JP2020537137A - 非標的質量分析プラットフォームを使用して検出した生化学物質の合理化された分析検証方法 - Google Patents

非標的質量分析プラットフォームを使用して検出した生化学物質の合理化された分析検証方法 Download PDF

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Abstract

複数分析体アッセイを使用して測定される生化学物質の分析性能を評価する方法が記載される。方法は、試料における第1生化学物質のレベルの測定値を分析的に検証する工程であって、第1生化学物質は、3種以上の分析検証条件について従前に分析的に検証されている、行程;試料における第2生化学物質のレベルを測定する工程であって、第2生化学物質は、第1生化学物質と構造上又は生化学的に関連する、行程;及び第2生化学物質の性能が、比較結果に基づき許容可能であると決定するために、第1生化学物質の検証パラメーターを、第2生化学物質の検証パラメーターと比較する工程を含む。

Description

代謝プロファイリング(網羅的生化学的プロファイリング)は、アミノ酸、炭水化物、有機酸、脂質、及びヌクレオチド代謝におけるもののような生化学的異常と関連する混乱を調べる巨大なスケールの半定量的方法である。試験は、クロマトグラフィーと質量分析(例えば、GC−MS及びLC−MS/MS)テクノロジーの組み合わせを使用して、同時に何千もの化合物を分析する。代謝プロファイリングは、例えば、未分化表現型を有する個体についてのスクリーニングツールとして、又は代謝プロセスと関連する遺伝子において疑わしい変異を有する個体における支持的証拠として使用することができる。
例えば、先天性代謝異常(IEM)の領域における生化学的スクリーニング研究は、代謝プロファイリングアプローチの臨床的意義及び有用性を示した(Miller, MJら、J Inherit Metab Dis.、2015年11月;38(6):1029〜39頁)。血漿、血清、尿及び脳脊髄液のような試料タイプにおけるヒトメタボロームのスクリーニングは、臨床診断キットにより提供される制限された生化学的分析と比較して、情報価値のある及び新規代謝特性を明らかにした。生化学的表現型を生じる代謝プロファイリングアプローチを使用する能力は、標的化された定量的生化学的アッセイとの組み合わせにおいて使用することができる、異常なレベルの代謝産物の産生を検出するさらなる分析ツールをもたらす。重要なことに、網羅的生化学的プロファイリングは、臨床診断キットにおいて現在モニターされていない生化学物質のレベルを同定、及び測定し、このことは、多種多様な臨床上関連する生化学物質をモニターするためのツールとしての網羅的代謝プロファイリングの有用性を裏付けている。
試験又はアッセイを臨床設定において使用することができるようになるにはまず、ある種の規制要件が満たされなければならない。臨床上の検証及び臨床上の有用性に加えて、分析検証が示されなければならない。臨床適用における使用のため生化学物質を検証する伝特的なアプローチは、例えば、1日精密度(日内精密度)、多日精密度(日間精密度)、検出限界(LOD)、直線性、安定性、キャリーオーバー、マトリックス効果/生化学物質回収、干渉、及び相関分析による現在使用される標準臨床アッセイとの比較を含む、多数の状態を評価することにより、それぞれの生化学物質の完全な分析検証を必要とする。
網羅的代謝プロファイリングは、健常及び疾患の診断を評価する有用な方法であることが実験的に示されている。しかしながら、生化学物質分析体の分析検証のための全ての検証条件についての代謝プロファイルにおける生化学物質の全てを分析的に検証するプロセスは、極めて多くの時間とリソースを要し、これは、分析検証の法的規制を満たすために広範な分析パラメーターが評価され満足されなければならないことに起因して、臨床設定における代謝プロファイリング方法の使用を制限する。第1の化合物に類似する化学的特徴を有する化合物についての内部標準のレベルに基づく、1種の化合物のレベルの測定を可能にする定量方法が、示唆されている(CLSI、臨床研究室における質量分析:一般的な原理及びガイダンス;承認されたガイドライン、CLSI文書C50−A、Wayne、PA:Clinical and Laboratory Standards Institute;2007年)。しかしながら、このアプローチは、化合物を正確に定量するための較正基準及び内部標準を必要とする。従って、網羅的代謝プロファイルの分析検証へのその適用は、代謝テクノロジーを使用して測定される多数の化合物を同時に分析し得る内部標準の数により制限される。
規定された検証条件を完全に満たすための生化学物質アッセイの分析検証は、制限された数の分析体からなる単一の分析体又は複数の分析体のパネルの定量的アッセイにおいて日常的に行われる。典型的には、複数の分析体のパネルは、50種未満の分析体からなる。しかしながら、この完全な分析検証アプローチは、何十〜何百又は何千もの分析体を含む半定量的な複数の分析体のパネルに適さない。ヒトの健康状態を評価する半定量的な網羅的メタボロミクスアッセイを有用にするために、それぞれの分析体における完全な分析検証を行うことなく、これらのアッセイにおいて測定される多数の分析体を分析的に検証する合理化された方法が、必要とされる。
記載される方法において、アッセイにおける生化学物質の分析性能が、分析検証条件の合理化されたセットを使用して、評価され、検証される。いくつかの実施形態において、生化学物質は、完全に分析的に検証されている別の代謝産物と構造上関連する。いくつかの実施形態において、生化学物質は、完全に分析的に検証されている別の代謝産物と生化学的に関連する。
本発明の態様において、複数分析体アッセイを使用して測定される生化学物質の分析性能を評価する方法は、試料における第1生化学物質のレベルの測定を分析的に検証する工程であって、第1生化学物質は、日内精密度、日間精密度、直線性、検出限界(又は定量限界)、マトリックス効果、外因性の干渉、回収、安定性、キャリーオーバー、及び標準臨床アッセイを使用して得られる測定値との比較(すなわち、それとの相関)を含むリストから選択される複数の分析検証条件について分析的に検証されている(すなわち、採用基準である「参照値」について確立された値と合致するか、又は上回る)、行程;試料における第2生化学物質のレベルを測定する工程であって、第2生化学物質は、第1生化学物質と構造上又は生化学的に関連する、行程;1種又は複数の分析検証条件を選択する工程;第2生化学物質の測定されたレベルに基づき、第2生化学物質についての選択された1種又は複数の分析検証条件についての性能値を決定するか、又は計算する工程;第1生化学物質についての分析検証条件の決定された、又は計算された性能値を、第2生化学物質についての分析検証条件の決定された、又は計算された性能値と比較する工程;第2生化学物質の計算された性能値が、分析検証条件についての採用基準に合致するなら、第2生化学物質の性能を許容可能であると決定する工程、及び第2生化学物質の計算された性能値(単数又は複数)が、分析検証条件についての採用基準に合致し、ないなら、第2生化学物質の分析性能を許容不可能であると決定する工程を含む。
第1の態様の1つの実施形態において、第2生化学物質の計算された性能値(単数又は複数)が、第1生化学物質についての値の50%内であるなら、第2生化学物質の分析性能は許容可能であると決定され、第2生化学物質の計算された性能値(単数又は複数)が第1生化学物質についての値の50%内でないなら、第2生化学物質の分析性能は許容不可能であると決定される。別の実施形態において、第2生化学物質の計算された性能値(単数又は複数)が第1生化学物質についての値(単数又は複数)の70%内であるなら、第2生化学物質の分析性能は許容可能であると決定され、第2生化学物質の計算された性能値(単数又は複数)が第1生化学物質の値(単数又は複数)の70%内でないなら、第2生化学物質の分析性能は許容不可能であると決定される。
いくつかの実施形態において、第1生化学物質は2種以上の分析検証条件について分析的に検証される。他の実施形態において、第1生化学物質は、3種以上、4種以上、5種以上、6種以上、7種以上、8種以上、9種以上、若しくは10種以上、又は全ての分析検証条件について分析的に検証される。
なお別の実施形態において、2種の分析検証条件が第2生化学物質のため選択される。この実施形態の特性において、2種の条件は、日内(1日)精密度及び日間(多日)精密度であってもよい。本実施形態の別の態様において、性能採用基準について計算された性能値は、%占有(fill)及び%CVを含む。
本発明の第2の態様において、複数分析体アッセイを使用して測定された生化学物質の性能を評価する方法が提供される。方法は、試料における生化学物質のレベルを測定する工程であって、生化学物質は、完全に分析的に検証されている(すなわち、分析検証条件の全てについて採用基準に合致する)1種又は複数の生化学物質と構造上又は生化学的に関連する、行程;1日精密度(日内精密度)、多日精密度(日間精密度)、検出又は定量限界(LOD、LOQ)、直線性、安定性、キャリーオーバー、マトリックス効果、生化学物質回収、干渉、及び標準臨床アッセイとの相関からなる群から選択される1種又は複数の分析検証条件を選択する工程;試料における生化学物質の測定されたレベルに基づき、生化学物質についての選択された1種又は複数の分析検証条件についての性能値(単数又は複数)を計算する工程;生化学物質についての1種又は複数の分析検証条件について計算された性能値(単数又は複数)を、1種又は複数の分析検証条件についての採用基準と比較する工程;及びそれが、対応する分析検証条件についての採用基準に合致するなら、生化学物質の分析性能は、許容可能であると、又はそれが、対応する分析検証条件についての採用基準に合致し、ないなら、生化学物質の分析性能は、許容不可能であると決定する工程を含む。
