JP2020533296A - 薬物誘発性ジスキネジアを治療するためのプリドピジン - Google Patents

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Abstract

本発明は、レボドパ誘発性ジスキネジアを含む薬物誘発性運動障害に罹患した対象を治療する方法であって、対象を治療するのに有効な量のプリドピジンを、対象に定期的に投与するステップを含む方法を提供する。本発明はさらに、レボドパ誘発性ジスキネジアを含む薬物誘発性運動障害を発症するリスクのある対象を治療する方法を提供する。本発明はまた、これらの方法を実施するのに適した医薬組成物、及びそのような医薬組成物を含有するパッケージを提供する。【選択図】なし

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2017年9月8日出願の米国特許仮出願第62/556、314号、及び、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649、184号に基づく優先権を主張するものである。上記両出願の開示内容は、参照により本明細書中に援用される。
薬物誘発性ジスキネジア
ジスキネジアは、身体の一部が、けいれんしたり、ねじれるような動きをしたり、くねくねした動きをしたりする、異常な不随意運動である。ジスキネジアには様々な種類があり、舞踏病、ジストニア、ミオクローヌス、振戦、及び発作性遅発型(晩期発症型)に分類することができる。薬物誘発性運動障害(DIMD)は、中枢神経系におけるドーパミン神経伝達や、例えばセロトニン、アドレナリン及びアセチルコリン神経伝達などの他の神経伝達を調節する様々な薬剤によって誘発され得る。DIMDを誘発する薬剤の主要なグループには、とりわけ、うつ剤、抗精神病剤、抗てんかん剤、抗菌剤、抗不整脈剤、気分安定剤、胃腸薬などが含まれる。これらの運動障害としては、これに限定しないが、パーキンソン症候群、遅発性ジスキネジア、舞踏病、ジストニア、振戦、静座不能、アテトーシス、ミオクローヌス、またはチックが挙げられる。
パーキンソン病及びレボドパ誘発性ジスキネジア
パーキンソン病(PD)は、黒質緻密部ドーパミン作働性ニューロンの消失、及び、その後の線条体へのドーパミン作働性入力の消失を特徴とする変性疾患である。変性プロセスが進行すると、運動機能障害を緩和するためにドーパミン補充療法が必要となる。
ジスキネジアは、パーキンソン病(PD)でよく見られ、(a)疾患プロセス自体から生じるジスキネジアと、(b)パーキンソン病の症状を治療するために投与されたレボドパの副作用であるジスキネジア(レボドパ誘発性運動障害(LID))とに分類される(Cubo:2001)。
パーキンソン病患者の運動機能障害を緩和するのに最も効果的な薬剤であるレボドパ(L−DOPA)は、慢性使用によるジスキネジアの発症に関連している。L‐DOPA誘発性運動障害(LID)は、PDにおけるドーパミン補充療法の主要合併症である(「PD−LID」;Kumar:2005、Manson:2012、Poewe:2009)。他のドーパミン作動薬治療も、PD患者においてジスキネジアを誘発する可能性がある。
レボドパ誘発性ジスキネジアは、PD患者の大部分で発生し、初期では軽度であるが、運動機能、言語、協調、及び社会活動を妨げる複雑で重度の障害に進行する。LIDは、パーキンソン病患者の生活の質(QOL)に悪影響を与える恐れがある。
ピークドーズジスキネジアは、最も一般的なジスキネジアである。ピークドーズジスキネジアは、レボドパ由来ドーパミンが脳内でピークに達している間に生じるが、それ以外の場合は、患者は有益な反応(オン状態)を得られている。ピークドーズジスキネジアは、ドーパミン作動薬の増量により悪化し、ドーパミン作動薬の減量により軽減する。一部の患者は二相性ジスキネジアを示すが、これは、レボドパ由来ドーパミン濃度が増加または減少し、患者が「オン」状態と、「オフ」状態との間でシフトしているときに生じる。
LIDの治療及び予防ストラテジーには、低用量のレボドパを使用すること、パーキンソン病の初期治療として他のドーパミン作動薬を使用すること、アマンタジン、非定型抗精神病薬、及び脳神経外科が含まれる。
6−OHDA損傷ラットモデル(Ponten:2013)を使用して、PDにおけるL−DOPAの運動合併症を低減させるためのプリドピジンの可能性が報告されている。このラット6−OHDA研究のデータは、約67.5mg以下の低用量のプリドピジンが、PD‐LIDに対して有効である可能性を示唆している。
7例の進行期パーキンソン病(PD)患者における1日1回の低用量プリドピジン(20〜100mg/日,平均用量57mg/日)のオープンラベル、非対照、自己評価のパイロット研究が報告されている(Tedroff:2004)。この研究は、PD患者のLID治療のガイダンスは提供しない。この研究は、「正規の抗パーキンソン病薬」が何であるかについて言及することなく開示されているため、PD患者のLID治療に対するプリドピジンの効果を客観的に評価するための対照研究は実施されていない。
プリドピジン
プリドピジン(以前は、ACR16、Huntexil(登録商標))は、ハンチントン病患者の治療用の開発中の薬剤である。プリドピジンの化学名は、4−(3−(メチルスルホニル)フェニル)−1−プロピルピペリジンであり、その化学物質登録番号は、CAS346688−38−8(CSID:7971505、2016)である。また、リドピジン塩酸塩の化学物質登録番号は、882737−42−0(CSID:25948790、2016)である。
プリドピジンは複雑な結合プロファイルを示し、シグマ−1受容体(σ1RまたはS1R)に対しては高親和性で結合し(内部研究;Sahlholm:2013)、他の中枢神経系標的、例えば、ドーパミン、セロトニン、5−HT1A、5−HT2A、5−HT7受容体;アドレナリンα1、アドレナリンα2A及びα2C受容体、ドーパミンD3及びドーパミンD2(D2R)受容体;及び、ムスカリンM2受容体とヒスタミンH3受容体などに対しては低親和性で結合する(内部研究;Ponten:2013)。
プリドピジンは、活動亢進を抑制するか、または機能低下を改善することによって、運動活性を調節することが分かっている。プリドピジンの神経保護特性は、S1Rに対するプリドピジンの高親和性に起因することが示唆されている。一方、プリドピジンの運動活性は主に、ドーパミンD2受容体に対する拮抗作用を含む、プリドピジンの中程度親和性標的によって仲介されることが示唆されている(Ponten:2010、Sahlholm:2015)。
S1Rは、脳における細胞分化、神経可塑性、神経保護、及び認知機能に関与する小胞体(ER)シャペロンタンパク質である。近年、ラット線条体のトランスクリプトーム分析により、プリドピジン治療が、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ドーパミン受容体1(D1R)、グルココルチコイド受容体(GR)、及びセリン−トレオニンキナーゼタンパク質キナーゼB(Akt)/ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)経路(神経可塑性と生存を促進し、HDで障害されることが知られている)の発現を活性化することが分かった。プリドピジンは、神経芽細胞腫細胞株中で、神経保護の脳由来神経栄養因子(BDNF)の分泌をS1R依存的に向上させることが分かった(Geva:2016)。
レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)、及び、薬物誘発性ジスキネジアを含む他の薬物誘発性運動障害(DIMD)に対する有効な治療に対するニーズが依然として存在する。
本発明は、高用量のプリドピジンが、PD−LIDを含む薬物誘発性ジスキネジアの症状の治療に有効であるというインビボ研究の証拠に少なくとも部分的に基づいている。
この証拠は、HD患者の運動機能改善における高用量のプリドピジンの有効性の欠如を考慮すると、とりわけ驚くべきものである。
本発明は、レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)に罹患している対象を治療するための方法であって、LIDを治療するのに有効な量のプリドピジンを対象に投与するステップを含む方法を提供する。本発明はまた、パーキンソン病(PD)以外のパーキンソン症候群に罹患している対象におけるLIDを治療するための方法であって、LIDを治療するのに有効な量のプリドピジンを対象に投与するステップを含む方法を提供する。
本発明はまた、レボドパ以外の薬剤、例えば、抗うつ剤または抗精神病剤によって誘発されたジスキネジアを治療するための方法であって、ジスキネジアを治療するのに有効な量のプリドピジンを対象に投与するステップを含む方法を提供する。
本発明はさらに、薬物誘発性運動障害(DIMD)に罹患した対象を治療するための方法を提供する。本発明はさらに、DIMDに罹患した対象を治療するための方法であって、DIMDを治療するのに有効な量のプリドピジンを対象に定期的に投与するステップを含む方法を提供する。本発明はまた、DIMDに罹患した対象の治療に使用されるプリドピジンを提供する。いくつかの実施形態では、DIMDは、ジスキネジアを含む。いくつかの実施形態では、ジスキネジアは、レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)である。いくつかの実施形態では、DIMDは、抗うつ剤、抗精神病剤、抗てんかん剤、抗菌剤、抗不整脈剤、気分安定剤、胃腸薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される薬物によって誘発される。特定の選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)がDIMDを誘発することが知られている(Gerber:1998)。いくつかの実施形態では、DIMDは、パーキンソン症候群、遅発性ジスキネジア、舞踏病、ジストニア、振戦、静座不能、アテトーシス、ミオクローヌス、またはチックから選択される。
本発明はさらに、レボドパ治療の副作用を患っている対象を治療するための方法であって、対象を治療するのに有効な量のプリドピジンを、対象に投与するステップを含む方法を提供する。本発明はまた、レボドパ治療を必要とする患者におけるレボドパ治療の副作用の治療に使用されるプリドピジンを提供する。
本発明はさらに、レボドパ誘発性ジスキネジアに罹患したヒト対象を治療するための方法であって、所定量のレボドパと、所定量のプリドピジンまたはその塩とを、ヒト対象に定期的に投与するステップを含み、レボドパの量、及び、プリドピジンまたはその塩の量は、それらを同時に投与したときに、ヒト対象を治療するのに有効な量である、方法を提供する。さらに、レボドパにより誘発されたジスキネジアの治療に使用するための、レボドパと併用されるプリドピジンを提供する。本発明の方法及び使用のいくつかの実施形態では、対象は、パーキンソン症候群に罹患した患者である。本発明の方法及び使用のいくつかの実施形態では、対象は、パーキンソン病に罹患した患者である。
本発明はさらに、レボドパ誘発性ジスキネジアを含む薬物誘発性運動障害を発症するリスクのある対象を治療するための方法であって、LIDの発症を遅延させるか、またはLIDを発症するリスクを低下させるのに有効な量のプリドピジンを対象に投与するステップを含む方法を提供する。
PD患者におけるLIDを治療するための方法及び使用のいくつかの実施形態、または、LIDを発症するリスクのある対象を治療するための方法及び使用のいくつかの実施形態では、プリドピジンの投与量は100〜400mg/日である。いくつかの実施形態では、プリドピジンの投与量は、112.5mg/日、125mg/日、135mg/日、150mg/日、175mg/日、180mg/日、200mg/日、225mg/日、250mg/日、300mg/日、350mg/日、または400mg/日である。
LIDを治療するための方法及び使用のいくつかの実施形態、または、LIDを発症するリスクのある対象を治療するための方法及び使用のいくつかの実施形態では、達成されるAUC0−24は、12、000〜60、000h・ng/ml、20、000〜60、000h・ng/ml、25、000〜60、000h・ng/ml、または29、000〜60、000h・ng/mlである。
本発明はまた、パッケージであって、(a)所定量のレボドパ、及び薬学的に許容される担体を含有する第1の薬学的組成物と、(b)所定量のプリドピジン、及び薬学的に許容される担体を含有する第2の薬学的組成物とを備えたパッケージを提供する。さらなる実施形態では、本発明のパッケージは、(c)LIDまたはDIMDに罹患したヒト対象を治療するための第1の医薬組成物及び第2の医薬組成物の併用使用に関する説明書をさらに含む。いくつかの実施形態では、プリドピジンは、プリドピジン塩基として提供される。いくつかの実施形態では、プリドピジンは、プリドピジン塩、例えば、プリドピジンHClとして提供される。
本発明はまた、レボドパ誘発性運動障害に罹患したヒト対象を治療するのに用いられる薬剤の製造のための、所定量のレボドパまたはその薬学的に許容される塩と、所定量のプリドピジンとの使用であって、所定量のレボドパまたはその薬学的に許容される塩と所定量のプリドピジンとが、同時にまたは同時期に投与される使用を提供する。本発明はまた、レボドパ誘発性運動障害に罹患したヒト対象を治療するのに用いられる薬剤の製造のための、所定量のアマンタジン、またはレボドパ及びアマンタジンと、所定量のプリドピジンとの使用であって、所定量のアマンタジン、またはレボドパ及びアマンタジンと、所定量のプリドピジンとが、同時にまたは同時期に投与される使用を提供する。
本発明はまた、医薬組成物であって、レボドパ誘発性ジスキネジアに罹患した対象を治療するために追加療法としてまたはプリドピジンと組み合わせて使用される所定量のレボドパを含有し、対象に定期的に投与される薬学的組成物を提供する。
本発明はまた、医薬組成物であって、レボドパ誘発性ジスキネジアに罹患した対象を治療するために追加療法としてまたはレボドパ及び/またはアマンタジンと組み合わせて使用される所定量のプリドピジンを含有し、対象に定期的に投与される薬学的組成物を提供する。
本発明の方法、使用、及び組成物のさらなる別の実施形態では、PDに罹患した対象におけるジスキネジアは、運動障害学会統一パーキンソン病評価尺度(MDS−UPDRS)のスコアによって定量化される。MDS−UPDRSスコアの増加は、パーキンソン病の症状の進行を表し、所定期間での総UPDRSスコアの増加の増分はパーキンソン病症状の進行速度を表す(Goetz:2007、Goetz:2008a)。いくつかの実施形態では、PDに罹患した対象におけるジスキネジアは、PDホームダイアリー尺度を使用して定量化される。本発明の方法、使用、及び組成物の他の実施形態では、PDに罹患していない対象におけるジスキネジアは、例えば、統一ジスキネジア評価尺度(UdysRS)またはAIMS評価尺度によって定量化される(Goetz:2008b、Ecdeu:1976)。
図1〜図3は、ハンチントン病の歴史的研究におけるプリドピジンの効果を示す。図1Aは、MermaiHD研究での、最大の解析対象集団における、45mgbid(1日2回投与)のプリドピジンの、総運動スコア(TMS)に対する効果を示すグラフである。上側の線は、プラセボ治療の結果を示し、下側の線は、45mgbidのプリドピジンによる治療の結果を示す。 図1Bは、HART研究での、最大の解析対象集団における、45mgbidのプリドピジンの、総運動スコア(TMS)に対する効果を示すグラフである。上側の線は、プラセボ治療の結果を示し、下側の線は、45mgbidのプリドピジンによる治療の結果を示す。 図2は、PRIDE−HD研究での52週目の早期HD患者(ベースラインTFC≧11)における、総運動スコア(TMS)のベースラインからの変化に対する45mg/日bidまたは112.5mg/日bidのプリドピジンの効果を示す棒グラフである。ベースラインからのTMSの減少は、改善を示す(グラフの下の表)。 図3は、PRIDE−HD研究での治療群別の52週目の最大の解析対象集団における、総機能能力(TFC)のベースラインからの変化に対する45mgbidまたは112.5mgbidのプリドピジンの効果を示す棒グラフである。ベースラインからのTFCの増加は改善を示す(グラフの下の表)。 図4は、45mgのプリドピジンの単回投与前(上側のパネル)と単回投与後(下側のパネル)の健常ボランティアの脳における、プリドピジンによるS1R占有率を示すPETスキャン画像である。 図5〜図10は、2つの研究における確立された運動合併症を有するMPTP損傷非ヒト霊長類(NHP)モデルにおいて、高用量のL−DOPAと組み合わせたプリドピジンの効果を示す。各図は、プリドピジンは、L−DOPAの有益な抗Parkinson効果に対して影響を与えることなく、高用量L−DOPAにより誘発される舞踏病様及びジストニア性ジスキネジアを含むL−DOPA誘発ジスキネジアを減少させることを示すデータを提供する。図5Aは、ジスキネジアの0〜6時間の経時変化を示すグラフである(研究2)。プリドピジンは、高用量L−DOPAにより誘発された、確立されたジスキネジアを減少させる。Y軸は、ジスキネジアの重症度を示し、X軸は、0〜6時間の経時変化を示す。 図5Bは、ジスキネジアの0〜2時間の累積を示す棒グラフである(研究2)。プリドピジンは、高用量L−DOPAによって誘発された、確立されたジスキネジアを減少させる。Y軸は、ジスキネジアの重症度を示し、X軸は、プリドピジンの用量を示す。 図6Aは、パーキンソン病障害の0〜6時間の経時変化を示すグラフである。プリドピジンは、L−DOPAの抗パーキンソン病効果を減少させない(研究2)。Y軸は、パーキンソン病の重症度を示し、X軸は、経時変化を示す。三角形:ビヒクル/ビヒクル(L−DOPAなし、プリドピジンなし)投与動物;丸印:L−DOPA/ビヒクル、または、L−DOPA/プリドピジン投与動物。 図6Bは、パーキンソン病障害の0〜2時間の累積を示す棒グラフである。プリドピジンは、L−DOPAの抗パーキンソン病効果を減少させない(研究2)。Y軸は、パーキンソン病の重症度であり、X軸は、プリドピジンの用量を示す。 図7Aは、ジスキネジアの0〜6時間の経時変化を示すグラフである(研究1)。プリドピジンは、高用量L−DOPAによって誘発された、確立されたジスキネジアを減少させる。Y軸は、ジスキネジアの重症度を示し、X軸は経時変化を示す。 図7Bは、ジスキネジアの0〜2時間の累積を示す棒グラフである(研究1)。プリドピジンは、高用量のL−DOPAによって誘発された、確立されたジスキネジアを減少させる。Y軸は、ジスキネジアの重症度であり、X軸は、プリドピジン用量を示す。 図8Aは、パーキンソン病障害の0〜6時間の経時変化を示すグラフである。プリドピジンは、L−DOPAの抗パーキンソン病効果を減少させない(研究1)。Y軸は、パーキンソン症候群(パーキンソン病障害)の重症度、X軸は、経時変化を示す。 図8Bは、パーキンソン病障害の0〜2時間の累積を示す棒グラフである。プリドピジンは、L−DOPAの抗パーキンソン病効果を減少させない(研究1)。Y軸は、パーキンソン病の重症度であり、X軸は、プリドピジンの用量を示す。 図9Aは、プリドピジンが、L−DOPA誘発性ジストニアを減少させることを示すグラフである(研究2)。Y軸は、ジストニアの重症度を示し、X軸は、0〜6時間の経時変化を示す。 図9Bは、L−DOPAにより誘発されたジストニア(0〜2時間の累積)に対するプリドピジンの効果を示す棒グラフである(研究2)。プリドピジンは、高用量のL−DOPAにより誘発された、確立されたジストニアを減少させる。 図9Cは、L−DOPA誘発性ジストニア(0〜2時間の累積)に対するプリドピジンの効果を示す棒グラフである(研究1)。プリドピジンは、高用量のL−DOPAによって誘発された、確立されたジストニアを減少させる。Y軸は、ジストニアの重症度を示し、X軸は、プリドピジンの用量を示す。 図9Dは、L−DOPA誘発性舞踏病(0〜2時間の累積)に対するプリドピジンの効果を示す棒グラフである(研究1)。プリドピジンは、高用量L−DOPA誘発性舞踏病を減少させる。Y軸は、舞踏病の重症度を示し、X軸は、プリドピジンの用量を示す。 図10は、持続時間及びオンタイムのクオリティに対するプリドピジンの効果を示す棒グラフである(研究2)。
