JP2021001001A - レトルトパウチ用包装材及びこれを用いたレトルトパウチ、並びに、レトルトパウチ用包装材の選定方法 - Google Patents

レトルトパウチ用包装材及びこれを用いたレトルトパウチ、並びに、レトルトパウチ用包装材の選定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レトルト処理に耐え得る、マット層を備えたレトルトパウチ用包装材を提供する。【解決手段】少なくとも、プラスチックフィルム及びシーラント層が、この順に外層側から積層されている構成を備えてなる包装材であって、前記プラスチックフィルムの外層側の少なくとも一部に、バインダー樹脂及びマット剤を含むマット層を有してなり、JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値0.08mmで測定した前記マット層表面の算術平均粗さを「Ra0.08」、JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値2.5mmで測定した前記マット層表面の十点平均粗さを「Rzjis2.5」と定義した際に、Ra0.08及びRzjis2.5が下記(1)及び(2)を満たす、レトルトパウチ用包装材。0.10μm≦Ra0.08≦1.00μm (1)2.0μm≦Rzjis2.5≦13.0μm (2)【選択図】図1

Description

本発明は、レトルトパウチ用包装材及びこれを用いたレトルトパウチ、並びに、レトルトパウチ用包装材の選定方法に関する。
食品及び生活用品等を収容する包装材には、包装材の光沢を調整して装飾効果を高めたり、耐滑り性を付与したりすることなどを目的として、プラスチックフィルムの外層側にマット層が形成される場合がある。
プラスチックフィルムの外層側にマット層を形成した包装材としては、例えば、特許文献1及び2が提案されている。
特開2009-78838号公報 特開2005-96778号公報
しかし、特許文献1及び2の包装材を用いてレトルトパウチを作製し、該レトルトパウチにレトルト処理を行った場合、レトルト処理中にマット層が部分的に剥離するケースが頻発した。
本発明は、レトルト処理に耐え得る、マット層を備えたレトルトパウチ用包装材及びこれを用いたレトルトパウチ、並びに、レトルトパウチ用包装材の選定方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]を提供するものである。
[1]少なくとも、プラスチックフィルム及びシーラント層が、この順に外層側から積層されている構成を備えてなる包装材であって、前記プラスチックフィルムの外層側の少なくとも一部に、バインダー樹脂及びマット剤を含むマット層を有してなり、JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値0.08mmで測定した前記マット層表面の算術平均粗さを「Ra0.08」、JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値2.5mmで測定した前記マット層表面の十点平均粗さを「Rzjis2.5」と定義した際に、Ra0.08及びRzjis2.5が下記(1)及び(2)を満たす、レトルトパウチ用包装材。
0.10μm≦Ra0.08≦1.00μm (1)
2.0μm≦Rzjis2.5≦13.0μm (2)
[2]JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値2.5mmで測定した前記マット層表面の算術平均粗さを「Ra2.5」と定義した際に、Ra2.5が下記(3)を満たす、[1]に記載のレトルトパウチ用包装材。
0.50μm≦Ra2.5≦1.70μm (3)
[3]JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値0.08mmで測定した前記マット層表面の十点平均粗さを「Rzjis0.08」と定義した際に、Rzjis0.08が下記(4)を満たす、[1]又は[2]に記載のレトルトパウチ用包装材。
1.20≦Rzjis2.5/Rzjis0.08≦2.50 (4)
[4]前記プラスチックフィルムと前記シーラント層との間に印刷層を有する、[1]〜[3]の何れかに記載のレトルトパウチ用包装材。
[5]少なくとも一部に[1]〜[4]の何れかに記載の包装材を含む、レトルトパウチ。
[6]少なくとも、プラスチックフィルム及びシーラント層が、この順に外層側から積層されてなり、前記プラスチックフィルムの外層側の少なくとも一部に、バインダー樹脂及びマット剤を含むマット層を有してなる包装材の選定方法であって、JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値0.08mmで測定した前記マット層表面の算術平均粗さを「Ra0.08」、JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値2.5mmで測定した前記マット層表面の十点平均粗さを「Rzjis2.5」と定義した際に、Ra0.08及びRzjis2.5が下記(1)及び(2)を満たすか否かを判定し、満たすものを選定する、レトルトパウチ用包装材の選定方法。
0.10μm≦Ra0.08≦1.00μm (1)
2.0μm≦Rzjis2.5≦13.0μm (2)
本発明のレトルトパウチ用包装材及びレトルトパウチは、レトルト処理の際にマット層が部分的に剥離することを抑制することができる。また、本発明のレトルトパウチ用包装材の選定方法によれば、レトルト処理を実際に行わなくても、マット層がレトルト処理に耐え得るか否かを判断することができ、製造効率を高めることができる。
本発明のレトルトパウチ用包装材の積層構成の一実施形態を示す断面図である。 本発明のレトルトパウチの一実施形態を示す断面図である。 本発明のレトルトパウチ用包装材の積層構成の他の実施形態を示す断面図である。 本発明のレトルトパウチの他の実施形態を示す概略平面図である。 図4のXI−XI断面図である。
以下、本発明のレトルトパウチ用包装材、並びに前記包装材を用いたレトルトパウチについて、図面を参照して詳細に説明する。なお、本明細書中の「AA〜BB」との数値範囲の表記は、「AA以上BB以下」であることを意味する。
[包装材]
本発明のレトルトパウチ用包装材は、少なくとも、プラスチックフィルム及びシーラント層が、この順に外層側から積層されている構成を備えてなり、前記プラスチックフィルムの外層側の少なくとも一部に、バインダー樹脂及びマット剤を含むマット層を有してなり、JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値0.08mmで測定した前記マット層表面の算術平均粗さを「Ra0.08」、JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値2.5mmで測定した前記マット層表面の十点平均粗さを「Rzjis2.5」と定義した際に、Ra0.08及びRzjis2.5が下記(1)及び(2)を満たす、ものである。
0.10μm≦Ra0.08≦1.00μm (1)
2.0μm≦Rzjis2.5≦13.0μm (2)
図1は、本発明のレトルトパウチ用包装材1の積層構成の実施の形態を示す概略断面図である。
図1においては、上が外層側(表面側)であり、下が内層側(裏面側)である。図1のレトルトパウチ用包装材1は、外層側から順に、プラスチックフィルム2及びシーラント層4が積層されている。また、図1のレトルトパウチ用包装材1は、プラスチックフィルム2の外層側の少なくとも一部にマット層8を有している。
レトルトパウチ用包装材1の積層構成においては、その他の層を構成層として含んでいてもよい。
例えば、図1のレトルトパウチ用包装材1は、プラスチックフィルム2とシーラント層4との間に、印刷層3、接着剤層6及び中間基材層6を有している。また、図1のレトルトパウチ用包装材の印刷層3は、光輝性印刷層3a及び非光輝性印刷層3bを有し、さらにこれらの背面に地色印刷層3cを有している。
また、レトルトパウチ用包装材1は、プラスチックフィルム2と印刷層3との間や、印刷層3とシーラント層4との間に、ガスバリア層(図示せず)が形成されていてもよい。
本発明のレトルトパウチ用包装材は、例えば、下記(1)〜(4)の積層構成を例示することができる。なお、下記(1)〜(4)では、左側の層が外層側であり、「/」は各層の境界を意味する。
(1)マット層/プラスチックフィルム/印刷層/中間基材層/シーラント層
(2)マット層/プラスチックフィルム/ガスバリア層/印刷層/シーラント層
(3)マット層/プラスチックフィルム/ガスバリア層/印刷層/中間基材層/シーラント層
(4)マット層/プラスチックフィルム/印刷層/ガスバリア層/中間基材層/シーラント層
上記(1)〜(4)は、各層の間に必要に応じて接着剤層を有していてもよい。また、上記(2)及び(3)のガスバリア層は、無機酸化物の蒸着膜の単層、又は、無機酸化物の蒸着膜上にガスバリア性塗布膜を形成した複合層(該複合層では、無機酸化物の蒸着膜がプラスチックフィルム側に配置)であることが好ましい。また、上記(4)のガスバリア層は、蒸着膜の単層、又は、蒸着膜上にガスバリア性塗布膜を形成した複合層(該複合層では、蒸着膜が中間基材層側に配置)であることが好ましい。
<マット層の表面形状>
