JP2021001044A - 封止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化でき、安価にゴミ等の封止対象物を封止する。【解決手段】封止装置1は、対向する一対のフィルム11A,11Bの間に封止対象物Oを挟んで封止するものである。両面の表面に接着剤を含まない非接着面Sを有するフィルム11A,11Bが巻回された一対のフィルム供給ロール10A,10Bと、フィルムの引出手段24A,25A、24B,25Bを備え、引出手段によりフィルム供給ロールから各フィルム11A,11Bを引き出し、フィルム11A,11Bの非接着面S同士が対向して密着するように間に導く一対の圧着ローラ20A,20Bとを備え、一対の圧着ローラは、回転軸21A,21Bに設けられ弾性変形可能な圧縮部材22A,22Bとを備え、封止対象物Oが一対の圧着ローラの間を通過すると、圧縮部材により封止対象物Oの周囲のフィルムの非接着面Sが密着して封止対象物Oが封止される。【選択図】図1
Description
本発明は、封止装置に関し、特に、封止対象物をフィルムで封止する封止装置に関するものである。
従来、おむつや生ゴミ等の臭いを発するゴミをフィルムシートでパックして、保管中に臭いが周りに漏れるのを防ぐパッケージ装置が提案されている。例えば、特許文献1に記載のパッケージ装置は、枠部材内に、所定間隔離間して回転可能に並列配置され、フィルムが巻回された2本のフィルム供給ローラと、回転することにより各フィルム供給ローラからフィルムを引き出し、常態において、引き出された各フィルムを介して周面が接するように並列配置される2本のフィルム引き出しローラと、各フィルム引き出しローラを回転させる駆動部とを備えている。
各フィルム引き出しローラは、各フィルム引き出しローラ間を処理対象物が通過する際に処理対象物の形状に沿って弾性変形する周面を備えている。フィルムは、他方のフィルムとの対向面の全面に粘着層が形成された粘着フィルムである。
各フィルム供給ローラ間にゴミを受け入れ、駆動部の駆動により2つのフィルム引き出しローラが回転すると、フィルム引き出しローラが処理対象物により弾性変形して各フィルム引き出しローラ間を処理対象物が通過する。このとき、処理対象物の周囲でフィルムの粘着層同士が密着し、処理対象物が個別に密封される。
しかし、特許文献1に記載の発明においては、フィルムとして粘着フィルムを用いており、価格が高いという問題がある。また、粘着層の厚みがあるために巻回されたフィルムの大きさが大きくなり、フィルムを収容するために大きな空間が必要となり、装置全体が大型化するという問題がある。
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、小型であり、安価にゴミ等の封止対象物を封止するための封止装置を提供することを目的とする。
本発明による封止装置は、対向する一対のフィルムの間に封止対象物を挟んで封止する封止装置であって、両面の表面に接着剤を含まない非接着面を有するフィルムがそれぞれ巻回された一対のフィルム供給ロールと、前記フィルムの引出手段を備え、前記引出手段により前記一対のフィルム供給ロールから前記各フィルムを引き出して前記非接着面が対向するように間に導き、前記非接着面同士を密着させる一対の圧着ローラと、前記圧着ローラの少なくとも一方を駆動する駆動部とを備え、前記各圧着ローラは、回転軸と、前記回転軸に設けられ弾性変形可能な圧縮部材とを備える。
一対のフィルムの非接着面の間に封止対象物が投入され、駆動部により一対の圧着ローラが回転すると、フィルムが一対の圧着ロールの間に引き込まれ、封止対象物がフィルムとともに圧着ロールの圧縮部材の間を通過する。このとき、圧着ローラの圧縮部材は弾性変形して封止対象物の厚みを吸収するとともに圧縮部材の押圧力によりフィルム間の空気を押し出しながら封止対象物の周囲のフィルムを密着させる。フィルムの非接着面間にはファンデルワールス力が作用するため、接着剤等を用いずとも密着を保つことができる。圧着ローラの間を通過した封止対象物は一対のフィルムにより周囲が封止されて、圧着ローラの下方に位置する。
上記の構成によれば、フィルムは対向する表面に接着剤を含まない非接着面を有するため、フィルムの厚みが接着剤付きのフィルムよりも薄くなり、フィルムを収容するための空間が小さくてすみ、装置全体が小型になる。また、接着剤を使用していないので、フィルムの価格が安くなり、ランニングコストを下げることができる。
