JP2021001624A - 流体圧軸受け構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体圧を利用して軸受けの転がり抵抗を小さくする。【解決手段】軸体12における軸長方向の途中部を流体圧被作用部13とし、該流体圧被作用部13の両側を、それぞれラジアル軸受け21,21を介して軸受け用ハウジング11の軸受け穴14内に回転自在に支持させ、流体圧被作用部13の外周面13aに対してクリアランスを持って対峙するように軸受け穴14の内周面14aを形成し、該内周面14aの所要範囲を囲むようにループ状凹溝17を形成し、該ループ状凹溝17内にループ状シール部材18を介装することにより、該ループ状シール部材18のループ内における内周面14aと、該内周面14aに対峙する流体圧被作用部13の外周面13aとの間に加圧室19を形成し、該加圧室19内に連通する加圧口20を軸受け用ハウジング11に設け、該加圧口20を介して該加圧室19内に加圧された流体を送り込み可能に構成している。【選択図】図3

Description

本発明は、流体圧を用いて軸受けの転がり抵抗を小さくするように構成された軸受け構造に関するものである。
背景技術としては、特許文献1に記載された永久磁石を用いたモータの軸受け構造を例示する。図10に示すように、この軸受け構造は、ロータ101に固定された軸102の2箇所にリング状の永久磁石105a,105bが取り付けられ、磁気軸受け107の内周部には前記磁石に対向するようにリング状の永久磁石104a,104bが取り付けられている。永久磁石104bに対し、永久磁石105bを厚さの半分程度下側に設け、ラジアル方向及びスラスト下方向に磁力の反発力を発生させることによりラジアル方向は非接触でスラスト軸受け106の一点のみで支持するように構成されている。
特開2006−217744号公報
ところが、前記軸受け構造は、磁石の磁力を使用して軸を浮動させるように構成されているため、軸102に対する荷重が大きくなるとそれに応じて大型の永久磁石104a、104b、105a、105bを使用する必要があり、軸周りの構成が大型化してしまうという課題がある。
前記課題を解決するために、本発明の流体圧軸受け構造は、
軸体における軸長方向の途中部を流体圧被作用部とし、該流体圧被作用部の両側を、それぞれラジアル軸受けを介して軸受け用ハウジングの軸受け穴内に回転自在に支持させ、
前記流体圧被作用部の外周面に対してクリアランスを持って対峙するように前記軸受け穴の内周面を形成し、
該内周面に対し、該内周面の所要範囲を囲むようにループ状凹溝を形成し、
該ループ状凹溝内にループ状シール部材を介装することにより、該ループ状シール部材のループ内における前記内周面と、該内周面に対峙する前記流体圧被作用部の前記外周面との間に加圧室を形成し、
該加圧室内に連通する加圧口を前記軸受け用ハウジングに設け、
該加圧口を介して該加圧室内に加圧された流体を送り込み可能に構成している。
前記流体としては、特に限定されないが、油や水等の液体、空気やガス等の気体を例示する。
前記ループ状シール部材は、前記ループ状凹溝内における軸受け穴の内周面と、前記ループ状凹溝に対峙する前記軸体の外周面との間をシールするものである。前記ループ状シール部材に対して、前記軸体の外周面はシール状態が維持されたまま相対移動可能になっている。前記ループ状シール部材のループ形状としては、ループ状に閉じた形状であれば特に限定されないが、円形ループ状、楕円形ループ状、矩形ループ状等を例示する。
この構成によれば、前記加圧室内に加圧された流体を送り込むことにより、前記軸体の反加圧室側から加わるラジアル方向への荷重を打ち消す力を該軸体に作用させることができ、軸受けの転がり抵抗係数を小さくできる。前記加圧室によって前記軸体に作用させる力の調節は、前記加圧室の面積や、流体に加える圧力を調節することにより行うことができる。また、前記荷重が大きくなったときは、流体への圧力を大きくすればよく、機械的な構成を変更する必要がないため、荷重の変動に対する対応が容易になっている。また、前記流体を加圧する構成を物理的に前記軸体の周りから分離可能であるため、該軸体の周りの構成を小型化することができる。さらに、一対の前記ラジアル軸受けを介して軸受け用ハウジングの軸受け穴内に前記軸体が支持されているので、外部からの前記軸体への加重に対する該軸体の動きを制限することができ、これにより前記加圧室の密閉を確保することができる。
前記流体圧軸受け構造としては、