本発明の包装材は、JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値0.08mmで測定したマット層表面の算術平均粗さを「Ra0.08」、JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値2.5mmで測定したマット層表面の十点平均粗さを「Rzjis2.5」と定義した際に、Ra0.08及びRzjis2.5が下記(1)及び(2)を満たすことを要する。
0.10μm≦Ra0.08≦1.00μm (1)
2.0μm≦Rzjis2.5≦13.0μm (2)
式(1)のRa0.08は、カットオフ値が0.08mmであるため、低周波の凹凸(波長の長い凹凸)を含まず、高周波の凹凸(波長の短い凹凸)に基づく算術平均粗さを意味している。そして、高周波の凹凸(波長の短い凹凸)は光の拡散作用が強い傾向がある。
このため、Ra0.08が0.10μm未満であると、マット層を有する箇所とマット層を有さない箇所との艶のコントラストが不十分となり、意匠性を良好にすることができない。一方、Ra0.08が1.00μmを超えると、マット層が白っぽくなり、包装材の高級感が損なわれたり、マット層の内層側に印刷層を有する場合に該印刷層の視認性が低下したりしてしまう。
Ra0.08は、0.20μm以上0.95μm以下であることが好ましく、0.25μm以上0.90μm以下であることがより好ましく、0.30μm以上0.85μm以下であることがさらに好ましい。
本明細書において、Ra0.08及びRzjis2.5等の各種の表面粗さは、マット層表面の任意の20箇所の測定値の平均値を意味する。
式(2)のRzjis2.5は、カットオフ値が2.5mmであるため、高周波の凹凸(波長の短い凹凸)のみならず、低周波の凹凸(波長の長い凹凸)を含んだ十点平均粗さである。
Rzjis2.5が2.0μm未満の場合、低周波の凹凸(波長の長い凹凸)が不足するため、マット感が不十分となる。一方、Rzjis2.5が13.0μmを超える場合、レトルト処理時にマット層が部分的に剥離してしまう。この原因は、Rzjis2.5が13.0μmを超えるマット層には、波長が長くかつ標高差の大きい凹凸が存在し、レトルト処理時に該凹凸の凸部に圧力が集中するためと考えられる。
Rzjis2.5は、3.0μm以上12.0μm以下であることが好ましく、4.0μm以上11.5μm以下であることがより好ましく、5.0μm以上11.0μm以下であることがさらに好ましい。
本発明のレトルトパウチ用包装材の一実施形態は、JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値2.5mmで測定した前記マット層表面の算術平均粗さを「Ra2.5」と定義した際に、Ra2.5が下記(3)を満たすことが好ましい。
0.50μm≦Ra2.5≦1.70μm (3)
Ra2.5を0.50μm以上とすることにより、低周波の凹凸(波長の長い凹凸)を確保して、マット感をより良好にすることができる。また、Ra2.5を1.70μm以下とすることにより、マット層の凹凸がレンズのように作用して、内層側の印刷層の視認性が低下することを抑制できる。
Ra2.5は、0.60μm以上1.60μm以下であることがより好ましく、0.75μm以上1.50μm以下であることがさらに好ましく、0.85μm以上1.40μm以下であることがさらに好ましい。
本発明のレトルトパウチ用包装材の一実施形態は、JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値0.08mmで測定した前記マット層表面の十点平均粗さを「Rzjis0.08」と定義した際に、Rzjis0.08と前記Rzjis2.5とが、下記(4)を満たすことが好ましい。
1.20≦Rzjis2.5/Rzjis0.08≦2.50 (4)
「Rzjis2.5/Rzjis0.08」を1.20以上とすることにより、低周波の凹凸(波長の長い凹凸)を確保して、マット感を良好にしやすくできる。「Rzjis2.5/Rzjis0.08」を2.50以下とすることにより、レトルト処理時にマット層が部分的に剥離してしまうことを抑制しやすくできる。また、「Rzjis2.5/Rzjis0.08」を1.20以上2.50以下とすることにより、凹凸が高周波及び低周波の何れかに偏らなくなり、自然な風合いのマット感としやすくできる。
「Rzjis2.5/Rzjis0.08」は、1.25以上2.30以下であることがより好ましく、1.30以上2.00以下であることがさらに好ましい。
<プラスチックフィルム>
プラスチックフィルムは、主として、レトルトパウチ用包装材の支持体としての役割を有する。
プラスチックフィルムは、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、プラスチックフィルムの内層側に印刷層を有する場合には、印刷層を外層側から視認できるようにする観点から、プラスチックフィルムは透明性の高いものが好ましい。
プラスチックフィルムの厚みは、通常、5〜50μm程度であることが好ましく、より好ましくは8〜40μm、さらに好ましくは10〜25μmである。プラスチックフィルムは、一軸延伸又は二軸延伸されたものであってもよい。
プラスチックフィルムは、JIS K7361−1:1997の全光線透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。また、プラスチックフィルムは、JISK7136:2000のヘイズが1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、0.3%以下であることがさらに好ましい。
プラスチックフィルムの材料としては、各種の樹脂が挙げられ、耐熱性の高い樹脂から形成したプラスチックフィルムが好ましい。耐熱性に優れた樹脂としては、ポリエステル系樹脂及びポリアミド系樹脂等が挙げられる。
プラスチックフィルムの具体例としては、ポリエステルフィルムの単体、ナイロン等のポリアミドフィルムの単体、ポリエステルフィルム及びポリアミドフィルムの一種以上を含む複合フィルムが好ましい。前記複合フィルムの例としては、PET/Ny/PET、外層側からPET/Nyの構成からなる共押出し延伸フィルムが挙げられる。また、前記複合フィルムとしては、ポリエステルフィルム及びポリアミドフィルムの何れか1種以上と、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム及びポリ塩化ビニリデンフィルムの何れか1種以上とを組み合わせることも好ましい。
プラスチックフィルムの両表面は、JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値0.8mmで測定した算術平均粗さRaが0.10μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以下である。プラスチックフィルムの両表面のRaを前述した範囲とすることにより、意匠性をより良好にすることができる。
<マット層>
マット層はバインダー樹脂及びマット剤を含み、プラスチックフィルムの外層側の少なくとも一部に設けられる。
<<バインダー樹脂>>
マット層のバインダー樹脂としては、汎用の熱可塑性樹脂、硬化性樹脂を用いることができる。これらの樹脂の中でも、レトルト耐性の観点から硬化性樹脂が好ましく、2液硬化型樹脂がより好ましい。2液硬化型樹脂としては、ポリオールとイソシアネートとの2液硬化型樹脂が好ましい。
ポリオールとしては、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、エポキシポリオール等が挙げられ、これらのうち、アクリルポリオールが好ましい。
アクリルポリオールとしては、塩化ビニル変性アクリルポリオール、塩化ビニル−酢酸ビニル変性アクリルポリオール、塩素化ポリオレフィン変性アクリルポリオール、メチル(メタ)アクリレート−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、オクチル(メタ)アクリレート−エチルヘキシル(メタ)アクリレート−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等が挙げられ、これらのうち、塩化ビニル変性アクリルポリオールが好ましい。
また、イソシアネートとしては、汎用のイソシアネート系化合物を使用することができる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(略称:TDI)、ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(略称:HMDI)、イソホロンジイソシアネート(略称:IPDI)、メチレンジイソシアネート(略称:MDI)、キシリレンジイソシアネート(略称:XDI)、水素添加トリレンジイソシアネート;水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式イソシアネート等のポリイソシアネートが挙げられる。また、これらのイソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリメチルプロパンのTDI付加体、TDIの3量体等も挙げられる。
<<マット剤>>
マット剤としては、有機粒子及び無機粒子の何れであってもよい。