上記の実施形態においては、前記引出手段は、前記一対の圧着ローラの前記各回転軸に固定され互いに噛み合う歯車であり、前記フィルムは、前記一対の圧着ローラに設けられた前記歯車の間を通り、前記歯車の噛み合いにより前記一対の圧着ローラの間に導かれるものであってもよい。
前記歯車の歯は、先端の角部に円弧状の面取部が形成されていてもよい。
前記圧縮部材は、前記回転軸の長さ方向に連続して配置された複数の環状体を有していてもよい。
前記環状体は、前記環状体の中央に前記回転軸が通る貫通孔を有していてもよい。
前記封止対象物の投入を検知する検知手段と、前記検知手段から出力された検知信号に基づき駆動部の動作を制御する制御装置と、をさらに備えていてもよい。
前記検知手段は、ハウジングの投入口付近に物があることを検知して第1検知信号を出力する第1センサと、前記封止対象物が前記圧着ローラに到達したことを検出して第2検知信号を出力する第2センサとを備え、前記制御装置は、前記第1検知信号の受信の停止後に前記第2検知信号を受信したときに前記駆動部を駆動させてもよい。
本発明によれば、装置が小型化でき、安価に封止対象物を封止することができる。
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。本実施形態の封止装置1は、対向する一対のフィルム11A,11Bの間に封止対象物Oを挟んで封止するものである。封止対象物Oは、例えば、紙おむつ、生理用ナプキン等の衛生用品の廃棄物であるが、これに限定されず、生ゴミでもよく、食品であってもよい。
封止装置1は、ハウジング60内に、表面に接着剤を含まない非接着面Sを有するフィルム11A,11Bがそれぞれ軸12A,12Bに巻かれた一対のフィルム供給ロール10A,10Bと、歯車24A,25A、24B,25B(引出手段)を備え、歯車24A,25A、24B,25Bにより一対のフィルム供給ロール10A,10Bから各フィルム11A,11Bを引き出してフィルム11A,11Bの非接着面S同士が対向するように間に導いてフィルム11A,11Bの非接着面S同士を密着させる一対の圧着ローラ20A,20Bと、圧着ローラ20A,20Bの少なくとも一方を駆動するモータ30(駆動部)と、投入口62付近に封止対象物Oや使用者の手などが存在するか否を検知する第1センサ40(検知手段)と、一対の圧着ローラ20A,20Bの圧縮部材22A,22Bの表面に封止対象物Oが存在するか否かを検知する第2センサ41(検知手段)と、第1センサ40,第2センサ41,モータ30等と接続されてこれらの動作を制御する制御装置50とを備えている。なお、図1〜図3はハウジング60を断面で示しており、図2においてはモータ30の図示を省略している。
封止装置1の上記の各部は、図10、図11に示すように、ハウジング60の上部の内部に設けられ、封止後の封止対象物Oが収容される収容部2とともにゴミ箱3を構成する。ハウジング60は、図10に示すように、上壁61aと、前壁61bと、背壁61cと、2つの側壁61d、61dとを有している。ハウジング60の下端は開口し収容容器2の上端開口と連通している。上壁61aには、封止対象物Oが投入される投入口62や、作業者が封止対象物の封止を開始する指示を入力するための動作開始ボタン63、LED66等が設けられている。ハウジング60の内部には、自動モード/手動モードの切り替えボタン64、封止装置1の電源のオンオフを行う電源ボタン65が設けられている。なお、図示しないが、上壁61aに使用者がモータ30の停止を指示するための動作停止ボタンを備えていてもよい。動作停止ボタンは、例えば緊急時に使用される。
ハウジング60の下部は収容部2を構成しており、収容部2内には、ゴミ収容容器が取り出し自由に収容されていてもよく、封止済の封止対象物Oを収容するための袋を引っ掛ける袋掛け部材が取付けられていてもよい。ハウジング60の前壁61bには、袋やゴミ収容容器を交換するための扉60eが設けられている。後述する封止装置1のフィルム供給ロール10A,10Bを交換するために上壁61aが取り外し自由に構成されている。