本発明は、対象を治療するための有効量のプリドピジンを対象に定期的に投与するステップを含む、薬物誘発性運動障害(DIMD)に罹患した対象を治療する方法を提供する。本発明はさらに、DIMDを治療するための有効量のプリドピジンを、DIMD治療を必要とする対象に定期的に投与するステップを含む、DIMDを治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、DIMDは、ジスキネジアを含む。
一実施形態では、ジスキネジアは、レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)である。
本発明はまた、対象を治療するための有効量のプリドピジンを対象に投与するステップを含む、レボドパ治療の副作用に罹患した対象を治療する方法を提供する。
別の実施形態では、治療は、レポドパの副作用を軽減することを含む。一実施形態では、副作用は、ジスキネジアである。
いくつかの実施形態では、対象は、パーキンソン症候群に罹患している患者である。一実施形態では、対象は、パーキンソン病患者である。別の実施形態では、対象は、進行期パーキンソン病患者である。さらなる実施形態では、患者は、パーキンソン病以外のパーキンソン症候群に罹患している患者である。
一実施形態では、対象は、レボドパで同時に治療されている。
一実施形態では、プリドピジン及びレボドパは同時に投与される。別の実施形態では、プリドピジン及びレボドパは合剤される。別の実施形態では、プリドピジン及びレボドパは、別個の医薬製剤として連続的に投与される。
一実施形態では、プリドピジンの量は、レボドパ治療に関連する症状を緩和または軽減するのに有効な量である。いくつかの実施形態では、症状は、異常な動き、ミオクローヌス発作、四肢の不規則動作、歩行失調、しかめ面、運動失調、動作、手の動き若しくはバランスの維持困難である。別の実施形態では、症状は、舞踏病様のピークドーズジスキネジア、またはジストニア様のピークドーズジスキネジアである。別の実施形態では、症状は、レボドパによって誘発されるバッドクオリティ・オンタイム(bad quality on-time)である。
一実施形態では、統一ジスキネジア評価尺度(UDysRS)(統一ジスキネジア評価尺度(UDysRS)2008、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)で測定して、レボドパ誘発性ジスキネジアの症状が、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、または少なくとも50%改善される。
一実施形態では、レボドパの抗パーキンソン作用が、所定量のプリドピジンの影響を受けない。
一実施形態では、対象におけるジスキネジアは、1以上の以下の評価尺度によって定量化される:UdysRS、UPDRS、またはAIMS(統一ジスキネジア評価尺度(UdysRS)、統一パーキンソン病評価尺度(UPDRS):「status and recommendations」2003,Ecdeu,1976、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)。別の実施形態では、患者は、ベースラインで10以上のUDysRSスコアまたはUPDRSスコアを有していた。
いくつかの実施形態では、薬物誘発性運動障害(DIMD)は、抗うつ剤、抗精神病剤、抗てんかん剤、抗菌剤、抗不整脈剤、気分安定剤、胃腸薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される薬物によって誘発される。DIMDは、パーキンソン症候群、遅発性ジスキネジア、舞踏病、ジストニア、振戦、静座不能、アテトーシス、ミオクローヌス、またはチックから選択され得る。いくつかの実施形態では、DIMDは、パーキンソン症候群である。いくつかの実施形態では、DIMDは、遅発性ジスキネジアである。いくつかの実施形態では、DIMDは、薬物誘発性ジストニアである。いくつかの実施形態では、DIMDは、振戦である。いくつかの実施形態では、DIMDは、静座不能である。いくつかの実施形態では、DIMDは、アテトーシスである。いくつかの実施形態では、DIMDは、ミオクローヌスである。いくつかの実施形態では、DIMDは、チックである。
一実施形態では、プリドピジンは、経口投与により投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、1日2回投与される。いくつかの実施形態では、プリドピジンは、覚醒の60分以内に投与され、2回目の用量は6〜10時間後に投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、1日3回投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、プリドピジン塩の形態で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、プリドピジン塩酸塩(プリドピジンHCl)の形態で投与される。
LID治療を必要とするPD患者におけるLIDを治療するための方法または使用では、プリドピジンは、112.5mg/日、125mg/日、135mg/日、150mg/日、180mg/日、220mg/日、225mg/日、250mg/日、300mg/日、350mg/日、375mg/日、または400mg/日の用量で対象に投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、100〜400mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、200〜350mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、100〜350mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、200〜350mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、100〜400mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、200mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、300mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、350mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、プリドピジンは、1日1回投与される。いくつかの実施形態では、プリドピジンは、1日2回投与される。いくつかの実施形態では、プリドピジンは、75mg、90mg、100mg、または125mgの用量で、1日3回投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、100mg、125mg、150mg、175mg、または200mgの用量で、1日2回投与される。好ましい実施形態では、プリドピジンは、プリドピジンHClの形態で、1日2回投与される。
PD患者におけるLIDを治療するための方法または使用の実施形態では、プリドピジンは、プリドピジンHClの形態で、200mg/日の用量で投与される。PD患者におけるLIDを治療するための方法または使用の実施形態では、プリドピジンは、プリドピジンHClの形態で、300mg/日の用量で投与される。PD患者におけるLIDを治療するための方法または使用の実施形態では、プリドピジンは、プリドピジンHClの形態で、350mg/日の用量で投与される。PD患者におけるLIDを治療するための方法または使用の実施形態では、プリドピジンは、プリドピジンHClの形態で、400mg/日の用量で投与される。PD患者におけるLIDを治療するための方法または使用の好ましい実施形態では、特定用量のプリドピジンが、2回の等用量で投与される。
PD患者におけるLIDを治療するための方法または使用の好ましい実施形態では、達成されるAUC0−24が、25、000〜60、000h・ng/mlである。
PD患者におけるLIDを治療するための方法または使用の或る実施形態では、LID治療を必要とする患者に投与されるプリドピジンの量は、12、000〜60、000h・ng/ml、20、000〜60、000h・ng/ml、25、000〜60、000h・ng/ml、29、000〜60、000h・ng/ml、15、000〜45、000h・ng/ml、15、000〜40、000h・ng/ml、20、000〜55、000h・ng/ml、20、000〜45、000h・ng/ml、20、000〜40、000h・ng/ml、20、000〜30、000h・ng/ml、または、約13、000h・ng/ml、約14、000h・ng/ml、約15、000h・ng/ml、約16、000h・ng/ml、約17、000h・ng/ml、約18、000h・ng/ml、約19、000h・ng/ml、約20、000h・ng/ml、約21、000h・ng/ml、約22、000h・ng/ml、約23、000h・ng/ml、約24、000h・ng/ml、約25、000h・ng/ml、約26、000h・ng/ml、約27、000h・ng/ml、約28、000h・ng/ml、約29、000h・ng/ml、約30、000h・ng/ml、約31、000h・ng/ml、約32、000h・ng/ml、約33、000h・ng/ml、約34、000h・ng/ml、約35、000h・ng/ml、約36、000h・ng/ml、約37、000h・ng/ml、約38、000h・ng/ml、約39、000h・ng/ml、約40、000h・ng/ml、約41、000h・ng/ml、約42、000h・ng/ml、約43、000h・ng/ml、約44、000h・ng/ml、約45、000h・ng/ml、約46、000h・ng/ml、約47、000h・ng/ml、約48、000h・ng/ml、約49、000h・ng/ml、約50、000h・ng/ml、約51、000h・ng/ml、約52、000h・ng/ml、約53、000h・ng/ml、約54、000h・ng/ml、約55、000h・ng/ml、約56、000h・ng/ml、約57、000h・ng/ml、約58、000h・ng/ml、約59、000h・ng/ml、もしくは約60、000h・ng/mlより高いAUC0−24血漿レベルを達成する量である。いくつかの実施形態では、プリドピジンを必要とする対象に投与されるプリドピジンの量は、25、000〜60、000h・ng/ml、29、000〜59、000h・ng/ml、もしくは29、000〜50、000h・ng/ml、または、約25、000h・ng/ml、約26、000h・ng/ml、約27、000h・ng/ml、約28、000h・ng/ml、約29、000h・ng/ml、約44、000h・ng/ml、約45、000h・ng/ml、約46、000h・ng/ml、約50、000h・ng/ml、約51、000h・ng/ml、もしくは約52、000h・ng/mlのAUC0−24血漿レベルを達成する量である。
患者がLIDに罹患しているいくつかの実施形態では、本方法は、治療有効量のレボドパを対象に投与するステップをさらに含む。
PD患者におけるLID以外のDIMDを治療するための方法または使用の実施形態では、プリドピジンは、22.5mg/日、45mg/日、67.5mg/日、90mg/日、100mg/日、112.5mg/日、125mg/日、135mg/日、150mg/日、180mg/日、225mg/日、250mg/日、270mg/日、275mg/日、300mg/日、350mg/日、360mg/日、375mg/日、または400mg/日の用量で対象に投与される。
PD患者におけるLID以外のDIMDを治療するための方法または使用の実施形態では、プリドピジンは、プリドピジンHClの形態で、45mg/日の用量で投与される。PD患者におけるLID以外のDIMDを治療するための方法または使用の実施形態では、プリドピジンは、プリドピジンHClの形態で、90mg/日の用量で投与される。PD患者におけるLID以外のDIMDを治療するための方法または使用の実施形態では、プリドピジンは、プリドピジンHClの形態で、135mg/日の用量で投与される。PD患者におけるLID以外のDIMDを治療するための方法または使用の実施形態では、プリドピジンは、プリドピジンHClの形態で、180mg/日の用量で投与される。PD患者におけるLID以外のDIMDを治療するための方法または使用の実施形態では、プリドピジンは、プリドピジンHClの形態で、200mg/日の用量で投与される。PD患者におけるLID以外のDIMDを治療するための方法または使用の実施形態では、プリドピジンは、プリドピジンHClの形態で、225mg/日の用量で投与される。PD患者におけるLID以外のDIMDを治療するための方法または使用の実施形態では、プリドピジンは、プリドピジンHClの形態で、250mg/日の用量で投与される。PD患者におけるLID以外のDIMDを治療するための方法または使用の実施形態では、プリドピジンは、プリドピジンHClの形態で、300mg/日の用量で投与される。PD患者におけるLID以外のDIMDを治療するための方法または使用の実施形態では、プリドピジンは、プリドピジンHClの形態で、350mg/日の用量で投与される。PD患者におけるLID以外のDIMDを治療するための方法または使用の実施形態では、プリドピジンは、プリドピジンHClの形態で、400mg/日の用量で投与される。PD患者におけるLID以外のDIMDを治療するための方法または使用の好ましい実施形態では、プリドピジンは、2回の等用量で、毎日投与される。
例えば対象がLIDに罹患しているいくつかの実施形態では、本方法は、治療有効量の第2の化合物を対象に投与するステップをさらに含み、第2の化合物は、レボドパ及び/またはアマンタジンである。いくつかの実施形態では、プリドピジン及びレボドパが対象に投与される。いくつかの実施形態では、プリドピジン及びアマンタジンが対象に投与される。いくつかの実施形態では、プリドピジン、レボドパ及びアマンタジンが対象に投与される。一実施形態では、プリドピジン及び第2の化合物(例えば、レボドパ、アマンタジン、または、レボドパ及びアマンタジン)は、1単位用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジン及び第2の化合物は、2以上の単位用量で投与される。
一実施形態では、第2の化合物は、アマンタジンである。別の実施形態では、アマンタジンは、10〜400mgの用量で投与される。別の実施形態では、アマンタジンは、10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、100mg、137mg、150mg、200mg、250mg、274mg、300mg、350mg、または400mgの用量で投与される。別の実施形態では、アマンタジンは、経口投与される。
別の実施形態では、第2の化合物は、レボドパである。別の実施形態では、レボドパは、例えば、1以上の分割量で、250〜6,000mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、レボドパは、1以上の分割量で、250mg/日、300mg/日、500mg/日、750mg/日、1、000mg/日、1、500mg/日、2、000mg/日、2、500mg/日、3、000mg/日、3、500mg/日、4、000mg/日、4、500mg/日、5、000mg/日、5、500mg/日、または6、000mg/日の用量で投与される。
一実施形態では、プリドピジン及び第2の化合物は、同時に投与される。別の実施形態では、第2の化合物の投与は、プリドピジンの投与に実質的に先行して行われる。別の実施形態では、プリドピジンの投与は、第2の化合物の投与に実質的に先行して行われる。別の実施形態では、対象は、プリドピジンによる治療の開始前に、アマンタジンによる治療またはレボドパによる治療を受けている。別の実施形態では、対象は、プリドピジンによる治療の開始の、少なくとも24週間前、28週間前、48週間前、または52週間前に、アマンタジンによる治療またはレボドパによる治療を受けている。別の実施形態では、対象は、アマンタジンによる治療またはレボドパによる治療の開始前に、プリドピジンによる治療を受けている。別の実施形態では、対象は、アマンタジンによる治療またはレボドパによる治療の開始の、少なくとも24週間前、28週間前、48週間前、または52週間前に、プリドピジンによる治療を受けている。