前記軸長方向における各前記ラジアル軸受けと前記加圧室の間に、軸周方向に延びる環状溝を前記軸受け穴の内周面又は前記軸体の外周面の少なくとも一方に形成し、該各環状溝内に環状シール部材を介装することにより、該両環状シール部材の間における前記加圧室の周囲に減圧室を形成し、
該減圧室内に連通する減圧口を前記軸受け用ハウジングに設け、
該減圧口を介して該減圧室内を減圧可能に構成している態様を例示する。
前記環状シール部材は、軸周方向に延びる前記軸受け穴の内周面と該内周面に対峙する前記軸体の外周面との間をシールするものである。前記環状シール部材に対して、前記軸受け穴の内周面又は/及び前記軸体の外周面はシール状態が維持されたまま相対移動可能になっている。
この構成によれば、前記減圧室は、前記加圧室の周囲における前記軸体の全周に形成されているので、前記減圧室内を減圧することにより、前記軸体の反加圧室側から加わるラジアル方向への荷重を打ち消す力を該軸体に作用させることができ、軸受けの転がり抵抗係数を小さくでき、また、前記加圧室内への外気の侵入を防ぐことができる。しかも、前記加圧室から前記流体が漏出した場合でもそれを、前記減圧口を介して回収可能に構成されている。前記減圧室によって前記軸体に作用させる力の調節は、前記減圧室の面積や、減圧の圧力を調節することにより行うことができる。また、前記荷重が大きくなったときは、前記減圧の圧力を大きくすればよく、機械的な構成を変更する必要がないため、荷重の変動に対する対応が容易になっている。さらに、前記減圧する構成を物理的に前記軸体の周りから分離可能であるため、該軸体の周りの構成を小型化することができる。
前記流体圧軸受け構造としては、
前記加圧室内に連通するベント口を前記軸受け用ハウジングに設け、
該ベント口を介して該加圧室内から流体を排出可能に構成している態様を例示する。
この構成によれば、前記加圧口から前記加圧室に最初に前記流体を送り込むときに、前記ベント口から該加圧室内にある既存の流体を排出することができる。また、前記加圧室内の圧力が高圧すぎる場合に、前記ベント口から前記流体を適宜排出させて、前記加圧室内の圧力調整をすることができる。
本発明に係る流体圧軸受け構造によれば、軸体に加わるラジアル方向への加重を打ち消すように流体圧を作用させることにより、軸受けの転がり抵抗を小さくできるという優れた効果を奏する。
本発明を具体化した一実施形態に係る流体圧軸受け構造を備えた車両の全体構成図であり、(a)は平面図、(b)は右側面図である。 図1のII−II線断面図である。 図2の要部拡大図である。 図3の断面図であり、(a)は同図のIVa−IVa線断面図、(b)は同図のIVb−IVb線断面図又はIVd−IVd断面図、(c)は同図のIVc−IVc線断面図又はIVe−IVe断面図である。 同流体圧軸受け構造の流体圧システムの構成を示すブロック図である。 流体圧軸受け構造における流体圧の作用を説明する図である。 Oリングの流体圧によるつぶれ率を説明する図である。 Oリングの押し付け力と耐圧性能を説明する図である。 溝寸法と押し付け力を説明する図である。 背景技術としての永久磁石を用いたモータの軸受け構造の断面図である。
図1〜図9は本発明を具体化した一実施形態の流体圧軸受け構造1を示している。図1は、本発明の流体圧軸受け構造1を備えた台車10を示している。この台車10は前後2輪の車輪2、2により走行可能に支持された機体3を備えている。各車輪2、2は、それぞれが流体圧軸受け構造1を介して回転自在に機体3の脚部3a,3aに設けられている。機体3には、流体圧軸受け構造1に対する流体圧を制御するための構成が搭載されている。本例では、流体として油を用いている。
流体圧軸受け構造1は、軸体12における軸長方向の途中部を太径に形成し、それを流体圧被作用部13とし、該流体圧被作用部13の両側を、それぞれラジアル軸受け21,21を介して軸受け用ハウジング11の軸受け穴14内に回転自在に支持させている。流体圧被作用部13の外周面13aに対してクリアランスを持って対峙するように軸受け穴14の内周面14aを形成している。軸受け用ハウジング11は、流体圧被作用部13が挿通されている部位と、その前記軸長方向における両側部15A、15Bが別体に構成されており、それらの接合部はシール部材としてのOリング16でシールされている。内周面14aに対し、該内周面14aの所要範囲を囲むようにループ状凹溝17を形成している。ループ状凹溝17内にループ状シール部材18を介装することにより、該ループ状シール部材18のループ内における内周面14aと、該内周面14aに対峙する流体圧被作用部13の外周面13aとの間に加圧室19を形成している。本例の加圧室19は、軸体12の軸芯を中心とする210°の角度範囲に渡って軸受け側内周面14aと軸側外周面13aをカバーするように形成されている。加圧室19内に連通する加圧口20を軸受け用ハウジング11に設け、該加圧口20を介して該加圧室19内に加圧された流体を送り込み可能に構成している。また、加圧室19内に連通する一対のベント口26を軸受け用ハウジング11に設け、該ベント口26を介して該加圧室19内から流体を排出可能に構成している。本例では、一方のベント口26のみを使用し、もう一方のベント口26は予備用として塞いでおくものとする。