一対のフィルム供給ロール10A,10Bは、それぞれ、表面に接着剤を含まない非接着面Sを有する所定幅のフィルム11A,11Bが軸12A,12Bの大径部12aに巻かれたものである。一対のフィルム供給ロール10A,10Bは、図1に示すように、ハウジング60の上壁61aの投入口62の下方に、投入口62から投入される封止対象物Oが通過可能な間隔をあけて、平行に横方向に並べて配置されている。
図2,図3に示すように、各フィルム供給ロール10A,10Bは、各軸12A,12Bの小径部12bの両端がハウジング60の前壁61b及び背壁61cに設けられた支持部材67、67により回転自由に支持されており、フィルム11A,11Bの交換のために支持部材67、67から取り外し自由となっている。図1において、フィルム供給ロール10Aは、フィルム11Aが引き出される際に矢印A1のように反時計回りに回転し、フィルム供給ロール10Bは、フィルム11Bが引き出される際に矢印A2のように時計回りに回転する。これにより、内側に向けてフィルム11A,11Bが引き出される。投入口62から投入された封止対象物Oは、フィルム11A,11Bの非接着面Sの間に投入される。
なお、一対のフィルム供給ロール10A,10Bはハウジング60に回転自由に支持される構成であればよく、例えば、軸12A,12Bを備えずにフィルム11A,11Bが中心に中空部を有して巻回されているものであってもよく、中空部を有する筒状の棒体に巻回されていてもよい。この場合、中空部に棒状の支持部材67,67が挿入されて一対のフィルム供給ロール10A,10Bがハウジング60に回転自由に支持される。
各フィルム11A,11Bは、両面が表面に接着剤を含まない非接着面Sを有している。フィルム11A,11Bは、ファンデルワールス力の作用により対向する非接着面S同士が密着する性質を有する素材から構成されており、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)を素材とするものであってもよく、他の合成樹脂を素材とするものであってもよく、紙や布に合成樹脂シートが貼付けられたものでもよく、紙や布に樹脂が含浸したものであってもよい。フィルム11A,11Bは、封止対象物Oの臭気が外に漏れるのを防ぐために通気性を有さない素材から構成される。本実施形態では、各フィルム11A、11Bの厚みを17〜25μmとしている。
一対の圧着ローラ20A,20Bは、それぞれ、回転軸21A,21Bと、回転軸21A,21Bに設けられ弾性変形可能な圧縮部材22A,22Bを有している。一対の圧着ローラ20A,20Bは、それぞれ、フィルム供給ロール10A,10Bの下方であって、フィルム供給ロール10A,10Bと平行に、各圧縮部材22A,22Bの外周面がフィルム11A,11Bを介して接するように、図1における横方向に連続して並べて配置されている。図1において、一対の圧着ローラ20A,20Bと一対のフィルム供給ロール10A,10Bとは、一対の圧着ローラ20A,20Bの間を上下に通る仮想線Lに対して対称に配置されている。図2,図3に示すように、各圧着ローラ20A,20Bの回転軸21A,21Bの両端部はハウジング60の前壁61b及び背壁61cに設けられた支持部材68、68により回転自由に支持されている。フィルム11A,11Bは、フィルム供給ロール10A,10Bの下側から引き出され、フィルム11A,11Bの非接着面Sと反対側の面が圧着ローラ20A,20Bの上面と接触し、圧着ローラ20A,20Bの間を通って圧着ローラ20A,20Bの下側に引き出される。
図4に示すように、各圧着ローラ20A,20Bの圧縮部材22A,22Bは複数の環状体23から構成され、本実施形態では12個の環状体23a〜23l(以下、区別する必要のないときは単に「環状体23」という。)から構成されている。各環状体23は、図5に示すように、所定の厚みを有する円盤状の弾性変形する素材からなり、中央に各回転軸21A,21Bを通すための貫通孔23pが形成されている。本実施形態では、環状体23は、ウレタンフォーム等からなるいわゆるスポンジで構成されているが、圧縮部材22A,22Bの間を封止対象物Oが通過できるように弾性変形する素材であればいずれの素材から構成されていてもよく、例えばゴムから構成されていてもよい。本実施形態においては、環状体23の厚みは20mmに設定しており、圧縮部材22A,22Bの長さは240mmに設定されているが、環状体23の厚み、個数、圧縮部材22A,22Bの長さは本実施形態に限定されず、封止対象物Oに応じた所望の値とすることができる。
