JP2021002247A - 情報処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】画像に映る対象物の形状寸法の精度を向上させることができる情報処理システムを提供する。【解決手段】情報処理システムは、対象物に係るオブジェクトに対応する領域を区画する複数の線分、および上記複数の線分を接続するノードに係る情報を取得する取得部と、上記複数の線分の各々に関連づけられた上記対象物の部位に係る情報に基づいて、上記ノードの位置を補正する補正部と、補正された上記ノードに接続する複数の線分に基づいて上記領域を再区画する描画部と、再区画された上記領域に係る情報を出力する出力制御部と、を備える。【選択図】図14

Description

本発明は、情報処理システムに関する。
対象物を高所から観察したり、上空から地上を空撮したり、あるいは立ち入りが困難な領域を観察したりする場合には、近年、複数のプロペラの回転によって飛行するいわゆるドローンあるいはマルチコプタといった飛行体が用いられることがある。このような飛行体を用いて高所から対象物を撮像して生成された画像が、対象物の点検や測量等に用いられることがある。
例えば特許文献1には、飛行体に搭載したカメラで対象物を撮像した画像から対象物である屋根の形状寸法を測定し、かかる形状寸法から屋根の面積を算出する技術が開示されている。
特開2003−162552号公報
しかしながら、上記特許文献に開示された技術においては、高所から撮像される対象物の画像は中心投影によりパースがかかるので、対象物を平行投影して見る形状と高所からの撮像画像に写る対象物の形状は異なることが多い。そのため、画像に写る対象物の形状寸法の精度は決して高くない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、画像に映る対象物の形状寸法の精度を向上させることを課題とするものである。
上記課題を達成するための、本発明に係る情報処理システムは、対象物に係るオブジェクトに対応する領域を区画する複数の線分、および上記複数の線分を接続するノードに係る情報を取得する取得部と、上記複数の線分の各々に関連づけられた上記対象物の部位に係る情報に基づいて、上記ノードの位置を補正する補正部と、補正された上記ノードに接続する複数の線分に基づいて上記領域を再区画する描画部と、再区画された上記領域に係る情報を出力する出力制御部と、を備えることを特徴としている。
この情報処理システムによれば、画像に写る対象物に係るオブジェクトに対応する領域を区画する線分の該対象物の構成部位に係る特徴から、該線分を接続するノードの位置をその対象物に適するように補正することが可能である。そのため、画像に写る対象物の形状寸法をより精度高く得ることができる。
本発明によれば、画像に映る対象物の形状寸法の精度を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る情報処理システムの概略を示す図である。 同実施形態に係る情報処理端末の構成を示すブロック図である。 同実施形態に係るプロセッサおよびストレージの機能構成を示すブロック図である。 同実施形態に係る画像情報の生成態様の一例を示す図である。 同実施形態に係る画像情報の表示例を示す図である。 同実施形態に係る線分情報およびノード情報の表示例を示す図である。 同実施形態に係る補正部による補正処理の一例を示す図である。 同実施形態に係る補正部による補正処理の一例を示す図である。 同実施形態に係る描画部による描画処理の一例を示す図である。 同実施形態に係る補正部による補正処理の一例を示す図である。 同実施形態に係る補正部による補正処理の一例を示す図である。 同実施形態に係る描画部による描画処理の一例を示す図である。 同実施形態に係る出力制御部による出力態様の一例を示す図である。 同実施形態に係る出力制御部による出力態様の他の例を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る線分情報およびノード情報の表示例を示す図である。 同実施形態に係る補正部による補正処理の一例を示す図である。 同実施形態に係る描画部による描画処理の一例を示す図である。 同実施形態に係る出力制御部による出力態様の一例を示す図である。 本発明の一実施形態の変形例に係る線分情報およびノード情報の表示例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る情報処理システムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態に係る情報処理システムの概略を示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの概略を示す図である。図示のように、情報処理システム1は、情報処理端末10を備える。