ループ状シール部材18は、ループ状凹溝17内における軸受け穴14の内周面14aと、該ループ状凹溝17に対峙する軸体12の外周面13aとの間をシールするものである。ループ状シール部材18に対して、軸体12の外周面13aはシール状態が維持されたまま相対移動可能になっている。本例のループ状シール部材18としては、略矩形ループ状Oリングを用いている。
また、前記軸長方向における各ラジアル軸受け21と加圧室19の間に、軸周方向に延びる環状溝22,22を軸体12の外周面に形成している。該各環状溝22内に環状シール部材23を介装することにより、該両環状シール部材23,23の間における加圧室19の周囲に減圧室24を形成している。減圧室24内に連通する減圧口25を軸受け用ハウジング11に設けている。該減圧口25を介して該減圧室24内を減圧可能に構成している。
環状シール部材23は、軸周方向に延びる軸受け穴14の内周面と該内周面に対峙する軸体12の外周面との間をシールするものである。環状シール部材23に対して、軸受け穴14の内周面又は軸体12の外周面はシール状態が維持されたまま相対移動可能になっている。本例の環状シール部材23としては、円形ループ状Oリングを用いている。
流体圧軸受け構造1に対する流体圧を制御するための構成要素及びそれらの接続関係について説明すると、図5に示すように、同構造における加圧口20は、圧力計31、バルブ32A,32B、ギヤポンプ33及びフィルター34を介してタンク35に接続されている。同構造における減圧口25は、バルブ36A,36B及びバキュームチャンバー37を介して真空ポンプ38に接続されている。同構造におけるベント口26は、バルブ41A(又は41B)を介して、減圧口25からバルブ36A(又は36B)に至るまでの配管に接続されている。バキュームチャンバー37は、油送ポンプ42を介してタンク35へ接続されている。ギヤポンプ33の出力側は、バルブ43を介してタンク35にも接続されている。なお、バキュームチャンバー37、真空ポンプ38、タンク35、フィルター34、ギヤポンプ33、油送ポンプ42、DCモータ44、DCモータ速度コントローラーモジュール45、バッテリー46、圧力計47及びバルブ48は、機体3に搭載されている。
バキュームチャンバー37は、加圧室19から減圧室24に漏れ出た油を、減圧口25を介して回収するとともに、その油が真空ポンプ38に入らないようになっている。
真空ポンプ38は、減圧口25を介して減圧室24内を減圧するための真空を発生させる。
タンク35は、加圧口20を介して加圧室19へ供給するための油を溜める。
フィルター34は、加圧室19へ供給するための油から不純物を取り除く。
ギヤポンプ33は、加圧口20を介して加圧室19を加圧するための油圧を発生させる。
油送ポンプ42は、バキュームチャンバー37に回収された油をタンク35に送る。
DCモータ44は、ギヤポンプ33の内部のギヤを回転させる。
DCモータ速度コントローラーモジュール45は、DCモータ44の回転速度をコントロールする。
バッテリー46は、DCモータ44、真空ポンプ38及び油送ポンプ42の電源である。
圧力計47は、加圧室19の圧力を計測する。
次に、本例の流体圧軸受け構造1における各部位に作用する力について具体的に説明する。なお、本例の流体圧軸受け構造1では、軸体12の軸長方向において流体圧被作用部13の両側方に存在する減圧室24の部分は微小であるため、それによる作用を無視できるものとしている。
第一に、図6に示すように、軸体12の反加圧室側から加わるラジアル方向への荷重F0を打ち消す力である総合下方向荷重Fy[N]について説明する。この総合下方向荷重Fyは、同図における第一象限及び第二象限にある部分の加圧室による下方向荷重Fy1[N]、同図における第三及び第四象限にある部分の加圧室による下方向加重Fy2[N]及び減圧室による下方向荷重Fy3[N]の和からなっている。
