本開示は、無線通信分野に関し、特に、アクセスポイントデバイスおよび通信方法に関する。
無線ローカルエリアネットワーク(英語では、wireless local area network、WLAN)システムは通常、複数のアクセスポイントデバイスを含む。各アクセスポイントデバイスは、特定の範囲をカバーし、当該範囲内の端末用の無線アクセスサービスを提供する。WLANにおける隣接するアクセスポイントデバイスは通常、異なる動作チャネル(英語では、operating channel)を用いる。しかしながら、既存の無線ローカルエリアネットワークでは、利用可能なチャネルの数が限定されており、隣接するアクセスポイントデバイスは、同じ動作チャネルを用い得る。同じ動作チャネルを用いる隣接するアクセスポイントデバイスは、互いに同一チャネル干渉を生じ、通信品質に影響を及ぼしてしまう。
本開示は、同一チャネル干渉により通信品質の低下が生じるという問題を解決するために、アクセスポイントデバイスおよび通信方法を提供する。技術的解決手段は、以下のとおりである。
第1の態様によれば、本開示は、アクセスポイントデバイスを提供する。アクセスポイントデバイスは、アクセスポイントデバイス本体と、アクセスポイントデバイス本体の外側に位置する複数の遠隔アンテナとを備え、各遠隔アンテナとアクセスポイントデバイス本体との間の距離が、予め設定された距離よりも長く、アクセスポイントデバイス本体は、送受信機およびプロセッサを有し、プロセッサは、送受信機に接続されており、送受信機は、無線周波数給電線を用いることにより、複数の遠隔アンテナに接続されており、複数の遠隔アンテナは、ナロービーム低サイドローブアンテナである。プロセッサは、複数の遠隔アンテナから少なくとも1つのターゲットアンテナを選択するように構成される。送受信機は、少なくとも1つのターゲットアンテナを通信に用いるように構成される。
アクセスポイントデバイスにおいて、ナロービーム低サイドローブアンテナが用いられ、ナロービーム低サイドローブアンテナとアクセスポイントデバイス本体との間の距離が、特定の距離に設定される。アンテナのより狭いビーム幅は、アンテナのより強い指向性を示すので、別の同一チャネルデバイスのより小さい干渉を示し、サイドローブ信号のより低い強度は、サイドローブ信号のより短い伝送距離を示すので、別の同一チャネルデバイスに対する干渉が低減されることにより、隣接するアクセスポイントデバイスが互いに同一チャネル干渉を引き起こすのを防ぐことができ、これにより通信品質が改善する。
予め設定された距離は、少なくとも2.5メートルである。例えば、予め設定された距離は、3メートルであっても、それより長くてもよい。
可能な設計において、複数の遠隔アンテナの全てが同じ数の放射要素を有するか、または、複数の遠隔アンテナのうちの少なくとも2つが異なる数の放射要素を有する。放射要素の数は、実際の要件に従って、具体的に設計され得る。当然ながら、アクセスポイントデバイスは、動作している場合、異なる通信要件に応じて、特定の遠隔アンテナの1または複数の放射要素を通信用に選択し得る。
可能な設計において、送受信機は、少なくとも2つのターゲットアンテナを用いて、マルチユーザ多入力多出力(英語では、multi user−MIMO、MU−MIMO)を通じて通信を実行するように構成される。
2つまたはそれより多くのターゲットアンテナが通信用に選択された場合、ターゲットアンテナ間の空間的距離が比較的長いことに起因して、MU−MIMO方式での空間多重化を実行する端末間の相互干渉が効果的に低減され、ネットワーク容量の改善に役立つ。1つのターゲットアンテナが通信用に選択された場合、MU−MIMO方式で通信を実行するために当該ターゲットアンテナの少なくとも2つの放射要素がさらに選択され得ることで、ネットワーク容量が改善する。
第2の態様によれば、本開示は、アクセスポイントデバイスをさらに提供する。アクセスポイントデバイスは、アクセスポイントデバイス本体と、アクセスポイントデバイス本体の外側に位置する少なくとも1つの遠隔アンテナとを備え、アクセスポイントデバイス本体は、全方向性アンテナ、送受信機およびプロセッサを有し、プロセッサは、送受信機に接続され、送受信機は、無線周波数給電線を用いることにより、全方向性アンテナおよび少なくとも1つの遠隔アンテナに接続されており、各遠隔アンテナとアクセスポイントデバイス本体との間の距離が、予め設定された距離よりも長く、少なくとも1つの遠隔アンテナは、ナロービーム低サイドローブアンテナである。送受信機は、データを受信するためにのみ全方向性アンテナを用いるように構成される。プロセッサは、少なくとも1つの遠隔アンテナから少なくとも1つのターゲットアンテナを選択するように構成される。送受信機はさらに、少なくとも1つのターゲットアンテナを通信に用いるように構成される。1つのターゲットアンテナが選択されるか、または複数のターゲットアンテナが選択されるかにかかわらず、通信がMU−MIMO方式で実行され得ることで、ネットワーク容量が改善する。
アクセスポイントデバイスにおいて、ナロービーム低サイドローブアンテナが用いられ、ナロービーム低サイドローブアンテナとアクセスポイントデバイス本体との間の距離が、特定の距離に設定される。アンテナのより狭いビーム幅は、アンテナのより強い指向性を示すので、別の同一チャネルデバイスのより小さい干渉を示し、サイドローブ信号のより低い強度は、サイドローブ信号のより短い伝送距離を示すので、別の同一チャネルデバイスに対する干渉が低減されることにより、隣接するアクセスポイントデバイスが互いに同一チャネル干渉を引き起こすのを防ぐことができ、これにより通信品質が改善する。加えて、データ受信中に全方向性アンテナが用いられ得ることにより、通信信頼性が改善され、これは、チャネル競合に基づくアップリンク伝送モードに適用可能である。
第3の態様によれば、通信方法が提供される。上記方法は、第1の態様と、第1の態様において提供される任意の可能な設計とに適用され得る。上記方法は、
アクセスポイントデバイスが、アクセスポイントデバイスの複数の遠隔アンテナから少なくとも1つのターゲットアンテナを選択する段階であって、複数の遠隔アンテナの各々とアクセスポイントデバイスのアクセスポイントデバイス本体との間には、予め設定された距離があり、各遠隔アンテナは、ナロービーム低サイドローブアンテナである、段階と、
アクセスポイントデバイスが、少なくとも1つのターゲットアンテナを通信に用いる段階と
を備える。
本開示において提供される通信方法において、ナロービーム低サイドローブアンテナが用いられ、ナロービーム低サイドローブアンテナとアクセスポイントデバイス本体との間の距離が、特定の距離に設定される。アンテナのより狭いビーム幅は、アンテナのより強い指向性を示すので、別の同一チャネルデバイスのより小さい干渉を示し、サイドローブ信号のより低い強度は、サイドローブ信号のより短い伝送距離を示すので、別の同一チャネルデバイスに対する干渉が低減されることにより、隣接するアクセスポイントデバイスが互いに同一チャネル干渉を引き起こすのを防ぐことができ、これにより通信品質が改善する。
可能な設計において、アクセスポイントデバイスが、少なくとも1つのターゲットアンテナを通信に用いる段階は、アクセスポイントデバイスが、1つのターゲットアンテナを用いて、単一ユーザ多入力多出力(英語では、single user−MIMO、SU−MIMO)方式またはMU−MIMO方式で通信を実行する段階、または、アクセスポイントデバイスが、少なくとも2つのターゲットアンテナを用いて、MU−MIMO方式で通信を実行する段階を有する。
第4の態様によれば、通信方法が提供される。上記方法は、第2の態様と、第2の態様において提供される任意の可能な設計とに適用され得る。上記方法は、アクセスポイントデバイスが、データを受信するためにのみアクセスポイントデバイスの全方向性アンテナを用いる段階であって、アクセスポイントデバイスのアクセスポイントデバイス本体が全方向性アンテナを有し、アクセスポイントデバイスは、無線周波数給電線を用いることによりアクセスポイントデバイス本体に接続された複数の遠隔アンテナをさらに備え、各遠隔アンテナとアクセスポイントデバイス本体との間の距離が、予め設定された距離よりも長く、少なくとも1つの遠隔アンテナは、ナロービーム低サイドローブアンテナである、段階と、