一実施形態では、単独で投与する場合の第2の化合物の用量、及び、単独で投与する場合のプリドピジンの用量の各々が、対象を治療するのに有効な量である。別の実施形態では、単独で投与する場合の第2の化合物の用量、及び、単独で投与する場合のプリドピジンの用量の一方または両方は、対象を治療するのに有効な量ではない。別の実施形態では、単独で投与する場合の第2の化合物の用量、及び、単独で投与する場合のプリドピジンの用量の一方または両方は、対象を治療するのに効果が低い量である。
一実施形態では、プリドピジンは、第2の化合物に対して補助的に投与される。他の実施形態では、第2の化合物は、プリドピジンに対して補助的に投与される。
一実施形態では、意図される用量とは異なる量の負荷投与量が、プリドピジンの定期的投与の開始時に所定期間にわたって投与される。別の実施形態では、負荷投与量は、意図される用量の2倍の用量である。別の実施形態では、負荷投与量は、意図される用量の半分の用量である。
本発明は、レボドパ誘発性ジスキネジアに罹患したヒト対象を治療するための方法であって、所定量のレボドパと、所定量のプリドピジンとをヒト対象に定期的に投与するステップを含み、レボドパの量、及び、プリドピジンの量は、それらを同時に投与したときに、ヒト対象を治療するのに有効な量である、方法を提供する。
一実施形態では、レボドパ誘発性ジスキネジアは、ピークドーズジスキネジアである。別の実施形態では、レボドパ誘発性ジスキネジアは、二相性ジスキネジアである。
一実施形態では、レボドパの量、及び、プリドピジンの量は、それらを同時に投与したときに、ヒト対象におけるレボドパ誘発性ジスキネジアの症状を軽減するのに有効な量である。別の実施形態では、症状は、異常な動き、ミオクローヌス発作、四肢の不規則動作、歩行失調、しかめ面、運動失調、または、動作、手の動き若しくはバランスの維持困難である。別の実施形態では、対象はPDに罹患しており、対象の運動機能は、統一パーキンソン病評価尺度(UPDRS)から派生した合計運動スコア(TMS)または修正運動スコア(mMS)を用いて評価される。さらに別の実施形態では、患者は、ベースラインで10以上のmMSスコアを有していた。別の実施形態では、対象は、PDパーキンソン症候群以外のパーキンソン症候群に罹患しており、対象の運動機能は、UDysRSによって評価される。
本発明の一実施形態では、レボドパ及びプリドピジンの投与により、レボドパ誘発性ジスキネジアの症状が、少なくとも10%改善される。本発明の一実施形態では、レボドパ及びプリドピジンの投与により、レボドパ誘発性ジスキネジアの症状が、少なくとも20%改善される。別の実施形態では、レボドパ及びプリドピジンの投与により、レボドパ誘発性ジスキネジアの症状が、少なくとも30%改善される。別の実施形態では、レボドパ及びプリドピジンの投与により、レボドパ誘発性ジスキネジアの症状が、少なくとも50%改善される。別の実施形態では、レボドパ及びプリドピジンの投与により、レボドパ誘発性ジスキネジアの症状が、少なくとも100%改善される。別の実施形態では、レボドパ及びプリドピジンの投与により、レボドパ誘発性ジスキネジアの症状が、300%以上改善される。
一実施形態では、ヒト対象は、プリドピジンによる治療の開始前に、レボドパによる治療を受けている。別の実施形態では、レボドパ及び/またはアマンタジンの投与は、プリドピジンの投与に、少なくとも1週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも6ヶ月、または少なくとも1年先行して行われる。
一実施形態では、レボドパは、経口投与により投与される。別の実施形態では、レボドパは、毎日投与される。別の実施形態では、レボドパは、1日2回以上投与される。別の実施形態では、レボドパは、1日1回未満投与される。
一実施形態では、レボドパは、約50〜800mg/日の用量で投与される。一実施形態では、プリドピジンは、経口投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、鼻腔、吸入、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、鼻腔内、頬側、膣内、直腸内、眼内、くも膜下腔内、局所、または皮内経路を介して投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、毎日投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、1日2回以上投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、1日2回投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、1日1回未満投与される。
LIDの治療において使用するためのLIDの治療の実施形態では、プリドピジンは、100〜1、000mg/日を超えた用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、112.5〜400mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、180〜400mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、150〜400mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、150〜350mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、180〜400mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、200〜400mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、180mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、200mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、225mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、250mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、300mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、350mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、400mg/日の用量で投与される。
LID以外のDIMDの治療において使用するためのLID以外のDIMDの治療の実施形態では、プリドピジンは、10〜1、000mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、20〜180mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、50〜180mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、30〜120mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、150〜1、000mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、180〜1、000mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、150〜400mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、150〜350mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、180mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、90mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、約45mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、約90mg/日の用量で投与される。一実施形態では、本方法は、第2の化合物の投与をさらに含み、第2の化合物は、抗うつ剤、向精神薬、抗精神病剤、抗てんかん剤、アミスルプリド、ハロペリドール、オランザピン、リスペリドン、スルピリド、またはチアプリドである。一実施形態では、第2の化合物及びプリドピジンは、少なくとも3日間継続して定期的に投与される。別の実施形態では、第2の化合物及びプリドピジンは、30日を超えて継続して定期的に投与される。別の実施形態では、第2の化合物及びプリドピジンは、42日を超えて継続して定期的に投与される。別の実施形態では、第2の化合物及びプリドピジンは、8週間以上継続して定期的に投与される。別の実施形態では、第2の化合物及びプリドピジンは、少なくとも12週間継続して定期的に投与される。別の実施形態では、第2の化合物及びプリドピジンは、少なくとも24週間継続して定期的に投与される。別の実施形態では、第2の化合物及びプリドピジンは、24週間を超えて継続して定期的に投与される。さらに別の実施形態では、第2の化合物及びプリドピジンは、6ヶ月間、または12ヶ月以上継続して定期的に投与される。
本発明はまた、パッケージであって、(a)所定量のレボドパ、及び薬学的に許容される担体を含有する第1の医薬組成物と、(b)所定量のプリドピジン、及び薬学的に許容される担体を含有する第2の医薬組成物と、任意選択で、(c)レボドパ誘発性ジスキネジアに罹患したヒト対象を治療するための第1の医薬組成物及び第2の医薬組成物の併用使用に関する説明書と、を備えた、パッケージを提供する。いくつかの実施形態では、プリドピジンは、プリドピジンHClである。
本パッケージの一実施形態では、第1の医薬組成物、第2の医薬組成物、または、第1の医薬組成物及び第2の医薬組成物の両方は、錠剤の形態である。一実施形態では、第1の医薬組成物、第2の医薬組成物、または、第1の医薬組成物及び第2の医薬組成物の両方は、エアゾールまたは吸入可能な粉末の形態である。別の実施形態では、第1の医薬組成物、第2の医薬組成物、または、第1の医薬組成物及び第2の医薬組成物の両方は、液体の形態である。別の実施形態では、第1の医薬組成物、第2の医薬組成物、または、第1の医薬組成物及び第2の医薬組成物の両方は、固体の形態である。別の実施形態では、第1の医薬組成物、第2の医薬組成物、または、第1の医薬組成物及び第2の医薬組成物の両方は、カプセルの形態である。
本パッケージの実施形態では、第2の組成物におけるプリドピジンの用量は、45〜40mgである。別の実施形態では、第2の組成物におけるプリドピジンの用量は、75〜400mgである。別の実施形態では、第2の組成物におけるプリドピジンの用量は、90〜400mgである。別の実施形態では、第2の組成物におけるプリドピジンの用量は、112.5〜400mgである。別の実施形態では、第2の組成物におけるプリドピジンの用量は、150〜350mgである。別の実施形態では、第2の組成物におけるプリドピジンの用量は、180〜400mgである。別の実施形態では、第2の組成物におけるプリドピジンの用量は、225〜400mgである。別の実施形態では、第2の組成物におけるプリドピジンの用量は、75〜400mgである。別の実施形態では、第2の組成物におけるプリドピジンの用量は、45mgである。別の実施形態では、第2の組成物におけるプリドピジンの用量は、75mgである。別の実施形態では、第2の組成物におけるプリドピジンの用量は、約90mgである。別の実施形態では、第2の組成物におけるプリドピジンの用量は、約112.5mgである。別の実施形態では、第2の組成物におけるプリドピジンの用量は、125mgである。別の実施形態では、第2の組成物におけるプリドピジンの用量は、150mgである。さらに別の実施形態では、第2の組成物におけるプリドピジンの用量は、200mgである。
本発明はまた、神経変性障害に罹患したヒト対象の治療において、追加療法としてまたはプリドピジンと組み合わせて使用されるアマンタジンを提供する。
本発明はまた、所定量のレボドパ及び/またはアマンタジンと、所定量のプリドピジンとを含有する医薬組成物を提供する。一実施形態では、医薬組成物は、エアゾールまたは吸入可能な粉末の形態である。一実施形態では、医薬組成物は、液体の形態である。一実施形態では、医薬組成物は、固体の形態である。一実施形態では、医薬組成物は、カプセルの形態である。一実施形態では、医薬組成物は、錠剤の形態である。
本発明の一実施形態では、プリドピジンは、100〜400mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、110〜400mgの用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、135〜400mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、250〜400mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、135〜180mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、180〜350mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、135mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、180mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、200mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、225mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、250mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、300mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、350mg/日の用量で投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、400mg/日の用量で投与される。本発明はまた、レボドパ誘発性ジスキネジアに罹患したヒト対象を治療するために組み合わせて調整された、所定量のレボドパ及び/またはアマンタジン、及び所定量のプリドピジンの使用を提供し、レボドパ及び/またはアマンタジン、またはその薬学的に許容される塩と、プリドピジンとは、同時に、または同時期に投与される。
本発明はまた、医薬組成物及びプリドピジンを対象に定期的に投与することによって、追加療法として、またはプリドピジンと組み合わせてレボドパ誘発性ジスキネジアに罹患した対象の治療に使用するための、所定量のレボドパ及び/またはアマンタジンを含有する医薬組成物を提供する。
本発明はまた、医薬組成物、及び、レボドパ及び/またはアマンタジンを対象に定期的に投与することによって、追加療法として、または、レボドパ及び/またはアマンタジンと組み合わせてレボドパ誘発性ジスキネジアに罹患した対象の治療に使用するための、所定量のプリドピジンを含有する医薬組成物を提供する。
前述の実施形態について、本明細書に開示された各実施形態は、開示された他の実施形態の各々に適用可能であると企図される。例えば、方法の実施形態において列挙された要素は、本明細書に記載の医薬組成物、パッケージ、及び使用の実施形態において使用することができ、逆もまた同様である。
本明細書で説明した方法及び使用の様々な要素のすべての組み合わせ、サブコンビネーション、及び交換が想定されており、本発明の範囲内である。
用語
本明細書で使用するとき、かつ、特に明記しない限り、以下の用語の各々は、以下に記載する定義を有する。
冠詞「a」、「an」、及び「the」は、非限定的である。例えば、「本発明(the method)」には、語句の意味の最も広い定義が含まれ、複数の方法であり得る。
本明細書で使用するとき、目的を達成するために有効な量における「有効」という用語は、指示された治療反応を得るために十分な成分の量を意味する。例えば、パーキンソン病(PD)患者においてLIDの症状を軽減するために有効な量である。特定の有効量は、治療される特定の状態、患者の身体状態、治療される哺乳動物の種類、治療期間、併用療法の性質(存在する場合)、並びに、使用される特定の製剤及び化合物またはその誘導体の構造などの要因によって異なる。好ましい実施形態では、有効量の治療用化合物の投与は、過度の副作用(毒性、刺激、またはアレルギー反応など)がなく、本開示の方法で使用したとき、理にかなった利益/リスク比に見合う。
いくつかの実施形態では、組成物、使用、及び方法を用いて、レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)を治療することができる。LIDは、長期間レボドパを使用しているPD患者に存在する可能性がある。「オフタイム」とは、PD患者のレボドパ薬がPD患者にとって最早効果がなく、パーキンソン病の症状の少なくとも一部が回復したときである。PD症状の再発には、例えば、緩慢、硬直または振戦、及び、時には完全な不動(無動)または部分的な不動(運動緩慢)が含まれ得る。「オンタイム」とは、PD患者のレボドパ薬が効果を発揮し、パーキンソン病の症状が概して十分に制御されている時間である。バッドクオリティ・オンタイムとは、PD患者の薬物が効果的でない、例えば、患者は薬を服用し、ジスキネジアが無効にされている期間である。
