JP2020534283A - システインプロテアーゼのタンパク質阻害剤を介した自然転移の阻害 - Google Patents
システインプロテアーゼのタンパク質阻害剤を介した自然転移の阻害 Download PDFInfo
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Abstract
固形腫瘍の播種および転移の素因になる2つの別個の生物学的機序を記載する。無傷の皮膚を通じた、1型シスタチンなどの治療剤の局所および経皮投与を介した転移性病巣の処置は、細胞外マトリクスのリソソームのシステインカテプシンタンパク質分解酵素分解の阻害を対象とする。【選択図】図1
Description
本願は、癌治療および、より具体的にはシステインプロテアーゼのタンパク質阻害剤の局所および経皮投与による、自然転移、腫瘍細胞浸潤およびリンパ節コロニー形成の阻害の分野である。
関連出願に対する相互参照
本願は、全て参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる、Bruce Sandによる「Inhibition of Spontaneous Metastasis via Protein Inhibitors of Cysteine Proteases」という題名で2017年9月15日出願の米国特許仮出願第62/559,360号、「Methods and Formulations For Transdermal Administration Of Buffering Agents」という題名で2018年9月14日出願の米国特許出願公開第16/132,358号および「Methods of Administration and Treatment」という題名で2018年9月14日出願の国際公開第PCT/US18/51250号に関する。
本願は、全て参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる、Bruce Sandによる「Inhibition of Spontaneous Metastasis via Protein Inhibitors of Cysteine Proteases」という題名で2017年9月15日出願の米国特許仮出願第62/559,360号、「Methods and Formulations For Transdermal Administration Of Buffering Agents」という題名で2018年9月14日出願の米国特許出願公開第16/132,358号および「Methods of Administration and Treatment」という題名で2018年9月14日出願の国際公開第PCT/US18/51250号に関する。
次の記載は、本発明を理解する際に有用であり得る情報を含む。本明細書中で提供される情報の何れも、本明細書に記載されるかもしくは主張される発明に対する先行技術または関連物であること、または具体的にもしくは明確に参照される刊行物または書類の何れも、先行技術であることを受け入れるものではない。
転移性疾患への進行は、治療的に転移性病巣を標的とするための多大な努力にもかかわらず、癌患者に対する最大死亡率であり続けている。原発腫瘍における微小環境のアシドーシスは、転移増加につながる細胞運動性および侵襲性を向上させる。この仮説によると、酸素存在下と断続的な低酸素中の両方で、解糖の結果として酸性化が起こり、それにより、周囲の正常な間質において毒性を生じさせ、それによって腫瘍細胞増殖および浸潤のための空き空間が設けられる。
これらの因子は高濃度の細胞外乳酸につながり、これは正常細胞および癌細胞に対して毒性であり得る。多くの癌細胞は、pHが酸性である場合にその生存および増殖を可能にする酸耐性表現型を獲得する。
インビボ研究から、固形腫瘍が酸を周囲の実質に分泌することが示されている。転移能促進は、いくつかの転移促進マトリクス分解タンパク質分解酵素、血管新生促進因子および抗アポトーシス性タンパク質の低酸素誘導性上方制御により引き起こされることが明らかになっている。タンパク質分解酵素には、マトリクスメタロプロテイナーゼ−2(MMP−2)およびマトリクスメタロプロテイナーゼ−9(MMP−9)、ならびにリソソームシステインプロテアーゼ、例えば、酸誘導性リソソーム代謝回転から生じ得るカテプシンB、DまたはLなど、およびヒアルロン酸受容体CD44を伴うヒアルロニダーゼがある。
プロテアーゼは、長い間、癌を含め、過剰なタンパク質分解が関与する多くの疾患徴候における治療標的とみなされてきた。実際に、以前は、製薬業界と学術研究機関の両方で、癌におけるプロテアーゼの主要なクラス:マトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)の阻害に照準を合わせて多大な努力が重ねられてきた。1990年代後半のMMP阻害剤の臨床での失敗が多くの薬物プログラムの終結につながった。
必要とされているものは、癌と関連がある増殖性障害を処置するのに有効であるプロテアーゼ阻害剤の新しい処方物および投与方法である。本明細書中の様々な実施形態に記載の本発明はこの要求を満たす。
本明細書中に記載され、開示される発明は、本発明の概要で示されるかまたは記載されるかまたは言及されるものを含むが、これらに限定されない多くの特質および実施形態を有する。本明細書中に記載され、開示される発明は、本発明の概要で特定される特性もしくは実施形態に限定されず、またはそれらによって限定されず、これは、単なる例示目的で含まれるものであり、制限するものではない。
出願者らは、緩衝液および他の抗転移剤の静脈内並びに経口投与の欠点は、これらの薬剤を局所的におよび/または経皮的に投与することによって克服し得ることを見出したが、例えば鼻腔内投与、または膜貫通投与を介して、例えば坐剤によるもの、または鼻腔内適用を含め、他のタイプの投与が可能である。
したがって、一態様において、患者において癌と関連する増殖性障害を処置する方法が提供される。いくつかの実施形態において、本方法は、それを必要とする患者に、i)1つ以上のプロテアーゼ阻害剤およびii)1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物の有効量を投与することを含み、前記投与は、i)腫瘍もしくは癌細胞の転移を阻害または予防する、ii)腫瘍もしくは腫瘍細胞の成長を阻害または予防する、iii)発癌を阻害または予防する、iv)腫瘍細胞の血管内異物侵入を阻害または予防する、またはv)寛解の持続時間を改善もしくは延長させるか、または癌もしくは腫瘍の寛解を維持するのに有効である。
一態様において、プロテアーゼ阻害剤が経皮投与される。別の態様において、プロテアーゼ阻害剤が1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物と同時投与される。別の態様において、プロテアーゼ阻害剤が、1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物とともに処方される。
別の態様において、プロテアーゼ阻害剤が、経口で、非経口でまたは経皮ではない別の投与経路を通じて投与される。
別の態様において、プロテアーゼ阻害剤は、増殖性障害を処置するために投与され、腫瘍もしくは癌細胞の転移を阻害または予防する。別の態様において、腫瘍または癌細胞の成長を予防するために、プロテアーゼ阻害剤が投与される。別の態様において、発癌を阻害または予防するために、プロテアーゼ阻害剤が投与される。別の態様において、腫瘍細胞の血管内異物侵入を予防するために、プロテアーゼ阻害剤が投与される。別の態様において、寛解の持続時間を改善もしくは延長させるため、または癌もしくは腫瘍の寛解を維持するために、プロテアーゼ阻害剤が投与される。
別の態様において、腫瘍の転移を阻害または予防する方法であって、i)1つ以上のプロテアーゼ阻害剤およびii)1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物の有効量をそれを必要とする患者に投与することを含む方法が提供され、前記投与は、腫瘍もしくは癌細胞の転移を阻害または予防するのに有効である。
別の態様において、寛解の持続時間を改善、延長するまたは癌もしくは腫瘍の寛解を維持する方法であって、i)1つ以上のプロテアーゼ阻害剤およびii)1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物の有効量をそれを必要とする患者に投与することを含む方法が提供され、前記投与は、寛解の持続時間を改善もしくは延長させるか、または癌もしくは腫瘍の寛解を維持するのに有効である。
特定の実施形態において、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物は、約10〜56%w/wの量の炭酸塩を含む緩衝剤;約5〜55%w/wの量の浸透部分;少なくとも1%w/wの量の界面活性剤部分を含み;本処方物は、0%w/w〜70%w/wの量の水を含み、本処方物は、場合によっては約12%w/w未満の量のレシチンを含む。他の実施形態において、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物は、約10〜56%w/wの量の少なくとも1つの炭酸塩、リジン、トリス、リン酸緩衝液および/もしくは2−イミダゾール−1−イル−3−エトキシカルボニルプロピオン酸(IEPA)、またはそれらの組み合わせ;並びに約44〜90%w/wの量の浸透部分を含む緩衝剤を含み、この浸透部分は約85%w/w未満の量の水を含み、本処方物は約12%w/w未満のレシチンを含む。これらの実施形態の何れかは、本処方物の約7〜56%w/wの量の炭酸塩を含み得る。
別の態様において、化学療法剤または免疫療法剤は、1つ以上のプロテアーゼ阻害剤および/または本明細書中で提供される1つ以上の緩衝処方物と同時投与される。
次の発明は、明細書、添付の特許請求の範囲および添付の図面を参照してより良好に理解される。
本明細書中に記載の実施は、別段の指示がない限り、当技術分野の技術の範囲内である、組織培養、免疫学、分子生物学、微生物学、細胞生物学および組み換えDNAの従来技術を使用する。例えば、HarlowおよびLane編(1999)Antibodies, A Laboratory ManualおよびHerzenbergら編(1996)Weir’s Handbook of Experimental Immunologyを参照されたい。
範囲を含む全ての数字表示、例えばpH、温度、時間、濃度および分子量は、当技術分野での通常の実施に従い、概数として理解されるべきである。本明細書中で使用される場合、「約」という用語は、内容から判断して適切な場合、述べられる量の変動(+)または(−)1%、5%または10%を示唆し得る。必ずしも明示的に述べられるものではないが、本明細書中に記載の試薬は単なる代表であり、このようなものの同等物は当技術分野で公知であることを理解されたい。
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」および「その(the)」は、内容からの別段の明らかな指示がない限り、複数形への言及を含む。例えば、「薬学的に許容可能な担体」という用語は、その混合物を含め、複数の薬学的に許容可能な担体を含む。一方で、「1つ(one)」は単数を指す。
本明細書中で使用される場合、「含む(comprising)」という用語は、本組成物および方法が列挙される要素を含むが、他の列挙されない要素を排除しないことを意味するものとする。「基本的にからなる(consisting essentially of)」は、組成物および方法を定義するために使用される場合、組成物および/または方法の基本的性質を変化させる他の要素を排除するが、他の列挙されない要素を排除しない。したがって、基本的に本明細書中で定義されるような要素からなる組成物は、何らかの単離および精製方法またはリン酸緩衝食塩水、および保存剤などの薬学的に許容可能な担体からの夾雑物など、微量の要素を排除しないが、さらなる未指定のアミノ酸を排除する。「からなる」は、本明細書中に記載の組成物を投与するための、他の成分の微量要素および実質的な方法の工程を超えるものを排除する。これらの移行句のそれぞれにより定義される実施形態は、本開示およびそこで具体化される発明の範囲内である。
上記のように、本発明の一態様は、固形腫瘍およびメラノーマを含む腫瘍細胞の身近な環境の緩衝をもたらす薬剤を含む抗転移剤の局所投与を含む非全身性非経口投与による癌腫瘤の減少を含め、癌成長および転移を阻害するための方法である。筋肉内、腹腔内または皮下投与などの非全身性非経口投与の場合、標準的処方物は十分である。これらの処方物は、標準的な賦形剤および抗酸化剤などの他の補助成分、および適切な塩濃度など分を含む。このような処方物は、例えば、様々なタイプの投与についての標準的参考文献であるレミントンの薬学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)(第13版),Mack Publishing Company,Easton,PAで見出され得る。本明細書中で使用される場合、「処方物(複数可)」という用語は、少なくとも1つの活性成分と、独立に活性または不活性であり得る、一般的に賦形剤とも呼ばれる1つ以上の他の成分との組み合わせを意味する。「処方物」という用語は、ヒトまたは動物への投与のための、薬学的に許容可能な組成物を指してもよいし、または指さなくてもよく、保管または研究目的に有用な中間体である組成物を含み得る。一実施形態において、ヒトまたは動物への投与は、限定されないが、局所、舌下、直腸、膣、経皮性(transdermal)、経皮的(transcutaneous)、経口、吸入、鼻腔内、肺、皮下、肺、静脈内、腸内または非経口投与を含み得る。本明細書中で提供される方法のための活性物質の経皮投与に適切な局所処方物は、その全体が参照により本明細書中に組み込まれる、Sand B.らのU.S.S.N.14,757,703に記載されている。適切な浸透剤は、例えばPCT公開WO 2016/105499および国際公開WO 2017/127834に記載されている。
本発明の方法の患者および対象は、ヒトに加えて獣医学の対象であるので、これらの対象に適切な処方物も適する。このような対象としては、家畜およびペットならびにウマ、およびグレイハウンドなどのスポーツ用動物が含まれる。
一実施形態において、「医薬組成物」は、限定されないが、インビトロ、インビボまたはエクスビボでの、診断または治療用途に適切な滅菌組成物中の、活性剤と不活性または活性のある担体との組み合わせを含むものとする。一態様において、本医薬組成物は、実質的にエンドトキシン不含であるか、または使用される投与量または濃度でレシピエントに対して無毒性である。
一実施形態において、「有効量」は、限定されないが、所望の化学組成物または所望の生物学的および/または治療結果を達成するのに十分な定められる構成成分の量を指す。一実施形態において、その結果は、所望のpHまたは化学もしくは生物学的特徴、例えば処方物の安定性であり得る。他の実施形態において、所望の結果は、疾患の徴候、症状、もしくは原因の軽減または緩和であるか、または生体系の何れかの他の所望の変化である。所望の結果が治療応答である場合、有効量は、限定されないが、処置もしくは軽減すべき具体的な疾患または症状、処置すべき対象の年齢、性別および体重、処方物の投与レジメン、疾患状態の重症度、ならびに投与方式などに依存して変化し、これらは全て、当業者により容易に決定され得る。所望の効果は、必ずしも治療的なものではなく、特に本明細書中に記載の皮膚の障害のための処置についての美容効果でもあり得る。
一実施形態において、診断または処置の「対象」は、限定されないが、原核もしくは真核細胞、組織培養物、組織または動物、例えばヒトを含む哺乳動物である。診断または処置される非ヒト動物対象としては、例えば、限定されないが、サル、マウス、イヌ、ウサギなどのウサギ科、家畜、スポーツ用動物、およびペットが含まれる。
一実施形態において、本明細書中で使用される場合、「処置する(treating)」、および「処置(treatment)」などの用語は、限定されないが、所望の薬理学的および/または生理学的効果を得ることを意味するために本明細書中で使用される。この効果は、完全に、または部分的に、その障害もしくは徴候もしくは症状を防ぐ点で予防的であり得、かつ/または疾患もしくは感染症の症状の緩和、または障害および/もしくはその障害に起因する悪影響の部分的または完全な治癒という点で治療的であり得る。
プロテアーゼおよびその阻害剤
システインカテプシンは、不活性な前駆体として合成され、これらが、リソソームの酸性環境で通常は活性化され、それらは、末端バルクタンパク質分解を媒介する細胞内プロテアーゼとして主に機能する。さらに、これらの癌の一部において、システインカテプシン発現または活性の変化は、診断または予後的な価値を有する。システインカテプシンが特異的に癌に関与する点で、システインカテプシンBおよびLが最も集中的に調べられてきた。
システインカテプシンは、不活性な前駆体として合成され、これらが、リソソームの酸性環境で通常は活性化され、それらは、末端バルクタンパク質分解を媒介する細胞内プロテアーゼとして主に機能する。さらに、これらの癌の一部において、システインカテプシン発現または活性の変化は、診断または予後的な価値を有する。システインカテプシンが特異的に癌に関与する点で、システインカテプシンBおよびLが最も集中的に調べられてきた。
正常細胞において、システインカテプシンは通常、細胞形質膜におけるリソソーム区画に位置するが、癌進行中は、それらは、細胞表面に移動し、そこから細胞外環境に分泌され得る。さらに、腫瘍の細胞外微小環境が酸性であるので、システインカテプシンプロテアーゼは、依然としてリソソームの外側で機能し得る。細胞に侵入しない低分子阻害剤は、細胞表面または分泌されたシステインカテプシンを標的とすることにより強力な効果を有し得るが、接触のない正常細胞において細胞内システインカテプシンを残し、それにより毒性を最小化するので、この細胞局在の変化は、システインカテプシン阻害剤の治療効果に重要な意義を有する。
転移癌におけるカテプシンBのアッセイから、培地に分泌されるこのプロテアーゼの活性が4倍まで上昇したことが明らかになった。したがって、腫瘍の酸性pHは、細胞外マトリクス(ECM)代謝回転に関与するカテプシン放出を誘導し得ると思われる。
少なくとも、2つの細胞株;MDB−MB−231(ヒト乳腺癌)およびPC−3M(前立腺の腺癌)における転移は、酸性微小環境を中和するための緩衝療法によって効果的に阻害される。しかし、出願者は、B16−F10(マウスメラノーマ)およびLL/2細胞(マウス肺癌)が同じ治療剤に耐性であったことを知って驚愕した。これらの知見は、緩衝化が一般に効果的ではないので、耐性および感受性株が異なる転移機序;pH非依存性であるものおよびpH依存性であるものを利用し得るという認識に結び付いている。代謝プロファイリングによって、緩衝化耐性細胞は、プロテアーゼ活性がより低く、pH依存性である感受性株と比較して、pH非依存的にさらにより活発にプロテアーゼを発現していることが確認される。酸性pHである結果、感受性細胞において形態変化が起こり、一方で耐性細胞は影響がないままである。
感受性細胞は、プロテアーゼを活性化し、それらの微小環境を酸性化することによってそれらの形態を変化させ、それは緩衝療法により阻害され得ると思われる。しかし、耐性細胞は、構成的に活性のあるプロテアーゼの放出を有し、構成的分泌によって、外部因子またはシグナルにかかわらず、タンパク質が細胞から連続的に分泌される。耐性細胞はまた、かなり小さく、エネルギーの少ない解糖の表現型を有し、この両方によって転移中により迅速な血管外漏出が可能となり得ることが示されている。
この新事実に基づいて、カテプシンB、DまたはLなどのリソソームシステインプロテアーゼ、および固形腫瘍の転移へのそれらの関係の徹底的な研究が行われてきた。システインカテプシンは、僅かに酸性のpHで至適活性であり、中性pHでは殆ど不安定である。強いエラスチン分解活性およびコラーゲン分解活性を有するカテプシンが、細胞外マトリクス(ECM)のリモデリングに主に関与し、それにより癌転移が起こり易くなることが知られている。
現在、カテプシンが、腫瘍進行および浸潤の両方において重要な役割があることが明らかである。カテプシンBは具体的に、最初に、約30年前に癌と結び付けられ、いくつかの異なるタイプの腫瘍において癌進行および/または活性と関連があることが示されている。さらに、カテプシン発現のレベルは、癌患者に対して予後が悪いことと正の相関がある。このように、カテプシンB、Lおよびその他は、腫瘍細胞の遊走および浸潤を促進することが示されている。腫瘍微小環境におけるECM分解およびリモデリングと関連するそれらの周知の機能に加えて、カテプシンは、タンパク質分解カスケードの活性化に関与することが明らかになっている。
システインカテプシンのタンパク質分解活性がそれらの内因性タンパク質阻害剤、ステフィン、シスタチンおよびセルピンにより制御されるという事実により、別のレベルの複雑性が導入される。異なるタイプの癌におけるより高レベルのカテプシン阻害剤は、癌患者の好ましい予後と相関することが分かった。この新事実によって、本発明の基礎が生み出された。
癌状態は、現在、その微小環境の産物として見られる。したがって、腫瘍微小環境の標的化を可能にする新しい技術は、癌予防および介入への効率的なアプローチを表す。実際に、腫瘍、それらの微小環境、およびマトリクス分解システインカテプシンプロテアーゼの標的化を可能にする、新規の、方向性を持った薬物送達系の開発により、このような技術が最近提供された。
タンパク質分解は、浸潤性および転移性癌の発症におけるいくつかのステージに必要であるという発明者らの認識は、重要な腫瘍促進プロテアーゼを明解に同定し、それらの機能を阻害するための良好なストラテジーを開発する治療的重要性を強調する。
成熟システインカテプシンの主要な制御因子は、それらの内因性タンパク質阻害剤、シスタチン、チロピン(thyropin)およびセルピンである。それらの生理学的役割に基づき、それらは、緊急および制御阻害剤に分けられる。典型的な緊急阻害剤はシスタチンであり、それらは、その標的酵素から分離され、遊出したプロテアーゼまたは浸潤病原体のプロテアーゼに対して主に作用する。
しかし、他の場合においてJPM−565を用いた個々の抗腫瘍療法は、非常に良好であることが証明されており、それにより腫瘍成長が顕著に低下する。これは、癌の処置において強力な標的としてカテプシンを用いる間質標的化の概念を証明している。
低分子阻害剤、抗体および内因性阻害剤(シスタチンおよびステフィン)の産生増加を含め、システインカテプシン活性を阻止するために、いくつかのアプローチが開発されている。開発されている標的化薬剤の殆どは低分子阻害剤(平均分子量:350Da)なので、前臨床および臨床試験において良好に使用され、インビボで有効性を示し、したがって治療適用に最も有望であることを実証するものに焦点が当てられる。
システインカテプシン阻害剤の開発は、プロテアーゼ阻害剤に使用される従来の工程に従った:それは天然物または合成化合物の大型のライブラリであり、その後により小さい集中的なスクリーニングが続く。システインカテプシン阻害剤の主要なクラスは、ニトリル、ビニルスルホンおよびエポキシスクシニルに基づく化合物であり、これらは、広域スペクトルであるか、または個々のファミリーメンバーに選択的である。これらの阻害剤は全て、活性部位に向けられており、それらの作用機序に依存して、共有または非共有結合剤および可逆的または不可逆的阻害剤にさらに分類され得る。
細胞性プロテアーゼは多くのレベルで制御され、1つは内因性阻害剤との相互作用である。1957年に、システインカテプシンBの最初の熱安定性阻害剤が記載された。システインプロテアーゼ阻害剤(CPI)は、非常に堅い結合である、偽不可逆的阻害剤である。内因性CPIは、単一のタンパク質スーパーファミリー、シスタチン、例えば1型シスタチン;11,775Daの分子量のステフィンA(またはシスタチンA)および11,006Daの分子量のステフィンB(またはシスタチンB)を構成する。これらの薬剤は、過剰発現腫瘍に関連するシステインカテプシンタンパク質分解活性の生体利用可能なカウンターバランス阻害剤である。
細胞耐性腫瘍における転移の緩衝液誘導性阻害の欠如および選択的腫瘍における特異的な内因性プロテアーゼ阻害剤の投与での不良バイオアベイラビリティが引き金となり、全ての有効なシステインカテプシンプロテアーゼ阻害剤の局所および経皮の生体利用可能な投与を可能にするために本発明が着想された。
別の態様において、本明細書中で提供される本発明の実施形態は、局所および経皮システインカテプシンプロテアーゼ阻害剤送達系を含み、マトリクス分解酵素の上方制御を可能にするpH非依存性の細胞耐性機序に関わりなく、システインカテプシンプロテアーゼの上方制御により可能にされるマトリクス分解過程で仲裁する。
浸潤癌は、体細胞進化の複数の段階を循環する固形腫瘍から発生する。遺伝的変化は不適な微小環境により促進される。酸性である低い細胞外pHは、不適な腫瘍微小環境の主要な特徴であり、乳房、肝臓および前立腺などの固形腫瘍において転移能の促進物となる。
悪性固形腫瘍の細胞外pHは酸性であり、6.5〜6.9の範囲であり、一方で正常組織のpHは、顕著によりアルカリ性であり、7.2〜7.5である。これらの観察は、「酸介在浸潤仮説」につながっており、腫瘍由来酸は、成長する腫瘍を取り囲む実質の、正常細胞の死および細胞外マトリクス(ECM)分解を促進することによって、腫瘍浸潤を促進する。
重炭酸ナトリウムまたは他の緩衝剤の経皮送達は、腫瘍転移の阻害が原発性または転移性腫瘍の何れかの間質液の「緩衝化」の増加ゆえであるという仮説を満たし、初回通過代謝と関連する不良なバイオアベイラビリティならびに経口投与の一般的な胃腸副作用を回避する。
しかし、この効果は、以前に観察されたように普遍的ではない。出願者は、緩衝を実行したにもかかわらず、一部の腫瘍モデルにおいて緩衝液によって転移が阻害されないことを知って驚愕した。B16−F10(マウスメラノーマ)、LL/2(マウス肺)およびHCT116(ヒト結腸)腫瘍がリジン緩衝液療法での処置に耐性があり、一方で、転移がMDA−MB−231(ヒト乳房)およびPC3M(ヒト前立腺)腫瘍においてリジン緩衝液により阻害される可能性があることが明らかになった。他者による研究から、感受性細胞が、形態学的変化を生じさせる局所腫瘍微小環境を酸性化する非常に解糖性が高い表現型により支持される良好な転移に対してpH依存性機序を利用することが確認された。対照的に、緩衝液耐性細胞株は、解糖上昇がないマトリクス分解プロテアーゼの構成的な分泌を含むpH非依存性の転移機序を示す。構成的分泌により、外部要因またはシグナルにかかわらず、タンパク質が細胞から連続的に分泌される。これらの新事実から、実験的転移の2つの別個の機序が同定され、そのうち一方は、pH依存性(緩衝液療法感受性細胞)であり、一方はpH非依存性である(緩衝液療法耐性細胞)。
インビボでのより速い成長速度に加えて、耐性細胞は感受性細胞よりも直径がかなり小さく、より有効な血管外漏出または二次的部位でのコロニー形成の何れかを通じて、細胞外空間に侵入するためのアクセス増加が可能になり得る。成長がより速く、サイズがより小さいことは、耐性細胞の攻撃性が強すぎて緩衝療法が有効にならないということに十分であり得る。
他の重要な分子および代謝パラメーターは、耐性に関与し得る。感受性細胞は、例えば、耐性細胞よりも明解に解糖性である。解糖が上昇した細胞は、より酸性の腫瘍微小環境を生み出す。
解糖活性を決定するために、「解糖ストレス試験」を行ったが、これには、基底の解糖を測定するためのグルコース、総解糖能を推定するためのミトコンドリア毒、(オリゴマイシン)および非解糖ECARを測定するための2−デオキシグルコースの連続添加後の細胞外酸性化速度(ECAR)の測定が含まれる。興味深いことに、感受性細胞は、耐性細胞と比較して、顕著により高い基底解糖速度を有する。オリゴマイシンでの処置後の最大解糖能と基底解糖の差を測定することにより、解糖予備能が計算される。おそらく、それらの基底速度が高いことの結果として、感受性細胞は、耐性細胞と比較して、顕著により低い解糖予備能を示し、このことから、それらの基底代謝状態でそれらがほぼ最大の解糖能であることが示唆される。
浸潤動態および代謝プロファイリングから、耐性細胞がpH非依存性である機序を介して侵入することが示唆される。プロテアーゼは、転移性カスケードに関与する重要な酵素として同定されている。以前のデータから、低pHが培養中の緩衝液感受性MDA−MB−231細胞からの活性カテプシン−Bの放出を顕著に刺激したことが示されている。ゆえに、耐性細胞は、構成的でpH非依存的に活性プロテアーゼを放出し得ると思われる。
加水分解機序の中では、プロテアーゼ、とりわけ、パパイン様システインプロテアーゼのファミリーのメンバーであるシステインカテプシンは、細胞原形質膜のリソソーム区画に一度に存在すると思われる。しかし、現在、他の細胞区画でもカテプシン局在の明らかな証拠があるので、リソソームプロテアーゼとしてのシステインカテプシンの見方が変化している。まとめると、非エンドソームの役割が増えたため、それらは、癌などの疾患に関与している。
プロテアーゼの発現、放出および酵素活性は主に、アシドーシスにより制御される。感受性細胞はMMPの測定可能な発現を有する一方で、耐性細胞は、一貫して、pHに関わらずMMPの発現がより高くなっている。MMPの発現は、インビボでのプロテアーゼ活性と相関する。また、酸性pHは、インビトロでの細胞周囲の活性システインカテプシンを増加させることが示されている。さらに、血清カテプシンレベルは転移と正の相関がある。個々の腫瘍生物学的過程におけるカテプシンの役割は、癌の診断および処置に新しい可能性をもたらすことも確認された。
癌において、シスタチンおよび他の低分子システインカテプシンプロテアーゼ−阻害剤の阻害効果は、転移関連タンパク質分解活性を有益に相殺し得るが、これはECM分解により可能になる。これらのいわゆる耐性細胞株はECM分解を促進し、一方でシステインカテプシンの構成的分泌は、システインプロテアーゼの活性を調節することにより、またはそれらの阻害機能に関連しない他の機序により、免疫調節性機能などのいくつかの正常および病理学的状態に関与する。
本明細書中で提供される処方物および治療組成物は、乳癌、前立腺癌、膵臓癌、肺癌、膀胱癌、皮膚癌、結直腸癌、腎臓癌、肝臓癌および甲状腺癌を含むが、これらに限定されない多くの癌を処置する方法において使用される。
本明細書中で提供される処方物および治療組成物は、副腎皮質癌、基底細胞癌、膀胱癌、骨癌、脳腫瘍、乳癌、子宮頸癌、結腸癌、結直腸癌、食道癌、網膜芽細胞腫、胃(胃袋)癌、胃腸腫瘍、神経膠腫、頭頸部癌、肝細胞(肝臓)癌、膵島細胞腫瘍(内分泌性膵臓)、腎臓(腎細胞)癌、喉頭癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、髄芽腫、メラノーマ、膵臓癌、前立腺癌、腎臓癌、直腸癌および甲状腺癌を含むが、これらに限定されない癌または腫瘍を処置する方法でも使用される。