アクセスポイントデバイスが、少なくとも1つの遠隔アンテナから少なくとも1つのターゲットアンテナを選択し、少なくとも1つのターゲットアンテナを通信に用いる段階と
を備える。
可能な設計において、少なくとも1つのターゲットアンテナを通信に用いる段階は、少なくとも2つのターゲットアンテナを用いて、MU−MIMO方式で通信を実行する段階を有する。MU−MIMO方式は、1つのターゲットアンテナが通信に用いられるか、または、1つよりも多くのターゲットアンテナが通信に用いられるかにかかわらず用いられ得る。1つのターゲットアンテナが通信に用いられる場合、通信は、ターゲットアンテナに含まれる複数の放射要素に基づいて、SU−MIMO方式またはMU−MIMO方式で実行され得る。
本開示において提供される通信方法において、ナロービーム低サイドローブアンテナが用いられ、ナロービーム低サイドローブアンテナとアクセスポイントデバイス本体との間の距離が、特定の距離に設定される。アンテナのより狭いビーム幅は、アンテナのより強い指向性を示すので、別の同一チャネルデバイスのより小さい干渉を示し、サイドローブ信号のより低い強度は、サイドローブ信号のより短い伝送距離を示すので、別の同一チャネルデバイスに対する干渉が低減されることにより、隣接するアクセスポイントデバイスが互いに同一チャネル干渉を引き起こすのを防ぐことができ、これにより通信品質が改善する。加えて、データ受信中に全方向性アンテナが用いられ得ることにより、通信信頼性が改善され、これは、チャネル競合に基づくアップリンク伝送モードに適用可能である。
本発明の実施形態による通信システムの概略構造図である。
本発明の実施形態によるアクセスポイントデバイスの概略構造図である。
本発明の実施形態によるアクセスポイントデバイスの概略構造図である。
本発明の実施形態によるアクセスポイントデバイスの概略構造図である。
本発明の実施形態によるアクセスポイントデバイスの信号カバレッジの概略図である。
本発明の実施形態によるアクセスポイントデバイスの信号カバレッジの概略図である。
本発明の実施形態によるアクセスポイントデバイスの信号カバレッジの概略図である。
本発明の実施形態によるアクセスポイントデバイスの信号カバレッジの概略図である。
本発明の実施形態によるアクセスポイントデバイスの信号カバレッジの概略図である。
本開示の目的、技術的解決手段および利点をより明確にするために、以下では、添付図面を参照して、本開示の実装をさらに詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態による通信システムの概略構造図である。図1を参照すると、通信システムは、少なくとも1つのアクセスポイントデバイスおよび少なくとも1つの端末を含む。アクセスポイントデバイスは、端末に関連付けられており、端末用のサービスを提供し得る。端末は、携帯電話、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、コンピュータ、ウェアラブルデバイスまたは別のWLAN無線デバイスであってよい。
図2に示されるように、本発明の実施形態がアクセスポイントデバイスを提供する。アクセスポイントデバイスは、アクセスポイントデバイス本体201と、アクセスポイントデバイス本体の外側に位置する複数の遠隔アンテナ202とを含む。アクセスポイントデバイス本体は、アクセスポイントハウジングと、プロセッサ2011と、アクセスポイントハウジングの内部に設置された送受信機2012とを含む。プロセッサ2011は、送受信機2012に接続されている。送受信機2012は、無線周波数給電線(英語では、feed line)を用いることにより、複数の遠隔アンテナ202に接続されている。複数の遠隔アンテナ202は、ナロービーム(英語では、narrow beam)低サイドローブ(英語では、low side−lobe)アンテナである。各遠隔アンテナは、少なくとも1つの放射要素(英語では、radiating element)を含む。プロセッサおよび送受信機は、互いに独立した構成要素であっても、統合された構成要素であってもよい。このことは、本発明の本実施形態において具体的には限定されない。複数の遠隔アンテナの各々とアクセスポイントデバイス本体との間の距離は、少なくとも2.5メートルであってよい。例えば、当該距離は、3メートルであっても、それより長くてもよい。
図3を参照すると、送受信機2012は、送受信機チップ、スイッチコントローラ、複数の無線周波数フロントエンドモジュールおよびスイッチモジュールを含み得る。複数の無線周波数フロントエンドモジュールは、スイッチモジュールに接続されている。スイッチモジュールは、無線周波数給電線を用いることにより、複数の遠隔アンテナに接続されている。送受信機チップの入力端がプロセッサ2011に接続されており、送受信機チップは、スイッチコントローラに接続され、信号をスイッチコントローラの制御出力へ出力するように構成される。スイッチコントローラは、スイッチモジュールに接続されており、プロセッサの選択に基づいて、スイッチモジュールの出力端と遠隔アンテナとの間の接続/切断を制御するように構成される。スイッチモジュールに接続された無線周波数フロントエンドモジュールが遠隔アンテナの放射要素に接続されること、または当該放射要素から切断されることを可能にするために、スイッチモジュールは、スイッチコントローラの出力に基づいて、開いているか、または閉じている。例えば、スイッチモジュールは、閉じられる4つのスイッチが16個のスイッチから選択されるスイッチモジュールであっても、別のモデルのスイッチモジュールであってもよい。図3は、4つの遠隔アンテナが存在し、各遠隔アンテナが4つの放射要素を有する例を示しているに過ぎない。スイッチモジュールの各出力ポートが、1つの遠隔アンテナの1つの放射要素に接続されている。
送受信機チップは、複数の無線周波数フロントエンドモジュールに接続されており、これにより、プロセッサの出力が、送受信機チップを用いることにより無線周波数信号に変換され得て、次に、無線周波数信号が、無線周波数フロントエンドモジュールを用いることにより、伝送のために遠隔アンテナへ出力される。無線周波数フロントエンドモジュールについてであるが、無線周波数フロントエンドモジュールは、送受信機チップにより出力される無線周波数信号を受信する場合には、データ送信状態であり、遠隔アンテナから無線周波数信号を受信する場合には、データ受信状態である。
プロセッサ2011は、複数の遠隔アンテナ202から少なくとも1つのターゲットアンテナを選択するように構成され、送受信機2012は、少なくとも1つのターゲットアンテナを通信に用いるように構成される。例えば、アクセスポイントデバイスが、特定の遠隔アンテナを用いることにより、ある端末により送信されるデータ伝送要求を受信した場合、プロセッサ2011は、データ伝送要求に基づいて受信信号強度インジケータ(英語では、receive signal strength indicator、RSSI)およびパケットエラー率(英語では、packet error ratio、PER)を計算することで、当該端末の位置を決定し得て、次に、当該端末に最も近い遠隔アンテナが、当該遠隔アンテナに対応する無線周波数フロントエンドモジュールに接続される。送受信機2012は、選択された遠隔アンテナの放射要素を用いることにより、当該端末と通信する。
ナロービーム低サイドローブアンテナは、比較的狭いビーム幅および比較的低いサイドローブ信号強度を有するアンテナである。このアンテナのビーム幅は、メインローブの幅であり、通常、電力半値幅(英語では、half power beam width、HPBW)であってよい。電力半値幅は、主ローブ幅または3dBローブ幅とも称され、メインローブの端部での電界強度が最大値の半分に低減されるときの2つの地点の間の角度である。アンテナのより狭いビーム幅は、アンテナのより強い指向性を示すので、別の同一チャネルデバイスに対するより低い干渉を示す。サイドローブ信号のより低い強度は、サイドローブ信号のより短い伝送距離を示すので、別の同一チャネルデバイスに対する干渉が低減される。