本発明の第3の態様において、アッセイを使用して測定された生化学物質の性能を評価する方法は、試料における生化学物質のレベルを測定する工程であって、生化学物質は、表1又は表2において挙げられる1種又は複数の生化学物質と構造上又は生化学的に関連する、行程;1日精密度(日内精密度)、多日精密度(日間精密度)、検出又は定量限界(LOD、LOQ)、直線性、安定性、キャリーオーバー、マトリックス効果、生化学物質回収、干渉、及び標準臨床アッセイとの比較(それとの相関)を含む群から1種又は複数の分析検証条件を選択する工程、試料における生化学物質の測定されたレベルに基づき、生化学物質についての選択された1種又は複数の分析検証条件についての性能値を決定するか、又は計算する工程、生化学物質についての1種又は複数の分析検証条件の計算された性能値を、1種又は複数の分析検証条件についての採用基準についての参照値と比較する工程、分析性能値が、対応する分析検証条件についての採用基準についての参照値と合致するか、又は超えるなら、生化学物質の分析性能は、許容可能であると、又はそれが、対応する分析検証条件についての採用基準参照値と合致しないなら、生化学物質の分析性能は、許容不可能であると決定する工程を含む。
本態様の1つの実施形態において、少なくとも50種の生化学物質の分析性能が単一の複数分析体アッセイにおいて評価される。別の実施形態において、少なくとも100種の生化学物質の分析性能が単一の複数分析体アッセイにおいて評価される。なお別の実施形態において、少なくとも150種の生化学物質の分析性能が単一の複数分析体アッセイにおいて評価される。さらなる実施形態において、少なくとも200種の生化学物質の分析性能が単一の複数分析体アッセイにおいて評価される。さらなる実施形態において、少なくとも500種の生化学物質の分析性能が単一の複数分析体アッセイにおいて評価される。なおさらなる実施形態において、少なくとも1000種の生化学物質の分析性能が単一の複数分析体アッセイにおいて評価される。
本態様の1つの実施形態において、複数分析体アッセイは、少なくとも50種の生化学物質で構成される。別の実施形態において、複数分析体アッセイは少なくとも100種の生化学物質で構成される。なお別の実施形態において、複数分析体アッセイは少なくとも150種の生化学物質で構成される。さらなる実施形態において、複数分析体アッセイは少なくとも200種の生化学物質で構成される。さらなる実施形態において、複数分析体アッセイは、少なくとも500種の生化学物質で構成される。なおさらなる実施形態において、複数分析体アッセイは少なくとも1000種の生化学物質で構成される。
別の実施形態において、分析検証条件についての性能採用基準は、相関分析(R)、%占有、%系統誤差(SE)、%偏り、%相違、及び%変動係数(CV)を含む群から選択される。この実施形態の特性において、分析検証条件が%占有であるとき、少なくとも80%の性能値が、採用基準に合致する。
態様の特性において、1種又は複数のうち1種の選択された分析検証条件は日内精密度である。態様の別の特性において、1種又は複数のうち1種の選択された分析検証条件は、日間精密度である。これらの特性において、30%以下のCVである性能値が採用基準に合致する。さらに、これらの特性において、25%以下のCVである性能値が採用基準に合致する。
第2及び第3の態様の1つの実施形態において、2種の分析検証条件が選択される。この実施形態の特性において、2種の分析検証条件は日内(1日)精密度及び日間(多日)精密度である。この実施形態の別の特性において、分析検証条件は日内精密度であり、生化学物質についての30%以下のCVである計算された値は許容可能な性能であると決定される。さらなる特性において、分析検証条件は日内精密度であり、生化学物質についての25%以下のCVである計算された値は許容可能な性能であると決定される。なお別の特性において、分析検証条件は日間精密度であり、生化学物質についての30%以下のCVである計算された値は許容可能な性能であると決定される。なおさらなる特性において、分析検証条件は日間精密度であり、生化学物質についての25%以下のCVである計算された値は許容可能な性能であると決定される。
態様の特性において、アッセイは質量分析を含む。さらなる特性において、アッセイは液体クロマトグラフィー及び質量分析を含む。なお別の特性において、試料は、血漿、血清、尿、又はCSF試料を含む。
定義
ここで使用される「生化学物」、「化合物」、「小分子」、「代謝産物」、「分析体」は、細胞内に存在する有機分子及び無機分子を意味する。この用語は、大きな高分子、例えば大きなタンパク質(例えば、分子量が2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、又は10,000を超えるタンパク質)、大きな核酸(例えば、分子量が2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000又は10,000を超える核酸)、又は大多糖類(例えば、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、又は10,000を超える分子量を有する多糖類)は含まない。細胞の小分子は、一般に、細胞質又はミトコンドリアなどの他の細胞小器官の溶液中に遊離して見出され、中間体のプールを形成し、さらに代謝され得るか、高分子と呼ばれる大きな分子を生成するために使用できる。「小分子」という用語は、食物由来のエネルギーを使用可能な形態に変換する化学反応におけるシグナル伝達分子及び中間体を含む。小分子の非限定的な例には、糖、脂肪酸、アミノ酸、ヌクレオチド、細胞プロセス中に形成される中間体、及び細胞内に見出される他の小分子が含まれる。
「経路」は、互いに結び付けられる一連の工程又は反応を定義するために一般的に使用される用語である。例えば、生化学的経路による、1つの反応の産物が、続く反応の基質である。生化学反応は必ずしも一次的であるわけではない。むしろ、用語、生化学的経路は、生合成及び触媒反応を含む、代謝に関与する互いに関連する生化学反応のネットワークを含むと解される。モディファイヤーを含まない「経路」は、「スーパーパスウェイ」及び/又は「サブパスウェイ」を指し得る。「スーパーパスウェイ」は広範なカテゴリーの代謝を指す。「サブパスウェイ」はより広い経路の任意のサブセットを指す。例えば、グルタミン酸代謝はアミノ酸代謝生化学スーパーパスウェイのサブパスウェイである。同じ生化学経路における代謝産物は「生化学的に関連する」として言及される。
「網羅的代謝プロファイリング」又は「網羅的生化学プロファイリング」は、試料における生化学物質のレベルをアッセイする方法を指す。方法は、試料における何百もの生化学物質のレベルを測定し、これにより、生化学物質のスクリーニングをもたらす。方法はまた、「アッセイ」として一般に言及されてもよい。
「試験試料」は、分析されるべき試料を意味する。
「参照試料」は、小分子のレベルについての標準範囲を決定するために使用される試料を意味する。「参照試料」は、個々の試料を指してもよい。試料は年齢及び性別が試験対象と酷似するよう選択され得る、個々の参照対象(例えば、正常(健常)参照対象又は疾患参照対象)由来であってもよい。「参照試料」はまた、個々の参照対象についての参照試料由来のプールされたアリコートを含む試料を指してもよい。
「正確さ」は、実際の生化学物質の同定及び測定されている量の相対レベルと一致する測定の能力を指す。
「精密度」は一貫して再現される測定の能力を指す。
「分析検証」は以下の評価プロセスを指す。すなわち、分析手法又はアッセイが、それが、例えば、1日精密度(日内精密度)、多日精密度(日間精密度)、検出又は定量限界(LOD、LOQ)、直線性、安定性、キャリーオーバー、マトリックス効果、生化学物質回収、干渉、及び標準臨床アッセイとの相関のような、性能特徴についての採用基準に合致するか又は上回ることにより分析手法又はアッセイがその意図される目的に適していることを示すことが前記分析手法又はアッセイによってなされる、評価プロセスを指す。性能特徴はまた、性能条件として本明細書において言及される。採用基準は、標的値及び標的値周囲の採用限度と関連する。採用基準についての参照値は、採用標的値周囲の採用限度により決定される範囲である。例えば、標的値は、標準偏差(SD)0.5及び採用限度+/−1.5を有する、12であってもよい。この例において、参照値は、10.5〜13.5の範囲にあり、その範囲内の値は、採用基準に合致する。
「変異係数」又は「CV」は、複数の試料における生化学物質の平均に対する、複数の試料において測定される生化学物質の標準偏差の比を指す。比は、典型的には、パーセンテージ(%CV)として提示される。
「偏り」は、試験結果の予想と許容される参照値の間の差を指す(干渉試験の場合では、「許容される値」は、干渉の不存在下での同じ測定手法の結果であることに注意)。
本明細書において使用される「検出限界」又は「LOD」又は「定量限界」又は「LOQ」は、正確な値として必ずしも定量されないが、所定の確率で検出され得る試料における分析体の最小量を指す。これはまた、「最小の検出可能な濃度」と呼ばれ、時に、試験の実行感度を示すために使用される。用語は、本明細書において互換的に使用され得る。
「回収」は分析システムにより検出され得る試料に存在する物質の量を指す。通常、これはパーセント回収として言及される。100%の回収が存在するシステムは、完全に正確である。
詳細な説明
複数の生化学物質の合理化された分析検証を行う方法が本明細書において記載される。複数分析体アッセイ(例えば、網羅的メタボロミクスアッセイ)を使用して、生化学物質の性能を評価する工程を、当該方法は含む。この網羅的メタボロミクスアプローチにおいて、多様な生化学経路を表す、生化学物質の選択されたサブセットは、例えば、米国食品医薬品局又は欧州医薬品庁(EMA)のような、規制当局により必要とされる分析検証条件について分析的に検証される(すなわち、完全に分析的に検証される)。分析検証条件の合理化されたセットを使用して、完全な分析検証プロトコールにおいて直接試験されない他の生化学的又は構造上関連する生化学物質の性能が、評価され、分析的に検証され得る。一般に、合理化された性能条件を使用して評価される生化学物質は、完全に分析的に検証された1種又は複数の生化学物質と構造上又は生化学的に関連する。
本明細書において記載される網羅的メタボロミクスプロファイリングアッセイ方法は、分子量が約50ダルトン(Da)〜約1,500Daの小分子を同定する。小分子の同一性は、それらを生化学物質ライブラリーと比較することにより決定される。ライブラリー(4,000種を超える生化学物質を現在含有する)は、LC−MS/MS方法を使用して分析されるそれぞれの化合物についての精製された確実な化学標準を使用して構築された。ライブラリーはそれぞれの分子の化合物特異的特性を含み、それは将来の試料における化合物を同定するために使用される。ライブラリーは、それぞれの分子について、例えば、付加物に関する情報、受託断片化、重合作用、クロマトグラフィー保持時間、及び質量スペクトル断片化パターンを含むが、これらに限定されない、分子量/質量及び分析特徴(特性)を含有する。