有機粒子を構成する有機物としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル−スチレン共重合体、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、シリコーン、フッ素系樹脂及びポリエステル系樹脂等が挙げられる。
無機粒子を構成する無機物としては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、アルミノシリケート及び硫酸バリウム等が挙げられ、これらの中でも透明性に優れるシリカが好ましい。
マット剤の形状は、球形、多面体、鱗片状、不定形等が挙げられる。これらの中でも、滑り抑制の観点からは不定形が好ましい。また、粒子径の小さい不定形のマット剤は高周波の凹凸を付与しやすいため、後述するマット剤Aとして有用である。
上記式(1)及び(2)を満たしやすくするためには、2種類のマット剤を含むことが好ましい。より具体的には、主に高周波の凹凸を制御することを目的とするマット剤(マット剤A)、及び、主に低周波の凹凸を制御することを目的とするマット剤(マット剤B)の2種類のマット剤を含むことが好ましい。マット剤A及びマット剤Bは、質量比3:7〜7:3程度で混合することが好ましく、4:6〜6:4がより好ましい。
このようなマット剤Aとマット剤Bとの組み合わせとしては、例えば、下記(i)及び(ii)が挙げられ、(ii)が好ましい。
(i)平均粒子径1.0〜3.0μmの凝集しにくいマット剤(マット剤A−i)と、平均粒子径1.0〜3.0μmの凝集しやすいマット剤(マット剤B−i)との組み合わせ。
(ii)平均粒子径2.0〜4.0μmの凝集しにくいマット剤(マット剤A−ii)と、平均粒子径5.0〜7.0μmの凝集しにくいマット剤(マット剤B−ii)との組み合わせ。
上記(i)のマット剤A−iとしては、例えば、平均粒子径1.0〜3.0μmの有機粒子又は平均粒子径1.0〜3.0μmの疎水処理した無機粒子が挙げられる。また、上記(i)のマット剤B−iとしては、例えば、平均粒子径1.0〜3.0μmの未処理無機粒子が挙げられる。
なお、平均粒子径が1.0μm未満と小さい場合、粒子が凝集しやすくなる。このため、マット剤A−iの平均粒子径を1.0μm以上とすることは重要である。また、平均粒子径3.0μmを超える粒子が凝集した場合、低周波の凹凸が過度となる。このため、マット剤B−iの平均粒子径を3.0μm以下とすることは重要である。
上記(ii)のマット剤A−iiとしては、例えば、平均粒子径2.0〜4.0μmの有機粒子又は平均粒子径2.0〜4.0μmの疎水処理した無機粒子が挙げられ、その中でも平均粒子径2.0〜4.0μmの疎水処理した無機粒子が好ましく、該無機粒子の中でもシリカが好ましく、さらには不定形シリカが好ましい。また、上記(ii)のマット剤B−iiとしては、例えば、平均粒子径5.0〜7.0μmの有機粒子又は平均粒子径5.0〜7.0μmの疎水処理した無機粒子が挙げられ、その中でも平均粒子径5.0〜7.0μmの疎水処理した無機粒子が好ましく、該無機粒子の中でもシリカが好ましく、さらには不定形シリカが好ましい。
本明細書において、マット剤の粒子の平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値d50として測定したものである。
また、マット剤は、吸油量が250[g/100g]以上のものが好ましい。マット剤の吸油量を250[g/100g]以上とすることにより、マット層の表面に水の薄膜が形成されにくくなり、水で濡れた手でパウチを開封する際に手を滑りにくくしやすくできる。
マット剤の吸油量は270[g/100g]以上であることが好ましく、280[g/100g]以上であることがより好ましい。
本明細書において、吸油量とは、JISK5101−13−2の「顔料試験法−第13部:吸油量−第2節:煮あまに油法」により測定したものである。
マット剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、2〜40質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましく、8〜25質量部であることがさらに好ましい。なお、マット剤を2種類以上含む場合、前記含有量は、マット剤の合計含有量を意味する。
マット剤の含有量を2質量部以上とすることにより、マット感に基づいて意匠性を良好にしやすくできる。また、マット剤の含有量を40質量部以下とすることにより、マット層中におけるマット剤の結着性を良好にしやすくできるとともに、マット層の内層側の印刷層の視認性が低下することを抑制できる。
マット層の厚みは0.5〜10.0μmであることが好ましく、0.6〜5.0μmであることがより好ましく、0.7〜2.0μmであることがさらに好ましい。
マット層の厚みを0.5μm以上とすることにより、マット層からマット剤が欠落することを抑制しやすくできる。また、マット層の厚みを10.0μm以下とすることにより、意匠性が低下すること(例えば、マット層よりも内層側に印刷層を有する場合に、印刷層の視認性が低下すること)を抑制できる。
マット剤の平均粒子径dと、マット層の厚みhとの比(d/h)は、マット感の付与と、マット剤の欠落の抑制とのバランスの観点から、0.5〜10.0であることが好ましく、1.0〜8.0であることがより好ましく、1.5〜7.0であることがさらに好ましい。
<<形成箇所>>
マット層は、プラスチックフィルムの外層側の少なくとも一部に形成されていればよい。例えば、図1の場合、マット層8はプラスチックフィルム2の外層側の一部に形成されているが、プラスチックフィルム2の外層側の全部にマット層が形成されていてもよい。
<<形成手法>>
マット層は、例えば、バインダー樹脂及びマット剤を含むマットインキ(マット層用インキ)を用いた印刷により形成することができる。印刷方式は、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。これらのうち、グラビア印刷が好ましい。
マットインキにおける溶剤としては、後述する印刷層におけるインキの溶剤と同様のものを用いることができる。
また、マットインキには、さらに、必要に応じて、本発明の効果を妨げない範囲において、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤等の任意の添加剤を添加することができる。
<シーラント層>
シーラント層は、レトルトパウチ用包装材の最内層に形成され、内層側の面が被包装物と直接接触し、被包装物を保護するものである。被包装物が液状物である場合には、シーラント層は液状物に対する耐浸透性を有していることが好ましい。また、シーラント層は、ヒートシールにより密封性を確保できるものが好ましい。シーラント層は、1層で構成されても、2層以上の多層で構成されてもよい。
シーラント層の総厚みは、特に限定されるものではなく、被包装物の種類や性質等に応じて適宜設定されるが、通常、10〜200μm程度であることが好ましく、より好ましくは20〜150μm、さらに好ましくは30〜100μmである。
シーラント層を構成する材料としては、例えば、低密度PE(LDPE)、直鎖状低密度PE(LLDPE)、中密度PE(MDPE)、高密度PE(HDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上の樹脂を用いることができる。シーラント層は、単層で構成されても、2層以上の多層で構成されてもよい。なお、シーラント層は、ヒートシールの際の収縮を抑制するために、前述した樹脂からなる無延伸のフィルムであることが好ましい。
また、シーラント層は耐熱性に優れる樹脂から構成することが好ましく、具体的には、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体等のプロピレン系樹脂及びHDPEが好ましい。
また、上記プロピレン系樹脂は、目的に応じて使い分けることが好ましい。具体的には、透明性を重視する場合にはエチレン−プロピレンランダム共重合体が好ましく、耐熱性重視の場合はプロピレン単独重合体が好ましい。また、自動蒸通機構を備えたレトルトパウチに用いる包装材の場合、高温時にシール強度が低下することによって蒸気抜けさせやすくできるという観点から、エチレン−プロピレンブロック共重合体が好ましい。
<印刷層>
レトルトパウチ用包装材は、意匠性を高めること等を目的として、印刷層を有していてもよい。
印刷層は、プラスチックフィルムの外層側に形成してもよいが、意匠性を良好にしつつ、印刷層を保護する観点から、プラスチックフィルムの内層側に形成することが好ましい。プラスチックフィルムの外層側に印刷層を形成する場合、マット層を有する箇所では、マット層とプラスチックフィルムの間に印刷層を位置させることが好ましい。プラスチックフィルムの内層側に印刷層を形成する場合、プラスチックフィルムとシーラント層との間に印刷層を位置させることが好ましい。
印刷層としては、絵柄印刷層及び地色印刷層が挙げられる。絵柄印刷層及び地色印刷層を併用する場合、地色印刷層は絵柄印刷層よりも内層側に形成することが好ましい。
<<絵柄印刷層>>
絵柄印刷層は、例えば、文字(商品名、製品表示、品質表示等)、図形、写真、記号、模様、パターン等を含む広い概念である。
