形状の領域
45 :接続配線
50 :支持部材
60 :制御部
62 :容量検出部
63 :第一抵抗検出部
64 :第二抵抗検出部
65 :入力決定部
66 :位置決定部
67 :押圧力決定部
68 :温度補償部
82 :第四電極
821 :重複部分
822 :折り返し部分
823 :矩形状の領域?

Claims (14)

  1. 操作面を有するとともに弾性変形可能なパネル部材と、
    前記パネル部材における前記操作面とは反対側にX軸方向に所定間隔を隔てて並ぶように互いに平行に配置され、被検知物の近接/離間に応じて自己容量または相互容量が変化する複数の第1電極と、
    複数の前記第1電極と対向し、かつ、前記X軸方向に交差するY軸方向に所定間隔を隔てて並ぶように互いに平行に配置され、前記被検知物の近接/離間に応じて自己容量または相互容量が変化する複数の第2電極と、
    複数の前記第1電極どうしの間に前記X軸方向に並ぶように互いに平行に配置され、または、複数の前記第2電極どうしの間に前記Y軸方向に並ぶように互いに平行に配置され、姿勢変化および温度変化に応じて電気抵抗が変化する複数の第3電極と、
    複数の前記第3電極のそれぞれに沿って延在するように配置され、姿勢変化および温度変化に応じて電気抵抗が変化する複数の第4電極と、
    を備え、
    前記第4電極の温度変化による抵抗変化率は、前記第3電極の温度変化による抵抗変化率と同じであり、
    前記第4電極の姿勢変化による抵抗変化率は、常温での姿勢変化中において、前記第3電極の姿勢変化による抵抗変化率の90%以下であるタッチパネル。
  2. 前記第3電極のパターンが、直線パターンであり、
    前記第4電極のパターンが、前記第4電極を構成する抵抗線が平面視でジグザグ状に折り返されて互いに平行に形成されている複数の重複部分を有し、複数の前記重複部分の並び方向が前記第4電極の延在方向に一致するパターンである、請求項1のタッチパネル。
  3. 前記第4電極を構成する抵抗線の線幅が、前記重複部分で細く、前記重複部分どうしを接続する折り返し部分では太い、請求項2のタッチパネル。
  4. 前記第1電極および前記第2電極のうち前記第3電極および前記第4電極と同一面に形成された電極のパターンが、X軸方向およびY軸方向の細線からなる矩形状の格子目を有するメッシュパターンであり、
    前記第4電極のパターンの隣接する一組の前記重複部分を対辺とする矩形状の領域と、前記メッシュパターンの前記格子目とが同一形状または近似形状、かつ、同一または近似サイズであり、
    前記メッシュパターンである電極と、前記第3電極と、前記第4電極とが、近接しており、
    前記格子目および前記矩形状の領域が、全体として規則正しく配列されている、請求項2または請求項3のタッチパネル。
  5. 前記第3電極のパターンが、前記第3電極を構成する抵抗線が平面視でジグザグ状に折り返されて互いに平行に形成されている複数の重複部分を有し、複数の前記重複部分の並び方向が前記第3電極の延在方向に一致するパターンであり、
    前記第4電極のパターンが、前記第4電極を構成する抵抗線が平面視でジグザグ状に折り返されて互いに平行に形成されている複数の重複部分を有し、複数の前記重複部分の並び方向が前記第4電極の延在方向に一致するパターンであり、
    前記第3電極のパターンと前記第4電極のパターンの折り返しが同調した周期を有し、
    前記第1電極および前記第2電極のうち前記第3電極および前記第4電極と同一面に形成された電極のパターンが、X軸方向およびY軸方向の細線からなる矩形状の格子目を有するメッシュパターンであり、
    前記第3電極および前記第4電極のパターンの隣接する一組の前記重複部分を対辺とする矩形状の領域と、前記メッシュパターンの前記格子目とが同一または近似形状、かつ、同一または近似サイズであり、
    前記メッシュパターンである電極と、前記第3電極と、前記第4電極とが、近接しており、
    前記格子目および前記矩形状の領域が、全体としてX軸方向およびY軸方向に規則正しく配列されている、請求項1のタッチパネル。
  6. 前記第3電極を構成する抵抗線の線幅が、前記重複部分で太く、前記重複部分どうしを接続する折り返し部分では細く形成され、
    前記第4電極を構成する抵抗線の線幅が、前記重複部分で細く、前記重複部分どうしを接続する折り返し部分では太く形成されている、請求項5のタッチパネル。
  7. 前記第3電極を構成する抵抗線の線幅が、前記重複部分で太く、前記重複部分どうしを接続する折り返し部分では細く形成され、
    前記第4電極を構成する抵抗線の線幅が、同一幅に形成されている、請求項5のタッチパネル。
  8. 前記第3電極を構成する抵抗線の線幅が、同一幅に形成され、
    前記第4電極を構成する抵抗線の線幅が、前記重複部分で細く、前記重複部分どうしを接続する折り返し部分では太く形成されている、請求項5のタッチパネル。
  9. 前記第3電極および前記第4電極のそれぞれを構成する平面視でジグザグ状に折り返された抵抗線の前記折り返し部分が、曲線的に折り返されている、請求項5〜8のタッチパネル。
  10. 前記第3電極および前記第4電極のそれぞれを構成する平面視でジグザグ状に折り返された抵抗線の前記折り返し部分が、直線的に折り返されている、請求項5〜8のタッチパネル。
  11. 前記第4電極が、前記第4電極とパターンの異なる前記第3電極と同じ材料を用いて構成されている、請求項2、3または6〜8のタッチパネル。
  12. 複数の前記第3電極が、互いに隣接して配置される前記第3電極どうしがそれらの延在方向の一方側端部と他方側端部とで交互に接続され、全体として平面視でジグザグ状に形成され、
    複数の前記第4電極が、互いに隣接して配置される前記第4電極どうしがそれらの延在方向の一方側端部と他方側端部とで交互に接続され、全体として平面視でジグザグ状に形成されている、請求項1〜11のタッチパネル。
  13. 前記第3電極および前記第4電極が、前記第1電極と前記第2電極とのうち前記パネル部材とは反対側に配置される電極と同一面に形成されている、請求項1〜12のタッチパネル。
  14. 前記パネル部材の形状が長方形であり、前記第3電極の延在方向が前記パネル部材の短辺と平行である、請求項1〜13のいずれかに記載のタッチパネル。
JP2020098638A 2019-06-19 2020-06-05 タッチパネル Active JP6877861B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN202080031910.XA CN113748403B (zh) 2019-06-19 2020-06-10 触摸面板
PCT/JP2020/022805 WO2020255816A1 (ja) 2019-06-19 2020-06-10 タッチパネル
US17/596,190 US11762517B2 (en) 2019-06-19 2020-06-10 Touch panel
KR1020217027427A KR20220022109A (ko) 2019-06-19 2020-06-10 터치 패널