本実施形態に係る情報処理システム1は、対象物である建造物100の屋根101を撮像した画像から、屋根101の伏せ図を作成するものである。その際、情報処理システム1は、画像に写る屋根101に対応する領域について補正を行うことで、形状寸法の精度の高い伏せ図を提供する。
本実施形態に係る情報処理端末10は、いわゆるタブレット状の小型のコンピュータによって実装される。他の実施形態においては、情報処理端末10は、スマートフォンまたはゲーム機等の携帯型の情報処理端末により実現されてもよいし、パーソナルコンピュータ等の据え置き型の情報処理端末により実現されてもよい。また、情報処理端末10は、複数のハードウェアにより実現され、それらに機能が分散された構成を有してもよい。
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理端末10の構成を示すブロック図である。図示のように、情報処理端末10は、制御部11及び表示部であるタッチパネル部12を備える。
制御部11は、プロセッサ11a、メモリ11b、ストレージ11c、送受信部11d、及び入出力部11eを主要構成として備え、これらが互いにバス11fを介して電気的に接続される。
プロセッサ11aは、制御部11の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御や、プログラムの実行に必要な処理等を行う演算装置である。
このプロセッサ11aは、本実施の形態では例えばCPU(Central Processing Unit)であり、後述するストレージ11cに格納されてメモリ11bに展開されたプログラムを実行して各処理を行う。
メモリ11bは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶装置、及びフラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶装置を備える。
このメモリ11bは、プロセッサ11aの作業領域として使用される一方、制御部11の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種の設定情報等が格納される。
ストレージ11cは、プログラムや各種の処理に用いられる情報等が格納されている。例えば、屋根101の画像情報、線分情報、ノード情報または対象物部位情報等のデータベースや、これらの情報を処理するためのプログラムが格納されていてもよい。
送受信部11dは、制御部11をインターネット網等のネットワークに接続するものであって、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)といった近距離通信インターフェースを具備するものであってもよい。
本実施形態では、例えば、飛行体10の飛行を制御する制御信号が、この送受信部11dを介して飛行体10に送信されてもよい。
入出力部11eは、入出力機器が接続されるインターフェースであって、本実施形態では、タッチパネル部12が接続される。
バス11fは、接続したプロセッサ11a、メモリ11b、ストレージ11c、送受信部11d及び入出力部11eの間において、例えばアドレス信号、データ信号及び各種の制御信号を伝達する。
タッチパネル部12は、表示部の一例であり、取得した映像や画像が表示される表示面12aを備える。この表示面12aは、本実施形態では、表示面12aへの接触によって情報の入力を受け付けるものであって、抵抗膜方式や静電容量方式といった各種の技術によって実装される。
例えば、ユーザは、表示面12aに表示された画像に対して、タッチパネル部12を介して、線分情報やノード情報を入力し得る。また、表示面12aには、制御部11により出力される表示情報が表示される。
図3は、本発明の一実施形態に係るプロセッサ11aおよびストレージ11cの機能構成を示すブロック図である。図示のように、プロセッサ11aは、取得部111、補正部113、描画部115および表示制御部117を備える。また、ストレージ11cは、対象領域情報データベース(DB)119を備える。対象領域情報データベース119には、線分情報121、ノード情報123、対象物部位情報125および勾配情報127が格納されている。またストレージ11cには、屋根101を撮像して得られる画像情報が格納されていてもよい。
本実施形態に係る情報処理システム1の各機能部の機能について説明する。取得部111は、対象領域情報データベース119から各種情報を取得する機能を有する。例えば、取得部111は、対象領域情報データベース119に含まれる線分情報121、ノード情報123、対象物部位情報125および勾配情報127を取得する。
線分情報121およびノード情報123は、例えば、屋根101の像に対応する領域を区画するためのノードおよび線分に関する情報である。線分情報121は、表示面12aに表示させた際の線分の位置、向きおよび属性に関する情報を意味する。線分は、対象物に係るオブジェクトを区画する領域の外側および内側の境界の一部であり、対象物の構成部位に対応する。例えば、対象物が屋根101である場合、線分に対応する構成部位とは、軒や棟等である。
