JP2020533573A - 誘導ラマン代謝イメージングによる抗生物質感受性の判定方法 - Google Patents

誘導ラマン代謝イメージングによる抗生物質感受性の判定方法 Download PDF

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Abstract

誘導ラマン散乱顕微鏡法による抗生物質感受性の判定方法を開示する。方法は、サンプルの代謝をイメージングするために、細菌を有するサンプルからレーザー信号を収集するように構成されたイメージング装置を利用する。サンプルをイメージング用に抗生物質で処理して、その与えられた抗生物質に対する細菌の感受性を判定できる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年9月8日に提出され、その開示が本出願の開示の一部とみなされ、全体が参照により本明細書に組み込まれる、「METHOD FOR THE DETERMINATION OF ANTIBIOTIC SUSCEPTIBILITY THROUGH STIMULATED RAMAN METABOLIC IMAGING」と題する、米国仮出願第62/556,013の優先権を主張する。
本発明は、一般に、抗生物質感受性試験(antibiotic susceptibility testing)(AST)のための、ハイパースペクトル誘導ラマン散乱(SRS)顕微鏡法による生菌の代謝活性の検出方法に関する。
様々な細菌感染症と戦う抗生物質の誤用および過剰使用が蔓延したため、耐性菌の数が増加している。したがって、特定の感染症を処置するには、抗生物質感受性試験(AST)によって、所定の細菌の抗生物質反応をプロファイルすることが重要である。ASTの従来の方法は、一般に寒天プレートおよびブロス希釈アッセイを利用して培養物を増殖させ、細菌の種類により、通常は完了に少なくとも16時間〜24時間を要する。より迅速な試験のためにより新しい技術が開発されているが、これらの技術は特定の細菌にしか適用できないため、または時間のかかるサンプル濃縮を要するため、依然として限界がある。
ラマン分光法は、分子振動を測定する無標識技術であり、迅速な細菌ASTに使用されている。指紋領域のラマンピークまたは重水DOの代謝取り込みは、抗生物質処理に対する細菌の反応を特徴付けるバイオマーカーとして使用されている。ラマン分光法は、しかしながら、断面積が小さいため信号が非常に弱く、したがって、大きなサンプルまたは細胞毎に長い積分時間が必要である。ラマン信号は、金属コロイドまたは粗い金属表面を使用した表面増強ラマン分光法(SERS)によって強化できる。SERSは、抗生物質処理によるラマンピークの変化に基づいた高速ASTに使用されているが、SERSは基質を必要とし、信号の変動が大きすぎるので実用的ではできない。
コヒーレントラマン散乱顕微鏡法、例えばコヒーレント反ストークスラマン散乱(CARS)および誘導ラマン散乱(SRS)顕微鏡法は、自発ラマンよりも大幅に信号を改善する。SRS顕微鏡法は、CARSとは異なり、非共鳴バックグラウンドに悩まされず、細胞、組織、およびモデル生物の代謝イメージングに使用されている。しかしながら、SRSは、完全にバックグラウンドがないわけではない。各ピクセルでスペクトルを記録するハイパースペクトルSRSは、SRS信号を、非線形吸収および相互位相変調によって引き起こされるバックグラウンドから区別するために開発された。
単一細菌の代謝活性のイメージングは、依然として非常に困難である。細菌のサイズ(直径約1μm)は、哺乳類細胞のサイズ(約10μm)よりもはるかに小さく、CARSまたはSRS顕微鏡法の空間分解能に近い。さらに、C−Dラマン信号は、C−H信号よりもはるかに弱い。したがって、ASTの改善された方法が必要である。好ましくは、この方法は、サンプル濃縮のための時間延長なしで実施され、単一細胞レベルで様々な細菌に適用可能である。
一態様では、本開示は、すべての細菌に適用可能な、高速抗生物質感受性試験(AST)法に関する。
別の態様では、本開示は、ハイパースペクトル誘導ラマン散乱(SRS)イメージングを用いて、単一細胞レベルで細菌中のグルコース−dの代謝活性を監視する方法に関する。
別の態様では、本開示は、ハイパースペクトルSRSイメージングを用いて、単一細胞レベルで生菌中のグルコース−d7の代謝活性を監視することによる、一般にすべての細菌に適用可能な高速AST法に関する。この方法では、D2Oなど、他の栄養源も同様に使用できる。バンコマイシン感受性(VSE)および耐性(VRE)腸球菌をモデルとして使用して、SRSイメージングにより単一細胞レベルで細菌を検出でき、その代謝活性を定量的に監視できることを示せる。抗生物質処理に対する代謝反応を監視して、細菌の感受性および最小発育阻止濃度(MIC)を30分以内に判定できる。同様に、イメージング法は、細菌を阻害または死滅させる機構に関係なく、他の抗生物質にも適用できる。グルコースが、細菌増殖のための共通の炭素源であり、よって、我々の方法が一般に多くの細菌種に適用可能である、との予想は、理にかなっている。
別の態様では、本開示は、サンプル調製戦略、改善された細菌培養培地の方法、およびより整合性のある画像処理のために、信号対雑音比を最大化するように構成したイメージング設定に関する。
別の態様では、本開示は、高速AST試験用のラマンイメージングシステムであって、二重出力フェムト秒パルスレーザーを含む、ラマンイメージングシステムに関する。二重出力フェムト秒パルス層には、ポンプビーム(pump beam)およびストークスビームを含めることができる。ストークビーム経路は、音響光学変調器によって変調される。ポンプビーム経路は、ポンプビームとストークスビームとの間の遅延を調整する並進ステージを有する。ポンプビームとストークスビームとを結合するように、コンバイナー(combiner)を構成する。ストークスビームとポンプビームとの間に異なるパルス持続時間を形成するように、チャープ装置(chirping device)を構成する。レーザー走査顕微鏡には、サンプルにポンプビームおよびストークスビームの焦点を合わせるように構成された対物レンズを含めることができる。さらに、システムは、サンプルからレーザーを収集するように構成されたオイルコンデンサーを含むことができる。システムは、コンデンサーの後に配置され、ストークスビームを除去するように構成された1つ以上のフィルターを使用できる。フォトダイオードは、フィルターの後に配置でき、そこでポンプビームを検出する。ポンプビームの信号損失を抽出するように、ロックインアンプ(lock in amplifier)を構成できる。
本開示の特徴および利点、ならびにそれらを達成する方法は、添付の図面と併せて開示されるシステムおよびプロセスの以下の説明を参照することにより、より明らかになり、よりよく理解されるであろう。
本開示による、例示的なハイパースペクトルSRSイメージング設定の図である。
本開示による、チャープ後のポンプとストークスとの間の遅延の図である。
本開示による、AST手順のプロセスを示す。