ナロービーム低サイドローブアンテナは、小さい信号カバレッジを有するので、単一のアクセスポイントデバイスの信号カバレッジを拡大するために、複数の遠隔アンテナが、信号強度またはカバレッジエリアなどの性能要件に従って、アクセスポイントデバイスに配置され得る。アクセスポイントデバイスのカバレッジに比較的多数の端末が存在し、MU−MIMO方式が通信に用いられる場合、同一チャネル干渉を低減でき、さらに、MU−MIMO方式を用いる利点をより広い範囲に及ぼすことができることにより、WLANのネットワーク容量が改善される。
可能な実装において、複数の遠隔アンテナ202の全てが、同じ数の放射要素を含む。この場合、アクセスポイントデバイスの遠隔アンテナの全てが、同じカバレッジ能力を有する。
別の可能な実装において、異なる数の放射要素が、異なる領域における端末の数、ネットワーク使用状況およびデータ伝送速度などの因子に基づいて、複数の遠隔アンテナに設置され得る。複数の遠隔アンテナ202のうちの少なくとも2つが、異なる数の放射要素を含む。異なる数の放射要素が、領域の異なる人口密度またはネットワーク使用状況に基づいて、アクセスポイントデバイスの信号カバレッジにおける異なるアンテナに設置され得ることにより、異なる領域が異なる無線信号カバレッジ状況を有し、無線リソースがより適切に割り当てられる。
可能な実装において、プロセッサ2011は、複数の遠隔アンテナ202から1つのターゲットアンテナを選択するように構成され、送受信機2012は、ターゲットアンテナを通信に用いるように構成される。例えば、アクセスポイントデバイスが2つの遠隔アンテナを有し、ただ1つの遠隔アンテナのカバレッジにおける端末が特定の時点で通信を実行する必要がある場合、プロセッサは、当該遠隔アンテナをターゲットアンテナとして選択し、送受信機は、ターゲットアンテナを用いることにより当該端末と通信し、他の遠隔アンテナは、データ伝送には用いられない。当該通信は、SU−MIMO方式またはMU−MIMO方式で実行され得る。
別の可能な実装において、プロセッサ2011は、複数の遠隔アンテナ202から少なくとも1つのターゲットアンテナを選択するように構成され、送受信機2012は、この少なくとも1つのターゲットアンテナを用いて、MU−MIMO方式で通信を実行するように構成される。異なる遠隔アンテナのカバレッジにおける端末が、空間内で互いに比較的遠く離れている。従って、これらの端末が同じ周波数で同時に通信を実行した場合、これらの端末の信号間には、比較的小さい干渉が生じる。プロセッサ2011が少なくとも2つのターゲットアンテナを選択した場合、送受信機2012は、これら少なくとも2つのターゲットアンテナを用いて、MU−MIMO方式で通信を実行するように構成される。プロセッサ2011が1つのターゲットアンテナを選択した場合、送受信機201は、当該ターゲットアンテナに含まれる放射要素の一部または全部を用いて、MU−MIMO方式で通信を実行するように構成される。
本実施形態において、プロセッサ2011は、データ伝送要求に基づいて端末の位置を決定し、端末に最も近いターゲットアンテナをデータ伝送に用いることを選び得る。データ伝送を要求している端末の位置が変わったか、または別の位置の端末が現れた場合、プロセッサ2011は、実際の通信要件に従って、異なる遠隔アンテナを通信に用い得る。当然ながら、プロセッサ2011は、代替的に、実際の通信要件に従って、ターゲットアンテナの放射要素の一部または全部を通信に用いることを選び得る。
本開示の実施形態が、図4に示されるように、アクセスポイントデバイスを提供する。アクセスポイントデバイスは、アクセスポイントデバイス本体と、アクセスポイントデバイス本体の外側に位置する少なくとも1つの遠隔アンテナとを含む。アクセスポイントデバイス本体は、送受信機401、プロセッサ402および全方向性アンテナ(英語では、omnidirectional antenna)403を含む。プロセッサ402は、送受信機401に接続されている。送受信機401は、無線周波数給電線を用いることにより、全方向性アンテナ403および少なくとも1つの遠隔アンテナ404に接続されている。各遠隔アンテナ404とアクセスポイントデバイス本体との間の距離は、予め設定された距離よりも長い。少なくとも1つの遠隔アンテナ404は、ナロービーム低サイドローブアンテナである。各遠隔アンテナは少なくとも1つの放射要素を含み、全方向性アンテナは少なくとも1つの放射要素を含む。プロセッサおよび送受信機は、互いに独立した構成要素であっても、統合された構成要素であってもよい。このことは、本発明の本実施形態において具体的には限定されない。この少なくとも2つの遠隔アンテナの各々とアクセスポイントデバイス本体との間の距離は、少なくとも2.5メートルであってよい。例えば、当該距離は、3メートルであっても、それより長くてもよい。
全方向性アンテナ403は、360度にわたって均一な信号伝送強度を水平方向に有し、低サイドローブアンテナより大きい信号カバレッジを有する。例えば、広範囲における全てのユーザのための送信に、ブロードキャストフレームが用いられ得る。送受信機401は、データを受信するためにのみ全方向性アンテナ403を用いるように構成される。プロセッサ402は、少なくとも1つの遠隔アンテナ404から少なくとも1つのターゲットアンテナを選択するように構成される。送受信機401はさらに、少なくとも1つのターゲットアンテナを通信に用いるように構成される。
異なる数の放射要素が、異なる領域における端末の数、ネットワーク使用状況およびデータ伝送速度などの因子に基づいて、少なくとも2つの遠隔アンテナに設置され得る。可能な実装において、少なくとも1つの遠隔アンテナ404の全てと、全方向性アンテナ403とは、同じ数の放射要素を含む。
異なる数の放射要素が、異なる領域における端末の数、ネットワーク使用状況およびデータ伝送速度などの因子に基づいて、全方向性アンテナおよび少なくとも2つの遠隔アンテナに設置され得る。別の可能な実装において、少なくとも1つの遠隔アンテナ404のうちの少なくとも2つと全方向性アンテナ403とは、異なる数の放射要素を含む。例えば、全方向性アンテナ403に含まれる放射要素の数が、遠隔アンテナに含まれる放射要素の数よりも大きくなるように設定され得る。全方向性アンテナ403の信号カバレッジは、多くの場合、遠隔アンテナの信号カバレッジよりも大きいので、全方向性アンテナ403の信号カバレッジには、より多くの端末が存在する。従って、より多くの放射要素を配置することにより、全方向性アンテナ403の信号カバレッジにおける端末のネットワーク待機時間を短縮できる。
プロセッサ402が1つのターゲットアンテナまたは全方向性アンテナを通信用に選択した場合、アクセスポイントデバイスは、SU−MIMO方式で通信を実行し得る。別の可能な実装において、プロセッサ402が1つのターゲットアンテナを選択した場合、アクセスポイントデバイスは、MU−MIMO方式で通信を実行し得る。別の可能な実装において、プロセッサ402が少なくとも2つのターゲットアンテナを通信用に選択した場合、アクセスポイントデバイスは、MU−MIMO方式で通信を実行し得る。
本実施形態において、プロセッサ402は、データ伝送要求に基づいて端末の位置を決定し、端末に最も近いターゲットアンテナをデータ送信のために用いることを選び得る。データ伝送を要求している端末の位置が変わったか、または別の位置の端末が現れた場合、プロセッサ402は、異なる遠隔アンテナをデータ送信用に選択する。
図1に示される構造のアクセスポイントデバイスが、以下の通信方法を用いることにより、通信を実行し得る。この通信方法は、当該アクセスポイントデバイスがアクセスポイントデバイスの複数の遠隔アンテナから少なくとも1つのターゲットアンテナを選択するというものであり、複数の遠隔アンテナの各々とアクセスポイントデバイスのアクセスポイントデバイス本体との間には予め設定された距離があり、各遠隔アンテナはナロービーム低サイドローブアンテナである。当該アクセスポイントデバイスは、少なくとも1つのターゲットアンテナを通信に用いる。