ノード情報123を表示面12aに表示させた際のノードの位置を示す情報を意味する。ノードは、かかる複数の線分を接続する頂点を意味する。なお、対象物が屋根101である場合、ノードに対応する構成部位とは、軒や棟等の端部(頂部)である。ノード情報123はノードの位置に関する情報を含む。ノードの位置に関する情報とは、
線分情報121およびノード情報123は、例えば、携帯情報端末10を操作するユーザが表示面12aに対する操作により生成されてもよい。具体的には、表示面12aに屋根101が映る画像が表示されている場合、ユーザは、タッチパネル部12に対して、屋根101の構成部位に対応する線分およびノードを設定する操作を行ってもよい。
対象物部位情報125は、対象物の構成部位に関する情報である。すなわち、対象物が屋根101である場合、対象物部位情報125は、軒や棟等を示す情報である。かかる対象物部位情報125は、上述した線分情報121に紐づけられる。かかる紐づけ処理は、ユーザの操作により行われてもよいし、所定のアルゴリズムや機械学習に基づいて行われてもよい。紐づけ処理の一例については後述する。かかる対象物部位情報125は、後述するノードの位置の補正に用いられ得る。
勾配情報127は、上述した区画領域に対応する対象物の部分の勾配に関する情報である。例えば、対象物が屋根101である場合、勾配情報127は、屋根の勾配を示す情報である。かかる勾配情報127は、後述するノードの位置の補正や、屋根101の面積の算出に用いられ得る。
なお画像情報は、線分情報およびノード情報の生成に用いられ得る。かかる画像情報は、本実施形態では、画像情報を用いて線分情報およびノード情報を生成するケースをもとに説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係る画像情報の生成態様の一例を示す。図示のように、かかる画像情報は、屋根101の上空に飛行する飛行体30に付随するカメラ31が、屋根101を対象物として撮像することにより生成される画像情報であってもよい。飛行体30により得られる画像情報は、例えば、ストレージ11cに格納される。
このとき、図4に示すように、カメラ31による撮像画像は中心投影である。そのため、飛行体30の高度(屋根101の各部位との距離)およびカメラ31の画角によっては、屋根101の上部から平行投影して見る実際の平面構造と、カメラ31により撮像されて得られる屋根101の像とは、形状が異なる場合がある。すなわち、被写体である屋根101に対してパースがかかっているため、実際の平面構造と形状が異なる可能性がある。
図5は、本発明の一実施形態に係る画像情報の表示例を示す図である。図示のように、表示面12aには、建造物100の屋根101を含む画像が表示される。このとき、対象領域151、152、153においては、カメラ31と屋根101の各部位との距離および画角に応じてパースがかかっている。そのため、屋根101の頂部154、155、156は、実際の屋根101の上部から見た平面構造における位置とは異なる位置となっている。
例えば、この画像情報をもとに屋根101の伏せ図(屋根の平面図)を作成しようとすると、パースがかかっている状態の屋根101の頂部の位置を反映した伏せ図が作成されてしまう。そうすると、例えば屋根101の面積をかかる伏せ図から算出する際に、正確な値を得ることが難しい。
本実施形態に係る情報処理システム1は、線分情報、ノード情報および対象物部位情報を用いてより高い精度の形状寸法を得るための処理を行うことが可能である。以下、各機能部の説明を続ける。
取得部111は、取得した線分情報121およびノード情報123をタッチパネル部12の表示面12aに表示してもよい。図6は、本発明の一実施形態に係る線分情報121およびノード情報123の表示例を示す図である。図示のように、ノード102a〜102lおよび線分103a〜103oが設定される。このとき、表示されている屋根101の画像に対して、ノードおよび線分が重畳されるようにユーザが入力することで、ノード102a〜102lおよび線分103a〜103oが設定されてもよい。このとき、対象物に係るオブジェクトを区画する領域とは、各線分103a〜103oにより囲まれる領域を指す。また、領域の外周とは、図6で示すように、区画する領域の最外側に対応する線分により構成される部分を指す。また、領域の内側とは、かかる領域の外周に囲まれる内側の部分を意味する。区画領域とは、領域の内側において各線分により区画された単位の領域を意味する。なお、ノード102a〜102lに記載されている数字は後述するノードの属性を示す数字であり、表示面12aにノードと重畳して表示されてもよく、されなくてもよい。