3つの形態のジスキネジアは、レボドパによる治療後の経過及び症状に基づいて分類されている;(i)ピークドーズジスキネジア(LIDの最も一般的な形態であり、高L−DOPA血漿レベルと相関している)、(ii)二相性ジスキネジア(血漿レボドパレベルの上昇及び下降によって発生し、この形態は通常、ジストニア様またはバリスティック(ballistic)であり、L−DOPAの低下には反応しない)、及び(iii)オフ期間のジストニア(L−DOPAの血漿レベルが低いときに、L−DOPAの完全な効果が始まる前に発生する無動(アキネジア)に関連する)(Bargiotas、2013)。
本明細書で使用するとき、「治療する」または「治療すること」は、症状の軽減、障害及び/または疾患の阻害、退行、または停止の誘発を包含する。本明細書中で使用するとき、対象における疾患の進行または疾患合併症の「阻害」とは、対象における疾患の進行及び/または疾患合併症の防止または軽減を意味する。一実施形態では、「治療すること」または「治療」は、対象によって認識され得ない少なくとも1つの物理的パラメータの改善を指す。さらに別の実施形態では、「治療すること」または「治療」は、疾患または障害の、物理的(例えば、認識可能な症状の安定化)調節、生理学的(例えば、物理的パラメータの安定化)調節のいずれか、またはその両方での調節を指す。さらに別の実施形態では、「治療する」または「治療」は、疾患または障害の発症の遅延を指す。
「対象」にはヒトが含まれる。「ヒト」、「患者」、及び「対象」という用語は、文脈上反対のことが明確に示されない限り、本明細書では互換的に使用される(例えば、健康なヒトのボランティアに関して)。一実施形態では、対象は、ヒトの成人である。一実施形態では、対象は、70kgの体重を有するヒトの成人である。
「対象への投与」または「(ヒト)患者への投与」とは、病的状態などの状態に関連した症状を緩和、治癒、または軽減するための、薬剤、薬物、または治療薬の対象/患者への提供、分配、または適用を意味する。経口投与は、本化合物を対象に投与する1つの方法である。投与は、定期的な投与であり得る。
本明細書で使用するとき、「定期的投与」は、一定期間で分離された繰り返し/周期的投与を意味する。投与間の期間は、一貫して時々であることが好ましい。定期的投与は、例えば、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、毎週、週2回、週3回、週4回などの投与を含むことができる。
本明細書で使用するとき、「補助的に」は、例えば、1次化合物の有効性もしくは安全性の向上、またはその活性の促進のための、1次化合物と併せた追加の化合物による治療または投与を意味する。
本明細書で使用するとき、「プリドピジン」は、プリドピジン塩基またはその薬学的に許容される塩、及び誘導体、例えば、プリドピジン及び塩の重水素濃縮バージョンを意味する。重水素濃縮プリドピジン及び塩、並びにそれらの調製方法の例は、米国特許出願公開第2013−0197031号、同第2016−0166559号、及び同第2016−0095847号に見出され、これらの各々の内容全体は、参照により本明細書に組み入れられる。特定の実施形態では、プリドピジンは、HCl塩または酒石酸塩などの薬学的に許容される塩として提供される。本明細書に記載される本発明の任意の実施形態において、プリドピジンは、その塩酸塩の形態であることが好ましい。プリドピジン混合物、組成物、その製造方法、様々な状態の治療のためのその使用、並びに、対応する用量及び治療計画は、例えば、PCT出願公開第WO2001/46145号、同第WO2011/107583号、同第WO2006/040155号、米国特許出願公開第2011/0206782号、同第2010/0197712号に記載され、これらの各々の内容全体が参照により本明細書に組み入れられる。
本明細書で使用するとき、ミリグラムで測定されるプリドピジンの「量」または「用量」は、製剤の形態に関係なく、調整物、用量または1日の用量に存在する誘導体化されていないプリドピジン塩基のミリグラムを指す。「200mgのプリドピジンの用量」は、調整物中のプリドピジンの量が、製剤の形態に関わらず、天然に存在する同位体分布を有する200mgの非誘導体化プリドピジン塩基を提供するのに十分であることを意味する。したがって、プリドピジン塩酸塩などの塩の形態である場合、非誘導体化プリドピジン塩基の用量200mgを提供するために必要な塩の形態の質量は、追加の塩イオンの存在に起因して、200mgを超える。同様に、重水素濃縮誘導体の形態の場合、天然に存在する同位体分布を有する非誘導体化プリドピジン塩基の用量200mgを提供するのに必要な誘導体化された形態の質量は、追加の重水素の存在に起因して、200mgを超える。例を挙げると、プリドピジンHClの質量をプリドピジン塩基の質量に変換するための係数は、0.885である(例えば、1mgのプリドピジンHClx0.885mgのプリドピジン塩基)。したがって、112.99mg/日の用量のプリドピジンHClは、100mgの用量のプリドピジン塩基に相当する。
本明細書に開示される任意の範囲によって、その範囲内の100分の1、10分の1、及び整数のすべての単位量が本発明の一部として具体的に開示されることを意味する。したがって、例えば、0.01mg〜50mgは、0.02、0.03・・・0.09;0.1;0.2・・・0.9;及び1、2...49mgの単位量が本発明の実施形態として含まれることを意味する。本明細書で開示される任意の範囲の時間(すなわち、数週間、数ヶ月、または数年)は、範囲内のすべての日数及び/または週数の時間の長さが本発明の一部として具体的に開示されることを意味する。したがって、例えば、3〜6ヶ月は、3ヶ月と1日、3ヶ月と1週間、及び4ヶ月が本発明の実施形態として含まれることを意味する。
明確にするために、本明細書で別個の実施形態の文脈で説明されている本開示の特定の特徴は、単一の実施形態で組み合わせて提供されてもよいことを理解されたい。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている本開示の様々な特徴は、別個に、または任意のサブコンビネーションで提供されてもよい。さらに、範囲内で明言された値への言及は、その範囲内の、それぞれの値を包含する。
リストが提示される場合、特に明記されない限り、そのリストの個々の要素、及びそのリストのすべての組み合わせは、別個の実施形態として解釈されるべきであることを理解されたい。例えば、「A、B、またはC」として提示される実施形態のリストは、実施形態「A」、「B」、「C」、「AまたはB」、「AまたはC」、「BまたはC」または、「A、B、またはC」を含むものとして解釈されるべきである。
本明細書で使用するとき、「レボドパ」は、L−3、4−ジヒドロキシフェニルアラニン(レボドパすなわちL−DOPA)レボドパ、またはその薬学的に許容される塩、ならびに誘導体を意味する。
本明細書中で使用するとき、「Cmax」という用語は、薬物、例えば、プリドピジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後の、薬物の最大の血漿、血清または血中濃度を指す。
本明細書中で使用するとき、「Cmin」という用語は、薬物、例えば、プリドピジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後の、薬物の最小の血漿、血清または血中濃度を指す。
本明細書で使用するとき、「Tmax」という用語は、薬物、例えば、プリドピジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後の、薬物の最大の血漿、血清または血中濃度(「Cmax」)に到達するのに必要な時間を指す。
本明細書で使用するとき、「AUC」という用語は、血漿、血清または血中濃度対時間曲線下の面積を指す。「AUC0−t」は、血漿、血清または血中濃度対時間曲線下の面積を指し、t(時間)は、最後に測定されたタイムポイントである。「AUCinfinity」は、血漿、血清または血中濃度対無限大に外挿される時間曲線下の面積を指す。AUC24、ssは、定常状態での0〜24時間の濃度時間曲線下の面積を指す。単位はh・ng/mlとして表示される。
薬学的に許容される塩
本発明にしたがって使用するための活性化合物は、意図する投与に適した任意の形態で提供されてもよい。適切な形態には、本発明の化合物の薬学的に許容される塩、及びプレドラッグ形態またはプロドラッグ形態が含まれる。
「その塩」は、化合物の酸性塩または塩基性塩を作製することによって修飾された本化合物の塩である。この点において、「薬学的に許容される塩」という用語は、薬学的使用に適した本発明の化合物の、比較的非毒性の、無機及び有機の酸または塩基付加塩を指す。薬学的に許容される塩は、当該技術分野でよく知られ、かつ説明されている方法によって形成され得る。そのような塩を調製する1つの手段は、本発明の化合物を無機塩基で処理することである。
薬学的に許容される付加塩の例には、非限定的に、非毒性の無機及び有機酸付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、L−酒石酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、アセテート、アコネート、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、パモ酸塩、エナンテート、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン−p−スルホン酸塩などが含まれる。そのような塩は、当該技術分野でよく知られ、説明されている方法によって形成することができる。特定の実施形態では、プリドピジンは、HCl塩または酒石酸塩などの薬学的に許容される塩として提供される。本明細書に記載される本発明の任意の実施形態において、プリドピジンは、その塩酸塩の形態であることが好ましい。「重水素に富む」は、化合物の任意の関連部位における重水素の存在量が、所定量の化合物において、その部位に天然に存在する重水素の存在量より多いことを意味する。天然に存在する重水素の分布は、約0.0156%である。したがって、「重水素濃縮」化合物では、関連部位のいずれかでの重水素の存在量は、0.0156%を超え、0.0156%〜100%の範囲、例えば、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または100%であり得る。重水素濃縮化合物は、水素を重水素と交換するか、または、化合物を重水素濃縮の出発物質と合成することによって得られる。いくつかの実施形態では、方法、使用、パッケージ及びキットは、重水素化プリドピジンを含む。
医薬組成物
本発明にしたがって使用するための化合物は、原料のままの化合物の形態で投与され得るが、任意選択で、生理学的に許容される塩の形態で、1以上のアジュバント、賦形剤、担体、緩衝液、希釈剤、及び/または他の通常の医薬補助剤とともに、有効成分を医薬組成物中に導入することが好ましい。
一実施形態では、本発明は、活性化合物またはその薬学的に許容される塩あるいは誘導体、及び1以上の薬学的に許容される担体、並びに、任意選択で、当該技術分野で既知でありかつ使用される、他の治療及び/または予防成分を含む医薬組成物を提供する。担体は、製剤の他の成分と適合し、かつ、その受容者に有害ではないという意味において「許容できる」ものでなければならない。
本発明の医薬組成物は、所望の治療に適した任意の都合のよい経路で投与され得る。好ましい投与経路には、特に錠剤、カプセル、糖衣錠、粉末、または液体形態での経口投与と、特に皮膚、皮下、筋肉内または静脈内注射、例えば注入などの、非経口投与とが含まれる。本発明の医薬組成物は、所望の製剤に適した標準的な方法及び従来の技術を使用することによって、当業者が製造することができる。必要に応じて、活性成分の徐放をもたらすように適合された組成物が使用されてもよい。
追加療法/併用療法
本発明が活性化合物と追加の1以上の治療及び/または予防成分との組み合わせを含む場合、本発明の組み合わせは、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、添加剤、アジュバントまたはビヒクルとともに、同時または同時期の投与用に製剤化され得る。これは、2または3以上の活性化合物の組み合わせが投与されてもよいことを意味する。
−同一の医薬製剤の一部である組み合わせとして、2以上の活性化合物が同時に投与される、または
−2以上の単位の組み合わせとして、それぞれが活性物質の1つとともに、同時または同時期に投与される可能性が生じる。
2つの薬物間のインビボの相互作用は複雑である。単一の薬物の効果は、その吸収、分布、及び排出に関連している。2つの薬物が体内に導入されると、各薬物は、他方の薬物の吸収、分布、及び排出に影響を及ぼし、したがって、他方の薬物の効果を変化させ得る。例えば、ある薬物は、他の薬物の排出の代謝経路に含まれる酵素の産生を阻害、活性化、または誘導し得る(Guidance for Industry、1999)。
2つの薬物間の相互作用がそれぞれの薬物の意図した治療活性に影響を与えるだけでなく、相互作用は、毒性代謝物のレベルを増加させ得る(Guidance for Industry、1999)。相互作用はまた、それぞれの薬物の副作用を強めるか、または、弱め得る。したがって、疾患を治療するために2つの薬物を投与すると、各薬物のマイナス面のプロファイルにどのような変化が起こるかは予測できない。
さらに、2つの薬物間の相互作用の影響がいつ現れるかを正確に予測することは困難である。例えば、薬物間の代謝相互作用は、2番目の薬物の最初の投与時、2つの薬物が定常状態の濃度に達した後、または、1つの薬物の中止時に明らかになり得る(Guidance for Industry、1999)。
一例では、酢酸グラチラマー(GA)とインターフェロン(IFN)との併用投与は、いずれかの治療の臨床的有効性を無効にすることが実験的に示されている(Brod、2000)。別の実験では、IFN−βとの併用療法におけるプレドニゾンの追加が、そのアップレギュレータ効果に拮抗することが報告された。したがって、2つの薬物が同一の状態を治療するために投与される場合、それぞれが、ヒト対象において他方の治療活性を補完するか、影響がないか、または干渉するかどうかは予測できない。
したがって、出願時の最新技術では、正式な組み合わせの研究結果が出るまで、2つの薬物、特にレボドパ及びプリドピジン、またはアマンタジン及びプリドピジンの追加療法または併用療法の影響は予測できなかった。
本明細書で使用するとき、「組み合わせ」は、同時または同時期の投与のいずれかによる治療において使用するための試薬の集合を意味する。同時投与は、プリドピジンと第2の化合物(たとえば、レボドパ、アマンタジン、またはレボドパとアマンタジンとの組み合わせ)との混合物(真の混合物、懸濁液、エマルション、または他の物理的組み合わせ)の投与を指す。この場合、組み合わせは、プリドピジン及び第2の化合物の混合物、または、投与直前に組み合わされる別個の容器のプリドピジン及び第2の化合物であってもよい。同時期の投与または併用投与は、プリドピジンと第2化合物とを、同時に、または、プリドピジン単独または第2化合物単独のいずれかの活性と比較して相乗活性が観察される十分に近い時間に、もしくは各薬剤の個々の治療効果を重複させるのに十分に近い一時的に近接した時間に投与することを指す。
本明細書で使用するとき、「追加」または「追加療法」は、治療を受ける対象が、1以上の試薬の第2の治療計画を第1の治療計画に加えて開始する前に、1以上の試薬の第1の治療計画を開始し、治療で使用されるすべての試薬が同時に開始されるわけではない治療を意味する。例えば、既にレボドパ療法を受けているパーキンソン病患者に、プリドピジン、または、プリドピジン及びアマンタジンの療法を追加する。FDAは、近頃、パーキンソン病に罹患した患者のLIDを治療するための徐放性アマンタジン(Gocovri(登録商標)、以前はADS−5102)を承認した。
本明細書で使用するとき、「アマンタジン」は、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩、ならびに誘導体、例えば、重水素濃縮バージョンのアマンタジン及び塩を意味する。アマンタジンは、参照により本明細書に組み入れられるPrescribers'Digital Referenceに記載されている(例えば、アマンタジンPDR2017)。本明細書で使用されるアマンタジンは、アマンタジン塩基、または任意のその薬学的に許容される塩を指す。
一実施例では、対象に、アマンタジンの徐放性製剤を夕方に投与してもよく、プリドピジンを1日に2回または3回、例えば朝及び午後に投与してもよい。一実施例では、アマンタジンの即時放出製剤は、朝及び午後に投与され、プリドピジンは、朝、午後、及び夕方に投与される。必要に応じて、レボドパが対象に投与される。
パーキンソン病(PD)は、運動に影響を与える神経系の進行性障害である。PDは、米国の高齢者に影響を与える2番目に一般的な進行性神経変性障害であり、米国の人口が高齢化するにつれて有病率が増加すると予測されている。この疾患は、中脳の黒質(SN)におけるドーパミン作動性ニューロンの病態生理学的消失または変性、及びニューロンのレビー小体の発達の結果である。PDは、運動症状と非運動症状との両方によって特徴付けられる。PD患者は、一般的に、安静時振戦、硬直、運動緩慢、及び前屈(猫背の)姿勢を示すが、神経行動障害(うつ病、不安症)、認知障害(認知症)、及び自律神経機能障害(例えば、起立障害及び多汗症)も示す。根本的な分子病因には、複数の経路及びメカニズム:α−シヌクレインのタンパク質恒常性、ミトコンドリア機能、酸化ストレス、カルシウム恒常性、軸索輸送、神経炎症が含まれる。ジスキネジアは、様々な異常な不随意運動が単一または複数の現象として現れ得る多動性運動障害を指し、一般的に、覚醒中に現れ、睡眠中に止まる。
硬直及び運動緩慢に加えて、特定の種類のジスキネジア、例えば振戦は、PDに関連し、かつ、PDをあまり一般的ではない他の障害と区別する特徴であり得る。ジスキネジア及びPDの他の特徴は、統一パーキンソン病評価尺度(UPDRS)の一部として測定される(Goetz、2007;Movement Disorder Society Task Force、2003;その内容全体は、参照により本明細書に組み入れられる)。
ドーパミン(DA)前駆体L−DOPA(レボドパとしても知られている)は、40年以上にわたってPDの最も効果的な治療であったが、この治療に対する反応は疾患の進行とともに変化し、ほとんどの患者は、治療から数年以内に、L−DOPAによるジスキネジア及び運動変動を発症する。