複数の環状体23は、貫通孔23pに各回転軸21A,21Bが通されて回転軸21A,21Bの長さ方向に連続して隙間無く配置されている。本実施形態では、環状体23は各回転軸21A,21Bに対して固定されていないが、固定されていてもよい。各環状体23は、ビニール等の水分を通さない素材からなるカバー(図示せず)が被せられていてもよい。カバーにより、封止対象物Oから汚物や汚水などの汚れが環状体23に付着して染み込むのを防ぐことができる。
各圧着ローラ20A,20Bの圧縮部材22A,22Bの間を封止対象物Oが通過する際には、圧縮部材22A,22Bが弾性変形する。詳細には、図4に示すように、圧縮部材22A,22Bが複数の環状体23に分割されていることで、封止対象物Oに接触する各圧縮部材22A,22Bの環状体23c〜23jは弾性変形して封止対象物Oの厚みを吸収して封止対象物Oを通過させる。一方、封止対象物Oに接触しない各圧縮部材22A,22Bの環状体23a、23b、23k、23lは弾性変形せず、各圧着ローラ20A,20Bの環状体23a、23b、23k、23l同士がフィルム11A,11Bを介して当接した状態を保ち、フィルム11A,11B同士をしっかりと密着させる。
圧着ローラ20Aは、さらに、圧縮部材22Aの両端側に回転軸21Aに固定された一対の歯車24A,25A(引出手段)を備えている。圧着ローラ20Bは、さらに、圧縮部材22Bの両端側に回転軸21Bに固定された一対の歯車24B,25B(引出手段)を備えている。この歯車24A,25A、24B,25Bにより環状体23は回転軸21A,21Bからの抜け落ちが防がれている。圧着ローラ20Aの歯車24Aと圧着ローラ20Bの歯車24Bとが噛み合い、圧着ローラ20Aの歯車25Aと圧着ローラ20Bの歯車25Bとが噛み合っている。歯車24A,25Aの間の長さL1及び歯車24B,25Bの間の長さL1は、フィルム11A,11Bの幅よりも短く設定されている。これにより、フィルム11A,11Bは、歯車24Aと歯車24Bとの間及び歯車25Aと歯車25Bとの間を通り、歯車24A、24Bの噛み合い及び歯車25A、25Bの噛み合いにより引っ張られて一対のフィルム供給ロール10A,10Bから引き出され、一対の圧着ローラ20A,20Bの間に導かれる。
図6(A)、図6(B)は、圧着ローラ20Aの歯車24Aと圧着ローラ20Bの歯車24Bとを示している。図6(B)の要部拡大図に示すように、歯車24Bの横方向を向いた歯26が歯車24Aの横方向を向いた溝27に嵌まっている状態において、歯26の外面26aが溝27の内面27aに接触せずに隙間Bを有するように、一対の圧着ローラ20A,20Bの回転軸21A,21Bの間の間隔L2が設定されている。フィルム11A,11Bは、歯車24A,24Bの回転により歯車24A,24Bの歯26の外面と溝27の内面との間に挟まれて引っ張られる。隙間Bは、歯車の間に挟まれたフィルム11A,11Bが歯車24A,24Bの回転中に破れないように、フィルム11A,11Bの厚みに応じて設定され、本実施形態では1mmに設定されている。
また、各歯車24A,24Bの歯26は、フィルム11A,11Bが破れるのを防ぐために、先端が丸みをおびるように先端の角部に円弧状の面取部26b、26bが形成されている。圧着ローラ20Aの歯車25A及び圧着ローラ20Bの歯車25Bは、図6(A)、図6(B)に示す圧着ローラ20Aの歯車24A及び圧着ローラ20Bの歯車24Bと同様の構成を有するため、説明を省略する。
モータ30は、図1、図11に示すように、圧着ローラ20Aに隣接して設けられており、図示しない支持体によりハウジング60の側壁61dに固定されている。モータ30の出力軸31には歯車32が設けられ、圧着ローラ20Aの歯車24Aと噛み合うことで、モータ30の動力は圧着ローラ20Aに伝達され、圧着ローラ20Aの歯車24Aと圧着ローラ20Bの歯車24Bとの噛み合い、圧着ローラ20Aの歯車25Aと圧着ローラ20Bの歯車25Bとの噛み合いにより、圧着ローラ20Bに伝達される。これにより、圧着ローラ20A,20Bが矢印A3,A4に示す互いに内向きの方向に回転する。