なお、線分情報121およびノード情報123は、屋根101が映る画像に対する画像認識処理により、ノードおよび線分に相当する部分を抽出することで生成されてもよい。かかる画像認識処理は、例えば、ディープラーニング等の公知の機械学習による手法が用いられてもよい。この場合、例えば、屋根101が映る画像と屋根101の構成部位とに関する学習モデルを用いることで、画像認識処理が実現され得る。画像認識処理は、携帯情報端末10のプロセッサ11aにおいて行われてもよい。
これらのノード102a〜102lおよび線分103a〜103oには、それぞれ属性が設定されている。このうち、線分103の属性は、対象物部位情報125により紐づけされる属性である。表1および表2にノードおよび線分の属性に関する情報を示す。表1および表2に示す例では、各ノードは接続する線分およびノードの領域における位置に基づいて決定される。また、線分の両端におけるノードの属性の組み合わせに応じて、線分103に紐づく対象物の構成部位が自動的に決定される。なお、凡例104は、線分103に紐づく対象物の構成部位を線分103の表示態様に関連付けて示すための凡例である。
なお、線分の属性(すなわち対象物の構成部位)は、ユーザの入力によって決定されてもよい。例えば、表示面12aに線分および候補となる対象物の構成部位に関する情報が提示され、ユーザの入力に基づいて、各線分がどの構成部位に対応するかが決定されてもよい。
取得部111は、取得した各種情報を補正部113に出力する。
補正部113は、線分情報121に紐づけられている対象物部位情報125に基づいて、ノード情報123を補正する。具体的には、補正部113は、各線分に紐づけられている対象物の部位に関する情報に基づいて、ノードの位置に関する情報を補正する。以下、補正部113によるノードの位置の補正処理の例について説明する。
図7および図8は、本発明の一実施形態に係る補正部113による補正処理の一例を示す図である。ここでは、図6に示す補正対象領域151におけるノード102cの補正処理の一例について説明する。補正対象領域153に対しても同様の補正処理が可能である。
図7に示すように、補正対象領域151においては、軒に対応する線分103b、103mと、隅棟に対応する線分103iがノード102g(Outer Vertex)に接続されている。また、線分103iは、屋根101の頂部に対応するノード102c(Top Vertex)に接続されている。ノード102cは、隅棟に対応する線分103cと棟に対応する線分103dと接続されている。
一般的に、同じ頂部(ここではノード102c)を有する屋根の各々は同じ勾配を有する。この場合だと、区画領域161に対応する屋根部分と区画領域162に対応する屋根部分は同じ勾配を有する。このことを鑑みると、屋根101を平行投影して見る際に、線分103bと線分103iとが成す角度Ang1と、線分103mと線分103iとが成す角度Ang2とは、略同一となる。そこで補正部113は、領域の内部にあるノード102c(頂部に相当する)と接続する線分103iを基準線分として、基準線分と他の2つの線分(103b、103m)とが成す角度Ang1、Ang2が同一となるように補正を行う。区画領域161に対応する屋根部分と区画領域166に対応する屋根部分も同じ勾配を有するので、補正部113は、線分103cを基準線分として、線分103a、103bとが成す角度Ang3、Ang4が同一となるように補正を行う。
この場合、例えば、図8に示すように、角度Ang1と角度Ang2とを同一にするような仮想線分106が設定され、仮想線分106上に位置するようにノード102cが補正される。その際、補正対象領域151の上側の各線分同士(線分103b、103a、103c)が成す角度Ang1、Ang2についても同様に同一となるように仮想線分106が設定され、線分103cが接続するノード102cが補正される。その結果、補正部113は、ノードの位置を図示するノード102c’の位置に補正する。
このように、補正部113は複数の線分からなる角度情報に基づいてノードの位置を補正することができる。補正部113によりノードの位置について補正されたノード情報は、描画部115に出力される。
描画部115は、補正されたノードに接続する複数の線分に基づいて領域を再区画する機能を有する。すなわち、描画部115は、補正されたノードに元々接続された線分を補正し、屋根101の像を区画する領域を補正後の線分を用いて再区画して描画する。
図9は、本発明の一実施形態に係る描画部115による描画処理の一例を示す図である。図9に示すように、描画部115は補正されたノード102c’に接続するように線分103i’、103d’、103i’を描画する。かかる線分103i’は、線分103bおよび103mとの成す角度Ang1、Ang2が等しくなるように描画される。同様に、線分103c’は、線分103aおよび103bとの成す角度Ang3、Ang4が等しくなるように描画される。このようにして描画部115は補正後のノードに基づく線分を生成し、屋根101の像を区画する領域を再区画する。