絵柄印刷層は、例えば、「中間基材層及びシーラント層等に表刷りで形成した後、プラスチックフィルムの内層側に接着剤で貼り合わせること」、「プラスチックフィルムに裏刷りで形成すること」、「プラスチックフィルムに表刷りで形成すること」により形成できる。これらの中でも、外層側から絵柄をよりシャープに視認できるようにする観点から、プラスチックフィルムに裏刷りで形成されることが好ましい。絵柄印刷層は、1層で構成されても、2層以上の多層で構成されてもよい。
絵柄印刷層の総厚みは、特に限定されるものではないが、通常、1〜10μm程度であることが好ましく、より好ましくは1.5〜5μmである。また、絵柄印刷層は、図1に示すようにプラスチックフィルム2に対して全面印刷であってもよいし、プラスチックフィルムに対して部分印刷であってもよい。なお、図1においては、光輝性印刷層3a及び非光輝性印刷層3bが絵柄印刷層に相当する。
絵柄印刷層は、通常、バインダー樹脂や溶剤からなるビヒクルを主成分とし、これに、染料や顔料等の着色剤が添加混合されたインキを用いた印刷により形成される。印刷方式としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。これらのうち、グラビア印刷が好ましい。
絵柄の光沢感による装飾効果を高める観点から、絵柄印刷層は、光輝性印刷層3a及び非光輝性印刷層3bの少なくとも何れかを含むことが好ましい。
光輝性印刷層3a及び非光輝性印刷層3bの両方が形成される場合、図1に示すように包装材の厚み方向の同じ位置に並列して形成されてもよく、あるいはまた、一部が厚み方向に重なるように形成されていてもよい。
非光輝性印刷層3bの着色剤としては、汎用の染料や顔料(例えば、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料)を使用することができる。
光輝性印刷層3aは、光輝性顔料を含むインキを用いて印刷された層である。光輝性顔料としては、パール顔料及び金属鱗片が挙げられる。これらのうち、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。包装材に電子レンジ加熱に対する耐性を付与する観点からは、パール顔料が好ましい。一方、絵柄により高い金属光沢性を付与する観点からは、金属鱗片が好ましい。
パール顔料としては、例えば、白色パール顔料、干渉パール顔料、着色パール顔料等が挙げられる。
白色パール顔料は、雲母、アルミニウム、ガラス等の鱗片状の母体を、二酸化チタン等の無色高屈折率材料かなる被覆層で覆ったものであり、かつ被覆層の厚みが0.1〜0.15μm程度と比較的小さいものであり、光のほぼすべての波長を反射するため、白色もしくは銀色に見える。
干渉パール顔料は、被覆層が二酸化チタン等の無色高屈折率材料であり、かつ被覆層の厚みが白色パール顔料よりも大きく、0.15μm超のものである。この厚みによって、反射光及び透過光が変化し、種々の干渉色を生じる。虹彩色パールと呼ばれる場合もある。
着色パール顔料は、有彩色であり、被覆層を酸化第二鉄等の有色高屈折率材料としたもの、白色パール顔料の周囲をさらに酸化第二鉄等の有色高屈折率材料もしくはその他の有色顔料で被覆したもの、又は、被覆層中に顔料やその他の着色剤を添加したもの等がある。
パール顔料は、平均長さが5〜70μmであることが好ましく、より好ましくは10〜40μmである。
なお、パール顔料の平均長さ及び金属鱗片の平均長さは、包装材の平面方向から光学顕微鏡又は電子顕微鏡で観察した任意の20個の粒子(パール顔料又は金属鱗片)の長さの平均値として求められる。なお、1個のパール顔料及び金属鱗片の長さは、1個のパール顔料及び金属鱗片の平面方向の最大長さを意味する。
また、パール顔料の平均厚みは、0.01〜1μmであることが好ましく、0.02〜0.7μmであることがより好ましく、0.05〜0.5μmであることがさらに好ましい。
パール顔料及び金属鱗片の平均厚みは、包装材の断面を光学顕微鏡又は電子顕微鏡で観察した任意の20個の粒子(パール顔料又は金属鱗片)の厚みの平均値として求められる。なお、1個のパール顔料及び金属鱗片の厚みは、1個のパール顔料及び金属鱗片の断面像を長さ方向に均等な長さで5つの領域に分割し、各領域の中央部の厚み(t、t、t、t、t)を測定し、t〜tを平均したものを意味する。
光輝性印刷層中のパール顔料の含有量は、光沢性を得るのに十分な量とする観点から、光輝性印刷層の全固形分の40〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは50〜85質量%、さらに好ましくは60〜80質量%である。
金属鱗片の材質としては、アルミニウム、金、銀、真鍮、チタン、クロム、ニッケル、ニッケルクロム、ステンレス等の金属や合金が挙げられる。
金属鱗片は、例えば、前記金属又は合金をプラスチックフィルム上に真空蒸着してなる金属薄膜をプラスチックフィルムから剥離し、剥離した金属薄膜を粉砕、撹拌した得られたものや、前記金属又は合金の粉末と溶剤とを混合し、媒体撹拌ミル、ボールミル、アトライター等で、該粉末を展延及び/又は粉砕して得られたもの、さらに、これらの表面が樹脂コートされたもの等を用いることができる。
金属鱗片は、光輝性印刷層中での均一な分散性の観点から、平均長さが1〜50μmであることが好ましく、より好ましくは2〜30μm、さらに好ましくは5〜20μmである。また、取り扱い性及び高い金属光沢性を得る観点から、平均厚みが0.01〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.02〜3μm、さらに好ましくは0.05〜1μmである。また、金属鱗片のアスペクト比(平均長さ/平均厚み)は15〜500であることが好ましい。
光輝性印刷層中の金属鱗片の含有量は、金属光沢感と塗膜強度とのバランスの観点から、光輝性印刷層の全固形分の3質量%以上50質量%以下であることが好ましく、3質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましい。なお、金属鱗片の含有量を50質量%以下とすることは、レトルトパウチを電子レンジ用に用いる場合の電子レンジ耐性の観点からも好ましい。
絵柄印刷層のインキに用いられるバインダー樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂や塩素化ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、フッ化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキッド系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、熱硬化型ポリ(メタ)アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、マレイン酸樹脂、ニトロセルロースやエチルセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルオキシエチルセルロース等の繊維素系樹脂、塩化ゴムや環化ゴム等のゴム系樹脂、石油系樹脂、ロジン、カゼイン等の天然樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
インキの溶剤は、汎用の溶剤の中から適宜選択して用いればよい。
また、インキには、必要に応じて、例えば、充填剤、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤等の任意の添加剤を添加することができる。
<<地色印刷層>>
地色印刷層は、絵柄印刷層の絵柄を引き立てたり、外層側から被包装物への光の透過を遮断したりする等の観点から、必要に応じて、絵柄印刷層の内層側に形成される。地色印刷層は、上述した絵柄印刷層と同様の方法を用いて形成することができ、絵柄印刷層の裏面に裏刷りして形成されることが好ましい。地色印刷層を形成するための印刷用インキのバインダー樹脂、溶剤及び添加剤は、上記の絵柄印刷層についてのものと同様のものを用いることができる。
地色印刷層は、絵柄印刷層の裏面全面に形成されてもよく、絵柄印刷層の裏面の一部に形成されてもよい。地色印刷層の総厚みは、1.5〜5μm程度であることが好ましく、より好ましくは1.5〜3μmである。
地色印刷層は、黒色地色層及び白色地色層の少なくとも何れかを含むことが好ましい。また、絵柄印刷層の絵柄を引き立てる役割や、印刷効率等の観点から、地色印刷層は、単色ベタ印刷であることが好ましい。なお、絵柄印刷層の絵柄を有していない部分の外層側から見える地色印刷層が、文字、図形、記号、模様、パターン等として視認されるものとすることもできる。
<クリア層>
マット層上の外層側の一部には、クリア層を有していてもよい。かかる構成とすることにより、クリア層を有する箇所と、クリア層を有さない箇所とで光沢の差が生じ、意匠性を高くできる点で好ましい。
クリア層の厚みは、0.5〜15μm程度であることが好ましく、より好ましくは1〜10μm、さらに好ましくは2〜7μmである。
クリア層は、光沢性を付与する絵柄の領域のマット層の外層側表面に、例えば、グロスニス(OPニス)でコーティングすることにより形成することができる。このような部分的なコーティングは、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷により行うことができる。これらのうち、グラビア印刷、フレキソ印刷が好ましい。