本明細書中で提供される方法の好ましい実施形態は、一般的には特定の癌、固形腫瘍またはそれらの分類を対象とし、本明細書中で提供される実施形態による有効性について試験され得る適切な癌および腫瘍のより完全であるが依然として非限定リストであるものには次のものが含まれる:リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、副腎皮質癌、エイズ関連癌、カポジ肉腫(軟組織肉腫)、エイズ関連リンパ腫(リンパ腫)、原発性cnsリンパ腫(リンパ腫)、肛門癌、星状細胞腫、非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、小児期、中枢神経系(脳癌)、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、小児膀胱癌、骨癌(ユーイング肉腫および骨肉腫および悪性線維性組織球腫を含む)、脳腫瘍、乳癌、小児乳癌、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫(非ホジキンリンパ腫、カルチノイド腫瘍(胃腸)、小児カルチノイド腫瘍、心(心臓)腫瘍、中枢神経系腫瘍、非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、小児(脳癌)、胚芽腫、小児(脳癌)、胚細胞腫瘍(小児脳癌)、原発性cnsリンパ腫、子宮頸癌、小児子宮頸癌、胆管細胞癌、脊索腫(小児期)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖性新生物、結腸直腸癌、小児結腸直腸癌、頭蓋咽頭腫(小児脳癌)、皮膚t細胞リンパ腫、非浸潤性乳管癌(DCIS)、胚芽腫、(小児脳CNS癌)、子宮内膜癌(子宮癌)、上衣腫、食道癌、小児食道癌、感覚神経芽腫(頭頸部癌)、ユーイング肉腫(骨癌)、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、眼の癌、小児眼球内メラノーマ、眼球内メラノーマ、網膜芽細胞腫、卵管癌、骨の線維性組織球腫(悪性および骨肉腫)、胆嚢癌、胃(胃袋)癌、小児胃(胃袋)癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(gist)(軟組織肉腫)、小児消化管間質腫瘍、胚細胞腫瘍、小児中枢神経系胚細胞腫瘍、小児頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣胚細胞腫瘍、精巣癌、妊娠性絨毛性疾患、ヘアリー細胞白血病、頭頸部癌、心臓腫瘍、肝細胞(肝臓)癌、組織球増殖症(ランゲルハンス細胞癌)、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌(頭頸部癌)、眼球内メラノーマ、小児眼球内メラノーマ、膵島細胞腫瘍、(膵臓神経内分泌腫瘍)、カポジ肉腫(軟組織肉腫)、腎臓(腎臓細胞)癌、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、喉頭癌(頭頸部癌)、白血病、口唇および口腔癌(頭頸部癌)、肝臓癌、肺癌(非小細胞および小細胞)、小児肺癌、リンパ腫、男性乳癌、骨の悪性線維性組織球腫および骨肉腫、メラノーマ、小児メラノーマ、メラノーマ(眼球内の眼)、小児眼球内メラノーマ、メルケル細胞癌(皮膚癌)、中皮腫、小児中皮腫、転移癌、原発不明である転移性の扁平上皮頸部癌(頭頸部癌)、nut遺伝子変化がある正中線管癌、口腔癌(頭頸部癌)、多発性内分泌性新生物症候群−小児期の希少癌参照、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉腫(リンパ腫)、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、骨髄性白血病、慢性(CML)、骨髄白血病、(急性AML)、骨髄増殖性新生物、鼻腔および副鼻腔癌(頭頸部癌)、鼻咽頭癌(頭頸部癌)、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、口腔癌(口唇および口腔癌および中咽頭癌)、骨肉腫および骨の悪性線維性組織球腫、卵巣癌、小児卵巣癌、膵臓癌、小児膵臓癌、膵臓神経内分泌腫瘍(膵島細胞腫瘍)、乳頭腫、傍神経節腫、小児傍神経節腫、副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、褐色細胞腫、小児褐色細胞腫、下垂体腫瘍、形質細胞新生物/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、妊娠および乳癌、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、原発性腹膜癌、前立腺癌、直腸癌、再発性癌、腎細胞(腎臓)癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫、小児横紋筋肉腫(軟組織肉腫)、小児血管腫瘍(軟組織肉腫)、ユーイング肉腫(骨癌)、カポジ肉腫(軟組織肉腫)、骨肉腫(骨癌)、軟組織肉腫、子宮肉腫、セザリー症候群(リンパ腫)、皮膚癌、小児皮膚癌、小細胞肺癌、小腸癌、軟組織肉腫、皮膚の扁平上皮癌、原発不明の扁平上皮頸部癌、胃(胃袋)癌、小児胃、t細胞リンパ腫、精巣癌、小児精巣腫瘍、喉の癌、鼻咽頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺癌、腎盂および尿管腎臓の移行上皮癌(腎臓細胞癌)、尿管および腎盂(移行細胞癌腎臓腎細胞癌(transitional cell cancer kidney renal cell cancer))、尿管癌、子宮癌(子宮内膜)、子宮肉腫、膣癌、小児膣癌、血管腫瘍(軟組織肉腫)、外陰癌およびウィルムス腫瘍(および他の小児腎臓腫瘍)。
本特許に組み込まれるのは、治療用量測定においてシスタチンおよび他の低分子システインカテプシンプロテアーゼ阻害剤の有効で迅速な送達ならびにバイオアベイラビリティを促進する局所および経皮薬物送達技術である。しかし、皮膚は、殆どの局所的に塗布される活性剤に対して恐るべき浸透障壁をもたらす。この障壁は、表皮の表面層、角質層(SC)に存在し、2区画「ブリック・アンド・モルタル(Bricks and Mortar)」モデル(図1)と比較されてきた。様々な経路が、経表皮薬物送達に利用可能である(図2)。
薬物浸透およびそれらの作用方式に適用可能な親水性および脂溶性経路は、図3により例示される。本特許は、技術を具現化し、SCにより与えられる障壁を破る。
続く詳細な記載は、本発明を遂行するための最良の現在企図される方式である。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲により最良に定められるので、この記載は、限定される意味で受け取られるものではなく、単に本発明の全般的原理を例示する目的のためである。
原発腫瘍における微小環境アシドーシスは、細胞運動性および侵襲性を向上させ、転移増加につながる。原発腫瘍発生中に、細胞代謝が変化することが多く、その結果、解糖およびアシドーシスが上方制御され、腫瘍転移につながる。
インビボ研究から、固形腫瘍が周囲の実質に酸を輸送することが示されている。転移能促進は、いくつかの転移促進マトリクス分解タンパク質分解酵素、血管新生促進因子および抗アポトーシスタンパク質の低酸素誘導性上方制御により引き起こされることが明らかになっている。タンパク質分解酵素には、マトリクスメタロプロテイナーゼ−2(MMP−2)およびマトリクスメタロプロテイナーゼ−9(MMP−9)、ならびにリソソームシステインプロテアーゼ、例えば、酸誘導性リソソーム代謝回転から生じ得るカテプシンB、DまたはLなど、およびヒアルロン酸受容体CD44を伴うヒアルロニダーゼがある。
転移性癌におけるカテプシンBのアッセイから、培地に分泌されるこのプロテアーゼの活性が最大4倍上昇したことが明らかになった。したがって、腫瘍の酸性pHは、細胞外マトリクス(ECM)代謝回転に関与するシステインカテプシンプロテアーゼの放出を誘導し得ると思われる。
最新データから、癌治療のための分子標的としてのパパイン様システインカテプシンファミリーのプロテアーゼが示唆される。プロテアーゼは、細胞外マトリクスタンパク質の分解により、および生体活性ペプチドの断片化により、固形腫瘍の浸潤および転移に寄与する。特定のエンドソーム/リソソームシステインプロテアーゼ、すなわちパパインプロテアーゼファミリーのシステインカテプシンの発現および/または活性の上昇は、患者の悪性度の上昇および予後不良と相関する。
緩衝化による微小環境アシドーシスへの対処から、マウスモデルでの転移およびコロニー形成の阻害が明らかになった。最新研究から、全身性緩衝化を通じた酸性度の低下により、マウス異種移植における転移の発生および増加が顕著に阻害されることが明らかになった。
出願者は、最近、特定の細胞株が腫瘍微小環境の緩衝化の機能性に対して耐性であることを確認すると思われる研究に気付き始めた。言い換えると、緩衝化の効果は「普遍的ではない」。すなわち、システインカテプシンマトリクス分解タンパク質分解酵素の構成的分泌を含むpH非依存性転移を顕在化するいくつかの腫瘍および自然発生的な腫瘍細胞浸潤および転移の素因となる同様の形態学的マトリクス破壊過程を促進する高解糖表現型およびアシドーシスにより支持されるpH依存性機序を示す他の細胞株がある。
これらの2つの過程はそれぞれ、マトリクス破壊タンパク質分解酵素を上方制御するが、異なる機序により促進される。本特許は、リソソームシステインカテプシンタンパク質分解酵素の産生の効果的な阻害が、転移機序に関わらず、固形腫瘍の自然転移を阻害するように作用するという仮説を裏付ける。
リソソームシステインカテプシンタンパク質分解酵素は、pH非依存性の固形腫瘍細胞株と関連があるECMに構成的に分泌されると思われる。これらの酵素はマトリクス分解に関与し、これらの固形腫瘍の拡大、転移およびコロニー形成を起こり易くする。本特許は、それぞれ分子量が11,175Daおよび11,006Daの、シスタチンAまたはステフィンAおよびシスタチンBまたはステフィンBとも呼ばれる、I型シスタチンを含むが、これらに限定されないシステインカテプシンプロテアーゼ−阻害剤の有効で迅速な送達を具体化する(図4)。本特許においてさらに使用されるのは、限定されないが、低分子阻害剤;例えばエポキシスクシニルに基づく阻害剤E−64(L−トランス−エポキシスクシニル−ロイシルアミド(4−グアニジノ)ブタン)、チオールプロテアーゼ阻害剤(このうちJPM−565は誘導体であり、マウスモデルにおける膵島腫瘍の処置の際に非常に強力であった)、ならびに細胞透過性の広スペクトルシステインカテプシンプロテアーゼ阻害剤;MMTV−PyMT−トランスジェニックマウスモデルにおける早期および進行性乳癌ステージに対して活性があるJPM−OEtなどのシステインカテプシンプロテアーゼ阻害剤である。これらの各治療剤は、最大1日あたり100mg/kgの適切な治療用量で投与されるべきである(表1)。
本特許の本質は、特定の癌細胞株の転移の阻害であり、これは、pH緩衝化の機能とは独立している。言い換えると、本特許は、システインカテプシンプロテアーゼの上方制御により促進されるマトリクス分解が阻害される機序を具体化する。最近の研究から、一部の腫瘍で、システインカテプシンマトリクス分解タンパク質分解酵素の構成的分泌を含むpH非依存性転移を顕在化するものがある一方で、他の細胞株は、高解糖表現型およびアシドーシスにより支持される顕著なpH依存性機序を示し得ることが明らかになった。この機序は、同様の形態学的マトリクス破壊過程を促進し、これは自発的な腫瘍細胞浸潤および転移を促進する。
本発明は、酸性腫瘍微小環境の緩衝活性の非存在下で、システインカテプシンマトリクス分解タンパク質分解酵素のシスタチンに基づく阻害剤のファミリーのメンバーの局所および経皮送達を支援する。これらの治療剤は、潜在的なシステインカテプシン促進マトリクス分解の部位に運ばれる。
各シスタチンに基づくシステインカテプシンの分子量は、この治療剤が巨大分子のカテゴリーに入るので、薬物送達系に対して負担になる。本発明の送達系は、次の開示で記載されるように、これらの大きな分子を受け入れるように特異的に設計されている。JPM−OEtの腹腔内注射後のシステインカテプシン活性の測定によって、膵臓、腎臓、および肝臓におけるプロテアーゼの効果的な阻害が明らかになったが、一方で、乳房および肺での活性は、薬物動態学的特性の結果、バイオアベイラビリティ不良となるため、顕著な影響がなかった。
本発明の局所および経皮薬物送達技術は、限定されないが、バイオアベイラビリティ、2つの異なるベクター技術、ナノスケールの化学浸透促進処方物(CPE)および細胞浸透ペプチド(CPP)を使用し、これは、送達させようとする薬剤に依存して、個別に、または相乗的組み合わせで使用され得る。
特定の実施形態において、無傷の皮膚を通じた薬剤または薬物投与の代替的方法が提供される。非限定例として、これらの代替的方法は、次のリストから選択され得る:作用機序に基づくもの、ばねシステム、レーザー出力、エネルギー促進、ローレンツ力、ガス/空気推進、ショック波(超音波を含む)、負荷のタイプに基づくもの、液体、粉末、発射物,薬物送達機序に基づくもの、ナノパッチ、サンドペーパー(マイクロダーマアブレーション)、有効な(enabled)イオントフォレシス、マイクロニードル、送達部位に基づくもの、皮内、筋肉内、および皮下注射。他の適切な送達機序としては、限定されないが、マイクロニードル薬物送達、例えば3M Systems、Glide SDI(薬物「点火」とは対照的に薬物を押し出す)、MIT低圧注入器、マイクロパッチ(単回使用粒子挿入装置)、微小電気機械システム(MEMS)、ダーモエレクトロポレーション装置(DEP)、経皮イオント(ionto)システム(DEP)、TTS経皮治療システム、膜緩和(membrane−moderated)システム(浅い区画中に全体的に封入される薬物リザーバー)、粘着拡散調節システム(薬物不透過性金属プラスチックバッキングから作られた区画中の薬物リザーバー)、マトリクス分散型システム(親水性または脂溶性ポリマーマトリクス成型機中の薬物固形物を薬用ディスクに均一に分散させることにより形成される薬物リザーバー)、およびマイクロリザーバーシステム(リザーバーおよびマトリクス分散型薬物送達系の組み合わせ)が含まれる。
SCは、ペプチド、特に分子量が500Daを上回るものの浸透に厄介な障壁を与えるので、経皮薬物送達(TDDD)を促進するためにCPEと組み合わせたCPPの適用は特に興味深い。ペプチドがそれにより浸透促進剤として機能する能力は、予想外であっただけでなく、実際に直感に反したものであった。
本特許でまた具体化されるものは、何らかの方式での閉鎖ありまたはなしでの薬剤および薬物の局所投与であり、これは、浸透促進処方物と複合化されないかまたはそれにより送達されないが、皮膚の浸透障壁を破る目的のために皮膚をマッサージして、またはマッサージせずに無傷の皮膚に単に塗布される。
出願者は、驚くべきことに、これらの2つの仮説的な機序の組み合わせ、相乗的に機能すること、が、分子量が500Daを超える、実際には150kDaを上回るゲスト分子のTDDDに成功したことを発見した。これらの2つの相乗的機序は、SPPと、「経細胞」機序の細胞部分および「細胞外」機序のCPEとの間での異なる相互作用を含む。
本発明は、薬剤の経皮送達と組み合わせたSC浸透障壁への細胞および脂質マトリクスの寄与の同時ならびに選択的破壊を対象とする組成物での、統合的および協同的方法を開示する。各物理化学的成分の方式は個別に与えられるが、それらは化学的浸透促進(CPE)組成物中で協同的に寄与し得る。
主に、ヒト用の薬物送達の浸透促進を対象とする一方で、本発明の適用はヒトに限定されないが、動物界の他のメンバーに同様に適用される。
SC透過性を促進するために取り入れられる主な努力が細胞外脂質環境の操作に特化されてきたことがよく認識されている一方で、SCの細胞構成成分を分解することにはあまり注意が向けられていなかった。本特許は、細胞外脂質マトリクスとSC浸透障壁への細胞の寄与の両方を同時に破壊する、統合的および協同的な経皮薬物送達処方物を具体化する。本特許は、細胞外脂質マトリクス、経細胞構造または同時投与でのその両方の何れかに向けられる浸透促進処方物の適用を具体化する。これは、ゲストカーゴ、その適用、その標的部位およびその分子量の性質により決定されるべきである。
SC浸透障壁の細胞構成成分に対する好ましい生化学的過程は、経皮薬物送達を促進するために組み合わせるいくつかの生物学的過程の相乗作用により促進される。これらの各過程は個別に使用され得る。
本特許は、TD−1ならびに、TDR−2、TDR−3およびTDR−7として同定される他のカチオン性シクロペプチド変異体を具体化し、この中でアルギニン置換がN−4、N−5およびN−7、ならびにTDK−2、TDK−3およびTDK−7で行われ、リジン置換がN−2、N−3およびN−7で行われる。本特許においてまた、N−5およびN−6におけるビス置換ペプチドとしてカチオン性シクロペプチド変異体TD−34も具体化される。環状構造およびジスルフィド制約の性質は、ペプチドの促進活性に非常に重要である。TD−1と同じ環状構造のアミノ酸配列のTDSシリーズは、側鎖の長さが様々である同じカチオン基を保持する3個のアミノ酸でのN末端の置換を介する修飾としてさらに具体化される。促進活性は、側鎖の長さに比例し、TDS−3>TDS−2>TDS−1として特定されることが明らかになった。
的確な機序が不明である一方で、発明者らの研究から、特別にTD−1と呼ばれる細胞浸透性ペプチド(CPP)の著明な活性は、皮膚細胞構成成分との相互作用時にあることが明らかになった。CPPは、複数の疎水性脂質二重層に埋め込まれる親水性ケラチン充填角質細胞を通過する経細胞経路を通じた透過により機能する。ケラチンに富む角質細胞を分割する一方で、それらは、ゲストカーゴとの相互作用または脂質マトリクスの分解なしで、ペプチド−シャペロンとしての同時投与において水素結合を介して線維状ケラチンαヘリックスと結合する架橋を形成する。SPPは、実際に、皮膚電気伝導性を同時に増加させながら、脂質組織化を促進する。TD−1は皮膚に対して無毒であり、非刺激性である。
CPPは、細胞と細胞との連結デスモソームを迅速に破壊し、それにより局所投与から30分という短い時間で約30nm〜約466nmの正常な超構造空間を改変することによって、角質細胞間の小さなギャップを介して細胞間経路も利用することが明らかになっている。透過型電子顕微鏡から、細胞間ギャップはSC浸透障壁を横切って巨大分子をエスコートする一過性の過程であり、適用後約1時間内に破損を回復させることが明らかになった。
CPPの同時投与は、その結果、ケラチンのアルファヘリックスのパーセンテージの統計学的に有意な上昇を引き起こすと想定されており、このことから、CPPがこれらの構造タンパク質(ケラチン)を安定化させることが示唆される。細胞内ケラチンはジスルフィド結合により安定化され、これらは、α鎖(α−ケラチン)またはβシート(β−ケラチン)構造の何れかに密に充填される。個々の角質細胞内のケラチンフィラメント構造間のジスルフィド結合、疎水性相互作用および水素結合による高度の架橋は、その機械的安定性をもたらし、遊離薬物の輸送を妨げる。
角質溶解剤は、三次元構造および個々のケラチンフィラメント間の水素結合を破壊し、それにより無傷の皮膚を通じた浸透が促進される。角質溶解剤の投与は、ケラチン結合活性薬物を放出させ、バイオアベイラビリティを促進する。
SCの角質細胞が含まれるケラチンフィラメントのジスルフィド結合を破壊するためにある生化学的過程が配置される。これには、チオール部分を含有する還元剤が寄与する。5%濃度のチオグリコール酸(TGA)は好ましい実施形態である。ジチオスレイトール(DTT)、β−メルカプトエタノール(β−ME)および17.5%濃度の尿素過酸化水素などの他の薬剤が、水素結合ならびにジスルフィド結合に作用させるために同様に使用され得る。
約10mg/mLでケラチン基質を分解するために、さらなる角質溶解剤またはプロテイナーゼKなどの酵素が使用され得る。角質溶解活性の至適pHはpH8前後であり、一方でセリンプロテアーゼについては6〜11のpH値の広い範囲において活性が検出される。化学的加水分解によって、角質細胞が寄与する障壁特性がさらに損傷を受けるが、この過程は不可逆的かつ濃度依存性である。
阻害の標的として含む、本発明の実施形態での使用のための適切なプロテアーゼは、「Protease screening methods and protease identified thereby」という題名のMadison,E.L.による米国特許第8,211,428号、「Cysteine proteases for bacterial control」という題名のSorrells,D.D.による米国特許第9,458,374号、Powers,J.C.ら、「Irreversible inhibitors of serine,cysteine,and threonine proteases」,Chem.Rev.,2002,102(12)、pp4639−4750;Turk B.ら、「Regulating Cysteine Protease Activity:Essential Role of Protease Inhibitors As Guardians and Regulators」、Curr.Pharma Des.,V8,18,2002,DOI:10.2174/1381612023394124に記載されており;全て、参照により本明細書中に組み込まれる。
還元剤の同時適用は、角質溶解酵素に対して悪影響がなく、実際には、タンパク質分解性の攻撃促進のための基質への酵素の優先的な接近を可能にすることが明らかになっている。
Sigma−Aldrichは、適切なケラチン分解生成物(K4519−500UN)を販売しており、これは、非末端ペプチド結合の切断による不溶性ケラチン基質の分解能を有する非特異的セリンプロテアーゼである。
本特許は、ケラチン分解細菌、ステノトロフォモナス種(Stenotrophomonas sp.)の株D−1から単離される2つの協同する酵素による、還元剤/角質溶解酵素の組み合わせに対する代替物をさらに具体化する。これらの相乗的酵素は、ジスルフィド結合を破壊しながら、ケラチン基質を同時に分解する。
処方物
SC障壁の細胞構成成分に向けられる経皮薬物送達の促進は複雑な過程であり、したがって、個別のCPEまたは化学物質の混合物を使用し得る。
SC障壁の細胞構成成分に向けられる経皮薬物送達の促進は複雑な過程であり、したがって、個別のCPEまたは化学物質の混合物を使用し得る。
本処方物は、CPEが相乗的に相互作用し、個別の構成成分により誘導されるものよりも良好に皮膚浸透促進を誘導する混合物を含む。化学物質間の相乗作用は、単一の促進剤の効果の限界を克服する強力な浸透促進剤を設計するために活用され得る。本明細書中で開示されるいくつかの実施形態は、3〜5個の別個の浸透促進剤を利用する(本明細書中で使用される場合、「界面活性剤(detergent)」および「表面活性物質(surfactant)」は同義である)。
好ましい生化学的過程は、SC浸透障壁の細胞外脂質マトリクスを対象とし、担体により促進され、引用される米国特許出願公開第2009/0053290号(‘290)およびWO 2014/209910(‘910)に記載のさらなる浸透剤−すなわち、ベンジルアルコールおよびレシチンオルガノゲルを優先的に使用するが、先行技術の組成物よりも、ベンジルアルコールに対するレシチンオルガノゲルの比率がかなり高い。本担体は、‘910刊行物において望ましくないことが開示され、‘290刊行物において非常に少量しか存在しないことが記載される非イオン性表面活性物質も含み得る。出願者は、ベンジルアルコールに対して、および処方物の重量に対して非常に多量のレシチンオルガノゲルを使用することによって、ならびにいくつかの実施形態において、非イオン性表面活性物質とモル過剰量の極性ゲル化剤の組み合わせを提供することによって、得られる処方物の浸透能および活性剤の送達の有効レベルが大いに促進され得ることを見出した。比較的等しい量のベンジルアルコールおよびレシチンオルガノゲル、特にレシチンオルガノゲルよりもベンジルアルコールの濃度が幾分高いことが、先行技術処方物により達成される浸透レベルに寄与したと考えられていたので、このような結果は、完全に予想外であった。
油中水マイクロエマルションは、100〜150kDaの幅広い範囲の水溶性分子の送達において包括的役割を有する。マイクロエマルションを用いた処方中、および皮膚を通じた移行中に、生物学的活性が維持される。
大豆レシチンホスホチジルコリン(phosphotidylcholine)は、TD−1と非共有複合体を形成することが明らかになったが、これはTD−1と負荷電細胞脂質との間の相互作用を暗示する。胆汁酸塩、レシチンオルガノゲルおよび電解質からなるマイクロエマルションは、皮膚透過性だけでなく、処方物中での薬物溶解度および皮膚への薬物分配を向上させ得る超分子構造を形成するために使用されてきた。
レシチンは、頭部基が正荷電コリンおよび負荷電リン酸を有する生体表面活性物質ならびに双性イオンリン脂質分子である。少量の水がこれらの流体に添加される場合、レシチンは、二重層膜に、かつ次に小胞または球状ミセルになるように、自己集合する傾向がある。水は、最も一般的に使用される極性物質であるが、グリセロール、エチレングリコールおよびホルムアミドなどのいくつかの他の極性物質が最初の非粘性レシチン溶液をゼリー様状態に移行させる能力を保有することが分かった。
このようなミセルの第1の例は、レシチン−水−油(有機溶媒)の三元混合物であった。レシチンのみが小胞またはミセルを形成する一方で、脂質の嵩張る疎水性尾部(レシチン)が水中でのその溶解性を阻害するため、これらのミセルは本質的に不安定である。
本組成物中に含まれるレシチンオルガノゲルは、レシチンと有機溶媒との組み合わせであり、これは一般的には両親媒性である。適切な有機溶媒としては、パルミチン酸イソプロピルに加えて、ラウリン酸エチル、ミリスチン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルが含まれる。特定の炭化水素、例えばシクロペンタン、シクロオクタン、トランス−デカリン、トランス−ピナン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘキサデカンも使用し得る。レシチンの、パルミチン酸イソプロピルに対する比率は50:50であり得る。例えば、パルミチン酸イソプロピルと組み合わせて大豆レシチンを含有する処方物が使用されるが、卵レシチンまたは合成レシチンなどの他のレシチンも使用され得る。96%純度のホスファチジルコリンから構成される大豆レシチンが好ましい。
長鎖脂肪酸の様々なエステルも含まれ得る。このようなレシチンオルガノゲルを作製するための方法は当技術分野で周知である。殆どの実施形態において、レシチンオルガノゲルは、25〜70%w/wの範囲で、および30%w/w、40%w/w、50%w/w、60%w/wなどの中間パーセンテージで、最終処方物中に存在する。
レシチンオルガノゲルは、小胞、マイクロエマルションおよびミセル系の形態であり得る。小胞またはミセルなどの自己集合構造の形態で、それらは角質層の脂質二重層と融合し得、それにより、封入された薬物の分配ならびに秩序正しく並んだ二重層構造の破壊が促進される。リン脂質に基づく浸透促進剤の例は、3次元ネットワーク構造の利用可能な空間内に固定される外側の溶媒相を有する半固体編成として定められるマイクロエマルションに基づく有機ゲルを含む。液相中のこのマイクロエマルションに基づく有機ゲルは、1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリンおよび有機溶媒を特徴とし、これは、ラウリン酸エチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル;シクロペンタン、シクロオクタン、トランス−デカリン、トランス−ピナン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘキサデカンおよびトリプロピルアミンのうち少なくとも1つである。
レシチンマイクロエマルションに基づくオルガノゲルは、熱力学的に安定であり、透明であり、粘弾性であり、生体適合性で等方性のリン脂質構造系である。天然の表面活性物質であるレシチンは、その幾何学的規律のため、非極性環境において逆ミセルに基づくマイクロエマルションを形成し得る。特定の量の水の添加時のこれらの小さな逆ミセルは、レシチンの臨界濃度を上回って、一次元的に長く柔軟で円柱状の巨大ミセルに成長すると思われる。これらの巨大ミセルは、ゲルまたはゼリー様状態を形成する外側の有機相を固定する連続的ネットワークを形成する。
出願者は、レシチンのみが小胞またはミセルを形成する一方で、これらのミセルが本質的に不安定であることをさらに発見した。少量の生体表面活性物質の第2のクラス、胆汁酸塩、の添加は、レシチン小胞に介入し、これらの構造を安定化する。したがって、レシチン−胆汁酸塩小胞を脂質−タンパク質相互作用に関して調べた。
あるいは、無水組成物は、極性成分の代わりに胆汁酸塩などの材料を使用することによって得られ得る。胆汁酸塩を用いて処方される場合、多かれ少なかれ球状の小胞形態というよりむしろ、小胞が蠕虫状になり、より大きいゲスト分子を収容し、より効果的に表皮に浸透することができるように、本組成物のミセルのレオロジー特性を改変する。
薬物の有効な経皮送達は、ミセルの自己集合に関与する3つの重要な要因;熱力学的および力学的な安定性、粘性および粘弾性に依存する。レシチンオルガノゲルミセルは本質的に不安定であり、それにより、標的部位に到達する前にそれらの積み荷を早く放出する。胆汁酸塩の導入の結果、ミセルの安定性(図5)、粘性および粘弾性が促進される。適切な胆汁酸塩としては、デオキシコール酸、タウロコール酸、グリココール酸、タウロケノデオキシコール酸、グリコケノデオキシコール酸、及びコール酸などの塩が含まれる。Tween(登録商標)80またはSpan(登録商標)80などの特定の界面活性剤が代替物として使用され得る。
出願者は、蠕虫状形態の形成が、十分なレベルでバックグランド電解質も必要とすることをさらに発見した。クエン酸ナトリウムなどのこれらの電解質は、ミセルの粘性および粘弾性をより効果的に向上させ、最小濃度での胆汁酸塩アニオン間の反発力を遮蔽するのに必要とされる。クエン酸ナトリウムの別の効果は、その、ホフマイスター効果として水から溶質を「塩析させる」能力である。言い換えると、安定で、長く柔軟な円柱状ミセルの形成のためには、特異的なモル比および十分な電解質濃度が必要である。
本組成物の無水形態でのこれらの構成成分のパーセンテージは1%w/w〜15%w/wの範囲である。いくつかの実施形態において、胆汁酸塩含量の範囲は、2%〜6%w/wまたは1%〜3.5%w/wである。これらの基本的に無水の形態において、粉末化または微粒子化非イオン性界面活性剤は、最終量に合わせる(top off)ために一般的には20%〜60%w/wの量で使用される。胆汁酸塩の量を決定するための1つのアプローチにおいて、%は、レシチンの%w/wを10で除することによって計算される。
現在、これらの胆汁酸塩安定化小胞は、それらのモノマーと熱平衡であり、急速に破壊および再結合するという重要な例外を除いて、ポリマー鎖に非常に類似していることが広く認識されている。小胞破壊と鎖レプテーションとの間の競合は、流体のレオロジーに影響する。最近の研究は、逆ミセルの成長における水が果たす役割に焦点が当てられている(水はグリセロールなどの他の極性溶媒と置き換えられ得る)。これらの研究は、異質であり、不一致の結論を生み出すことが多く;一部は、水が、これらの逆ミセルを一緒に保持する必要な接着剤であると推測しているが、これには他者が異論を唱えている。これらの球状小胞は、軸方向に成長して柔軟な円柱になり、したがって重要な構成成分は水であり、水のレシチンに対するモル比(w0により示す)は、ミセルの成長に影響する際の重要なパラメーターである(図6)。
水性媒体で最終量に合わせる(topping off)代わりに胆汁酸塩がベンジルアルコールおよびレシチンオルガノゲルの組み合わせに添加される実施形態において、比較的球状であったミセルは伸長した蠕虫状になり得、したがって表皮の角質層の優れた浸透がもたらされる(図7)。ミセルのこの蠕虫状形態は、より高い分子量の治療剤を収容する際に特に有益である。胆汁酸塩は、表面両親媒性(facial amphiphile)物質であり、タウロコール酸、グリココール酸、タウロケノデオキシコール酸、グリコケノデオキシコール酸、コール酸、デオキシコール酸の塩を含む。他の界面活性剤も胆汁酸塩の代わりに有用であり、Tween(登録商標)80およびSpan(登録商標)80を含む。
これらの胆汁酸塩を含むことによって、ミセルの超変形能が促進され、次に、低および高分子量の薬物ならびに他の活性剤、例えば核酸およびタンパク質などの通過が促進される。これらの組成物は、細胞間封着脂質に沿って割り込み、それにより角質層の全域の天然勾配に従うことによって、皮膚浸透障壁を克服する。これは、狭い孔に対して押し付けられるかまたは狭い孔に引き付けられる場合、局所的および可逆的に膜組成の変化を促進する。
