本発明に係るタッチパネルの実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態に係るタッチパネル5は、携帯電話や携帯ゲーム機等の電子機器1に備えられ、タッチ入力デバイスとして機能する。本実施形態では、電子機器1の一種としての多機能携帯電話(スマートフォン)に搭載されたタッチパネル5を例として説明する。なお、以下の説明では、タッチ入力デバイスとしてのタッチパネル5の入力面(後述する操作面10a)が位置している側を「正面側」と称する。この「正面側」は、電子機器1を操作するユーザーに対して正対する側でもある。これとは反対に、電子機器1を操作するユーザーから見た場合における奥側を「背面側」と称する。
図1及び図2に示すように、電子機器1は、略直方体状の筐体3と、この筐体3に内蔵された表示装置4と、表示装置4に対して正面側に重ねて配置されたタッチパネル5とを備えている。筐体3は、合成樹脂で構成されている。筐体3は、正面側に向かって矩形状に開口する凹部3aを備えている。凹部3aは段差を有するように形成されており、この段差部分は、タッチパネル5を背面側から支持する支持部3bとして機能する。支持部3bは、凹部3aの形状に対応して、矩形枠状(額縁状)に形成されている。支持部3b(段差部分)よりも背面側の領域(第一収納凹部)には表示装置4が収納され、正面側の領域(第二収納凹部)には、支持部3bによって支持された状態でタッチパネル5が収納されている。なお、表示装置4は、例えば液晶表示パネルや有機EL表示パネルにより構成される。
凹部3a(第一収納凹部及び第二収納凹部)の形状及び寸法は、表示装置4やタッチパネル5の形状及び寸法に応じて適宜設定することができる。本実施形態では、一例として、表示装置4及びタッチパネル5はいずれも略直方体状の形状を有しており、平面視(正面側から見た状態)での寸法は表示装置4よりもタッチパネル5の方が大きい。そして、凹部3aは、第一収納凹部の側面と表示装置4の側面とが接するとともに第二収納凹部の側面とタッチパネル5の側面とが接し、かつ、表示装置4の表面と支持部3bの表面とが略同じ高さとなるともに筐体3の表面とタッチパネル5の表面とが略同じ高さとなるように形成されている。
本実施形態では、タッチパネル5は、ユーザーの指又はユーザーが操作するスタイラス等が操作面10aに近接又は接触したときに、ユーザーの指等に対応する位置(“タッチ位置”と称する)を検出するように構成されている。また、タッチパネル5は、ユーザーが指等で操作面10aを実際にタッチしたときに、タッチ位置(操作面10a上の押圧位置)に加えて、操作面10aに対する押圧力の大きさをも同時に検出するように構成されている。すなわち、本実施形態に係るタッチパネル5は、感圧機能付きタッチパネルとして構成されている。
図3に示すように、タッチパネル5は、パネル部材10と、第一電極形成部材20と、第二電極形成部材30と、支持部材50とを備えている。これらは、正面側から背面側に向かって記載の順に積層されている。筐体3の支持部3bに支持部材50が配置され、支持部材50の上に第二電極形成部材30が配置され、第二電極形成部材30の上に第一電極形成部材20が配置され、第一電極形成部材20の上にパネル部材10が配置されている(図2も参照)。これらは、例えば感圧接着剤(Pressure Sensitive Adhesive;PSA)等によって互いに貼り合わされている。
また、本実施形態では、パネル部材10、第一電極形成部材20、及び第二電極形成部材30は、平面視で矩形状に形成されて重ね合わされる。そして、当該矩形状を形成する4辺のうちの1辺に沿った方向を、本実施形態では「X軸方向」と定義し、その1辺に交差(本例では直交)する他の1辺に沿った方向を、本実施形態では「Y軸方向」と定義する。本実施形態では、互いに直交するX軸方向とY軸方向とに基づいて、X−Y座標系(X−Y直交座標系)が構成されている。なお、非直角に互いに交差するX軸方向とY軸方向とに基づいて、X−Y座標系が構成されても良い。
パネル部材10は、タッチパネル5における最正面側に配置される板状部材である。パネル部材10は、その正面側の表面に操作面10aを有する。この操作面10aは、ユーザーが電子機器1に対して所定操作を入力する際に、ユーザーの指等によってタッチされる(操作対象となる)面である。本実施形態では、パネル部材10は、第一電極形成部材20及び第二電極形成部材30を保護する保護パネルとして機能する。パネル部材10は、透明性、耐傷性、及び防汚性等を具備していることが好ましい。このようなパネル部材10は、例えばソーダガラスや強化ガラス等を用いたガラス板により構成することができ、本実施形態ではガラス薄板としている。これ以外にも、ポリメチルメタクリレートやポリカーボネート等の樹脂材料や、有機無機ハイブリッド材料等を用いてパネル部材10を構成しても良い。強度に優れた材料を用いることで、パネル部材10の薄型化を図ることができる。パネル部材10の厚みは、例えば、0.4mm〜1.5mmとすることができる。また、パネル部材10は、元来的に弾性変形可能ではあるが、薄型化することで弾性変形しやすくなるという利点もある。