生化学物質は、例えば、アミノ酸;ペプチド;炭水化物;エネルギー;脂質;複合脂質;ヌクレオチド;補助因子及びビタミン;並びに生体異物を含むスーパーパスウェイにグループ分けされてもよい。生化学物質はまた、例えば、グリシン、セリン及びスレオニン代謝;アラニン及びアスパラギン酸代謝;グルタミン酸代謝;ヒスチジン代謝;リシン代謝;フェニルアラニン及びチロシン代謝;トリプトファン代謝;ロイシン、イソロイシン及びバリン代謝;メチオニン、システイン、SAM及びタウリン代謝;尿素サイクル;アルギニン及びプロリン代謝;クレアチン代謝;ポリアミン代謝;グアニジノ及びアセタミド代謝;グルタチオン代謝;フェリニン代謝;ガンマ−グルタミルアミノ酸;ジペプチド誘導体;ジペプチド;ポリペプチド;フィブリノゲン切断ペプチド;解糖、糖新生、及びピルビン酸代謝;解糖、糖新生、及びピルビン酸代謝;ペントースリン酸経路;ペントース代謝;グリコーゲン代謝;二糖及びオリゴ糖;フルクトース、マンノース及びガラクトース代謝;ヌクレオチド糖;アミノ糖代謝;終末糖化産物;TCA回路;酸化的リン酸化;短鎖脂肪酸;中鎖脂肪酸;長鎖脂肪酸;ポリ不飽和脂肪酸(n3及びn6);定量的遊離脂肪酸;脂肪酸、分岐;脂肪酸、ジカルボキシラート;脂肪酸、メチルエステル;脂肪酸、エステル;脂肪酸、アミド;脂肪酸、ケト;脂肪アルコール、長鎖;脂肪酸合成;脂肪酸代謝;脂肪酸代謝(又は、BCAA代謝);脂肪酸代謝(アシルグリシン);脂肪酸代謝(アシルカルニチン);カルニチン代謝;ケトン体;神経伝達物質;脂肪酸、モノヒドロキシ;脂肪酸、ジヒドロキシ;脂肪酸、酸化;エイコサノイド;エンドカンナビノイド;イノシトール代謝;リン脂質代謝;リゾ脂質;グリセロ脂質代謝;モノアシルグリセロール;ジアシルグリセロール;スフィンゴ脂質代謝;メバロン酸代謝;ステロール;ステロイド;一次胆汁酸代謝;二次胆汁酸代謝;ジアシルグリセロール;トリアシルグリセロール;リゾホスファチジルコリン;ホスファチジルコリン;ホスファチジルエタノールアミン;ホスファチジルセリン;スフィンゴミエリン;スフィンゴ脂質代謝;カルジオリピン;コレステロールエステル;リン脂質;プリン代謝、(ヒポ)キサンチン/イノシン含有;プリン代謝、アデニン含有;プリン代謝、グアニン含有;ピリミジン代謝、オロト酸含有;ピリミジン代謝、ウラシル含有;ピリミジン代謝、シチジン含有;ピリミジン代謝、チミン含有;プリン及びピリミジン代謝;ニコチン酸塩及びニコチンアミド代謝;リボフラビン代謝;パントテン酸及びCoA代謝;アスコルビン酸及びアルダル酸代謝;トコフェロール代謝;ビオチン代謝;葉酸代謝;テトラヒドロビオプテリン代謝;プテリン代謝;ヘモグロビン及びポルフィリン代謝;リポ酸代謝;チアミン代謝;ビタミンK代謝;ビタミンA代謝;ビタミンB12代謝;ビタミンB6代謝;安息香酸代謝;キサンチン代謝;タバコ代謝産物;食物成分/植物;細菌;薬物;フタル酸;並びに化学物質を含む1種又は複数の生化学サブパスウェイにグループ分けされてもよい。
方法の代表的な実施形態において、試料は、例えば、LC−MS/MSアッセイ方法を使用して、質量分析器具システム(本明細書においてプラットフォームとして言及される)において分析される(本明細書において「実行される」として言及される)。試料における生化学物質は、信頼のおける標準の生化学物質ライブラリーへの比較により同定される。同定は、例えば、保持時間、保持指標、精密質量、及び生化学的断片化パターンを含む特性に基づき成される。試験試料における同定された生化学物質のそれぞれについての選択されたイオン断片(quantイオン)のシグナル強度は、例えば、他の試験試料、又は1種若しくは複数の参照試料から得られるものと比較され得る。このアプローチは、試料、又は試料の群についてそれぞれの生化学物質についての相対的定量を達成する。試料は、試験試料又は参照試料であってもよい。相対的な生化学物質の定量を使用して、生化学物質のレベル及び/又は生化学経路における生化学物質のレベルに基づき、個々の試料又は試料の群を比較してもよい。相対的な生化学物質の定量は、試料間の同じ分子を比較するのに有用である。
臨床使用のため(例えば、実験室開発試験、LDTとして)意図されるアッセイにおいて測定される生化学物質を分析的に検証して、法的規制を満たさなければならない。
分析検証についての生化学物質の性能は、1日精密度(日内精密度)、多日精密度(日間精密度)、検出限界(LOD)、直線性、安定性、キャリーオーバー、マトリックス効果、生化学物質回収、干渉、及び/又は標準臨床アッセイとの比較/相関を含むが、これらに限定されない、多数の分析検証条件を使用して評価することができる。1種又は複数の分析検証条件についての性能値が、条件についての採用基準セットに合致するか、又は超える(すなわち、性能値が、参照値範囲内である)なら、生化学物質は、分析的に検証されたと決定される。性能採用基準についての非限定的な代表的な許容可能な性能値は、%占有>80%;%CV<35%;R>0.8を含んでもよい。さらに、条件を複数の器具システム(すなわち、プラットフォーム)において評価して、検証分析の一貫性及び頑強性を示すためのプラットフォーム間の精密度を評価してもよい。
代謝プロファイリングアッセイにおいて、何百もの生化学物質が測定される。これらの生化学物質の全てを完全に分析的に検証することは、リソースが必要とされ多くの時間がかかることに起因して、非実用的である。複数の検証条件を使用した、生化学物質のサブセットを完全に分析的に検証する方法が、本明細書において記載される。分析検証に必要な分析検証条件及び採用基準は、アッセイがどのように使用されているかに依存し得る。当業者は、アッセイの最終使用に基づき必要とされる条件及び採用基準を理解し、認識し得る。法的規制を満たすのに必要な評価される分析検証条件についての分析検証基準に合致する生化学物質は、「完全に分析的に検証される」ことが決定され、「完全に分析的に検証された」として言及され、従って、これを使用して、合理化された分析検証アプローチを使用して構造上又は生化学的に関連する生化学物質を分析的に検証することができる。
1つの実施形態において、生化学物質についての日内精密度及び日間精密度の採用基準は、生化学物質が検出される試料の数に基づいてもよい(「%占有」)。1つの例において、生化学物質が、試料の少なくとも80%において検出されるなら、生化学物質は、日内精密度又は日間精密度についての採用基準に合致するとみなされる。別の例において、生化学物質が、試料の100%において検出されるなら、生化学物質は、日内精密度又は日間精密度についての採用に合致するとみなされる。
別の実施形態において、生化学物質についての日内精密度、日間精密度及びプラットフォーム間の精密度の採用基準は、変異係数(CV)に基づいてもよい。例えば、生化学物質のCVが、40%未満であるなら、生化学物質は、日内精密度、日間精密度又はプラットフォーム間の精密度についての採用基準に合致するとみなされる。他の例において、生化学物質のCVが、35%未満、30%未満、25%未満、又は20%未満であるなら、生化学物質は、日内精密度、日間精密度又はプラットフォーム間の精密度についての採用基準に合致するとみなされる。
I.一般的な方法
サンプルの小分子プロファイルを生成するには、その構成成分の生化学的小分子の分析が必要となる。分析は、複数の小分子の少なくとも一部をサンプルから抽出することを含み得る。この分析は、当技術分野で公知の1つ以上の異なる分析手法を用いることを行ってよい。分析手法は、例えば液体クロマトグラフィー(LC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(Kristal,et al.Anal.Biochem.263:18−25(1998)を参照)、ガスクロマトグラフィー(GC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、電気化学的分離技術(国際公開第99/27361号パンフレット、国際公開第92/13273号パンフレット、米国特許第5,290,420号明細書、米国特許第5,284,567号明細書、米国特許第5,104,639号明細書、米国特許第4,863,873号明細書、及び米国特許第RE32,920号明細書を参照)、屈折率分光法(RI)、紫外分光法(UV)、蛍光分析、放射化学的分析、近赤外分光法(Near−IR)、核磁気共鳴分光法(NMR)、光散乱分析(LS)、質量分析(MS)、タンデム質量分析(MS/MS2)、及び方法の組合せ、例えばガスクロマトグラフィー/質量分析(GC−MS)、液体クロマトグラフィー/質量分析(LC−MS)、超高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析(UHLC/MS/MS2)、又はガスクロマトグラフィー/タンデム質量分析(GC/MS/MS)が挙げられる。
網羅的生化学物質プロファイリング方法は、例えば、液体クロマトグラフィー(LC)、ガスクロマトグラフィー(GC)、質量分析(MS)、又はその組み合わせを含む、1種又は複数のアッセイからなり得る。アッセイは、例えば、LC陽イオン極性UHPLC−RP(逆相)/MS/MSn;LC陽イオン脂質UHPLC−RP/MS/MSn;LC陰イオンUHPLC−RP/MS/MSn;LC陰イオンUHPLC−HILIC(親水性相互作用液体クロマトグラフィー)/MS/MSn、GC−MS、又はその組み合わせを含み得る。
生化学物質を、生化学経路(スーパーパスウェイ及びサブパスウェイ)にグループ分けし得る。同じ経路における生化学物質は、典型的には、類似の化学構造を有し、構造上関連するとみなす。類似の化学構造を有する生化学物質は、通常、アッセイにおいて類似の性能を有する。性能を、次の条件:1日精密度(日内精密度)、多日精密度(日間精密度)、検出限界(LOD)、直線性、安定性、キャリーオーバー、マトリックス効果、生化学物質回収、干渉、及び標準臨床アッセイとの相関のそれぞれを使用して、選択した生化学物質(表1及び2)について評価した。合理化された条件のセットを使用して、さらなる生化学物質の性能を評価し、4,000種を超える生化学物質の性能を、完全な評価のコストの分画における時間の分画において評価することを可能にした。
A.網羅的生化学物質プロファイリング