PDの症状は、最も一般的にレボドパで治療される。しかしながら、レボドパの使用は、レボドパによって引き起こされるジスキネジアを併発することが多く、その有益な効果が軽減される。レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)の特徴は、PDジスキネジアの特徴とは異なり、舞踏病、ジストニア、静座不能、アテトーシス、チックを含む。PDのジスキネジアは、一般的な意味で、PDに関連する運動障害を指す場合がある。一方、LIDはL−DOPAの投与に関連し、舞踏病、ジストニア、静座不能、アテトーシス、チック、ミオクローヌスを含む。静座不能及びジストニアは、L−DOPAで治療されていないPD患者には見られない。LIDのこれらの特定のジスキネジア機能は、統一ジスキネジア評価尺度(UDysRS)によって測定される。主観的ジスキネジア及び客観的ジスキネジアの両方の評価を有するUDysRSは、舞踏病及びジストニア運動などの特徴を含むLIDのすべての側面を評価する(Goetz、2013、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられる)。
LIDの発症の基になるメカニズムは、大脳基底核におけるニューロンの進行性変性とレボドパ治療による慢性ドーパミン作動性刺激との間の相互作用を含む。LIDの基になるメカニズムは完全には理解されていないが、ドーパミン(DA)伝達のシナプス前障害及びシナプス後障害の両方が関与している。シナプス前因子は、脳内のレボドパ及びDAの変動レベルの生成に寄与し、ドーパミントランスポーター(DAT)の消失と、生理学的DAストレージ及び放出部位の消失とを含む。シナプス後の分子メカニズムは、ドーパミン受容体のトラフィッキング、シグナル伝達、及び過感受性の変化と、線条体ニューロンの構造的及び分子的変化と、大脳基底核の活動の変化とを含む。グルタミン酸作動性システム、セロトニン作動性ニューロン、及び、その他の神経調節物質(ノルアドレナリン、アセチルコリン、オピオイド、及びカンナビノイド)などの非ドーパミン作動性調節システムも、LIDに関与している。ジスキネジアの病因に関与する追加の機能的及び構造的変化は、星状細胞による血管内皮増殖因子発現レベルの調節、及び、アデノシンA2A受容体の過剰活性化が含まれる。グルタミン酸の細胞外レベルの変化、及びグルタミン酸トランスポーター遺伝子発現レベルの変化は、運動障害を有する動物の大脳基底核構造において観察されている。総合的に考えると、これらの機能的変化はジスキネジアの発生及び発現の背後の複雑な多因子メカニズムを指し、それにより、これらの運動合併症の管理の困難性を説明することができる(Daneault、2013において報告されている)。
LIDは、薬物誘発性運動障害の最も一般的な原因である。しかしながら、薬物誘発性運動障害(DIMD)は、ドーパミン神経伝達、並びに、セロトニン、アドレナリン及びアセチルコリンなどの中枢神経系の他の神経伝達を調節するいくつかの種類の薬剤によって誘発される。DIMDの原因となる薬物の主なグループには、特に、抗うつ薬、抗精神病薬(神経弛緩薬)、抗てんかん薬、抗菌薬、抗不整脈薬、気分安定剤、及び胃腸薬が含まれる。これらの運動障害には、パーキンソン症候群、遅発性ジスキネジア、舞踏病、ジストニア、振戦、静座不能、ミオクローヌス、またはチックなどが含まれ得る。「パーキンソン病のレボドパ誘発性ジスキネジア」、「レボドパ誘発性ジスキネジア」、または「LID」という用語は、レボドパ療法に起因する異常な筋肉活動障害を指し、この障害は、無秩序もしくは過度の運動(「多動」または「ジスキネジア」と呼ばれる)、緩慢さ、または、運動の欠如(「運動低下」、「運動緩慢」または「無動」と呼ばれる)のいずれかによって特徴付けられている。LIDには、舞踏病、バリズム、ジストニア、静座不能、チック、ミオクローヌスなどのレボドパ療法に起因する不随意運動が含まれる。レボドパ誘発性ジスキネジアの最も一般的なタイプは、舞踏病及びジストニアであり、これらは同時に存在する場合が多い(Johnston、2001)。レボドパ投与との関係に基づいて、レボドパ誘発性ジスキネジアは、ピークドーズ、二相性、オフ状態、オン状態、及び変動ジスキネジアに分類される。ピークドーズジスキネジアは、LIDの最も一般的な形態であり、レボドパのピーク血漿(及び、おそらく高い線条体の)レベルに関連している。それらは、頭、体幹、及び手足、時には呼吸筋を含む。用量を減少させることにより、しばしばパーキンソン症候群の悪化を犠牲にして、それらを改善することができる。ピークドーズジスキネジアは、通常、舞踏病様であるが、後期にはジストニアが重なり得る。二相性ジスキネジアは、血漿レボドパレベルが上昇または下降すると発症するが、ピークレベルでは発症しない。二相性ジスキネジアは、D−I−D(ジスキネジア改善ジスキネジア)とも呼ばれる。D−I−Dは、一般的にジストニア様であるが、舞踏病及び混合パターンが発生し得る。それらはレボドパの用量の減少に反応せず、むしろ、高用量のレボドパで改善し得る。「オフ」状態のジストニアは、血漿レボドパレベルが低いとき(例えば、朝)に発症する。「オフ」状態のジストニアは、通常、片足の痛みを伴う痙攣として発生する純粋なジストニアである。「オフ」状態のジストニアは、は、レボドパ療法に反応する。LIDのまれな形態には、「オン」状態のジストニア(レボドパのレベルが高いときに発生)、及び変動ジスキネジア(完全に予測不可能なパターン)が含まれる。
他の薬物誘発性運動障害(DIMD)
薬物誘発性ジストニアは、ねじれ運動または異常姿勢(あるいはそれらの組み合わせ)であり、急性または遅発性の不随意の四肢の動き、顔のゆがみ(しかめ面)、頸部ジストニア、注視発作、リズミカルな舌の突出、顎の開閉、痙攣性発音障害、ならびに、まれに、喘鳴及び呼吸困難として現れ得る。
薬物誘発性の遅発性ジスキネジアには、複数の運動障害に似た不随意運動が含まれる。遅発性という用語は、薬物曝露後のある時点で状態が発生することを示すために「遅い」を意味し、ジスキネジア及びジストニアという用語は、関与する運動のタイプを表す。TDの病態生理学的メカニズムは不明であるが、ドーパミン受容体を遮断することによって作用する神経遮断薬(例えば、アモキサピン、クロルプロマジン、フルフェナジン、ハロペリドール、クロザピンの1つの注目すべき例外)の長期投与により、過敏症、または脳の大脳基底核におけるドーパミン受容体のアップレギュレーションが生じると考えられている(例えば、Andrews、Can J.Psych、39:576を参照)。ドーパミン反応を増加または増強する薬物、特に間接ドーパミンアゴニストは、障害を悪化させ、そのような薬物の神経弛緩療法における使用は、通常避けられる(Bezchibnyk−Butler&Remington、Can J.Psych、39:74、1994)。
薬物誘発性の静座不能(落ち着きのなさ、及び、脚の特徴的な運動)は、抗精神病剤及び抗うつ剤の使用によって引き起こされる最も不快な錐体外路の副作用の1つである。
薬物誘発性のトゥレット症候群(TS)は、反復性の不随意運動または不随意発声を伴う神経障害である。これらの不随意運動は、チックとして知られている。最も一般的なチックのいくつかは、他の目の運動、ならびに、しかめ面、肩をすくめること、及び頭や肩の痙攣の中でも特に、瞬きである。これらのいくつかが互いに組み合わされて、より複雑なチックが生じ得る。いくつかのチックには自傷行為が含まれるが、ごく一部の人(10〜15%)のみに生じる。
運動障害(DIMD)を誘発し得る薬物の非限定的な例には、以下のうちいずれかが含まれる(括弧内には米国の商品名):アセトヘナジン(Tindal)、アモキサピン(Asendin)、クロルプロマジン(Thorazine)、フルフェナジン(Permitil、Prolixin)、ハロペリドール(Haldol)、ロキサピン(Loxitane、Daxolin)、メソリダジン(Serentil)、メタクロプラミド(Reglan)、モリンドン(Lindone、Moban)、ペルファンジン(Trilafrom、Triavil)、ピペラセタジン(Quide)、プロクロルペルジン(Compazine、Combid)、プロマジン(Sparine)、プロメタジン(Phenergan)、チエチルペラジン(Torecan)、チオリダジン(Mellaril)、チオチキセン(Navane)、トリフルオペラジン(Stelazine)、トリフルプロマジン(Vesprin)、及びトリメプラジン(Temaril)。
本明細書で使用するとき、所定量のプリドピジン(または、プリドピジン及び第2の化合物)を指すときの「有効」は、所望の治療応答を得るために十分なプリドピジンの量(または、プリドピジン及び第2の化合物の量)を指す。
いくつかの実施形態では、プリドピジンはロキサピン(Loxitane、Daxolin)とともに投与される。いくつかの実施形態では、プリドピジンはメソリダジン(Serentil)とともに投与される。いくつかの実施形態では、プリドピジンはメタクロプラミド(Reglan)とともに投与される。いくつかの実施形態では、プリドピジンは、モリンドン(Lindone、Moban)とともに投与される。いくつかの実施形態では、プリドピジンはペルファンジン(Trilafrom、Triavil)とともに投与される。いくつかの実施形態では、プリドピジンはピペラセタジン(Quide)とともに投与される。いくつかの実施形態では、プリドピジンはプロクロルペルジン(Compazine、Combid)とともに投与される。いくつかの実施形態では、プリドピジンはプロマジン(Sparine)とともに投与される。いくつかの実施形態では、プリドピジンは、プロメタジン(Phenergan)とともに投与される。いくつかの実施形態では、プリドピジンはチエチルペラジン(Torecan)とともに投与される。いくつかの実施形態では、プリドピジンはチオリダジン(Mellaril)とともに投与される。いくつかの実施形態では、プリドピジンはチオチキセン(Navane)とともに投与される。いくつかの実施形態では、プリドピジンはトリフルオペラジン(Stelazine)とともに投与される。いくつかの実施形態では、プリドピジンはトリフルプロマジン(Vesprin)とともに投与される。いくつかの実施形態では、プリドピジンはトリメプラジン(Temaril)とともに投与される。
パーキンソン病評価尺度
パーキンソン症候群を含む運動障害に罹患した対象、及びPD患者の不随意運動を測定するために、いくつかの評価尺度が開発された。例えば、統一ジスキネジア評価尺度(UDysRS)は、治療されたパーキンソン病に多くの場合関連する不随意運動を評価するために開発された(統一ジスキネジア評価尺度(UDysRS)、2008、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられる)。UDysRSは、様々な身体領域におけるジスキネジアの強度、患者が日常生活のタスクを実行するときにジスキネジアによって引き起こされる障害の程度、及び、ジスキネジアによる障害の患者の認識を測定する。以下の2つの主要なセクションが存在する。
(a)履歴セクション[パート1(オン・ジスキネジア)、及びパート2(オフ・ジストニア)]
(b)客観的セクション[パート3(障害)、及びパート4(能力低下)]
オン・ジスキネジアは、舞踏病様運動及びジストニア様運動を指し、「薬が効いているときに発生する痙攣、またはねじれ運動」として患者に説明される。
オフ・ジストニアは、「パーキンソン病の薬を服用していないとき、または薬が効いていないときに発生する痛みを伴う痙攣または引きつり」として患者に説明される。
MDS−UPDRS、すなわち、運動障害学会統一パーキンソン病評価尺度は、治療前後のPD患者の症状を評価する際に多くの場合使用される評価尺度の別の例である(Goetz、2008a、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられる)。
統一パーキンソン病評価尺度(UPDRS)の合計スコアは、パーキンソン病の症状のレベルまたは重症度を表す。これは、治療中の有効性の変数におけるベースラインからの変化を測定するために使用される。UPDRSは4パートのテストで構成されている。パート1〜4には、合計42の項目が含まれている。パート1〜3の各項目は0〜4の範囲のスコアに応じ、0は障害が存在しないことを表し、4は障害の程度が最も高いことを表す。各調査訪問でのパート1〜4の合計によって、合計UPDRSスコアが得られる。パート1、2、及び4は履歴情報である。パート1は、精神状態、行動、及び気分を評価するように設計されている(項目1〜4)。パート2(項目5〜17)は、日常生活の活動に関連し、話し方、嚥下、手書きなどに言及している。パート3(項目18〜31)は、訪問時の運動検査であり、顔の表情、振戦、硬直などに関連している。パート4(項目32〜42)は、治療の合併症に関連し、ジスキネジアの能力低下及び痛み、オンオフ期間などに関する質問が含まれている。
DIMDの治療におけるプリドピジンの有効性を評価するために、以下の測定値が使用され得る:盲検中央映像評価(blinded central video rating)によって評価された、ベースラインから長期治療の終了(54週目)までの異常不随意運動評価尺度(AIMS)スコア(項目1〜7)の変化;臨床的全般印象度の変化(CGIC)に基づく、長期治療の終了時(54週目)に治療が成功した対象の割合(治療の成功は「大いに、または非常に改善した」と定義されている);この研究のベースラインから長期治療の終了(54週目)までの、修正された頭頸部ジストニア(CDQ−24)スコアの変化;この研究のベースラインから長期治療の終了(54週目)までにAIMSスコアが50%以上減少した対象の割合;患者の全般印象度の変化(PGIC)に基づく、長期治療の終了時(54週目)に治療が成功した対象の割合(治療の成功は「大いに、または非常に改善した」と定義されている);この研究のベースラインから長期治療の終了(54週目)までのAIMSスコアの変化率;この研究のベースラインから長期治療の終了(54週目)までのAIMSスコアの変化に基づく、盲検中央映像評価によって評価したときの、ベースラインから10%の改善から、ベースラインから90%の改善までの範囲の、10%ポイント刻みでの応答者の累積比率。ハウザーPD日誌は、PD患者のオン/オフ時間を評価するための貴重なツールである(Hauser、2004)。
UPDRS、AIMS、及びUDysRSなどの評価尺度は、例えば、国際パーキンソン病・運動障害学会を通じて、または、運動障害の分野の当業者から入手することができる。
すべての研究について、患者及び独立した評価者は、独立して盲検化されていてもよく、盲検化されていなくてもよい。いくつかの実施形態では、患者及び評価者は盲検化されている。
レボドパ誘発性ジスキネジアに関連する「症状」は、レボドパ誘発性ジスキネジアに関連する臨床的兆候または実験的兆候を含み、対象が感じられること、または観察できることに限定されない。例えば、LIDの症状には、これらに限定しないが、例えば、舞踏病、バリズム、ジストニア、チック、またはミオクローヌスなどの不随意運動が含まれる。対象は、1以上の症状を経験してもよい。例えば、舞踏病及びジストニアは、多くの場合併発する。チックまたは常同症を含む他の症状が現れていてもよい。
本明細書で使用するとき、症状の「改善」もしくは「改善すること」、または「回復」は、ベースラインと比較したとき、または、治療を受けていない対照の対象と比較したときの、患者の症状の好ましい変化を指す。本明細書で使用するとき、「投与に実質的に先行する」は、ある薬剤の投与が別の薬剤に先行し、かつ、2つの薬剤は同時に、または同時期に投与されないことを意味する。
「薬学的に許容される担体」は、理にかなった利益/リスク比に見合う、過度の有害な副作用(毒性、刺激、アレルギー反応など)のない、ヒト及び/または動物での使用に適した担体または賦形剤を指す。薬学的に許容される担体は、本化合物を対象に送達するための薬学的に許容される溶媒、懸濁剤、またはビヒクルであり得る。
パラメータ範囲が提供される場合、その範囲内のすべての整数、及びその10分の1もまた、本発明によって提供されることが理解される。例えば、「0.1〜2.5mg/日」には、0.1mg/日、0.2mg/日、0.3mg/日など、最大2.5mg/日までが含まれる。
以下の番号付けされた条項は、本発明の様々な態様及び特徴を定義する。
1.薬物誘発性運動障害(DIMD)に罹患した対象を治療するための方法であって、対象を治療するのに有効な量のプリドピジンを、対象に定期的に投与するステップを含む、方法。
2.薬物誘発性運動障害(DIMD)は、ジスキネジアを含む、条項1に記載の方法。
3.ジスキネジアは、レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)である、条項2に記載の方法。
4.治療は、レボドパの副作用を軽減することを含む、条項3に記載の方法。
5.対象は、パーキンソン病患者である、条項3に記載の方法。
6.対象は、進行期パーキンソン病患者である、条項5に記載の方法。
7.対象は、レボドパで同時に治療されている、条項3〜6のいずれかに記載の方法。
8.プリドピジン及びレボドパは同時に投与される、条項7に記載の方法。
9.プリドピジン及びレボドパは合剤される、条項7に記載の方法。
10.プリドピジン及びレボドパは、別個の医薬製剤として連続的に投与される、条項7に記載の方法。
11.対象に投与されるプリドピジンの量は、レボドパ治療に関連する症状を緩和または軽減するのに有効な量である、条項3〜10のいずれかに記載の方法。
12.症状は、異常な動き、ミオクローヌス発作、四肢の不規則動作、歩行失調、しかめ面、運動失調、または、動作、手の動き若しくはバランスの維持困難である、条項11に記載の方法。
13.症状は、舞踏病様のピークドーズジスキネジア、または、ジストニア様のピークドーズジスキネジアである、条項11に記載の方法。
14.症状は、レボドパによって誘発されるバッドクオリティ・オンタイム(bad quality on-time)である、条項11に記載の方法。
15.プリドピジンの投与により、MDS−UPDRSまたはUDysRSで測定して、レボドパ誘発性運動障害の症状が、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、または少なくとも50%改善される、条項11〜14のいずれかに記載の方法。