グロスニスとしては、水性ニス及び油性ニスのいずれを用いることもできる。
水性ニスとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル−スチレン共重合体等の樹脂成分を、水と少量の揮発性有機溶剤に溶解又は分散させたものを用いることができる。揮発性溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類やアセトン、メチルエチルケトン、エチルアセテート等が挙げられる。
油性ニスとしては、例えば、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂等の樹脂成分を、揮発性有機溶剤に溶解又は分散させたものを用いることができる。揮発性溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。
水性ニス及び油性ニスには、さらに、必要に応じて、潤滑剤や界面活性剤等の添加剤を添加することができる。水性ニス及び油性ニス中の樹脂成分は、40〜85質量%であることが好ましい。
<ガスバリア層>
ガスバリア層は、被包装物と包装材の外部環境との間で、酸素や水蒸気等の透過を遮断するものである。また、ガスバリア層は、可視光線及び紫外線等の所定の波長の光を遮断する性能を有するものであってもよい。ガスバリア層は、1層で構成されていても、2層以上の多層で構成されていてもよい。
ガスバリア層は、プラスチックフィルムとシーラント層との間に配置することが好ましい。また、包装材がプラスチックフィルムよりも内層側に印刷層を有する場合には、印刷層とシーラント層との間にガスバリア層を配置することが好ましい。
ガスバリア層は、プラスチックフィルム又は後述する中間基材に形成することが好ましい。
ガスバリア層は、公知の方法により、蒸着膜や塗布膜として形成することができる。なお、ガスバリア層を形成する表面は、該ガスバリア層の密着性向上の観点から、予め表面処理を施しておいてもよい。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスや窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、酸化剤処理、アンカーコート剤の塗布等が挙げられる。
ガスバリア層の一例である蒸着膜としては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の無機物又はこれらの酸化物により形成することができる。これらの中でも、包装材が電子レンジ用である場合には、被包装物の食品等を電子レンジのマイクロ波で十分に加熱できるようにする観点から、ケイ素酸化物やアルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物等の無機酸化物が好ましい。
蒸着膜の形成方法としては、例えば、真空蒸着やスパッタリング、イオンプレーティング等の物理蒸着(PVD)法、プラズマ化学気相成長や熱化学気相成長、光化学気相成長等の化学蒸着(CVD)法等が挙げられる。
蒸着膜の膜厚は、成膜材料や要求されるガスバリア性能等によって異なるが、通常、5〜200nm程度であることが好ましく、より好ましくは5〜150nm、さらに好ましくは10〜100nmである。ケイ素酸化物やアルミニウム酸化物等の無機酸化物の場合は、5〜100nm程度であることが好ましく、より好ましくは5〜50nm、さらに好ましくは10〜30nmである。
ガスバリア層の一例であるガスバリア性塗布膜としては、例えば、一般式R1 M(OR2m(式中、R1、R2は炭素数1〜8の有機基、Mは金属原子である。nは0以上の整数、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価である。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン−ビニルアルコール共重合体とを、ゾル−ゲル法触媒、酸、水及び有機溶剤の存在下で、ゾル−ゲル法により重縮合して得られたインキを塗布し、50〜300℃で、0.05〜60分間加熱処理することにより形成することができる。
塗布方法としては、例えば、グラビアロールコーター等のロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコート、アプリケータ等の塗布手段により行うことができる。1回又は複数回の塗布で、塗布膜の乾燥膜厚が0.01〜30μm程度となることが好ましく、より好ましくは0.05〜20μm、さらに好ましくは0.1〜10μmである。
ガスバリア性塗布膜は、ガスバリア性の向上の観点から、蒸着膜の表面に形成されることが好ましい。
ガスバリア層を有するレトルトパウチ用包装材としては、例えば、下記(1’)〜(6’)の積層構成を例示することができる。なお、下記(1’)〜(6’)では、左側の層が外層側であり、「/」は各層の境界を意味する。
(1’)マット層/プラスチックフィルム/無機酸化物の蒸着膜/印刷層/シーラント層
(2’)マット層/プラスチックフィルム/無機酸化物の蒸着膜/ガスバリア性塗布膜/印刷層/シーラント層
(3’)マット層/プラスチックフィルム/印刷層/蒸着膜/中間基材層/シーラント層
(4’)マット層/プラスチックフィルム/印刷層/ガスバリア性塗布膜/蒸着膜/中間基材層/シーラント層
(5’)マット層/プラスチックフィルム/無機酸化物の蒸着膜/印刷層/接着剤層/中間基材層/接着剤層/シーラント層
(6’)マット層/プラスチックフィルム/無機酸化物の蒸着膜/ガスバリア性塗布膜/印刷層/接着剤層/中間基材層/接着剤層/シーラント層
なお、(3’)及び(4’)の蒸着膜は、無機酸化物の蒸着膜であることが好ましい。
<中間基材層>
中間基材層は、包装材の強度の向上や加工適性の向上、包装材の風合いの変化を目的としたり、他の層を形成するための基材として用いたりするために、必要に応じて設けられる層である。中間基材層の構成材料としては、例えば、プラスチックフィルムが挙げられる。
中間基材層5は、プラスチックフィルム2とシーラント層4との間に形成することが好ましい(図1)。また、包装材1がプラスチックフィルム2よりも内層側に印刷層3を有する場合には、印刷層3とシーラント層4との間に中間基材層5を配置することが好ましい(図1)。
中間基材層としてのプラスチックフィルムは、上述したプラスチックフィルムと同様のものを用いることができる。
電子レンジでの加熱やレトルト処理を考慮して、中間基材層は耐熱性に優れるものが好ましい。耐熱性に優れる中間基材層の具体例としては、耐熱性に優れるプラスチックフィルムとして例示した各種プラスチックフィルムが挙げられる。
<接着剤層>
レトルトパウチ用包装材の各構成層は、各層間の接合強度の向上の観点から、接着剤層を介して積層されていてもよい。
接着剤層の各厚みは、0.01〜20μm程度であることが好ましく、より好ましくは0.05〜15μm、さらに好ましくは0.1〜10μmである。
接着剤層は、例えば、汎用のドライラミネート用接着剤を用いた方法により形成することができる。
ドライラミネート用接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂やメラミン樹脂等によるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤(例えば、ポリオールとイソシアネートとの硬化物)、反応型(メタ)アクリル酸系接着剤、クロロプレンゴムやニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等によるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケートや低融点ガラス等による無機系接着剤等が挙げられる。
<熱軟化性樹脂層>
レトルトパウチ用包装材1は、図3に示すように、プラスチックフィルム2とシーラント層4との間の一部の領域に、熱軟化性樹脂層7を有していてもよい。
熱軟化性樹脂層7を、図3に示すように包装材1の縁部近傍の一部に形成し、かつ、熱軟化性樹脂層を、室温以下の温度環境では所定の強度を有するが、高温の温度環境で所定の強度が低下する樹脂から構成することにより、電子レンジで加熱し、レトルトパウチ内の圧力が上昇した際に、シーラント層の一部が破壊するとともに、熱軟化性樹脂層の一部が界面剥離又は凝集破壊し、蒸気を逃がすことができる。詳しくは、自動蒸通機構の第二の実施形態Aにおいて説明する。
熱軟化性樹脂、すなわち室温以下の温度環境では所定の強度を有するが、高温の温度環境で所定の強度が低下する樹脂としては、融点が60〜110℃、好ましくは融点が60〜90℃の樹脂が挙げられ、具体的には、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリアミド、硝化綿及びポリエチレンワックス等が挙げられ、ポリアミド、硝化綿及びポリエチレンワックスの混合樹脂が好ましい。ポリアミドと硝化綿とポリエチレンワックスを含有する樹脂としては、DICグラフィックス株式会社製のMWOPニス(軟化点:105℃)などを用いることができる。