なお、モータ30の動力を圧着ローラ20Aへ伝達するには、モータ30の出力軸31と圧着ローラ20Aの回転軸21Aとに駆動ベルトを架け渡すことで行ってもよい。また、圧着ローラ20Bを回転させるためのモータ30を別途設け、圧着ローラ20Aを回転させるためのモータ30と同期させて駆動し、圧着ローラ20A,20Bを回転させてもよい。また、本実施形態では駆動部としてモータ30を用いているが、これに限定されず、例えば、手動ハンドルを用いてもよい。手動ハンドルは、ハウジング60の側壁61dの外面や上壁61aの上面に設けられ、回転軸21Aに連結されて、使用者が手動ハンドルを手で回すことで圧着ローラ20Aが回転する。
圧着ローラ20A,20Bのいずれか一方の回転軸21A,21Bには、棒状の回転ハンドル28が取付けられており、フィルム供給ロール10A,10Bを交換して新たにセットする際には、回転ハンドル28により手動で圧着ローラ20A,20Bを回転させて、フィルム11A,11Bの先端を圧着ローラ20A,20Bの間に挟み込む。
第1センサ40は、例えば、透過型の光学センサであり、対向する位置に設けられた投光部40aと受光部40bとを備えている。第1センサ40の投光部40a及び受光部40bは、ハウジング60の背壁61c及び前壁61bの内面の上端部の対向する位置であって、投入口62の下方位置に設けられる。封止対象物Oの投入口62への投入が開始されたり、使用者の手が投入口62付近に存在するなどして、投入口62付近に物があると、第1センサ40の光路が遮断され、第1検知信号が後述する制御装置50に出力される。
第2センサ41は、例えば、透過型の光学センサであり、対向する位置に設けられた投光部41aと受光部41bとを備えている。第2センサ41の投光部41aと受光部41bとは、ハウジング60の背壁61c及び前壁61bの内面の対向する位置であって、圧着ローラ20A,20Bの上端と同じ高さであり、一対の圧着ローラ20A,20Bの間の仮想線L上の位置に設けられる。封止対象物Oが一対の圧着ローラ20A,20Bの上面に到達すると、第2センサ41の光路が遮断され、第2検知信号が後述する制御装置50に出力される。
第1センサ40及び第2センサ41は、透過型の光学センサに限定されず、反射型の光学センサであってもよく、また、封止対象物Oを検出できればいずれのセンサを用いてもよい。
制御装置50は、第1センサ40、第2センサ41、モータ30と接続され、第1センサ40からの第1検知信号及び第2センサ41からの第2検知信号を受信し、モータ30の動作を制御する。制御装置50は、例えば、CPU51,メモリ52、ハードディスク53、入出力ポート54などを備えたコンピュータである。また、制御装置50は、動作開始ボタン63、自動モード/手動モードの切り替えボタン64、電源ボタン65、LED66と接続されており、各ボタン63〜65からの信号を受信するとともに、LED66の点灯、消灯を制御する。封止装置1は、手動モードと自動モードとの二つのモードで動作可能であり、手動モードは、封止対象物Oが投入された後、使用者が動作開始ボタン63を押すことで一対の圧着ローラ20A,20Bを回転させて封止対象物Oの封止を開始するモードであり、自動モードとは、封止対象物Oが投入された後、第2のセンサが封止対象物Oを検出することで一対の圧着ローラ20A,20Bを回転させて封止対象物Oの封止を開始するモードである。
次に、封止装置1の動作について説明する。封止装置1は電源ボタン65が投入されたオン状態であり、モータ30は停止している。ハウジング60の投入口62から封止対象物Oが投入されると、封止対象物Oは落下して圧着ローラ20A、20B上のフィルム11A,11Bの非接着面S上に位置する。制御装置50は、第2センサ41により封止対象物Oの存在を検知して、モータ30を駆動させるとともに、モータ30が駆動している間はLED66を点灯させる。制御装置50の動作については後述する。
モータ30が駆動すると、モータ30の出力軸31の歯車32と圧着ローラ20Aの歯車24Aとにより、圧着ローラ20Aにモータ30の動力が伝達され、モータ30の動力は、圧着ローラ20Aの歯車24Aと圧着ローラ20Bの歯車24Bとの噛み合い、圧着ローラ20Aの歯車25Aと圧着ローラ20Bの歯車25Bとの噛み合いにより、圧着ローラ20Bに伝達され、圧着ローラ20A,20Bは互いに内向きに回転する。
このとき、フィルム11A,11Bは、歯車24Aと歯車24Bとの間及び歯車25Aと歯車25Bとの間に介在しており、これらの歯車24A、24B、25A、25Bの回転により圧着ローラ20A,20Bの間に引き込まれる。