本明細書において記載する代表的な実施形態において、網羅的生化学物質プロファイリング方法は、4種の別々の液体クロマトグラフィー(LC)質量分析(MS)方法:LC陽イオン極性UHPLC−RP(逆相)/MS/MSn、LC陽イオン脂質UHPLC−RP/MS/MSn、LC陰イオンUHPLC−RP/MS/MSn及びLC陰イオンUHPLC−HILIC(親水性相互作用液体クロマトグラフィー)/MS/MSを含んでいた。
B.UPLC方法
試料を抽出し、内部標準を含有する溶媒で復元した。LC−MSにより分析した全ての復元したアリコートを、Waters Acquity UPLC(Waters Corp.、Milford、MA)を使用して分離した。アリコートを、水中の0.1%ギ酸(A)及びメタノール中の0.1%ギ酸(B)からなる0.1%ギ酸を使用した移動層溶媒で復元した。アリコートを、水中の6.5mM炭酸水素アンモニウム、pH8(A)及びメタノール及び水中の6.5mM炭酸水素アンモニウムからなる6.5mM炭酸水素アンモニウムを使用した移動層溶媒で復元した。ギ酸復元抽出物と炭酸水素アンモニウム復元抽出物の両方について利用した勾配プロファイルを、0.5%B及び流速350μL/分の内部条件で行った。全体の実行時間は、6分未満であった。流速は上記であった。試料注入体積は、5μLであり、2×ニードルループオーバフィルを使用した。液体クロマトグラフィー分離を、40℃において、別々の酸又は塩基専用の2.1mm×100mmのWaters BEH C18 1.7μm粒子サイズカラムにて行った。
C.UPLC−MS方法
OrbitrapElite(OrbiElite Thermo Scientific、Waltham、MA)質量分析計を使用した。OrbiElite質量分析計は、ポジティブモードについてシースガス設定80、補助ガス12、及び電圧設定4.2kVでのHESI−IIソースを利用した。ネガティブモードについての設定は、シースガス75、補助ガス15を有し、電圧を2.75kVに設定した。両方のモードについてのソースヒーター温度は430℃であり、キャピラリー温度は350℃であった。質量範囲は99〜1000m/zであり、スキャン速度1秒当たり4.6回のトータルスキャンを伴い、また1回のフルスキャンと1回のMS/MSスキャンとを交互に行う。解像度は30,000に設定した。フーリエ変換質量分析(FTMS)フルスキャン自動利得制御(AGC)標的を、カットオフ時間500msを用いて5×105に設定した。イオントラップMS/MSのAGC標的は、最長充填時間100msを用いて3×10であった。ポジティブモードについての標準化衝突エネルギーを、32任意単位に設定し、ネガティブモードを30に設定した。活性化Qは0.35であり、活性化時間は、再度3m/zの単離質量ウィンドウを用いて30msであった。3.5秒の持続時間を用いた動的除外設定が可能であった。較正を、Pierce(商標)LTQ Velosエレクトロスプレーイオン化(ESI)陽イオン較正溶液又はPierce(商標)ESI陰イオン較正溶液の注入を使用して毎週行った。
D.データの処理と分析
各器具の各生物学的マトリックスデータセットについて、抽出効率、器具の性能、カラムの完全性、クロマトグラフィー及び質量の較正を確認するために、各内部標準についてピーク面積の相対標準偏差(RSD)を計算した。これらの内部標準のいくつかは、保持指数(RI)マーカーとして機能し、保持時間及びアライメントについて確認した。内部標準は、QC目的のために使用されるがアッセイでの生化学物の定量のためには使用されない。UPLC−MSシステムに付随する修正版のソフトウェアを、ピークの検出及び統合に使用した。この処理からの出力は、m/z比、保持時間及び曲線値の下の面積のリストを生成した。信号対雑音比、高さ及び幅の閾値を含むピーク検出の基準を、ソフトウェアが指定した。
QCサンプルを含む生物学的データセットは、固定のRI値が割り当てられた内部標準を利用する保持指数に基づいてクロマトグラフィーに関して整列した。実験のピークのRIは、その値が変化しない、隣接するRIマーカー間の線形的適合を仮定することによって判定した。RIの利点は、サンプルのpHやカラムの経年などの系統的な誤差によって引き起こされた保持時間ドリフトを補正することである。それぞれの生化学物のRIを、その2つの側方保持マーカーとの溶出関係に基づいて指定した。統合された整列されたピークを、真の物質の化学ライブラリーと整合させ、使用されたデータ収集方法に特有の未知の生化学物をルーティンに検出した。整合は、保持指数値に及びライブラリーの真の標準への実験前駆体質量整合に基づいていた。実験MS/MSは、真の標準についてのライブラリースペクトルと比較し、前向き及び後ろ向きのスコアが割り当てられた。完全な前向きスコアは、実験スペクトル中のすべてのイオンが正しい比率で真の標準におけるライブラリーで見出されることを示し、完全な後ろ向きスコアは、すべての真の標準ライブラリーイオンが実験スペクトル及び正しい比率で存在することを示した。前向き及び後ろ向きスコアを比較し、提案された整合についてMS/MSフラグメンテーションスペクトルスコアを付与した。
化学ライブラリー、命名された化合物及び日常的に検出された未知の化合物の同定のための統合された整列されたピークを整合させる方法、及びサンプル中の小分子を同定するためのコンピュータ可読コードに関するさらなる詳細は、本明細書にその全体が参考として援用される米国特許第7,561,975号において見出すことができる。
(例1)
代表的な代謝産物の完全な分析的検証
代表的なセットの代謝産物の分析性能を、現在許容されるか、又は必要とされる従来の分析検証技術を使用して、評価し、完全に検証した。10(10)種の分析検証条件:1日精密度(日内精密度)、多日精密度(日間精密度)、及び検出/定量限界(LOD/LOQ)、直線性、安定性、キャリーオーバー、マトリックス効果、生化学物質回収、干渉、及び標準臨床アッセイとの相関を評価した。性能値を、評価するそれぞれの生化学物質についての分析検証条件のそれぞれについて計算した。分析検証及び性能評価を、本明細書においてプラットフォーム(すなわち、プラットフォームQ、R、S及びT)として言及されるそれぞれのシステムを含む、4種の独立したLC−MS/MS器具システムを使用して、血漿、血清、尿、及びCSF試料において実行した。血漿及び血清試料における276種の代謝産物並びに尿及びCSF試料における176種の代謝産物の分析性能を、以下で説明する、現在許容される実行及び基準に従い、評価し、完全に分析的に検証した。
1日精密度:2種の独立した試験試料、試験試料1及び試験試料2を使用して、日内精密度を評価した。それぞれの試験試料を、健常な成人ボランティア由来の6(6)種の異なるEDTA血漿試料をプールすることにより生成した(すなわち、6人の健常な成人の血漿試料をプールして、試験試料1を生成し、試験試料1を生成するために使用した試料と異なる6人の健常な成人の血漿試料をプールして、試験試料2を生成した)。ある種の代謝産物は、疾患患者試料においてのみ見られ、健常個体由来の試料においては見られず、これらの生化学物質を、稀な代謝産物と称する。これらの稀な代謝産物は、試験試料1及び試験試料2において存在しないので、これらの代謝産物を、プールした試験試料に加えた。試験試料を、5種の技術複製物を用いて、それぞれの試験試料について、5日間に渡り、4種のLC−MS/MSプラットフォーム(Q、R、S、及びT)のそれぞれにおいて分析して、%CVに基づき日内精密度を決定した。未処理のカウントの%CVを、全4種のプラットフォームに渡るそれぞれの技術複製試料における表1及び2に挙げる代謝産物のそれぞれについて決定した。最適な日内精密度は%CV≦25であり、%CV≦25を有する代謝産物は、%CV採用基準に合致する;しかしながら、25〜30%CVを有する代謝産物は、%CVについての採用基準に合致し、ただし、3種以下の試料は、これらの範囲内のCVを有する;30〜40%CVを有する代謝産物は、%CVについての採用基準に合致し、ただし、1種以下の試料は、この範囲内の%CVを有する;>40%CV日内精密度分析を有する代謝産物は、正確ではなく、採用基準に合致しない。
日間精密度:2種の固有の試験試料を、5種の技術複製物を用いて、それぞれの試験試料について5日間に渡り分析して、日内精密度を決定した。プールした参照試料を、数日間(1〜5日目)に渡る標準化のための使用に含めた。9種のプールの参照試料を、それぞれの試料バッチを用いて、複製試験試料と一緒に分析した。日間精密度についての性能値を、%CVを使用して計算した。表1及び2における生化学物質のそれぞれについての%CVを、9種のプールした参照試料の平均の未処理のカウントに対して標準化した(すなわち、割った)、それぞれの試料についての平均の未処理のカウントを使用して決定した。最適な日間精密度は、≦25%CVであり、%CV≦25を有する代謝産物は、%CV採用基準に合致する;しかしながら、1種の複製物について25〜35%CVを有する代謝産物は、%CVについての採用基準に合致し、但し、他の複製物の全ては、<25%CVである。
直線性:直線性を評価するために、表1及び2に挙げる生化学物質を、溶媒に6桁分の量で加え、次に抽出した。試料を、4種のLC−MS/MS分析プラットフォームのそれぞれにおいてトリプリケートで実行した。それぞれの生化学物質を、次の濃度:0.0404ng/mL、0.482ng/mL、5.79ng/mL、69.4ng/mL、833ng/mL、及び10,000ng/mLを有する6段階の連続希釈連続物において分析した。それぞれの希釈のトリプリケート試料分析におけるそれぞれの生化学物質についての平均シグナル強度を、公知の濃度の生化学物質に対してグラフにした。検出限界の又はそれより上のデータポイントのみを、直線性計算において含めた。希釈連続物は、6段階の12倍の希釈液を含んでいた。実験を、4種の分析プラットフォームのそれぞれにおいて行った。直線範囲の最低及び最高濃度を含む、完全な標準曲線を、それぞれのプラットフォームについての表1及び2におけるそれぞれの生化学物質について計算し、直線性プロットを生成した。直線性についての性能値を、R2及び系統誤差(%SE)を使用して計算した。次に、計算した性能値を、直線性採用基準と比較して、生化学物質が、直線性についての採用基準に合致するか、又は上回るかを決定した。直線性についての分析検証の採用基準は、次の通りである:生化学物質についてのR値は、>0.95でなければならず、%系統誤差(SE)は、最低濃度ポイントにおいて20%内であるか、又は他の濃度において15%内であり、データポイントについて、直線性曲線における使用のための採用基準に合致するべきである。