下方向荷重Fy1に関して、微小下方向荷重dFy1(0°≦θ≦180°)は、油圧の圧力p0[Pa]と、角度θ[rad]と、微小面積dA[m2]を用いた次式で表される。
Figure 2021001624
微小面積dAは、軸体の半径r0[m]と、微小角度dθと、軸長方向における受圧長さbp[m]を用いた次式で表される。
Figure 2021001624
式(1)及び(2)より、微小下方向荷重dFy1(0°≦θ≦180°)を積分すると、下方向荷重Fy1は、次式で表される。
Figure 2021001624
下方向荷重Fy2に関して、微小下方向荷重dFy2(0°≦θ≦θ2)は、dFy1のときと同様に次式で表される。
Figure 2021001624
微小下方向荷重dFy2(0°≦θ≦θ2)を積分すると、下方向荷重Fy2は、次式で表される。
Figure 2021001624
ここで、θ2を15°とする場合、下方向荷重Fy2は次式で表される。
Figure 2021001624
下方向荷重Fy3に関して、θ2からθ3まで負圧pv(ただし、pv>0)がかかるものとすれば、微小下方向荷重dFy3(θ2≦θ≦―θ3)は、次式で表される。
Figure 2021001624
下方向荷重dFy3を積分すると、下方向荷重Fy3は、次式で表される。
Figure 2021001624
ここで、次式が成立する。
Figure 2021001624
そうすると、下方向荷重Fy3は、次式で表される。
Figure 2021001624
総合下方向荷重Fyは次式で表される。
Figure 2021001624
θ2が15°とすると、総合下方向荷重Fyは次式で表される。
Figure 2021001624
すなわち、総合下方向荷重Fy[N]を車輪の荷重F0[N]に設定すれば、車輪の荷重を打ち消すことができる。
第二に、シール部材(16、18、23)に付与可能な最大圧力pmax[Pa]について説明する。
最大圧力pmaxを求めるために用いるシール部材の油圧によるつぶれ率Ccを求めると、シール部材にかかる微小荷重dF(図7参照)、応力σ及びひずみεは、それぞれ次式で表される。
Figure 2021001624


ここで、p0[Pa]はシール部材に対する油圧の圧力、dA[m2]は微小荷重dFがかかる微小面積、Eは縦弾性係数[Pa]又は弾性率[Pa]、drは微小半径方向長さ[m]、dδは微小縮み量[m]である。
以上の方程式より、次の式が得られる。
Figure 2021001624
これを積分すると、シール部材の線半径r0を用いた次式が得られる。
Figure 2021001624
シール部材の油圧によるつぶれ率Ccは次式で表される。
Figure 2021001624
図8はシール部材への押し付け力Fを示す図であり、シール部材に対する微小押し付け力dF[N]がかかる微小面積dA[m2]は、シール部材の長さb[m]及び水平方向の微小距離dx[m]を用いた次式で表される。
Figure 2021001624
シール部材に対する押し付け力Fは、押し付け圧力p[Pa]を用いた次式で表される。
Figure 2021001624
円の方程式より、シール部材の線半径r1を用いた次式が得られる。
Figure 2021001624
シール部材の縦方向の長さl[m]は次式で表される。
Figure 2021001624
応力σ[Pa]及び押し付け圧力p[Pa]は、縦弾性係数(又は弾性率)E[Pa]と、ひずみεを用いた次式で表される。
Figure 2021001624
ひずみεは、ちぢみ量Δl[m]を用いた次式で表される。
Figure 2021001624
ちぢみ量Δlは次式で表される。
Figure 2021001624
図8におけるy方向位置y0[m]は、シール部材の線半径r1及び図8におけるx方向位置x0を用いた次式で表される。
Figure 2021001624
以上の方程式より、次式が得られる。
Figure 2021001624

シール部材のつぶし率をCとすると、次式で表される。
Figure 2021001624
押し付け力Fは、次式で表される。
Figure 2021001624
最大圧力pmaxは、x=0のときであるので、それを式(35)に代入すると、次式が得られる。
Figure 2021001624
油圧の圧力をp0として、次式の関係が成立するようにすれば、油は漏れない。
Figure 2021001624
第三に、溝寸法Sとシール部材(16、18、23)への押し付け力Fについて説明する(図9参照)。