レシチンオルガノゲルと組み合わせた胆汁酸塩は、経皮薬物送達において非常に重要な、ミセルの安定性、粘性および粘弾性の向上の要因を促進する。塩化ナトリウムおよびクエン酸ナトリウムなどのバックグラウンド電解質の添加によって、熱力学的安定性と動力学的安定性の両方が向上する(図8)。クエン酸ナトリウムは、強いイオン性であり、それにより、水分子と様々な溶質との間の相互作用が強化されるので、より有効な電解質である。これらの電解質は、ミセルの粘性および粘弾性をより効果的に増加させ、最小濃度での胆汁酸塩アニオン間の反発を遮蔽し得る。
胆汁酸塩のレシチンに対するモル比は1:1であるが、電解質の濃度は、溶液の透明度に対する溶液の滴定および溶液容器が反転される場合に決定されるような粘性促進によって決定される。
本発明のいくつかの処方物において、胆汁酸塩、ベンジルアルコール、レシチンオルガノゲルおよび活性成分の上記量に加えて、粉末化した非イオン性海面活性剤で処方物を「最終量に合わせる(topped off)」。このような組成物のpHは、適切なpHを試験するために、少量の試料を採取し、水にそれを溶解させることによって決定され得る。多くの実施形態において、pHは8.5〜11または9〜11または10〜11の範囲である。
本発明の処方物中のさらなる必要成分はアルコールである。一部の処方物中ではベンジルアルコールであるが、他のアルコール、特にベンゼン環上に、ハロ、およびアルキルなどの置換基を含有するベンジルアルコールの誘導体を含めることができる。最終組成物中のベンジルまたは他の関連アルコールの重量%は0.5〜20%w/wおよび同様に1%w/w、2%w/w、5%w/w、7%w/w、10%w/wなどのその中間のパーセンテージであり、他の中間重量パーセンテージが含まれる。
ベンジルアルコールなどの浸透促進処方物中に存在する芳香族基ゆえに、分子は、極性末端(アルコール末端)および非極性末端(ベンゼン末端)を有する。これにより、この薬剤が多岐にわたる薬物および薬剤を溶解可能になる。アルコール濃度は、組成物中のレシチンオルガノゲル濃度よりも実質的に低い。
レシチンオルガノゲルが重量に基づいてアルコールの少なくとも10倍の濃度比である、レシチンオルガノゲルと適切なアルコール、特にベンジルアルコールの少なくとも1つの組み合わせの存在下で活性成分を処方することによって、以下の実施例で例示されるように優れた結果が達成される。
いくつかの実施形態において、上記のように、処方物の性能は、非イオン性界面活性剤および極性ゲル化剤を含むか、または胆汁酸塩および粉末化表面活性物質を含むことによって、さらに改善される。本組成物の水性形態と無水形態の両方において、界面活性剤、一般的には非イオン性界面活性剤が添加される。一般に、非イオン性界面活性剤は、少なくとも2%w/w〜60%w/wの量で存在すべきである。一般的には、本処方物が界面活性剤を含有する極性溶液または水溶液で最終量に合わせられる(topped off)組成物中で、界面活性剤の量は比較的低い−例えば2%〜25%w/w、または5〜15%w/wまたは7〜12%w/w。
しかし、基本的に無水であり、粉末化界面活性剤により最終量に合わせられる(topped off)胆汁酸塩を含む組成物中で、比較的より高いパーセンテージが通常は使用される−例えば20%〜60%w/w。境界は厳格ではないが、上の記述は一般的な範囲を示す。
いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、処方物が室温でゲル様またはクリーム状となる適切な操作特性を提供する。この効果を発揮するために、界面活性剤、一般的にはポロキサマーは、極性処方物中で少なくとも9%w/w、好ましくは少なくとも12%w/wのレベルで存在する。本組成物の無水形態において、組成物を100%にするために粉末化または微小化形態で界面活性剤が添加され、より多い量が使用される。胆汁酸塩ではなく極性構成物を有する組成物において、組成物を100%にするための溶液として非イオン性界面活性剤が添加される。残りの構成成分が高レベルであるので、より少量の界面活性剤溶液が必要とされる場合、非イオン性界面活性剤のより濃縮された溶液が使用される。したがって、例えば、溶液中の界面活性剤のパーセントは、他の構成成分のパーセンテージに依存して、10%〜40%または20%または30%および中間の値であり得る。
適切な非イオン性界面活性剤としては、Pluronic(登録商標)などのポロキサマーならびに親水性部分と疎水性部分の組み合わせを特徴とする任意の他の表面活性物質が含まれる。ポロキサマーは、ポリオキシプロピレンの中央の疎水性鎖にポリエチレンオキシドの2本の親水性鎖が隣接するトリブロックコポリマーである。他の非イオン性表面活性物質としては、長鎖アルコールならびに親水性および疎水性部分のブロックが使用される親水性および疎水性モノマーのコポリマーが含まれる。
表面活性物質の他の例としては、HallStar Companyにより販売されるHCO−60表面活性物質などのポリオキシエチル化ヒマシ油誘導体;ノノキシノール;オクトキシノール;フェニルスルホネート;Pluronic(登録商標)F68、Pluronic(登録商標)F127、およびPluronic(登録商標)L62としてBASFにより販売されているものなどのポロキサマー;ポリオレエート;Rewopal(登録商標)HVIO、ラウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム);オレイン酸ナトリウム;ジラウリン酸ソルビタン;ジオレイン酸ソルビタン;Sigma−Aldrichにより販売されているSpan(登録商標)20などのモノラウリン酸ソルビタン;モノオレイン酸ソルビタン;トリラウリン酸ソルビタン;トリオレイン酸ソルビタン;Sigma−Aldrichにより販売されるSpan(登録商標)40などのモノパルミチン酸ソルビタン;Sigma−Aldrichにより販売されるSpan(登録商標)85などのステアリン酸ソルビタン;SigmaAldrichにより販売されるSynperonic(登録商標)NPなどのポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル;Sigma−Aldrichにより販売されるTriton(商標)X−100として販売されるp−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニルエーテル;および、Sigma−Aldrichにより、Tween(登録商標)20として販売されるポリオキシエチレン(20)モノラウリン酸ソルビタン、Tween(登録商標)40として販売されるポリソルベート40(ポリオキシエチレン(20)モノパルミチン酸ソルビタン)、Tween(登録商標)60として販売されるポリソルベート60(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート)、Tween(登録商標)80として販売されるポリソルベート80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)、およびTween(登録商標)85として販売されるトリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどのポリソルベートが含まれる。非イオン性表面活性物質の重量パーセンテージ範囲は3%w/w〜15%w/wの範囲であり、同様に5%w/w、7%w/w、10%w/w、および12%w/wなどの中間のパーセンテージを含む。
水、グリセロール、エチレングリコールまたはホルムアミドなどの極性ゲル化剤の存在下でもミセル構造が達成されることが多い。一般的には、極性物質は、モル過剰量の非イオン性界面活性剤である。非イオン性界面活性剤/極性ゲル化剤の組み合わせを含むことによって、その結果、皮膚への直接塗布に適切である、より粘稠であるクリーム様またはゲル様処方物が得られる。これは、本組成物の水性形態の典型である。上記のように、これは、極性ゲル化剤ではないものであり得、むしろ、胆汁酸塩を使用し得る。この場合、界面活性剤は、固形、粉末化形態で添加される。
処方物中の活性剤のパーセンテージは、障害の処置に対して有用な効果を有するために送達されることが必要とされる濃度に依存する。一般に、活性成分は、処方物中で0.01%w/w〜最大約50%w/wという少ない量で存在し得る。典型的な濃度としては、0.25%w/w、1%w/w、5%w/w、10%w/w、20%w/wおよび30%w/wが含まれる。活性成分の必要とされるパーセンテージは活性剤に依存して、ならびに投与頻度および各適用のための投与に割り当てられる時間に依存して大きく変動するので、活性成分のレベルは広い範囲にわたり変動し得、活性成分による皮膚の浸透における処方補助物質中に含める必要によってのみ限定される。
本発明の処方物は、1つの活性剤のみ、または活性剤の組み合わせを含み得る。本願において、「活性剤」または「活性成分」は、所望の治療効果もしくは他の局所的全身効果を生じさせる要因または物質に対して活性がある化合物または薬物を指す。
一般に、本願において、「1つ(a)」、「1つ(an)」、および「1つ(one)」などは、単数の参照物のみが意図されることが内容から明らかでない限り、1つまたは2以上を意味するものと解釈されたい。したがって、「活性成分(an active ingredient)」は、1つ以上のこのような活性成分を指し得る。
本発明の処方物はいくつかの方法で調製され得る。一般的には、本処方物の構成成分を必要量で一緒に単純に混合する。しかし、一部の例において、例えば活性成分の溶解を遂行し、次いで担体の形態で活性成分の送達を助ける構成成分を含有する個別の調製物を添加することも所望される。そして、担体中のこれらの構成成分の濃度は、最終処方物中で必要とされる濃度よりも幾分高い。
あるいは、これらの構成成分のいくつかのサブセットを最初に混合し、次いで、同時または連続的の何れかで、残りの構成成分で「最終量に合わせる(topped off)」。本処方物を調製する的確な方式は、活性成分の選択およびその活性成分に対して所望される残りの構成成分のパーセンテージに依存する。
上記のように、殆どの適用についての処方物の必須の構成成分は、25%〜70%w/wレシチンオルガノゲルおよび0.5〜20%w/wベンジルアルコールまたは密接に関連するアルコールならびに界面活性剤、一般的には非イオン性界面活性剤、胆汁酸塩、および極性溶媒などの補足的な構成成分である。
いくつかの実施形態において、ゲル化剤、分散剤および保存剤などの他の添加物が含まれる。適切なゲル化剤の例はヒドロキシプロピルセルロースであり、これは、一般に約5cps〜約25,000cps、例えば約1500cpsなどの粘度からのグレードで入手可能である。全ての粘度測定は、別段の断りがなければ室温でなされると想定される。ヒドロキシプロピルセルロースの濃度の範囲は、本組成物の約1%w/w〜約2%w/wであり得る。他のゲル化剤が当技術分野で公知であり、ヒドロキシプロピルセルロースの代わりに、またはそれに加えて使用され得る。適切な分散剤の例はグリセリンである。グリセリンは、一般的には本組成物の約5%w/w〜約25%w/wの濃度で含まれる。保存剤は、微生物成長、紫外光および/または酸素誘導性の組成物構成成分の分解などを阻害するのに有効な濃度で含まれ得る。保存剤が含まれる場合、その範囲は、本組成物の約0.01%w/w〜約1.5%w/wの濃度であり得る。
本処方物中にまた含まれ得る典型的な構成成分は、脂肪酸、テルペン、脂質、ならびにカチオン性およびアニオン性界面活性剤である。
いくつかの実施形態において使用され得る他の溶媒および関連化合物としては、アセトアミドおよび誘導体、アセトン、n−アルカン(7〜16の鎖長)、アルカノール、ジオール、短鎖脂肪酸、シクロへキシル−1,1−ジメチルエタノール、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、エタノール、エタノール/d−リモネンの組み合わせ、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エトキシジグリコール(Gattefosse,Lyon,FranceによるTranscutol(登録商標))、グリセロール、グリコール、塩化ラウリル、リモネンN−メチルホルムアミド、2−フェニルエタノール、3−フェニル−1−プロパノール、3−フェニル−2−プロペン−1−オール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノエステル、ポリプロピレングリコール425、第一級アルコール(トリデカノール)、1,2−プロパンジオール、ブタンジオール、C3−C6トリオールまたはそれらの混合物ならびにC16またはC18モノ不飽和アルコール、C16またはC18分岐状飽和アルコールおよびそれらの混合物から選択される極性脂質化合物、プロピレングリコール、Sigma−Aldrichにより販売されるSpan(登録商標)20として販売されるモノラウリン酸ソルビタン、スクアレン、トリアセチン、トリクロロエタノール、トリフルオロエタノール、トリメチレングリコールおよびキシレンが含まれる。
脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪エステルは、いくつかの実施形態において使用され得る二重層流動化剤である。適切な脂肪アルコールの例としては、脂肪族アルコール、デカノール、ラウリルアルコール(ドデカノール)、ウノレニルアルコール、ネロリドール、1−ノナノール、n−オクタノール、およびオレイルアルコールが含まれる。
適切な脂肪酸エステルの例としては、酢酸ブチル、乳酸セチル、デシルN,N−ジメチルアミノアセテート、デシルN,N−ジメチルアミノイソプロピオネート、ジエチレングリコールオレエート、セバシン酸ジエチル、コハク酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、ドデシルN,N−ジメチアミノ(dimethyamino)アセテート、ドデシル(N,N−ジメチルアミノ)−ブチレート、ドデシルN,N−ジメチルアミノイソプロピオネート、ドデシル2−(ジメチアミノ(dimethyamino))プロピオネート、E0−5−オレイルエーテル、酢酸エチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸エチル、グリセロールモノエーテル、モノラウリン酸グリセロール、モノオレイン酸グリセロール、モノリノール酸グリセロール、イソステアリン酸イソプロピル、リノール酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル/脂肪酸モノグリセリドの組み合わせ、パルミチン酸イソプロピル、酢酸メチル、カプリン酸メチル、ラウリン酸メチル、プロピオン酸メチル、吉草酸メチル、1−モノカプロイルグリセロール、モノグリセリド(中鎖長)、ニコチン酸エステル(ベンジル)、酢酸オクチル、N,N−ジメチルアミノ酢酸オクチル、オレイン酸オレイル、n−ペンチルN−アセチルプロリネート、モノラウリン酸プロピレングリコール、ジラウリン酸ソルビタン、ジオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、トリラウリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、スクロースココナツ脂肪エステル混合物、モノラウリン酸スクロース、モノオレイン酸スクロース、テトラデシルN,N−ジメチルアミノアセテートが含まれる。
適切な脂肪酸の例としては、アルカン酸、カプリド酸(caprid acid)、二酸、オクタデカン酸エチル、ヘキサン酸、乳酸、ラウリン酸、リノエライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ネオデカン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ペラルゴン酸、プロピオン酸、およびバクセン酸が含まれる。
適切な脂肪アルコールエーテルの例としては、α−モノグリセリルエーテル、E0−2−オレイルエーテル、E0−5−オレイルエーテル、E0−10−オレイルエーテル、ポリグリセロールおよびアルコールのエーテル誘導体、ならびに(1−O−ドデシル−3−O−メチル−2−0−(2’,3’ジヒドロキシプロピル)グリセロール)が含まれる。
いくつかの実施形態において使用され得るコンプリーティング剤(completing agent)の例としては、β−およびγ−シクロデキストリン錯体、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Carbopol(登録商標)934など)、リポソーム、ナフタレンジアミドジイミド、およびナフタレンジエステルジイミドが含まれる。
一般的には0.1%〜2.5%w/wの濃度で、ビタミンC、ビタミンE、プロアントシアニジンおよびα−リポ酸などの1つ以上の抗酸化剤が含まれ得る。
いくつかの適用において、対象において、浸透を支援するために、または活性剤および/もしくは標的化合物の性質を調整するために、処方物のpHを調整することが望ましい。一部の例において、pH9〜11または10〜11のレベルにpHを調整するが、これは適切な緩衝液を提供することによるか、または単純にpHを塩基で調整することにより行われ得る。
皮膚の電気抵抗またはインピーダンスは一般に皮膚透過性のマーカーとみなされ、異なるCPEへの曝露ゆえの皮膚抵抗性の変化は、モデル薬物化合物に対する皮膚透過性向上と相関することが示されている。機序の観点から、皮膚の電気抵抗は、主にSC脂質二重層の非常に規則正しい脂溶性障壁に対して支配されることが知られている。したがって、皮膚抵抗性の変化は、SC脂質二重層整合性の変化の高感度の目安である。皮膚抵抗性の変化は、1時間以上のラグタイムを伴って起こることが分かっており、そのことから、拡散性の輸送限界であり得る力学的障壁が示唆される。
皮膚の抵抗性またはインピーダンスの測定は、疎水性および電荷など、標的分子の特異的な特徴に依存しない皮膚透過性の「包括的な」測定として使用され得る。
CPEを皮膚に塗布して、32℃で維持したときに、表皮を横断する電気抵抗またはインピーダンスを測定した。電気抵抗測定から電気伝導度を計算した。
いくつかの処方物において、粉砕によってミセルの形成が促進される。促進レベルは、粉砕が行われる圧力およびスピードならびに粉砕機の通過回数によって決定される。通過回数および圧力を上昇させるほど、ミセル処方物のレベルも向上する。一般に、粉砕の圧力を上昇させ、スピードを上昇させることにより、ミセル密度のレベルが向上する。
軟膏粉砕機(ointment milling machine)が、Medisca(登録商標)により販売されるDermamill 100(Blaubrite)である場合、典型的なスピードは、1〜100のあらゆる変動を含み、1が最も遅いスピードであり、100が最速スピードであり、例えば1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90もしくは100のスピード、またはその間の任意のスピードなどである。圧力は、1〜5から選択され、1が最大圧力であり、5が最小圧力である。使用される圧力は、1、2、3、4、または5から選択され得る。通過回数も変えることができ、生成物全てがその機械のローラーを通過したとき、通過が完了となる。いくつかの実施形態において、2、3、4、5、6、7、8、9、10回またはそれを超える回数の通過などの複数回通過が企図される。スピードおよび圧力は、各通過に対して変えることができる。例えば、第1回目の通過は第1の圧力および第1のスピードを有し得、一方で第2回目の(または続く)通過は第2の圧力および第2のスピードを有し得、第2の圧力は第1の圧力と同じであるかまたは異なり、第2のスピードは第1のスピードと同じであるかまたは異なる。特定の処方物の所望のミセル密度は、スピード、圧力および通過回数を変えることにより経験的に決定され得る。
当然ではあるが、代替的な軟膏粉砕機(ointment milling machine)も使用でき、Dermamill 100での同等物と比較することにより、同等のスピード、圧力および通過回数が再現される。あるいは、本明細書に記載のものと同等の結果を保証するために、ミセル密度を顕微鏡により比較することができる。いくつかの実施形態において、ミセル密度は少なくとも20%であり、多くの場合、少なくとも30%、50%、70%、80%または90%およびこの範囲内の全レベルである。
これらの研究から、皮膚刺激を誘導することなく、親水性巨大分子に対する皮膚透過性を50倍超高める相乗的組み合わせでCPEの特異的および希少な二成分混合物が生み出された。
本特許の好ましい実施形態は、より規則正しい局所経皮薬物送達組成物中で、(1)電気測定スクリーニングから選択されるCPEの二成分混合物、(2)二重生体表面活性物質に基づく蠕虫状逆ミセル系、(3)双極性脂肪族アルコール溶媒、(4)ケラチン分解剤、(5)チオール部分還元剤、および(6)皮膚浸透性ペプチド(SPP)を組み合わせ、様々なゲスト薬物分子を効果的に受け入れ、それによりSC浸透障壁を破り、それらをその標的部位に生体利用可能にする統合的で協同的な処方物である。
これは、適切な緩衝剤ありまたはなしで、選択されたシステインカテプシンプロテアーゼ−阻害剤を添加され得る細胞外マトリクスに向けられた統合的で協同的なCPE処方物の例である。
1.臭化セチルトリメチルアンモニウム(約2.0%〜約10.0%)
2.コール酸ナトリウム:レシチン(96%純度):ミリスチン酸イソプロピル(等モル1:1:1(約10%〜約40.0%)
3.クエン酸ナトリウム(#2の透明度/incr.粘性に対して滴定)
4.ベンジルアルコール(約2.0%〜約30.0%)
5.シス−パルミトオレイン酸(BA約20.0%〜約30%)
6.メチルピロリドン(0.4%)/ドデシルピリジニウム(1.1%)(約0.5%〜約5.0%)
7.Pluronic 127(100%まで適量)。
1.臭化セチルトリメチルアンモニウム(約2.0%〜約10.0%)
2.コール酸ナトリウム:レシチン(96%純度):ミリスチン酸イソプロピル(等モル1:1:1(約10%〜約40.0%)
3.クエン酸ナトリウム(#2の透明度/incr.粘性に対して滴定)
4.ベンジルアルコール(約2.0%〜約30.0%)
5.シス−パルミトオレイン酸(BA約20.0%〜約30%)
6.メチルピロリドン(0.4%)/ドデシルピリジニウム(1.1%)(約0.5%〜約5.0%)
7.Pluronic 127(100%まで適量)。
これは、適切な緩衝剤ありまたはなしで、選択されるシステインカテプシンプロテアーゼ−阻害剤を添加され得るSC浸透障壁の細胞構成成分に向けられる処方物の例である。
1.TD−1として特定されるACSSSPSKHCG、[アラニン−システイン−セリン−セリン−セリン−プロリン−セリン−リジン−ヒスチジン−システイン−グリシン]
2.チオグリコール酸(TGA)(約2.0%〜約7.0%濃度)[他の還元剤により置換され得る。]
3.プロテイナーゼK(約5mg/mL〜約15mg/mL)。
1.TD−1として特定されるACSSSPSKHCG、[アラニン−システイン−セリン−セリン−セリン−プロリン−セリン−リジン−ヒスチジン−システイン−グリシン]
2.チオグリコール酸(TGA)(約2.0%〜約7.0%濃度)[他の還元剤により置換され得る。]
3.プロテイナーゼK(約5mg/mL〜約15mg/mL)。
経皮送達用の処方物は、例えば2つの構成成分を含み得るか、またはこれは、1つ以上の緩衝剤および浸透剤を含み得る。しかし、一般的には、浸透剤は85%w/w未満である。本処方物は少なくとも1%w/wの界面活性剤を有し得る。例えば、適切な処方物は、約10〜56%w/wの緩衝剤および浸透剤を含み得る。一態様において、本明細書中で開示されるものは、約10〜56%w/wの量の炭酸塩を含む緩衝剤;約5〜55%w/wの量の浸透性部分;少なくとも1%w/wの量の界面活性剤部分を含む、対象の皮膚を通じた1つ以上の緩衝剤の経皮送達用の処方物であり;本処方物は、なしから約77%w/wまでの量の水を含む。
別の態様において、本明細書中で開示されるのは、約10〜45%w/wの量の炭酸塩を含む緩衝剤;約5〜55%w/wの量の浸透性部分;約1〜15%w/wの量の界面活性剤部分を含む処方物の炭酸塩の経皮送達のための方法であり、本処方物は、対象の皮膚を通じて、約15〜65%w/wの量の水を含み、本処方物の炭酸塩は、本処方物の約15〜32%w/wの量である。
また別の態様において、本明細書中で開示されるのは、対象の皮膚を通じた治療剤の経皮送達用の処方物であり、本処方物は、対象における状態の処置に有効な量の少なくとも1つの活性剤を含み、本処方物は、約10〜45%w/wの量の炭酸塩を含む緩衝剤;約5〜55%w/wの量の浸透性部分;約1〜15%w/wの量の界面活性剤部分を含み;本処方物は、対象の皮膚を通じて、約15〜65%w/wの量の水を含み、本処方物の炭酸塩は、処方物、治療剤の約15〜32%w/wの量であり、本処方物のアルカリ性は治療剤の浸透を促進する。
一態様において、本明細書中で開示されるのは、約10〜45%w/wの量の炭酸塩を含む緩衝剤;約5〜55%w/wの量の浸透性部分;約1〜15%w/wの量の界面活性剤部分を含む対象の皮膚を通じた1つ以上の緩衝剤の経皮送達用の処方物であり、本処方物は約15〜65%w/wの量の水を含み、本処方物は約12%w/w未満のレシチンを含む。
別の態様において、本明細書中で開示されるのは、約10〜45%w/wの量の炭酸塩を含む緩衝剤;約5〜55%w/wの量の浸透性部分;約1〜15%w/wの量の界面活性剤部分を含む、処方物の炭酸塩の経皮送達用の方法であり;対象の皮膚を通じて、本処方物は約15〜65%w/wの量の水を含み、本処方物は約12%w/w未満のレシチンを含み、本処方物の炭酸塩は、処方物の約15〜32%w/wの量であり、本処方物は約12%w/w未満のレシチンを含み、本処方物のアルカリ性は治療剤の浸透を促進する。
また別の態様において、本明細書中で開示されるのは、対象の皮膚を通じた治療剤の経皮送達用の処方物であり、本処方物は、対象における状態の処置に有効な量の少なくとも1つの活性剤を含み、本処方物は、約10〜45%w/wの量の炭酸塩を含む緩衝剤、約5〜55%w/wの量の浸透性部分;約1〜15%w/wの量の界面活性剤部分を含み;対象の皮膚を通じて、本処方物は約15〜65%w/wの量の水を含み、本処方物の炭酸塩は、処方物の約15〜32%w/wの量であり、本処方物は約12%w/w未満のレシチンを含む。
いくつかの実施形態において、適切な処方物は、:約1〜20%w/wの量のLipmax(商標);約0.25〜5%w/wの量のベンジルアルコール;約0.1〜5%w/wの量のメントール;約0.1〜5%w/wの量のpluronic(登録商標);約10〜80%w/wの量の水;約1〜32%w/wの量の炭酸ナトリウム;約1〜32%w/wの量の重炭酸ナトリウム;約5%w/w未満の量のエチレングリコールテトラ酢酸;約0.5〜10%w/wの量のプロピレングリコール;約0.5〜10%w/wの量のアーモンド油;約0.5〜10%w/wの量のセチルアルコール;約12%w/w未満の量のレシチン;約10%w/w未満の量のCetiol Ultimate(登録商標);および約0.5〜10%w/wの量のエタノールを含む。
いくつかの実施形態において、適切な処方物は、約1〜20%w/wの量のLipmax(商標);約0.25〜5%w/wの量のベンジルアルコール;約0.1〜5%w/wの量のメントール;約0.1〜5%w/wの量のdurasoft(登録商標);約0.1〜5%w/wの量のpluronic(登録商標);約10〜80%w/wの量の水;約32%w/w未満の量の炭酸ナトリウム;約1〜32%w/wの量の重炭酸ナトリウム;約5%w/w未満の量のエチレングリコールテトラ酢酸;約5%w/w未満の量のデカン酸ナトリウム;約0.5〜10%w/wの量のプロピレングリコール;約0.5〜10%w/wの量のアーモンド油;約2%w/w未満の量の酸化亜鉛;約0.5〜10%w/wの量のセチルアルコール;および約0.5〜10%w/wの量のエタノールを含む。
いくつかの実施形態において、適切な処方物は、約10〜80%w/wの量の水;約0.5〜16%w/wの量のphospholipon(登録商標)90G;約0.5〜10%w/wの量のmyritol(登録商標)312;約1〜10%w/wの量のパルミチン酸イソプロピル;約0.25〜5%w/wの量のCetiol(登録商標)Ultimate;約0.25〜5%w/wの量のステアリン酸;約0.25〜5%w/wの量のセチルアルコール;約0.25〜5%w/wの量のベンジルアルコール;約0.25〜5%w/wの量のプロピレングリコール;約0.25〜5%w/wの量のグリセリン;約0.25〜5%w/wの量のエタノール;約0.1〜5%w/wの量のpluronic(登録商標);約1〜20%w/wの量のLipmax(商標);および約1〜32%w/wの量の重炭酸ナトリウムを含む。
いくつかの実施形態において、適切な処方物は、約1〜5%w/wの量のSiligel(商標);約10〜80%w/wの量の水;約0.5〜16%w/wの量のPhospholipon(登録商標)90G;約0.5〜10%w/wの量のMyritol(登録商標)312;約1〜10%w/wの量のパルミチン酸イソプロピル;約0.25〜5%w/wの量のCetiol(登録商標)Ultimate;約0.25〜5%w/wの量のステアリン酸;約0.25〜5%w/wの量のセチルアルコール;約0.25〜5%w/wの量のベンジルアルコール;約0.25〜5%w/wの量のプロピレングリコール;約0.25〜5%w/wの量のグリセリン;約0.25〜5%w/wの量のエタノール;約0.1〜5%w/wの量の水酸化ナトリウム50%w/v;約20%w/w未満の量のLipmax(商標);および約1〜32%w/wの量の重炭酸ナトリウムを含む。
いくつかの実施形態において、適切な処方物は、約10〜80%w/wの量の水;約0.5〜10%w/wの量のPhospholipon(登録商標)90G;約0.5〜10%w/wの量のMyritol(登録商標)312;約0.5〜10%w/wの量のパルミチン酸イソプロピル;約10%w/w未満の量のCetiol(登録商標)Ultimate;約0.25〜5%w/wの量のステアリン酸;約0.25〜5%w/wの量のセチルアルコール;約0.25〜5%w/wの量のベンジルアルコール;約0.25〜5%w/wの量のプロピレングリコール;約0.25〜5%w/wの量のグリセリン;約0.25〜5%w/wの量のエタノール;約0.1〜5%w/wの量の水酸化ナトリウム50%w/v;および約1〜35%w/wの量の重炭酸ナトリウムを含む。
いくつかの実施形態において、適切な処方物は、約10〜40%w/wの量の水;約0.5〜20%w/wの量のPhospholipon(登録商標)90H;約0.5〜10%w/wの量のMyritol(登録商標)312;約0.5〜20%w/wの量のパルミチン酸イソプロピル;約10%w/w未満の量のCetiol(登録商標)Ultimate;約0.25〜5%w/wの量のステアリン酸;約0.25〜5%w/wの量のセチルアルコール;約0.25〜5%w/wの量のベンジルアルコール;約0.25〜5%w/wの量のプロピレングリコール;約0.25〜5%w/wの量のグリセリン;約0.25〜5%w/wの量のエタノール;約0.1〜5%w/wの量の水酸化ナトリウム50%w/v;および約1〜35%w/wの量の重炭酸ナトリウムを含む。
いくつかの実施形態において、適切な処方物は、約10〜40%w/wの量の水;約0.5〜20%w/wの量のPhospholipon(登録商標)90H;約0.5〜20%w/wの量のPhospholipon(登録商標)90G;約0.5〜10%w/wの量のMyritol(登録商標)312;約0.5〜20%w/wの量のパルミチン酸イソプロピル;約10%w/w未満の量のCetiol(登録商標)Ultimate;約0.25〜5%w/wの量のステアリン酸;約0.25〜5%w/wの量のセチルアルコール;約0.25〜5%w/wの量のベンジルアルコール;約0.25〜5%w/wの量のプロピレングリコール;約0.25〜5%w/wの量のグリセリン;約0.25〜5%w/wの量のエタノール;約0.1〜5%w/wの量の水酸化ナトリウム50%w/v;および約1〜35%w/wの量の重炭酸ナトリウムを含む。