16.レボドパの抗パーキンソン作用が、対象に投与される所定量のプリドピジンの影響を受けない、条項3〜15のいずれかに記載の方法。
17.薬物誘発性運動障害(DIMD)は、抗うつ剤、抗精神病剤、抗てんかん剤、抗菌剤、抗不整脈剤、気分安定剤、胃腸薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される薬物によって誘発される、条項1に記載の方法。
18.薬物誘発性運動障害(DIMD)は、パーキンソン症候群、遅発性ジスキネジア、舞踏病、ジストニア、振戦、静座不能、アテトーシス、ミオクローヌス、またはチックから選択される、条項17に記載の方法。
19.薬物誘発性運動障害(DIMD)は、遅発性ジスキネジアである、条項18に記載の方法。
20.薬物誘発性運動障害(DIMD)は、薬物誘発性ジストニアである、条項18に記載の方法。
21.対象の運動障害は、UDysRSまたはUPDRSによって評価される、条項2〜16、及び19のいずれかに記載の方法。
22.患者は、ベースラインで10以上のUDysRSスコアまたはUPDRSスコアを有していた、条項21に記載の方法。
23.プリドピジンは、経口投与により投与される、条項1〜22のいずれかに記載の方法。
24.プリドピジンは、毎日投与される、条項1〜23のいずれかに記載の方法。
25.プリドピジンは、1日2回または1日3回投与される、条項1〜23のいずれかに記載の方法。
26.プリドピジンは、プリドピジン塩の形態で投与される、条項1〜25のいずれかに記載の方法。
27.プリドピジン塩は、プリドピジン塩酸塩である、条項26に記載の方法。
28.プリドピジンは、プリドピジンHClの形態で、100mg/日以上の用量で投与される、条項1〜27のいずれかに記載の方法。
29.プリドピジンは、100〜400mg/日の用量で投与される、条項28に記載の方法。
30.プリドピジンは、135mg/日、180mg/日、225mg/日、300mg/日、350mg/日、または400mg/日の用量で投与される、条項1〜29のいずれかに記載の方法。
31.プリドピジンは、135〜225g/日の用量で投与される、条項1〜29のいずれかに記載の方法。
32.プリドピジンは、45〜180mg/日、135〜400mg/日、または、150〜300mg/日の用量で投与される、条項28に記載の方法。
33.プリドピジンは、22.5mg、45mg、67.5mg、90mg、100mg、112.5mg、125mg、135mg/日、150mg/日、180mg/日、225mg/日、250mg/日、270mg/日、275mg/日、300mg/日、350mg/日、360mg/日、375mg/日、または400mg/日の用量で投与される、条項28に記載の方法。
34.治療有効量の第2の化合物を対象に投与するステップをさらに含み、第2の化合物は、レボドパ、アマンタジン、または、レボドパとアマンタジンとの組み合わせである、条項3〜16、及び21〜33のいずれかに記載の方法。
35.プリドピジン及び第2の化合物は、1単位用量で投与される、条項34に記載の方法。
36.プリドピジン及び第2の化合物は、2以上の単位用量で投与される、条項34に記載の方法。
37.第2の化合物は、アマンタジンである、条項34〜36のいずれかに記載の方法。
38.アマンタジンは、10〜400mgの用量で投与される、条項34〜36のいずれかに記載の方法。
39.アマンタジンは、10mg、50mg、100mg、137mg、150mg、200mg、250mg、274mg、300mg、350mg、または400mgの用量で投与される、条項34〜36のいずれかに記載の方法。
40.アマンタジンは、経口投与される、条項34〜39のいずれかに記載の方法。
41.第2の化合物は、レボドパである、条項34〜40のいずれかに記載の方法。
42.プリドピジン及び第2の化合物は同時に投与される、条項34〜41のいずれかに記載の方法。
43.第2の化合物の投与は、プリドピジンの投与に実質的に先行して行われる、条項34〜41のいずれかに記載の方法。
44.プリドピジンの投与は、第2の化合物の投与に実質的に先行して行われる、条項34〜41のいずれかに記載の方法。
45.対象は、プリドピジンによる治療の開始前に、第2の化合物による治療を受けている、条項34〜41のいずれかに記載の方法。
46.対象は、プリドピジンによる治療の開始の、少なくとも24週間前、28週間前、48週間前、または52週間前に、第2の化合物による治療を受けている、条項45に記載の方法。
47.対象は、アマンタジンによる治療の開始前に、プリドピジンによる治療を受けている、条項34〜44のいずれかに記載の方法。
48.対象は、アマンタジンによる治療の開始の、少なくとも24週間前、28週間前、48週間前、または52週間前に、プリドピジンによる療法を受けている、条項47に記載の方法。
49.単独で投与する場合の第2の化合物の用量、及び、単独で投与する場合のプリドピジンの用量の各々が、対象を治療するのに有効な量である、条項34〜48のいずれかに記載の方法。
50.単独で投与する場合の第2の化合物の用量、及び、単独で投与する場合のプリドピジンの用量の一方または両方は、対象を治療するのに有効な量ではない、条項34〜48のいずれかに記載の方法。
51.単独で投与する場合の第2の化合物の用量、及び、単独で投与する場合のプリドピジンの用量の一方または両方は、対象を治療するのに効果が低い量である、条項34〜44のいずれかに記載の方法。
52.プリドピジンは、第2の化合物に対して補助的に投与される、条項34〜48のいずれかに記載の方法。
53.第2の化合物は、プリドピジンに対して補助的に投与される、条項34〜48のいずれかに記載の方法。
54.意図される用量とは異なる量の負荷投与量が、プリドピジンの定期的投与の開始時に所定期間にわたって投与される、条項1〜53のいずれかに記載の方法。
55.薬物誘発性運動障害(DIMD)に罹患した対象を治療するための医薬組成物であって、治療有効量のプリドピジンを含有する医薬組成物。
56.薬物誘発性運動障害(DIMD)に罹患した対象を治療するのに用いられる薬剤の製造のための、所定量のプリドピジンの使用。
57.パッケージであって、
(a)所定量のプリドピジンを含有する医薬組成物と、
(b)薬物誘発性運動障害(DIMD)に罹患した対象を治療するための医薬組成物の使用に関する説明書と、
を備えた、パッケージ。
58.対象にディスペンスするための、または対象にディスペンスするのに使用するための治療用パッケージであって、
(a)1以上の単位用量製剤であって、各単位用量製剤が、対象に投与されたときに対象の薬物誘発性運動障害(DIMD)を治療するのに有効な量のプリドピジンを含有する、単位用量製剤と、
(b)1以上の単位用量製剤を収容し、かつ、薬物誘発性運動障害(DIMD)に罹患した患者の治療における当該パッケージの使用を説明するラベルを含む、完成品の医薬容器と、
を備えた、治療用パッケージ。
59.パッケージであって、
(a)所定量のプリドピジン、及び薬学的に許容される担体を含有する第1の医薬組成物と、
(b)所定量の第2の化合物、及び薬学的に許容される担体を含有する第2の医薬組成物と、任意選択で、
(c)薬物誘発性運動障害(DIMD)に罹患した対象を治療するための第1の医薬組成物及び第2の医薬組成物の併用使用に関する説明書と、
を備えた、パッケージ。
60.所定量の第2の化合物及び所定量のプリドピジンが、同時にまたは同時期に投与されるように調製された、条項59に記載のパッケージ。
61.薬物誘発性運動障害(DIMD)に罹患している対象にディスペンスするための、または該対象にディスペンスするのに使用される治療用パッケージであって、
(a)1以上の単位用量製剤であって、各単位用量製剤が、
(i)所定量のプリドピジン、及び、
(ii)所定量の第2の化合物を含有し、
各単位用量製剤中のプリドピジン及び第2の化合物の各量が、対象に併用投与されたときに対象を治療するのに有効な量である、1以上の単位用量製剤と、
(b)1以上の単位用量製剤を収容し、かつ、患者の治療における当該パッケージの使用を説明するラベルを含む、完成品の医薬容器と、
を備えた、治療用パッケージ。
62.医薬組成物であって、所定量のプリドピジンと、所定量のアマンタジンとを含有する医薬組成物。
63.薬物誘発性運動障害(DIMD)に罹患した対象を治療するのに使用される医薬組成物であって、プリドピジンとアマンタジンとが同時に、同時期に、または併用して投与されるように調製された、医薬組成物。
64.薬物誘発性運動障害(DIMD)に罹患した対象を治療するのに有用な、単位用量製剤形態の医薬組成物であって、
(a)所定量のプリドピジンと、
(b)所定量の第2の化合物と、を含有し、
当該医薬組成物中の第2の化合物及びプリドピジンの各量が、1以上の単位用量製剤で対象に併用投与したときに対象を治療するのに有効な量である、医薬組成物。
65.薬物誘発性運動障害(DIMD)に罹患した対象の治療において、第2の化合物に対する追加療法として使用される医薬組成物であって、所定量のプリドピジンを含有する医薬組成物。
本出願の全体を通して、様々な文献は、筆頭著者名及び刊行年によって言及される。それらの参照文献の全ては、本明細書の最後に列挙する。それらの参照文献の開示内容の全体は、本発明が関係する分野の最新技術をより完全に説明するために、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、下記の実施例によって示されており、これらは本発明の範囲を限定することを意図するものではない。様々な変更が本発明の精神及び範囲に含まれることを理解されたい。
実験の詳細
例1:MermaiHD、HART、及びPRIDE−HD臨床試験の歴史的結果
プリドピジンは、ハンチントン病(HD)患者の運動症状の治療薬として、3件の大規模臨床試験で評価されている。最初の2つの臨床試験であるMermaiHD及びHARTにより、45mgのプリドピジンをHD患者に1日2回(bid)投与すると(90mg/日)、ハンチントン病統一評価尺度(UHDRS)で測定した総運動スコア(TMS)が有意に改善されることが実証された(図1AはMermaiHD、図1BはHARTの試験結果)。上側の灰色の線はプラセボを示し、下側の黒色の線は、45mgのプリドピジンの1日2回(bid)の投与を示す(de Yebenes 2011; Huntington Study Group HART investigators 2013:この全内容は参照により本明細書に組み込まれる)。
これらの結果に基づき、高用量のプリドピジンは、HD運動症状の軽減において、低用量のプリドピジンよりも効果的であると仮定した。PRIDE−HD試験は、予備的な第2相用量範囲試験である、52週間の二重盲検プラセボ対照試験として実施し、これにより、PCT出願公開第WO2014/205229号及び同WO2018/039477号に開示された先行試験で用いられた用量よりも高用量である、45〜112.5mgのプリドピジンの1日2回投与の有効性及び安全性を評価した。主要転帰は、UHDRS−TMSで評価した運動機能に対するプリドピジン効果であり、疾患ステージを評価するための最も広く受け入れられているツールである全機能(TFC)を含む探索エンドポイントを測定した(Shoulson and Fahn 1979; Marder 2000)。PRIDE−HD研究では、45mgのプリドピジンの1日2回投与により治療した患者は、HART及びMermaiHDと同様のTMS改善を示した。しかしながら、高用量のプリドピジン(67.5g以上の1日2回投与)はいずれも、プラセボまたは45mgのプリドピジンの1日2回投与と比較して、有効性の改善を示さなかった。
非常に早期のHD患者(ステージ1のHD、ベースラインTFC≧11)における52週での事後分析により、45mgの1日2回投与による治療は、26週または52週でのプラセボ治療と比較して、ベースラインからのTMS変化に改善傾向があることが明らかになった。しかしながら、高用量(112.5mg、1日2回投与(bid))では、プラセボと比較して、改善は観察されなかった(図2、52週)。TMSの減少(すなわち、負の値の増加)は、改善を示す。
事前に設定されたTFCの探索エンドポイントでは、45mgのプリドピジンの1日2回投与を受けた患者は、プラセボ投与患者と比較して、52週間後のTFCスコアの減少が有意に少なかった[差:0.87(95%信頼区間:0.29−1.45)、公称:p=0.003](図3)。この場合も、高用量(>90mg、bid)は、TFC減少の改善を示さなかった。TFCの増加(すなわち、値の増加)は、改善を示す。
PRIDE−HD試験により、HD患者の治療効果は、プラセボの場合と同様に、高用量では失われるという結論に達した。
例2:ヒト陽電子放出断層撮影(PET)研究
第1相非盲検研究は、即時放出型(IR)プリドピジンの経口投与の2時間後の健常ボランティア(HV)及びハンチントン病(HD)患者のヒト脳における、シグマ−1受容体(S1R)とドーパミン2受容体(D2R)の占有率を評価することを目的とする。
トレーサ(S)−(−)−[18F]フルスピジン(Brust、2014)を使用して、S1Rの標的結合及び占有率を評価し、[18F]ファリプリド(Slifstein、2010)トレーサを使用して、D2Rの標的結合及び占有率を評価した。S1Rの占有率の評価には、0.5、1、5、22.5、45、及び90mgの用量のプリドピジンを用い、D2Rの占有率の評価には90mgの用量のプリドピジンを用いた。
コルチコイドの血漿中濃度の日内変動の潜在的影響に関連するばらつきを最小限に抑えるため、個々の走査及び再走査セッションは、すべての対象で、1日の中の同じ時間に実施した。
本研究は、トレーサの初回投与の8週間前までのスクリーニング期間から構成され、T1三次元磁化準備型高速収集グラジェントエコー(3D−MPRAGE)磁気共鳴画像(MRI)スキャン(来院1)、4週間までの研究期間(来院2、来院3)、及び、追跡調査来院(来院4)を含む。研究期間中、被験者は、来院2でベースラインPET検査(PETセッション1)を受け、その後、来院3でプリドピジンの単回経口投与後に治療後PET検査(PETセッション2)を受けた。各用量のコホートは、4人までの被験者を含む。各用量のコホートの被験者の全員は、同じ用量が投与されるようにする。なお、研究の適応的デザインに応じて、コホート内の各被験者の用量レベルを変更することも可能である
結果:
画像分析の結果により、健常ボランティアにおけるS1R占有率が、45及び90mgのプリドピジンでは約100%、1mgの低用量プリドピジンでは約40%であることが分かった。これは、非常に低い用量であっても、S1R占有率が予想外に高いことを示す。
さらに、90mgの用量レベルのプリドピジンでは、HV患者とHD患者との間で、薬物誘発性S1R占有率に差異は観察されなかった。図4は、45mgのプリドピジンの単回投与前(明るい組織、上側パネル)、及び単回投与後(下側パネル)の健常ボランティアの脳における、プリドピジンによるS1R占有率を示すPETスキャンである。
90mgのプリドピジン用量では、D2R遮断は最小限(3%)であり、これは境界線の有意であり、定量的に無視できる。
DIMDなどの複雑な病状におけるプリドピジンの有益な効果は、S1R及び低親和性ドーパミン受容体(すなわち、D2R)の両方との相互作用により仲介される。
ヒトPETデータによると、45mgのプリドピジンの1日2回投与は、S1Rを選択的に占有し、低親和性標的は占有しない。LIDに関与する低親和性CNS受容体を調節するために、非ヒト霊長類(NHP)において、約100〜175mgの1日2回投与の用量(200〜350mg/日)のプリドピジンを試験した。これらの用量は、29、000h・ng/ml以上でAUC0−24レベルに達し、これにより、低親和性受容体を標的にする。
例3:パーキンソン病の非ヒト霊長類(NHP)モデル
6−OHDA損傷ラットモデルを使用して、PDにおけるL−DOPAの運動合併症を低減させるためのプリドピジンの潜在力が報告されている(Ponten、2013)。25μmol/kg(8mg/kgに相当)の用量で投与されたプリドピジンは、L−DOPA誘発性の向反回転の感作を減少させ、かつ、L−DOPAの抗パーキンソンの利益の減少は示さなかった。ラットにおける8mg/kgのプリドピジン投与は、約12000h・ng/mlのAUC0−24レベルをもたらし、これは、ヒトにおける67.5mgの1日2回投与によって実現されるAUC0−24レベル(12865h・ng/ml)にほぼ相当する。ヒトのPETデータとプリドピジンのPKプロファイルとに基づいて、ヒトにおける67.5mgの1日2回投与は、45mgの1日2回投与と同様の効果を示し、ドーパミン受容体の最小占有率(DAR)でS1Rを完全に占有すると推定される。
L−DOPAと組み合わせた、パーキンソン症候群、ジスキネジア(舞踏病、ジストニア)、及びオンタイムのクオリティ(quality of on-time)に対する、薬動動態(PK)プロファイル及びプリドピジン(7、15、20、30mg/kg、PO(経口投与))の影響を、安定性及び再現性を有するLIDに罹患している8匹のメスのMPTP損傷マカクで評価した。プリドピジンの血漿レベルと、S1R/D2R受容体の占有率との間の相関を、PKデータ及びインビトロ/インビボ結合データの両方を使用して評価した。
この研究は、2つの別個の実験で実施した。第1の研究では、L−DOPAと組み合わせた7及び20mg/kgのプリドピジンの、MPTP損傷マカクに対する効果を評価した。第2の研究では、L−DOPAと組み合わせた15、20及び30mg/kgのプリドピジンについて試験した。第1の研究(研究1)では、プリドピジンは、L−DOPAの1時間前に投与した。第2の研究(研究2)では、プリドピジンは、L−DOPAの2時間前に投与した。
材料及び方法
水溶性の高い塩酸プリドピジン(HCl)(4−[3−(メチルスルホニル)フェニル]−1−プロピルピペリジン塩酸塩)、MW 317.87g/molを得た。インビボPK及び動態研究のために、塩酸塩に対する補正を実施することなく、滅菌水中にプリドピジンを調製した。プリドピジンを、1ml/kg体重の用量で投与した。