本開示による、20μg/mlのバンコマイシン処理をした場合およびしない場合の、バンコマイシン感受性および耐性E.フェカーリス(E.faecalis)のC−D振動領域(2178cm−1)でのSRS画像データを示す。
本開示による、感受性細菌のSRSスペクトルデータを示す。
本開示による、耐性細菌のSRSスペクトルデータを示す。
図3A〜図3Dは、本開示による、細菌のC−D成分をゲルバックグラウンドから分離するためのハイパースペクトルSRSイメージングデータの、多変量曲線分解(MCR)分析データを示す。
アガロースゲル上に堆積した細菌のC−D振動領域におけるSRS画像である。 グルコース−dおよびゲル成分のMCR出力スペクトルである。 MCR後のゲル成分である。 MCR後のグルコース−d成分である。
SRSイメージングの相互位相変調雑音の結果を示す。 SRSイメージングの相互位相変調雑音の結果を示す。
SRS代謝イメージング法を使用したMIC判定の結果を示す。 SRS代謝イメージング法を使用したMIC判定の結果を示す。
20μg/mlバンコマイシンの存在下および非存在下で、グルコース−d7含有培地で培養された細菌における、C−D成分変化の低速度撮影の結果を示す。 20μg/mlバンコマイシンの存在下および非存在下で、グルコース−d7含有培地で培養された細菌における、C−D成分変化の低速度撮影の結果を示す。 20μg/mlバンコマイシンの存在下および非存在下で、グルコース−d7含有培地で培養された細菌における、C−D成分変化の低速度撮影の結果を示す。 20μg/mlバンコマイシンの存在下および非存在下で、グルコース−d7含有培地で培養された細菌における、C−D成分変化の低速度撮影の結果を示す。
2150cm−1でのハイパースペクトルSRSイメージングの結果を示す。
C−D領域での、1Mグルコース−d溶液の対応するスペクトルのグラフ図である。
通常培地および2%グルコース−d含有培地で培養された、VSE細菌の自発ラマンスペクトルの結果を示す。
E.フェカーリス(E.faecalis)に対する、グルコース−dの細菌増殖測定のグラフ図である。 E.フェカーリス(E.faecalis)に対する、グルコース−dの細菌増殖測定のグラフ図である。
様々な抗生物質に対する、E.フェカーリス(E.faecalis)31970の抗生物質感受性試験のSRS代謝イメージング結果を示す。 様々な抗生物質に対する、E.フェカーリス(E.faecalis)31970の抗生物質感受性試験のSRS代謝イメージング結果を示す。 様々な抗生物質に対する、E.フェカーリス(E.faecalis)31970の抗生物質感受性試験のSRS代謝イメージング結果を示す。 様々な抗生物質に対する、E.フェカーリス(E.faecalis)31970の抗生物質感受性試験のSRS代謝イメージング結果を示す。 様々な抗生物質に対する、E.フェカーリス(E.faecalis)31970の抗生物質感受性試験のSRS代謝イメージング結果を示す。 様々な抗生物質に対する、E.フェカーリス(E.faecalis)31970の抗生物質感受性試験のSRS代謝イメージング結果を示す。
オキサシリン感受性および耐性黄色ブドウ球菌(S.aureus)の、0.5時間での分化の結果を示す。 オキサシリン感受性および耐性黄色ブドウ球菌(S.aureus)の、0.5時間での分化の結果を示す。 オキサシリン感受性および耐性黄色ブドウ球菌(S.aureus)の、0.5時間での分化の結果を示す。 オキサシリン感受性および耐性黄色ブドウ球菌(S.aureus)の、0.5時間での分化の結果を示す。
グルコース−d含有培地で1時間培養した細菌の、SRSイメージングの結果および対応するスペクトルデータを示す。
グルコース−d含有培地で3時間培養された細菌の、SRSイメージングの結果を示す。 グルコース−d含有培地で3時間培養された細菌の、対応するスペクトルデータを示す。 グルコース−d含有培地で3時間培養された細菌の、対応するスペクトルデータを示す。
本開示による、AST手順の方法を示す。
通常培地および70%DO含有LB培地で2時間培養された、大量の緑膿菌(P.aeruginosa)の自発ラマンスペクトルの結果を示す。
通常培地および70%DO含有LB培地で2時間培養された緑膿菌(P.aeruginosa)の、2162cm−1でのC−D SRSイメージングの結果および対応する透過イメージングを示す。
図15Bの単一細菌の対応するSRSスペクトルの結果を示す。
70%DO含有LB培地で30分間培養された緑膿菌(P.aeruginosa)の、2本のガラスSF57ロッドでチャープした後のピコ秒SRSによる、2162cm−1でのSRSイメージングの結果を示す。
図16Aの細菌の強度プロットの破線である。
70%DO含有LB培地で30分間培養された緑膿菌(P.aeruginosa)の、チャープなしのピコ秒SRSによる、2162cm−1でのSRSイメージングの結果を示す。
図16Cの細菌の強度プロットの破線である。
70%DO含有LB培地で0〜3時間まで培養した緑膿菌(P.aeruginosa)のC−D SRSイメージングの結果を示す。
図17Aの拡大画像を示す。
図17Aの各々の緑膿菌(P.aeruginosa)の平均SRS強度の動態を示し、エラーバーは標準偏差を示した(N>10)。
図17Bの10分の結果からの、細菌の強度プロットの破線である。
図17Bの30分の結果からの、細菌の強度プロットの破線である。
70%DO含有LB培地で0〜3時間まで培養した緑膿菌(P.aeruginosa)のC−D SRSイメージングを使用した、緑膿菌(P.aeruginosa)におけるDO生合成の低速度撮影の結果を示す。
図18Bの四角形内の各々の緑膿菌(P.aeruginosa)の拡大画像である。
図18Aの各々の緑膿菌(P.aeruginosa)の平均SRS強度の動態のグラフ図であり、エラーバーは標準偏差を示す。(N>10)。
図18Bの10分の結果からの、細菌の強度プロットの破線である。
図18Bの30分の結果からの、細菌の強度プロットの破線である。
70%DO含有LB培地で、20μg/mlのゲンタマイシンを添加して培養された緑膿菌(P.aeruginosa)の、2162cm−1でのC−D SRSイメージングおよび透過イメージングの結果を示す。
70%DO含有LB培地で、20μg/mlのセフォタキシムを添加して培養された緑膿菌(P.aeruginosa)の、2162cm−1でのC−D SRSイメージングおよび透過イメージングの結果を示す。