検出限界:代謝産物についての検出限界(LOD)を、1)希釈レベル及び全ての続くレベルについての全ての複製物を観察する(すなわち、100%占有)及び2)希釈レベル及び全ての続く希釈レベルについての平均の未処理のイオン強度が、いずれかの前のレベルの平均強度より少なくとも2倍高い、として規定する。表1及び2における生化学物質のそれぞれを、代替マトリックスに加え、次に抽出した。代謝産物を、6桁分に渡る連続希釈に加えた。試料を、4種の器具プラットフォームのそれぞれにおいてトリプリケートで調製した。それぞれの代謝産物(以下で記載する、カプロン酸及びフェニルプロピオニルグリシンを除く)を、次の濃度:0.0404ng/mL、0.482ng/mL、5.79ng/mL、69.4ng/mL、833ng/mL、及び10,000ng/mLを含む6段階の連続希釈連続物において分析した。カプロン酸を、次の濃度:2.01ng/mL、24.1ng/mL、289ng/mL、3,470ng/mL、41,700ng/mL、500,000ng/mLを含む6段階の連続希釈連続物において分析した。フェニルプロピオニルグリシンを、次の濃度:2.01ng/mL、24.1ng/mL、289ng/mL、3,470ng/mL、41,700ng/mL、500,000ng/mLを含む6段階の連続希釈連続物において分析した。LODは、全4種の器具プラットフォームにおいて観察した最小値であると決定した。LOD/LOQについての採用基準に合致するために、代謝産物の測定したレベルは、LOD/LOQより上でなければならない。
マトリックス効果/回収:マトリックス効果/回収を評価するために、表1及び2に挙げる生化学物質のそれぞれを、代替マトリックスに加え、次に抽出した。生化学物質を、1)低及び2)高濃度にて、次の溶液:(A)適切な溶液;(B)抽出後に加えたMTRX QC;(C)抽出前に加えたMTRX QC;(D)加えていないMTRX QCに加えた。試料を、プラットフォームRにおいて分析し、未処理のイオン強度を使用して、マトリックス効果(ME)、%回収(REC)及び全体プロセス効率(OPE)を次の通り計算した:


全体プロセス効率:
マトリックス効果/回収についての採用基準は、%ME、%REC、又は%OPEの性能値に基づいた。マトリックス効果/回収についての採用基準は、以下の通りであった:最適な性能を、100%に近い%ME、%REC及び%OPEを有する生化学物質について示し、これらの値に到達する生化学物質は、最低の採用基準に合致し、上回る。回収についての採用基準に合致するために、計算した平均の濃度は、QC対照における濃度の±15%内であるべきである。マトリックス効果についての採用基準に合致するために、定量は、±15%より多く影響されるべきではない。
外因性の干渉:網羅的メタボロミクスプロファイリングを使用して取得した背景データは、外因性干渉を、他の生化学物質特性と独立して測定し得ることを示す。すなわち、背景研究のデータは、接着剤及びおむつ材料のような外因性干渉由来の分子が、このプラットフォーム上での生化学物質のクロマトグラフィー分離及び同定と干渉しないことを明らかにする。加えて、薬/分子(例えば、スタチン、非ステロイド系抗炎症薬、鎮痛剤、抗生物質、抗ヒスタミン剤、及び糖尿病用薬)のため行った生化学物質の同定が、このプラットフォーム上での他の小分子のクロマトグラフィー分離及び生化学物質同定と干渉しないことを示した。外因性干渉物質又は薬からの外因性干渉についての採用基準に合致するために、干渉物質の存在下で測定したレベルの間の%相違は、干渉物質の不存在下で測定したレベルの±15%内であるべきである。
キャリーオーバー:キャリーオーバーを、表1に挙げる生化学物質のそれぞれについて4種のプラットフォームのそれぞれにおいて評価し、生化学物質標準の直線性及び検出分析の限界の一部として、分析した。具体的には、それぞれの分析実行で、直線性連続希釈液における最高の標準曲線試料の後に、2つのプロセスブランクを含めた。第1のブランクは、インジェクターキャリーオーバー試料として機能し、第2のブランクは、カラムキャリーオーバーブランクとして機能する。LOD/直線性希釈連続物における最高濃度の加えた生化学物質(すなわち、10,000ng/mL)を含む試料、インジェクターブランク、及びキャリーオーバーブランクについて、未処理のイオン強度を決定した。キャリーオーバーについての性能値を、%トータルキャリーオーバーを使用して計算した。2種のブランクのイオン強度を足し、希釈連続物における最高濃度に対するパーセントキャリーオーバーを計算することにより、%トータルキャリーオーバーを規定する。この例において、次の方程式を使用して、%キャリーオーバーを計算した:(プロセスブランクにおける分析体面積)/(希釈連続物中の最終複製試料における分析面積)×100。生化学物質を、キャリーオーバー試料において検出しないなら、それは、キャリーオーバーが存在しなかったことを示す、0として報告する。
器具の二重カラム配置のため、第1のキャリーオーバーブランク(すなわち、INJ_CO)は、インジェクターキャリーオーバーを報告し、第2のキャリーオーバーブランク(すなわち、COLUMN_CO)は、カラムキャリーオーバーを報告する。トータルキャリーオーバーは、2つの合計である。
次に、キャリーオーバーについて得た計算した性能値を採用基準と比較して、キャリーオーバーについての生化学物質の採用を決定した。キャリーオーバーについての採用基準(化合物キャリーオーバー限界として記載する)は以下の通りであった:化合物キャリーオーバー限界(すなわち、Cmpdキャリーオーバー限界)を、200倍の動作範囲を有する化合物のLOD濃度が、>20%影響され得ない(すなわち、>20%の%トータルキャリーオーバーを有し得ない)ことを規定する臨床上許容可能なガイドラインに従い、設定した。このガイドラインに基づき、及びそれぞれの化合物の動作範囲(複数の患者バッチ試験により決定する)に基づき、Cmpdキャリーオーバー限界を確立した。
標準臨床アッセイに対する比較(正確さ):利用可能なとき、生化学物質についての測定値を、臨床/診断研究室において分析体を測定するために使用する標準CAP/CLIA保証キットと比較した。標準キットは、分析体についての定量的測定値を生じる。これらの値を、網羅的メタボロミクスプロファイリングを使用して得た半定量的値と関連付けた。標準臨床アッセイへの比較のための性能値を、相関分析を使用して計算した。相関分析を、網羅的メタボロミクスプロファイリングと標準キットアッセイの測定値の間で行った。それぞれの生化学物質についての相関を計算し、報告した。次に、計算した性能値を採用基準と比較して、標準臨床アッセイに対する比較(正確さ)についての生化学物質の採用を決定した。標準臨床アッセイに対する比較(正確さ)についての採用基準は、0.8以上の相関であり、この性能値と合致するか、又は超える生化学物質を、許容可能であるとみなした。
血漿及び血清試料における276種の化合物の性能を、上で記載した、従来の現在許容される実行に従い評価し、検証した。血漿及び血清において評価し、完全に分析的に検証された276種の化合物のリストを、表1に提示する。表1はまた、生化学経路又はそれぞれの化合物と関連するサブファミリーを含む。







複数の研究を行って、尿及びCSF試料における計176種の化合物の性能を評価した。これらの研究において、分析体についての分析性能を、上で記載した、従来の現在許容される実行に従い、評価し、検証した。CSF及び尿における第1の分析において評価し、完全に分析的に検証された132種の化合物の代表的なリストを、表2に提示する。表2はまた、それぞれの化合物と関連する生化学経路を含む。



加えて、完全な検証分析を複数のプラットフォーム上で行い、プラットフォーム間の精密度を決定し、複数の器具システムに渡る検証の再現性を評価した。プラットフォーム間の精密度について採用基準は、計算した%CVに基づいた。プラットフォーム間の精密度(%CV)は、代謝産物により異なり、2.7%という低さ〜297%という高さの範囲であった。しかしながら、圧倒的多数の代謝産物についてのプラットフォーム間の精密度は、40%未満であり(276のうち242)、20%よりずっと低かった(276のうち234)。
代表的な分析検証条件、それぞれの条件について行った分析、表1及び表2に上げた分析体について得た採用基準及び結果(通過/失敗)を、表3において概説する。分析検証分析を、血液(血漿、血清)、尿及びCSF試料において行い、マトリックス効果を決定した。




(例2)
生化学物質性能の合理化された評価
例1において記載した完全な分析検証後、合理化された分析検証分析を行い、日間精密度及び日内精密度を評価した。完全に分析的に検証した化合物(表1及び表2)の性能を使用して、約4,000種の生化学物質の性能を評価した。およそ4000種の生化学物質の性能を、2種の分析検証条件:日内精密度及び日間精密度を使用して評価した。日内及び日間精密度についての性能値を、生化学物質のそれぞれについてのパーセント占有(%占有)及びCVに基づき計算した。%占有についての日内精密度についての採用基準は、1日(本明細書において実行日として言及する)において実行した技術複製試料の全て又は大部分(例えば、70%以上、好ましくは80%以上)における生化学物質の検出に基づいた。CVについて日内精密度についての採用基準は、30%以下のCVであった。%占有について日間精密度についての採用基準は、複数日に渡り実行した複製試料の全て又は大部分(例えば、70%以上、好ましくは80%以上)における生化学物質の検出に基づいた。CVについて日間精密度についての採用基準は、25%CV以下であると決定した。
日内精密度分析。日内精密度分析のため、プールした参照試料の4種の技術複製物を、10の別々の実行日における血漿、尿、及びCSFのそれぞれについて使用した。
生化学物質の日内精密度分析のための採用基準は、1日で実行した技術複製試料における生化学物質の検出に基づいた。1日で実行した技術複製試料の全4種(100%占有)において検出した生化学物質は、日内精密度についての%占有採用基準に合致すると決定した。%CVをまた使用して、性能を評価した。30%以下のCVを有すると決定した生化学物質は、%CV採用基準に合致し、日内精密度についての許容可能な性能を有すると決定した。