アクセスポイントデバイスが本開示において動作する場合のアンテナ選択の組み合わせについての理解に役立つよう、4つの遠隔アンテナ(図5および図6において401から404として示される)を有するアクセスポイントデバイスの動作プロセスを例として用いることにより、図1に示される構造のアクセスポイントデバイスを以下で説明する。
別の可能な実装において、通信を実行するための要求を端末がアクセスポイントデバイスへ送信した場合、プロセッサは、受信した要求に基づいてRSSIおよびPERを計算し、遠隔アンテナ502をターゲットアンテナとして選択する。プロセッサは、特定の数の端末に基づいて、SU−MIMO方式またはMU−MIMO方式を通信用に選択する。アクセスポイントデバイスのカバレッジが、図5における影部分に示される。この場合、遠隔アンテナ502のみが通信に用いられ、他の3つの遠隔アンテナは通信に用いられない。別の可能な実装において、通信を実行するための要求を端末がアクセスポイントデバイスへ送信した場合、プロセッサは、受信した要求に基づいてRSSIおよびPERを計算し、遠隔アンテナ502および504をターゲットアンテナとして選択する。プロセッサは、MU−MIMO方式を通信用に選択する。アクセスポイントデバイスのカバレッジが、図6における影部分に示される。この場合、遠隔アンテナ502および504のみが通信に用いられ、他の2つの遠隔アンテナは通信に用いられない。
1つの遠隔アンテナを通信に用いるプロセスおよび2つの遠隔アンテナを通信に用いるプロセスのみが、前述のプロセスにおいて提供される。実際のシナリオでは、3つまたは4つの遠隔アンテナを通信に用いるプロセスが存在し得る。このことは、本発明の本実施形態において具体的には限定されない。加えて、前述のプロセスでは、任意の遠隔アンテナが通信用に選択された場合、最も低いエネルギー消費で最高の通信品質を得るために、当該遠隔アンテナの放射要素が通信用にさらに選択され得る。
図4に示される構造のアクセスポイントデバイスが、以下の通信方法を用いることにより、通信を実行し得る。この通信方法は、アクセスポイントデバイスが、データを受信するためにのみアクセスポイントデバイスの全方向性アンテナを用いるものであり、アクセスポイントデバイスのアクセスポイントデバイス本体は、全方向性アンテナを含み、アクセスポイントデバイスはさらに、無線周波数給電線を用いることによりアクセスポイントデバイス本体に接続された複数の遠隔アンテナを含み、各遠隔アンテナとアクセスポイントデバイス本体との間の距離が、予め設定された距離よりも長く、少なくとも1つの遠隔アンテナは、ナロービーム低サイドローブアンテナである。アクセスポイントデバイスは、少なくとも1つの遠隔アンテナから少なくとも1つのターゲットアンテナを選択し、この少なくとも1つのターゲットアンテナを通信に用いる。
アクセスポイントデバイスが本開示において動作する場合のアンテナ選択の組み合わせについての理解に役立つよう、4つの遠隔アンテナ(図7および図8において701から704として示される)と1つの全方向性アンテナとを有するアクセスポイントデバイスの動作プロセスを例として用いることにより、図1に示される構造のアクセスポイントデバイスを以下で説明する。
可能な実装において、アクセスポイントデバイスがデータを端末へ送信する必要がある場合、アクセスポイントデバイスは、遠隔アンテナ702をターゲットアンテナとして選択し得る。遠隔アンテナを選択するプロセスは、データが送信される端末の位置に基づいて、当該端末に最も近い遠隔アンテナを選択することであってよい。この場合、アクセスポイントデバイスのカバレッジが、図7における影部分に示される。この場合、遠隔アンテナ702のみが通信に用いられ、他の3つの遠隔アンテナおよび全方向性アンテナは通信に用いられない。別の可能な実装において、アクセスポイントデバイスがデータを端末へ送信する必要がある場合、アクセスポイントデバイスは、遠隔アンテナ702および704をターゲットアンテナとして選択し得る。遠隔アンテナを選択するプロセスは、データが送信される端末の位置に基づいて、当該端末に最も近い遠隔アンテナを選択することであってよい。この場合、アクセスポイントデバイスのカバレッジが、図8における影部分に示される。この場合、遠隔アンテナ702および704のみが通信に用いられ、他の2つの遠隔アンテナおよび全方向性アンテナは通信に用いられない。
1つの遠隔アンテナを通信に用いるプロセスおよび2つの遠隔アンテナを通信に用いるプロセスのみが、前述のプロセスにおいて提供される。実際のシナリオでは、3つまたは4つの遠隔アンテナを通信に用いるプロセスが存在し得る。このことは、本発明の本実施形態において具体的には限定されない。加えて、前述のプロセスでは、任意の遠隔アンテナが通信用に選択された場合、最も低いエネルギー消費で最高の通信品質を得るために、当該遠隔アンテナの放射要素の一部または全部が通信用にさらに選択され得る。
別の可能な実装において、データを送信するための要求を端末がアクセスポイントデバイスへ送信した場合、アクセスポイントデバイスは、データを受信するための全方向性アンテナを選択する。アクセスポイントデバイスは、アップリンク送信を実行する端末をどの遠隔アンテナがカバーするかを判断できないので、全方向性アンテナを用いることにより受信を実行し得る。この場合、アクセスポイントのカバレッジは、図9における影部分に示される。この方式は、端末がチャネル競合を通じてアップリンク伝送をランダムに実行する方式に適用可能である。
図1におけるアクセスポイントデバイスと図4におけるアクセスポイントデバイスとは各々、遠隔アンテナを用い、当該遠隔アンテナは、全方向性アンテナよりも端末により近い。従って、伝送電力を低減でき、同一チャネル干渉も低減できる。加えて、遠隔アンテナのビームが比較的狭い(例えば、60度から90度)ので、より低いサイドローブを実現できる。従って、データが端末へ送信される場合、別の同一チャネルデバイスに対する干渉を大きく低減でき、端末により送信されたデータが受信される場合、別の同一チャネルデバイスからの干渉をより広い範囲で回避できる。
前述の実施形態において提供されるアクセスポイントデバイスは、主に、WLANにおけるデータ伝送に適用され、さらに、別のモバイルネットワーク、例えば、ロングタームエボリューション(英語では、Long Term Evolution、LTE)ネットワーク、ユニバーサル移動体通信システム(英語では、Universal Mobile Telecommunications System、UMTS)ネットワークまたはグローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(英語では、Global System for Mobile Communications、GSM(登録商標))ネットワークに適用され得る。前述のモバイルネットワークのいずれか1つにおいて、アクセスポイントデバイスは各々、モバイルネットワークにおける基地局として提供され得て、アクセスポイントデバイスの遠隔アンテナは、データの送信/受信に用いられるアンテナとして、例えば、基地局の遠隔アンテナユニットとして提供され得る。このことは、本発明の本実施形態において具体的には限定されない。
前述の任意の技術的解決手段の全ては、本開示の任意の実施形態に任意の方式で組み合わされ得て、詳細は本明細書において説明されない。
前述の説明は、本開示の特定の実装に過ぎず、本開示の保護範囲を限定することを意図していない。本開示において開示される技術的範囲内で当業者が容易に想到する任意の変形例または置換は、本開示の保護範囲に含まれるものとする。従って、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲によって決まるものとする。
本開示は、無線通信分野に関し、特に、アクセスポイントデバイスおよび通信方法に関する。
無線ローカルエリアネットワーク(英語では、wireless local area network、WLAN)システムは通常、複数のアクセスポイントデバイスを含む。各アクセスポイントデバイスは、特定の範囲をカバーし、当該範囲内の端末用の無線アクセスサービスを提供する。WLANにおける隣接するアクセスポイントデバイスは通常、異なる動作チャネル(英語では、operating channel)を用いる。しかしながら、既存の無線ローカルエリアネットワークでは、利用可能なチャネルの数が限定されており、隣接するアクセスポイントデバイスは、同じ動作チャネルを用い得る。同じ動作チャネルを用いる隣接するアクセスポイントデバイスは、互いに同一チャネル干渉を生じ、通信品質に影響を及ぼしてしまう。
本開示は、同一チャネル干渉により通信品質の低下が生じるという問題を解決するために、アクセスポイントデバイスおよび通信方法を提供する。技術的解決手段は、以下のとおりである。
第1の態様によれば、本開示は、アクセスポイントデバイスを提供する。アクセスポイントデバイスは、アクセスポイントデバイス本体と、アクセスポイントデバイス本体の外側に位置する複数の遠隔アンテナとを備え、各遠隔アンテナとアクセスポイントデバイス本体との間の距離が、予め設定された距離よりも長く、アクセスポイントデバイス本体は、送受信機およびプロセッサを有し、プロセッサは、送受信機に接続されており、送受信機は、無線周波数給電線を用いることにより、複数の遠隔アンテナに接続されており、複数の遠隔アンテナは、ナロービーム低サイドローブアンテナである。プロセッサは、複数の遠隔アンテナから少なくとも1つのターゲットアンテナを選択するように構成される。送受信機は、少なくとも1つのターゲットアンテナを通信に用いるように構成される。
アクセスポイントデバイスにおいて、ナロービーム低サイドローブアンテナが用いられ、ナロービーム低サイドローブアンテナとアクセスポイントデバイス本体との間の距離が、特定の距離に設定される。アンテナのより狭いビーム幅は、アンテナのより強い指向性を示すので、別の同一チャネルデバイスのより小さい干渉を示し、サイドローブ信号のより低い強度は、サイドローブ信号のより短い伝送距離を示すので、別の同一チャネルデバイスに対する干渉が低減されることにより、隣接するアクセスポイントデバイスが互いに同一チャネル干渉を引き起こすのを防ぐことができ、これにより通信品質が改善する。
予め設定された距離は、少なくとも2.5メートルである。例えば、予め設定された距離は、3メートルであっても、それより長くてもよい。
可能な設計において、複数の遠隔アンテナの全てが同じ数の放射要素を有するか、または、複数の遠隔アンテナのうちの少なくとも2つが異なる数の放射要素を有する。放射要素の数は、実際の要件に従って、具体的に設計され得る。当然ながら、アクセスポイントデバイスは、動作している場合、異なる通信要件に応じて、特定の遠隔アンテナの1または複数の放射要素を通信用に選択し得る。
可能な設計において、送受信機は、少なくとも2つのターゲットアンテナを用いて、マルチユーザ多入力多出力(英語では、multi user−MIMO、MU−MIMO)を通じて通信を実行するように構成される。
2つまたはそれより多くのターゲットアンテナが通信用に選択された場合、ターゲットアンテナ間の空間的距離が比較的長いことに起因して、MU−MIMO方式での空間多重化を実行する端末間の相互干渉が効果的に低減され、ネットワーク容量の改善に役立つ。1つのターゲットアンテナが通信用に選択された場合、MU−MIMO方式で通信を実行するために当該ターゲットアンテナの少なくとも2つの放射要素がさらに選択され得ることで、ネットワーク容量が改善する。
第2の態様によれば、本開示は、アクセスポイントデバイスをさらに提供する。アクセスポイントデバイスは、アクセスポイントデバイス本体と、アクセスポイントデバイス本体の外側に位置する少なくとも1つの遠隔アンテナとを備え、アクセスポイントデバイス本体は、全方向性アンテナ、送受信機およびプロセッサを有し、プロセッサは、送受信機に接続され、送受信機は、無線周波数給電線を用いることにより、全方向性アンテナおよび少なくとも1つの遠隔アンテナに接続されており、各遠隔アンテナとアクセスポイントデバイス本体との間の距離が、予め設定された距離よりも長く、少なくとも1つの遠隔アンテナは、ナロービーム低サイドローブアンテナである。送受信機は、データを受信するためにのみ全方向性アンテナを用いるように構成される。プロセッサは、少なくとも1つの遠隔アンテナから少なくとも1つのターゲットアンテナを選択するように構成される。送受信機はさらに、少なくとも1つのターゲットアンテナを通信に用いるように構成される。1つのターゲットアンテナが選択されるか、または複数のターゲットアンテナが選択されるかにかかわらず、通信がMU−MIMO方式で実行され得ることで、ネットワーク容量が改善する。
アクセスポイントデバイスにおいて、ナロービーム低サイドローブアンテナが用いられ、ナロービーム低サイドローブアンテナとアクセスポイントデバイス本体との間の距離が、特定の距離に設定される。アンテナのより狭いビーム幅は、アンテナのより強い指向性を示すので、別の同一チャネルデバイスのより小さい干渉を示し、サイドローブ信号のより低い強度は、サイドローブ信号のより短い伝送距離を示すので、別の同一チャネルデバイスに対する干渉が低減されることにより、隣接するアクセスポイントデバイスが互いに同一チャネル干渉を引き起こすのを防ぐことができ、これにより通信品質が改善する。加えて、データ受信中に全方向性アンテナが用いられ得ることにより、通信信頼性が改善され、これは、チャネル競合に基づくアップリンク伝送モードに適用可能である。
第3の態様によれば、通信方法が提供される。上記方法は、第1の態様と、第1の態様において提供される任意の可能な設計とに適用され得る。上記方法は、
アクセスポイントデバイスが、アクセスポイントデバイスの複数の遠隔アンテナから少なくとも1つのターゲットアンテナを選択する段階であって、複数の遠隔アンテナの各々とアクセスポイントデバイスのアクセスポイントデバイス本体との間には、予め設定された距離があり、各遠隔アンテナは、ナロービーム低サイドローブアンテナである、段階と、
アクセスポイントデバイスが、少なくとも1つのターゲットアンテナを通信に用いる段階と
を備える。
本開示において提供される通信方法において、ナロービーム低サイドローブアンテナが用いられ、ナロービーム低サイドローブアンテナとアクセスポイントデバイス本体との間の距離が、特定の距離に設定される。アンテナのより狭いビーム幅は、アンテナのより強い指向性を示すので、別の同一チャネルデバイスのより小さい干渉を示し、サイドローブ信号のより低い強度は、サイドローブ信号のより短い伝送距離を示すので、別の同一チャネルデバイスに対する干渉が低減されることにより、隣接するアクセスポイントデバイスが互いに同一チャネル干渉を引き起こすのを防ぐことができ、これにより通信品質が改善する。
可能な設計において、アクセスポイントデバイスが、少なくとも1つのターゲットアンテナを通信に用いる段階は、アクセスポイントデバイスが、1つのターゲットアンテナを用いて、単一ユーザ多入力多出力(英語では、single user−MIMO、SU−MIMO)方式またはMU−MIMO方式で通信を実行する段階、または、アクセスポイントデバイスが、少なくとも2つのターゲットアンテナを用いて、MU−MIMO方式で通信を実行する段階を有する。
第4の態様によれば、通信方法が提供される。上記方法は、第2の態様と、第2の態様において提供される任意の可能な設計とに適用され得る。上記方法は、アクセスポイントデバイスが、データを受信するためにのみアクセスポイントデバイスの全方向性アンテナを用いる段階であって、アクセスポイントデバイスのアクセスポイントデバイス本体が全方向性アンテナを有し、アクセスポイントデバイスは、無線周波数給電線を用いることによりアクセスポイントデバイス本体に接続された複数の遠隔アンテナをさらに備え、各遠隔アンテナとアクセスポイントデバイス本体との間の距離が、予め設定された距離よりも長く、少なくとも1つの遠隔アンテナは、ナロービーム低サイドローブアンテナである、段階と、