インビトロ結合:インビトロ結合研究は、ユーロフィン・パンラブス・タイワン社(Eurofins Panlabs Taiwan、Ltd.)において、σ1、σ2、アドレナリンα2C、α2A、ドーパミンD3、ドーパミンD2、セロトニン作動性5−HT1A、5−HT2A、5−HT7、ヒスタミンH3、ムスカリンM2、NMDA、5−HT6、及びタキキニンNK1受容体などの部位に対するプリドピジンの親和性のIC50/Ki値を、ドーパミン輸送体(DAT)、ノルエピネフリン輸送体(NET)、及びセロトニン輸送体(SERT)と共に評価するために実施した。受容体への特異的リガンド結合は、過剰の非標識リガンドの存在下で測定した非特異的結合と、総結合との間の差として定義された。IC50値は、MathIQ(TM)(ID Business Solutions Ltd、英国)を使用した非線形最小二乗回帰分析により決定した。阻害定数(Ki)値は、チェン−プルソフの式を用いて、試験した化合物の観察されたIC50、分析に使用した放射性リガンドの濃度、及びリガンドのKDの履歴値(Eurofins Panlabs、 Inc.で実験的に得た)を使用して算出した。競合結合曲線の勾配を定義するヒル係数(nH)を、MathIQ(TM)を使用して算出した。ヒル係数が1.0と有意に異なることから、結合置換は、単一結合部位では質量作用の法則に従わないことが示唆された。
マカクにおけるプリドピジンの薬物動態プロファイリング
血液採取:治療、投与、及び血漿採取の当日に、マカクをケージから出して、個々の霊長類チェアに座らせた。4種類の用量のプリドピジン(7、15、20、30mg/kg、N=8/用量)を強制経口投与し、薬物投与の10分前(t=−10分)、10分後、30分後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、8時間後、及び24時間後に、薬物濃度分析のための9つの血液試料を採取した。全8匹の動物は、それぞれ1週間の間隔で隔てられた非無作為化漸増用量デザインに従って、4つの処置のそれぞれを受けた。血液試料(0.5ml)をK2−EDTA試験管(Becton Dickinson、カナダ国オンタリオ州ミシサガ)に入れ、4°C、1500Gで5分間遠心分離し、LC/MS/MSを用いて、血漿をプリドピジンについて分析した。
マカク血漿中のプリドピジンの生物分析:プリドピジン、及びその内部標準である、4−(3−(メチルスルホニル)フェニル)−1−(プロピルd7)−ピペリジン−1−イウムクロリドを、以下のように、EDTA血漿からアセトニトリル中への液−液抽出により抽出した。1〜10ng/mlの内部標準(IS)を含むアセトニトリル80μlに、20μlの血漿のアリコートを添加した。13000rpmで8分間遠心分離した後、上清70μlを単離し、滅菌水70μlに添加した。最後に、1〜10μlの混合物のアリコートを、LC−MS/MSシステムに注入した。すべての生物学的分析作業において、4−(3−(メチルスルホニル)フェニル)−1−(プロピルd7)−ピペリジン−1−イウムクロリドを、内部標準物質として使用した。簡単に説明すると、LC−MS/MS分析は、CTC−HTSオートサンプラー(スイス国ツヴィンゲン)及びカラムオーブンを備えたShimadzu LC−10ADポンプで実施した。MS/MSシステムは、エレクトロスプレーイオン化プローブを備えたMDS Sciex API−4000質量分析計であった(カナダ国トロント)。検体のクロマトグラフィ分離を、Agilent Zorbax SB−C18カラムで行った。直線性は、2〜1000ng/mlであり、LLOQは、2ng/mlであった。プリドピジンの精度値は、すべての検量線で15%未満であり、各QCサンプルセットの>75%であった。すべてのPKパラメータは、WinNonlin 6.3を使用した血管外投与のための非コンパ−トメントモデリングにより、スケージュール時点から±5%以内の公称時間に従って個々の動物ごとに算出した。最初の定量可能な濃度の前のサンプリング時間または時間0での定量下限(BLQ)値以下は、0(ゼロ)として扱った。プロファイルの最後に発生するBLQ値は、欠測値として扱った。終末消失半減期(t1/2)は、ln(2)/λzとして算出した。最大観察血漿濃度(Cmax)、及び、Cmaxに達する時間(最大tmax)は、濃度−時間データから直接得た。投与後0時間から24時間までの血漿濃度対時間曲線下面積(AUC0−24)は、線形台形線法形対数補間回帰分析によって算出した。
また、プリドピジンの薬物動態プロファイルを、経口投与後24時間までの複数の時点で採取した血漿試料で特性化した。齧歯類及び霊長類のこれらの及び他のPKデータを使用して、血漿プリドピジンレベルと中枢S1R/D2/3R受容体占有率との関係を評価した。
MPTP損傷マカクにおける動態評価
動物:本研究では、8匹のカニクイザル(Macaca fascicularis、8〜14歳、3.0〜4.8kg、Suzhou Xishan-Zhongke Laboratory Animal Company、PRC)を使用した。新鮮な果実、霊長類ペレット、及び水は、動態評価の数日前の(午後5時からの)夜間絶食時以外は自由に利用できた。飼育室は、同性の動物のみを収容し、12時間の明暗サイクル(午前7時に点灯)、20〜25°Cに保った。
MPTP投与と運動合併症の発症:動物に、MPTP(0.2mg/kgを0.9%滅菌食塩水に溶解させた、Sigma-Aldrich、カナダ国オンタリオ州オークビル)を、8〜30日間にわたって毎日1回皮下注射した。その後、パーキンソン症候群を少なくとも90日間にわたって発症させ、その間、必要に応じて、動物が中等度の障害レベルから顕著な障害レベルに達するまでMPTPを追加投与した。MPTPの平均累積投与量は、33.3mgであった。MPTP病変は、L−DOPA誘発性運動合併症の誘発開始前に、最低でも60日間安定化させた。舞踏病型及びジストニア性運動障害の両方を含むLIDは、少なくとも4か月間の長期間のL−DOPA治療(25mg/kg、MDopar(TM)、Roche、L−DOPA:ベンセラジド、比4:1)により誘発された。これ同じ期間に動物を実験環境に順応させ、(椅子に拘束した状態で)血液試料を提供し、かつ、経口、静脈内または皮下経路による投与を受けるように訓練した。
L−DOPA用量決定:用量決定観察を行い、最適な抗パーキンソン作用(しかし、障害性ジスキネジアにより損なわれる)を生じさせることを意図するL−DOPA(LDh)(30〜35mg/kgの範囲、平均32.1mg/kg)の用量を求めた。この用量のL−DOPAに対する応答を、連続的なL−DOPA投与における各動物における安定性及び再現性を確実にするために評価した。
治療:急性チャレンジ無作為デザインを用いた2つの独立した実験で、プリドピジンの抗運動障害ポテンシャルの評価を行った。第1の研究(研究1)では、L−DOPA(LD、PO(経口投与))を、単独で、または、2つの用量のプリドピジン(7mg/kg及び20mg/kg、PO)と組み合わせて評価した。第2の研究(研究2)では、L−DOPA(LD、PO)を、単独で、または、3つの用量のプリドピジン(15、20、30mg/kg、PO)と組み合わせて評価した。どちらの研究でも、動態観察の前日に、午後5時から一晩絶食した。動態評価の当日に、治療薬を、ホームケージに収容した動物に投与した。その後、動態評価のために、動物を観察ケージに移した。PK群の結果に基づいて、ビヒクル/プリドピジンを、ビヒクル/L−DOPAの60分前(研究1)または120分前(研究2)に、互いに関連して、及び動態観察の開始のために投与することにした。パーキンソン病障害、ジスキネジア、抗パーキンソン病効果(オンタイム)のクオリティ及び期間、並びに活性に与える治療の効果を、6時間(h)の期間にわたって評価及び分析した。
パーキンソン病障害、ジスキネジア(舞踏病、ジストニア)、及び活性の評価:動物を、個別の観察ケージ(1.5m×1.0m×1.1m)に移し、各動物の動態をHDビデオに記録した。パーキンソン症候群及びジスキネジアの臨床的対応物(UPDRSpt.III、及び、UDysRS)から適合された、パーキンソン症候群及びジスキネジアの評価尺度を用いて、治療を盲検化した運動障害神経科医による事後分析により記録を評価した。上述したような全パーキンソン病障害の評価基準(Johnston、2013)を、運動範囲のスコア(0〜4のスコア)、運動緩慢(0〜3)、姿勢(0〜2)、及び覚醒(0〜1)を加えることにより求めた。ジスキネジアは、舞踏病またはジストニアのいずれかの最大値を表し、0:欠如、1:軽度、2:中等度、3:顕著、または4:重度としてスコア化された。パーキンソン病障害及びジスキネジアを10分毎に5分間評価した。各5分間の観察期間における最も代表的なスコアを用いた。経時変化分析のために、各時間のスコアを、全観察期間(0〜6時間)にわたって合計した。この結果、パーキンソン病障害及びジスキネジアの測定値は、0〜6時間での可能な最大スコア(重度と同等である)は、それぞれ360及び144であった。
抗パーキンソン症候群作用(オンタイム)の持続時間は、運動緩慢スコアが0である期間(分)と定義した。加えて、様々な重度のジスキネジアに関連するオンタイムの期間を、以下のようにして算出した。障害性ジスキネジアを有しているオンタイムである「バッドなオンタイム」の期間は、ジスキネジアのスコアが2よりも大きく、かつ、運動緩慢スコアが0である期間(分)として算出した。一方、障害性ジスキネジアを有していないオンタイムである「グッドなオンタイム」は、ジスキネジアのスコアが2以下であり、かつ、運動緩慢のスコアが0である期間(分)として算出した。
統計分析:期間、及びオンタイムのクオリティの評価から得られたデータを平均±s.e.m.としてプロットした。これらのデータについての統計分析は、パラメータ反復測定1方向または2方向のANOVAを適宜使用し、続いて、ホルム−シダック多重比較検定を用いて実施した。パーキンソン症候群障害及びジスキネジアの測定データは、適切な場合には、中央値スコアのみ(経時変化)、またはボックスアンドウィスカ−プロット(累積合計)としてグラフ化した。パーキンソン症候群障害及びジスキネジアの経時データは、ExcelのRANKAVG機能を使用して、すべての治療にわたって、各動物に最初にランク付けした。これらの変換されたデータをGraphPad Prism(v 7.02)で分析し、非反復測定2方向ANOVA、及びそれに続くホルム−シダック多重比較検定を行った。累積障害及びジスキネジアのデータは、フリードマン検定、及びそれに続くダン多重比較検定を用いて分析した。
結果
インビトロでのプリドピジン受容体結合プロファイル。
プリドピジン結合は、材料及び方法の欄で説明したように、放射性リガンド結合分析で評価した。インビトロ結合アッセイは、新規の受容体に対して、かつ、以前に報告されたプリドピジンの標的の検証として実施した。プリドピジンは、S1Rに対して最も高い親和性を有し、IC50は0.14μM(140nM)であった。また、プリドピジンは、マイクロモルの範囲で、セロトニン(または、5−ヒドロキシトリプタミン[5−HT]、5−HT1A、5−HT2A、及び5−HT7);アドレナリン作動性α−1、アドレナリン作動性α−2A及びα−2C;ドーパミンD3;ムスカリン様M2;ヒスタミンH3を含む他の受容体に対して、低親和性結合を示す(下記の表1を参照)。ドーパミンD2受容体(D2R)に対するプリドピジンの結合は、無視できる程度であるか、または全く検出されなかった。NMDAR、5−HT6、タキキニンNK1、ドーパミントランスポータ(DAT)、ノルエピネフリントランスポータ(NET)及びセロトニントランスポータ(SERT)を含む追加的な標的を試験したが、結合は観察されなかった。
Figure 2020533296
IC50=50%阻害濃度、Ki=チェン−プルソフの式を用いて算出した阻害定数、nH=MathIQTMを用いて算出した、競合結合曲線の傾きを定義するHill係数。
MPTP損傷マカクにおけるプリドピジンの薬物動態プロファイル
評価したすべてのプリドピジン用量(7、15、20及び30mg/kg)は、良好な許容性を示した。7、15、20及び30mg/kgのプリドピジンの経口投与は、384、952、1487及び2676ng/ml(それぞれ、1.4、3.4、5.3及び9.5μMに相当する)の幾何平均Cmax値、並びに、1214、4905、8207、及び22987ng・h/ml(それぞれ、17.5、4.3、29.2及び81.8h*μMに相当)のAUC0−24値に関連している。
S1R及び中等度親和性受容体の占有率は、下記の表2に示すように、(i)ヒト及びげっ歯類の受容体に対するプリドピジンの既知の結合親和性、(ii)公開されているラット(Sahlholm、2015)及び非ヒト霊長類(NHP)におけるインビボPETイメージング、及び、(iii)様々な種におけるプリドピジンの広範な薬物動態プロファイル、を用いて評価した。
Figure 2020533296
ns:非有意、*/**/***は、P<0.05、P<0.01またはP<0.001 cf.ビヒクル処理、ホルム−シダック検定を用いた2方向RM−ANOVA、または、ダン検定を用いたフリードマン検定を表す。
ヒト以外の霊長類(NHP)のデータは、以下の考察に最も関連している。経口プリドピジン用量の関数としてのラット及びNHPのCmax値は、ここに示したデータに加えて、(補足的な)内部累積PKデータに基づいている。ラットσ1R及びD2R占有率データは、3及び15mg/kg(Sahlholm、2015)でのインビボ測定値に基づいており、NHPのD2R占有率データは、特異的D2Rリガンド11C−ラクロプリドによるインビボのPETイメージングに基づいている。NHPσ1R占有率データは、ヒトσ1Rに対する既知の特異的なσ1Rトレーサである3H−フルスピジンのインビトロ結合研究から外挿した。
低用量(7、15mg/kg)では、プリドピジンの効果は主にS1Rにより仲介されるが、高用量(30mg/kg及び20mg/kg)(研究1)では、プリドピジンはS1Rに結合するだけでなく、プリドピジンのより複雑な活性が、追加的な低親和性受容体への結合により開始されると推測される。
経口投与したプリドピジンは、評価したすべての用量で、良好な許容性を示した。プリドピジンとLDhとの急性併用が、パーキンソン病障害、ジスキネジア(ジストニック及び舞踏病様を含む)、並びに、持続時間及びオンタイムのクオリティに与える効果を図5〜図10に示す。
表3は、研究2のジスキネジアについて図5Aに示した6時間のデータ(経時変化)を示す。プリドピジンは、L−DOPA高値によって誘発された確実なジスキネジアを減少させる。
Figure 2020533296
プリドピジンは、MPTP病変マカクにおける、確実なL−DOPA誘発性ジスキネジアを減少させる。
プリドピジンは、LDhにより誘発されたジスキネジアの有意なかつ用量依存的な減少をもたらした。6時間にわたる経時変化を調べた結果、ジスキネジアのレベルに対する併用治療の有意な効果が明らかになったが(F(3、28)=4.981、P=0.0068)、時間(F(5、140)=0、P>0.9999)、または、治療と時間との相互作用(F(15、140)=0.9595、P=0.5011)に対する効果は明らかにならなかった(2方向、RM−ANOVA)。プリドピジンと併用した場合、LDhに応答して、観察開始後の第1の時間(20mg/kg)、及び、第1の時間と2番目の時間(30mg/kg)において、LDh−ビヒクル治療と比較して、ジスキネジアの有意な減少があった。中央値レベルは中等度と顕著との間(20mg/kg)、または、軽度と中等度との間(30mg/kg)にある(すべて、P<0.05)(表3)。観察開始後2時間にわたって累積されたジスキネジア量の評価(0〜2時間)は、プリドピジン併用治療が、LDhにより誘発されたジスキネジアのレベルに与える有意な効果を明らかにした(0〜2時間;フリードマン統計量(FS)=11.66、P=0.0087、図5B)。高用量プリドピジン(30mg/kg)を併用したLDh投与動物におけるジスキネジアの中央値レベルは、LDh−ビヒクル後に見られた中央値レベルと比較して71%減少し、中央値レベルは軽度(非障害)以下であった(P<0.01)。
図6Aの経時変化(0〜6時間)、及び図6Bの棒グラフ(0〜2時間累積)は、パーキンソン病障害のレベルを示す。プリドピジンは、L−DOPAの抗パーキンソン病効果を減少させなかった(研究2)。
表4は、図6A(研究2)に示すように、すべての用量でのプリドピジンによる追加治療の結果、L−DOPA投与動物におけるパーキンソン症候群に有意な変化がなかったことを示す。
Figure 2020533296
ジスキネジア(図5)及びパーキンソン症候群障害(図6)のレベルを6時間にわたって評価し(図5A及び図6A)、ピーク効果を0〜2時間にわたって累積した(図5B及び図6B)。データは、中央値(表3及び表4)及び個々の値(図5及び図6)である。全治療群でN=8であった。*/**/***は、P<0.05、P<0.01またはP<0.001 cf.ビヒクル処理、ホルム−シダック検定を用いた2方向RM−ANOVA(表3及び表4)、または、ダン検定を用いたフリードマン検定(図5及び図6)を表す。
研究1のデータ:研究1において、プリドピジンは、L−DOPAにより誘発されたジスキネジアを有意にかつ用量依存的に減少させた(図7A及び図7B)。図7Aは、全6時間の経間変化を示し、図7Bは、L−DOPA投与後に累積した0〜2時間の個々の動物を示す棒グラフである。この減少は、L−DOPAのオンタイムの総期間、または抗パーキンソン病効果の程度に変化がない場合に観察された。低用量のプリドピジン(7mg/kg)は、観察の最初の2時間で、L−DOPAにより得られた抗パーキンソン病効果の中等度の減少をもたらした(研究1、データは図示せず)。
プリドピジンは、L−DOPAの有益な抗パーキンソン効果を減少させなかった(図8A及び図8B)。図8Aは、全6時間の経時変化を示し、図8Bは、L−DOPA後の0〜2時間の個々の動物を示す棒グラフである。
データは、中央値(図7A、図8A)及び個々の値(図7B及び図8B)である。全治療群でN=8であった。*/**/***は、P<0.05、P<0.01またはP<0.001 cf.ビヒクル処理、ホルム−シダックPHTによる2元分散分析(図7A及び図8A)、ダンのPHTによるフリードマン検定(図7B及び図8B)を表す。参考(統計分析には含まれていないが、▲はビヒクル−ビヒクル処理に対応するデータを示す)。
L−DOPA誘発性ジストニア及び舞踏病に対するプリドピジンの効果