70%D2O含有LB培地で培養した緑膿菌(P.aeruginosa)の、抗生物質処理しない場合(対照(Ctrl))、およびゲンタマイシン(Gen)またはセフォタキシム(Cef)で様々な時間処理した場合の平均C−D SRS強度のプロットである。 70%D2O含有LB培地で培養した緑膿菌(P.aeruginosa)の、抗生物質処理しない場合(対照)、およびゲンタマイシンまたはセフォタキシムで様々な時間処理した場合の平均C−D SRS強度のプロットである。 70%D2O含有LB培地で培養した緑膿菌(P.aeruginosa)の、抗生物質処理しない場合(対照)、およびゲンタマイシンまたはセフォタキシムで様々な時間処理した場合の平均C−D SRS強度のプロットである。 70%D2O含有LB培地で培養した緑膿菌(P.aeruginosa)の、抗生物質処理しない場合(対照)、およびゲンタマイシンまたはセフォタキシムで様々な時間処理した場合の平均C−D SRS強度のプロットである。 70%D2O含有LB培地で培養した緑膿菌(P.aeruginosa)の、抗生物質処理しない場合(対照)、およびゲンタマイシンまたはセフォタキシムで様々な時間処理した場合の平均C−D SRS強度のプロットである。 70%D2O含有LB培地で培養した緑膿菌(P.aeruginosa)の、抗生物質処理しない場合(対照)、およびゲンタマイシンまたはセフォタキシムで様々な時間処理した場合の平均C−D SRS強度のプロットである。
通常LB培地(対照)または種々の濃度のゲンタマイシン添加した70%D2O含有LB培地で培養された緑膿菌(P.aeruginosa)の、2162cm−1でのC−D SRSイメージングおよび透過イメージングの結果を示す。
図19Aの各々の緑膿菌(P.aeruginosa)の平均SRS強度プロットである。
本明細書の様々な実施形態の詳細な説明は、添付の図面を参照する。それは、様々な実施形態およびその実施を例示および最良の形態によって示すものであって、限定ではない。これらの実施形態は、当業者が実施形態を実施できるように十分に詳細に説明されているが、他の実施形態が実現され得ること、ならびに本開示の精神および範囲から逸脱することなく機械的および他の変更がなされ得ることを理解されたい。さらに、単数形への言及には複数の実施形態が含まれ、複数の構成要素へのあらゆる言及には、単数の実施形態が含まれ得る。同様に、装置または装置の構成要素または装置の部分の指定の順番、例えば「第1」および「第2」などは、利便性および明確性のためであり、任意の区別を超えた制限または表示と解釈されるべきではない。さらに、述べられた特徴を有する複数の実施形態の列挙は、追加の特徴を有する他の実施形態、または述べられた特徴の異なる組み合わせを組み込んだ他の実施形態を除外することを意図しない。
本開示の様々な実施形態において、システム、方法、およびコンピュータプログラム製品を提供する。「様々な実施形態」、「一実施形態」、「実施形態」、「実施形態例」などへの言及は、説明された実施形態が、特定の性質、構造、または特性を含み得ることを示すが、すべての実施形態が、必ずしも特定の特徴、構造、または特性を含むとは限らない。さらに、そのような句は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の性質、構造、または特性が実施形態に関連して説明される場合、他の実施形態に関連するそのような性質、構造、または特性に影響を及ぼすことは、明示的な説明の有無に関わりなく、当業者の知識の範囲内であることを提示する。説明を読めば、本開示を代替実施形態でどのように実施するかは、当業者には明らかであろう。
これより、ラマン代謝イメージングによる抗生物質感受性の判定方法の図1A〜図1Bを参照する。イメージングシステムは、これらに限定されないが、誘導ラマン散乱イメージング、コヒーレント反ストークスラマン散乱イメージング、またはコヒーレントラマン誘導カー効果イメージング(coherent Raman induced Kerr effect imaging)を含む、あらゆるタイプのラマンイメージングを含むことができる。例示的な一実施形態では、本開示は、ハイパースペクトル誘導ラマン散乱(SRS)イメージング設定を開示する。本開示のイメージングシステム内で、システムは、光源101を含むことができる。例示的な一実施形態では、光源は、約80MHzの繰り返し率を有し得る二重出力フェムト秒パルスレーザー((InSight DeepSee,Spectra−Physics)であり得るが、任意の好適な繰り返し率を使用できる。光源101は、ハイパースペクトルSRSイメージングに使用することができる。同様に、イメージングシステムは、単色SRSイメージングを使用できる。C−D振動領域でのイメージングは、光源101、例えば波長可変レーザー103などを使用して実施できる。例示的な一実施形態では、波長可変レーザーは、約847nmに調整された120fs波長可変レーザーであり得る。さらに、フィルターを組み込んで、レーザービームを鮮明にすることができる。このビーム103は、ポンプビームとして機能できる。220fsレーザーなどの第2の光ビーム105の中心波長は、約1040nmである。第2のビーム105は、2.35MHzで音響光学変調器107(AOM、1205−C、Isomet)により変調され得るストークスビームとして機能できる。各ビームは、1つ以上のフィルターまたはレンズを通過できる。同様に、各ビームは、偏光ビームスプリッター(PBS)133を通過できる。例示的な一実施形態では、電動並進ステージ109(T−LS28E、Zaber)をポンプ経路に設置して、ポンプビーム103とストークスビーム105との間の遅延を調整することができる。次に、コンバイナー111を使用して、2つのビームを結合できる。その後、1本以上のガラスロッド113で、両方のビームをチャープできる。例示的な一実施形態では、長さが約15cmの2本のガラスロッドを使用できる。同様に、ガラスロッドは、SF57ガラスロッドであってもよい。
チャープ後、いくつかの例示的な実施形態におけるポンプおよびストークスのパルス持続時間は、約1〜2psの間、または1.3〜1.9psの間であり得る。例示的な一実施形態では、ポンプビームおよびストークビームは、それぞれ約1.9psおよび1.3psであり得る。他の実施形態では、イメージングシステムは、ビームのチャープを使用しなくてもよい。次いで、ポンプビーム103およびストークスビーム105を、走査装置115および1つ以上のレンズ117を有するレーザー走査顕微鏡に向けてもよい。例示的な一実施形態では、レンズ117は、レーザーをサンプル119に集束させるのに使用できる、約60倍の水対物レンズ(NA=1.2、UPlanApo/IR、Olympus)であり得る。オイルコンデンサー121(NA=1.4、U−AAC、Olympus)を使用して、サンプル123から結合レーザービーム120を収集できる。1つ以上のフィルター125(HQ825/150m、Chroma)を使用してストークスビームを除去し、ポンプビームをフォトダイオード127(S3994−01、Hamamatsu)で検出し、ポンプビーム損失信号をロックインアンプ(HF2LI、Zurich Instrument)で抽出することができる。システムは、装置の様々な構成要素全体に各ビームを向けるために、1つ以上のミラーを含むことができる。いくつかの例示的な実施形態では、1つ以上のミラー129は、二色性ミラー131であり得る。図1Bで示すように、Δω1およびΔω2は、本開示の例示的なイメージングシステムによって測定され得る、可能なラマンピークを示している。チャープ後のポンプおよびストークス間の各遅延は、イメージングシステムによって検出された分子振動モードに対応する。