いくつかの実施形態において、適切な処方物は、約10〜50%w/wの量の水;約5〜30%w/wの量のPluronic(登録商標)ゲル30%;約0.5〜20%w/wの量のパルミチン酸イソプロピル;約0.25〜10%w/wの量のステアリン酸;約0.25〜10%w/wの量のセチルアルコール;約0.25〜5%w/wの量のベンジルアルコール;約0.5〜10%w/wの量のアーモンド油;約0.25〜10%w/wの量のプロピレングリコール;約0.25〜5%w/wの量のエタノール;約0.1〜5%w/wの量の水酸化ナトリウム50%w/v;および約1〜32%w/wの量の重炭酸ナトリウムを含む。
いくつかの実施形態において、適切な処方物は、約5%w/w未満の量のSiligel(商標);約10〜65%w/wの量の水;約0.5〜10%w/wの量のパルミチン酸イソプロピル;約0.25〜10%w/wの量のステアリン酸;約0.25〜10%w/wの量のセチルアルコール;約0.25〜5%w/wの量のグリセリン;約0.25〜10%w/wの量のLipmax(商標);約5%w/w未満の量のエタノール;約5%w/w未満の量のベンジルアルコール;約0.1〜5%w/wの量の水酸化ナトリウム50%w/v;および約1〜32%w/wの量の重炭酸ナトリウムを含む。
いくつかの実施形態において、適切な処方物は、約20〜85%w/wの量のAveeno(登録商標);および約15〜45%w/wの量の重炭酸ナトリウム(3DF)を含む。
いくつかの実施形態において、適切な処方物は、約20〜85%w/wの量のAveeno(登録商標);および約15〜45%w/wの量の重炭酸ナトリウム(粉砕した#7)を含む。
いくつかの実施形態において、適切な処方物は、約5%w/w未満の量のSiligel(商標);約10〜55%w/wの量の水;約0.5〜10%w/wの量のパルミチン酸イソプロピル;約0.25〜5%w/wの量のステアリン酸;約0.25〜10%w/wの量のセチルアルコール;約0.5〜10%w/wの量のアーモンド油;約0.25〜10%w/wの量のプロピレングリコール;約5%w/wの量のエタノール;約5%w/w未満の量のベンジルアルコール;約0.1〜5%w/wの量の水酸化ナトリウム50%w/v;および約1〜32%w/wの量の重炭酸ナトリウムを含む。
本発明の処方物および方法により達成される驚くべき効果は、皮膚を通じた炭酸塩の送達を促進する改善処方物に部分的に起因する。いくつかの実施形態において、本処方物は、米国特許出願公開第2009/0053290号(’290)、WO 2014/209910(’910)およびWO 2017/127834に記載の浸透剤を使用する。本処方物は非イオン性界面活性剤を含み得る。出願者は、本明細書中で開示されるような粒径を有し、本明細書中で開示されるような浸透剤とともに送達される炭酸塩を使用し、いくつかの実施形態においては、非イオン性界面活性剤と極性ゲル化剤の組み合わせを提供することによって、得られる処方物の炭酸塩の浸透能および炭酸塩の送達の有効レベルが促進されているということを見出した。この浸透レベル促進はまた、予想よりも顕著に少ないレシチンを使用して、または全く使用せずに達成された。特にレシチンオルガノゲルよりもベンジルアルコールの濃度が幾分高い、比較的等しい量のベンジルアルコールおよびレシチンオルガノゲルが、先行技術の処方物により達成される浸透レベルに寄与したと考えられていたので、この結果は、完全に予想外であった。
簡潔に述べると、上記で参照される米国およびPCT出願に記載の浸透剤は、相乗的に作用する構成成分の組み合わせに基づく。多くのこのような浸透剤は、最終処方物の0.5〜20%w/wの濃度を提供するためのベンジルアルコールなどのアルコールと本処方物の25〜70%w/wを提供するための浸透剤中に存在するレシチンオルガノゲルとの組み合わせに基づく。これらの浸透剤はまた、薬剤が重炭酸ナトリウムなどの緩衝液である場合も有用であるが、より少ないレシチンオルガノゲルが必要とされ得−例えば本明細書中で開示されるように高濃度で重炭酸ナトリウムが存在する場合、12%w/w未満である。
いくつかの実施形態において、緩衝構成成分は、腫瘍細胞の微小環境で7〜8のpHとする、何らかの弱塩基性化合物または組み合わせである。いくつかの実施形態において、本処方物は7〜10のpHを有する。このような緩衝液としては、炭酸塩および/または重炭酸塩に加えて、リジン緩衝液、クロロ酢酸緩衝液、トリス緩衝液(すなわちトリス(ヒドロキシメチル)アミノエタンを使用する緩衝液)、リン酸緩衝液およびリジンと同様のpKa値を有する非天然アミノ酸を使用する緩衝液が含まれる。いくつかの実施形態において、炭酸塩および/または重炭酸塩は本処方物の約7〜32%w/wの量である。例えば、このようなアミノ酸のネイティブ形態または炭素鎖がより長いかもしくはより短いかまたはその分岐状形態であるリジン類似体のエナンチオマー。ヒスチジン緩衝液も使用され得る。一般的には、本組成物中の緩衝液の濃度は10〜50%w/wの範囲である。重炭酸ナトリウムまたは炭酸ナトリウムまたはその両方に対するより典型的な範囲は10〜35重量%である。いくつかの実施形態において、炭酸塩は、本処方物の約15〜32%w/wの量である。
あるいは、浸透性構成成分は、完成構成成分ならびに粘性および粘弾性を付与するのに十分な1つ以上の電解質、1つ以上の表面活性物質およびアルコールを含む。完成構成成分は、極性液体、非極性液体または両親媒性物質であり得る。
本処方物中の炭酸塩のパーセンテージは、障害の処置において有用な効果を有するために送達される必要がある量に依存する。一般に、炭酸塩は、1%w/w〜最大約50%w/wという少量で本処方物中に存在し得る。典型的な濃度は15〜32%w/wを含み得る。炭酸塩の必要とされるパーセンテージは、投与頻度、ならびに各適用についての投与に割り当てられる時間に依存するので、炭酸塩レベルは多岐にわたり変動し得る。いくつかの実施形態において、炭酸塩は、200μm未満の粒径に粉砕される炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムである。いくつかの実施形態において、炭酸塩は、70μm未満の粒径に粉砕される炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムである。いくつかの実施形態において、炭酸塩は、70μm未満の粒径に粉砕される炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムであり、この重炭酸ナトリウムは、本処方物の20%w/w未満の量で本処方物に溶解される。いくつかの実施形態において、炭酸塩は、70μm未満の粒径に粉砕される炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムであり、約10μm未満の粒径が対象の皮膚を通じた浸透を促進させる。いくつかの実施形態において、炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムは約70μm未満の粒径にジェット粉砕される。いくつかの実施形態において、重炭酸ナトリウムは、70μm未満の粒径分布を有する重炭酸ナトリウムUSP Grade 3DFである。
本開示の処方物は、いくつかの方法で調製され得る。一般的には、本処方物の構成成分は、必要量で一緒に単純に混合される。しかし、一部の例において、例えば炭酸塩の溶解を行い、次いで担体の形態の炭酸塩の送達を助ける構成成分を含有する個別の調製物を添加することも望ましい。次に、担体中のこれらの構成成分の濃度は、最終処方物で必要とされる濃度よりも幾分高い。したがって、重炭酸ナトリウムは、最初に水に溶解され、次いでアルコール、レシチンおよび場合によっては非イオン性表面活性物質と極性ゲル化剤の組み合わせまたはイオン性界面活性剤の組み合わせを含む担体に添加され得る。あるいは、これらの構成成分の一部のサブセットを最初に混合し、次いで同時または連続的の何れかで残りの構成成分で「最終量に合わせ(topped off)」ることができる。本処方物を調製する的確な方式は、炭酸塩の選択およびその炭酸塩に関して所望される残りの構成成分のパーセンテージに依存する。いくつかの実施形態において、水は、本処方物の約10〜85%w/w、15〜50%w/w、または15〜45%w/wの量である。
浸透性部分は、多成分混合物であり、浸透促進剤の特定の濃度は、部分的に、重炭酸ナトリウム、または輸送すべき重炭酸ナトリウムおよび治療剤の分子量によって知らされる。本処方物は、重炭酸ナトリウムおよび/または治療剤が局所投与の数分内に標的部位に生体利用可能になることを可能にする。本処方物は、代替的過程に必要とされる濃度の1/1000という少ない量の治療剤の最小濃度の使用を可能にし、同時に生体活性およびポジティブな臨床転帰を可能にする。いくつかの実施形態において、浸透性部分は、本処方物の5%w/w未満の量のアルコールを含む。
本発明の1つの重要な態様は、一部の腫瘍が、それらの微小環境が酸性でない場合に緩衝液療法に応答せず、これらの腫瘍の少なくとも一部が、細胞外マトリクス(ECM)を破壊する特定のタンパク質分解酵素の上昇によって転移を達成するという上記の認識に基づく。したがって、緩衝液療法が企図される場合、好ましくは対象における固形腫瘍の生検からの腫瘍細胞を培養し、緩衝液に対する応答性を保証するために処置前に試験する。このような評価は、pH測定、関連プロテアーゼのレベルの評価、およびBailey,K.M.ら(2014)上出に記載の緩衝液療法により影響を受けるような浸潤アッセイを含む、何らかの適切な手段により行われ得る。1つの重要なこのようなアッセイは、そこに記載の解糖ストレスアッセイである。このようなアッセイにより示されるような緩衝液療法に応答しないと思われる生検腫瘍の細胞培養は、他の抗転移剤の投与から恩恵を受け得、緩衝液を含む本発明の組成物中にこのような薬剤を含むことも有益である。したがって、緩衝液含有組成物のみでの処置は、禁忌であり得、対象は唯一の活性剤として緩衝液を投与されないが、代替的処置に移される。これは、当然ではあるが、緩衝液が必ず代替的活性剤を投与するために使用される処方物から割愛されることを意味しない。
本処方物は、構成成分が相乗的に相互作用し、個々の構成成分により誘導されるものよりも良好に皮膚浸透促進を誘導する混合物を含む。化学物質間の相乗性は、単一促進剤の有効性の限界を克服する強力な浸透促進剤を設計するために活用され得る。本明細書中で開示されるいくつかの実施形態は、3〜5つの別個の浸透促進剤を利用する。
局所投与、および特に経皮投与の場合、本処方物は、特に、また経皮投与を別にすれば、坐剤による投与または鼻腔内投与の場合のように、真皮を横切り、および/または細胞膜を含む膜を横切る伝達を促す、化学的浸透剤(CPE)ならびにペプチドに基づく細胞浸透剤(CPP)の何れかまたは両方を含む浸透剤を含む。特に、緩衝液以外の少なくとも1つの薬剤を含有するものに特に適切な浸透剤は、上記で参照される米国特許出願公開第2009/0053290号(’290)、WO 2014/209910号(’910)およびWO 2017/127834号に記載のものを含む。浸透剤を有する処方物に加えて、経皮送達は、浸透を促すために皮膚の表面を機械的に破壊することにより、または単純に密封パッチ下で皮膚に塗布される処方物を供給することにより、影響され得る。
あるいは、浸透性部分は、完成構成成分ならびに粘性および粘弾性を付与するのに十分な1つ以上の電解質、1つ以上の表面活性物質およびアルコールを含む。完成構成成分は、極性液体、非極性液体または両親媒性物質であり得る。浸透剤は、チオール連結を減少させ、水素結合を破壊し、かつ/またはケラチン分解をもたらすのに有効なケラチン分解剤および/または細胞浸透ペプチド(皮膚浸透性ペプチドと呼ばれることもある)および/または浸透促進剤ををさらに含み得る。
レシチンオルガノゲルはレシチンとゲル化構成成分の組み合わせであり、これは一般的に両親媒性である。適切なゲル化構成成分は、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸エチル、ミリスチン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルも含む。いくつかの実施形態において、本処方物は本処方物の5%w/w未満の量のゲル化剤を含む。特定の炭化水素、例えばシクロペンタン、シクロオクタン、トランス−デカリン、トランス−ピナン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘキサデカンも使用され得る。したがって、重要な浸透剤はレシチンオルガノゲルであり、レシチンおよび有機溶媒から得られるこの組み合わせは、浸透剤として作用する。いくつかの実施形態において、浸透性部分は、レシチンオルガノゲル、アルコール、界面活性剤および極性溶媒を含む。いくつかの実施形態において、レシチンオルガノゲルは、大豆レシチンとパルミチン酸イソプロピルの組み合わせである。いくつかの実施形態において、浸透性部分は、レシチンおよびパルミチン酸イソプロピル、ウンデカン、イソドデカン、ステアリン酸イソプロピルまたはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、本処方物は、約1〜20%w/wの量のLipmax(商標)(Lucas Meyer Cosmeticsにより販売)またはパルミチン酸イソプロピルとレシチンの同等の50/50混合物を含む。レシチンオルガノゲルは、水和リン脂質および適切な有機液体から構成される、透明で、熱力学的に安定であり、粘弾性であり、生体適合性のゼリー様の相である。適切なレシチンオルガノゲルの例は、レシチンパルミチン酸イソプロピルであり、これは、レシチンを溶解させるためにパルミチン酸イソプロピルが使用される場合に形成される。レシチンとパルミチン酸イソプロピルとの比率は50:50であり得る。実施例において以下に例示されるのは、パルミチン酸イソプロピルと組み合わせた大豆レシチンを含有する処方物であるが;卵レシチンまたは合成レシチンなどの他のレシチンも使用され得る。長鎖脂肪酸の様々なエステルも含まれ得る。このようなレシチンオルガノゲルを作製するための方法は当技術分野で周知である。殆どの実施形態において、最終処方物中に存在するレシチンオルガノゲルは約20%w/w未満である。脂肪除去からの疼痛を緩和するために、または無水組成物中で、脂肪沈着物を溶解させるために使用される組成物において、レシチンオルガノゲルの濃度は、0.5%w/w、1%w/w、5%w/w、10%w/wまたは20%w/wという低いものであり得る。いくつかの実施形態において、浸透性部分は、本処方物の2%w/w、5%w/w、または10%w/w未満の量で、キサンタンガム、レシチン、スクレロチウムガム、プルラン、またはそれらの組み合わせの混合物を含む。いくつかの実施形態において、本処方物は、約1〜5%w/wもしくは5〜15%w/wの量のSiligel(商標)または、キサンタンガム、レシチン、スクレロチウムガム、およびプルランの同等混合物を含む。いくつかの実施形態において、浸透性部分は、本処方物の2%w/w、8%w/w、または10%w/w未満の量のカプリリックトリグリセリドおよびカプリックトリグリセリドの混合物を含む。いくつかの実施形態において、本処方物は、約0.5〜10%w/wの量のMyritol(登録商標)312、またはカプリリックトリグリセリドおよびカプリックトリグリセリドの同等混合物を含む。
いくつかの実施形態において、浸透性部分は、本処方物の12%w/wまたは18%w/w未満の量のホスファチジルコリンを含む。いくつかの実施形態において、浸透性部分は、本処方物の12%w/wまたは18%w/w未満の量のリン脂質を含む。いくつかの実施形態において、浸透性部分は、本処方物の2%w/w、5%w/w、または8%w/w未満の量のトリデカンとウンデカンの混合物を含む。いくつかの実施形態において、本処方物は、約2%w/w、5%w/w、もしくは10%w/w未満の量のCetiol Ultimate(登録商標)、またはトリデカンとウンデカンの同等混合物を含む。いくつかの実施形態において、浸透性部分は、本処方物の2%w/w、5%w/w、または8%w/w未満の量のセチルアルコールを含む。いくつかの実施形態において、浸透性部分は、約2%w/w、5%w/w、または8%w/w未満の量のベンジルアルコールを含む。いくつかの実施形態において、浸透性部分は、本処方物の2%w/w、5%w/w、または8%w/w未満の量のステアリン酸を含む。
レシチンオルガノゲルは、小胞、マイクロエマルションおよびミセル系の形態であり得る。小胞またはミセルなどの自己集合構造の形態で、これらは、角質層の脂質二重層と融合し得、それによりカプセル封入薬物の分割、ならびに規則正しい二重層構造の破壊が促進される。リン脂質に基づく浸透促進剤の例は、三次元ネットワーク構造の利用可能な空間内に固定される外部溶媒相を有する半固形形態として定められるマイクロエマルションに基づく有機ゲルを含む。液相中のこのマイクロエマルションに基づく有機ゲルは1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリンを特徴とし、有機溶媒は、ラウリン酸エチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル;シクロペンタン、シクロオクタン、トランス−デカリン、トランス−ピナン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘキサデカン、およびトリプロピルアミンのうち少なくとも1つである。
レシチンオルガノゲルは、ミセルまたは血管構造の形成を支援するためにさらなる構成成分とともに処方される。1つアプローチにおいて、オルガノゲルは、水、グリセロール、エチレングリコールまたはホルムアミドなどの極性構成成分とともに、特に水とともに処方される。一般に、最終量に合わせる(top off)ために水溶液中のポロキサマーなどの非イオン性界面活性剤が使用される。あるいは、極性構成成分の代わりに胆汁酸塩などの材料を使用することによって、無水組成物が得られ得る。胆汁酸塩とともに処方される場合、本組成物のミセルの性質は、多かれ少なかれ球状の小胞形態ではなく、小胞が蠕虫状になり、より大きいゲスト分子を収容し、より効率的に表皮に浸透することが可能になるように改変される。適切な胆汁酸塩としては、デオキシコール酸、タウロコール酸、グリココール酸、タウロケノデオキシコール酸、グリコケノデオキシコール酸、およびコール酸の塩などが含まれる。Tween(登録商標)80またはSpan(登録商標)80などの特定の界面活性剤が代替物として使用され得る。組成物の無水形態でのこれらの構成成分のパーセンテージは1%w/w〜15%w/wの範囲である。いくつかの実施形態において、胆汁酸塩含量の範囲は2%〜6%w/wまたは1%〜3.5%w/wである。これらの基本的に無水の形態で、最終量に合わせる(top off)ために、一般的には20%〜60%w/wの量で粉末化またはマイクロ化非イオン性界面活性剤が使用される。胆汁酸塩の量を決定するための1つのアプローチにおいて、%はレシチンの%w/wを10により除することによって計算される。
本開示の処方物中のさらなる構成成分はアルコールである。ベンジルアルコールおよびエタノールは実施例で例示する。特にハロ、およびアルキルなどベンゼン環上に置換基を含有するベンジルアルコールの誘導体である。最終組成物中のベンジルまたは他の関連アルコールの重量パーセンテージは、0.5〜20%w/w、同様に1%w/w、2%w/w、5%w/w、7%w/w、10%w/wなどの中間のパーセンテージであり、他の中間重量パーセンテージが含まれる。ベンジルアルコールなどの浸透促進処方物中に存在する芳香族基ゆえに、分子は極性末端(アルコール末端)および非極性末端(ベンゼン末端)を有する。これにより、本薬剤が、多岐にわたる薬物および薬剤を溶解させることが可能になる。アルコール濃度は本組成物中のレシチンオルガノゲルの濃度よりも実質的に低い。
いくつかの実施形態において、上記のように、本処方物の性能は、非イオン性界面活性剤および極性ゲル化剤を含むか、または胆汁酸塩および粉末化表面活性物質を含むことによってさらに改善される。本組成物の水性と無水の両形態において、界面活性剤、一般的には非イオン性界面活性剤が添加される。一般に、非イオン性界面活性剤は少なくとも2%w/w〜60%w/wの量で存在すべきである。一般的には、本処方物が界面活性剤を含有する極性溶液または水溶液で最終量に合わせられる(topped off)組成物中で、界面活性剤の量は比較的低い−例えば2%〜25%w/wまたは5〜15%w/wまたは7〜12%w/w。しかし、基本的に無水であり、粉末化界面活性剤により最終量に合わせられる(topped off)胆汁酸塩を含む組成物中で、比較的より高いパーセンテージが通常は使用される−例えば20%〜60%w/w。
いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、本処方物が室温でゲル様またはクリーム状となる適切な操作特性をもたらす。この効果を発揮するために、界面活性剤、一般的にポロキサマーは、極性処方物中に約2〜12%w/w、好ましくは約5〜25%w/wの量で存在する。本組成物の無水形態で、本組成物を100%にするために界面活性剤を粉末化またはマイクロ化形態で添加し、より多くの量が使用される。胆汁酸塩ではなく、極性構成物を有する組成物において、本組成物を100%にするために溶液として非イオン性界面活性剤が添加される。残りの構成成分が高レベルであるので、より少量の界面活性剤溶液が必要とされる場合、非イオン性界面活性剤のより濃縮された溶液が使用される。したがって、他の構成成分のパーセンテージに依存して、例えば、溶液中の界面活性剤のパーセントは、10%〜40%または20%または30%および中間の値であり得る。
適切な非イオン性界面活性剤としては、Pluronic(登録商標)などのポロキサマーおよび親水性部分と疎水性部分の組み合わせを特徴とする任意の他の界面活性剤が含まれる。ポロキサマーは、ポリオキシプロピレンの中央の疎水性鎖にポリエチレンオキシドの2本の親水性鎖が隣接するトリブロックコポリマーである。他の非イオン性界面活性剤としては、長鎖アルコールおよび親水性および疎水性部分のブロックが使用される親水性モノマーと疎水性モノマーのコポリマーが含まれる。
いくつかの実施形態において、本処方物は、極性溶媒とともに、2〜25%w/wの表面活性物質、一般的には非イオン性表面活性物質も含有し、この極性溶媒は、少なくとも非イオン性界面活性剤のモル過剰量の量で存在する。これらの実施形態において、一般的には、本組成物は、十分な量の極性溶液、一般的にはそれ自身が10%〜40%の表面活性物質、一般的には本組成物を100%にするための非イオン性表面活性物質を含有する、水溶液またはポリエチレングリコール溶液と一緒に、炭酸塩とともに、上で言及される量のレシチンオルガノゲルおよびベンジルアルコールを含む。
表面活性物質の他の例としては、ポリオキシエチル化ヒマシ油誘導体、例えばHallStar Companyにより販売されるHCO−60表面活性物質など;ノノキシノール;オクトキシノール;フェニルスルホネート;ポロキサマー、例えばPluronic(登録商標)F68、Pluronic(登録商標)F127、およびPluronic(登録商標)L62としてBASFにより販売されるものなど;ポリオレエート;Rewopal(登録商標)HVIO、ラウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム);オレイン酸ナトリウム;ジラウリン酸ソルビタン;ジオレイン酸ソルビタン;モノラウリン酸ソルビタン、例えばSigma−Aldrichにより販売されるSpan(登録商標)20など;モノオレイン酸ソルビタン;トリラウリン酸ソルビタン;トリオレイン酸ソルビタン;モノパルミチン酸ソルビタン、例えばSigma−Aldrichにより販売されるSpan(登録商標)40など;ステアリン酸ソルビタン、例えばSigma−Aldrichにより販売されるSpan(登録商標)85;ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル、例えばSigma−Aldrichにより販売されるSynperonic(登録商標)NPなど;Sigma−Aldrichにより販売されるTriton(商標)X−100として販売されるp−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニルエーテルなど;およびポリソルベート、例えばSigma−Aldrichによる、Tween(登録商標)20として販売されるポリオキシエチレン(20)モノラウリン酸ソルビタン、Tween(登録商標)40として販売されるポリソルベート40(ポリオキシエチレン(20)モノパルミチン酸ソルビタン)、Tween(登録商標)60として販売されるポリソルベート60(ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸ソルビタン)、Tween(登録商標)80として販売されるポリソルベート80(ポリオキシエチレン(20)モノオレイン酸ソルビタン)、およびTween(登録商標)85として販売されるトリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンが含まれる。非イオン性界面活性剤の重量パーセンテージ範囲は、3%w/w〜15%w/wの範囲であり、同様に5%w/w、7%w/w、10%w/w、および12%w/wなどの中間のパーセンテージを含む。いくつかの実施形態において、界面活性剤部分は、本処方物の約2〜25%w/wの量の非イオン性表面活性物質;および本処方物の5%w/w未満の量の極性溶媒を含む。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤はポロキサマーであり、極性溶媒は、水、アルコール、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、界面活性剤部分は、ポロキサマー、プロピレングリコール、グリセリン、エタノール、50%w/v水酸化ナトリウム溶液、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、界面活性剤部分は、本処方物の3%w/w未満の量のグリセリンを含む。
水、グリセロール、エチレングリコールまたはホルムアミドなどの極性ゲル化剤の存在下で、ミセル構造が達成されることも多い。一般的には、極性剤はモル過剰量の非イオン性界面活性剤である。非イオン性界面活性剤/極性ゲル化剤の組み合わせを含むことにより、その結果、皮膚への直接的な塗布に適切である、より粘性が高く、クリーム様またはゲル様の処方物が生じる。これは、本組成物の水性形態に典型的である。
いくつかの実施形態において、ゲル化剤、分散剤および保存剤などの他の添加剤が含まれる。適切なゲル化剤の例はヒドロキシプロピルセルロースであり、これは、一般に約5cps〜約25,000cps、例えば約1500cpsなど、の粘性からのグレードで入手可能である。全ての粘度測定は、別段の断りがない限り、室温で行われると想定される。ヒドロキシプロピルセルロースの濃度は本組成物の約1%w/w〜約2%w/wの範囲であり得る。他のゲル化剤は当技術分野で公知であり、ヒドロキシプロピルセルロースの代わりに、またはこれに加えて使用され得る。適切な分散剤の例はグリセリンである。グリセリンは、一般的には本組成物の約5%w/w〜約25%w/wの濃度で含まれる。保存剤は、微生物成長、組成物構成成分の紫外光および/または酸素誘導性の分解などを阻害するのに有効な濃度で含まれ得る。保存剤が含まれる場合、これは、本組成物の約0.01%w/w〜約1.5%w/wの濃度の範囲であり得る。
本処方物中にまた含まれ得る典型的な構成成分は、脂肪酸、テルペン、脂質、ならびにカチオン性およびアニオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態において、本処方物は、本処方物の2%w/w、5%w/w、または10%w/w未満の量のトラネキサム酸をさらに含む。いくつかの実施形態において、本処方物は、本処方物の2%w/w、5%w/w、10%w/w、または20%w/w未満の量の極性溶媒をさらに含む。いくつかの実施形態において、本処方物は、保水剤、乳化剤、皮膚軟化薬、またはそれらの組み合わせをさらに含む。いくつかの実施形態において、本処方物は、約2%w/w、5%w/w、または10%w/w未満の量のエチレングリコールテトラ酢酸をさらに含む。いくつかの実施形態において、本処方物は、約5%w/w未満の量のアーモンド油をさらに含む。いくつかの実施形態において、本処方物は、約5%w/w未満の量の熱可塑性ポリウレタンとポリカーボネートの混合物をさらに含む。いくつかの実施形態において、本処方物は、約5%w/w未満の量のホスファチジルエタノールアミンをさらに含む。いくつかの実施形態において、本処方物は、約5%w/w未満の量のイノシトールホスファチドをさらに含む。
いくつかの実施形態において使用され得る他の溶媒および関連化合物としては、アセトアミドおよび誘導体、アセトン、n−アルカン(7〜16の鎖長)、アルカノール、ジオール、短鎖脂肪酸、シクロへキシル−1,1−ジメチルエタノール、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、エタノール、エタノール/d−リモネンの組み合わせ、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エトキシジグリコール(Gattefosse,Lyon,FranceによるTranscutol(登録商標))、グリセロール、グリコール、塩化ラウリル、リモネンN−メチルホルムアミド、2−フェニルエタノール、3−フェニル−1−プロパノール、3−フェニル−2−プロペン−1−オール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノエステル、ポリプロピレングリコール425、第一級アルコール(トリデカノール)、1,2−プロパンジオール、ブタンジオール、C3−C6トリオールまたはそれらの混合物ならびにC16またはC18モノ不飽和アルコール、C16またはC18分岐状飽和アルコールおよびそれらの混合物から選択される極性脂質化合物、プロピレングリコール、Sigma−AldrichによりSpan(登録商標)20として販売されるモノラウリン酸ソルビタン、スクアレン、トリアセチン、トリクロロエタノール、トリフルオロエタノール、トリメチレングリコールならびにキシレンが含まれる。
脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪エステルは、いくつかの実施形態において使用され得る二重層流動化剤である。適切な脂肪アルコールの例としては、脂肪族アルコール、デカノール、ラウリルアルコール(ドデカノール)、ウノレニルアルコール、ネロリドール、1−ノナノール、n−オクタノール、およびオレイルアルコールが含まれる。適切な脂肪酸エステルの例としては、酢酸ブチル、乳酸セチル、デシルN,N−ジメチルアミノアセテート、デシルN,N−ジメチルアミノイソプロピオネート、ジエチレングリコールオレエート、セバシン酸ジエチル、コハク酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、ドデシルN,N−ジメチアミノ(dimethyamino)アセテート、ドデシル(N,N−ジメチルアミノ)−ブチレート、ドデシルN,N−ジメチルアミノイソプロピオネート、ドデシル2−(ジメチアミノ(dimethyamino))プロピオネート、E0−5−オレイルエーテル、酢酸エチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸エチル、グリセロールモノエーテル、モノラウリン酸グリセロール、モノオレイン酸グリセロール、モノリノール酸グリセロール、イソステアリン酸イソプロピル、リノール酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル/脂肪酸モノグリセリドの組み合わせ、パルミチン酸イソプロピル、酢酸メチル、カプリン酸メチル、ラウリン酸メチル、プロピオン酸メチル、吉草酸メチル、1−モノカプロイルグリセロール、モノグリセリド(中鎖長)、ニコチン酸エステル(ベンジル)、酢酸オクチル、オクチルN,N−ジメチルアミノアセテート、オレイン酸オレイル、n−ペンチルN−アセチルプロリネート、モノラウリン酸プロピレングリコール、ジラウリン酸ソルビタン、ジオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、トリラウリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、スクロースココナツ脂肪エステル混合物、モノラウリン酸スクロース、モノオレイン酸スクロース、テトラデシルN.N−ジメチルアミノアセテートが含まれる。適切な脂肪酸の例としては、アルカン酸、カプリド酸(caprid acid)、二酸、オクタデカン酸エチル、ヘキサン酸、乳酸、ラウリン酸、リノエライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ネオデカン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ペラルゴン酸、プロピオン酸、およびバクセン酸が含まれる。適切な脂肪アルコールエーテルの例としては、a−モノグリセリルエーテル、E0−2−オレイルエーテル、E0−5−オレイルエーテル、E0−10−オレイルエーテル、ポリグリセロールおよびアルコールのエーテル誘導体、ならびに(1−O−ドデシル−3−O−メチル−2−O−(2’,3’−ジヒドロキシプロピルグリセロール)が含まれる。