描画部115により再区画された領域に関する情報は、出力制御部117に出力される。
ここで、補正部113による補正処理および描画部115による描画処理について別の例を示す。図10〜図12は、本発明の一実施形態に係る補正部113による補正処理および描画部115による描画処理の他の例を示す図である。ここでは、図6に示す補正対象領域152におけるノード102dの補正処理の一例について説明する。
図10に示すように、補正対象領域152においては、軒に対応する線分103m、103nと、谷に対応する線分103jがノード102hに接続されている。また、線分103jは、屋根101の頂部に対応するノード102dに接続されている。ノード102dは、棟に対応する線分103d、103eと接続されている。
ここで、区画領域162に対応する屋根部分と区画領域163に対応する屋根部分は同じ勾配を有する。この場合、屋根101を平行投影して見る際に、線分103mと線分103jとが成す角度Ang3と、線分103nと線分103jとが成す角度Ang4とは、略同一となる。そこで補正部113は、領域の内部にあるノード102d(頂部に相当する)と接続する線分103jを基準線分として、基準線分と他の2つの線分(103m、103n)とが成す角度が同一となるように補正を行う。
この場合上述したケースと同様に、図11に示すように、角度Ang5と角度Ang6とを同一にするような仮想線分107が設定され、仮想線分107上に位置するようにノード102d’が補正される。その結果、補正部113は、ノードの位置を図示するノード102d’の位置に補正する。
次に描画部115は、図12に示すように、描画部115は補正されたノード102d’に接続するように線分103d’、103e’、103j’を描画する。かかる線分103j’は、線分103mおよび103nとの成す角度Ang5、Ang6が等しくなるように描画される。このようにして描画部115は補正後のノードに基づく線分を生成し、屋根101の像を区画する領域を再区画する。
出力制御部117は、描画部115により再区画された領域に係る情報を出力する。出力制御部117による出力態様は特に限定されず、出力制御部117は、例えば、描画部115により再区画された領域をタッチパネル部12の表示面12aに表示してもよい。また、出力制御部117は、補正前後の領域をそれぞれ表示させてもよいし、屋根101の画像と該領域を重畳して表示してもよい。その際、屋根101の画像は、そのまま表示されてもよいし、補正後の領域に応じて画像を変形して表示されてもよい。
図13は、本発明の一実施形態に係る出力制御部117による出力態様の一例を示す図である。図示するように、出力制御部117は、補正後のノードを用いて描画された領域108を表示面12aに表示する。これにより、より平行投影に近い屋根101の構成を得ることができ、屋根101の形状寸法をより高い精度で得ることができる。例えば、より形状寸法の高い伏せ図を作成することや、屋根101の面積を高い精度で算出することが可能となる。
図14は、本発明の一実施形態に係る出力制御部117による出力態様の他の例を示す図である。図示する例は、屋根101の伏せ図108の例である。出力制御部117は、補正後のノード情報と線分情報を用いて屋根101の伏せ図108を作成してもよい。
また、出力制御部117は、屋根101のそれぞれの部分(対象物)に対応する区画領域161−166の面積に関する情報を出力してもよい。面積に関する情報とは、各部分または全体の面積の数値に関する情報であり、該情報の出力態様は特に限定されず、数値やカラーマップ等であってもよい。
具体的には以下のような方法を取りうる。まず、出力制御部117は、補正部113によりノードの位置が補正される前の各区画領域161−166の面積を算出する。かかる領域の長さ等は事前に取得される。その後補正部113によるノードの位置の補正処理が行われ、各領域が再区画された際に、出力制御部117は、先に算出された面積を再区画後の領域に基づいて補正する。
このように、補正されたノードに基づく領域を用いることにより、より高い精度で屋根の面積を算出することが可能である。なお、上記の例では、出力制御部117は、補正前の領域の面積を補正後の各種情報を用いて補正する処理としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、出力制御部117は、再区画された後の領域から直接屋根の面積を算出してもよい。
また、出力制御部117は、対象物である屋根101の各部分(区画領域161−166に対応する)の勾配に関する情報を用いて、面積に関する情報を出力してもよい。表示面12aに表示される区画領域161−166は平面に写像されているため、勾配に関する情報(例えば勾配の数値や向き)を用いることで、さらに高い精度で面積を算出することができる。勾配に関する情報は、取得部111が対象領域情報データベース119の勾配情報127を取得することで得られる。