一般的な方法のセクションにおいて記載した通り、LC−MSにより分析した血漿試料(N=40)における生化学物質について、日間精密度を評価した。670種の固有の生化学物質を、1日での技術複製試料の100%(すなわち、100%占有)において検出し、%占有採用基準に合致し、日内精密度についての許容可能な性能を有することを決定した。これらの670種の生化学物質についての平均の%CVは、10.1%であり、中央値は7.2%であった。
試料のサブセットを使用して、日内精密度についての生化学物質の性能は、%CV及び%占有採用基準に基づき評価した。試料のこのサブセットにおいて、580種の生化学物質を、1日における技術複製試料の100%において検出した。これらの580種の分析体のうち、166種を、従前に分析的に検証し(表1)、一方、414種を従前には検証しなかった。従前には分析的に検証していない414種のうち、387種は、%CV<30%を有していた。これらの387種の生化学物質は、採用基準に合致し、日内精密度(100%占有、%CV<30)についての許容可能な性能を有すると決定し、これは、日内精密度を使用して記載した合理化された性能評価が、合理化された有効な方法で血清及び血漿における分析的に検証した分子の数を拡大し得ることを示している。
例えば、イソバレラートを、最初の完全な評価において完全に分析的に検証しなかった。合理化された評価において、%占有は、100%であり、イソバレラートの%CVは、血漿試料において0.9%〜15%の範囲内であり、平均5.1%及び中央値3.1%を伴った。これらの性能測定を使用し、イソバレラートは、合理化された評価を使用して、分析検証について許容可能であると決定した。同じ試料において、イソバレラートと生化学的に関連し、完全なセットの条件を使用して従前に完全に分析的に検証した分子であるイソバレリルカルニチンでは、%占有は100%であり、CVは、3%〜14.4%の範囲にあり、平均7.5%及び中央値7.1%であった。
評価した試料(%占有)の全て又は大部分において検出したさらなる代表的な生化学物質は、以下を含む:1)ピペコリン酸は、%CV範囲0.9%〜11.7%、平均6%、及び中央値5.9%を有し、2)チロシン代謝と関連する4種の分子を、完全に分析的に検証し、合理化された分析において評価した10種の関連する分析体を、日内精密度分析において検出し、全10種が、低CVを示し;3)尿素サイクル;アルギニン及びプロリン代謝と関連する、8種の分子を、完全な分析において評価し、検証し、4種の他の分子を、合理化された分析において検出し、全4種が、低CVを示し;4)炭水化物代謝と関連する、4種のサブファミリーに渡る9種の分子を、完全な評価を使用して検証し;10種のさらなる分子を、合理化された分析を使用して検証した。
上の一般的な方法のセクションにおいて記載した通り、LC−MSにより分析した尿試料(N=40)における生化学物質について、日内精密度を決定した。1日で技術複製試料の100%(すなわち、100%占有)において検出した568種の固有の生化学物質は、日内精密度について許容可能な性能を有すると決定した。これらの568種の生化学物質についての平均の%CVは、8.1%であり、中央値は5.9%であった。
試料のサブセットを使用して、日内精密度についての生化学物質の性能を、%CV及び%占有に基づき評価した。この試料サブセットにおいて、442種の生化学物質を、1日における技術複製試料の100%において検出した。これらの442種の分析体のうち、138種を、例1において記載した完全な分析を使用して検証したが、一方、304種の生化学物質を従前には検証していなかった。従前には検証していない304種のうち、296種は、%CV<30%を有していた。これらの296種の生化学物質は、%占有及び%CVについての採用基準に合致し、日内精密度について許容可能な性能を有すると決定し、これは、日内精密度を使用した記載した合理化された性能評価を使用して、合理化された有効な方法において尿における分析的に検証した分子の数を拡大し得ることを示している。
例えば、ジヒドロビオプテリンを、従前の完全な分析検証研究において評価しなかった。それを、試料の全て(100%占有)において検出し、ジヒドロビオプテリンの%CVは、尿試料において2.2%〜20.8%の範囲にあり、平均7.9%及び中央値7.1%を伴った。これらの性能測定を使用して、ジヒドロビオプテリンは、採用基準に合致すると決定し、合理化された分析を使用して分析検証について許容可能であった。同じ試料において、ジヒドロビオプテリンと生化学的に関連し、完全なセットの条件を使用して従前に検証した分子であるグルコースは、2.2%〜14.7%の範囲にあるCV、平均6.3%及び中央値4.7%を有した。
さらなる例は以下を含む:1)完全な評価を使用して、グルタミン酸代謝サブファミリー:グルタミン及び2−ピロリジノンを検証された。生化学的に関連する分子N−アセチルグルタミン、ピログルタミン、グルタミン酸、ガンマ−カルボキシグルタミン酸、N−アセチル−アスパルチル−グルタミン酸(NAAG)、カルボキシエチル−GABA、N−アセチルグルタミン酸、N−メチル−GABA、及び4−ヒドロキシグルタミン酸もまた、試料において測定され、合理化された方法を使用して評価されたとき、全てが<30%CVを有した;2)拡大した生化学物質カバーレージを有する別のスーパーファミリーは、一次及び二次胆汁酸、ジカルボン酸及びヌクレオチドスーパーファミリーのようないくつかのサブファミリーを含む脂質スーパーファミリーであった。
上の一般的な方法のセクションにおいて記載した通り、LC−MSにより分析したCSF試料(N=40)における生化学物質について、日内精密度を決定した。1日での技術複製試料の100%において検出した計346種の固有の生化学物質は、採用基準に合致し、日内精密度についての許容可能な性能を有すると決定した。これらの346種の生化学物質についての平均%CVは、11.8%であり、中央値は8.6%であった。
試料のサブセットを使用して、日内精密度についての生化学物質の性能を評価した。試料のこのサブセットにおいて、286種の生化学物質を、1日における技術複製試料の100%において検出した。これらの286種の分析体のうち、94種を完全に分析的に検証し、一方、192種を、完全な評価において検証しなかった。完全には検証していない192種のうち、182種は、%CV<30%を有していた。これらの182種の生化学物質は、%占有及び%CV採用基準に合致し、日内精密度について許容可能な性能を有すると決定し、これは、日内精密度を使用した記載した合理化された性能評価を使用して、合理化された有効な方法においてCSFにおける分析的に検証した分子の数を拡大し得ることを示している。
例えば、アセチルカルニチンを、完全な分析検証研究において評価しなかった。それを、試料の全てにおいて検出し、アセチルカルニチンの%CVは、CSF試料において2.1%〜25.8%の範囲にあり、平均13%及び中央値10.5%を伴った。これらの性能測定を使用して、アセチルカルニチンは、採用基準に合致すると決定し、合理化された分析を使用して分析検証について許容可能であった。同じ試料において、アセチルカルニチンと生化学的に関連し、完全なセットの条件を使用して従前に検証した分子であるグルタミンは、2%〜7.8%の範囲にあるCV、平均5.3%及び中央値5.5%を有した。
合理化された検証を使用して、評価し、分析的に検証された代謝産物のさらなる例は、1)グリシン、セリン及びスレオニン代謝サブファミリーにおける生化学物質:ベタイン、ジメチルグリシン、グリシン、N−アセチルグリシン、N−アセチルセリン、N−アセチルスレオニン、セリン、及びスレオニン;2)チロシン代謝サブファミリーにおける生化学物質:3−(4−ヒドロキシフェニル)ラクタート、3−メトキシチラミンスルファート、3−メトキシチロシン、ドーパミン3−O−スルファート、ホモバニラート(HVA)、フェノールスルファート、及びチロシンを含む。チロシン及び3−(4−ヒドロキシフェニル)ラクタートを、完全な分析において評価し、同様に完全な分析検証研究を通過させた。
日間精密度分析。日間精密度分析のため、30種の血漿試料、44種の尿試料、及び32種のCSF試料を、2回の独立した分析において分析した。
生化学物質の日間精密度分析のための採用基準は、15日間の試料実行に渡る技術複製試料における生化学物質の検出に基づいた。全ての15日間の試料実行に渡る技術複製試料の少なくとも80%(すなわち、80%占有)において検出した生化学物質は、%占有採用基準に合致し、日間精密度の許容可能な性能を有すると決定した。%CVに基づく代替の採用基準も使用した。25%未満のCVを有すると決定した生化学物質は、%CV採用基準に合致し、日間精密度についての許容可能な性能を有すると決定した。
上の一般的な方法のセクションにおいて記載した通り、LC−MSにより分析した血漿試料における生化学物質について、日間精密度を評価した。1つの例において、30種の血漿試料を使用して、523種の生化学物質が、複数の日に渡り分析した試料の少なくとも80%において検出されていた%占有採用基準に合致した。日間精密度についてのこれらの生化学物質の全ての性能を、CVを使用してさらに評価した。この例において、523種のうち443種の生化学物質はまた、25%未満のCVを有し、%CV採用基準に合致し、日間精密度について許容可能な性能を有すると決定し;443種のうち163種が、完全に分析的に検証された分子を提示した(表1)。記載した合理化された性能評価方法を使用して、採用基準に合致し、日間精密度についての許容可能な性能を有すると決定した、完全には検証していない280種の生化学物質が存在した。
別の例において、30種の血漿試料の独立したセットを使用して、507種の生化学物質が、複数の日に渡り分析した試料の少なくとも80%において検出されていた%占有基準に合致した。日間精密度についてのこれらの生化学物質の全ての性能を、CVを使用してさらに評価した。この例において、507種のうち410種の生化学物質はまた、25%未満のCVを有し、%CVについての採用基準に合致し、日間精密度について許容可能な性能を有すると決定し;410種のうち148種が、完全に分析的に検証された分子を提示する(表1)。記載した合理化された性能評価方法を使用して、採用基準に合致し、日間精密度についての許容可能な性能を有すると決定した、完全には検証していない262種の生化学物質が存在した。