本開示は、SRSイメージングシステム(これに限定されない)を含む例示的なイメージングシステムで使用する、サンプルの例示的な調製方法にも関する。サンプルの調製方法は、細菌固定化パッドを利用できる。例示的な一実施形態では、固定化パッドは、溶液中の細菌をライブイメージング用ゲルパッドに配置するための、アガロースゲルパッドを含むことができる。いくつかの例示的な実施形態では、アガロースゲルパッドは、以下の工程、すなわち、(1)1重量%のアガロース粉末をプラスチックチューブ内の約2mLの精製水に加えること、(2)チューブをアガロース粉末が完全に溶けるまで、約20秒間マイクロ波で加熱すること、(3)加熱したアガロースゲル溶液約10μLをピペットでカバーガラスに添加すること、(4)直ちに第2のカバーガラスをアガロースゲル溶液の上に置いて、平らにし、通常は第1のカバーガラスと第2のカバーガラスとの間にゲル溶液を挟むこと、(5)約2分後、2つのカバーガラスをスライドさせて、カバーガラスの1つをアガロースゲルから除去すること、(6)カバーグラスの1つに残っているアガロースゲルの固体をパッドにすることに従って調製できる。
本開示のAST手順は、細菌のASTを使用し、誘導ラマン散乱(SRS)顕微鏡法などのラマンイメージングで細菌の代謝活性を測定することにより、1細胞周期(約30分)内に判定することができる。イメージングは、グルコース−dなどの重水素化グルコースの代謝活性を、C−D振動周波数でチャープされたピコ秒SRSで監視でき、C−D信号をマーカーとして使用してASTを実施する。
同様に、水は、細菌の生体分子合成にも使用でき、その代謝はラマン分光法により、C−D周波数で重水(DO)を使用して監視できる。グルコースdとは異なり、DO自体はC−D結合を有さず、その結果DO代謝活性は、グルコースdよりも良好な、高速ASTのための対照をもたらす。DOの代謝活性は、自発ラマン分光法で代謝活性細菌をイメージングするために使用されている。SRSイメージングは、数桁の信号エンハンスメントを有し、それにより高速イメージングが可能になる。さらに、DO代謝のSRSイメージングは、哺乳類の細胞および動物の代謝動態を視覚化する、非侵襲的で正確な方法である。
本開示の方法に基づくSRSイメージングは、抗生物質に対する細菌の感受性を、約10分以内に判定することができる。SRSイメージングによる試験およびアガロースゲルパッドへの配置用の細菌溶液は、ブロス、例えば溶原性ブロス(LB)(LBブロス、Sigma Aldrich)中で約2時間培養して、対数期に到達させることで調製できる。次いで、細菌は、2mLの様々なタイプの培地に対して、約0.1:100から約10:100の比率で添加され得る。例示的な一実施形態では、比率は、2MLの特殊培地などの培地に対して、約1:100であり得る。いくつかの例示的な実施形態は、DO培地、または本明細書でM9培地と呼ばれ、約2%のグルコース−dが唯一の炭素源であり得る、他の特殊培地を使用することができる。M9培地は、C−D振動領域内の信号を最大化するように開発および選択される。所定の細菌の抗生物質への耐性を測定するために、抗生物質を約20 μg/mLの濃度で特殊培地に添加する。少なくとも約30分の培養後、約500μLのサンプルを遠心分離し、精製水で2回洗浄し、イメージングのためにアガロースゲルパッド上に配置する。図1Aに示すイメージング設定を使用して、サンプルを処理できる。
ここで図2A〜図2Dを参照すると、本開示の方法は、一般に例示的な方法で実施して、バンコマイシンなどの抗生物質を利用することの有効性を判定できる。したがって、この方法を利用して、細菌によるグルコース−dの代謝取り込みに対する抗生物質の影響を調べることができる。バンコマイシン感受性(VSE)およびバンコマイシン耐性(VRE)腸球菌E.フェカーリス(E.faecalis)は、最初にLB培地で約2時間培養することにより対数期まで増殖でき、その後、VSEおよびVREは、それぞれバンコマイシンを最終濃度の約20μg/mLまで添加して、約2%グルコース−dを唯一の炭素源として含むM9培地でさらに培養できる(図2A)。他の実施形態は、様々なタイプの炭素源を唯一の炭素源として、または他の炭素源もしくは栄養源と組み合わせて含むことができる。例示的な一実施形態は、約0〜100%の二酸化重水素の栄養源を使用することができる。同様に、炭素源は、二酸化重水素とグルコース−dとの組み合わせを含むことができる。この濃度は、VSEに対するバンコマイシンの最小発育阻止濃度(MIC)(MICは1μg/mL)とVREに対するMIC(MICは100μg/mL超)との間であるので、選択された。対照(control)として、VSEおよびVREを、バンコマイシンを添加しないグルコース−d含有培地で培養した(図2a)。30分(0.5時間)〜3時間の培養後、各サンプルを遠心分離し、水で2回洗浄し、その後SRSイメージング用のアガロースゲルパッド上に堆積させた。
図2Bは、グルコースd含有培地で30分間培養したVSEおよびVREの、バンコマイシンを添加した場合と添加しない場合の、C−D振動領域(約2160cm−1)におけるSRSイメージングを示す。対照群では、VSEとVREの両方に強いC−D信号があり、細菌によるグルコースdの高い代謝取り込みを示しており、個々の細菌を明確に確認できる。バンコマイシン処理群では、個々のVSEのC−D信号の強度は、対照群の個々のVSEのC−D信号の強度の約1/3に減少した。グルコース−dのSRS信号強度はその濃度に比例するため、信号の減少は、グルコース−dの取り込みが減少したことを示す。それに比べて、それぞれのVREのC−D信号の強度は、対照群と類似する
図2Cおよび図2Dは、図2Aに示すVSEおよびVREに対応する、正規化されたSRSスペクトルを示す。すべてのスペクトルはC−D振動領域にピークを示すが、バンコマイシン処理したものは、対照と比較してVSEの信号強度が減少し、一方、VREの信号強度は、バンコマイシン処理の有無にかかわらず同じままであり、それは、図2Bに示すSRSイメージングと一致する。これらの結果は、VSEおよびVREの代謝活性がバンコマイシン処理に対して異なる反応を示し、よってVSEおよびVREの感受性が30分以内に判定できることを示しており、これは、E.フェカーリス(E.faecalis)の1細胞周期に近い。1時間および3時間のバンコマイシン処理の場合も同様の効果が確認された。したがって、本開示のイメージング法によるE.フェカーリス(E.faecalis)のASTにとって、時間は重要ではない。
E.フェカーリス(E.faecalis)細胞のC−D内容および抗生物質処理に対する細菌の反応を定量化するために、多変量曲線分解(MCR)分析を適用して、図3A〜図3Dに示すハイパースペクトルSRSイメージングデータからC−D成分を取り出す。MCRは、各ピクセルのスペクトルを含む実験データ基盤を、濃度マップと主要成分のスペクトルとに分解するバイリニアモデルである。各成分の初期推定スペクトルを入力として用いて、収束に達するまで、交互最小二乗アルゴリズムを使用してMCRを反復的に計算し、最適化する。MCRの出力には、各成分の濃度マップおよびスペクトルが含まれる。ここで図3A〜図3Dを参照すると、C−D成分を表すグルコース−dのスペクトル、およびバックグラウンドを表すゲルが入力要素として使用された。MCR分析後、C−D成分はバックグラウンドから明確に分離され、収集されたSRSイメージングデータの内容を定量化するために利用できる。