つぶし率Cは式(37)、及びシール部材の油圧によるつぶれ率Ccは式(22)及び(23)で表され、シール部材の初期の半径r0は、油圧によりつぶれた後の半径r1と、油圧による半径のつぶれ量δを用いて次式で表される。
Figure 2021001624
これらの方程式より、つぶし率Cは次式で表される。
Figure 2021001624
つぶし率Cは、式(40)で表される最大圧力pmaxを用いて次式で表される。
Figure 2021001624
式(46)及び(47)より、次式が得られる。
Figure 2021001624
図9に示すように、つぶした後の距離y0と溝寸法Sには次式の関係が成立する。
Figure 2021001624
溝寸法Sは、元のシール部材の線半径r0[m]と、油圧の圧力p0[Pa]と、縦弾性係数(又は弾性率)E[Pa]と、つぶし率Cを用いて次式で表される。
Figure 2021001624
押し付け力Fは、式(23)、(38)及び(42)より、次式で表される。
Figure 2021001624
よって、式(47)及び(48)を用いることにより、溝寸法Sを設計したり、シール部材にかかる押し付け力Fを評価したりすることができる。
次に、本例の流体圧軸受け構造1の使用方法を、図5を参照しながら説明する。
(1)前輪側の流体圧軸受け構造1のエア抜き(使用開始前の準備)
まず、全部のバルブ(41A,36A,32A,43,41B,36B,32B)を閉める。次いで、真空ポンプ38を駆動させる。次いで、バルブ41A,36Aを全開させる。次いで、バルブ43を全開させる。次いで、ギヤポンプ33を駆動させる。次いで、バルブ32Aを少しずつ開け流体が少し動き出すまで開ける。次いで、ハウジング内に空気が無くなるのを確認してバルブ41A,36Aを全開にする。最後に、バルブ32Aを全開にする。
(2)後輪側の流体圧軸受け構造1のエア抜き(使用開始前の準備)
まず、バルブ41B,36Bを全開させる。次いで、バルブ32Bを少しずつ開け、流体が少し動き出すまで開ける。次いで、ハウジング内に空気が無くなるのを確認してバルブ41B,36Bを全開にする。最後に、バルブ32Bを全開にする。
(3)使用開始後の調整
まず、圧力計47を見ながら32Aと32Bのバルブを少しずつ開ける。そして、圧力が上がらなければ、圧力計47を見ながらバルブ43を少しずつ閉める。
以上のように本例の流体圧軸受け構造1は、軸体12における軸長方向の途中部を流体圧被作用部13とし、該流体圧被作用部13の両側を、それぞれラジアル軸受け21,21を介して軸受け用ハウジング11の軸受け穴14内に回転自在に支持させ、流体圧被作用部13の外周面13aに対してクリアランスを持って対峙するように軸受け穴14の内周面14aを形成し、該内周面14aに対し、該内周面14aの所要範囲を囲むようにループ状凹溝17を形成し、該ループ状凹溝17内にループ状シール部材18を介装することにより、該ループ状シール部材18のループ内における内周面14aと、該内周面14aに対峙する流体圧被作用部13の外周面13aとの間に加圧室19を形成し、該加圧室19内に連通する加圧口20を軸受け用ハウジング11に設け、該加圧口20を介して該加圧室19内に加圧された流体を送り込み可能に構成している。この構成によれば、加圧室19内に加圧された流体を送り込むことにより、軸体12の反加圧室側から加わるラジアル方向への荷重を打ち消す力を該軸体12に作用させることができ、軸受けの転がり抵抗係数を小さくできる。加圧室19によって軸体12に作用させる力の調節は、加圧室19の面積や、流体に加える圧力を調節することにより行うことができる。また、前記荷重が大きくなったときは、流体への圧力を大きくすればよく、機械的な構成を変更する必要がないため、荷重の変動に対する対応が容易になっている。また、前記流体を加圧する構成を物理的に軸体12の周りから分離可能であるため、該軸体12の周りの構成を小型化することができる。さらに、一対のラジアル軸受け21を介して軸受け用ハウジング11の軸受け穴14内に軸体12が支持されているので、外部からの軸体12への加重に対する該軸体12の動きを制限することができ、これにより加圧室19の密閉を確保することができる。