上の一般的な方法のセクションにおいて記載した通り、LC−MSにより分析した尿試料における生化学物質について、日間精密度を評価した。1つの例において、44種の尿試料を使用して、457種の生化学物質が、複数の日に渡り分析した少なくとも80%の試料において検出されていた%占有採用基準に合致した。日間精密度についてのこれらの生化学物質の全ての性能を、CVを使用してさらに評価した。この例において、457種のうち408種の生化学物質はまた、25%未満のCVを有し、採用基準に合致し、日間精密度について許容可能な性能を有すると決定し;408種のうち162種が、完全に分析的に検証された分子を提示する。記載した合理化された性能評価方法を使用して、採用基準に合致し、日間精密度についての許容可能な性能を有すると決定した、完全には検証していない246種の生化学物質が存在した。
別の例において、44種の尿試料の独立したセットを使用して、445種の生化学物質が、複数の日に渡り分析した試料の少なくとも80%において検出されていた%占有基準に合致した。日間精密度についてのこれらの生化学物質の全ての性能を、CVを使用してさらに評価した。この例において、445種のうち370種の生化学物質はまた、25%未満のCVを有し、%CV採用基準に合致し、日間精密度について許容可能な性能を有すると決定し;370種のうち147種が、完全に分析的に検証された分子を提示する。記載した合理化された性能評価方法を使用して、採用基準に合致し、日間精密度についての許容可能な性能を有すると決定した、完全には検証していない223種の生化学物質が存在した。
上の一般的な方法のセクションにおいて記載した通り、LC−MSにより分析したCSF試料における生化学物質について、日間精密度を決定した。1つの例において、複数の日に渡り分析した試料の少なくとも80%において検出した生化学物質のうち、32種のCSF試料を使用して、212種の生化学物質はまた、25%未満のCVを有していた。これらの生化学物質は、採用基準に合致し、日間精密度について許容可能な性能を有すると決定し;86種が、完全に分析的に検証された分子を提示する。記載した合理化された性能評価方法を使用して、採用基準に合致し、日間精密度についての許容可能な性能を有すると決定した、完全には検証していない126種の生化学物質が存在した。
別の例において、複数の日に渡り分析した試料の少なくとも80%において検出した生化学物質のうち、32種のCSF試料の独立したセットを使用して、210種の生化学物質はまた、25%未満のCVを有していた。これらの生化学物質は、採用基準に合致し、日間精密度について許容可能な性能を有すると決定し;85種が、完全に分析的に検証された分子を提示する。記載した合理化された性能評価方法を使用して、採用基準に合致し、日間精密度についての許容可能な性能を有すると決定した、完全には検証していない125種の生化学物質が存在した。
プラットフォーム間の精密度。試験試料1(T1)及び試験試料2(T2)として言及する、2種のプールしたヒトEDTA血漿試料を使用して、精密度を評価した。それぞれの試験試料を、上で記載した6(6)種の異なるEDTA血漿試料をプールすることにより生成した(すなわち、6人の健常な成人の血漿試料をプールして、試験試料1を生成し、試験試料1を生成するために使用した試料と異なる6人の健常な成人の血漿試料をプールして、試験試料2を生成した)。稀な代謝産物と称した、ある種の代謝産物を、疾患患者試料ばかりなく、健常個体由来の試料において観察した。これらの稀な代謝産物は、試験試料1及び2において存在しないので、それらを、これらのプールした試料に加えて、プラットフォームにおいて性能を評価した。2種の試験試料を、それぞれ5日間に渡り、5種の複製物を用いて全4種のプラットフォーム(Q、R、S及びT)において実施した。
プラットフォーム間(器具システム間)の精密度を決定するために、健常ボランティア(すなわち、標準化マトリックス)から集めた血漿試料のはめ込んだプールを含め、これを使用して、5日間(1〜5日目)に渡る試験試料を標準化した。およそ半分が女性及び半分が男性である、26人の健常成人ボランティア由来の血漿試料のアリコートから作製した9種の試料プールを、それぞれの試料バッチを用いて、試験試料複製物と一緒に実行した。それぞれの化合物についてのプラットフォーム間の精密度を、全5日間に渡るそれぞれの複製試料(すなわち、5種の複製物×5日)及び4種の独立した器具プラットフォームに渡るそれぞれの複製試料についての標準化した未処理の強度値の%CV(すなわち、それぞれの化合物の未処理のイオン強度/はめ込んだプール試料における化合物の平均の未処理のイオン強度)を計算することにより、評価した。
マトリックス試料の標準化を使用して、プラットフォームR上で206(T1)/207(T2)種の化合物の技術複製物のアッセイ間の精密度を計算して、それぞれ、試験試料1(T1)及び試験試料2(T2)について平均%CV8.7%及び11.5%を決定した。加えて、全5日間において、全プラットフォームに渡り測定した173(T1)/174(T2)種の化合物の精密度は、それぞれ、10.2%及び11.5%の平均のプラットフォーム間のCVを示した。これらの結果に基づき、代謝産物は採用基準に合致し、許容可能な性能を有すると決定した。

Claims (49)

  1. 複数分析体アッセイを使用して測定される生化学物質の分析性能を評価する方法であって、
    a)試料における第1生化学物質のレベルの測定値を分析的に検証する工程であって、第1生化学物質は、日内精密度、日間精密度、直線性、検出限界、マトリックス効果、外因性の干渉、キャリーオーバー、又は標準臨床アッセイとの相関を含むリストから選択される3種以上の分析検証条件について分析的に検証されている、行程;
    b)試料における第2生化学物質のレベルを測定する工程であって、第2生化学物質は、第1生化学物質と構造上又は生化学的に関連する、行程;
    c)1種又は複数の分析検証条件を選択する工程;
    d)第1生化学物質の測定されたレベルに基づき、第1生化学物質についての選択された1種又は複数の分析検証条件について1種又は複数の性能値(単数又は複数)を計算する工程;
    e)第2生化学物質の測定されたレベルに基づき、第2生化学物質についての選択された1種又は複数の分析検証条件について1種又は複数の性能値(単数又は複数)を計算する工程;
    f)第1生化学物質についての分析検証条件について計算された1種又は複数の性能値(単数又は複数)を、第2生化学物質についての分析検証条件について計算された1種又は複数の性能値(単数又は複数)と比較する工程;
    g)第2生化学物質についての計算された1種又は複数の性能値(単数又は複数)が、第1生化学物質についての計算された1種又は複数の性能値(単数又は複数)の50%内であるなら、第2生化学物質の性能が許容可能であると決定する工程;及び
    h)第2生化学物質についての計算された1種又は複数の性能値(単数又は複数)が、第1生化学物質についての計算された1種又は複数の性能値(単数又は複数)の50%内でないなら、第2生化学物質の性能が許容不可能であると決定する工程;
    を含む方法。
  2. 少なくとも50種の生化学物質の性能が単一アッセイにおいて評価される、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも100種の生化学物質の性能が単一アッセイにおいて評価される、請求項1に記載の方法。
  4. 少なくとも150種の生化学物質の性能が単一アッセイにおいて評価される、請求項1に記載の方法。
  5. 少なくとも200種の生化学物質の性能が単一アッセイにおいて評価される、請求項1に記載の方法。
  6. 少なくとも500種の生化学物質の性能が単一アッセイにおいて評価される、請求項1に記載の方法。
  7. 少なくとも1000種の生化学物質の性能が単一アッセイにおいて評価される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記1種又は複数の分析検証条件についての前記1種又は複数の性能値が、%占有及び/又は%CVを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 2種の分析検証条件が第2生化学物質について選択される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記2種の分析検証条件が日内(1日)精密度及び日間(多日)精密度である、請求項9に記載の方法。
  11. アッセイが、質量分析を含む、請求項1に記載の方法。
  12. アッセイが、液体クロマトグラフィー及び質量分析を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 試料が、血漿、血清、尿、又はCSF試料を含む、請求項1に記載の方法。
  14. アッセイを使用して測定された生化学物質の性能を評価する方法であって、
    a)試料における生化学物質のレベルを測定する工程であって、生化学物質は、表1又は表2に挙げられる1種又は複数の生化学物質と構造上又は生化学的に関連する、行程;
    b)1日精密度(日内精密度)、多日精密度(日間精密度)、検出限界(LOD)、直線性、安定性、キャリーオーバー、マトリックス効果、生化学物質回収、干渉、及び標準臨床アッセイとの相関からなる群から1種又は複数の分析検証条件を選択する工程;
    c)試料における生化学物質の測定されたレベルに基づき、生化学物質についての選択された1種又は複数の分析検証条件について1種又は複数の性能値(単数又は複数)を計算する工程;
    d)生化学物質についての前記1種又は複数の分析検証条件についての計算された1種又は複数の性能値(単数又は複数)を、前記1種又は複数の分析検証条件についての1種又は複数の採用基準と比較する工程;
    e)前記1種又は複数の分析検証条件についての生化学物質の計算された1種又は複数の性能値(単数又は複数)が、前記1種又は複数の採用基準の70%内であるなら、生化学物質の性能が、許容可能であると決定する工程;及び
    f)前記1種又は複数の分析検証条件についての生化学物質の計算された1種又は複数の性能値(単数又は複数)が、前記1種又は複数の採用基準の70%内でないなら、生化学物質の性能が、許容不可能であると決定する工程;
    を含む方法。
  15. 2種の分析検証条件が選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記2種の分析検証条件が、日内(1日)精密度及び日間(多日)精密度である、請求項15に記載の方法。