本方法は、一般に代謝イメージングに基づくAST用のハイパースペクトルSRS顕微鏡法を開示するが、別の例示的な実施形態は、改善されたサンプル調製方法を伴う単一周波数SRS顕微鏡法を使用できる。過去の単一周波数SRSの結果では、測定中に細菌が移動するのを避けるため、ガラス上で乾燥させた細菌を使用したことにより、SRS信号に強い雑音が発生した。アガロースゲルサンプルを調製し、溶液中の細菌をアガロースゲルパッド上に堆積させることで、細菌の生存を維持し、ノイズを除去する。このように、C−D振動周波数の細菌のSRS信号は、ほとんどがC−D成分からのものである。したがって、代謝イメージングに基づくAST法では、C−D成分を監視することで、単一周波数のSRSイメージングにより細菌の変化を検出できる。それは、大量の画像ではなく1つの画像のみを撮るので、ハイパースペクトルSRSイメージングよりも、要する時間がはるかに少ない。
さらに、別の例示的な実施形態は、追加の工程を使用してサンプルを調製できる。例示的な一実施形態では、ガラス上の細菌を乾燥させることにより、SRSイメージング用のサンプルを調製した。図4A〜図4Bに示すように、アガロースゲル上に堆積した細菌では、SRSイメージングの相互位相変調雑音が大幅に減少した。図4Aは、通常培地で培養され、ガラス上で乾燥させた細菌の2178cm−1でのSRSイメージングであり、図4Bは、通常培地で培養され、アガロースゲルパッド上に堆積させた細菌の2178cm−1でのSRSイメージングを示す。ガラス上の乾燥細菌を使用したイメージングでは、おそらくは相互位相変調による、強いバックグラウンドが見られた。生菌イメージングのために、アガロースゲルパッドを使用し、このゲルパッドに溶液中の細菌を体積させた。図4Bに示すように、このサンプルを調製することにより、SRSイメージングのバックグラウンドが大幅に減少した。C−D信号レベルを最大化するために、培養培地を通常のグルコースを含むLB培地から、グルコース−dが唯一の炭素源である、特別仕様のM9培地へと変更し、グルコース−d濃度を2%に上げた。信号およびスペクトル分解能を確保するために、長さ15cmの2本のSF57ガラスロッドを使用した2本のロッド設定を構成して、ポンプビームおよびストークスビームをハイパースペクトルSRSイメージング用にチャープし、C−D振動領域での単一細菌のSNR、約5を、約20cm−1のスペクトル分解能と共に達成する
細菌に対するグルコース−d7の毒性を試験するために、E.フェカーリス(E.faecalis)31970および31972を特別仕様のM9培地で培養し、1つは対照用の通常グルコースを含み、もう1つはグルコース−d7を含む。細菌の増殖は、600nmの光学密度(OD)測定により、最長22時間監視した(図9)。同様の増殖曲線が、対照培地およびグルコース−d7含有培地で培養されたE.フェカーリス(E.faecalis)31970およびE.フェカーリス(E.faecalis)31972の両方で確認され、細菌の増殖に対するグルコース−d7の毒性がないことが示された。図9Aは、2%通常グルコースまたは2%グルコース−dのいずれかを含むM9培地で培養された、バンコマイシン感受性腸球菌のOD測定を示し、図9Bは、2%通常グルコースまたは2%グルコース−dのいずれかを含むM9培地で培養された、バンコマイシン耐性腸球菌のOD測定を示す。
MICは、生体外で目に見える細菌増殖を阻害できる抗生物質の最低濃度として定義され、我々の代謝イメージング法によって決定できる。VSEは、グルコース−d7含有M9培地で、異なる濃度のバンコマイシンを添加して培養した。1時間の培養後、各サンプルを遠心分離し、PBSで2回洗浄し、SRSイメージング用のアガロースゲルパッド上に堆積させた。図5Aは、MCR分析後の各サンプルのC−D成分を示す。細菌のグルコース−d7取り込みの変化をバンコマイシン処理と定量的に比較するために、視野内の各々の細菌のC−D成分の強度を統計的に分析し、プロットした(図5B)。バンコマイシン処理なしの対照と比較して、2μg/mL以上の濃度でバンコマイシン処理した場合、C−D成分の強度が大幅に低下した。それに比べて、1μg/mLのバンコマイシン処理では、この強度は低下しなかった。したがって、我々の代謝イメージング法によって決定されるVSEのMICは2μg/mLであり、これは従来の培養ベースの方法で決定されるMICの2倍である。この不一致は、主に従来のASTでの手動による抗生物質の段階希釈の実施によるもので、許容可能かつ精度範囲内である。図5Aは、異なるバンコマイシン濃度で、グルコース−d含有培地で1時間培養した細菌のC−D成分の濃度マップの結果を示す。図5Bは、C−D成分強度の定量化を示すグラフである。2μg/ml以上のバンコマイシンで処理した細菌のC−D成分強度は、バンコマイシン処理を行わなかった対照と比較して、大幅に低下する。図5Cに、従来の培養ベースの方法から決定されたMICと、我々の代謝イメージング方法から決定されたMICとの比較を示す。
SRSイメージングによる細菌代謝活性の評価は、通常のグルコース801含有培地およびグルコース−d7 803含有培地で培養し、その後PBSで洗浄して培地の痕跡を除去し、SRSイメージング用のアガロースゲルパッド上に堆積させた、E.フェカーリス(E.faecalis)の試験により実施した。図7Bに示すとおり、1Mグルコース−d7溶液のハイパースペクトルSRSイメージングは、C−D振動モードから2130cm−1付近にピークを示す。このピークは、ラマンスペクトルの細胞のサイレント領域にあり、重水素標識代謝物の代謝取り込みをイメージングするための優れたコントラストをもたらす。グルコース−d7含有培地で培養された細菌のSRSイメージングは、C−D振動領域で強い信号を示し、グルコース−d7の取り込みおよび利用の成功を示している。対照として、通常のグルコース培地で培養された細菌では、信号は確認されなかった。これらの結果は、図8に示すように自発ラマン測定によってさらに立証され、そこでは、グルコース−d7 803含有培地で培養された細菌でのみ、C−D領域でのピークが確認された。これらのデータは、細菌によるグルコース−d7取り込みの代謝活性が、単一細胞レベルでのハイパースペクトルSRSイメージングによって監視できることを共同で示す。灰色のバー805は、約2150cm−1付近のC−D領域を示す。