アクセスポイントデバイスが、少なくとも1つの遠隔アンテナから少なくとも1つのターゲットアンテナを選択し、少なくとも1つのターゲットアンテナを通信に用いる段階と
を備える。
可能な設計において、少なくとも1つのターゲットアンテナを通信に用いる段階は、少なくとも2つのターゲットアンテナを用いて、MU−MIMO方式で通信を実行する段階を有する。MU−MIMO方式は、1つのターゲットアンテナが通信に用いられるか、または、1つよりも多くのターゲットアンテナが通信に用いられるかにかかわらず用いられ得る。1つのターゲットアンテナが通信に用いられる場合、通信は、ターゲットアンテナに含まれる複数の放射要素に基づいて、SU−MIMO方式またはMU−MIMO方式で実行され得る。
本開示において提供される通信方法において、ナロービーム低サイドローブアンテナが用いられ、ナロービーム低サイドローブアンテナとアクセスポイントデバイス本体との間の距離が、特定の距離に設定される。アンテナのより狭いビーム幅は、アンテナのより強い指向性を示すので、別の同一チャネルデバイスのより小さい干渉を示し、サイドローブ信号のより低い強度は、サイドローブ信号のより短い伝送距離を示すので、別の同一チャネルデバイスに対する干渉が低減されることにより、隣接するアクセスポイントデバイスが互いに同一チャネル干渉を引き起こすのを防ぐことができ、これにより通信品質が改善する。加えて、データ受信中に全方向性アンテナが用いられ得ることにより、通信信頼性が改善され、これは、チャネル競合に基づくアップリンク伝送モードに適用可能である。
本発明の実施形態による通信システムの概略構造図である。
本発明の実施形態によるアクセスポイントデバイスの概略構造図である。
本発明の実施形態によるアクセスポイントデバイスの概略構造図である。
本発明の実施形態によるアクセスポイントデバイスの概略構造図である。
本発明の実施形態によるアクセスポイントデバイスの信号カバレッジの概略図である。
本発明の実施形態によるアクセスポイントデバイスの信号カバレッジの概略図である。
本発明の実施形態によるアクセスポイントデバイスの信号カバレッジの概略図である。
本発明の実施形態によるアクセスポイントデバイスの信号カバレッジの概略図である。
本発明の実施形態によるアクセスポイントデバイスの信号カバレッジの概略図である。
本開示の目的、技術的解決手段および利点をより明確にするために、以下では、添付図面を参照して、本開示の実装をさらに詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態による通信システムの概略構造図である。図1を参照すると、通信システムは、少なくとも1つのアクセスポイントデバイスおよび少なくとも1つの端末を含む。アクセスポイントデバイスは、端末に関連付けられており、端末用のサービスを提供し得る。端末は、携帯電話、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、コンピュータ、ウェアラブルデバイスまたは別のWLAN無線デバイスであってよい。
図2に示されるように、本発明の実施形態がアクセスポイントデバイスを提供する。アクセスポイントデバイスは、アクセスポイントデバイス本体201と、アクセスポイントデバイス本体の外側に位置する複数の遠隔アンテナ202とを含む。アクセスポイントデバイス本体は、アクセスポイントハウジングと、プロセッサ2011と、アクセスポイントハウジングの内部に設置された送受信機2012とを含む。プロセッサ2011は、送受信機2012に接続されている。送受信機2012は、無線周波数給電線(英語では、feed line)を用いることにより、複数の遠隔アンテナ202に接続されている。複数の遠隔アンテナ202は、ナロービーム(英語では、narrow beam)低サイドローブ(英語では、low side−lobe)アンテナである。各遠隔アンテナは、少なくとも1つの放射要素(英語では、radiating element)を含む。プロセッサおよび送受信機は、互いに独立した構成要素であっても、統合された構成要素であってもよい。このことは、本発明の本実施形態において具体的には限定されない。複数の遠隔アンテナの各々とアクセスポイントデバイス本体との間の距離は、少なくとも2.5メートルであってよい。例えば、当該距離は、3メートルであっても、それより長くてもよい。
図3を参照すると、送受信機2012は、送受信機チップ、スイッチコントローラ、複数の無線周波数フロントエンドモジュールおよびスイッチモジュールを含み得る。複数の無線周波数フロントエンドモジュールは、スイッチモジュールに接続されている。スイッチモジュールは、無線周波数給電線を用いることにより、複数の遠隔アンテナに接続されている。送受信機チップの入力端がプロセッサ2011に接続されており、送受信機チップは、スイッチコントローラに接続され、信号をスイッチコントローラの制御出力へ出力するように構成される。スイッチコントローラは、スイッチモジュールに接続されており、プロセッサの選択に基づいて、スイッチモジュールの出力端と遠隔アンテナとの間の接続/切断を制御するように構成される。スイッチモジュールに接続された無線周波数フロントエンドモジュールが遠隔アンテナの放射要素に接続されること、または当該放射要素から切断されることを可能にするために、スイッチモジュールは、スイッチコントローラの出力に基づいて、開いているか、または閉じている。例えば、スイッチモジュールは、閉じられる4つのスイッチが16個のスイッチから選択されるスイッチモジュールであっても、別のモデルのスイッチモジュールであってもよい。図3は、4つの遠隔アンテナが存在し、各遠隔アンテナが4つの放射要素を有する例を示しているに過ぎない。スイッチモジュールの各出力ポートが、1つの遠隔アンテナの1つの放射要素に接続されている。
送受信機チップは、複数の無線周波数フロントエンドモジュールに接続されており、これにより、プロセッサの出力が、送受信機チップを用いることにより無線周波数信号に変換され得て、次に、無線周波数信号が、無線周波数フロントエンドモジュールを用いることにより、伝送のために遠隔アンテナへ出力される。無線周波数フロントエンドモジュールについてであるが、無線周波数フロントエンドモジュールは、送受信機チップにより出力される無線周波数信号を受信する場合には、データ送信状態であり、遠隔アンテナから無線周波数信号を受信する場合には、データ受信状態である。
プロセッサ2011は、複数の遠隔アンテナ202から少なくとも1つのターゲットアンテナを選択するように構成され、送受信機2012は、少なくとも1つのターゲットアンテナを通信に用いるように構成される。例えば、アクセスポイントデバイスが、特定の遠隔アンテナを用いることにより、ある端末により送信されるデータ伝送要求を受信した場合、プロセッサ2011は、データ伝送要求に基づいて受信信号強度インジケータ(英語では、receive signal strength indicator、RSSI)およびパケットエラー率(英語では、packet error ratio、PER)を計算することで、当該端末の位置を決定し得て、次に、当該端末に最も近い遠隔アンテナが、当該遠隔アンテナに対応する無線周波数フロントエンドモジュールに接続される。送受信機2012は、選択された遠隔アンテナの放射要素を用いることにより、当該端末と通信する。
ナロービーム低サイドローブアンテナは、比較的狭いビーム幅および比較的低いサイドローブ信号強度を有するアンテナである。このアンテナのビーム幅は、メインローブの幅であり、通常、電力半値幅(英語では、half power beam width、HPBW)であってよい。電力半値幅は、主ローブ幅または3dBローブ幅とも称され、メインローブの端部での電界強度が最大値の半分に低減されるときの2つの地点の間の角度である。アンテナのより狭いビーム幅は、アンテナのより強い指向性を示すので、別の同一チャネルデバイスに対するより低い干渉を示す。サイドローブ信号のより低い強度は、サイドローブ信号のより短い伝送距離を示すので、別の同一チャネルデバイスに対する干渉が低減される。