第一電極形成部材20は、第一基板21と、この第一基板21上に形成された複数(本例では8本)の第一電極22とを有する。第一基板21は、透明性、柔軟性、及び絶縁性等に優れた材料を用いて構成されていることが好ましい。このような要求を満足する材料としては、例えばポリエチレンテレフタレートやアクリル系樹脂等の汎用樹脂、ポリアセタール系樹脂やポリカーボネート系樹脂等の汎用エンジニアリング樹脂、ポリスルホン系樹脂やポリフェニレンサルファイド系樹脂等のスーパーエンジニアリング樹脂等が例示される。第一基板21の厚みは、例えば、25μm〜100μmとすることができる。本実施形態では、ポリエチレンテレフタレートフィルムにより第一基板21が構成されている。
第一電極22は、本実施形態では、第一基板21における正面側(パネル部材10側)の面に形成されている。複数の第一電極22は、X軸方向に所定間隔を隔てて並ぶように互いに平行に配置されている。本実施形態では、第一電極22は、ストライプ状(一定幅を有する直線状)に形成されている。なお、第一電極22は、例えば波状やジグザグ状に形成されても良い。いずれにしても、第一電極22のそれぞれは、全体として、Y軸方向に沿って延在するように形成されている。第一電極22は、非検知物(ユーザーの指等の導体)の近接/離間に応じて静電容量が変化する材料を用いて構成されている。なお、「静電容量」とは、自己容量(self capacitance)と相互容量(mutual capacitance)との双方を含む概念である。つまり、第一電極22は、非検知物の近接/離間に応じて、自己容量又は第二電極32との間の相互容量が変化する材料を用いて構成されている。また、第一電極22は、透明性に優れた材料を用いて構成されていることが好ましい。このような要求を満足する材料としては、例えば酸化スズ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化カドミウム、及びITO(Indium Tin Oxide)等の金属酸化物、銀ナノワイヤー、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー等が例示される。第一電極22は、これらの材料を用いて構成された透明導電膜であり、その厚みは、例えば5nm〜10000nmとすることができる。本実施形態では、ITO薄膜により第一電極22が構成されている。
第一電極22の形成方法としては、例えば第一基板21に全面的に透明導電膜を形成してから不要部分をエッチング除去する方法が例示される。透明導電膜の全面的な形成は、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法、及びロールコーター法等によって行うことができる。エッチングは、電極として残したい部分にフォトリソグラフィ法又はスクリーン印刷法等によりレジストを形成した後、塩酸等のエッチング液に浸漬することによって行うことができる。また、エッチングは、レジストの形成後、エッチング液を噴射してレジストが形成されていない部分の透明導電膜を除去し、その後、溶剤に浸漬することによりレジストを膨潤又は溶解させて除去することにより行うこともできる。また、エッチングは、レーザーにより行うこともできる。
第二電極形成部材30は、第二基板31と、この第二基板31上に形成された複数(本例では8本)の第二電極32とを有する。第二基板31も、透明性、柔軟性、及び絶縁性等に優れた材料を用いて構成されていることが好ましい。第二基板31を構成する材料や第二基板31の厚みに関しては、第一基板21と同様に考えることができる。
第二電極32は、本実施形態では、第二基板31における正面側(パネル部材10及び第一電極形成部材20側)の面に形成されている。複数の第二電極32は、複数の第一電極22と厚み方向に所定間隔を隔てて対向するように配置されている。また、複数の第二電極32は、Y軸方向に所定間隔を隔てて並ぶように互いに平行に配置されている。本実施形態では、第二電極32は、ストライプ状(一定幅を有する直線状)に形成されている。なお、第二電極32は、例えば波状やジグザグ状に形成されても良い。いずれにしても、第二電極32のそれぞれは、全体として、X軸方向に沿って延在するように形成されている。これにより、第一電極22と第二電極32とは、平面視で互いに交差(本例では直交)するように配置されている。第二電極32は、第一電極22と同様、非検知物の近接/離間に応じて静電容量が変化する材料を用いて構成されている。第二電極32は、非検知物の近接/離間に応じて、自己容量又は第一電極22との間の相互容量が変化する材料を用いて構成されている。また、第二電極32は、透明性に優れた材料を用いて構成されていることが好ましい。第二電極32を構成する材料や第二電極32の厚みに関しては、第一電極22と同様に考えることができる。また、第二電極32の形成方法に関しても、第一電極22と同様に考えることができる。