図6A〜図6Dは、20μg/mlのバンコマイシンの存在下および不存在下で、グルコース−d7含有培地で培養された細菌の、C−D成分の変化の結果を示す。図6Aおよび図6Bは、それぞれVSEおよびVREのMCR分析後のC−D成分の時間的動態を示す。それぞれの細菌のC−D成分の平均強度を定量化し、VSEおよびVREについてそれぞれ図6Cおよび図6Dにプロットした。バンコマイシン処理なしの対照VSEでは、グルコース−d培地で約0.5および1時間培養した細菌のC−D成分の強度は相似しているが、3時間培養した細菌のC−D成分の強度はより高く(図6C)、グルコース−dの取り込みが、時間とともにやや増加することを示している。対照VREでは、それぞれの細菌のC−D成分の強度は、約0.5〜3時間まで相似している(図6D)。バンコマイシン処理により、VSEのC−D成分の強度が大幅に低下した。スチューデントのt検定を使用して、VSEの対照群と処理群との間の有意差を分析した。p値は、約0.5、1、および3時間の結果に対して、それぞれ2.2×10−13、2.0×10−11、および3.9×10−15である。バンコマイシン処理は、VREのC−D成分の強度は大きく低下させなかった。興味深いことに、VREを3時間バンコマイシンで処理すると、C−D成分の強度は対照群よりも高くなり(p値は5×10−4)、これはおそらく、抗生物質のストレスと戦うために細胞がグルコースの取り込みを増やすという、VREのバンコマイシン処理に対する代謝反応に起因する。結果は、バンコマイシン処理により、VSEのグルコース−d取り込みが大幅に減少する一方で、VREのグルコース−dの取り込みは、3時間にわたって減少しないことを示す。したがって、バンコマイシンに対するVSEおよびVREの感受性を迅速に判定できる。図12A〜図12Cは、グルコース−d含有培地で1時間培養した細菌の対応データおよびイメージングデータを示す。図12Aは、グルコース−d含有培地で培養された、バンコマイシン感受性および耐性E.フェカーリス(E.faecalis)の、20μg/mlのバンコマイシン処理をした場合およびしない場合のC−D振動領域でのSRSイメージングを示す。図12Bは、バンコマイシン感受性E.フェカーリス(E.faecalis)についてバンコマイシン処理した場合1203、およびバンコマイシン処理しない場合1201の対応するスペクトルを示す。さらに、図12Cは、バンコマイシン処理および非処理のバンコマイシン感受性E.フェカーリス(E.faecalis)の対応するスペクトルを示しており、イメージングデータの変化がないことを示す。同様に、図13A〜図13Cは、それぞれグルコース−d含有培地で3時間培養した細菌の対応データおよびイメージングデータを示す。図13Bは、バンコマイシン感受性E.フェカーリス(E.faecalis)についてバンコマイシン処理した場合1303、およびバンコマイシン処理しない場合1301の対応するスペクトルを示す。図13Cは、バンコマイシン処理および非処理のバンコマイシン感受性E.フェカーリス(E.faecalis)の、対応するスペクトルを示しており、イメージングデータの変化がないことを示す。
追加の試験を実施して、代謝イメージングに基づくAST法が、他の抗生物質に対して機能するかどうかを判定した。VSE E.フェカーリス(E.faecalis)31970を、5つの異なる抗生物質、バンコマイシン、リネゾリド、ダプトマイシン、ゲンタマイシンおよびエリスロマイシンと共に、グルコース−d含有M9培地で培養した。これらの抗生物質は、細菌感染治療のために診療所で一般的に処方されており、異なる作用機序を有する。図10A〜図10Fは、グルコース−d含有培地で1時間培養した後のVSEにおける、抗生物質を添加しない場合(対照)、および各抗生物質を最終濃度の20μg/mL添加した場合のSRSイメージングを示す。バンコマイシンおよびリネゾリドで処理した細菌でのみ、C−D信号の著しい減少が確認された。したがって、E.フェカーリス(E.faecalis)31970は、バンコマイシンおよびリネゾリドには感受性があるが、ダプトマイシン、ゲンタマイシンおよびエリスロマイシンには耐性がある、と我々の代謝イメージング法に基づいて結論付けられる。VSEに対するこれらの抗生物質のMICを、従来の培養ベースの方法により決定し、これを以下の表1に示して確認した。これら5つの抗生物質に対するVSEの感受性は、我々の代謝イメージング法によって判定された結果と一致する。
この方法が他の細菌種でも機能することを確認するために、1つのオキサシリン感受性(MIC 0.0625μg/ml)菌株および1つのオキサシリン耐性菌株を使用して、黄色ブドウ球菌(S.aureus)を試験した。グルコース−dの代謝活性は、グルコース−d含有培地で0.5時間培養された単一細菌において、SRSイメージングによって確認できる(図11B)。細菌を1.3μg/mlオキサシリンで0.5時間処理した場合、感受性菌株1103では、オキサシリンで処理されていない対照1101と比較して、黄色ブドウ球菌(S.aureus)のC−Dピークの低下が確認され(図11C)、耐性菌株では著しい変化は確認されなかった(図11D)。したがって、感受性および耐性黄色ブドウ球菌(S.aureus)は、約0.5時間で判定できる。
本開示はさらに、単一細胞レベルで細菌の代謝活性を監視することにより、約30分以内に生菌の感受性および抗生物質のMICを判定できる代謝イメージング法を提供する。この方法により、従来の培養ベースの方法でのASTに必要な時間、少なくとも16時間〜24時間が、0.5時間に短縮される。代謝イメージングに基づく単一細菌レベルでのASTは、非培養性または偏好性細菌に特に有用である。なぜなら、代謝活動は表現型の増殖よりも速く起こるため、抗生物質処理に対する代謝活性の反応を検出するために、必ずしも細菌を複製する必要がないからである。
O法の場合、SRSイメージングベースの方法は、重水(DO)を使用して代謝活性が現れることを、緑膿菌(P.aeruginosa)を使用して実証した。広いC−D振動スペクトルの場合、細菌の信号は、チャープのないフェムト秒SRSによって、チャープされるSRSと比較して約5倍超改善され得る。細菌のDO代謝は、種々の抗生物質に対して約10分程で、単一細菌の代謝活性研究のための、および異なる細菌に対して一般的に機能する高速ASTのためのSRS顕微鏡法で使用される細菌の感受性により異なって反応し得る。
Oの毒性は、DO含有培地での増殖を測定することにより、最初に細菌で試験した。3種類の細菌(大腸菌(E.coli)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)、および緑膿菌(P.aeruginosa))を異なる濃度のDOを含有するLB培地で培養し、約600nmで光学密度(OD)を測定して、その増殖を監視した。様々な濃度のDO培地での増殖曲線が示すように、100%までのDO濃度では、大腸菌(E.coli)および黄色ブドウ球菌(S.aureus)の増殖に対して著しい毒性を示さなかった(図15A〜図15B)。緑膿菌(P.aeruginosa)の増殖は、DO濃度が70%以上のLB培地では初めに遅くなったが、70%および80%濃度のDOでは約18時間後、100%のDO濃度では約22時間後に正常な増殖へと回復した(図15c)。したがって、培地中のDOは、細菌に対して著しい毒性を誘発しない。