フィルム11A,11Bの非接着面Sの間に投入された封止対象物Oが圧着ローラ20A,20Bの間を通過する際に、圧縮部材22A,22Bは、封止対象物Oの形状に沿って弾性変形しつつ、フィルム11A,11Bを封止対象物Oに押しつけて密着させ、封止対象物Oの周囲のフィルム11A,11Bの非接着面S同士をファンデルワールス力により密着させる。
これにより、封止対象物Oはフィルム11A,11Bにより封止された状態で、収容容器2に収容される。封止対象物Oが投入される度に、上記の動作を繰り返して封止対象物Oを封止する。
次に、制御装置50の動作について説明する。制御装置50は、切り替えボタン64から信号を受信し、自動モード/手動モードのいずれが選択されているかを判断しており、まず、自動モードが選択されている場合の制御装置50の動作について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。
制御装置50の動作開始時において、モータ30は停止している。ST10において、制御装置50は第1センサ40から第1検知信号を受信したか否かを判断している。第1検知信号を受信していない場合は、ステップST10を繰り返す。受信した場合は、封止対象物Oが投入されたか、または投入口62付近に使用者の手などが存在していると判断して、ST11に進む。
ST11において、制御装置50は所定時間T1(例えば1秒)をカウントする。封止対象物Oが投入された場合には、この所定時間T1の間に封止対象物Oが一対の圧着ローラ20A,20B上に落下する。ST12において、制御装置50は、第1センサ40からの第1検知信号の受信が終了したか否かを判断する。第1検知信号の受信が終了し、第1センサ40による封止対象物Oや使用者の手などの検知が解除された場合には、ST13へ進む。第1検知信号の受信が終了していない場合は、ST16に進む。
ST13において、制御装置50は、第2センサ41からの第2検出信号を受信したか否かを判断する。受信している場合には、制御装置50は、封止対象物Oが投入口62から投入されて、一対の圧着ローラ20A,20B上に落下したものと判断する。そして、ST14に進み、所定時間T2の間、モータ30を駆動させて一対の圧着ローラ20A,20Bを回転させ、封止対象物Oの封止を行う。モータ30を駆動させる所定時間T2は、封止対象物Oが一対の圧着ローラ20A,20Bの間を通過するのに十分な時間に設定される。制御装置50はモータ30を駆動している間LED66を点灯させる。所定時間T2の経過後は、制御装置50はモータ30の駆動を停止させる。そしてST15において、電源ボタン65から動作終了信号を受信しているか否かを判断し、受信していない場合にはST10に戻る。受信している場合には、制御装置50は動作を終了する。
ST13において、第2センサ41からの第2検出信号を受信していない場合には、例えば使用者の手が投入口62付近にあったが、封止対象物Oは投入されなかった状態であると想定され、ST10に戻る。
ST12において、第1センサ40からの第1検知信号の受信が終了しない場合は、ST16に進む。ST16においては、制御装置50は、予め設定された所定時間T3(例えば2分)が経過したか否かを判断する。所定時間T3が経過した場合は、封止対象物Oが何らかの理由で投入口62に引っ掛かって落下していないために、第1センサ40から第1検知信号の出力が検出され続けていると判断し、ST17において、エラー表示を行う。エラー表示として、例えばLED66を点滅させてもよい。ST16において、予め設定された所定時間T3が経過していない場合は、制御装置50はST12に戻って第1センサ40からの第1検知信号の受信が終了したか否かを再度判断する。
次に、制御装置50は、ST18において、作業者等により電源ボタン65からの動作終了信号を受信したか否かを判断し、受信していない間はST17に戻ってエラー表示を続ける。使用者が引っ掛かった封止対象物Oを取り除き、電源ボタン65を押して封止装置1をオフ状態とすると、制御装置50は、ST18において動作終了信号を受信し、動作を終了する。使用者が再度電源ボアタン65を押して封止装置1をオン状態とすることで、制御装置50は図8の動作を開始する。