いくつかの実施形態において使用され得るコンプリーティング剤(completing agent)の例としては、β−およびγ−シクロデキストリン錯体、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えばCarbopol(登録商標)934)、リポソーム、ナフタレンジアミドジイミド、およびナフタレンジエステルジイミドが含まれる。
一般的に0.1%〜2.5%w/wの濃度でビタミンC、ビタミンE、プロアントシアニジンおよびa−リポ酸などの1つ以上の抗酸化剤が含まれ得る。
いくつかの適用において、対象において、浸透を支援するかまたは炭酸塩および/もしくは標的化合物の性質を調整するために処方物のpHを調整することが望ましい。一部の例において、pH9〜11または10〜11のレベルにpHを調整するが、これは適切な緩衝液を提供することによるか、または単純にpHを塩基で調整することにより行われ得る。
いくつかの適用において、特に治療剤が麻酔薬を含むとき、安定化剤が存在する場合、エピネフリンまたは代替的な血管収縮剤、例えばフェニレフリンまたは硫酸エピネフリンなどが処方物中に含まれ得る。そうでなければ、エピネフリンはアルカリ性pHで安定ではないので、エピネフリンは並行して投与すべきである。
麻酔性組成物の何れかにおいて、経皮麻酔薬と並行してエピネフリンを投与することが所望され得る。あるいは、鉄キレート剤Desferal(登録商標)などのキレート剤でのエピネフリンの処理により、経皮処方物中でそれを含むように十分にエピネフリンが安定化され得る。
一部の腫瘍は緩衝液での処置に応答しないが、腫瘍周囲の細胞外マトリクスを攻撃するプロテアーゼのレベル上昇により明らかに転移することが理解される。何らかの事象において、ECMの分解は転移を促す。したがって、本発明の組成物中に場合によっては含まれるさらなる活性剤は、1つ以上の適切なプロテアーゼ阻害剤である。特に重要なのは、カテプシン、例えばカテプシンBの阻害剤、およびマトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)の阻害剤である。これらの構成成分は、単独で活性であるか、または緩衝液処置に耐えられない腫瘍に対する緩衝液の効果を増強する。
本処方物は、賦形剤として作用するか、または活性抗腫瘍効果以外の目的となる他の構成成分を含み得る。例えば、抗酸化物のような保存剤、例えばアスコルビン酸またはα−リポ酸および抗菌剤も含まれ得る。治療活性成分および真皮浸透の主要なエフェクターである構成成分以外の他の構成成分は、メントールまたは他の芳香物などの審美目的のために提供されるもの、および、乳化剤、例えば(熱可塑性ポリウレタンおよびポリカーボネートの混合物である)Durasoft(登録商標)などの組成物の物理的状態に影響を与える構成成分を含み得る。一般的には、これらの成分は本組成物のうち非常に小さいパーセンテージで存在する。これらの後者の補助物質は、治療成分でもないし、皮膚の浸透に主に関与する構成成分でもないと理解される。皮膚浸透に主に影響する構成成分は上記のように詳述されている。しかし、これらの一部は、皮膚浸透に影響を与えるための幾分かの能力を有する。例えばメントールの浸透特性を記載するKunta,J.R.ら、J.Pharm.Sci.(1997)86:1369−1373を参照されたい。
水性媒体で最終量に合わせる(topping off)代わりに胆汁酸塩がベンジルアルコールおよびレシチンオルガノゲルの組み合わせに添加される実施形態において、比較的球状になっているミセルが伸長した蠕虫状になり得、したがって表皮の角質層の優れた浸透がもたらされる。ミセルの蠕虫状形成は、より高い分子量の治療剤を収容するの際に特に有益である。知られているように、胆汁酸塩は、表面両親媒性物質であり、タウロコール酸、グリココール酸、タウロケノデオキシコール酸、グリコケノデオキシコール酸、コール酸、デオキシコール酸の塩を含む。胆汁酸塩の代わりに界面活性剤も有用であり、これはTween(登録商標)80およびSpan(登録商標)80を含む。
別の態様において、特定の実施形態は、限定されないが、投与後約3日、投与後約7日、投与後約10日、投与後約15日、投与後約20日、投与後約25日、投与後約30日、投与後約45日、投与後約60日、投与後約75日、または投与後約90日の期間にわたり、本明細書中で開示され、本明細書に記載の処方物として作製される1つの治療用化合物又は複数の治療用化合物を放出する持続放出薬物送達プラットフォームを対象とする。この実施形態の他の態様において、持続放出薬物送達プラットフォームは、限定されないが、投与後少なくとも3日、投与後少なくとも7日、投与後少なくとも10日、投与後少なくとも15日、投与後少なくとも20日、投与後少なくとも25日、投与後少なくとも30日、投与後少なくとも45日、投与後少なくとも60日、投与後少なくとも75日、または投与後少なくとも90日の期間にわたり、実質的に一次放出速度で、本明細書中で開示される1つの治療用化合物または複数の治療用化合物を放出する。
この明細書に記載の処方物は、処置される特定の徴候に対して所望される場合、2つ以上の治療用化合物、好ましくは他のタンパク質に悪影響を与えない補完的活性があるものも含み得る。インビボ投与に使用されるべき処方物は無菌であり得る。これは、例えば、限定されないが、処方物の調製の前若しくは後に滅菌ろ過膜を通すろ過または限定されないが、低温殺菌を含む当技術分野で公知の他の方法によって達成される。
投与のためのパッケージおよび機器は、限定されないが、投与しようとする物質の体積、保管のための条件、熟練した医療従事者が投与するか否かまたは患者の自己コンプライアンス、投与計画、地理的環境(例えば途上国についての極限温度条件への曝露)、および他の実際的な検討事項などの様々な検討事項より決定され得る。
特定の実施形態において、キットは、限定されないが、本明細書中に記載の1つ以上の処方物を含む1つ以上のクリームまたはローションを含み得る。様々な実施形態において、本キットは、エマルションコーティングパッチとして投与されるように処方される、経皮、局所、または皮下投与のための処方構成成分を含み得る。これらの実施形態及び他の実施形態の全てにおいて、本キットは、前述のものの何れかに従い、1つ以上のローション、クリーム、またはパッチなどを含有し得、各パッチが対象への投与用の単一単位用量を含有する。
イメージング構成成分が場合によっては含まれ得、包装は、本処方物を使用するための書面の説明書またはウェブでアクセス可能な説明書も含み得る。容器は、例えばバイアル、瓶、パッチ、シリンジ、プレフィルドシリンジ、チューブまたはマルチディスペンサー包装のための、当技術分野で周知の様々な方式の何れかを含み得る。
投与および投薬
本明細書中で提供される処方物はあらゆる形態で局所的に投与され得る。投与のために、所望の領域および周囲の皮膚の上に、十分な量の局所用組成物が適用され得る。また、本処方物は、例えば顔面の皮膚、ならびにび手、首、胸部の皮膚および/または頭皮を含め、あらゆる皮膚表面に適用され得る。
本明細書中で提供される処方物はあらゆる形態で局所的に投与され得る。投与のために、所望の領域および周囲の皮膚の上に、十分な量の局所用組成物が適用され得る。また、本処方物は、例えば顔面の皮膚、ならびにび手、首、胸部の皮膚および/または頭皮を含め、あらゆる皮膚表面に適用され得る。
本発明の処方物の適用において、本処方物そのものは、皮膚上に単純に置かれ、表面全体に広げられ、かつ/または浸透を助けるためにマッサージされる。使用される処方物の量は、一般に所望の表面積を覆うのに十分である。いくつかの実施形態において、処方物を塗布したら、処方物を覆うように保護カバーを置き、適切な時間、すなわち5分間、10分間、20分間またはそれ以上、いくつかの実施形態においては1または2時間、置いたままにする。保護カバーは、単純に、湿気を透過させないカバーとともに供給される包帯を含む包帯であり得る。これは、皮膚への処方物の接触を基本的に固定し、一部の場合では蒸発による処方物の変形を防ぐ。ブラシ、シリンジ、ガーゼパッド、ドロッパー、または何らかの好都合なアプリケーターなどの塗布のための標準的手順を使用して、本組成物が皮膚に塗布され得る。送達装置の使用を含むより複雑な塗布方法も使用され得るが、必要とはされない。無傷の皮膚に局所投与する代わりに、皮膚表面はまた、ばねシステム、レーザー駆動システム、ローレンツ力によるかまたはガスもしくは超音波を含むショック波により駆動されるシステムの使用により機械的に破壊され得、例えば、紙やすりもしくはその同等物の使用によって、またはマイクロニードルもしくはエレクトロポレーション装置を用いることによってマイクロダームアブレーション(microdermabrasion)を使用し得る。無傷の皮膚に浸透する薬剤(複数可)および上記の処方物の単純な溶液は、マイクロパッチの形態のものなどの密封パッチを使用して塗布され得る。持続投与のための本処方物の外部リザーバーも使用され得る。
無傷の皮膚に局所投与する代わりに、皮膚表面はまた、ばねシステム、レーザー駆動システムの使用、イオントフォレシス、ローレンツ力によるかまたはガスもしくは超音波を含むショック波により駆動されるシステムの使用により機械的に破壊され得、例えば、紙やすりもしくはその同等物の使用によるか、またはマイクロニードルもしくはエレクトロポレーション装置を用いることによってマイクロダームアブレーション(microdermabrasion)を使用し得る。無傷の皮膚に浸透する薬剤(複数可)および上記の処方物の単純な溶液は、マイクロパッチの形態のものなどの密封パッチを使用して塗布され得る。持続投与のための本処方物の外部リザーバーも使用され得る。
一般に、活性剤としての緩衝液の場合に皮膚の有効な浸透に対して求められるものは、癌転移を予防する際に有用な代替薬剤に対して必要とされるものよりも拘束が少ないことが分かった。さらに、これらの適応症に対して、メラノーマ、または肝斑または痛風を含む固形腫瘍の部位への送達が所望されるものの、局所投与が使用される場合、浸透の有効性を診断する方法として、有効な全身pH変化が使用され得る。
適用方法は、処置の性質により決定されるが、処方物そのものの性質よりも重要でない場合がある。適用が皮膚領域に対するものである場合、クレンジングまたは剥離により皮膚を準備することが一部の例において有益であり得る。一部の例において、処方物そのものの適用前に、皮膚領域のpHを調整することが有益であり得る。本処方物の適用は、皮膚への単純なマッサージによるもの、またはシリンジもしくはポンプなどの装置の使用によるものであり得る。パッチも使用され得る。一部の場合において、本処方物の蒸発または喪失を防ぐために適用領域を被覆することが有益である。
適用領域が基本的に皮膚である場合、本処方物を供給し、皮膚障壁を修復するために浸透が起こるようにした後、適用領域を密封することが有益である。これを行うための好都合な方法は、本発明の浸透剤により提供された侵入経路を効果的に閉じるリノール酸を含む組成物を適用することである。この適用はまた、皮膚領域上に直接擦り付けることにより行われるか、または測定した量でより的確に塗布され得る。
いくつかの実施形態において、本開示は、対象に経皮的に局所麻酔薬を投与することおよび25%〜70%w/wまたは30%〜60%w/wまたは30%〜40%w/wのレシチンオルガノゲルとともに有効量の麻酔薬を含有する処方物を投与することを対象とし、一般的にはこのレシチンオルガノゲルは、場合によっては1%〜5%w/wまたは2%〜4%w/wメントールを含め、パルミチン酸イソプロピルまたはミリスチン酸イソプロピルおよび0.5%〜20%w/wまたは0.9%〜2%w/wベンジルアルコールの範囲のベンジルアルコールと組み合わせて大豆レシチンを含み、この組成物は、極性溶液、一般的には15%〜50%w/wまたは20%〜40%w/wまたは20%〜30%w/wポロキサマー、一般的にはPluronic(登録商標)を含む水溶液で最終量に合わせられるか(topped off)、またはあるいはデオキシコール酸もしくはデオキシコール酸ナトリウムなどの胆汁酸塩を4%〜8%w/w、一般的には6%w/wの範囲で含み、本組成物の残りの部分が粉末化非イオン性界面活性剤、一般的にはPluronic(登録商標)である無水組成物であり得る。本組成物のpHは、9〜11、一般的には10〜11に調整する。本処方物を皮膚の所望の領域に塗布し、適切な時間、例えばSaran(商標)ラップで被覆し得る。処置後、リノール酸を含む組成物を適用することにより、皮膚が修復され得る。
麻酔薬、脂肪除去化合物、栄養素、偏頭痛の処置のための非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)剤、毛髪成長調整剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、ワクチン構成成分、組織体積増量化合物、抗セルライト治療薬、創傷治癒化合物、禁煙を達成するのに有用な化合物、コラーゲンの縮みを予防するための薬剤、Botox(登録商標)などの皺を緩和する化合物、皮膚美白化合物、皮下出血の緩和のための化合物、てんかんの処置のためのカンナビジオールを含むカンナビノイド、脂肪分解のための化合物、多汗症の処置のための化合物、ざ瘡治療薬、医学的または美容タトゥー用の皮膚着色のための色素、サンスクリーン化合物、ホルモン、インスリン、鶏眼/胼胝除去剤、いぼ除去剤、および一般に経皮送達が所望される任意の治療剤または予防剤を含め、多岐にわたる治療剤が本処方物中で使用され得る。上記のように、送達は、爪真菌の処置または毛髪成長の調整などの、皮膚を横切り局所的な皮下の場所への輸送に単純に影響を及ぼし得るか、またはワクチンが使用される一部の例において所望される場合など、全身送達を実現し得る。
本発明の組成物および処方物それ自体に加えて、本方法は、リノール酸での続く処置を使用し得る。経皮処置は一般に、皮膚障壁を開くので(実際にこれはそれらの目的である。)、処置の終了後に適用領域を密封することは有用である。したがって、本処方物での処置の後、適用領域を密封するためにリノール酸を含む組成物でその皮膚領域を処置し得る。リノール酸の適用は、皮膚が保護層として作用する能力を損なうことになるあらゆる経皮手順に対して適用可能である。実際に、経皮処置の作用は、炭酸塩が、少なくとも真皮へと表皮を通過すること、かつ全身投与が達成される場合には真皮それ自体を通過することを可能にすることなので、殆どの経皮処置はこの効果を有する。
治療剤としての麻酔薬の投与については、局所麻酔薬は、次のうちの1つ以上であり得る:ベンゾカイン、リドカイン、テトラカイン、ブピバカイン、コカイン、エチドカイン、メピバカイン、プラモキシン、プリロカイン、プロカイン、クロロプロカイン、オキシプロカイン、プロパラカイン、ロピバカイン、ジクロニン、ジブカイン、プロポキシカイン、クロロキシレノール、シンコカイン、デキシバカイン、ジアモカイン、ヘキシルカイン、レボブピバカイン、プロポキシカイン、ピロカイン、リソカイン、ロドカイン、ならびにそれらの薬学的に許容可能な誘導体および生物学的等価体。麻酔剤の組み合わせも使用し得る。有効量(複数可)で本組成物中に麻酔剤(複数可)が含まれる。麻酔薬(複数可)に応じて、麻酔薬または組み合わせの量は一般に1%w/w〜50%w/wの範囲である。本発明の組成物は、長時間続く迅速な浸透緩和を提供する。処置すべき疼痛は、外傷性疼痛および/または炎症性疼痛の何れかであり得る。
一実施形態において、侵襲性の脂肪沈着除去に付随する疼痛を緩和するために麻酔薬が投与される。脂肪沈着の具体的な除去は、健康上の理由と美容の理由の両方に対して魅力的である。中でも、使用される方法は、脂肪吸引およびデオキシコール酸(DCA)などの脂肪用の細胞溶解剤の注射である。例えば、Kythera Biopharmaceuticalsが取得し、ライセンスを受けた一連の特許は、DCAまたはその塩を含有する組成物の注射を含む、局在化脂肪の外科手術によらない除去のための方法および組成物を対象とする。代表的な取得特許は、処方物(8,367,649);使用方法(8,846,066;7,622、130;7,754,230;8,298,556);および合成DCA(7,902,387)を対象とする。
本発明のこの態様において、鎮痛効果がある薬剤−一般的には経皮投与を介したリドカインまたは関連麻酔薬の投与と一緒に、従来の侵襲性脂肪除去技術が使用される。いくつかの実施形態において、鎮痛経皮処方物は、侵襲性脂肪除去手順の直前、その最中またはその直後に、疼痛がある領域に適用される。
さらなる治療剤が本組成物中に含まれ得る。例えば、ヒドロコルチゾンまたはヒドロコルチゾンアセテートは、0.25%w/w〜約0.5%w/wの範囲の量で含まれ得る。メントール、フェノール、およびテルペノイド、例えばカンファーが冷却鎮痛のために組み込まれ得る。例えばメントールは、約0.1%w/w〜約1.0%w/wの範囲の量で含まれ得る。
麻酔薬を含有する組成物は、軽度熱傷、切り傷、擦り傷、石鹸、界面活性剤または化粧品による皮膚の刺激、炎症および発疹に付随する疼痛ならびに掻痒または、上記のように、脂肪沈着の除去に付随する疼痛の一時的な緩和に有用である。
アルカリ性のpHの利点は、麻酔薬がそれとの抱合において使用される場合、より高い浸透能および脂肪溶解化合物の活性形態の調整を含む。例えば、デオキシコール酸のpKaは6.58であり、脂肪のpHは中性である。緩衝なしでデオキシコール酸(DCA)が注射される場合、これはほぼ、プロトン化形態と非プロトン化形態との間の平衡である。pH緩衝が高い処方物の利用によって、DCAをより水溶性にし、脂肪を乳化させる可能性をより高くする、非プロトン化形態へ顕著にバランスをシフトさせる。
本処方物は、状態、疾患、障害、症状を緩和するのに十分な期間、例えば1週間、1〜12週間またはそれ以上、1〜6週間、2〜12週間、2〜12週間、2〜8週間、2〜6週間、2〜4週間、4〜12週間、4〜8週間、または4〜6週間、週に1回、2週間に1回、月に1回、または1日に1〜12回、単一の単回適用で適用され得る。本組成物は、必要に応じて、例えば1日1回から1時間に1回の頻度で投与され得る。本明細書に記載の処方物は、1週間〜4週間、1週間〜2週間の期間、1週間、2週間、3週間、4週間、または4週間またはそれ以上の間、1日1回または複数回、局所的に投与され得る。一部の例において、処置を永続的に継続すること、例えば発癌を阻害もしくは予防すること、または寛解の持続時間を改善、延長させること、または癌もしくは別の疾患もしくは障害の寛解を維持することも所望され得る。皮膚用クリーム、ローションまたは軟膏を含む処方物に適切な投与は、例えば、1日に、または必要であれば毎時1回、2回、3回、4回である。
本明細書中で提供される処方物は治療的有効量で適用され得る。例えば適用あたりの適切な量は、例えば約1グラム〜約500グラム;約1グラム〜約10グラム;約10グラム〜約25グラム;約10グラム〜約50グラム;約10グラム〜約100グラム;約10グラム〜約200グラム;約10グラム〜約350グラム;約10グラム〜約500グラム;約20グラム〜約500グラム;約20グラム〜約350グラム;約20グラム〜約200グラム;約20グラム〜約100グラム;約20グラム〜約90グラム;約20グラム〜約80グラム;約20グラム〜約70グラム;約20グラム〜約60グラム;約20グラム〜約50グラム;約30グラム〜約100グラム;約30グラム〜約80グラム;約30グラム〜約70グラム;または約30グラム〜約60グラムを含み得る。あるいは、例えば適用あたりの適切な量は、例えば少なくとも5グラム;少なくとも10グラム;少なくとも15グラム;少なくとも20グラム;少なくとも25グラム;少なくとも30グラム;少なくとも35グラム;少なくとも40グラム;少なくとも50グラム;少なくとも55グラム;少なくとも60グラム;少なくとも65グラム;少なくとも70グラム;少なくとも75グラム;少なくとも80グラム;少なくとも85グラム;少なくとも90グラム;少なくとも100グラム;またはそれ以上を含み得る。
必要に応じて、上記組成物中で提供されるものと一緒に他の治療剤を使用し得る。単一剤型を作製するために担体物質と組み合わせられ得る活性成分の量は、試験される宿主、疾患、障害、または状態の性質、および活性成分の性質に依存して変動する。
任意の特定の患者に対する具体的な用量レベルは、具体的な活性剤の活性;患者の年齢、体重、総体的健康状態、性別および食餌;投与の時間;排出速度;可能な薬物の組み合わせ;処置している特定の状態の重症度;処置すべき領域および投与形態を含む様々な要因に依存して変動することが理解される。当業者は、このような要因の可変性を認識し、通常を超えない実験を使用して具体的な用量レベルを確立することが可能である。
バイオアベイラビリティ、吸収速度定数、見かけの分布容積、未結合分画、総クリアランス、不変の尿中排泄率、初回通過代謝、排泄率定数、半減期、および平均滞留時間などの薬物動態学的パラメーターは、当技術分野で周知の方法により決定され得る。
本明細書中に記載の主題による処方物は、例えばチューブ、トトル(tottle)、ポンプ、容器または瓶、バイアル、広口瓶、パケット、またはブリスター包装を含め、例えば複数回使用または単回使用の包装に包装される局所投与形態であり得る。
局所処方物の1日1回量を含有する単回投与キットおよび包装が用意され得る。局所処方物の単回投与、単位用量、および1日1回使い捨て容器も提供される。
本局所処方物は、最長で約5年まで、約3か月〜約5年、約3か月〜約4年、約3か月〜約3年、およびあるいは約6か月〜約3年の任意の期間を含む期間の保管で安定なままである。
本明細書中に記載の局所処方物は、40℃以下の温度で少なくとも3年まで安定なままである。一実施形態において、本明細書に記載の局所処方物は、40℃以下の温度で少なくとも2年間安定なままである。一実施形態において、本明細書に記載の処方物またはエマルションは、40℃以下の温度および75%RHまでの湿度で少なくとも3年間、40℃以下の温度および75%RHまでの湿度で少なくとも2年間、または30℃以下の温度および75%RHまでの湿度で少なくとも3年間、安定なままである。さらなる実施形態において、本明細書中に記載の主題による本明細書に記載の生体適合性組成物は、ボトルディスペンサーなどの複数回使用容器中に包装される場合、長期間安定なままであり、単回使用包装中で包装される場合と等しい安定性またはさらにより優れた安定性を示す。
別の態様において、特定の実施形態の医薬組成物は、pH調整組成物または緩衝液(例えば局所処方物としての重炭酸ナトリウム)の1日用量を含む。任意の所与のpH調整化合物の局所または経皮投与のための1日用量は、化合物および動物に依存し、当業者により容易に決定され得、適切な量は、約1mg/kg〜約5g/kgであり、より一般的には1日用量は、約10mg/kg〜約5g/kg、約25mg/kg〜約2000mg/kg、約50mg/kg〜約2000mg/kg、約25mg/kg〜約1000mg/kg、約50mg/kg〜約1000mg/kg、約100mg/kg〜約700mg/kg、約100mg/kg〜約500mg/kg、約150mg/kg〜約500mg/kg、約150mg/kg〜約400mg/kg、約200mg/kg〜約500mg/kg、約200mg/kg〜約450mg/kg、約200mg/kg〜約400mg/kg、約250mg/kg〜約450mg/kg、約250mg/kg〜約400mg/kg、約250mg/kg〜約350mg/kg、および約275mg/kg〜約325mg/kgである。
あるいは、pH調整組成物もしくは緩衝液(例えば重炭酸ナトリウム)の局所または経皮投与のための適切な1日用量は、少なくとも約1mg/kg、少なくとも約10mg/kg、少なくとも約25mg/kg、少なくとも約30mg/kg、少なくとも約35mg/kg、少なくとも約40mg/kg、少なくとも約41mg/kg、少なくとも約42mg/kg、少なくとも約43mg/kg、少なくとも約44mg/kg、少なくとも約45mg/kg、少なくとも約46mg/kg、少なくとも約47mg/kg、少なくとも約48mg/kg、少なくとも約49mg/kg、少なくとも約50mg/kg、少なくとも約55mg/kg、少なくとも約60mg/kg、少なくとも約65mg/kg、少なくとも約70mg/kg、少なくとも約75mg/kg、少なくとも約80mg/kg、少なくとも約90mg/kg、少なくとも約100mg/kg、少なくとも約125mg/kg、少なくとも約150mg/kg、少なくとも約160mg/kg、少なくとも約170mg/kg、少なくとも約175mg/kg、少なくとも約180mg/kg、少なくとも約190mg/kg、少なくとも約200mg/kg、少なくとも約225mg/kg、少なくとも約250mg/kg、少なくとも約275mg/kg、少なくとも約300mg/kg、少なくとも約325mg/kg、少なくとも約350mg/kg、少なくとも約375mg/kg、少なくとも約400mg/kg、少なくとも約425mg/kg、少なくとも約450mg/kg、少なくとも約475mg/kg、少なくとも約500mg/kg、少なくとも約550mg/kg、少なくとも約600mg/kg、少なくとも約700mg/kg、少なくとも約800mg/kg、少なくとも約900mg/kg、少なくとも約1g/kg、少なくとも約2g/kg、少なくとも約3g/kg、または少なくとも約5g/kgである。
あるいは、対象(例えばヒト患者)用のpH調整処方物もしくは緩衝液(例えば重炭酸ナトリウム)の局所または経皮投与のための適切な用量は、少なくとも約100mg、少なくとも約500mg、少なくとも約1g、少なくとも約5g、少なくとも約10g、少なくとも約15g、少なくとも約16g、少なくとも約17g、少なくとも約18g、少なくとも約19g、少なくとも約20g、少なくとも約21g、少なくとも約22g、少なくとも約23g、少なくとも約24g、少なくとも約25g、少なくとも約26g、少なくとも約27g、少なくとも約28g、少なくとも約29g、少なくとも約30g、少なくとも約35g、少なくとも約40g、少なくとも約45g、少なくとも約50g、少なくとも約60g、少なくとも約75g、少なくとも約100g、少なくとも約200g、少なくとも約500g、または少なくとも約1.0kgである。この用量は、毎日、1日2回、1日3回、1日4回、1日5回、または1日5回超投与され得る。
別の態様において、特定の実施形態において、pH調整組成物または緩衝液(例えば重炭酸ナトリウム)は、投与の結果、対象が少なくとも約0.1nmol/hr/Kg、少なくとも約0.5nmol/hr/Kg、少なくとも約0.7nmol/hr/Kg、少なくとも約1.0nmol/hr/Kg、少なくとも約1.1nmol/hr/Kg、少なくとも約1.2nmol/hr/Kg、少なくとも約1.3nmol/hr/Kg、少なくとも約1.4nmol/hr/Kg、少なくとも約1.5nmol/hr/Kg、少なくとも約1.6nmol/hr/Kg、少なくとも約1.7nmol/hr/Kg、少なくとも約1.8nmol/hr/Kg、少なくとも約1.9nmol/hr/Kg、少なくとも約2.0nmol/hr/Kg、少なくとも約2.5nmol/hr/Kg、少なくとも約3.0nmol/hr/Kg、少なくとも約3.5nmol/hr/Kg、少なくとも約4.0nmol/hr/Kg、少なくとも約5nmol/hr/Kg、少なくとも約10nmol/hr/Kg、少なくとも約25nmol/hr/Kg、少なくとも約50nmol/hr/Kg、少なくとも約100nmol/hr/Kg、少なくとも約500nmol/hr/Kg、または少なくとも約1μmol/hr/Kgを摂取するように、局所的または経皮的に投与される。
別の態様において、特定の実施形態において、pH調整組成物または緩衝液(例えば重炭酸ナトリウム)は、投与の結果、緩衝またはpH調整化合物のピーク血漿濃度が約1μg/ml〜50μg/ml、約5μg/ml〜約45μg/ml、約5μg/ml〜約40μg/ml、約5μg/ml〜約35μg/ml、約5μg/ml〜約30μg/ml、約5μg/ml〜約25μg/ml、約1μg/ml〜約45μg/ml、約1μg/ml〜約40μg/ml、約1μg/ml〜約35μg/ml、約1μg/ml〜約30μg/ml、約1μg/ml〜約25μg/ml、約1μg/ml〜約20μg/ml、約1μg/ml〜約15μg/ml、約1μg/ml〜約10μg/ml、約1μg/ml〜約9μg/ml、約1μg/ml〜約8μg/ml、約1μg/ml〜約7μg/ml、約1μg/ml〜約6μg/ml、および約1μg/ml〜約5μg/mlの範囲になるように、局所的または経皮的に投与される。
別の態様において、特定の実施形態において、pH調整組成物または緩衝液(例えば重炭酸ナトリウム)は、血漿濃度が約1ng/ml〜500μg/ml、約10ng/ml〜500μg/ml、約100ng/l〜500μg/ml、約1μg/ml〜500μg/ml、約10μg/ml〜500μg/ml、約25μg/ml〜500μg/ml、約25μg/ml〜約450μg/ml、約25μg/ml〜約400μg/ml、約25μg/ml〜約350μg/ml、約25μg/ml〜約300μg/ml、約25μg/ml〜約250μg/ml、約50μg/ml〜約500μg/ml、約55μg/ml〜約500μg/ml、約60μg/ml〜約500μg/ml、約65μg/ml〜約500μg/ml、約70μg/ml〜約500μg/ml、約75μg/ml〜約500μg/ml、約80μg/ml〜約500μg/ml、約85μg/ml〜約500μg/ml、約90μg/ml〜約500μg/ml、約95μg/ml〜約500μg/ml、約100μg/ml〜約500μg/ml、約110μg/ml〜約500μg/ml、約120μg/ml〜約500μg/ml、約130μg/ml〜約500μg/ml、約140μg/ml〜約500μg/ml 約150μg/ml〜約500μg/ml、約160μg/ml〜約500μg/ml、約170μg/ml〜約500μg/ml、約180μg/ml〜約500μg/ml、約200μg/ml〜約500μg/ml、約200μg/ml〜約490μg/ml、約200μg/ml〜約480μg/ml、約200μg/ml〜約470μg/ml、約200μg/ml〜約460μg/ml、約200μg/ml〜約450μg/ml、約200μg/ml〜約440μg/ml、約200μg/ml〜約430μg/ml、または約200μg/ml〜約400μg/mlの範囲になるように、局所的または経皮的に投与される。
さらなる実施形態において、pH調整組成物または緩衝液(例えば重炭酸ナトリウム)は、血漿濃度が、少なくとも10ng/ml、少なくとも25ng/ml、少なくとも50ng/ml、少なくとも100ng/ml、少なくとも250ng/ml、少なくとも0.5μg/ml、少なくとも0.75μg/ml、少なくとも1μg/ml、少なくとも2μg/ml、少なくとも3μg/ml、少なくとも4μg/ml、少なくとも5μg/ml、少なくとも6μg/ml、少なくとも7μg/ml、少なくとも8μg/ml、少なくとも9μg/ml、少なくとも10μg/ml、少なくとも15μg/ml、少なくとも20μg/ml、少なくとも25μg/ml、少なくとも30μg/ml、少なくとも35μg/ml、少なくとも40μg/ml、少なくとも45μg/ml、少なくとも50μg/ml、少なくとも55μg/ml、少なくとも60μg/ml、少なくとも65μg/ml、少なくとも70μg/ml、少なくとも75μg/ml、少なくとも80μg/ml、少なくとも85μg/ml、少なくとも90μg/ml、少なくとも95μg/ml、少なくとも100μg/ml、または100μg/ml超になるように、局所的または経皮的に投与される。