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019113963 2019-06-19
JP2019113963 2019-06-19

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2021002337A true JP2021002337A (ja) 2021-01-07
JP2021002337A5 JP2021002337A5 (ja) 2021-04-01
JP6877861B2 JP6877861B2 (ja) 2021-05-26

Family

ID=73995289

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020098638A Active JP6877861B2 (ja) 2019-06-19 2020-06-05 タッチパネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6877861B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022149522A1 (ja) 2021-01-08 2022-07-14 株式会社エンビジョンAescジャパン 電池モジュール

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5915285A (en) * 1993-01-21 1999-06-22 Optical Coating Laboratory, Inc. Transparent strain sensitive devices and method
EP2685358A1 (en) * 2012-07-12 2014-01-15 Sony Mobile Communications AB Pressure sensitive input device
JP2015170178A (ja) * 2014-03-07 2015-09-28 日本写真印刷株式会社 感圧センサ及びタッチパネル
WO2018043588A1 (ja) * 2016-08-30 2018-03-08 シャープ株式会社 圧力センサ内蔵静電容量型タッチパネル

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5915285A (en) * 1993-01-21 1999-06-22 Optical Coating Laboratory, Inc. Transparent strain sensitive devices and method
EP2685358A1 (en) * 2012-07-12 2014-01-15 Sony Mobile Communications AB Pressure sensitive input device
JP2015170178A (ja) * 2014-03-07 2015-09-28 日本写真印刷株式会社 感圧センサ及びタッチパネル
WO2018043588A1 (ja) * 2016-08-30 2018-03-08 シャープ株式会社 圧力センサ内蔵静電容量型タッチパネル

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022149522A1 (ja) 2021-01-08 2022-07-14 株式会社エンビジョンAescジャパン 電池モジュール

Also Published As

Publication number Publication date
JP6877861B2 (ja) 2021-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7023904B2 (ja) タッチセンサを含む表示装置
US9933877B2 (en) Pressure sensitive sensor and touch panel
US10459585B2 (en) Touch sensor device
JP6148934B2 (ja) タッチパネル
JP6148933B2 (ja) タッチパネル
JP2011511357A (ja) 分割電極構造を有する接触感知パネル及びこれを備えた接触感知装置
JP5877864B2 (ja) 静電容量式タッチパネルの導電模様構造
KR20160088533A (ko) 터치 센서
US8907919B2 (en) Sensing structure of touch panel
KR20100070964A (ko) 정전용량방식 터치패널의 전극패턴구조
TW201510803A (zh) 觸控面板及液晶顯示裝置
US9547397B2 (en) Touch window and touch device the same
US20100039407A1 (en) Sensory structure of capacitive touch panel with predetermined sensing areas
JP6877861B2 (ja) タッチパネル
CN111752422B (zh) 用于触摸面板的电极、包括其的触摸面板及终端设备
WO2020255816A1 (ja) タッチパネル
JP6887549B1 (ja) タッチパネル
US9285935B2 (en) Touch screen device
US9342171B2 (en) Touch panel with first and second electrodes extending in the same direction but on opposite surfaces of a substrate
KR101311750B1 (ko) 카본나노튜브 기반의 터치패널
KR101006386B1 (ko) 저항막 방식의 터치 패널
WO2022244355A1 (ja) タッチセンサ
KR100956973B1 (ko) 저항막 방식의 멀티 터치 패널
KR101097274B1 (ko) 터치패널센서
JP7043186B2 (ja) タッチセンサおよび表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210218

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210218

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20210218

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20210416

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210427

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210427

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6877861

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250