次に、手動モードが選択されている場合の制御装置50の動作について、図9に示すフローチャートを用いて説明する。手動モードは、ST13の後にST20が追加されている点において、図8の自動モードのフローチャートと異なっている。このため、異なる点のみを説明し、その他の動作については同じ符号を付して説明を省略する。ST13において、制御装置50は、第2センサ41からの第2検出信号を受信している場合には、制御装置50は、封止対象物Oが投入口62から投入されて、一対の圧着ローラ20A,20B上に落下したものと判断する。そして、ST20において、制御装置50は、封止装置1の動作開始ボタン63から駆動信号を受信したか否かを判断する。駆動信号を受信している場合には、ST14に進みモータ30を駆動する。受信していない場合は、駆動信号を受信するまでST20を繰り返す。
本実施形態によれば、対向する面が接着剤を含まない非接着面であるフィルム11A,11Bを用いているので、フィルム11A,11Bの厚みが接着剤付きのフィルム11A,11Bよりも薄くなり、フィルム11A,11Bを収容するための空間が小さくてすみ、装置全体が小型になる。また、接着剤を使用していないので、フィルム11A,11Bの価格が安くなり、ランニングコストを下げることができる。
また、本実施形態においては、歯車24A、24B及び歯車25A、25Bの噛み合いによりフィルム11A,11Bをしっかりと挟んで一対の圧着ローラ20A,20Bの間に引き込んでいる。このため、従来技術のように圧着ローラ20A,20Bとフィルム11A,11Bとの摩擦力によってフィルム11A,11Bを引き込む場合に比べ、引き込む力が強くなり、圧着ローラ20A,20Bとフィルム11A,11Bとがスリップすることなく確実にフィルム11A,11Bを一対の圧着ローラ20A,20Bの間に引き込むことができる。また、歯車24A、24B及び歯車25A、25Bによりフィルム11A,11Bを引き込む力が強くなるため、薄いコシのないフィルム11A,11Bであって引き込みが可能である。
また、噛み合う歯車24A、24B及び25A、25Bの間にフィルム11A,11Bの厚みに応じた隙間Bを形成しているため、歯車24A、24B及び25A、25Bの歯26と溝27との間にフィルム11A,11Bが挟まれつつ回転してもフィルム11A,11Bが破れにくい。さらに、歯車24A、24B及び25A、25Bの歯26の先端の角部に面取部26b、26bが形成されおり、歯26が丸みをおびて尖った部分がないため、フィルム11A,11Bが破れにくい。
また、各圧着ローラ20A,20Bの圧縮部材22A,22Bの間を封止対象物Oが通過する際には、封止対象物Oにより圧縮部材22A,22Bが弾性変形する。圧縮部材22A,22Bが全体として1つのスポンジ素材等から構成されており本実施形態のように複数の環状体23に分割されていない場合には、封止対象物Oと直接接していない封止対象物Oの周囲の圧縮部材22A,22Bが封止対象物Oに押されて弾性変形し、圧縮部材22A,22B間に隙間が空いてしまうため、フィルム11A,11Bをしっかりと密着させることができない。しかし、本実施形態では、圧縮部材22A,22Bが複数の環状体23に分割されているので、封止対象物Oと接触して押されている環状体23は弾性変形するが、封止対象物Oと接触していない環状体23は弾性変形しにくいため、フィルム11A,11Bをしっかりと密着させることができる。
また、本実施形態では、歯車24A、24B及び25A、25Bによりフィルム11A,11Bを一対の圧着ローラ20A,20Bの間に引き込んでおり、従来技術のように圧着ローラ20A,20Bの周面とフィルム11A,11Bとの摩擦力によりフィルム11A,11Bを引き込むものではないため、圧着ローラ20A,20Bの圧縮部材22A,22Bは回転軸21A,21Bに固定されて回転軸21A,21Bとともに回転する必要がない。このため、圧縮部材22A,22Bの貫通孔23pに回転軸21A,21Bを通すだけでよく、圧着ローラ20A,20Bを製造する際の加工が簡単である。
ハウジング60の投入口62付近に第1センサ40を備えているため、投入口62付近に使用者の手が存在することを検知することができ、このような場合にはモータ30を駆動させないため、使用者が手を圧着ローラ20A,20Bに巻き込むなどの問題が生じず、使用者の安全を確保することができる。
また、第2センサ41により封止対象物Oが一対の圧着ローラ20A,20Bの上に存在することを検知することができるため、自動モードを設定して第2センサ41による封止対象物Oの検出により自動的にモータ30を駆動させることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
本実施形態では引込手段として歯車24A、24B及び25A、25Bを使用しており、歯車によってモータ30の動力を圧着ローラ20A,20Bに伝達して圧着ローラ20A,20Bを回転させているが、引込手段は歯車に限定されない。例えば引込手段は、円盤状板であって、周面にゴム部材が取付けられたものを用いてもよい。この場合、フィルム11A、11Bを介した円盤状板の周面同士の間の摩擦力で、フィルム11A、11Bは圧着ローラ20A、20Bの間に引き込まれ、圧着ローラ20A、20Bは回転する。
また、本実施形態では第1センサ40と第2センサ41とを備えているが、第2センサ41を備えず第1センサ40のみを備えていてもよい。この場合、封止装置1は手動モードで動作する。制御装置は、図9におけるフローチャートにおいてST13を除いた動作を行う。制御装置50は、第1センサ40により投入口62付近に使用者の手が存在することを検知するとモータ30を駆動させないため、使用者が手を圧着ローラ20A,20Bに巻き込まれるなどの問題が生じず、安全を確保することができる。また、第1センサ40及び第2センサ41を備えていない封止装置1であってもよい。
1 封止装置
10A,10B フィルム供給ロール
11A,11B フィルム
12A,12B 軸
20A,20B 圧着ローラ
21A,21B 回転軸
22A,22B 圧縮部材
23 環状体
23p 貫通孔
24A,25A、24B,25B 一対の歯車
30 モータ(駆動部)
40 第1センサ
41 第2センサ
50 制御装置
O 封止対象物
S 非接着面
10A,10B フィルム供給ロール
11A,11B フィルム
12A,12B 軸
20A,20B 圧着ローラ
21A,21B 回転軸
22A,22B 圧縮部材
23 環状体
23p 貫通孔
24A,25A、24B,25B 一対の歯車
30 モータ(駆動部)
40 第1センサ
41 第2センサ
50 制御装置
O 封止対象物
S 非接着面
Claims (7)
- 対向する一対のフィルムの間に封止対象物を挟んで封止する封止装置であって、
両面の表面に接着剤を含まない非接着面を有するフィルムがそれぞれ巻回された一対のフィルム供給ロールと、
前記フィルムの引出手段を備え、前記引出手段により前記一対のフィルム供給ロールから前記各フィルムを引き出して前記非接着面が対向するように間に導き、前記非接着面同士を密着させる一対の圧着ローラと、
前記圧着ローラの少なくとも一方を駆動する駆動部とを備え、
前記各圧着ローラは、回転軸と、前記回転軸に設けられ弾性変形可能な圧縮部材とを備える封止装置。 - 前記引出手段は、前記一対の圧着ローラの前記各回転軸に固定され互いに噛み合う歯車であり、
前記フィルムは、前記一対の圧着ローラに設けられた前記歯車の間を通り、前記歯車の噛み合いにより前記一対の圧着ローラの間に導かれる請求項1に記載の封止装置。 - 前記歯車の歯は、先端の角部に円弧状の面取部が形成されている、請求項2に記載の封止装置。
- 前記圧縮部材は、前記回転軸の長さ方向に連続して配置された複数の環状体を有する、請求項1から3のいずれかに記載の封止装置。
- 前記環状体は、前記環状体の中央に前記回転軸が通る貫通孔を有する、請求項4に記載の封止装置。
- 前記封止対象物を検知する検知手段と、
前記検知手段から出力された検知信号に基づき駆動部の動作を制御する制御装置と、
をさらに備える請求項1から5のいずれかに記載の封止装置。 - 前記検知手段は、
ハウジングの投入口付近に物があることを検知して第1検知信号を出力する第1センサと、
前記封止対象物が前記圧着ローラに到達したことを検出して第2検知信号を出力する第2センサとを備え、
前記制御装置は、前記第1検知信号の受信の停止後に前記第2検知信号を受信したときに前記駆動部を駆動させる請求項6に記載の封止装置。
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- 2019-06-20 JP JP2019114703A patent/JP2021001044A/ja active Pending
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