別の態様において、pH調整化合物または緩衝液(例えば重炭酸ナトリウム)は、投与後10分、15分、20分、30分、45分、60分、75分、90分、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、10時間、12時間または24時間内にピーク血漿濃度に到達するように、局所的または経皮的に投与される。
本明細書の態様は、本明細書中に記載の疾患または障害と関連する症状が少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%軽減し、本明細書中に記載の疾患または障害と関連する重症度が少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%軽減することを開示する。本明細書の態様は、疾患または障害に関連する症状が約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、または約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、または約50%〜約70%軽減されることを開示する。
抗癌剤および免疫療法剤との同時投与
別の態様において、本明細書中で提供される処方物および/または化合物は、アルキル化剤などの1つ以上の化学療法化合物、抗腫瘍特性を有する抗体および関連薬剤、アントラサイクリン、代謝拮抗剤、抗腫瘍抗生物質、アロマターゼ阻害剤、細胞骨格破壊剤(例えばタキサン)、エポチロン、ヒストン脱アセチル化酵素(histone deacetylace)阻害剤、キナーゼ阻害剤、ヌクレオシド類似体、トポイソメラーゼ阻害剤、レチノイド、ビンカアルカロイドおよび誘導体などと一緒に動物、対象または患者に同時投与または投与される。本発明の1つ以上の処方物または組成物および1つ以上の化学療法剤の投与または同時投与は、動物、対象もしくは患者における腫瘍または癌の処置のために使用され得る。
別の態様において、本明細書中で提供される処方物および/または化合物は、アルキル化剤などの1つ以上の化学療法化合物、抗腫瘍特性を有する抗体および関連薬剤、アントラサイクリン、代謝拮抗剤、抗腫瘍抗生物質、アロマターゼ阻害剤、細胞骨格破壊剤(例えばタキサン)、エポチロン、ヒストン脱アセチル化酵素(histone deacetylace)阻害剤、キナーゼ阻害剤、ヌクレオシド類似体、トポイソメラーゼ阻害剤、レチノイド、ビンカアルカロイドおよび誘導体などと一緒に動物、対象または患者に同時投与または投与される。本発明の1つ以上の処方物または組成物および1つ以上の化学療法剤の投与または同時投与は、動物、対象もしくは患者における腫瘍または癌の処置のために使用され得る。
例として、本明細書中で提供される処方物とともに、またはその一部として、アルキル化剤が投与または同時投与され得る。同時投与され得るアルキル化剤の例としては、メクロレタミン、クロラムブシル、イホスファミド、メルファラン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、プロカルバジン、ダカルダジン(dacardazine)、シスプラチン、カルボプラチン、マイトマイシンC、シクロホスファミド、イホスファミド、チオテパ、およびデカルバジン、およびそれらの類似体が含まれる。例えばクロラムブシルの合成を記載する米国特許第3,046,301号、イホスファミドの合成を記載する米国特許第3,732,340号、シクロホスファミドの合成についての米国特許第3,018,302号、メルファランの合成を記載する米国特許第3,032,584号、およびシクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン、イホスファミド、プロカルバジン、ヘキサメチルメラミン、シスプラチン、およびカルボプラチンの臨床態様についてのBraunwaldら、「Harrison’s Principles of Internal Medicine」、第15版,McGraw−Hill,New York,N.Y.,pp.536−544(2001)を参照されたい。ヌクレオシド類似体の例としては、フルダラビン ペントスタチン、メトトレキサート、フルオロウラシル、フルオロデオキシウリジン、CB3717、アザシチジン、シタラビン、フロクスウリジン、メルカプトプリン、6−チオグアニン、クラドリビン、およびそれらの類似体が含まれるが、これらに限定されない。
別の態様において、本明細書中で提供される処方物は、例えばペントスタチンの合成を記載する米国特許第3,923,785号、メトトレキサートの合成を記載する米国特許第4,080,325号、フルオロウラシルの合成を記載する米国特許第2,802,005号、およびメトトレキサート、5−フルオロウラシル、シトシンアラビノシド、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、およびフルダラビンリン酸塩の臨床態様についてのBraunwaldら、「Harrison’s Principles of Internal Medicine」、第15版,McGraw−Hill,New York,N.Y.,pp.536−544(2001)に記載のものなどの化学増感剤とともに投与される。このような化学療法剤のための調製および投与計画は、製造者の説明書に従い、または熟練した実施者により経験的に決定されるように、使用され得る。このような化学療法のための調製および投与計画は、参照により本明細書中に組み込まれるChemotherapy Service Ed.,M.C.Perry,Williams & Wilkins,Baltimore,Md.(1992)にも記載されている。
別の態様において、本明細書中で提供される処方物は、パクリタキセル、ドセタキセル、およびカバジタキセルなどを含むが、これらに限定されないジテルペン化合物とともに投与または同時投与され得る。
別の態様において、本明細書中で提供される処方物は、トポイソメラーゼIIを阻害する化合物またはそうでなければ細胞中の核酸と相互作用する化合物とともに投与または同時投与され得る。このような化合物には、例えばドキソルビシン、エピルビシン、エトポシド、テニポシド、ミトキサントロン、およびそれらの類似体が含まれる。一例において、この組み合わせは、高用量化学療法および自家幹細胞支持(HDC−ASCT)と一緒に末梢血液前駆細胞(PBSC)の腫瘍細胞の混入を減少させるための処置において使用される。Geroniらの米国特許第6,586,428号を参照されたい。
別の態様において、本明細書中で提供される処方物は、免疫療法剤とともに投与または同時投与され得る。免疫療法は、癌を処置するための有望なアプローチになっている。Kruger C.ら、Immune based therapies in Cancer,Histol.Histopathol,2007,v22,687−696。癌を処置するために使用される免疫療法のタイプは、能動的、受動的またはハイブリッド(能動および受動)として分類され得る。能動的な免疫療法は、免疫系が標的化TAAにより腫瘍細胞を攻撃するよう仕向ける。受動的な免疫療法は、既存の抗腫瘍応答を促進し、チェックポイント阻害剤、モノクローナル抗体、リンパ球およびサイトカインの使用を含む。適切な免疫療法剤または免疫療法は、抗体もしくは改変抗体などの生物剤または生物学的に活性のある薬剤またはキメラ抗原受容体療法(CAR−T)などの細胞に基づく治療法であり得る。生物剤、免疫療法剤、細胞に基づく治療法、および生物学的治療剤などのような薬剤をカテゴリーに分け、分類することにおいて重複があり得ることが認識される。承認された抗体免疫療法剤の例としては、アレムツズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、イピリムマブ、デュルバルマブ、ニボルマブ、オファツムマブ、リツキシマブおよびトラスツズマブが含まれる。これらおよび他のものは、本明細書中で提供される特定の実施形態における使用に適切である。
別の態様において、生物学的治療剤および他の治療用薬物と処方物を投与または同時投与し得る。例えば、ビルリジン(Lorus Therapeutics)は、インビトロでの腫瘍細胞による腫瘍壊死因子、TNF−αの放出を刺激し、マクロファージ細胞の活性化を刺激すると考えられている。これは、癌細胞アポトーシスを増加させ、膵臓癌、悪性メラノーマ、カポジ肉腫(KS)、肺癌、乳癌、子宮、卵巣および子宮頸癌を含む様々なタイプの癌を処置するために、本発明の1つ以上の処方物と組み合わせて使用され得る。別の例は、CpG7909(Coley Pharmaceutical Group)であり、これはNK細胞および単球を活性化し、ADCCを促進すると考えられている。インターフェロンおよびインターロイキン(例えばEPO、トロンボポエチン)などのサイトカインは、1つ以上の本発明の処方物と組み合わせて特定の実施形態に有用な生物剤である。他のタイプの適切な生物学的治療剤としては、RNAおよびタンパク質に基づく薬剤、例えば酵素などが含まれる。これらの治療剤および他の薬剤も本明細書中で提供される処方物と組み合わせて使用され得る。
特定の実施形態において特定の癌の処置のために使用される生物学的治療剤の別の例は、血管形成阻害剤である。したがって、本発明の処方物は、抗腫瘍効果を向上させるために血管形成阻害剤とも組み合わせられ得る。血管形成は新しい血管の成長である。この過程により、腫瘍が成長し、転移するようになる。血管形成の阻害は、転移の予防、および腫瘍細胞の拡散の停止に役立ち得る。血管形成阻害剤には、アンジオスタチン、エンドスタチン、トロンボスポンジン、血小板因子4、軟骨由来阻害剤(CDI)、レチノイド、インターロイキン−12、メタロプロテイナーゼ1、2および3の組織阻害剤(TIMP−1、TIMP−2、およびTIMP−3)ならびに血管形成シグナル伝達カスケードを阻止するタンパク質、例えば抗VEGF(血管内皮増殖因子)ならびにIFN−アルファが含まれるが、これらに限定されない。血管形成阻害剤は、様々なタイプの癌、例えば肺および乳癌などの固形腫瘍癌と戦うために、例えば、本発明のADCCおよび/もしくは補体結合または化学療法剤複合抗原−結合に介在可能な抗原−結合コンストラクトを含む腫瘍特異的なコンストラクトとともに投与または同時投与され得る。生物学的治療剤の他の例には、E−カドヘリンおよび上皮増殖因子受容体(EGFR)の阻害剤が含まれる。既知の阻害剤には、エルロチニブ、抗インテグリン薬(シレンギチド)、カリポリド、エニポリドおよびアミロリドが含まれる。
別の態様において、本発明の処方物は、関節リウマチ、乾癬、潰瘍性大腸炎、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、クローン病、強直性脊椎炎、および様々な炎症性疾患過程の処置のための疾患調節抗リウマチ剤(DMAR剤)とともに投与または同時投与され得る。このような処置において、本発明のコンストラクト、例えば抗原−結合コンストラクトは通常、アザチオプリン、シクロスポリン、金、ヒドロキシクロロキン、メトトレキサート、ペニカラミン、およびスルファサラジンなどの化合物と一緒に投与される。
別の態様において、本明細書中で提供される処方物は、腫瘍を外科手術により摘出するために、緩和(非根治的)操作とともに使用され得る。この態様において、外科手術中に除去されなかった癌細胞を死滅させることにより、転移および再発の可能性を低下させるために、腫瘍の外科手術の前および後に、1つ以上の本発明の処方物を投与し得る。
本明細書中で提供される処方物および方法で、本明細書中に記載の他の疾患、状態、および障害を処置し得る。
実験例
本明細書中に記載の組成物および方法は、純粋に代表例であるものである次の例を参照することによりさらに理解されよう。本明細書中に記載の組成物および方法は、例示される実施形態による範囲に限定されず、単一態様のみの例示を目的とする。機能的に同等であるあらゆる方法が本発明の範囲内にある。本明細書中に明確に記載されるものに加えて、前述の記載および添付の図面から、本明細書中に記載の組成物および方法の様々な改変が当業者にとって明らかになろう。このような改変は、本発明の範囲内に入る。
本明細書中に記載の組成物および方法は、純粋に代表例であるものである次の例を参照することによりさらに理解されよう。本明細書中に記載の組成物および方法は、例示される実施形態による範囲に限定されず、単一態様のみの例示を目的とする。機能的に同等であるあらゆる方法が本発明の範囲内にある。本明細書中に明確に記載されるものに加えて、前述の記載および添付の図面から、本明細書中に記載の組成物および方法の様々な改変が当業者にとって明らかになろう。このような改変は、本発明の範囲内に入る。
次の実施例は、本発明を例示するものであり、限定するものではない。
実施例1−生体力学的および生化学的実験
有機液体中の胆汁酸塩およびレシチンの混合物から構成される蠕虫状逆ミセル系に関して、メタノール中で化学混合物を溶解させて、200mMおよび100mMの保存溶液をそれぞれ調製した。有機溶媒を添加し、続いて溶液が透明で均一になるまで撹拌することによって、所望の濃度の最終試料を得た。この研究から、これらの試料中の0.9:1モル比の残留水の存在が明らかになった。
有機液体中の胆汁酸塩およびレシチンの混合物から構成される蠕虫状逆ミセル系に関して、メタノール中で化学混合物を溶解させて、200mMおよび100mMの保存溶液をそれぞれ調製した。有機溶媒を添加し、続いて溶液が透明で均一になるまで撹拌することによって、所望の濃度の最終試料を得た。この研究から、これらの試料中の0.9:1モル比の残留水の存在が明らかになった。
Rheometrics RDA−IIIひずみ調節レオメーターにおいて、定常および動的なレオロジー実験を行った。動的ひずみ掃引測定から決定されるように、試料の線形粘弾性レジームで周波数スペクトルを実施した。Gaithersberg,MDにおいてNISTにてNG−7(30m)ビームラインで小角中性子散乱(SANS)測定を行った。6Aの波長の中性子を選択した。重水素化シクロヘキサンを用いてレシチン−胆汁酸塩試料を調製し、25℃にて1mmクオーツセル中で試験した。散乱スペクトルを補正し、NISTにより提供される較正標準物質を使用して絶対スケール上に置いた。
非干渉散乱の希釈溶液について、散乱物の形状因子P(q)に対して純粋にSANS強度をモデル化し得る。この試験において、発明者らは、3つの異なるミセル形状についての形状因子モデル;楕円体、剛性円柱および柔軟な円柱を考慮した。NISTにより供給されるソフトウェアモジュールを使用してモデルを実行した。
実施例2−化学物質浸透促進の臨床研究
CPE組成物を45日間、1日2回適用しながら、200名の対象の臨床試験を行った。数名の皮膚科医および美容整形外科医が患者を観察した。マイクロレリーフ技術により、客観的結果の裏付けを行った。この技術は、皮膚へのポリビニルシロキサン印象材の適用による。乾燥時に、フィルムを除去し、走査型電子顕微鏡および/またはハイパワー実体顕微鏡および撮影を利する視覚化のために、各々導電性金属でスパッタ被覆した。各目盛り分割は0.5mmに等しい。
CPE組成物を45日間、1日2回適用しながら、200名の対象の臨床試験を行った。数名の皮膚科医および美容整形外科医が患者を観察した。マイクロレリーフ技術により、客観的結果の裏付けを行った。この技術は、皮膚へのポリビニルシロキサン印象材の適用による。乾燥時に、フィルムを除去し、走査型電子顕微鏡および/またはハイパワー実体顕微鏡および撮影を利する視覚化のために、各々導電性金属でスパッタ被覆した。各目盛り分割は0.5mmに等しい。
45、58および70歳の3名の対象を選択した。未処置のままである隣接部位を対照として使用した。生検を行った2名の皮膚科医は、どれが処置されたもので、どれが対照部位であったかについて知らされなかった。
組織学的評価のために検体を処理した。標準的な脱水およびパラフィン包埋手順を使用した。細胞外マトリクスのコラーゲンおよびプロテオグリカン構成成分を視覚化するために、H&Eおよびアリシアンブルーで検体を染色した。代表的な組織学的知見を図9および10で示す。対照と比較した場合、処理された皮膚が有意差を示したことは明らかであった。処理した検体の真皮は、より最近沈着した線維ネットワークを示す特徴があるコラーゲンがより豊富であることを示す。上皮層はかなりより厚く、良好に組織化され、より大きな細胞代謝活性を反映する。この結果から、ゲスト分子の有効で迅速な経皮吸収が確認される。
実施例3−経皮浸透
この皮膚モデルは、正常なヒト由来表皮ケラチン産生細胞および正常なヒト由来皮膚線維芽細胞を利用し、代謝的および有糸分裂的に活性である、三次元組織コンストラクトのヒト真皮および表皮の多層高度分化モデルを作製するためにこれらを培養した。血清不含培地を用いて、空間的に調製された細胞培養挿入物上で組織を培養する。このモデルは超微細構造的にヒト皮膚に非常に似ており、したがって経皮吸収または透過性を評価するための有用なインビボ手段を提供する。このモデルは、インビボ様セラミドが存在するインビボ様脂質プロファイルを有する。さらに、このモデルは、正常なヒト皮膚の障壁機能特性の多くを再現し、ヒトの、経皮吸収、経皮薬物送達および障壁機能に関する他の研究に有用な基質であると判断された。
この皮膚モデルは、正常なヒト由来表皮ケラチン産生細胞および正常なヒト由来皮膚線維芽細胞を利用し、代謝的および有糸分裂的に活性である、三次元組織コンストラクトのヒト真皮および表皮の多層高度分化モデルを作製するためにこれらを培養した。血清不含培地を用いて、空間的に調製された細胞培養挿入物上で組織を培養する。このモデルは超微細構造的にヒト皮膚に非常に似ており、したがって経皮吸収または透過性を評価するための有用なインビボ手段を提供する。このモデルは、インビボ様セラミドが存在するインビボ様脂質プロファイルを有する。さらに、このモデルは、正常なヒト皮膚の障壁機能特性の多くを再現し、ヒトの、経皮吸収、経皮薬物送達および障壁機能に関する他の研究に有用な基質であると判断された。
4種類の異なる濃度(0.25g/ml、0.5g/ml、1g/ml、および2g/ml)の試料組成物または対照ベースを含有するドナー溶液(PBS)を調製した。ドナー溶液に赤い色合いを付けるためにニュートラルレッド(0.001%)を添加した。
次に、皮膚組織を含有する浸透装置の芯部にドナー溶液を添加し、次に3mLのPBSを含有する6ウェルプレートのウェルに全集合体を置いた。明確な間隔で、3mlのPBSを含有する新たなウェルに集合体を移動させた。インキュベーション後、個別のチューブ中に6ウェルからのPBSを回収し、標識して、さらなる処理のために−70℃で保存した。インキュベーション120時間後、この試験における全ての皮膚組織試料が試験期間の終了時に生存可能であったことを確認した。
実施例4−経皮水分喪失測定
経皮水分喪失率(TEWL)(g/h/m2)は、皮膚の障壁機能を反映する。Dermalab Evaporimetry Systen(Cortex Technology,Hadsund Denmark)を利用するTEWLプローブを使用して、左右両方の前腕の掌側で3回のベースライン測定を行った。次に、テンプレートで区切られた試験部位にテープを貼って剥離した(Duct tape,3M,St.Paul,MN)。テープ剥離後、各テープ剥離部位でTEWL測定を再び行った。TEWL上昇は、化学浸透促進組成物の局所適用後のSCの浸透障壁の破壊を示す。(図11および12)。
経皮水分喪失率(TEWL)(g/h/m2)は、皮膚の障壁機能を反映する。Dermalab Evaporimetry Systen(Cortex Technology,Hadsund Denmark)を利用するTEWLプローブを使用して、左右両方の前腕の掌側で3回のベースライン測定を行った。次に、テンプレートで区切られた試験部位にテープを貼って剥離した(Duct tape,3M,St.Paul,MN)。テープ剥離後、各テープ剥離部位でTEWL測定を再び行った。TEWL上昇は、化学浸透促進組成物の局所適用後のSCの浸透障壁の破壊を示す。(図11および12)。
実施例5−コラーゲンメッセージレベル
浸透試料化合物(0.25mg/ml濃度)およびベース対照(0.25mg/ml濃度)に曝露したヒト皮膚線維芽細胞の細胞株において、コラーゲンメッセージレベルを決定するために、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応法を使用した。培地単独中でインキュベートした細胞を陰性対照とした。
浸透試料化合物(0.25mg/ml濃度)およびベース対照(0.25mg/ml濃度)に曝露したヒト皮膚線維芽細胞の細胞株において、コラーゲンメッセージレベルを決定するために、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応法を使用した。培地単独中でインキュベートした細胞を陰性対照とした。
リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応分析を使用して、線維芽細胞においてコラーゲンの絶対量を決定した。レトロスクリプトリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応キットを使用して、線維芽細胞からcDNAを調製した。
これらの分析から、浸透試料化合物への曝露によって、30分以内にヒト皮膚線維芽細胞においてコラーゲンの発現が誘導されることが示された(図13)。ベースを線維芽細胞培養物に適用した場合、30分で同様の変化は観察されなかった。
したがって、これらの知見は浸透データと相関し、皮膚の表皮層への透過後の浸透試料化合物がヒト皮膚線維芽細胞でのコラーゲン合成を誘導し得ることが明確に示唆される。
実施例6−ヒト表皮の透過性の電気測定分析
皮膚伝導度は一般に、極性溶質へのその透過性の良好な目安である。経皮電流は、イオンを保有する電荷の移動が介在し、したがってこれらのイオンの透過性に関連する。スクリーニング目的について、高い電気伝導度を保持する皮膚ほど、極性溶質に対して高い透過性を示す。したがって、様々な浸透促進処方物に曝露される皮膚の電気伝導度を監視することにより、皮膚透過性の向上において最も効果のある処方物が同定される。化学浸透促進剤の好ましい二成分混合物を図14で例示する。
皮膚伝導度は一般に、極性溶質へのその透過性の良好な目安である。経皮電流は、イオンを保有する電荷の移動が介在し、したがってこれらのイオンの透過性に関連する。スクリーニング目的について、高い電気伝導度を保持する皮膚ほど、極性溶質に対して高い透過性を示す。したがって、様々な浸透促進処方物に曝露される皮膚の電気伝導度を監視することにより、皮膚透過性の向上において最も効果のある処方物が同定される。化学浸透促進剤の好ましい二成分混合物を図14で例示する。
実施例7−元素分析
固体、液体またはエアロゾルフィルター試料の非破壊的な同時元素分析のために、プロトン励起X線スペクトログラフ技術を使用する。試料が表皮層を通じて浸透したか否かを判定するために、インキュベーション後に回収したPBS試料を元素分析に供した(表:元素分析)。
固体、液体またはエアロゾルフィルター試料の非破壊的な同時元素分析のために、プロトン励起X線スペクトログラフ技術を使用する。試料が表皮層を通じて浸透したか否かを判定するために、インキュベーション後に回収したPBS試料を元素分析に供した(表:元素分析)。
これは、Elemental Analysis Inc.,Lexington,KY.に外注した。プロトン励起X線分析装置により試料を分析し、2つの元素、銅(Cu)および鉄(Fe)に特に注目して1回の測定で74個の元素を測定した。図15および16に結果を示す。
プロトン励起X線分析の結果から、(1)浸透試料用量が適用30分以内に表皮に浸透した(2)ことが確認された。したがって、本化合物は、表皮表面へのその適用の30分以内に、より深部層、特に皮膚線維芽細胞に利用可能である。
実施例8−高速液体クロマトグラフィー分析
HPLC系を使用して、異なる時間間隔での受容ウェル中のインスリン濃度を測定した。アセトニトリルおよび水の40:60(v/v)混合物は移動相であった。流速は1.0mL/分であり、溶出物を276nmで監視した。0.01〜12.5IU/mlの濃度範囲でHPLC分析に対する線形性を観察した(R2>0.99)。
HPLC系を使用して、異なる時間間隔での受容ウェル中のインスリン濃度を測定した。アセトニトリルおよび水の40:60(v/v)混合物は移動相であった。流速は1.0mL/分であり、溶出物を276nmで監視した。0.01〜12.5IU/mlの濃度範囲でHPLC分析に対する線形性を観察した(R2>0.99)。
これは、混合物中の各構成成分を分離、同定および定量するために使用される技術である。試料中の各構成成分は、僅かに異なるように吸収材料と相互作用し、構成成分が異なると流速が異なり、それらがカラムから流出する際に構成成分の分離につながる。これは、吸着を伴う物質移動過程である。
実施例9−透過係数および促進因子計算
この試験において、48時間中に皮膚を通じて透過した薬物の総量として透過薬物量を計算した。時間(hr)プロファイルに対してプロットされた透過プロファイルの定常状態部分のx切片として遅延時間を計算した(累積透過インスリン、IU/cm2)。
この試験において、48時間中に皮膚を通じて透過した薬物の総量として透過薬物量を計算した。時間(hr)プロファイルに対してプロットされた透過プロファイルの定常状態部分のx切片として遅延時間を計算した(累積透過インスリン、IU/cm2)。
次の定常状態式を使用して、皮膚の透過性を計算した:
透過薬物の量=Am *C0 *Kp *t
式中、Amは皮膚試料の曝露面積(0.64cm2)であり、C0はmM単位のウェル中の最初の濃度であり、Kpは膜の透過性であり、tは時間単位の時間である。透過性は、拡散係数(Dm)、分配係数(Km)、および皮膚試料の厚さ(L)に関して与えられる:
a.Kp=DmKm/L
透過薬物の量=Am *C0 *Kp *t
式中、Amは皮膚試料の曝露面積(0.64cm2)であり、C0はmM単位のウェル中の最初の濃度であり、Kpは膜の透過性であり、tは時間単位の時間である。透過性は、拡散係数(Dm)、分配係数(Km)、および皮膚試料の厚さ(L)に関して与えられる:
a.Kp=DmKm/L
実施例10−原発腫瘍転移を減少させ、転移性乳癌における生存率を増加させるための局所緩衝剤の使用
この実験において、本発明の処方物において局所適用緩衝剤の同時投与および同時処方ありならびになしで、本発明の処方物中の低分子プロテアーゼ阻害剤JPM−OEtに対して、腫瘍進行の複数ステージを阻害するその能力について試験した。
この実験において、本発明の処方物において局所適用緩衝剤の同時投与および同時処方ありならびになしで、本発明の処方物中の低分子プロテアーゼ阻害剤JPM−OEtに対して、腫瘍進行の複数ステージを阻害するその能力について試験した。
次のようにインビボ試験を行った:局所的に緩衝処方物を適用し、および適用せずに、JPM−OEtを局所的に適用することによって、RIP1−Tag2マウスを処置した。これらの原発性転帰:血管形成および腫瘍成長における効果を評価するために、試験デザインを組み立てた。処置群を次のように無作為化した:
a.対照群
b.処置群1:100μLのJPM−OEt処方物を1日1回適用、以下で詳述する処方物
c.処置群2:100μLのJPM−OEt処方物、吸収されたら、続いて100μLの緩衝処方物。それぞれ1日1回局所的に適用。処方物を以下に詳述する:
a.対照群
b.処置群1:100μLのJPM−OEt処方物を1日1回適用、以下で詳述する処方物
c.処置群2:100μLのJPM−OEt処方物、吸収されたら、続いて100μLの緩衝処方物。それぞれ1日1回局所的に適用。処方物を以下に詳述する:
両処置群の毎日の適用の結果、血管形成活性が顕著に低下した。処置群1、JPM−OEt単独、対照群に対して、10.5週齢で明らかな血管形成島の数が49%減少した。処置群2、局所緩衝剤とともにJPM−OEtを同時投与し、その結果、対照群に対して、10.5週齢で明らかな血管形成島の数が66%減少した。
両処置群の毎日の適用の結果、腫瘍成長速度が顕著に低下した。以前観察されたように、このエンドポイントに沿って、緩衝活性は有効性を顕著に向上させなかった。処置群1、JPM−OEt単独は、対照群と比較して、14.5週齢で累積腫瘍体積の67%減少が観察された。処置群2は、対照群と比較して、14.5週齢で累積腫瘍体積の70%の同様の減少が観察された。
実施例11−MMTV−PyMTマウス乳癌モデルにおいて腫瘍成長を阻害するためにJM−565を送達するための局所剤の使用
この実験において、本発明の処方物中の低分子JPM−565の腫瘍成長阻害能について試験した。
この実験において、本発明の処方物中の低分子JPM−565の腫瘍成長阻害能について試験した。
次のようにインビボ試験を行った:FVB/Nマウスに、コンジェニックな免疫適格レシピエントマウス乳腺中の5x105個の原発性MMTV−PyMT腫瘍細胞を接種した。腫瘍体積が125mm3に到達したら、1日3回、JPM−565処方物を局所的に適用してマウスを処置した。21日目に実験を終了した。処置の終了時に、腫瘍を摘出し、それらの体積を調べた。抗腫瘍効果を対照と比較した。処置群を次のように無作為化した:
対照群:処置なし
処置群:200μLのJPM−OEt処方物を1日3回適用、処方物は以下で詳述する:
対照群:処置なし
処置群:200μLのJPM−OEt処方物を1日3回適用、処方物は以下で詳述する:
実験終了時に、処置群におけるJPM−565の局所適用は、21日目に対照と比較して、腫瘍成長の45%の減少を示した。さらに、増殖マーカーKi67の免疫組織化学的検出により細胞増殖を定量したところ、対照群と比較して、JPM−565処置群において腫瘍の増殖速度の顕著な低下が明らかになった。
実施例12−原発腫瘍転移を減少させ、緩衝耐性細胞株の生存を増加させるための局所E−64の使用
この実験において、腫瘍微小環境に影響を与え、転移の拡散を阻害し、肺癌のマウスモデルでの全生存期間を増加させる能力について、本発明の処方物とのE−64の局所適用を試験した。以下で詳述するように、陰性および陽性対照と本発明の局所処方物を比較した。
この実験において、腫瘍微小環境に影響を与え、転移の拡散を阻害し、肺癌のマウスモデルでの全生存期間を増加させる能力について、本発明の処方物とのE−64の局所適用を試験した。以下で詳述するように、陰性および陽性対照と本発明の局所処方物を比較した。
次のようにインビボ試験を行った:6週齢のSCID−ベージュマウスに1×106LL/2細胞を静脈内注射した。次に、腫瘍接種の翌日、以下で概説するようにマウスを3つの処置群に無作為化した。
処置群は:
群A(陰性対照):未処置
群B(陽性対照):200mMの重炭酸ナトリウム飲料水適宜
群C:以下で詳述する処方物を1日に100μL×3回投与(総1日用量300μL)
群A(陰性対照):未処置
群B(陽性対照):200mMの重炭酸ナトリウム飲料水適宜
群C:以下で詳述する処方物を1日に100μL×3回投与(総1日用量300μL)
処置群Cにおける経皮薬剤の適用を120日間、3回/日行った。原発腫瘍の体積を週に2回測定した。腫瘍負荷量が過剰となったとき(原発、腹腔内、またはリンパ節>2000mm3)またはマウスが瀕死状態になったときに、マウスを頸椎脱臼により安楽死させた。生存データをカプラン・マイヤー曲線として表した。
生存実験の終了時に、肉眼での剖検により腫瘍転移を同定した。10%中性緩衝ホルマリン(NBF)中で全ての腫瘍組織を固定した。470nm/40nm励起フィルターを使用して緑色蛍光(GFP)腫瘍を検出し、搭載搭載デジタルカメラを使用して画像化した。肺領域および緑色蛍光腫瘍病巣を選択するために、「マジックワンド」ツールを使用してAdobe Photoshop 5.0によって肺全体の画像データを分析した。ImageJを使用して、選択した画像のピクセル面積を測定した。