また、前記軸長方向における各ラジアル軸受け21と加圧室19の間に、軸周方向に延びる環状溝22を軸体12の外周面に形成し、該各環状溝22内に環状シール部材23を介装することにより、該両環状シール部材23,23の間における加圧室19の周囲に減圧室24を形成し、該減圧室24内に連通する減圧口25を軸受け用ハウジング11に設け、該減圧口25を介して該減圧室24内を減圧可能に構成している。この構成によれば、減圧室24は、加圧室19の周囲における軸体12の全周に形成されているので、減圧室24内を減圧することにより、軸体12の反加圧室側から加わるラジアル方向への荷重を打ち消す力を該軸体12に作用させることができ、軸受けの転がり抵抗係数を小さくでき、また、前記加圧室19内への外気の侵入を防ぐことができる。しかも、前記加圧室19から前記流体が漏出した場合でもそれを、減圧口25を介して回収可能に構成されている。減圧室24によって軸体12に作用させる力の調節は、減圧室24の面積や、減圧の圧力を調節することにより行うことができる。また、前記荷重が大きくなったときは、前記減圧の圧力を大きくすればよく、機械的な構成を変更する必要がないため、荷重の変動に対する対応が容易になっている。さらに、前記減圧する構成を物理的に軸体12の周りから分離可能であるため、該軸体12の周りの構成を小型化することができる。
さらに、加圧室19内に連通するベント口26を軸受け用ハウジング11に設け、該ベント口26を介して該加圧室19内から流体を排出可能に構成している。この構成によれば、加圧口20から加圧室19に最初に前記流体を送り込むときに、ベント口26から該加圧室19内の既存の流体を排出することができる。また、加圧室19内の圧力が高圧すぎる場合に、ベント口26から前記流体を適宜排出させて、加圧室19内の圧力調整をすることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)前輪側と後輪側の流体圧軸受け構造1のエア抜きの順番を入れ替えること。
(2)前輪側及び後輪側の流体圧軸受け構造1に対する流体圧を制御するための構成を互いに独立したものにすること。
(3)流体を油以外の液体や、空気やガス等の気体にすること。
(4)環状溝22に代えて、又は環状溝22に加えて、軸受け穴14の内周面に環状溝を形成し、そこに環状シール部材23を介装すること。
1 流体圧軸受け構造
2 車輪
3 機体
3a 脚部
10 台車
11 軸受け用ハウジング
12 軸体
13 流体圧被作用部
13a 外周面
14 軸受け穴
14a 内周面
15A 側部
15B 側部
16 リング
17 ループ状凹溝
18 ループ状シール部材
19 加圧室
20 加圧口
21 ラジアル軸受け
22 環状溝
23 環状シール部材
24 減圧室
25 減圧口
26 ベント口
31 圧力計
32A バルブ
32B バルブ
33 ギヤポンプ
34 フィルター
35 タンク
36A バルブ
36B バルブ
37 バキュームチャンバー
38 真空ポンプ
41A バルブ
41B バルブ
42 油送ポンプ
43 バルブ
44 DCモータ
45 DCモータ速度コントローラーモジュール
46 バッテリー
47 圧力計
48 バルブ

Claims (3)

  1. 軸体における軸長方向の途中部を流体圧被作用部とし、該流体圧被作用部の両側を、それぞれラジアル軸受けを介して軸受け用ハウジングの軸受け穴内に回転自在に支持させ、
    前記流体圧被作用部の外周面に対してクリアランスを持って対峙するように前記軸受け穴の内周面を形成し、
    該内周面に対し、該内周面の所要範囲を囲むようにループ状凹溝を形成し、
    該ループ状凹溝内にループ状シール部材を介装することにより、該ループ状シール部材のループ内における前記内周面と、該内周面に対峙する前記流体圧被作用部の前記外周面との間に加圧室を形成し、
    該加圧室内に連通する加圧口を前記軸受け用ハウジングに設け、
    該加圧口を介して該加圧室内に加圧された流体を送り込み可能に構成している
    流体圧軸受け構造。
  2. 前記軸長方向における各前記ラジアル軸受けと前記加圧室の間に、軸周方向に延びる環状溝を前記軸受け穴の内周面又は前記軸体の外周面の少なくとも一方に形成し、該各環状溝内に環状シール部材を介装することにより、該両環状シール部材の間における前記加圧室の周囲に減圧室を形成し、
    該減圧室内に連通する減圧口を前記軸受け用ハウジングに設け、
    該減圧口を介して該減圧室内を減圧可能に構成している
    請求項1記載の流体圧軸受け構造。
  3. 前記加圧室内に連通するベント口を前記軸受け用ハウジングに設け、
    該ベント口を介して該加圧室内から流体を排出可能に構成している
    請求項1又は2記載の流体圧軸受け構造。
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