本実施形態では、複数の第一電極22のそれぞれは、第一基板21上において、互いに接続されることなく離間して島状に配置されている。同様に、複数の第二電極32のそれぞれも、第二基板31上において、互いに接続されることなく離間して島状に配置されている。そして、これら複数の第一電極22及び複数の第二電極32は、全体として平面視で格子状をなすように配置されている(図4を参照)。これら複数の第一電極22と複数の第二電極32とにより、一般的な静電容量方式のタッチパネルが構成されている。なお、第一電極22と第二電極32との間には第一基板21が存在しており、第一電極22と第二電極32とは厚み方向に第一基板21を介して配置されている。本実施形態では、第一電極22と第二電極32との間にはエアギャップが存在しないので、光学特性を向上させることができる。つまり、光の反射を抑えて、透過率の低下を抑えることができる。
図3に示すように、第二電極形成部材30は、第二基板31上に形成された複数(本例では、第二電極32どうしの間の数に対応する7本)の第三電極42をさらに有する。第三電極42は、第二基板31における正面側(パネル部材10及び第一電極形成部材20側)の面に形成されている。第三電極42は、Y軸方向に所定間隔を隔てて並ぶように互いに平行に配置されている。第三電極42は、互いに隣接する第二電極32どうしの間に1本ずつ配置されている。つまり、互いに平行に形成される第二電極32と第三電極42とが、Y軸方向に所定間隔を隔てつつ交互に配置されている。本実施形態では、第三電極42は、ストライプ状(一定幅を有する直線状)に形成されている。なお、第三電極42は、例えば波状やジグザグ状に形成されても良い。いずれにしても、第三電極42のそれぞれは、全体として、X軸方向に沿って延在するように形成されている。なお、複数の第三電極42は、第二電極32と同様、複数の第一電極22と厚み方向に所定間隔を隔てて対向するように配置されている。
第三電極42は、姿勢変化に応じて電気抵抗が変化する材料を用いて構成されている。また、第三電極42は、透明性に優れた材料を用いて構成されていることが好ましい。このような要求を満足する材料としては、例えば酸化スズ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化カドミウム、及びITO等の金属酸化物、銀ナノワイヤー、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー等が例示される。第三電極42は、これらの材料を用いて構成された透明導電膜であり、その厚みは、例えば5nm〜10000nmとすることができる。本実施形態では、ITO薄膜により第三電極42が構成されている。第三電極42の形成方法に関しては、第一電極22及び第二電極32と同様に考えることができる。
なお、第三電極42は、第二電極32と同じ材料を用いて構成されることが好ましい。第三電極42と第二電極32とが同じ材料で構成されると、第二電極32の屈折率と第三電極42の屈折率とが同じになる。同様に、第二電極32の反射率と第三電極42の反射率とが同じになる。このため、第二電極32と第三電極42との間でパターン見えの問題が生じるのを抑制することができる。また、第二基板21上に第二電極32と第三電極42とを同時に形成できるので、工程数を低減して製造工程を簡略化することができる。
本実施形態では、第二基板31上において、互いに隣接して配置される第三電極42どうしが接続されている。より具体的には、複数の第三電極42は、Y軸方向に互いに隣接して配置される第三電極42どうしが接続配線45を介してX軸方向の一方側端部と他方側端部とで交互に接続され、全体として平面視でジグザグ状に形成されている(図5も参照)。なお、接続配線45は、金、銀、銅、及びニッケル等の金属、又はカーボン等の導電ペーストを用いて構成される。
支持部材50は、パネル部材10を背面側(第三電極42が設けられた側)から支持する。支持部材50は、第一電極22が形成された第一電極形成部材20並びに第二電極32及び第三電極42が形成された第二電極形成部材30を介して、パネル部材10を背面側から支持する。支持部材50は、枠状に形成されている。支持部材50は、筐体3の支持部3bの形状に対応するように、平面視で矩形枠状に形成されている。支持部材50は、矩形状に形成されたパネル部材10及び各電極形成部材20,30の周縁部(各辺の近傍)を支持するように設けられている。支持部材50は、弾性又は柔軟性と、パネル部材10等を適切に支持し得る程度の定形性とを兼ね備えた材料を用いて構成されていることが好ましい。ここでは特に、支持部材50はパネル部材10を構成する材料よりも柔らかい材料で構成されていると好ましい。なお、“柔らかさ”とは、応力に対する変形量の大きさを表す尺度であり、本願においてはヤング率に基づいて評価するものとする。つまり、支持部材50は、パネル部材10を構成する材料よりもヤング率が小さい材料で構成されていると好ましい。例えば、ヤング率が1M・Pa以下、好ましくは0.5M・Pa〜1M・Paの材料が好ましい。
このような要求を満足する材料としては、例えばウレタンフォームやアクリルフォーム、シリコンゴム、スポンジ、ゲル等が例示される。両面に粘着層を有する両面テープ等であっても良い。矩形枠状の支持部材50を構成する各辺の平面視における幅寸法は、パネル部材10等を適切に支持し得る範囲内で、極力狭く設定されていることが好ましい。支持部材50の幅は、例えば0.4mm〜2mmとすることができる。また、支持部材50の厚みは、パネル部材10及び各電極形成部材20,30の弾性変形による変位幅を吸収し得るように比較的厚く設定されていることが好ましい。支持部材50の厚みは、例えば0.1mm〜0.4mmとすることが好ましい。