生存において有意な差が観察された。局所的に適用したE−64は、次のように、陰性対照と陽性対照群の両方と比較して、より良好な生存を示した:
120日まで生存するマウスの%:群A:20%;群B:20%;群C:45%。
120日まで生存するマウスの%:群A:20%;群B:20%;群C:45%。
実施例13−原発腫瘍転移を減少させ、転移性乳癌での生存を増加させるための局所緩衝剤と同時処方した局所JPM−OEtの相乗的使用
この実験において、転移の拡散を阻害し、転移性乳癌のマウスモデルにおける全生存を向上させるために腫瘍微小環境に相乗的に影響を及ぼす能力について、本発明の処方物における緩衝液と組み合わせたJPM−OEtの局所適用を試験した。「処置なし」対照ならびに陽性対照としての経口送達緩衝液と、本発明の局所処方物を比較した。
この実験において、転移の拡散を阻害し、転移性乳癌のマウスモデルにおける全生存を向上させるために腫瘍微小環境に相乗的に影響を及ぼす能力について、本発明の処方物における緩衝液と組み合わせたJPM−OEtの局所適用を試験した。「処置なし」対照ならびに陽性対照としての経口送達緩衝液と、本発明の局所処方物を比較した。
インビボ試験を次のように行った:同所性「原発」腫瘍を生成させるために、72匹の6週齢の雌Ncrヌードマウスの乳房脂肪体に5×106個のMDA−MB−231/eGFP細胞を注射した。次に、腫瘍接種の翌日に、以下で概説されるように、マウスを5つの処置群に無作為化した。
処置群は:
群A:未処置対照
群B:200mMの重炭酸ナトリウム飲料水適宜
群C:以下で詳述する処方物(緩衝液単独)を1日に50μL×3回投与(総1日用量150μL)
群D:以下で詳述する処方物(JPM−OAT単独)を1日に100μL×3回投与(総1日用量300μL)
群E:以下で詳述する処方物(JPM−OEtおよび緩衝液を一緒に)を1日に150μL×3回投与(総1日用量450μL)。
群A:未処置対照
群B:200mMの重炭酸ナトリウム飲料水適宜
群C:以下で詳述する処方物(緩衝液単独)を1日に50μL×3回投与(総1日用量150μL)
群D:以下で詳述する処方物(JPM−OAT単独)を1日に100μL×3回投与(総1日用量300μL)
群E:以下で詳述する処方物(JPM−OEtおよび緩衝液を一緒に)を1日に150μL×3回投与(総1日用量450μL)。
処置群C、D、およびEにおける経皮薬剤の適用を120日間、3回/日行った。乳房脂肪体における原発腫瘍の体積を週に2回測定し、(幅)2×(長さ)/2として外径の直交測定から計算した。腫瘍が350〜500mm3に達したときに原発腫瘍の外科的切除を行った。腫瘍負荷量が過剰となったとき(原発、腹腔内、またはリンパ節>2000mm3)またはマウスが瀕死状態に進行したときに、マウスを頸椎脱臼により安楽死させた。生存データをカプラン・マイヤー曲線として表した。
生存実験の終了時に、肉眼での剖検により腫瘍転移を同定した。10%中性緩衝ホルマリン(NBF)中で全ての腫瘍組織を固定した。470nm/40nm励起フィルターを使用して緑色蛍光(GFP)腫瘍を検出し、搭載デジタルカメラを使用して画像化した。肺領域および緑色蛍光腫瘍病巣を選択するために、「マジックワンド」ツールを使用してAdobe Photoshop 5.0によって肺全体の画像データを分析した。ImageJを使用して、選択した画像のピクセル面積を測定した。
全ての活性群、群B、C、D、およびEにおいて原発腫瘍成長速度が同じであることが観察された。これは先の知見と一致する。
全処置群、群B、C、D、およびEにおいて転移率の有意差が観察された。次のとおり:
未処置群A(処置なし、陰性対照)において、転移率は次のとおりであった:
A.腸:36%
B.腸間膜:14%
C.リンパ節:64%
D.肺:79%
A.腸:36%
B.腸間膜:14%
C.リンパ節:64%
D.肺:79%
経口処置した群B(経口緩衝液、陽性対照)において、転移率は次のとおりであった:
d.群B転移率:
A.腸:0%
B.腸間膜:0%
C.リンパ節:27%
D.肺:8%
d.群B転移率:
A.腸:0%
B.腸間膜:0%
C.リンパ節:27%
D.肺:8%
経口処置群B(経口緩衝液、陽性対照)において、転移率は次のとおりであった:局所処置群C(局所緩衝液単独)において、転移率は全て、より低かった:
e.群C転移率:
A.腸:0%
B.腸間膜:0%
C.リンパ節:22%
D.肺:6%
e.群C転移率:
A.腸:0%
B.腸間膜:0%
C.リンパ節:22%
D.肺:6%
局所処置群D(JPM−OEt単独)において、転移率は全て、より低かった:
a.群D転移率:
A.腸:22%
B.腸間膜:12%
C.リンパ節:45%
D.肺:43%
a.群D転移率:
A.腸:22%
B.腸間膜:12%
C.リンパ節:45%
D.肺:43%
局所処置群E(JPM−OEt単独)において、転移率は全て、より低かった:
b.群E転移率:
A.腸:0%
B.腸間膜:0%
C.リンパ節:14%
D.肺:3%
b.群E転移率:
A.腸:0%
B.腸間膜:0%
C.リンパ節:14%
D.肺:3%
全処置群、群B、C、D、およびEにおいて生存率について有意差が観察された。次のとおり:
120日まで生存したマウスの%:
群A:20%
群B:60%
群C:62%
群D:38%
群E:74%
120日まで生存したマウスの%:
群A:20%
群B:60%
群C:62%
群D:38%
群E:74%
実施例14−原発腫瘍転移を減少させ、転移性乳癌の生存を増加させるための、様々な粒径の局所緩衝剤
この実験において、転移の拡散を阻害するために、および転移性乳癌のマウスモデルにおける全生存を向上させるために腫瘍微小環境に相乗的に影響を与える能力について、本発明の処方物における様々な粒径の緩衝剤の局所適用を試験した。「処置なし」対照ならびに陽性対照としての経口送達緩衝液と本発明の局所処方物を比較した。
この実験において、転移の拡散を阻害するために、および転移性乳癌のマウスモデルにおける全生存を向上させるために腫瘍微小環境に相乗的に影響を与える能力について、本発明の処方物における様々な粒径の緩衝剤の局所適用を試験した。「処置なし」対照ならびに陽性対照としての経口送達緩衝液と本発明の局所処方物を比較した。
インビボ試験を次のように行った:同所性「原発」腫瘍を生成させるために、72匹の6週齢の雌Ncrヌードマウスの乳房脂肪体に5×106個のMDA−MB−231/eGFP細胞を注射した。次に、腫瘍接種の翌日に、以下で概説されるように、5つの処置群にマウスを無作為化した。
処置群は:
群A:未処置対照
群B:200mMの重炭酸ナトリウム飲料水適宜
群C:以下で詳述する処方物を1日に50μL×3回投与(総1日用量150μL)(大きい粒径)
群D:以下で詳述する処方物を1日に50μL×3回投与(総1日用量150μL)(中程度の粒径)
群E:以下で詳述する処方物を1日に50μL×3回投与(総1日用量150μL)(小さい粒径)
群A:未処置対照
群B:200mMの重炭酸ナトリウム飲料水適宜
群C:以下で詳述する処方物を1日に50μL×3回投与(総1日用量150μL)(大きい粒径)
群D:以下で詳述する処方物を1日に50μL×3回投与(総1日用量150μL)(中程度の粒径)
群E:以下で詳述する処方物を1日に50μL×3回投与(総1日用量150μL)(小さい粒径)
処置群C、D、およびEにおける経皮薬剤の適用を120日間、3回/日行った。乳房脂肪体の原発腫瘍の体積を週に2回測定し、(幅)2x(長さ)/2として外径の直交測定から計算した。腫瘍が350〜500mm3に達したときに原発腫瘍の外科的切除を行った。腫瘍負荷量が過剰となったとき(原発、腹腔内、またはリンパ節>2000mm3)またはマウスが瀕死状態に進行したときに、マウスを頸椎脱臼により安楽死させた。生存データをカプラン・マイヤー曲線として表した。
生存実験の終了時に、肉眼での剖検により腫瘍転移を同定した。10%中性緩衝ホルマリン(NBF)中で全ての腫瘍組織を固定した。470nm/40nm励起フィルターを使用して緑色蛍光(GFP)腫瘍を検出し、搭載デジタルカメラを使用して画像化した。肺領域および緑色蛍光腫瘍病巣を選択するために、「マジックワンド」ツールを使用してAdobe Photoshop 5.0によって肺全体の画像データを分析した。ImageJを使用して、選択した画像のピクセル面積を測定した。
全ての処置群、群B、C、D、およびEにおいて転移率で有意差が観察された。次のとおり:
未処置群A(処置なし、陰性対照)において、転移率は次のとおりであった:
E.腸:36%
F.腸間膜:14%
G.リンパ節:64%
H.肺:79%
未処置群A(処置なし、陰性対照)において、転移率は次のとおりであった:
E.腸:36%
F.腸間膜:14%
G.リンパ節:64%
H.肺:79%
経口処置群B(経口緩衝液、陽性対照)において、転移率は次のとおりであった:
f.群B転移率:
A.腸:0%
B.腸間膜:0%
C.リンパ節:27%
D.肺:8%
f.群B転移率:
A.腸:0%
B.腸間膜:0%
C.リンパ節:27%
D.肺:8%
局所的処置群C(大きな粒径)において、転移率は全て、より低かった:
g.群C転移率:
A.腸:0%
B.腸間膜:0%
C.リンパ節:22%
D.肺:6%
g.群C転移率:
A.腸:0%
B.腸間膜:0%
C.リンパ節:22%
D.肺:6%
局所的処置群D(中程度の粒径)において、転移率は全て、より低かった:
c.群D転移率:
E.腸:0%
F.腸間膜:0%
G.リンパ節:17%
H.肺:5%
c.群D転移率:
E.腸:0%
F.腸間膜:0%
G.リンパ節:17%
H.肺:5%
局所的処置群E(小さな粒径)において、転移率は全て、より低かった:
d.群E転移率:
E.腸:0%
F.腸間膜:0%
G.リンパ節:5%
H.肺:4%
d.群E転移率:
E.腸:0%
F.腸間膜:0%
G.リンパ節:5%
H.肺:4%
全ての処置群、群B、C、D、およびEにおいて生存率について有意差が観察された。次のとおり:
120日までのマウスの生存%:
群A:20%
群B:60%
群C:62%
群D:71%
群E:80%
120日までのマウスの生存%:
群A:20%
群B:60%
群C:62%
群D:71%
群E:80%
実施例15−局所緩衝剤およびプロテアーゼに対する腫瘍応答性試験
この実験において、緩衝液療法に対する応答性を判定するために、様々な処方物およびpH中性培地およびアルカリ性培地を含む培地中で腫瘍生検検体をインキュベーションする。
この実験において、緩衝液療法に対する応答性を判定するために、様々な処方物およびpH中性培地およびアルカリ性培地を含む培地中で腫瘍生検検体をインキュベーションする。
タンパク質分泌を変更するかもしくは減少させる能力についていくつかの試験において、または本発明の処方物中の局所適用緩衝剤の同時投与および同時処方ありならびになしで、腫瘍進行の複数のステージを阻害するための他の試験において、本発明の処方物を試験する。
これらの実験における1つの測定は、腫瘍細胞が特定のプロテアーゼに感受性があるか否かを、およびそれらの形態を変化させることによって、またはそれらの微小環境を酸性化することによって、判定することである。
したがって、別の態様において、治療剤としての1つ以上のプロテアーゼ阻害剤に対する患者または対象の応答性について、診断試験が提供される。本明細書中で提供されるさらなる診断試験は、本明細書中で提供される1つ以上の緩衝剤を含む処方物と組み合わせて投与されるか、または1つ以上の緩衝剤を含む処方物で処方される処方物1つ以上のプロテアーゼ阻害剤に対する応答性を調べる。腫瘍細胞がpH感受性であるか否か、およびしたがって緩衝剤がその治療剤に含まれる場合はより応答性であり得るか否かを判定するために、単独で、または本明細書中で提供される1つ以上の緩衝剤を含む処方物と組み合わせて、プロテアーゼ阻害剤を投与する。
本明細書の態様は次のようにも説明され得る:
1.患者において癌と関連する増殖性障害を処置する方法であって、i)1つ以上のプロテアーゼ阻害剤およびii)1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含み、前記投与が、i)腫瘍もしくは癌細胞の転移を阻害もしくは予防するため、ii)腫瘍もしくは腫瘍細胞の成長を阻害もしくは予防するため、iii)発癌を阻害もしくは予防するため、iv)腫瘍細胞の血管内異物侵入を阻害もしくは予防するため、またはv)癌もしくは腫瘍の寛解の持続時間を改善もしくは延長させるか、または癌もしくは腫瘍の寛解を維持するために有効である、方法。
2.前記プロテアーゼ阻害剤が経皮投与される、請求項1に記載の方法。
3.前記プロテアーゼ阻害剤が、1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物と同時投与される、請求項1に記載の方法。
4.前記プロテアーゼ阻害剤が、1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物とともに処方される、請求項1に記載の方法。
5.前記プロテアーゼ阻害剤が経口で、非経口でまたは経皮ではない別の投与経路を通じて投与される、請求項1に記載の方法。
6.増殖性障害の前記処置が、腫瘍もしくは癌細胞の転移を阻害または予防する、請求項1に記載の方法。
7.増殖性障害の前記処置が、腫瘍もしくは癌細胞の成長を阻害または予防する、請求項1に記載の方法。
8.増殖性障害の前記処置が、発癌を阻害または予防する、請求項1に記載の方法。
9.増殖性障害の前記処置が、腫瘍細胞の血管内異物侵入を阻害または予防する、請求項1に記載の方法。
10.増殖の前記処置が、寛解の持続時間を改善するかもしくは延長させるか、または癌もしくは腫瘍の寛解を維持する、請求項1に記載の方法。
11.腫瘍の転移を阻害または予防する方法であって、i)1つ以上のプロテアーゼ阻害剤およびii)1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記投与が腫瘍もしくは癌細胞の転移を阻害または予防するのに有効である、方法。
12.癌もしくは腫瘍の、寛解の持続時間を改善、延長するか、または寛解を維持する方法であって、i)1つ以上のプロテアーゼ阻害剤およびii)1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記投与が、癌もしくは腫瘍の、寛解の持続時間を改善または延長させるか、または寛解を維持するのに有効である、方法。
13.対象の皮膚を通じた経皮送達用の前記処方物が、約10〜56%w/wの量の炭酸塩を含む緩衝剤;約5〜55%w/wの量の浸透性部分;少なくとも1%w/wの量の界面活性剤部分を含み;前記処方物が、0%w/w〜最高で70%w/wの量の水を含み、前記処方物が、場合によっては約12%w/w未満の量のレシチンを含む、請求項1に記載の方法。
14.対象の皮膚を通じた経皮送達用の前記処方物が、約10〜56%w/wの量の少なくとも1つの炭酸塩、リジン、トリス、リン酸緩衝液および/もしくは2−イミダゾール−1−イル−3−エトキシカルボニルプロピオン酸(IEPA)、またはそれらの組み合わせを含む緩衝剤;ならびに約44〜90%w/wの量の浸透性部分を含み、前記浸透性部分が約85%w/w未満の量の水を含み、前記処方物が約12%w/w未満のレシチンを含む、請求項1に記載の方法。
15.前記処方物の約7〜56%w/wの量の炭酸塩を含む、請求項13または14に記載の方法。
16.前記投与が、前記患者における固形腫瘍もしくは癌細胞に近接する組織または微小環境のpHを変化させるのに有効である、請求項16に記載の方法。
17.前記処方物中の炭酸塩が前記処方物の約15〜32%w/wの量である、請求項16に記載の方法。
18.前記処方物中の炭酸塩が、200μm未満の粒径に粉砕される炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムである、請求項16に記載の方法。
19.化学療法または免疫療法剤が前記処方物と同時投与される、請求項16に記載の方法。
20.前記化学療法または免疫療法剤が、アルキル化剤、抗体および関連結合タンパク質、アントラサイクリン、代謝拮抗剤、抗腫瘍抗生物質、アロマターゼ阻害剤、タキサンおよび関連化合物、細胞骨格破壊剤、エポチロン、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤、キナーゼ阻害剤、ヌクレオシド類似体、トポイソメラーゼ阻害剤、レチノイド、およびビンカアルカロイドならびにそれらの誘導体から選択される、請求項19に記載の方法。
21.前記化学療法剤または免疫療法剤が、アレムツズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、イピリムマブ、デュルバルマブ、ニボルマブ、オファツムマブ、リツキシマブおよびトラスツズマブから選択される免疫療法剤である、請求項20に記載の方法。
22.前記処方物中の浸透性成分が前記処方物の約18〜42%w/wの量である、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
23.前記処方物中の水が前記処方物の約15〜42%w/wの量である、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
24.前記処方物中の浸透性部分が前記処方物の約5%w/w未満の量のアルコールを含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
25.前記処方物中の浸透性部分が、レシチンオルガノゲル、アルコール、表面活性物質、および極性溶媒を含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
26.前記処方物中の浸透性部分が前記処方物の5%w/w未満の量のレシチンオルガノゲルを含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
27.前記処方物中のレシチンオルガノゲルが、大豆レシチとパルミチン酸イソプロピルの組み合わせである、請求項22に記載の方法。
28.前記処方物中の浸透性部分が、レシチンおよびパルミチン酸イソプロピル、ウンデカン、イソドデカン、ステアリン酸イソプロピル、またはそれらの組み合わせを含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
29.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の5%w/w未満の量のキサンタンガム、レシチン、スクレロチウムガム、プルラン、またはそれらの組み合わせの混合物を含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
30.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の8%w/w未満の量のカプリリックトリグリセリドとカプリックトリグリセリドの混合物を含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
31.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の12%w/w未満の量のホスファチジルコリンを含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
32.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の12%w/w未満の量のリン脂質を含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
33.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の5%w/w未満の量のトリデカンとウンデカンの混合物を含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
34.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の5%w/w未満の量のセチルアルコールを含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
35.前記処方物中の浸透性部分が、約5%w/w未満の量のベンジルアルコールを含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
36.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の5%w/w未満の量のステアリン酸を含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
37.前記処方物が、前記処方物の5%w/w未満の量のゲル化剤を含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
38.前記処方物中の界面活性剤部分が、前記処方物の約2〜25%w/wの量の非イオン性表面活性物質;および前記処方物の5%w/w未満の量の極性溶媒を含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
39.前記処方物中の非イオン性表面活性物質がポロキサマーであり、前記極性溶媒が、水、アルコール、またはそれらの組み合わせである、請求項38に記載の方法。
40.前記処方物中の界面活性剤部分が、ポロキサマー、プロピレングリコール、グリセリン、エタノール、50%w/v水酸化ナトリウム溶液、またはそれらの組み合わせを含む、請求項38に記載の方法。
41.前記処方物中の界面活性剤部分が、前記処方物の3%w/w未満の量のグリセリンを含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
42.前記炭酸塩が、70μm未満の粒径に粉砕されている前記処方物中の炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムである、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
43.前記処方物中の炭酸塩が、70μm未満の粒径に粉砕されている炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムであり、前記重炭酸ナトリウムが前記処方物の20%w/w未満の量で前記処方物に溶解される、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
44.前記処方物中の炭酸塩が、70μm未満の粒径に粉砕されている炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムであり、約10μm未満の粒径が対象の皮膚を通じた浸透を促進する、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
45.前記処方物が、前記処方物の5%w/w未満の量のトラネキサム酸をさらに含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
46.前記処方物が、前記処方物の5%w/w未満の量の極性溶媒をさらに含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
47.前記処方物が、保水剤、乳化剤、皮膚軟化薬、またはそれらの組み合わせをさらに含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
48.前記処方物が、約5%w/w未満の量のエチレングリコールテトラ酢酸をさらに含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
49.前記処方物が、約5%w/w未満の量のアーモンド油をさらに含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
50.前記処方物が、約5%w/w未満の量の熱可塑性ポリウレタンとポリカーボネートの混合物をさらに含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
51.前記処方物が、約5%w/w未満の量のホスファチジルエタノールアミンをさらに含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
52.前記処方物が、約5%w/w未満の量のイノシトールホスファチドをさらに含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
53.腫瘍細胞の血管内異物侵入を予防する方法であって、i)1つ以上のプロテアーゼ阻害剤およびii)1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記投与が、腫瘍細胞の血管内異物侵入を阻害または予防するのに有効である、方法。
54.癌の処置の方法であって、i)プロテアーゼ阻害剤を含む治療剤を選択し、ii)適切な処方物中で前記治療剤を処方し、iii)前記治療剤を含む前記処方物を投与し、iv)工程iii)の前、その最中またはその後に、i)腫瘍もしくは癌細胞の転移を阻害または予防するため、ii)腫瘍もしくは腫瘍細胞の成長を阻害もしくは予防するため、iii)発癌を阻害もしくは予防するため、iv)腫瘍細胞の血管内異物侵入を阻害もしくは予防するため、またはv)癌もしくは腫瘍の寛解の持続時間を改善もしくは延長させるか、または癌もしくは腫瘍の寛解を維持するために有効な量で局所的におよび/または経皮的に1つ以上の緩衝剤を含む経皮送達用の処方物を投与することを含む、方法。
55.癌の処置のための治療剤または処方物を評価する方法であって、i)1つ以上のプロテアーゼ阻害剤を投与し、ii)1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物を投与することを含み、前記投与が、i)腫瘍もしくは癌細胞の転移を阻害もしくは予防するため、ii)腫瘍もしくは腫瘍細胞の成長を阻害もしくは予防するため、iii)発癌を阻害もしくは予防するため、iv)腫瘍細胞の血管内異物侵入を阻害もしくは予防するため、またはv)癌もしくは腫瘍の寛解の持続時間を改善もしくは延長させるか、または癌もしくは腫瘍の寛解を維持するための有効性について評価され、工程i)が、工程ii)の前、その後またはそれと同時に行われる、方法。
56.経皮送達用の前記処方物が、約10〜45%w/wの量の炭酸塩;約5〜55%w/wの量の浸透性部分;約1〜15%w/wの量の界面活性剤部分を含む緩衝剤を含み;前記処方物が約15〜65%w/wの量の水を含み、前記処方物が約12%w/w未満のレシチンを含む、請求項1〜55の何れか1項に記載の方法。
57.前記投与が、前記対象に提供される処方物と前記対象の皮膚を直接接触させることによって局所的に行われる、請求項56に記載の方法。
58.前記処方物の適用前に、前記患者の皮膚が、アブレーション、テープ剥がし、マイクロダーマアブレーション、またはマイクロニードル操作により予め処置される、請求項57に記載の方法。
59.緩衝剤を含む処方物を局所的および/または経皮的に投与するためのローションと、医療従事者のための量および使用についての説明書を含む投与指示書と、を含む、医療用処方キット。
60.前記処方物中の炭酸塩が、前記処方物の約7〜32%w/wの量である、請求項56に記載の方法。
61.前記処方物中の炭酸塩が、前記処方物の約15〜32%w/wの量である、請求項60に記載の方法。
62.前記処方物中の浸透性成分が、前記処方物の約18〜42%w/wの量である、請求項60に記載の方法。
63.前記処方物中の水が、前記処方物の約15〜42%w/wの量である、請求項60に記載の方法。
64.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の5%w/w未満の量のアルコールを含む、請求項60に記載の方法。
65.前記処方物中の浸透性部分が、レシチンオルガノゲル、アルコール、表面活性物質、および極性溶媒を含む、請求項60に記載の方法。
66.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の5%w/w未満の量のレシチンオルガノゲルを含む、請求項60に記載の方法。
67.前記処方物中のレシチンオルガノゲルが、大豆レシチンとパルミチン酸イソプロピルの組み合わせである、請求項18に記載の方法。
68.前記処方物中の浸透性部分が、レシチンおよびパルミチン酸イソプロピル、ウンデカン、イソドデカン、ステアリン酸イソプロピル、またはそれらの組み合わせを含む、請求項60に記載の方法。
69.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の5%w/w未満の量のキサンタンガム、レシチン、スクレロチウムガム、プルラン、またはそれらの組み合わせの混合物を含む、請求項60に記載の方法。
70.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の8%w/w未満の量のカプリリックトリグリセリドとカプリックトリグリセリドの混合物を含む、請求項60に記載の方法。
71.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の12%w/w未満の量のホスファチジルコリンを含む、請求項60に記載の方法。
72.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の12%w/w未満の量のリン脂質を含む、請求項60に記載の方法。
73.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の5%w/w未満の量のトリデカンとウンデカンの混合物を含む、請求項60に記載の方法。
74.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の5%w/w未満の量のセチルアルコールを含む、請求項60に記載の方法。
75.前記処方物中の浸透性部分が、約5%w/w未満の量のベンジルアルコールを含む、請求項60に記載の方法。
76.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の5%w/w未満の量のステアリン酸を含む、請求項60に記載の方法。
77.前記処方物が、前記処方物の5%w/w未満の量のゲル化剤を含む、請求項60に記載の方法。
78.前記処方物中の界面活性剤部分が、前記処方物の約2〜25%w/wの量の非イオン性表面活性物質;および前記処方物の5%w/w未満の量の極性溶媒を含む、請求項60に記載の方法。
79.前記処方物中の非イオン性表面活性物質がポロキサマーであり、極性溶媒が水、アルコール、またはそれらの組み合わせである、請求項81に記載の方法。
80.前記処方物中の界面活性剤部分が、ポロキサマー、プロピレングリコール、グリセリン、エタノール、50%w/v水酸化ナトリウム溶液、またはそれらの組み合わせを含む、請求項81に記載の方法。
81.前記処方物中の界面活性剤部分が、前記処方物の3%w/w未満の量のグリセリンを含む、請求項60に記載の方法。
82.前記処方物中の炭酸塩が、200μm未満の粒径に粉砕される炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムである、請求項60に記載の方法。
83.前記炭酸塩が、前記処方物中の炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムであり、70μm未満の粒径に粉砕されている、請求項60に記載の方法。
84.前記処方物中の炭酸塩が、70μm未満の粒径に粉砕される炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムであり、重炭酸ナトリウムが前記処方物の20%w/w未満の量で前記処方物に溶解される、請求項60に記載の方法。
85.前記処方物中の炭酸塩が、70μm未満の粒径に粉砕される炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムであり、約10μm未満の粒径が、対象の皮膚を通じた浸透を促進させる、請求項60に記載の方法。