プリドピジンは、LDhにより誘発されたL−DOPA誘発性ジストニアのレベルを有意にかつ用量依存的な減少をもたらした。6時間にわたる経時変化を調べた結果、ジストニアのレベルに対する併用治療の有意な効果(F(3、28)=7.017、P=0.0012)が明らかとなったが、時間(F(5、140)=0、P>0.9999)、または、治療と時間との相互作用(F(15、140)=0.9735、P=0.4863)に対する効果は明らかにならなかった(2方向、RM−ANOVA、図9A、表5)。
Figure 2020533296
ns:非有意、*/**/***は、P<0.05、P<0.01またはP<0.001 cf.ビヒクル処理、ホルム−シダック検定を用いた2方向RM−ANOVA、または、ダン検定を用いたフリードマン検定を表す。
プリドピジンと併用した場合、LDhに応答して、観察開始後の第1の時間(20及び30mg/kg)、及び、第2の時間と第3の時間(30mg/kg)において、LDh−ビヒクル治療と比較して、ジストニアの有意な減少を明らかになった。中央値レベルは、中等度と顕著との間(20mg/kg)、または、軽度と中等度との間(30mg/kg)にある(すべてのP<0.05)。0〜2時間の間に累積したジストニアのレベルの評価は、LDh投与により誘発されたジストニアのレベルに対するプリドピジン併用治療の有意な効果を明らかにした(0〜2時間;フリードマン統計(FS)=11.88、P=0.0078、図9B)。高用量プリドピジン(30mg/kg)と併用したLDh投与動物におけるジストニアの中央値レベルは、LDh−ビヒクル後に見られた中央値レベルと比較して減少し(72%)、ジスキネジアの中央値レベルは軽度(非障害)以下であった(P<0.01)。
プリドピジンは、用量依存的に、L−DOPA誘発性ジストニアを有意に減少させた(研究1)。図9Cは、L−DOPA投与後の0〜2時間における累積ジストニア濃度、及びプリドピジンによる0〜2時間にわたるL−DOPA誘発性ジストニア濃度の有意なかつ用量依存的な減少を示す。
プリドピジンは、L−DOPA誘発性舞踏病を有意に減少させた。図9D(研究1)は、L−DOPA投与後の0〜2時間の累積舞踏病レベル、及びプリドピジンによる0〜2時間の期間にわたるL−DOPA誘発性舞踏病レベルの有意なかつ用量依存的な減少を示す。
研究2の動物は、低い舞踏病のベースラインレベルを示すため、舞踏病への影響を評価するために適切に出力されなかった。
プリドピジンが、持続時間とオンタイムのクオリティに及ぼす影響
プリドピジンは、オンタイムの総持続時間に変化をもたらさなかったが、LDhに関連するオンタイムのクオリティを改善した(図10;黒:「バッドな」オンタイム、白:「グッドな」オンタイム、y軸=分)。このように、プリドピジンは、L−DOPAの抗パーキンソン病効果の持続時間に対して悪い影響を与えず、むしろ、(非障害性ジスキネジア及び障害性ジスキネジアにそれぞれ関連するオンタイムの)「グッドな」または「バッドな」オンタイム・クオリティを変化させた。具体的には、6時間の観察期間にわたって評価したところ、治療の効果はなかったが(F(3、21)=1.659、P=0.2062)、オンタイムサブタイプ(「グッドな」または「バッドな」の合計;F(2、14)=18.29、P=0.0001)、及び、治療とサブタイプとの相互作用(F(6、42)=2.887、P=0.0190)は、期間とオンタイムのクオリティに対して有意な効果を奏した(2方向、RM−ANOVA、図10)。事後のホルム−シダックの分析では、LDh−ビヒクル投与後に観察されたものと比較して、いずれの用量のプリドピジンと併用しても、全てのオンタイムの持続時間、または、LDhに応答する「グッドな」オンタイム・クオリティの割合のいずれにも差異がないことが明らかになった。これとは対照的に、プリドピジンは、30mg/kg用量の投与後、ビヒクル処理と比較して、「バッドな」オンタイム・クオリティの60%の有意な減少が生じることが明らかになった(それぞれ、66分、cf.168分、P<0.01)。
考察
本研究で用いたカニクイザルを、MPTPによりパーキンソン病様にした。この投与(Johnston、2013)によって生じた病変の程度は、進行したパーキンソン病患者や、ロバストなパーキンソン症候群に罹患した一般的なMPTP病変動物において観察される程度に相当する。本研究の一部として使用されたL−DOPAの用量は、一般的には約3時間の持続時間で最大の抗パーキンソン病効果をもたらしたが、これは、L−DOPAによって誘発された運動障害(中等度以上のレベル)によって損なわれた。実際、L−DOPA効果の持続時間は、L−DOPA誘発性運動障害の持続時間と同様であった。臨床現場で投与されたL−DOPAのこれらの用量は、ヒト等価用量(HED)で補正した場合でも、MPTP病変マカクに投与された用量よりも、一般的にmg/kgベースで低かった。このことは、PD患者に投与した場合に、臨床的に関連するL−DOPA用量で達成された血漿薬物動態プロファイルと同等の血漿薬物動態プロファイルを提供することを示す(Dizdar、1999;Huot、2012)。
プリドピジンの細胞標的を種々のインビトロ結合アッセイで評価した。プリドピジンは、シグマ−1受容体に対して最も高い親和性で結合し(S1R、IC50〜100nMの結合)、上述の標的であるドーパミンD2R(IC50〜10μM)及びセロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン[5−HT]、5−HT1A、5−HT2A、及び5−HT7);アドレナリン作動性α−1、アドレナリン作動性α−2A及びα−2C;ドーパミンD3;ムスカリンM2を含むいくつかの他の中枢神経系(CNS)受容体標的(これらはすべて、中マイクロモルの範囲である)と比べて、約100倍高い親和性を示す。
評価したすべての用量(7、15、20及び30mg/kg)のプリドピジンは、良好な許容性を示した。7、15、20及び30mg/kgのプリドピジンの経口投与は、384、952、1487及び2676ng/ml(それぞれ、1.4、3.4、5.3及び9.5μMに相当する)の幾何平均Cmax値、並びに、1214、4905、8207と22987ng・h/ml(それぞれ、17.5、4.3、29.2及び81.8h*μMに相当する)のAUC0−24値と関連している。受容体の占有率は、(i)ヒト及びげっ歯類のS1R及びD2Rに対するプリドピジンの既知の結合親和性、(ii)ラット、NHP、及びヒトにおけるインビボPETイメージング、及び、(iii)様々な種における薬物動態プロファイル、を用いて評価した。効果がない低用量(7mg/kg及び15mg/kg(研究1)、並びに、影響の傾向を示したが有意ではなかった20mg/kg(研究2))の後に観察された血漿暴露は、80%を超えるS1R占有率と関連するが、約10%の占有率との低親和性ドーパミン受容体の関与は無視できると予想される。高用量(30mg/kg(研究1では20mg/kg))での血漿曝露は、S1Rを飽和させ(80%を超える占有率)、低親和性ドーパミン受容体の占有率を増加させる(約40%)と予想される。
MPTP病変NHPにおいて、高用量のプリドピジンは、L−DOPAの抗パーキンソン病効果を損なうことなく、LIDの有意なかつ有意義な減少をもたらした。複雑な薬理学が、LIDに対するプリドピジンの有効性の根底にあると考えられる。
HDで観察されたこととは対照的に、低用量のプリドピジンの投与はLIDに対して無効であったが、高用量のプリドピジンはPD−NHPモデルでのLIDの減少において有益な効果を示した。これとは対照的に、HDでは、低用量ではプリドピジンが有益であるが、高用量では有益性は認められなかった。これらの研究は、PD患者におけるLIDを含むジスキネジアとDIMDの治療のための高用量プリドピジンの使用を支持するデータを提供する。
例4:PD患者におけるLIDを治療するための療法
すでにレボドパが投与されている、LIDに罹患したヒト対象に対する追加療法としてのプリドピジン(100mg/日を超える用量、例えば、105mg/日、110mg/日、135mg/日、150mg/日、175mg/日、180mg/日、200mg/日、225mg/日、250mg/日、300mg/日、350mg/日、400mg/日)の定期的な経口投与は、LIDの症状の軽減において臨床的に有意義な利点を提供する。
この療法は、過度の副作用または治療の安全性に影響を及ぼすことなく患者を治療する上で有効である。
1.この療法は、ジスキネジア症状の改善に有効である。
2、この療法は、鎮静状態、抑うつなどの重大な副作用を伴わない。
3.この療法は、L−DOPAの抗パーキンソン病効果に影響を及ぼさない。
4.この療法は、レボドパにより誘発される「バッドな」オンタイム・クオリティを改善する。
例5:PD患者のLIDを治療するための追加療法
すでにレボドパが投与されている、LIDに罹患したヒト対象に対する追加療法としてのプリドピジン(45mg/日、90mg/日、135mg/日、または180mg/日)の定期的な経口投与は、臨床的に有意義な利点を提供し、(同量での)プリドピジン単独投与の場合よりも患者の治療においてより効果的である(少なくとも相加効果またはそれ以上の効果を提供する)。
また、この追加療法は、過度の副作用または治療の安全性に影響を及ぼすことなく患者を治療する上で有効である(少なくとも相加効果またはそれ以上の効果を提供する)。
1.この追加療法は、ジスキネジア症状の改善に有効である(少なくとも相加効果またはそれ以上の効果を提供する)。
2.この追加療法は、鎮静状態、抑うつなどの重大な副作用を伴わない。
例6:DIMDの治療
抗うつ剤、抗精神病剤、抗てんかん剤、抗菌剤、抗不整脈剤、気分安定剤、胃腸薬のうちの少なくとも1つの薬剤の投与をすでに受けているか受けたことのあるDIMDに罹患しているヒト被験者に対する追加治療として、プリドピジン(45mg/日、90mg/日、135mg/日または180mg/日)を定期的に経口投与することは、患者の治療において臨床的に有意義な利点を提供する。
この治療法はまた、過度の副作用または治療の安全性に影響を及ぼすことなく患者を治療する上で有効である。
1.この療法は、DIMDの症状の一部または全部を改善するのに有効である(少なくとも相加効果またはそれ以上の効果を提供する)。
2.この療法は、鎮静状態、抑うつなどの重大な副作用を伴わない。
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Claims (36)

  1. 薬物誘発性運動障害(DIMD)に罹患した対象を治療するための方法であって、
    前記対象を治療するのに有効な量のプリドピジンを、前記対象に定期的に投与するステップを含む、方法。
  2. 前記薬物誘発性運動障害(DIMD)は、ジスキネジアを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ジスキネジアは、レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記プリドピジンは、100〜400mg/日、112.5mg/日、125mg/日、135mg/日、150mg/日、175mg/日、180mg/日、200mg/日、225mg/日、250mg/日、300mg/日、350mg/日、または、400mg/日の用量で投与される、請求項3に記載の方法。
  5. 達成されるAUC0−24が、12、000〜60、000h・ng/ml、20、000〜60、000h・ng/ml、または、25、000〜60、000h・ng/mlである、請求項3または4に記載の方法。
  6. 前記対象は、パーキンソン病に罹患している、請求項3〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記対象は、パーキンソン病以外のパーキンソン症候群に罹患している、請求項3〜5のいずれかに記載の方法。
  8. 前記対象は、レボドパで同時に治療されている、請求項3〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記プリドピジン及び前記レボドパは同時に投与される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記プリドピジン及び前記レボドパは合剤される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記プリドピジン及び前記レボドパは、別個の医薬製剤として連続的に投与される、請求項8に記載の方法。
  12. 前記プリドピジンの量は、レボドパ治療に関連する症状を緩和または軽減するのに有効な量である、請求項3〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記症状は、異常な動き、ミオクローヌス発作、四肢の不規則動作、歩行失調、しかめ面、運動失調、ジストニア様のピークドーズジスキネジア、または、動作、手の動き若しくはバランスの維持困難である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記症状は、レボドパによって誘発されるバッドクオリティ・オンタイムである、請求項12に記載の方法。
  15. 前記プリドピジンの投与により、MDS−UPDRSまたはUDysRSで測定して、レボドパ誘発性運動障害の症状が、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、または少なくとも50%改善される、請求項12〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記プリドピジンは、経口投与により投与される、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記プリドピジンは、1日2回または1日3回投与される、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記プリドピジンは、プリドピジン塩の形態で投与される、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記プリドピジン塩は、プリドピジン塩酸塩である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記プリドピジンは、プリドピジンHClの形態で、200mg/日の用量で投与される、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
  21. 前記プリドピジンは、プリドピジンHClの形態で、300mg/日の用量で投与される、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
  22. 前記プリドピジンは、プリドピジンHClの形態で、350mg/日の用量で投与される、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
  23. 前記プリドピジンは、プリドピジンHClの形態で、400mg/日の用量で投与される、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
  24. 前記プリドピジンは、1日2回、等用量で投与される、請求項20〜23のいずれかに記載の方法。
  25. 達成されるAUC0−24が、25、000〜60、000h・ng/mlである、請求項1〜24のいずれかに記載の方法。
  26. 前記薬物誘発性運動障害(DIMD)は、抗うつ剤、抗精神病剤、抗てんかん剤、抗菌剤、抗不整脈剤、気分安定剤、胃腸薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される薬物によって誘発される、請求項1に記載の方法。
  27. 前記薬物誘発性運動障害(DIMD)は、パーキンソン症候群、遅発性ジスキネジア、舞踏病、ジストニア、振戦、静座不能、アテトーシス、ミオクローヌス、またはチックから選択される、請求項1に記載の方法。
  28. 前記薬物誘発性運動障害(DIMD)は、遅発性ジスキネジアまたは薬物誘発性ジストニアである、請求項27に記載の方法。
  29. 前記プリドピジンは、45mg/日、90mg/日、100mg/日、112.5mg/日、125mg/日、135mg/日、150mg/日、175mg/日、180mg/日、200mg/日、225mg/日、250mg/日、300mg/日、350mg/日、または、400mg/日の用量で投与される、請求項26〜28のいずれかに記載の方法。
  30. 前記プリドピジンは、1日2回、等用量で投与される、請求項26〜29のいずれかに記載の方法。
  31. パッケージであって、
    (a)所定量のプリドピジンを含有する医薬組成物と、
    (b)薬物誘発性運動障害(DIMD)に罹患した対象を治療するための前記医薬組成物の使用に関する説明書と、
    を備えた、パッケージ。
  32. パッケージであって、
    (a)所定量のプリドピジン、及び薬学的に許容される担体を含有する第1の医薬組成物と、
    (b)所定量の第2の化合物、及び薬学的に許容される担体を含有する第2の医薬組成物と、任意選択で、
    (c)薬物誘発性運動障害(DIMD)に罹患した対象を治療するための前記第1の医薬組成物及び前記第2の医薬組成物の併用使用に関する説明書と、
    を備えた、パッケージ。
  33. 前記薬物誘発性運動障害は、レボドパ誘発性ジスキネジアである、請求項31または32に記載のパッケージ。
  34. レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)を発症するリスクのある対象を治療するための方法であって、
    レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)の発症を遅延させるか、またはレボドパ誘発性ジスキネジア(LID)を発症するリスクを低下させるのに有効な量のプリドピジンを、前記対象に定期的に投与するステップを含む、方法。
  35. 前記対象は、パーキンソン病の治療のためのレボドパの投与を受けている、請求項34に記載の方法。
  36. 前記対象は、パーキンソン病以外のパーキンソン症候群の治療のためのレボドパの投与を受けている、請求項34に記載の方法。
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