以上、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の機能について説明した。次に、本発明の他の実施形態に係る情報処理システム1の機能について説明する。ここでは、対象物である屋根101の構成部位が異なるケースの補正処理について説明する。
図15は、本発明の他の実施形態に係る線分情報121およびノード情報123の表示例を示す図である。図示のように、ノード202a〜202lおよび線分203a〜203oが設定され、屋根201について領域205が表示されている。これらのノード202a〜202lおよび線分203a〜203oには、それぞれ属性が設定されている。各属性の意味は、表1および表2に示したとおりである。凡例204は凡例104と同様の凡例である。これらの線分により、屋根201の屋根部分に相当する区画領域261〜264が設定されている。
対象領域251、252、253においては、線分203c、203f、203j、203l、203m、203oが屋根101の切妻のケラバに対応する。すると、高所から撮像した画像では、中心投影によりケラバの頂部(ノード202d、202i、202jに相当)が外方に出張った状態で写ることがある。そこで、本実施形態に係る情報処理システム1は、これらのノードを補正することで、屋根201のより高い精度の形状寸法を得ることが可能となる。
図16、図17は、本実施形態に係る補正部113による補正処理の一例および描画部115による描画処理の一例を示す図である。ここでは、図15に示す補正対象領域251におけるノード202iの補正処理の一例について説明する。補正対象領域252、253に対しても同様の補正処理が可能である。
図16に示すように、補正対象領域251においては、ケラバに対応する線分203j、203mと、棟に対応する線分203kがノード202i(Rake Top Vertex)に接続されている。また、線分203jは、ノード202a(Corner)に接続されている。線分203mは、ノード202k(Corner)に接続されている。すなわち、線分203j、203mは対象物の構成部位が同一であり、ノード202a、ノード202k(線分203j、203mと接続するノード202iとは他方のノード)に接続する線分の数がいずれも2である。
一般的に屋根の切妻を構成するケラバは、上方からの平行投影においては、屋根の角(Cornerに相当)と角とを一直線に結ぶように見える。そこで、補正部113は、図16に示すように、ノード202aとノード202kとを結ぶ線分206を定義し、線分206上の点をノード202iの補正位置として補正処理を行う。
図16に示した例では、軒に対応する線分203k’を挟んで、区画領域261に相当する屋根部分と区画領域262に相当する屋根部分との間で勾配が等しい。この場合、ノード202iの補正位置としては、線分206の中点207に相当する。したがって、図17に示すように、補正部113は、ノード202iの位置が中点207の位置になるようノード202i’に補正する。
なお、上述する区画領域に相当する屋根部分との間で勾配が等しくない場合、画像上では同じ大きさを有する屋根に見えても、実際の棟の頂部の位置が異なり、屋根の大きさが大きく異なる場合がある。この場合、補正部113は、該勾配に関する情報を用いてノードの位置を補正してもよい。例えば、補正部113は、勾配の数値等を重みにして、屋根の角に相当するノード同士を結ぶ線分のうち、該重みに応じた位置をノードの補正位置として処理してもよい。
そして描画部115は、補正されたノード202i’に応じて線分203j、203k、203mを補正して線分203j’、203k’、203m’とし、領域を再区画して描画する。
図18は、本実施形態に係る出力制御部117による出力態様の一例を示す図である。図示するように、出力制御部117は、補正後のノードを用いて描画された領域208を表示面12aに表示する。このように、対象物の構造が異なる場合においても、本実施形態に係る情報処理システム1により、対象物の構造の形状寸法をより高い精度で得ることができる。
次に本発明の一実施形態の変形例について説明する。上記実施形態では、屋根101の上方から撮像されて得られる画像をもとに線分情報およびノード情報を取得するものとしたが、本発明はかかる例に限定されない。図19は、本発明の一実施形態の変形例に係る線分情報およびノード情報の表示例を示す図である。図19に示す表示面12aに表示されるオブジェクト305は、対象物である屋根を三次元モデリングして得られるオブジェクトである。
かかるオブジェクトは、例えば対象物をステレオカメラ等を用いて得られた情報に基づいてモデリングされたものであってもよい。このような場合、対象物を撮像する状況によっては、中心投影で得られた画像に基づくオブジェクトである可能性が高い。そのため、上述したように、得られたオブジェクトの形状寸法の精度は必ずしも高くない。