86.前記処方物が、前記処方物の5%w/w未満の量のトラネキサム酸をさらに含む、請求項60に記載の方法。
87.前記処方物が、前記処方物の5%w/w未満の量の極性溶媒をさらに含む、請求項60に記載の方法。
88.前記処方物が、保水剤、乳化剤、皮膚軟化薬、またはそれらの組み合わせをさらに含む、請求項60に記載の方法。
89.前記処方物が、約5%w/w未満の量のエチレングリコールテトラ酢酸をさらに含む、請求項60に記載の方法。
90.前記処方物が、約5%w/w未満の量のアーモンド油をさらに含む、請求項60に記載の方法。
91.前記処方物が、約5%w/w未満の量の熱可塑性ポリウレタンとポリカーボネートの混合物をさらに含む、請求項60に記載の方法。
92.前記処方物が、約5%w/w未満の量のホスファチジルエタノールアミンをさらに含む、請求項60に記載の方法。
93.前記処方物が、約5%w/w未満の量のイノシトールホスファチドをさらに含む、請求項60に記載の方法。
1.患者において癌と関連する増殖性障害を処置する方法であって、i)1つ以上のプロテアーゼ阻害剤およびii)1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含み、前記投与が、i)腫瘍もしくは癌細胞の転移を阻害もしくは予防するため、ii)腫瘍もしくは腫瘍細胞の成長を阻害もしくは予防するため、iii)発癌を阻害もしくは予防するため、iv)腫瘍細胞の血管内異物侵入を阻害もしくは予防するため、またはv)癌もしくは腫瘍の寛解の持続時間を改善もしくは延長させるか、または癌もしくは腫瘍の寛解を維持するために有効である、方法。
2.前記プロテアーゼ阻害剤が経皮投与される、請求項1に記載の方法。
3.前記プロテアーゼ阻害剤が、1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物と同時投与される、請求項1に記載の方法。
4.前記プロテアーゼ阻害剤が、1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物とともに処方される、請求項1に記載の方法。
5.前記プロテアーゼ阻害剤が経口で、非経口でまたは経皮ではない別の投与経路を通じて投与される、請求項1に記載の方法。
6.増殖性障害の前記処置が、腫瘍もしくは癌細胞の転移を阻害または予防する、請求項1に記載の方法。
7.増殖性障害の前記処置が、腫瘍もしくは癌細胞の成長を阻害または予防する、請求項1に記載の方法。
8.増殖性障害の前記処置が、発癌を阻害または予防する、請求項1に記載の方法。
9.増殖性障害の前記処置が、腫瘍細胞の血管内異物侵入を阻害または予防する、請求項1に記載の方法。
10.増殖の前記処置が、寛解の持続時間を改善するかもしくは延長させるか、または癌もしくは腫瘍の寛解を維持する、請求項1に記載の方法。
11.腫瘍の転移を阻害または予防する方法であって、i)1つ以上のプロテアーゼ阻害剤およびii)1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記投与が腫瘍もしくは癌細胞の転移を阻害または予防するのに有効である、方法。
12.癌もしくは腫瘍の、寛解の持続時間を改善、延長するか、または寛解を維持する方法であって、i)1つ以上のプロテアーゼ阻害剤およびii)1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記投与が、癌もしくは腫瘍の、寛解の持続時間を改善または延長させるか、または寛解を維持するのに有効である、方法。
13.対象の皮膚を通じた経皮送達用の前記処方物が、約10〜56%w/wの量の炭酸塩を含む緩衝剤;約5〜55%w/wの量の浸透性部分;少なくとも1%w/wの量の界面活性剤部分を含み;前記処方物が、0%w/w〜最高で70%w/wの量の水を含み、前記処方物が、場合によっては約12%w/w未満の量のレシチンを含む、請求項1に記載の方法。
14.対象の皮膚を通じた経皮送達用の前記処方物が、約10〜56%w/wの量の少なくとも1つの炭酸塩、リジン、トリス、リン酸緩衝液および/もしくは2−イミダゾール−1−イル−3−エトキシカルボニルプロピオン酸(IEPA)、またはそれらの組み合わせを含む緩衝剤;ならびに約44〜90%w/wの量の浸透性部分を含み、前記浸透性部分が約85%w/w未満の量の水を含み、前記処方物が約12%w/w未満のレシチンを含む、請求項1に記載の方法。
15.前記処方物の約7〜56%w/wの量の炭酸塩を含む、請求項13または14に記載の方法。
16.前記投与が、前記患者における固形腫瘍もしくは癌細胞に近接する組織または微小環境のpHを変化させるのに有効である、請求項16に記載の方法。
17.前記処方物中の炭酸塩が前記処方物の約15〜32%w/wの量である、請求項16に記載の方法。
18.前記処方物中の炭酸塩が、200μm未満の粒径に粉砕される炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムである、請求項16に記載の方法。
19.化学療法または免疫療法剤が前記処方物と同時投与される、請求項16に記載の方法。
20.前記化学療法または免疫療法剤が、アルキル化剤、抗体および関連結合タンパク質、アントラサイクリン、代謝拮抗剤、抗腫瘍抗生物質、アロマターゼ阻害剤、タキサンおよび関連化合物、細胞骨格破壊剤、エポチロン、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤、キナーゼ阻害剤、ヌクレオシド類似体、トポイソメラーゼ阻害剤、レチノイド、およびビンカアルカロイドならびにそれらの誘導体から選択される、請求項19に記載の方法。
21.前記化学療法剤または免疫療法剤が、アレムツズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、イピリムマブ、デュルバルマブ、ニボルマブ、オファツムマブ、リツキシマブおよびトラスツズマブから選択される免疫療法剤である、請求項20に記載の方法。
22.前記処方物中の浸透性成分が前記処方物の約18〜42%w/wの量である、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
23.前記処方物中の水が前記処方物の約15〜42%w/wの量である、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
24.前記処方物中の浸透性部分が前記処方物の約5%w/w未満の量のアルコールを含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
25.前記処方物中の浸透性部分が、レシチンオルガノゲル、アルコール、表面活性物質、および極性溶媒を含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
26.前記処方物中の浸透性部分が前記処方物の5%w/w未満の量のレシチンオルガノゲルを含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
27.前記処方物中のレシチンオルガノゲルが、大豆レシチとパルミチン酸イソプロピルの組み合わせである、請求項22に記載の方法。
28.前記処方物中の浸透性部分が、レシチンおよびパルミチン酸イソプロピル、ウンデカン、イソドデカン、ステアリン酸イソプロピル、またはそれらの組み合わせを含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
29.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の5%w/w未満の量のキサンタンガム、レシチン、スクレロチウムガム、プルラン、またはそれらの組み合わせの混合物を含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
30.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の8%w/w未満の量のカプリリックトリグリセリドとカプリックトリグリセリドの混合物を含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
31.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の12%w/w未満の量のホスファチジルコリンを含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
32.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の12%w/w未満の量のリン脂質を含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
33.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の5%w/w未満の量のトリデカンとウンデカンの混合物を含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
34.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の5%w/w未満の量のセチルアルコールを含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
35.前記処方物中の浸透性部分が、約5%w/w未満の量のベンジルアルコールを含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
36.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の5%w/w未満の量のステアリン酸を含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
37.前記処方物が、前記処方物の5%w/w未満の量のゲル化剤を含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
38.前記処方物中の界面活性剤部分が、前記処方物の約2〜25%w/wの量の非イオン性表面活性物質;および前記処方物の5%w/w未満の量の極性溶媒を含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
39.前記処方物中の非イオン性表面活性物質がポロキサマーであり、前記極性溶媒が、水、アルコール、またはそれらの組み合わせである、請求項38に記載の方法。
40.前記処方物中の界面活性剤部分が、ポロキサマー、プロピレングリコール、グリセリン、エタノール、50%w/v水酸化ナトリウム溶液、またはそれらの組み合わせを含む、請求項38に記載の方法。
41.前記処方物中の界面活性剤部分が、前記処方物の3%w/w未満の量のグリセリンを含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
42.前記炭酸塩が、70μm未満の粒径に粉砕されている前記処方物中の炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムである、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
43.前記処方物中の炭酸塩が、70μm未満の粒径に粉砕されている炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムであり、前記重炭酸ナトリウムが前記処方物の20%w/w未満の量で前記処方物に溶解される、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
44.前記処方物中の炭酸塩が、70μm未満の粒径に粉砕されている炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムであり、約10μm未満の粒径が対象の皮膚を通じた浸透を促進する、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
45.前記処方物が、前記処方物の5%w/w未満の量のトラネキサム酸をさらに含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
46.前記処方物が、前記処方物の5%w/w未満の量の極性溶媒をさらに含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
47.前記処方物が、保水剤、乳化剤、皮膚軟化薬、またはそれらの組み合わせをさらに含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
48.前記処方物が、約5%w/w未満の量のエチレングリコールテトラ酢酸をさらに含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
49.前記処方物が、約5%w/w未満の量のアーモンド油をさらに含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
50.前記処方物が、約5%w/w未満の量の熱可塑性ポリウレタンとポリカーボネートの混合物をさらに含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
51.前記処方物が、約5%w/w未満の量のホスファチジルエタノールアミンをさらに含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
52.前記処方物が、約5%w/w未満の量のイノシトールホスファチドをさらに含む、請求項13〜15の何れか1項に記載の方法。
53.腫瘍細胞の血管内異物侵入を予防する方法であって、i)1つ以上のプロテアーゼ阻害剤およびii)1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記投与が、腫瘍細胞の血管内異物侵入を阻害または予防するのに有効である、方法。
54.癌の処置の方法であって、i)プロテアーゼ阻害剤を含む治療剤を選択し、ii)適切な処方物中で前記治療剤を処方し、iii)前記治療剤を含む前記処方物を投与し、iv)工程iii)の前、その最中またはその後に、i)腫瘍もしくは癌細胞の転移を阻害または予防するため、ii)腫瘍もしくは腫瘍細胞の成長を阻害もしくは予防するため、iii)発癌を阻害もしくは予防するため、iv)腫瘍細胞の血管内異物侵入を阻害もしくは予防するため、またはv)癌もしくは腫瘍の寛解の持続時間を改善もしくは延長させるか、または癌もしくは腫瘍の寛解を維持するために有効な量で局所的におよび/または経皮的に1つ以上の緩衝剤を含む経皮送達用の処方物を投与することを含む、方法。
55.癌の処置のための治療剤または処方物を評価する方法であって、i)1つ以上のプロテアーゼ阻害剤を投与し、ii)1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物を投与することを含み、前記投与が、i)腫瘍もしくは癌細胞の転移を阻害もしくは予防するため、ii)腫瘍もしくは腫瘍細胞の成長を阻害もしくは予防するため、iii)発癌を阻害もしくは予防するため、iv)腫瘍細胞の血管内異物侵入を阻害もしくは予防するため、またはv)癌もしくは腫瘍の寛解の持続時間を改善もしくは延長させるか、または癌もしくは腫瘍の寛解を維持するための有効性について評価され、工程i)が、工程ii)の前、その後またはそれと同時に行われる、方法。
56.経皮送達用の前記処方物が、約10〜45%w/wの量の炭酸塩;約5〜55%w/wの量の浸透性部分;約1〜15%w/wの量の界面活性剤部分を含む緩衝剤を含み;前記処方物が約15〜65%w/wの量の水を含み、前記処方物が約12%w/w未満のレシチンを含む、請求項1〜55の何れか1項に記載の方法。
57.前記投与が、前記対象に提供される処方物と前記対象の皮膚を直接接触させることによって局所的に行われる、請求項56に記載の方法。
58.前記処方物の適用前に、前記患者の皮膚が、アブレーション、テープ剥がし、マイクロダーマアブレーション、またはマイクロニードル操作により予め処置される、請求項57に記載の方法。
59.緩衝剤を含む処方物を局所的および/または経皮的に投与するためのローションと、医療従事者のための量および使用についての説明書を含む投与指示書と、を含む、医療用処方キット。
60.前記処方物中の炭酸塩が、前記処方物の約7〜32%w/wの量である、請求項56に記載の方法。
61.前記処方物中の炭酸塩が、前記処方物の約15〜32%w/wの量である、請求項60に記載の方法。
62.前記処方物中の浸透性成分が、前記処方物の約18〜42%w/wの量である、請求項60に記載の方法。
63.前記処方物中の水が、前記処方物の約15〜42%w/wの量である、請求項60に記載の方法。
64.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の5%w/w未満の量のアルコールを含む、請求項60に記載の方法。
65.前記処方物中の浸透性部分が、レシチンオルガノゲル、アルコール、表面活性物質、および極性溶媒を含む、請求項60に記載の方法。
66.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の5%w/w未満の量のレシチンオルガノゲルを含む、請求項60に記載の方法。
67.前記処方物中のレシチンオルガノゲルが、大豆レシチンとパルミチン酸イソプロピルの組み合わせである、請求項18に記載の方法。
68.前記処方物中の浸透性部分が、レシチンおよびパルミチン酸イソプロピル、ウンデカン、イソドデカン、ステアリン酸イソプロピル、またはそれらの組み合わせを含む、請求項60に記載の方法。
69.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の5%w/w未満の量のキサンタンガム、レシチン、スクレロチウムガム、プルラン、またはそれらの組み合わせの混合物を含む、請求項60に記載の方法。
70.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の8%w/w未満の量のカプリリックトリグリセリドとカプリックトリグリセリドの混合物を含む、請求項60に記載の方法。
71.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の12%w/w未満の量のホスファチジルコリンを含む、請求項60に記載の方法。
72.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の12%w/w未満の量のリン脂質を含む、請求項60に記載の方法。
73.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の5%w/w未満の量のトリデカンとウンデカンの混合物を含む、請求項60に記載の方法。
74.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の5%w/w未満の量のセチルアルコールを含む、請求項60に記載の方法。
75.前記処方物中の浸透性部分が、約5%w/w未満の量のベンジルアルコールを含む、請求項60に記載の方法。
76.前記処方物中の浸透性部分が、前記処方物の5%w/w未満の量のステアリン酸を含む、請求項60に記載の方法。
77.前記処方物が、前記処方物の5%w/w未満の量のゲル化剤を含む、請求項60に記載の方法。
78.前記処方物中の界面活性剤部分が、前記処方物の約2〜25%w/wの量の非イオン性表面活性物質;および前記処方物の5%w/w未満の量の極性溶媒を含む、請求項60に記載の方法。
79.前記処方物中の非イオン性表面活性物質がポロキサマーであり、極性溶媒が水、アルコール、またはそれらの組み合わせである、請求項81に記載の方法。
80.前記処方物中の界面活性剤部分が、ポロキサマー、プロピレングリコール、グリセリン、エタノール、50%w/v水酸化ナトリウム溶液、またはそれらの組み合わせを含む、請求項81に記載の方法。
81.前記処方物中の界面活性剤部分が、前記処方物の3%w/w未満の量のグリセリンを含む、請求項60に記載の方法。
82.前記処方物中の炭酸塩が、200μm未満の粒径に粉砕される炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムである、請求項60に記載の方法。
83.前記炭酸塩が、前記処方物中の炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムであり、70μm未満の粒径に粉砕されている、請求項60に記載の方法。
84.前記処方物中の炭酸塩が、70μm未満の粒径に粉砕される炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムであり、重炭酸ナトリウムが前記処方物の20%w/w未満の量で前記処方物に溶解される、請求項60に記載の方法。
85.前記処方物中の炭酸塩が、70μm未満の粒径に粉砕される炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムであり、約10μm未満の粒径が、対象の皮膚を通じた浸透を促進させる、請求項60に記載の方法。
86.前記処方物が、前記処方物の5%w/w未満の量のトラネキサム酸をさらに含む、請求項60に記載の方法。
87.前記処方物が、前記処方物の5%w/w未満の量の極性溶媒をさらに含む、請求項60に記載の方法。
88.前記処方物が、保水剤、乳化剤、皮膚軟化薬、またはそれらの組み合わせをさらに含む、請求項60に記載の方法。
89.前記処方物が、約5%w/w未満の量のエチレングリコールテトラ酢酸をさらに含む、請求項60に記載の方法。
90.前記処方物が、約5%w/w未満の量のアーモンド油をさらに含む、請求項60に記載の方法。
91.前記処方物が、約5%w/w未満の量の熱可塑性ポリウレタンとポリカーボネートの混合物をさらに含む、請求項60に記載の方法。
92.前記処方物が、約5%w/w未満の量のホスファチジルエタノールアミンをさらに含む、請求項60に記載の方法。
93.前記処方物が、約5%w/w未満の量のイノシトールホスファチドをさらに含む、請求項60に記載の方法。
本発明を遂行するための発明者らに公知の最良の形態を含め、本発明の特定の実施形態が本明細書中に記載される。当然ではあるが、これらの記載される実施形態上の変形形態は、前述の記載を読んだ際に当業者に明らかとなろう。発明者らは、必要に応じてこのような変形形態を当業者が使用することを予想し、発明者らは、本明細書中に具体的に記載されるもの以外の方法で本発明が実施されることを意図する。したがって、本発明は、適用法により許容されるように、本明細書に添付される特許請求の範囲の中で引用される主題の全ての変更形態および同等物を含む。さらに、本明細書中で別段の指示がない限り、または内容により明らかに矛盾しない限り、全ての可能なその変形形態での上記の実施形態の何れの組み合わせも本発明により包含される。
本発明の、代替的な実施形態、要素、または工程のグループ化は、限定するものとして解釈されるべきものではない。各グループのメンバーは、個々に、または本明細書中で開示される他のグループのメンバーとの何らかの組み合わせで言及され、主張され得る。グループの1つ以上のメンバーが含まれ得るか、または利便性および/または特許性の理由のためにグループから削除されることが予測される。何らかのこのような包含または削除が起こる場合、本明細書は、変更形態としてそのグループを含有するものと見なされ、したがって、添付の特許請求の範囲で使用される全てのマーカッシュグループの書面の記載を満たしている。
別段の指示がない限り、本明細書および特許請求の範囲中で使用される、特徴、項目、量、パラメーター、特性、および用語などを表す全ての数字は、「約」という用語により全例で修飾されるものと理解されたい。本明細書中で使用される場合、「約」という用語は、そのように修飾される特徴、項目、量、パラメーター、特性、もしくは用語が、述べられる特徴、項目、量、パラメーター、特性、もしくは用語の値をプラスまたはマイナス10パーセント上回るおよび下回る範囲を包含することを意味する。したがって、それとは反対の指示がない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲で示される数値パラメーターは、変動し得る概数である。少なくとも、および特許請求の範囲に対する同等物の原理の適用を限定する試みとしてではなく、各数値表示は、少なくとも、報告される有効桁数に照らして、および通常の丸め技術を適用することによって、解釈されるべきである。本発明の広い範囲を示す数値範囲および値が概数であるにもかかわらず、具体的な例で示される数値範囲および値は、可能な限り正確に報告される。しかし、何れの数値範囲または値も、それらの個々の試験測定で見出される標準偏差の結果必然的に生じる特定のエラーを本質的に含有する。本明細書中の値の数値範囲の引用は、単に、その範囲内に入る各個別の数値を個々に指す省略方法となるものとする。本明細書中で別段の指示がない限り、数値範囲の各個々の値は、本明細書中で個々に引用されるものとして本明細書中に組み込まれる。
「1つ(a)」、「1つ(an)」、「その(the)」および本発明を記載する内容において使用される同様の参照対象(特に、続く特許請求の範囲の内容において)は、本明細書中で別段の指示がないか、または内容により明らかに矛盾しない限り、単数と複数の両方を包含すると解釈されるべきである。本明細書中に記載の全ての方法は、本明細書中で別段の指示がないか、または内容により明らかに矛盾しない限り、あらゆる適切な順序で行われ得る。本明細書中で提供されるありとあらゆる例、または代表的な言語(例えば「など」)の使用は、単に本発明をより良好に例示するものであり、主張される本発明の範囲に対する限定を提起しない。本明細書中の言語の中で、本発明の実施に必須の何れかの非主張要素を示すものとして解釈されるべきものはない。
本明細書中で開示される具体的な実施形態は、言語を使用する、言語から構成されるかまたは基本的に言語からなる特許請求の範囲においてさらに限定され得る。特許請求の範囲で使用される場合、補正ごとに提出または付加される場合、「からなる(consisting of )」という移行句は、特許請求の範囲で特定されないあらゆる要素、工程、または成分を除外する。「基本的にからなる(consisting essentially of)」という移行句は、特定される材料または工程ならびに基本的および新規の特徴に実質的に影響しないものに請求項の範囲を限定する。このように主張される本発明の実施形態は、本質的にまたは明確に本明細書中で記載され、実施可能にされる。
全ての特許、特許公開、および本明細書中で参照され、特定される他の刊行物は、例えば、本発明と関連して使用され得るこのような刊行物中に記載される組成物および方法を記載ならびに開示する目的のために、その全体が参照により本明細書中に個々に、および明確に組み込まれる。これらの刊行物は、単に本願の提出日前にそれらの開示のために提供される。この点で、先行発明に基づいて、または何らかの他の理由について、このような開示に先行するものではないことを発明者らが受け入れるものとして解釈されるべきものはない。日付についての全ての声明、またはこれらの文書の内容についての表現は、出願者にとって利用可能な情報に基づき、これらの文書の日付または内容の正確性についての承認を構成しない。
Claims (20)
- 患者において癌と関連する増殖性障害を処置する方法であって、i)1つ以上のプロテアーゼ阻害剤およびii)1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含み、前記投与が、i)腫瘍または癌細胞の転移を阻害もしくは予防するため、ii)腫瘍もしくは腫瘍細胞の成長を阻害もしくは予防するため、iii)発癌を阻害もしくは予防するため、iv)腫瘍細胞の血管内異物侵入を阻害もしくは予防するため、またはv)癌もしくは腫瘍の寛解の持続時間を改善もしくは延長させるか、または寛解を維持するために有効である、方法。
- 前記プロテアーゼ阻害剤が経皮投与される、請求項1に記載の方法。
- 前記プロテアーゼ阻害剤が、1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物と同時投与される、請求項1に記載の方法。
- 前記プロテアーゼ阻害剤が、1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物とともに処方される、請求項1に記載の方法。
- 前記プロテアーゼ阻害剤が経口で、非経口で、または経皮ではない別の投与経路を通じて投与される、請求項1に記載の方法。
- 増殖性障害の前記処置が、腫瘍もしくは癌細胞の転移を阻害または予防する、請求項1に記載の方法。
- 増殖性障害の前記処置が、腫瘍もしくは癌細胞の成長を阻害または予防する、請求項1に記載の方法。
- 増殖性障害の前記処置が、発癌を阻害または予防する、請求項1に記載の方法。
- 増殖性障害の前記処置が、腫瘍細胞の血管内異物侵入を阻害または予防する、請求項1に記載の方法。
- 増殖の前記処置が、癌もしくは腫瘍の寛解の持続時間を改善もしくは延長させる、または寛解を維持する、請求項1に記載の方法。
- 腫瘍の転移を阻害または予防する方法であって、i)1つ以上のプロテアーゼ阻害剤およびii)1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記投与が腫瘍もしくは癌細胞の転移を阻害または予防するのに有効である、方法。
- 癌もしくは腫瘍の寛解の持続時間を改善、延長するか、または寛解を維持する方法であって、i)1つ以上のプロテアーゼ阻害剤およびii)1つ以上の緩衝剤を含む、対象の皮膚を通じた経皮送達用の処方物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記投与が癌もしくは腫瘍の寛解の持続時間を改善もしくは延長させるか、または寛解を維持するのに有効である、方法。
- 対象の皮膚を通じた経皮送達用の前記処方物が、約10〜56%w/wの量の炭酸塩を含む緩衝剤;約5〜55%w/wの量の浸透性部分;少なくとも1%w/wの量の界面活性剤部分を含み;前記処方物が、0%w/w〜最高で70%w/wの量の水を含み、前記処方物が、場合によっては約12%w/w未満の量のレシチンを含む、請求項1に記載の方法。
- 対象の皮膚を通じた経皮送達用の前記処方物が、約10〜56%w/wの量の少なくとも1つの炭酸塩、リジン、トリス、リン酸緩衝液および/または2−イミダゾール−1−イル−3−エトキシカルボニルプロピオン酸(IEPA)、またはそれらの組み合わせを含む緩衝剤;および約44〜90%w/wの量の浸透性部分を含み、前記浸透性部分が約85%w/w未満の量の水を含み、前記処方物が約12%w/w未満のレシチンを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記処方物の約7〜56%w/wの量の炭酸塩を含む、請求項13または14に記載の方法。
- 前記投与が、前記患者における固形腫瘍もしくは癌細胞に近接する組織または微小環境のpHを変更するのに有効である、請求項16に記載の方法。
- 前記処方物中の炭酸塩が、前記処方物の約15〜32%w/wの量である、請求項16に記載の方法。
- 前記処方物中の炭酸塩が、200μm未満の粒径に粉砕される炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムである、請求項16に記載の方法。
- 化学療法または免疫療法剤が前記処方物と同時投与される、請求項16に記載の方法。
- 前記化学療法剤または免疫療法剤が、アルキル化剤、抗体および関連結合タンパク質、アントラサイクリン、代謝拮抗剤、抗腫瘍抗生物質、アロマターゼ阻害剤、タキサンおよび関連化合物、細胞骨格破壊剤、エポチロン、ヒストン脱アセチル化酵素(histone deacetylace)阻害剤、キナーゼ阻害剤、ヌクレオシド類似体、トポイソメラーゼ阻害剤、レチノイド、およびビンカアルカロイドならびにそれらの誘導体から選択される、請求項19に記載の方法。
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