  17. 分析検証条件が日内精密度であり、生化学物質についての30%以下のCVである計算された性能値が、許容可能な性能であると決定される、請求項14に記載の方法。
  18. 分析検証条件が日内精密度であり、生化学物質についての20%以下のCVである計算された性能値が、許容可能な性能であると決定される、請求項14に記載の方法。
  19. 分析検証条件が日間精密度であり、生化学物質についての30%以下のCVである計算された性能値が、許容可能な性能であると決定される、請求項14に記載の方法。
  20. 分析検証条件が日間精密度であり、生化学物質についての20%以下のCVである計算された性能値が、許容可能な性能であると決定される、請求項14に記載の方法。
  21. アッセイを使用して測定された生化学物質の性能を評価する方法であって、
    a)試料における生化学物質のレベルを測定する工程であって、生化学物質は、完全に分析的に検証されている1種又は複数の生化学物質と構造上又は生化学的に関連する、行程;
    b)1日精密度(日内精密度)、多日精密度(日間精密度)、検出限界(LOD)、直線性、安定性、キャリーオーバー、マトリックス効果、生化学物質回収、干渉、及び標準臨床アッセイとの相関からなる群から選択される1種又は複数の分析検証条件を選択する工程;
    c)試料における生化学物質の測定されたレベルに基づき、生化学物質についての選択された1種又は複数の分析検証条件について1種又は複数の性能値(単数又は複数)を計算する工程;
    d)生化学物質についての前記1種又は複数の分析検証条件についての計算された1種又は複数の性能値(単数又は複数)を、前記1種又は複数の分析検証条件についての1種又は複数の採用基準と比較する工程;
    e)前記1種又は複数の分析検証条件についての生化学物質の前記1種又は複数の計算された性能値(単数又は複数)が、採用基準の70%内であるなら、生化学物質の性能が、許容可能であると決定する工程;及び
    f)前記1種又は複数の分析検証条件についての生化学物質の前記1種又は複数の計算された性能値(単数又は複数)が、採用基準の70%内でないなら、生化学物質の性能が、許容不可能であると決定する工程;
    を含む方法。
  22. 複数分析体アッセイを使用して測定される生化学物質の分析性能を評価する方法であって、
    a)試料における第1生化学物質のレベルの測定値を分析的に検証する工程であって、第1生化学物質は、日内精密度、日間精密度、直線性、検出/定量限界、マトリックス効果、外因性の干渉、キャリーオーバー、回収、安定性又は標準臨床アッセイとの相関を含むリストから選択される3種以上の分析検証条件について分析的に検証される、行程:
    b)試料における第2生化学物質のレベルを測定する工程であって、第2生化学物質は、第1生化学物質と構造上又は生化学的に関連する、行程;
    c)第2生化学物質についての1種又は複数の分析検証条件を選択する工程;
    d)第2生化学物質の測定されたレベルに基づき、第2生化学物質についての選択された1種又は複数の分析検証条件について1種又は複数の性能値(単数又は複数)を計算する工程;
    e)第2生化学物質についての選択された1種又は複数の分析検証条件についての計算された1種又は複数の性能値(単数又は複数)を、第1生化学物質についての前記3種以上の分析検証条件についての採用基準と比較する工程;及び
    f)第2生化学物質の計算された1種又は複数の性能値(単数又は複数)が、第1生化学物質についての前記3種以上の分析検証条件についての採用基準に合致するなら、第2生化学物質の分析性能が、許容可能であると決定する工程;及び
    g)第2生化学物質の計算された1種又は複数の性能値(単数又は複数)が、第1生化学物質についての前記3種以上の分析検証条件についての採用基準に合致し、ないなら、第2生化学物質の分析性能が、許容不可能であると決定する工程;
    を含む方法。
  23. 複数分析体アッセイを使用して測定される生化学物質の分析性能を評価する方法であって、
    a)試料における生化学物質のレベルを測定する工程であって、生化学物質は、従前に完全に分析的に検証された1種又は複数の生化学物質と構造上又は生化学的に関連する、行程;
    b)1日精密度(日内精密度)、多日精密度(日間精密度)、検出/定量限界(LOD/LOQ)、直線性、安定性、キャリーオーバー、マトリックス効果、生化学物質回収、干渉、又は標準臨床アッセイとの相関を含む群から1種又は複数の分析検証条件を選択する工程;
    c)試料における生化学物質の測定されたレベルに基づき、生化学物質についての選択された1種又は複数の分析検証条件について1種又は複数の性能値(単数又は複数)を計算する工程;
    d)生化学物質についての前記1種又は複数の分析検証条件についての計算された1種又は複数の性能値(単数又は複数)を、従前に検証した1種又は複数の生化学物質についての前記1種又は複数の分析検証条件についての採用基準と比較する工程;及び
    e)それが、対応する分析検証条件について、採用基準に合致するなら、生化学物質の分析性能が、許容可能であると、又はそれが、対応する分析検証条件について、採用基準に合致し、ないなら、生化学物質の分析性能が、許容不可能であると決定する工程;
    を含む方法。
  24. 複数分析体アッセイを使用して測定される生化学物質の分析性能を評価する方法であって、
    a)試料における生化学物質のレベルを測定する工程であって、生化学物質が表1又は表2に挙げられる1種又は複数の生化学物質と構造上又は生化学的に関連する、行程;
    b)1日精密度(日内精密度)、多日精密度(日間精密度)、検出/定量限界(LOD/LOQ)、直線性、安定性、キャリーオーバー、マトリックス効果、生化学物質回収、干渉、又は標準臨床アッセイとの相関を含む群から1種又は複数の分析検証条件を選択する工程;
    c)試料における生化学物質の測定されたレベルに基づき、生化学物質についての選択された1種又は複数の分析検証条件について1種又は複数の性能値(単数又は複数)を計算する工程;
    d)生化学物質についての前記1種又は複数の分析検証条件の計算された1種又は複数の性能値(単数又は複数)を、表1又は表2に挙げられる前記1種又は複数の生化学物質についての前記1種又は複数の分析検証条件についての採用基準と比較する工程;及び
    e)それが、対応する1種又は複数の分析検証条件について、採用基準に合致するなら、生化学物質の分析性能が、許容可能であると、又はそれが、対応する1種又は複数の分析検証条件について、採用基準に合致し、ないなら、生化学物質の分析性能が、許容不可能であると決定する工程;
    を含む方法。
  25. 少なくとも50種の生化学物質の分析性能が評価される、請求項22から24までのいずれか一項に記載の方法。
  26. 少なくとも100種の生化学物質の分析性能が評価される、請求項22から24までのいずれか一項に記載の方法。
  27. 少なくとも150種の生化学物質の分析性能が評価される、請求項22から24までのいずれか一項に記載の方法。
  28. 少なくとも200種の生化学物質の分析性能が評価される、請求項22から24までのいずれか一項に記載の方法。
  29. 少なくとも500種の生化学物質の分析性能が評価される、請求項22から24までのいずれか一項に記載の方法。
  30. 少なくとも1000種の生化学物質の分析性能が評価される、請求項22から24までのいずれか一項に記載の方法。
  31. 複数分析体アッセイが質量分析を含む、請求項22から24までのいずれか一項に記載の方法。
  32. 複数分析体アッセイが液体クロマトグラフィー及び質量分析を含む、請求項22から24までのいずれか一項に記載の方法。
  33. 試料が、血漿、血清、尿、又はCSF試料を含む、請求項22から24までのいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記1種又は複数の分析検証条件についての前記1種又は複数の性能値が、相関分析(R)、%占有、%系統誤差(SE)、%偏り、%相違、又は%変動係数(CV)を使用して計算される、請求項22から24までのいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記1種又は複数のうち1種の分析検証条件が日内精密度であり、30%以下のCVである性能値が採用基準に合致する、請求項34に記載の方法。
  36. 前記1種又は複数のうち1種の分析検証条件が日内精密度であり、25%以下のCVである性能値が採用基準に合致する、請求項34に記載の方法。
  37. 前記1種又は複数のうち1種の分析検証条件が日間精密度であり、30%以下のCVである性能値が採用基準に合致する、請求項34に記載の方法。
  38. 前記1種又は複数のうち1種の分析検証条件が日間精密度であり、25%以下のCVである性能値が採用基準に合致する、請求項34に記載の方法。
  39. 少なくとも80%占有の性能値が採用基準に合致する、請求項34に記載の方法。
  40. 2種の分析検証条件が第2生化学物質について選択される、請求項22に記載の方法。
  41. 前記2種の分析検証条件が日内(1日)精密度及び日間(多日)精密度である、請求項40に記載の方法。
  42. 2種の分析検証条件が選択される、請求項23又は請求項24に記載の方法。
  43. 前記2種の分析検証条件が、日内(1日)精密度及び日間(多日)精密度である、請求項42に記載の方法。
  44. 複数分析体アッセイが、少なくとも50種の生化学物質で構成される、請求項22から24までのいずれか一項に記載の方法。
  45. 複数分析体アッセイが、少なくとも100種の生化学物質で構成される、請求項22から24までのいずれか一項に記載の方法。
  46. 複数分析体アッセイが、少なくとも150種の生化学物質で構成される、請求項22から24までのいずれか一項に記載の方法。
  47. 複数分析体アッセイが、少なくとも200種の生化学物質で構成される、請求項22から24までのいずれか一項に記載の方法。
  48. 複数分析体アッセイが、少なくとも500種の生化学物質で構成される、請求項22から24までのいずれか一項に記載の方法。
  49. 複数分析体アッセイが、少なくとも1000種の生化学物質で構成される、請求項22から24までのいずれか一項に記載の方法。
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