70%DO含有LB培地を使用して細菌を培養し、モデルとして緑膿菌(P.aeruginosa)を使用して、単一細菌でのDO代謝活性をSRS顕微鏡で監視できるかどうか試験した。緑膿菌(P.aeruginosa)を、通常のLB培地および70%DO含有LB培地で約2時間別々に培養した後、遠心分離し、水で洗浄して培地を除去した。図16Aを参照すると、高密度細菌の自発ラマンスペクトルは、DO含有培地で培養された細菌のC−D振動領域で、約2070から約2250cm−1の広いピーク1601を示し、生体分子合成で、DOが上手く利用されたことを示す。対照として、通常の培地1603で培養された細菌では、この領域にこのピークが見られなかった(図16A)。単一の細菌をイメージングするために、細菌をさらに希釈し、アガロースゲルパッド上に堆積させた。SRS周波数を約2162cm−1のC−D領域に調整することにより、DO含有培地で培養された個々の細菌について、強い信号が確認された(図16B、右)。対照として、通常の培地で培養された細菌ではC−D信号は確認されなかった(図16B、左)。結果は、チャープポンプおよびストークスフェムト秒パルスの時間調整によって得られた、SRSスペクトル(図16C)によって確認されまた。
単一細菌のC−D信号をさらに改善するために、チャープなしのフェムト秒パルスを試験して、チャープされたピコ秒パルスの信号対雑音(SNR)比を改善した。C−D振動帯は幅が約180cm−1と比較的広いため(図16C)、チャープなしのフェムト秒SRSは、SNRをさらに向上させ得る。これを試験するために、70%DO含有LB培地で約30分間緑膿菌(P.aeruginosa)を培養し、それらをチャープされたピコ秒パルス、およびチャープなしフェムト秒パルスによって、2162cm−1でイメージングし、それぞれ図17Aおよび図17Cに示した。ポンプおよびストークスの出力を調整して、サンプルで使用するポンプおよびストークスの平均出力が、同じであることを確認した。ピコ秒およびフェムト秒SRSの個々の細菌のSNRは、それぞれ図17Bおよび17Dに示すように、それぞれ1.43および7.81であり、フェムト秒SRSのSNRが、ピコ秒SRSに対して約5.46倍の改善を示している。この改善は、設定の2つの異なる側面に起因する。1つめは、C−D振動帯域が広く、フェムト秒SRSがチャープされたピコ秒SRSよりも広い帯域信号を検出できることであり、2つめは、チャープされるパルスが、パルスのピーク出力を低下させ得ることであるサンプルでは同じ平均出力が使用されたが、ピーク出力の低下は、SRSの非線形効果によりSNRを大幅に低下させた。
O代謝活性の低速度撮影は、フェムト秒SRSイメージングによって、単一の緑膿菌(P.aeruginosa)で実施できる。緑膿菌(P.aeruginosa)を最初に約70%DO含有LB培地で最大約3時間培養し、異なる時点で、約500μlの細菌を遠心分離し、洗浄し、イメージング用にアガロースゲルパッド上に堆積させた。図18Aは、約2162cm−1での単一の緑膿菌(P.aeruginosa)のSRSイメージングを示し、個々の緑膿菌(P.aeruginosa)のC−D信号は、約10分という短い時間後に確認できる。統計解析により、個々の細菌の平均C−D信号強度は時間とともに増加し、LB培地で培養された緑膿菌(P.aeruginosa)の世代時間は24〜27分であるため、約3世代となる約1.5時間で、図18Cに示すように飽和することが示された。個々の細菌をより明確に見るために、図18Aの画像を図18Bでさらに拡大した。興味深いことに、図18Bに示す10分の結果で、図18Dに示す細菌の強度プロットで示されるように、細菌の細胞周辺の信号がより強いことが確認された。対照的に、30分および30分後では、図17Bは、図18Eに示す30分の細菌の強度プロットの結果で示されるように、細菌の細胞中心で信号強度がより強いことを示す。まとめると、これらの結果は、緑膿菌(P.aeruginosa)の細胞膜および/または細胞壁を合成するために、最初に水が使用されることを示唆している。
緑膿菌(P.aeruginosa)を70%DO含有LB培地で培養し、20μg/mlゲンタマイシンまたはセフォタキシムを添加して、細菌のDOの代謝活性に対する抗生物質の効果を判定した。それはSRSイメージングによる高速ASTでの使用に適している。緑膿菌(P.aeruginosa)の感受性は、従来の培養ベースの微量希釈法を使用して、この濃度でゲンタマイシンに感受性があり、セフォタキシムに耐性があると、事前に判定された。約2162cm−1でのSRSイメージングでは、図19Aに示すように、20μg/mlゲンタマイシンでの培養後にC−D信号が大幅に減少し、緑膿菌(P.aeruginosa)のDOの代謝活性がゲンタマイシンによって阻害されたことを示している。対照的に、セフォタキシムで培養された緑膿菌(P.aeruginosa)は、約2162cm−1でのSRSイメージングで、すべての時点において確認され、セフォタキシムで培養された緑膿菌(P.aeruginosa)のDOの代謝活性が活発であることを示している。セフォタキシムで培養された緑膿菌(P.aeruginosa)は、図19Bに示すように、長い棒状体を形成する傾向があることが確認された。これは、セフォタキシムが細菌の細胞壁合成を阻害するβ−ラクタム抗生物質であるため、セフォタキシムで培養された緑膿菌(P.aeruginosa)は、依然として増殖はできるが、分裂できないことに起因し得る。このフィラメント状の形成は、緑膿菌(P.aeruginosa)が他のβ−ラクタム系抗生物質10で処理された場合にも確認され得る。
細菌のDO代謝活性を使用して、図19C〜図19Hに示す3つのグループ、すなわち抗生物質処理なしの対照(図18A)、ゲンタマイシン処理(図19A)、およびセフォタキシム処理(図19B)間で比較される細菌の平均C−D信号強度を使用して、細菌の抗生物質感受性を迅速に識別することができる。感受性群と耐性群とを区別するために、図19C〜図19Hに示す、約10分から約3時間の結果のすべてのプロットにおいて、対照細菌の平均C−D強度である約65%で閾値線を決定した。この閾値は、感受性群と耐性群とを明確に分けることができ、ゲンタマイシン処理群は常に閾値を下回り、セフォタキシム処理群は常に閾値を上回った。したがって、緑膿菌(P.aeruginosa)のゲンタマイシンおよびセフォタキシムに対する感受性は、約10分という短い時間で判定できる。
SRS代謝イメージング法は、細菌に対する抗生物質の最小発育阻止濃度(MIC)を決定でき、約70%DO含有LB培地で約1時間、希釈濃度が連続的に異なるゲンタマイシンを添加して緑膿菌(P.aeruginosa)を培養することにより実施された。図20Aに示すように、2162cm−1でのSRSイメージングは、緑膿菌(P.aeruginosa)のDO代謝活性が、8μg/ml以上の濃度のゲンタマイシン培養で阻害されることを示した。対照として、通常のLB培地で培養した緑膿菌(P.aeruginosa)では、C−D信号は確認されなかった。図20Bに示すように、緑膿菌(P.aeruginosa)C−D信号の平均強度をプロットして比較した。65%の強度閾値では、MICは、SRSベースのDO代謝イメージング法で約8μg/mlと判定された。これは、従来の培養ベースの方法で判定された結果と一致する。