熱軟化性樹脂層の厚みは1〜5μmであることが好ましい。熱軟化性樹脂層の厚みを1μm以上とすることにより、電子レンジで加熱した際に、熱軟化性樹脂層及びシーラント層を破壊しやすくできる。また、熱軟化性樹脂層の厚みを5μm以下とすることにより、フィルム状の包装材をロール状に巻いたときに、一部に盛り上がりが生じ、その部分の包装材料が伸びることを抑制できる。
<発熱印刷層>
レトルトパウチ用包装材は、プラスチックフィルムとシーラント層との間の一部の領域に、発熱印刷層を有していてもよい。当該構成とすることにより、発熱印刷層を有さない領域(非発熱領域)よりも、発熱印刷層を有する領域(発熱領域)が速く温度が上昇するため、ヒートシール部の内、発熱領域に対応する箇所の密封状態が解消し、自動蒸通させることができる(自動蒸通機構の第二の実施形態B)。
発熱印刷層は導電剤を含む印刷層である。
導電剤としては、導電性高分子及び導電性粒子から選ばれる1種以上が挙げられる。
導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリチオフェン及びポリアセチレンが挙げられる。導電性粒子としては、カーボンブラック及び金属粒子が挙げられる。
導電剤として導電性粒子を用いる場合、発熱印刷層はバインダー樹脂を含むことが好ましい。また、導電剤として導電性高分子を用いる場合も、導電性の調整のために、他の樹脂を含有してもよい。
発熱印刷層の導電性高分子以外の樹脂は、光輝性印刷層のバインダー樹脂として例示したものと同様のものを用いることができる。
発熱印刷層の厚みは0.1μm以上が好ましく、0.5〜10μmがより好ましい。また、発熱領域の面積は1mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましい。発熱領域の面積の上限は特に限定されず、包装材の形態に合わせて適宜調整すればよい。
また、発熱印刷層は、テスターの端子間を5mm離して測定した抵抗値が0.1kΩ〜50kΩであることが好ましい。
<好適な積層構成>
本発明のレトルトパウチ用包装材は、上述した(1)〜(4)の何れかの積層構成とすることが好ましい。
また、この際、プラスチックフィルムとしては、ポリエステルフィルムの単体、ナイロン等のポリアミドフィルムの単体、ポリエステルフィルム及びポリアミドフィルムの一種以上を含む複合フィルムを用いることが好ましい。
また、この際、中間基材としては、ポリエステルフィルムの単体、ナイロン等のポリアミドフィルムの単体、ポリエステルフィルム及びポリアミドフィルムの一種以上を含む複合フィルム、並びに、紙を用いることが好ましい。
また、この際、シーラント層としては、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体等のプロピレン系樹脂やHDPEが好ましい。
より具体的には、本発明のレトルトパウチ用包装材は、下記(A1)〜(A14)の何れかの積層構成とすることが好ましい。なお、「/」は各層の境界を意味する。また、(A1)〜(A14)において、PETは延伸フィルムであることが好ましい。また、ONyは延伸ナイロンを意味する。
(A1)マット層/PET/印刷層/ONy/エチレン−プロピレンブロック共重合体
(A2)マット層/PET/ガスバリア層/印刷層/ONy/エチレン−プロピレンブロック共重合体
(A3)マット層/PET/印刷層/ガスバリア層/ONy/エチレン−プロピレンブロック共重合体
(A4)マット層/PET/印刷層/PET/エチレン−プロピレンブロック共重合体
(A5)マット層/PET/ガスバリア層/印刷層/PET/エチレン−プロピレンブロック共重合体
(A6)マット層/PET/印刷層/ガスバリア層/PET/エチレン−プロピレンブロック共重合体
(A7)マット層/共押出し延伸フィルム(PET/Ny/PET)/印刷層/PET/エチレン−プロピレンブロック共重合体
(A8)マット層/共押出し延伸フィルム(PET/Ny/PET)/ガスバリア層/印刷層/PET/エチレン−プロピレンブロック共重合体
(A9)マット層/共押出し延伸フィルム(PET/Ny/PET)/印刷層/ガスバリア層/PET/エチレン−プロピレンブロック共重合体
(A10)マット層/共押出し延伸フィルム(PET/Ny)/ガスバリア層/印刷層/接着剤層/PET/接着剤層/エチレン−プロピレンブロック共重合体
(A11)マット層/共押出し延伸フィルム(PET/Ny)/印刷層/接着剤層/ガスバリア層/PET/接着剤層/エチレン−プロピレンブロック共重合体
(A12)マット層/PBT/印刷層/ONy/エチレン−プロピレンブロック共重合体
(A13)マット層/PBT/ガスバリア層/印刷層/ONy/エチレン−プロピレンブロック共重合体
(A14)マット層/PBT/印刷層/ガスバリア層/ONy/エチレン−プロピレンブロック共重合体
上記A2、A5、A8、A10及びA13のガスバリア層は、無機酸化物の蒸着膜の単層、又は、無機酸化物の蒸着膜上にガスバリア性塗布膜を形成した複合層(該複合層では、無機酸化物の蒸着膜がPET又は共押出し延伸フィルム側に配置)であることが好ましい。また、上記A3、A6、A9、A11及びA14のガスバリア層は、蒸着膜の単層、又は、蒸着膜上にガスバリア性塗布膜を形成した複合層(該複合層では、蒸着膜がONy又はPET側に配置)であることが好ましい。
電子レンジ用のレトルトパウチの場合、上記A1〜A14のシーラント層であるエチレン−プロピレンブロック共重合体を、LDPE、LLDPE、MDPE、HDPE等のポリエチレン系樹脂とすることもできる。
なお、電子レンジ用のレトルトパウチにおいて後述する第二の実施形態A又はBの自動蒸通機構の構成を採用する場合、プラスチックフィルムとシーラント層との間の一部に、上述した熱軟化性樹脂層又は発熱印刷層を形成すればよい。
[レトルトパウチ]
本発明のレトルトパウチは、少なくとも一部に上述した本発明のレトルトパウチ用包装材を含むものである。
レトルトパウチは、いわゆる袋状の容器であり、三方シールや四方シールの平袋、スタンディングパウチ、ガゼット袋及びピロー袋等が挙げられる。
図2は、電子レンジ用のスタンディングパウチ形式のレトルトパウチの一実施形態を示す図である。
図2のレトルトパウチ10は電子レンジ用であり、胴部11と底部12とをヒートシールして形成されたスタンディング形式のパウチである。図2に示すように、胴部11は、互いに対向して配置された表主面シート13aと裏主面シート13bとからなる一対の主面シート13を含み、重ね合わせられた一対の主面シート13の側縁14近傍が互いにヒートシールされている。一対の主面シート13の下縁15間に、底部12を形成する底面シート16が配置されている。
そして、一対の主面シート13及び底面シート16によって囲まれる領域内に、内容物を収容する収容空間17が形成される。底面シート16は、収容空間17側に向かって凸状に曲げられ、その周縁近傍を、重なり合う主面シート13の下部とともにヒートシールされている。底面シート16が一対の主面シート13の下端の形状を保持することにより、レトルトパウチ10に自立性が付与され、スタンディング形式のパウチとすることができる。
図2のレトルトパウチ10は、表主面シート13aと裏主面シート13bの上縁18の間に開口19が形成されており、開口19から内容物を収容することができる。内容物を収容後、開口19が形成されている上縁18近傍をヒートシールすることにより容器を密封することができる。レトルトパウチ10から内容物を取り出す際は、ノッチ23から上縁18近傍を引き裂いて開封する。
例えば、図2のレトルトパウチ10の表主面シート13a、裏主面シート13b及び底面シート16の全部または一部を、本発明のレトルトパウチ用包装材1により形成することができる。
なお、本発明のレトルトパウチ用包装材1が用いられるシート以外のシートとしては、例えば、マット層を含まないシート、マット層を含むが本発明の条件を満たさないマット層のみが形成されているシート等を用いることができる。
<自動蒸通機構>
レトルトパウチが電子レンジ用の場合、内容物である食品等の加熱調理により発生する蒸気によってパウチ内の圧力が上昇した際に、収容空間内の蒸気を自動的に外部に逃がし、パウチの破裂を防止する自動蒸通機構を有することが好ましい。自動蒸通機構は、パウチの周縁近傍に形成することが好ましい。
自動蒸通機構の第一の実施形態を図2により説明する。図2に示す電子レンジ用のレトルトパウチは、パウチの上側寄りの側縁14近傍に、ヒートシールされていない第1未シール領域21を有している。第1未シール領域21は、側縁14に達して開口22を有している。また、第1未シール領域21は、収容空間17側に張り出している。また、収容空間17側に張り出した第1未シール領域21を囲むように、ヒートシール部25が収容空間17側に張り出し、張出部25aを形成している。より具体的には、第1未シール領域21と収容空間17とは隔離され、且つ、パウチを封止するためのヒートシール部25に連設されるように張出部25aが形成されている。
図2に示す電子レンジ用のレトルトパウチは、上記のような開口22、第1未シール領域21及び収容空間17側に張り出したヒートシール部(張出部25a)によって、自動蒸通機構20が形成されている。具体的には、加熱によりパウチ内の圧力が上昇した際に、ヒートシール部25のうちの張出部25aの箇所が強い負荷を受け、張出領域25の箇所が先に剥離するため、収容空間17と第1未シール領域21とが連通し、外部に蒸気を逃がすことができる。