ナロービーム低サイドローブアンテナは、小さい信号カバレッジを有するので、単一のアクセスポイントデバイスの信号カバレッジを拡大するために、複数の遠隔アンテナが、信号強度またはカバレッジエリアなどの性能要件に従って、アクセスポイントデバイスに配置され得る。アクセスポイントデバイスのカバレッジに比較的多数の端末が存在し、MU−MIMO方式が通信に用いられる場合、同一チャネル干渉を低減でき、さらに、MU−MIMO方式を用いる利点をより広い範囲に及ぼすことができることにより、WLANのネットワーク容量が改善される。
可能な実装において、複数の遠隔アンテナ202の全てが、同じ数の放射要素を含む。この場合、アクセスポイントデバイスの遠隔アンテナの全てが、同じカバレッジ能力を有する。
別の可能な実装において、異なる数の放射要素が、異なる領域における端末の数、ネットワーク使用状況およびデータ伝送速度などの因子に基づいて、複数の遠隔アンテナに設置され得る。複数の遠隔アンテナ202のうちの少なくとも2つが、異なる数の放射要素を含む。異なる数の放射要素が、領域の異なる人口密度またはネットワーク使用状況に基づいて、アクセスポイントデバイスの信号カバレッジにおける異なるアンテナに設置され得ることにより、異なる領域が異なる無線信号カバレッジ状況を有し、無線リソースがより適切に割り当てられる。
可能な実装において、プロセッサ2011は、複数の遠隔アンテナ202から1つのターゲットアンテナを選択するように構成され、送受信機2012は、ターゲットアンテナを通信に用いるように構成される。例えば、アクセスポイントデバイスが2つの遠隔アンテナを有し、ただ1つの遠隔アンテナのカバレッジにおける端末が特定の時点で通信を実行する必要がある場合、プロセッサは、当該遠隔アンテナをターゲットアンテナとして選択し、送受信機は、ターゲットアンテナを用いることにより当該端末と通信し、他の遠隔アンテナは、データ伝送には用いられない。当該通信は、SU−MIMO方式またはMU−MIMO方式で実行され得る。
別の可能な実装において、プロセッサ2011は、複数の遠隔アンテナ202から少なくとも1つのターゲットアンテナを選択するように構成され、送受信機2012は、この少なくとも1つのターゲットアンテナを用いて、MU−MIMO方式で通信を実行するように構成される。異なる遠隔アンテナのカバレッジにおける端末が、空間内で互いに比較的遠く離れている。従って、これらの端末が同じ周波数で同時に通信を実行した場合、これらの端末の信号間には、比較的小さい干渉が生じる。プロセッサ2011が少なくとも2つのターゲットアンテナを選択した場合、送受信機2012は、これら少なくとも2つのターゲットアンテナを用いて、MU−MIMO方式で通信を実行するように構成される。プロセッサ2011が1つのターゲットアンテナを選択した場合、送受信機201は、当該ターゲットアンテナに含まれる放射要素の一部または全部を用いて、MU−MIMO方式で通信を実行するように構成される。
本実施形態において、プロセッサ2011は、データ伝送要求に基づいて端末の位置を決定し、端末に最も近いターゲットアンテナをデータ伝送に用いることを選び得る。データ伝送を要求している端末の位置が変わったか、または別の位置の端末が現れた場合、プロセッサ2011は、実際の通信要件に従って、異なる遠隔アンテナを通信に用い得る。当然ながら、プロセッサ2011は、代替的に、実際の通信要件に従って、ターゲットアンテナの放射要素の一部または全部を通信に用いることを選び得る。
本開示の実施形態が、図4に示されるように、アクセスポイントデバイスを提供する。アクセスポイントデバイスは、アクセスポイントデバイス本体と、アクセスポイントデバイス本体の外側に位置する少なくとも1つの遠隔アンテナとを含む。アクセスポイントデバイス本体は、送受信機401、プロセッサ402および全方向性アンテナ(英語では、omnidirectional antenna)403を含む。プロセッサ402は、送受信機401に接続されている。送受信機401は、無線周波数給電線を用いることにより、全方向性アンテナ403および少なくとも1つの遠隔アンテナ404に接続されている。各遠隔アンテナ404とアクセスポイントデバイス本体との間の距離は、予め設定された距離よりも長い。少なくとも1つの遠隔アンテナ404は、ナロービーム低サイドローブアンテナである。各遠隔アンテナは少なくとも1つの放射要素を含み、全方向性アンテナは少なくとも1つの放射要素を含む。プロセッサおよび送受信機は、互いに独立した構成要素であっても、統合された構成要素であってもよい。このことは、本発明の本実施形態において具体的には限定されない。この少なくとも1つの遠隔アンテナの各々とアクセスポイントデバイス本体との間の距離は、少なくとも2.5メートルであってよい。例えば、当該距離は、3メートルであっても、それより長くてもよい。
全方向性アンテナ403は、360度にわたって均一な信号伝送強度を水平方向に有し、低サイドローブアンテナより大きい信号カバレッジを有する。例えば、広範囲における全てのユーザのための送信に、ブロードキャストフレームが用いられ得る。送受信機401は、データを受信するためにのみ全方向性アンテナ403を用いるように構成される。プロセッサ402は、少なくとも1つの遠隔アンテナ404から少なくとも1つのターゲットアンテナを選択するように構成される。送受信機401はさらに、少なくとも1つのターゲットアンテナを通信に用いるように構成される。
異なる数の放射要素が、異なる領域における端末の数、ネットワーク使用状況およびデータ伝送速度などの因子に基づいて、少なくとも2つの遠隔アンテナに設置され得る。可能な実装において、少なくとも1つの遠隔アンテナ404の全てと、全方向性アンテナ403とは、同じ数の放射要素を含む。
異なる数の放射要素が、異なる領域における端末の数、ネットワーク使用状況およびデータ伝送速度などの因子に基づいて、全方向性アンテナおよび少なくとも2つの遠隔アンテナに設置され得る。別の可能な実装において、少なくとも1つの遠隔アンテナ404のうちの少なくとも2つと全方向性アンテナ403とは、異なる数の放射要素を含む。例えば、全方向性アンテナ403に含まれる放射要素の数が、遠隔アンテナに含まれる放射要素の数よりも大きくなるように設定され得る。全方向性アンテナ403の信号カバレッジは、多くの場合、遠隔アンテナの信号カバレッジよりも大きいので、全方向性アンテナ403の信号カバレッジには、より多くの端末が存在する。従って、より多くの放射要素を配置することにより、全方向性アンテナ403の信号カバレッジにおける端末のネットワーク待機時間を短縮できる。
プロセッサ402が1つのターゲットアンテナまたは全方向性アンテナを通信用に選択した場合、アクセスポイントデバイスは、SU−MIMO方式で通信を実行し得る。別の可能な実装において、プロセッサ402が1つのターゲットアンテナを選択した場合、アクセスポイントデバイスは、MU−MIMO方式で通信を実行し得る。別の可能な実装において、プロセッサ402が少なくとも2つのターゲットアンテナを通信用に選択した場合、アクセスポイントデバイスは、MU−MIMO方式で通信を実行し得る。
本実施形態において、プロセッサ402は、データ伝送要求に基づいて端末の位置を決定し、端末に最も近いターゲットアンテナをデータ送信のために用いることを選び得る。データ伝送を要求している端末の位置が変わったか、または別の位置の端末が現れた場合、プロセッサ402は、異なる遠隔アンテナをデータ送信用に選択する。
図2に示される構造のアクセスポイントデバイスが、以下の通信方法を用いることにより、通信を実行し得る。この通信方法は、当該アクセスポイントデバイスがアクセスポイントデバイスの複数の遠隔アンテナから少なくとも1つのターゲットアンテナを選択するというものであり、複数の遠隔アンテナの各々とアクセスポイントデバイスのアクセスポイントデバイス本体との間には予め設定された距離があり、各遠隔アンテナはナロービーム低サイドローブアンテナである。当該アクセスポイントデバイスは、少なくとも1つのターゲットアンテナを通信に用いる。