当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、多数の様々な他の構成を容易に考案することができる。さらに、本発明の原理、態様および実施形態、ならびにその特定の例を列挙する本明細書のすべての記述は、その構造的および機能的同等物の両方を包含することを意図している。さらに、そのような同等物には、現在知られている同等物、および将来開発される同等物、つまり構造に関係なく同じ機能を実行する開発された要素の両方が含まれることが意図される。本明細書に引用されるすべての参考文献は、参照により組み込まれる。追加の開示は付録Aにあり、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。


Claims (20)

  1. 細菌の抗生物質感受性の判定方法であって、
    細菌固定化ゲルを調製することと、
    栄養源を有する培地で前記細菌を培養することと、
    予め選択した抗生物質を前記培地に添加して、サンプルを形成することと、
    前記抗生物質および細菌を、予め選択した期間、前記培地内で培養することと、
    前記サンプルを遠心分離することと、
    前記サンプルを洗浄することと、
    前記サンプルを前記細胞固定化ゲル上に堆積させることと、
    コヒーレントラマン顕微鏡法により、前記細菌固定化ゲル上の前記サンプルの画像を収集することと
    を含む方法。
  2. 前記サンプルの画像が、ハイパースペクトルコヒーレントラマン顕微鏡法により収集される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記サンプルの画像が、単一周波数コヒーレントラマン顕微鏡法により収集される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記固定化ゲルが、アガロースゲルを含む、請求項1記載の方法。
  5. 前記栄養源が、0.1〜10%のグルコース−dのみから構成される炭素源を有する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記栄養源が、0〜100%の二酸化重水素を有する培地から構成される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記炭素源が、グルコース−d7および二酸化重水素の両方の組み合わせで構成される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記ラマンイメージングが、誘導ラマン散乱イメージング、コヒーレント反ストークスラマン散乱イメージング、またはコヒーレントラマン誘導カー効果イメージングであり得る、請求項1に記載の方法。
  9. 抗生物質感受性試験用の画像を収集するためのハイパースペクトル誘導ラマン散乱イメージング装置であって、
    80MHzの繰り返し率を有する二重出力フェムト秒パルスレーザーであって、
    ポンプビームと、
    ストークスビームと、
    音響光学変調器によって変調される前記ストークスビームの経路と、
    前記ポンプビームおよび前記ストークスビーム間の遅延を調整する並進ステージを有する前記ポンプビームの経路と、
    コンバイナーであって、前記ポンプビームと前記ストークスビームとを結合するように構成されたコンバイナーと、
    レーザー走査顕微鏡であって、サンプル上に前記ポンプビームおよび前記ストークスビームを集束させるよう構成された対物レンズを有するレーザー走査顕微鏡と、オイルコンデンサーであって、前記サンプルから前記レーザーを収集するよう構成されたオイルコンデンサーとを含む二重出力フェムト秒パルス層と、
    フィルターであって、前記コンデンサーの後に配置され、前記ストークスビームを除去するように構成されたフィルターと、
    フォトダイオードであって、前記フィルターの後に配置され、前記ポンプビームを検出するフォトダイオードと、
    ロックインアンプであって、前記ポンプビーム信号損失を抽出するように構成されたロックインアンプと
    を含むイメージング装置。
  10. チャープ装置をさらに含み、前記チャープ装置が、前記ストークビームおよび前記ポンプビーム間で異なるパルス持続時間を形成するように構成される、請求項9に記載のイメージング装置。
  11. 前記チャープ装置が、長さ15cmの、2つのSF57ガラスロッドである、請求項10に記載のイメージング装置。
  12. 一対のフィルターが使用される、請求項9に記載のイメージング装置。
  13. 前記レーザー走査顕微鏡対物レンズが、60倍水対物レンズである、請求項9に記載のイメージング装置。
  14. 前記ポンプビームの前記パルス持続時間が、1.5〜2psの間であり、前記ストークスビームの前記パルス持続時間が、1.0〜1.4psの間である、請求項9に記載のイメージング装置。
  15. 前記チャープ装置が、前記ポンプビームに対して1.9ps、前記ストークスビームに対して1.3psのパルス持続時間を形成するように構成される、請求項9に記載のイメージング装置。
  16. 前記ポンプビームが、120fs波長可変レーザーであり、ポンプビーム経路を有し、前記ストークスビームが、1040nmを中心波長とする220fsレーザーであり、ストークスビーム経路を有する、請求項9に記載のイメージング装置。
  17. 顕微鏡法を使用した、細菌の抗生物質感受性の迅速な判定方法であって、
    栄養源を有する培地で前記細菌を培養することと、
    予め選択した濃度を有する、予め選択した抗生物質を前記培地に添加して、サンプルを形成すること、
    前記サンプルを予め選択した期間、前記培地内で培養することと、
    前記サンプルを遠心分離することと、
    前記サンプルを洗浄することと、
    前記サンプルを前記細菌固定化ゲル上に堆積させることと、
    コヒーレントラマン顕微鏡法を使用して、前記細菌固定化ゲル上の前記サンプルをイメージングすることと
    を含む方法。
  18. 前記コヒーレントラマン顕微鏡法が、誘導ラマン散乱システムを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記誘導ラマン散乱システムが、ポンプビームおよびストークスビームを使用し、両方のビームが1つ以上のガラスロッドでチャープされ、それにより前記ポンプビームおよびストークスビームの両方について1〜2psのパルス持続時間を創出する、請求項18に記載の方法。
  20. 前記顕微鏡法システムが、前記ポンプビームおよび前記ストークスビーム間の遅延を調整する並進ステージをさらに含む、請求項19に記載の方法。

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