そこで、本実施形態に係る情報処理システム1を用いることで、かかるオブジェクト305に関して、ノード302および線分303を設定して得られる線分情報121およびノード情報123と、線分情報に紐づく対象物部位情報125(凡例304に示す)に基づいて、ノード302の位置を補正することができる。よって、三次元モデリングされたオブジェクトに対してであっても、対象物の形状寸法の精度を向上させることができる。
次に、本実施形態に係る情報処理システム1における処理の流れについて説明する。図20は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の処理の流れの一例を示すフローチャートである。図示のように、まず情報処理端末10の取得部111は、ストレージ11cに格納されている線分情報121、ノード情報123および対象物部位情報125を取得し、補正部113に出力する(ステップSQ101)。次に、補正部113は、線分情報121および対象物部位情報125に基づき、ノード情報123に含まれるノードの位置を補正する(ステップSQ103)。
次に、描画部115は、補正されたノードに接続する線分に基づいて領域を再区画する(ステップSQ105)。そして、出力制御部117は、再区画された領域に関する情報を出力する(ステップSQ107)。
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、画像に写る対象物の形状寸法の精度を向上させることが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、他の実施形態においては、情報処理システム1は、情報処理端末10のみにより実現されていたが、本発明はかかる例に限定されない。図21は、他の実施形態に係る情報処理システム1’の概略を示す図である。他の実施形態では、情報処理システム1’は、情報処理端末10およびサーバ20を備える。この場合、例えば、上記の実施形態に係る情報処理端末10のプロセッサ11aおよびストレージ11cが有していた機能の一部または全部が、サーバ20の備えるプロセッサやストレージにより実現されてもよい。
また、上記実施の形態では、対象物が建造物100の屋根101である場合を説明したが、樹木や任意の地表面であってもよく、更には、一時的に停止している自動車や動物といった物体であってもよい。対象物の構成部位は、その対象物の種類や対象物が有する特定の構造に応じて適宜設定される。
また、上記実施形態における各ステップは、必ずしもフローチャート図として記載された順序に沿って時系列に処理される必要はない。例えば、上記実施形態の処理における各ステップは、フローチャート図として記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本発明に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本発明の技術的範囲に属する。
(1)
対象物に係るオブジェクトに対応する領域を区画する複数の線分、および上記複数の線分を接続するノードに係る情報を取得する取得部と、
上記複数の線分の各々に関連づけられた上記対象物の部位に係る情報に基づいて、上記ノードの位置を補正する補正部と、
補正された上記ノードに接続する複数の線分に基づいて上記領域を再区画する描画部と、
再区画された上記領域に係る情報を出力する出力制御部と、
を備える情報処理システム。
(2)
上記補正部は、一のノードに接続する複数の線分からなる角度の情報に基づいて、上記ノードの位置を補正する、(1)に記載の情報処理システム。
(3)
上記一のノードに接続する3つの線分のうち他方のノードが上記領域の内部にある線分を基準線分とし、
上記補正部は、上記基準線分と他の2つの線分とのそれぞれと成す角度が同一となるように上記ノードの位置を補正する、(2)に記載の情報処理システム。
(4)
上記補正部は、上記他方のノードの位置を補正する、(3)に記載の情報処理システム。
(5)
一のノードに接続する3つの線分のうち2つの線分に係る対象物の部位が同一であり、
上記2つの線分の上記一のノードとは異なる他方のノードの各々に接続する線分の数がいずれも2である場合、
上記補正部は、上記一のノードを、上記他方のノードの各々を直接結ぶ線分上となる位置に補正する、(1)〜(4)のいずれか一項に記載の情報処理システム。
(6)
上記補正部は、上記一のノードを、上記線分の中点となる位置に補正する、(5)に記載の情報処理システム。
(7)
上記取得部は、上記複数の領域の各々における上記対象物の勾配に係る情報を取得し、
上記補正部は、上記2つの線分のそれぞれが区画する領域の各々における対象物の上記勾配に基づいて、上記一のノードを補正する、(5)または(6)に記載の情報処理システム。
(8)
上記出力制御部は、上記領域の各々における上記対象物の面積に関する情報を出力する、(1)〜(7)のいずれか一項に記載の情報処理システム。
(9)