図2のタイプの自動蒸通機構のさらなる詳細は、特開2015−120550号公報、特開2016−74457号公報、特開2016−74458号公報に記載されている。
なお、図2に示すレトルトパウチ10においては、第1未シール領域21とは反対側の側縁14に第2未シール領域23が形成されている。第2未シール領域23は、複数のレトルトパウチ10を連続して形成した後に1つずつに切断する際に、第1未シール領域21の開口22形成の歩留まりを向上させる観点から形成されているものであり、必ずしも形成されていなくてもよい。
自動蒸通機構の第二の実施形態Aを図3〜5により説明する。
図4に示すレトルトパウチ10は、図3に示す包装材(プラスチックフィルムとシーラント層との間であって、縁部近傍の一部に熱軟化性樹脂層を有する包装材)の縁部周辺をヒートシールしてパウチ化したものである。また、図5は、図4のレトルトパウチ10の縁部周辺のヒートシール部25のXI−XIでの断面図である。
図4に示すように、熱軟化性樹脂層7は、レトルトパウチ10のヒートシール部25の少なくとも一部の領域において、パウチを封止するためのヒートシール部25の内縁から外縁に亘って形成されていることが必要になる。こうした位置に設けられた熱軟化性樹脂層7は、電子レンジで加熱されて高温になることによってその強度が低下する。
図5に示すように、熱軟化性樹脂層7は、電子レンジで加熱等されてレトルトパウチ10内の空気の膨張や内容物に含まれる水蒸気によって内圧が上昇したとき、ヒートシール部25内縁近傍のシーラント層4の任意の個所「A」を起点として、シーラント層4の一部が破壊するとともに、熱軟化性樹脂層7の一部が界面剥離又は凝集破壊する(符号Bの破線は、シーラント層4が破壊する仮想線、及び、熱軟化性樹脂層7が界面剥離又は凝集破壊する仮想線を示す。)。その結果、当該破壊箇所から空気や水蒸気が抜け、レトルトパウチ10の内圧を低下させることができる。
自動蒸通機構の第二の実施形態Aを備えたレトルトパウチを構成する包装材としては、シーラント層を構成する樹脂として崩壊しやすい樹脂を選択することが好ましい。具体的には、LDPE、LLDPE(ブテン−1とエチレンとの共重合体)等のポリエチレンフィルムが好ましい。また、自動蒸通機構の第二の実施形態Aを備えたレトルトパウチを構成する包装材は、下記(B1)〜(B4)の何れかの積層構成とすることが好ましい。なお、「/」は各層の境界を意味する。また、(B1)〜(B4)において、PETは延伸フィルムであることが好ましい。また、ONyは延伸ナイロンを意味する。
(B1)マット層/PET/印刷層/熱軟化性樹脂層/シーラント層(ポリエチレン系フィルム)
(B2)マット層/PET/ガスバリア層/印刷層/熱軟化性樹脂層/シーラント層(ポリエチレン系フィルム)
(B3)マット層/ONy/印刷層/熱軟化性樹脂層/シーラント層(ポリエチレン系フィルム)
(B4)マット層/ONy/ガスバリア層/印刷層/熱軟化性樹脂層/シーラント層(ポリエチレン系フィルム)
上記B2及びB4のガスバリア層は、無機酸化物の蒸着膜の単層、又は、無機酸化物の蒸着膜上にガスバリア性塗布膜を形成した複合層(該複合層では、無機酸化物の蒸着膜がPET又はONy側に配置)であることが好ましい。
また、自動蒸通機構の第二の実施形態Bとして、プラスチックフィルムとシーラント層との間の一部の領域に、発熱印刷層を有する包装材を用いる手段が挙げられる。
自動蒸通機構の第二の実施形態Bでは、発熱印刷層を有さない領域(非発熱領域)よりも、発熱印刷層を有する領域(発熱領域)が速く温度が上昇するため、ヒートシール部の内、発熱領域に対応する箇所の密封状態が解消し、自動蒸通させることができる。
自動蒸通機構の第二の実施形態Bを備えたレトルトパウチを構成する包装材としては、シーラント層を構成する樹脂はプロピレンを主成分とするものが好ましい。具体的には、プロピレンとポリエチレンとの混合樹脂からなるフィルムが好ましい。また、自動蒸通機構の第二の実施形態Bを備えたレトルトパウチを構成する包装材は、下記(B1’)〜(B4’)の何れかの積層構成とすることが好ましい。なお、「/」は各層の境界を意味する。また、(B1’)〜(B4’)において、PETは延伸フィルムであることが好ましい。また、ONyは延伸ナイロンを意味する。
(B1’)マット層/PET/印刷層/発熱印刷層/シーラント層(プロピレンとポリエチレンとの混合樹脂からなるフィルム)
(B2’)マット層/PET/ガスバリア層/印刷層/発熱印刷層/シーラント層(プロピレンとポリエチレンとの混合樹脂からなるフィルム)
(B3’)マット層/ONy/光輝性印刷層/印刷層/シーラント層(プロピレンとポリエチレンとの混合樹脂からなるフィルム)
(B4’)マット層/ONy/ガスバリア層/印刷層/発熱印刷層/シーラント層(プロピレンとポリエチレンとの混合樹脂からなるフィルム)
上記B2’及びB4’のガスバリア層は、無機酸化物の蒸着膜の単層、又は、無機酸化物の蒸着膜上にガスバリア性塗布膜を形成した複合層(該複合層では、無機酸化物の蒸着膜がPET又はONy側に配置)であることが好ましい。
[レトルトパウチ用包装材の選定方法]
本発明のレトルトパウチ用包装材の選定方法は、少なくとも、プラスチックフィルム及びシーラント層が、この順に外層側から積層されてなり、前記プラスチックフィルムの外層側の少なくとも一部に、バインダー樹脂及びマット剤を含むマット層を有してなる包装材の選定方法であって、
JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値0.08mmで測定した前記マット層表面の算術平均粗さを「Ra0.08」、JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値2.5mmで測定した前記マット層表面の十点平均粗さを「Rzjis2.5」と定義した際に、Ra0.08及びRzjis2.5が下記(1)及び(2)を満たすか否かを判定し、満たすものを選定するものである。
0.10μm≦Ra0.08≦1.00μm (1)
2.0μm≦Rzjis2.5≦13.0μm (2)
本発明のレトルトパウチ用包装材の選定方法は、上記(1)及び(2)を判定基準とすることにより、レトルト処理を実際に行わなくても、マット層がレトルト処理に耐え得るか否かを判断することができ、製造効率を高めることができる。
本発明のレトルトパウチ用包装材の選定方法において、上記(1)及び(2)のRa0.08及びRzjis2.5の範囲は、上述した本発明のレトルトパウチ用包装材のRa0.08及びRzjis2.5の好適な範囲とすることが好ましい。
また、本発明のレトルトパウチ用包装材の選定方法の一実施形態は、該選定方法の判定基準として、上述した本発明のレトルトパウチ用包装材の好適な実施形態を判定基準として含むことが好ましい。例えば、上述した本発明のレトルトパウチ用包装材の式(3)のRa2.5の範囲、又は、式(4)のRzjis2.5/Rzjis0.08の範囲を判定基準として含むことが好ましい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は、これにより限定されるものではない。
1.レトルトパウチ用包装材の作製
[実施例1]
プラスチックフィルムの内層側(裏面)の全面に、下記処方の絵柄印刷層用インキ(非光輝性印刷層用インキ)をグラビア印刷で裏刷りし、厚み1.0μmの絵柄印刷層を形成した。
次いで、プラスチックフィルムの外層側(表面)の一部の領域に、下記処方のマット層用インキ1をグラビア印刷し、厚み1.0μmのマット層を形成した。
そして、絵柄印刷層の内層側(裏面)に、中間基材層(遮光性を有するガスバリア層)として厚み12μmのアルミ蒸着PETをドライラミネート用接着剤で貼り合わせ、さらに、シーラント層として厚み100μmのポリエチレンフィルムをドライラミネート用接着剤で貼り合わせ、実施例1のレトルトパウチ用包装材を得た。
実施例1のレトルトパウチ用包装材の積層構成の概略は、外層側から順に、マット層(1.0μm)/プラスチックフィルム(15μm)/絵柄印刷層(1.0μm)/接着剤層(3.0μm)/中間基材層(12μm)/接着剤層(3.0μm)/シーラント層(100μm)である。カッコ内の数値(単位:μm)は各層の厚みを表している(以下、同様。)。
各層の構成材料の詳細及びインキの処方等を以下に示す。
<プラスチックフィルム>
二軸延伸ナイロンフィルム:出光ユニテック株式会社製「ユニロンG−100」
<絵柄印刷層用インキ>
・有機系赤色顔料:3質量部
・沈降防止剤(微粒子シリカ):2質量部
・バインダー樹脂(ポリウレタン系樹脂):20質量部
・溶剤1(ミネラルスピリット):7質量部
・溶剤2(プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸エチル、イソプロパノールの混合溶剤):70質量部
<マット層用インキ1>
・不定形シリカ粒子(平均粒径3.0μm、吸油量290[g/100g]、疎水処理品):7.5質量部
・不定形シリカ粒子(平均粒径6.0μm、吸油量290[g/100g]、疎水処理品):7.5質量部
・バインダー樹脂(ポリオールとイソシアネートとの2液硬化型ポリウレタン樹脂):100質量部
・溶剤(酢酸ノルマルプロピル、酢酸エチル):適量
<中間基材層>
アルミ蒸着PET:尾池工業株式会社製「EXC」
<シーラント層>
ポリエチレンフィルム:大日本印刷株式会社製「DP−402」
<ドライラミネート用接着剤>