このような柔らかくかつ比較的厚みのある枠状の支持部材50を介して、第一電極22及び第二電極32並びに第三電極42が配置されたパネル部材10が、筐体3の支持部3bに支持される。このとき、パネル部材10の操作面10aをユーザーが指等でタッチしたとき、枠状の支持部材50における内周側の部分が変形しながら、パネル部材10はその全体が反操作面側に向かって凸となるように弾性変形する(図7を参照)。つまり、支持部材50によるパネル部材10の支持形態は単純支持型となる。よって、パネル部材10の一部(具体的には、支持部材50によって支持される被支持部の付近)のみが局所的に変形して第三電極42に縮み変形が生じるのを抑制することができる。すなわち、第三電極42の変形(姿勢変化)を実質的に伸び変形のみとすることができる。
図4に示すように、複数の第一電極22のそれぞれは、引き回し配線23を介して制御部60に接続されている。複数の第一電極22から延びるそれぞれの引き回し配線23には、スイッチ24が設けられている。スイッチ24は、本実施形態ではスイッチング素子を用いて構成されている。複数の第二電極32のそれぞれは、引き回し配線33を介して制御部60に接続されている。複数の第二電極32から延びるそれぞれの引き回し配線33には、スイッチ34が設けられている。スイッチ34は、本実施形態ではスイッチング素子を用いて構成されている。
図5に示すように、全体として1本につながった複数の第三電極42の両端部のそれぞれは、引き回し配線43を介して制御部60に接続されている。また、互いに隣接する第三電極42どうしの間の接続配線45のそれぞれも、引き回し配線43を介して制御部60に接続されている。Y軸方向における両端部の第三電極42及び各接続配線45から延びるそれぞれの引き回し配線43には、スイッチ44が設けられている。スイッチ44は、本実施形態ではスイッチング素子を用いて構成されている。スイッチング素子としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、GTO(Gate Turn-Off thyristor)等が例示される。なお、引き回し配線23,33,43は、金、銀、銅、及びニッケル等の金属、又はカーボン等の導電ペーストを用いて構成される。また、スイッチ24,34,44を構成する各スイッチング素子は、制御信号線を介して制御部60に接続されている。
制御部60は、CPU等の演算処理装置を中核部材として備え、入力されたデータに対して種々の処理を行うための機能部として、ハードウェア又はソフトウェア(プログラム)或いはその両方により構成されている。図6に示すように、制御部60は、切替制御部61、容量検出部62、抵抗検出部63、及び入力決定部65を備えている。入力決定部65は、位置決定部66及び押圧力決定部67を含んでいる。また、制御部60は、記憶部70と情報通信可能に接続されている。記憶部70は、RAM(Random Access Memory)やEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等のメモリにより構成されている。記憶部70には、関係データ71及び基準データ72が記憶されている。
切替制御部61は、スイッチ24,34を構成するスイッチング素子のオン/オフを制御する。切替制御部61は、例えばスイッチ24,34がIGBTで構成される場合には、各IGBTに対するゲート駆動信号を個別に生成することで、各IGBTのオン/オフを制御する。他のスイッチング素子を用いる場合も同様に考えることができる。切替制御部61は、例えば第一電極22aに対応するスイッチ24aを構成するIGBTをオン状態とすることで、第一電極22aを選択的に容量検出部62に接続させる。また、切替制御部61は、例えば第一電極22bに対応するスイッチ24bを構成するIGBTをオン状態とすることで、第一電極22bを選択的に容量検出部62に接続させる。他の第一電極22c〜22h(スイッチ24c〜24h)に関しても、同様に考えることができる。また、第二電極32c〜32h(スイッチ34c〜34h)に関しても、同様に考えることができる。
本実施形態では、切替制御部61は、スイッチ24a〜24hのうちのいずれか1つが順次オン状態となるように、各スイッチ24a〜24hを制御する。そしてそれを逐次繰り返して実行する。これにより、各第一電極22a〜22hが、順次、選択的に容量検出部62に接続される。また、切替制御部61は、スイッチ34a〜34hのうちのいずれか1つが順次オン状態となるように、各スイッチ34a〜34hを制御する。そしてそれを逐次繰り返して実行する。これにより、各第二電極32a〜32hが、順次、選択的に容量検出部62に接続される。
切替制御部61は、スイッチ44を構成するスイッチング素子のオン/オフをも制御する。切替制御部61は、例えばスイッチ44がIGBTで構成される場合には、各IGBTに対するゲート駆動信号を個別に生成することで、各IGBTのオン/オフを制御する。本実施形態では、切替制御部61は、スイッチ44a〜44hのうちのいずれか2つがオン状態となるように、各スイッチ44a〜44hを制御する。切替制御部61は、例えば第三電極42aに対応するスイッチ44a及び第三電極42gに対応するスイッチ44hを構成するIGBTをオン状態とすることで、全体として1本につながった複数の第三電極42をまとめて抵抗検出部63に接続させる。また、切替制御部61は、例えば第三電極42aの両端に対応するスイッチ44a及びスイッチ44bを構成するIGBTをオン状態とすることで、第三電極42aを選択的に抵抗検出部63に接続させる。また、切替制御部61は、例えば第三電極42bの両端に対応するスイッチ44b及びスイッチ44cを構成するIGBTをオン状態とすることで、第三電極42bを選択的に抵抗検出部63に接続させる。他の第三電極42c〜42g(スイッチ44c〜44h)に関しても、同様に考えることができる。
容量検出部62は、本実施形態では、複数の第一電極22及び複数の第二電極32のそれぞれの静電容量(自己容量)を検出する。このため、容量検出部62は、公知の静電容量検出回路を含んで構成されている。容量検出部62は、切替制御部61により選択的に接続された各第一電極22a〜22hの静電容量を順次検出する。また、容量検出部62は、切替制御部61により選択的に接続された各第二電極32a〜32hの静電容量を順次検出する。各第一電極22のスキャニングと各第二電極32のスキャニングとは、同期して行われても良いし、交互に行われても良い。なお、ミューチュアル(mutual)方式の検出方法を採用しても良い。この場合、容量検出部62は、各第一電極22と各第二電極32との間の静電容量(相互容量)を検出する。ミューチュアル方式を採用すれば、マルチタッチ対応が可能となる。容量検出部62による検出値の情報は、入力決定部65(位置決定部66)に伝達される。
抵抗検出部63は、複数の第三電極42の電気抵抗を検出する。このため、抵抗検出部63は、抵抗検出回路を含んで構成されている。この抵抗検出回路は、公知のブリッジ回路(ホイートストンブリッジ回路)により構成されている。抵抗検出部63は、切替制御部61により選択的に接続された全体又は個別の第三電極42の両端間の電圧に基づいて、その電気抵抗(抵抗値)を検出する。抵抗検出部63は、オン状態とされる2つのスイッチ44の間に設けられた第三電極42の抵抗値を検出する。オン状態とされる2つのスイッチ44の間に複数の第三電極42が存在する場合には、抵抗検出部63は、それらの全体の抵抗値を検出する。抵抗検出部63による検出値の情報は、入力決定部65(押圧力決定部67)に伝達される。
入力決定部65に含まれる位置決定部66は、容量検出部62による検出結果に基づいて、操作面10aにおけるX−Y座標系での押圧位置を決定する。本実施形態では、位置決定部66は、ユーザーの指等が十分に離間した状態における静電容量を基準として、操作面10aに対するタッチ操作時に複数の第一電極22の中で最大(複数の位置がタッチ操作される場合は極大)となる静電容量変化を与える第一電極22を特定することで、タッチ位置のX座標を決定する。また、位置決定部66は、ユーザーの指等が十分に離間した状態における静電容量を基準として、操作面10aに対するタッチ操作時に複数の第二電極32の中で最大(又は極大)となる静電容量変化を与える第二電極32を特定することで、タッチ位置のY座標を決定する。また、位置決定部66は、ミューチュアル方式の場合には、各第一電極22と各第二電極32との間の相互容量の変化量に基づいて、タッチ位置のX座標及びY座標を決定する。なお、位置決定部66は、容量検出部62により実際に検出された静電容量を用いて補間演算を行い、その演算結果に基づいてタッチ位置をより詳細に特定するように構成されても好適である。
入力決定部65に含まれる押圧力決定部67は、抵抗検出部63による検出結果に基づいて、操作面10aに対する押圧力を決定する。ここで、図7は、ユーザーの指が操作面10aに次第に近づき、その後、操作面10aを次第に大きな力で押し込む様子を模式的に示している。図8は、図7の中段の状態における、押圧位置(「X」で表される位置)と抵抗検出部63で検出される各第三電極42a〜42gの抵抗値変化との関係を模式的に示している。また、図9は、図7の下段の状態における、押圧位置と抵抗検出部63で検出される各第三電極42a〜42gの抵抗値変化との関係を模式的に示している。なお、説明の便宜上、ここではシングルタッチに対しても各第三電極42a〜42gの抵抗値が個別に検出される場合の例を示している。
これらの図から容易に理解できるように、Y軸方向における押圧位置により近く、変形(姿勢変化)の程度が大きい第三電極42ではその抵抗値変化が大きく、押圧位置からより遠い第三電極42ではその抵抗値変化が小さい。そして、押圧位置からY軸方向に沿って所定距離以上離れた第三電極42の抵抗値変化は、略ゼロに収束している。なお、抵抗値変化とは、操作面10aが全く押圧されていない状態(非押圧状態)での各第三電極42の抵抗値(基準抵抗値)と、操作面10aの一部が押圧されている状態(押圧状態)で実測される各第三電極42の抵抗値との差である。すなわち、抵抗値変化とは、押圧力が加わったときの第三電極42の抵抗値の絶対量変化を表し、その値は正であっても良いし、負であっても良い。また、図8と図9との比較から容易に理解できるように、操作面10aを押し込む力が大きくなってタッチパネル5の変形(姿勢変化)の程度が大きくなるに従い、各第三電極42における抵抗値変化が大きくなる。そこで、操作面10aに対する押圧力と抵抗値変化との関係を予め求めておくことで、実際の抵抗値の変化量から操作面10aに対する押圧力を定量的に評価することができる。
本実施形態では、操作面10aに対する押圧力と非押圧状態からの抵抗値の変化量との相関関係を規定した関係データ71が、記憶部70に予め記憶して備えられている。関係データ71としては、例えば図10に示されるような関係マップの形態であっても良いし、所定の関係式の形態であっても良い。また、記憶部70には、非押圧状態での各第三電極42の抵抗値(基準抵抗値)を予め測定して得られた基準データ72が、記憶して備えられている。押圧力決定部67は、関係データ71と実際に検出される抵抗値変化(実抵抗値と基準抵抗値との差)とに基づいて、実抵抗値の変化量に応じた押圧力を決定する。なお、「実抵抗値の変化量」は、複数の位置が押圧操作される場合には、それぞれの位置における変化量である。これにより、それぞれの押圧位置における押圧力を個別に決定することができる。つまり、マルチフォース対応が可能となる。
また、「実抵抗値の変化量」は、現実に検出された値(実検出値)の中から選択されても良いし、実検出値に基づいて算出される推定値であっても良い。例えば押圧力決定部67は、非押圧状態で検出される電気抵抗を基準として、操作面10aに対する押圧操作時に複数の第三電極42の中でそれぞれ最大(複数の位置が押圧操作される場合は極大)となる抵抗変化を与える第三電極42の抵抗変化量に応じた押圧力を決定しても良い。このように構成することで、比較的単純な演算処理によって操作面10aに対する押圧力を決定することができる。或いは、押圧力決定部67は、複数の第三電極42のY軸方向の位置と押圧操作時に実際に検出される抵抗値との関係からY軸方向の各位置における推定抵抗値を求め、その推定抵抗値のピーク値に応じた押圧力を決定しても良い。このようにすれば、操作面10aに対する押圧力をより詳細に決定することができる。
なお、本実施形態では、第三電極42は、第一電極形成部材20及び第二電極形成部材30のうち、パネル部材10とは反対側に配置される方の部材である第二電極形成部材30に形成されている。つまり、第三電極42は、第一電極22及び第二電極32のうち、パネル部材10とは反対側に配置される方の電極である第二電極32どうしの間に配置されている。第二電極32は、第一電極22に比べて、パネル部材10、第一電極形成部材20、及び第二電極形成部材30からなるタッチパネル本体部の中立軸(図7の下段において太い一点鎖線で表示)からより離れた位置に配置されている。このため、操作面10aに対して押圧力が加わってタッチパネル本体部が一体的に弾性変形した際の変形(姿勢変化)の程度は、第一電極22に比べて第二電極32の方が大きくなる。よって、第一電極22どうしの間ではなく、第二電極32どうしの間に第三電極42を配置することで、第三電極42の変形(姿勢変化)の程度を相対的に大きくすることができる。その結果、検出感度を高めることができ、押圧力の検出精度を高めることができる。
また、このような第三電極42の配置構成は、位置決定部66によるタッチ位置の検出において、ミューチュアル(mutual)方式の検出方法が採用される場合にも有利となる。送信側電極としての第二電極32から受信側電極としての第一電極22へと向かう電気力線は、図11に示すように、第一電極22どうしの間を通過することが知られている。一方、第二電極32どうしの間は、そのような電気力線が通過することはない。このため、第一電極22どうしの間ではなく、第二電極32どうしの間に第三電極42を配置することで、位置決定部66によるタッチ位置の検出に悪影響が及ぶことを回避できる。
また、上述したように本実施形態では、各電極22,32,42が配置されたパネル部材10が、柔らかく厚みのある枠状の支持部材50を介して支持される。よって、支持部材50によるパネル部材10の支持形態は単純支持型となり、第三電極42の変形(姿勢変化)を実質的に伸び変形のみとすることができる。これにより、押圧力の検出精度をさらに高めることができる。
このように、入力決定部65は、容量検出部62による検出結果に基づいて操作面10aにおけるX−Y座標系での押圧位置を決定するとともに、抵抗検出部63による検出結果に基づいて操作面10aに対する押圧力を決定する。これにより、通常の位置検出機能に加えて、感圧機能をも有するタッチパネル5が実現される。このとき、本実施形態では、ガラス薄板からなるパネル部材10に3つの電極22,32,42を形成するOGS(One Glass Solution)技術を採用したことにより、薄型のタッチパネル5を実現している。
さらに、本実施形態では、感圧機能の実現のための第三電極42が、位置検出機能の実現のための第二電極32どうしのいずれかの間に配置される。つまり、Y軸方向に互いに隣接する第二電極32どうしの間の領域を有効利用して、第三電極42が、第二電極32と同一平面状に配置される。よって、第一電極22及び第二電極32を備える静電容量方式のタッチパネル5に感圧機能を付与するために第三電極42を追加する場合であっても、機器全体としての厚みは増大しない。特に、別途、感圧センサを積層するように設ける場合と比較して、機器全体としての厚みを大幅に低減することができる。つまり、感圧機能を有するとともに従来に比べて薄型のタッチパネル5を実現することができる。
また、本実施形態では、複数の第三電極42が互いに接続されて全体として1本につながり、平面視でジグザグ状に形成されている。そして、各スイッチ44a〜44gのオン/オフ制御により、複数の第三電極42の全体抵抗を検出するモード(全体検出モード)と各第三電極42の個別抵抗を検出するモード(個別検出モード)とが切り替えられる。全体検出モードでは、各スイッチ44a〜44gのオン/オフを動的に制御することなく一定の状態で、タッチ位置によらずに操作面10aに対する押圧力の大きさを容易に決定することができる。全体検出モードは、1点のみが操作面10aに接触するシングルタッチの場合に有効である。一方、例えば多点が操作面10aに接触するマルチタッチの場合には、個別検出モードに切り替え、各第三電極42のスキャニングを行うように構成する。このようにすれば、それぞれのタッチ位置における押圧力を個別に決定することができる。つまり、マルチフォース対応が可能となる。そして、シングルタッチであるかマルチタッチであるかに基づいて検出モードを切り替えることで、第三電極42のスキャニング時間を必要最小限に抑えて、消費電力の低減を図ることができる。
この場合における押圧位置及び押圧力の検出処理の流れを、図12のフローチャートに示す。まず、各電極22,32の静電容量に基づいて、操作面10aにおけるタッチ位置及びその個数が決定される(ステップ#01)。操作面10aに対するタッチ操作が、シングルタッチであるか否かが判定される(ステップ#02)。シングルタッチである場合には(ステップ#02:Yes)、スイッチ44a,44hがオン状態とされ、全体として1本の第三電極42の両端間の抵抗値が検出される(ステップ#03)。第三電極42の全体抵抗に基づいて、操作面10aに対する押圧力が決定される(ステップ#05)。一方、マルチタッチである場合には(ステップ#02:No)、スイッチ44a〜44hのうちの特定の2つが順次オン状態とされ、各第三電極42の両端間の抵抗値が順次検出される(ステップ#04)。各第三電極42の個別抵抗に基づいて、操作面10aに対する押圧力が個別に決定される(ステップ#05)。このようにして導出された位置情報及び押圧力情報は、電子機器1に出力される(ステップ#06)。電子機器1では、当該位置情報及び押圧力情報に基づいて、アプリケーションに応じた各種の処理が実行される。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係るタッチパネルの、その他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の実施形態では、第三電極42が一定幅のストライプ状に形成された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。第三電極42のそれぞれは、延在方向の位置に応じてその太さが変化するように構成されても良い。例えば図13に示すように、複数の第三電極42のそれぞれが、その延在方向であるX軸方向(Y軸方向に直交する方向)における中央部から両端部に向かうに従って幅狭となるように形成されていると好適である。なお、各第三電極42は、図13に示すように次第に(連続的に)幅狭となるように形成されても良いし、段階的に幅狭となるように形成されても良い(図示せず)。
操作面10aに対する押圧力が同じであっても、パネル部材10の周縁部を押す場合はその中央部を押す場合に比べて弾性変形の程度が小さい。このため、第三電極42の変形(姿勢変化)の程度も、その延在方向における中央部に比べて両端部では小さくなる。そこで、上記のように構成すれば、その延在方向の全体に亘って、押圧力の検出感度のばらつきを抑制でき、押圧力の検出精度をさらに高めることができる。
(2)上記の実施形態では、Y軸方向における両端部の第三電極42及び各接続配線45が全てスイッチ44を介して制御部60に接続された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。これらは、その一部のみが制御部60に接続されても良い。例えば図5に示した例において、Y軸方向における両端部の第三電極42とX軸方向の一方側(例えば図5の下側)に配置された各接続配線45のみが、それぞれスイッチ44a,44c,44e,44g,44hを介して制御部60に接続されても良い。制御部60への接続が省略される接続配線45は、適宜設定されて良い。なお、全ての接続配線45が制御部60に接続されることなく、Y軸方向における両端部の第三電極42のみが、常時、制御部60に接続されても良い。このような構成では、マルチフォースには非対応となるが、シングルタッチ時にのみ感圧機能が発揮されれば良い仕様であれば、抵抗検出回路を大幅に簡素化することができ、低コスト化を図ることができる。
(3)上記の実施形態では、第三電極42が、互いに隣接する第二電極32どうしの間に1本ずつ配置された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば図14に示すように、第三電極42が、互いに隣接する第二電極32どうしの間に2本以上ずつ配置されても良い。
(4)上記の実施形態では、第三電極42のそれぞれが、互いに隣接して配置される電極どうしがそれらの延在方向の一方側端部と他方側端部とで交互に接続され、全体として平面視でジグザグ状に形成されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば図15に示すように、第三電極42のそれぞれが、第二電極32と同様に、第二基板31上において、互いに接続されることなく離間して島状に配置されても良い。このような構成では、操作面10aに対する押圧力の大きさを決定するためには、各第三電極42のスキャニングを常時行う必要がある。この場合、常時、マルチフォース対応が可能となる。
(5)上記の実施形態では、第三電極42が、第二基板31上において、互いに隣接する第二電極32どうしの間にY軸方向に所定間隔を隔てて並ぶように配置されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。第三電極42が、第一基板21上において、互いに隣接する第一電極22どうしの間にX軸方向に所定間隔を隔てて並ぶように配置されても良い。このような構成であっても、上記の実施形態と同様に、感圧機能を有するとともに従来に比べて薄型のタッチパネル5を実現することができる。
(6)上記の実施形態では、第一電極22及び第二電極32が、それぞれ第一基板21及び第二基板31における正面側の面に形成されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば第一電極22及び第二電極32が、それぞれ第一基板21及び第二基板31における背面側の面に形成されても良い。また、例えば第一電極22及び第二電極32が、第一基板21及び第二基板31における相互に対向する面にそれぞれ形成されても良い。但し、この場合であっても、第一電極22と第二電極32とが短絡しないように、両電極22,23間には絶縁層が設けられる。この絶縁層は、例えばドット状のスペーサを含む空気層(エアギャップ)であっても良いし、接着層を兼用するものであっても良い。第三電極42の形成位置は、第一基板21及び第二基板31における第一電極22及び第二電極32の形成位置に応じて設定される。
(7)上記の実施形態では、パネル部材10と第一電極形成部材20と第二電極形成部材30とが貼り合わされた構成を例として説明した。つまり、パネル部材10と、第一電極22が形成された第一基板21と、第二電極32が形成された第二基板31とが貼り合わされた構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば少なくとも第一基板21を省略し、パネル部材10と第一電極22と第二電極32とが貼り合わされただけの構成(その背面側に第二基板31が存在しても良い)であっても良い。但し、その場合であっても、第一電極22と第二電極32とが短絡しないように、両電極22,23間には絶縁層が設けられる。この絶縁層は、接着層を兼用するものであっても良い。
(8)上記の実施形態では、位置決定部66が、容量検出部62による検出結果をそのまま用いて押圧位置を決定する構成を念頭に置いて説明した。同様に、押圧力決定部67が、抵抗検出部63による検出結果をそのまま用いて押圧力を決定する構成を念頭に置いて説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば位置決定部66が、容量検出部62による検出値のうち予め定められた閾値を超えた値のみを用いて押圧位置を決定しても良い。また、押圧力決定部67が、抵抗検出部63による検出値のうち予め定められた閾値を超えた値のみを用いて押圧力を決定しても良い。このようにすれば、操作面10aに対するユーザーの意図しない接触等に基づく誤入力の発生を抑制することができる。
(9)上記の実施形態では、本発明に係るタッチパネルを電子機器1の一種としての多機能携帯電話に適用した例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。電子機器1としては、多機能携帯電話以外にも、例えば従来型携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯音楽プレイヤー、車載用ナビゲーション装置、PND(Portable Navigation Device)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯ゲーム機、及びタブレット等が挙げられる。これらの電子機器1にも、本発明に係るタッチパネルを好適に適用することが可能である。
(10)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。従って、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。