上記出力制御部は、補正前の上記領域の各々における上記対象物の面積を算出し、再区画された領域に関する情報を用いて上記面積を補正する、(8)に記載の情報処理システム。
(10)
上記取得部は、上記複数の領域の各々における上記対象物の勾配に係る情報を取得し、
上記出力制御部は、上記勾配に係る情報を用いて上記領域の各々における上記対象物の面積に関する情報を出力する、(8)または(9)に記載の情報処理システム。
(11)
上記出力制御部は、上記描画部により再区画された領域に係る情報を表示する、(1)〜(10)のいずれか一項に記載の情報処理システム。
(12)
上記対象物に係るオブジェクトは、上記対象物の上方から撮像された画像に含まれる対象物の像である、請求項(1)〜(11)のいずれか一項に記載の情報処理システム。
(13)
上記対象物に係るオブジェクトは、三次元モデリングされたオブジェクトである、(1)〜(12)のいずれか一項に記載の情報処理システム。
1 情報処理システム
10 情報処理端末
11 制御部
12 タッチパネル部(表示部)
100、200 建造物
101、201 屋根(対象物)
102、202、302 ノード
103、203、303 線分
111 取得部
113 補正部
115 描画部
117 出力制御部
121 線分情報
123 ノード情報
125 対象物部位情報
127 勾配情報

Claims (13)

  1. 対象物に係るオブジェクトに対応する領域を区画する複数の線分、および前記複数の線分を接続するノードに係る情報を取得する取得部と、
    前記複数の線分の各々に関連づけられた前記対象物の部位に係る情報に基づいて、前記ノードの位置を補正する補正部と、
    補正された前記ノードに接続する複数の線分に基づいて前記領域を再区画する描画部と、
    再区画された前記領域に係る情報を出力する出力制御部と、
    を備える情報処理システム。
  2. 前記補正部は、一のノードに接続する複数の線分からなる角度の情報に基づいて、前記ノードの位置を補正する、請求項1に記載の情報処理システム。
  3. 前記一のノードに接続する3つの線分のうち他方のノードが前記領域の内部にある線分を基準線分とし、
    前記補正部は、前記基準線分と他の2つの線分とのそれぞれと成す角度が同一となるように前記ノードの位置を補正する、請求項2に記載の情報処理システム。
  4. 前記補正部は、前記他方のノードの位置を補正する、請求項3に記載の情報処理システム。
  5. 一のノードに接続する3つの線分のうち2つの線分に係る対象物の部位が同一であり、
    前記2つの線分の前記一のノードとは異なる他方のノードの各々に接続する線分の数がいずれも2である場合、
    前記補正部は、前記一のノードを、前記他方のノードの各々を直接結ぶ線分上となる位置に補正する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報処理システム。
  6. 前記補正部は、前記一のノードを、前記線分の中点となる位置に補正する、請求項5に記載の情報処理システム。
  7. 前記取得部は、前記複数の領域の各々における前記対象物の勾配に係る情報を取得し、
    前記補正部は、前記2つの線分のそれぞれが区画する領域の各々における対象物の前記勾配に基づいて、前記一のノードを補正する、請求項5または6に記載の情報処理システム。
  8. 前記出力制御部は、前記領域の各々における前記対象物の面積に関する情報を出力する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の情報処理システム。
  9. 前記出力制御部は、補正前の前記領域の各々における前記対象物の面積を算出し、再区画された領域に関する情報を用いて前記面積を補正する、請求項8に記載の情報処理システム。
  10. 前記取得部は、前記複数の領域の各々における前記対象物の勾配に係る情報を取得し、
    前記出力制御部は、前記勾配に係る情報を用いて前記領域の各々における前記対象物の面積に関する情報を出力する、請求項8または9に記載の情報処理システム。
  11. 前記出力制御部は、前記描画部により再区画された領域に係る情報を表示する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の情報処理システム。
  12. 前記対象物に係るオブジェクトは、前記対象物の上方から撮像された画像に含まれる対象物の像である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の情報処理システム。
  13. 前記対象物に係るオブジェクトは、三次元モデリングされたオブジェクトである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の情報処理システム。
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