ポリウレタン系接着剤
[実施例2]
マット層用インキ1を下記のマット層用インキ2に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2のレトルトパウチ用包装材を得た。
<マット層用インキ2>
・不定形シリカ粒子(平均粒径2.0μm、吸油量240[g/100g]、非疎水処理品):7.5質量部
・アクリル樹脂粒子(平均粒径2.0μm):7.5質量部
・バインダー樹脂(ポリオールとイソシアネートとの2液硬化型ポリウレタン樹脂):100質量部
・溶剤(酢酸ノルマルプロピル、酢酸エチル):適量
[比較例1]
マット層用インキ1を下記のマット層用インキ3に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1のレトルトパウチ用包装材を得た。
<マット層用インキ3>
・不定形シリカ粒子(平均粒径2.5μm、吸油量240[g/100g]、非疎水処理品):15質量部
・バインダー樹脂(ポリオールとイソシアネートとの2液硬化型ポリウレタン樹脂):100質量部
・溶剤(酢酸ノルマルプロピル、酢酸エチル):適量
2.測定及び評価
2−1.表面形状
表面形状測定器(東京精密社製、商品名:サーフコム130A)を用い、実施例及び比較例のレトルトパウチ用包装材のマット層の表面形状を測定した。なお、測定項目及び測定条件は下記の通りとした。
[測定項目]
(1)カットオフ値0.08mmにおけるJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Ra0.08)
(2)カットオフ値2.5mmにおけるJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Ra2.5)
(3)カットオフ値0.08mmにおけるJIS B0601:2001の十点平均粗さ(Rzjis0.08)
(4)カットオフ値2.5mmにおけるJIS B0601:2001の十点平均粗さ(Rzjis2.5)
[検出器]
先端半径:2μm、材質:ダイヤモンド、測定力:0.75mN
[表面粗さ測定器の測定条件]
・測定速度:0.15mm/s
・測定レンジ:400μm
・フィルター:標準型フィルター2RC
・縦倍率:20k
・横倍率:200
2−2.レトルト耐性
実施例及び比較例のレトルトパウチ用包装材を用いて図2の構造のスタンディングパウチを作製し、密封した。株式会社日阪製作所のバッチ式の熱水スプレー式殺菌試験器を用い、作製したパウチを135℃で30分間、レトルト処理(ハイレトルト処理)した。該試験機のスペックを以下に示す。レトルト処理後にマット層の欠落の有無を目視で確認し、欠落が確認できないものを「A」、欠落が確認されたものを「C」とした。
<熱水スプレー式殺菌試験器のスペック>
・処理量:20kg
・最高使用圧力:0.5MPa
・最高使用温度:140℃
・接液部材質:SUS316
・殺菌槽寸法:内径=600mm、直胴部=735mm
・有効液量:20L
・加熱方式:熱水スプレー加熱
・冷却方法:スプレー冷却
・圧力制御:定圧、含気方式
・処理機構:静置式
・昇温能力:20〜130℃ 11分
・槽内温度分布:±0.5℃以内
・装置寸法:W1,330×L2,130×H1,800mm
・装置重量:1,600kg
・ユーティリティ:スチーム=150kg/h、冷却水=360L/1回(2m3/h)、設備電力=5.4kW
2−3.意匠性
(1)コントラスト
実施例及び比較例のレトルトパウチ用包装材を蛍光灯の照明下において目視で観察し、マット層を有する箇所とマット層を有さない箇所との艶のコントラストを評価した。評価者は成人の男女10名ずつの合計20名として、コントラストが良好なものを3点、どちらとも言えないものを2点、コントラストが不十分なものを1点として、20人の評価の平均点を算出し、下記の点でランク分けした。
<ランク>
A:平均点が2.5超
B:平均点が2.0超2.5以下
C:平均点が1.5以上2.0以下
D:平均点が1.5未満
(2)自然の風合い(非人工物感)
実施例及び比較例のレトルトパウチ用包装材を蛍光灯の照明下において目視で観察し、マット感に関して、自然な風合いに感じられるか否かを評価した。評価者は成人の男女10名ずつの合計20名として、人工物的な感じが弱く自然な風合いに感じられるものを3点、どちらとも言えないものを2点、人工物的な感じが強く自然な風合いに感じられないものを1点として、20人の評価の平均点を算出し、下記の点でランク分けした。
<ランク>
A:平均点が2.5超
B:平均点が2.0超2.5以下
C:平均点が1.5以上2.0以下
D:平均点が1.5未満
(3)絵柄の視認性
実施例及び比較例のレトルトパウチ用包装材を蛍光灯の照明下において目視で観察し、マット層を通して絵柄印刷層の絵柄が明りょうに視認できるか否かを評価した。評価者は成人の男女10名ずつの合計20名として、絵柄が明りょうに視認できるものを3点、どちらとも言えないものを2点、絵柄が明りょうに視認できないものを1点として、20人の評価の平均点を算出し、下記の点でランク分けした。
<ランク>
A:平均点が2.5超
B:平均点が2.0超2.5以下
C:平均点が1.5以上2.0以下
D:平均点が1.5未満
表1に示した結果から、実施例1及び2のレトルトパウチ用包装材は、マット層に高周波の凹凸と低周波の凹凸とがバランスよく存在するため、レトルト耐性、コントラスト及び自然の風合いを良好にし得ることが確認できる。
一方、比較例1のレトルトパウチ用包装材は、マット層に波長が長くかつ標高差の大きい凹凸が存在するため、レトルト処理時に該凹凸の凸部に圧力が集中し、レトルト処理時にマット層の一部が欠落してしまうものであった。また、比較例1のレトルトパウチ用包装材は、低周波の凹凸の割合が多いため、マット層の自然物感が十分なものではなかった。
1 包装材
2 プラスチックフィルム
3a 光輝性印刷層
3b 絵柄印刷層
3c 地色印刷層
4 シーラント層
5 中間基材層
6 接着剤層
7 熱軟化性樹脂層
8 マット層
10 レトルトパウチ
11 胴部
12 底部
13 主面シート
14 側縁
15 下縁
16 底面シート
17 収容空間
18 上縁
19 開口
20 自動蒸通機構
21 第1未シール領域
22 開口
23 第2未シール領域
24 ノッチ
25 ヒートシール部
25a 張出部

Claims (6)

  1. 少なくとも、プラスチックフィルム及びシーラント層が、この順に外層側から積層されている構成を備えてなる包装材であって、
    前記プラスチックフィルムの外層側の少なくとも一部に、バインダー樹脂及びマット剤を含むマット層を有してなり、
    JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値0.08mmで測定した前記マット層表面の算術平均粗さを「Ra0.08」、JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値2.5mmで測定した前記マット層表面の十点平均粗さを「Rzjis2.5」と定義した際に、Ra0.08及びRzjis2.5が下記(1)及び(2)を満たす、レトルトパウチ用包装材。
    0.10μm≦Ra0.08≦1.00μm (1)
    2.0μm≦Rzjis2.5≦13.0μm (2)
  2. JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値2.5mmで測定した前記マット層表面の算術平均粗さを「Ra2.5」と定義した際に、Ra2.5が下記(3)を満たす、請求項1に記載のレトルトパウチ用包装材。
    0.50μm≦Ra2.5≦1.70μm (3)
  3. JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値0.08mmで測定した前記マット層表面の十点平均粗さを「Rzjis0.08」と定義した際に、Rzjis0.08が下記(4)を満たす、請求項1又は2に記載のレトルトパウチ用包装材。
    1.20≦Rzjis2.5/Rzjis0.08≦2.50 (4)
  4. 前記プラスチックフィルムと前記シーラント層との間に印刷層を有する、請求項1〜3の何れか1項に記載のレトルトパウチ用包装材。
  5. 少なくとも一部に請求項1〜4の何れか1項に記載の包装材を含む、レトルトパウチ。
  6. 少なくとも、プラスチックフィルム及びシーラント層が、この順に外層側から積層されてなり、前記プラスチックフィルムの外層側の少なくとも一部に、バインダー樹脂及びマット剤を含むマット層を有してなる包装材の選定方法であって、
    JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値0.08mmで測定した前記マット層表面の算術平均粗さを「Ra0.08」、JIS B0601:2001に準拠してカットオフ値2.5mmで測定した前記マット層表面の十点平均粗さを「Rzjis2.5」と定義した際に、Ra0.08及びRzjis2.5が下記(1)及び(2)を満たすか否かを判定し、満たすものを選定する、レトルトパウチ用包装材の選定方法。
    0.10μm≦Ra0.08≦1.00μm (1)
    2.0μm≦Rzjis2.5≦13.0μm (2)
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