アクセスポイントデバイスが本開示において動作する場合のアンテナ選択の組み合わせについての理解に役立つよう、4つの遠隔アンテナ(図5および図6において501から504として示される)を有するアクセスポイントデバイスの動作プロセスを例として用いることにより、図1に示される構造のアクセスポイントデバイスを以下で説明する。
別の可能な実装において、通信を実行するための要求を端末がアクセスポイントデバイスへ送信した場合、プロセッサは、受信した要求に基づいてRSSIおよびPERを計算し、遠隔アンテナ502をターゲットアンテナとして選択する。プロセッサは、特定の数の端末に基づいて、SU−MIMO方式またはMU−MIMO方式を通信用に選択する。アクセスポイントデバイスのカバレッジが、図5における影部分に示される。この場合、遠隔アンテナ502のみが通信に用いられ、他の3つの遠隔アンテナは通信に用いられない。別の可能な実装において、通信を実行するための要求を端末がアクセスポイントデバイスへ送信した場合、プロセッサは、受信した要求に基づいてRSSIおよびPERを計算し、遠隔アンテナ502および504をターゲットアンテナとして選択する。プロセッサは、MU−MIMO方式を通信用に選択する。アクセスポイントデバイスのカバレッジが、図6における影部分に示される。この場合、遠隔アンテナ502および504のみが通信に用いられ、他の2つの遠隔アンテナは通信に用いられない。
1つの遠隔アンテナを通信に用いるプロセスおよび2つの遠隔アンテナを通信に用いるプロセスのみが、前述のプロセスにおいて提供される。実際のシナリオでは、3つまたは4つの遠隔アンテナを通信に用いるプロセスが存在し得る。このことは、本発明の本実施形態において具体的には限定されない。加えて、前述のプロセスでは、任意の遠隔アンテナが通信用に選択された場合、最も低いエネルギー消費で最高の通信品質を得るために、当該遠隔アンテナの放射要素が通信用にさらに選択され得る。
図4に示される構造のアクセスポイントデバイスが、以下の通信方法を用いることにより、通信を実行し得る。この通信方法は、アクセスポイントデバイスが、データを受信するためにのみアクセスポイントデバイスの全方向性アンテナを用いるものであり、アクセスポイントデバイスのアクセスポイントデバイス本体は、全方向性アンテナを含み、アクセスポイントデバイスはさらに、無線周波数給電線を用いることによりアクセスポイントデバイス本体に接続された複数の遠隔アンテナを含み、各遠隔アンテナとアクセスポイントデバイス本体との間の距離が、予め設定された距離よりも長く、少なくとも1つの遠隔アンテナは、ナロービーム低サイドローブアンテナである。アクセスポイントデバイスは、少なくとも1つの遠隔アンテナから少なくとも1つのターゲットアンテナを選択し、この少なくとも1つのターゲットアンテナを通信に用いる。
アクセスポイントデバイスが本開示において動作する場合のアンテナ選択の組み合わせについての理解に役立つよう、4つの遠隔アンテナ(図7および図8において701から704として示される)と1つの全方向性アンテナとを有するアクセスポイントデバイスの動作プロセスを例として用いることにより、図4に示される構造のアクセスポイントデバイスを以下で説明する。
可能な実装において、アクセスポイントデバイスがデータを端末へ送信する必要がある場合、アクセスポイントデバイスは、遠隔アンテナ702をターゲットアンテナとして選択し得る。遠隔アンテナを選択するプロセスは、データが送信される端末の位置に基づいて、当該端末に最も近い遠隔アンテナを選択することであってよい。この場合、アクセスポイントデバイスのカバレッジが、図7における影部分に示される。この場合、遠隔アンテナ702のみが通信に用いられ、他の3つの遠隔アンテナおよび全方向性アンテナは通信に用いられない。別の可能な実装において、アクセスポイントデバイスがデータを端末へ送信する必要がある場合、アクセスポイントデバイスは、遠隔アンテナ702および704をターゲットアンテナとして選択し得る。遠隔アンテナを選択するプロセスは、データが送信される端末の位置に基づいて、当該端末に最も近い遠隔アンテナを選択することであってよい。この場合、アクセスポイントデバイスのカバレッジが、図8における影部分に示される。この場合、遠隔アンテナ702および704のみが通信に用いられ、他の2つの遠隔アンテナおよび全方向性アンテナは通信に用いられない。
1つの遠隔アンテナを通信に用いるプロセスおよび2つの遠隔アンテナを通信に用いるプロセスのみが、前述のプロセスにおいて提供される。実際のシナリオでは、3つまたは4つの遠隔アンテナを通信に用いるプロセスが存在し得る。このことは、本発明の本実施形態において具体的には限定されない。加えて、前述のプロセスでは、任意の遠隔アンテナが通信用に選択された場合、最も低いエネルギー消費で最高の通信品質を得るために、当該遠隔アンテナの放射要素の一部または全部が通信用にさらに選択され得る。
別の可能な実装において、データを送信するための要求を端末がアクセスポイントデバイスへ送信した場合、アクセスポイントデバイスは、データを受信するための全方向性アンテナを選択する。アクセスポイントデバイスは、アップリンク送信を実行する端末をどの遠隔アンテナがカバーするかを判断できないので、全方向性アンテナを用いることにより受信を実行し得る。この場合、アクセスポイントデバイスのカバレッジは、図9における影部分に示される。この方式は、端末がチャネル競合を通じてアップリンク伝送をランダムに実行する方式に適用可能である。
図1におけるアクセスポイントデバイスと図4におけるアクセスポイントデバイスとは各々、遠隔アンテナを用い、当該遠隔アンテナは、全方向性アンテナよりも端末により近い。従って、伝送電力を低減でき、同一チャネル干渉も低減できる。加えて、遠隔アンテナのビームが比較的狭い(例えば、60度から90度)ので、より低いサイドローブを実現できる。従って、データが端末へ送信される場合、別の同一チャネルデバイスに対する干渉を大きく低減でき、端末により送信されたデータが受信される場合、別の同一チャネルデバイスからの干渉をより広い範囲で回避できる。
前述の実施形態において提供されるアクセスポイントデバイスは、主に、WLANにおけるデータ伝送に適用され、さらに、別のモバイルネットワーク、例えば、ロングタームエボリューション(英語では、Long Term Evolution、LTE)ネットワーク、ユニバーサル移動体通信システム(英語では、Universal Mobile Telecommunications System、UMTS)ネットワークまたはグローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(英語では、Global System for Mobile Communications、GSM(登録商標))ネットワークに適用され得る。前述のモバイルネットワークのいずれか1つにおいて、アクセスポイントデバイスは各々、モバイルネットワークにおける基地局として提供され得て、アクセスポイントデバイスの遠隔アンテナは、データの送信/受信に用いられるアンテナとして、例えば、基地局の遠隔アンテナユニットとして提供され得る。このことは、本発明の本実施形態において具体的には限定されない。
前述の任意の技術的解決手段の全ては、本開示の任意の実施形態に任意の方式で組み合わされ得て、詳細は本明細書において説明されない。
前述の説明は、本開示の特定の実装に過ぎず、本開示の保護範囲を限定することを意図していない。本開示において開示される技術的範囲内で当業者が容易に想到する任意の変形例または置換は、本開示の保護範囲に含まれるものとする。従って、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲によって決まるものとする。